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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102622
(43)【公開日】2023-07-25
(54)【発明の名称】全固体型電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0585 20100101AFI20230718BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20230718BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20230718BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M10/0562
H01M4/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003226
(22)【出願日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100087468
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 一美
(72)【発明者】
【氏名】沓澤 大
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】小宮 世紀
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AL01
5H029AM12
5H029CJ02
5H029DJ08
5H029EJ03
5H029HJ01
5H029HJ02
5H029HJ14
5H050AA19
5H050BA15
5H050CA01
5H050CB01
5H050DA09
5H050EA01
(57)【要約】
【課題】正極、電解質、負極を低温で一体化する。
【解決手段】負極活物質を含む負極材料1と正極活物質を含む正極材料2との間に介在される固体電解質3に、前記正負電極材料1,2と固体電解質3との反応温度未満の温度で融解し接着剤として機能する融剤4を予め混合し、加圧下に前記融剤4の溶融温度以上でかつ前記正負電極材料1,2と前記固体電解質3との反応温度未満の焼結温度で加熱することによって、1度の焼結で一体化させるようにしている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極活物質を含む負極材料と正極活物質を含む正極材料との間に介在される固体電解質に、前記正負電極材料と固体電解質との反応温度未満の温度で融解し接着剤として機能する融剤を予め混合し、
加圧下に前記融剤の溶融温度以上でかつ前記正負電極材料と前記固体電解質との反応温度未満の焼結温度で加熱することによって、1度の焼結で一体化させる
ことを特徴とする全固体型電池の製造方法。
【請求項2】
前記固体電解質に対して5-20wt%の前記融剤を混合し、600℃で焼結することを特徴とする請求項1記載の全固体型電池の製造方法。
【請求項3】
前記固体電解質に対して10wt%の前記融剤を混合し、600℃以下300℃以上の温度で焼結を行うことを特徴とする請求項1記載の全固体型電池の製造方法。
【請求項4】
前記正負極の活物質としてはNASICON型Na(PO、前記固体電解質としてはNASICON型Na3+2xZr2-xMg(SiOPO(式中、x=0、0.05、または、0<x<0.05)、前記融剤としてはNa・10HOであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の全固体型電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極材料と負極材料と固体電解質材料の全てが固体・粉体から構成される全固体型電池の製造方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、焼結によりバルク型電池を構成する全固体型電池の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のバルク型全固体型電池は、正極材料と負極材料及びそれらの間に介在される電解質材料の全てが固体・粉体から構成され、それらを順次積層させて焼結により一挙に固めて電池として機能させるようにしている。
【0003】
ここで、酸化物全固体電池の製造には、高密度な焼結および良好な界面形成のために高温プロセス(一般には、1000℃以上)が必要である。一方で、高温プロセスでは固体電解質と電極材料との化学反応が発生してしまい、電極材料が分解して電池としてうまく作動しなくなってしまう虞がある。このことから、低温で全固体電池を作製する技術が求められている。
【0004】
ナトリウムイオンを伝導イオンとした酸化物全固体電池では、例えば、正極としても負極としても機能する電極材料NVP(Na(PO)とNZSP(NaZr(SiOPO)の固体電解質とで構成され、ホットプレス焼成あるいは放電プラズマ焼結法(SPS:Spark Plasma Sintering)によって900℃で加熱されながら加圧成形されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】F. Lalere, J.B. Leriche, M. Courty, S. Boulineau, V. Viallet, C. Masquelier, V. Seznec, J. Power Sources, 247, 975-980, 2014.
【非特許文献2】Y. Noguchi, E. Kobayashi, L. S. Plashnitsa, S. Okada, J. Yamaki, Electrochemica Acta, 101, 59-65, 2013.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、固体電解質と正負極電極材料とを一挙に焼結することにより全固体電池を製作する非特許文献1記載の製法では、多くの酸化物が反応する温度(400-800℃)よりも高温であるため、900℃の焼結では固体電解質と正負極電極材料とが化学反応したり、熱分解してしまい、電池として機能しなくなる虞がある。実際に800℃以上の焼結によって、電極の一部がNaSiOやSiPに変化することが知られていることから(非特許文献2)、さらに可能な限り低温で全固体電池を作製する技術が求められる。
【0007】
本発明は、かかる要望に応えるものであり、正極、電解質、負極をより低温で一体化することを可能にする全固体型電池の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための全固体型電池の製造方法は、負極活物質を含む負極材料と正極活物質を含む正極材料との間に介在される固体電解質に、正負電極材料と固体電解質との反応温度未満の温度で融解し接着剤として機能する融剤を予め混合し、加圧下に融剤の溶融温度以上でかつ正負電極材料と固体電解質との反応温度未満の温度で加熱することによって、1度の低温焼結で一体化させるようにしている。
【0009】
ここで、本発明の全固体型電池の製造方法は、固体電解質に対して5-20wt%の前記融剤を混合し、600℃で焼結することが好ましい。
【0010】
さらに好ましくは、固体電解質に対して10wt%の融剤を混合し、600℃以下300℃以上の温度で焼結をすることである。
【0011】
さらには、本発明の全固体型電池の製造方法において、正負極の活物質としてはNASICON型Na(PO、固体電解質としてはNASICON型Na3+2xZr2-xMg(SiOPO(式中、x=0、0.05、または、0<x<0.05)、融剤としてはNa・10HOであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の全固体型電池の製造方法によれば、正極材料と、負極材料と、融剤が予め混合された固体電解質とが一度に低温で焼結させて一体化する時点で固体電解質と溶解した融剤とが反応して不可逆的に接着剤として機能させられると共に電極材料と固体電解質との接触を融解した融剤が促進して導電パスを形成し、イオン伝導性を確保して電池として機能させる構造を得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明にかかる全固体電池の製造方法の実施の一形態を示す概念図である。
図2】固体電解質に対して混合する融剤の量(重量比wt%)と固体電解質の理論密度比との関係を示すグラフである。
図3】加圧下に600℃の低温で焼結して得られたペレットの外観を示す図で、(A)は融剤なし、(B)は1wt%混合、(C)は5wt%混合、(D)は10wt%混合、(E)は15wt%混合、(F)は20wt%混合、(G)は30wt%混合したものである。
図4】同ペレットの固体電解質部分の断面SEM像であり、(A)は融剤なし、(B)は1wt%混合、(C)は5wt%混合、(D)は10wt%混合、(E)は15wt%混合、(F)は20wt%混合、(G)は30wt%混合したものである。
図5】本発明の製造方法で得られた全固体電池の動作温度60℃での充放電試験の結果を示す充放電曲線で、(A)は5wt%混合、(B)は10wt%混合、(C)は15wt%混合、(D)は20wt%混合したものである。
図6】本発明の製造方法で得られた全固体電池の動作温度60℃での充放電試験の結果を示すサイクル特性図で、(A)は5wt%混合、(B)は10wt%混合、(C)は15wt%混合、(D)は20wt%混合したものである。
図7】本発明の製造方法で得られた融剤1wt%混合の動作温度60℃での全固体電池の充放電試験の結果を示す、(A)は充放電曲線、(B)はサイクル特性図である。
図8】NVPの正負電極材料とNZMSPの固体電解質と融剤としてホウ砂10wt%を混合し600℃以下の低温で焼結した時の固体電解質部分の断面SEM像を示すものであり、(A)は600℃、(B)は500℃、(C)は400℃、(D)は300℃である。
図9】600℃以下の低温で焼結して得られたペレットの外観を示す図で、(A)は500℃、(B)は400℃、(C)は300℃である。
図10】NVPの正負電極材料と融剤としてホウ砂10wt%を混合したNZMSPの固体電解質とで作製された全固体電池の焼結温度と固体電解質の理論密度比との関係を示すグラフである。
図11】NVPの正負電極材料と融剤としてホウ砂10wt%を混合したNZMSPの固体電解質とで作製された全固体電池の焼結温度500℃における動作温度60℃での充放電曲線である。
図12】同全固体電池の焼結温度400℃における動作温度60℃での充放電曲線である。
図13】同全固体電池の焼結温度300℃における動作温度60℃での充放電曲線である。
図14】NVPの正負電極材料と融剤としてホウ砂10wt%を混合したNZSPの固体電解質とで作製された全固体電池の焼結温度600℃における動作温度200℃での(A)は充放電曲線、(B)はサイクル特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1に本発明にかかる全固体電池の製造方法の一実施形態を示す。この全固体電池の製造方法は、負極活物質を含む負極材料1と正極活物質を含む正極材料2との間に介在される固体電解質3に、電極材料1,2と固体電解質3との反応温度未満の温度で融解し接着剤として機能する融剤4を焼結前に予め混合し、加圧下に融剤4の溶融温度以上でかつ電極材料1,2と固体電解質3との反応温度未満の温度で加熱することによって、1度の低温焼結で一体化させるようにしている。尚、本発明にかかる全固体電池の製造方法は、ナトリウム系全固体電池あるいはリチウム系全固体電池に拘わらず実施可能であるが、本実施形態では主にナトリウム系全固体電池の例を挙げて以下に説明する。
【0016】
ここで、電極材料の活物質としては、特定の結晶構造や材質には限定されず、例えばNASICON型酸化物NaM(PO(MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni)、リン酸塩系酸化物NaNi(PO、NaCo(PO、層状岩塩型酸化物NaMO(MはCr,Mn,Fe,Co,Ni)、スピネル型酸化物NaLiTi12などの酸化物材料が用いられる。本実施形態の場合、例えばNVPを正負極の活物質として用いているが、これに特に限られず、他の材料にも適用可能である。そして、正極部材と負極部材とは、各々電極活物質と固体電解質と導電助剤としてのカーボン(C)との合成物・複合材即ちコンポジット電極部材として構成することが好ましい。本実施形態では、正極材と負極材とは同じ活物質つまりNVPを用いた例を挙げているが、これに特に限られるものではなく、異なる活物質を用いたコンポジット電極材料としても良い。例えば、正極側電極部材としてはNCPP、負極側電極部材としてはNVPを用いても良い。正極にNaNi(PO(NNPP)、負極にNa(PO(NVP)を使用した電池、あるいは正極にNa(PO(NVP)、負極にNaTi(PO(NTP)を使用した電池としても良い。
【0017】
また、無機固体電解質としては、特定の結晶構造や材質には限定されず、ナトリウムイオン系無機固体電解質やリチウムイオン系無機固体電解質であっても実施可能である。また、ナトリウム系全固体電池の場合には、中でもナトリウムイオン伝導性に優れるNASICON結晶の使用が好ましい。NASICON結晶としては、例えば、NaZr(SiOPO(以下、NZSPと呼ぶ)、Na3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(式中、x=0、0.05、または、0<x<0.05)(以下、NZMSPと呼ぶ)、Na+xZrSixP-xO12(但し、x=0~3)などが挙げられるが、好ましくはNaZr(SiOPO(以下、NZSPと呼ぶ)、より好ましくはNa3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(式中、x=0、0.05、または、0<x<0.05)(以下、NZMSPと呼ぶ)で表される酸化物固体電解質の使用である。勿論、酸化物固体電解質は、NZMSPやNZSPなどのNASICON結晶に限られない。固体電解質としては、例えば、βアルミナ固体電解質やガーネット型結晶構造やリシコン型結晶構造が知られており、ホウ素酸化物の非晶質化(ガラス化)が起こることによって接着力が得られる場合には、全ての固体電解質で適用可能と考えられる。酸化物以外のナトリウムイオン系無機固体電解質としては、例えばNa(B12120.5(B10100.5、Na11SnPS12、Na+5xP-xS(但し、x=0~3)などが挙げられる。
【0018】
上述のNa3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(式中、x=0、0.05、または、0<x<0.05)(以下、NZMSPと呼ぶ)で表される酸化物固体電解質の場合、組成式中のxの値によって想定の使用温度が異なる。電池の出力に影響を与える大きな因子の一つが固体電解質のイオン伝導率(どのくらいイオンが流れやすいか。値が大きいほど流れやすい)である。イオン伝導率は高温下であるほど大きくなる傾向にある。ナシコン型NZMSPは、x=0のときにx=0.05のときよりもイオン伝導率が小さいので、材料自体の小さいイオン伝導率を補う目的で、より高温下で電池動作を行う。電池の一般的な性質として、より低温での使用に際しては予定の出力が得られない。使用温度とxの値が一対一で対応しているわけではないが、例えば、低温での使用を想定した場合は高イオン伝導率の材料(厳密にxを制御した材料)が必要になるが、高温での使用を想定した場合はある程度イオン伝導率が低くても良いので、イオン伝導率が最大となるx(つまり、x=0.05)にする必要は必ずしもないが、勿論最大となるxとしても構わない。
【0019】
尚、正極部材と負極部材とをコンポジット電極部材として構成する場合の電極活物質と固体電解質と導電性カーボンとの混合比率は、特定の比率に限定されるものではないが、例えば、電極活物質:固体電解質:カーボン=20~70:75~20:5~15wt%であることが好ましい。この数値の範囲は、全固体電池の分野では、経験的に期待した性能が得られるものとして一般的な数値であり、例えば、電極活物質を例に挙げると、20wt%よりも小さい値になっても、また70wt%よりも大きな値となっても、期待している性能(ここでは、容量)よりも低下するものと考えられる。即ち、電極活物質の割合が20wt%よりも少なくなると、単位質量当りのエネルギー密度特性や出力密度特性の観点から、電池特性が低下する傾向にある。また、導電助剤は、コンポジット電極部材の粉体のうち、5~15wt%、好ましくは15wt%含有させることである。導電助剤の含有量が少なすぎると、電極合材の高容量化やハイレート化の達成が困難になる傾向がある。他方、導電助剤の含有量が多すぎると、電極合材の単位質量あたりの活物質量が減少するため、充放電容量が低下する傾向がある。また、焼結が阻害されることにより、イオン電導パスが切断され、充放電容量が低下したり放電電圧が低下する傾向がある。一方、70wt%よりも活物質の割合が大きな値となると、電極層内の固体電解質によるネットワークが途切れる場合がある。そこで、正負極の各コンポジッド電極材料は、上述の混合比率の範囲内で適宜調整されることが好ましく、例えば、本実施形態の正負極電極材料は、活物質であるNVP、固体電解質であるNZMSP、電子伝導助剤であるカーボンが重量比で25:60:15で混ざった混合体(コンポジッド電極材料)としている。
【0020】
また、融剤は、電極材料と固体電解質との反応温度未満の温度で融解し、固体電解質に対して接着剤として機能するものであれば良い。例えば、NVPを活物質として含む正負電極材料とNZMSPを固体電解質とした本実施形態では、NZMSPとNVPの反応温度800℃より低い温度で融解し、固体電解質に対して接着剤として機能するものであれば良い。ここで、NZMSPとNVPとの組み合わせの全固体電池の場合には、800℃よりも低い温度であれば十分であるので、例えば700℃で融解する融剤でも良いが、本発明の製法を他の酸化物材料にも適用可能な汎用的な焼結方法として発展させるには、多くの酸化物が反応する温度(例えば400℃-800℃)より低温(例えば300℃-600℃)での電池作製を可能とすることが望ましい。このことから、少なくとも400℃よりも低い温度で融解する融剤であることが望ましい。
【0021】
このような融剤としては、例えば四ホウ酸ナトリウム+水和物(10水塩ほう砂とも呼ばれる。Na・10HO)、ホウ酸((HBO)またはB(OH))、メタホウ酸ナトリウム(メタホウ砂(NaBO・4HO))、リン酸水素ナトリウムなどのオキソ酸塩、水酸化ナトリウムなどの無機ナトリウム塩、酢酸ナトリウムやステアリン酸ナトリウムなどの有機ナトリウム塩などがある。なかでも、融剤としては、四ホウ酸ナトリウム+水和物が好ましい。四ホウ酸ナトリウム+水和物は100℃以下で融解するが、電池として作製された状態では、融解後の脱水(つまり、Na無水和物の生成)や固体電解質などとの反応によって、元の融剤から変化していると考えらえれ、得られた全固体電池が使用温度で融解することはない(即ち、電池形状を保つことができる。)。
【0022】
融剤は固体電解質に対して1wt%混合させるだけでも、融剤を混合しない場合を越える密度比が得られる。そして、融剤の混合量を増やせば、電解質の密度比は単調に増加するが、ある程度のところで、電池としての特性が悪くなってしまうことを本発明者等は種々の実験・研究の結果、知見するに至った。即ち、融剤を固体電解質に対して5wt%以上混合することで、電池形状を保つのに十分な密度比を達成することができ、20wt%混合したときには300℃焼結でも電池形状を保つのに十分な密度比を達成することができるが、30wt%の融剤を混合したときには電池形状を加圧焼結時に保てなくなった。このことから、固体電解質に対する融剤の混合量は、固体電解質に対して好ましくは5wt%~20wt%の範囲内、より好ましくは10wt%程度とすることである。
【0023】
そこで、本実施形態の全固体電池の製造方法においては、例えば上述の電極材料、無機固体電解質並びに融剤のなかから適宜選択された任意の材料、例えば正負極活物質としてはNASICON型Na(PO(以下、NVPと呼ぶ)、固体電解質としてはNASICON型Na3+2xZr2-xMg(SiOPO(式中、x=0、0.05、または、0<x<0.05)(以下、NZMSPと呼ぶ)、融剤としてはNa・10HO(テトラホウ酸ナトリウム(ホウ砂)NBOと呼ぶ)を組み合わせるものであり、NZMSPには予め適量例えば10wt%の融剤(Na・10HO)が混合されている。ここで、正極材料及び負極材料は、各々の電極活物質のNVPと固体電解質のNZMSPと導電助剤としてのカーボン(C)が重量比で25:60:15で混ざった混合体・コンポジット電極材料を用いている。このコンポジット電極材料と、予め融剤(Na・10HO)が混合されている固体電解質のNZMSPとは、例えばプレスによりペレット状のグリーン体として成形される。
【0024】
次いで、負極材のグリーン体と正極材のグリーン体との間に融剤を予め混合した固体電解質のグリーン体を挟んで、加圧下に融剤の融点以上の温度でかつ電極材料と固体電解質との反応温度未満の温度例えば600℃で加熱して接合することにより一度に焼結して一体化される。この場合に、融解したNa-10HO(四ホウ酸ナトリウム+水和物)の一部が負極材と正極材に浸潤して無機固体電解質と接合させることができる。固体電解質と溶解した融剤とが反応して不可逆的に接着剤として機能させられると共に導電パスを形成する。つまり、正極側材料及び負極側材料と固体電解質との接触部分で融解した融剤がこれらの接触を促進する。また、融剤は、ナトリウムイオンの通路としても寄与する。これにより、イオン伝導性を確保して電池として機能させる構造を得る。尚、グリーン体の焼結は、例えば、放電プラズマ焼結(SPS:Spark Plasma Sintering)装置を用いて行うことが好ましい。放電プラズマ焼結は、ホットプレス焼結(HP)と同じ固体圧縮焼結法の一種であり、粉体あるいは固体を充填したグラファイト(黒鉛)製焼結型を、加圧しながら加熱するものである。急速昇温・冷却が可能であり、加圧並びに急速昇温により、粒成長を抑制した緻密な焼結体の作成が期待できる。
【0025】
正負コンポジッド電極材料と固体電解質とは、焼結体を得るに必要な温度と圧力で焼結させられて、ナトリウム系全固体電池として得られる。例えば、NVPを極活物質として用いるコンポジット電極材料とNZMSPの固体電解質との焼結条件は、焼結温度300℃~600℃、圧力102MPaである。尚、焼結の際に緻密化のために加える圧力は、本実施形態においては使用装置の加圧能力の最大限の圧力を加えるようにしたものであって、必ずしもこれに特に限られものではなく、より高い圧力をかけるようにしても良いし、場合にはよっては低い圧力でも良い。即ち、上述の焼結条件はあくまで一例であって、特に限定されるものでない。重要なのは、コンポジット電極材料と無機固体電解質との焼結条件が加圧下における焼結温度を600℃まで下げられるということであって、600℃未満であっても電池形状を保てる焼結体を得ることができるということである。本発明者等の実験によれば、上述の構成の全固体ナトリウム電池の場合、600℃未満であっても500℃あるいは400℃であれば、電池容量の大小こそあれいずれも電池として動作することが確認された。また、電極材料と固体電解質との組み合わせによっては、300℃の低温焼結でも、電池として動作するものが得られる見通しがついた。
【0026】
上述の製法によって製作される全固体電池は、本実施形態の場合、同じ電極活物質を含むコンポジット電極材料を正負極材料として組み合わせたものとしているが、電極材料の選定や組み合わせには何ら制約を受けるものではなく、また焼結の際の圧力や温度も電極材料固有の最適条件が存在することから選択する電極材料によって適宜変更されることは言うまでもない。つまり、本発明にかかる全固体電池は、異種電極材を組み合われる場合にも適用できるし、それに応じて実施可能な焼成温度が適宜設定されることはいうまでもない。
【0027】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、全固体ナトリウム電池について実施した例を挙げて主に説明したが、これに特に限定されるものではなく、例えば全固体リチウム電池などの他の全固体電池に対して適用可能であることはいうまでもない。即ち、本発明の製法は、粉体の正負極コンポジット電極材料と低温で融解する融剤を予め混合した無機固体電解質材料とを一度に加圧・焼結することで融剤を融解しながら一体化・接合することで電池として機能させるものである。つまり、融剤を使用することで全固体電池を低温で作製可能とするものである。依って、本発明の製法は電極材料には因らず、様々な電極材料の組み合わせに適用可能であることは言うまでもない。例えば、Li系全固体電池には例えばメタホウ酸ナトリウムの類似のホウ酸系水和物であるLi・5HOを適用することによって一度の低温焼結で一体化が可能である。
【0028】
また、上述の実施形態では、放電プラズマ焼結装置を利用して焼結する例を挙げて主に説明したが、これに特に限られるものではなく、場合によってはホットプレス(HP)、熱間等方圧加圧焼結(HIP)、ガス圧焼結でも作製可能である。また、電池として動作する焼結体を得るための焼結時の圧力や温度条件については、電極材料固有のものであることから、実施形態の中で挙げられている圧力や焼結温度には絶対的意義はない。本発明の目的が低温焼結の実現にあることから、電極材料と固体電解質との反応温度未満の温度範囲のなかでも可能なかぎり低温にすることが好ましいが、それは採用する電極活物質や無機固体電解質材料によって左右される。つまり、本明細書中において挙げている数値は単なる一例であって、実施形態の中で挙げられている焼結の際の圧力、温度には絶対的意義はない。
【実施例0029】
(電池性能試験1)
正負極材の極活物質としてNa(PO(所謂、NVP)、酸化物固体電解質としてNa3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(式中、x=0.05)で表される酸化物固体電解質(NZMSP)、及び融剤として四ホウ酸ナトリウム+水和物(Na-10HO)を用いてナトリウム系全固体電池を作製して、電池性能を確認した。
【0030】
NVPの合成は次のようにして行った。まず、NaHPO・2HO、V、NaNO、C・2HOを3.0:1.0:0.15:1-30のモル比で脱イオン水中に溶かした溶液を作製した後、80℃で加熱乾燥した。これによって得られた粉末をAr雰囲気中において700℃、12時間で加熱焼成した後、得られた焼成物を粉砕して、Na(POで表される電極活物質の材料粉末(NVP材料粉末)を得た。
【0031】
NZMSPの合成は次のようにして行った。まず、化学量論量のNaNO、ZrO(NO・2HO、Si(OC、(NHHPO、Mg(NO・6HOを水、エタノール、硝酸の混合溶液に溶かし、80℃で加熱乾燥して粉末を得た。この粉末を800℃、6時間で焼成仮焼して前駆体粉末を得た。この前駆体粉末を錠剤成型器にてペレット状に成形し、1150℃で12時間加熱・焼成して、Na3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(NZMSP)(式中、x=0.05)で表される酸化物固体電解質を得た。この酸化物固体電解質ペレットを乳鉢で粉砕し、酸化物固体電解質粉末を得た。
【0032】
本実施例の正負極材料は、正負極活物質の他に固体電解質と導電性黒鉛とを含んだ複合体即ちコンポジット電極材料として構成されている。正負電極コンポジット材の作製は、前述のNVPとNZMSP、カーボンを25:60:15の重量比で混合し、所定時間例えば30分間混合して正極及び負極のそれぞれのコンポジット電極材料を得た。
【0033】
電池作製は、NZMSP(0.075g)と四ホウ酸ナトリウム+水和物(Na・10HO)を混合した粉末を内径10mmの筒形のグラファイトダイに入れ、185MPaの圧力でプレスしてペレット状の成形体(グリーン体)を得た。さらに、このペレット状の固体電解質の成形体の両底面に正極コンポジット電極材料0.010gと負極コンポジット電極材料0.020gとをそれぞれ載せ、74MPaの圧力でプレスした。これによって、固体電解質が正負電極材に挟まれたグリーン体を得た。
【0034】
次いで、プラズマ放電焼結装置(住友石炭鉱業製、モデルSPS-511ET)を用いて、102MPaの圧力を加えながら10分間600℃に加熱して焼結させた。これにより、固体電解質に混合された融剤を融解させて、固体電解質と反応させ、また一部の融剤を正負極コンポジット電極材料の固体電解質内に浸潤させて反応させ且つ接合させた。
【0035】
尚、本実施例で融剤として用いた四ホウ酸ナトリウム+水和物(Na・10HO)の場合、100℃以下で融解するが、電池作製時には融解後の脱水(Na無水和物の生成)や固体電解質などとの反応が起こるため元の融剤から変化しており、得られた全固体電池が使用温度で融解することはない。
【0036】
上述の手順によって、固体電解質に対して融剤の混合量を1wt%(実施例1)、5wt%(実施例2)、10wt%(実施例3)、15wt%(実施例4)、20wt%(実施例5)、30wt%(実施例6)並びに混合されていないもの(0wt%:比較例)の計7種類のバルク型全固体ナトリウム電池を作製した。ここで、バルク型全固体ナトリウム電池のサイズは、直径10mm、厚み0.5mm、重量約0.1gに製作した。
【0037】
以上のようにして製作された実施例1~6の全固体ナトリウム電池の固体電解質の理論密度比と固体電解質に混合され融剤の重量比との関係を図2に示す。この図から明らかなように、融剤を固体電解質に対して1wt%混合させるだけでも、固体電解質(NZMSP)の理論密度比の向上が認められ、融剤の混合量の増加とともに単調増加した。
【0038】
また、作製された7種類のバルク型全固体ナトリウム電池の形状を図3に示す。融剤無し(比較例)や、1wt%(実施例1)では低密度で脆いために直ぐに割れた一方、30wt%(実施例6)では融剤過多のため焼結時の圧力むらによって歪んだ形状となった。つまり、正常なペレット化に成功しなかった。他方、5wt%~20wt%の範囲で融剤を予め固体電解質に混合した実施例2~5についてはペレット化に成功した。
【0039】
600℃焼結における固体電解質の理論密度比と固体電解質に混合され融剤の重量比との関係を表1に示す。比較例並びに各実施例における密度比は、融剤を混合しない比較例の場合に66.2%、1wt%で75.2%、5wt%で77.5%、10wt%で81.4%、15wt%で88.3%、20wt%で91.7%、30wt%でNAであった。尚、本実験では、密度比は、下記式1によって、融剤内の水が全て気化したと仮定して求めた。電解質密度を算出する際の厚さは断面SEM像から求めた。
【0040】
【表1】
【0041】
【数1】
【0042】
次に、図4に、上述の7種類の電池電解質の断面SEM像を示す。このSEM像からも明らかなように、600℃という焼結温度は酸化物固体電解質の焼成温度としては低温であることから、融剤を混合しない固体電解質(比較例1)の場合、固体電解質材料の粒子と粒子とが接触面で融合して接着して行く現象が進まずに、空隙が埋まらずに粒子が際立って大小さまざまな粒子として残った状態であった。つまり、固体電解質材料の粒子と粒子とが接触面でくっつかずに隙間が生ずるので、うまく焼結できていないことが明らかである。
【0043】
他方、固体電解質に予め融剤を混合した場合には、1wt%混合させるだけでも改善が見られ、融剤の混合量を多くするほどに、滑らか且つ緻密な表面が得られた。つまり、断面がきれいで焼きしまっていることがわかる。融解した融剤があたかもフラックスのように焼結のプロセスを補助している。つまり、融剤の混合によって、焼結温度を低くしても緻密化することが明らかとなった。
【0044】
以上のようにして製作された全固体ナトリウム電池のうち、電池形状が良好に維持できている5wt%(実施例2)、10wt%(実施例3)、15wt%(実施例4)、20wt%(実施例5)の4種類の電池並びに電池形状が保ち難い1wt%(実施例1)について充放電試験を行った。充放電試験は、充放電試験装置(北斗電工製、モデルHJ1010mSM8A)を使って行った。
【0045】
充放電試験の結果を図5及び図6に示す。図5の充放電曲線から明らかなように、融剤を固体電解質に対し5wt%~20wt%混合した全固体ナトリウム電池の場合には、電池容量の大小こそあれいずれも電池として動作することが確認された。しかしながら、5wt%(実施例2)の場合の充放電曲線は、理論容量と比べて低容量で実用レベルには十分とは言えない。融剤が少ないために電極側の伝導パスが不十分な可能性が考えられる。また、20wt%(実施例5)の場合には容量が小さくなっている。大量の融剤により密度が上がっているがナトリウムイオンの通り道が少なくなってイオン伝導率が悪くなる傾向があると思われる。同様に、15wt%(実施例4)の場合にも容量が小さくなっている。この場合にも、融剤が多いことから、密度が上がっているがナトリウムイオンの通り道が少なくなっていると思われる。副反応が起こることによる伝導パスまたは活物質の減少によるものと思われる。他方、10wt%(実施例3)の場合には、充放電が理論的な値に近くなっている。適量の融剤により多くの電極が一緒に焼き固まり、伝導パスが繋がったためと思われる。このことから、本実施例のナトリウム系全固体電池においては、電池として動作させるためには、融剤の混合量は5wt%~20wt%の範囲内であることが好ましいが、より好ましくは10wt%程度とすることである。
【0046】
また、充放電サイクル特性を図6に示す。この結果、10wt%(実施例3)の場合には、放電容量が高い値を示している。サイクル数を大きく増やしても放電容量が大きく変動しない。これに対し、5wt%(実施例2)の場合は、融剤が少なく焼きしまっていないので、固体電解質粒子と電解質粒子との間の隙間が多くなってイオン伝導率が低く伝導パスが不十分な可能性がある。また、15wt%(実施例5)の場合は、副反応による伝導パスまたは活物質の減少によって数サイクルで容量が急減した。さらに、20wt%(実施例5)の場合には、もともとの伝導パスが少ないので活物質の副反応や体積変化の影響が小さく、15wt%(実施例5)のサイクル特性よりは良かった。
【0047】
他方、1wt%(実施例1)の電池特性の場合には、図7に示すように、1.2V付近に平坦な充電電位が現れたが、数サイクルで容量が急減した。これは接触性が悪いため活物質の体積変化に追随できず、伝導パスが切断されるものと思われる。2Cでは分極が大き過ぎて電池として動作しなかった。
【0048】
以上の実験から、融剤を混合することにより、600℃の低温焼結で作製した上述の実施例2~5の全固体電池(即ち、固体電解質に融剤が5wt%~20wt%混合されたナトリウム系全固体電池)は、電池として機能することが確認された。特に、実施例3の融剤混合量10wt%の全固体ナトリウム電池の場合には、充放電が理論的な値に近く、サイクル数を大きく増やしても放電容量が大きく変動しない良好なサイクル特性が得られた。具体的には、60℃において動作し、78 mAh/gを示した。
【0049】
(電池性能試験2)
さらに、上述の実験から最適とされた融剤混合量10wt%(実施例3)について、焼結温度の与える影響を調べる実験を行った。
【0050】
実験は、上述の実験結果から最適な結果が得られた焼結温度600℃と比較して、どこまで低温化できるかを知るために、焼結温度を500℃、400℃及び300℃の3ケースについて順次切り替えて行った。その他の条件は、上述の実験と同じである。
【0051】
実験の結果は、300-500℃のいずれの焼結温度でも、ペレット形状即ち電池形状を保っていられるというものであった(図9参照)。しかしながら、500℃以下では理論密度比が減少し(図10参照)、固体電解質のSEM像も固体電解質の粒子が粒立っていて隙間が多いものであった(図8参照)。このことから、500℃以下の低温では融剤の働きが弱いと考えられる。
【0052】
また、500℃焼結の場合の充放電試験については、図11に示すように、密度が低い(隙間が多い)ため伝導パスが少なく、かなり低容量となった。
【0053】
また、400℃焼結の場合には、図12に示すように、密度が低い(隙間が多い)ため伝導パスが少なく、かなり低容量となった。
【0054】
さらに、300℃焼結の場合、密度が低い(隙間が多い)ため伝導パスが少なく、図13に示すように、1/20Cの低電流密度でも電池として動作しなかった。分極が大きいため電流を流すとすぐにカットオフ電圧に到達し、正負極間に電位差が生まれないため、放電電流ではマイナスの電位となった。つまり、60℃充放電では電池として動作しなかった。
【0055】
これらのことから、融剤混合量10wt%の実施例3における焼結(焼成)温度は、500℃-300℃のいずれでも、ペレット形状即ち電池形状を保っていられるというものの、かろうじて電池として動作できるものを得るには400℃までの低温化であることが望まれる。
【0056】
(電池性能試験3)
さらに、固体電解質の断面SEM像において、最も平滑な表面が得られた融剤20wt%混合の場合(実施例5)について、固体電解質Na3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(NZMSP(x=0.05))をNaZr(SiO(PO)(即ち、NZSP(x=0))に代えて電池として動作するのか否かを確認した。
【0057】
実験条件は、固体電解質(NaZr(SiO(PO)(NZSP))に対する融剤(Na・10HO)の混合割合20wt%、焼結温度600℃、電池動作温度200℃とする。ここで、固体電解質のx=0(つまり、微量のMgでの置換を行わないNZSP)のときは、電解質のイオン伝導率がx=0.05(60℃で電池動作)のときと比べて低いので、より高温(200℃)で電池動作することとなる。
【0058】
実験の結果、電池として動作することが確認された。このときの充放電曲線並びにサイクルを示す図14から明らかなように、低容量だが電池として動作すると共にサイクル特性も良好であることが判明した。また、固体電解質をNa3+2xZr2-xMg(SiO(PO)(NZMSP,x=0.05)を用いた場合に比べて、固体電解質や融剤の低いイオン伝導率を補うために200℃という高い動作温度で充放電しているため、良好な結果を得た。つまり、x=0.05(即ちNZMSP)の固体電解質を用いる場合も、200℃で充放電をすれば、より良い結果になると思われる。
【0059】
また、NZMSPを固体電解質として20wt%の融剤を混合して600℃で焼結する実施例と比較して、NZSPを固体電解質とすることでNZMSPの場合のほぼ2倍の容量で且つ良好なサイクル特性で電池として動作するという結果を得た。このことから、300℃の低温焼結でも、電池形状を保てるのであれば、電極材料と固体電解質との組み合わせによっては、電池として動作するものが得られるという見通しがついた。
【符号の説明】
【0060】
1 負極材料(コンポジット電極材)
2 固体電解質
3 正極材料(コンポジット電極材)
4 融剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
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