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特開2023-103188試験測定装置及び試験測定装置を動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103188
(43)【公開日】2023-07-26
(54)【発明の名称】試験測定装置及び試験測定装置を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 23/16 20060101AFI20230719BHJP
   G01R 13/20 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
G01R23/16 E
G01R13/20 L
G01R13/20 P
G01R13/20 X
G01R23/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023002611
(22)【出願日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】63/299,392
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/072,551
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ジェイ・ウォルド
(72)【発明者】
【氏名】アラン・エドワード・ウォルケ
(72)【発明者】
【氏名】バートン・ティ・ヒックマン
(57)【要約】
【課題】直感的な操作でスペクトログラム表示を生成する。
【解決手段】試験測定装置1700には、入力信号から第1スペクトログラム画像を生成するスペクトログラム生成部1722と、スペクトログラム画像を表示するための表示部1712と、表示部1712と連動して動作するユーザ・インタフェースとがあり、ユーザ・インタフェースは、1つ以上のユーザ入力部1714を有し、ユーザ・アクションを検出するように構成される。上記スペクトログラム生成部は、ユーザ・インタフェースによって検出されるユーザ・アクションに基づいて、第1スペクトログラム画像とは異なる第2スペクトログラム画像を生成するよう構成される。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号から第1スペクトログラム画像を生成するスペクトログラム生成部と、
上記スペクトログラム画像を表示するための表示部と、
該表示部と連動して動作し、1つ以上のユーザ操作可能な入力部を有し、ユーザ・アクションを検出するように構成されたユーザ・インタフェースと
を具え、
上記スペクトログラム生成部が、上記ユーザ・インタフェースによって検出されたユーザ・アクションに基づいて、上記第1スペクトログラム画像と異なる第2スペクトログラム画像を生成するように構成される試験測定装置。
【請求項2】
上記第2スペクトログラム画像が、上記第1スペクトログラム画像とは異なる時間分解能を有する請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
上記第2スペクトログラム画像が、上記第1スペクトログラム画像とは、垂直方向に異なる個数の行を有する請求項1の試験測定装置。
【請求項4】
上記第1スペクトログラムは、1つ以上のスペクトル・ブロックから生成され、該1つ以上のスペクトル・ブロックの夫々は、上記第1スペクトログラムを構成する画素の行夫々の画素値を指定する請求項1の試験測定装置。
【請求項5】
上記1つ以上のスペクトル・ブロックは、アクイジション・サンプルから生成され、該アクイジション・サンプルからのデータは、隣接する2つのスペクトル・ブロックで重複し、上記第2スペクトログラム画像の生成に用いた2つの隣接スペクトル・ブロック間の重複度が、上記第1スペクトログラム画像の生成に用いた2つの隣接スペクトル・ブロック間の重複度と異なる請求項4の試験測定装置。
【請求項6】
上記スペクトログラム画像は、周波数を横軸とする上記表示部の第1ウィンドウに表示され、更に、時間を横軸とする表示部の第2ウィンドウに波形表示と、該波形表示上にオーバーレイされたズーム・ウィンドウとを有し、上記入力信号の一部がズーム・ウィンドウから除外される請求項1の試験測定装置。
【請求項7】
上記ユーザ・アクションが、上記波形表示上にオーバーレイされるズーム・ウィンドウを選択する処理を含む請求項6の試験測定装置。
【請求項8】
上記ズーム・ウィンドウ内に含まれる上記入力信号の一部のみから上記第2スペクトログラム画像が生成される請求項7の試験測定装置。
【請求項9】
表示部を含む試験測定装置における表示方法であって、
上記試験測定装置によって取得された入力信号から上記表示部上で第1ウィンドウ・サイズを有する表示ウィンドウにおいて第1スペクトログラム画像を生成する処理と、
上記第1ウィンドウ・サイズを該第1ウィンドウ・サイズとは異なる第2ウィンドウ・サイズに調整する入力をユーザから受ける処理と、
上記試験測定装置によって取得された上記入力信号から、上記表示部上で上記ユーザからの上記入力に基づく上記第2ウィンドウを満たすように第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理と
を具える試験測定装置における表示方法。
【請求項10】
上記第1スペクトログラム画像の各行が個別のスペクトル・ブロックから生成され、上記第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理が、2つの隣接する上記スペクトル・ブロック間で重複する入力信号からのデータ量を変更することによって上記第1スペクトログラム画像を変更する処理を含む請求項9の試験測定装置における表示方法。
【請求項11】
上記第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理が、上記第1スペクトログラム画像とは異なる時間分解能を有する上記第2スペクトログラム画像を生成する処理を含む請求項9の試験測定装置における表示方法。
【請求項12】
上記第1ウィンドウ・サイズを調整する入力をユーザから受ける処理は、上記表示部上に表示された要素を上記表示部上の第1位置から第2位置に上記ユーザが移動させたことを検出する処理を含む請求項9の試験測定装置における表示方法。
【請求項13】
上記ズーム・ウィンドウ内で選択された上記入力信号の部分のみに基づいて、上記表示部上に上記第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理を更に含む請求項9の試験測定装置における表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定装置に関し、より詳細には、試験測定装置のためのユーザ・インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
オシロスコープやスペクトル・アナライザなどの試験測定装置は、試験又は測定対象の入力信号の特性を測定してユーザに表示することで、ユーザが、関心のある信号の特性を視覚化して検査できるようにする。測定には、電圧や電流などの時間領域の信号特性と、スペクトル・エネルギー又は電力などの周波数領域の信号特性が含まれる。
【0003】
スペクトログラムは、特定の形式のスペクトル成分、即ち、時間の経過とともに変化する信号の周波数成分を示すグラフィカルな表示である。大まかに言って、スペクトログラムは、波形サンプルに由来する個々のスペクトル・トレースの集まりであり、波形サンプルをある時間について収集及び処理し、互いに連結されて単一の画像が生成され、元のスペクトル・トレースから直交角度で表示されて、時間の経過とともに変化する入力波形の特定の特性又は品質をユーザが視覚化できるようにする。スペクトログラムの生成については、以下でより詳細に説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-227816号公報
【特許文献2】特開2000-137046号公報
【特許文献3】特開2003-215179号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「スペクトルアナライザ(スペアナ)」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2023年1月6日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/spectrum-analyzers>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最新の試験測定装置の非常に高度な経験のあるユーザでさえ、装置によってスペクトログラムがどのように生成されるかを完全には理解していないことがあるため、スペクトログラムを扱うことは、ユーザを混乱させる可能性がある。具体的には、装置が、スペクトログラムを生成するために使用されるパラメータを変更するための操作装置を有していても良いが、そのような操作装置を変更すると、結果として得られるスペクトログラムに予期しない結果が生じ、ユーザの混乱、フラストレーション及び装置に対する潜在的不満を招く可能性がある。
【0007】
更に、測定装置には、入力波形の特定の部分の専用のスペクトログラムを生成できる直感的な操作装置がない。言い換えると、多くの測定装置は、入力波形サンプル全体又は入力波形アクイジション(取り込まれた波形データ)全体に関して単一のスペクトログラムを生成するが、ユーザは、波形アクイジションの中の比較的少量だけを評価したい場合がある。スペクトログラムの成分をアクイジションの特定の部分のスペクトログラム成分に調整することは、多くの装置では不可能であり、そのような調整が可能な装置であっても、直感的ではなく、むしろ目的の調整を達成するために高度な手動セットアップが必要である。
【0008】
本開示による実施形態は、試験測定装置の分野におけるこれら及び他の制限に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0010】
実施例1は、試験測定装置であって、入力信号から第1スペクトログラム画像を生成するスペクトログラム生成部と、上記スペクトログラム画像を表示するための表示部と、該表示部と連動して動作し、1つ以上のユーザ操作可能な入力部を有し、ユーザ・アクションを検出するように構成されたユーザ・インタフェースとを具え、上記スペクトログラム生成部は、上記ユーザ・インタフェースによって検出されたユーザ・アクションに基づいて、上記第1スペクトログラム画像と異なる第2スペクトログラム画像を生成するように構成される。
【0011】
実施例2は、実施例1による試験測定装置であって、上記第2スペクトログラム画像は、上記第1スペクトログラム画像とは異なる時間分解能を有する。
【0012】
実施例3は、先行する実施例のいずれかによる試験測定装置であって、上記第2スペクトログラム画像は、上記第1スペクトログラム画像とは、垂直方向に異なる個数の行を有する。
【0013】
実施例4は、先行する実施例のいずれかによる試験測定装置であって、上記ユーザ・インタフェースは、グラフィカル・ユーザ・インタフェースであり、上記ユーザ・アクションは、上記表示部上に表示された要素を表示部上の第1位置から第2位置に移動する処理である。
【0014】
実施例5は、先行する実施例のいずれかによる試験測定装置であって、上記ユーザ・インタフェースは、グラフィカル・ユーザ・インタフェースであり、上記ユーザ・アクションは、上記第1スペクトログラム画像が表示される表示部上のウィンドウのサイズを変更する処理である。
【0015】
実施例6は、先行する実施例のいずれかによる試験測定装置であって、ユーザ・インタフェースがキャラクタ・インタフェースであり、上記ユーザ・アクションは、キャラクタ・インタフェースに値を入力することによって上記第1スペクトログラム画像が表示される上記表示部上のウィンドウのサイズを指定する処理である。
【0016】
実施例7は、先行する実施例のいずれかによる試験測定装置であって、上記第1スペクトログラムは、1つ以上のスペクトル・ブロックから生成され、このとき、該1つ以上のスペクトル・ブロックの夫々は、上記第1スペクトログラムを構成する画素の行夫々の画素値を指定する。
【0017】
実施例8は、実施例7による試験測定装置であって、上記1つ以上のスペクトル・ブロックがアクション・サンプルから生成され、該アクイジション・サンプルからのデータが2つの隣接するスペクトル・ブロックで重複する。
【0018】
実施例9は、実施例8による試験測定装置であって、上記第2スペクトログラム画像の生成に用いた2つの隣接スペクトル・ブロック間の重複(オーバーラップ)度が、上記第1スペクトログラム画像の生成に用いた2つの隣接スペクトル・ブロック間の重複度と異なる。
【0019】
実施例10は、先行する実施例のいずれかによる試験測定装置であって、スペクトログラム画像は、周波数を横軸とする上記表示部の第1ウィンドウに表示され、時間を横軸とする表示部の第2ウィンドウに波形表示を更に有する。
【0020】
実施例11は、実施例10による試験測定装置であって、上記波形表示上にオーバーレイされたズーム・ウィンドウを更に有し、上記入力信号の一部がズーム・ウィンドウから除外される。
【0021】
実施例12は、実施例11による試験測定装置であって、上記ユーザ・アクションが、上記波形表示上にオーバーレイされるズーム・ウィンドウを選択する処理を含む。
【0022】
実施例13は、実施例11による試験測定装置であって、上記ユーザ・アクションが上記ズーム・ウィンドウのサイズを調整する処理を含む。
【0023】
実施例14は、実施例12による試験測定装置であって、上記ズーム・ウィンドウ内に含まれる上記入力信号の一部のみから上記第2スペクトログラム画像が生成される。
【0024】
実施例15は、表示部を含む試験測定装置における方法であって、上記試験測定装置によって取得された入力信号から上記表示部上で第1ウィンドウ・サイズを有する表示ウィンドウにおいて第1スペクトログラム画像を生成する処理と、上記第1ウィンドウ・サイズを該第1ウィンドウ・サイズとは異なる第2ウィンドウ・サイズに調整する入力をユーザから受ける処理と、上記試験測定装置によって取得された上記入力信号から、上記表示部上で上記ユーザからの上記入力に基づく上記第2ウィンドウを満たすように第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理とを具える。
【0025】
実施例16は、実施例15による方法であって、上記第1スペクトログラム画像の各行が個別のスペクトル・ブロックから生成され、上記第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理が、2つの隣接する上記スペクトル・ブロック間で重複する入力信号からのデータ量を変更することによって上記第1スペクトログラム画像を変更する処理を含む。
【0026】
実施例17は、先行する実施例のいずれかの方法であって、上記第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理が、上記第1スペクトログラム画像とは異なる時間分解能を有する上記第2スペクトログラム画像を生成する処理を含む。
【0027】
実施例18は、先行する実施例のいずれかによる方法であり、上記第1ウィンドウ・サイズを調整する入力をユーザから受ける処理は、上記表示部上に表示された要素を上記表示部上の第1位置から第2位置に上記ユーザが移動させたことを検出する処理を含む。
【0028】
実施例19は、先行する実施例のいずれかによる方法であって、上記入力信号の一部のみを選択するズーム・ウィンドウを上記表示部に表示する処理を更に具える。
【0029】
実施例20は、実施例19による方法であって、上記ズーム・ウィンドウ内で選択された上記入力信号の部分のみに基づいて、上記表示部上に上記第2スペクトログラム画像を自動的に生成する処理を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本開示技術の実施形態によって生じるタイプのスペクトログラムがどのように生成されるかの説明図である。
図2図2は、本開示技術の実施形態に従って、サンプリングされた入力波形取得データ(アクイジション)が個々のスペクトル・トレースにどのように処理されるかを示すブロック図である。
図3図3は、本開示技術の実施形態による、複数のスペクトル・トレース・ブロックがスペクトログラムとなるように組み立てられる方法を示すブロック図である。
図4図4は、本開示技術の実施形態による、図3に概説されたプロセスによって生成されるスペクトログラムの例を示す。
図5図5は、本開示技術の実施形態による、ブロック時間未満のスペクトル時間を選択する効果を示す。
図6図6は、本開示技術の実施形態による、重複(オーバーラップ)のあるスペクトログラムを作成する例を示す。
図7図7は、開示技術の実施形態による、表示画面の第1部分に入力波形サンプルのスペクトル表示があり、表示画面の第2部分に入力波形の波形表示がある測定装置の表示例のブロック図である。
図8図8は、本開示技術の実施形態による、スペクトル及びスペクトログラム属性を自動的に判断する測定装置のスペクトログラム表示、スペクトル表示及び2つの異なる波形表示を含む表示画面の例を示すスクリーン・ショットである。
図9図9は、本発明の実施形態による、図8のスペクトログラムを生成した測定装置のユーザ・インタフェースをユーザが操作した場合の図8の表示の変化を示すスクリーン・ショットである。
図10図10は、本発明の実施形態による、図8のスペクトログラムを生成した測定装置のユーザ・インタフェースをユーザが調整した場合の図8の表示の別の変化を示すスクリーン・ショットである。
図11図11は、本開示技術の実施形態による、スペクトログラムの属性を自動的に判断する測定装置のスペクトログラム表示、スペクトル表示及び波形表示中のズーム(拡大)ウィンドウを含む表示例を示すスクリーン・ショットである。
図12図12は、開示技術の実施形態による、ユーザが図11に示したズーム・ウィンドウを変更した場合の図11の表示の変化を示すスクリーン・ショットである。
図13図13は、開示技術の実施形態による、ユーザが図11に示されるズーム・ウィンドウを変更した場合の図11の表示の別の変化を示すスクリーン・ショットである。
図14図14は、本開示技術の実施形態による、スペクトログラム表示、スペクトル表示及びユーザが操作可能なカーソルを有する波形表示を含む表示画面の例を示すスクリーン・ショットである。
図15図15は、本開示技術の実施形態による、図14に例示される1つのカーソル選択に基づいてスペクトル表示を作成する場合の効果を示すスクリーン・ショットである。
図16図16は、本開示技術の実施形態による、図14に例示される複数のカーソル選択に基づいてスペクトル表示を作成する場合の効果を示すスクリーン・ショットである。
図17図17は、本開示技術の実施形態による、スペクトル及びスペクトログラムの属性を自動的に判断する測定装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
上述したように、スペクトログラムは、信号又は信号が時間とともに変化するときのスペクトル成分を示すグラフィック表示である。図1に示すように、スペクトログラム100は、個々のスペクトル・トレース102の系列を生成し、これらスペクトル・トレースを連結し、次いで連結されたスペクトル・トレースを元のスペクトル・トレースから直交角度で表示することによって生成されるグラフィック画像であり、これにより、時間とともに変化する入力波形の特定の特性又は品質をユーザが視覚化できるようにする。
【0032】
図1に示すように、スペクトル・トレース102の各系列は、予め定義された周波数スパンに広がっており、ここで、トレースの振幅は、スパンでカバーされる個々の周波数の夫々に関する受信信号強度、即ち、電力を示す。個々のスペクトル・トレースは、一定期間に捕捉された入力信号の強度を表する。最初のスペクトル・トレースが生成された後、後続のトレースが生成される。もし第1スペクトル・トレースと第2スペクトル・トレースが生成されるまでの間に入力信号が変化した場合、第2スペクトル・トレースは、第1スペクトル・トレースから変化することになる。
【0033】
スペクトログラムは、生成されたスペクトル・トレース102の全てを、時間経過と共にこれらが生成されるにつれて互いに結合する。このとき、時間は、スペクトログラムのY軸で表され、周波数は、スペクトログラムのX軸で表される。スペクトログラム画像の上部に最新のスペクトル・トレースが表示される場合、ウォーターフォール(滝状)表示スペクトログラムと呼ばれる。そうではなくて、最も古いスペクトル・トレースがスペクトログラム画像の上部に表示される場合、それは逆ウォーターフォール構成と呼ばれる。スペクトログラム自体は、この生成された画像の「上」からの表示であり、図1ではスペクトログラムの視点として言及している。
【0034】
スペクトログラムは、スペクトル・トレースの周波数スパンに広がる振幅又は大きさの変動を表すために色分けされても良い。このようなスペクトログラム画像を用いて、ユーザは、分析対象の信号のスペクトルの挙動の静的、動的及び過渡的性質を観察できる。測定装置で生成されたスペクトログラムは、典型的にはカラーで示されるが、図1のスペクトログラムはグレースケールであり、スペクトログラムの暗い部分はより高い振幅又は大きさを表する。
【0035】
スペクトログラムは、不連続又は連続的であっても良い。不連続スペクトログラムには、測定装置の処理能力の制約、トリガ間隔、帯域幅の設定、入力信号の取得データ(アクイジション)の長さなどの要因により、入力信号のスペクトル・スライスの特定の部分が生成されない時間ギャップが含まれる場合がある。連続スペクトログラムは、測定装置において、入力信号の単一で連続する波形取得データから構築されるが、このとき、入力信号の取得データの長さは、分析対象のスペクトルの量を超えている。
【0036】
図2は、測定装置によって試験されるデバイス(つまり、被試験デバイス(DUT))によって生成された入力信号波形を取り込むことに基づいてスペクトログラム画像を生成する工程の第1シリーズを示す。測定装置によって取得された入力信号の時間の合計量をアクイジション(取得データ)時間と呼び、図2では、アクイジション(取得データ)200の個々の時間区間1~Nの全体の合計として表される。連続及び不連続の両方のタイプのスペクトログラムは、入力信号アクイジション200の時間で区切られた部分の高速フーリエ変換(FFT)又はチャープZ変換(Chirp-Z Transform:CZT)のような時間周波数変換210を実行してスペクトル・トレース220のシリーズを作成することによって生成される。スペクトル・トレース220のシリーズは、N個の個々のスペクトル・ブロックSB1、SB2、...、SBNから形成される。
【0037】
上述したように、不連続スペクトログラムには、時間ギャップがあり、入力信号波形の全ての部分が、生成されたスペクトル・トレースと対応するわけではない。逆に、連続スペクトログラムは、入力信号アクイジションの全ての部分のスペクトル・トレースを有する。図2に図示したものは、アクイジション200の全ての部分が対応するスペクトル・トレース220によって表されているので、連続型のスペクトログラムを構築する部分を表す。以下では、複数の変形形態を説明するが、図2では、スペクトル・ブロックSB1、SB2等の夫々の幅は、周波数変換210によって生成されるスペクトル幅と同じであると想定しており、これは、以下に説明するように、ユーザが分解能帯域幅を設定することによって制御されても良い。
【0038】
図3は、スペクトル・トレース220において、スペクトル・ブロックSB1、SB2等の夫々が、どのような向きで配置されているかを示す。スペクトル・ブロックSB1、SB2等の夫々は、得られるスペクトログラムの1画素行(one pixel row)になる。そして、図3及び図4の両方は、図4のスペクトログラム400のようなスペクトログラムを作成するために、スペクトル・ブロックがどのように組み立てられるかを示す。なお、図4のスペクトログラム400は、ウォーターフォール・スペクトログラムなので、最も古いスペクトル・ブロックSB1、即ち、生成された最初のスペクトル・ブロックは、スペクトログラムの一番下の行に配置されることに留意されたい。スペクトログラム400が逆ウォーターフォール・スペクトログラムであった場合、最も古いスペクトル・ブロックであるSB1は、スペクトログラムの一番上の行に配置される。図4に示すように、スペクトログラム400には、N個の画素行があり、これらの各々は、特定の、個別のスペクトル・ブロックSB1、SB2等に対応する。また、上述したように、得られるスペクトログラム400のX軸は、周波数を示し、一方、スペクトログラムのY軸は、時間を示す。
【0039】
図2の個々のスペクトル・ブロックSB1、SB2は、変換210によって生成される幅と同じブロック幅を有すると仮定したが、これはいつも真なわけではない。代わりに、変換210によって生成される幅は、個々のスペクトル・ブロックの幅よりも大きくても小さくても良い。明確にするために、図2の変換210で使用される時間領域データの持続時間は、スペクトル時間と呼び、変換210による単一のプロセスで処理される、オリジナルのアクイジション200の時間区間1~時間区間10と名付けた特定の時間部分の幅に夫々対応する。図2を参照して説明した工程では、変換210によって生成されるスペクトル時間の幅は、個々のスペクトル・ブロックの幅にも等しい。図5は、スペクトル時間の幅が個々のスペクトル・ブロックの幅よりも小さいという別のケースを示す。
【0040】
図5を参照すると、そのスペクトル時間は、入力信号アクイジション500の全幅の2%であり、図2のような10%ではない。そのため、これは、合計50個のスペクトル時間があって、これらが入力信号アクイジション500内に含まれていることを意味する。しかし、最終的に生成されるスペクトログラムは、やはり、10画素行であり、各行は10個のスペクトル・ブロックSB1~SB10の1つによって生成されるため、これは、5つのスペクトル時間が1つのスペクトル・ブロックに結合されることを意味する。
【0041】
概して、変換510によって生成されるスペクトル時間は、周波数分解能、即ち、分解能帯域幅(RBW)と、変換510によって生成される個々のスペクトル・トレースの選択されたウィンドウ形式に反比例する。RBWの幅を狭く設定するとスペクトル時間が長くなり、RBWを広くするとスペクトル時間が短くなる。一例では、100kHzのRBWのスペクトル時間は22.3μ秒であり、一方、10kHzのRBWのスペクトル時間は223μ秒である。従って、スペクトル時間は、単一のスペクトル・ブロックを作成するのに使用される、複数の個々のスペクトル・トレースを生成するために使用される、取得されたオリジナルの入力信号波形の長さを時間で表している。
【0042】
図5に示すように、変換510によって生成された5つのスペクトル・トレースST1、ST2、ST3、ST4及びST5を組み合わせて、スペクトル・ブロックSB1が作成され、これは、上述のように、結果として得られるスペクトログラムの1画素行となる。次いで、プロセスは、第2スペクトル・ブロックSB2の処理に進み、ここでは、変換510によって生成された別の5つのスペクトル・トレースST6、ST7、ST8、ST9及びST10を組み合わせて、スペクトル・ブロックSB2を形成する。図示していないが、このプロセスは、10個のスペクトル・ブロックSB1~SB10の全てを生成し、組み立ててスペクトログラム画像になるまで、取得した入力信号アクイジション500中の残りのスペクトル時間について継続する。
【0043】
ST1~ST5のような複数のスペクトル・トレースを、SB1のような単一のスペクトル・ブロックに合成するのに利用できる手法は、複数ある。そのような合成技術の1つは、例えば、最大ホールド検出を用いてスペクトル・トレースを処理することであり、これは、スペクトル処理において公知の技術である。また、スペクトル時間がスペクトル・ブロック時間の正確な整数倍である必要はなく、むしろ、本発明の実施形態は、ブロックの最終的なスペクトル時間を後続のスペクトル・ブロックと重複(オーバーラップ)させることよって、これを解決しようとする。そのような技術の例は、以下でより詳細に説明する。
【0044】
図2図5を参照して説明した例は、いずれもスペクトル・ブロックの幅が、スペクトル時間と同じか、スペクトル時間より大きいことを想定しているが、特に生成されるスペクトログラムの行数が多くなると、スペクトル・ブロックの幅がスペクトル時間よりも小さくなる場合がある。このような条件でスペクトログラム画像を作成するために、以下に説明する「重複(オーバーラップ)」の概念を取り入れる。
【0045】
図6は、入力信号波形アクイジション600のスペクトル時間が、合計アクイジション時間の10%であり、スペクトログラムを生成するのに利用可能な20行がある例を示す。そこで、アクイジション600を利用可能な行の数で除算して、スペクトル・スライス間隔を設定する。もしスペクトル・スライス間隔が、スペクトル時間(この場合では、スペクトル時間は、時間区間1~時間区間10と関連する)よりも小さい場合には、各スペクトル・ブロックSB1~SB20の処理は、重複するスペクトル時間に由来する時間を含む。
【0046】
例えば、図6のスペクトル・ブロックSB2は、元のアクイジション600の時間区間1と時間区間2の両方にまたがっている。最終的に、20個のスペクトル・ブロックSB1~SB20が、アクイジション600の10個の時間区間から生成され、20個のスペクトル・ブロックSB1~SB20の夫々が、最終的なスペクトログラム画像の1画素行を構成する。図6の例では、時間区間の元のスペクトル時間と比較して、スペクトル・ブロックに50%の重複がある。実際には、重複(オーバーラップ)は、0%強からほぼ100%の重複まで、広く変化して良い。
【0047】
スペクトル・ブロックの0%重複(オーバーラップ)は、図2図5を参照して説明した例のように、隣接するスペクトル・ブロック間でスペクトル時間の重複がないシステムである。可能性は低いかもしれないが、スペクトル表示の表示を生成するために必要な時間よりもはるかに短い時間スライスを必要とする波形表示の時間領域設定をユーザが選択することも可能ではある。この場合、スペクトログラムは、その結果として得られる画像に1行のみを含む。本発明の実施形態は、この状態についてユーザに警告する表示画面上での色による警告又はテキスト・メッセージなどで、この状態を示す表示を行って、このような状態についてユーザに注意を促しても良い。
【0048】
スペクトログラムのために設けられた表示内の利用可能なスペースを最大化するように十分に正確な重複でスペクトログラム画像を作成する方法を決定することは極めて複雑であるが、本開示による実施形態は、スペクトログラムがどのように作成されるかについての知識を必要とせずに、結果として得られるスペクトログラムのサイズを制御するためのツールをユーザに提供し、ユーザが、希望する特定用途のためにスペクトログラムを生成及び変更できるようにする。
【0049】
図7は、開示技術の実施形態による測定装置の例示的なディスプレイ700のブロック図であり、これは、表示画面の第1部分に入力波形サンプル・アクイジションのスペクトル表示720があり、加えて、表示画面の第2部分に入力波形アクイジションの波形表示710がある。概して、例示的なディスプレイ700は、DUTから取得した入力信号アクイジション(取得データ)に基づいて、測定装置によって生成された表示である。
【0050】
ディスプレイ700の一部、この例では右側の部分は、入力信号アクイジションについて時間領域で生成された情報及び測定結果を示し、概して、波形表示710と呼ぶ。波形表示の例を示す実際のスクリーン・ショットを以下に示す。概して、波形表示710は、経時的なアクイジション中の入力信号又は信号の振幅のグラフィック表示を含む。従って、波形表示710のX軸は、時間を示し、一方、波形表示のY軸は信号の振幅を示す。振幅は、例えば電圧又は電流など、ユーザによって測定される信号の任意の特性であっても良い。
【0051】
波形表示710の上側ウィンドウ部分は、RF信号表示を含んでもよく、一方、波形表示710の下側ウィンドウ部分は、1つ以上の特定の個別の信号を有していても良く、これらは、取得された入力信号波形からの複合的なRF信号の成分であっても良いし、でなくても良い。もちろん、他の表示構成も可能であり、概して、当該技術分野において知られているように、測定装置の適切なユーザ操作装置を選択することによって、波形表示710にどの表示を表示するかをユーザが制御しても良い。
【0052】
スペクトル表示720は、概して、ディスプレイ700の波形表示710が占有していない部分に示される。スペクトル表示720の上側ウィンドウ部分は、取得した入力信号波形のスペクトログラムを有していても良く、これは、先に詳細に説明したように生成される。また、上述したように、スペクトログラムは、X軸で周波数を示し、Y軸で時間を示す。時間は、Y軸の上から下へと減少するので、図7で描かれるスペクトログラムは、ウォーターフォール・スペクトログラムである。スペクトログラムが逆ウォーターフォール・スペクトログラムであった場合、時間は、代わりにY軸に沿って上向きに増加することになろう。
【0053】
スペクトル表示720の下部は、関心のある所望の信号の個々のスペクトル表示を示すウィンドウを含んでもよく、これは、波形表示710の下部にも表示される信号の1つであっても良い。図1を再度参照すると、スペクトル表示720の下部にあるスペクトル表示は、取得した入力信号の単一のスペクトル・トレース102であっても良い。スペクトル表示720の幅は、スペクトル表示に表示されるスタート周波数及びストップ周波数をユーザが設定することによって制御可能である。
【0054】
例示的なディスプレイ700には、複数のユーザの操作を可能にするユーザ・インタフェースがある。例えば、波形表示710には、それぞれのウィンドウの各々のサイズを制御する操作部がある。ある操作部のセットでは、移動可能な水平インジケータ714が、RF信号表示ウィンドウと関心のある信号を表示するウィンドウとの間で、波形表示710を分割する。
【0055】
水平インジケータ714は、参照番号715によって示されるように、ユーザによって操作可能である。参照番号715は、ユーザが波形表示710上の水平インジケータ714の相対的な位置をシフトできることを示している。典型的には、ユーザは、カーソルが水平インジケータ上又は水平インジケータの近くに位置しているときに、マウス・ボタンをクリックするなどの操作によって、水平インジケータ714を選択するであろう。選択されたら、ユーザは、水平インジケータ714を垂直方向に上下にドラッグして、波形表示の選択されたウィンドウを構成している個々のウィンドウのサイズを操作できる。
【0056】
同様に、波形表示710の垂直インジケータ716は、波形表示を構成するウィンドウの幅を制御し、上述した水平インジケータ714を操作するのと同様の方法でユーザによって操作されても良い。ユーザによる垂直インジケータ716の位置の操作でできることは、参照番号717として図示され、これによれば、ユーザは、垂直インジケータの位置を選択及び移動することによって、波形表示710を構成するウィンドウの幅を操作できる。
【0057】
他の実施形態では、ユーザ・インタフェース中の別の操作部のセットは、図7には描かれていないが、テキスト又は文字のウィンドウを生じさせて、ここに、ユーザは、手動で、水平サイズ及び垂直サイズのいずれか又は両方の画素値のような値を入力することによって、波形表示の各ウィンドウの水平方向及び垂直方向のサイズを入力しても良い。他の実施形態では、ユーザは、波形表示710を構成するいずれかのウィンドウのアスペクト比を入力しても良い。
【0058】
スペクトル表示720は、同様に、水平インジケータ724及び垂直インジケータ726を含み、これらは、波形表示710について説明したのと同様の方法で、参照番号725、727によって表されるように、ユーザによってそれぞれ操作されても良い。いくつかの実施形態では、垂直インジケータ716及び726は、別の操作部である必要はなく、代わりに、単一の垂直インジケータのみが、波形表示710及びスペクトル表示720の相対的な水平サイズを制御する。更に、水平及び垂直インジケータ724及び726を手動で移動させる代わりに、いくつかの実施形態では、ユーザが、ウィンドウの画素サイズ又はウィンドウのアスペクト比を、上記と同様の方法で手動で入力しても良い。
【0059】
上述したように、測定装置が、スペクトル表示720のウィンドウの1つにスペクトログラムを生成する場合、それはスペクトログラム内に個々の画素の行を作成することによって行われ、ここで各行は、1つのスペクトル・ブロック内のデータから生成され、スペクトル・ブロックは次に1つ以上のスペクトル表示から作成され、各スペクトル表示は時間から周波数への変換によって作成される。この変換のサイズは、上記で詳細に説明したように、変換に使用される周波数ウィンドウのサイズを選択することによって制御され、周波数ウィンドウのサイズは、RBWに直接関連する。
【0060】
スペクトル時間は、スペクトル時間インジケータ719を生成して示すことなどによって、ユーザにグラフィック形式で示されても良い。スペクトル時間インジケータ719は、図7では、波形表示710のRF信号ウィンドウ内に現れている。よって、スペクトル時間インジケータ719は、スペクトル表示720に示されるスペクトルが、どこ(時間的に)起因するかをユーザに示す波形表示710中の視覚的インジケータである。もちろん、他のインジケータが可能であり、スペクトル時間インジケータが波形表示710のいずれか又は両方のウィンドウに表示されても良い。図7のスペクトル時間インジケータ719。図7は、時間領域ウィンドウ内でのスペクトル時間の幅をグラフィカルに示している。
【0061】
上述したように、ユーザは、スペクトル表示内のウィンドウのサイズを操作しても良く、これは、スペクトル表示720においてスペクトログラムが生成されるウィンドウを拡大又は縮小する効果を有する。本発明の実施形態は、ウィンドウ・サイズがユーザによって変更されるとき、スペクトログラムのサイズをウィンドウ内に完全に収まるように自動的に調整する。
【0062】
スペクトログラムの垂直サイズを大きくすると、スペクトログラムで表示される画素(ピクセル)の行が増えるため、結果として得られるスペクトログラムの時間分解能が向上する。逆に、スペクトログラムのサイズを小さくすると、スペクトログラムで表示される画素の行が少なくなるため、結果として得られるスペクトログラムの分解能が低下する。このように、スペクトル時間の単一要素に含まれるデータが2つの隣接するスペクトル・ブロックにどれだけ存在するかの測定値である重複(オーバーラップ)の量と、結果として得られるスペクトログラムの時間分解能との間には直接的な相関関係がある。重複の割合で示すと、重複が多いほど時間分解能が高くなり、重複が少ないほど時間分解能が低くなる。
【0063】
本発明の実施形態は、スペクトログラム・ウィンドウ・サイズがユーザによって操作されると、スペクトログラム・ウィンドウを満たすようにスペクトログラムのサイズを自動的に最大化にする。
【0064】
例えば、ユーザがスペクトログラム・ウィンドウを含むウィンドウの垂直サイズを大きくすると、測定装置は、ユーザが指定したウィンドウの垂直サイズに一致するようにスペクトログラム内の画素の行数を増やすことによって、新しいスペクトログラムを自動的に生成する。例えば、図6を参照すると、50%の重複(オーバーラップ)値について、10個のスペクトル時間に対し、20個の画素行でスペクトログラムを生成している。もしユーザがスペクトログラムを含むウィンドウのサイズを、例えば、30画素行のスペクトログラムを含むことができるウィンドウに増加させる場合、本発明の実施形態は、増加したウィンドウ・サイズに応答して、30画素行を有する新しいスペクトログラムを自動的に生成する。
【0065】
このような場合、測定装置、より具体的には、測定装置内のプロセッサは、最初に、増加したウィンドウ・サイズに収まる画素の行の数を求める。この例では、プロセッサは、スペクトログラムが、30画素行を有するスペクトログラムを含むウィンドウ内で最大化されると判断し、そして、各画素行が1つのスペクトル・ブロックから作成されるので、この最大化を実行するのに30個のスペクトル・ブロックが必要であると判断する。
【0066】
次に、プロセッサは、スペクトログラム内のスペクトル・ブロックの数が増加したために、個々のスペクトル・ブロックのそれぞれが隣接するスペクトル・ブロックとどの程度重複するかを求める。例えば、30個の画素ブロック、SB1~SB30では、隣接する各ブロックは、隣接するブロックと66%重複し、これは、図6のスペクトログラムを生成するために使用された50%の重複よりも大きい。プロセッサは、これを求めるのに、取得した入力信号サンプルのスペクトル時間の個数に対してスペクトル・ブロックの総数の幅を均等に分配し、次いで、特定のブロックが隣接するブロックと、どの程度重複するかを求める。この例では、スペクトログラムの作成に使用される各スペクトル・ブロックは、隣接するブロックと66%重複する。
【0067】
このような決定を行った後、プロセッサは、上述のように、各スペクトル時間についての個々の変換に基づくスペクトルを合成することによって個々のスペクトル・ブロックを生成する。最後に、プロセッサは、個々のスペクトル・ブロックのそれぞれによって作成されたスペクトルを互いに連結することによって、新しい個々のスペクトル・ブロックを新しいスペクトログラムに組み立て、各スペクトル・ブロックを新しいスペクトログラムの1行にする。次に、プロセッサは、ユーザが指定したウィンドウのサイズに一致するように新しいスペクトログラムを表示する。ユーザがスペクトログラム・ウィンドウのサイズを縮小すると、プロセッサは同じ動作を実行し、最初に小さいウィンドウを完全に満たす画素行の個数を求め、次に各画素行の作成に使用される多数のスペクトル・ブロック間の重複を減少方向に調整する。
【0068】
上記のプロセスにより、ユーザは、スペクトログラムが表示されるウィンドウのサイズを指定するだけで、結果として
得られるスペクトログラムの分解能を自動的に変更するように測定装置を制御できる。
【0069】
いくつかの実施形態では、隣接するスペクトル・ブロックの重複の量は、パーセンテージ形式で生成され、スペクトログラム・ウィンドウ内又は測定装置のディスプレイ上の他の場所でユーザに表示される。これにより、ディスプレイに表示されているスペクトログラムを生成するために使用されている重複(オーバーラップ)の量をリアルタイムで表示できる。
【0070】
図8図9及び図10は、測定装置によって生成される表示の例を示し、これら表示は、スペクトログラム画像を含むウィンドウのサイズをユーザが操作するのに応答して変更される。図8のディスプレイ800は、波形表示810及びスペクトル表示820を有し、これは、図7を参照して説明される表示710、720の例であっても良い。RF信号830は、波形表示810の上側ウィンドウに表示され、これは、DUTによって供給される信号から測定装置が生成した取得された入力波形の表示である。具体的には、RF信号830は、測定装置の特定の入力チャンネル(この場合はチャンネル4)で取得された信号である。入力信号832の個別の信号トレースは、測定装置の別の入力チャンネル(この場合はチャンネル2)で取得された別の信号の振幅を時間に対するボルトで示す。この例では、チャンネル2の信号は、電圧制御発振器(VCO)のチューニング電圧信号である。
【0071】
スペクトル表示820には、ウィンドウ840内のスペクトル・トレース842がある。このスペクトル・トレース842は、波形表示810において選択された入力信号に対応する周波数表示である。この例では、選択された入力信号は、信号832、即ち、チャンネル2で取得された信号である。スペクトル・トレース842は、入力信号832の特定の期間であるスペクトル時間819に関する入力信号832の周波数応答を示す。スペクトル・トレース842を生成するための入力信号832の特定のスペクトル時間は、図8では、参照番号819で示される。
【0072】
スペクトログラム850は、スペクトル表示820の上側ウィンドウに示されている。スペクトログラム850は、取得した入力信号波形に基づいて、上述のように生成される。スペクトログラム850は、スペクトル表示820の上側ウィンドウを完全に満たし、水平インジケータ824は、スペクトル表示820の上側ウィンドウと下側ウィンドウとの間の区切りを示すことに留意されたい。水平インジケータ824は、スペクトル表示820がディスプレイ800に表示されるようにユーザによって最初に選択されたときに、スペクトル表示820の垂直中央の位置に初期設定されていても良い。
【0073】
この図8の例では、生成されたスペクトログラム850は、スペクトル表示820の上側ウィンドウのデフォルト(初期設定)サイズに自動的にサイズ設定される。また、この例では、生成されたスペクトログラム850を形成するために使用される隣接するスペクトル・ブロック間の重複の量は、77.6%の重複を有し、重複量の表示が重複表示852においてユーザに示される。いくつかの実施形態では、ユーザは、初期表示において、スペクトログラムに関する特定の重複量を最初に指定しても良く、測定装置は、指定された重複量に一致するようにスペクトログラムを含む初期ウィンドウを自動的にサイズ設定する。他の実施形態では、重複の量は、上述のように、スペクトル表示820におけるデフォルト(初期設定)のウィンドウ・サイズを最大化するように、測定装置の1つ以上のプロセッサによって決定される。
【0074】
スペクトル表示820のこれらウィンドウの相対的なサイズは、ユーザによって制御されても良いことを上述から思い出してください。図9は、ユーザが図8のスペクトログラム850を含むウィンドウのウィンドウ・サイズを変更した場合の効果を示す。ユーザは、水平インジケータ824をドラッグすることによってか、又は、ユーザ・インタフェースの数値インタフェース(図示せず)を使用してウィンドウの特定のサイズを指定することによって、ウィンドウ・サイズを変更できる。
【0075】
図9は、ユーザが、例えば、図8の水平インジケータ824を、その新しい位置に動かすことなどによって、スペクトル表示820における上側ウィンドウのウィンドウ・サイズを大きくしたときに測定装置によって生成される新しいディスプレイ900を示す。新しい水平インジケータは、参照番号924で参照される。水平インジケータ924の新しい位置によって、スペクトル表示820の上側ウィンドウのウィンドウ・サイズが大きくなっていることに留意されたい。増加したウィンドウ・サイズに応答して、本発明の実施形態は、新しいウィンドウを満たすサイズの新しいスペクトログラム950を自動的に作成する。
【0076】
スペクトログラムに使用可能な垂直サイズが増えると、測定装置は、以前のサイズと比較して、より多くの画素行を持つ新しいスペクトログラムを作成し、分解能も向上することを上述から思い出してください。また、画素の行の数が増えるため、各画素行の作成に使用される隣接するスペクトル・ブロック間の重複が多くなる。本発明の実施形態は、上述のプロセスを使用して、85%の重複を有するスペクトログラムが、新たにサイズ設定されたウィンドウを完全に満たすとを判断し、85%の重複を有する新しいスペクトログラムを生成し、ユーザが増加させたスペクトログラム・ウィンドウのサイズに基づいて、スペクトル表示820の上側ウィンドウに、この新しいスペクトログラムを表示する。測定装置は、また、重複の表示を85%に更新し、この表示を重複表示952に表示し、その結果、ユーザは、新しい重複量の数値表示を得る。
【0077】
スペクトル表示820の上側ウィンドウのサイズを大きくすると、同時に下側ウィンドウ840のサイズは、新たにサイズ化されたウィンドウ940へと小さくなる。下側ウィンドウの垂直方向のサイズを小さくすると、測定装置は、下側ウィンドウの新しいサイズを完全に満たすように、スペクトル表示820の下側ウィンドウ内のスペクトル・トレースの垂直スケールを調整する。
【0078】
図10は、スペクトル表示820の上側ウィンドウの垂直サイズを、図8に示す元のサイズから減少させる効果を示す。これらの効果は、図9の新しい表示を参照して説明したものと、これらの効果が逆方向に働くことを除けば、同様である。図10において、ディスプレイ1000は、ユーザがスペクトル表示820における上側ウィンドウのサイズを、図8に示すそのサイズから小さくしたときに、測定装置によって生成される新しいディスプレイを示す。水平インジケータ1024は、スペクトル表示820の上側及び下側のウィンドウの区切りを示す。
【0079】
ユーザがウィンドウ・サイズを減少させることに応答して、測定装置は、図8のスペクトログラム850よりも少ない画素の行を有する新しいスペクトログラム1050を自動的に生成する。特に、測定装置の1つ以上のプロセッサは、スペクトル表示820の上側ウィンドウの新しいサイズに基づいて、新しいスペクトログラム1050に必要な画素の行の数を決定する。次いで、1つ以上のプロセッサは、新しいスペクトログラム1050の画素行を形成するために使用される隣接するスペクトル・ブロック間の重複の量を調整し、新しいスペクトログラムが新しいサイズのウィンドウを完全に満たすようにする。
【0080】
この場合では、1つ以上のプロセッサは、50.1%の重複を有するスペクトログラムが、新しくサイズ設定されたウィンドウを完全に満たすと判断している。次いで、測定装置は、新しいスペクトログラム1050を作成し、それをディスプレイ1000のスペクトル表示820の上側ウィンドウに表示し、重複表示1052を新しい重複数に更新する。同時に、スペクトル表示820の下側ウィンドウの垂直サイズは、そのサイズが大きくなるので増加し、新しいスペクトル・トレース842が新しいウィンドウ1040に表示される。
【0081】
このように、本発明の実施形態は、スペクトログラムが表示されるウィンドウのサイズ(大きい又は小さい)をユーザが操作するだけで、スペクトログラムのサイズ及び分解能を制御できるユーザ・インタフェースを提供する。そして、新しいスペクトログラムが自動的に生成され、新しいサイズに設定されたウィンドウが完全に満たされる。
【0082】
このような実施形態は、とても魅力的なものであるが、全ての用途において望ましいわけではない。このため、本開示の他の実施形態によれば、スペクトログラムの時間分解能は、必ずしもスペクトログラム表示ウィンドウのサイズに結び付けられていなくてもよく、ユーザが表示ウィンドウのサイズを変更することに応答して自動的に変化しなくても良い。代わりに、これらの他の実施形態では、生成されたスペクトログラムの時間分解能は、ユーザがスペクトログラム表示のサイズを変更するときに固定にされたままであってもよく、測定装置の1つ以上のプロセッサ、例えばグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)は、スペクトログラムのグラフィック画像をアップサンプリング又はダウンサンプリングしても良い。
【0083】
これらの実施形態では、ユーザ・インタフェース操作部、例えば、「分解能(resolution)」とラベル付けされたダイヤル又はスクローラが存在しても良く、ユーザが、時間分解能を調整して変更すると、スペクトログラムが計算されて表示される。いくつかの実施形態は、更に、アスペクト比などのスペクトログラムの他の属性をユーザが調整するためのユーザ・インタフェース操作部を有していても良い。
【0084】
これらの実施形態の1つの利点は、文書化のためであっても良い。例えば、実施形態は、ユーザがスペクトログラム画像のスナップショットをクリップボードにコピーしたり、ファイルに保存したりすることを可能にするコンテキスト・メニュー又は他の入力を有していても良い。ユーザは、モニターのサイズと解像度に応じて、ディスプレイ上でのライブ表示を容易にするためにスペクトログラム表示ウィンドウのサイズを変更できるが、保存/エクスポートされたスナップショットの解像度は、複数のスナップショットを含むレポート・ドキュメントなど、一貫性のあるドキュメントのために一定のままである。
【0085】
上記の例では、スペクトログラムは、DUTによって生成された信号から測定装置が生成した入力信号のアクイジションの全体又は少なくとも非常に大きな部分に基づいて生成される。本開示による他の実施形態は、ユーザが信号アクイジションの特定の部分を指定できるユーザ・インタフェースを提供し、このとき、信号アクイジションの指定された部分のみがスペクトログラムを作成するために使用される。言い換えれば、これらの実施形態では、ユーザは、測定装置が、取得された信号の特定の部分のみからスペクトログラムを作成することを指定しても良い。これにより、ユーザは、ユーザにとって関心のある取得サンプルの特定の部分のみからスペクトログラムを生成するように測定装置を制御することにより、これら関心のある部分に焦点を合わせることができる。
【0086】
図11は、本開示技術の実施形態による例示的な表示画面1100を示すスクリーン・ショットであり、これは、スペクトログラム1150と、スペクトル表示1140と、測定装置の波形表示1110中のズーム・ウィンドウ1170とを含み、測定装置には、スペクトル及びスペクトログラムの属性を自動的に求める機能がある。
【0087】
ズーム・ウィンドウ1170は、ユーザが、取得された入力信号波形の処理を行う部分を指定できるグラフィカル・インタフェースを提供する。これは、測定装置が取得した入力信号の全体について測定装置が動作する、図2~10を参照して上述した実施形態と対照的である。ズーム・ウィンドウ1170のサイズは、例えば、マウス操作ボタンを使用してズーム・ウィンドウの一方又は両方の水平方向のエッジを選択し、選択されたエッジを新しい位置にドラッグすることによるグラフィカル・インタフェースによって、ユーザがダイナミックに変更しても良い。他の実施形態では、ユーザは、数値又はテキスト・インタフェースを介して、その所望のサイズを入力することによって、ズーム・ウィンドウのサイズを変更しても良い。
【0088】
ズーム・ウィンドウ1170のサイズが確定すると、取得された入力信号波形のズーム・ウィンドウ内の選択された部分のみに基づいて、新しいスペクトログラム1150が生成され、更新された重複量が重複表示1152に表示される。取得された入力信号波形のズーム・ウィンドウ1170内に存在しない部分は、たとえそのような部分が依然として装置のメモリ内に保持されているとしても、スペクトログラムを生成する1つ以上のプロセッサに無視される。
【0089】
ズーム・ウィンドウ1170は、ユーザによってユーザ・メニューを通して又は他の手段によって選択的に有効にされても良い。選択されるか又は有効化されると、スペクトログラム1150を生成するために使用される取得された入力信号の範囲は、アクイジション全体からズーム表示に含まれる部分のみに変化する。ズーム・ウィンドウ1170が選択されると、本発明の実施形態は、取得された入力信号波形において捕捉された全期間にわたってではなく、ズーム・ウィンドウ1170によって画定されるもっと短い期間にわたってではあるが、上記と同じ技術を使用して、スペクトログラム1150などのスペクトログラムを生成及び表示する。これは、図11に示すような波形表示でズーム・ウィンドウ1170が有効になっているとき、本発明の実施形態は、ズーム・ウィンドウ内で取得された入力信号の領域のみをカバーするスペクトログラム1150を自動的に生成するということである。
【0090】
このような操作(アクション)は、スペクトログラムの時間分解能も向上させる。なぜなら、定義上、取得した入力信号の限られた部分のみをスペクトログラムに含めると、スペクトログラムの生成に使用される取得入力信号の量が少なくなるため、隣接するスペクトル・ブロック間の重複の量が増えるためである。例えば、図6を参照して、ズーム・ウィンドウ1170がスペクトル時間1~4のみを網羅すると仮定する。これは、20個のスペクトル・ブロックSB1~SB20が、元の例のように、10個のスペクトル時間1~10に広がるのではなく、ズームされた例では、4個のスペクトル時間1~4にのみ広がることを意味し、隣接するスペクトル・ブロック間の重複の量が大幅に増加する。上述したように、隣接するスペクトル・ブロック間の重複量を増加させると、得られるスペクトログラムの分解能が増加する。
【0091】
図12及び図13は、ズーム・ウィンドウ1170のサイズを変更することの効果と、ズーム・ウィンドウによって指定された取得信号の量に自動的に調整されるスペクトログラムの結果として生じる効果を示す。
【0092】
図12のディスプレイ1200のズーム・ウィンドウ1270は、図11のズーム・ウィンドウ1170に比べて、取得された入力信号の中のもっと短い量を選択している。それに応じて、上述したように、開示による実施形態は、ズーム・ウィンドウ1270によって選択された取得入力信号の量のみに制限された新しいスペクトログラム1250を作成する。スペクトログラム1150及び1250の作成に使用される行数は同じなので、スペクトログラム1150及び1250の作成に使用される隣接するスペクトル・ブロック間の重複は、89.9%の重複から94.6%の重複に増加し、これは、図11に比較して、図12のスペクトログラムの分解能を増加させる。新しい重複(オーバーラップ)のパーセンテージは、重複(オーバーラップ)表示1252に示される。
【0093】
なお、時間領域を示す波形表示1110と周波数領域を示すスペクトル表示1120との対応関係は維持される。言い換えると、ユーザがズーム・ウィンドウ1270を使用して時間領域内の関心のあるイベントにズームインすると、周波数領域表示も同じ期間にズームインされ、時間分解能が増加する。ユーザがズーム・ウィンドウ1270に変更を加え続けると、スペクトログラムも、2つの領域間の対応関係を維持するために連続的に更新される。従って、本開示のいくつかの実施形態は、ユーザがズーム・ウィンドウのズーム・パラメータを調整したときに、時間領域及び周波数領域にわたって時間を相関させた表示をユーザが直感的に行って維持できるようにすると共に、調整されたズーム・パラメータに対してスペクトログラム内の時間分解能を自動的に整合させる能力を提供する。
【0094】
図13は、ユーザがズーム・ウィンドウ1370によって、取得された入力信号波形の更に短い部分を選択するために更にズームインした例を示す。これに応じて、本発明の実施形態は、ディスプレイ1300におけるスペクトログラム1350の生成を、図12のスペクトログラム1250を生成するために使用されたよりも更に少ないスペクトル時間に制限する。従って、新たに生成されたスペクトログラム1350での重複の量は、ズーム・ウィンドウ1370によって特定される取得された入力信号波形の量のみに基づいて、94.6%の重複から98%の重複に増加し、これは重複表示1352においてユーザに示される。
【0095】
注目すべき点は、ズーム・ウィンドウ1170、1270及び1370の水平パラメータを変更しても、時間領域の1119として図示されるスペクトル時間の幅に影響しないことである。また、スペクトル時間1119の中央は、ズーム・ウィンドウのサイズに関係なく、ズーム・ウィンドウ1170、1270及び1370の中央に固定されている。
【0096】
ズーム・ウィンドウが変更されたときに新しいスペクトログラムを自動的に作成すると、演算の負荷が高くなる可能性がある。演算リソースは、サイズ変更のアクション(操作)が完了するまで、ユーザによってサイズ変更されるズーム・ウィンドウに基づいて、新しいスペクトログラムを生成するのを待つことによって節約されても良い。他のリソースは、リソースが利用可能になるまで、結果として生じるスペクトログラムの分解能を一時的に制限することによって節約しても良い。
【0097】
時間領域における波形表示と周波数領域における1つ以上の表示を同時に表示するというディスプレイの更なる拡張は、既存のディスプレイに対するスタンドアロンの拡張として行っても良いし、上記の実施形態で説明したようなディスプレイとの組み合わせで行っても良い。
【0098】
このような拡張により、ユーザは時間領域内の波形の特定の部分を選択し、同時に周波数領域内の選択された部分のスペクトル表示を生成できる。
【0099】
図14は、スペクトログラム1450、スペクトル表示1440及び波形表示1410を含む表示画面1400の例を示すスクリーン・ショットである。これらのディスプレイは、上述した表示画面と同じ又は同様に動作し、このとき、取得した入力信号波形が試験測定装置によって捕捉され、取得した波形の選択された要素又は部分が時間領域と周波数領域で同時に表示される。しかし、図14では、上述のディスプレイに対して、開示技術の実施形態によるユーザが操作可能な波形カーソルが追加されている。
【0100】
波形カーソル1470及び1472は、図14上でA及びBとしてラベル付けされており、波形表示1410上に現れている。波形カーソル1470及び1472は、ユーザ・メニューを通して、ユーザによって選択的に有効化されても良い。図14図16では、2つの波形カーソル1470及び1472のみが示されているが、任意の数のカーソルが、本開示の様々な実施形態において有効にされても良い。
【0101】
波形カーソル1470及び1472には、更に、波形表示1410の中に入るか、又は、波形表示1410を通るカーソル拡張部1471及び1473がそれぞれあり、波形表示上で波形カーソルの位置が一層良く見えるようにする。波形カーソル1470及び1472は、有効化されたら、カーソル又はカーソル拡張部のいずれかを選択してドラッグすることによって、ユーザが位置決めしても良い。他の実施形態では、波形カーソル1470及び1472は、テキスト・メニューを通して、それらの位置を入力することによって生成されても良い。
【0102】
図15は、本開示技術の実施形態による、図14に示す選択カーソルのスペクトル表示を作成する効果を示す表示例1500である。スペクトル表示1540を参照すると、2つの個別のスペクトル・トレース1542及び1544が、測定装置によって生成され、ユーザに提示される。スペクトル・トレース1542は、測定装置の選択された入力信号のスペクトル時間1419に関する部分から生成されたスペクトル・トレースに対応し、これは、上記の実施形態で説明したスペクトル・トレースと同じ又は同様である。
【0103】
しかし、この表示1500では、更に、選択された入力信号カーソルのカーソル1470の周囲に対応するスペクトル・トレース1544がある。より具体的には、スペクトル時間1419の幅は、このスペクトル時間の幅がカーソル1470を中心としていることを除けば、スペクトル・トレース1544を作成するために使用される。更に、カーソル・インジケータ1571及び1573は、スペクトログラム1450内において、それらが波形表示1410中に現れるのと同じ相対的な位置で、スペクトログラム1450上に現れる。スペクトログラム1450が、Y軸に沿って時間領域成分を有することを上述から思い出してほしい。スペクトログラム1450中のカーソル・インジケータ1571及び1573の位置は、波形表示1410の時間領域における、それらの位置と相関している。
【0104】
このようにして、カーソル・インジケータ1571及び1573の存在により、ユーザは、スペクトログラム1450の特定の部分を強調表示できる。そして、ユーザが波形表示1410においてカーソル1470及び1472の位置を変更すると、上述したように、カーソル・インジケータ1571及び1573の位置も同様に、それぞれ新しい位置に再配置される。スペクトログラム1450における時間軸の分解能は、波形表示1410上の時間軸の分解能ほど正確でない場合があるので、波形カーソル1470及び1472の動きが小さいと、カーソル・インジケータ1571及び1573に何らの動きも生じないことがある。
【0105】
更に、これらの実施形態では、カーソル1470が波形表示1410内で再配置されると、スペクトル・トレース1544も、同様にして、リアルタイムで更新される。カーソル1470及び1472のいずれか又は両方に関するスペクトル・トレースを有効にするかどうかは、ユーザが選択可能である。図15は、波形カーソル1470に対応するスペクトル・トレース1544のみが有効(イネーブル)な場合を示すが、図16は、波形カーソル1470及び1472の両方に対応するスペクトル・トレース1544及び1646の両方が、スペクトル表示1640において有効にされている表示画面1600を示す。上述したように、任意の数のカーソルが波形表示1410において有効にされてもよく、波形ディスプレイ上で有効された全てのカーソルは、対応するスペクトル表示1640において、表示するか否かを個別に選択されても良い。
【0106】
こうして、ユーザ・インタフェースにカーソル機能を提供することによって、本開示のこれらの実施形態は、単一のアクイジション(取得データ)の異なる領域からの複数のスペクトルを、容易かつ直感的に表示及び比較する能力を、ユーザ・インタフェースを操作することより、ユーザに提供する。また、これらカーソルは、図11図13を参照して上述したズーム表示を含むディスプレイで有効にしても良い。
【0107】
本開示技術の実施形態は、上述の動作を実施するために特定のハードウェアやソフトウェア上で動作する。図17は、本願に開示される開示技術の実施形態を実施するためのオシロスコープやスペクトル・アナライザなどの例示的な試験測定装置1700のブロック図である。試験測定装置1700には、1つ以上のポート1702があり、これらは、任意の電気信号伝達媒体であっても良い。これらポート1702は、レシーバ、トランスミッタ又はトランシーバを有していても良い。各ポート1702は、試験測定装置1700のチャンネルである。ポート1702は、1つ以上の被試験デバイス(DUT)1790からポート1702で受信された信号や波形を処理するために、1つ以上のプロセッサ1716と結合される。図17では、説明を簡単にするため、1つのプロセッサ1716だけを示しているが、当業者であればわかるように、単一のプロセッサ1716ではなく、様々なタイプの複数のプロセッサ1716を測定装置1700において組み合わせて使用しても良い。
【0108】
ポート1702は、また、測定装置1700内の測定ユニット1708に接続されても良い。測定ユニット1708は、ポート1702を介して受信された信号の特性(例えば、電圧、アンペア数、振幅、エネルギーなど)を測定できる任意のコンポーネントを含むことができる。試験測定装置1700は、更なる分析のために受信信号を波形に変換するための調整(コンディショニング)回路、アナログ・デジタル・コンバータその他の回路などの追加のハードウェアやプロセッサを有していても良い。得られた波形は、次いで、メモリ1710に記憶することができ、また、表示部1712に表示できる。
【0109】
1つ以上のプロセッサ1716は、メモリ1710からの命令を実行するように構成されてもよく、測定装置によって受信された入力信号を表示及び変更するなど、そのような命令によって示される任意の方法や関連するステップを実行しても良い。メモリ1710は、プロセッサ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブ、その他の任意のメモリ形式として実装されても良い。メモリ1710は、データ、コンピュータ・プログラム・プロダクト及びその他の命令を格納するための媒体として機能する。
【0110】
ユーザ入力部1714は、プロセッサ1716に結合される。ユーザ入力部1714は、測定装置1700をセットアップし、操作するためにユーザが利用できるキーボード、マウス、タッチスクリーン、その他の任意の操作装置を有していても良い。ユーザ入力部1714は、表示部1712と連動して動作するグラフィカル・ユーザ・インタフェース又はテキスト/文字インタフェースを有していても良い。ユーザ入力部1714は、測定装置1700上のユーザからの又はリモート・デバイスからのプログラム入力を更に有していても良い。表示部1712は、波形、測定値及び他のデータをユーザに表示するためのデジタル・スクリーン、ブラウン管ベースのディスプレイ、その他の任意のモニタであっても良い。
【0111】
試験装置1700の構成要素は、試験測定装置1700内に統合されているものとして描かれているが、これらの構成要素のいずれかが試験装置1700の外部にあっても良く、当業者ならば、従来の任意の方法(例えば、有線や無線の通信メディアやメカニズム)で試験装置1700に結合されても良いことが理解できよう。例えば、いくつかの実施形態では、表示部1712は、試験測定装置1700から遠隔にあってもよく、又は、測定装置1700上で表示することに加えて、リモート・デバイスに出力を送信するように測定装置が構成されても良い。更なる実施形態では、測定装置1700からの出力が、クラウド装置などのリモートデバイスに送信されるか又は格納されて、クラウド装置に結合された他のマシンからアクセス可能としても良い。
【0112】
測定装置1700には、スペクトログラム・プロセッサ1720があっても良く、スペクトログラム・プロセッサ1720は、上述した1つ以上のプロセッサ1716とは別個のプロセッサであっても良いし、スペクトログラム・プロセッサ1720の機能が、1つ以上のプロセッサ1716に統合されても良い。更に、スペクトログラム・プロセッサ1720は、別個のメモリを有しても良いし、上述のメモリ1710を使用しても良いし、又は、測定装置1700によってアクセス可能な他の任意のメモリを有していても良い。
【0113】
スペクトログラム・プロセッサ1720は、上述の機能を実装するための専用プロセッサを有していても良い。例えば、スペクトログラム・プロセッサ1720は、スペクトログラムの生成を実装するために、上述した手順及び動作を使用してスペクトログラムを生成するために使用されるスペクトログラム生成部1722を有していても良い。スペクトログラム表示プロセッサ1724は、表示部1712で表示されるスペクトログラム表示を生成しても良く、表示の要素がユーザによって操作されたとき又はDUT1790からの入力信号が変化したときに、スペクトログラム表示のアップデートをリアルタイム又はほぼリアルタイムで制御しても良い。
【0114】
スペクトログラム・ズーム・プロセッサ1726は、上述のようにズーム機能及び動作を制御し、スペクトログラム生成部1722と連携して動作して、ズーム操作が変更されたときに、スペクトログラムをリアルタイム又はほぼリアルタイムで更新しても良い。最後に、スペクトログラム・カーソル・プロセッサ1728は、上記で詳細に説明したように、波形カーソルの作成及び動作を具体的に制御しても良い。
【0115】
スペクトログラム生成部1722、スペクトログラム表示プロセッサ1724、スペクトログラム・ズーム・プロセッサ1726又はスペクトログラム・カーソル・プロセッサ1728を含むスペクトログラム・プロセッサ1720の構成要素のいずれか又は全ては、1つ以上の別々のプロセッサで実現されても良く、本願に記載される個別の機能は、専用又は汎用プロセッサの専用の事前プログラムされた動作として実装されても良い。更に、上述したように、スペクトログラム・プロセッサ1720の構成要素又は機能のいずれか又は全ては、測定装置1700を動作させる1つ以上のプロセッサ1716に統合されても良い。
【0116】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0117】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0118】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
【0119】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0120】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0121】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書での開示技術は、これら特定の特徴のあり得る全ての組み合わせを含むと理解すべきである。例えば、ある特定の特徴が特定の形態に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の形態との関連においても利用できる。
【0122】
明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面に開示される全ての機能、並びに開示される任意の方法又はプロセスにおける全てのステップは、そのような機能やステップの少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせである場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。明細書、要約書、特許請求の範囲及び図面に開示される機能の夫々は、特に明記されない限り、同じ、等価、又は類似の目的を果たす代替の機能によって置き換えることができる。
【0123】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0124】
100 スペクトログラム
102 スペクトル・トレース
200 入力信号アクイジション
210 時間から周波数への変換
220 スペクトル・トレース
400 スペクトログラム
500 入力信号アクイジション
510 時間から周波数への変換
600 入力信号アクイジション
700 表示例
710 波形表示
714 水平インジケータ
716 垂直インジケータ
719 スペクトル時間インジケータ
720 スペクトル表示
724 水平インジケータ
726 垂直インジケータ
800 表示例
810 波形表示
819 スペクトル時間インジケータ
820 スペクトル表示
824 水平インジケータ
830 RF信号
832 入力信号
840 ウィンドウ
842 スペクトル・トレース
850 スペクトログラム
852 重複ディスプレイ
900 表示例
924 水平インジケータ
950 スペクトログラム
952 重複ディスプレイ
940 ウィンドウ
1000 表示例
1024 水平インジケータ
1040 ウィンドウ
1050 スペクトログラム
1052 重複ディスプレイ
1100 表示例
1110 波形表示
1119 スペクトル時間の中間
1120 スペクトル表示
1140 スペクトルディスプレイ
1150 スペクトログラム
1152 重複表示
1170 ズーム・ウィンドウ
1200 表示例
1252 重複表示
1270 ズーム・ウィンドウ
1300 表示例
1350 スペクトログラム
1352 重複表示
1370 ズーム・ウィンドウ
1400 表示例
1410 波形表示
1440 スペクトルディスプレイ
1450 スペクトログラム
1470 波形カーソル
1472 波形カーソル
1471 カーソル拡張
1473 カーソル拡張
1500 表示例
1540 スペクトルディスプレイ
1542 スペクトル・トレース
1544 スペクトル・トレース
1571 カーソル標識
1573 カーソル標識
1600 表示例
1640 スペクトルディスプレイ
1700 サンプル試験測定装置
1702 ポート
1710 メモリ
1712 表示部
1714 ユーザ入力部
1716 プロセッサ
1720 スペクトログラム・プロセッサ
1722 スペクトログラム生成部
1724 スペクトログラム表示プロセッサ
1726 スペクトログラム・ズーム・プロセッサ
1728 スペクトログラム・カーソル・プロセッサ
1790 被試験デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】