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特開2023-106基板を処理する装置のプロセスレシピを設定する方法及び基板を処理する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000106
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】基板を処理する装置のプロセスレシピを設定する方法及び基板を処理する装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100729
(22)【出願日】2021-06-17
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】美濃谷 恵太
(72)【発明者】
【氏名】武田 大輝
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB28
5F004BC05
5F004BC06
5F004CA06
5F004CA08
(57)【要約】
【課題】 基板を処理する装置のプロセスレシピを設定するにあたり、プロセスレシピの編集を簡便に実行可能とすること。
【解決手段】 ディスプレイの画面に対してプロセスレシピのレシピ設定テーブルの表示を行いながら、レシピ設定テーブルの設定値の編集を受け付ける工程と、設定値の編集を受け付けた後の前記プロセスレシピを前記記憶部に記憶する工程と、を含み、表示切り替え命令に応じ、レシピ設定テーブルの全ての設定項目に対応付けられた設定値を表示する全表示状態と、過去に設定値の編集を受け付けたことがある設定項目のみに対応付けられた設定値を表示する縮約表示状態とを切り替えて前記画面に表示する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する装置のプロセスレシピを設定する方法であって、
前記プロセスレシピの複数の設定項目について、経時的に進行するように定義された複数のステップに各々対応付けて設定された複数の設定値を、前記装置の制御コンピュータにより記憶部から読み出し、前記設定項目と前記ステップとに対応する前記設定値を特定できるように構成されたレシピ設定テーブルとして、前記制御コンピュータに接続されたディスプレイの画面の表示部に表示する工程と、
前記表示部に表示する工程による前記レシピ設定テーブルの表示を行いながら、前記制御コンピュータに接続された入力部を介して、前記ステップと前記設定項目とを特定して選択された前記設定値の編集を受け付ける工程と、
前記設定値の編集を受け付けた後の前記プロセスレシピを前記記憶部に記憶する工程と、を含み、
前記制御コンピュータにより、前記設定値の編集を受け付ける工程を実施する期間中、前記レシピ設定テーブルについて、前記入力部を介して入力された表示切り替え命令に応じ、前記レシピ設定テーブルの全ての前記設定項目に対応付けられた前記設定値を表示する全表示状態と、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがある前記設定項目のみに対応付けられた設定値を表示する縮約表示状態とを切り替えて前記表示部に表示する、方法。
【請求項2】
前記表示部に表示する工程では、前記レシピ設定テーブルは、前記表示部からはみ出た領域をスクロール移動によって前記表示部に表示できるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスレシピのすべての設定値には、予め初期値が設定され、前記制御コンピュータは、前記初期値と一致しない前記設定値を含む前記設定項目について、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがあると判断する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記設定値の編集を受け付ける工程では、前記制御コンピュータは、編集された前記設定値に対して、編集済みフラグを対応付けて前記記憶部に記憶し、前記編集済みフラグが対応付けて記憶された前記設定値を含む前記設定項目について、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがあると判断する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記表示部に表示する工程にて表示された前記レシピ設定テーブルの元となったプロセスレシピが、過去に編集を受け付けたことがある前記設定値を全く含んでいない場合には、前記縮約表示状態の表示を行う表示切り替え命令が入力された場合であっても、前記全表示状態にて前記レシピ設定テーブルを表示する、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
基板を処理する装置であって、
前記基板を処理する基板処理部と、
記憶部に記憶されたプロセスレシピに基づいて前記基板処理部の動作制御を行う制御コンピュータと、
前記制御コンピュータに接続されたディスプレイ及び入力部と、を備え、
前記制御コンピュータは、前記プロセスレシピの複数の設定項目について、経時的に進行するように定義された複数のステップに各々対応付けて設定された複数の設定値を、前記プロセスレシピを記憶した記憶部から読み出し、前記設定項目と前記ステップとに対応する前記設定値を特定できるように構成されたレシピ設定テーブルとして、前記ディスプレイの画面の表示部に表示する動作と、前記表示部への前記レシピ設定テーブルの表示を行いながら、前記入力部を介して、前記ステップと前記設定項目とを特定して選択された前記設定値の編集を受け付ける動作と、前記設定値の編集を受け付けた後の前記プロセスレシピを前記記憶部に記憶する動作と、を実行するように構成され、
さらに前記制御コンピュータは、前記設定値の編集を受け付ける動作を実施する期間中、前記レシピ設定テーブルについて、前記入力部を介して入力された表示切り替え命令に応じ、前記レシピ設定テーブルの全ての前記設定項目に対応付けられた前記設定値を表示する全表示状態と、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがある前記設定項目のみに対応付けられた設定値を表示する縮約表示状態とを切り替えて前記表示部に表示する動作を実行するように構成された、装置。
【請求項7】
前記制御コンピュータは、前記レシピ設定テーブルの前記表示部からはみ出た領域をスクロール移動により前記表示部に表示する動作を実行可能に構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセスレシピのすべての設定値には、予め初期値が設定され、前記制御コンピュータは、前記初期値と一致しない前記設定値を含む前記設定項目について、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがあると判断し、前記レシピ設定テーブルの表示状態の切り替え動作を実行する、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記制御コンピュータは、前記設定値の編集を受け付ける動作にて、編集された前記設定値に対して、編集済みフラグを対応付けて前記記憶部に記憶し、前記編集済みフラグが対応付けて記憶された前記設定値を含む前記設定項目について、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがあると判断し、前記レシピ設定テーブルの表示状態の切り替え動作を実行する、請求項6または7に記載の装置。
【請求項10】
前記表示部に表示された前記レシピ設定テーブルの元となったプロセスレシピが、過去に編集を受け付けたことがある前記設定値を全く含んでいない場合には、前記制御コンピュータは、前記縮約表示状態の表示を行う表示切り替え命令が入力された場合であっても、前記全表示状態にて前記レシピ設定テーブルを表示する動作を実行する、請求項6ないし9のいずれか一つに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板を処理する装置のプロセスレシピを設定する方法及び基板を処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
FPD(Flat Panel Display)や半導体装置の製造工程においては、基板(ガラス基板や半導体ウエハ)への成膜処理やエッチング処理などを施す工程がある。これらの工程を実行する装置(基板を処理する装置)では、予め設定されたプロセスレシピに従って制御コンピュータの指令に基づいて処理が実行されている。
【0003】
特許文献1には、処理をコンピュータに実行させるための表示プログラムにおいて、選択操作されていない操作部品に対応する項目を非表示とする技術が提案されている。また、特許文献2には、従業員情報登録画面において、表示フラグにより項目名について表示、非表示を指定できる技術が提案されている。さらに、特許文献3には、印刷設定処理プログラムにおいて、使用頻度の低い機能設定項目を非表示とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-201854号公報
【特許文献2】特開2019-117489号公報
【特許文献3】特開2006-285968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、基板を処理する装置のプロセスレシピを設定するにあたり、プロセスレシピの編集を簡便に実行することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、基板を処理する装置のプロセスレシピを設定する方法であって、
前記プロセスレシピの複数の設定項目について、経時的に進行するように定義された複数のステップに各々対応付けて設定された複数の設定値を、前記装置の制御コンピュータにより記憶部から読み出し、前記設定項目と前記ステップとに対応する前記設定値を特定できるように構成されたレシピ設定テーブルとして、前記制御コンピュータに接続されたディスプレイの画面の表示部に表示する工程と、
前記表示部に表示する工程による前記レシピ設定テーブルの表示を行いながら、前記制御コンピュータに接続された入力部を介して、前記ステップと前記設定項目とを特定して選択された前記設定値の編集を受け付ける工程と、
前記設定値の編集を受け付けた後の前記プロセスレシピを前記記憶部に記憶する工程と、を含み、
前記制御コンピュータにより、前記設定値の編集を受け付ける工程を実施する期間中、前記レシピ設定テーブルについて、前記入力部を介して入力された表示切り替え命令に応じ、前記レシピ設定テーブルの全ての前記設定項目に対応付けられた前記設定値を表示する全表示状態と、過去に前記設定値の編集を受け付けたことがある前記設定項目のみに対応付けられた設定値を表示する縮約表示状態とを切り替えて前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、基板を処理する装置のプロセスレシピを設定するにあたり、プロセスレシピの編集を簡便に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の基板処理装置の一実施形態を示す概略平面図である。
図2】前記基板処理装置に設けられた基板処理部の一例を示す縦断側面図である。
図3】前記基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】前記基板処理装置の作用を示すフローチャートである。
図5】ディスプレイ画面に表示されたウィンドウの一例を示す説明図である。
図6】ディスプレイ画面に表示されたレシピ設定テーブルの一例を示す第1の説明図である。
図7】ディスプレイ画面に表示されたレシピ設定テーブルの一例を示す第2の説明図である。
図8】ディスプレイ画面に表示されたレシピ設定テーブルの一例を示す第3の説明図である。
図9】ディスプレイ画面に表示されたレシピ設定テーブルの一例を示す第4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<基板処理装置>
以下、本開示の基板を処理する装置(以下、「基板処理装置」と称する)の一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。本例の基板処理装置は、基板であるガラス基板G(以下、「基板G」と称する)のエッチング処理を行う装置として構成されている。基板処理装置1は、大気搬送機構111を備えた大気搬送室11と、真空搬送機構121を備えた真空搬送室12と、を備え、これら大気搬送室11及び真空搬送室12はロードロック室13を介して互いに接続されている。
【0010】
大気搬送室11には、基板Gを複数枚収納した搬送容器10の搬入出が行われる搬入出ポート14が設けられている。搬送容器10内の基板Gは、大気搬送機構111により取り出されて、ロードロック室13に搬送されるように構成され、ロードロック室13内の基板Gは、真空搬送機構121により真空搬送室12に受け取られるように構成される。なお、本開示に係る基板処理装置においては、大気搬送室11、大気搬送機構111、搬送容器10、搬入出ポート14は必ずしも必須の構成要件ではなく、ロードロック室13と大気環境との間で基板Gを搬入出することのできる他の機構をロードロック室13に連結させてもよい。
【0011】
真空搬送室12には、例えば2基の基板処理部2A、2Bと、1基の真空処理部15が夫々接続されている。この例では、基板処理部2A、2Bは、基板にエッチング処理を行うエッチング処理部として構成され、真空処理部15は例えばエッチング後にトリートメント処理を行う後処理部として構成される。図1中、符号GV1~GV3はゲートバルブを示している。
【0012】
<基板処理部>
エッチング処理部をなす基板処理部2A、2Bの一例について、図2を参照して簡単に説明する。この例の基板処理部2A、2Bは、真空容器21内の載置台3上に基板Gを載置し、当該基板Gに対してプラズマ処理を実施するように構成されている。真空容器21内には、ゲートバルブ16により開閉される搬送口22を介して基板Gが搬送され、当該真空容器21の内部空間は、排気路231を介して真空排気機構23により真空排気されるように構成される。排気路231には、例えばAPC(Automatic Pressure Control)バルブなどの圧力調整部232が介装されている。
【0013】
載置台3はプラズマ生成用の電極を兼用するものであり、例えばプラズマ生成用の高周波電源31及びイオン引き込み用のバイアス電力を供給するための高周波電源32が夫々整合器311、321を介して接続されている。この例の載置台3には、温調部をなす温調媒体流路33が内蔵され、基板Gを設定温度に維持するように構成される。載置台3は絶縁部材34により支持されており、基板Gの受け渡しに用いられる昇降ピン35が昇降機構351により昇降可能に挿通されている。
【0014】
真空容器21の天井部には、載置台3と対向するように、上部電極4が配設されている。上部電極4はガスシャワーヘッドを兼用するものであり、中空状に形成されていて、その下面にはガスの吐出孔41が配置される。上部電極4はバルブV1と流量調整部43とを備えたガス供給路42を介して、処理ガスのガス供給源44に接続されている。
【0015】
ここで、上述の構成を備えた基板処理装置1を用いた基板の処理について簡単に説明する。搬送容器10から大気搬送機構111により基板Gを取り出して、大気圧雰囲気のロードロック室13に受け渡し、ロードロック室13を真空雰囲気に調節する。次いで、ロードロック室13内の基板Gを真空搬送機構121により真空搬送室12を介して、基板処理部2A、2Bの載置台3に受け渡す。基板処理部2A、2Bでは、載置台3上に基板Gを載置し、真空容器21内を真空排気機構23により真空排気して所定の真空度に維持した後、処理ガスであるエッチングガスを供給する。
【0016】
一方、載置台3にプラズマ発生用の高周波及びイオン引き込み用の高周波を印加し、基板Gの上方側の空間に形成されたプラズマを利用して、基板Gに対するエッチング処理を実行する。これによりプラズマ中のイオンがバイアス用の高周波により載置台3側に引き寄せられていくので、垂直性の高いエッチング処理が進行する。基板処理部2A、2Bにてエッチング処理された基板Gを、真空搬送機構121により真空搬送室12を介して、真空処理部15に搬送し、エッチング後のトリートメント処理を実行する。次いで、基板Gを、真空搬送機構121により真空雰囲気のロードロック室13に搬送し、ロードロック室13を大気圧雰囲気に調節した後、大気搬送機構111により受け取って、大気搬送室11を介して搬送容器10に戻す。なお、上記の実施形態においては、載置台3と上部電極4を互いに対向する平行電極としてプラズマを生成する容量結合型のプラズマ生成機構として説明したが、これに限らず、例えば誘導結合型のプラズマ生成機構によりプラズマを生成してもよい。
【0017】
<制御コンピュータ>
基板処理装置1は、制御コンピュータ5を備えており、基板処理部2A、2Bや真空処理部15、大気搬送機構111、真空搬送機構121など、基板処理装置1の各部への指令出力を行うように構成される。制御コンピュータ5は、例えば図示しないCPUを備え、基板処理装置1のプロセスレシピに基づいて、既述の基板処理を実行するように構成される。プロセスレシピは、基板処理装置1や基板処理部2A、2Bのプロセスシーケンス及び、真空容器21内の圧力や処理ガスの流量、載置台3の設定温度などの制御パラメータが設定された処理プログラムである。
【0018】
プロセスレシピには、経時的に進行するように定義された複数のステップに各々対応付けて、複数の設定項目(制御パラメータ)に係る設定値が設定されている。例えば1つのステップには、設定項目として当該ステップを実行するステップ時間や基板Gの処理温度、基板Gを収容した容器内の圧力設定値などが設定され、それらの設定値が記憶されている。そして、例えば基板処理部2A、2Bのプロセスレシピでは、当該基板処理部2A、2Bにて実施される全ての動作に係る設定項目(設定パラメータ)の設定値が、複数のステップに対応付けられて記憶されている。
【0019】
さらに、制御コンピュータ5は、図3に示すように、画面制御部51、データ抽出部52の機能を備えると共に、記憶部53やタッチパネルディスプレイ54(「ディスプレイ」の一例)が接続されている。記憶部53はプロセスレシピが格納されたレシピ格納部531としての機能を備え、タッチパネルディスプレイ54は、ディスプレイ画面55(「画面」の一例)と入力部56とを兼用するものである。従って、入力部56は、タッチパネルディスプレイ54が制御コンピュータ5に接続されることにより、同時に制御コンピュータ5に接続される。但し、タッチパネルディスプレイ54を設ける代わりに、ディスプレイ画面55と、ディスプレイ画面55から独立した入力部56とを別個に設け、入力部56はキーボードにより構成してもよい。
【0020】
データ抽出部52は、データであるプロセスレシピに設定されている設定値をレシピ格納部531から読み出したり、後述する表示切り替え命令に応じて、縮約表示対象の設定値を抽出する動作を実行するように構成される。また、画面制御部51は、データ抽出部52によって読み出され、抽出されたプロセスレシピの設定値を後述するレシピ設定テーブル7としてディスプレイ画面55に表示する機能を備える。さらに画面制御部51は、作業者が入力部56を介して行う表示切り替え命令を受け付けて、レシピ設定テーブル7の表示を切り替える処理を実行するように構成される。さらにまた、制御コンピュータ5は、レシピ設定テーブル7の設定値の編集を受け付ける動作と、設定値の編集を受け付けた後のプロセスレシピを記憶部53に記憶する動作と、を実行可能に構成されている。
【0021】
<プロセスレシピの設定>
続いて、図4に示すフローチャートを参照して、基板処理装置1のプロセスレシピを設定する方法について説明する。このプロセスレシピの設定は、制御パラメータの設定値を設定する動作であり、運転条件の変更などのプロセス評価を行う際や、製品の切り替え時などに実施される。
一般に、作業者がプロセスレシピの設定項目(制御パラメータ)の見直しを行うときには、見直したい設定項目が過去に編集された設定項目であることが多い。本開示の技術は、このことに着目し、過去に編集された設定項目のみをディスプレイ画面55に表示させる機能を持たせたものである。この際、制御コンピュータ5が、過去に編集された設定項目であるか否かを判断し、表示切り替え命令の入力により、未編集の設定項目については自動的に非表示にする機能を考案した。
【0022】
<第1の例>
プロセスレシピの設定の第1の例として、作業者が、プロセスレシピについて、過去に編集された設定値の変更を行う場合について説明する。
先ず、作業者がタッチパネルディスプレイ54により、編集対象のプロセスレシピを選択する。この例のタッチパネルディスプレイ54は、図5に示すように、ディスプレイ画面55に、テーブル表示部57(「表示部」の一例)と、入力部56の一部をなす6個のボタン61~66を備えている。ボタン61~66は、図5に示されるようにディスプレイ画面55内に画像として表示されてもよく、また、ディスプレイ画面55の外側に物理的に押下可能なボタンとして設けられてもよい。
【0023】
ボタン61~66のうち、「開く」ボタン61は、プロセスレシピを選択するためのウィンドウ67を開くボタンであり、図5は、「開く」ボタン61を押下して、ウィンドウ67を開いた状態を示す。ウィンドウ67は、例えば、ポップアップウィンドウとして起動される。
図5図9において、ディスプレイ画面55上で、名称がグレーで表示されているボタンは、操作実行中のボタンを示している。なお、ここで「押下」とは、作業者の指などにより、ディスプレイ画面55内に表示された「開く」ボタン61などに触れて対応する機能を起動させることも含む。
【0024】
ここでは編集対象のプロセスレシピを「レシピ1」として、これを選択した場合について説明する。制御コンピュータ5がプロセスレシピの選択を受け付けると(図4の工程101)、選択されたプロセスレシピの設定値を記憶部53のレシピ格納部531から読み出し、当該プロセスレシピに対応付けて構成されたレシピ設定テーブル7をタッチパネルディスプレイ54のディスプレイ画面55内のテーブル表示部57に表示する工程を実施する。
【0025】
本例のレシピ設定テーブル7は、図6図9に示すように、プロセスレシピの複数の設定項目71と、経時的に進行するように定義された複数のステップ72と、に対応付けて、各設定値を表示したテーブルである。基板処理部2A、2Bに関し、設定項目71は、当該基板処理部2A、2Bにおける処理にて制御される真空容器21の圧力、処理ガスの流量、プラズマ電力、バイアス電力、載置台3の設定温度などの制御パラメータである。本例のレシピ設定テーブル7において、これらの設定項目71は、一列目に列挙表示されている。
【0026】
また、ステップ72は、レシピ設定テーブル7の一行目に表示され、プロセスレシピに予め設定されているステップ数に応じて、ステップ1からステップn(nは1以上の整数)まで経時的に進行するステップ72が記載されている。このレシピ設定テーブル7により、各ステップ72に対応させて、設定項目71の設定値を特定できるように構成されている。
【0027】
さらに、タッチパネルディスプレイ54のディスプレイ画面55には、必要に応じてスクロールバー73、74が表示される。制御コンピュータ5は、このスクロールバー73、74を用いた表示範囲の移動指示により、レシピ設定テーブル7のテーブル表示部57からはみ出た領域をスクロール移動によりテーブル表示部57に表示することができる。スクロールバー73は、レシピ設定テーブル7をテーブル表示部57に表示する工程において、テーブル表示部57からはみ出た設定項目71に係る表示領域を上下方向のスクロール移動によって、テーブル表示部57に表示するものである。また、同様に、スクロールバー74は、テーブル表示部57からはみ出たステップ72に係る表示領域を左右方向のスクロール移動によって、テーブル表示部57に表示するものである。
【0028】
図4に戻って説明を続けると、作業者は、「縮約表示」ボタン63を選択するか否かを判断する(工程102)。「縮約表示」ボタン63とは、レシピ設定テーブル7を「縮約表示状態」に設定するためのボタンである。縮約表示状態とは、レシピ設定テーブル7において過去に設定値の編集を受け付けたことがある設定項目のみに対応付けられた設定値を表示する状態を示している。即ち、いずれのステップ72においても過去に設定値が編集されていない設定項目については表示されない。
【0029】
ここで、「全表示」ボタン64についても併せて説明する。「全表示」ボタン64とは、レシピ設定テーブル7を「全表示状態」に設定するためのボタンである。全表示状態とは、レシピ設定テーブル7の全ての設定項目に対応付けられた設定値を表示する状態を示している。即ち、いずれかのステップ72において過去に設定値が編集されたか否かに関わらず、全ての設定項目が表示される。
「縮約表示」ボタン63と「全表示」ボタン64とは、設定値の表示状態を全表示状態と縮約表示状態との間でテーブル表示部57に切り替えて表示する表示切り替え命令を出力するものである。従って、「縮約表示」ボタン63を押下(選択)すると、縮約表示状態の表示切り替え命令を入力したことになり、「全表示」ボタン64を押下すると、全表示状態の表示切り替え命令を入力したことになる。
【0030】
図4の工程102にて「縮約表示」ボタン63を選択すると、制御コンピュータ5は、レシピ格納部531から読み出したプロセスレシピの全ての設定値が初期値であるか否かの判断を行う(工程103)。この工程103は、制御コンピュータ5が、プロセスレシピの設定項目について、過去に設定値の編集を受け付けたことがある設定項目であるか否かを判断するものである。そして、全ての設定値が初期値であると判断したときには、工程105に進み、少なくとも一部の設定値が初期値ではないと判断したときには、工程104に進む。
【0031】
ここで本例の基板処理装置1において、プロセスレシピの全ての設定値には、予め初期値が設定されている。図6には、プロセスレシピの全ての設定値が初期値であるレシピ設定テーブル7を示す。この例において、ディスプレイ画面55のテーブル表示部57に表示されているレシピ設定テーブル7には、例えば設定値を数字で入力する設定項目は「0」、制御の実行の有無をON/OFFにて入力する設定項目は「OFF」の各初期値が設定されている。
【0032】
制御コンピュータ5のデータ抽出部52は、既述のように、初期値と一致しない設定値を含む設定項目について、過去に設定値の編集を受け付けたことがあると判断するように構成されている。従って、設定値に「0」以外の数値が入力されている設定項目及び「ON」が入力されている設定項目は、過去に設定値の編集を受け付けたことがある設定項目であると判断する。
【0033】
レシピ1のレシピ設定テーブル7を全表示状態でテーブル表示部57に表示するディスプレイ画面55を図7に示す。このレシピ設定テーブル7は、過去に編集された設定値を含むものであり、当該過去に編集された設定値が表示されるセルには、そのことを識別可能な表示を行う(図7図8ではセルをグレーで塗り潰してある)。
【0034】
この表示に関し、例えばデータ抽出部52は、選択されたプロセスレシピにおける各設定項目の各ステップの設定値と、同じステップについての初期値とを比較し、これらの値が一致しない場合は、そのことを示す識別符号を付して当該設定値を出力する。画面制御部51は、レシピ設定テーブル7を表示するにあたり、取得した設定値に前記識別符号が付されている場合には、当該設定値の表示されるセルを識別可能に表示する。
以下、過去にいずれかのステップについての設定値の編集を受け付けたことがある設定項目を「編集された設定項目」、過去にいずれのステップの設定値についても編集を受け付けたことがない設定項目を「未編集の設定項目」と記載する場合がある。
【0035】
レシピ設定テーブル7をディスプレイ画面55に表示する際、全表示状態を選択すると、「編集された設定項目」も「未編集の設定項目」も全て表示される(図7)。また、縮約表示状態を選択すると、レシピ設定テーブル7において、「編集された設定項目」のみが表示され、「未編集の設定項目」は非表示となる。従って、図4の工程101にてレシピ1を選択し、工程102にて「縮約表示」ボタン63を押下したときには、表示切り替え命令に基づいて、工程104にて、レシピ設定テーブル7は原則として縮約表示状態でディスプレイ画面55に表示される。即ち、画面制御部51は、抽出部52から取得した設定値について、初期値と一致しない旨の識別符号が付された設定値を含む設定項目について「編集された設定項目」と判断し、レシピ設定テーブル7に表示する。
【0036】
図8に、縮約表示状態で表示するレシピ設定テーブル7を示す。このように縮約表示状態では、初期値と異なる設定値が入力された設定項目が表示され、未編集の設定項目は非表示となる。例えば図7に示すレシピ設定テーブル7において、「圧力」の設定項目に着目すると、ステップ4の「圧力」の設定値は初期値「0」であるが、他のステップ1、2、5では初期値と異なる設定値が入力されている。このようにいずれかのステップにおいて初期値と異なる設定値が入力された設定項目については、全てのステップについての設定値が表示される。図8に示す縮約表示状態のレシピ設定テーブル7では、非表示となった設定項目の分は詰めて表示される。このため、ディスプレイ画面55内に設定された表示領域であるテーブル表示部57に全ての設定項目が表示され、スクロールバー73による上下方向のスクロール動作を実施する必要がなくなる。
【0037】
このように「縮約表示」ボタン63を選択した場合には、図8に示すレシピ設定テーブル7がタッチパネルディスプレイ54のディスプレイ画面55に表示され、作業者は、編集対象の設定項目について設定値を入力することにより編集を実施し、制御コンピュータ5は、設定値の編集を受け付ける(図4の工程106)。設定値の編集は、タッチパネルディスプレイ54のディスプレイ画面55に表示されたレシピ設定テーブル7において、入力部56にてステップ72と設定項目71とを特定したセルを選択した後、不図示のキーボードなどを介して設定値を入力することにより行う。
【0038】
キーボードは、ディスプレイ画面55内に表示させてもよく、また、ディスプレイ画面55とは別に独立して設けてもよい。また、入力部56によるセルの選択は、作業者が指などによりテーブル表示部57に表示されたセルに直接触れて選択するようにしてもよく、あるいは、セルを特定するステップを示す数値と設定項目を示す数値を入力するウィンドウなどを表示させるようにしてもよい。こうして設定値の編集を受け付ける工程を実施する。「縮約表示」ボタン63が選択された条件下では、この設定値の編集を受け付ける工程を実施する期間中、レシピ設定テーブル7は縮約表示状態でタッチパネルディスプレイ54に表示されている。
【0039】
次いで、作業者が設定値の編集が終了した否かを判断し(工程107)、編集が終了していなければ、工程102に戻り、再度編集作業を実行する。一方、編集が終了していれば、「登録」ボタン62を押下して、設定値の編集を行なったプロセスレシピを登録する(工程108)。このようにして、編集を受け付けた後のプロセスレシピを記憶部53のレシピ格納部531に記憶する工程を実施し、プロセスレシピの設定の編集を終了する。
【0040】
なお、工程102にて「縮約表示」ボタン63を選択しない場合には、工程105に進み、レシピ設定テーブル7は図7に示す全表示状態でディスプレイ画面55に表示される。例えば「処理ガスA」の設定項目の設定値を変更する場合には、レシピ設定テーブル7を全表示状態で表示して設定値の編集を実施する。図7に示す例では、すべてのステップにおいて「処理ガスA」の設定値は初期値「0」のままであるので、縮約表示状態に切り替えると、当該設定項目が表示されないからである。この場合においても、工程106、工程107、工程108については、上述の第1の例と同様に実施される。
【0041】
<第2の例>
プロセスレシピの設定の第2の例として、作業者が、新たにプロセスレシピの作成を行う場合について説明する。
先ず、作業者がタッチパネルディスプレイ54により、図5に示されたウィンドウ67から「新規レシピ」を選択する。プロセスレシピの選択を受け付けると(工程101)、選択されたプロセスレシピのレシピ設定テーブル7をタッチパネルディスプレイ54のディスプレイ画面55に表示する。「新規レシピ」のレシピ設定テーブル7は、図6に示すように、プロセスレシピの全ての設定値が初期値であるレシピ設定テーブル7である。
【0042】
続いて、作業者は、「縮約表示」ボタン63を選択するか判断する(図4の工程102)。新規レシピを作成する場合には、レシピ設定テーブル7を全表示状態で表示し、設定項目71とステップ72とを対応付けて設定値を入力するが、仮に「縮約表示」ボタン63を選択してしまった場合には、制御コンピュータ5が全ての設定値が初期値であるか否かの判断を行う(工程103)。ここで、画面制御部51は、プロセスレシピが、過去に編集を受け付けたことがある設定値を含んでいない場合(全ての設定値に識別符号が付されていない場合)には、「縮約表示」ボタン63が押下されても全表示状態で設定値の表示を行うように構成されている。従って、誤って「縮約表示」ボタン63を押下しても、全ての設定値が初期値であるので、レシピ設定テーブル7は全表示状態で表示され(工程105)、全ての設定項目が非表示となることはない。
【0043】
そして、作業者は、レシピ設定テーブル7を全表示状態でディスプレイ画面55に表示した状態で、設定値の編集を行い、制御コンピュータ5は、設定値の編集を受け付ける工程を実施する(工程106)。工程107、工程108については、上述の第1の例と同様である。
【0044】
ここで他のボタンについて説明する。「選択設定」ボタン65は、レシピ設定テーブル7に表示する設定項目の任意の選択を受け付けるウィンドウを開くボタンである。当該ボタン65を押下すると、図9に示す設定項目選択用のウィンドウ68が、例えばポップアップウィンドウとして開かれる。このウィンドウ68では、例えば全表示状態のレシピ設定テーブル7に表示される設定項目の追加・削除を行うことができる。「閉じるボタン」66は、開いたウィンドウ67、68を閉じるボタンである。
【0045】
この実施の形態によれば、基板を処理する装置のプロセスレシピを設定するにあたり、プロセスレシピの編集を簡便に実行することができる。つまり、プロセスレシピの編集内容に応じて、表示切り替え命令を入力するという簡易な操作により、レシピ設定テーブル7を、全表示状態と縮約表示状態に切り替えてディスプレイ画面55に表示できる。このため、既に設定値の編集が行われたプロセスレシピを利用して、必要な設定項目を自動選択することができるので、プロセスレシピの編集を簡便に実行することができる。
【0046】
例えば、過去に編集された設定項目について設定値を変更する場合には、縮約表示状態とする表示切り替え命令を入力し、図8に示すように編集対象の設定項目のみを表示する。縮約表示状態では、未編集の設定項目については非表示となるので、ディスプレイ画面55に表示される設定項目が少なくなり、詰めて表示される。このため、編集対象の設定項目とステップとを対応づけた設定値の入力箇所の探索が容易になる。一方、未編集の設定項目について設定値を変更する場合には、図7に示すように、全表示状態とする表示切り替え命令を入力し、全ての設定項目を表示することにより、設定値の編集を行うことができる。
【0047】
プロセスレシピによっては、縮約表示状態を選択すると、過去に編集された設定項目を1画面に全て表示することができるため、スクロール動作が不要となり、編集対象の設定項目とステップとを対応づけた設定値の入力箇所の探索がより容易になる。また、編集対象の設定項目を1画面に全て収めることができると、スクリーンショットにより画像を取得して保存する場合にも便利である。さらにまた、仮に縮約表示状態であっても全ての設定項目をディスプレイ画面55に表示することができないプロセスレシピであっても、全表示状態と比べてディスプレイ画面55のテーブル表示部57からはみ出る領域を低減できる。この結果、設定項目をディスプレイ画面55のテーブル表示部57内に表示するためのスクロール移動の負担が小さくなり、設定値の編集作業が簡便となる。
【0048】
このように、設定値の入力箇所が探索しやすくなることから、設定値の編集作業に要する時間や手間が削減でき、効率的に設定値の編集を行うことができる上、編集ミスの発生も削減できる。
従来では、レシピ設定テーブル7を全表示状態で表示して設定値の編集を行うため、制御パラメータ(設定項目)が多く、かつ未編集の設定項目も多い場合には、編集対象の設定項目をディスプレイ画面55に表示するために、多くのスクロール移動が必要であった。また、ディスプレイ画面55に表示される設定項目が多いため、編集対象である設定値の入力箇所の探索に手間がかかっていたが、本開示の技術はこれら課題を解消することができる。
【0049】
また、上述の実施形態では制御コンピュータ5(抽出部52)は、初期値と一致しない設定値を含む設定項目について、過去に編集された設定項目であると判断するように構成されている。このように制御コンピュータ5が、設定項目の初期値と現在の設定値とを比較して、未編集の設定項目を自動的に判断するため、作業者が縮約表示状態で表示される設定項目を予め選択する必要がない。このことによっても、設定値の編集の手間が削減されると共に操作ミスの発生が抑制され、より一層プロセスレシピの設定を効率的に実行することができる。
【0050】
さらに、制御コンピュータ5(画面制御部51)は、設定項目の設定値が全て初期値である場合には、常に全表示状態にてレシピ設定テーブル7を表示するように構成されている。そこで既述のように、新たなプロセスレシピを作成する場合に、誤って「縮約表示」ボタン63を押下しても、全表示状態にてレシピ設定テーブル7が表示される。このため、「縮約表示」ボタン63が誤って押されているためにレシピ設定テーブル7が全く表示されないといったトラブルの発生を防ぎ、編集作業に速やかに取り掛かることができる。この点においても、本開示の技術は、設定値の編集を簡便にすることができる。
【0051】
以上において、上述の実施形態においては、制御コンピュータ5(抽出部52)は、未編集の設定項目であるか否かについて、設定値が初期値と一致するか否かに基づいて判断した。但し、制御コンピュータ5が未編集の設定項目の有無を判定する手法はこの例には限定されない。例えば、設定値の編集を受け付けた際に、当該編集された設定値に対して、編集済みフラグを対応付けて記憶部53に記憶してもよい。この例ではこの編集済みフラグが対応付けて記憶された設定値を含む設定項目について、過去に設定値の編集を受け付けたことがあると判断されることとなる。この構成においても、制御コンピュータ5(画面制御部51)が、記憶部53から読み出された設定値についての編集の有無を判断することができる。従って、作業者からの表示切り替え命令を受け付けて、レシピ設定テーブル7の表示を自動的に縮約表示状態に切り替えることが可能となる。この点においても、本開示の技術は、プロセスレシピの設定値の編集を簡便にすることができる。
【0052】
また、表示切り替え命令は、ボタンを押下することにより実施しているので、当該命令の入力を容易に行うことができる。なお、表示切り替え命令を実行するボタンは、「縮約表示」ボタン63と「全表示」ボタン64とを備える構成には限らず、「全表示」ボタン64を設けずに「縮約表示」ボタン63のみを設ける構成であってもよい。この場合には、通常はレシピ設定テーブル7を全表示状態にてディスプレイ画面55に表示し、「縮約表示」ボタン63を押下したときのみ、レシピ設定テーブル7が縮約表示状態で表示される。また、レシピ設定テーブル7が縮約表示状態で表示されている場合には、「縮約表示」ボタン63が表示されず、「全表示」ボタン64のみが表示されるようにしてもよい。
さらにプロセスレシピの設定値の初期値は、適宜設定できる値である。従って、既述の図6に示すレシピ設定テーブル7のへの例示(数値を入力する設定項目では「0」、制御の有無を入力する設定項目では「OFF」)とは別の初期値を設定してもよい。
【0053】
本開示を適用可能な基板処理装置は上述の構成に限定されるものではない。本開示の技術は、ガラス基板や半導体ウエハにレジスト液を塗布し、露光後の現像を行う塗布・現像装置に設けられている塗布装置や、現像装置、加熱装置、これらの基板への成膜処理を行う成膜装置など、プロセスレシピを用いて制御される各種の基板処理装置に適用することができる。
【0054】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 基板処理装置
5 制御コンピュータ
53 記憶部
55 ディスプレイ画面
56 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9