(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105448
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20230724BHJP
【FI】
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006278
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 一彦
(72)【発明者】
【氏名】中井 洋志
【テーマコード(参考)】
2H134
【Fターム(参考)】
2H134GA06
2H134GB02
2H134GB10
2H134HB18
2H134KA40
2H134KG04
2H134KH13
(57)【要約】
【課題】二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードのめくれの発生を抑制する。
【解決手段】ステアリン酸亜鉛を含む潤滑剤が供給される潜像担持体1表面上のトナー像を中間転写体15に一次転写した後に該中間転写体から記録紙P上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレード31でクリーニングする画像形成装置であって、前記中間転写体上の少なくともA4横通紙幅の外側領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率が0.892以下である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリン酸亜鉛を含む潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置であって、
前記中間転写体上の少なくともA4横通紙幅の外側領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率が0.892以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
窒化ホウ素を含む潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置であって、
前記中間転写体上の少なくともA4横通紙幅の外側領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積に対する窒化ホウ素由来のピーク面積の比率が1.152以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
ステアリン酸亜鉛及び窒化ホウ素を含む潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置であって、
前記中間転写体上の少なくともA4横通紙幅の外側領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率が0.892以下であり、かつ、中間転写体由来のピーク面積に対する窒化ホウ素由来のピーク面積の比率が1.152以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
固形潤滑剤から削り取った粉体状の前記潤滑剤を前記潜像担持体の表面に供給する潤滑剤供給手段を有し、
前記潤滑剤供給手段は、前記少なくともA4横通紙幅の外側領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤の削り取り量が、通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤の削り取り量よりも少ないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記固形潤滑剤は、前記ステアリン酸亜鉛及び前記窒化ホウ素のうちの少なくとも一方の単位体積当たりの含有量について、前記少なくともA4横通紙幅の外側領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の方が、前記通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分よりも少ないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記固形潤滑剤は、前記ステアリン酸亜鉛及び前記窒化ホウ素の両方を含有しており、
前記窒化ホウ素の含有量は、前記少なくともA4横通紙幅の外側領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の方が、前記通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分よりも少なく、
前記ステアリン酸亜鉛の含有量は、いずれの部分でも均一であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記固形潤滑剤は、前記少なくともA4横通紙幅の外側領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の密度よりも、前記通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の密度の方が低くなるように、粉体状の潤滑剤を圧縮成型したものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記トナー像を構成するトナーに前記潤滑剤が添加されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
所定のフィルミング除去タイミングで、前記少なくともA4横通紙幅の外側領域に対応する中間転写体上の領域へトナーを付着させることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行し、二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、ステアリン酸亜鉛を含む保護剤バーにブラシ等を擦りつけて粉体状にした保護剤(潤滑剤)を感光体(潜像担持体)に塗布する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、二次転写後の中間転写ベルト(中間転写体)上に残存するトナー粒子を、ベルトクリーニング装置のクリーニング部材によってクリーニングする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の画像形成装置では、二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする場合、クリーニングブレードのめくれが発生することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ステアリン酸亜鉛を含む潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置であって、前記中間転写体上の少なくともA4横通紙幅の外側領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率が0.892以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードのめくれの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】同プリンタにおける他の例を示す概略構成図。
【
図3】実施形態におけるプロセスユニットの一例を示す概略構成図。
【
図4】(a)~(d)は、実施形態における外側付着領域を示す説明図。
【
図5】(a)は、未使用の中間転写ベルトについて、外側付着領域のATR法赤外吸収スペクトルを計測した結果を示すグラフ。(b)は、使用後の中間転写ベルトについて、外側付着領域のATR法赤外吸収スペクトルを計測した結果を示すグラフ。
【
図6】未使用の中間転写ベルトのATR法赤外吸収スペクトルと使用後の中間転写ベルトのATR法赤外吸収スペクトルとの差分をとった差分スペクトルを示すグラフ。
【
図7】フィルミング物質の付着量とブレードめくれの発生との関連性について評価した評価試験で用いたフルカラーのランニングチャートの一例を示す説明図。
【
図8】同評価試験で用いたモノクロのランニングチャートの一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、画像形成装置であるカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した一実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態のプリンタの概略構成図である。
図1に示すプリンタは、プリンタ本体100の中央に、プリンタ本体100に対して着脱自在に装着された4つのプロセスユニット10Bk,10Y,10M,10Cが設けられている。各プロセスユニット10Bk,10Y,10M,10Cは、カラー画像の色分解成分に対応するブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。そのため、特に色を区別しない場合には、各部材の符号の後に、Bk、Y、M、Cなどの記載は省略する。
【0010】
各プロセスユニット10は、潜像担持体である感光体1、感光体表面を帯電させる帯電ローラ2、現像装置4、感光体表面をクリーニングするクリーニング装置7などを備える。感光体1は、円筒形のドラムである。
【0011】
クリーニング装置7は、感光体1に対してカウンター当接するクリーニングブレード6を有する。クリーニングブレード6により感光体1上の転写残トナーを掻き取ることでクリーニングをおこなう。なお、ブレードクリーニング方式ではなく、静電ブラシ方式・静電ローラ方式等の静電方式も搭載可能である。
【0012】
各プロセスユニット10の上方には、各感光体1の表面を露光する潜像形成手段たる露光装置3が設けられている。露光装置3は、光源、ポリゴンミラー、f-θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体1の表面へレーザー光Lを照射するようになっている。
【0013】
各プロセスユニット10の下方には、中間転写体たる中間転写ベルト15が設けられている。中間転写ベルト15は、無端状のベルトであり、二次転写対向ローラ21、クリーニングバックアップローラ16及びテンションローラ20によって張架されている。
【0014】
中間転写ベルト15に用いる材質としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(熱可塑性エラストマー)等を挙げることができる。これら材質にカーボンブラック等の導電性材料を分散させ、樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものが中間転写ベルトとして用いることができる。
【0015】
本実施形態では、ベルト駆動モータによって二次転写対向ローラ21を回転駆動することで、中間転写ベルト15は図の矢印で示す方向に回転するようになっている。また、テンションローラ20の軸方向両端部をばねによって加圧して、テンションローラ20は、中間転写ベルト15に張力を付与している。なお、感光体1などを駆動するプロセスユニットの駆動源と二次転写対向ローラ21を回転駆動する駆動源は、独立・共通どちらでも可能である。しかしながら、少なくともブラック用のプロセスユニットと二次転写対向ローラ21の駆動は、同時にON/OFFさせることが一般的である。従って、本体小型化・低コスト化のためにブラック用のプロセスユニットを、二次転写対向ローラ21の駆動源を共通化することが望ましい。
【0016】
4つの一次転写ローラ5は、導電性スポンジローラもしくは金属ローラ(アルミニウム、SUS)であり、それぞれ、各感光体1との間で中間転写ベルト15を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ5には、一次転写高圧電源が接続されており、この高圧電源から一次転写バイアスが印加させることで、転写電界を形成する。一次転写ローラ5に導電性スポンジローラが採用される場合には、イオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリンゴム)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられる。
【0017】
二次転写ローラ25は、二次転写対向ローラ21との間で中間転写ベルト15を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ5と同様に、二次転写ローラ25には、二次転写高圧電源が接続されており、この高圧電源から所定の二次転写バイアスが印加されることで、転写電界を形成する。
【0018】
二次転写バイアスとしては、引力転写方式と斥力転写方式の2方式がある。引力転写方式は、二次転写ローラ25にプラスのバイアスを印加し、二次転写対向ローラ21を接地することで二次転写電界を形成する。斥力転写方式は、二次転写対向ローラ21にマイナスのバイアスを印加し、二次転写ローラ25を接地することで二次転写電界を形成する。
【0019】
二次転写ローラ25はスポンジローラであり、イオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリンゴム)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられる。また、二次転写ローラ25の表面に付着したトナーなどの付着物を除去する二次転写クリーニングユニットを設けてもよい。
【0020】
また、中間転写ベルトのトナー像を記録材としての記録紙Pに二次転写する二次転写ユニットとしては、二次転写ベルトを用いたベルト方式でもよい。二次転写ベルトは、二次転写ベルトを挟んで中間転写ベルトと対向する駆動ローラとテンションローラとに張架される。駆動ローラは、二次転写バイアスが印加される。
【0021】
ベルトクリーニング装置32は、中間転写ベルト15に対してカウンター当接する中間転写クリーニングブレード31を有する。中間転写クリーニングブレード31により中間転写ベルト15上の転写残トナーを掻き取ることでクリーニングを行う。なお、ブレードクリーニング方式ではなく、静電ブラシ方式・静電ローラ方式等の静電方式も搭載可能である。しかし、静電方式の場合、中間転写クリーニングブレード31の替わりにバイアス印加されるクリーニングブラシ/ローラが配置されることになる。その結果、画像形成装置の使用状況に応じて転写残トナーの予備荷電が必要になる場合があり、クリーニングユニット自体が大型化する、高圧電源が1~2系統追加になる、バイアスクリーニングのための余分な動作が必要になる、等の欠点がある。従って、本体小型化・低コスト化、清掃性の観点からは、本実施形態ではブレードクリーニング方式を採用する。
【0022】
一方、プリンタ本体100の下部には、記録紙Pを収容した給紙トレイ22や、給紙トレイ22から記録紙Pを搬出する給紙ローラ23等が設けられている。ここで、記録紙Pには、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシートなど、画像が形成される対象となり得る記録材(紙以外の材質のものを含む。)が含まれる。また、手差しトレイにセットされた記録紙が搬送される手差し口42を有している。
【0023】
プリンタ本体100内には、記録紙Pを給紙トレイ22や手差しトレイから二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路が配設されている。本構成において、給紙は縦型パスをとっている。搬送路において、二次転写ローラ25の位置よりも記録紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ記録紙Pを搬送する搬送手段としてのレジストローラ対24が配設されている。
【0024】
また、二次転写ローラ25の位置よりも記録紙搬送方向下流側には、記録紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置40が配設されている。
【0025】
以上の構成を備えた画像形成装置の基本動作は次の通りである。
画像形成動作が開始されると、各プロセスユニット10における各感光体1が駆動装置によって図中時計回り方向に回転駆動される。各感光体1の表面にはローラ形状の帯電ローラ2が圧接されており、感光体1の回転に従動して帯電ローラ2が回転する。そして、高圧電源によりDC電圧またはDC電圧にAC電圧が重畳されたバイアスを帯電ローラ2に印加することで、感光体1の表面が帯電ローラ2によって所定の極性に一様帯電される。
【0026】
帯電された各感光体1の表面には、露光装置3から書込光がそれぞれ照射され、各感光体1の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体1に露光する画像情報は、所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。なお、この露光工程は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナやLEDなどで行われる。
【0027】
このように各感光体1上に形成された静電潜像に、各現像装置4によって現像ローラ上に担持されたトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー像として顕像化(可視像化)される。なお、この現像工程では、高圧電源から現像装置4の現像ローラに所定の現像バイアスが印加される。
【0028】
また、画像形成動作が開始されると、二次転写対向ローラ21が図中反時計回り方向に回転駆動し、中間転写ベルト15を図中矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ5に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧または定電流制御された所定の転写バイアスが印加される。これにより、各一次転写ローラ5と各感光体1との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
【0029】
その後、各感光体1の回転に伴い、感光体1上の各色のトナー像が一次転写ニップに達したときに、当該一次転写ニップにおいて形成された転写電界により、各感光体1上のトナー像が中間転写ベルト15上に順次重ね合わせて転写される。このようにして、中間転写ベルト15の表面にフルカラーのトナー像が担持される。
【0030】
また、中間転写ベルト15に転写しきれなかった各感光体1上のトナーは、クリーニング装置7によって除去される。その後、潤滑剤供給部8によって潤滑剤が供給されたり、除電装置によって各感光体1の表面が除電されて表面電位が初期化されたりする。
【0031】
プリンタ本体100の下部では、給紙ローラ23が回転駆動を開始し、給紙トレイ22から記録紙Pが搬送路に送り出される。搬送路に送り出された記録紙Pは、中間転写ベルト15表面のトナー像先端部が二次転写ローラ25と二次転写対向ローラ21との間の二次転写ニップに到達するタイミングに合うようにレジストローラ対24によって二次転写ニップに送られる。このとき、二次転写ローラ25には、中間転写ベルト15上のトナー像のトナー帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
【0032】
その後、中間転写ベルト15の回転に伴って、中間転写ベルト15上のトナー像が二次転写ニップに達したときに、当該二次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト15上のトナー像が記録紙P上に一括して転写される。
【0033】
このとき、記録紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト15上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置32によって除去される。除去されたトナーはトナー搬送経路を通り、中間転写ベルト15と給紙トレイ22との間に配設された廃トナー収容器33へ搬送され回収される。
【0034】
記録紙Pは二次転写対向ローラ21の曲率によって中間転写ベルト15から分離され、定着装置40へと搬送され、定着装置40によって熱と圧力により記録紙P上のトナー像が記録紙Pに定着される。そして、記録紙Pは、排出口41から装置外へ排出される。
このようにして、本実施形態に係るプリンタにおける一連の画像形成プロセスが完了する。
【0035】
また、本実施形態のプリンタは、中間転写ベルト15を、Bk色のプロセスユニット以外のプロセスユニットの感光体1に対して接離するベルト接離機構を有している。フルカラー画像形成時は、中間転写ベルト15を各感光体1に当接するようにベルト接離機構を制御する。モノクロ画像形成時は、Bk色のプロセスユニット以外のプロセスユニットの感光体1から中間転写ベルト15が離間するようにベルト接離機構を制御する。
【0036】
なお、プロセスユニット10と中間転写ベルトとの配置関係は、
図1に示す配置関係に限らず、
図2に示すように、各プロセスユニット10の上方に、中間転写体たる中間転写ベルト15を設けてもよい。
【0037】
図3は、本実施形態におけるプロセスユニット10の一例を示す概略構成図である。
本実施形態のプロセスユニット10は、
図3に示すように、潤滑剤供給手段としての潤滑剤供給部8を有している。潤滑剤供給部8は、発泡体ローラからなる潤滑剤供給部材8a、固形潤滑剤8bと、押圧力付与機構8c、潤滑層形成機構8d等から、主に構成されている。
【0038】
固形潤滑剤8bは、押圧力付与機構8cからの押圧力により、潤滑剤供給部材8aに接する。潤滑剤供給部材8aは回転駆動され、固形潤滑剤8bを摺擦して削り取った粉体状の潤滑剤を感光体1の表面に塗布により供給する。潤滑剤供給部材8aは感光体1と線速差をもって回転して摺擦し、この際に、潤滑剤供給部材8aの表面に保持された粉体状の潤滑剤を感光体表面に供給する。
【0039】
感光体1の表面には、転写工程後に部分的に劣化した潤滑剤やトナー等が残存するため、クリーニングブレード6により表面残存物が清掃され、感光体表面の残留トナーや劣化した潤滑剤が取り除かれる。よって、潤滑剤供給部材8aから潤滑剤は、クリーニングされた感光体表面に供給され、潤滑層形成機構8dにより均されて粉体状の潤滑剤が薄層化し、これにより感光体表面に潤滑層が形成される。
【0040】
次に、本実施形態における固形潤滑剤8bについて説明する。
本実施形態では、感光体表面のクリーニング性を向上させるための潤滑剤の使用を前提としている。本実施形態における固形潤滑剤8bは、潤滑剤からなる又は潤滑剤を含むものであり、感光体1の回転軸方向にわたって長尺なブロック形状をなしている。
【0041】
固形潤滑剤8bの材料としては、均一に素早く感光体表面に延展し、感光体表面を被覆すると同時に、クリーニングブレード6を保護するために潤滑性を付与する働きを持つ材料が好ましい。具体的には、無機潤滑剤、脂肪酸金属塩、ワックス類、オイル類、フッ素樹脂等が挙げられる。本実施形態において、固形潤滑剤8bは、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を含み、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を混合して用いる。
【0042】
本実施形態において、固形潤滑剤8bの形態としては、供給量の調整が容易であること、装置の小型化が図れること等から、ブロック状に成形されたものを用いる。本実施形態における固形潤滑剤8bを潤滑剤バー、潤滑剤ブロックなどと称してもよい。
【0043】
固形潤滑剤8bの成形方法としては、適宜選択することができ、例えば、材料を溶融して型に流し込んだ後に冷却固化させる溶融成形、粉体材料をそのまま圧縮して成形品を得る圧縮成形等、公知の方法を用いることができる。本実施形態においては、硬度の調整が容易であることから、より弱い力で研削でき、感光体上に供給できる点で、圧縮成形が好ましく用いられる。
【0044】
脂肪酸金属塩(A)としては、例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。また、これらの混合物を使用してもよい。
【0045】
中でも、ステアリン酸亜鉛が特に感光体1への成膜性に優れることから、本実施形態では、潤滑剤の主成分として使用する。なお、本実施形態でいう主成分とは、潤滑剤全体に占める重量比が50%よりも多いことを意味する。
【0046】
一方で、ステアリン酸亜鉛は均一成膜性に優れる反面、帯電のストレスによって変質しやすいことが挙げられる。通常の作像プロセスでは、転写後の残トナーを感光体上から除去する手段としてブレードクリーニング方式が採用されている。しかしながら、ステアリン酸亜鉛を使用すると、帯電ハザードが加わった際にステアリン酸亜鉛が変質して潤滑性が低下し、ブレードからトナーがすり抜けやすくなる傾向にある。
【0047】
クリーニングブレードをトナーがすり抜けると、そのトナーが直接画像に現れたり、帯電部材の汚染を加速させたりしてしまう結果を招く。このトナーすり抜けは、トナーの粒径が小さいほど、帯電ハザードが強くなるほど、顕著に表れる。同時に、トナーなどのすり抜けが多いと、クリーニングブレードを摩耗させてしまい、プロセスユニット10が短寿命になってしまう。
【0048】
上記を考慮し、本実施形態では、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を混合して用いる。本実施形態における無機潤滑剤(B)は、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。本実施形態において、脂肪酸金属塩(A)としてステアリン酸亜鉛を用いる場合、無機潤滑剤(B)には特に限定はない。
【0049】
本実施形態において、無機潤滑剤(B)としては、例えばタルク、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、カオリン、スメクタイト、ハイドロタルサイト化合物、フッ化カルシウム、グラファイト、板状アルミナ、セリサイト、合成マイカ等を用いることができる。
【0050】
中でも無機潤滑剤(B)としては、窒化ホウ素が好ましく、本実施形態では窒化ホウ素を用いる。窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑する。また、窒化ホウ素を用いることで、より感光体のクリーニング性に対する効果が大きくなる。なお、無機潤滑剤(B)は、疎水性付与等の目的で必要に応じて表面処理がなされていても良い。本実施形態において、無機潤滑剤(B)として窒化ホウ素を用いる場合、脂肪酸金属塩(A)には特に限定はなく、ステアリン酸亜鉛以外のものであってもよい。
【0051】
こうした潤滑剤は感光体表面に塗布されるが、作像プロセスを経て感光体表面から中間転写ベルト上に少量ずつ転移してしまうことがわかっている。その結果、経時で中間転写ベルト15のフィルミングを増長させることがわかってきた。
【0052】
このフィルミング現象は、中間転写ベルト15の両端部にあたる外側付着領域で特に顕著となる。理由としては、通紙領域では紙が潤滑剤を除去する効果をもたらすが、外側付着領域ではその効果が得られないためである。中間転写ベルト15上のフィルミングが悪化した場合、中間転写クリーニングブレード31と中間転写ベルト15との間の摩擦力が増大し、中間転写クリーニングブレード31のめくれ(ブレードめくれ)が発生する。
【0053】
本発明者らは、感光体1からの潤滑剤が付着する中間転写ベルト15上の付着領域の幅内の外側付着領域(少なくともA4横通紙幅の外側領域)におけるステアリン酸亜鉛や窒化ホウ素の付着量を、所定量以下に抑えることで、ブレードめくれの発生を抑制できることを見出した。
【0054】
ここで、ステアリン酸亜鉛や窒化ホウ素の付着量を把握する方法として、ATR(Attenuated Total Reflection)法赤外吸収スペクトルを利用する。ATR法は、赤外吸収スペクトルを測定する方法の一つで、全反射を利用し、高い屈折率を持つATRプリズムを試料に密着させ、ATRプリズムを通して赤外光を試料に照射し、ATRプリズムからの出射光を分光分析する。ATRプリズムと試料との屈折率の関係から、ある角度以上の条件で赤外光をプリズムに入射させると、赤外光はATRプリズムから出ず、ATRプリズムと試料との接触面で全反射を起こす。その際、赤外光が僅かの距離だけ試料側に滲みだすので、試料で赤外光の吸収があれば反射光が減衰し、試料の吸収スペクトルを得ることができる。
【0055】
ATR法は、ATRプリズムと接触したごく薄い試料部分の吸収スペクトルを測定することができるため、厚い試料や透過性の低い試料であっても、ATRプリズムと密着させることができれば測定できるという利点を備えている。また、ATR法を用いると、赤外光の吸収が起こる波数から官能基がわかるため、ATR法は定性分析によく用いられるが、試料を押さえる圧力によって、吸収スペクトルのピーク強度が変化するため定量分析には、基本的には用いられていなかった。しかしながら、ATR法で得られたピークの面積の比を指標として、潤滑剤の相対的な付着量を算出することができることがわかり、中間転写ベルト15上における潤滑剤の付着量がわかるようになった。
【0056】
詳しくは、未使用の中間転写ベルト15のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の中間転写ベルトのATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとる。そして、ステアリン酸亜鉛の付着量を得る場合には、この差分スペクトルにおける、中間転写ベルト由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率を、ステアリン酸亜鉛の付着量を示す指標値(以下「ZnST指標」という。)として用いる。また、窒化ホウ素の付着量を得る場合には、この差分スペクトルにおける、中間転写ベルト由来のピーク面積に対する窒化ホウ素由来のピーク面積の比率を、窒化ホウ素の付着量を示す指標値(以下「BN指標」という。)として用いる。
【0057】
本実施形態においては、これらのZnST指標やBN指標を用い、中間転写ベルト15上の外側付着領域におけるステアリン酸亜鉛や窒化ホウ素の指標値(ZnST指標やBN指標)を所定量以下に抑えることで、ブレードめくれの発生を抑制する。
【0058】
図4(a)~(d)は、本実施形態における外側付着領域を示す説明図である。
なお、本実施形態において、潤滑剤供給部8から潤滑剤が供給される感光体1上の潤滑剤供給領域の幅は、中間転写ベルト15の幅よりも広く、中間転写ベルト15の幅方向全域が感光体1上の潤滑剤供給領域の幅内に含まれる。したがって、本実施形態では、中間転写ベルト15上における外側付着領域の全域に、感光体1からの潤滑剤が付着することになる。
【0059】
図4(a)は、本実施形態のプリンタで使用可能な最大通紙幅(A3ノビ幅=329mm)と中間転写ベルト15のベルト幅との関係を図示したものである。
図4(a)の例は、最大通紙幅なので、
図4(a)に示す外側付着領域は、どのサイズの記録紙Pとも全く接触しない領域であるため、最もフィルミングが悪化しやすく、最もブレードめくれが発生しやすい領域である。したがって、中間転写クリーニングブレード31のめくれを発生させないようにするためには、最大通紙幅における外側付着領域のフィルミングの悪化を抑制することが有効であり、この外側付着領域のZnST指標やBN指標を所定値以下に抑えることが重要である。
【0060】
図4(b)は、一般によく使用されるA4サイズ横通紙の場合の通紙領域幅(=297mm)と中間転写ベルト15のベルト幅との関係を図示したものである。
図4(b)の例は、A4サイズ横通紙の記録紙Pが通過する通紙領域よりも幅方向外側が外側付着領域になる。一般には、A4サイズ横通紙以外にも、A3サイズなどの記録紙Pに対する画像形成も行われるので、A4サイズ横通紙時の外側付着領域のうち、最大通紙幅よりも内側の部分は、より幅の広いサイズの記録紙Pが通紙されることで、潤滑剤が除去され得る。しかしながら、A4サイズ横通紙が圧倒的に多い使用状況では、ときどき幅の広いサイズの記録紙Pが通紙される程度では潤滑剤を十分に除去できない。そのため、A4サイズ横通紙時の外側付着領域もフィルミングが悪化しやすく、ブレードめくれが発生しやすい領域である。特に、A4サイズ横通紙時の外側付着領域は、最大通紙幅のときの外側付着領域よりも広いため、フィルミングが悪化したときの中間転写ベルト15と中間転写クリーニングブレード31との間の摩擦力が上がりやすい。したがって、中間転写クリーニングブレード31のめくれを発生させないためには、A4サイズ横通紙時における外側付着領域のフィルミングの悪化を抑制することも重要であり、この外側付着領域のZnST指標やBN指標を所定値以下に抑えることが重要である。
【0061】
図4(c)は、A4サイズ縦通紙の場合の通紙領域幅(=210mm)と中間転写ベルト15のベルト幅との関係を図示したものである。
図4(d)は、ハガキ通紙の場合の通紙領域幅(=148mm)と中間転写ベルト15のベルト幅との関係を図示したものである。
図4(c)や
図4(d)に示す例も、
図4(b)の例と同様、それぞれの幅の通紙ばかりで画像形成が行われる場合には、その外側付着領域もフィルミングが悪化しやすく、ブレードめくれが発生しやすい領域である。特に、
図4(c)や
図4(d)の例の外側付着領域は、最大通紙幅のときよりも広く、更には
図4(b)の例よりも広いため、フィルミングが悪化したときの中間転写ベルト15と中間転写クリーニングブレード31との間の摩擦力が上がりやすい。したがって、中間転写クリーニングブレード31のめくれを発生させないためには、
図4(c)及び(d)の例における外側付着領域のフィルミングの悪化を抑制することも重要であり、外側付着領域のZnST指標やBN指標を所定値以下に抑えることが重要である。
【0062】
次に、フィルミング物質の定量化方法(指標値の算出方法)について説明する。
ブレードめくれを悪化させる中間転写ベルト15上の主なフィルミング物質は、ステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素であることが、本発明者らの研究の結果、判明している。そこで、本実施形態では、中間転写ベルト15上のステアリン酸亜鉛及び窒化ホウ素を、以下の定量化方法によって定量化する。そして、その定量化した指標値(ZnST指標、BN指標)を用いて、中間転写ベルト15上でブレードめくれが発生しないための外側付着領域(少なくともA4横通紙幅の外側領域)におけるフィルミング物質の付着量を所定量以下に抑える。
【0063】
図5(a)は、未使用の中間転写ベルト15について、外側付着領域のATR法赤外吸収スペクトルを計測した結果を示すグラフである。
図5(b)は、使用後の中間転写ベルト15について、外側付着領域のATR法赤外吸収スペクトルを計測した結果を示すグラフである。
【0064】
ATR法赤外吸収スペクトルの計測は、FT/IR-6100(日本分光社製)を用いた。計測は、中間転写ベルトをサンプル片に切断することなく、中間転写ユニットから中間転写ベルトを取り外した状態で非破壊で計測した。中間転写ベルト上の測定箇所をFT/IR-6100の計測部に約3kgfの力で押圧して計測した。未使用および使用後の各中間転写ベルトに対してATR法IR分析を行った結果、得られたIRスペクトル(吸光度スペクトル)が、
図5(a)及び(b)である。
【0065】
図5(a)及び(b)の各スペクトル中には、それぞれ、中間転写ベルト15に含まれるカーボネート結合由来のピークa(すなわち、中間転写ベルト由来のピークa)が1718.93cm
-1に見られた。また、
図5(b)の使用後のスペクトル中には、ステアリン酸亜鉛由来のピークbが2918cm
-1に見られ、窒化ホウ素由来のピークcが1370cm
-1に見られた。
図5(b)の使用後のスペクトル中のステアリン酸亜鉛のピークb及び窒化ホウ素由来のピークcは、中間転写ベルト由来のピーク(ピークa等)との重なりはなかった。
【0066】
図6は、未使用の中間転写ベルト15のATR法赤外吸収スペクトルと使用後の中間転写ベルト15のATR法赤外吸収スペクトルとの差分をとった差分スペクトルを示すグラフである。
図6に示す差分スペクトルを得たら、この差分スペクトルから、中間転写ベルト由来のピークaについてのピーク面積Saを、ベース波数領域とピーク波数領域を用いて算出する。このとき、ベース波数領域は1690.301~1760.690cm
-1であり、ピーク波数領域は1707.657~1732.728cm
-1である。
【0067】
また、
図6に示す差分スペクトルから、ステアリン酸亜鉛由来のピークbについてのピーク面積Sbを、ベース波数領域とピーク波数領域を用いて算出する。このとき、ベース波数領域は2879.201~2988.159cm
-1であり、ピーク波数領域は2910.057~2925.484cm
-1である。
【0068】
また、
図6に示す差分スペクトルから、窒化ホウ素由来のピークcについてのピーク面積Scを、ベース波数領域とピーク波数領域を用いて算出する。このとき、ベース波数領域は1336.428~1430.922cm
-1であり、ピーク波数領域は1367.283~1381.747cm
-1である。
【0069】
そして、ステアリン酸亜鉛の付着量を示す指標値であるZnST指標として、中間転写ベルト由来のピーク面積Saに対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積Sbの比率(=Sb/Sa)を算出する。また、窒化ホウ素の付着量を示す指標値であるBN指標として、中間転写ベルト由来のピーク面積Saに対する窒化ホウ素由来のピーク面積Scの比率(=Sc/Sa)を算出する。
【0070】
次に、フィルミング物質の付着量とブレードめくれの発生との関連性について評価した評価試験を示す。
本評価試験では、外側付着領域におけるフィルミング物質の量が変わるようにそれぞれの条件1~条件7で作成した中間転写ベルトに対し、ブレードめくれの評価を実施した。
【0071】
条件1~7の中間転写ベルトの作成方法について説明する。
中間転写ベルトの作成は、リコー製複写機MP C5503を用いて以下の条件で行った。
・評価環境:23℃50%
・ランニングチャート:フルカラー縦帯2%チャート(
図7)、A4横
・連続通紙、両面
上記の条件で、通紙枚数を10000枚、20000枚というように1万枚ずつ印刷枚数を変えて、外側付着領域におけるフィルミング物質の量を変えた中間転写ベルトを作成した。
【0072】
表1は、各条件1~7におけるZnST指標とブレードめくれの発生の有無とを示す表である。表2は各、条件1~7におけるBN指標とブレードめくれの発生の有無とを示す表である。
【0073】
【0074】
【0075】
表1、表2のZnST指標、BN指標は、ラン後の中間転写ベルト上で、A4横通紙幅の外側領域であってトナー入力のない領域を、上述したATR法赤外吸収スペクトルの計測方法によって測定した。
【0076】
また、ブレードめくれの評価は、上記の条件1~7の中間転写ベルトに張り替えたリコー製複写機MP C5503を用いて行った。中間転写ベルトの張り替えごとにクリーニングブレードも新品に交換して、以下の条件にてブレードめくれの有無を評価した。
・評価環境:32℃54%
・クリーニングブレード:新品
・クリーニングブレード線圧:28N/m
・ランニングチャート:フルカラー縦帯2%チャート(
図7)、A4横
・連続通紙、両面
上記の条件で、中間転写ベルトクリーニングブレード近傍の温度が40℃以上になるように動作させ、中間転写ベルトクリーニングブレード近傍の温度が40℃以上になった後、
図8に示す単色Bk横帯チャート(A4横)を連続、両面印刷で500枚通紙して、ブレードめくれの発生の有無を確認した。
【0077】
表1に示すように、ZnST指標が0.892以下である場合にはブレードめくれが発生しないことが判明した。
また、表2に示すように、BN指標が1.152以下である場合にはブレードめくれが発生しないことが判明した。
【0078】
次に、本実施形態において、中間転写ベルト15の外側付着領域におけるZnST指標を0.892以下とし、あるいは、BN指標を1.152以下とする方法について、説明する。
【0079】
本実施形態における前記方法の一例としては、所定のフィルミング除去タイミングで、中間転写ベルト15の外側付着領域にトナーを付着させる動作を実行する方法が挙げられる。例えば、外側付着領域に対応する感光体上の領域にフィルミング除去用のトナーパターンを作成し、このトナーパターンを中間転写ベルト15上に転写すればよい。このとき、通紙領域に対応する領域にもトナーパターンを作成してもよい。中間転写ベルト15に転写されたトナーパターンは、記録紙P上に二次転写せず、そのまま二次転写領域を通過させて、中間転写クリーニングブレード31に到達させるのが好ましい。
【0080】
この方法によれば、中間転写ベルト15の外側付着領域に付着したトナーが研磨剤として機能し、当該外側付着領域に付着したフィルミング物質(ステアリン酸亜鉛、窒化ホウ素)を除去することができる。その結果、フィルミング除去タイミングを適切に設定することで、ZnST指標を0.892以下、BN指標を1.152以下に抑えることができる。
【0081】
本実施形態における前記方法の他の例としては、潤滑剤供給部8において、外側付着領域に対応する感光体上の領域へ供給される潤滑剤の供給量が、通紙領域に対応する感光体上の領域へ供給される潤滑剤の供給量よりも少なくなるようにする方法が挙げられる。
【0082】
例えば、潤滑剤供給部材8aによる固形潤滑剤8bの削れ量を、外側付着領域に対応する感光体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤の削れ量の方が、通紙領域に対応する感光体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤の削れ量の方よりも少なくなるようにする。具体的には、例えば、潤滑剤供給部材8aの削り能力をこれらの領域間で異ならせたり、固形潤滑剤8bの硬さ(摺擦による削られにくさ)をこれらの領域間で異ならせたりする。
【0083】
上述したように固形潤滑剤8bの硬さを異ならせる場合には、例えば、以下のようにすればよい。外側付着領域に対応する感光体上の領域へ供給される潤滑剤が削り取られる部分の密度よりも、通紙領域に対応する感光体上の領域へ供給される潤滑剤が削り取られる部分の密度の方が低くなるように、粉体状の潤滑剤を圧縮成型する。
【0084】
また、例えば、固形潤滑剤8bにおけるステアリン酸亜鉛及び窒化ホウ素のうちの少なくとも一方の単位体積当たりの含有量を、以下のようにしてもよい、すなわち、当該含有量を、外側付着領域に対応する感光体上の領域へ供給される潤滑剤の部分の方が、通紙領域に対応する感光体上の領域へ供給される潤滑剤の部分よりも少なくする。
【0085】
なお、本実施形態においては、固形潤滑剤8bから削り取った粉体状の潤滑剤を感光体の表面に供給する潤滑剤供給部8によって潤滑剤を供給する構成を例に挙げたが、潤滑剤の供給方法は、これに限られない。例えば、トナーにステアリン酸亜鉛を添加して、トナーと共に感光体上に潤滑剤を供給する方法を採用してもよい。上述したZnST指標、BN指標についての所定量は、潤滑剤供給方法に依存しないものである。
【0086】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、ステアリン酸亜鉛を含む潤滑剤が供給される潜像担持体(例えば感光体1)表面上のトナー像を中間転写体(例えば中間転写ベルト15)に一次転写した後に該中間転写体から記録紙P上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレード(例えば中間転写クリーニングブレード31)でクリーニングする画像形成装置であって、前記中間転写体上の前記付着領域の幅内の外側付着領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積Saに対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積Sbの比率Sb/Saが0.892以下であることを特徴とするものである。
潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行する画像形成装置では、従来、二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードのめくれという不具合が生じ得る。これは、クリーニングブレードと中間転写体との間の摩擦力が経時的に大きくなり、その結果、クリーニングブレードのめくれが発生するものである。
本発明者らの研究の結果、中間転写体をクリーニングするクリーニングブレードのめくれ(以下「ブレードめくれ」という。)が発生する原因は、以下のとおりであると考えられる。
長期にわたって潜像担持体表面の潤滑性を維持するなどの目的で、ステアリン酸亜鉛を含む潤滑剤を潜像担持体表面に供給する画像形成装置では、潜像担持体表面に供給された潤滑剤が中間転写体へ転移する。これにより、中間転写体の表面上に転移した潤滑剤のステアリン酸亜鉛がフィルミングを生じさせ、このフィルミングが悪化すると、中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードと中間転写体との間の摩擦力が大きくなり、ブレードめくれが発生する。ただし、中間転写体の表面上の領域のうち、通紙領域では、画像形成動作時における記録材との接触により中間転写体上のステアリン酸亜鉛が除去されるので、フィルミングが悪化しにくい。これに対し、中間転写体の表面上の領域のうち、外側付着領域では、画像形成動作時に記録材と接触しないため、中間転写体上のステアリン酸亜鉛が除去されず、フィルミングが悪化する。そして、クリーニングブレードは、このような外側付着領域にも接触していることから、外側付着領域のフィルミング悪化により、ブレードめくれが発生する。
そして、本発明者らは、潜像担持体からの潤滑剤が付着する中間転写体上の付着領域の幅内の外側付着領域におけるステアリン酸亜鉛の付着量を、所定量以下に抑えることで、ブレードめくれの発生を抑制できることを見出した。
詳しくは、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとる。そして、この差分スペクトルにおける、中間転写体由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率を、ステアリン酸亜鉛の付着量を示す指標値として用い、この比率を0.892以下になるようにする。これにより、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0087】
[第2態様]
第2態様は、窒化ホウ素を含む潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置であって、前記中間転写体上の前記付着領域の幅内の外側付着領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積Saに対する窒化ホウ素由来のピーク面積Scの比率Sc/Saが1.152以下であることを特徴とするものである。
上述したステアリン酸亜鉛と同様、中間転写体の表面上に転移した潤滑剤の窒化ホウ素がフィルミングを生じさせ、このフィルミングが悪化すると、中間転写体の表面をクリーニングするクリーニングブレードと中間転写体との間の摩擦力が大きくなり、ブレードめくれが発生する。
そして、本発明者らは、潜像担持体からの潤滑剤が付着する中間転写体上の付着領域の幅内の外側付着領域における窒化ホウ素の付着量を、所定量以下に抑えることで、ブレードめくれの発生を抑制できることを見出した。
詳しくは、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとる。そして、この差分スペクトルにおける、中間転写体由来のピーク面積に対する窒化ホウ素由来のピーク面積の比率を、窒化ホウ素の付着量を示す指標値として用い、この比率を1.152以下になるようにする。これにより、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域の窒化ホウ素の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0088】
[第3態様]
第3態様は、ステアリン酸亜鉛及び窒化ホウ素を含む潤滑剤が供給される潜像担持体表面上のトナー像を中間転写体に一次転写した後に該中間転写体から記録紙上に二次転写する画像形成動作を実行するとともに、該潜像担持体表面上の潤滑剤が付着する付着領域を含む二次転写後の中間転写体の表面をクリーニングブレードでクリーニングする画像形成装置であって、前記中間転写体上の前記付着領域の幅内の外側付着領域について、未使用の中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルと、使用後の該中間転写体のATR法赤外吸収スペクトルとの間の差分スペクトルをとったとき、中間転写体由来のピーク面積に対するステアリン酸亜鉛由来のピーク面積の比率が0.892以下であり、かつ、中間転写体由来のピーク面積に対する窒化ホウ素由来のピーク面積の比率が1.152以下であることを特徴とするものである。
これによれば、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0089】
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、固形潤滑剤8bから削り取った粉体状の前記潤滑剤を前記潜像担持体の表面に供給する潤滑剤供給手段(例えば潤滑剤供給部8)を有し、前記潤滑剤供給手段は、前記外側付着領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤の削り取り量が、通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤の削り取り量よりも少ないことを特徴とするものである。
これによれば、中間転写体上の外側付着領域に付着する潤滑剤の量が抑えられるので、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛又は窒化ホウ素の付着量が抑えられる。よって、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0090】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記固形潤滑剤8bは、前記ステアリン酸亜鉛及び前記窒化ホウ素のうちの少なくとも一方の単位体積当たりの含有量について、前記外側付着領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の方が、前記通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分よりも少ないことを特徴とするものである。
これによれば、中間転写体上の外側付着領域に付着する潤滑剤のうち、ブレードめくれの原因物質(フィルミング物質)であるステアリン酸亜鉛又は前記窒化ホウ素の量が抑えられる。よって、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛又は窒化ホウ素の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0091】
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記固形潤滑剤8bは、前記ステアリン酸亜鉛及び前記窒化ホウ素の両方を含有しており、前記窒化ホウ素の含有量は、前記外側付着領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の方が、前記通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分よりも少なく、前記ステアリン酸亜鉛の含有量は、いずれの部分でも均一であることを特徴とするものである。
これによれば、ステアリン酸亜鉛による潤滑剤としての機能を通紙領域及び外側付着領域の両方にわたって均一に付与できるとともに、中間転写体上の外側付着領域に付着する窒化ホウ素の量が抑えられる。よって、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域の窒化ホウ素の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0092】
[第7態様]
第7態様は、第4乃至第6態様のいずれかにおいて、前記固形潤滑剤8bは、前記外側付着領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の密度よりも、前記通紙領域に対応する潜像担持体上の領域へ供給される粉体状の潤滑剤が削り取られる部分の密度の方が低くなるように、粉体状の潤滑剤を圧縮成型したものであることを特徴とするものである。
これによれば、中間転写体上の外側付着領域に付着する潤滑剤の量が抑えられるので、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛又は窒化ホウ素の付着量が抑えられる。よって、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0093】
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記トナー像を構成するトナーに前記潤滑剤が添加されていることを特徴とするものである。
トナーは通紙領域内には付着するが、外側付着領域には付着しないので、中間転写体上の外側付着領域に付着する潤滑剤の量が抑えられる。よって、ブレードめくれを発生させるほどのフィルミング悪化を生じさせない程度に、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛又は窒化ホウ素の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【0094】
[第9態様]
第9態様は、第1乃至第8態様のいずれかにおいて、所定のフィルミング除去タイミングで、前記外側付着領域に対応する中間転写体上の領域へトナーを付着させることを特徴とするものである。
これによれば、トナーによる研磨機能を利用して、中間転写体の外側付着領域に付着したステアリン酸亜鉛又は窒化ホウ素を除去することができる。したがって、当該外側付着領域のステアリン酸亜鉛又は窒化ホウ素の付着量が抑えられ、ブレードめくれの発生が抑制される。
【符号の説明】
【0095】
1 :感光体
2 :帯電ローラ
3 :露光装置
4 :現像装置
5 :一次転写ローラ
7 :クリーニング装置
8 :潤滑剤供給部
8a :潤滑剤供給部材
8b :固形潤滑剤
8c :押圧力付与機構
8d :潤滑層形成機構
10 :プロセスユニット
15 :中間転写ベルト
16 :クリーニングバックアップローラ
20 :テンションローラ
21 :二次転写対向ローラ
22 :給紙トレイ
23 :給紙ローラ
24 :レジストローラ対
25 :二次転写ローラ
31 :中間転写クリーニングブレード
32 :ベルトクリーニング装置
40 :定着装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】