(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102580
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003149
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】西浦 進
(72)【発明者】
【氏名】安彦 一
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA02
5F131BA19
5F131BA24
5F131CA31
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA43
5F131DD52
5F131DD73
5F131DD83
5F131DD89
5F131GB02
5F131GB22
5F131GB27
5F131HA09
5F131HA12
(57)【要約】
【課題】基板収納容器の収容数増減に柔軟かつ適切に対応することを可能にする。
【解決手段】基板を収納する基板収納容器を載置可能なロードポートと、ロードポートを基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能とロードポートに基板収納容器を載置する第二機能とを切り替え可能な切り替え部と、機能に伴う運用態様に応じてロードポートに配された基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する誤操作抑止機能部とを制御することが可能な制御部と、基板を処理する処理室と、を有する技術が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納する基板収納容器を載置可能なロードポートと、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替え可能な切り替え部と、前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する誤操作抑止機能部とを制御することが可能な制御部と、
前記基板を処理する処理室と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートに配された前記基板収納容器を保持する保持機構によって構成されており、前記ロードポートが前記第二機能に伴う運用態様の場合に当該ロードポートにおける前記保持機構の状態を容器保持状態とする
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートが前記第一機能に伴う運用態様の場合に当該ロードポートにおける前記保持機構の状態を容器非保持状態とする
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
基板を収納する基板収納容器をロードポートに載置する工程と、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替える工程と、
前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する工程と、
前記基板を処理する工程と、
を有する半導体製造装置の製造方法。
【請求項5】
基板を収納する基板収納容器をロードポートに載置する手順と、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替える手順と、
前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する手順と、
前記基板を処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させることが可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の一工程で用いられる基板処理装置として、装置内に設けられた収容棚(載置棚)に複数のFOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれる基板収納容器を収容するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板収納容器の収容数増減に柔軟かつ適切に対応することを可能にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、
基板を収納する基板収納容器を載置可能なロードポートと、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替え可能な切り替え部と、前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する誤操作抑止機能部とを制御することが可能な制御部と、
前記基板を処理する処理室と、
を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板収納容器の収容数増減に柔軟かつ適切に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す斜透視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す側面透視図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る基板処理装置のロードポートに設けられたポッドクランプ機構の構成例を示す説明図であり、(a)は当該構成例の斜視図、(b)は当該構成例の上面図、(c)は当該構成例の正面図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る基板処理装置が備える処理容器の構成例を示す縦断面図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る基板処理装置が備えるコントローラの構成例を示す機能ブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る基板処理工程の概要を示すフロー図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る基板処理装置に対する装置コマンドを設定するための操作画面の構成例を示す模式図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る基板処理装置のロードポートの運用態様切り替え操作の手順を示す説明図であり、(a)~(d)は操作画面表示例を示す模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
以下の説明で例に挙げる基板処理装置は、半導体装置の製造工程で用いられるもので、処理対象となる基板に対して所定のプロセス処理を行うように構成されたものである。
処理対象となる基板は、例えば、半導体装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体基板としてのシリコンウエハ(以下、単に「基板」という。)である。なお、本明細書において「基板」という言葉を用いた場合は、「基板そのもの」を意味する場合や、「基板とその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合(すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めて基板と称する場合)がある。また、本明細書において「基板の表面」という言葉を用いた場合は、「基板そのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「基板上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としての基板の最表面」を意味する場合がある。本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「基板」という言葉を用いた場合と同義である。
基板に対して行う所定のプロセス処理(以下、単に「処理」ということもある。)としては、例えば、酸化処理、拡散処理、アニール処理、エッチング処理、プリクリーニング処理、チャンバクリーニング処理、成膜処理等がある。本実施形態では、特に成膜処理を行う場合を例に挙げる。
【0010】
(1)基板処理装置の全体構成
本開示の一実施形態に係る基板処理装置の全体構成について、
図1および
図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す斜透視図である。
図2は、本実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す側面透視図である。
【0011】
図1および
図2に示すように、ここで例に挙げて説明する基板処理装置100においては、基板としてのウエハ200の装置内外への搬送にあたり、複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収納容器)としてポッド110が使用される。ポッド110は、例えば、FOUPが用いられる。
【0012】
ポッド110を使用することから、基板処理装置100は、装置筐体111の正面壁111aの側に、下段ロードポート114および上段ロードポート160が設置されている。これら複数のロードポート114,160は、いずれも、ウエハ200を収納するポッド110の搬入または搬出を可能とする基板収納容器受渡し台として機能するもので、図示せぬ工程内搬送装置または人手によって搬送されるポッド110が載置されるように構成されている。
【0013】
各ロードポート114,160は、それぞれ、複数(例えば二つ)のポッド110が載置されるように構成されている。
また、各ロードポート114,160には、載置されたポッド110を保持するために、図示せぬポッドクランプ機構が設けられている。なお、ポッドクランプ機構の構成については後述する。
【0014】
各ロードポート114,160の後方側の装置筐体111内には、ポッド110の搬送空間となる基板収納容器搬送室150が形成されている。基板収納容器搬送室150には、ポッド搬送装置(基板収納容器搬送装置)118と、回転式のポッド棚(基板収納容器載置棚)105と、が設置されている。
【0015】
ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収納容器昇降機構)118aと、搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収納容器搬送機構)118bと、を有して構成されている。ポッド搬送装置118は、ポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114と、ポッド棚105と、後述するポッドオープナ121との間で、ポッド110を相互に搬送するように構成されている。
【0016】
ポッド棚105は、複数枚の棚板(基板収納容器載置台)117と、垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、を有して構成されている。ポッド棚105は、支柱116を間欠回転させつつ各棚板117上にポッド110を載置することで、複数個のポッド110を装置筐体111内に保管し得る容器載置棚として機能するように構成されている。
【0017】
装置筐体111の下部には、サブ筐体119が、装置筐体111内の前後方向の略中央部から後端にわたって設けられている。サブ筐体119の正面壁119aには、ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が、垂直方向に上下二段に並べられて設けられている。上下段のウエハ搬入搬出口120のそれぞれには、ポッドオープナ(基板収納容器開閉部)121が設置されている。
【0018】
各ポッドオープナ121は、ポッド110を載置する一対の載置台122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123とを備えている。ポッドオープナ121は、載置台122上に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0019】
サブ筐体119内には、ポッド搬送装置118やポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された基板搬送室としての搬送室124が構成されている。搬送室124の前側領域にはウエハ搬送機構(基板搬送機構)125が設置されている。ウエハ搬送機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ搬送装置(基板搬送装置)125aと、ウエハ搬送装置125aを昇降させるウエハ搬送装置エレベータ(基板搬送装置昇降機構)125b(
図1参照)とで構成されている。ウエハ搬送装置エレベータ125bは、サブ筐体119の搬送室124前方領域右端部と筐体111右側端部との間に設置されている(
図1参照)。ウエハ搬送装置125aは、ウエハ200の載置部としてのツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ搬送装置エレベータ125bおよびウエハ搬送装置125aの連続動作により、ウエハ200をボート(基板保持具)217に対して装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0020】
搬送室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、ウエハ200を処理する処理容器202が設けられている。処理容器202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。なお、処理容器202の構成については後述する。
【0021】
サブ筐体119の待機部126の右端部と筐体111の右側端部との間には、ボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている(
図1参照)。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が連結されている。アーム128には、炉口蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219は、ボート217を垂直に支持し、処理容器202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0022】
ボート217は、複数枚(例えば、50枚~125枚程度)のウエハ200を、その中心を揃えて垂直方向に整列させた状態でそれぞれ水平に保持するように構成されている。
【0023】
図1に示すように、搬送室124のウエハ搬送装置エレベータ125b側およびボートエレベータ115側と反対側である左側端部には、清浄化した雰囲気または不活性ガスであるクリーンエアを供給するよう供給ファンおよび防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されている。クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置、ウエハ搬送装置125a、待機部126にあるボート217の周囲を流通した後、ダクトにより吸い込まれて筐体111の外部に排気されるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環されてクリーンユニット134によって搬送室124内に再び吹き出されるように構成されている。
【0024】
(2)ポッドクランプ機構の構成
続いて、各ロードポート114,160に設けられたポッドクランプ機構の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態に係る基板処理装置のロードポートに設けられたポッドクランプ機構の構成例を示す説明図である。
【0025】
図3に示すように、各ロードポート114,160のそれぞれには、ポッド110を所定の場所で保持するポッドクランプ機構300が設けられている。ポッドクランプ機構300は、ポッド110の下部のベース100aに係止する係止爪部301と、係止爪部301の上下動手段であるエアシリンダ302と、モータ等を用いた係止爪部301の回動手段(図示省略)と、を有して構成されている。
【0026】
このような構成のポッドクランプ機構300が設けられたロードポート114,160にポッド110が置かれると、当該ロードポート114,160の両端近傍に配置された係止爪部301がエアシリンダ302の駆動によって上昇し、その後、回動手段の駆動によって90度回動する。これにより、係止爪部301がポッド110の下部のベース100aに引っ掛かるようになり、その結果、ポッド110がポッドクランプ機構300によって保持されて、ロードポート114,160から脱落したり、取り出されたりするのを防止するようになっている。
【0027】
このような構成のポッドクランプ機構300によれば、係止爪部301がポッド110の外側に配置されているので、当該ポッド110の搬送を行う搬送装置との干渉がなく、当該搬送装置の動作を邪魔することなくポッド110をロードポート114,160上に保持することが可能である。本実施形態のポッドクランプ機構300においては、1軸シリンダを用いて保持するので、構造が単純でコスト安であり、係止爪部301がポッド110の外側に配置されているので、係止爪部301の動作および保持の確認が容易である。
【0028】
なお、ポッド110は、そのメーカーや種類等によってベース110aの高さや幅等が異なる。本実施形態においては、各方向に調整部分を持たせることによって、これらに対応可能としている。例えば、高さ方向については係止爪部301の高さを調整し、幅方向については係止爪部301およびエアシリンダ302の設置位置を調整して設置する。
【0029】
(3)処理容器の構成
次いで、基板処理装置100における処理容器202の構成について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る基板処理装置が備える処理容器の構成例を示す縦断面図である。
【0030】
図4に示すように、処理容器202は反応管203を備えている。反応管203は、例えば石英(SiO
2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の筒中空部には、基板としてのウエハ200を処理する処理室201が形成されている。処理室201は、ウエハ200を保持するボート217を収容可能に構成されている。
【0031】
基板保持具としてのボート217は、複数枚のウエハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。ボート217は、例えば石英または炭化珪素のいずれか、あるいは石英および炭化珪素等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英または炭化珪素のいずれか、あるいは石英および炭化珪素等の耐熱性材料からなる断熱体216が設けられており、後述するヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わり難くなるように構成されている。
【0032】
反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、反応管203の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属からなり、円板状に形成されている。シールキャップ219の上面には、反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリングが設けられている。上述したように、シールキャップ219は、反応管203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって、垂直方向に昇降されるように構成されている。シールキャップ219を昇降させることにより、ボート217を処理室201内外へ搬送することが可能なように構成されている。
【0033】
シールキャップ219の中心部付近であって処理室201と反対側には、ボート217を回転させる回転機構254が設けられている。回転機構254の回転軸は、シールキャップ219を貫通してボート217を下方から支持している。回転機構254は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させることが可能なように構成されている。
【0034】
回転機構254およびボートエレベータ115には、搬送制御部275が電気的に接続されている。搬送制御部275は、回転機構254およびボートエレベータ115が所望のタイミングにて所望の動作をするように、これらを制御するように構成されている。なお、搬送制御部275は、上述のポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ搬送装置125a、ウエハ搬送装置エレベータ125b等にも電気的に接続され、これら構成各部が所望のタイミングにて所望の動作をするように、これらを制御するように構成されている。主に、ボートエレベータ115、回転機構253、ポッドエレベータ118a、ポッド搬送機構118b、ポッドオープナ121、ウエハ搬送装置125a、ウエハ搬送装置エレベータ125bにより、本実施形態に係る搬送系が構成される。
【0035】
反応管203の外側には、反応管203の側壁面を囲うように、反応管203内のウエハ200を加熱する加熱部としてのヒータ207が設けられている。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0036】
反応管203内には、温度検出器として、例えば熱電対等の温度センサ225が設置されている。ヒータ207および温度センサ225には、温度制御部274が電気的に接続されている。温度制御部274は、温度センサ225により検出された温度情報に基づいて、処理室201内の温度が所望のタイミングにて所望の温度分布となるように、ヒータ207への供給電力を調整するように構成されている。
【0037】
反応管203とヒータ207との間には、処理ガス供給ノズル220が設けられている。処理ガス供給ノズル220は、反応管203の外壁の側部に沿うように配設されている。処理ガス供給ノズル220の上端(下流端)は、反応管203の頂部(上述した反応管203の上端に形成された開口)に気密に設けられている。反応管203の上端開口に位置する処理ガス供給ノズル220には、処理ガス供給孔が複数設けられている。
【0038】
処理ガス供給ノズル220の上流端には、処理ガスを供給する処理ガス供給管221の下流端が接続されている。処理ガス供給管221には、上流側から順に、処理ガス供給源222、流量制御器としてのマスフローコントローラ(MFC)223、開閉弁としてのバルブ224が接続されている。
【0039】
MFC223には、ガス流量制御部276が電気的に接続されている。ガス流量制御部276は、処理室201内に供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるように、MFC223を制御するように構成されている。
【0040】
主に、処理ガス供給管221、MFC223およびバルブ224により、処理ガス供給系が構成される。なお、処理ガス供給ノズル220や処理ガス供給源222を処理ガス供給系に含めて考えてもよい。
【0041】
反応管203には、反応管203(処理室201)内の雰囲気を排気する排気管231の上流端が接続されている。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ232、圧力調整装置としての例えばAPC(Auto Pressure Contoroller)バルブ233、および、真空排気装置としての真空ポンプ234が設けられている。なお、APCバルブ233は、弁を開閉して反応管203内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調整して反応管203内の圧力調整をすることが可能な開閉弁である。
【0042】
APCバルブ233および圧力センサ232には、圧力制御部277が電気的に接続されている。圧力制御部277は、圧力センサ232により検出された圧力値に基づいて、処理室201内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、APCバルブ233を制御するように構成されている。
【0043】
主に、排気管231、圧力センサ232およびAPCバルブ233により、処理ガス排気部が構成されている。なお、真空ポンプ234を処理ガス排気部に含めて考えてもよい。
【0044】
(4)コントローラの構成
次に、上述した構成の基板処理装置100における処理動作を制御するコントローラ280の構成について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る基板処理装置が備えるコントローラの構成例を示す機能ブロック図である。
【0045】
図5に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ280は、CPU(Central Processing Unit)280a、RAM(Random Access Memory)280b、記憶装置280c、I/Oポート280dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM280b、記憶装置280c、I/Oポート280dは、内部バス280eを介して、CPU280aとデータ交換可能なように構成されている。また、CPU280aは切り替え部280fと誤操作抑止機能部280gを有している。
【0046】
記憶装置280cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM等で構成されている。記憶装置280c内には、基板処理装置100の動作を制御する制御プログラムや、基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM280bは、CPU280aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0047】
I/Oポート280dは、上述のマスフローコントローラ210,223、バルブ211,224、シャッタ213,214、APCバルブ233、ヒータ207、温度センサ225、ボート回転機構254、真空ポンプ234、ポッドオープナ121、ロードポート114、ポッド搬送装置118、ウエハ搬送機構125、クリーンエアユニット134、ポッドクランプ機構300等に接続されている。
【0048】
CPU280aは、記憶装置280cから制御プログラムを読み出して実行するとともに、入出力装置281からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置280cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU280aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、信号線Aを通じて温度センサ207に基づくヒータ207の温度調整動作、信号線Bを通じてボート回転機構254の回転速度調節動作、信号線Cを通じてマスフローコントローラ210,223による各種ガスの流量調整動作、信号線Dを通じてバルブ211,224の開閉動作、シャッタ213,214の遮断動作、APCバルブ233の開度調整動作、および、真空ポンプ234の起動・停止等を制御するように構成されている。
【0049】
切り替え部280fは入出力装置281あるいは外部接続部283を介してホストコンピュータ284よりロードポート114,160の運用方式を切り替える指示を受けた場合、運用方式切り替え指示の内容に合わせて、ロードポート114,160に対し運用の切り替えを指示する。
【0050】
誤操作抑止機能部280gは切り替え部280fの指示内容に合わせて、ロードポート114,160に対して誤操作抑止機能の有効または無効を通知する。
【0051】
コントローラ280には、入出力装置281が接続されている。入出力装置281は、基板処理装置100のオペレータが操作するための操作部として機能するもので、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、操作端末等によって構成されている。入出力装置281は、例えばディスプレイ等の表示部によって構成されていてもよい。
【0052】
また、コントローラ280には、外部接続部283が接続されている。外部接続部283は、外部装置との接続を確保するためのもので、例えば、外部装置との無線通信または有線通信を行う通信モジュールによって構成されている。外部接続部283を介してコントローラ280と接続する外部装置としては、例えば、基板処理装置100の上位装置として機能するホストコンピュータ284がある。
【0053】
なお、コントローラ280は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリやメモリカード等の不揮発性の半導体メモリ)282を用意し、係る外部記憶装置282を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ280を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置282を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置282を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置280cや外部記憶装置282は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置280c単体のみを含む場合、外部記憶装置282単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0054】
(5)基板処理工程の手順
次に、半導体製造工程の一工程として、上述した構成の基板処理装置100を用いてウエハ200に対する処理を行う基板処理工程について、
図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る基板処理工程の概要を示すフロー図である。
ここでは一例として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりウエハ200上に薄膜を形成する成膜工程について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作はコントローラ280により制御される。
【0055】
(基板搬入工程(S10))
まず、複数枚のウエハ200をボート217に装填(ウエハチャージ)し、複数枚のウエハ200を保持したボート217を、ボートエレベータ115によって持ち上げて反応管203内(処理室201内)に搬入(ボートローディング)する。この状態で、反応管203の下端開口部である炉口は、シールキャップ219によりシールされた状態となる。
【0056】
(圧力・温度調整工程(S20))
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ234によって真空排気する。この際、反応管203内の圧力を圧力センサ232で測定し、この測定した圧力値に基づきAPCバルブ233(の弁の開度)をフィードバック制御する(圧力調整)。また、処理室201内が所望の温度(例えば500℃~1200℃、好ましくは1000℃)となるように、ヒータ207によって処理室201内を加熱する。この際、温度センサ225が検出した温度値に基づき、ヒータ207への供給電力をフィードバック制御する(温度調整)。
【0057】
また、処理室201内を加熱しつつ、ボート回転機構254を作動して、ボート217の回転、すなわちウエハ200の回転を開始する。この際、ボート217の回転速度をコントローラ280によって制御する。なお、ボート回転機構254によるボート217の回転は、少なくとも後述する成膜工程(S30)の終了まで継続する。
【0058】
(成膜工程(S30))
処理室201内が、所望の圧力、所望の温度に達したら、処理ガス供給管221から反応管203内への処理ガスの供給を開始する。すなわち、バルブ224を開け、MFC223で流量制御しながら、処理ガス供給源222から反応管203内に処理ガスを供給する。処理ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触し、熱CVD反応によってウエハ200の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。反応管203内に処理ガスを供給しつつ、APCバルブ233の開度を調整し、真空ポンプ234から排気する。予め設定された処理時間が経過したら、バルブ224を閉じ、反応管203内への処理ガスの供給を停止する。
【0059】
(冷却工程(S40))
成膜工程(S30)が終了したら、ヒータ207への電力供給を停止して冷却工程(S40)を開始する。冷却工程(S40)では、例えば、冷却媒体流路への冷却媒体の供給、冷却媒体流路からの冷却媒体の排出等が行われる。そして、処理容器202の温度が、ウエハ200を処理容器202(処理室201)内から搬出できる温度(例えば600℃以下、好ましくは600℃)になったら、冷却媒体流路内への冷却媒体の供給を停止し、冷却工程(S40)を終了する。
【0060】
(大気圧復帰・基板搬出工程(S50,S60))
冷却工程(S40)が終了したら、APCバルブ233の開度を調整して処理室201内の圧力を大気圧に復帰させる。そして、上述した基板搬入工程に示した手順と逆の手順によりボート217を処理室201内から搬出(ボートアンロード)する。そして、処理済のウエハ200をボート217から脱装(ウエハディスチャージ)して、ポッド110内へ収容し、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
【0061】
(6)基板搬入出動作の手順
次に、上述した基板処理工程の際に必要となる基板搬入出動作について説明する。
【0062】
(基板搬入動作)
基板処理工程を行う際には、その基板処理工程に先立ち、以下に説明する基板搬入動作を行う。
【0063】
具体的には、処理対象となるウエハ200を収納したポッド110が下段ロードポート114または上段ロードポート160に供給されると、そのロードポート114,160上のポッド110は、ポッド搬送装置118によって装置筐体111内へ搬入される。そして、ポッド棚105の各棚板117上に載置され、これによりポッド棚105にて保管されることになる。
【0064】
その後、ポッド棚105に保管されている複数のポッド110のうち、成膜対象となったウエハ200を収納したポッド110が、ポッド搬送装置118によってポッド棚105からポッドオープナ121の載置台122上に搬送される。載置台122上のポッド110は、その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口が開放される。
【0065】
ポッド110が開放されると、ウエハ搬送装置125aのツイーザ125cによってポッド110内からウエハ200がピックアップされ、搬送室124の後方にある待機部126内へ搬入され、ボート217内に装填(チャージング)される。ボート217内にウエハ200を装填したウエハ搬送装置125aは、ポッド110に戻り、次のウエハ200をボート217内に装填する。
【0066】
ウエハ搬送機構125によって、一方(上段または下段)のポッドオープナ121からボート217へとウエハ200を装填する間に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121の載置台122上には、別のポッド110がポッド棚105上からポッド搬送装置118によって搬送され、上記ウエハ200の装填作業と同時進行で、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が行われる。空になったポッド110は、ポッドオープナ121からポッド棚105に搬送され、ポッド棚105に載置される。
【0067】
このようにして、ボート217へのウエハ装填が行われ、これにより上述した基板処理工程を行うことが可能となる。
【0068】
(基板搬出動作)
基板処理工程を行った後は、上述した基板搬入動作の場合と逆の手順で、基板搬出動作を行う。これにより、下段ロードポート114または上段ロードポート160には、処理済みのウエハ200を収納したポッド110が搬出されることになる。
【0069】
(基本的な運用態様)
ところで、基板処理装置100には、上述した基板搬入動作に使用するロードポートとして、下段ロードポート114と上段ロードポート160とが設置されている。本実施形態においては、これら上段/下段の各ロードポート114,160を、以下に説明する態様で運用するようになっている。
【0070】
例えば、基板処理装置100を他装置と連係動作させる必要がない、いわゆるオフライン時には、専ら下段ロードポート114を使用するものとし、その下段ロードポート114に対してオペレータが人手でポッド110を供給するという態様で、当該基板処理装置100を運用する。
一方、例えば、基板処理装置100を他装置と連係動作させる必要がある、いわゆるオンライン時には、専ら上段ロードポート160を使用するものとし、その上段ロードポート160に対して図示せぬ自動搬送装置がポッド110を供給するという態様で、当該基板処理装置100を運用する。
【0071】
つまり、本実施形態においては、オフラインとオンラインとのそれぞれに選択的に対応することが可能であり、その選択に応じて各ロードポート114,160を使い分けているのである。
【0072】
(運用態様の切り替え)
このような運用で基板処理装置100を稼働させる場合に、当該基板処理装置100においては、ポッド棚105の棚板117の不足が生じてしまうことがあり得る。例えば、基板処理工程の内容によっては、装置筐体111内において、多数のポッド110に対してウエハ200の出し入れを必要とする場合があり、その場合には当該ポッド110を載置するための棚板117が不足してしまう可能性がある。ポッド棚105の棚板117が不足すると、不要なポッド110の搬入出動作により、基板処理の生産効率低下を招くおそれがある。
【0073】
そこで、本実施形態においては、上段/下段の各ロードポート114,160があることから、ポッド棚105の棚板不足を解消することを目的とし、必要に応じて、各ロードポート114,160のうちの少なくとも一つをポッド棚105の一部として用いるように、当該ロードポート114,160の運用態様を切り替える。例えば、各ロードポート114,160のそれぞれに二つのポッド110(合計で四つのポッド110)が載置される場合であれば、必要に応じて四つの載置箇所をそれぞれ個別にポット棚105として用いることが可能となるように、各載置箇所について独立して運用態様の切り替えを行う。このような運用態様の切り替えを行うことで、基板処理装置100におけるポッド110の収容数増減に柔軟かつ適切に対応できるようになるのである。
【0074】
以下、ロードポート114,160の運用態様の切り替えについて、具体例を挙げて説明する。
【0075】
ロードポート114,160の運用態様の切り替えは、コントローラ280による動作制御の下で行われる。コントローラ280は、基板処理装置100における各部の動作を指示するために用いられる装置コマンドに基づいて、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを行うようになっている。なお、装置コマンドは、その形式等が特に限定されることはなく、基板処理装置100のコントローラ280で一般的に用いられるものを利用すればよい。
【0076】
ロードポート114,160の運用態様の切り替えを行うための装置コマンドは、例えば、コントローラ280に接続する操作部としての入出力装置281にて設定することが可能である。ただし、必ずしもこれに限定されることはなく、例えば、コントローラ280と外部接続部283を介して接続するホストコンピュータ284にて装置コマンドを設定し、そのホストコンピュータ284からの指示に基づいて運用態様の切り替えを行うようにしてもよい。
【0077】
いずれの場合においても、装置コマンドの設定は、操作画面上で行われるものとする。
図7は、装置コマンドを設定するための操作画面の構成例を示す模式図である。
図7に示すように、操作画面290は、その画面領域が複数のパネル区分に分割されている。パネル区分としては、例えば、画面タイトルや時刻等を表示するためのタイトルパネル291と、作業区分を選択するためのボタンを表示するためのナビゲーションパネル292と、機能ごとに異なる画面を表示するためのインフォメーションパネル293と、装置コマンドの実行ボタンを表示するためのコマンドパネル294と、がある。
【0078】
操作画面上での運用態様切り替え操作は、例えば、以下に説明する手順で行われる。
図8は、ロードポートの運用態様切り替え操作の手順を示す説明図である。
運用態様切り替え操作にあたり、操作画面上には、
図8(a)に示すコマンド情報表示エリア(Command Information Disp Area)が表示される。このコマンド情報表示エリアにて、ロードポートステイタス(Load Port Status)のアイコンが選択されると、操作画面が
図8(b)に示すコマンド選択要求(Please select Execute Command)に切り替わる。ここで、サービス変更(Change Service)のアイコンが選択されると、操作画面が
図8(b)に示すメカニズム選択要求(Please select Mechanism)に切り替わり、運用態様切り替えの対象となるロードポートが指定可能となる。なお、ロードポートの指定は、下段ロードポート114であればポッド110が載置される各箇所別(例えば、「ロードポート1」、「ロードポート2」)に、また上段ロードポート160についても同様にポッド110が載置される各箇所別(例えば、「ロードポート3」、「ロードポート4」)に、それぞれ行えるようになっている。つまり、ポッド110の載置箇所が計四箇所であれば、「ロードポート1」~「ロードポート4」のそれぞれについて、独立して運用態様の切り替えを行うことができる。これにより、例えば、運用でロードポート160の「ロードポート3」および「ロードポート4」をロードポートとして使用し、ロードポート114の「ロードポート1」および「ロードポート2」を載置棚として使用する場合であっても、ポッド棚105の棚板不足が生じると、これに応じてロードポート160のいずれか(「ロードポート3」または「ロードポート4」のいずれか)一箇所を、またはこれらの全てを、載置棚として運用することが可能となる。そして、いずれかのロードポートが選択指定されると、操作画面が
図8(d)に示すコマンド選択要求(Please select Execute Command)に切り替わり、選択指定されたロードポートについて、稼動中(In Service)とするか、またはサービス停止中(Out of Service)とするかが指定可能となる。
【0079】
以上のような運用態様切り替え操作を経て、選択指定されたロードポートについて、サービス有効(In Service)とすることが選択指定されると、コントローラ280には、その旨の装置コマンドが送られる。そして、その装置コマンドに応じて、コントローラ280は、選択指定されたロードポートについて、本来の運用態様のとおりロードポートとして用いることとし、そのように当該ロードポートを運用する。
一方、以上のような運用態様切り替え操作を経て、選択指定されたロードポートについて、サービス無効(Out of Service)とすることが選択指定されると、コントローラ280には、その旨の装置コマンドが送られる。そして、その装置コマンドに応じて、コントローラ280は、選択指定されたロードポートについて、ロードポートとしてではなく、ポッド棚105の一部として用いるように、当該ロードポートの運用態様を切り替える。
【0080】
つまり、本実施形態においては、ロードポートのサービス状態の切り替えを指示できる操作画面上にて、選択指定されたロードポートのサービス状態をサービス無効(Out of Service)に切り替えた場合に、そのロードポートをポッド棚105の一部として用いるように、コントローラ280が運用態様の切り替えを行う。このような運用態様の切り替えを行うことで、例えばポッド棚105の棚板117の不足が生じる可能性がある場合でも、ロードポート114,160のいずれか一部をポッド棚105の一部として用いることが可能となる。したがって、ポッド棚105の棚板不足を解消し得るようになり、基板処理装置100におけるポッド110の収容数増減に柔軟かつ適切に対応できるようになる。しかも、運用態様の切り替えで対応すれば、基板処理装置100のハードウエア構成の変更(改造)を要することなく、ポッド棚105におけるポッド110の収容数の実質的な増設が可能となる。
【0081】
このような運用態様の切り替えは、コントローラ280が装置動作を指示する装置コマンドに基づいて行う。つまり、基板処理装置100における既存機能である装置コマンドのロードポートサービス状態(In Service/Out Of Service)の切り替え機能を利用し、ロードポートの運用態様の切り替えを行う。したがって、基板処理装置100における既存機能を利用することになるので、基板処理装置100のソフトウエアウエア構成の大幅な変更(改造)を抑制し得るようになる。
【0082】
また、装置コマンドに基づいて運用態様を切り替えることで、その運用態様切り替えに伴う基板処理装置100の装置再起動等を要することがない。つまり、コントローラ280は、装置再起動を要さずに、ロードポートの運用態様の切り替えを行う。このように、基板処理装置100を再起動することなく、ロードポートの運用態様を切り替えることができるため、装置再起動に係る時間および関連するパラメータの再設定に係る時間が不要となる。
【0083】
本実施形態において、ロードポートの運用態様の切り替えは、コントローラ280に接続する操作部としての入出力装置281にて、その入出力装置281の操作画面上で行うことが可能である。そのため、入出力装置281での操作のみで、ロードポートの運用態様を切り替えることが可能となり、基板処理装置100のハードウエア構成の大幅な変更(改造)を要することがない。
【0084】
ただし、ロードポートの運用態様の切り替えは、ホストコンピュータ284からの指示に基づいて行うようにしてもよい。つまり、ホストコンピュータ284からロードポート変更要求(Change Service Status)があった場合に、ロードポートの運用態様を切り替えるようにしてもよい。その場合には、入出力装置281での操作を要することなく、ロードポートの運用態様を切り替えることが可能となる。そのため、ロードポートの運用態様の切り替えを、ホストコンピュータ284の運用に合わせて遠隔管理することができ、その結果として生産に影響なく運用できるようになる。
【0085】
(誤操作抑止動作)
上述したように、本実施形態においては、各ロードポート114,160のそれぞれについて、その運用態様の切り替えを行うことが可能である。つまり、必要に応じて、各ロードポート114,160を、ポッド110の載置箇所毎に個別に、当該ロードポートとして用いたり、またはポッド棚105の一部として用いたりすることが可能である。
【0086】
このような運用態様切り替えが可能であると、例えば、ロードポートをポッド棚105の一部として用いているにもかかわらず、そのロードポートからオペレータがポッド110を取り出そうとする、といった誤操作を招くおそれがある。
【0087】
そこで、本実施形態においては、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを行い得ることに加えて、コントローラ280を介して誤操作抑止機能部280fが当該ロードポート114,160に設けられた各ポッドクランプ機構300に対して、当該運用態様に応じて誤操作抑止動作を実行するように動作指示を与えるようになっている。つまり、各ポッドクランプ機構300は、コントローラ280からの動作指示に従いつつ、ロードポート114,160に配されたポッド110に対する誤操作抑止動作を実行することで、誤操作抑止機能部として機能する。
【0088】
具体的には、ポッドクランプ機構300は、誤操作抑止動作として、以下に説明する処理動作を行う。
【0089】
例えば、ロードポート114,160のいずれかをポッド棚105の一部として用いる運用態様の場合には、ポッド棚105の一部となるロードポートについて、そのロードポートに設けられているポッドクランプ機構300の状態を、そのロードポートに置かれたポッド110を保持する状態である容器保持状態(クランプ状態)とする。さらに詳しくは、そのロードポートに載置されているポッド110のベース100aとポッドクランプ機構300の係止爪部301とが係止するクランプ状態を維持する。ただし、そのロードポートにポッド110が載置されていない場合には、ポッドクランプ機構300の係止爪部301を回転動作させてアンクランプ状態とするようにしてもよい。
【0090】
このような誤操作抑止動作をポッドクランプ機構300が行うことで、ポッド棚105の一部として用いるロードポートについて、オペレータによる誤操作を未然に防止することができる。例えば、ロードポートにポッド110が置かれていない状態の場合は、ポッドクランプ機構300をクランプ状態にして、そのロードポートにポッド110が誤って置かれることを防止することができる。また、例えば、ロードポートにポッド110が既に置かれている状態の場合は、ポッドクランプ機構300をクランプ状態にして、そのロードポートからポッド110が誤って取り除かれることを防止することができる。つまり、ロードポート114,160の運用態様を切り替える場合であっても、その運用態様に応じてポッドクランプ機構300のクランプ状態/アンクランプ状態を切り替えるという誤操作抑止動作を実行することで、その切り替えに起因するオペレータの誤操作を未然に防止することができる。
【0091】
また、例えば、ロードポート114,160をそのままロードポートして用いる運用態様の場合には、ポッドクランプ機構300の状態を、容器非保持状態(アンクランプ状態)とする。さらに詳しくは、原則として、ポッドクランプ機構300の係止爪部301を回転動作させてアンクランプ状態としておき、ロードポート114,160へのポッド110の供給または排出を行い得るようにする。そして、ポッド110が供給されて載置された場合にのみ、ポッドクランプ機構300をクランプ状態にする。
【0092】
このような誤操作抑止動作によって、ロードポート114,160をそのままロードポートして用いる運用態様の場合には、既存技術による一般的な構成の基板処理装置の場合と同様に、ロードポート114,160を使用することができる。
【0093】
(故障時緊急対応動作)
上述したように、本実施形態においては、各ロードポート114,160の運用態様を切り替えて、ロードポート114,160のいずれかをポッド棚105の一部として用いることが可能である。つまり、ロードポート114,160は、運用態様の切り替えによって、そのうちのいずれかがポッド棚105の一部として用いられ、それ以外の他のものがそのままロードポートとして用いられる。
【0094】
その場合に、ロードポートとして用いられるものについて、何らかの理由で故障状態になると、基板処理装置100とのポッド110の受渡ができず、基板処理装置100のダウンタイムにより基板処理工程の生産性に悪影響が及ぶおそれがある。
【0095】
そこで、本実施形態においては、ロードポート114,160のいずれかをポッド棚105の一部として用いるように運用態様を切り替えることに加えて、ロードポート故障時のリカバリを行い得るように、当該運用態様の切り替えを行うようになっている。具体的には、ロードポート故障時のリカバリとして、コントローラ280が、ロードポート114,160の故障状態(特に、ロードポートとして用いられるものの故障状態)の有無を認識し、その認識結果に応じて、故障状態となったロードポートの代替として他のロードポートを使用するように、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを行う。
【0096】
コントローラ280は、ロードポート114,160の故障を検知可能なように、基板処理装置100の稼動中に、ロードポート114,160の状態監視を継続的に行う。状態監視は、例えば、センサ検出結果を利用したり、装置コマンドの応答時間を監視するといったように、公知技術を利用して行えばよい。そして、その状態監視の結果から、ロードポート114,160のうち、特にロードポートとして用いられるものについて、故障状態の有無を認識する。
【0097】
その結果、故障状態と認識したロードポートがあると、コントローラ280は、そのロードポートの機能を他のロードポートで代替するように、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを行う。具体的には、故障状態であるロードポートの使用を停止する一方で、既にポッド棚105の一部として用いている他のロードポートについて、ポッドクランプ機構300をアンクランプ状態にし、当該他のロードポートからポッド110を取り除く。さらに、当該他のロードポートについて、サービス状態をサービス有効(In Service)に切り替えて、故障状態であるロードポートの代替として使用できるようにする。
【0098】
このように、故障状態となったロードポートがある場合には、その代替として他のロードポートを使用するように、運用態様の切り替えを行う。したがって、ロードポートが故障しても、ポッド棚105の一部として使用しているロードポートの状態を変更するのみで、故障したロードポートの代替として使用することができる。その結果、基板処理装置100のダウンタイムの短縮に貢献することができ、基板処理工程の生産性に悪影響が及ぶことを抑制できる。
【0099】
(7)実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0100】
(a)本実施形態によれば、複数のロードポート114,160のうちの少なくとも一つのポッド110の載置箇所をポッド棚105の一部として用いるように、各ロードポート114,160の運用態様を切り替えることが可能である。したがって、例えばポッド棚105の棚板117の不足が生じる可能性がある場合でも、ロードポート114,160の運用態様の切り替えによって、ポッド棚105の棚板不足を解消し得るようになる。しかも、運用態様の切り替えで対応するので、基板処理装置100のハードウエア構成の変更(改造)を要することなく、ポッド110の収容数の実質的な増設が可能である。
【0101】
さらに、本実施形態によれば、各ロードポート114,160の運用態様に応じて、ポッドクランプ機構300のクランプ状態/アンクランプ状態を切り替えるという誤操作抑止動作を実行する。したがって、各ロードポート114,160の運用態様の切り替えに対応する場合であっても、その切り替えに起因するオペレータの誤操作を未然に防止することができる。
【0102】
つまり、本実施形態によれば、基板処理装置100におけるポッド110の収容数増減に柔軟かつ適切に対応することができる。
【0103】
(b)本実施形態によれば、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを、装置動作を指示する装置コマンドに基づいて行う。つまり、基板処理装置100における既存機能である装置コマンドのロードポートサービス状態(In Service/Out Of Service)の切り替え機能を利用し、ロードポートの運用態様の切り替えを行う。したがって、ロードポート114,160の運用態様の切り替えに対応する場合であっても、基板処理装置100のソフトウエアウエア構成の大幅な変更(改造)を抑制することができる。
【0104】
(c)本実施形態によれば、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを、基板処理装置100の装置再起動を要さずに行うことができる。したがって、ロードポート114,160の運用態様の切り替えに対応する場合であっても、装置再起動に係る時間および関連するパラメータの再設定に係る時間が不要となる。
【0105】
(d)本実施形態によれば、ロードポート114,160のいずれかをポッド棚105の一部として用いる運用態様の場合に、ポッドクランプ機構300の状態を、容器保持状態(クランプ状態)とするようになっている。したがって、オペレータが誤ってロードポートにポッド110を載置し、または載置済みのポッド110を取り除く、といった誤操作を未然に防止することができる。
【0106】
(e)本実施形態によれば、ロードポート114,160をそのままロードポートして用いる運用態様の場合に、ポッドクランプ機構300の状態を、容器非保持状態(アンクランプ状態)とするようになっている。したがって、かかる運用態様の場合には、既存技術による一般的な構成の基板処理装置の場合と同様に、ロードポート114,160を使用することができる。
【0107】
(f)本実施形態によれば、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを、コントローラ280に接続する操作部としての入出力装置281にて、その入出力装置281の操作画面上で行うことが可能である。そのため、入出力装置281での操作のみで、ロードポート114,160の運用態様を切り替えることが可能となり、基板処理装置100のハードウエア構成の大幅な変更(改造)を要することがない。
【0108】
(g)本実施形態によれば、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを、外部接続部283を介して接続するホストコンピュータ284からの指示に基づいて行うことが可能である。その場合には、入出力装置281での操作を要することなく、ロードポート114,160の運用態様を切り替えることができる。したがって、ロードポート114,160の運用態様の切り替えを、ホストコンピュータ284の運用に合わせて遠隔管理することができ、その結果として生産に影響なく運用できるようになる。
【0109】
(h)本実施形態によれば、ロードポート114,160の故障状態の有無を認識し、故障状態となったロードポートがある場合には、その代替として他のロードポートを使用するように、運用態様の切り替えを行う。したがって、ロードポートが故障しても、ポッド棚105の一部として使用しているロードポートの状態を変更するのみで、故障したロードポートの代替として使用することができる。その結果、基板処理装置100のダウンタイムの短縮に貢献することができ、基板処理工程の生産性に悪影響が及ぶことを抑制できる。
【0110】
(8)変形例等
以上に、本開示の実施形態を具体的に説明したが、本開示が上述の実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0111】
例えば、上述した実施形態では、基板処理工程として成膜処理を例に挙げたが、本開示がこれに限定されることはない。すなわち、本開示において、基板処理工程の具体的内容は不問であり、成膜処理だけでなく、アニール処理、拡散処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を行う場合にも適用できる。さらに、本開示は、他の基板処理装置、例えばアニール処理装置、エッチング装置、酸化処理装置、窒化処理装置、露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置、プラズマを利用した処理装置等の他の基板処理装置にも適用できる。また、本開示は、これらの装置が混在していてもよい。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【0112】
(9)本開示の好ましい態様
以下に、本開示の好ましい態様について付記する。
【0113】
[付記1]
本開示の一態様によれば、
基板を収納する基板収納容器を載置可能なロードポートと、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替え可能な切り替え部と、前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する誤操作抑止機能部とを制御することが可能な制御部と、
前記基板を処理する処理室と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0114】
[付記2]
好ましくは、
前記制御部は、装置動作を指示する装置コマンドに基づいて、前記運用態様の切り替えを行う
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0115】
[付記3]
好ましくは、
前記制御部は、装置再起動を要さずに、前記運用態様の切り替えを行う
付記2に記載の基板処理装置が提供される。
【0116】
[付記4]
好ましくは、
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートに配された前記基板収納容器を保持する保持機構によって構成されており、前記ロードポートが前記第二機能に伴う運用態様の場合に当該ロードポートにおける前記保持機構の状態を容器保持状態とする
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0117】
[付記5]
好ましくは、
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートが前記第一機能に伴う運用態様の場合に当該ロードポートにおける前記保持機構の状態を容器非保持状態とする
付記4に記載の基板処理装置が提供される。
【0118】
[付記6]
好ましくは、
装置コマンドの設定に対応する操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部で設定される装置コマンドに基づいて、前記運用態様の切り替えを行う
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0119】
[付記7]
好ましくは、
上位装置との接続を行う外部接続部を有し、
前記制御部は、前記外部接続部に接続する前記上位装置からの指示に基づいて、前記運用態様の切り替えを行う
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0120】
[付記8]
好ましくは、
前記制御部は、複数の前記ロードポートの故障状態の有無を認識し、故障状態となったロードポートの代替として他のロードポートを使用するように、前記運用態様の切り替えを行う
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0121】
[付記9]
本開示の他の一態様によれば、
基板を収納する基板収納容器をロードポートに載置する工程と、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替える工程と、
前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する工程と、
前記基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0122】
[付記10]
本開示のさらに他の一態様によれば、
基板を収納する基板収納容器をロードポートに載置する手順と、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替える手順と、
前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する手順と、
前記基板を処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラムが提供される。
【符号の説明】
【0123】
100…基板処理装置、105…ポッド棚(基板収納容器載置棚)、110…ポッド(基板収納容器)、114…下段ロードポート、160…上段ロードポート、118…ポッド搬送装置(基板収納容器搬送装置)、200…ウエハ(基板)、280…コントローラ、281…入出力装置(操作部)、283…外部接続部、284…ホストコンピュータ(上位装置)、300…ポッドクランプ機構(誤操作抑止機能部)
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納する基板収納容器を載置可能なロードポートと、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替え可能な切り替え部と、前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する誤操作抑止機能部とを制御することが可能な制御部と、
前記基板を処理する処理室と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、装置動作を指示する装置コマンドに基づいて、前記運用態様の切り替えを行う
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、装置再起動を要さずに、前記運用態様の切り替えを行う
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートに配された前記基板収納容器を保持する保持機構によって構成されており、前記ロードポートが前記第二機能に伴う運用態様の場合に当該ロードポートにおける前記保持機構の状態を容器保持状態とする
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記誤操作抑止機能部は、前記第二機能に伴う運用態様の場合に前記基板収納容器を載置する場合のみ前記保持機構の状態を容器非保持状態とする
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートが前記第一機能に伴う運用態様の場合に当
該ロードポートにおける前記保持機構の状態を容器非保持状態とする
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記誤操作抑止機能部は、前記ロードポートが前記第一機能に伴う運用態様の場合に前記基板収納容器が載置された場合にのみ前記保持機構の状態を容器保持状態とする
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
装置コマンドの設定に対応する操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部で設定される装置コマンドに基づいて、前記運用態様の切り替えを行う
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
複数の前記ロードポートを有し、前記操作部は少なくともいずれか1つの前記ロードポートの前記運用態様の切り替えの設定を行うことが可能な請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
上位装置との接続を行う外部接続部を有し、
前記制御部は、前記外部接続部に接続する前記上位装置からの指示に基づいて、前記運用態様の切り替えを行う
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、複数の前記ロードポートの故障状態の有無を認識し、故障状態となったロードポートの代替として他のロードポートを使用するように、前記運用態様の切り替えを行う
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板を収納する基板収納容器をロードポートに載置する工程と、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替える工程と、
前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する工程と、
前記基板を処理する工程と、
を有する半導体製造装置の製造方法。
【請求項13】
基板を収納する基板収納容器をロードポートに載置する手順と、
前記ロードポートを前記基板収納容器の搬入または搬出に用いる第一機能と前記ロードポートに前記基板収納容器を載置する第二機能とを切り替える手順と、
前記機能に伴う運用態様に応じて前記ロードポートに配された前記基板収納容器に対する誤操作抑止動作を実行する手順と、
前記基板を処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させることが可能なプログラム。