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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106006
(43)【公開日】2023-08-01
(54)【発明の名称】ループ型ヒートパイプ
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20230725BHJP
【FI】
F28D15/02 102A
F28D15/02 E
F28D15/02 L
F28D15/02 101L
F28D15/02 102C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007090
(22)【出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】町田 洋弘
(57)【要約】
【課題】放熱性を向上できるループ型ヒートパイプを提供する。
【解決手段】ループ型ヒートパイプLH1は、ループ状の流路15内に作動流体が封入されたループ型ヒートパイプ本体10と、ループ型ヒートパイプ本体10に設けられた第1磁石50と、ループ型ヒートパイプ本体10の外面に熱的に接続された放熱板30と、放熱板30に設けられるとともに、第1磁石50に対向して設けられた第2磁石60と、を有する。第1磁石50と第2磁石60とは、互いに異なる磁極が向かい合うように設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ状の流路内に作動流体が封入されたループ型ヒートパイプ本体と、
前記ループ型ヒートパイプ本体に設けられた第1磁石と、
前記ループ型ヒートパイプ本体の外面に熱的に接続された放熱板と、
前記放熱板に設けられるとともに、前記第1磁石に対向して設けられた第2磁石と、を有し、
前記第1磁石と前記第2磁石とは、互いに異なる磁極が向かい合うように設けられているループ型ヒートパイプ。
【請求項2】
前記ループ型ヒートパイプ本体は、
前記作動流体を気化させる蒸発器と、
前記作動流体を液化する凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器とを接続する液管と、
前記蒸発器と前記凝縮器とを接続する蒸気管と、を有し、
前記第1磁石は、前記凝縮器に設けられており、
前記放熱板は、前記凝縮器に熱的に接続されている請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項3】
前記凝縮器は、前記放熱板に対向する第1対向面を有し、
前記放熱板は、前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、
前記第2対向面は、前記第1対向面に接触している請求項2に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項4】
前記凝縮器は、前記放熱板に対向する第1対向面を有し、
前記放熱板は、前記第1対向面に対向する第2対向面を有し、
前記第1対向面と前記第2対向面との間に設けられた熱伝導部材を更に有し、
前記放熱板は、前記熱伝導部材を介して前記凝縮器に熱的に接続されている請求項2に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項5】
前記熱伝導部材は、前記熱伝導部材の厚さ方向における第1端面及び第2端面を有し、
前記第1端面及び前記第2端面のいずれか一方が前記第1対向面に対向するとともに、前記第1端面及び前記第2端面のいずれか他方が前記第2対向面に対向しており、
前記第1端面及び前記第2端面の少なくとも一方は、非接着面である請求項4に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項6】
前記第1磁石は、前記第1対向面よりも前記第2対向面に向かって突出するように設けられており、
前記第1対向面からの前記第1磁石の突出量は、前記熱伝導部材の厚さ以下である請求項4又は請求項5に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項7】
前記第2磁石は、前記第2対向面よりも前記第1対向面に向かって突出するように設けられており、
前記第1対向面からの前記第1磁石の突出量と前記第2対向面からの前記第2磁石の突出量とを合わせた合計量は、前記熱伝導部材の厚さ以下である請求項6に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項8】
前記第1磁石は、平面視において、前記熱伝導部材と重ならない位置に設けられている請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項9】
前記第1磁石は、平面視において、前記流路と重ならないように設けられており、
前記第1磁石は、前記凝縮器に埋め込まれている請求項2から請求項8のいずれか1項に記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項10】
前記第1磁石は、前記凝縮器を厚さ方向に貫通している請求項9に記載のループ型ヒートパイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ型ヒートパイプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器に搭載される半導体デバイス(例えば、CPU等)の発熱部品を冷却するデバイスとして、作動流体の相変化を利用して熱を輸送するヒートパイプが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
ヒートパイプの一例として、発熱部品の熱により作動流体を気化させる蒸発器と、気化した作動流体を冷却して液化する凝縮器とを備え、蒸発器と凝縮器とがループ状の流路を形成する液管と蒸気管とで接続されたループ型ヒートパイプが知られている。ループ型ヒートパイプでは、作動流体がループ状の流路を一方向に流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6291000号公報
【特許文献2】特許第6400240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したループ型ヒートパイプでは、放熱性の向上が望まれており、この点においてなお改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、ループ状の流路内に作動流体が封入されたループ型ヒートパイプ本体と、前記ループ型ヒートパイプ本体に設けられた第1磁石と、前記ループ型ヒートパイプ本体の外面に熱的に接続された放熱板と、前記放熱板に設けられるとともに、前記第1磁石に対向して設けられた第2磁石と、を有し、前記第1磁石と前記第2磁石とは、互いに異なる磁極が向かい合うように設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一観点によれば、放熱性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態のループ型ヒートパイプを示す概略断面図(図2における1-1線断面図)である。
図2】一実施形態のループ型ヒートパイプを示す概略平面図である。
図3】一実施形態のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図4】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図5】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図6】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図7】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図8】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図9】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略断面図である。
図10】変更例のループ型ヒートパイプを示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、添付図面は、便宜上、特徴を分かりやすくするために特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部の部材のハッチングを梨地模様に代えて示し、一部の部材のハッチングを省略している。各図面では、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸を図示している。以下の説明では、便宜上、X軸に沿って延びる方向をX軸方向と称し、Y軸に沿って延びる方向をY軸方向と称し、Z軸に沿って延びる方向をZ軸方向と称する。なお、本明細書において、「平面視」とは、対象物をZ軸方向から見ることを言い、「平面形状」とは、対象物をZ軸方向から見た形状のことを言う。
【0010】
(ループ型ヒートパイプ10の全体構成)
図1に示すループ型ヒートパイプLH1は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等のモバイル型の電子機器M1に収容される。ループ型ヒートパイプLH1は、ループ型ヒートパイプ本体10と、ループ型ヒートパイプ本体10の外面に熱的に接続された放熱板30と、ループ型ヒートパイプ本体10に設けられた第1磁石50と、放熱板30に設けられた第2磁石60とを有している。
【0011】
図2及び図3に示すように、ループ型ヒートパイプLH1には、発熱部品100が熱的に接続される。図3に示すように、発熱部品100は、配線基板101に実装されている。発熱部品100及び配線基板101は、電子機器M1に収容される。ここで、電子機器M1は、例えば、発熱部品100と、発熱部品100を冷却するデバイスとが搭載される電子機器である。発熱部品100を冷却するデバイスとしては、作動流体の相変化を利用して熱を輸送するヒートパイプが知られており、ヒートパイプの一例として、ループ型ヒートパイプLH1が挙げられる。
【0012】
(ループ型ヒートパイプ本体10の構成)
図2に示すように、ループ型ヒートパイプ本体10は、蒸発器11と、蒸気管12と、凝縮器13と、液管14とを有している。
【0013】
蒸発器11と凝縮器13は、蒸気管12と液管14とにより接続されている。蒸発器11は、作動流体Cを気化させて蒸気Cvを生成する機能を有している。蒸発器11で生成された蒸気Cvは、蒸気管12を介して凝縮器13に送られる。凝縮器13は、作動流体Cの蒸気Cvを液化する機能を有している。液化した作動流体Cは、液管14を介して蒸発器11に送られる。蒸気管12及び液管14は、作動流体C又は蒸気Cvを流すループ状の流路15を形成する。流路15には、作動流体Cが封入されている。
【0014】
蒸気管12は、例えば、長尺状の管体に形成されている。液管14は、例えば、長尺状の管体に形成されている。本実施形態において、蒸気管12と液管14とは、例えば、長さ方向の寸法(つまり、長さ)が互いに等しい。なお、蒸気管12の長さと液管14の長さとは、互いに異なっていてもよい。例えば、液管14の長さに比べて蒸気管12の長さが短くてもよい。ここで、本明細書における蒸発器11、蒸気管12、凝縮器13及び液管14の「長さ方向」とは、各部材における作動流体C又は蒸気Cvが流れる方向(図中矢印参照)に一致する方向のことである。また、本明細書において「等しい」とは、正確に等しい場合の他、寸法公差等の影響により比較対象同士に多少の相違がある場合も含む。
【0015】
図3に示すように、蒸発器11は、発熱部品100に密着して固定されている。蒸発器11は、例えば、発熱部品100の上面に固定されている。蒸発器11は、例えば、複数(本実施形態では、4つ)の取付孔11Xを有している。各取付孔11Xは、蒸発器11を厚さ方向(ここでは、Z軸方向)に貫通している。蒸発器11は、例えば、各取付孔11Xに挿入されたネジ102と、ネジ102に螺入されたナット103とにより配線基板101に固定されている。配線基板101には、発熱部品100が実装されている。発熱部品100は、例えば、バンプ100Aにより配線基板101に実装されている。蒸発器11の下面は、発熱部品100の上面に密着されている。発熱部品100としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどの半導体素子を用いることができる。
【0016】
図2に示すように、蒸発器11内の作動流体Cは、発熱部品100で発生した熱により気化し、蒸気Cvが生成される。蒸発器11において発生した蒸気Cvは、蒸気管12を介して凝縮器13へと導かれる。
【0017】
蒸気管12は、例えば、蒸気管12の長さ方向と平面視で直交する幅方向の両側に設けられた一対の管壁12wと、一対の管壁12wの間に設けられた流路12rとを有している。流路12rは、蒸発器11の内部空間と連通している。流路12rは、ループ状の流路15の一部である。
【0018】
凝縮器13は、例えば、放熱用に面積を大きくした放熱プレート13pと、放熱プレート13pの内部に設けられた流路13rとを有している。流路13rは、流路12rと連通してY軸方向に延びる流路r1と、流路r1から屈曲してX軸方向に延びる流路r2と、流路r2から屈曲してY軸方向に延びる流路r3とを有している。流路13r(流路r1~r3)は、ループ状の流路15の一部である。凝縮器13は、流路13r、つまり流路r1~r3の長さ方向と平面視で直交する方向の両側に設けられた管壁13wを有している。蒸気管12を介して導かれた蒸気Cvは、凝縮器13において液化する。凝縮器13で液化した作動流体Cは、液管14を通って蒸発器11に導かれる。
【0019】
液管14は、例えば、液管14の長さ方向と平面視で直交する幅方向の両側に設けられた一対の管壁14wと、一対の管壁14wの間に設けられた流路14rとを有している。流路14rは、凝縮器13の流路13r(具体的には、流路r3)と連通するとともに、蒸発器11の内部空間と連通している。流路14rは、ループ状の流路15の一部である。
【0020】
ループ型ヒートパイプLH1では、発熱部品100で発生した熱を凝縮器13に移動し、その凝縮器13において放熱する。これにより、発熱部品100が冷却され、発熱部品100の温度上昇が抑制される。
【0021】
ここで、作動流体Cとしては、蒸気圧が高く、蒸発潜熱が大きい流体を使用することが好ましい。このような作動流体Cを用いることで、蒸発潜熱によって発熱部品100を効率的に冷却できる。作動流体Cとしては、例えば、アンモニア、水、フロン、アルコール、アセトン等を用いることができる。
【0022】
(凝縮器13の具体的構造)
図1は、図2の1-1線に沿うループ型ヒートパイプLH1の断面を示している。この断面は、凝縮器13及び液管14において作動流体Cの流れる方向と直交する面である。
【0023】
図1に示すように、凝縮器13は、例えば、3層の金属層21,22,23を積層した構造を有している。換言すると、凝縮器13は、一対の外層金属層となる金属層21,23の間に、内層金属層となる金属層22を積層した構造を有している。本実施形態の凝縮器13の内層金属層は、1層の金属層22のみによって構成されている。
【0024】
各金属層21~23は、例えば、熱伝導性に優れた銅(Cu)層である。複数の金属層21~23は、例えば、拡散接合、圧接、摩擦圧接や超音波接合等の固相接合により互いに直接接合されている。なお、図1では、金属層21~23を判り易くするため、実線にて区別している。例えば、金属層21~23を拡散接合により一体化した場合、各金属層21~23の界面は消失していることがあり、境界は明確ではないことがある。ここで、固相接合とは、接合対象物同士を溶融させることなく固相(固体)状態のまま加熱して軟化させ、更に加熱して塑性変形を与えて接合する方法である。なお、金属層21~23は、銅層に限定されず、ステンレス層、アルミニウム層やマグネシウム合金層等から形成してもよい。また、積層した金属層21~23のうちの一部の金属層について、他の金属層と異なる材料が用いられてもよい。金属層21~23の各々の厚さは、例えば、50μm~200μm程度とすることができる。なお、金属層21~23のうちの一部の金属層を他の金属層と異なる厚さとしてもよく、また全ての金属層を互いに異なる厚さとしてもよい。
【0025】
凝縮器13は、Z軸方向に積層された金属層21~23からなり、流路13rと、Y軸方向において流路13rの両側に設けられた一対の管壁13wとを有している。
金属層22は、金属層21と金属層23との間に積層されている。金属層22の上面は、金属層21に接合されている。金属層22の下面は、金属層23に接合されている。金属層22は、金属層22を厚さ方向に貫通する貫通孔22Xと、Y軸方向において貫通孔22Xの両側に設けられた一対の管壁22wとを有している。貫通孔22Xは、流路13rを構成している。
【0026】
金属層21は、金属層22の上面に積層されている。金属層21は、平面視において管壁22wと重なる位置に設けられた管壁21wと、平面視において流路13rと重なる位置に設けられた上壁21uとを有している。管壁21wの下面は、管壁22wの上面に接合されている。上壁21uは、一対の管壁21wの間に設けられている。上壁21uの下面は、流路13rに露出している。換言すると、上壁21uは、流路13rを構成している。
【0027】
金属層23は、金属層22の下面に積層されている。金属層23は、平面視において管壁22wと重なる位置に設けられた管壁23wと、平面視において流路13rと重なる位置に設けられた下壁23dとを有している。管壁23wの上面は、管壁22wの下面に接合されている。下壁23dは、一対の管壁23wの間に設けられている。下壁23dの上面は、流路13rに露出している。換言すると、下壁23dは、流路13rを構成している。
【0028】
流路13rは、金属層22の貫通孔22Xにより構成されている。流路13rは、貫通孔22Xの内壁面と、上壁21uの下面と、下壁23dの上面とによって囲まれた空間により形成されている。
【0029】
各管壁13wは、例えば、金属層21の管壁21wと、金属層22の管壁22wと、金属層23の管壁23wとにより構成されている。
図1に示すように、凝縮器13は、放熱板30に対向する第1対向面13Aを有している。第1対向面13Aは、例えば、凝縮器13における金属層21の上面によって構成されている。なお、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
【0030】
(蒸気管12の構成)
図2に示す蒸気管12は、凝縮器13と同様に、3層の金属層21~23(図1参照)が積層されて形成されている。例えば、蒸気管12では、内層金属層である金属層22を厚さ方向に貫通する貫通孔を形成することにより、流路12rが形成されている。
【0031】
(液管14の構成)
図1に示すように、液管14は、凝縮器13と同様に、3層の金属層21~23が積層されて形成されている。液管14では、内層金属層である金属層22を厚さ方向に貫通する貫通孔22Yを形成することにより、流路14rが形成されている。液管14は、流路14rの両側に設けられた一対の管壁14wを有している。各管壁14wには、例えば、孔や溝は形成されていない。液管14は、例えば、多孔質体を有していてもよい。多孔質体は、例えば、内層金属層である金属層22の上面から窪む第1有底孔と、金属層22の下面から窪む第2有底孔と、それら第1有底孔と第2有底孔とが部分的に連通して形成される細孔とを有するように構成される。多孔質体は、例えば、その多孔質体に生じる毛細管力によって、凝縮器13で液化した作動流体Cを蒸発器11(図2参照)へと導く。また、液管14には、図示は省略するが、作動流体C(図2参照)を注入するための注入口が設けられている。但し、注入口は、封止部材により塞がれており、ループ型ヒートパイプ本体10内は気密に保たれている。
【0032】
(蒸発器11の構成)
図2に示す蒸発器11は、凝縮器13と同様に、3層の金属層21~23(図1参照)が積層されて形成されている。蒸発器11は、例えば、液管14と同様に、多孔質体を有していてもよい。例えば、蒸発器11では、蒸発器11に設けられた多孔質体が櫛歯状に形成されている。蒸発器11内において、多孔質体の設けられていない領域は、空間が形成されている。
【0033】
このように、ループ型ヒートパイプ本体10は、3層の金属層21~23(図1参照)が積層されて構成される。なお、金属層の積層数は、3層に限定されず、4層以上とすることができる。
【0034】
(第1磁石50の構成)
第1磁石50は、ループ型ヒートパイプ本体10の凝縮器13に設けられている。凝縮器13には、例えば、複数(本実施形態では、6個)の第1磁石50が設けられている。各第1磁石50は、例えば、凝縮器13に埋め込まれている。各第1磁石50は、例えば、凝縮器13の管壁13wに埋め込まれている。換言すると、各第1磁石50は、例えば平面視において、流路15、具体的には流路13rと重ならないように設けられている。第1磁石50は、例えば、一対の管壁13wの両方に設けられている。
【0035】
図1に示すように、各第1磁石50は、例えば、凝縮器13の管壁13wを厚さ方向(ここでは、Z軸方向)に貫通するように設けられている。例えば、管壁13wには、管壁13wを厚さ方向に貫通する複数の貫通孔13Xが設けられている。各第1磁石50は、例えば、各貫通孔13Xに収容されている。各第1磁石50の側面は、例えば、各貫通孔13Xの内側面に密着している。各第1磁石50の側面は、例えば、第1磁石50の周方向全周にわたって、各貫通孔13Xの内側面に密着している。なお、各第1磁石50の側面と各貫通孔13Xの内側面とは、直接接していてもよいし、接着部材などを介して接していてもよい。各第1磁石50の上面は、例えば、金属層21の上面、つまり第1対向面13Aから露出している。各第1磁石50の上面は、例えば、第1対向面13Aと面一に形成されている。各第1磁石50の下面は、例えば、金属層23の下面から露出している。各第1磁石50の下面は、例えば、金属層23の下面と面一に形成されている。
【0036】
各第1磁石50の平面形状は、例えば、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。図2に示すように、本実施形態の各第1磁石50の平面形状は、円形状に形成されている。すなわち、本実施形態の各第1磁石50は、円柱状に形成されている。複数の第1磁石50は、例えば、凝縮器13の厚さ方向(ここでは、Z軸方向)と直交する平面方向の一方向(ここでは、X軸方向)に沿って並んで設けられている。複数の第1磁石50は、例えば、X軸方向に互いに間隔を空けて設けられている。本実施形態の凝縮器13では、流路13r(具体的には、流路r2)のY軸方向の両側において、3つの第1磁石50がX軸方向に互いに間隔を空けて設けられている。一方の管壁13wに設けられた第1磁石50と他方の管壁13wに設けられた第1磁石50とは、Y軸方向において流路13rを両側から挟むように設けられている。例えば、一方の管壁13wに設けられた第1磁石50と他方の管壁13wに設けられた第1磁石50とは、X軸方向において互いに同じ位置に設けられている。なお、一方の管壁13wに設けられた第1磁石50と他方の管壁13wに設けられた第1磁石50とを、X軸方向において互いに異なる位置に設けるようにしてもよい。
【0037】
第1磁石50としては、例えば、サマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石などを用いることができる。第1磁石50としては、例えば、熱による減磁(磁力低下)、つまり熱減磁が比較的小さい磁石を用いることが好ましい。本実施形態の第1磁石50は、熱減磁が小さいサマリウムコバルト磁石である。
【0038】
(放熱板30の構成)
図1に示すように、放熱板30は、ループ型ヒートパイプ本体10の外面に固定されている。放熱板30は、例えば、ループ型ヒートパイプ本体10の凝縮器13の外面に固定されている。放熱板30は、例えば、第1磁石50と第2磁石60との間に生じる磁力的な吸引力により、凝縮器13の外面に固定されている。放熱板30は、例えば、凝縮器13と平面視で重なる位置に設けられている。放熱板30は、例えば、凝縮器13の第1対向面13Aに熱的に接続されている。放熱板30は、例えば、平板状に形成されている。放熱板30は、例えば、平面視矩形状に形成されている。放熱板30の平面形状は、例えば、凝縮器13の平面形状よりも大きく形成されている。放熱板30は、ヒートスプレッダとも呼ばれる。放熱板30は、例えば、凝縮器13の第1対向面13Aに熱的に接続されることにより、凝縮器13からの熱の密度を分散させる機能を有している。
【0039】
放熱板30の材料としては、例えば、熱伝導率の良好な材料を用いることができる。放熱板30としては、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)又はそれらの合金で作製された基板を用いることができる。放熱板30としては、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックスやシリコン等の熱伝導率の高い絶縁材料や半導体材料で作製された基板を用いることもできる。なお、放熱板30の厚さは、例えば、500μm~1000μm程度とすることができる。放熱板30の厚さは、例えば、ループ型ヒートパイプ本体10の全体の厚さよりも厚く形成されている。
【0040】
放熱板30は、凝縮器13の第1対向面13Aと対向する第2対向面30A(ここでは、下面)を有している。第2対向面30Aは、Z軸方向において第1対向面13Aと対向している。第2対向面30Aは、例えば、第1対向面13Aに熱的に接続されている。第2対向面30Aは、例えば、第1対向面13Aに直接接触している。すなわち、本実施形態の放熱板30は、第2対向面30Aが第1対向面13Aに接することにより、ループ型ヒートパイプ本体10と熱的に接続されている。
【0041】
(第2磁石60の構成)
第2磁石60は、放熱板30に設けられている。放熱板30には、例えば、複数の第2磁石60が設けられている。放熱板30には、例えば、第1磁石50と同数(ここでは、6個)の第2磁石60が設けられている。各第2磁石60は、例えば、放熱板30に埋め込まれている。各第2磁石60は、各第1磁石50に対向するように設けられている。各第2磁石60の平面形状は、例えば、任意の形状及び任意の大きさとすることができる。本実施形態の各第2磁石60の平面形状は、第1磁石50の平面形状と同様に、円形状に形成されている。すなわち、本実施形態の各第2磁石60は、円柱状に形成されている。
【0042】
各第2磁石60は、例えば、放熱板30を厚さ方向に貫通するように設けられている。例えば、放熱板30には、放熱板30を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔30Xが設けられている。各第2磁石60は、例えば、各貫通孔30Xに収容されている。各第2磁石60の側面は、例えば、各貫通孔30Xの内側面に密着している。各第2磁石60の側面は、例えば、第2磁石60の周方向全周にわたって、各貫通孔30Xの内側面に密着している。なお、各第2磁石60の側面と各貫通孔30Xの内側面とは、直接接していてもよいし、接着部材などを介して接していてもよい。各第2磁石60の下面は、例えば、第2対向面30Aから露出している。各第2磁石60の下面は、例えば、第2対向面30Aと面一に形成されている。各第2磁石60の上面は、例えば、放熱板30の上面から露出している。各第2磁石60の上面は、例えば、放熱板30の上面と面一に形成されている。
【0043】
第2磁石60としては、例えば、サマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石などを用いることができる。第2磁石60としては、例えば、熱減磁が比較的小さい磁石を用いることが好ましい。第2磁石60は、第1磁石50と同種の磁石であってもよいし、第1磁石50と異なる磁石であってもよい。本実施形態の第2磁石60は、熱減磁が小さいサマリウムコバルト磁石である。
【0044】
第1磁石50と第2磁石60とは、互いに異なる磁極が向かい合うように設けられている。例えば、第1磁石50と第2磁石60とは、第1磁石50のN極と第2磁石60のS極とが互いに向かい合うように設けられている。例えば、第1磁石50と第2磁石60とは、第1磁石50のS極と第2磁石60のN極とが互いに向かい合うように設けられている。本実施形態では、第1磁石50の上部にN極が着磁されるとともに、第2磁石60の下部にS極が着磁されている。このため、第1磁石50の上部と第2磁石60の下部とが互いに近づくと、第1磁石50と第2磁石60とが互いに吸い付こうとする磁気的な吸引力(吸着力)が第1磁石50と第2磁石60との間に発生する。この磁気的な吸引力によって、第1磁石50と第2磁石60とが互いに吸着する。本実施形態のループ型ヒートパイプLH1では、第1磁石50の上面と第2磁石60の下面とが直接接触した状態で、第1磁石50と第2磁石60とが互いに磁気的に吸着される。これにより、ループ型ヒートパイプ本体10の凝縮器13上に放熱板30が固定されている。すなわち、第1磁石50と第2磁石60との間に生じる吸引力によって、凝縮器13上に放熱板30が固定されている。換言すると、凝縮器13上に放熱板30を固定可能なように、第1磁石50及び第2磁石60の種類、数、大きさ等が設定されている。ここで、本実施形態のループ型ヒートパイプLH1では、凝縮器13の第1対向面13Aと放熱板30の第2対向面30Aとが直接接触することにより、凝縮器13と放熱板30とが熱的に接続される。これにより、凝縮器13から放熱板30に熱伝導される経路が形成されている。したがって、凝縮器13における熱を放熱板30によって効率的に放熱することができる。このため、発熱部品100(図3参照)を効率良く冷却することができ、発熱部品100の発生熱が発熱部品100の熱許容量を超えることを好適に抑制できる。
【0045】
次に、本実施形態の効果を説明する。
(1)凝縮器13に放熱板30を熱的に接続するようにした。この構成によれば、凝縮器13から放熱板30に熱伝導される経路が形成される。これにより、凝縮器13における熱を放熱板30によって効率的に放熱することができる。このため、ループ型ヒートパイプ本体10及び放熱板30における放熱性、つまりループ型ヒートパイプLH1における放熱性を向上できる。この結果、発熱部品100を効率良く冷却することができる。
【0046】
(2)凝縮器13に第1磁石50を設け、放熱板30に第1磁石50と対向する第2磁石60を設けた。第1磁石50と第2磁石60とは、互いに異なる磁極が向かい合うように設けられている。この構成によれば、第1磁石50と第2磁石60との間に生じる磁力的な吸引力(吸着力)によって、ループ型ヒートパイプ本体10の凝縮器13上に放熱板30を固定することができる。このため、ネジや接着剤などを用いることなく、凝縮器13上に放熱板30を固定することができる。ここで、ネジを用いた固定方法の場合には、ネジの締め付けの際に必要なトルクが大きくなると、凝縮器13に変形や歪みが生じるおそれがある。また、接着層を用いた固定方法の場合には、凝縮器13と放熱板30との間に接着層が介在することになる。しかし、一般的に接着層は熱伝導率が低いため、接着層を設けていない場合に比べて、凝縮器13から放熱板30への熱伝導性が低下するという問題がある。これに対し、本実施形態のループ型ヒートパイプLH1では、ネジや接着剤を用いることなく、第1磁石50及び第2磁石60による吸引力によって、凝縮器13上に放熱板30を固定することができる。このため、凝縮器13に変形や歪みが生じることを好適に抑制できるとともに、凝縮器13から放熱板30への熱伝導性が低下することを好適に抑制できる。
【0047】
(3)第1磁石50をループ型ヒートパイプ本体10のうち凝縮器13に設けるようにした。この構成によれば、放熱用に面積が大きく形成される凝縮器13に第1磁石50を設けることができる。このため、第1磁石50の設置面積を容易に広く確保することができる。また、発熱部品100で発生した熱を放熱する凝縮器13に対して第1磁石50を設けることで熱を放熱板30に効率良く放熱することができる。
【0048】
(4)凝縮器13の第1対向面13Aに放熱板30の第2対向面30Aを接触するようにした。この構成によれば、第1対向面13Aと第2対向面30Aとが直接接触することにより、凝縮器13と放熱板30とが熱的に接続される。したがって、第1対向面13Aと第2対向面30Aとの間に接着層などの熱伝導率の低い部材が介在しないため、凝縮器13から放熱板30への熱伝導性が低下することを好適に抑制できる。
【0049】
(5)第1磁石50を凝縮器13に埋め込むようにした。この構成によれば、第1磁石50を設けたことに起因してループ型ヒートパイプ本体10がZ軸方向に大型化することを好適に抑制できる。
【0050】
(6)第1磁石50を、凝縮器13を厚さ方向に貫通するように形成した。この構成によれば、第1磁石50の厚さを容易に厚く形成することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0051】
・上記実施形態では、凝縮器13の第1対向面13Aと放熱板30の第2対向面30Aとを直接接触するようにしたが、これに限定されない。
例えば図4に示すように、凝縮器13の第1対向面13Aと放熱板30の第2対向面30Aとの間に熱伝導部材70を介在させるようにしてもよい。この場合の放熱板30は、熱伝導部材70を介して凝縮器13に熱的に接続される。
【0052】
(熱伝導部材70の構成)
熱伝導部材70の材料としては、例えば、熱伝導材料(TIM:Thermal Interface Material)を用いることができる。熱伝導部材70の材料としては、例えば、インジウム(In)、銀等の軟質金属、シリコーンゲル、又は金属フィラー、グラファイト等を含有した有機系の樹脂バインダー等を用いることができる。
【0053】
熱伝導部材70は、凝縮器13の第1対向面13Aに対向する第1端面70Aと、放熱板30の第2対向面30Aに対向する第2端面70Bとを有している。熱伝導部材70は、例えば、第1端面70A及び第2端面70Bのうち少なくとも一方が非接着面に形成されている。本変更例の熱伝導部材70では、第1端面70A及び第2端面70Bの双方が非接着面に形成されている。このため、熱伝導部材70の第1端面70Aは凝縮器13の第1対向面13Aに接着しておらず、熱伝導部材70の第2端面70Bは放熱板30の第2対向面30Aに接着していない。但し、熱伝導部材70の第1端面70Aは、凝縮器13の第1対向面13Aと熱的に接続できるように第1対向面13Aと接触している。また、熱伝導部材70の第2端面70Bは、放熱板30の第2対向面30Aと熱的に接続できるように第2対向面30Aと接触している。なお、熱伝導部材70の厚さは、例えば、20μm~100μm程度とすることができる。
【0054】
熱伝導部材70は、例えば、第2対向面30Aの一部に設けられている。熱伝導部材70は、例えば、第1対向面13Aの全面に設けられている。熱伝導部材70は、例えば、第1対向面13Aの全面を被覆するように形成されている。熱伝導部材70は、例えば、平面視において、第1磁石50と重なるように設けられている。熱伝導部材70は、例えば、平面視において、第2磁石60と重なるように設けられている。熱伝導部材70は、例えば、平面視において、流路13rと重なるように設けられている。
【0055】
本変更例では、第1磁石50と第2磁石60とは互いに直接接触していない。この場合であっても、放熱板30は、第1磁石50と第2磁石60との間に生じる吸引力によって、凝縮器13上に固定されている。換言すると、第1磁石50と第2磁石60とが直接接触しない場合であっても、凝縮器13上に放熱板30を固定可能なように、第1磁石50及び第2磁石60の種類、数、大きさ等などが設定されている。
【0056】
本変更例では、凝縮器13の第1対向面13Aと放熱板30の第2対向面30Aとの間に熱伝導部材70を介在させるようにした。熱伝導部材70は、第1対向面13Aと第2対向面30Aとの間の接触熱抵抗を低減し、凝縮器13から放熱板30への熱伝導をスムーズにすることができる。このため、凝縮器13における熱を、熱伝導部材70を通じて放熱板30に効率良く熱伝導することができる。
【0057】
また、熱伝導部材70の第1端面70A及び第2端面70Bの双方を非接着面に形成した。このため、凝縮器13と放熱板30との間に、熱伝導率の低い接着層が介在することを抑制できる。したがって、凝縮器13から放熱板30への熱伝導性が低下することを好適に抑制できる。
【0058】
図4に示した変更例において、熱伝導部材70の第1端面70A及び第2端面70Bのいずれか一方を接着面としてもよい。
図4に示した変更例において、熱伝導部材70の第1端面70A及び第2端面70Bの双方を接着面としてもよい。
【0059】
図4に示した変更例では、熱伝導部材70を、凝縮器13の第1対向面13Aの全面に設けるようにしたが、これに限定されない。
例えば図5に示すように、熱伝導部材70を、第1対向面13Aの一部のみに設けるようにしてもよい。本変更例の熱伝導部材70は、平面視において、第1磁石50と重ならないように設けられている。本変更例の熱伝導部材70は、平面視において、第2磁石60と重ならないように設けられている。本変更例の熱伝導部材70は、平面視において、流路13rと重なるように設けられている。なお、本変更例では、第1磁石50と第2磁石60との間には空気層が介在される。
【0060】
・上記実施形態では、凝縮器13を厚さ方向に貫通するように第1磁石50を形成したが、これに限定されない。
・例えば図6に示すように、第1磁石50を、凝縮器13を厚さ方向に貫通しないように形成してもよい。この場合には、例えば、凝縮器13の管壁13wに複数の凹部13Yが設けられる。各凹部13Yは、凝縮器13を厚さ方向に貫通しないように形成されている。各凹部13Yは、例えば、第1対向面13Aから凝縮器13の下面に向かって凹むように形成されている。各凹部13Yは、例えば、金属層21,22,23のうち金属層21,22を厚さ方向に貫通するように形成されている。各第1磁石50は、各凹部13Yに収容されている。各第1磁石50の側面は、例えば、各凹部13Yの内面に密着している。なお、各第1磁石50の側面と各凹部13Yの内面とは、直接接していてもよいし、接着部材などを介して接していてもよい。
【0061】
図6に示した凹部13Yの深さは適宜変更可能である。例えば、凹部13Yを、金属層21,22,23のうち金属層21を厚さ方向に貫通するように形成してもよい。
図6に示した凹部13Yを、凝縮器13の下面、つまり金属層23の下面から第1対向面13Aに向かって凹むように形成してもよい。
【0062】
・上記実施形態では、放熱板30を厚さ方向に貫通するように第2磁石60を形成したが、これに限定されない。
・例えば図6に示すように、第2磁石60を、放熱板30を厚さ方向に貫通しないように形成してもよい。この場合には、例えば、放熱板30に複数の凹部30Yが設けられる。各凹部30Yは、放熱板30を厚さ方向に貫通しないように形成されている。各凹部30Yは、例えば、第2対向面30Aから放熱板30の上面に向かって凹むように形成されている。各凹部30Yの底面は、放熱板30の厚さ方向の中途に設けられている。各第2磁石60は、各凹部30Yに収容されている。各第2磁石60の側面は、例えば、各凹部30Yの内面に密着している。なお、各第2磁石60の側面と各凹部30Yの内面とは、直接接していてもよいし、接着部材などを介して接していてもよい。
【0063】
図6に示した凹部30Yの深さは適宜変更可能である。
図6に示した凹部30Yを、放熱板30の上面から第2対向面30Aに向かって凹むように形成してもよい。
【0064】
・上記実施形態では、第1磁石50の上面を第1対向面13Aと面一になるように形成したが、これに限定されない。
・例えば図7に示すように、第1磁石50を、第1対向面13Aよりも第2対向面30Aに向かって突出するように形成してもよい。この場合の第1磁石50の上部は、第1対向面13Aよりも上方に突出している。このとき、第1対向面13Aからの第1磁石50の突出量は、熱伝導部材70の厚さ以下となるように設定されている。これにより、第1磁石50が第1対向面13Aよりも上方に突出した場合であっても、熱伝導部材70を介して凝縮器13と放熱板30とを好適に熱的に接続することができる。
【0065】
・上記実施形態では、第2磁石60の下面を第2対向面30Aと面一になるように形成したが、これに限定されない。
・例えば図7に示すように、第2磁石60を、第2対向面30Aよりも第1対向面13Aに向かって突出するように形成してもよい。この場合の第2磁石60の下部は、第2対向面30Aよりも下方に突出している。このとき、第2対向面30Aからの第2磁石60の突出量は、熱伝導部材70の厚さ以下となるように設定されている。さらに、図7に示した変更例では、第1対向面13Aからの第1磁石50の突出量と第2対向面30Aからの第2磁石60の突出量とを合わせた合計量は、熱伝導部材70の厚さ以下となるように設定されている。これにより、第1磁石50が第1対向面13Aよりも突出し、且つ第2磁石60が第2対向面30Aよりも突出した場合であっても、熱伝導部材70を介して凝縮器13と放熱板30とを好適に熱的に接続することができる。
【0066】
・上記実施形態では、第1磁石50の下面を凝縮器13の下面と面一になるように形成したが、これに限定されない。例えば、第1磁石50の下部を凝縮器13の下面よりも下方に突出するように形成してもよい。また、例えば、第1磁石50の下部を凝縮器13の下面よりも第1対向面13A側に位置するように形成してもよい。
【0067】
・上記実施形態では、第2磁石60の上面を放熱板30の上面と面一になるように形成したが、これに限定されない。例えば、第2磁石60の上部を放熱板30の上面よりも上方に突出するように形成してもよい。また、例えば、第2磁石60の上部を放熱板30の上面よりも第2対向面30A側に位置するように形成してもよい。
【0068】
・上記実施形態では、第1磁石50を、凝縮器13の内部に埋め込むように設けたが、これに限定されない。例えば、第1磁石50を、凝縮器13の外面に設けるようにしてもよい。
【0069】
・例えば図8に示すように、凝縮器13の第1対向面13A上に第1磁石50を設けるようにしてもよい。この場合の第1磁石50の厚さは、熱伝導部材70の厚さ以下となるように設定されている。また、本変更例の第1磁石50は、平面視において、熱伝導部材70と重ならないように設けられている。これらにより、第1対向面13A上に第1磁石50を設けた場合であっても、熱伝導部材70を介して凝縮器13と放熱板30とを好適に熱的に接続することができる。
【0070】
・上記実施形態では、第2磁石60を、放熱板30の内部に埋め込むように設けたが、これに限定されない。例えば、第2磁石60を、放熱板30の外面に設けるようにしてもよい。
【0071】
・例えば図8に示すように、放熱板30の第2対向面30A上に第2磁石60を設けるようにしてもよい。この場合の第2磁石60の厚さは、熱伝導部材70の厚さ以下となるように設定されている。また、本変更例の第2磁石60は、平面視において、熱伝導部材70と重ならないように設けられている。さらに、図8に示した変更例では、第1対向面13A上に設けられた第1磁石50の厚さと、第2対向面30A上に設けられた第2磁石60の厚さとを合わせた厚さが、熱伝導部材70の厚さ以下となるように設定されている。これらにより、第1対向面13A上に第1磁石50が設けられるとともに第2対向面30A上に第2磁石60が設けられた場合であっても、熱伝導部材70を介して凝縮器13と放熱板30とを好適に熱的に接続することができる。
【0072】
・例えば図9に示すように、凝縮器13の下面13Bに第1磁石50を設けるようにしてもよい。この場合には、第1磁石50を、平面視において、流路13rと重なるように設けてもよい。また、第1磁石50を、平面視において、第2磁石60と部分的に重なるように設けてもよい。
【0073】
図9に示した変更例において、熱伝導部材70を省略してもよい。
・上記実施形態における第1磁石50の平面形状は特に限定されない。例えば、第1磁石50の平面形状を、多角形状、半円状、楕円状などの任意の形状に形成してもよい。
【0074】
・上記実施形態における第2磁石60の平面形状は特に限定されない。例えば、第2磁石60の平面形状を、多角形状、半円状、楕円状などの任意の形状に形成してもよい。
・上記実施形態の凝縮器13における流路13rの形状は特に限定されない。
【0075】
・例えば図10に示すように、流路13rを、XY平面において蛇行する蛇行部r4を有する形状に形成してもよい。本変更例の流路13rは、Y軸方向に延びる流路r1と、流路r1の端部から蛇行しつつX軸方向に延びる蛇行部r4と、蛇行部r4の端部からY軸方向に延びる流路r3とを有している。本変更例の第1磁石50は、例えば、平面視において、流路13rと重ならないように設けられている。
【0076】
・上記実施形態では、凝縮器13の有する一対の管壁13wの両方に第1磁石50を設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、一対の管壁13wのうち一方の管壁13wのみに第1磁石50を設けるようにしてもよい。
【0077】
・上記実施形態において、複数の第1磁石50を互いに異なる形状に形成してもよい。
・上記実施形態において、複数の第2磁石60を互いに異なる形状に形成してもよい。
・上記実施形態において、第1磁石50と第2磁石60とを互いに異なる形状に形成してもよい。
【0078】
・上記実施形態では、ループ型ヒートパイプ本体10のうち凝縮器13に第1磁石50を設け、凝縮器13に放熱板30を熱的に接続するようにしたが、これに限定されない。例えば、液管14に第1磁石50を設け、液管14に放熱板30を熱的に接続するようにしてもよい。例えば、蒸気管12に第1磁石50を設け、蒸気管12に放熱板30を熱的に接続するようにしてもよい。
【0079】
・上記実施形態のループ型ヒートパイプ本体10では、内層金属層を、単層の金属層22のみにより構成するようにした。すなわち、内層金属層を単層構造とした。しかし、これに限定されない。例えば、内層金属層を、複数層の金属層が積層された積層構造としてもよい。この場合の内層金属層は、金属層21と金属層23との間に複数層の金属層が積層されて構成される。
【符号の説明】
【0080】
C 作動流体
Cv 蒸気
LH1 ループ型ヒートパイプ
10 ループ型ヒートパイプ本体
11 蒸発器
12 蒸気管
12r 流路
13 凝縮器
13A 第1対向面
13p 放熱プレート
13r 流路
r1~r3 流路
r4 蛇行部
13w 管壁
14 液管
14r 流路
15 流路
30 放熱板
30A 第2対向面
50 第1磁石
60 第2磁石
70 熱伝導部材
70A 第1端面
70B 第2端面
100 発熱部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10