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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105618
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】ガス分析装置、及び、ガス分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/03 20060101AFI20230724BHJP
   G01L 9/12 20060101ALI20230724BHJP
   G01N 21/3504 20140101ALI20230724BHJP
   G01N 21/39 20060101ALI20230724BHJP
【FI】
G01N21/03 B
G01L9/12
G01N21/3504
G01N21/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006561
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 基延
(72)【発明者】
【氏名】岸田 創太郎
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 朗
(72)【発明者】
【氏名】赤松 武
(72)【発明者】
【氏名】坂口 有平
(72)【発明者】
【氏名】南 雅和
【テーマコード(参考)】
2F055
2G057
2G059
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD20
2F055EE25
2F055FF01
2G057AA01
2G057AB02
2G057AB04
2G057AB06
2G057AC03
2G057BA01
2G057BB04
2G057BB09
2G057DA03
2G059AA01
2G059BB01
2G059EE01
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG09
2G059HH01
2G059JJ13
2G059JJ22
2G059KK02
2G059KK09
2G059MM01
2G059MM16
2G059MM19
2G059NN04
(57)【要約】
【課題】圧力センサを温調しつつ、ガス分析装置を小型化する。
【解決手段】ガスが導入されるガスセルと、ガスセルを温調する温調ブロックと、ガスセル内部の圧力を測定する圧力センサとを備え、圧力センサは、温調ブロック及び/又はガスセルに内蔵されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが導入されるガスセルと、
前記ガスセルを温調する温調ブロックと、
前記ガスセル内部の圧力を測定する圧力センサとを備え、
前記圧力センサは、前記温調ブロック及び/又は前記ガスセルに内蔵されている、ガス分析装置。
【請求項2】
前記圧力センサは、静電容量型のものである、請求項1に記載のガス分析装置。
【請求項3】
前記圧力センサは、感圧要素を有するセンサ本体を有し、
前記センサ本体は、フランジ部材により前記ガスセルに固定されるとともに、前記フランジ部材を介して前記温調ブロックにより温調される、請求項1又は2に記載のガス分析装置。
【請求項4】
前記センサ本体の外側周面と前記フランジ部材との間に隙間が形成されている、請求項3に記載のガス分析装置。
【請求項5】
前記センサ本体のセンサ面とは反対側の後端面を隙間を空けて覆うカバー部をさらに備えている、請求項4に記載のガス分析装置。
【請求項6】
前記センサ本体の外側周面に鍔部が形成されており、
前記フランジ部材は、前記ガスセルに固定される固定部と、当該固定部から延びて前記センサ本体の前記鍔部に接続される支持部とを有している、請求項3乃至5の何れか一項に記載のガス分析装置。
【請求項7】
前記圧力センサは、検出信号を処理する基板部を有しており、
前記基板部は、信号ケーブルを介して前記温調ブロックの外部に設けられている、請求項1乃至6の何れか一項に記載のガス分析装置。
【請求項8】
前記温調ブロックは、複数のヒータを有しており、
前記複数のヒータは、それぞれ個別に温度制御される、請求項1乃至7の何れか一項に記載のガス分析装置。
【請求項9】
ガスが導入されるガスセルと、前記ガスセルを温調する温調ブロックと、前記ガスセル内部の圧力を測定する圧力センサとを備え、前記圧力センサは、前記温調ブロック及び/又は前記ガスセルに内蔵されているガス分析装置を用いたガス分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス分析装置、及び、ガス分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
赤外吸収法を用いてガスの成分濃度を測定するガス分析装置では、特許文献1に示すように、成分濃度を精度良く測定するために、ガスセル内部の圧力を用いている。そして、ガスセル内部の圧力を精度良く測定するためには、圧力センサをガスセルに配管などを介さずに直接設置する方法が考えられている。
【0003】
ここで、上記の圧力センサとしては、例えば静電容量型の圧力センサが用いられている。この静電容量型の圧力センサは、圧力によって変形するダイアフラムと、当該ダイアフラムに対向して設けられた固定電極とを有し、それらの間に形成される静電容量を圧力に変換するものである。
【0004】
しかしながら、上記のダイアフラムは温度によっても変形が発生するので、圧力を精度良く測定するためには、ダイアフラムを有するセンサ本体を均一に温調する必要がある。このため、圧力センサのセンサ本体の周囲には、センサ用の温調機構が設けられている。このようにセンサ用の温調機構を有する圧力センサをガスセルに取り付けると、ガス分析装置が大型化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-230011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上述したような問題に鑑みてなされたものであり、圧力センサを温調しつつ、ガス分析装置を小型化することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係るガス分析装置は、ガスが導入されるガスセルと、前記ガスセルを温調する温調ブロックと、前記ガスセル内部の圧力を測定する圧力センサとを備え、前記圧力センサは、前記温調ブロック及び/又は前記ガスセルに内蔵されていることを特徴とする。
【0008】
このようなガス分析装置であれば、圧力センサが温調ブロック及び/又はガスセルに内蔵されているので、温調ブロックにより圧力センサを温調することができる。その結果、圧力センサを温調するための温調機構を別途設ける必要が無く、ガス分析装置を小型化することができる。また、圧力センサを温調することにより、圧力の測定精度を向上することができ、ひいてはガスの成分濃度を高精度に測定できるようにある。さらに、圧力センサをガスセルに内蔵して取り付けることにより、光路(濃度測定箇所)と補正に使う圧力検知箇所との距離が可及的に小さくなり、応答時間のズレが小さくなるので、濃度指示値の精度を向上することができる。
【0009】
ガスセルが低圧(例えば10Torr(約1333Pa)以下、更には、1Torr(約133Pa)以下)の場合であっても精度良くガスの成分濃度を算出するためには、精度良く圧力を測定することが必要となる。このためには、前記圧力センサは、静電容量型のものであることが望ましい。
【0010】
前記圧力センサは、感圧要素を有するセンサ本体を有し、前記センサ本体は、フランジ部材により前記ガスセルに固定されるとともに、前記フランジ部材を介して前記温調ブロックにより温調されることが望ましい。
この構成であれば、センサ本体がフランジ部材を介して間接的に温調されるので、外乱影響による温度変化の伝搬が緩やかとなり、外乱影響を受けにくくすることができる。また、センサ本体の熱分布を生じにくくすることができる。その結果、精度良く圧力を測定することができる。
【0011】
前記センサ本体の外側周面と前記フランジ部材との間に隙間が形成されていることが望ましい。
このように隙間を形成することによって、センサ本体の熱分布を生じにくくしつつ、センサ本体を温調することができ、精度良く圧力を測定することができる。
【0012】
前記センサ本体のセンサ面とは反対側の後端面を隙間を空けて覆うカバー部をさらに備えていることが望ましい。
センサ本体の外側周面だけでなく、センサ本体の後端面に隙間を形成することによって、センサ本体の熱分布をより一層生じにくくしつつ、センサ本体を温調することができ、精度良く圧力を測定することができる。
【0013】
センサ本体をガスセルに固定するための具体的な実施の態様としては、前記センサ本体の外側周面に鍔部が形成されており、前記フランジ部は、前記ガスセルに取り付けられる取り付け部と、当該取り付け部から延びて前記センサ本体の前記鍔部に接続される支持部とを有していることが望ましい。
【0014】
前記圧力センサは、検出信号を処理する基板部を有しており、前記基板部は、信号ケーブルを介して前記温調ブロックの外部に設けられていることが望ましい。
この構成であれば、基板部を熱源(ここでは温調ブロック)から離すことができるので、基板部への熱影響を低減することができる。
【0015】
前記温調ブロックは、複数のヒータを有しており、前記複数のヒータは、それぞれ個別に温度制御されることが望ましい。
この構成であれば、例えば温調ブロックを圧力センサの温調とガスセルの温調とで温度制御エリアを分ける等のように、適切な温調を行うことができる。
【0016】
また、本発明に係るガス分析方法は、ガスが導入されるガスセルと、前記ガスセルを温調する温調ブロックと、前記ガスセル内部の圧力を測定する圧力センサとを備え、前記圧力センサは、前記温調ブロック及び/又は前記ガスセルに内蔵されているガス分析装置を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上に述べた本発明によれば、圧力センサを温調しつつ、ガス分析装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るガス分析装置の構成を模式的に示す図である。
図2】同実施形態における信号処理装置の機能ブロック図である。
図3】同実施形態におけるレーザ発振波長の変調方法を示す模式図である。
図4】同実施形態における発振波長、光強度I(t)、対数強度L(t)、特徴信号F(t)、相関値Sの一例を示す時系列グラフである。
図5】同実施形態の単独相関値及びサンプル相関値を用いた濃度又は分圧算出の概念図を示す図である。
図6】同実施形態の圧力センサ及びその周辺構造を模式的に示す部分拡大断面図である。
図7】変形実施形態の圧力センサ及びその周辺構造を模式的に示す部分拡大断面図である。
図8】変形実施形態の圧力センサ及びその周辺構造を模式的に示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態に係るガス分析装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0020】
<装置構成>
本実施形態のガス分析装置100は、半導体製造装置に組み込まれて使用されるものであり、例えば半導体製造プロセスに用いる材料ガス又は半導体製造プロセスにより生じる副生成ガス(以下、単に「ガス」という。)に含まれる測定対象成分の濃度又は分圧を赤外吸収法により測定するものである。
【0021】
具体的にガス分析装置100は、図1に示すように、ガスが導入されるガスセル2と、ガスセル2に光を照射する光照射部3と、ガスセル2を通過した光を検出する光検出部4と、光検出部4の出力信号を用いてガスに含まれる成分濃度を演算する信号処理装置5とを備えている。
【0022】
ガスセル2は、多重反射セルであり、光を入射及び射出させる光学窓2Wが形成されており、内部に一対の反射ミラーM1、M2が設けられている。一方の反射ミラーM1には、光学窓2Wから入射した光を一対の反射ミラーM1、M2の間に導入するとともに、一対の反射ミラーM1、M2で多重反射された光を導出して光学窓2Wから光検出部4に導出するための光通過部M1aが形成されている。
【0023】
なお、ガスセル2は、耐食性を有する材料、例えばSUS316L等のステンレス鋼により形成されている。また、光学窓2Wは、測定対象成分の吸収波長帯域において光の吸収がほとんどない石英、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、サファイア又はセレン化亜鉛等の透明材質により形成されている。
【0024】
また、ガスセル2を形成する一対の対向壁2a、2bにおいて、一方の対向壁2aには、ガス導入ポートP1が形成されており、ガス導入ポートP1には、上流側配管H1が接続されている。さらに、一方の対向壁2aには、一対の反射ミラーM1、M2が固定されている。他方の対向壁2bには、ガス導出ポートP2が形成されており、ガス導出ポートP2には、下流側配管H2が接続されている。
【0025】
ガスセル2の周囲には、ガスセル2を温調する温調ブロック6が設けられている。また、ガスセル2には、ガスセル2内部の圧力を測定する圧力センサ7が設けられている。温調ブロック6及び圧力センサ7については、後述の<圧力センサ7及びその周辺構造について>において説明する。
【0026】
本実施形態の光照射部3は、レーザ光源31と、当該レーザ光源31からのレーザ光をガスセル2に導く反射ミラーなどの光学系32とを有している。
【0027】
本実施形態のレーザ光源31は、半導体レーザである。具体的にレーザ光源31は、半導体レーザの一種である量子カスケードレーザ(QCL:Quantum Cascade Laser)であり、中赤外(2.5~25μm)のレーザ光を発振する。このレーザ光源31は、与えられた電流(又は電圧)によって、発振波長を変調する(変える)ことが可能なものである。なお、発振波長が可変でさえあれば、他のタイプのレーザを用いても良く、発振波長を変化させるために、温度を変化させる等しても構わない。このレーザ光源31は、信号処理装置5により構成される光源制御部51aにより制御される。
【0028】
また、本実施形態に光検出部4は、比較的安価なサーモパイル等の熱型の光検出器を用いているが、その他のタイプのもの、例えば、応答性がよいHgCdTe、InGaAs、InAsSb、又はPbSe等の量子型光電素子を用いた光検出器であってもよい。
【0029】
信号処理装置5は、バッファ、増幅器等からなるアナログ電気回路と、CPU、メモリ等からなるデジタル電気回路と、それらアナログ/デジタル電気回路間を仲立ちするADコンバータ、DAコンバータ等とを具備したものであり、前記メモリの所定領域に格納した所定のプログラムに従ってCPUやその周辺機器が協働することによって、図2に示すように、ガス分析装置100のレーザ光源3又は後述するヒータ61等の各部を制御する制御部51や、光検出器4からの出力信号を受信し、その値を演算処理して測定対象成分の濃度又は分圧を算出する信号処理部52としての機能を発揮する。
【0030】
以下に各部を詳述する。
制御部51は、レーザ光源3の出力を制御する光源制御部51aを有している。この光源制御部51aは、電流(又は電圧)制御信号を出力することによってレーザ光源31の電流源(又は電圧源)を制御するものである。その他、制御部51は、ガスセル2に設けられた温度センサ(不図示)に基づいて、後述する温調器(不図示)に制御信号を出力してヒータ61を制御する等の各種制御を行う。
【0031】
具体的に光源制御部51aは、レーザ光源31の駆動電流(又は駆動電圧)を所定周波数で変化させることによって、レーザ光の発振波長を中心波長に対して所定周波数で変調させる。これによって、レーザ光源31は、所定の変調周波数で変調された変調光を射出することになる。また、光源制御部51aは、レーザ光の発振波長を測定対象成分の光吸収信号の特徴部を含む波長変調範囲で変調させる。
【0032】
この実施形態においては、光源制御部51aは駆動電流を三角波状に変化させ、発振周波数を三角波状に変調する(図4の「発振波長」参照)。実際には、発振周波数が三角波状になるように、駆動電流の変調を別の関数で行う。また、レーザ光の発振波長は、図3に示すように、測定対象成分の吸収スペクトルのピーク又はその近傍を中心波長として変調されるようにしてある。その他、光源制御部51aは、駆動電流を正弦波状や鋸波状、または任意の関数状に変化させ、発振周波数を正弦波状や鋸波状、または任意の関数状に変調してもよい。
【0033】
信号処理部52は、対数演算部52a、相関値算出部52b、格納部52c、濃度又は分圧算出部52d等からなる。
【0034】
対数演算部52aは、光検出器4の出力信号である光強度信号に対数演算を施すものである。光検出器4により得られる光強度信号の継時変化を示す関数I(t)は、図4の「光強度I(t)」のようになり、対数演算を施すことにより、図4の「対数強度L(t)」のようになる。
【0035】
相関値算出部52bは、サンプル光の強度に関連する強度関連信号と複数の所定の特徴信号とのそれぞれの相関値を算出するものである。特徴信号とは、強度関連信号と相関を取ることで、強度関連信号の波形特徴を抽出するための信号である。特徴信号としては、例えば正弦波信号や、それ以外の強度関連信号から抽出したい波形
特徴に合わせた様々な信号を用いることができる。
【0036】
以下では、特徴信号に正弦波信号以外のものを用いた場合の例を説明する。相関値算出部52bは、サンプル光の強度に関連する強度関連信号と、当該強度関連信号に対して正弦波信号(正弦関数)とは異なる相関が得られる複数の特徴信号とのそれぞれの相関値を算出する。ここでは、相関値算出部52bは、対数演算された光強度信号(対数強度L(t))を強度関連信号として用いる。
【0037】
また、相関値算出部52bは、測定対象成分の種類数及び干渉成分の種類数を合わせた数よりも大きい数の特徴信号F(t)(i=1,2,・・・,n)を用いて、下式(数1)により、サンプル光の強度関連信号と複数の特徴信号とのそれぞれの相関値である複数のサンプル相関値Sを算出するものである。なお、式(数1)におけるTは、変調の周期である。
【0038】
【数1】
【0039】
相関値算出部52bは、サンプル相関値を算出する時、式(数1)のように、サンプル光の強度関連信号L(t)と複数の特徴信号F(t)との相関値Sからリファレンス光の強度関連信号L(t)と複数の特徴信号F(t)との相関値であるリファレンス相関値Rを差し引く補正をしたサンプル相関値S’を算出することが望ましい。これにより、サンプル相関値に含まれるオフセットを除去し、測定対象成分及び干渉成分の濃度又は分圧に比例した相関値となり、測定誤差を低減できる。なお、リファレンス相関値を差し引かない構成であっても良い。
【0040】
ここで、リファレンス光の取得タイミングは、サンプル光と同時、測定の前後又は任意のタイミングである。リファレンス光の強度関連信号又はリファレンス相関値は、予め取得して格納部52cに記憶させておいても良い。また、リファレンス光を同時に取得する方法は、例えば、光検出器4を2つ設けて、レーザ光源31からの変調光をビームスプリッタなどにより分岐させて、一方をサンプル光測定用とし、他方をリファレンス光測定用とすることが考えられる。
【0041】
本実施形態では、相関値算出部52bは、複数の特徴信号F(t)として、正弦関数よりも対数強度L(t)の波形特徴を捉えやすい関数を用いている。測定対象成分及び1つの干渉成分を含むサンプルガスの場合には、2つ以上の特徴信号F(t)、F(t)を用いることが考えられ、2つの特徴信号F(t)、F(t)としては、例えば、吸収スペクトルの形に近いローレンツ関数に基づいた関数と、当該ローレンツ関数に基づいた関数の微分関数とを用いることが考えられる。また、特徴信号としては、ローレンツ関数に基づいた関数の代わりに、フォークト関数に基づいた関数、又はガウス関数に基づいた関数等を用いることもできる。このような関数を特徴信号に用いることで、正弦関数を用いた時よりもより大きな相関値を得ることができ、測定精度を向上させることができる。
【0042】
ここで、特徴信号は、直流成分を除去、すなわち変調周期で積分した時にゼロになるようにオフセットを調整することが望ましい。こうすることで、光強度の変動による強度関連信号にオフセットが乗った時の影響を除去することができる。なお、特徴信号の直流成分を除去する代わりに、強度関連信号の直流成分を除去してもよいし、特徴信号と強度関連信号の両方とも直流成分を除去してもよい。その他、特徴信号として、測定対象成分及び/又は干渉成分の吸収信号のサンプル値、またはそれらを模したものをそれぞれ用いてもよい。
【0043】
なお、2つの特徴信号F(t)、F(t)を互いに直交する直交関数列又は直交関数列に近い関数列とすることにより、対数強度L(t)の特徴をより効率的に抽出することができ、後述する連立方程式により得られる濃度又は分圧を精度良くすることができる。
【0044】
格納部52cは、測定対象成分及び各干渉成分が単独で存在する場合のそれぞれの強度関連信号と複数の特徴信号F(t)とから求められた測定対象成分及び各干渉成分それぞれの単位濃度又は分圧当たりの相関値である単独相関値を格納するものである。この単独相関値を求めるのに用いる複数の特徴信号F(t)は、相関値算出部52bで用いる複数の特徴信号F(t)と同一である。
【0045】
ここで、格納部52cは、単独相関値を格納する時、測定対象成分及び各干渉成分が単独で存在する場合の相関値からリファレンス相関値を差し引いた上で、単位濃度又は単位分圧当たりに換算する補正をした単独相関値を格納することが望ましい。これにより、単独相関値に含まれるオフセットを除去し、測定対象成分及び干渉成分の濃度又は分圧に比例した相関値となり、測定誤差を低減できる。なお、リファレンス相関値を差し引かない構成であっても良い。
【0046】
濃度又は分圧算出部52dは、相関値算出部52bにより得られた複数のサンプル相関値を用いて測定対象成分の濃度又は分圧を算出するものである。
【0047】
具体的に濃度又は分圧算出部52dは、相関値算出部52bにより得られた複数のサンプル相関値と、格納部52cに格納された複数の単独相関値とに基づいて、測定対象成分の濃度又は分圧を算出するものである。より詳細には、濃度又は分圧算出部52dは、相関値算出部52bにより得られた複数のサンプル相関値と、格納部52cに格納された複数の単独相関値と、測定対象成分及び各干渉成分それぞれの濃度又は分圧とからなる連立方程式を解くことにより、測定対象成分の濃度又は分圧を算出するものである(図5参照)。なお、信号処理部52は、濃度又は算出部52dにより得られた測定対象成分の濃度又は分圧を、圧力センサ7により得られた全圧を用いて補正することもできる。このように濃度又は分圧算出部52dにより得られた測定対象成分の濃度又は分圧は、信号処理装置5に設けられた例えばディスプレイ等の表示部53又は信号処理装置5に接続された別の表示部に表示される。
【0048】
次に、前記各部の詳細説明を兼ねて、このガス分析装置100の動作の一例を説明する。
【0049】
<リファレンス測定>
まず、光源制御部51aが、レーザ光源31を制御し、変調周波数で且つ測定対象成分の吸収スペクトルのピーク又はその近傍を中心に、レーザ光の発振波長を所定の波長変調範囲で変調する。なお、スパンガスを用いたリファレンス測定の前に、ゼロガスを用いたリファレンス測定を行い、リファレンス相関値の測定を行ってもよい。
【0050】
次に、オペレータにより又は自動的に、ガスセル2内にスパンガス(成分濃度又は分圧既知のガス)が導入されて、リファレンス測定が行われる。このリファレンス測定は、測定対象成分が単独で存在するスパンガスと、干渉成分が単独で存在するスパンガスとのそれぞれにおいて行われる。
【0051】
具体的には、リファレンス測定において、対数演算部52aが光検出器4の出力信号を受信して対数強度L(t)を算出する。そして、相関値算出部52bは、その対数強度L(t)と2つの特徴信号F(t)、F(t)との相関値を算出し、その相関値からリファレンス相関値を差し引いたものをスパンガスの濃度又は分圧で割ることにより、単位濃度又は単位分圧当たりの各スパンガスの相関値である単独相関値を算出する。なお、単独相関値を算出する代わりに、スパンガス濃度又は分圧と当該スパンガスの相関値との関係を記憶させておいても良い。
【0052】
具体的には以下の通りである。
測定対象成分が単独で存在するスパンガスをガスセル2内に導入することにより、相関値算出部52bにより測定対象成分の相関値S1t、S2tを算出する(図5参照)。ここで、S1tは、第1の特徴信号との相関値であり、S2tは、第2の特徴信号との相関値である。そして、相関値算出部52bは、それら相関値S1t、S2tからリファレンス相関値Rを差し引いたものを測定対象成分のスパンガス濃度又は分圧cで割ることにより、単独相関値s1t、s2tを算出する。なお、測定対象成分のスパンガス濃度又は分圧cは、予めユーザ等により信号処理部52に入力される。
【0053】
また、干渉成分が単独で存在するスパンガスをガスセル2内に導入することにより、相関値算出部52bにより干渉成分の相関値S1i、S2iを算出する(図5参照)。ここで、S1iは、第1の特徴信号との相関値であり、S2iは、第2の特徴信号との相関値である。そして、相関値算出部52bは、それら相関値S1i、S2iからリファレンス相関値Rを差し引いたものを干渉成分のスパンガス濃度又は分圧cで割ることにより、単独相関値s1i、s2iを算出する。なお、干渉成分のスパンガス濃度又は分圧cは、予めユーザ等により信号処理部52に入力される。
【0054】
上記により算出された単独相関値s1t、s2t、s1i、s2iは、格納部52cに格納される。なお、このリファレンス測定は、製品出荷前に行うようにしても良いし、定期的に行うようにしてもよい。
【0055】
<サンプル測定>
光源制御部51aが、レーザ光源31を制御し、変調周波数で且つ測定対象成分の吸収スペクトルのピーク又はその近傍を中心に、レーザ光の発振波長を所定の波長変調範囲で変調する。
【0056】
次に、オペレータにより又は自動的に、ガスセル2内にガスが導入されて、サンプル測定が行われる。
【0057】
具体的には、サンプル測定において、対数演算部52aが光検出器4の出力信号を受信して対数強度L(t)を算出する。そして、相関値算出部52bは、その対数強度L(t)と複数の特徴信号F(t)、F(t)とのサンプル相関値S、Sを算出し、その相関値からリファレンス相関値Rを差し引いたサンプル相関値S’、S’を算出する(図5参照)。
【0058】
そして、濃度又は分圧算出部52dは、相関値算出部52bが算出したサンプル相関値S’、S’と、格納部52cの単独相関値s1t、s2t、s1i、s2iと、測定対象成分及び各干渉成分それぞれの濃度Ctar、Cintとからなる以下の二元連立方程式を解く。
【0059】
【数2】
【0060】
これにより、上式(数2)の連立方程式を解くという簡単かつ確実な演算により、干渉影響が取り除かれた測定対象成分の濃度又は分圧Ctarを決定することができる。
【0061】
なお、干渉成分が2以上存在すると想定し得る場合でも、干渉成分の数だけ、単独相関値を追加して、成分種の数と同じ元数の連立方程式を解くことで、同様に干渉影響が取り除かれた測定対象成分の濃度又は分圧を決定することができる。
【0062】
すなわち、一般に測定対象成分と干渉成分を合わせてn種のガスが存在する場合、m番目の特徴信号におけるk番目のガス種の単独相関値をsmk、k番目のガス種の濃度又は分圧をC、m番目の特徴信号F(t)におけるサンプル相関値をS’とすると、以下の式(数3)が成り立つ。
【0063】
【数3】
【0064】
この式(数3)で表されるn元連立方程式を解くことで、測定対象成分及び干渉成分の各ガスの濃度又は分圧を決定することができる。
【0065】
<圧力センサ7及びその周辺構造について>
然して、本実施形態のガス分析装置100は、図1及び図6に示すように、上述したように、ガスセル2を温調する温調ブロック6と、ガスセル2内部の圧力を測定する圧力センサ7とを備えており、圧力センサ7は、温調ブロック6及び/又はガスセル2に内蔵されている。
【0066】
温調ブロック6は、図1に示すように、ガスセル2の周囲に設けられており、例えばアルミニウム等の熱伝導性の良い金属製のものである。この温調ブロック6は、ガスセル2の周囲において、レーザ光源31からのレーザ光を遮らないように設けられ、また、上流側配管H1及び下流側配管H2を避けて設けられている。温調ブロック6には、例えばカートリッジヒータ等のヒータ61が複数設けられており、当該ヒータ61により温調ブロック6は所望の温度(例えば200℃程度)に加熱される。また、温調ブロック6の周囲には、断熱部材8が設けられている。なお、複数のヒータ61は、1つの温調器で一括して制御しても良いし、それぞれ個別に設けられた複数の温調器で制御しても良い。
【0067】
圧力センサ7は、静電容量型圧力センサであり、図6に示すように、圧力によって変形する感圧要素である例えば円板状のダイアフラム71と、当該ダイアフラム71に対向して設けられた例えば円柱状の固定電極72とを有し、それらの間に形成される静電容量を圧力に変換するものである。なお、感圧要素として、例えば矩形状のMEMSセンサ等を用いても良い。
【0068】
具体的に圧力センサ7は、ダイアフラム71及び固定電極72が設けられたセンサ本体7Aと、ダイアフラム71及び固定電極72の間の静電容量を圧力に変換する基板部7Bとを有している。本実施形態では、センサ本体7A及び基板部7Bは、シールドケーブル等の信号ケーブル7Cにより接続されている。また、本実施形態のセンサ本体7Aは、概略円筒形状をなしている。
【0069】
そして、圧力センサ7は、温調ブロック6及びガスセル2に内蔵されている。具体的には圧力センサ7のセンサ本体7Aが温調ブロック6及びガスセル2の形成壁2aに内蔵されている。ここで、温調ブロック6及びガスセル2の形成壁2aには、センサ本体7Aを固定するためのガスセル2に連通する取り付け部21が形成されている。
【0070】
そして、センサ本体7Aは、ガスセル2の形成壁2aに形成された取り付け部21に円環状のフランジ部材9により固定されている。ここで、センサ本体7Aの外側周面とフランジ部材9との間に熱緩衝層となる隙間Sが周方向全体に亘って形成されている。
【0071】
本実施形態では、センサ本体7Aの円筒状ケース7A1の外側周面に全周に亘って鍔部7A2が形成されている。また、フランジ部9は、ガスセル2の取り付け部21に固定される円環状の固定部91と、固定部91の内側開口部から延びてセンサ本体7Aの鍔部7A2に接続される円筒状の支持部92とを有している。なお、取り付け部21と固定部91との間には、シール部材10が設けられており、気密性を確保している。その他、シール部材10は、取り付け部21の例えば内側周面と支持部92例えば外側周面の間に設けられていても良いし、ガスセル2の気密性が確保できる位置であればどこでも良い。
【0072】
支持部92の先端部は、鍔部7A2の軸方向後端面(軸方向外側面)に例えばレーザ溶接といった溶接等により接合される。なお、支持部92の先端部を鍔部7A2にねじ止めして接続しても良い。また、支持部92は、センサ本体7Aの円筒状ケース7A1の外径よりも大きい内径を有する円筒状をなしており、鍔部7A2の軸方向後端面に溶接された状態で、円筒状ケース7A1の外側周面との間に熱緩衝層となる隙間Sが周方向全体に亘って形成される。なお、隙間Sには、センサ本体7Aに伝わる熱のムラを低減するための部材を充填しても良い。
【0073】
上記の構成により、センサ本体7Aは、フランジ部材9を介して温調ブロック6により温調されることになる。具体的には、温調ブロック6からの熱がガスセル2の形成壁2a、2bに伝わり、ガスセル2が温調される。また、温調されるガスセル2の形成壁2aからの熱が、フランジ部材9に伝わり、当該フランジ部材9からの熱が隙間Sを介してセンサ本体7Aに伝わり、センサ本体7A(具体的にはダイアフラム71)が温調される。これにより、ダイアフラム71の温度ムラが低減される。このようにガスセル2を温調する温調ブロック6は、センサ本体7Aの温調に兼用されることになる。
【0074】
さらに本実施形態の圧力センサ7は、センサ本体7Aと基板部7Bとが信号ケーブル7Cを介して接続されており、基板部7Bは、温調ブロック6の周囲に設けられた断熱部材8の外部である室温などの低温部に設けられている。
【0075】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のガス分析装置100であれば、圧力センサ7が温調ブロック6及び/又はガスセル2に内蔵されているので、温調ブロック6により圧力センサ7を温調することができる。その結果、圧力センサ7を温調するための温調機構を別途設ける必要が無く、ガス分析装置100を小型化することができる。また、圧力センサ7を温調することにより、圧力の測定精度を向上することができ、ひいてはガスの成分濃度を高精度に測定できるようにある。さらに、圧力センサ7をガスセル2に内蔵して取り付けたことにより、光路(濃度測定箇所)と補正に使う圧力検知箇所との距離が可及的に小さくなり、応答時間のズレが小さくなるので、濃度指示値の精度を向上することができる。
【0076】
また、本実施形態では、センサ本体7Aがフランジ部材9を介して温調ブロック6により間接的に温調されるので、外乱影響による温度変化の伝搬が緩やかとなり、外乱影響を受けにくくすることができる。また、センサ本体7Aの熱分布を生じにくくすることができる。その結果、精度良く圧力を測定することができる。
【0077】
さらに、本実施形態では、センサ本体7Aの外側周面とフランジ部材9との間に熱緩衝層である隙間Sを形成しているので、センサ本体7Aの熱分布を生じにくくしつつ、センサ本体7Aを温調することができ、精度良く圧力を測定することができる。
【0078】
その上、圧力センサ7の基板部7Bを、信号ケーブル7Cを介して、温調ブロック6の外部に設けているので、基板部7Bを熱源(ここでは温調ブロック6)から離すことができ、基板部7Bへの熱影響を低減することができる。
【0079】
<その他の実施形態>
例えば、前記実施形態の構成に加えて、図7に示すように、フランジ部材9によりセンサ本体7Aの外側周面に加えて、センサ本体7Aのセンサ面(先端面)とは反対側の後端面を隙間Sを空けてカバー部11により覆う構成としてもよい。また、フランジ部材9以外の部材、例えばガスセル2又は温調ブロック6により、センサ本体7Aの後端面を空隙Sを空けて覆う構成としてもよい。
【0080】
また、図8に示すように、センサ本体7Aと基板部7Bとを金属ステム73で接続して一体的に構成してもよい。この場合、センサ本体7Aと基板部7Bとは、固定電極72に接続された金属ステム73により接続されており、基板部7Bは、温調ブロック6の周囲に設けられた断熱部材8の外側に設けられている。また、金属ステム73の周囲には、PTFE等の絶縁部材11を設けても良い。図8では、センサ本体7Aと取り付け部21との間にシール部材10を設けて気密性を確保しているが、フランジ部材9と取り付け部21との間にシール部材10を設けても良い。
【0081】
さらに、温調ブロック6に設けられた複数のヒータ61を、それぞれ個別に温度制御しても良い。この構成であれば、例えば温調ブロック6を圧力センサ7の温調とガスセル2の温調とで温度制御エリアを分ける等のように適切な温調を行うことができる。
【0082】
また、前記実施形態の圧力センサは、静電容量型圧力センサに限られず、例えば、ピラニ真空計、冷陰極電離真空計又は熱陰極電離真空計等であっても良い。
【0083】
また、前記実施形態の対数演算部52aは、光検出器4の光強度信号を対数演算するものであったが、光検出器4の光強度信号を用いて、サンプル光の強度と参照光である変調光の強度との比の対数(いわゆる吸光度)を算出するものであってもよい。このとき、対数演算部52aは、サンプル光の強度の対数を演算し、変調光の強度の対数を演算した後にそれらを差し引くことで吸光度を算出しても良いし、サンプル光の強度と変調光の強度との比を求めた後にその比の対数を取ることで吸光度を算出してもよい。
【0084】
また、前記実施形態の相関値算出部52bは、強度関連信号と特徴信号との相関値を算出するものであったが、強度関連信号と特徴信号との内積値を算出するものであってもよい。
【0085】
また、前記実施形態では、格納部52cはリファレンス相関値を用いて補正した単独相関値を格納するものであったが、格納部52cに補正前の単独相関値を格納しておき、濃度又は分圧算出部52dが、補正前の単独相関値からリファレンス相関値を差し引いた上で、単位濃度又は分圧当たりに換算する補正をした単独相関値を求める構成としても良い。
【0086】
複数の特徴信号は、前記実施形態に限られず、互いに異なる関数であれば良い。また、特徴信号として、例えば濃度又は分圧既知のスパンガスを流して得られた光強度又は対数強度の波形(サンプルスペクトル)を示す関数を用いてもよい。また、1つの測定対象成分の濃度を測定する場合には、特徴信号は少なくとも1つあれば良い。
【0087】
さらに、nより大きい種類の特徴信号を用いて、ガス種の数より大きい個数の単独相関値及びサンプル相関値を求めて、ガス種の数よりも大きい元数の連立方程式を作り、最小二乗法で、各成分濃度又は分圧を決定してもよく、こうすることで、より測定ノイズに対しても誤差の小さい濃度又は分圧決定が可能となる。
【0088】
前記実施形態の信号処理部は、前記サンプル光の強度に関連する強度関連信号と、当該強度関連信号に対して所定の相関が得られる特徴信号とを用いて、前記測定対象成分の濃度又は分圧に依存する相関値を算出する相関値算出部、及び前記相関値算出部により得られた相関値を用いて前記測定対象成分の濃度又は分圧を算出する濃度又は分圧算出部の機能を発揮するものであったが、その他の演算方法を用いたものであっても良い。
【0089】
光源も、半導体レーザに関わらず、他のタイプのレーザでもよいし、測定精度を担保するに十分な線幅をもつ単波長光源であって、波長変調さえできるものなら、どのような光源を用いてもよい。また、光源を強度変調するものであっても良い。さらに、光源は、赤外光を射出するものや紫外線を射出するものなど種々の波長の光を射出するものを用いて良く、具体的にはレーザ光を射出するレーザ光源に限らず、熱光源、LED光源、重水素ランプ、キセノンランプなど、光を射出するものであれば種々のタイプの光源を用いて構わない。
【0090】
また、ガス分析装置における測定対象成分の濃度又は分圧の演算方法は、前記実施形態に限られず、直接吸収法又は波長変調分光法(WMS法)など種々の方法を用いることができる。
【0091】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0092】
100・・・ガス分析装置
2 ・・・ガスセル
3 ・・・光照射部
4 ・・・光検出部
5 ・・・信号処理装置
6 ・・・温調ブロック
61 ・・・ヒータ
7 ・・・圧力センサ
7A ・・・センサ本体
71・・・ダイアフラム(感圧要素)
7A2・・・鍔部
7B ・・・基板部
7C ・・・信号ケーブル
8 ・・・断熱部材
9 ・・・フランジ部材
91 ・・・固定部
92 ・・・支持部
S ・・・熱緩衝層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8