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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105373
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】回収設備
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20230724BHJP
【FI】
C02F1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006157
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】田畑 雅郎
(57)【要約】
【課題】有価物の回収率を高くすることを可能とする回収設備を提供する。
【解決手段】回収設備は、第1処理システムと、第2処理システムと、回収システムと、を備え、第1処理システムは、被処理液体に含まれる有価物に所定の処理を行い第1処理物とする第1処理装置と、第1処理物を第2処理システムに供給する第1供給路と、第1処理物を含む第1排水を排出する第1排出路と、を備え、第2処理システムは、第1処理物に所定の処理を行い第2処理物とする第2処理装置と、第2処理物を第2処理システムの外部に供給する第2供給路と、第2処理物を含む第2排水を排出する第2排出路と、を備え、回収システムは、第1排水から第1処理物を回収する処理及び第2排水から第2処理物を回収する処理のうちの少なくとも1つの処理を実行し、回収した処理物を、第1処理システム及び第2処理システムのうちの少なくとも1つに供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1処理システムと、
第2処理システムと、
回収システムと、を備え、
前記第1処理システムは、被処理液体に含まれる有価物に所定の処理を行い第1処理物とする第1処理装置と、前記第1処理物を前記第2処理システムに供給する第1供給路と、前記第1処理物を含む第1排水を排出する第1排出路と、を備え、
前記第2処理システムは、前記第1処理物に前記所定の処理を行い第2処理物とする第2処理装置と、前記第2処理物を前記第2処理システムの外部に供給する第2供給路と、前記第2処理物を含む第2排水を排出する第2排出路と、を備え、
前記回収システムは、前記第1排水から前記第1処理物を回収する処理及び前記第2排水から前記第2処理物を回収する処理のうちの少なくとも1つの処理を実行し、回収した処理物を、前記第1処理システム及び前記第2処理システムのうちの少なくとも1つに供給する、回収設備。
【請求項2】
前記回収システムは、
前記第1排水から前記第1処理物を回収し回収した前記第1処理物を第1処理システムに供給する第1回収システムと、
前記第2排水から前記第2処理物を回収し回収した前記第2処理物を第2処理システムに供給する第2回収システムと、を備えた、請求項1に記載の回収設備。
【請求項3】
前記回収システムは、
前記第1排水から前記第1処理物を回収し回収した前記第1処理物を第1処理システムに供給する第1回収システムと、
前記第2排水から前記第2処理物を回収し回収した前記第2処理物を第1処理システムに供給する第2回収システムと、を備えた、請求項1に記載の回収設備。
【請求項4】
前記回収システムは、
前記第1排水から前記第1処理物を回収し回収した前記第1処理物を第2処理システムに供給する第1回収システムと、
前記第2排水から前記第2処理物を回収し回収した前記第2処理物を第1処理システムに供給する第2回収システムと、を備えた、請求項1に記載の回収設備。
【請求項5】
前記回収システムは、
前記第1排水から前記第1処理物を回収し回収した前記第1処理物を第2処理システムに供給する第1回収システムと、
前記第2排水から前記第2処理物を回収し回収した前記第2処理物を第2処理システムに供給する第2回収システムと、を備えた、請求項1に記載の回収設備。
【請求項6】
前記回収システムは、回収した前記第1処理物及び回収した前記第2処理物を前記第1処理システムに供給する、請求項1に記載の回収設備。
【請求項7】
前記回収システムは、回収した前記第1処理物及び回収した前記第2処理物を前記第2処理システムに供給する、請求項1に記載の回収設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、紙おむつ等の各種の再生設備(以下、回収設備とも呼ぶ)では、パルプ、高吸水性高分子(SAP:Superabsorbent polymer)及びプラスチック等の有価物(以下、再生対象物とも呼ぶ)を再生する(特許文献1乃至3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-135046号公報
【特許文献2】特開2020-195994号公報
【特許文献3】特開2021-041310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような回収設備において、有価物の回収率を高くすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような有価物の回収率を高くするため、本発明における再生対象物の回収設備は、第1処理システムと、第2処理システムと、回収システムと、を備え、前記第1処理システムは、被処理液体に含まれる有価物に所定の処理を行い第1処理物とする第1処理装置と、前記第1処理物を前記第2処理システムに供給する第1供給路と、前記第1処理物を含む第1排水を排出する第1排出路と、を備え、前記第2処理システムは、前記第1処理物に前記所定の処理を行い第2処理物とする第2処理装置と、前記第2処理物を前記第2処理システムの外部に供給する第2供給路と、前記第2処理物を含む第2排水を排出する第2排出路と、を備え、前記回収システムは、前記第1排水から前記第1処理物を回収する処理及び前記第2排水から前記第2処理物を回収する処理のうちの少なくとも1つの処理を実行し、回収した処理物を、前記第1処理システム及び前記第2処理システムのうちの少なくとも1つに供給する。
【発明の効果】
【0006】
本発明における再生対象物の回収設備によれば、有価物の回収率を高くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、回収設備100の構成図である。
図2図2は、回収設備200の構成図である。
図3図3は、回収設備300の構成図である。
図4図4は、回収設備400の構成図である。
図5図5は、回収設備500の構成図である。
図6図6は、回収設備600の構成図である。
図7図7は、有価物1の回収率及び排水量の具体例について説明する表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明が適用される回収設備について説明する。かかる回収設備は、例えば、紙おむつの再生処理におけるパルプ回収設備や、木粉
の付着した木材チップ回収設備である。具体的に、パルプ回収設備は、例えば、有価物としてパルプを回収する回収設備である。また、木材チップ回収設備は、例えば、有価物として木材チップを回収する回収設備である。なお、各回収設備において回収される有価物は、例えば、固形物である。
【0009】
ここで、上記のような回収設備では、有価物の回収率により、有価物の売却益や原料購入費用に大きな差異が生じる。そのため、各回収設備では、有価物の回収率の向上が求められる。
【0010】
この点、回収設備では、有価物を回収するための固液分離が行われる。しかしながら、固液分離が行われた後の液体には、有価物の一部が含まれる。そのため、各回収設備では、有価物の一部が固液分離後の液体とともに排水として排出される場合がある。
【0011】
これに対し、例えば、液体を蒸発させることによって、有価物を100%回収する方法が考えられる。しかしながら、自然乾燥によって液体を蒸発させる場合には、相応の時間や場所が必要となり、また、減圧や加熱によって液体を蒸発させる場合には、膨大なコストが必要となる。そのため、液体を蒸発させることによって有価物を回収する方法は、採用が困難である。
【0012】
すなわち、有価物の回収率を100%にすることは、実現が困難であり、従来の方法では、例えば、有価物の5%から30%程度の有価物が液体とともに排水として排出されている。
【0013】
さらに、上記のような各回収設備において、回収率を維持しながら連続運転を行うことは、有価物の性状や量の変動等によって困難である場合があり、スクリーンや脱水機等の固液分離を行う装置(以下、固液分離装置とも呼ぶ)のみを用いることによる回収率の向上には限界がある。
【0014】
そのため、有価物の回収率を向上させるためには、例えば、固液分離装置を含む複数の装置からなる設備の構築が必要となる。なお、上記のような固液分離装置としては、例えば、スクリーンや脱水機等の装置を用いる。
【0015】
以下、図面を参照して、有価物の回収率を高くすることを可能とする本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
本発明の一実施形態における回収設備は、第1処理システムと、第2処理システムと、回収システムと、を備える。第1処理システムは、被処理液体に含まれる有価物に所定の処理を行い第1処理物とする第1処理装置と、第1処理物を第2処理システムに供給する第1供給路と、第1処理物を含む第1排水を排出する第1排出路と、を備える。第2処理システムは、第1処理物に所定の処理を行い第2処理物とする第2処理装置と、第2処理物を第2処理システムの外部に供給する第2供給路と、第2処理物を含む第2排水を排出する第2排出路と、を備える。回収システムは、第1排水から第1処理物を回収する処理及び第2排水から第2処理物を回収する処理のうちの少なくとも1つの処理を実行し、回収した処理物を、第1処理システム及び第2処理システムのうちの少なくとも1つに供給する。
【0017】
以下、本発明の一実施形態における回収設備について第1の実施の形態から第6の実施の形態を例示しながら説明する。
【0018】
[第1の実施における回収設備100]
初めに、第1の実施の形態における再生対象物の回収設備100について説明を行う。なお、以下、再生対象物の回収設備を回収設備と略記する。図1は、第1の実施の形態における回収設備100の構成図である。
【0019】
回収設備100は、図1に示すように、例えば、有価物1を含む被処理液体を洗浄する第1処理装置11を含む第1処理システム10と、第1処理システム10が洗浄した後の有価物1を含む被処理液体をさらに洗浄する第2処理装置21を含む第2処理システム20とを有する。また、回収設備100は、第1処理システム10から供給された排水(以下、第1排水とも呼ぶ)から有価物1を回収する第1回収システム30と、第2処理システム20から供給された排水(以下、第2排水とも呼ぶ)から有価物1を回収する第2回収システム40とを有する。
【0020】
第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、ラインL1を介して前工程から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL11を介して第1回収システム30から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する洗浄処理を行う。そして、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、洗浄が行われた後の有価物1を含む被処理液体を脱水する脱水処理を行う。以下、洗浄処理と脱水処理とを含む処理を所定の処理とも呼ぶ。さらに、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、有価物1の濃度が予め定められた所定濃度(例えば、15(%))になるように、ラインL2を介して脱水が行われた後の有価物1を含む被処理液体に溶液2を注入する。ここでの所定濃度は、例えば、第1処理システム10における後工程を適切に行うために必要な濃度に応じて決定されるものである。また、ここでの後工程は、例えば、有価物1を含む被処理液体内の有機物を分解するオゾン処理である。
【0021】
その後、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、第1処理システム10における各処理が行われた後の有価物1を含む被処理液体を濃縮することによって、一部の被処理液体を分離し、分離した被処理液体を排水(第1排水)としてラインL3(以下、第1排出路L3とも呼ぶ)から第1回収システム30に供給するとともに、ラインL4(以下、第1供給路L4とも呼ぶ)から濃縮後の有価物1(以下、第1処理物とも呼ぶ)を含む被処理液体を第2処理システム20に供給する。なお、この場合、第1処理システム10から第1回収システム30に供給される排水には、第1処理システム10において回収されなかった一部の有価物1が含まれる。
【0022】
第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、ラインL4を介して第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL12を介して第2回収システム40から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する洗浄処理を行う。そして、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、洗浄が行われた後の有価物1を含む被処理液体を脱水する脱水処理を行う。さらに、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、有価物1の濃度が予め定められた所定濃度(例えば、15(%))になるように、脱水が行われた後の有価物1を含む被処理液体に対して溶液2を注入する。
【0023】
その後、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、第2処理システム20における各処理が行われた後の有価物1を含む被処理液体を濃縮することによって、一部の被処理液体を分離し、分離した被処理液体を排水(第2排水)としてラインL5(以下、第2排出路L5とも呼ぶ)を介して第2回収システム40に供給するとともに、ラインL6(以下、第2供給路L6とも呼ぶ)を介して濃縮後の有価物1(以下、第2処理物とも呼ぶ)を含む被処理液体を外部(例えば、次工程を行うシステム等)に供給する。なお、この場合、第2処理システム20から第2回収システム40に供給される排水には、
第2処理システム20において回収されなかった一部の有価物1が含まれる。
【0024】
第1回収システム30は、例えば、ラインL3を介して第1処理システム10から有価物1を含む被処理液体(排水)の供給を受けた場合、第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体を濃縮することによって、一部の被処理液体を分離し、分離した被処理液体を排水として外部に排出するとともに、ラインL11を介して濃縮後の有価物1を含む被処理液体を第1処理システム10に供給する。
【0025】
第2回収システム40は、例えば、ラインL5を介して第2処理システム20から有価物1を含む被処理液体(排水)の供給を受けた場合、第2処理システム20から供給された有価物1を含む被処理液体を濃縮することによって、一部の被処理液体を分離し、分離した被処理液体を排水として外部に排出するとともに、ラインL12を介して濃縮後の有価物1を含む被処理液体を第2処理システム20に供給する。
【0026】
すなわち、第1回収システム30及び第2回収システム40は、第1処理システム10及び第2処理システム20が排出した排水に含まれる有価物1を回収して第1回収システム30及び第2回収システム40に供給する。そして、第1処理システム10及び第2処理システム20は、第1回収システム30及び第2回収システム40から供給された有価物1についても回収を行う。
【0027】
以下、処理システムにおける処理、回収システムにおける回収について他の例について説明するが、この他の例は、第1の実施の形態の他にも第2から第6の実施の形態の再生設備に適用できる。ここで、有価物1は、例えばパルプである。また、第1処理装置11に供給される被処理液体は、有価物1の他に例えば、SAPやプラスチックを含む。
【0028】
第1処理装置11は、例えば、粗目スクリーンと、第1ドラムスクリーンと、細目スクリーンと、第1脱水機とを含む。なお、第1処理装置11において、溶液2が供給されなくても良い。粗目スクリーンは、パルプ、SAP、プラスチックを含む被処理液体からプラスチックを分離する。プラスチック分離後の被処理液体は、SAPとパルプとを含み、第1ドラムスクリーンに供給される。
【0029】
第1ドラムスクリーンは、プラスチック分離後の被処理液体からSAPとパルプとを分離する。以下、分離されたSAPとパルプとを第1ドラムスクリーン処理物と呼ぶ。第1
ドラムスクリーンでSAPとパルプとを分離してもプラスチック分離後の被処理液体から全てのSAPとパルプとを分離できないので、ろ液(被処理液体)には、SAPとパルプとが含まれる。
【0030】
第1脱水機は、第1ドラムスクリーン処理物を脱水し、第1供給路L4から脱水後のSAPとパルプとを第2処理装置21に供給する。脱水後のSAPとパルプは、いわゆる第1処理物である。第1脱水機からの脱水液(被処理液体)には、SAPとパルプとが含ま
れる。
【0031】
第1細目スクリーンは、第1ドラムスクリーンからの被処理液体と第1脱水機からの被処理液体との混合液体からSAPを分離する。SAP分離後の被処理液体は、排水として第1排出路L3から第1回収システム30に供給される。この排水は、いわゆる第1排水である。
【0032】
第1回収システム30は、例えば浮上濃縮装置を有し、第1排出路L3から供給された被処理液を濃縮してパルプを回収する。第1回収システム30は、回収したパルプに加水して、ラインL11から第1処理装置11に供給する。この処理によりパルプの回収率が
向上する。
【0033】
第2処理装置21は、パルプをオゾン処理するオゾン処理装置と、第2ドラムスクリーンと、第2脱水機とを有する。
【0034】
第2処理装置21は、第1処理装置11から供給された脱水後のSAPとパルプとに加水して希釈する。加水においては、溶液2は水であり、第2処理装置21は、脱水後のSAPとパルプとに溶液2を供給する。オゾン処理装置は、希釈された溶液にオゾンを供給する。以下、オゾン供給後の溶液をオゾン処理液体と呼ぶ。オゾン処理液体には、漂白されたパルプが含まれる。
【0035】
第2ドラムスクリーンは、オゾン処理液体からパルプを分離する。以下、分離されたパルプを第2ドラムスクリーン処理物と呼ぶ。第2ドラムスクリーンでパルプを分離してもオゾン処理液体から全てのパルプを分離できないので、ろ液(被処理液体)には、パルプが含まれる。
【0036】
第2脱水機は、第2ドラムスクリーン処理物を脱水し、第2供給路L6から脱水後のパルプを次工程の処理装置(図示しない)に供給する。第2脱水機からの脱水液(被処理液体)には、パルプが含まれる。
【0037】
第2ドラムスクリーンからの被処理液体と第2脱水機からの被処理液体とは、排水として第2排出路L5から第2回収システム40に供給される。この排水は、いわゆる第2排水である。
【0038】
第2回収システム40は、例えば浮上濃縮装置を有し、第2排出路L5から供給された被処理液体を濃縮してパルプを回収する。第2回収システム40は、回収したパルプに加水して、ラインL12から第2処理装置21に供給する。なお、本発明の実施の形態における回収設備では、上記した処理に限定されず、回収対象の再生物に応じた各種処理を実行できる。
【0039】
これにより、第1の実施の形態における回収設備100では、排水とともに外部に排出される有価物1の量を抑えることが可能になり、第1処理システム10及び第2処理システム20における有価物1の回収率を向上させることが可能になる。
【0040】
また、第1の実施の形態における回収設備100では、第1回収システム30において回収された有価物1を第1処理システム10に供給することで、第1処理システム10から第2処理システム20に供給される有価物1の量が増加する。そのため、第1の実施の形態における回収設備100では、第2処理システム20において有価物1に供給する溶液2の量を増加させることが可能になり、第2処理システム20における有価物1の洗浄効果を向上させることが可能になる。
【0041】
さらに、第1の実施の形態における回収設備100では、第1回収システム30において回収された有価物1を第1処理システム10に供給するとともに、第2回収システム40において回収された有価物1を第2処理システム20に供給することで、第1回収システム30及び第2回収システム40のそれぞれから排出される排水の量をほぼ同程度とすることが可能になる。そのため、第1の実施の形態における回収設備100では、例えば、第1回収システム30及び第2回収システム40のそれぞれにおいて用いる排水設備を同じ設備とすることが可能になり、第1回収システム30と第2回収システム40との間において排水設備の流用が可能になる。
【0042】
[第2の実施における回収設備200]
次に、第2の実施の形態における回収設備200について説明を行う。図2は、第2の実施の形態における回収設備200の構成図である。以下、回収設備100と異なる点について説明を行う。
【0043】
第2の実施の形態における回収設備200では、図2に示すように、第1処理システム10から供給された被処理液体(排水)から第1回収システム30が分離した有価物1を含む被処理液体を第1処理システム10に供給するとともに、第2処理システム20から供給された被処理液体(排水)から第2回収システム40が分離した有価物1を含む被処理液体を第1処理システム10に供給する。
【0044】
そして、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、ラインL1を介して前工程から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL21を介して第1回収システム30から供給された有価物1を含む被処理液体と、ラインL22を介して第2回収システム40から供給された有価物1を含む被処理液体とを溶液2によって洗浄する。また、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、ラインL4を介して第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。
【0045】
これにより、第2の実施の形態における回収設備200では、排水とともに外部に排出される有価物1の量を抑えることが可能になり、第1処理システム10及び第2処理システム20における有価物1の回収率を向上させることが可能になる。
【0046】
また、第2の実施の形態における回収設備200では、第1回収システム30において回収された有価物1と第2回収システム40において回収された有価物1とを第1処理システム10に供給することで、第1処理システム10から第2処理システム20に供給される有価物1の量が増加する。そのため、第2の実施の形態における回収設備200では、第2処理システム20において有価物1に供給する溶液2の量をより増加させることが可能になり、第2処理システム20における有価物1の洗浄効果をより向上させることが可能になる。
【0047】
[第3の実施における回収設備300]
次に、第3の実施の形態における回収設備300について説明を行う。図3は、第3の実施の形態における回収設備300の構成図である。以下、回収設備100と異なる点について説明を行う。
【0048】
第3の実施の形態における回収設備300では、図3に示すように、第1処理システム10から供給された被処理液体(排水)から第1回収システム30が分離した有価物1を含む被処理液体を第2処理システム20に供給するとともに、第2処理システム20から供給された被処理液体(排水)から第2回収システム40が分離した有価物1を含む被処理液体を第1処理システム10に供給する。
【0049】
そして、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、ラインL1を介して前工程から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL32を介して第2回収システム40から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。また、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、ラインL4を介して第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL31を介して第1回収システム30から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。
【0050】
これにより、第3の実施の形態における回収設備300では、排水とともに外部に排出
される有価物1の量を抑えることが可能になり、第1処理システム10及び第2処理システム20における有価物1の回収率を向上させることが可能になる。
【0051】
また、第3の実施の形態における回収設備300では、第2回収システム40において回収された有価物1を第1処理システム10に供給することで、第1処理システム10から第2処理システム20に供給される有価物1の量が増加する。そのため、第3の実施の形態における回収設備300では、第2処理システム20において有価物1に供給する溶液2の量を増加させることが可能になり、第2処理システム20における有価物1の洗浄効果を向上させることが可能になる。
【0052】
さらに、第3の実施の形態における回収設備300では、第2回収システム40において回収された有価物1を第1処理システム10に供給するとともに、第1回収システム30において回収された有価物1を第2処理システム20に供給することで、第1回収システム30及び第2回収システム40のそれぞれから排出される排水の量をほぼ同程度とすることが可能になる。そのため、第3の実施の形態における回収設備300では、例えば、第1回収システム30及び第2回収システム40のそれぞれにおいて用いる排水設備を同じ設備とすることが可能になり、第1回収システム30と第2回収システム40との間において排水設備の流用が可能になる。
【0053】
[第4の実施における回収設備400]
次に、第4の実施の形態における回収設備400について説明を行う。図4は、第4の実施の形態における回収設備400の構成図である。以下、回収設備100と異なる点について説明を行う。
【0054】
第4の実施の形態における回収設備400では、図4に示すように、第1処理システム10から供給された被処理液体(排水)から第1回収システム30が分離した有価物1を含む被処理液体を第2処理システム20に供給するとともに、第2処理システム20から供給された被処理液体(排水)から第2回収システム40が分離した有価物1を含む被処理液体を第2処理システム20に供給する。
【0055】
そして、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、ラインL1を介して前工程から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。また、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、ラインL4を介して第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL41を介して第1回収システム30から供給された有価物1を含む被処理液体と、ラインL42を介して第2回収システム40から供給された有価物1を含む被処理液体とを溶液2によって洗浄する。
【0056】
これにより、第4の実施の形態における回収設備400では、排水とともに外部に排出される有価物1の量を抑えることが可能になり、第1処理システム10及び第2処理システム20における有価物1の回収率を向上させることが可能になる。
【0057】
また、第4の実施の形態における回収設備400では、第1回収システム30から第2処理システム20に供給される有価物1を含む被処理液体の量が多い場合、すなわち、第1回収システム30において有価物1から分離させる排水の量が少ない場合、第2処理システム20において注入可能な溶液2の量が少なくなる。さらに、第4の実施の形態における回収設備400では、第2回収システム40から第2処理システム20に供給される有価物1を含む被処理液体の量が多い場合、すなわち、第2回収システム40において有価物1から分離させる排水の量が少ない場合、第2処理システム20において注入可能な溶液2の量がより少なくなる。そのため、第4の実施の形態における回収設備400は、例えば、排水設備の排水許容量を小さくすることが可能になる。
【0058】
[第5の実施における回収設備500]
次に、第5の実施の形態における回収設備500について説明を行う。図5は、第5の実施の形態における回収設備500の構成図である。以下、回収設備100と異なる点について説明を行う。
【0059】
第5の実施の形態における回収設備500は、図5に示すように、第1の実施の形態における回収設備100における第1回収システム30及び第2回収システム40に代えて、単一の回収システムである回収システム50を有する。回収システム50は、第1処理システム10から排出される第1排水から第1処理物を回収する処理及び第2処理システム20から排出される第2排水から第2処理物を回収する処理のうちの少なくとも1つの処理を実行し、回収した処理物を、ラインL51を介して第1処理システム10に供給する。換言すれば、回収システム50は、第1処理システム10及び第2処理システム20の少なくとも1つから供給された被処理液体(排水)から分離した有価物1を含む被処理液体を第1処理システム10に供給する。有価物1の回収率を向上させるため、回収システム50は、第1処理システム10及び第2処理システム20から供給された被処理液体から分離した有価物1を含む被処理液体を第1処理システム10に供給することが好ましい。
【0060】
そして、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、ラインL1を介して前工程から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL51を介して回収システム50から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。また、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、ラインL4を介して第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。
【0061】
これにより、第5の実施の形態における回収設備500では、排水とともに外部に排出される有価物1の量を抑えることが可能になり、第1処理システム10及び第2処理システム20における有価物1の回収率を向上させることが可能になる。
【0062】
また、第5の実施の形態における回収設備500では、回収システム50において回収された有価物1を第1処理システム10に供給することで、第1処理システム10から第2処理システム20に供給される有価物1の量が増加する。そのため、第5の実施の形態における回収設備500では、第2処理システム20において有価物1に供給する溶液2の量をより増加させることが可能になり、第2処理システム20における有価物1の洗浄効果をより向上させることが可能になる。
【0063】
[第6の実施における回収設備600]
次に、第6の実施の形態における回収設備600について説明を行う。図6は、第6の実施の形態における回収設備600の構成図である。以下、回収設備100と異なる点について説明を行う。
【0064】
第6の実施の形態における回収設備600は、図6に示すように、第1の実施の形態における回収設備100における第1回収システム30及び第2回収システム40に代えて、単一の回収システムである回収システム50を有する。回収システム50は、第1処理システム10から排出される第1排水から第1処理物を回収する処理及び第2処理システム20から排出される第2排水から第2処理物を回収する処理のうちの少なくとも1つの処理を実行し、回収した処理物を、ラインL61を介して第2処理システム20に供給する。換言すれば、回収システム50は、第1処理システム10及び第2処理システム20の少なくとも1つから供給された被処理液体(排水)から分離した有価物1を含む被処理液体を第2処理システム20に供給する。有価物1の回収率を向上させるため、回収シス
テム50は、第1処理システム10及び第2処理システム20から供給された被処理液体から分離した有価物1を含む被処理液体を第2処理システム20に供給することが好ましい。
【0065】
そして、第1処理システム10(第1処理装置11)は、例えば、ラインL1を介して前工程から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。また、第2処理システム20(第2処理装置21)は、例えば、ラインL4を介して第1処理システム10から供給された有価物1を含む被処理液体に加え、ラインL61を介して回収システム50から供給された有価物1を含む被処理液体を溶液2によって洗浄する。
【0066】
これにより、第6の実施の形態における回収設備600では、排水とともに外部に排出される有価物1の量を抑えることが可能になり、第1処理システム10及び第2処理システム20における有価物1の回収率を向上させることが可能になる。
【0067】
また、第6の実施の形態における回収設備600では、回収システム50から第2処理システム20に供給される有価物1を含む被処理液体の量が多い場合、すなわち、回収システム50において有価物1から分離させる排水の量が少ない場合、第2処理システム20において注入可能な溶液2の量が少なくなる。そのため、第6の実施の形態における回収設備600は、例えば、回収システム50において用いる排水設備の排水許容量を小さくすることが可能になる。
【0068】
[有価物1の回収率及び排水量の具体例]
次に、第1の実施の形態から第6の実施の形態における有価物1の回収率及び排水量の具体例について説明を行う。図7は、有価物1の回収率及び排水量の具体例について説明する表である。
【0069】
図7に示す表には、ラインL1を介して前工程から第1処理システム10に供給された被処理液体に含まれる有価物1のうち、第2処理システム20において回収された有価物1の割合である「回収率」が記載される。また、図7に示す表には、第1処理システム10及び第1回収システム30から排出された排水の量である「排水量(1)」と、第2処理システム20及び第2回収システム40から排出された排水の量である「排水量(2)」とが記載される。さらに、図7に示す表には、回収システム50から排出された排水の量、または、「排水量(1)」に記載された排水の量と「排水量(2)」に記載された排水の量との合計量である「排水量(合計)」が記載されている。
【0070】
なお、図7に示す例における比較例は、第1処理システム10及び第2処理システム20のみを有する設備(第1回収システム30、第2回収システム40及び回収システム50のうちのいずれも有しない回収システム)を示している。また、図7に示す例において、「排水量(1)」、「排水量(2)」及び「排水量(合計)」のそれぞれに記載される排水の量は、ラインL1を介して前工程から第1処理システム10に供給された有価物1を含む被処理液体の量を「100」とした場合の量である。
【0071】
具体的に、図7に示す表において、「比較例」、「第1の実施の形態」、「第2の実施の形態」、「第3の実施の形態」、「第4の実施の形態」、「第5の実施の形態」及び「第6の実施の形態」のそれぞれに対応する「回収率」には、「65.6(%)」、「95.5(%)」、「95.0(%)」、「95.5(%)」、「95.9(%)」、「95.0(%)」及び「95.9(%)」が記載されている。
【0072】
すなわち、図7に示す例は、例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態及び第6の実施の形態のそれぞれの場合
における有価物1の回収率が、比較例の場合における有価物1の回収率と比較して、約30%程度向上していることを示している。
【0073】
また、図7に示す表において、「比較例」に対応する「排水量(1)」及び「排水量(2)」のそれぞれが「116.2」及び「94.2」であるのに対し、「第1の実施の形態」に対応する「排水量(1)」及び「排水量(2)」のそれぞれは、「104.3」及び「102.0」である。そのため、図7に示す例は、例えば、第1の実施の形態における「排水量(1)」及び「排水量(2)」がほぼ同程度であり、第1回収システム30と第2回収システム40との間において排水設備の流用が可能であることを示している。
【0074】
また、図7に示す表において、「比較例」に対応する「排水量(1)」及び「排水量(2)」のそれぞれが「116.2」及び「94.2」であるのに対し、「第3の実施の形態」に対応する「排水量(1)」及び「排水量(2)」のそれぞれは、「103.8」及び「101.9」である。そのため、図7に示す例は、例えば、第3の実施の形態における「排水量(1)」及び「排水量(2)」がほぼ同程度であり、第1回収システム30と第2回収システム40との間において排水設備の流用が可能であることを示している。
【0075】
また、図7に示す表において、「比較例」に対応する「排水量(合計)」が「210.4」であるのに対し、「第4の実施の形態」に対応する「排水量(合計)」は、「188.9」である。そのため、図7に示す例は、例えば、第4の実施の形態における「排水量(合計)」が比較例における場合よりも減少しており、排水設備の排水許容量を小さくすることが可能であることを示している。
【0076】
さらに、図7に示す表において、「比較例」に対応する「排水量(合計)」が「210.4」であるのに対し、「第6の実施の形態」に対応する「排水量(合計)」は、「188.9」である。そのため、図7に示す例は、例えば、第6の実施の形態における「排水量(合計)」が比較例における場合よりも減少しており、排水設備の排水許容量を小さくすることが可能であることを示している。
【符号の説明】
【0077】
1:有価物 2:溶液
10:第1処理システム 11:第1処理装置
20:第2処理システム 21:第2処理装置
30:第1回収システム 40:第2回収システム
50:回収システム 100:回収設備
200:回収設備 300:回収設備
400:回収設備 500:回収設備
600:回収システム L1:ライン
L2:ライン L3:ライン
L4:ライン L5:ライン
L6:ライン L11:ライン
L12:ライン L21:ライン
L22:ライン L31:ライン
L32:ライン L41:ライン
L42:ライン L51:ライン
L61:ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7