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  • 特開-電磁シールド構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102114
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電磁シールド構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/02 20060101AFI20230714BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20230714BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
H02G15/02
H02G3/04 081
H05K9/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002485
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】田中 誠人
(72)【発明者】
【氏名】井上 郁哉
(72)【発明者】
【氏名】榊 直哉
(72)【発明者】
【氏名】山崎 正則
(72)【発明者】
【氏名】三吉 隆宜
(72)【発明者】
【氏名】大崎 祥司
【テーマコード(参考)】
5E321
5G357
5G375
【Fターム(参考)】
5E321BB41
5E321BB44
5E321CC16
5E321CC21
5E321GG05
5E321GG09
5G357DA05
5G357DB10
5G357DC12
5G357DD01
5G357DD02
5G357DD05
5G357DE08
5G357DG01
5G375AA12
5G375BA15
5G375BB01
5G375BB44
5G375CB04
5G375CB07
5G375DA08
(57)【要約】
【課題】 接続作業性及び信頼性が良好な電磁シールド構造等を提供する。
【解決手段】 電磁シールド構造5は、編組線1と剛性管3等からなる。編組線1は、筒状の部材であって金属素線が編み込まれた部材であって、可撓性を有する。剛性管3は、金属製であってもよいが、樹脂製の管体を適用可能である。剛性管3は、例えば車両等における設置部に応じた形状に成形されている。1本の編組線1は、途中で切断されることなく一つの剛性管3の内部に挿通される。編組線1の長さは、剛性管3の長さよりも長い。このため、電磁シールド構造5においては、編組線1の端部が、剛性管3の両端部から所定の長さ突出している。電磁シールド構造5は、内部に電線7を挿通可能である
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電線を挿通可能な電磁シールド構造であって、
所定の剛性を有し、形状を保持することが可能な剛性管と、
前記剛性管の内部に挿通される編組線と、
を具備し、
前記編組線が前記剛性管よりも長く、前記編組線の端部が、前記剛性管の端部から突出していることを特徴とする電磁シールド構造。
【請求項2】
前記剛性管の両端部近傍において、前記剛性管と前記編組線とが固定されることを特徴とする請求項1記載の電磁シールド構造。
【請求項3】
前記剛性管と前記編組線とがテープで固定されることを特徴とする請求項2に記載の電磁シールド構造。
【請求項4】
前記剛性管と前記編組線とが前記剛性管の端部に固定されたグロメットで固定されることを特徴とする請求項2に記載の電磁シールド構造。
【請求項5】
前記剛性管が複数に分割されており、前記剛性管同士の間で、前記編組線が所定の長さ露出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電磁シールド構造。
【請求項6】
前記剛性管が樹脂管であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電磁シールド構造。
【請求項7】
少なくとも、前記剛性管から露出する前記編組線の一部を覆うように可撓管が配置されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電磁シールド構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に電線が通線され、例えば電気自動車に用いられる電磁シールド構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
BEV(Battery Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)といった電気自動車には、床下を配策するワイヤハーネスが使用されている。このワイヤハーネスは、例えば従来のワイヤハーネスと変わらず、コルゲートチューブやプロテクターのほか、剛性のあるパイプ形状の外装材が使われている。
【0003】
一方で大電力を送電する必要がある床下ワイヤハーネスは、車両に搭載されている補機や搭乗者にノイズの影響を出さないようにノイズの遮蔽対策を取る必要がある。
【0004】
このような電磁シールド構造としては、金属製のパイプからなる電磁シールド管を用い、電磁シールド管の端部には、例えば筒状の編組線が被せられる。電磁シールド管と編組線は、外周からカシメ部材によってかしめることで、電磁シールド管と編組線との導通をとるとともに、編組線を電磁シールド管に接続することができる(例えば特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-117863号公報
【特許文献2】特開2017-120917号公報
【特許文献3】特開2004-171952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~3のように、編組線を用いることで、金属製の電磁シールド管の内部に挿通される電線と、他の電気機器ユニット等と接続部の間において導体で覆うことができるため、接続部のシールド性を確保することができる。また、編組線が可撓性を有するため、電磁シールド管と電気機器ユニット等との間のシールド性を確保することができる。
【0007】
しかし、電磁シールド管と編組線との接続にカシメ部材を用いる必要があるため、部品点数が多くなるという問題がある。また、カシメ作業のために、特殊な工程が必要となり、電磁シールド管の端部のそれぞれに対して編組線の接続作業が必要となることから、作業性の悪化とコスト増の要因となっていた、
【0008】
また、カシメ部材の先通しが必要であるため、先通しを忘れた場合、工程の後戻りが必要となる。また、カシメ部材が、いわゆるイヤークランプの場合には、クランプ後にイヤー部分が電磁シールド管の外径より突出する。このため、車両等への配策時にイヤー部が配策の邪魔になる恐れがある。
【0009】
また、電磁シールド管と編組線との接続部には、低い電気抵抗と、高い接続強度とが必要となるが、接続作業や部材が適切でないと、これらの性能を確保することができないという問題があった。例えば、自動車の振動によってカシメ部材の緩みや接続部の腐食等によって、電気抵抗の上昇や接続強度の低下のおそれがあった。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、接続作業性及び信頼性が良好な電磁シールド構造等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明は、内部に電線を挿通可能な電磁シールド構造であって、所定の剛性を有し、形状を保持することが可能な剛性管と、前記剛性管の内部に挿通される編組線と、を具備し、前記編組線が前記剛性管よりも長く、前記編組線の端部が、前記剛性管の端部から突出していることを特徴とする電磁シールド構造である。
【0012】
前記剛性管の両端部近傍において、前記剛性管と前記編組線とが固定されることが望ましい。
【0013】
前記剛性管と前記編組線とがテープで固定されてもよい。
【0014】
前記剛性管と前記編組線とが前記剛性管の端部に固定されたグロメットで固定されてもよい。
【0015】
前記剛性管が複数に分割されており、前記剛性管同士の間で、前記編組線が所定の長さ露出してもよい。
【0016】
前記剛性管が樹脂管であってもよい。
【0017】
少なくとも、前記剛性管から露出する前記編組線の一部を覆うように可撓管が配置されてもよい。
【0018】
本発明によれば、1本の編組線が剛性管を貫通するため、剛性管の端部で編組線を接続する必要がない。このため、接続作業が不要であり、カシメ部材等も不要である。また、パイプと編組線との電気的な接続部が不要であるため、接続部における遮蔽性能の低下のおそれがなく、全体にわたって略均一な信頼性の高い遮蔽性能を得ることができる。
【0019】
また、剛性管自体にはシールド性が不要であるため、金属製のパイプや金属層と樹脂層とが一体化した複合管等の電磁シールド管を用いる必要がない。また、剛性管の外部に金属が露出しないため、金属部分を保護するための外装も不要である。
【0020】
また、剛性管の両端部近傍において、剛性管と編組線とを固定することで、剛性管に対する編組線の位置ずれ等を抑制することができる。なお、この場合でも、編組線と剛性管との位置ずれを抑制できる程度の固定でよいため、従来のようなカシメ部材や強固な接合は不要であり、例えば、テープやグロメットなどによる簡易な固定で十分である。
【0021】
また、カシメ部材を用いないため、イヤークランプのように突出部がなく、その後の配策作業も容易である。例えば、シールド構造の外周部に大きな突出部がないため、車両に配策する際に省スペースでの配策が可能である。また、剛性管の端部をカシメによって縮径することがないため、剛性管の内径が略一定となり、内部に電線を挿通する際の妨げとなることがない。
【0022】
例えば、従来のかしめによる方法では、接続部における電磁シールド管が縮径されるため、この縮径部の内径を考慮して、挿通可能な電線径が決まる。このため、接続部以外の部位では、電線と電磁シールド管との間には、不要な隙間が形成される。しかし、縮径部がなければ、接続部以外の部位においても、内部の電線径に対して適切なサイズの電磁シールド管を用いることができるため、車両に配策する際に、より省スペースでの配策が可能である。
【0023】
また、剛性管を複数に分割して、剛性管同士の間に編組線を所定の長さ露出させることで、必要な部位にのみ剛性管を配置して、他の部位を編組線で構成することができる。このため、形状の自由度が高い。また、運搬時や保管時には編組線の部位で折り曲げることができるため、取り扱い性も高い。
【0024】
このような剛性管としては、樹脂管を使用することができるため、軽量であり、金属管と比較して、曲げ加工が容易であり、形状の自由度が高い。
【0025】
また、剛性管から露出する編組線を可撓管で覆うことで、編組線を石はねによる損傷の抑制や防水性を確保することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、接続作業性及び信頼性が良好な電磁シールド構造等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】編組線1と剛性管3の分解斜視図。
図2】電磁シールド構造5を示す図。
図3】電磁シールド構造5の断面図。
図4】(a)、(b)は、電磁シールド構造における剛性管3の端部を示す図。
図5】(a)、(b)は、電磁シールド構造5の使用状態を示す図。
図6】電磁シールド構造5の使用状態を示す図。
図7】電磁シールド構造5の使用状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態にかかる電磁シールド構造について説明する。図1は電磁シールド構造の分解斜視図であり、図2は、電磁シールド構造5を示す斜視図である。
【0029】
電磁シールド構造5は、編組線1と剛性管3等からなる。編組線1は、筒状の部材であって金属素線が編み込まれた部材であって、可撓性を有する。なお、編組線1は、全てが金属素線で構成されるのではなく、所望の遮蔽性能を確保できれば、金属素線と樹脂素線とが編み込まれたものでもよい。
【0030】
剛性管3は、金属製であってもよいが、樹脂製の管体が適用可能である。剛性管3は、例えば車両等における設置部に応じた形状に成形されている。なお、剛性管3は、自重等によって形状が変化しない程度の所定の剛性があればよく、使用時において形状が保持されれば、外力によって多少の撓みを許容することができる。
【0031】
なお、剛性管3が樹脂製の場合には、例えば、耐熱性を向上させるために架橋されていてもよいし、ハロゲン系、リン系、金属水和物等の難燃剤を添加してもよく、酸化チタン等を添加して耐候性を向上させてもよい。また、必要に応じて、樹脂を着色してもよい。
【0032】
図2に示すように、1本の編組線1は、途中で切断されることなく一つの剛性管3の内部に挿通される。編組線1の長さは、剛性管3の長さよりも長い。このため、電磁シールド構造5においては、編組線1の端部が、剛性管3の両端部から所定の長さ突出している。なお、電磁シールド構造5の全長に対して、剛性管3の全長よりも、剛性管3から露出する編組線1の長さの合計が短い。
【0033】
図3は、電磁シールド構造5の断面図である。電磁シールド構造5は、内部に電線7を挿通可能である。この際、剛性管3は、全長にわたって略同一の内径であるため、電線7を挿通する作業が容易である。また、編組線1の外径は、剛性管3の内径よりもわずかに小さく、径変化部もないため、断面における電線7の占める面積率を高めることができる。なお、図示した例では、剛性管3の内面と編組線1の外面との間に隙間が形成されているが、編組線1の略全周が剛性管3の内面と接触するようにしてもよい。
【0034】
なお、編組線1を剛性管3に挿入しただけの状態でも使用可能であるが、編組線1と剛性管3の軸方向のずれを抑制するために、剛性管3の両端部近傍において、剛性管3と編組線1とを固定してもよい。
【0035】
図4(a)は、剛性管3の端部において、剛性管3と編組線1とをテープ9で固定した状態を示す図である。剛性管3の端部において、テープ9を用いれば、編組線1と剛性管3とを固定することができる。このように、編組線1を管体にかしめなどによって接合する必要がないため、簡易な構造で両者を固定することができる。
【0036】
なお、固定方法としては、図4(b)に示すように、グロメット11を用いてもよい。グロメット11を剛性管3の端部に取り付けて、グロメット11を貫通するように編組線1を配置することで、編組線1と剛性管3とのずれを抑制することができる。このように、編組線1と剛性管3との導通を取る必要がないため、テープ9やグロメット11を用いること可能であり、必要に応じて、固定を解除して、編組線1の位置調整や交換も容易である。なお、剛性管3の両端部において編組線1を固定するのではなく、剛性管3の一方の端部においてのみ編組線1を固定してもよい。
【0037】
次に、電磁シールド構造5の使用例について説明する。図5(a)は、電磁シールド構造5の使用状態の一例を示す図である。なお、編組線1はグロメット11によって固定される例を示すが、テープ9であってもよく、特に固定構造が無くてもよい。前述したように、電磁シールド構造5は、内部に電線7が挿通される。なお、電線7の本数やサイズは特に限定されない。
【0038】
電線7の両端部にはコネクタ13が接続される。コネクタ13は、電気機器ユニット(図示せず)に設けられた他のコネクタと接続可能である。なお、図では編組線1の端部からコネクタ13が露出しているが、他の電気機器ユニット等と接続した際には、接続部の全体を編組線で覆うことが可能な程度に編組線1の長さが設定される。すなわち、内部の電線7の長さよりも、編組線1の長さを長くしてもよい。また、必要に応じて、編組線1は、少なくとも1ヵ所において、自動車のボディ等に接地される。
【0039】
また、図5(b)に示すように、電線7の先端にコネクタ13を配置せずに、電気機器ユニット15に直接接続してもよい。この場合にも、電気機器ユニット15の筐体(シールドコネクタ等)に編組線1を接続して、電線7等を完全に覆うことで、高い遮蔽性を得ることができる。
【0040】
以上、本実施の形態によれば、全長にわたって編組線1による遮蔽効果を利用するため、剛性管3として、金属管や金属層を有する複合管等の電磁シールド管を使用する必要がない。このため、剛性管3を樹脂管とすることができる。また、樹脂管は、金属管や複合管と比較して曲げ加工が容易(曲げ半径等の許容範囲が広い)であるため、剛性管3の形状の自由度が高い。
【0041】
また、編組線1は剛性管3の内部に挿通されるため、編組線1を構成する金属素線に対しては、剛性管3が保護管(外装)として機能する。このため、従来のように、金属製の電磁シールド管を用いる場合と比較して、外装を削減することができる。
【0042】
また、編組線1を切断することなく使用するため、編組線1の端部と剛性管3の端部とを接続する必要がない。例えば、従来のように、電磁シールド管の端部に編組線1を接続する場合、接続強度や電気的な接触抵抗を考慮して、カシメリング等による強固な接合が必要であったが、本実施形態では、必要に応じてずれ止め用の簡易な固定でも対応可能である。このため、作業が容易であり、イヤークランプなどのような突起の形成もない。
【0043】
また、従来の方法では、電磁シールド管の端部と編組線の端部とを接続する際、編組線の端部(編組線を構成する金属素線の端部)が露出する。このため、この金属素線端により、周辺の機器等を傷つける恐れがある。しかし、本実施形態では、剛性管3の端部近傍において、編組線1の端部(金属素線端)が露出しない。このため、編組線1の端部による周辺機器等の損傷を抑制することができる。
【0044】
また、従来は、電磁シールド管と編組線の接続部において、編組線の端部が折り返されていたが、このような折り返しの作業も不要である。また、編組線の端部が露出しないため、作業も安全である。
【0045】
また、前述したように、電磁シールド構造5は、ほぼ全長にわたって編組線1により遮蔽効果を得ることができる。例えば、従来は、電磁シールド管による遮蔽部と、編組線による遮蔽部と、これらの接続部という遮蔽効果の不連続部が存在するが、本実施形態では、全長にわたって均一な遮蔽効果を得ることができる。このため、安定した遮蔽効果を得ることができる。
【0046】
なお、以上説明した実施形態では、1本の剛性管3に対して1本の編組線1を挿通した例を説明したがこれには限られない。図6は、電磁シールド構造5を用いた他の使用例を示す図である。
【0047】
図6に示す例では、剛性管3が複数に分割されており、剛性管3同士の間で、内部の編組線1が所定の長さ露出する。すなわち、複数の剛性管3に対して、一本の編組線1を挿通し、剛性管3同士の間に隙間をあけることで、電磁シールド構造5の中間部においても、内部の編組線1が露出する。
【0048】
なお、編組線1の露出部に対しては、編組線1の保護のために、別途の保護管(外装)を配置してもよい。又は、編組線1の保護のために、少なくとも露出部に対して樹脂等を塗布してもよい。
【0049】
また、剛性管3を複数に分割した際に、剛性管3同士の突合せ部に編組線1が露出しなくてもよい。例えば、二つの剛性管3を突き合わせて使用することで、一方の剛性管3のみを流用して、他方の剛性管3は、車種等に応じて変更可能とすることもできる。この場合でも、内部の編組線1は連続しているため、剛性管3の隙間からのノイズの漏洩を抑制することができる。
【0050】
なお、図6に示す例では、剛性管3が2分割されている例を示すが、3分割以上であってもよい。また、前述したように、グロメット11等による編組線1と剛性管3とのずれ止めは、剛性管3の一方の端部のみでも良いため、例えば、中央の編組線1の露出部においては、グロメット11を省略してもよい。
【0051】
このように、剛性管3を分割することで、編組線1の部位においては十分な可撓性を得ることができるとともに、剛性管3の部位においては形状が保持されて、車両へのレイアウトが容易である。また、剛性管3を複数に分割することで、運搬時や保管時においてハンドリング性が良好である。
【0052】
また、図7に示す例では、剛性管3から露出する編組線1が、可撓管17によって覆われる。可撓管17は、例えば樹脂製のコルゲート管である。可撓管17を配置することで、石はね等によって編組線1が損傷することを抑制することができるとともに、防水性を高めることができる。なお、可撓管17は、剛性管3から露出する編組線1の全体を覆うことが望ましいが、少なくとも一部を覆うことができればよい。また、可撓管17の端部を、グロメット11や剛性管3に固定してもよい。また、剛性管3も含めて、全長にわたって可撓管17を配置してもよい。
【0053】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0054】
1………編組線
3………剛性管
5………電磁シールド構造
7………電線
9………テープ
11………グロメット
13………コネクタ
15………電気機器ユニット
17………可撓管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7