IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ニコンの特許一覧

<>
  • 特開-画像処理装置 図1
  • 特開-画像処理装置 図2
  • 特開-画像処理装置 図3
  • 特開-画像処理装置 図4
  • 特開-画像処理装置 図5
  • 特開-画像処理装置 図6
  • 特開-画像処理装置 図7
  • 特開-画像処理装置 図8
  • 特開-画像処理装置 図9
  • 特開-画像処理装置 図10
  • 特開-画像処理装置 図11
  • 特開-画像処理装置 図12
  • 特開-画像処理装置 図13
  • 特開-画像処理装置 図14
  • 特開-画像処理装置 図15
  • 特開-画像処理装置 図16
  • 特開-画像処理装置 図17
  • 特開-画像処理装置 図18
  • 特開-画像処理装置 図19
  • 特開-画像処理装置 図20
  • 特開-画像処理装置 図21
  • 特開-画像処理装置 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100811
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/62 20230101AFI20230711BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230711BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230711BHJP
   G06T 5/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H04N23/62
H04N23/60 500
H04N23/63
G06T5/00 710
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023075671
(22)【出願日】2023-05-01
(62)【分割の表示】P 2018114500の分割
【原出願日】2018-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 佐和子
(57)【要約】
【課題】3以上の空間周波数帯域ごとに輪郭強調処理やノイズ低減処理に関する補正情報の各々を独立して設定可能にすること。
【解決手段】画像処理装置は、第1空間周波数帯域の輪郭成分、前記第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含み、かつ、前記第1空間周波数帯域と一部重複する第2空間周波数帯域の輪郭成分、および前記第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含み、かつ、前記第2空間周波数帯域と一部重複する第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を独立に設定可能であり、表示する画像の表示倍率に基づいて、前記各補正情報を設定する設定部と、前記設定部によって設定された各補正情報に基づいて、画像データを補正する補正部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1空間周波数帯域の輪郭成分、前記第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含み、かつ、前記第1空間周波数帯域と一部重複する第2空間周波数帯域の輪郭成分、および前記第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含み、かつ、前記第2空間周波数帯域と一部重複する第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を独立に設定可能であり、表示する画像の表示倍率に基づいて、前記各補正情報を設定する設定部と、
前記設定部によって設定された各補正情報に基づいて、画像データを補正する補正部と、
を有する画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像データに含まれる高周波成分および低周波成分により、輪郭強調やノイズ低減をおこなう撮像装置が開示されている(たとえば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-21862号公報
【発明の概要】
【0004】
本願において開示される発明の一側面となる画像処理装置は、第1空間周波数帯域の輪郭成分、前記第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含む第2空間周波数帯域の輪郭成分、および前記第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含む第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を独立に設定可能な設定部と、前記設定部によって設定された各補正情報に基づいて、画像データを補正する補正部と、を有する。
【0005】
本願において開示される発明の一側面となる情報処理装置は、送信先を選択する選択部と、第1空間周波数帯域の輪郭成分、前記第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含む第2空間周波数帯域の輪郭成分、および前記第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含む第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を、前記選択部によって選択された送信先に基づいて、独立に設定する設定部と、前記設定部によって設定された各補正情報と、前記各補正情報を用いる補正対象の画像データとを、前記送信先に送信する送信部と、を有する。
【0006】
本願において開示される発明の一側面となる撮像装置は、被写体を撮像する撮像部と、第1空間周波数帯域の輪郭成分、前記第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含む第2空間周波数帯域の輪郭成分、および前記第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含む第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を独立に設定可能な設定部と、前記設定部によって設定された各補正情報に基づいて、前記撮像部から出力される画像データを補正する補正部と、を有する。
【0007】
本願において開示される発明の一側面となる画像処理プログラムは、第1空間周波数帯域の輪郭成分、前記第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含む第2空間周波数帯域の輪郭成分、および前記第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含む第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を独立に設定する設定処理と、前記設定処理によって設定された各補正情報に基づいて、画像データを補正する補正処理と、をプロセッサに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、画像の輪郭強調例を示すグラフである。
図2図2は、画像の各輪郭強調の設定情報の一例を示す説明図である。
図3図3は、画像の輪郭強調設定の設定画面例を示す説明図である。
図4図4は、表示倍率ごとのクイック輪郭強調例1を示す説明図である。
図5図5は、表示倍率ごとのクイック輪郭強調例2を示す説明図である。
図6図6は、表示倍率ごとのクイック輪郭強調例3を示す説明図である。
図7図7は、撮像装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施例1にかかる撮像装置の機能的構成例を示すブロック図である。
図9図9は、実施例1にかかる輪郭強調処理手順例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施例2にかかる輪郭強調処理手順例を示すフローチャートである。
図11図11は、撮像装置と送信先とが通信可能に接続された通信システムの一例を示す説明図である。
図12図12は、設定情報を示す説明図である。
図13図13は、実施例3にかかる撮像装置の機能的構成例を示すブロック図である。
図14図14は、送信先選択画面の一例を示す説明図である。
図15図15は、実施例3にかかる輪郭強調処理手順例1を示すフローチャートである。
図16図16は、実施例3にかかる輪郭強調処理手順例2を示すフローチャートである。
図17図17は、実施例4にかかる撮像装置の機能的構成例を示すブロック図である。
図18図18は、実施例4にかかる情報処理手順例1を示すフローチャートである。
図19図19は、実施例4にかかる情報処理手順例2を示すフローチャートである。
図20図20は、分割領域の輪郭強調例を示す説明図である。
図21図21は、実施例5にかかる撮像装置の機能的構成例を示すブロック図である。
図22図22は、実施例5にかかる輪郭強調処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例0009】
<画像の輪郭強調例>
図1は、画像の輪郭強調例を示すグラフである。グラフ101~104は、画像の輪郭成分の強調度と空間周波数との関係を示す。グラフ101~104の縦軸111が輪郭成分の強調度を示し、横軸112が空間周波数を示す。第1グラフ101は、空間周波数の高周波数帯域における輪郭成分を強調(第1輪郭強調)するためのグラフである。第1輪郭強調は、いわゆる一般的な輪郭強調処理であり、50%以上、特に100%程度の表示倍率などで好適な解像感が得られる。なお、輪郭強調とは、輪郭成分を強調する処理のほか、輪郭成分を弱める処理も含む。
【0010】
第2グラフ102は、空間周波数の中周波数帯域における輪郭成分を強調(第2輪郭強調)するためのグラフである。第2輪郭強調は、特に25~50%程度の表示倍率などで好適な解像感が得られる。第3グラフ103は、空間周波数の低周波数帯域における輪郭成分を強調(第3輪郭強調)するためのグラフである。第3輪郭強調は、いわゆる一般的な明瞭度調整処理であり、特に25%以下の表示倍率などで好適な解像感が得られる。第4グラフ104は、空間周波数の低周波数帯域~高周波数帯域における輪郭成分、すなわち、画像のコントラストを調整するためのグラフである。
【0011】
ユーザは、第1グラフ101~第3グラフ103で示すような、各空間周波数帯域の強調度をそれぞれ独立して縦軸111の方向に調整することができる。たとえば、ユーザが、第1グラフ101~第3グラフ103の縦軸111の方向の値を調整することにより、画像の輪郭成分を強調したり、弱めたりすることができる。
【0012】
なお、図1では、高周波数帯域、中周波数帯域、および低周波数帯域の3つの空間周波数帯域で輪郭強調の設定を可能にする例を挙げたが、4つ以上の空間周波数帯域で輪郭強調の設定を可能にしてもよい。また、各空間周波数帯域は一部が重複していてもよい。
【0013】
図2は、画像の各輪郭強調の設定情報の一例を示す説明図である。図2では、図1に示した第1グラフ101~第3グラフ103の各々の調整を一括しておこなうクイック輪郭強調の例を示す。設定情報200は、後述する記憶デバイス702に記憶される。設定情報200では、画像データの輪郭強調処理を調整する補正情報として、変更可能な設定値が規定される。
【0014】
クイック輪郭強調の設定値は、たとえば、-2から+2の範囲で設定可能である。また、第1輪郭強調~第3輪郭強調の各設定値は、クイック輪郭強調の設定値に応じて変動する。第1輪郭強調~第3輪郭強調の各設定値は、図1の縦軸111に対応しており、設定値が高いほど第1グラフ101~第3グラフ103の縦軸111の値が高くなり、画像の各周波数帯域の輪郭成分が強調される。
【0015】
また、第1輪郭強調~第3輪郭強調の各設定値は、負の値にも設定可能である。たとえば、第1輪郭強調の設定値を負の値に設定することにより、画像の輪郭成分を弱めて、ソフトに仕上げることができる。また、第2輪郭強調および第3輪郭強調の設定値を負の値に設定することにより、画像のコントラストを下げてソフトに仕上げることができる。
【0016】
クイック輪郭強調のそれぞれの3つの値は、画像のどの表示倍率でも解像感が変わらないような設定値が決められている。そのため、どの表示倍率でも好適な解像感を得ることができる。たとえば、ユーザが、クイック輪郭強調の設定値を「+2」に設定すると、高周波数帯域は「5」、中周波数帯域は「4.5」、低周波数帯域は「3」に設定される。このように、3つの空間周波数帯域の輪郭成分をそれぞれ適切に強調するため、画像内の幅広い空間周波数をもった被写体の輪郭成分を強調できる。画像がどの表示倍率であっても、画像内の被写体の輪郭成分が強調された、換言すれば、輪郭成分が際立って明瞭に見える画像(いわゆる、くっきりとした画像)に補正される。
【0017】
また、ユーザが、クイック輪郭強調の設定値を「-2」に設定すると、高周波数帯域は「-0.5」、中周波数帯域は「-1」、低周波数帯域は「-1」に設定される。これにより、画像がどの表示倍率であっても、画像内の被写体の輪郭成分が弱められた、換言すれば、被写体がやわらかに見える画像に補正される。このように、3つの空間周波数帯域の輪郭成分をそれぞれ適切に強調するため、画像内の幅広い空間周波数をもった被写体の輪郭成分を強調できる。
【0018】
また、ユーザが、クイック輪郭強調の設定値を「0」に設定すると、高周波数帯域は「3」、中周波数帯域は「2」、低周波数帯域は「1」に設定される。これにより、画像がどの表示倍率であっても、画像内の被写体の輪郭成分が標準的な画像に補正される。このように、3つの空間周波数帯域の輪郭成分をそれぞれ適切に強調するため、画像内の幅広い空間周波数をもった被写体の輪郭成分を強調できる。
【0019】
このように、ユーザがクイック輪郭強調の設定値を調整するだけで、高周波数帯域、中周波数帯域および低周波数帯域の設定値が連動して設定される。したがって、画像の表示倍率に依存することなく、ユーザの好みに応じた解像感が得られる画像に補正することができる。
【0020】
図3は、画像の輪郭強調設定の設定画面例を示す説明図である。図3は、一例として、デジタルカメラなどの撮像装置の背面モニタに表示された設定画面300を示すが、パーソナルコンピュータやタブレット、スマートフォンのディスプレイに設定画面300を表示させてもよい。なお、設定画面300では、操作ボタンやダイヤルなどの操作デバイスでカーソルやスライダが移動してもよく、タッチパネルによりユーザの指で設定画面300内のボタンが選択されたり、スライダが移動してもよい。
【0021】
設定画面300は、選択領域301と、調整領域302と、を有する。選択領域301は、クイック輪郭強調選択ボタン310と、第1輪郭強調選択ボタン311と、第2輪郭強調選択ボタン312と、第3輪郭強調選択ボタン313と、を有する。クイック輪郭強調選択ボタン310は、クイック輪郭強調を選択するために表示されるボタンである。第1輪郭強調選択ボタン311~第3輪郭強調選択ボタン313は、第1輪郭強調~第3輪郭強調を選択するために表示されるボタンである。これら各選択ボタン310~313は、操作デバイス708(図7を参照)やユーザの指で選択される。図3では、クイック輪郭強調選択ボタン310が選択された状態を示す。
【0022】
調整領域302は、各選択ボタン310~313に対応するバー320~323と、各バー上を移動して設定値を指定するスライダ330~333と、を有する。バー320~323の範囲は、対応する選択ボタン310~313の各輪郭強調における強調度を指定する指定範囲となる。スライダ330~333が示すバー320~323の位置は、図1の縦軸111に対応しており、設定値が高いほど第1グラフ101~第3グラフ103の縦軸111の値が高くなり、画像の輪郭成分が強調される。
【0023】
各スライダをタッチ指定して、左右に動かす操作をすることでそれぞれ移動させることができる。また、各スライダ330~333は、対応する選択ボタン310~313が押下された場合に、操作デバイス708やユーザの指でバー320~323に沿って移動可能としてもよい。たとえば、第1輪郭強調選択ボタン311が押下された場合、スライダ331のみが操作デバイス708やユーザの指でバー320~323に沿って移動可能であり、他のスライダ330,332,333を移動することはできない。
【0024】
また、クイック輪郭強調選択ボタン310が押下された場合、クイック輪郭強調では、高周波数帯域、中周波数帯域、および低周波数帯域の第1グラフ101~第3グラフ103を一括調整可能であるため、図2に示したクイック輪郭強調の設定値に連動して、スライダ330~333が移動する。
【0025】
図3では、スライダ330が、操作デバイス708やユーザの指による移動で設定値として「1」を指し示す場合、スライダ331が「4」、スライダ332が「3.5」、スライダ333が「2」を指し示すように移動する(図2を参照)。これにより、クイック輪郭強調の設定により、高周波数帯域、中周波数帯域、および低周波数帯域の各輪郭成分の強調度を一括設定することができる。したがって、輪郭強調設定における利便性の向上を図ることができる。
【0026】
また、クイック輪郭強調選択ボタン310とバー320との間には、自動設定ボタン340が表示される。自動設定ボタン340は、クイック輪郭強調選択ボタン310が押下された場合に操作デバイス708やユーザの指で押下可能である。自動設定ボタン340が押下されると、撮像装置は、画像中の輝度、ポートレート(顔検出)、被写体間距離などのシーン認識によって検出される撮影シーンに適合するクイック輪郭強調の設定値を設定し、当該設定値に対応する高周波数帯域、中周波数帯域、および低周波数帯域の各設定値も設定する(図2を参照)。
【0027】
たとえば、図2に示したように、自動設定ボタン340が押下されると、クイック輪郭強調の設定値は、画像がバストアップポートレートである場合は「-1」、画像がスナップ写真である場合は「0」、画像が風景である場合は「+1」である。このような自動設定は、たとえば、画像の特徴または撮影シーンと、クイック輪郭強調の設定値とを対応付けたテーブル(不図示)を参照することにより実現可能である。また、このようなクイック輪郭強調の設定値は、たとえば、同じ撮影シーンであってもシャッタースピード(露光時間)やレンズのF値に応じて変更可能としてもよい。
【0028】
<表示倍率ごとの輪郭強調例>
ここで、画像の表示倍率ごとの輪郭強調例を示す。
【0029】
図4図6は、表示倍率ごとのクイック輪郭強調例1~3を示す説明図である。図4は、クイック輪郭強調の設定値を「+2」とした例であり、図5は、クイック輪郭強調の設定値を「0」とした例であり、図6は、クイック輪郭強調の設定値を「-2」とした例である。また、図4図6において、(A)は等倍(100%)の表示倍率、(B)は50%の表示倍率、(C)は20%の表示倍率である。
【0030】
このように、クイック輪郭強調の設定値を調整することにより、表示倍率に依存することなく輪郭成分を強調したり、弱めたりすることができ、図4図6の各々において、表示倍率が異なっていても、(A)~(C)で同じような解像感が得られる。したがって、ユーザは、第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値を個別に調整する必要がないため、第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値を試行錯誤することなく、容易に輪郭強調設定をおこなうことができる。
【0031】
<撮像装置のハードウェア構成例>
図7は、撮像装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。撮像装置700は、静止画または動画撮影可能な装置であり、具体的には、たとえば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、ゲーム機である。図7では、撮像装置の一例としてデジタルカメラを例に挙げて説明する。
【0032】
撮像装置700は、プロセッサ701と、記憶デバイス702と、駆動部703と、光学系704と、撮像素子705と、AFE(Analog Front End)706と、LSI(Large Scale Integration)707と、操作デバイス708と、センサ709と、表示デバイス710と、通信IF(Interface)711と、バス712と、を有する。プロセッサ701、記憶デバイス702、駆動部703、LSI707、操作デバイス708、センサ709、表示デバイス710、および通信IF711は、バス712に接続される。
【0033】
プロセッサ701は、撮像装置700を制御する。記憶デバイス702は、プロセッサ701の作業エリアとなる。また、記憶デバイス702は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶デバイス702としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。記憶デバイス702は、撮像装置700に複数実装されてもよく、そのうちの少なくとも1つは、撮像装置700に対し着脱自在でもよい。
【0034】
駆動部703は、光学系704を駆動制御する。駆動部703は、駆動回路703aと駆動源703bとを有する。駆動回路703aは、プロセッサ701からの指示により駆動源703bを制御する。駆動源703bは、たとえば、モータであり、駆動回路703aの制御により、光学系704内のズーミングレンズ741bおよびフォーカシングレンズ741cを光軸方向に移動させたり、絞り742を開閉制御する。
【0035】
光学系704は、光軸方向に配列された複数のレンズ(レンズ741a、ズーミングレンズ741b、およびフォーカシングレンズ741c)と、絞り742と、を含む。光学系704は、被写体光を集光し、撮像素子705に出射する。
【0036】
撮像素子705は、光学系704からの被写体光を受光して電気信号に変換する。撮像素子705は、たとえば、XYアドレス方式の固体撮像素子(たとえば、CMOS(Complementary Metal‐Oxide Semiconductor))であってもよく、順次走査方式の固体撮像素子(たとえば、CCD(Charge Coupled Device))であってもよい。
【0037】
撮像素子705の受光面には、複数の受光素子(画素)がマトリクス状に配列されている。そして、撮像素子705の画素には、それぞれが異なる色成分の光を透過させる複数種類のカラーフィルタが所定の色配列(たとえば、ベイヤ配列)に従って配置される。そのため、撮像素子705の各画素は、カラーフィルタでの色分解によって各色成分に対応するアナログの電気信号を出力する。
【0038】
AFE706は、撮像素子705からのアナログの電気信号に対して信号処理を施すアナログフロントエンド回路である。AFE706は、電気信号のゲイン調整、アナログ信号処理(相関二重サンプリング、黒レベル補正など)、A/D変換処理、デジタル信号処理(欠陥画素補正など)を順次実行してRAW画像データを生成し、LSIに出力する。上述した駆動部703、光学系704、撮像素子705、およびAFE706は、撮像部720を構成する。
【0039】
LSI707は、AFE706からのRAW画像データについて、色補間、ホワイトバランス調整、輪郭強調、ガンマ補正、階調変換などの画像処理や符号化処理、復号処理、圧縮伸張処理など、特定の処理を実行する集積回路である。LSI707は、具体的には、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのPLD(Programmable Logic Device)によって実現してもよい。
【0040】
操作デバイス708は、コマンドやデータを入力する。操作デバイス708としては、たとえば、レリーズボタンを含む各種ボタン、スイッチ、ダイヤル、タッチパネルがある。センサは、情報を検出するデバイスであり、たとえば、AF(Automatic Focus)センサ、AE(Automatic Exposure)センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、温度センサなどがある。表示デバイス710は、画像データや設定画面300を表示する。表示デバイス710には、撮像装置700の背面にある背面モニタと、電子ビューファインダと、がある。通信IF711は、ネットワークと接続し、データを送受信する。
【0041】
<撮像装置の機能的構成例>
図8は、実施例1にかかる撮像装置700の機能的構成例を示すブロック図である。撮像装置700は、撮像部720と、画像処理装置800と、により構成される。画像処理装置800は、記憶部801と、取得部802と、生成部803と、設定部804と、補正部805と、表示部806と、を有する。
【0042】
取得部802、生成部803、設定部804、および補正部805は、具体的には、たとえば、図7に示した記憶デバイス702に記憶されたプログラムをプロセッサに実行させることにより、またはLSI707により実現される。記憶部801は、図7に示した記憶デバイス702により実現される。表示部806は、図7に示した表示デバイス710およびLSI707により実現される。
【0043】
取得部802は、撮像部720または生成部803からの画像データを取得して、記憶部801に格納する。撮像部720から取得される画像データは、たとえば、RAW画像データである。生成部803から取得される画像データは、たとえば、LSI707によって色補間、ホワイトバランス調整、輪郭強調、ガンマ補正、階調変換などのように画像処理された画像データでもよく、また、たとえば、JPEG形式に圧縮された画像データでもよい。また、画像データは、静止画または動画撮影により生成された画像データでもよい。また、画像データは、撮像部720から連続的に(逐次)出力されたデータに基づいて生成された表示用の画像、いわゆるスルー画像用のデータとして得られた画像データでもよい。
【0044】
生成部803は、取得部802によって撮像部720から取得されたRAW画像データについて、色補間、ホワイトバランス調整、輪郭強調、ガンマ補正、階調変換などのような画像処理を実行し画像データを生成する。また、RAW画像データまたは画像処理された画像データについて、JPEG形式に圧縮して画像データを生成する。生成部803は、生成した画像データを取得部802に返す。
【0045】
設定部804は、第1空間周波数帯域の輪郭成分、第2空間周波数帯域の輪郭成分、および第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々についての各補正情報を独立に設定可能にする。ここで、第1空間周波数帯域は、たとえば、上述した高周波数帯域である。第2空間周波数帯域は、第1空間周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含む空間周波数帯域である。
【0046】
具体的には、たとえば、第2空間周波数帯域は、高周波数帯域内の第1空間周波数よりも低い第2空間周波数を含む中周波数帯域である。第3空間周波数帯域は、第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含む空間周波数帯域である。具体的には、たとえば、第3空間周波数帯域は、第2空間周波数よりも低い第3空間周波数を含む低周波数帯域である。
【0047】
補正情報とは、第1空間周波数帯域の輪郭成分、第2空間周波数帯域の輪郭成分、および第3空間周波数帯域の輪郭成分の各々の補正に必要な情報である。具体的には、たとえば、補正情報は、図1に示した高周波数帯域、中周波数帯域および低周波数帯域の輪郭成分に対する強調度(縦軸111の値)であり、より具体的には、当該強調度に対応する第1輪郭強調、第2輪郭強調、および第3輪郭強調の設定値である。
【0048】
設定部804は、たとえば、図3で説明した操作により、第1輪郭強調、第2輪郭強調、および第3輪郭強調の設定値を独立して、すなわち、個別に設定可能である。また、設定部804は、クイック輪郭強調の選択により、クイック輪郭強調のスライダでバーの設定値を指し示すことにより、第1輪郭強調、第2輪郭強調、および第3輪郭強調の設定値を一括設定することもできる。これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0049】
補正部805は、設定部804によって設定された各補正情報に基づいて、画像データを補正する。具体的には、たとえば、補正部805は、設定部804によって設定された第1輪郭強調、第2輪郭強調、および第3輪郭強調の設定値により、輪郭強調処理を実行する。
【0050】
なお、クイック輪郭強調、第1輪郭強調、第2輪郭強調、および第3輪郭強調の設定値は、画像データごとに保持してもよい。たとえば、ある画像データについて各スライダ330~333がそれぞれ、「1」、「4」、「3.5」、「2」を指し示した場合に、他の画像データや他の処理に切り替えた場合、設定部804は、当該ある画像データに関連付けて、当該設定値「1」、「4」、「3.5」、「2」を保持しておく。そして、再度、この画像データが呼び出された場合、設定部804は、保持した設定値「1」、「4」、「3.5」、「2」を読み出して設定してもよい。これにより、前回の設定値を再現することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0051】
また、補正部805は、第1輪郭強調では、たとえば、第1輪郭強調の設定値で先鋭化フィルタ内の値を調整し、調整した先鋭化フィルタを用いて画像データを補正する。また、補正部805は、第2輪郭強調では、たとえば、第2輪郭強調の設定値で中周波数帯域の範囲を調整し、調整した中周波数帯域を通過させるバンドパスフィルタを用いて画像データを補正する。
【0052】
また、補正部805は、第3輪郭強調では、たとえば、第3輪郭強調の設定値で低周波数帯域の範囲を調整し、調整した低周波数帯域を通過させるローパスフィルタを用いて画像データを補正する。ここでは、先鋭化フィルタやバンドパスフィルタ、ローパスフィルタを用いて説明したが、各空間周波数帯域に適用可能なフィルタであれば、他のフィルタでもよい。
【0053】
なお、補正部805は、設定部804によって設定された設定値を、撮影後の画像データに対して適用してもよく、また、撮影前の画像データ、すなわち、スルー画像用のデータに対しても適用してもよい。この場合、クイック輪郭強調によって設定された第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせについては、ズームインやズームアウトによって変化する表示倍率に依存しないため、ユーザは、ズーム操作ごとに第1輪郭強調~第3輪郭強調の各設定値を変える必要はない。
【0054】
表示部806は、設定部804によって設定可能な設定画面300(図2)を表示デバイス710に表示する。また、表示部806は、補正部805による補正後の画像データに基づいて、表示デバイス710に当該画像データの画像を表示する。これにより、図4図6に示した画像が表示される。
【0055】
<輪郭強調処理手順例>
図9は、実施例1にかかる輪郭強調処理手順例を示すフローチャートである。撮像装置700は、取得部802により、撮像部720または生成部803から画像データを取得すると(ステップS901)、記憶部801に格納する(ステップS902)。画像処理装置800は、図3の設定画面300からクイック輪郭強調選択ボタン310が選択され、スライダ330の位置でクイック輪郭強調の設定値を設定すると(ステップS911)、設定部804により、クイック輪郭強調の設定値に対応する第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせを特定する(ステップS912)。
【0056】
そして、画像処理装置800は、記憶部801から画像データを読み出して、補正部805により、画像データに対しクイック輪郭強調に基づく補正を実行する(ステップS913)。このあと、画像処理装置800は、表示部806により、補正後の画像データの画像を表示デバイス710に表示する(ステップS914)。これにより、一連の輪郭強調処理が終了する。
【0057】
このように、実施例1によれば、高周波数帯域と低周波数帯域との間の中周波数帯域についての第2輪郭強調を、高周波数帯域に対応する第1輪郭強調および低周波数帯域に対応する第3輪郭強調とは独立して設定することができる。クイック輪郭強調によって設定されたそれぞれの3つの値は、画像のどの表示倍率でも解像感が変わらないような設定値が決められている。そのため、どの表示倍率でも好適な解像感が得られる。したがって、3つの空間周波数帯域の輪郭成分をそれぞれ適切に強調するため、画像内の幅広い空間周波数をもった被写体の輪郭成分を強調できる。画像がどの表示倍率であっても、画像内の被写体の輪郭成分が強調された、換言すれば、輪郭成分が際立って明瞭に見える画像(いわゆる、くっきりとした画像)に補正することができる。
【0058】
また、クイック輪郭強調の設定により、第1輪郭強調~第3輪郭強調を一括して設定することができるため、撮影についての知識が少ないユーザでも、画像の解像感を変更する補正を素早くおこなうことができ、利便性の向上を図ることができる。
【実施例0059】
実施例2について説明する。実施例1では、第1輪郭強調~第3輪郭強調の各設定値を設定する例について説明したが、実施例2では、表示倍率に依存して輪郭強調の設定値を設定可能にする例について説明する。
【0060】
第1輪郭強調~第3輪郭強調はそれぞれ、好適な解像感が得られやすい表示倍率を有するため、実施例2では、撮像装置700は、画像の表示倍率が検出された時点で、当該検出された表示倍率に最適な輪郭強調を選択して、当該選択された輪郭強調の設定値を設定可能にする。これにより、ユーザは、どの輪郭強調を適用するかという試行錯誤をすることなく、選択された輪郭強調についてスライダを移動させることで、好適な解像感を得ることが可能となる。
【0061】
なお、実施例2では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1との共通点については同一符号を用い、その説明を省略する。
【0062】
<輪郭強調処理手順例>
図10は、実施例2にかかる輪郭強調処理手順例を示すフローチャートである。画像処理装置800は、表示部806により、記憶部801から画像データを読み出して画像を表示する(ステップS1011)。画像処理装置800は、表示部806により、表示中の画像の表示倍率を検出する(ステップS1012)。画像処理装置800は、設定部804により、検出された表示倍率に基づいて輪郭強調を選択する(ステップS1013)。たとえば、画像処理装置800は、表示倍率が50%以上であれば第1輪郭強調、表示倍率が25%以上50%未満であれば第2輪郭強調、表示倍率が25%未満であれば第3輪郭強調を選択する。
【0063】
つぎに、画像処理装置800は、ステップS1013の選択輪郭強調のスライダの位置で、選択輪郭強調の設定値を設定すると(ステップS1014)、補正部805により、画像データに対し選択輪郭強調に基づく補正を実行する(ステップS1015)。このあと、画像処理装置800は、表示部806により、補正後の画像データの画像を表示デバイス710に表示する(ステップS1016)。これにより、一連の輪郭強調処理が終了する。
【0064】
このように、実施例2によれば、ユーザは、どの輪郭強調を適用するかという試行錯誤をすることなく、選択された輪郭強調についてスライダ331~333を移動させることで、好適な解像感を得ることができる。
【0065】
なお、実施例2では、表示倍率に基づいて、第1輪郭強調~第3輪郭強調のうちいずれか1つの設定値を設定可能とする例について説明したが、表示倍率が2つの輪郭強調のいずれにおいても好適な解像感が得られる表示倍率である場合には、当該2つの輪郭強調の設定値を設定可能としてもよい。たとえば、表示倍率が50%である場合には、撮像装置700は、第1輪郭強調および第2輪郭強調の設定値を設定可能とし、表示倍率が25%である場合には、撮像装置700は、第2輪郭強調および第3輪郭強調の設定値を設定可能としてもよい。
【0066】
これにより、ユーザは、どの輪郭強調を適用するかという試行錯誤をすることなく輪郭強調の設定自由度を高くすることにより、選択された輪郭強調についてスライダ331~333を移動させることで、好適な解像感を得ることができる。
【実施例0067】
実施例3について説明する。実施例1,2では、補正部805によって補正された画像データの画像を表示部806に表示する例について説明した。実施例3では、撮像装置700は、送信先に応じて輪郭強調の設定値を変えて画像データを補正する。撮像装置700は、補正された画像データを送信先に送信し、送信先が、画像データを出力する。これにより、送信先に適した画像を出力することができる。また、実施例3においても、画像の表示倍率に依存することなく、クイック輪郭強調の設定値を設定することができる。
【0068】
なお、実施例3では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1との共通点については同一符号を用い、その説明を省略する。
【0069】
<通信システム>
図11は、撮像装置700と送信先とが通信可能に接続された通信システムの一例を示す説明図である。送信先としては、たとえば、パーソナルコンピュータ1101、スマートフォン1102(タブレットでもよい)、プリンタ1103、大型プリンタ1104(たとえば、業務用プリンタ)などの出力機器がある。なお、送信先への送信は、有線接続による送信でもよく、無線送信でもよい。
【0070】
<設定情報>
図12は、設定情報を示す説明図である。設定情報200、1201~1203は、記憶部801に記憶される。設定情報200、1201~1203はそれぞれ、クイック輪郭強調、第1輪郭強調~第3輪郭強調ごとの設定値を有する。設定情報200は、たとえば、送信先としてパーソナルコンピュータが選択された場合に適用される。設定情報1201は、たとえば、送信先としてスマートフォン(タブレットでもよい)が選択された場合に適用される。
【0071】
設定情報1202は、たとえば、送信先としてプリンタが選択された場合に適用される。設定情報1203は、たとえば、送信先として大型プリンタが選択された場合に適用される。これにより、送信先に適した設定値で画像データを補正することができ、送信先に適した解像感で画像を出力することができる。なお、画面サイズが異なるパーソナルコンピュータを想定する場合は、設定情報200を画面サイズに応じて複数種類用意してもよい。
【0072】
<撮像装置700の機能的構成例>
図13は、実施例3にかかる撮像装置700の機能的構成例を示すブロック図である。撮像装置700は、撮像部720と、画像処理装置800と、により構成される。画像処理装置800は、記憶部801と、取得部802と、生成部803と、設定部804と、補正部805と、表示部806と、選択部1302と、送信部1303と、を有する。
【0073】
選択部1302は、具体的には、たとえば、図7に示した記憶デバイス702に記憶されたプログラムをプロセッサ701に実行させることにより、またはLSI707により実現される。送信部1303は、具体的には、たとえば、図7に示した通信IF711により実現される。
【0074】
選択部1302は、送信先を選択する。具体的には、たとえば、撮像装置700は、表示デバイス710に送信先選択画面1400を表示させ、撮像装置700は、ユーザによる操作デバイス708の操作により送信先の選択を受け付ける。
【0075】
図14は、送信先選択画面1400の一例を示す説明図である。送信先選択画面1400には、パーソナルコンピュータ1101、スマートフォン1102、プリンタ1103、および大型プリンタ1104を選択可能なボタン1401~1404が表示される。選択部1302は、ボタン1401~1404のうちいずれか1つのボタンの選択を受け付けると、選択部1302は、OKボタン1405の押下により、当該選択されたボタンに対応する設定情報を記憶デバイス702から読み出す。図14では、プリンタ1103を選択するボタン1403が押下されたことで、設定部804は、プリンタ1103用の設定情報1202が記憶デバイス702から読み出されたことを示す。
【0076】
設定部804は、ユーザ操作により、読み出された設定情報におけるクイック輪郭強調の設定値(-2~+2)の入力を受け付ける。これにより、補正部805は、読み出された設定情報で入力されたクイック輪郭強調の設定値における第1輪郭強調~第3輪郭強調の値を用いて画像データを補正することができる。なお、クイック輪郭強調の設定値(-2~+2)の入力がない場合は、補正部805は、クイック輪郭強調のデフォルトの設定値である「0」における第1輪郭強調~第3輪郭強調の値を用いて画像データを補正することになる。なお、読み出された設定情報に対しユーザが補正前に設定値を変更してもよい。
【0077】
図13に戻り、送信部1303は、補正部805によって補正された画像データを、選択部1302によって選択された送信先に送信する。図14の例では、設定情報1202が読み出されて画像データが補正されるため、送信部1303は、送信先として選択されたプリンタ1103に対し、設定情報1202を用いて補正された画像データを送信する。これにより、送信先に適した補正後の画像データを、送信先において出力することができる。
【0078】
<輪郭強調処理手順例>
図15は、実施例3にかかる輪郭強調処理手順例1を示すフローチャートである。輪郭強調処理手順例1では、画像データの補正前に送信先を選択する場合の輪郭強調処理手順例である。画像処理装置800は、選択部1302により送信先の選択を受け付け(ステップS1511)、選択された送信先に対応した設定情報を記憶部801から読み出す(ステップS1512)。
【0079】
このあと、画像処理装置800は、読み出した設定情報を用いて、ステップS911~S913を実行する。そして、画像処理装置800は、ステップS913で補正した画像データ(補正後画像データ)を、ステップS1511で選択された送信先に送信する(ステップS1513)。
【0080】
送信先は、補正された画像データを受信し(ステップS1521)、補正された画像データに基づく出力処理を実行する(ステップS1522)。これにより、一連の輪郭強調処理が終了する。補正された画像データに基づく出力処理とは、たとえば、送信先がパーソナルコンピュータ1101やスマートフォン1102の場合は、補正された画像データの画像表示であり、送信先がプリンタ1103や大型プリンタ1104の場合は、補正後画像データの印刷出力である。これにより、送信先に適した解像感の画像を送信先で出力することができる。
【0081】
図16は、実施例3にかかる輪郭強調処理手順例2を示すフローチャートである。輪郭強調処理手順例2では、画像データの補正後に送信先を選択する場合の輪郭強調処理手順例である。撮像装置700は、生成部803によりRAW画像データから送信先分の複数のJPEG画像データを生成し、取得部802により、生成した複数のJPEG画像データを取得して(ステップS1601)、記憶デバイス702に格納する(ステップS1602)。
【0082】
画像処理装置800は、送信先選択(ステップS1511)に先立って、各送信先に対応する設定情報ごとに、ステップS911~S913を実行する。具体的には、たとえば、ユーザは、クイック輪郭強調のバー320においてスライダ330を移動させることにより(ステップS911)、設定部804は、送信先に対応する設定情報1201~1203ごとに、第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせを特定する(ステップS912)。
【0083】
そして、補正部805は、送信先に対応する設定情報1201~1203ごとに、生成した複数のJPEG画像データの各々について、クイック輪郭強調に基づく補正を実行する(ステップS913)。これにより、画像処理装置800は、送信先ごとの補正後画像データを得る。
【0084】
このあとで、画像処理装置800は、ユーザからの送信先の選択を受け付けることにより(ステップS1511)、複数の補正後の画像データから選択された送信先の補正後の画像データを、選択された送信先に送信する(ステップS1513)。
【0085】
このように、輪郭強調処理手順例2では、まだ送信先を選択していない状況で被写体を撮像した場合に、あらかじめ送信先ごとに当該送信先に適合する輪郭強調処理を実行しておくことで、その後選択したいずれの送信先に対しても、即座に補正された画像データを送信することができる。したがって、ユーザにとっては、送信先選択をし忘れたことが撮影後に判明した場合であっても、適切に補正された画像データを送信先に送信することができる。したがって、撮影前の送信先選択や撮影し直しといった煩わしさがなくなり、利便性の向上を図ることができる。
【実施例0086】
実施例4について説明する。実施例3では、撮像装置700内部の補正部805により補正された画像データを送信先に送信する例について説明した。実施例4は、補正部805が存在しない撮像装置700が、送信先に応じて設定された第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせと、画像データとを、補正部805を有する送信先に送信する例である。また、実施例4においても、画像の表示倍率に依存することなく、クイック輪郭強調の設定値を設定することができる。
【0087】
なお、実施例4では、実施例3との相違点を中心に説明し、実施例3との共通点については同一符号を用い、その説明を省略する。
【0088】
<機能的構成例>
図17は、実施例4にかかる撮像装置700の機能的構成例を示すブロック図である。撮像装置700は、補正部805を有しない。また、補正部805がないため、記憶部801、取得部802、生成部803、設定部804、表示部806、選択部1302、および送信部1303を含む装置を情報処理装置1700とする。
【0089】
<情報処理手順例>
図18は、実施例4にかかる情報処理手順例1を示すフローチャートである。情報処理手順例1では、クイック輪郭強調の設定前に送信先を選択する場合の情報処理手順例である。情報処理装置1700は、クイック輪郭強調に基づく補正(ステップS913)を除いて、図15の画像処理装置800と同様、ステップS1511,S1512、S911、S912を実行する。情報処理装置1700は、ステップS912の実行のあと、ステップS912で特定された第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせと、補正対象の画像データとを、ステップS1511で選択された送信先に送信する(ステップS1813)。
【0090】
送信先は、情報処理装置1700から、設定値の組み合わせおよび画像データを受信すると(ステップS1821)、補正部805により、画像データに対し、設定値の組み合わせを用いてクイック輪郭強調に基づく補正を実行する(ステップS1822)。そして、送信先は、補正された画像データに基づく出力処理を実行し(ステップS1522)、一連の情報処理が終了する。これにより、送信先に適した解像感の画像を送信先で出力することができる。
【0091】
図19は、実施例4にかかる情報処理手順例2を示すフローチャートである。情報処理手順例2では、クイック輪郭強調の設定後に送信先を選択する場合の情報処理手順例である。図19では、情報処理装置1700は、送信先選択(ステップS1511)に先立って、送信先に対応したクイック輪郭強調選択および設定(ステップS911)と、第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせ特定(ステップS912)と、を実行する。
【0092】
その後、送信先選択(ステップS1511)が実行された場合、ステップS1813では、情報処理装置1700は、画像データとともに、選択された送信先に応じて設定された第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値の組み合わせを、選択された送信先に送信することになる(ステップS1813)。
【0093】
これにより、まだ送信先を選択していない状況で被写体を撮像した場合に、あらかじめ送信先ごとに当該送信先に適合する輪郭強調設定を実行しておくことで、その後選択したいずれの送信先に対しても、即座に設定値の組み合わせおよび画像データを送信することができる。
【0094】
したがって、ユーザにとっては、送信先選択をし忘れたことが撮影後に判明した場合であっても、適切に設定された設定値の組み合わせおよび画像データを送信先に送信することができる。したがって、撮像前の送信先選択や撮影し直しといった煩わしさがなくなり、利便性の向上を図ることができる。
【0095】
上述の実施例4では、補正部805を有しない場合を説明したが、撮像装置700が補正部805を有していても、送信先で補正をした方が処理が速い場合や撮像装置700の電池残量が所定量以下となった場合などに実施例4の処理を実行してもよい。
【実施例0096】
実施例5について説明する。実施例5では、画像データ内の被写体領域を認識し、画像データを領域分割する。そして、撮像装置700は、分割領域ごとに輪郭強調する空間周波数帯域を決定する。たとえば、顔の画像データには、眼やまつ毛のような高周波数成分の画像データや頬などの低周波数成分の画像データが含まれている。
【0097】
画像に対して高周波数成分の輪郭強調をおこなうと、眼やまつ毛の輪郭成分が強調されて好適な解像感が得られる一方、頬についても高周波数成分の輪郭強調をおこなうと、頬における肌のしわや荒れが目立ってしまう。また、画像に対して低周波数成分の輪郭強調をおこなうと、頬における肌の立体感が好適に近づく一方、眼やまつ毛についても低周波数成分の輪郭強調をおこなうと、眼やまつ毛の輪郭成分がぼやけてしまい、好適な解像感が得られにくい。
【0098】
このため、分割領域内の画像データの特徴を参照して、領域ごとに適切な空間周波数帯域で輪郭強調を実行することで、画像データ全体として好適な解像感が得られる輪郭強調を実現する。また、実施例5においても、画像の表示倍率に依存することなく、クイック輪郭強調の設定値を設定することができる。
【0099】
なお、実施例5では、実施例1をベースにして、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1との共通点については同一符号を用い、その説明を省略する。また、実施例3、4についても処理内容に矛盾が生じない限り実施例5が適用可能である。特に、実施例4は、送信先が補正をおこなうため、補正前の設定については、情報処理装置1700に対し実施例5が適用可能であり、補正については、送信先に対し実施例5が適用可能である。
【0100】
<分割領域の輪郭強調例>
図20は、分割領域の輪郭強調例を示す説明図である。図20では、画像データの一例としてポートレート写真の画像データ2000を例に挙げて説明する。画像データ2000は、被写体の画像データ2001と背景の画像データ2002とを含む。被写体は、ここでは、女性のバストアップポートレートとし、背景は、ほぼ単一色とする。
【0101】
分割領域2011Aは、まつ毛を含む高周波数成分の画像領域であるため、画像処理装置800は、分割領域2011Aについて第1輪郭強調を適用する。第1輪郭強調の設定値については、ユーザがスライダを操作してプラス設定してもよく、あらかじめプラス設定された設定値(たとえば、+4)にしてもよい。分割領域2011Aについて第1輪郭強調が適用されると、補正後の分割領域2011Bが得られる。分割領域2011Bのまつ毛は、分割領域2011Aに比べて輪郭成分が強調された解像感の高い画像となる。
【0102】
また、分割領域2012Aは、頬を含む低周波数成分の画像領域であるため、画像処理装置800は、分割領域2012Aについて第3輪郭強調を適用する。第3輪郭強調の設定値については、ユーザがスライダを操作してマイナス設定してもよく、あらかじめマイナス設定された設定値(たとえば、-1)にしてもよい。分割領域2012Aについて第3輪郭強調が適用されると、補正後の分割領域2012Bが得られる。分割領域2012Bの頬は、分割領域2012Aに比べて輪郭成分が弱まり、好適な肌の立体感が得られる。
【0103】
<撮像装置700の機能的構成例>
図21は、実施例5にかかる撮像装置700の機能的構成例を示すブロック図である。図21では、図8の構成において、画像処理装置800は分割部2100を有する。分割部2100は、具体的には、たとえば、図7に示した記憶デバイス702に記憶されたプログラムをプロセッサ701に実行させることにより、またはLSI707により実現される。
【0104】
分割部2100は、画像データを複数の画像領域に分割する。具体的には、たとえば、分割部2100は、顔検出機能を有し、顔検出された画像領域については、さらに当該顔の画像領域をその特徴、すなわち、眼、まつ毛、耳、鼻、口、頬などの顔のパーツごとに細分化することにより、分割領域を生成する。これにより、設定部804は、各分割領域内の画像データの特徴に応じて、表示倍率にかかわらず、第1輪郭強調~第3輪郭強調のいずれかの設定値を設定する。
【0105】
また、分割部2100は、被写体検出機能を有し、たとえば、逐次記録されるスルー画像用データや動画のフレームについて、先行するフレームとの差分から動きベクトルを検出し、被写体の画像データを特定する。そして、分割部2100は、被写体と背景との境界を含む画像領域と、境界を含まない画像領域とに分割する。これにより、設定部804は、各分割領域内の画像データの特徴に応じて、表示倍率にかかわらず、第1輪郭強調~第3輪郭強調のいずれかの設定値を設定する。
【0106】
<輪郭強調処理手順例>
図22は、実施例5にかかる輪郭強調処理手順例を示すフローチャートである。画像処理装置800は、分割部2100により、画像データに対し顔検出や被写体検出をおこなうことで、画像データを領域分割する(ステップS2211)。つぎに、画像処理装置800は、設定部804により、分割領域の各々について、分割領域内の画像データの特徴に基づいて、輪郭強調設定をおこなう(ステップS2212)。
【0107】
具体的には、たとえば、上述したように、分割領域内の画像データが眼やまつ毛の画像データであれば、第1輪郭強調の設定値に設定し、頬の画像データであれば、第3輪郭強調の設定値に設定する。そして、画像処理装置800は、補正部805により、分割領域の各々について、ステップS2212で設定した設定値により輪郭強調に基づく補正をおこなう(ステップS2213)。そして、画像処理装置800は、表示部806により、ステップS2213の補正後の画像データの画像を表示デバイス710に表示する(ステップS2213)。これにより、一連の輪郭強調処理が終了する。
【0108】
このように、分割領域内の画像データの特徴に応じて、分割領域ごとに独立して輪郭強調を設定することができ、好適な解像感の画像を出力することができる。なお、実施例5を実施例3、4に適用する場合は、送信先に対応する設定情報内の第1輪郭強調~第3輪郭強調の設定値を用いて、分割領域ごとに輪郭強調の設定値を設定することになる。
【0109】
[その他の例]
なお、上述した実施例1~実施例5では、補正の一例として、画像の輪郭成分を強調したり、弱めたりする輪郭強調処理について説明したが、高周波数帯域、中周波数帯域、および低周波数帯域ごとの画像のノイズ低減処理についても適用してもよい。この場合、設定値が大きくなるにしたがってノイズが低減される。なお、ノイズ低減処理は、実施例1~実施例5の輪郭強調処理に置き換えてもよく、輪郭強調処理と併用してもよい。
【0110】
(1)以上説明したように、本実施例によれば、画像処理装置800では、3以上の空間周波数帯域ごとに輪郭強調処理やノイズ低減処理に関する補正情報の各々を独立して設定可能にする設定部804を有する。これにより、ユーザが、画像の輪郭成分やノイズを適切に調整することができる。換言すれば、画像内の幅広い空間周波数をもった被写体の輪郭成分を強調したり、ノイズを低減したりすることができる。このように、3つの空間周波数帯域をそれぞれ適切に強調するため、画像がどの表示倍率であっても、画像内の被写体の輪郭成分が強調された、換言すれば、輪郭が際立って明瞭に見える画像(いわゆる、くっきりとした画像)に補正される。また、ノイズ低減により、画像がどの表示倍率であっても、画像内の被写体のノイズが低減された画像に補正される。このように、3つの空間周波数帯域の輪郭成分をそれぞれ適切に調整するため、画像内の幅広い空間周波数をもった被写体の輪郭成分の強弱を調整できる。
【0111】
一般的な輪郭強調処理やノイズ低減処理では、画像に与える処理は変わらないが、表示倍率が変わると人間が受ける印象が変わってしまう。たとえば、輪郭強調処理の場合、高周波数成分を調整する輪郭強調処理では、高倍率表示では好適な解像感が得られやすい。一方、低倍率表示では、高周波数成分を調整する輪郭強調処理よりも、低周波数成分を調整する輪郭強調処理の方が好適な解像感が得られやすい。このため、第2周波数帯域の補正情報を独立して設定可能とすることにより、調整の自由度が増加する。
【0112】
(2)また、上記(1)の画像処理装置800において、設定部804は、表示する画像の表示倍率に基づいて、各補正情報を設定してもよい。これにより、画像の表示倍率に適した補正をおこなうことができる。
【0113】
(3)また、上記(2)の画像処理装置800において、設定部804は、第1空間周波数帯域、第2空間周波数帯域、および第3空間周波数帯域のうち、表示倍率に基づく特定の空間周波数帯域について各補正情報を設定してもよい。これにより、表示倍率に適した空間周波数帯域を選択することができる。
【0114】
(4)また、上記(1)の画像処理装置800において、設定部804は、被写体の撮影シーンに基づいて、各補正情報を設定してもよい。これにより、撮影シーンに適した空間周波数帯域の調整をおこなうことができる。
【0115】
(5)また、上記(1)の画像処理装置800において、設定部804は、被写体の認識結果に基づいて、各補正情報を設定してもよい。これにより、被写体に適した空間周波数帯域の調整をおこなうことができる。
【0116】
(6)また、上記(5)の画像処理装置800は、認識結果に基づいて、前記被写体の画像を複数の領域に分割する分割部2100を有し、設定部804は、分割部2100によって分割された領域ごとに、各補正情報を設定してもよい。これにより、領域ごとに、領域内の画像に適した空間周波数帯域の調整をおこなうことができる。
【0117】
(7)また、上記(1)の画像処理装置800において、補正情報は、画像データの輪郭成分を調整する情報(たとえば、輪郭強調の設定値)を含み、補正部805は、各補正情報に基づいて、画像データについて輪郭強調処理を実行してもよい。これにより、3以上の空間周波数帯域の輪郭成分の補正情報の各々を独立して設定可能にすることができる。
【0118】
(8)また、上記(7)の画像処理装置800において、輪郭強調処理は、輪郭成分を弱める処理を含んでもよい。これにより、輪郭成分を強調する処理から弱める処理まで幅広く調整することができる。
【0119】
(9)また、上記(1)の画像処理装置800において、補正情報は、画像データのノイズ低減処理を調整する情報(たとえば、ノイズ低減の設定値)を含み、補正部805は、各補正情報に基づいて、画像データについてノイズ低減処理を実行してもよい。これにより、3以上の空間周波数帯域のノイズ低減に関する補正情報の各々を独立して設定可能にすることができる。
【0120】
(10)また、上記(1)の画像処理装置800において、設定部804は、各補正情報を一括して設定してもよい。これにより、3以上の空間周波数帯域の各補正情報をまとめて即座に設定することができる。
【0121】
(11)また、上記(10)の画像処理装置800において、設定部804は、各補正情報と連動する特定の補正情報を指定可能な指定範囲を表示画面に表示させ、指定範囲内の特定の補正情報が指定されると各補正情報を一括して設定してもよい。これにより、補正の際の利便性の向上を図ることができる。
【0122】
(12)また、上記(1)の画像処理装置800は、送信先を選択する選択部1302を有し、設定部804は、選択部1302によって選択された特定の送信先に基づいて、各補正情報を設定してもよい。これにより、送信先に適した空間周波数帯域の調整をおこなうことができる。
【0123】
(13)また、上記(12)の画像処理装置800は、補正部805によって補正された補正後の画像データを特定の送信先に送信する送信部1303を有してもよい。これにより、送信先に適した空間周波数帯域の調整がおこなわれた画像データを送信先に送り、送信先に適した画像を送信先で出力することができる。
【0124】
(14)また、上記(12)の画像処理装置800は、複数の送信先の各々について画像データを生成する生成部803と、生成部803によって生成された画像データを送信する送信部1303と、を有し、設定部804は、画像データの複数の送信先の各々について、送信先に基づいて各補正情報を設定し、補正部805は、複数の送信先の各々の画像データについて、送信先に基づいて設定された各補正情報を用いて補正し、送信部1303は、補正部805によって補正された複数の画像データのうち、特定の送信先について補正された画像データを、特定の送信先に送信してもよい。これにより、特定の送信先が未選択の状態で画像データを送信先ごとに補正することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0125】
(15)また、情報処理装置1700は、3以上の空間周波数帯域の輪郭強調処理やノイズ低減処理に関する補正情報の各々を独立して設定可能にする設定部804と、設定部804によって設定された各補正情報と、各補正情報を用いる補正対象の画像データとを、送信先に送信する送信部1303と、を有する。これにより、ユーザが、画像の輪郭強調処理やノイズ低減処理を適切に設定することができる。
【0126】
なお、本発明は上記の内容に限定されるものではなく、これらを任意に組み合わせたものであってもよい。また、本発明の技術的思想の範囲で考えられるその他の態様も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
101~104 グラフ、200、1201~1203 設定情報、300 設定画面、700 撮像装置、701 プロセッサ、702 記憶デバイス、705 撮像素子、708 操作デバイス、710 表示デバイス、720 撮像部、800 画像処理装置、801 記憶部、802 取得部、803 生成部、804 設定部、805 補正部、806 表示部、1302 選択部、1303 送信部、1700 情報処理装置、2100 分割部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22