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特開2023-101385タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物及びこれを用いたタングステンパターンウエハーの研磨方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101385
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物及びこれを用いたタングステンパターンウエハーの研磨方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230712BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20230712BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20230712BHJP
   C09G 1/02 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
H01L21/304 622X
H01L21/304 622B
H01L21/304 622C
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
C09G1/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178909
(22)【出願日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002682
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朴 泰遠
(72)【発明者】
【氏名】金 眞▲教▼
(72)【発明者】
【氏名】李 知虎
(72)【発明者】
【氏名】李 義▲郎▼
(72)【発明者】
【氏名】李 東▲ヒョン▼
【テーマコード(参考)】
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C158AA07
3C158AC04
3C158BA02
3C158BA04
3C158BA05
3C158CB01
3C158CB03
3C158CB10
3C158DA02
3C158DA12
3C158DA17
3C158EA11
3C158EB01
3C158ED04
3C158ED10
3C158ED15
3C158ED23
3C158ED26
3C158ED28
5F057AA03
5F057AA21
5F057AA28
5F057BA15
5F057BB16
5F057BB25
5F057BB34
5F057CA12
5F057DA03
5F057EA01
5F057EA07
5F057EA16
5F057EA18
5F057EA27
5F057EA29
5F057EA31
(57)【要約】
【課題】タングステンパターンウエハーを正電荷で改質された研磨剤で研磨したとき、研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨副産物の吸着及び/又は研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨剤の吸着を抑制し、酸化膜の研磨速度は高く維持する、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を提供する。
【解決手段】極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上の溶媒;窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含む研磨剤;及びアルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤;を含んでタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を構成する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上の溶媒;窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含む研磨剤;及びアルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤;を含む、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項2】
前記アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項3】
前記アルキレンオキシド基はエチレンオキシド基である、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤は、前記アルキレンオキシド基としてプロピレンオキシド基をさらに有する、請求項3に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤は、前記アルキレンオキシド基を0モル超過10モル以下で有する、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤は、フッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基、及びフッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルコキシ基のうち1種以上を有する、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤は過フッ素化されたものである、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項8】
前記シリカは、表面に正電荷を有する、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項9】
前記シランは、窒素の個数が1個乃至5個であるアミノシランである、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項10】
前記組成物は、前記研磨剤0.001重量%乃至20重量%、前記界面活性剤0.001ppm乃至200ppm、有機酸0.1ppm乃至1000ppm、触媒1ppm乃至1000ppm、アミノ酸0.001重量%乃至10重量%、及び残量の前記溶媒を含む、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項11】
前記組成物は、pHが3乃至7である、請求項1に記載のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を用いてタングステンパターンウエハーを研磨する段階を含む、タングステンパターンウエハーの研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物及びこれを用いたタングステンパターンウエハーの研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の表面を研磨(又は平坦化)するための化学的機械的研磨(CMP)組成物及び方法は、関連技術分野に広く公知となっている。半導体基板上の金属層(例えば、タングステン)を研磨するための研磨組成物は、水溶液中に懸濁された研磨剤粒子及び化学的促進剤、例えば、酸化剤、触媒などを含むことができる。
【0003】
CMP組成物で金属層を研磨する工程は、初期金属層のみを研磨する段階と、金属層及びバリア層を研磨する段階と、金属層、バリア層及び酸化膜を研磨する段階とを行う。このうち、金属層、バリア層及び酸化膜を研磨する段階でタングステンパターンウエハー研磨組成物が使用されるが、金属層及び酸化膜が適切な研磨速度で研磨されたときに優れた研磨平坦化を達成することができる。
【0004】
近年、金属層、バリア層及び酸化膜を研磨する段階に使用されるCMPスラリー組成物は、研磨剤粒子の含量を減少させながら酸化膜の研磨速度を高め、高い平坦化を達成するために、正電荷で改質された粒子を研磨剤として使用する技術が検討されている。しかし、研磨中に発生する研磨副産物及び研磨剤が研磨パッド(pad)に吸着するので、研磨パッドの寿命が短くなり得る。また、研磨後、洗浄過程で一定の使用時間にわたってブラッシュ(brush)に研磨剤及び研磨副産物が継続して吸着するので、研磨対象にディフェクト(defect)が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、タングステンパターンウエハーを正電荷で改質された研磨剤で研磨したとき、研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨副産物の吸着及び/又は研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨剤の吸着を抑制し、酸化膜の研磨速度は高く維持する、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、タングステンパターンウエハーを正電荷で改質された研磨剤で研磨したとき、研磨パッドの寿命を長くし、研磨表面での研磨平坦度を改善する、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点は、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物である。
【0008】
1.タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物は、極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上の溶媒;窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含む研磨剤;及びアルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤;を含む。
【0009】
2.1において、前記アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であってもよい。
【0010】
3.1-2において、前記アルキレンオキシド基はエチレンオキシド基であってもよい。
【0011】
4.3において、前記界面活性剤は、前記アルキレンオキシド基としてプロピレンオキシド基をさらに有することができる。
【0012】
5.1-4において、前記界面活性剤は、前記アルキレンオキシド基を0モル超過10モル以下で有することができる。
【0013】
6.1-5において、前記界面活性剤は、フッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基、及びフッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルコキシ基のうち1種以上を有することができる。
【0014】
7.1-6において、前記界面活性剤は、過フッ素化されたものであってもよい。
【0015】
8.1-7において、前記シリカは、表面に正電荷を有することができる。
【0016】
9.1-8において、前記シランは、窒素の個数が1個乃至5個であるアミノシランであってもよい。
【0017】
10.1-9において、前記組成物は、前記研磨剤0.001重量%乃至20重量%、前記界面活性剤0.001ppm乃至200ppm、有機酸0.1ppm乃至1000ppm、触媒1ppm乃至1000ppm、アミノ酸0.001重量%乃至10重量%、及び残量の前記溶媒を含むことができる。
【0018】
11.1-10において、前記組成物は、pHが3乃至7であってもよい。
【0019】
本発明のタングステンパターンウエハーの研磨方法は、本発明のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を用いてタングステンパターンウエハーを研磨する段階を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、タングステンパターンウエハーを正電荷で改質された研磨剤で研磨したとき、研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨副産物の吸着及び/又は研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨剤の吸着を抑制し、酸化膜の研磨速度は高く維持する、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を提供することができる。
【0021】
本発明は、タングステンパターンウエハーを正電荷で改質された研磨剤で研磨したとき、研磨パッドの寿命を長くし、研磨表面での研磨平坦度を改善する、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書において、「置換又は非置換の」において、「置換の」は、該当の官能基のうち1個以上の水素原子が、水酸基、炭素数1乃至20のアルキル基又はハロアルキル基、炭素数2乃至20のアルケニル基又はハロアルケニル基、炭素数2乃至20のアルキニル基又はハロアルキニル基、炭素数3乃至20のシクロアルキル基、炭素数3乃至20のシクロアルケニル基、炭素数6乃至20のアリール基、炭素数7乃至20のアリールアルキル基、炭素数1乃至20のアルコキシ基、炭素数6乃至20のアリールオキシ基、アミノ基、ハロ、シアノ基及びチオール基のうちいずれか一つに置換されたことを意味する。
【0023】
本明細書において、「1価の脂肪族炭化水素基」は、置換又は非置換の炭素数1乃至20の線形又は分枝型のアルキル基、好ましくは炭素数1乃至10、さらに好ましくは炭素数1乃至5のアルキル基になってもよい。
【0024】
本明細書において、「1価の脂環族炭化水素基」は、置換又は非置換の炭素数3乃至20のシクロアルキル基、好ましくは炭素数3乃至10、さらに好ましくは炭素数3乃至5のシクロアルキル基になってもよい。
【0025】
本明細書において、「1価の芳香族炭化水素基」は、置換又は非置換の炭素数6乃至20のアリール基、又は置換又は非置換の炭素数7乃至20のアリールアルキル基、好ましくは、炭素数6乃至10のアリール基又は炭素数7乃至10のアリールアルキル基になってもよい。
【0026】
本明細書において、「2価の脂肪族炭化水素基」、「2価の脂環族炭化水素基」又は「2価の芳香族炭化水素基」は、上述した「1価の脂肪族炭化水素基」、「1価の脂環族炭化水素基」、及び「1価の芳香族炭化水素基」がそれぞれ2価の形態に変形したことを意味する。
【0027】
例えば、「2価の脂肪族炭化水素基」は、置換又は非置換の炭素数1乃至20の線形又は分枝型のアルキレン基、好ましくは炭素数1乃至10、さらに好ましくは炭素数1乃至5のアルキレン基;「2価の脂環族炭化水素基」は、置換又は非置換の炭素数3乃至20のシクロアルキレン基、好ましくは炭素数3乃至10、さらに好ましくは炭素数3乃至5のシクロアルキレン基;「2価の芳香族炭化水素基」は、置換又は非置換の炭素数6乃至20のアリーレン基又は置換又は非置換の炭素数7乃至20のアリールアルキレン基、好ましくは炭素数6乃至10のアリーレン基、炭素数7乃至10のアリールアルキレン基になってもよい。
【0028】
本明細書において、数値範囲の記載時、「X乃至Y」は、X以上Y以下を意味する。
【0029】
本発明は、タングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物に関する。前記組成物は、研磨剤として、窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含み、タングステンパターンウエハーの研磨速度を高めた。しかし、本発明者は、前記CMPスラリー組成物において、研磨時に発生する研磨副産物が研磨パッド(pad)又はブラッシュ(brush)に吸着したり、及び/又は研磨剤が研磨パッド又はブラッシュに吸着したりすることを確認した。研磨副産物及び/又は研磨剤の吸着は、研磨パッドの寿命を短縮させ、ブラッシュに累積吸着した研磨副産物及び/又は研磨剤は、研磨対象にディフェクトを発生させ、研磨平坦度を低下させるという問題を有する。そこで、前記吸着を妨害するためにCMP組成物に任意の添加剤をさらに含ませたときは、酸化膜の研磨速度がむしろ低下し得る。窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含む研磨剤に特定の界面活性剤をさらに含ませることにより、前記研磨副産物及び/又は研磨剤の吸着を抑制しながら酸化膜の研磨速度は高く維持した。
【0030】
本発明のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物(以下、「CMPスラリー組成物」という)は、極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上の溶媒;窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含む研磨剤;及びアルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤;を含む。
【0031】
溶媒
【0032】
極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上の溶媒は、タングステンパターンウエハーを研磨剤で研磨したとき、摩擦を減少させることができる。極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上は、水(例えば、超純水又は脱イオン水)、有機アミン、有機アルコール、有機アルコールアミン、有機エーテル、有機ケトンなどになってもよい。好ましくは、溶媒は、超純水又は脱イオン水を含むことができる。極性溶媒及び非極性溶媒のうち1種以上の溶媒は、CMPスラリー組成物のうち残量、例えば、30重量%乃至99重量%で含まれてもよい。
【0033】
研磨剤
【0034】
研磨剤は、絶縁層膜(例:シリコン酸化膜)及びタングステンパターンウエハーを高い研磨速度で研磨することができる。
【0035】
研磨剤は、窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含む。前記改質されたシリカは、非改質されたシリカに比べて絶縁層膜の研磨速度を改善することができ、スクラッチを低下させることができる。また、前記改質されたシリカは、従来の強酸性に比べてpHが高い弱酸性のpH範囲でも、高いタングステンパターンウエハーの研磨速度を出すことができる。
【0036】
一具体例において、前記シリカは、窒素の個数が1個以上であるシラン単独によって改質されているので、シリカの表面に正電荷を備えている。前記シリカは、+10mV乃至+100mV、例えば、+10mV、+15mV、+20mV、+25mV、+30mV、+35mV、+40mV、+45mV、+50mV、+55mV、+60mV、+65mV、+70mV、+75mV、+80mV、+85mV、+90mV、+95mV、+100mV、具体的には+20mV乃至+60mVの表面ゼータ電位を有することができる。前記範囲で、絶縁層膜の研磨速度の改善に役立つことができる。
【0037】
前記改質されたシリカは、球形又は非球形の粒子であって、1次粒子の平均粒径(D50)が10nm乃至200nm、例えば、10nm、15nm、20nm、25nm、30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、155nm、160nm、165nm、170nm、175nm、180nm、185nm、190nm、195nm、200nm、具体的には20nm乃至180nm、さらに具体的には30nm乃至150nmになってもよい。前記範囲で、本発明の研磨対象である絶縁層膜及びタングステンパターンウエハーに対する研磨速度を高めることができる。前記「平均粒径(D50)」は、当業者に知られている通常の粒径を意味し、研磨剤を体積基準で最小から最大の順に分布させたとき、50体積%に該当する粒子の粒径を意味する。
【0038】
窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカは、非改質されたシリカに窒素の個数が1個以上であるシランを添加した後、所定時間反応させることによって製造され得る。非改質されたシリカは、シリカの表面に負電荷を備えており、コロイダルシリカ及びフュームドシリカのうち1種以上を含むことができ、好ましくはコロイダルシリカを含むことができる。
【0039】
一具体例において、非改質されたシリカに、窒素の個数が1個以上であるアミノシランを、非改質されたシリカに対して0.02乃至1のモル比で、酸性条件で添加した後、50℃乃至80℃で10時間乃至30時間にわたって撹拌することによって改質されたシリカを製造することができる。前記酸性条件は、塩酸、フッ化水素酸、酢酸、硝酸、硫酸などの酸を添加することによって行われ得る。前記非改質されたシリカとしては、PL series 2乃至20(FUSO社)などを使用できるが、これに制限されない。
【0040】
一具体例において、シリカは、窒素の個数が1個以上、例えば、1個乃至5個であるアミノシランで改質されてもよい。好ましくは、シリカは、下記で詳述する窒素の個数が2個であるアミノシラン、及び窒素の個数が3個であるアミノシランのうち1種以上で改質されてもよく、これらは、窒素の個数が1個であるアミノシランで改質されたシリカに比べて研磨速度をさらに高めることができる。
【0041】
窒素の個数が2個であるシラン
【0042】
窒素の個数が2個であるシランは、下記の化学式1の化合物、下記の化学式1の化合物から由来する陽イオン、又は下記の化学式1の化合物の塩を含むことができる:
【0043】
【化1】
(前記化学式1において、
、X、Xは、それぞれ独立して、水素、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6乃至20のアリール基、置換又は非置換の炭素数3乃至20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数7乃至20のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基、又は置換又は非置換の炭素数6乃至20のアリールオキシ基で、
、X、及びXのうち少なくともいずれか一つは、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基、又は置換又は非置換の炭素数6乃至20のアリールオキシ基で、
、Yは、それぞれ独立して、単一結合、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基で、
、R、Rは、それぞれ独立して、水素、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20の1価の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の炭素数3乃至20の1価の脂環族炭化水素基、又は置換又は非置換の炭素数6乃至20の1価の芳香族炭化水素基である。)
【0044】
一具体例において、研磨剤は、前記化学式1の化合物で改質されたシリカを含むことができる。
【0045】
好ましくは、前記化学式1において、X、X、Xは、それぞれ独立して、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルキル基、又は置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基で、X、X、及びXのうち少なくとも一つは、水酸基、又は置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基である。さらに好ましくは、前記化学式1において、X、X、Xは、水酸基、又は置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基である。これを通じて、シリカに化学式1の化合物がさらに安定的に結合されることによって、研磨剤の寿命を延ばすことができる。
【0046】
好ましくは、Y、Yは、それぞれ独立して、2価の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは炭素数1乃至5のアルキレン基になってもよい。
【0047】
好ましくは、前記化学式1において、R、R、Rは、それぞれ独立して水素になり、前記化学式1は、アミノ基(-NH)含有シランになってもよい。
【0048】
例えば、前記化学式1の化合物は、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノエチルアミノメチルトリエトキシシラン、及びアミノエチルアミノメチルメチルジエトキシシランのうち1種以上を含むことができる。
【0049】
他の具体例において、研磨剤は、前記化学式1の化合物から由来した陽イオンで改質されたシリカを含むことができる。
【0050】
前記化学式1の化合物から由来した陽イオンは、前記化学式1で2個の窒素のうち一つ以上に水素又は置換基がさらに結合されることによって形成される陽イオンを意味する。前記陽イオンは、1価の陽イオン乃至2価の陽イオンになってもよい。例えば、前記陽イオンは、下記の化学式1-1乃至下記の化学式1-3のうちいずれか一つで表され得る:
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
(前記化学式1-1乃至1-3において、X、X、X、Y、Y、R、R、Rは、それぞれ前記化学式1で定義した通りであって、
、Rは、それぞれ独立して、水素、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20の1価の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の炭素数3乃至20の1価の脂環族炭化水素基、又は置換又は非置換の炭素数6乃至20の1価の芳香族炭化水素基である)。
【0054】
他の具体例において、研磨剤は、前記化学式1の化合物の塩で改質されたシリカを含むことができる。前記化学式1の化合物の塩は、上述した化学式1の化合物から由来した陽イオンと陰イオンの中性塩を意味する。
【0055】
前記陽イオンは、上述した化学式1-1乃至化学式1-3のうちいずれか一つで表され得る。前記陰イオンは、ハロゲン陰イオン(例:F、Cl、Br、I);炭酸陰イオン(例:CO 2-、HCO )、酢酸陰イオン(CHCOO)、クエン酸陰イオン(HOC(COO)(CHCOO)などの有機酸陰イオン;窒素含有陰イオン(例:NO 、NO );リン含有陰イオン(例:PO 3-、HPO 2-、HPO );硫黄含有陰イオン(例:SO 2-、HSO );シアナイド陰イオン(CN)などを挙げることができる。
【0056】
窒素の個数が3個であるシラン
【0057】
窒素の個数が3個であるシランは、下記の化学式2の化合物、下記の化学式2の化合物から由来する陽イオン、又は下記の化学式2の化合物の塩を含むことができる:
【0058】
【化5】
(前記化学式2において、
、X、Xは、前記化学式1で定義した通りであって、
、Y、Yは、それぞれ独立して、単一結合、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環族炭化水素基又は2価の芳香族炭化水素基で、
、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20の1価の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の炭素数3乃至20の1価の脂環族炭化水素基、又は置換又は非置換の炭素数6乃至20の1価の芳香族炭化水素基である。)
【0059】
一具体例において、研磨剤は、前記化学式2の化合物で改質されたシリカを含む。
【0060】
好ましくは、前記化学式2において、X、X、Xは、それぞれ独立して、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルキル基、又は置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基で、X、X、及びXのうち少なくとも一つは、水酸基、又は置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基である。さらに好ましくは、前記化学式2において、X、X、Xは、水酸基、又は置換又は非置換の炭素数1乃至20のアルコキシ基である。これを通じて、シリカに化学式2の化合物がさらに安定的に結合されることによって、研磨剤の寿命を延ばすことができる。
【0061】
好ましくは、前記化学式2において、Y、Y、Yは、それぞれ独立して、2価の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは炭素数1乃至5のアルキレン基になってもよい。
【0062】
好ましくは、前記化学式2において、R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素になり、前記化学式2は、アミノ基(-NH)含有シランになってもよい。
【0063】
例えば、前記化学式2の化合物は、ジエチレントリアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルトリエトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジエチレントリアミノプロピルメチルジエトキシシラン、及びジエチレントリアミノメチルメチルジエトキシシランのうち1種以上を含むことができる。
【0064】
他の具体例において、研磨剤は、前記化学式2の化合物から由来した陽イオンで改質されたシリカを含むことができる。
【0065】
前記化学式2の化合物から由来した陽イオンは、前記化学式2において、窒素に水素又は置換基が結合されることによって形成される陽イオンを意味する。前記陽イオンは、1価乃至3価の陽イオンになってもよい。例えば、前記陽イオンは、下記の化学式2-1乃至下記の化学式2-7のうちいずれか一つで表され得る:
【0066】
【化6】
【0067】
【化7】
【0068】
【化8】
【0069】
【化9】
【0070】
【化10】
【0071】
【化11】
【0072】
【化12】
(前記化学式2-1乃至2-7において、X、X、X、Y、Y、Y、R、R、R、Rは、それぞれ前記化学式2で定義した通りであって、
10、R11、R12は、それぞれ独立して、水素、水酸基、置換又は非置換の炭素数1乃至20の1価の脂肪族炭化水素基、置換又は非置換の炭素数3乃至20の1価の脂環族炭化水素基、又は置換又は非置換の炭素数6乃至20の1価の芳香族炭化水素基である。)
【0073】
他の具体例において、研磨剤は、前記化学式2の化合物の塩で改質されたシリカを含むことができる。前記化学式2の化合物の塩は、上述した化学式2の化合物から由来した陽イオンと陰イオンの中性塩を意味する。
【0074】
前記陽イオンは、上述した化学式2-1乃至化学式2-7のうちいずれか一つで表され得る。前記陰イオンは、前記化学式1の塩部分で詳述したものと同一であってもよい。
【0075】
研磨剤、例えば、窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカは、CMPスラリー組成物のうち0.001重量%乃至20重量%、具体的には、0.001重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、4.5重量%、5重量%、5.5重量%、6重量%、6.5重量%、7重量%、7.5重量%、8重量%、8.5重量%、9重量%、9.5重量%、10重量%、10.5重量%、11重量%、11.5重量%、12重量%、12.5重量%、13重量%、13.5重量%、14重量%、14.5重量%、15重量%、15.5重量%、16重量%、16.5重量%、17重量%、17.5重量%、18重量%、18.5重量%、19重量%、19.5重量%、20重量%、好ましくは0.01重量%乃至15重量%、さらに好ましくは0.05重量%乃至10重量%、最も好ましくは、0.1重量%乃至5重量%、0.5重量%乃至3重量%で含まれてもよい。前記範囲で、絶縁層膜及びタングステンパターンウエハーを高い研磨速度で研磨することができる。
【0076】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤
【0077】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、前記研磨剤を含む組成物に含まれたとき、前記研磨副産物及び/又は研磨剤の吸着を抑制し、酸化膜の研磨速度を高く維持するという効果を提供することができる。特に、前記フッ素系界面活性剤は、CMP組成物のうち他の成分に比べて少量含まれるにもかかわらず、上述した効果を提供することができる。アルキレンオキシド基を有するが、フッ素を含有しない非フッ素系界面活性剤は、酸化膜の研磨速度が著しく低下し、研磨パッド又はブラッシュに研磨副産物及び/又は研磨剤の吸着が多く発生し得る。フッ素を含有したとしても、アルキレンオキシド基を有さない非アルキレンオキシド系界面活性剤は、親水性がほとんどないオイル(oil)のように作用し、CMPスラリー組成物に混合しにくい場合がある。
【0078】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であってもよい。アルキレンオキシド基は、親水性及び非イオン性を提供することができる。ここで、前記「アルキレンオキシド基」は、*-(R-O)-*[Rは、炭素数2乃至5のアルキレン基、*は、元素の連結部位]を意味し得る。好ましくは、Rは、エチレン基又はプロピレン基になってもよい。一具体例において、前記界面活性剤は、アルキレンオキシド基としてエチレンオキシド基を有することができる。他の具体例において、前記界面活性剤は、アルキレンオキシド基としてプロピレンオキシド基をさらに有することができる。
【0079】
界面活性剤は、アルキレンオキシド基を0モル超過10モル以下、具体的には、1モル、2モル、3モル、4モル、5モル、6モル、7モル、8モル、9モル、10モル、好ましくは5モル乃至10モルで含むことができる。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0080】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、フッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基、及びフッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルコキシ基のうち1種以上を有することができる。炭素数1個乃至12個のアルキル基、及びフッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルコキシ基のうち炭素数1個乃至12個のアルキル基は、親油性を示し、界面活性剤としての役割を提供することができる。前記「フッ素化された」は、炭素原子に結合された水素原子の個数の90%以上、例えば、90%乃至100%がフッ素に置換されたことを意味する。水素原子の個数の100%がフッ素に置換された場合は、「過フッ素化された(per-fluoroinated)」と命名することができる。好ましくは、前記フッ素系界面活性剤は、フッ素化された、さらに好ましくは過フッ素化された炭素数6個乃至12個のアルキル基を有することができる。例えば、前記アルキル基は、-CF、-CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCF、-(CFCFなどになってもよい。
【0081】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、フッ素化されていない直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基をさらに有することもできる。
【0082】
一具体例において、アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、下記の化学式3の化合物を含むことができる:
【0083】
[化3]
H-(-O-R-)-O-A-R
(前記化学式3において、
は、直鎖型又は分枝鎖型の炭素数2乃至5のアルキレン基、
Aは、単一結合又は脂肪族炭化水素基、
nは、0超過10以下、
は、フッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基。)
【0084】
一具体例において、アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、下記の化学式4の化合物、及び下記の化学式5の化合物のうち1種以上を含むことができる:
【0085】
[化4]
H-(-O-CHCHCH-)n2-(-O-CHCH-)n1-O-A-R
(前記化学式4において、
n1、n2は、それぞれ独立して0乃至10、n1とn2の和(n1+n2)は、0超過、
Aは、単一結合又は脂肪族炭化水素基、
は、フッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基、又はフッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルコキシ基。)
【0086】
[化5]
H-(-O-CHCH-)n1-(-O-CHCHCH-)n2-O-A-R
(前記化学式5において、
n1、n2は、それぞれ独立して0乃至10、n1とn2の和(n1+n2)は、0超過、
Aは、単一結合又は脂肪族炭化水素基、
は、フッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルキル基、又はフッ素化された直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1個乃至12個のアルコキシ基。)
【0087】
前記化学式3、化学式4、及び化学式5において、「脂肪族炭化水素基」は、直鎖型又は分枝鎖型の炭素数1乃至10のアルキレン基であってもよい。
【0088】
好ましくは、前記化学式3において、nは、5乃至10であってもよい。
【0089】
好ましくは、前記化学式4、及び前記化学式5において、n1は5乃至10で、n2は0であったり;n2は5乃至10で、n1は0であったり;又はn1、n2はそれぞれ0超過で、n1+n2は5乃至10であってもよい。
【0090】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、当業者に知られている通常の方法で製造可能であり、例えば、過フッ素化されたアルコールとアルキレンオキシド基を有する化合物を反応させて製造され得る。
【0091】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、CMPスラリー組成物のうち0.001ppm乃至200ppm、具体的には、0.001ppm、0.1ppm、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、13ppm、14ppm、15ppm、16ppm、17ppm、18ppm、19ppm、20ppm、21ppm、22ppm、23ppm、24ppm、25ppm、26ppm、27ppm、28ppm、29ppm、30ppm、31ppm、32ppm、33ppm、34ppm、35ppm、36ppm、37ppm、38ppm、39ppm、40ppm、41ppm、42ppm、43ppm、44ppm、45ppm、46ppm、47ppm、48ppm、49ppm、50ppm、51ppm、52ppm、53ppm、54ppm、55ppm、56ppm、57ppm、58ppm、59ppm、60ppm、61ppm、62ppm、63ppm、64ppm、65ppm、66ppm、67ppm、68ppm、69ppm、70ppm、71ppm、72ppm、73ppm、74ppm、75ppm、76ppm、77ppm、78ppm、79ppm、80ppm、81ppm、82ppm、83ppm、84ppm、85ppm、86ppm、87ppm、88ppm、89ppm、90ppm、91ppm、92ppm、93ppm、94ppm、95ppm、96ppm、97ppm、98ppm、99ppm、100ppm、101ppm、102ppm、103ppm、104ppm、105ppm、106ppm、107ppm、108ppm、109ppm、110ppm、111ppm、112ppm、113ppm、114ppm、115ppm、116ppm、117ppm、118ppm、119ppm、120ppm、121ppm、122ppm、123ppm、124ppm、125ppm、126ppm、127ppm、128ppm、129ppm、130ppm、131ppm、132ppm、133ppm、134ppm、135ppm、136ppm、137ppm、138ppm、139ppm、140ppm、141ppm、142ppm、143ppm、144ppm、145ppm、146ppm、147ppm、148ppm、149ppm、150ppm、151ppm、152ppm、153ppm、154ppm、155ppm、156ppm、157ppm、158ppm、159ppm、160ppm、161ppm、162ppm、163ppm、164ppm、165ppm、166ppm、167ppm、168ppm、169ppm、170ppm、171ppm、172ppm、173ppm、174ppm、175ppm、176ppm、177ppm、178ppm、179ppm、180ppm、181ppm、182ppm、183ppm、184ppm、185ppm、186ppm、187ppm、188ppm、189ppm、190ppm、191ppm、192ppm、193ppm、194ppm、195ppm、196ppm、197ppm、198ppm、199ppm、200ppm、好ましくは0.01ppm乃至100ppm、さらに好ましくは1ppm乃至100ppm、最も好ましくは10ppm乃至100ppmで含まれてもよい。前記範囲で、研磨剤及び研磨副産物の吸着を抑制し、酸化膜の研磨速度低下を防止することができる。
【0092】
アルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤は、CMPスラリー組成物に含有された界面活性剤のうち90重量%以上、好ましくは95重量%乃至100重量%、最も好ましくは99重量%乃至100重量%で含有されてもよい。前記範囲で、本発明の効果を容易に具現することができる。
【0093】
CMPスラリー組成物は、酸化剤、触媒、アミノ酸、及び有機酸のうち1種以上をさらに含むことができる。
【0094】
酸化剤は、タングステンパターンウエハーを酸化させ、タングステンパターンウエハーの研磨を容易にすることができる。
【0095】
酸化剤は、無機過化合物、有機過化合物、臭素酸又はその塩、硝酸又はその塩、塩素酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ヨウ素酸又はその塩、鉄又はその塩、銅又はその塩、稀土類金属酸化物、遷移金属酸化物、及び重クロム酸カリウムのうち一つ以上を含むことができる。前記「過化合物」は、一つ以上の過酸化基(-O-O-)を含むか、または、最高酸化状態の元素を含む化合物である。好ましくは、酸化剤として過化合物を使用することができる。例えば、過化合物は、過酸化水素、過ヨウ素化カリウム、過硫酸カルシウム、及びフェリシアン化カリウムのうち一つ以上、好ましくは過酸化水素であってもよい。
【0096】
酸化剤は、CMPスラリー組成物のうち0.01重量%乃至20重量%、好ましくは0.05重量%乃至10重量%、さらに好ましくは0.1重量%乃至5重量%で含まれてもよい。前記範囲で、タングステンパターンウエハーの研磨速度を向上させることができる。
【0097】
触媒は、鉄イオン化合物、鉄イオン錯化合物、及びその水和物のうち1種以上を含むことができる。
【0098】
鉄イオン化合物、鉄イオン錯化合物、及びその水和物のうち1種以上は、タングステンパターンウエハーの研磨速度を向上させることができる。
【0099】
鉄イオン化合物は、鉄3価陽イオン含有化合物を含むことができる。鉄3価陽イオン含有化合物は、鉄3価陽イオンが水溶液状態で自由陽イオンとして存在する化合物であれば特に制限されない。例えば、鉄3価陽イオン含有化合物は、塩化鉄(FeCl)、硝酸鉄(Fe(NO)、及び硫酸鉄(Fe(SO)のうち1種以上を含み得るが、これに制限されない。
【0100】
鉄イオン錯化合物は、鉄3価陽イオン含有錯化合物を含むことができる。鉄3価陽イオン含有錯化合物は、鉄3価陽イオンが水溶液状態でカルボン酸類、リン酸類、硫酸類、アミノ酸類、及びアミン類のうち1種以上の官能基を有する有機化合物又は無機化合物と反応して形成された化合物又はその塩を含むことができる。前記有機化合物又は無機化合物は、シトレート、アンモニウムシトレート、パラトルエンスルホン酸(pTSA)、PDTA(1,3-propylenediaminetetraacetic acid)、EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)、DTPA(diethylenetriaminepentaacetic acid)、NTA(nitrilotriacetic acid)、EDDS(ethylenediamine-N,N'-disuccinic acid)などになってもよいが、これに制限されない。鉄3価陽イオン含有錯化合物の具体的な例としては、クエン酸鉄(ferric citrate)、クエン酸鉄のアンモニウム塩(ferric ammonium citrate)、Fe(III)-pTSA、Fe(III)-PDTA、Fe(III)-EDTAなどになってもよいが、これに制限されない。
【0101】
触媒、例えば、鉄イオン化合物、鉄イオンの錯化合物、及びその水和物のうち1種以上は、CMPスラリー組成物のうち1ppm乃至1000ppm、好ましくは1ppm乃至500ppm、さらに好ましくは1ppm乃至200ppm、最も好ましくは1ppm乃至100ppmで含まれてもよい。前記範囲で、タングステン膜の研磨速度を高めることができる。
【0102】
アミノ酸は、上述した改質されたシリカを含む研磨剤を含むCMPスラリー組成物に含まれ、タングステンの研磨速度をさらに高めることができる。
【0103】
アミノ酸は、グリシン、リシン、アラニン、ヒスチジン、セリン、グルタミン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、プロリンなどを含むことができる。好ましくは、アミノ酸は、グリシン、リシン、アラニン、及びヒスチジンのうち1種以上、さらに好ましくはグリシンを含むことができる。
【0104】
アミノ酸は、CMPスラリー組成物のうち0.001重量%乃至10重量%、好ましくは0.005重量%乃至5重量%、さらに好ましくは0.01重量%乃至1重量%、最も好ましくは0.02重量%乃至0.5重量%で含まれてもよい。前記範囲で、タングステン膜の研磨速度を高めることができる。
【0105】
有機酸は、タングステンパターンウエハーの研磨速度を高めることができる。
【0106】
有機酸は、カルボキシ基が1個以上である有機酸、好ましくは、カルボキシ基が1個である有機酸を含むことができる。例えば、有機酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及び吉草酸のうち1種以上を含むことができる。
【0107】
有機酸は、CMPスラリー組成物のうち0.1ppm乃至1000ppm、好ましくは0.2ppm乃至500ppm、さらに好ましくは0.5ppm乃至300ppm、最も好ましくは1ppm乃至300ppmで含まれてもよい。前記範囲で、研磨剤の分散安定性を高め、製造後に長期間経過したとしても、研磨剤の固まり及び/又は凝集を防止することができる。
【0108】
CMPスラリー組成物は、pHが3乃至7、好ましくは4乃至6、さらに好ましくは5乃至6になってもよい。本発明は、上述した改質されたシリカを研磨剤として使用することによって、従来の強酸性に比べて弱酸性のpHでも、高いタングステンパターンウエハーの研磨速度を具現することができる。
【0109】
CMPスラリー組成物は、前記pHを合わせるためにpH調節剤をさらに含むこともできる。
【0110】
pH調節剤は、無機酸、例えば、硝酸、リン酸、塩酸、及び硫酸のうち一つ以上を含むことができる。pH調節剤は、塩基、例えば、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムのうち1種以上を含むことができる。
【0111】
CMPスラリー組成物は、殺生物剤、分散剤、改質剤、表面活性剤などの通常の添加剤をさらに含むことができる。添加剤は、前記組成物のうち0.01ppm乃至500ppm、好ましくは0.2ppm乃至100ppmで含まれてもよい。前記範囲で、研磨速度に影響を与えないと共に、添加剤の効果を具現することができる。
【0112】
本発明のタングステンパターンウエハーの研磨方法は、本発明のタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を用いてタングステンパターンウエハーを研磨する段階を含む。
【0113】
以下、本発明の好ましい実施例を通じて本発明の構成及び作用をさらに詳細に説明する。ただし、これは、本発明の好ましい例示として提示されたものであって、如何なる意味でも、これによって本発明が制限されると解釈することはできない。
【0114】
下記の実施例及び比較例で使用された成分の具体的な仕様は、次の通りである。
【0115】
製造例1
【0116】
平均粒径が120nmであるコロイダルシリカ(非改質されたシリカ、FUSO社、PL-7、ゼータ電位:-25mV)に下記の化学式6の化合物(Momentive社、EDPS)を酸性条件で0.04molの比で滴加し、pH2.5及び65℃で18時間にわたって反応させ、下記の化学式6の化合物で改質されたシリカ(ゼータ電位:+25mV、平均粒径:120nm)を製造した。ゼータ電位は、Zetasizer ZS(Malvern社)を使用して測定された。
【0117】
【化13】
【0118】
製造例2
【0119】
製造例1において、前記化学式6の化合物の代わりに下記の化学式7の化合物を使用したことを除いては、製造例1と同一の方法で化学式7の化合物で改質されたシリカ(ゼータ電位:+25mV、平均粒径:120nm)を製造した。
【0120】
【化14】
【0121】
製造例3
【0122】
平均粒径(D50)が120nmであるコロイダルシリカ(非改質されたシリカ、FUSO社、PL-7、ゼータ電位:-25mV)を使用した。
【0123】
実施例1
【0124】
CMPスラリー組成物の総重量に対して、研磨剤として製造例1で改質されたシリカ1.2重量%、フッ素系界面活性剤30ppm、有機酸として酢酸300ppm、鉄イオン含有化合物としてFe-DTPA 25ppm、グリシン0.16重量%、殺生物剤(Aju Hwasung、B2100)100ppmを含有し、残りには脱イオン水を含ませることによってpH3の組成物を製造した。pH調節剤として硝酸又はアンモニア水を使用し、CMPスラリー組成物のpHをpH5.5に調節することによってタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物を製造した。前記フッ素系界面活性剤は、過フッ素化された炭素6個を有するアルキル基及びエチレンオキシド(EO)基5モルを有する化合物である。
【0125】
実施例2乃至実施例5
【0126】
実施例1において、改質されたシリカ及びフッ素系界面活性剤の種類を下記の表1のように変更したことを除いては、実施例1と同一の方法でCMPスラリー組成物を製造した。
【0127】
比較例1乃至比較例6
【0128】
実施例1において、シリカ及び界面活性剤の種類を下記の表1のように変更したことを除いては、実施例1と同一の方法でCMPスラリー組成物を製造した。
【0129】
実施例で製造したタングステンパターンウエハー研磨用CMPスラリー組成物に対して、下記の研磨評価条件で研磨評価をした。その結果を下記の表1に示した。
【0130】
[研磨評価条件]
【0131】
1.研磨機:Reflexion LK 300mm(AMAT社)
【0132】
2.研磨条件
-研磨パッド:VP3100/Rohm and Haas社
-Head速度:35rpm
-Platen速度:33rpm
-研磨圧力:1.5psi
-Retainer Ring Pressure:8psi
-スラリー流量:250ml/分
-研磨時間:60秒
【0133】
3.研磨対象
-タングステンパターンウエハー(MIT 854、300mm)
-タングステン研磨用CMPスラリーSTARPLANAR7000(サムスンSDI社)と脱イオン水を1:2の重量比で混合した後で作られた混合液に対して、前記混合液の重量の2%に該当する過酸化水素を追加した混合液において、前記タングステンパターンウエハーをReflexion LK 300mm研磨機にIC1010/SubaIV Stacked(Rodel社)研磨パッドでHead速度101rpm、Platen速度100rpm、研磨圧力2.0psi、Retainer Ring Pressure 8psi、混合液の流量240ml/分の条件で60秒間1次研磨した。これを通じてタングステン金属膜層を除去し、オキシド/金属パターンを露出させた。
【0134】
4.酸化膜の研磨速度(単位:Å/分):前記研磨条件で評価したとき、研磨前後の膜厚差を光干渉式膜厚測定機(Reflectometer)で換算することによって酸化膜の研磨速度を求めた。
【0135】
5.研磨副産物のゼータ電位(単位:mV):ゼータ電位は、前記研磨条件で研磨した後で研磨副産物を獲得し、Zetasizer ZS(Malvern社)を使用して測定された。
【0136】
6.パッド及びブラッシュ中のシリコン含量(単位:重量%):前記研磨条件で研磨した後、研磨パッド及びブラッシュの表面でのシリコン含量は、EDS(energy dispersive spectroscopy)を使用して測定された。
【0137】
【表1】
【0138】
*前記表1において、
(1) 実施例1及び実施例5での界面活性剤:過フッ素化された炭素6個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド(EO)基5モルを有する非イオン性界面活性剤。
(2) 実施例2での界面活性剤:過フッ素化された炭素6個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基5モル及びプロピレンオキシド(PO)基5モルを有する非イオン性界面活性剤。
(3) 実施例3での界面活性剤:過フッ素化された炭素8個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基7モルを有する非イオン性界面活性剤。
(4) 実施例4での界面活性剤:過フッ素化された炭素10個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基7モルを有する非イオン性界面活性剤。
(5) 比較例3での界面活性剤:炭素6個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基5モルを有する非イオン性界面活性剤(フッ素なし)。
(6) 比較例4での界面活性剤:炭素6個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基5モル及びプロピレンオキシド基5モルを有する非イオン性界面活性剤(フッ素なし)。
(7) 比較例5での界面活性剤:炭素8個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基7モルを有する非イオン性界面活性剤(フッ素なし)。
(8) 比較例6での界面活性剤:炭素10個を有するアルキル基、及びエチレンオキシド基7モルを有する非イオン性界面活性剤(フッ素なし)。
【0139】
前記表1のように、本発明のCMPスラリー組成物は、正電荷で改質された研磨剤でタングステンパターンウエハーを研磨したとき、パッド及びブラッシュでのシリコン含量が低く、研磨副産物のゼータ電位値は負の値を有し、酸化膜の研磨速度は高かった。よって、本発明の組成物は、研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨剤の吸着、及び研磨パッド又はブラッシュなどに対する研磨副産物の吸着を抑制し、酸化膜の研磨速度は高く維持したことが分かる。よって、本発明の組成物は、表1には示していないが、正電荷で改質された研磨剤でタングステンパターンウエハーを研磨したとき、研磨パッドの寿命を長くし、研磨表面での研磨平坦度を改善すると予想される。
【0140】
その一方で、前記表1に示すように、本発明の窒素の個数が1個以上であるシランで改質されたシリカを含有しない比較例1は、酸化膜の研磨速度が著しく低かった。本発明のアルキレンオキシド基を有するフッ素系界面活性剤を含有しない比較例2乃至比較例6は、本発明の効果を得られないことを確認することができる。
【0141】
本発明の単純な変形及び変更は、この分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。