IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社荏原製作所の特許一覧

特開2023-105856基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法
<>
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図1
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図2
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図3
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図4
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図5
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図6
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図7
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図8
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図9
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図10
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図11
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図12
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図13
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図14
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図15
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図16
  • 特開-基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105856
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
H01L21/304 644G
H01L21/304 644C
H01L21/304 646
H01L21/304 622Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006844
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】漆原 夏子
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 聡美
【テーマコード(参考)】
5F057
5F157
【Fターム(参考)】
5F057AA21
5F057BA11
5F057CA12
5F057DA03
5F057DA39
5F057FA37
5F157AA12
5F157AA70
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BA03
5F157BA07
5F157BA08
5F157BA13
5F157BA14
5F157BA31
5F157CB14
5F157DB02
5F157DB18
5F157DB53
(57)【要約】
【課題】基板の洗浄力を高め、微小サイズの異物の洗浄残りを抑制する。
【解決手段】本発明の一態様に係る基板洗浄方法は、基板Wの表面に洗浄液100を供給する洗浄液供給工程と、基板Wの表面に形成される洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xを除去する粘性底層異物除去工程と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、
前記基板の表面に形成される前記洗浄液の粘性底層に入り込んだ異物を除去する粘性底層異物除去工程と、を有する、基板洗浄方法。
【請求項2】
前記粘性底層異物除去工程では、幾何学的構造を有する基板洗浄部材で前記異物をからめとる、請求項1に記載の基板洗浄方法。
【請求項3】
前記粘性底層異物除去工程では、毛細管力を有する基板洗浄部材で前記異物を吸着する、請求項1に記載の基板洗浄方法。
【請求項4】
前記粘性底層異物除去工程では、帯電した基板洗浄部材で前記異物を静電吸着する、請求項1に記載の基板洗浄方法。
【請求項5】
少なくとも前記粘性底層異物除去工程の前に、前記基板若しくはダミー基板に対して、前記基板洗浄部材を回転させながら接触させることで、前記基板洗浄部材をブレークイン処理するブレークイン工程を有する、請求項2~4のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
【請求項6】
基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、
前記基板の表面に形成される前記洗浄液の粘性底層に入り込んだ異物を除去する粘性底層異物除去装置と、を有する、基板洗浄装置。
【請求項7】
幾何学的構造を有する基板洗浄部材であって、
1μmから1mmまでのポア径を有する多孔質部材を備える、基板洗浄部材。
【請求項8】
毛細管力を有する基板洗浄部材であって、
毛細管の孔の径が20μm以上である、基板洗浄部材。
【請求項9】
帯電性を有する基板洗浄部材であって、
正若しくは負に帯電する官能基が表面に装飾されている、基板洗浄部材。
【請求項10】
多孔質部材の表面を、塩基性官能基若しくは酸性官能基で装飾する、基板洗浄部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板洗浄方法、基板洗浄装置、基板洗浄部材、及び、基板洗浄部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、シリコンウェハ等の基板の表面を平坦に化学機械研磨処理(CMP:Chemical Mechanical Polishing)する基板研磨装置が知られている。この基板研磨装置は、基板を研磨する基板研磨装置と、研磨された基板を洗浄・乾燥する基板洗浄装置と、を備える。研磨された基板には、CMPに使用されたスラリの残渣や金属研磨屑等が微小パーティクル(異物)として付着しているため、基板洗浄装置において微小パーティクルを除去している(例えば、下記特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-332290号公報
【特許文献2】特開平10-150008号公報
【特許文献3】特開2018-37650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の半導体業界の配線の微細化等の要求により、使用される砥粒サイズがナノサイズまで小さくなってきている。これに伴い、基板洗浄後に許容される異物のサイズ及び数が厳格化され、上記従来の手法では必ずしもその洗浄力が十分ではないケースが生じてきている。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、基板の洗浄力を高め、微小サイズの異物の洗浄残りを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る基板洗浄方法は、基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、前記基板の表面に形成される前記洗浄液の粘性底層に入り込んだ異物を除去する粘性底層異物除去工程と、を有する。
【0007】
上記基板洗浄方法において、前記粘性底層異物除去工程では、幾何学的構造を有する基板洗浄部材で前記異物をからめとってもよい。
【0008】
上記基板洗浄方法において、前記粘性底層異物除去工程では、毛細管力を有する基板洗浄部材で前記異物を吸着してもよい。
【0009】
上記基板洗浄方法において、前記粘性底層異物除去工程では、帯電した基板洗浄部材で前記異物を静電吸着してもよい。
【0010】
上記基板洗浄方法において、少なくとも前記粘性底層異物除去工程の前に、前記基板若しくはダミー基板に対して、前記基板洗浄部材を回転させながら接触させることで、前記基板洗浄部材をブレークイン処理するブレークイン工程を有してもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る基板洗浄装置は、基板の表面に洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、前記基板の表面に形成される前記洗浄液の粘性底層に入り込んだ異物を除去する粘性底層異物除去装置と、を有する。
【0012】
本発明の一態様に係る基板洗浄部材は、幾何学的構造を有する基板洗浄部材であって、1μmから1mmまでのポア径を有する多孔質部材を備える。
【0013】
本発明の一態様に係る基板洗浄部材は、毛細管力を有する基板洗浄部材であって、毛細管の孔の径が20μm以上である。
【0014】
本発明の一態様に係る基板洗浄部材は、帯電性を有する基板洗浄部材であって、正若しくは負に帯電する官能基が表面に装飾されている。
【0015】
本発明の一態様に係る基板洗浄部材の製造方法は、多孔質部材の表面を、塩基性官能基若しくは酸性官能基で装飾する。
【発明の効果】
【0016】
上記本発明の一態様によれば、基板の洗浄力を高め、微小サイズの異物の洗浄残りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】基板の表面からの距離と洗浄液の流速との関係を示す図である。
図2】第1実施形態に係る基板洗浄方法を説明する説明図である。
図3】第2実施形態に係る基板洗浄方法を説明する説明図である。
図4】第3実施形態に係る基板洗浄方法を説明する説明図である。
図5】第1実施例に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図6】第1実施例に係る基板洗浄装置の構成を示す斜視図である。
図7】第1実施例に係るロール洗浄部材の凸部の断面図である。
図8】第1実施例に係るロール洗浄部材の製造方法を説明する説明図である。
図9】第1実施例に係る基板洗浄方法のフローチャートである。
図10】第1実施例に係るロール洗浄部材のブレークイン処理を説明する説明図である。
図11】第2実施例に係る洗浄モジュールの構成を示す斜視図である。
図12図11に示す洗浄モジュールが備えるペンシル洗浄部材の断面図である。
図13】第3実施例に係るロール洗浄部材の凸部の断面図である。
図14】第3実施例に係るロール洗浄部材の製造方法を示すフローチャートである。
図15】一変形例に係る洗浄モジュールの構成を示す平面図である。
図16】一変形例に係る基板処理装置の構成を示す側面図である。
図17図16に示すスクラバーに備えられたテープカートリッジを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下では、まず本発明の概要について説明し、続いて本発明の実施形態、本発明の実施例について説明する。
【0019】
(概要)
図1は、基板の表面からの距離と洗浄液の流速との関係を示す図である。なお、図1に示す洗浄液の流速分布は、計算上の一例である。
図1では、シリコンウェハ等の基板Wの表面に、リンス液等の洗浄液100を供給し、異物Xを洗い流す洗浄液供給工程(リンス工程)を図示している。図1に示すように、基板Wの表面の近傍には、洗浄液100の粘性底層101(viscous sublayer)が形成されている。
【0020】
粘性底層101とは、壁(基板Wの表面)に沿った乱流の極く壁近くの粘性効果が重要となる層であり、摩擦速度v*,動粘度をνとするとν/v*の約5~11倍の厚さを有している。なお、粘性底層101の平均速度分布は、直線的で乱れは小さいがゼロではない。
【0021】
図1に示す例では、基板Wの表面から10μmまでの洗浄液層が、粘性底層101となっている。粘性底層101においては、洗浄液の流速が低下し、粘性底層101に入り込んだ異物Xを除去することが難しくなる。しかしながら、微小サイズ(例えば10μm以下)の異物Xは、この粘性底層101に入り込み易い。
【0022】
粘性底層101のうち、特に、基板Wの表面から100nm以下の範囲に形成される粘性底層101aでは、洗浄液100の流速が著しく低下する。この粘性底層101aでは、通常の洗浄液100の供給量(例えば1L/min)では異物Xの排出に、概算で5~15min程度必要となる。そうすると、洗浄液100の流れだけでは、通常の洗浄プロセス時間内での異物Xの排出は困難であり、異物Xの再付着の機会も多くなる。
【0023】
したがって、洗浄液100の流速が低下する粘性底層101に入り込んだ10μm以下の異物X、さらに洗浄液100の流速が著しく低下する粘性底層101aに入り込んだ100nm以下の異物Xを救出し、排出する必要がある。
本発明は、後述する実施形態及び実施例で説明するように、この粘性底層101(101a)に入り込んだ異物Xを除去する粘性底層異物除去工程を有している。これにより、基板Wの洗浄力を高め、微小サイズの異物Xの洗浄残りを抑制している。
【0024】
以下説明する、図2図4に示す各実施形態では、基板洗浄部材200に機能を追加することで、洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xを除去している。
【0025】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る基板洗浄方法を説明する説明図である。なお、図2(a)~図2(c)は、第1実施形態に係る基板洗浄部材200の機能的作用を模式的に示している。
図2に示すように、第1実施形態では、基板洗浄部材200に幾何学的構造を追加している。幾何学的構造を有する基板洗浄部材200Aは、図2に示す例では、表面に多数の微小な突起201を備えている。
【0026】
第1実施形態の基板洗浄方法は、幾何学的構造を有する基板洗浄部材200Aで異物Xをからめとる。例えば、表面に微小な突起201を有する樹脂粒子(例えば、粒子径が10μmより大きい専用粒子)からなる基板洗浄部材200Aを洗浄液100に分散させ、その洗浄液100を基板Wに供給しながら、従来のロール洗浄部材等で基板Wの表面をスクラブ洗浄する。これにより、洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xを基板洗浄部材200Aの突起201などでからめとって除去することができる。
なお、上述した幾何学的構造は、後述する実施例のようにロール洗浄部材やペンシル洗浄部材、その他の基板洗浄部材に追加しても構わない。
【0027】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る基板洗浄方法を説明する説明図である。なお、図3(a)~図3(c)は、第2実施形態に係る基板洗浄部材200の機能的作用を模式的に示している。
図3に示すように、第2実施形態では、基板洗浄部材200に毛細管力を追加している。毛細管力を有する基板洗浄部材200Bは、図3に示す例では、表面に多数の毛細管の孔202が開口している。
【0028】
第2実施形態の基板洗浄方法は、毛細管力を有する基板洗浄部材200Bで異物Xを吸着することを特徴としている。例えば、多孔質粒子(例えば、粒子径が10μmより大きい専用粒子)からなる基板洗浄部材200Bを洗浄液100に分散させ、その洗浄液100を基板Wに供給しながら、従来のロール洗浄部材等で基板Wの表面をスクラブ洗浄する。これにより、洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xを毛細管の孔202などに吸着して除去することができる。
なお、基板洗浄部材200Bを弾性収縮可能な材質(スポンジ体など)とすることで、洗浄液100の供給圧(超音波を付加してもよい)やロール洗浄部材による押圧により、基板洗浄部材200Bが弾性収縮しその後の復元変形(膨張)することで、異物Xをより吸着し易くなる。
なお、上述した毛細管力は、後述する実施例のようにロール洗浄部材やペンシル洗浄部材、その他の基板洗浄部材に追加しても構わない。
【0029】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態に係る基板洗浄方法を説明する説明図である。なお、図4(a)~図4(c)は、第3実施形態に係る基板洗浄部材200の機能的作用を模式的に示している。
図4に示すように、第3実施形態では、基板洗浄部材200に帯電性を追加している。帯電性を有する基板洗浄部材200Cは、図4に示す例では、帯電性を付加する官能基203が表面に装飾されている。
【0030】
第3実施形態の基板洗浄方法は、帯電した基板洗浄部材200Cで異物Xを静電吸着することを特徴としている。例えば、負に帯電した粒子状(例えば、粒子径が10μmより大きい専用粒子)の基板洗浄部材200Cを洗浄液100に分散させ、その洗浄液100を基板Wに供給しながら、従来のロール洗浄部材等で基板Wの表面をスクラブ洗浄する。これにより、洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xを官能基203などに静電吸着させる。ついで、スクラブ洗浄したロール洗浄部材等を基板から離間した退避位置に移動させ、ロール洗浄部材等に適切な薬液を供給する。このようにして基板W上の表面に付着していた異物Xを適切に除去することができる。
なお、一実施形態においてはロール洗浄部材等に薬液を供給する際に、異物Xのゼータ電位が洗浄部材と反発するように予め調整した薬液を供給することで、ロール洗浄部材等から異物Xを除去しやすくすることがよい。すなわち、異物Xのゼータ電位を薬液(例えば、APM(ammonia-hydrogen peroxide mixture)、SPM(sulfuric-acid and hydrogen-peroxide mixture)、HPM(hydrochloric acid-hydrogen peroxide mixture)、DHF(dolute hydrogen fluoride)、水酸化アンモニウム、アンモニア過水、TMAH(Tetramethylammonium hydroxide)、アミン、シュウ酸、クエン酸、界面活性剤、カソード水、アノード水、水素水、炭酸ガス水)などで制御することで、異物Xを正若しくは負に帯電した基板洗浄部材200Cに吸着させ易くすることができる。
なお、上述した帯電性は、後述する実施例のようにロール洗浄部材やペンシル洗浄部材、その他の基板洗浄部材に追加しても構わない。
【0031】
(第1実施例)
次に、上述した第1実施形態の一実施例(第1実施例)について説明する。以下では、基板WをCMP処理する基板処理装置1を例に挙げて説明する。
【0032】
図5は、第1実施例に係る基板処理装置1の全体構成を示す平面図である。
図5に示す基板処理装置1は、シリコンウェハ等の基板W(ワーク)の表面を平坦に研磨する化学機械研磨(CMP)装置である。この基板処理装置1は、矩形箱状のハウジング2を備える。ハウジング2は、平面視で略長方形に形成されている。
【0033】
なお、処理対象である基板Wとしては、半導体ウェハ、ガラス基板(液晶表示装置用、プラズマディスプレイ用)、光ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、磁気ディスク用基板、プリント配線基板、メモリー回路用基板、ロジック回路用基板およびイメージセンサ用基板(例えばCMOSセンサー用基板)などの各種デバイスが含まれる。また、形状としては円形状に限らず、例えば矩形状のものでもよい。また、円形の場合の半導体ウェハの大きさとしては、例えば、直径100mm、150mm、200mm、300mmおよび450mmのウェハが含まれる。
【0034】
ハウジング2は、その中央に長手方向に延在する基板搬送路3を備える。基板搬送路3の長手方向の一端部には、ロード/アンロード部10が配設されている。基板搬送路3の幅方向(平面視で長手方向と直交する方向)の一方側には、研磨部20が配設され、他方側には、洗浄部30が配設されている。基板搬送路3には、基板Wを搬送する搬送部40が設けられている。また、基板処理装置1は、ロード/アンロード部10、研磨部20、洗浄部30、及び搬送部40の動作を統括的に制御する制御部50(制御盤)を備える。
【0035】
ロード/アンロード部10は、基板Wを収容するフロントロード部11を備える。フロントロード部11は、ハウジング2の長手方向の一方側の側面に複数設けられている。複数のフロントロード部11は、ハウジング2の幅方向に配列されている。フロントロード部11は、例えば、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載する。SMIF、FOUPは、内部に基板Wのカセットを収納し、隔壁で覆った密閉容器であり、外部空間とは独立した環境を保つことができる。
【0036】
また、ロード/アンロード部10は、フロントロード部11から基板Wを出し入れする2台の搬送ロボット12と、各搬送ロボット12をフロントロード部11の並びに沿って走行させる走行機構13と、を備える。各搬送ロボット12は、上下に2つのハンドを備えており、基板Wの処理前、処理後で使い分けている。例えば、フロントロード部11に基板Wを戻すときは上側のハンドを使用し、フロントロード部11から処理前の基板Wを取り出すときは下側のハンドを使用する。
【0037】
研磨部20は、基板Wの研磨(平坦化)を行う複数の基板研磨装置21(21A,21B,21C,21D)を備える。複数の基板研磨装置21は、基板搬送路3の長手方向に配列されている。基板研磨装置21は、研磨面を有する研磨パッド22を回転させる研磨テーブル23と、基板Wを保持しかつ基板Wを研磨テーブル23上の研磨パッド22に押圧しながら研磨するためのトップリング24と、研磨パッド22に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル25と、研磨パッド22の研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ26と、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ27と、を備える。
【0038】
基板研磨装置21では、研磨液供給ノズル25から研磨液を研磨パッド22上に供給しながら、トップリング24により基板Wを研磨パッド22に押し付け、さらにトップリング24と研磨テーブル23とを相対移動させることにより、基板Wを研磨してその表面を平坦にする。ドレッサ26は、研磨パッド22に接触する先端の回転部にダイヤモンド粒子やセラミック粒子などの硬質な粒子が固定され、当該回転部を回転しつつ揺動することにより、研磨パッド22の研磨面全体を均一にドレッシングし、平坦な研磨面を形成する。アトマイザ27は、研磨パッド22の研磨面に残留する研磨屑や砥粒などを高圧の流体により洗い流すことで、研磨面の浄化と、機械的接触であるドレッサ26による研磨面の目立て作業、すなわち研磨面の再生を達成する。
【0039】
洗浄部30は、基板Wの洗浄を行う複数の基板洗浄装置31(31A,31B)と、洗浄した基板Wを乾燥させる基板乾燥装置32と、を備える。複数の基板洗浄装置31及び基板乾燥装置32は、基板搬送路3の長手方向に配列されている。基板洗浄装置31Aと基板洗浄装置31Bとの間には、第1搬送室33が設けられている。第1搬送室33には、搬送部40、基板洗浄装置31A、及び基板洗浄装置31Bの間で基板Wを搬送する搬送ロボット35が設けられている。また、基板洗浄装置31Bと基板乾燥装置32との間には、第2搬送室34が設けられている。第2搬送室34には、基板洗浄装置31Bと基板乾燥装置32との間で基板Wを搬送する搬送ロボット36が設けられている。
【0040】
基板洗浄装置31Aは、例えば、ロール型の基板洗浄部材(表面がPVA(ポリビニルアルコール)製スポンジあるいはウレタン製スポンジ)を備えたモジュール(以下、ロール型の洗浄モジュールという)を備え、基板Wを一次洗浄する。また、基板洗浄装置31Bも、ロール型の洗浄モジュールを備え、基板Wを二次洗浄する。なお、基板洗浄装置31A及び基板洗浄装置31Bは、同一のタイプであっても、異なるタイプの洗浄モジュールであってもよく、例えば、ペンシル型の基板洗浄部材を備えた洗浄モジュールや、気体とガスを噴出する2流体ジェット型の2流体ジェットノズルを備えた洗浄モジュール等であってもよい。
【0041】
基板乾燥装置32は、例えば、ロタゴニ乾燥(IPA(Iso-Propyl Alcohol)乾燥)を行う乾燥モジュールを備える。乾燥後は、基板乾燥装置32とロード/アンロード部10との間の隔壁に設けられたシャッタ1aが開かれ、搬送ロボット12によって基板乾燥装置32から基板Wが取り出される。
【0042】
なお、「洗浄」には、薬液や純水などの液体を使用する通常の洗浄(本実施形態では湿式洗浄と言う)のみならず、洗浄時に液体を使用しない洗浄(乾式洗浄と言う)を含んでいる。つまり、基板洗浄装置31A及び基板洗浄装置31Bのうちの一方が湿式洗浄部で、他方が乾式洗浄部であってもよい。なお、乾式洗浄する前に、湿式洗浄した場合には、その基板Wを乾かすために、上述した基板乾燥装置32を配置してもよい。
【0043】
搬送部40は、リフター41と、第1リニアトランスポータ42と、第2リニアトランスポータ43と、スイングトランスポータ44と、を備える。基板搬送路3には、ロード/アンロード部10側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7が設定されている。
【0044】
リフター41は、第1搬送位置TP1で基板Wを上下に搬送する機構である。リフター41は、第1搬送位置TP1において、ロード/アンロード部10の搬送ロボット12から基板Wを受け取る。また、リフター41は、搬送ロボット12から受け取った基板Wを第1リニアトランスポータ42に受け渡す。第1搬送位置TP1とロード/アンロード部10との間の隔壁には、シャッタ1bが設けられており、基板Wの搬送時にはシャッタ1bが開かれて搬送ロボット12からリフター41に基板Wが受け渡される。
【0045】
第1リニアトランスポータ42は、第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4の間で基板Wを搬送する機構である。第1リニアトランスポータ42は、複数の搬送ハンド45(45A,45B,45C,45D)と、各搬送ハンド45を複数の高さで水平方向に移動させるリニアガイド機構46と、を備える。
搬送ハンド45Aは、リニアガイド機構46によって、第1搬送位置TP1から第4搬送位置TP4の間を移動する。この搬送ハンド45Aは、リフター41から基板Wを受け取り、それを第2リニアトランスポータ43に受け渡すためのパスハンドである。
【0046】
搬送ハンド45Bは、リニアガイド機構46によって、第1搬送位置TP1と第2搬送位置TP2との間を移動する。この搬送ハンド45Bは、第1搬送位置TP1でリフター41から基板Wを受け取り、第2搬送位置TP2で基板研磨装置21Aに基板Wを受け渡す。搬送ハンド45Bには、昇降駆動部が設けられており、基板Wを基板研磨装置21Aのトップリング24に受け渡すときは上昇し、トップリング24に基板Wを受け渡した後は下降する。なお、搬送ハンド45C及び搬送ハンド45Dにも、同様の昇降駆動部が設けられている。
【0047】
搬送ハンド45Cは、リニアガイド機構46によって、第1搬送位置TP1と第3搬送位置TP3との間を移動する。この搬送ハンド45Cは、第1搬送位置TP1でリフター41から基板Wを受け取り、第3搬送位置TP3で基板研磨装置21Bに基板Wを受け渡す。また、搬送ハンド45Cは、第2搬送位置TP2で基板研磨装置21Aのトップリング24から基板Wを受け取り、第3搬送位置TP3で基板研磨装置21Bに基板Wを受け渡すアクセスハンドとしても機能する。
【0048】
搬送ハンド45Dは、リニアガイド機構46によって、第2搬送位置TP2と第4搬送位置TP4との間を移動する。搬送ハンド45Dは、第2搬送位置TP2または第3搬送位置TP3で、基板研磨装置21Aまたは基板研磨装置21Bのトップリング24から基板Wを受け取り、第4搬送位置TP4でスイングトランスポータ44に基板Wを受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。
【0049】
スイングトランスポータ44は、第4搬送位置TP4と第5搬送位置TP5との間を移動可能なハンドを有しており、第1リニアトランスポータ42から第2リニアトランスポータ43へ基板Wを受け渡す。また、スイングトランスポータ44は、研磨部20で研磨された基板Wを、洗浄部30に受け渡す。スイングトランスポータ44の側方には、基板Wの仮置き台47が設けられている。スイングトランスポータ44は、第4搬送位置TP4または第5搬送位置TP5で受け取った基板Wを上下反転して仮置き台47に載置する。仮置き台47に載置された基板Wは、洗浄部30の搬送ロボット35によって第1搬送室33に搬送される。
【0050】
第2リニアトランスポータ43は、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7の間で基板Wを搬送する機構である。第2リニアトランスポータ43は、複数の搬送ハンド48(48A,48B,48C)と、各搬送ハンド45を複数の高さで水平方向に移動させるリニアガイド機構49と、を備える。搬送ハンド48Aは、リニアガイド機構49によって、第5搬送位置TP5から第6搬送位置TP6の間を移動する。搬送ハンド45Aは、スイングトランスポータ44から基板Wを受け取り、それを基板研磨装置21Cに受け渡すアクセスハンドとして機能する。
【0051】
搬送ハンド48Bは、第6搬送位置TP6と第7搬送位置TP7との間を移動する。搬送ハンド48Bは、基板研磨装置21Cから基板Wを受け取り、それを基板研磨装置21Dに受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。搬送ハンド48Cは、第7搬送位置TP7と第5搬送位置TP5との間を移動する。搬送ハンド48Cは、第6搬送位置TP6または第7搬送位置TP7で、基板研磨装置21Cまたは基板研磨装置21Dのトップリング24から基板Wを受け取り、第5搬送位置TP5でスイングトランスポータ44に基板Wを受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。なお、説明は省略するが、搬送ハンド48の基板Wの受け渡し時の動作は、上述した第1リニアトランスポータ42の動作と同様である。
【0052】
図6は、第1実施例に係る基板洗浄装置31の構成を示す斜視図である。
基板洗浄装置31は、例えば、図6に示すような洗浄モジュール60(粘性底層異物除去装置)を備える。洗浄モジュール60は、基板Wを回転させる回転機構80と、基板Wに周面を接触させて回転するロール洗浄部材81(幾何学的構造を有する基板洗浄部材200A)と、を備える。回転機構80は、基板Wの外周を保持して鉛直方向に延びる軸回りに回転する複数の保持ローラ80aを備える。複数の保持ローラ80aは、モータ等の電気駆動部と接続されて水平回転する。また、複数の保持ローラ80aは、エアシリンダ等のエア駆動部によって上下に移動可能な構成となっている。
【0053】
ロール洗浄部材81の周面には、複数の凸部82aが形成されている。ロール洗浄部材81は、基板Wの上面W1(研磨面)と接触する上部ロール洗浄部材81aと、基板Wの下面W2に接触する下部ロール洗浄部材81bと、を備える。上部ロール洗浄部材81a及び下部ロール洗浄部材81bは、モータ等の電気駆動部と接続されて回転する。また、上部ロール洗浄部材81aは、エアシリンダ等のエア駆動部(アクチュエータ)によって上下に移動可能な構成となっている。なお、下部ロール洗浄部材81bは、一定の高さで保持されている。
【0054】
基板Wをセットする際には、先ず、上部ロール洗浄部材81a及び複数の保持ローラ80aを上昇させる。次に、上昇した複数の保持ローラ80aに基板Wを水平姿勢で保持させ、その後、基板Wの下面W2が下部ロール洗浄部材81bに接触するまで下降させる。
最後に、上部ロール洗浄部材81aを下降させ、基板Wの上面W1に接触させる。
【0055】
このように基板Wをセットしたら、基板Wを保持ローラ80aによって自転させつつ、一対のロール洗浄部材81を回転させることで、基板Wの上面W1及び下面W2に付着した異物(微小パーティクル)を除去する。なお、湿式洗浄の場合は、図示しないノズル(洗浄液供給装置)から薬液及び/または純水などの洗浄液100を基板Wの上面W1に向けて供給し、基板Wを一対のロール洗浄部材81でスクラブ洗浄する。
【0056】
図7は、第1実施例に係るロール洗浄部材81の凸部82aの断面図である。なお、図7は、凸部82aの先端の領域Aの拡大図を含む。
図7に示すロール洗浄部材81は、弾性支持体81Aと、弾性支持体81Aの表面に形成された表層81Bと、を備えている。弾性支持体81Aは、ロール状(円筒状)に形成されている。弾性支持体81Aの材質としては、例えば、多孔質のPVA製スポンジ、発泡ウレタン、ゴムやエラストマー等の弾性体を用いることができる。
【0057】
表層81Bには、複数の突起201と、突起201に対して相対的に凹んだ複数の溝201aと、を備える幾何学的構造が形成されている。表層81Bは、例えば、弾性支持体81Aの表面を被覆するコーティング層(樹脂層)である。なお、表層81Bは、弾性支持体81Aの表面を被覆するファイバー被膜であっても構わない。また、表層81Bは、弾性支持体81Aと一体的に形成され、弾性支持体81Aと同様の材質(多孔質部材など)であっても構わない。この場合、弾性支持体81A(表層81B)のポア径は、1μmから1mmまでの範囲内にあることが好ましい。
【0058】
図8は、第1実施例に係るロール洗浄部材81の製造方法を説明する説明図である。
上述したロール洗浄部材81の幾何学的構造は、例えば、図8(a)に示すように、型300をロール洗浄部材81の表層81Bに押し付け、その後、取り外すことで形成することができる。
【0059】
型300には、表層81Bに向かって突出した突起301と、突起301に対して相対的に凹んだ溝301aと、が複数形成されている。この型300を表層81Bに押し付けることで、図8(b)に示すように、表層81B側に突起201と溝201aとを形成することができる。
【0060】
図9は、第1実施例に係る基板洗浄方法のフローチャートである。
上述したように製造したロール洗浄部材81を基板洗浄処理に持ち込む前には、ブレークイン処理によって事前にロール洗浄部材81の発塵物等を除去する(ステップS1)。ブレークイン処理(ならし処理)とは、基板Wを洗浄するロール洗浄部材81のうち基板Wに接触する表面等の接触部を、基板Wの洗浄処理に利用する前にコンディショニングすること等を言う。
【0061】
ブレークイン処理は、ロール洗浄部材81の表面の物理的な凹凸状態を予め均質化する等、表面の状態をいわば「ならされた」状態として基板Wの洗浄処理を開始するために行われる。また、基板Wの洗浄処理を行うロール洗浄部材81の接触部が多孔質部材から形成されていることがある。このような場合には、例えばロール洗浄部材81を製造する工程でロール洗浄部材81の多孔質部材の細孔に異物が付着することがあるが、このような異物を事前に除去することもブレークイン処理を行う理由の一つである。
【0062】
図10は、第1実施例に係るロール洗浄部材81のブレークイン処理を説明する説明図である。
図10に示すように、ロール洗浄部材81のブレークイン処理は、基板W若しくはダミー基板に対して、ロール洗浄部材81を回転させながら接触させることで、ロール洗浄部材81をブレークインする(ブレークイン工程)。なお、ダミー基板を使用する場合は、基板洗浄装置31で洗浄される基板Wと同じ厚み及び同じ面方向の大きさから構成されていることが好ましく、基板Wと同じ材質から構成されていることがより好ましい。但し、ダミー基板には、基板Wのようにパターニング等は施されていなくてもよい。その他、ダミー基板として、洗浄板や振動板を使用してもよい。
【0063】
ブレークイン処理は、ノズル83(洗浄液供給装置)から基板W若しくはダミー基板に対して洗浄液100を供給しながら行う。ノズル83から供給される洗浄液100はリンス液であってもよいし、薬液であってもよい。ロール洗浄部材81の基板W若しくはダミー基板に対する押し込み量は予め設定されてもよく、この場合には、基板洗浄装置31で洗浄される基板Wに対してロール洗浄部材81が押し込まれる量(押し込み量)と同じ量だけ、ロール洗浄部材81が基板W若しくはダミー基板に対して押し込まれてもよい。
【0064】
なお、押し込み量を測定するためにロール洗浄部材81の基板W若しくはダミー基板に対する荷重を測定できるようにしてもよく、基板洗浄装置31で洗浄される基板Wに対するロール洗浄部材81の荷重と同じ荷重をダミー基板に加えつつブレークイン処理を行ってもよい。一例として、ロール洗浄部材81は、基板W若しくはダミー基板に対する荷重を0~10Nの範囲で変更できるようになってもよい。また、基板W若しくはダミー基板に対して超音波を付加して、ロール洗浄部材81からの発塵を促進させてもよい。
【0065】
以上のようにロール洗浄部材81をブレークイン処理したら、ロール洗浄部材81を基板洗浄処理に持ち込む(ステップS2)。基板洗浄処理では、ノズル83から基板Wの表面に洗浄液100を供給しつつ(洗浄液供給工程)、ロール洗浄部材81を回転させながら基板Wに押し付けてスクラブ洗浄する。ここで、基板Wの表面に形成される洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xは、図7に示す幾何学的構造を有するロール洗浄部材81(基板洗浄部材200Aの幾何学的構造)によってからめとられ、粘性底層101から除去される(粘性底層異物除去工程)。
【0066】
(第2実施例)
次に、上述した第2実施形態の一実施例(第2実施例)について説明する。以下の説明において、上述の実施形態及び実施例と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0067】
図11は、第2実施例に係る洗浄モジュール60の構成を示す斜視図である。
洗浄モジュール60は、図11に示すように、ペンシル洗浄部材92(毛細管力を有する基板洗浄部材200B)を備えている。この洗浄モジュール60は、基板Wを回転させる回転機構90と、基板Wにペンシル洗浄部材92を接触させて回転するペンシル洗浄機構91(アクチュエータ)と、を備える。回転機構90は、基板Wの外周を保持する複数のチャック90a1と、基板Wを鉛直方向に延びる軸回りに回転させる回転ステージ90aと、を備える。回転ステージ90aは、基板Wの下面W2側で、モータ等の電気駆動部と接続されて水平回転する。
【0068】
ペンシル洗浄機構91は、ペンシル洗浄部材92と、ペンシル洗浄部材92を保持するアーム91bと、を備える。ペンシル洗浄部材92は、基板Wと接触する接触部93と、接触部93に接続されアーム91bの先端部に装着される装着部94とを有する。接触部93は、PVA(ポリビニルアルコール)製スポンジあるいはウレタン製スポンジ等の円柱状の弾性支持体であるとよい。ペンシル洗浄部材92は、アーム91bの内部に配置されたモータ等の電気駆動部によって、鉛直方向に延びる軸回りに回転する。
【0069】
アーム91bは、基板Wの上方に配置される。アーム91bの基端部には旋回軸91cが連結されている。旋回軸91cには、アーム91bを旋回させるモータ等の電気駆動部が接続されている。アーム91bは、旋回軸91cを中心に、基板Wと平行な平面内で旋回するようになっている。すなわち、アーム91bの旋回によって、これに支持されたペンシル洗浄部材92が基板Wの半径方向に移動し、基板Wの上面W1を洗浄する。これにより、基板Wの上面W1に付着しているナノレベルの異物を効果的に除去できる。
【0070】
図12は、図11に示す洗浄モジュール60が備えるペンシル洗浄部材92の断面図である。図12は、ペンシル洗浄部材92の接触面92a近傍の領域Bの拡大図を含む。
図12に示すように、ペンシル洗浄部材92は、基板Wを洗浄する際に基板Wと接触する接触部93を有し、基板Wとの接触面92aに、上述した毛細管の孔202を多数有すると共に、接触面92a以外の接触部93の周縁表面(周面)の少なくとも一部がスキン層95によって覆われている。図12に示すスキン層95は、接触部93の周面において、接触面92aと反対の基端側から先端側の途中までを覆うと共に、基端側では装着部94の周面まで覆っている。
【0071】
上記構成によれば、毛細管の孔202によってペンシル洗浄部材92の内部に捕捉したナノレベルの異物X(微小パーティクル)が、基板Wに再付着することを防止できる。つまり、接触部93の周縁表面がスキン層95で覆われることで、接触部93の周縁表面に衝突した洗浄液が接触部93の内部に入り込まず、捕捉した微小パーティクルを排出し難くし、基板Wへの再付着を防止できる。また、スキン層95によって、洗浄液に含まれたパーティクルが接触部93の周縁表面から内部に入り込むことも防止できる。したがって、基板Wに対する洗浄・乾燥時の基板W上のパターン倒壊などをより有効に防止しつつ洗浄することが可能となる。
【0072】
なお、上述したスキン層95は、ペンシル洗浄部材92だけでなく、上述したロール洗浄部材81にも設けることができる。例えば、図6に示すロール洗浄部材81の凸部82aの先端面以外に上述したスキン層95を設ければ、上述した作用効果と同様の作用効果が得られる。
【0073】
なお、ペンシル洗浄部材92の接触面92aのサイズは、φ50~φ300mmほどであってもよい。また、ペンシル洗浄部材92の毛細管の孔202の径は、20μm以上が好ましい。また、ペンシル洗浄部材92の毛細管の機能を発現させるために必要な伸縮性及び力を加える方法として、超音波を付加するとよい。この超音波としては、28kHz~5MHzの範囲が好ましい。また、超音波は、洗浄液100(リンス液等)に印加してもよいし、ペンシル洗浄部材92を振動板等に接触させて振動させてもよい。また、ペンシル洗浄部材92は、基板Wに対する荷重を0~10Nの範囲で変更できるようになってもよい。
【0074】
製造したペンシル洗浄部材92を基板洗浄処理に持ち込む前には、上述した実施例と同様に、ブレークイン処理によって事前にペンシル洗浄部材92の発塵物等を除去する。ペンシル洗浄部材92をブレークイン処理したら、ペンシル洗浄部材92を基板洗浄処理に持ち込む。基板洗浄処理では、ノズル83から基板Wの表面に洗浄液100を供給しつつ(洗浄液供給工程)、ペンシル洗浄部材92を回転させながら基板Wに押し付けてスクラブ洗浄する。ここで、基板Wの表面に形成される洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xは、ペンシル洗浄部材92(基板洗浄部材200Bの毛細管力)によって吸着され、粘性底層101から除去される(粘性底層異物除去工程)。
【0075】
(第3実施例)
次に、上述した第3実施形態の一実施例(第3実施例)について説明する。以下の説明において、上述の実施形態及び実施例と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0076】
図13は、第3実施例に係るロール洗浄部材81の凸部82aの断面図である。なお、図13は、凸部82aの先端の領域Cの拡大図を含む。
図13に示すロール洗浄部材81は、第1実施例と同様に、弾性支持体81Aと、弾性支持体81Aの表面に形成された表層81Bと、を備えている。弾性支持体81Aは、ロール状(円筒状)に形成されている。弾性支持体81Aの材質としては、例えば、多孔質のPVA製スポンジ、発泡ウレタン、ゴムやエラストマー等の弾性体を用いることができる。表層81Bには、正若しくは負に帯電する官能基203が装飾されている。例えば、官能基としては、アミノ基などの塩基性官能基が挙げられる。
【0077】
図14は、第3実施例に係るロール洗浄部材81の製造方法を示すフローチャートである。
ロール洗浄部材81(帯電性を有する基板洗浄部材200C)は、例えば、シランカップリング処理(ステップS11)、ポリエチレンイミン高分子の吸着(ステップS12)、グラフト重合(ステップS13)を経て製造される。
【0078】
例えば、弾性支持体81A(多孔質部材)が無機質材料等の場合、シランカップリング処理によってポリエチレンイミン高分子(有機性材料)を吸着させ易くし、ポリエチレンイミン高分子の吸着、及びグラフト重合によって、アミノ基含有高分子であるポリエチレンイミン(PEI)を結合させ、ロール洗浄部材81に金属イオン吸着能を持たせることができる。なお、弾性支持体81Aが有機性材料の場合、シランカップリング処理は必ずしも必要ではない。
【0079】
ロール洗浄部材81が、塩基性官能基によって装飾されている場合、正に帯電することができる。なお、ロール洗浄部材81が、硫酸基、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、フェノール性水酸基などの酸性官能基によって装飾されている場合、負に帯電することができる。例えば、ロール洗浄部材81の表面に、水酸基の酸化(TEMPO酸化等)によりカルボキシル基を作製してもよい。
その他、PVA製スポンジ(弾性支持体81A)を作製時の型に、表面装飾のための薬剤を塗ってもよい。
【0080】
製造したロール洗浄部材81を基板洗浄処理に持ち込む前には、上述した実施例と同様に、ブレークイン処理によって事前にロール洗浄部材81の発塵物等を除去する。ロール洗浄部材81をブレークイン処理したら、ロール洗浄部材81を基板洗浄処理に持ち込む。基板洗浄処理では、ノズル83から基板Wの表面に洗浄液100を供給しつつ(洗浄液供給工程)、ロール洗浄部材81を回転させながら基板Wに押し付けてスクラブ洗浄する。ここで、基板Wの表面に形成される洗浄液100の粘性底層101に入り込んだ異物Xは、ロール洗浄部材81(基板洗浄部材200の帯電性)によって吸着され、粘性底層101から除去される(粘性底層異物除去工程)。
【0081】
なお、ロール洗浄部材81を塩基性官能基と酸性官能基で装飾し、1本のロール洗浄部材81に正と負の帯電性を持たせても構わない。この場合、正に帯電した領域を製造する際には、負に帯電させる予定領域をあらかじめマスク(キャップ)したうえで正に帯電した領域を製造する。その後に、正に帯電した領域を洗浄し、正に帯電した領域をマスク(キャップ)させたうえで負に帯電した領域を製造する。この手順を踏むことで、同じロール洗浄部材81中において正に帯電した領域と負に帯電した領域の2つの領域を製造することができる。
【0082】
また、正に帯電したロール洗浄部材81と、負に帯電したロール洗浄部材81の2本のロール洗浄部材81を使用して、基板Wを洗浄しても構わない。また、上述した第3実施形態と同様に、異物Xのゼータ電位を薬液(例えば、APM(ammonia-hydrogen peroxide mixture)、SPM(sulfuric-acid and hydrogen-peroxide mixture)、HPM(hydrochloric acid-hydrogen peroxide mixture)、DHF(dolute hydrogen fluoride)、水酸化アンモニウム、アンモニア過水、TMAH(Tetramethylammonium hydroxide)、アミン、シュウ酸、クエン酸、界面活性剤、カソード水、アノード水、水素水、炭酸ガス水)などで制御しても構わない。
また、基板洗浄後、基板洗浄を行ったことによってロール洗浄部材81に付着した異物Xを洗浄部材から取り除くための工程を追加してもよい。例えば、基板W上から退避した退避位置にロール洗浄部材81を移動させ、薬液を供給し異物Xのゼータ電位がロール洗浄部材81と反発するように調整する。この静電的反発によってロール洗浄部材81に付着した異物Xを除去してもよい。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0084】
例えば、以下の変形例を採用しても良い。
【0085】
図15は、一変形例に係る洗浄モジュール60の構成を示す平面図である。
洗浄モジュール60は、図15に示すように、ベベル洗浄部材111(基板洗浄部材200)を備えている。この洗浄モジュール60は、基板Wを回転させる図示しない回転機構と、基板Wの周縁部W3(ベベル部)にベベル洗浄部材111を接触させて回転するベベル洗浄機構110と、を備える。
【0086】
ベベル洗浄機構110は、ベルト状のベベル洗浄部材111と、ベベル洗浄部材111が巻き掛けられた回転体112と、を備える。回転体112は、周面がPVAスポンジ(弾性支持体)等から形成され、ベベル洗浄部材111を弾性的に支持している。回転体112は、基板Wの回転方向と反対方向にベベル洗浄部材111を回走させる。
ベベル洗浄部材111は、幾何学的構造ないし毛細管力ないし帯電性を有している。これにより、基板Wの周縁部W3が洗浄され、周縁部W3に付着しているナノレベルの異物Xを効果的に除去できる。
【0087】
図16は、一変形例に係る基板処理装置の構成を示す側面図である。
図16に示す基板処理装置は、基板Wを水平に保持し、その軸心を中心として回転させる中空状の基板回転機構210と、この基板回転機構210に保持された基板Wの上面をスクラブ(擦り洗い)して基板Wの上面から異物や傷を除去するスクラバー250(処理ヘッド、粘性底層異物除去装置)と、基板Wの下面を流体圧により非接触で支持する静圧支持機構290とを備えている。
【0088】
スクラバー250は、基板回転機構210に保持されている基板Wの上方に配置されており、静圧支持機構290は、基板回転機構210に保持されている基板Wの下方に配置されている。さらに、静圧支持機構290は、基板回転機構210の内側空間内に配置されている。これら、基板回転機構210、スクラバー250、および静圧支持機構290は、隔壁206によって囲まれている。
【0089】
隔壁206には、クリーンエア取入口206a、排気ダクト209が形成されており、排気機構208が設置されている。排気機構208は、ファン208Aと、フィルター208Bとを備えている。この一実施態様における基板処理装置における基板Wの表面処理(スクラブ処理)、洗浄、乾燥は、この隔壁206の内部空間の処理室207で連続して実施されてもよい。
【0090】
基板回転機構210は、基板Wの周縁部を把持する複数のチャック211と、これらチャック211を介して基板Wを回転させる中空モータ212とを備えている。中空モータ212の固定子は、円筒状の静止部材214に固定されている。また、中空モータ212の回転子は、回転基台216に固定されている。回転基台216には、上述したチャック211と、回転カバー225が設けられている。チャック211は、リフト機構230に接続されている。
【0091】
基板Wの上方には、基板Wの上面に洗浄液として純水を供給する洗浄液供給ノズル227が配置されている。この洗浄液供給ノズル227は、図示しない洗浄液供給源に接続され、洗浄液供給ノズル227を通じて基板Wの上面に純水が供給されるようになっている。基板Wに供給された純水は、回転する基板Wから遠心力により振り落とされ、さらに回転カバー225の内周面に捕らえられ、図示しない液体排出孔から排出される。なお、基板Wの上方には、二流体ジェットノズル280が配置される。
【0092】
静圧支持機構290は、基板Wの下方に配置された支持ステージ291と、支持ステージ291を昇降させるステージ昇降機構298と、支持ステージ291を回転させるステージ回転機構299とを備えている。
【0093】
スクラバー250は、基板Wの上側に配置されている。スクラバー250は、スクラバーシャフト251を介して揺動アーム253の一端に連結されており、揺動アーム253の他端は揺動軸254に固定されている。揺動軸254は、軸回転機構255に連結されている。この軸回転機構255により揺動軸254が駆動されると、スクラバー250が基板W上の位置と基板W上から退避する位置との間を移動するようになっている。揺動軸254には、スクラバー250を上下方向に移動させるスクラバー昇降機構256(アクチュエータ)がさらに連結されている。
【0094】
スクラバー250によるスクラブ処理の際には、基板Wの上側を向いた裏面に純水、界面活性剤水溶液、アルカリ性または酸性の洗浄液を供給する。なお、洗浄液は、スクラバー250が基板Wに当接していないときに基板Wの裏面に供給しても差し支えない。
【0095】
図17は、図16に示すスクラバー250に備えられたテープカートリッジ260を示す断面図である。
図17に示すように、テープカートリッジ260は、洗浄テープ261(基板洗浄部材200)と、この洗浄テープ261を基板Wに対して押し付ける押圧部材262と、この押圧部材262をウェハに向かって付勢する付勢機構263と、洗浄テープ261を繰り出すテープ繰り出しリール264と、処理に使用された洗浄テープ261を巻き取るテープ巻き取りリール265とを備えている。なお、符号271は、洗浄テープ261の巻き取りのエンドマークを検出するエンドマーク検知センサである。
【0096】
洗浄テープ261は、テープ繰り出しリール264から、押圧部材262を経由して、テープ巻き取りリール265に送られる。複数の押圧部材262は、スクラバー250の半径方向に沿って延びており、かつスクラバー250の周方向において等間隔に配置されている。したがって、各洗浄テープ261の基板Wとの接触面(基板接触面)は、スクラバー250の半径方向に延びている。図17に示す例では、付勢機構263としてばねが使用されている。
【0097】
このような洗浄テープ261の基板Wとの接触面に、上述し幾何学的構造ないし毛細管力ないし帯電性を追加してもよい。この構成によれば、基板Wの裏面全面における異物の除去率を高め、100nm以上のサイズの異物だけでなくナノレベルの異物をもより効果的に除去できるだけでなく、基板Wの表面傷をもより適切に除去することができる。
【0098】
あるいは、別の実施態様としては、ベルヌーイチャック等の方法で基板Wの裏面側から減圧吸引しながら基板Wを所定の位置に保持・固定するように構成する形態であってもよい。
なお、異物除去の形態は上記形態に限らず、例えば、上述し幾何学的構造ないし毛細管力ないし帯電性を有するシート(基板洗浄部材200)を基板W(ワーク)に押し付ける、若しくはこのシートで基板W(ワーク)を拭き取ることでも異物除去効果は発現できる。この場合のアクチュエータは、例えば、多関節のロボットアームを例示できる。
【0099】
また、例えば、上記実施形態では、基板Wを平置き(水平姿勢)にして異物を除去する形態について例示したが、例えば、基板Wを縦置き(鉛直姿勢)にして異物を除去する形態であっても構わない。
【0100】
また、例えば、上記実施形態では、本発明の基板洗浄装置をCMPの基板処理装置に設置した構成を例示したが、基板の洗浄に使用される基板洗浄装置単体であってもよく、CMP装置以外の装置(例えば、裏面研磨装置、ベベル研磨装置、エッチング装置、あるいはめっき装置)の洗浄部等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0101】
1…基板処理装置、21…基板研磨装置、31…基板洗浄装置、60…洗浄モジュール、81…ロール洗浄部材、81A…弾性支持体、81B…表層、82a…凸部、83…ノズル、91…ペンシル洗浄機構、91b…アーム、91c…旋回軸、92…ペンシル洗浄部材、100…洗浄液、101…粘性底層、101a…粘性底層、110…ベベル洗浄機構、111…ベベル洗浄部材、200…基板洗浄部材、200A…基板洗浄部材、200B…基板洗浄部材、200C…基板洗浄部材、201…突起、201a…溝、202…毛細管の孔、203…官能基、250…スクラバー、261…洗浄テープ、W…基板、X…異物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17