(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100381
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】申請システム、申請方法、外部記憶装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20230711BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001009
(22)【出願日】2022-01-06
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡村 隆生
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】申請書等の書類に関し他人によるなりすましを抑制できる申請システムを提供すること。
【解決手段】申請書に基づく申請データを作成する画像処理装置と外部記憶装置とがネットワークを介して通信する申請システムであって、申請書を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、ICカードからICカードの識別情報を取得するICカード情報取得部と、前記画像データに含まれる電子透かしデータを取得する電子透かしデータ取得部と、予め前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報と、受信した前記ICカードの識別情報とに応じて本人を認証するICカード管理部と、前記本人の認証結果を前記画像処理装置に送信する第二の通信部と、を有し、前記画像処理装置は前記本人の認証が成功でない旨を受信した場合、前記申請データの作成を終了する。
【選択図】
図29
【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請書に基づく申請データを作成する画像処理装置と外部記憶装置とがネットワークを介して通信する申請システムであって、
前記画像処理装置は、
申請書を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、
ICカードからICカードの識別情報を取得するICカード情報取得部と、
前記画像データに含まれる電子透かしデータを取得する電子透かしデータ取得部と、
前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報と、前記ICカードの識別情報を前記外部記憶装置に送信する第一の通信部と、を有し、
前記外部記憶装置は、
前記申請書の識別情報と前記ICカードの識別情報を受信した場合、予め前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報と、受信した前記ICカードの識別情報とに応じて本人を認証するICカード管理部と、
前記本人の認証結果を前記画像処理装置に送信する第二の通信部と、を有し、
前記画像処理装置は前記本人の認証が成功でない旨を受信した場合、前記申請データの作成を終了する申請システム。
【請求項2】
前記画像処理装置は、
前記ICカード情報取得部が前記ICカードの識別情報を取得する前に、
前記画像処理装置に入力されたパスワードと前記ICカードの識別情報を前記外部記憶装置に送信し、前記外部記憶装置から前記パスワードと前記ICカードの識別情報に基づく認証結果を受信する認証処理部を有し、
前記画像処理装置に前記パスワードが省略される旨が設定されている場合、前記認証処理部は前記パスワードの入力なしに、ICカードに基づく認証が成功したとみなすことを特徴とする請求項1に記載の申請システム。
【請求項3】
前記外部記憶装置は、
前記申請書の識別情報に前記申請書の申請状態を対応付けて管理する申請管理部を有し、前記申請書の申請状態は、前記申請書の一度の印刷で無効になるものであり、
前記申請管理部は前記画像処理装置から受信した前記申請書の申請状態を前記画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、前記申請書の申請状態が無効でない場合に前記申請データの作成を受け付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の申請システム。
【請求項4】
前記画像処理装置は、
前記申請書に基づいて設定された前記申請データを用紙に印刷する印刷部と、
前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報を指定して、前記申請書の申請状態の無効化を要求する無効要求部と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の申請システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、
前記申請書の申請状態の無効化を要求した場合、新たな前記申請書の識別情報を前記外部記憶装置に要求する申請ID要求部を有し、
前記印刷部は、前記申請ID要求部が取得した前記新たな前記申請書の識別情報を含む電子透かしを前記用紙に印刷することを特徴とする請求項4に記載の申請システム。
【請求項6】
前記画像処理装置は、
前記申請書の書式の識別情報と書式情報が対応付けられている書式情報記憶部を参照し、
前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の書式の識別情報に対応付けられている書式情報に基づいて、前記申請書の入力項目を表示する書式表示部を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の申請システム。
【請求項7】
前記画像処理装置は、
プログラムの識別情報とプログラムが対応付けられているプログラム情報記憶部を参照し、
前記電子透かしデータに含まれる前記プログラムの識別情報に対応付けられているプログラムを起動するプログラム起動部を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の申請システム。
【請求項8】
前記原稿読取部が、前記印刷部が印刷した前記用紙を読み取った場合、
前記第一の通信部は、前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報を前記外部記憶装置に送信し、
前記申請管理部は、前記画像処理装置から受信した前記申請書の識別情報に対応付けられている申請状態を前記画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、前記申請書の申請状態が未申請であることを前記用紙の受理の条件とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の申請システム。
【請求項9】
前記画像処理装置は、
前記用紙に記載された前記申請データを文字認識する文字認識部を有し、
前記第一の通信部は、前記用紙の前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報と文字認識で得た第一の個人情報を前記外部記憶装置に送信し、
前記外部記憶装置は、
前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報を特定し、該ICカードの識別情報に対応付けられている第二の個人情報を取得し、第一の個人情報と第二の個人情報が一致するかを判断する個人情報管理部を有し、
前記第二の通信部は、第一の個人情報と第二の個人情報が一致するか否かの判断結果を前記画像処理装置に送信することを特徴とする請求項8に記載の申請システム。
【請求項10】
前記第一の通信部が、第一の個人情報と第二の個人情報が一致しない旨の判断結果を受信した場合、
文字認識された前記個人情報になりすましの可能性がある旨を添付して、前記申請データを保存する申請データ登録部を有することを特徴とする請求項9に記載の申請システム。
【請求項11】
申請書に基づく申請データを作成する画像処理装置と外部記憶装置とがネットワークを介して通信する申請システムであって、
申請書を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、
ICカードからICカードの識別情報を取得するICカード情報取得部と、
前記画像データに含まれる電子透かしデータを取得する電子透かしデータ取得部と、
予め前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報と、ICカードから取得された前記ICカードの識別情報とに応じて本人を認証するICカード管理部と、を有し、
前記画像処理装置は前記本人の認証が成功しない場合、前記申請データの作成を終了する申請システム。
【請求項12】
申請書に基づく申請データを作成する画像処理装置と外部記憶装置とがネットワークを介して通信する申請システムが行う申請方法であって、
前記画像処理装置は、
原稿読取部が、申請書を読み取り画像データを生成するステップと、
ICカード情報取得部が、ICカードからICカードの識別情報を取得するステップと、
電子透かしデータ取得部が、前記画像データに含まれる電子透かしデータを取得するステップと、
第一の通信部が、前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報と、前記ICカードの識別情報を前記外部記憶装置に送信するステップと、
前記外部記憶装置は、
前記申請書の識別情報と前記ICカードの識別情報を受信した場合、ICカード管理部が、予め前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報と、受信した前記ICカードの識別情報とに応じて本人を認証するステップと、
第二の通信部が、前記本人の認証結果を前記画像処理装置に送信するステップと、を有し、
前記画像処理装置は前記本人の認証が成功でない旨を受信した場合、前記申請データの作成を終了する申請方法。
【請求項13】
申請書を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、
ICカードからICカードの識別情報を取得するICカード情報取得部と、
前記画像データに含まれる電子透かしデータを取得する電子透かしデータ取得部と、
前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報と、前記ICカードの識別情報を外部記憶装置に送信する第一の通信部と、を有し、
申請書に基づく申請データを作成する画像処理装置とネットワークを介して通信する外部記憶装置であって、
前記申請書の識別情報と前記ICカードの識別情報を受信した場合、予め前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報と、受信した前記ICカードの識別情報とに応じて本人を認証するICカード管理部と、
前記本人の認証結果を前記画像処理装置に送信する第二の通信部と、を有し、
前記画像処理装置は前記本人の認証が成功でない旨を受信した場合、前記申請データの作成を終了する外部記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、申請システム、申請方法、及び、外部記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
区役所や市役所などの自治体から申請書(例えば年金申請用書類)が自宅に届いた場合、申請者は申請書に記入を行い、郵送したり自治体の窓口で手続きしたりする。
【0003】
このような申請に関する作業を支援する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、登録された個人情報から、個人情報を書類の書式に反映させて印刷する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、申請書が第三者の手に渡った場合に、この第三者が本人になりすますことができるという問題があった。例えば、第三者は、入手した申請書の住所を自分の住所に変更することで申請の対象物(年金等)の郵送先を第三者に変更できてしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、申請書等の書類に関し他人によるなりすましを抑制できる申請システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、申請書に基づく申請データを作成する画像処理装置と外部記憶装置とがネットワークを介して通信する申請システムであって、
前記画像処理装置は、
申請書を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、ICカードからICカードの識別情報を取得するICカード情報取得部と、前記画像データに含まれる電子透かしデータを取得する電子透かしデータ取得部と、前記電子透かしデータに含まれる前記申請書の識別情報と、前記ICカードの識別情報を前記外部記憶装置に送信する第一の通信部と、を有し、
前記外部記憶装置は、
前記申請書の識別情報と前記ICカードの識別情報を受信した場合、予め前記申請書の識別情報に対応付けられている前記ICカードの識別情報と、受信した前記ICカードの識別情報とに応じて本人を認証するICカード管理部と、前記本人の認証結果を前記画像処理装置に送信する第二の通信部と、を有し、前記画像処理装置は前記本人の認証が成功でない旨を受信した場合、前記申請データの作成を終了する。
【発明の効果】
【0007】
申請書等の書類に関し他人によるなりすましを抑制できる申請システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】従来の申請書の作成方法を説明する図の一例である。
【
図3】電子透かしを用いた申請方法の概略を説明する図である。
【
図4】電子透かしとICカードを用いた申請方法の概略を説明する図である。
【
図5】電子透かしが保持する情報と、ICカードが保持する情報の一例を示す図である。
【
図7】画像処理装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図8】外部記憶装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図9】申請システムが有する画像処理装置、及び、外部記憶装置の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【
図10】本実施形態で扱われるデータ構造を説明する図である。
【
図11】電子透かしデータの内容を模式的に示す図である。
【
図12】画像処理装置が記憶するデータを模式的に示す図である。
【
図13】外部記憶装置に格納されているデータ構造について説明する図である。
【
図15】申請書の書式データの一例を示す図である。
【
図16】書式データのCodeテーブルの一例を示す図である。
【
図17】画像処理装置に表示される選択肢と出力書式の一例を説明する図である。
【
図18】申請書の記入内容に変更がない場合の申請書の申請方法を説明する図である。
【
図19】申請書の記入内容に変更がある場合の申請書の申請方法を説明する図である。
【
図20】なりすましを防ぐための処理概要を説明する図である。
【
図22】外部記憶装置先設定が押下された場合に表示される外部記憶装置先設定欄の一例を示す図である。
【
図23】プログラム設定が押下された場合に表示されるダウンロード先設定欄の一例を示す図である。
【
図24】ダウンロードボタンが押下された場合に表示されるプログラム一覧を示す図である。
【
図25】実行処理時に操作パネルに表示される処理実行画面の一例を示す図である。
【
図26】申請用プログラム起動ボタンが押下された場合に表示されるプログラム一覧画面の一例を示す図である。
【
図27】申請システムの全体的な処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図28】初期設定処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図29】ICカード認証による変更無し申請について説明する図である。
【
図31】申請者が申請書を印刷して申請する処理を説明する図である。
【
図33】郵送された申請書のなりすましを防ぐ処理として、自治体の画像処理装置が行う処理について説明する図である。
【
図35】画像処理装置の処理の概要を示すフローチャート図の一例である。
【
図36】プログラム起動部がプログラムを起動する処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図37】パスワード省略機能の処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図38】認証処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図39】データ入力機能の処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図40】申請登録に関する処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図41】
図39の入力書式を取得する処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図42】データ出力処理について説明するフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、申請システム及び申請システムが行う申請方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<従来の申請方法の概要>
本実施形態について説明する前に、従来の申請書の作成方法について説明する。
図1は従来の申請書の作成方法を説明する図の一例である。従来、申請者9が申請書を提出する場合、申請書に必要事項を記入して、郵送又は窓口で提出を行う。
(1) 自治体から申請書が郵送される。
(2) 申請者9が必要事項を記入する。
(3) 申請者9が申請書を郵送するか又は窓口に提出する。
【0011】
しかし、例えば年金申請用書類が申請書である場合、住所等に変更がなくても、同じ申請書の書式にしたがって、毎回同じ必要事項を手書きで繰り返している。また、送付された申請書が第三者に渡ると、第三者は自分の住所で申請できるのでなりすましができてしまう。
図2を参照して説明する。
【0012】
図2は、申請時の課題を説明する図である。
(1) 例えば、申請者9に郵送されるはずだった申請書が第三者の手に渡る。
(2) 第三者は申請者9になりすますために住所などを書き換える。
(3) 第三者は申請書を郵送するか又は窓口に提出する。
(4) 第三者が書き換えて申請した申請書が自治体に受理されるとなりすましが行われたことになる。
【0013】
<本実施形態の申請方法の概略>
そこで、本実施形態では、申請書に電子透かしが形成されている。申請者9は電子透かしを有する申請書を画像処理装置に読み取らせる。画像処理装置は電子透かしを検知し、電子透かしにより特定されるプログラムを動かす。画像処理装置は、電子透かしで特定される申請ID等に基づいて必要事項を、インターネット等を通して取得して、記入を促す。
図3を用いて説明する。
【0014】
図3は、電子透かしを用いた申請方法の概略を説明する図である。
(1) 自治体から電子透かし付きの申請書が郵送される。
(2) 申請者9が申請書を画像処理装置で読み取らせる。
(3) 申請書には郵送先住所(申請者9の住所)と申請データの書式が電子透かしで埋め込まれており、画像処理装置は入力項目を表示する。申請者9は、タッチパネル等から住所等を設定できる。
【0015】
あるいは、申請者は、ICカードを利用することで、入力作業を低減してもよい。
【0016】
図4は、電子透かしとICカードを用いた申請方法の概略を説明する図である。
図4では、画像処理装置がICカードリーダーを有している。
【0017】
(1) 自治体から電子透かし付きの申請書が郵送される。
【0018】
(2) 申請者9が申請書を画像処理装置で読み取らせる。
【0019】
(3) 申請者9が個人情報として所有しているマイナンバーカードをICカードとして、ICカードリーダーに読み取らせる。画像処理装置は、ICカードに対応付けられているICカードの所有者の個人情報を得る事ができる。
【0020】
(4) 画像処理装置が電子透かしに基づいて入力項目を自機又はインターネットから取得し、操作パネルに表示する。例えば、申請書には郵送先住所と申請書式データが電子すかしにより埋め込まれている。画像処理装置は、電子透かしを検知し、電子透かしに基づいて申請書に記載する項目が同じか、あるいは申請書に類似した必要事項をインターネットから取得する。また、画像処理装置は、電子透かしに基づいて郵送先の住所も取得する。
【0021】
(5) 画像処理装置は、マイナンバーカードに付随する情報として住所をICカード又はインターネットから取得して、申請書の電子透かしにより取得された住所とを比較する。画像処理装置は、住所が一致した場合、郵送先の申請者9と、画像処理装置を操作する申請者9が同一であると判断し、申請者9の認証が成功したとみなせる。この判断は後述する外部記憶装置が行ってもよい。
【0022】
(6) 画像処理装置は、マイナンバーカードに付随する住所、又は、電子透かしにより取得された住所を、入力項目に設定する。
【0023】
このように、本実施形態の申請方法では、申請者9が毎回、同じ個人情報を手書きしたり入力したりすることを抑制でき、また、ICカードと電子透かしにより個人の認証が行われているので、第三者によるなりすましを抑制できる。
【0024】
また、この場合、申請者9は、入力項目に何も入力しなくても(無記載)、申請書を印刷できる。ICカードと電子透かしにより個人の認証が行われているので、申請書が自治体に郵送されたり、ネットワーク経由で申請データが送信されたりすれば、本人からの変更なしの申請であるとみなしてよいためである。
【0025】
図5を参照して補足する。
図5は、電子透かしが保持する情報と、ICカードが保持する情報の一例を示す。申請書の電子透かしには、送信先の住所等の申請者9に関連する情報、及び、申請書の書式について示す文書書式等が格納されている。この情報を画像処理装置が読み取ることで、操作パネルに申請に必要な入力項目を表示させることができる。
【0026】
ICカードは、各種の個人情報又は個人情報に紐付く情報を保持している。画像処理装置は、申請書に記入を行う際、ICカードから個人情報を取得して、入力項目に設定できる。
【0027】
<用語について>
なりすましとは、ある人が別の人を詐称してシステムを利用したり、あるいは第三者とコミュニケーションしたりする行為などをいう。
【0028】
電子透かしとは、一般に見た目には分からないが、検出ソフトを使用することで取り出すことができる紙面に配置された情報である。例えば、紙面をマスに区切り、マス内のどこにドットがある/ない等により情報を埋め込む。電子透かしには各種の仕組みが提案されており、本実施形態では仕組みは問わない。
【0029】
申請書とは、希望や許可などを願い出る時に提出する書類のことをいう。申請書は、申込書、願書等と呼ばれていてよい。
【0030】
申請データは、申請書に手書きされた必要事項、又は、画像処理装置が自動で入力又はユーザーが入力した必要事項である。
【0031】
電子透かしと共に又は別に、二次元コードやバーコードが配置されてもよいが、二次元コードやバーコードは、存在が見えてしまい、改ざんされやすいというデメリットがある。
【0032】
ICカードは、情報の記録や演算をするために集積回路を組み込んだカード型の記録媒体をいう。ICカードはスマートフォンや携帯電話などに内蔵されていてもよい。
【0033】
<システム構成例>
図6は、申請システム100の概略構成図の一例である。申請システムは、ネットワークを介して通信しうる画像処理装置10A,10B、及び、外部記憶装置30を有している。
【0034】
画像処理装置10Aは申請書の申請を受け付ける施設に設置された画像処理装置10である。画像処理装置10Bは自治体などに設置された画像処理装置10である。施設は、申請書を受け付ける自治体、教育機関等であり、特に制限がない。
【0035】
画像処理装置10は、少なくともスキャナ機能を有している機器又は装置であればよい。画像処理装置10は、一例として複合機と呼ばれる機器である。複合機とは、スキャナ機能に加え、プリンタ機能、コピー機能、及び、ファクス機能等、複合的な機能を有する機器又は装置の名称である。また、複合機は、MFP(Multi-Function Peripheral)、複写機、コピー機などと呼ばれていてもよい。また、コンピュータにスキャナが外付けされていたり、デジタルカメラが撮像した画像データをコンピュータが取得したりしてもよい。スマートフォンが画像処理装置10となりうる。また、画像処理装置10は申請書に関する情報を受け付けるタッチパネルを有してよい。
【0036】
画像処理装置10Aは申請者9が使用する画像処理装置10であり、画像処理装置10Bは自治体などで申請受理者が使用する画像処理装置10である。以下では、画像処理装置10A,10Bのうち、任意の画像処理装置10を単に「画像処理装置10」という。
【0037】
外部記憶装置30は一台以上の情報処理装置である。具体的には、外部記憶装置30は、PC(Personal Computer)、サーバ装置、又はワークステーションなどでよい。外部記憶装置30は、各申請書の入力フォーマット等を保持している。外部記憶装置30を画像処理装置10が有していてもよい。また、外部記憶装置30は、オンプレミスに存在してもクラウド上に存在してもよい。
【0038】
<ハードウェア構成例>
<<画像処理装置>>
図7は、画像処理装置10の一例のハードウェア構成図である。
図7に示されているように、画像処理装置10は、コントローラ910、ICカードリーダー920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0039】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0040】
これらのうち、CPU901は、画像処理装置10の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0041】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0042】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、プリンタ部932、及びファクシミリ部との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906は、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを有していてよい。
【0043】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0044】
また、ICカードリーダー920にはアンテナ920aが備わっている。ICカードリーダー920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0045】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931、プリンタ部932及びファクシミリ部933を有している。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像処理装置10全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0046】
なお、画像処理装置10は、操作パネル940のアプリ切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時には、画像処理装置10はドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0047】
また、ネットワークI/F950は、ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。ICカードリーダー920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0048】
<<外部記憶装置>>
図8は、外部記憶装置30の一例のハードウェア構成を示す図である。
図8に示されているように、外部記憶装置30はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0049】
これらのうち、CPU501は、外部記憶装置30全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図8に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0050】
また、キーボード511は、文字、数値、又は各種指示などの入力に使用される複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、光記憶媒体513は、CD、DVD、Blu-Ray等でよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0051】
<機能について>
図9は、申請システム100が有する画像処理装置10、及び、外部記憶装置30の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0052】
<<画像処理装置>>
画像処理装置10は、通信部11、原稿読取部12、電子透かしデータ取得部13、書式表示部14、プログラム起動部15、ICカード情報取得部16、本人確認部17、認証処理部18、操作受付部19、文字認識部20、無効要求部21、申請ID要求部22、印刷部23、書類作成部24、及び、申請データ登録部25、を有する。画像処理装置10が有するこれらの機能は、HD909に記憶されたプログラムをCPU901が実行し画像処理装置10の各構成要素を制御することで実現される。
【0053】
通信部11は、外部記憶装置30と各種の情報を送受信する(第一の通信部の一例)。
【0054】
原稿読取部12は、スキャナにより原稿を読み取って原稿(申請書)の画像データを生成する。
【0055】
電子透かしデータ取得部13は、申請書の画像データから電子透かしを検知し、電子透かしがある場合は電子透かしデータを取得する。
【0056】
書式表示部14は、電子透かしデータに含まれる書式IDに基づいて、書式情報記憶部1001から書式データを取得し、操作パネルに表示する。
【0057】
プログラム起動部15は、電子透かしデータに含まれる起動プログラムIDに基づいて、プログラム情報記憶部1004からプログラムを取得し、起動させる。
【0058】
ICカード情報取得部16は、ICカードリーダーを制御してICカードからICカード情報を取得する。
【0059】
本人確認部17は、電子透かしデータとICカード情報の比較を外部記憶装置30に要求するか、又は、この自身が比較を行うことで、本人確認を行う。
【0060】
認証処理部18は、ICカードに設定されたパスワードの入力を受け付けて、ICカードに記憶されている情報の使用を許可するか否かを判断する。
【0061】
操作受付部19は、書式データに対する入力を含む、画像処理装置10に対する各種の操作を受け付ける。
【0062】
文字認識部20は、画像データにOCR(Optical Character Reader)処理を行い、文字認識する。
【0063】
無効要求部21は、電子透かしデータに含まれる申請IDの無効を外部記憶装置30に要求する。
【0064】
申請ID要求部22は、申請IDが無効にされた申請書について、新規の申請IDの割当を外部記憶装置30に要求する。
【0065】
印刷部23は、申請データを用紙に印刷する。印刷する場合、郵送用の用紙の印刷と窓口に提出する用紙の印刷がある。
【0066】
書類作成部24は、電子透かしデータに含まれる書式IDに対応付けられた書式データを特定し、書式データにOCR結果を反映させて申請データを作成する。
【0067】
申請データ登録部25は、文字認識された個人情報を含む申請データを自機やネットワーク上の記憶手段に保存する。
【0068】
また、画像処理装置10は、HD909等に構築される記憶部1000を有している。記憶部1000は、書式情報記憶部1001、申請情報記憶部1002、個人情報記憶部1003、プログラム情報記憶部1004、及び、固有情報記憶部1005を有している。
【0069】
図10は、本実施形態で扱われるデータ構造を説明する図である。
図10(a)は、ICカードが記憶するデータを示す。ICカードはICカードIDと個人情報を有する。詳細は、
図14にて説明する。
【0070】
図10(b)は、電子透かしが記憶する電子透かしデータを示す。電子透かしは、アクセス先、アクセス先認証データ、申請ID、書式ID、起動プログラムIDを有する。申請書の電子透かしに埋め込まれているデータについては、
図11にて説明する。
【0071】
図10(c)は、画像処理装置10が記憶するデータを示す。画像処理装置10は、MFP固有ID、書式テーブル、申請IDテーブル、ICカードテーブル、個人情報テーブル、書式テーブル、プログラムテーブルを有する。画像処理装置10が記憶するデータについては、
図12にて説明する。
【0072】
図10(d)は、外部記憶装置30が記憶するデータを示す。外部記憶装置30は、アクセス権テーブル、書式テーブル、申請テーブル、ICカードテーブル、個人情報テーブル、プログラムテーブルを有する。外部記憶装置30に記憶されているデータについては、
図13にて説明する。
【0073】
図11は、電子透かしデータを模式的に示す。これらは電子透かしを検知できる装置で読み取られた時に取得される。
・アクセス先は、画像処理装置10がアクセスする外部記憶装置30を示すURLである。
・アクセス認証は、外部記憶装置30へのアクセス時に利用される認証情報である。
・申請IDは、申請を識別する識別情報である。
・書式IDは、書式を識別する識別情報である。
・起動プログラムIDは、申請書が読み取られた時に起動させるプログラムを指定するプログラムの識別情報である。
【0074】
図12は、画像処理装置10が記憶するデータを模式的に示す。
図12(a)は、書式テーブルを示す。書式テーブルは書式IDによって関連づけられた、書式データのファイルを示す情報を格納している。書式テーブルは、書式ID、書式種類、書類データの各項目を有している。
【0075】
図12(b)は、申請テーブルを示す。申請テーブルは、申請IDによって申請状態と前申請IDと関連づけられており、申請IDの有効無効の情報を格納している。申請テーブルは、申請ID、申請状態、前申請ID、申請状態の各項目を有している。
【0076】
図12(c)は、個人情報テーブルを示す。個人情報テーブルは、ICカードIDと関連づけられた、対象者の個人情報を格納している。個人情報テーブルは、ICカードID、名前、住所、性別の各項目を有している。
【0077】
図12(d)は、プログラムテーブルを示す。プログラムテーブルは、プログラムIDと関連づけられた、プログラムデータの格納先を示す情報を格納している。プログラムテーブルは、プログラムID、プログラムデータ,プログラム名称の各項目を有している。
【0078】
図12(e)は、固有IDを示す。固有IDは、画像処理装置10各自がもつユニークなIDで申請先や出力先等を知る情報として格納される。
【0079】
<<外部記憶装置>>
図9に戻って説明する。外部記憶装置30は、通信部31、個人情報管理部32、プログラム管理部33、書式管理部34、ICカード管理部35、申請管理部36、及び、アクセス権管理部37、を有する。外部記憶装置30が有するこれらの機能は、
図8に示したHD504記憶されたプログラムをCPU501が実行し外部記憶装置30の各構成要素を制御することで実現される。
【0080】
通信部31は、画像処理装置10と各種の情報を送受信する(第二の通信部の一例)。
【0081】
個人情報管理部32は、個人情報記憶部3006を管理しており、個人情報テーブルからの情報の取得及び個人情報テーブルへの情報の保存を行う。個人情報管理部32は、個人情報テーブルを使用した処理を行う。
【0082】
プログラム管理部33は、プログラム情報記憶部3005を管理しており、プログラムテーブルからの情報の取得及びプログラムテーブルへの情報の保存を行う。プログラム管理部33は、プログラム情報テーブルを使用した処理を行う。
【0083】
書式管理部34は、書式情報記憶部3004を管理しており、書式テーブルからの情報の取得及び書式テーブルへの情報の保存を行う。書式管理部34は、書式テーブルを使用した処理を行う。
【0084】
ICカード管理部35は、ICカード情報記憶部3003を管理しており、ICカードテーブルからの情報の取得及びICカードテーブルへの情報の保存を行う。ICカード管理部35は、ICカードテーブルを使用した処理を行う。
【0085】
申請管理部36は、申請情報記憶部3002を管理しており、申請テーブルからの情報の取得及び申請テーブルへの情報の保存を行う。申請管理部36は、申請テーブルを使用した処理を行う。
【0086】
アクセス権管理部37は、アクセス権情報記憶部3001を管理しており、アクセス権テーブルからの情報の取得及びアクセス権テーブルへの情報の保存を行う。アクセス権管理部37は、アクセス権テーブルを使用した処理を行う。
【0087】
また、外部記憶装置30は
図8に示したHD504等に記憶部3000を構築しており、記憶部3000は、アクセス権情報記憶部3001、申請情報記憶部3002、ICカード情報記憶部3003、書式情報記憶部3004、プログラム情報記憶部3005、及び、個人情報記憶部3006を有している。
【0088】
図13は、外部記憶装置30に格納されているデータ構造について説明する図である。外部記憶装置30は、画像処理装置10に展開する各種のデータを格納している。
【0089】
図13(a)は、書式情報と対応付けられている書式テーブルを示す。書式テーブルは書式IDによって関連づけられた、書式情報のファイルを示す情報を格納している。書式テーブルは、書式ID、書式種類、書式データの各項目を有している。
【0090】
図13(b)は、プログラムテーブルを示す。プログラムテーブルは、プログラムIDと関連づけられた、プログラムデータの格納先を示す情報を格納している。プログラムテーブルは、プログラムID、プログラムデータ、プログラム名称の各項目を有している。
【0091】
図13(c)は、申請テーブルを示す。申請テーブルは、申請IDによって申請状態と前申請IDと関連づけられており、申請IDの有効無効の情報と申請されたデータを格納している。またICカード認証で認証された場合はICカード固有ID、画像処理装置10からの申請だった場合は固有IDを格納する。申請テーブルは、申請ID、申請状態、前申請ID、固有ID、ICカード固有ID、申請データの各項目を有する。
【0092】
図13(d)は、個人情報テーブルを示す。個人情報テーブルは、ICカードIDと関連づけられた、対象者の個人情報を格納している。個人情報テーブルは、ICカードID、名前、住所、性別の各項目を有している。
【0093】
図13(e)は、ICカードテーブルを示す。ICカードテーブルはICカードIDと関連づけられた、ICカード内部のデータ読み出しのためのパスワードを有する。ICカードテーブルは、ICカードID、申請ID、ICパスワードの各項目を有している。
【0094】
図13(f)は、アクセス権テーブルを示す。アクセス権テーブルは、UserIDとパスワードの各項目を有している。
【0095】
図14は、ICカードのデータ構造を示す図である。ICカードには、ICカード固有のICカードIDと、所有者の個人情報が格納されている。ICカードには、ICカードに関連づけられたパスワード等のセキュリティ(暗号化)が施されており、パスワードで認証がなされることで画像処理装置が個人情報を読み出せる。また、ICカードは、ICカード自身の固有IDとしてユニークIDを持つ。
【0096】
なお、ICカードがマイナンバーカードの場合、氏名や住所などの個人情報そのものは記憶されていない。ICチップに住民票コードが住基APとして保存されており、住民票コードに対応付けられている住所や氏名を画像処理装置が外部記憶装置30等から取得する。
【0097】
なお、実施例として、マイナンバーを例として記述しているが、ICカードに保存又は紐付いている情報については、認証可能な情報と申請に必要な情報に関連づけられていれば他のICカードの利用も可能である。
【0098】
図15は、申請書の書式データの一例を示す。
図15では、申請書の書式の一例として、姓名、住所、生年月日の項目があり各項目にはCode(0001~0006)が振られている。申請書にデータが反映される際はこれらのCodeを元に関連づけられる。Codeのテーブルについては
図16に記載する。
【0099】
図16は、書式データのCodeテーブルを示す。申請書に入力されたデータは、Codeテーブルに基づいて名称と関連コードが判断される。例えば、入力書式に0005:生年があれば、出力書式の0005生年に関連づけて反映される。関連コードは、項目間の関連を表す。
【0100】
図17(a)は、画像処理装置10に表示される選択肢を説明する図である。
図17は、例えば、Codeが「0003:住所」の選択肢一覧を画像処理装置10が表示する際の選択テーブルになる。入力書式で0003のCodeがあると
図17(a)の選択テーブルから選択が可能になる。
【0101】
図17(b)は、出力書式の一例を示す。出力書式は、印刷時にもネットワークを介した申請時にも利用される。入力書式と異なるのは固有IDとユニークIDが記載される点である。
【0102】
<本実施形態の処理の説明>
続いて、
図18を参照して、本実施形態において、申請書の記入内容に変更がない場合申請書の申請方法を説明する。
図18は、申請書の記入内容に変更がない場合の申請書の申請方法を説明する図である。
【0103】
(1) 送付元でかつ郵送先でもある自治体は、申請書に電子透かし(前回入力と同じ内容)を埋め込み、送付を行う。
【0104】
(2) 申請者9は内容に変更がなければ無記入のまま郵送する。
【0105】
(3) 自治体は画像処理装置10Bで申請書を読み取り、前回と同じ内容で申請されたとして受理する。
【0106】
次に、
図19は、申請書の記入内容に変更がある場合の申請書の申請方法を説明する図である。
【0107】
(1) 送付元でかつ郵送先でもある自治体は、申請書に電子透かし(前回入力と同じ内容)を埋め込み、送付を行う。
【0108】
(2) 申請者9は画像処理装置10で申請書を読み取り、電子透かしデータを取得する。
【0109】
(3) 申請者はICカードを画像処理装置10に読み取らせ、認証させる。
【0110】
(4) 画像処理装置10は電子透かしから、申請書の書式や申請に必要なデータを取得する。申請者9が記載すべき個人情報は、ICカードから読み取られた個人情報を元に自動で入力される。
【0111】
(5) 画像処理装置10はネットワークを介して申請データを送信する。郵送の場合、郵送用の申請書を画像処理装置10が出力し、当初の申請書の電子透かしを無効化する。申請者が出力された申請書を郵送することで変更申請することができる。
【0112】
次に、
図20は、なりすましを防ぐための処理概要を説明する図である。
【0113】
(1) 送付元でかつ郵送先でもある自治体は、申請書に電子透かし(前回入力と同じ内容)を埋め込み送付を行う。
【0114】
(2) 第三者8が申請書を横取りし、申請書の住所を変更し、自治体に郵送する。
【0115】
(3) 自治体は、電子透かしがある申請書は変更無しとして受け付ける(なりすましできない)。あるいは、印刷により申請書が無効化されているので、受理されない。したがって、自治体は、なりすましを抑制できる。
【0116】
<初期設定画面に対する設定>
続いて、
図21等を参照して、初期設定画面110を使用した初期設定について説明する。
図21は、初期設定画面110の一例である。以下、初期設定画面110の各項目を説明する。
【0117】
・外部記憶装置先設定111は、外部記憶装置30のURLを設定するボタンである。詳細を
図22にて説明する。
【0118】
・プログラム設定112は、電子透かしに関連づけられたプログラムを設定するボタンである。詳細を
図23にて説明する。
【0119】
・ICカード認証データ/パスワード113は、自機側にICカード認証確認データとICカードに付随するパスワードを関連づけたデータを設定するボタンである。
【0120】
・入出力書式設定114は、入力書式や出力書式に関するデータを設定するボタンである。
【0121】
図22は、外部記憶装置先設定111が押下された場合に表示される外部記憶装置先設定欄120を示す。管理者は外部記憶装置30へ画像処理装置10がアクセスする通信先を外部記憶装置先設定欄120に設定する。アクセス先設定時にはキーボード入力画面が表示される。
【0122】
図23は、プログラム設定112が押下された場合に表示されるダウンロード先設定欄130を示す。管理者はURL131を指定し、ダウンロードボタン132を押下することで、プログラムのリストを表示できる。また、管理者が保存ボタン133を押下することで、画像処理装置10は、SDカード(登録商標)からプログラムを取得することもできる。
【0123】
図24は、ダウンロードボタン132が押下された場合に表示されるプログラム一覧140を示す。プログラム保存時の設定により、外部記憶装置30からダウンロードが可能ならプログラム一覧が140表示されている。管理者が選択することで各自のプログラムを画像処理装置10に格納することができる。SDカードからのダウンロードも同様の手順でよい。
【0124】
図25は、実行処理時に操作パネルに表示される処理実行画面150を示す。処理実行画面150は、コピー/電子透かし読み取りボタン151と申請用プログラム起動ボタン152を有する。申請者9が申請書を読み取る場合、コピー/電子透かし読み取りボタン151を押下する。電子透かしがある原稿が読み取られると、読み取った電子透かしの指示にしたがったプログラムが起動し、対象となるプログラムが存在しない場合はコピー動作が行われる。
【0125】
申請用プログラム起動ボタン152が押下されると、起動時に電子透かしの存在を条件としないプログラム一覧が表示される(
図26参照)。
【0126】
図26は、申請用プログラム起動ボタン152が押下された場合に表示されるプログラム一覧画面160である。プログラム一覧画面160は、電子透かしの存在を条件としないプログラムの一覧を表示する。申請者9は、要求したいプログラムを選択する。
【0127】
<処理又は動作手順>
図27は、申請システム100の全体的な処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0128】
S101:初期設定処理時は、画像処理装置10と外部記憶装置30との最初の通信時の処理である。
【0129】
S102:実行処理時は、画像処理装置10と外部記憶装置30との間の相互の処理である。
【0130】
図28は、初期設定処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0131】
S201:管理者が初期設定画面でアクセス先を設定する。操作受付部19が設定を受け付ける。
【0132】
S202:画像処理装置10の通信部11が、外部記憶装置30をアクセス先にしてアクセスする。
【0133】
S203:外部記憶装置30はこの画像処理装置10の機器ID等にもとついてアクセス可能か確認を行う。
【0134】
S204:アクセス可能の場合、外部記憶装置30はアクセス可能を画像処理装置10に返す。
【0135】
S205,S206:画像処理装置10の通信部11は、必要となるデータ一覧要求を外部記憶装置30に送信する。データ一覧とは、入力書式、出力書式、プログラム等、外部記憶装置30が持っていて、画像処理装置10にコピーされるデータである。
【0136】
S207,S208:外部記憶装置30の通信部31は一覧要求を受信し、各種のデータから対象となるデータを編集し、一覧情報を応答する。
【0137】
S209,S210:画像処理装置10は一覧情報から必要とするデータを選択して、外部記憶装置30にデータ要求を行う。
【0138】
S211:外部記憶装置30は、選択されたデータを収集する。
【0139】
S212:外部記憶装置30は、画像処理装置10に要求されたデータを送信する。したがって、外部記憶装置30が有するデータが画像処理装置10にコピーされる。
【0140】
<<実行処理>>
続いて、
図29~
図42を参照して、申請者が申請書に基づいて申請する実行処理にてついて説明する。
図29~
図34は全体的な処理を、
図35~
図42詳細なフローチャート図を示す。
【0141】
図29は、ICカード認証による変更無し申請について説明する図である。
図30は、
図29の処理を模式的に示す。なお、
図29,
図30のステップ番号は互いに対応している。
【0142】
S1:申請者9が申請書を画像処理装置10Aに読み取らせる。
【0143】
S2:原稿読取部12が申請書を読み取り、電子透かしデータ取得部13が埋め込まれた電子透かしデータを取得する。
【0144】
S3:画像処理装置10Aの通信部11は、電子透かしデータに含まれる外部記憶装置30へのアクセス先とアクセス認証(認証情報)を用いて外部記憶装置30へのアクセスを行う。外部記憶装置30の通信部31はアクセスを受け付け、アクセス権管理部37がアクセス認証(認証情報)をアクセス権テーブルで検索し、一致するものがあればアクセスを画像処理装置10Aに許可する(認証成功したものとする)。
【0145】
S4:アクセス可の場合、画像処理装置10Aの通信部11は、電子透かしデータに含まれる申請IDを外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の通信部31は申請IDを受信し、外部記憶装置30の申請管理部36は、画像処理装置10Aから送られてきた申請IDの申請状態を申請テーブルで確認し、無効で無いことを確認する。通信部31は無効でない旨を画像処理装置10Aに通知する。
【0146】
S5:画像処理装置10Aの通信部11は無効でない旨の通知を受信し、申請書の作成を受け付ける。画像処理装置10Aの書式表示部14は、書式IDで書式テーブルを検索し、該当する書式情報を取得し、操作パネルに表示する。
【0147】
S6:同様に、画像処理装置10Aのプログラム起動部15は、起動プログラムIDでプログラムテーブルを検索し、該当するプログラムを取得し、起動する。
【0148】
S7:申請者9はICカードをICカードリーダーに読み取らせ、パスワード入力する。ICカード情報取得部16がICカード情報を取得し、操作受付部19がパスワードを受け付ける。画像処理装置10Aにパスワードが省略される旨が設定されている場合、認証処理部18はパスワードの入力なしに、認証が成功したとみなすことができる。これは、ステップS8のように申請IDとICカードで本人確認されるためである。したがって、申請者がパスワードを忘れても申請できる。
【0149】
S8:画像処理装置10Aの本人確認部17は通信部11を介して、ICカードIDと申請IDとパスワードを指定して、申請者9と申請IDの整合性の確認要求を外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の通信部31は、整合性の確認要求を受信し、ICカード管理部35が、ICカードテーブルでICカードIDとパスワードの整合性を判断する(ICカード認証)。整合している場合、ICカード管理部35が、ICカードテーブルでICカードIDに対応付けられた申請IDと電子透かしデータの申請IDが一致するか否かを判断する。通信部31は本人の認証結果(一致した旨又は不一致の旨)を画像処理装置10Aに通知する。
【0150】
S9:一致した場合、本人確認部17が本人確認できたと判断する。画像処理装置10AのICカード情報取得部16はICカードに格納されている個人情報を書式表示部14に渡す。書式表示部14は、書式IDが示す書式情報に個人情報を反映させて申請データを作成する(住所等に変更なしの場合)。
【0151】
通信部11が不一致の旨を受信した場合、本人確認部17は申請書を作成できない旨を表示し、処理を終了する。
【0152】
この時、プログラム次第であるが、ICカードIDと申請IDの一致性が確認できているのであればステップS7のパスワード無しで処理を進めさせたり、操作パネルから個人情報の入力をソフトキーボード、あるいは手書き入力で入力させたりすることで書式情報側に反映させることもできる。
【0153】
S10:画像処理装置10Aの申請データ登録部25は、通信部11を介して、申請データ(申請ID等、電子透かしデータも含む)を外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の通信部31は、申請データを受信する。申請管理部36は、電子透かしデータに含まれる申請IDであって、申請テーブルの申請IDと関連づけられている申請状態を申請済みに変更し、申請データを保存し、その格納先を申請テーブルに保存する。
【0154】
第三者が申請書を入手しても、電子透かしデータの申請IDと、ICカードIDに対応付けられた申請IDが一致しないので、なりすましを防止できる。
【0155】
図31は、申請者9が申請書を印刷して申請する処理を説明する図である。
図32は、
図31の処理を模式的に示す。なお、
図31,
図32のステップ番号は互いに対応している。
【0156】
S11:申請者9が申請書を画像処理装置10Aに読み取らせる。
【0157】
S12:原稿読取部12が申請書を読み取り、電子透かしデータ取得部13が埋め込まれた電子透かしデータを取得する。
【0158】
S13:画像処理装置10Aの通信部11は、電子透かしデータに含まれる外部記憶装置30へのアクセス先とアクセス認証(認証情報)を用いて外部記憶装置30へのアクセスを行う。外部記憶装置30の通信部31はアクセスを受け付け、アクセス権管理部37がアクセス認証(認証情報)をアクセス権テーブルで検索し、一致するものがあればアクセスを画像処理装置10Aに許可する(認証成功したものとする)。
【0159】
S14:画像処理装置10Aの通信部11はアクセス可を受信した場合、電子透かしデータに含まれる申請IDを外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の申請管理部36は、画像処理装置10Aから送られてきた申請IDの申請状態を申請テーブルで確認し、無効で無いことを確認する。通信部31は無効でない旨を画像処理装置10Aに通知する。
【0160】
S15:画像処理装置10Aの通信部11は無効でない旨を受信し、無効でない旨を通知された場合、画像処理装置10Aの書式表示部14は、書式IDで書式テーブルを検索し、該当する書式情報を取得し、操作パネルに表示する。
【0161】
S16:同様に、画像処理装置10Aのプログラム起動部15は、起動プログラムIDでプログラムテーブルを検索し、該当するプログラムを取得し、起動する。ここでは、印刷のために、申請者9が手動で、申請用紙出力プログラムを選択したものとする。
【0162】
S17:次に、申請者9はICカードにより認証を行い、ICカード情報取得部16がICカード情報を取得する。申請者9がパスワードを入力するので、操作受付部19が受け付ける。
【0163】
S18:画像処理装置10Aの本人確認部17は通信部11を介して、ICカードIDと申請IDとパスワードを指定して申請者9と申請IDの整合性の確認要求を外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の通信部31は、整合性の確認要求を受信し、ICカード管理部35が、ICカードテーブルでICカードIDとパスワードの整合性を判断する(ICカード認証)。整合している場合、ICカード管理部35が、ICカードテーブルでICカードIDに対応付けられた申請IDと電子透かしデータの申請IDが一致するか否かを判断する。通信部31は本人の認証結果(一致した旨又は不一致の旨)を画像処理装置10Aに通知する。
【0164】
S19:画像処理装置10Aの通信部11は本人の認証結果(一致した旨)を受信する。この場合、本人確認部17は、申請者9を本人とみなす。画像処理装置10Aの書式表示部14は、書式IDが示す書式情報に個人情報を反映させて申請データを作成する。
【0165】
通信部11が不一致の旨を受信した場合、本人確認部17は申請書を作成できない旨を表示し、処理を終了する。
【0166】
S20:申請者9が個人情報の入力を操作パネル上で行う。操作受付部19が入力を受け付ける。入力項目に個人情報が対応付けられた申請データができあがる。
【0167】
S21:次に、画像処理装置10Aが読み取った申請書の申請IDを無効化するため、画像処理装置10Aの無効要求部21が、外部記憶装置30に申請IDの無効化を要求する。申請書の申請状態は一度の印刷で無効になる。これにより、自治体は、申請後に廃棄された申請書を用いたなりすましを防止できる。外部記憶装置30の通信部31は無効化要求を受信し、申請管理部36が申請テーブルにおいて対象となっている申請IDと関連づけられている申請状態を無効にする。
【0168】
S22:また、画像処理装置10Aの申請ID要求部22は、新規の申請書を作成するために外部記憶装置30に新規の申請IDを要求する。外部記憶装置30の通信部31は要求を受信し、申請管理部36が新しい申請IDを発行し、申請テーブルに、新しい申請IDを登録し、その申請状態を未申請に設定する。
【0169】
S23:画像処理装置10Aの印刷部23は、新規の申請IDを埋め込んだ電子透かしを有する申請書を印刷する。また、申請者9はこの申請書を郵送するために投函する。
【0170】
図33は、郵送された申請書のなりすましを防ぐ処理として、自治体の画像処理装置10Bが行う処理について説明する図である。
図34は、
図33の処理を模式的に示す。なお、
図33,
図34のステップ番号は互いに対応している。
【0171】
S31:申請受理者が郵送された申請書を画像処理装置10Bに読み取らせる。
【0172】
S32:原稿読取部12が申請書を読み取り、電子透かしデータ取得部13が埋め込まれた電子透かしデータを取得する。
【0173】
S33:画像処理装置10Bの通信部11は、電子透かしデータに含まれる外部記憶装置30へのアクセス先とアクセス認証(認証情報)を用いて外部記憶装置30へのアクセスを行う。外部記憶装置30の通信部31はアクセスを受け付け、アクセス権管理部37がアクセス認証(認証情報)をアクセス権テーブルで検索し、一致するものがあればアクセスを画像処理装置10Bに許可する(認証成功したものとする)。
【0174】
S34:画像処理装置10Bの通信部11はアクセス可を受信する。アクセス可の場合、画像処理装置10Bの通信部11は、電子透かしデータに含まれる申請IDを外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の申請管理部36は、画像処理装置10Bから送られてきた申請IDの申請状態を申請テーブルで確認し、未申請であることを確認する。通信部31は未申請である旨を画像処理装置10Bに通知する。
図33では、申請書が郵送されているので、新たに発行された申請IDが未申請であることが確認される。
【0175】
S35:通信部11は、申請状態が未申請であることを用紙の受理の条件とする。画像処理装置10Bのプログラム起動部15は、起動プログラムIDでプログラムテーブルを検索し、該当するプログラムを取得し、起動する。ここでは、申請受理者が手動で、申請受理プログラムを選択したものとする。
【0176】
S36:文字認識部20は画像データに対し文字認識を行う。申請書に記載されている個人情報が取得される。
【0177】
S37:画像処理装置10Bの本人確認部17は通信部11を介して、個人情報(第一の個人情報の一例)、電子透かしデータに含まれる申請IDを指定し、外部記憶装置30に対し個人情報の検証を要求する。外部記憶装置30の通信部31は要求を受信し、ICカード管理部35がICカードテーブルから申請IDと関連づけられているICカードIDを取得する。そして、個人情報管理部32が個人情報テーブルからICカードIDに対応付けられた個人情報(第二の個人情報の一例)を取得する。個人情報管理部32は2つの個人情報(OCRで取得した個人情報と個人情報テーブル側の個人情報)とを比較する。
図33では、比較結果が不一致とする。外部記憶装置30の通信部31は、判断結果(例えば不一致)を画像処理装置10Bに送信する。
【0178】
S38:画像処理装置10Bの通信部11は判断結果(不一致)を受信し、本人確認部17はなりすましの可能性があると判断する。画像処理装置10Bの書類作成部24は、電子透かしデータに含まれる書式IDに対応付けられた書式情報を特定し、書式情報にOCR結果を反映させて申請データを作成する。
【0179】
S39:画像処理装置10Bの申請データ登録部25は、申請データになりすましの可能性があることを示すために、通信部11を介して、なりすましの可能性がある旨を添付して申請データを外部記憶装置30に送信する。外部記憶装置30の通信部31は申請データを受信し、申請管理部36が、外部記憶装置30の申請テーブルの申請IDと関連づけられている申請状態を申請済(疑)に変更する。「疑」がなりすましの可能性を示唆する。画像処理装置10Bは、申請データを保存し、格納先を更新する。
【0180】
<各処理の詳細>
続いて、
図35~
図42のフローチャート図を使用して、申請システム100が行う処理又は動作の詳細について説明する。
図35は、画像処理装置10の処理の概要を示すフローチャート図である。
【0181】
図35は、実行処理の流れを説明するフローチャート図である。
【0182】
まず、画像処理装置10の操作受付部19は、コピー/電子透かし読み取りボタン151が押下されたか否かを判断する(S301)。ステップS301の判断がYesの場合、原稿読取部12が申請書を読み取り、電子透かしデータ取得部13が電子透かしの有無を判断する(S302)。
【0183】
電子透かしデータが検知された場合(S302のYes(電子埋込文書))、電子透かしデータ取得部13が申請書の画像データから電子透かしデータを取得する(S303)。
【0184】
プログラム起動部15は、電子透かしデータにしたがってプログラムの起動を行う(S304)。詳細を
図36に示す。
【0185】
電子透かしデータが検知されない場合(S302のNo(通常原稿))、通常の原稿が入力されたので、画像処理装置10はコピー出力を行う(S305)。
【0186】
一方、申請用プログラム起動ボタンが押下された場合(S301のNo)、画像処理装置10が電子透かしの検知を必要としないプログラムの起動を行う(S306)。
【0187】
図36は、プログラム起動部15がプログラムを起動する処理を説明するフローチャート図である。
【0188】
プログラム起動部15は、電子透かしデータが示すプログラム起動があれば該プログラムを起動させる(S311)。
【0189】
プログラム起動部15は、パスワード省略機能を起動する(S312)。パスワード省略機能は電子透かしデータから、ICカード読み取り時にパスワード省略してよいかどうかの判断を行う。詳細を
図37に示す。
【0190】
プログラム起動部15は、データ入力機能を起動する(S313)。データ入力機能は、申請用のデータ入力時に必要な処理を行う。詳細は
図39で説明される。
【0191】
プログラム起動部15は、データ出力機能を起動する(S314)。データ出力機能は、申請処理テーブルへの登録や郵送用の書類作成時に必要な処理を行う。詳細は
図39で説明される。
【0192】
図37は、パスワード省略機能の処理を説明するフローチャート図である。認証処理部18は、パスワード省略機能プログラムの起動有無を確認する(S321)。この判断は、ステップS311によりYesとなる。パスワードを省略するかどうかは、予め画像処理装置10に設定されている。電子透かしデータに申請IDが含まれており、外部記憶装置30のICカードテーブルにICカードIDと申請IDが対応付けられているので、個人情報テーブルのICカードIDと一致するかどうかで外部記憶装置30が申請者9を認証できる。したがって、申請システムはパスワードの入力を省略してもよい。
【0193】
起動要求がある場合、認証処理部18が、パスワードが解除されるICカードIDであることを保持する(S322)。
【0194】
認証処理部18は、認証処理が動くまでを待機する(S323)。認証処理を
図38に示す。
【0195】
図38は、認証処理を説明するフローチャート図である。
【0196】
ICカード情報取得部16が、ICカードが検知されるか否かを判断する(S331)。
【0197】
ICカードが検知された場合、ICカード情報取得部16がICカード情報を取得する(S332)。
【0198】
次に、認証処理部18は、パスワードが解除される旨が保持されているか否か判断する(S333)。
【0199】
パスワード入力を省略してよい場合(S333のYes)、認証処理部18はパスワード入力を免除する(S334)。
【0200】
パスワード入力を省略できない場合(S333のNo)、認証処理部18は、パスワード入力を促してICカードに保存されているパスワードと一致するまで繰り返す(S335、S336)。
【0201】
パスワードが省略の場合、又は、一致した場合、認証処理部18は、ICカードIDに対応付けられている情報を外部記憶装置30や自機から取得する(S337)。これにより、ICカードを用いた本人確認が可能になる。
【0202】
図39は、データ入力機能の処理を説明するフローチャート図である。データ入力とは、申請書に対する個人情報の入力をいう。
【0203】
プログラム起動部15は、データ入力機能プログラムを起動するか否か判断する(S341)。この判断は、ステップS313によりYesとなる。
【0204】
プログラム起動部15が、データ入力機能プログラムを起動する場合、申請書の画像データに基づいて申請登録か否か判断する(S342)。申請者9は申請書に手書きで記入することもでき、ステップS342は申請者9が申請登録を画像処理装置10に指定する。
【0205】
ステップS342の判断がYesの場合、画像処理装置10は読み込んだ画像データから申請登録を行う(S343)。詳細を
図40に示す。
【0206】
ステップS342の判断がNoの場合、操作受付部19が、申請者9が、操作パネルからの電子入力を選択したか否かを判断する(S344)。
【0207】
ステップS344の判断がYesの場合、操作受付部19が操作パネルに文字入力用の画面を表示する(S345)。
【0208】
次に、操作受付部19は、申請者9が、入力書式が必要と入力したか否かを判断する(S346)。
【0209】
ステップS346の判断がYesの場合、書式表示部14が電子透かしデータに含まれる書式IDに基づいて入力書式を取得する(S347)。詳細を
図41に示す。
【0210】
次に、書式表示部14、個人情報の自動入力が設定されているか否かを判断する(S348)。
【0211】
ステップS348の判断がYesの場合、書式表示部14は個人情報テーブルからICカードIDに対応付けられている個人情報を取得し、入力書式に反映する(S349)。
【0212】
ステップS348の判断がNoの場合、申請者9が操作パネル上で必要なデータを入力するので、操作受付部19が受け付ける(S350)。
【0213】
図40は、申請登録に関する処理を説明するフローチャート図である。
【0214】
画像処理装置10の通信部11は、電子透かしデータに含まれる申請IDを外部記憶装置30に送信する。通信部11は無効でない旨を受信したかどうかを判断する(S361)。
【0215】
ステップS361の判断がYesの場合、文字認識部20が画像データを文字認識する(S362)。
【0216】
本人確認部17は、文字認識の結果である個人情報と、個人情報テーブルにおいて電子透かしデータに含まれる申請IDに対応付けられている個人情報(申請ID→ICカードID→個人情報)とが一致するかを判断する(S363)。なお、ここでは外部記憶装置30でなく画像処理装置10が本人確認している。また、書類作成部24は、個人情報が無記入かを確認する。
【0217】
ステップS363の判断がYesの場合、書類作成部24は前回の申請内容と同じ内容として申請登録を行う(S364)。
【0218】
ステップS363の判断がNoの場合、書類作成部24は無効な申請書と警告画面を表示する(S365)。
【0219】
申請データ登録部25は、申請データ(文字認識結果)と、なりすましの可能性があるフラグを設定して申請登録を行う(S366)。
【0220】
なお、ステップS361の判断がNoの場合、書類作成部24が無効な申請書として警告画面を表示する(S367)。
【0221】
図41は、
図39の入力書式を取得する処理を説明するフローチャート図である。
【0222】
書式表示部14は、電子透かしデータに含まれる書式IDに対応する入力書式を、書式テーブルで探す(S371)。
【0223】
自機に入力書式がない場合(S372のNo)、書式表示部14は外部記憶装置30にあるか検索を行う(S373)。
【0224】
入力書式が存在した場合(S372,S373のYes)、書式表示部14は、入力書式のデータ構造を元にして、操作パネル上に表示する(S374)。また、書式表示部14は、個人情報テーブルから取得した個人情報を書式に設定する処理を行う。
【0225】
入力書式が存在しない場合(S373のNo)、書式表示部14は、初期設定で設定された入力書式無し時のデフォルト書式として姓、名のみを操作パネルに表示する(S375)。また、書式表示部14は、申請者9により入力された個人情報を書式に設定する処理を行う。
【0226】
図42は、データ出力処理について説明するフローチャート図である。
【0227】
印刷部23は、データ出力処理の起動が指示されたか否かを判断する(S381)。この判断は、
図36のステップS314によりYesとなる。
【0228】
ステップS381の判断がYesの場合、印刷部23は、申請用紙(自治体の窓口に提出)の出力か否かを判断する(S382)。
【0229】
ステップS382の判断がNoの場合、印刷部23は、通信による申請登録か否かを判断する(S383)。
【0230】
ステップS383の判断がNoの場合、印刷部23は、郵送による申請登録か否かを判断する(S384)。
【0231】
ステップS384の判断がYesの場合、印刷部23は、郵送用の申請書を印刷する(S385)。なお、無効要求部21が、申請IDの無効化を外部記憶装置30に要求する。また、申請ID取得部が新しい申請IDを外部記憶装置30から取得する。新しい申請IDは郵送用の申請書の電子透かしに設定される。
【0232】
ステップS382の判断がYesの場合、印刷部23は、申請用紙を印刷する(S386)。
【0233】
ステップS383の判断がYesの場合、申請データ登録部25が通信部11を介して、書類作成部24が作成した申請データを外部記憶装置30に送信する(S387)。
【0234】
<主な効果>
以上説明したように、本実施形態の申請システム100は、申請書の内容を確認しながらいつもの書式にしたがって毎回同じ内容を手書きすることを抑制できる。また、申請システム100は、申請書が他人に渡った場合になりすましで住所の変更を行うことを抑制できる。
【0235】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0236】
例えば、本実施形態では申請書を例に説明したが、申請システム100は、何らかの書類を使用した申し込み等に利用されてよい。また、受理する側も自治体に限らず、企業など他の団体でよい。
【0237】
また、
図9などの構成例は、画像処理装置10、及び外部記憶装置30の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、画像処理装置10、及び外部記憶装置30の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0238】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0239】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、外部記憶装置30は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0240】
更に、外部記憶装置30は、開示された処理ステップ、例えば
図29、
図31,
図33等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、外部記憶装置30が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、外部記憶装置30は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【符号の説明】
【0241】
10 画像処理装置
30 外部記憶装置
100 申請システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0242】