(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101961
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20230714BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230714BHJP
H04L 9/08 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G06Q20/08 300
H04N1/00 127A
H04N1/00 L
H04L9/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002224
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崚
(72)【発明者】
【氏名】土屋 文紀
【テーマコード(参考)】
5C062
5L055
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA16
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB11
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC03
5C062AC35
5C062AE01
5C062AF08
5L055AA25
(57)【要約】
【課題】電子データを利用可能とする操作を容易にする。
【解決手段】情報処理装置は、情報処理端末及び記憶装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、電子データに関する決済状態を表す決済情報を取得する取得部と、決済情報が決済未完了を表す電子データを暗号化した暗号化データを記憶装置に記憶する管理部と、決済情報が決済完了を表す電子データに対応する暗号化データを復号する復号部と、電子データを情報処理端末に送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理端末及び記憶装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、
電子データに関する決済状態を表す決済情報を取得する取得部と、
前記決済情報が決済未完了を表す前記電子データを暗号化した暗号化データを前記記憶装置に記憶する管理部と、
前記決済情報が決済完了を表す前記電子データに対応する前記暗号化データを復号する復号部と、
前記電子データを前記情報処理端末に送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記管理部は、前記記憶装置との通信状態を取得し、
前記記憶装置との通信ができないとき、前記電子データを生成する操作を拒否する指示部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記記憶装置は、複数の記憶装置を含み、
前記管理部は、前記複数の記憶装置それぞれとの通信状態に基づいて、前記暗号化データを記憶する前記記憶装置を選択する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記暗号化データは、前記情報処理端末から入力を受け付けた文字列と予め設定された固定値とから生成された暗号化鍵を用いて暗号化されている、
情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置、情報処理端末及び記憶装置がネットワークを介して通信可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
電子データに関する決済状態を表す決済情報を取得する取得部と、
前記決済情報が決済未完了を表す前記電子データを暗号化した暗号化データを前記記憶装置に記憶する管理部と、
前記決済情報が決済完了を表す前記電子データに対応する前記暗号化データを復号する復号部と、
前記電子データを前記情報処理端末に送信する送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項6】
記憶装置及び情報処理端末とネットワークを介して通信可能なコンピュータが、
電子データに関する決済状態を表す決済情報を取得する取得手順と、
前記決済情報が決済未完了を表す前記電子データを暗号化した暗号化データを前記記憶装置に記憶する管理手順と、
前記決済情報が決済完了を表す前記電子データに対応する前記暗号化データを復号する復号手順と、
前記電子データを前記情報処理端末に送信する送信手順と、
を実行する情報処理方法。
【請求項7】
記憶装置及び情報処理端末とネットワークを介して通信可能なコンピュータに、
電子データに関する決済状態を表す決済情報を取得する取得手順と、
前記決済情報が決済未完了を表す前記電子データを暗号化した暗号化データを前記記憶装置に記憶する管理手順と、
前記決済情報が決済完了を表す前記電子データに対応する前記暗号化データを復号する復号手順と、
前記電子データを前記情報処理端末に送信する送信手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定のユーザが画像形成装置を共同で利用する利用形態がある。この利用形態を想定して、画像形成装置の利用料金を確実に徴収するために、画像形成装置が生成した電子データを決済完了が確認されるまで利用不可とする技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、携帯端末からの指示に応じてスキャンを行った後に、共通鍵で暗号化したスキャンデータを携帯端末に送信し、そのスキャンデータに対する料金の支払いが確認されたら、暗号化に用いた共通鍵を携帯端末に送信する複合機が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、電子データを利用可能とするための操作が煩雑である、という課題がある。例えば、特許文献1に開示された複合機では、すべてのスキャンデータを暗号化して携帯端末に送信するため、携帯端末で復号するための操作を行わなければ、スキャンデータを利用することができない。
【0005】
この発明の一実施形態は、電子データを利用可能とする操作を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態である情報処理装置は、情報処理端末及び記憶装置とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、電子データに関する決済状態を表す決済情報を取得する取得部と、決済情報が決済未完了を表す電子データを暗号化した暗号化データを記憶装置に記憶する管理部と、決済情報が決済完了を表す電子データに対応する暗号化データを復号する復号部と、電子データを情報処理端末に送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、電子データを利用可能とする操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態におけるスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
この発明の一実施形態は、ユーザ装置からの要求に応じて、画像形成装置が各種の機能を実行し、当該機能により生成される電子データをユーザ装置で利用する情報処理システムである。本実施形態における画像形成装置は、例えば、コンビニエンスストア又はコワーキングスペース等に設置され、不特定のユーザが共同利用する利用形態を想定している。
【0011】
このような利用形態では、画像形成装置の機能を利用するたびに、料金の決済が必要となる。従来は、画像形成装置の機能により生成された電子データは、決済完了が確認されるまで画像形成装置に保存されていた。そのため、画像形成装置内に決済未完了の電子データが蓄積することで、画像形成装置の記憶容量が不足するおそれがあった。また、画像形成装置に保存されている電子データに直接アクセスすれば、料金を支払わなくとも電子データを利用できるという問題もあった。
【0012】
特許文献1に開示された発明では、複合機が、携帯端末からの要求に応じてスキャンしたスキャンデータを暗号化して携帯端末に送信し、スキャンデータに対する料金の決済が確認された後に、暗号化に用いた共通鍵を携帯端末に送信する。これにより、決済完了が確認されるまで、画像形成装置により生成された電子データを利用不可とすることができる。
【0013】
しかしながら、特許文献1に開示された発明では、すべてのスキャンデータを暗号化して携帯端末に送信している。そのため、携帯端末でスキャンデータを利用するためには、ユーザが携帯端末で復号を行わなければならず、操作が煩雑であった。特に、決済が完了している電子データであっても常に復号の操作が必要となるため、ユーザがスキャンデータを利用可能となるまでに要する時間が長くなる。
【0014】
本実施形態における情報処理システムは、決済が未完了である場合のみ、電子データを暗号化し、外部のストレージサービスに記憶する。また、本実施形態における情報処理システムは、決済完了を確認した場合、暗号化データを復号して得た電子データをユーザ装置に送信する。すなわち、本実施形態におけるユーザ装置は、決済完了が確認された電子データを受信するため、電子データを利用するために復号等の特別な操作を必要としない。したがって、本実施形態における情報処理システムによれば、電子データを利用可能とする操作が容易になる。
【0015】
<情報処理システムの全体構成>
まず、本実施形態における情報処理システムの全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における情報処理システム100の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示されているように、本実施形態における情報処理システム100は、画像形成装置1、制御装置2、ユーザ装置3、複数のストレージシステム4(4-1,4-2,…)及び決済システム5を含む。本実施形態における制御装置2、ユーザ装置3、ストレージシステム4及び決済システム5は、それぞれ通信ネットワークN1に接続している。
【0017】
通信ネットワークN1は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。
【0018】
通信ネットワークN1は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0019】
画像形成装置1と制御装置2とは、通信経路N2により接続されており、相互に通信可能となるように構成されている。通信経路N2は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル又はクロスケーブル等の有線接続、もしくは無線LAN又は近距離無線通信等の無線通信である。
【0020】
画像形成装置1は、電子データを生成する機能を実行する電子機器である。画像形成装置1は、ユーザの操作又は制御装置2からの指示に応じて、電子データを生成する機能を実行し、生成した電子データを制御装置2に送信する。画像形成装置1の一例は、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer:デジタル複合機)である。画像形成装置1の他の例は、プリンタ、FAX装置、スキャナ装置等である。
【0021】
制御装置2は、通信経路N2を介して、画像形成装置1を操作する情報処理装置である。制御装置2は、ユーザ装置3からの要求に応じて、電子データを生成する操作を画像形成装置1に指示し、画像形成装置1が生成した電子データをユーザ装置3に送信する。制御装置2の一例は、コンピュータである。
【0022】
ユーザ装置3は、ユーザが利用する情報処理装置である。ユーザ装置3は、ユーザの操作に応じて、電子データを生成する操作を制御装置2に要求し、画像形成装置1が生成した電子データを制御装置2から受信する。ユーザ装置3の一例は、スマートフォン又はタブレット端末である。ユーザ装置3の他の例は、コンピュータである。
【0023】
ストレージシステム4は、1台以上の情報処理装置で実現され、通信ネットワークN1を介して、クラウドストレージサービス(又はオンラインストレージ)を提供する。クラウドストレージサービスとは、ストレージシステム4を構成する各情報処理装置が備える記憶領域を貸し出すサービスである。
【0024】
以降では、複数のストレージシステム4について、各々を区別するときは、ストレージシステム4-1、ストレージシステム4-2等と枝番を用いて記載する。
【0025】
決済システム5は、1台以上の情報処理装置で実現され、通信ネットワークN1を介して、オンライン決済サービスを提供する。オンライン決済サービスとは、通信ネットワークを介して電子的に決済を行うサービスである。オンライン決済サービスの一例は、バーコード決済(又はQRコード(登録商標)決済)である。オンライン決済サービスの他の例は、クレジットカード決済又は電子マネー決済等である。
【0026】
なお、画像形成装置1、制御装置2及びユーザ装置3は、通信機能を備えた装置であれば、MFP、コンピュータ及びスマートフォン等に限定されない。画像形成装置1、制御装置2及びユーザ装置3は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0027】
<情報処理システムのハードウェア構成>
次に、本実施形態における情報処理システムのハードウェア構成について、
図2から
図4を参照しながら説明する。
【0028】
≪MFPのハードウェア構成≫
図2は、画像形成装置1がMFPで実現される場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されているように、MFPは、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F(Interface)950を備えている。
【0029】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ908、及び、記憶部であるHD(Hard Disk)909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0030】
これらのうち、CPU901は、MFPの全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0031】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM(Read Only Memory)902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM(Random Access Memory)902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0032】
SB904は、NB903とPCI機器、周辺機器とを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0033】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0034】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0035】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0036】
なお、MFPは、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0037】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0038】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
図3は、制御装置2又はユーザ装置3がコンピュータで実現される場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示されているように、コンピュータは、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティング機器512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0039】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0040】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USBメモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0041】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティング機器512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0042】
≪スマートフォンのハードウェア構成≫
図4は、ユーザ装置3がスマートフォンで実現される場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示されているように、スマートフォンは、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0043】
これらのうち、CPU401は、スマートフォン全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0044】
また、スマートフォンは、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0045】
これらのうち、遠距離通信回路412は、通信ネットワークを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ418を押下することで、スマートフォンを操作する入力手段の一種である。
【0046】
また、スマートフォンは、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0047】
<情報処理システムの機能構成>
続いて、本実施形態における情報処理システムの機能構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態における情報処理システム100に含まれる各装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
≪画像形成装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における画像形成装置1は、データ生成部11及び課金処理部12を備える。
【0049】
データ生成部11及び課金処理部12は、例えば、
図2に示されているHD909からRAM902b上に展開されたプログラムがCPU901及びHDDコントローラ908に実行させる処理によって実現される。
【0050】
データ生成部11は、制御装置2からスキャン機能の実行指示を受け付ける。また、データ生成部11は、スキャン機能の実行指示に応じて、スキャナ部931にセットされた原稿をスキャンして、スキャンデータを生成する。さらに、データ生成部11は、スキャンデータを制御装置2に送信する。
【0051】
課金処理部12は、データ生成部11が生成したスキャンデータに基づく料金を課金する。また、課金処理部12は、ユーザの操作に応じて、スキャンデータに基づく料金の決済を決済システム5に要求する。
【0052】
≪制御装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における制御装置2は、実行指示部21、データ受信部22、決済情報取得部23、暗号化部24、記憶管理部25、復号部26、及びデータ送信部27を備える。
【0053】
実行指示部21、データ受信部22、決済情報取得部23、暗号化部24、記憶管理部25、復号部26、及びデータ送信部27は、例えば、
図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0054】
実行指示部21は、ユーザ装置3からスキャン機能の実行要求を受け付ける。また、実行指示部21は、スキャン機能の実行を画像形成装置1に指示する。
【0055】
データ受信部22は、画像形成装置1からスキャンデータを受信する。
【0056】
決済情報取得部23は、決済システム5からスキャンデータに基づく料金の決済状態を表す決済情報を取得する。決済状態は、決済完了又は決済未完了のいずれかである。決済未完了は、例えば、残高不足、通信エラー、決済未実施等により発生し得る。
【0057】
暗号化部24は、ユーザ装置3から入力を受け付けた任意の文字列(以下、「ユーザ文字列」と呼ぶ)と予め設定されている固定値(以下、「固定キー」と呼ぶ)とを用いて、暗号化鍵を生成する。また、暗号化部24は、暗号化鍵を用いて、決済情報が決済未完了を表すスキャンデータを暗号化する。
【0058】
記憶管理部25は、暗号化されたスキャンデータ(以下、「暗号化データ」とも呼ぶ)をストレージシステム4に記憶する。また、記憶管理部25は、決済情報が決済完了を表すスキャンデータに対応する暗号化データをストレージシステム4から取得する。さらに、記憶管理部25は、ストレージシステム4が複数ある場合、暗号化データを記憶するストレージシステム4を決定する。
【0059】
復号部26は、暗号化鍵に対応する復号鍵を用いて、決済情報が決済完了を表すスキャンデータに対応する暗号化データを復号する。
【0060】
データ送信部27は、決済情報が決済完了を表すスキャンデータをユーザ装置3に送信する。
【0061】
≪ユーザ装置の機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態におけるユーザ装置3は、データ記憶部30、実行要求部31及びデータ受信部32を備える。
【0062】
実行要求部31及びデータ受信部32は、例えば、
図4に示されているEEPROM404からRAM403上に展開されたプログラムがCPU401に実行させる処理によって実現される。データ記憶部30は、例えば、
図4に示されているEEPROM404を用いて実現される。
【0063】
データ記憶部30は、制御装置2から受信したスキャンデータを記憶する。
【0064】
実行要求部31は、ユーザの操作に応じて、スキャン機能の実行を制御装置2に要求する。
【0065】
データ受信部32は、制御装置2からスキャンデータを受信する。また、データ受信部32は、スキャンデータをデータ記憶部30に記憶する。
【0066】
≪ストレージシステムの機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態におけるストレージシステム4は、データ記憶部40を備える。
【0067】
データ記憶部40は、例えば、
図3に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0068】
データ記憶部40は、当該ストレージシステム4が管理するデータを記憶する。データ記憶部40が記憶するデータには、制御装置2がスキャンデータを暗号化した暗号化データが含まれる。
【0069】
≪決済システムの機能構成≫
図5に示されているように、本実施形態における決済システム5は、決済情報記憶部50及び決済処理部51を備える。
【0070】
決済情報記憶部50は、例えば、
図3に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0071】
決済処理部51は、例えば、
図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0072】
決済情報記憶部50は、当該決済システム5が行った決済の状態を表す決済情報を記憶する。決済情報記憶部50が記憶する決済情報には、画像形成装置1が生成したスキャンデータに基づく料金の決済状態を表す決済情報が含まれる。
【0073】
決済処理部51は、画像形成装置1からの要求に応じて、スキャンデータに基づく料金の決済を行う。また、決済処理部51は、スキャンデータに基づく料金の決済状態を表す決済情報を決済情報記憶部50に記憶する。
【0074】
<機器管理システムの処理手順>
次に、本実施形態における情報処理システムが実行する情報処理方法について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS1において、ユーザ装置3が備える実行要求部31は、ユーザによるスキャン機能の実行操作を受け付ける。具体的には、ユーザは、タッチパネル421において、ユーザ装置3に予めインストールされているアプリを起動する。当該アプリは、画像形成装置1が備える各機能を実行するためのアプリである。次に、ユーザは、起動したアプリにおいて、スキャン機能の実行指示を表す二次元バーコードを、ディスプレイ418に表示する。
【0076】
ステップS2において、ユーザ装置3が備える実行要求部31は、ユーザによる実行操作に応じて、スキャン機能の実行要求を制御装置2に入力する。当該実行要求には、ユーザ文字列が含まれる。具体的には、ユーザは、ディスプレイ418に表示された二次元バーコードを制御装置2に読み込ませる。ユーザ文字列は、当該二次元バーコードに埋め込まれている。ユーザ文字列は、例えば、アプリに予め設定されていてもよいし、二次元バーコードを表示する前に都度入力されてもよい。
【0077】
ステップS3において、制御装置2が備える実行指示部21は、スキャン機能の実行要求の入力を受け付ける。具体的には、実行指示部21は、ユーザ装置3のディスプレイ418に表示された二次元バーコードを読み込む。次に、実行指示部21は、通信状態の取得要求を記憶管理部25に送る。当該通信状態は、制御装置2とストレージシステム4との間の通信状態を表す。
【0078】
記憶管理部25は、実行指示部21から通信状態の取得要求を受け取る。次に、記憶管理部25は、ストレージシステム4との通信状態を取得する。ストレージシステム4が複数存在する場合、記憶管理部25は、複数のストレージシステム4それぞれとの通信状態を取得する。
【0079】
ステップS4において、記憶管理部25は、各ストレージシステム4との通信状態に基づいて、使用するストレージシステム4を決定する。使用するストレージシステム4は、通信可能なストレージシステム4の中から任意に決定すればよい。例えば、記憶管理部25は、予め各ストレージシステム4に優先順位を定めておき、最も優先順位が高いストレージシステム4を使用することを決定すればよい。また、例えば、記憶管理部25は、通信状態と共に通信品質を測定し、最も通信品質が良いストレージシステム4を使用することを決定すればよい。
【0080】
次に、記憶管理部25は、使用するストレージシステム4との通信状態を実行指示部21に送る。通信可能なストレージシステム4がない場合、その旨を示す信号を、実行指示部21に送る。
【0081】
ステップS5において、制御装置2が備える実行指示部21は、記憶管理部25から通信状態を受け取る。次に、実行指示部21は、通信可能なストレージシステム4がない場合、スキャン操作の実行要求を拒否する。具体的には、実行指示部21は、実行要求を拒否することを示す信号をユーザ装置3に送信する。実行指示部21は、実行要求を拒否することを示すメッセージをディスプレイ506に表示してもよい。ここでは、通信可能なストレージシステム4が存在したものとして説明を続ける。
【0082】
続いて、実行指示部21は、スキャン機能の実行要求に応じて、スキャン機能の実行指示を画像形成装置1に送信する。
【0083】
ステップS6において、画像形成装置1が備えるデータ生成部11は、スキャン機能の実行指示を、制御装置2から受信する。次に、データ生成部11は、スキャン機能の実行指示に応じて、スキャナ部931にセットされた原稿をスキャンする。その結果、当該原稿をスキャンしたスキャンデータが生成される。スキャンデータは、原稿の各ページをスキャンした複数のファイルから構成されてもよいし、原稿の各ページをスキャンしたデータが含まれる1つのファイルであってもよい。
【0084】
続いて、データ生成部11は、生成されたスキャンデータ及び当該スキャンデータを識別するファイルIDを制御装置2に送信する。制御装置2では、データ受信部22が、スキャンデータ及びファイルIDを画像形成装置1から受信する。
【0085】
ステップS7において、画像形成装置1が備えるデータ生成部11は、生成したスキャンデータに基づく料金を計算する。次に、データ生成部11は、計算した料金を課金処理部12に送る。
【0086】
課金処理部12は、スキャンデータに基づく料金をデータ生成部11から受け取る。次に、課金処理部12は、スキャンデータに基づく料金をユーザに対して課金する。ユーザは、画像形成装置1に対して、課金された料金の決済操作を行う。決済操作は、決済システム5が提供するサービスによって異なる。
【0087】
例えば、決済システム5がバーコード決済サービスを提供する場合、ユーザはユーザ装置3のディスプレイ418に決済に用いる二次元バーコードを表示させ、画像形成装置1に読み込ませる操作を行う。なお、当該二次元バーコードにはユーザを識別するユーザIDが埋め込まれている。また、例えば、決済システム5が電子マネー決済サービスを提供する場合、ユーザは電子マネーがチャージされたICカードを画像形成装置1に読み込ませる。なお、当該ICカードには残高及びユーザIDが書き込まれている。
【0088】
続いて、課金処理部12は、ユーザの決済操作に応じて、スキャンデータに基づく料金の決済要求を決済システム5に送信する。当該決済要求には、料金、ユーザID及びファイルIDが含まれる。
【0089】
ステップS8において、決済システム5が備える決済処理部51は、画像形成装置1から決済要求を受信する。次に、決済処理部51は、決済要求に含まれるユーザIDで識別されるアカウントから、決済要求に含まれる料金を決済する。続いて、決済処理部51は、当該決済に関する決済状態を表す決済情報を決済情報記憶部50に記憶する。当該決済情報には、ファイルIDが含まれる。
【0090】
ステップS9において、制御装置2が備えるデータ受信部22は、決済情報の取得要求を決済情報取得部23に送る。当該取得要求には、ファイルIDが含まれる。
【0091】
決済情報取得部23は、決済情報の取得要求をデータ受信部22から受け取る。次に、決済情報取得部23は、当該取得要求に含まれるファイルIDに基づいて、スキャンデータに関する決済情報を決済システム5から取得する。
【0092】
決済情報が決済完了を表す場合には、決済情報取得部23は、スキャンデータの送信要求をデータ受信部22に送る。一方、決済情報が決済未完了を表す場合には、決済情報取得部23は、スキャンデータの暗号化要求をデータ受信部22に送る。
【0093】
データ受信部22は、スキャンデータの送信要求を受け取った場合、スキャンデータをデータ送信部27に送る。また、データ受信部22は、スキャンデータの暗号化要求を受け取った場合、スキャンデータを暗号化部24に送る。
【0094】
ステップS10からS16は、ステップS9において決済情報取得部23が取得した決済情報が、決済未完了を表す場合に実行される。決済情報が決済完了を表す場合には、ステップS17へ処理を進める。
【0095】
ステップS10において、制御装置2が備える暗号化部24は、スキャンデータをデータ受信部22から受け取る。次に、暗号化部24は、スキャンデータを暗号化するための暗号化鍵を生成する。暗号化鍵の生成には、スキャン機能の実行要求に含まれていたユーザ文字列と、当該制御装置2に予め設定されている固定キーとを用いる。
【0096】
続いて、暗号化部24は、生成した暗号化鍵を用いて、データ受信部22から受け取ったスキャンデータを暗号化する。次に、暗号化部24は、暗号化データを記憶管理部25に送る。当該暗号化データには、暗号化したスキャンデータを識別するファイルIDが付加されている。
【0097】
ステップS11において、制御装置2が備える記憶管理部25は、暗号化データを暗号化部24から受け取る。次に、記憶管理部25は、暗号化データをストレージシステム4に送信する。ストレージシステム4が複数存在する場合には、ステップS4で決定したストレージシステム4に暗号化データを送信する。
【0098】
ステップS12において、ストレージシステム4は、暗号化データを制御装置2から受信する。次に、ストレージシステム4は、受信した暗号化データをデータ記憶部40に記憶する。
【0099】
ステップS13において、制御装置2が備える決済情報取得部23は、暗号化したスキャンデータを識別するファイルIDに基づいて、スキャンデータに関する決済情報を決済システム5から取得する。
【0100】
決済情報が決済完了を表す場合には、決済情報取得部23は、暗号化データの取得要求を記憶管理部25に送る。当該取得要求には、暗号化したスキャンデータを識別するファイルIDが含まれる。一方、決済情報が決済未完了を表す場合には、決済情報取得部23は、所定の時間間隔を開けて、ステップS13を再度実行する。
【0101】
すなわち、決済情報取得部23は、決済完了を表す決済情報が取得されるまで、当該スキャンデータに関する決済情報を繰り返し取得する。決済情報取得部23がステップS13を繰り返し実行している間に、ユーザは、画像形成装置1に対して、決済未完了となっている料金の決済操作を再度行う。
【0102】
ステップS14において、制御装置2が備える記憶管理部25は、暗号化データの取得要求を決済情報取得部23から受け取る。次に、記憶管理部25は、暗号化データの取得要求をストレージシステム4に送信する。
【0103】
ステップS15において、ストレージシステム4は、暗号化データの取得要求を制御装置2から受信する。次に、ストレージシステム4は、暗号化データの取得要求に含まれるファイルIDに基づいて、暗号化データをデータ記憶部40から取得する。続いて、ストレージシステム4は、取得した暗号化データを制御装置2に送信する。
【0104】
制御装置2では、記憶管理部25が、暗号化データをストレージシステム4から受信する。記憶管理部25は、受信した暗号化データを復号部26に送る。
【0105】
ステップS16において、制御装置2が備える復号部26は、暗号化データを記憶管理部25から受け取る。次に、復号部26は、暗号化部24が暗号化に用いた暗号化鍵に対応する復号鍵を取得する。暗号化鍵が共通鍵である場合、復号部26は、暗号化鍵を復号鍵として取得する。
【0106】
続いて、復号部26は、記憶管理部25から受け取った暗号化データを復号する。これにより、復号部26は、スキャンデータを得る。続いて、復号部26は、復号により得たスキャンデータをデータ送信部27に送る。
【0107】
ステップS17において、制御装置2が備えるデータ送信部27は、データ受信部22又は復号部26からスキャンデータを受け取る。ステップS9において取得した決済情報が決済完了を表す場合、データ送信部27は、データ受信部22からスキャンデータを受け取る。ステップS13において取得した決済情報が決済完了を表す場合、データ送信部27は、復号部26からスキャンデータを受け取る。
【0108】
次に、データ送信部27は、受け取ったスキャンデータをユーザ装置3に送信する。ユーザ装置3では、データ受信部32が、スキャンデータを制御装置2から受信する。次に、データ受信部32は、受信したスキャンデータをデータ記憶部30に記憶する。また、データ受信部32は、ユーザの操作に応じて、データ記憶部30に記憶したスキャンデータをディスプレイ418に表示する。
【0109】
<実施形態の効果>
本実施形態における制御装置2は、決済システム5から取得した決済情報が決済未完了を表す場合に、当該スキャンデータを暗号化する。また、本実施形態における制御装置2は、決済システム5から決済完了を表す決済情報を取得したスキャンデータに対応する暗号化データを復号したスキャンデータをユーザ装置3に送信する。
【0110】
すなわち、本実施形態における制御装置2は、決済完了を確認できたスキャンデータは暗号化せずにユーザ装置3に送信する。また、本実施形態における制御装置2は、決済完了を確認できないスキャンデータは暗号化し、決済完了を確認した後に復号してユーザ装置3に送信する。
【0111】
このように構成することにより、本実施形態における情報処理システム100によれば、ユーザは画像形成装置1が生成したスキャンデータを、特別な操作を行うことなく利用することができる。すなわち、本実施形態における情報処理システム100は、電子データを利用可能とする操作が容易である。
【0112】
また、本実施形態における制御装置2は、暗号化データをストレージシステム4に記憶する。したがって、決済完了を確認できないスキャンデータが蓄積することにより、画像形成装置1及び制御装置2の記憶容量が不足することがない。
【0113】
また、本実施形態における制御装置2は、画像形成装置1にスキャン操作を指示する前に、ストレージシステム4との通信状態を確認し、通信可能なストレージシステム4がない場合、スキャン操作を拒否する。したがって、暗号化されたスキャンデータの記憶に失敗し、スキャンデータが失われる事態を回避することができる。
【0114】
さらに、本実施形態における制御装置2は、暗号化に用いる暗号化鍵を、ユーザが入力した文字列と制御装置2に設定された固定値とに基づいて生成する。したがって、第三者がストレージシステム4から暗号化データを取得した場合であっても、ユーザが入力した文字列を知られない限り、スキャンデータが盗まれることはない。
【0115】
[補足]
上記各実施形態において、制御装置2は情報処理装置の一例である。ユーザ装置3は情報処理端末の一例である。ストレージシステム4は記憶装置の一例である。スキャンデータは電子データの一例である。
【0116】
上記実施形態では、画像形成装置1と制御装置2とが別個の装置として実装する例を説明したが、画像形成装置1に制御装置2が備える機能を実装し、1個の画像形成装置として実装してもよい。
【0117】
上記実施形態では、ユーザ装置3にインストールされたアプリから制御装置2を介して画像形成装置1にスキャン機能の実行を要求する例を説明したが、ユーザが画像形成装置1を操作することで、スキャン機能を実行してもよい。
【0118】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0119】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 画像形成装置
2 制御装置
3 ユーザ装置
4 ストレージシステム
5 決済システム
11 データ生成部
12 課金処理部
21 実行指示部
22 データ受信部
23 決済情報取得部
24 暗号化部
25 記憶管理部
26 復号部
27 データ送信部
31 実行要求部
32 データ受信部
40 データ記憶部
50 決済情報記憶部
51 決済処理部
100 情報処理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】