(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010613
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ウエハ搬送方法およびウエハロードシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230113BHJP
H01L 21/324 20060101ALI20230113BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/324 S
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022100760
(22)【出願日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/219,902
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/582,131
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】▲ウー▼ 政隆
(72)【発明者】
【氏名】▲フアン▼ 志宏
(72)【発明者】
【氏名】朱 延安
(72)【発明者】
【氏名】白 峻榮
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA02
5F131BA11
5F131BA22
5F131BA24
5F131BB02
5F131BB03
5F131CA07
5F131CA09
5F131CA15
5F131CA22
5F131CA32
5F131CA53
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA43
5F131DB12
5F131DB51
5F131DB72
5F131DC06
5F131EA04
5F131EA17
5F131EB55
5F131EB75
5F131EC03
5F131EC05
5F131EC12
5F131EC13
5F131EC17
5F131GA03
5F131GA63
5F131HA02
5F131HA04
5F131JA20
(57)【要約】
【目的】ウエハ搬送方法を提供する。
【解決手段】半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含むウエハマガジンは、オーブンチャンバーのロードポートに配置される。ウエハボートは、ウエハマガジンにおいて、ウエハマガジンのウォールスロットによって支持される。プッシュバーを使用して、ウエハボートは、ウエハマガジンからロードポートに配置されたウエハマガジン治具に搬送される。搬送された1つ以上のウエハボートは、ウエハマガジン治具において、ウエハマガジン治具のウォールスロットによって支持される。搬送中、ウエハボートは、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間に挟まれたボートブリッジのウォールスロットによって支持される。搬送後、ロボットを使用して、ウエハマガジン治具内のウエハボートは、オーブンチャンバーの中に移動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法であって、
前記オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置し、前記ウエハマガジンが、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含み、前記ウエハマガジンにおいて、前記ウエハボートを前記ウエハマガジンのウォールスロットによって支持することと、
プッシュバーを使用して、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンから前記ロードポートに配置されたウエハマガジン治具に搬送し、前記ウエハマガジン治具において、前記搬送された1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジン治具のウォールスロットによって支持することと、
前記搬送中、前記1つ以上のウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間に挟まれたボートブリッジのウォールスロットによって支持することと、
前記搬送後、ロボットを使用して、前記ウエハマガジン治具内の前記1つ以上のウエハボートを前記オーブンチャンバーに移動することと、
を含むウエハ搬送方法。
【請求項2】
前記オーブンチャンバーの前記ロードポートへの前記ウエハマガジンの前記配置後、前記搬送前に、モータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダを操作して、前記ボートブリッジを前記ロードポートの凹部から少なくとも途中まで引き上げることをさらに含む請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項3】
第2プッシュバーを使用して、前記ウエハマガジン治具から前記ウエハマガジンに前記1つ以上のウエハボートを第2搬送し、前記ウエハマガジンにおいて、前記搬送された1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンのウォールスロットによって支持することと、
前記第2搬送中、前記1つ以上のウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の前記間隙を通過している間、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間に挟まれた前記ボートブリッジのウォールスロットによって支持することと、
前記オーブンチャンバーの前記ロードポートから前記ウエハマガジンを取り外すことと、
をさらに含む請求項2に記載のウエハ搬送方法。
【請求項4】
前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットが、前記ウエハマガジン治具の対応する前記ウォールスロットと垂直に位置合わせされ、
前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットが、前記ボートブリッジの対応する前記ウォールスロットと垂直に位置合わせされた請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項5】
前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有する請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項6】
前記外向きのフレアエンドが、60度またはそれ以下のフレア角を有する請求項5に記載のウエハ搬送方法。
【請求項7】
前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有さない、または外向きのフレアエンドを有し、そのフレア角が、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの前記外向きのフレアエンドの前記フレア角よりも小さい請求項5に記載のウエハ搬送方法。
【請求項8】
前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の前記間隙が、0.1mm以上、20mm以下である請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項9】
関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを関連するオーブンチャンバーにロードするウエハロードシステムであって、
ウエハマガジン治具と、
前記関連するウエハマガジンを着座させるよう構成されたウエハマガジンシートおよび前記ウエハマガジン治具を着座させるよう構成されたウエハマガジン治具シートを有するロードポートと、
前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間でウエハボートを押動するために配置された双方向プッシュバーと、
前記ウエハマガジンシートと前記ウエハマガジン治具シートの間の間隙に配置され、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するために配置されたボートブリッジと、
を含むウエハロードシステム。
【請求項10】
前記関連するウエハマガジンが、前記関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを支持するウォールスロットを有し、
前記ウエハマガジン治具が、前記ウエハマガジン治具においてウエハボートを支持するウォールスロットを有し、
前記ボートブリッジが、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するウォールスロットを有する請求項9に記載のウエハロードシステム。
【請求項11】
前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、相互に位置合わせされる請求項10に記載のウエハロードシステム。
【請求項12】
動作可能に接続され、前記ボートブリッジを、前記ロードポートの凹部から、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットに相互に位置合わせされた位置に、引き上げるモータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダさらに含む請求項11に記載のウエハロードシステム。
【請求項13】
前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有する請求項10に記載のウエハロードシステム。
【請求項14】
前記外向きのフレアエンドが、60度またはそれ以下のフレア角を有する請求項13に記載のウエハロードシステム。
【請求項15】
前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有さない、または外向きのフレアエンドを有し、そのフレア角が、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの前記外向きのフレアエンドの前記フレア角よりも小さい請求項13に記載のウエハロードシステム。
【請求項16】
前記ウエハマガジン治具を前記ロードポートの前記ウエハマガジン治具シートから離座させて、前記ウエハマガジン治具内のウエハボートを前記関連するオーブンチャンバーに搬送するために構成された多軸ロボットをさらに含む請求項9に記載のウエハロードシステム。
【請求項17】
前記ウエハマガジン治具を前記ロードポートの前記ウエハマガジン治具シートから前記関連するオーブンチャンバーに搬送するために構成された多軸ロボットをさらに含む請求項9に記載のウエハロードシステム。
【請求項18】
ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法であって、
前記オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置し、前記ウエハマガジンが、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含むことと、
前記ウエハボートを前記ウエハマガジンから前記ロードポートに配置されたウエハマガジン治具内に押動することと、
前記押動中、ボートブリッジを使用して、前記ウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、前記ウエハボートを支持することと、
前記ウエハマガジン治具内の前記ウエハボートを前記オーブンチャンバー内に移動することと、
を含むウエハ搬送方法。
【請求項19】
前記支持が、前記ボートブリッジのウォールスロットを使用して、前記ボートブリッジを通過する前記ウエハボートを案内することを含む請求項18に記載のウエハ搬送方法。
【請求項20】
前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの外向きのフレアエンドを使用して、前記ウエハボートの前記ボートブリッジへの進入を案内することをさらに含む請求項19に記載のウエハ搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウエハ搬送方法およびウエハロードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下は、半導体製造分野、半導体ウエハハンドリング分野、半導体加工炉分野、および関連分野に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ウエハボートを搬送している間、ウエハマガジン(wafer magazine)とウエハマガジン治具(wafer magazine jig)の間に間隙が存在する。この間隙は、ウエハマガジンおよびウエハマガジン治具をロードポートに載置する精度の許容範囲を緩和させるが、たるみや反りによってウエハマガジンとウエハマガジン治具の間のウエハボートの搬送が不安定になるため、問題を引き起こすこともある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、いくつかの実施形態において、ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法を提供する。半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含むウエハマガジンは、オーブンチャンバーのロードポートに配置される。ウエハボートは、ウエハマガジンにおいて、ウエハマガジンのウォールスロットによって支持される。プッシュバーを使用して、ウエハボートは、ウエハマガジンからロードポートに配置されたウエハマガジン治具に搬送される。搬送された1つ以上のウエハボートは、ウエハマガジン治具において、ウエハマガジン治具のウォールスロットによって支持される。搬送中、ウエハボートは、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間に挟まれたボートブリッジのウォールスロットによって支持される。搬送後、ロボットを使用して、ウエハマガジン治具内のウエハボートは、オーブンチャンバーの中に移動する。
本開示はまた、いくつかの実施形態において、関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを関連するオーブンチャンバーにロードするウエハロードシステムを提供する。このウエハロードシステムは、ウエハマガジン治具と、前記関連するウエハマガジンを着座させるよう構成されたウエハマガジンシートおよび前記ウエハマガジン治具を着座させるよう構成されたウエハマガジン治具シートを有するロードポートと、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間でウエハボートを押動するために配置された双方向プッシュバーと、前記ウエハマガジンシートと前記ウエハマガジン治具シートの間の間隙に配置され、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するために配置されたボートブリッジと、を含む。
本開示はまた、いくつかの実施形態において、ウエハをオーブンチャンバーに搬送するための下記ウエハ搬送方法を提供する。このウエハ搬送方法は、前記オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置し、前記ウエハマガジンが、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含むことと、前記ウエハボートを前記ウエハマガジンから前記ロードポートに配置されたウエハマガジン治具内に押動することと、前記押動中、ボートブリッジを使用して、前記ウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、前記ウエハボートを支持することと、前記ウエハマガジン治具内の前記ウエハボートを前記オーブンチャンバー内に移動することと、を含む。
【発明の効果】
【0005】
ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間に挟まれたボートブリッジを構成することにより、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間で搬送されるウエハボートを支持する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付図面は、本開示の原理がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれ、且つその一部を構成するものである。図面は、本開示の実施形態を例示しており、説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たしている。
【0007】
【
図1】ウエハをオーブンチャンバーに/から搬送するためのロードポートの斜視図を図示したものである。
【
図2】ウエハをオーブンチャンバーに/から搬送するためのロードポートの別の斜視図を図示したものである。
【
図3】2つのウエハ搬送サブアセンブリを含み、一方はウエハマガジンシートに着座したウエハマガジンを有し、他方はウエハマガジンシートに着座したウエハマガジンを有さない
図1および
図2のロードポートの一部の拡大図を図示したものである。
【
図4】ウエハマガジンおよびウエハマガジン治具、ならびにそれらの間に挟まれ、好適には、
図1および
図2のロードポートと一体となって使用されるボートブリッジの斜視図を図示したものである。
【
図5】
図3のウエハマガジン治具およびボートブリッジの斜視図を図示したものである。
【
図6】ウエハマガジン、ウエハマガジン治具、および好適には、
図1および
図2のロードポートと一体となって使用される間に挟まれたボートブリッジの側面断面図を図示したものである。
【
図7】好適には、
図1および
図2のロードポートと一体となって使用されるボートブリッジの側面断面図を図示したものである。
【
図8】オーブンチャンバーおよびそのロードポートを使用して実行される熱処理方法のフローチャートを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態または例を提供する。本開示を単純化するために、構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらはもちろん単なる例であり、限定することを意図しない。例えば、以下の説明における第1の特徴の上または第2の特徴の上への形成は、第1および第2の特徴が直接接触するように形成される実施形態を含み、また、第1と第2の特徴は直接接触せずに、追加の特徴が第1の特徴と第2の特徴との間に形成されるような実施形態も含み得る。さらに、本開示は、様々な例において参照番号および/または文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、単純さと明瞭さの目的のためであって、それ自体は、議論された様々な実施形態間および/または構成間の関係を指示するものではない。
【0009】
さらに、「下に」、「下方に」、「下位に」、「上方に」、「上位に」などの空間的に相対的な用語は、図に示されるような1つの要素または特徴の別の要素または特徴に対する関係を記載するために、説明を容易にするためにここでは使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図している。装置は他の方向を向いていてもよく(90度または他の方向に回転される)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述はそれに応じて同様に解釈され得る。
【0010】
半導体製造設備において、半導体ウエハのバッチは、自動マテリアルハンドリングシステム(automated material handling system, AMHS)等の自動搬送システムを使用して製造設備間を移動し、例えば、所定のワークフローに沿って異なる加工ツールの間で半導体ウエハバッチを移動させる天井走行式無人搬送車(overhead hoist transport, OHT)トロリーを含むことができる。様々な加工ツールは、例えば、非限定的な例として、フォトリソグラフィシステム、堆積システム、エッチングシステム等を含むことができる。
【0011】
いくつかの加工ツールは、例えば、アニール(annealing)、酸素および/または酸素含有種を含む雰囲気中の熱酸化、フォトリソグラフィ工程の一部としての現像前ベーク(post exposure bake, PEB)、ドーパント拡散等の半導体ウエハの熱処理を行うためのオーブンチャンバーを含む。昇温状態で行われるプロセスは、加熱された材料からのアウトガスによって、半導体ウエハ汚染の可能性を高める可能性がある。さらに、高い温度は、製造設備人員に対し、例えば、火傷の危険性や爆発の危険性(熱処理が可燃性雰囲気を使用した時)等の安全上の問題を引き起こすこともある。
【0012】
高いウエハスループットを維持しながらこれらの懸念に取り組むために、専用のウエハ搬送部品を使用して、オーブンチャンバーに/から半導体ウエハバッチをロード/アンロードするウエハハンドリングを自動化する。特に、半導体ウエハは、許容できないアウトガスを発生させずにオーブンチャンバー内の昇温状態に耐えることのできる石英、炭化ケイ素等の材料で作られたウエハボートに載置される。多軸ロボットを使用して、オーブンチャンバーに/からウエハを搬送することにより、ウエハスループット効率を上げ、ウエハ汚染の可能性を低減し、労働者に対する火傷の危険性を減らすことができる。
【0013】
このような手段は有益であるが、特に、半導体ウエハのサイズが増加し続けているため、オーブンチャンバーへのロード/アンロード中に適切なウエハハンドリングを行うことは、依然として難しい。例えば、半導体ウエハおよび/または支持しているウエハボートを加熱および冷却することによって、ウエハおよび/またはウエハボートの反りが生じ、自動化されたウエハハンドリングを妨害する可能性がある。
【0014】
本開示は、ウエハをオーブンチャンバーに搬送するための改良されたウエハ搬送方法、およびウエハマガジンに格納されたウエハボートをオーブンチャンバーにロードするための改良されたウエハロードシステムである。
【0015】
特に、本開示の実施形態において、ウエハは、ウエハマガジン内にウエハボートに配置されている間、オーブンのロードポートに搬送される。本開示の実施形態において、ウエハボートは、平面状であり、水平に指向される。ロードポートは、ウエハボートをウエハマガジンからオーブンに入れることのできるウエハマガジン治具に搬送するための機構を含む。ウエハボートの搬送中に、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間に間隙が存在する。この間隙は、ウエハマガジンおよびウエハマガジン治具をロードポートに載置する精度の許容範囲を緩和させるが、たるみや反りによってウエハマガジンとウエハマガジン治具の間のウエハボートの搬送が不安定になるため、問題を引き起こすこともある。ここで開示するように、ウエハボートの搬送中、ウエハマガジンとウエハマガジン治具の間にボートブリッジを挟む。ボートブリッジは、間隙において、ウエハボートを支持する。また、間隙においてウエハボートを支持するボートブリッジのウォールスロットは、フレアエンド(flared end)を有し、ウエハボートの搬送をさらに案内することができる。
【0016】
図1および
図2を参照すると、炉またはオーブン10は、対応するロードポート14に沿って、1つ以上の炉またはオーブンチャンバー12を含む。ここで、用語「炉」および「オーブン」は、同じ意味に使用され、簡潔にするため、概して「オーブン」または「オーブンチャンバー」を使用する。オーブン10は、半導体ウエハの熱処理を行うために使用される。熱処理は、アニール、熱酸化(例えば、半導体ウエハまたは層に熱酸化物を形成するための)、フォトリソグラフィ工程の一部としての現像前ベーク(PEB)、熱的に駆動されるドーパント拡散、オーブン10が設定した温度で半導体ウエハまたは層の表面に結合する分子を含む雰囲気を用いた堆積工程等を含むことができる。オーブン10は、オーブンチャンバー12内の温度を実行される特定の熱処理に適した温度(例えば、ケイ素を酸化するために実行される熱酸化については700℃~1300℃、ドーパント拡散処理については800℃~1500℃、またはそれ以上、PEB処理については50℃~150℃等)の範囲になるように制御するが、これらは非限定的な例に過ぎない。さらに、オーブン10は、選択的に、熱サイクルレシピ(recipe)を実行するプログラマブル電子制御装置を含むことができる。非限定的な例として、熱サイクルは、ウエハローディング中に低い温度で開始し、プログラミングされた上昇速度(例えば、℃/分に定める)でドウェル温度(dwell temperature)まで上昇して、固定された期間の間、ドウェル温度で保持した後、プログラミングされた下降速度でさらに低いアンロード温度まで下降することができる。
図1および
図2には示されていないが、オーブン10は、熱処理の間、選択的に、オーブンチャンバー12内の制御された雰囲気、例えば、酸素雰囲気、ウェット酸素雰囲気(例えば、バブラー(bubbler)で酸素を流動させることによって)、形成ガス雰囲気(例えば、水素と窒素の混合物)、ドーパント拡散プロセス用のドーパント前駆体を含む雰囲気等を供給するための配管を含むことができる。制御された雰囲気が提供される場合、プログラマブル電子制御装置(提供された場合)は、例えば、「活性」ガス(例えば、酸化プロセスにおける酸素ガス、ドーパント拡散プロセスの場合はドーパント前駆体含有ガス等)が熱サイクルのドウェル時間の間にだけ存在するように、熱サイクルレシピと同時にフローサイクルレシピを実行してもよい。
【0017】
一方、いくつかの実施形態において、オーブン10は、少量の複雑な電子装置を含んでもよく、または含まなくてもよい。例えば、オーブン10は、固定された一定温度でオーブンチャンバー12内の温度を設定するための1つの温度定値制御、および雰囲気を提供するための任意のガス入口および排気口または出口を含むことができる。
【0018】
ウエハボートに配置された半導体ウエハは、ウエハマガジン20に格納されている間、個別に、または(より一般的には)バッチとして、ロードポート14に運ばれる。ウエハマガジン20は、
図1のみにおいて図示した自動マテリアルハンドリングシステム(AMHS)21、または他のロボットデリバリーシステムによって、ロードポート14に運ばれる。例えば、AMHS21は、ロードポート14に案内する枝道(branch)を有する多分岐高架鉄道システム、ウエハマガジンを載せた鉄道輸送システムに沿って走行するキャリアまたはポッド、およびキャリアまたはポッドからロードポート(例示的なオーブン10のロードポート14を含む)にウエハマガジンを自動搬送するロボットで構成された天井走行式無人搬送車(OHT)を含んでもよい。
図1には示していないが、オーブン10を使用して、運ばれたウエハマガジン20に収容されたウエハを熱処理した後、AMHS21は、好適には、ウエハマガジン20を回収し、それから、所望の集積回路製造ワークフローに基づいて、製造設備の次の加工ツールに搬送することができる。AMHSシステムは、大規模な半導体製造設備においてよく見られるが、考慮される代わりの手動の方法において、ウエハマガジンは、例えば、製造設備の労働者によって、ロードポート14に手動で運ばれてもよい。
【0019】
引き続き
図1および
図2を参照し、さらに、
図3を参照すると、ロードポート14は、1つ以上のウエハ搬送サブアセンブリを有するテーブルトップを含む。このような2つのウエハ搬送サブアセンブリを
図3の拡大図に示す。各ウエハ搬送サブアセンブリは、AMHS21によって運ばれたウエハマガジン20を着座させるよう構成されたウエハマガジンシート22、ウエハマガジン治具26を着座させるよう構成されたウエハマガジン治具シート、およびウエハボート(その上に半導体ウエハを配置した)をウエハマガジン20からウエハマガジン治具26内に押動するために配置された第1プッシュバー30と半導体ウエハをウエハマガジン治具26からウエハマガジン20内に押動するために配置された第2プッシュバーと32を含む双方向プッシュバーを含む。言及すべきこととして、
図1~3は、それぞれウエハマガジンが着座していない1つのウエハ搬送サブアセンブリを有するため、そのウエハ搬送サブアセンブリについてはウエハマガジンシート22が見えるようになっている。
図1~3の全てのウエハ搬送サブアセンブリは、着座したウエハマガジン治具26を有するため、ウエハマガジン治具シートの例は示されていないが、例示的な着座したウエハマガジン治具26に対してその下にシートが提供されるものと考えられる。一般的に、ウエハマガジンシート22は、ウエハマガジン20の対応する特徴と嵌合して、着座したウエハマガジン20がスライドする、またはテーブルトップ間を移動するのを防ぐ特徴を含む。例えば、ウエハマガジンシート22は、ウエハマガジン20の底部の開口にフィットする上方に延伸したピンを含むこと(またはその逆に)ができる。ウエハマガジン治具シートは、同様に、ウエハマガジン治具26の対応する特徴と嵌合して、着座したウエハマガジン治具26がスライドする、またはテーブルトップ間を移動するのを防ぐ特徴を含む。
【0020】
このように、AMHS21は、ウエハマガジン20をロードポート14に運び、対応する着座したウエハマガジン治具26の向かいにあるウエハマガジンシート22に着座させる。第1プッシュバー30は、電動式であり、且つウエハマガジン20(例えば、
図3の斜視図の右側)に向かってその中へ移動して、ウエハマガジン20に収容されたウエハボート(半導体ウエハを有する)と係合してウエハ搬送サブアセンブリの着座したウエハマガジン治具26に面するウエハマガジン20の端部から押動し、ウエハボートが着座したウエハマガジン治具26に入るまでウエハボートを押し続ける係合面31(
図3のみに表記する)を含む。その後、第1プッシュバー30は、引き戻される(言及すべきこととして、
図1~3は、それぞれ完全に引き戻された位置にある全てのプッシュバーを示している)。
【0021】
言及すべきこととして、このプロセスは、1つの半導体ウエハを載せたたった1つのウエハボートを搬送するために使用してもよいが、より一般的に、ウエハマガジン20は、対応する複数の半導体ウエハを有する複数のウエハボート(例えば、非限定的な例として、5、10、15、20、またはそれ以上のウエハボート)を載せることにより、高いウエハスループットを達成する。複数のウエハボートを処理するために、第1プッシュバー30の係合面31は、好適には、ウエハマガジン20における全てのウエハボートと係合して押動し、それらをウエハマガジン20からウエハマガジン治具26に搬送するのに十分な延伸した接触面を有する。簡略化のために、ここでは、複数の半導体ウエハを載せた複数のウエハボートを例に挙げて説明する。また、一般的に、半導体ウエハを載せていないウエハボートをオーブン10に入れても役に立たないため(目的がウエハボートではなく、半導体ウエハの熱処理を行うことであるため)、簡潔にするために、ウエハボートが通常半導体ウエハを載せていることをここで言明しないことがある。
【0022】
再度
図1および
図2を参照すると、上述したように、第1プッシュバー30を使用してウエハボートをウエハマガジン20からウエハマガジン治具26に搬送した後、多軸ロボット40を使用して、ウエハマガジン治具26内のウエハボートをオーブンチャンバー12に自動的に移動する。例示的な多軸ロボット40は、六軸ロボットであるが、必要に応じて、搬送に必要な関節柔軟性を提供する他の関節ロボットを使用してもよい。ロボット40は、ウエハマガジン治具26と係合してウエハマガジン治具26をロードポート14から持ち上げて外し、それをオーブンチャンバー12に搬送するための形状およびサイズの把持アセンブリ(gripping assembly)42を含む。把持アセンブリ42は、受動式アセンブリであってもよく、例えば、ウエハマガジン治具26のリップ(lip)等を係合するスロットを有する。あるいは、把持アセンブリ42は、ウエハマガジン治具26の上に接近してそれを把持する電動式クリップを有するアクティブアセンブリであってもよい。いくつかの実施形態において、多軸ロボット40は、アセンブリ全体(つまり、ウエハマガジン治具26に着座したウエハボート)をオーブンチャンバー12に入れる。あるいは、把持アセンブリ42は、ウエハマガジン治具26に収容されたウエハボートをオーブンチャンバー12の受け取りスロット内に押動するためのプッシュバー(例えば、第1および第2プッシュバー30、32に類似する)を含んでもよい。例示的実施形態において、ロボット40は、ウエハマガジン治具26を含むアセンブリ全体をオーブンチャンバー12に入れるものと仮定する。
【0023】
半導体ウエハを載せたウエハボートをオーブンチャンバー12に入れた後、オーブンチャンバー12を使用して、半導体ウエハの所望の熱処理を行う。いくつかの実施形態において、オーブンチャンバー12は、固定された一定温度で保持され、半導体ウエハがオーブンチャンバー12に留めている間、熱処理を行う。別の実施形態において、オーブン10は、熱サイクルレシピおよび/またはフローサイクルレシピを実行して、より複雑な、および/または厳密に制御された熱処理を行うプログラマブル電子制御装置(図示せず)を含む。上述したように、熱処理は、非限定的な例として、アニール、熱酸化、フォトリソグラフィ工程の一部としての現像前ベーク(PEB)、ドーパント拡散、材料堆積、これらの組み合わせ等を含むことができる。
【0024】
熱処理が完了した後、プロセスを実質的に逆に行い、半導体ウエハを載せたウエハボートをアンロードする。ロボット40は、把持アセンブリ42を使用してウエハマガジン治具26をピックアップし、それを対応する着座したウエハマガジン20の向かい側に配置させたロードポート14のウエハマガジン治具シートに戻す。第2プッシュバー32は、電動式であり、且つウエハマガジン治具26(例えば、
図3の斜視図の左側)に向かってその中へ移動して、ウエハマガジン治具26に収容されたウエハボート(熱処理された半導体ウエハを有する)と係合してウエハ搬送サブアセンブリの着座したウエハマガジン20に面するウエハマガジン治具26の端部から押動し、ウエハボートが着座したウエハマガジン20に入るまでウエハボートを押し続ける係合面33(
図3のみに表記する)を含む。その後、第2プッシュバー32は、引き戻される(再度言及すべきこととして、
図1~3は、それぞれ完全に引き戻された位置にある全てのプッシュバーを示している)。その後、AMHS21(
図1を参照)は、ウエハマガジン20をロードポート14から取り外して、通常、AMHS21のキャリアまたはポッドに移動させ、集積回路(IC)製造ワークフローの次の加工ツールに搬送する。
【0025】
引き続き
図3を参照し、さらに、
図4を参照すると、
図4は、分離した状態のウエハ搬送サブアセンブリの着座したウエハマガジン20および着座したウエハマガジン治具26を示したものであり、着座したウエハマガジン20と着座したウエハマガジン治具26の間に間隙Gが存在する。いくつかの非限定的な例示的実施形態において、ウエハマガジン20とウエハマガジン治具26の間の間隙Gは、0.1mm以上、20mm以下であるが、他の値も考慮される。
【0026】
図5は、それぞれ着座した位置においてウエハマガジンに最も近いウエハマガジン治具26の一部、およびウエハマガジン治具26に(または、から)搬送されるウエハボート50を示したものである。
図5は、ウエハボート50のバッチを示すが、上述したように、搬送されるウエハボートの数は、1、2、3、5、10、それ以上、あるいは実質的に任意の数であってもよい。
図5からわかるように、ウエハボート50は、通常、平面状である。つまり、平板面等の形状因子を有し、水平位置において搬送される。そのため、下向きの重力は、間隙Gを横切るウエハボート50上で作用する。これにより、ウエハボートは、間隙Gを横切っている間、底部の支持がなくなるため、たるみが生じる可能性がある。また、ウエハボート50上の半導体ウエハ(図示せず)は、ウエハに堆積した材料層によってもたらされる圧縮または引張ネットひずみにより、ウエハの湾曲(wafer bowing)を有することもある。さらに、熱膨張差によって、ウエハボートおよび/または半導体ウエハの反り(warpage)が生じる可能性もある。
【0027】
さらに、ウエハスループットを最大化するために、通常、ウエハマガジン20の所定のサイズに対して、できるだけ多くのウエハボート50をウエハマガジン20に(結果として、ウエハマガジン治具26に)詰め込むのが望ましい。これにより、隣接するウエハボート50(
図5に示す)間の垂直方向のスペーシングΔHが可能な限り有利に小さくなる。
【0028】
図6は、ウエハ搬送サブアセンブリのウエハマガジン20およびウエハマガジン治具26の側面断面図である。
図6からわかるように、ウエハマガジン20は、ウォールスロット52を有し、同様に、ウエハマガジン治具26は、向かい合うウエハマガジン20のウォールスロット52と垂直に並んだウォールスロット54を有する。言及すべきこととして、
図6の側面断面図は、拡大図であり、3つのウォールスロット52および3つのウォールスロット54のみを示している。再度
図5を参照すると、水平に指向されたウエハボート50は、ウエハマガジン治具26にある時、ウエハマガジン治具26のウォールスロット54内の端部によって支持される。同様に(ただし、図示しない)、ウエハボート50は、ウエハマガジン20にある時、ウエハマガジン20のウォールスロット52内の端部によって支持される。言及すべきこととして、
図6は、1つのウエハボート50を示しているが、
図5に示すように、一般的に、ウエハマガジン20の各ウォールスロット52またはウエハマガジン治具26の各ウォールスロット54がウエハボートを支持することが可能である。
【0029】
ウエハボート50をウエハマガジン20にある時にウォールスロット52に係合した端部によって支持する配置、またはウエハマガジン治具26のウォールスロット54に係合した端部によって支持する配置は、大きな利点を有する。まず、ウエハマガジン20の内部の大部分が空洞を開けたままになるため(ウエハマガジン治具26についても同様に)、各ウォールスロット52、54内に配置された端部で支持しながら、各第1および第2プッシュバー30および32(
図3を参照)の垂直な延伸面31および33をウエハマガジン20の開いた中央ボアおよびウエハマガジン治具26の開いた中央ボアにフィットさせて、通過させることができる。中央ボアを有するので、ウエハマガジン20は、選択的に、ウエハマガジン治具26に面する端部から遠位にクローズドエンドを有してもよい。同様に、中央ボアを有するので、ウエハマガジン治具26は、選択的に、ウエハマガジン20に面する端部から遠位にクローズドエンドを有してもよい。
【0030】
ウエハボート50を端部によって支持する配置の2つ目の利点は、端部のみでウエハボート50に接触することによって、ウエハボート50上の半導体ウエハの汚染の可能性が低くなることである。反対に、ウエハボートが比較的大きな表面積上をスライドする場合、浮遊粒子が生じ、ウエハボート50に配置された半導体ウエハの表面が汚染される可能性がある。
【0031】
ウエハボート50を端部によって支持する配置の3つ目の利点は、オーブンチャンバー12内のウエハボート50を加熱することによって生じるウエハボート50の熱膨張に適応させることができ、伝熱に制限された熱伝導路も提供できることである。
【0032】
ウエハ搬送サブアセンブリの着座したウエハマガジン20と着座したウエハマガジン治具26の間の間隙G(
図3、
図4、および
図6に示す)は、AMHS21およびロボット40がウエハマガジン20およびウエハマガジン治具26をそれぞれロードポート14に載置する精度の許容範囲を有利に緩和させるが、いくつかの問題を引き起こすこともある。ウエハボート50および/または載置される半導体ウエハは、エピタキシャルに不整合のエピタキシャル層を有する半導体ウエハにおける格子不整合誘導応力またはひずみ、熱膨脹差等の要因による反り、加熱時の膨張、間隙Gの間で搬送される時の重力によるたわみ、あるいはこれらの現象の組み合わせを経験する可能性がある。その結果、ウエハマガジン20とウエハマガジン治具26の間のウエハボート50の搬送が不安定になる可能性がある。ウエハマガジン20のウォールスロット52から出たウエハボートは、ロードプロセス中にウエハマガジン治具26の対応するウォールスロット54と位置合わせをして嵌合することに失敗する可能性があり、同様に、ウエハマガジン治具26のウォールスロット54から出たウエハボートは、アンロードプロセス中にウエハマガジン20の対応するウォールスロット52と位置合わせをして
嵌合することに失敗する可能性がある。ウエハマガジン20内のウエハボート50の数を最大化しようとして、垂直に隣接するウエハボート50間のスペーシングΔHを小さくする、およびウォールスロット52および/または54においてウエハボート50を端部で支持することにより、ウエハマガジン20とウエハマガジン治具26の間のウエハボート50の搬送を不安定にする可能性が高まる。
【0033】
この問題に対処するために、
図1~6を参照し、特に、
図3~6を参照すると、着座したウエハマガジン20と着座したウエハマガジン治具26の間にボートブリッジ60を挟める。同じように、ウエハマガジンシート22とウエハマガジン治具シートの間にボートブリッジ60を挟めると言ってもよい。
図5および
図6からわかるように、ボートブリッジ60は、
図6に最もよく見られるように、着座したウエハマガジン20のウォールスロット52と位置合わせされ、着座したウエハマガジン治具26のウォールスロット54と位置合わせされたウォールスロット62を含む。そのため、ウエハボート50が着座したウエハマガジン20と着座したウエハマガジン治具26の間で搬送されている間、これらは、間隙Gにおいて、ボートブリッジ60のウォールスロット62によって支持される。ウエハマガジン20およびウエハマガジン治具26と同様に、ボートブリッジ60は、開いた中央ボアを有する空洞になっており、ウエハボートが通過している間にウォールスロット62内の端部によって支持される。
【0034】
再度
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、各ウエハ搬送アセンブリのボートブリッジ60は、使用していない時、オーブン10のロードポート14の凹部に引き戻される。
図3は、凹部から引き上げられた1つのボートブリッジ60、およびロードポート14の凹部に引き戻された別のボートブリッジ60
Rを示したものである。いくつかの実施形態において、以下のように自動化することができる。AMHS21がロードポート14にウエハマガジン20を配置した(つまり、ウエハマガジンシート22に着座させた)後、搬送する前に、モータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダ等を操作して、ボートブリッジ60をロードポート14の凹部から操作位置の少なくとも途中まで引き上げることにより、ウォールスロット62を各ウエハマガジン20およびウエハマガジン治具26のウォールスロット52、54と位置合わせする。1つの好適な方法において、ウエハマガジンシート22は、上向きに延伸し、ウエハマガジンシート22に着座させた時にウエハマガジン20によって押し下げられるプランジャーを含み、プランジャーが押し下げられることによって、ボートブリッジ60の引き上げをトリガする起動信号を生成する。反対に、ウエハマガジン20がウエハマガジンシート22から除去された時、プランジャーが元の位置に跳ね上がり、それにより、ボートブリッジ60を下げてロードポート14の凹部に戻すための起動信号が提供される。
【0035】
使用していない時にボートブリッジ60をロードポート14の凹部に格納する配置は、ある程度の利点を有する。ロードポート14をよりコンパクトにし、輪郭を小さくする。また、向きを変えたいボートブリッジ60を引き上げて、ボートブリッジ60のウォールスロット62を各着座したウエハマガジン20および着座したウエハマガジン治具26のウォールスロット52、54と正確に位置合わせすることもできる。これは、手動で行ってもよく、あるいは変形実施形態において、任意のセンサを使用してもよい。例えば、レーザービームが全てのウォールスロット52、54、62を通過して、受光器に到達し、位置合わせされたことを示すまで、ボートブリッジ60を引き上げることができる。
【0036】
一方、いくつかの実施形態において、ボートブリッジ60は、ロードポート14の凹部への
引き上げおよび引き戻しを行わない。むしろ、これらの実施形態において、ボートブリッジ60は、ボートブリッジ60のウォールスロット62を各着座したウエハマガジン20および着座したウエハマガジン治具26のウォールスロット52、54と位置合わせできるよう、固定され、常に適切な高さにある。
【0037】
図5および
図6を参照し、さらに、
図7を参照すると、ボートブリッジ60は、また、選択的に、間隙Gを通過している間にウエハボート50を支持するだけでなく、ウエハボート50を案内することもできる。この目的のために、ボートブリッジ60の例示的なウォールスロット62は、外向きのフレアエンド62
Eを有する。ウエハボート50がボートブリッジ60の位置合わせされたスロット62に入らなくなるほど反りがある状態でウエハボート50がボートブリッジ60への入口に近づいた場合、フレアエンド62
Eは、フレアエンド62
Eの表面のカム駆動(cam action)によって、反ったウエハボート50の端部を下向きに(ボートが上向きに反っている場合)または上向きに(ボートが下向きに反っている場合)なるように促すことにより、ボートブリッジを位置合わせされたスロット62に案内し、位置合わせされたスロット62の中にスライドするよう操作することができる。
【0038】
いくつかの非限定的な実施形態において、外向きのフレアエンド62
Eのフレア角θ
flareは、60度またはそれ以下であるが、より大きなフレア角も考慮される。入ってくるウエハボートの端部に対して垂直な壁に近づくため、フレア角の値を大きくすることによって、カム駆動の効力を減らすことができる。いくつかの非限定的な例示的実施形態において、外向きのフレアエンド62
Eのフレア角θ
flareは、少なくとも15度である。フレア角の値が小さければ小さいほど、外向きに広がる垂直な範囲が減るため、反ったウエハボートが外向きのフレアエンドに進入できなくなる。
図7に示すように、外向きのフレアエンドは、同等に、指示角θ2(=180°-θ
flare)で数値化することができる。
【0039】
図6および
図7は、ボートブリッジ60のウォールスロット62を示す側面断面図であり、垂直方向において外向きに広がった外向きのフレアエンド62
Eを示したものである。フレア角θ
flare(または、同等に、θ2)は、垂直方向における外向きの広がりを指す。外向きのフレアエンド62
Eは、
図5の斜視図に見られるように、選択的に、水平方向において外向きに広がってもよい。この水平の広がりは、ウエハボート50がボートブリッジ60の開口から横にずれている場合に、ウエハボート50をボートブリッジ60に案内することができる。
【0040】
特に、
図6を参照すると、ウエハマガジン20のウォールスロット52の端部および/またはウエハマガジン治具26のウォールスロット54の端部は、選択的に、外向きのフレアエンドも有することができる。
図6において、ウエハマガジン20のウォールスロット52の外向きのフレアエンドは、角θ1を有し、ウエハマガジン治具26のウォールスロット54の外向きのフレアエンドは、
図6に示すように、角θ3を有する。1つの非限定的な例示的実施形態において、θ1=θ3およびθ1>θ2およびθ3>θ2である。いくつかのこのような実施形態において、θ2=120°である。いくつかの実施形態において、ウエハマガジン20のウォールスロット52および/またはウエハマガジン治具26のウォールスロット54は、フレア角がボートブリッジのウォールスロットの外向きのフレアエンドのフレア角よりも小さい外向きのフレアエンドを有する。いくつかの実施形態において、ウエハマガジン20のウォールスロット52および/またはウエハマガジン治具26のウォールスロット54は、外向きのフレアエンドを有さないが、これらは、単なる例である。さらに、図示していないが、ウエハマガジン20のウォールスロット52および/またはウエハマガジン治具26のウォールスロット54が、選択的に、水平方向において外向きに広がった外向きのフレアエンドを有することも考慮される。
【0041】
図8を参照すると、ボートブリッジ60を使用してオーブンチャンバー12に/からウエハを搬送するための例示的な方法について説明する。操作70において、ウエハマガジン20をオーブンチャンバー12のロードポート14に配置する。すなわち、ウエハマガジン20をウエハマガジンシート22に着座させる。例えば、AMHS21(
図1を参照)によってこれを行うことができる。操作72において、埋め込まれたボートブリッジ60
Rをモータ、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、または他の動力機構によって、ロードポート14内の凹部から高い位置に持ち上げる(
図3および関連説明を参照)。操作72は、例えば、ウエハマガジンシート22にウエハマガジン20を載置し、ボートブリッジ60を持ち上げるようモータ、シリンダ等をトリガする制御信号を生成するボタンを押す、あるいはアクチュエータを起動することによって、トリガすることができる。ボートブリッジ60を持ち上げられない/埋め込まない実施形態において、操作72は、好適には、省略される。
【0042】
操作74において、第1プッシュバー30を操作して、ウエハボート50(通常、半導体ウエハを搭載した)を着座したウエハマガジン20から、ボートブリッジ60を通って、ウエハマガジン治具26に搬送する。操作76において、多軸ロボット40を操作して(例えば、プログラミングして)、ウエハボートを有するウエハマガジン治具26をロードポート14からオーブンチャンバー12に搬送する(
図1~2および関連説明を参照)。いくつかの実施形態において、ウエハマガジン治具26およびその中の半導体ウエハを搭載したウエハボート50を含むユニット全体をロボット40でオーブンチャンバー12に入れる。この場合、ウエハマガジン治具26は、好適には、分解や許容できないアウトガスを発生させずにオーブンチャンバー12の昇温状態および雰囲気に耐えることのできる材料で作られる。別の実施形態において、把持アセンブリ42は、ウエハボート50をウエハマガジン治具26からオーブンチャンバー12内に押動するプッシュバー(例えば、プッシュバー30、32に類似する)を含み、例えば、ウォールスロットまたはオーブンチャンバー12内の平坦面(詳しく示さない)によって支持される。
【0043】
操作78において、オーブン10を使用して、操作76でオーブンチャンバー12に搭載された半導体ウエハに対し、熱処理を行う。上述したように、熱処理は、非限定的な例として、アニール、熱酸化、フォトリソグラフィ工程の一部としての現像前ベーク(PEB)、ドーパント拡散、材料堆積、これらの組み合わせ等を含むことができ、プログラムングされた温度上昇/ドウェル/下降、雰囲気ガス組成および/または雰囲気圧力の循環等を含んでもよい。
【0044】
操作80において、熱処理78が完了すると、ロボット40を操作して(例えば、プログラミングして)、ウエハマガジン治具26をオーブンチャンバー12から引き出し、ロードポート14のウエハマガジン治具シートに戻す(ウエハボートのみをオーブンチャンバーに挿入する変形実施形態において、操作80は、初めに、プルアームまたは把持アセンブリ42に組み込まれた他の機構を使用して、ウエハボートをウエハマガジン治具に戻すことが必要である)。操作82において、第2プッシュバー32を操作して、半導体ウエハを搭載した(ここでは、熱処理した)ウエハボート50を着座したウエハマガジン治具26から、ボートブリッジ60を通って、着座したウエハマガジン20に搬送して戻す。操作84において、例えば、再度AMHS21により、ウエハマガジン20をロードポート14から取り外す。
【0045】
操作72を実行してボートブリッジ60をロードポート14内の凹部から持ち上げた場合、操作86において、ボートブリッジ60をモータ、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、または他の動力機構の操作によってロードポート14内の凹部に引き戻す。操作86は、例えば、ウエハマガジン20をウエハマガジンシート22から取り外して操作72をトリガするボタンまたは他のアクチュエータを解除することによって、トリガすることができる。操作72を省略する実施形態において、操作86も省略される。
【0046】
以下、さらにいくつかの実施形態について説明する。
【0047】
非限定的な例示的実施形態[1]において、ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法を開示する。オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置する。ウエハマガジンは、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含む。ウエハマガジンにおいて、ウエハボートをウエハマガジンのウォールスロットによって支持する。プッシュバーを使用して、1つ以上のウエハボートをウエハマガジンからロードポートに配置されたウエハマガジン治具に搬送する。ウエハマガジン治具において、搬送された1つ以上のウエハボートをウエハマガジン治具のウォールスロットによって支持する。搬送は、1つ以上のウエハボートがウエハマガジンとウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、1つ以上のウエハボートをウエハマガジンとウエハマガジン治具の間に挟まれたボートブリッジのウォールスロットによって支持することを含む。搬送後、ロボットを使用して、ウエハマガジン治具内の1つ以上のウエハボートをオーブンチャンバーに移動する。
【0048】
実施形態[1]のいくつかの実施形態[2]において、前記ウエハ搬送方法は、前記オーブンチャンバーの前記ロードポートへの前記ウエハマガジンの前記配置後、前記搬送前に、モータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダを操作して、前記ボートブリッジを前記ロードポートの凹部から少なくとも途中まで引き上げることをさらに含む。
【0049】
実施形態[2]のいくつかの実施形態[3]において、前記ウエハ搬送方法は、第2プッシュバーを使用して、前記ウエハマガジン治具から前記ウエハマガジンに前記1つ以上のウエハボートを第2搬送し、前記ウエハマガジンにおいて、前記搬送された1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンのウォールスロットによって支持することと、前記第2搬送中、前記1つ以上のウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の前記間隙を通過している間、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間に挟まれた前記ボートブリッジのウォールスロットによって支持することと、前記オーブンチャンバーの前記ロードポートから前記ウエハマガジンを取り外すことと、をさらに含む。
【0050】
実施形態[1]のいくつかの実施形態[4]において、前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットが、前記ウエハマガジン治具の対応する前記ウォールスロットと垂直に位置合わせされ、前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットが、前記ボートブリッジの対応する前記ウォールスロットと垂直に位置合わせされる。
【0051】
実施形態[1]のいくつかの実施形態[5]において、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有する。
【0052】
実施形態[5]のいくつかの実施形態[6]において、前記外向きのフレアエンドが、60度またはそれ以下のフレア角を有する。
【0053】
実施形態[5]のいくつかの実施形態[7]において、前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有さない、または外向きのフレアエンドを有し、そのフレア角が、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの前記外向きのフレアエンドの前記フレア角よりも小さい。
【0054】
実施形態[1]のいくつかの実施形態[8]において、前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の前記間隙が、0.1mm以上、20mm以下である
【0055】
非限定的な例示的実施形態[9]において、関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを関連するオーブンチャンバーにロードするウエハロードシステムを開示する。ウエハロードシステムは、ウエハマガジン治具、ロードポート、双方向プッシュバー、およびボートブリッジを含む。ロードポートは、関連するウエハマガジンを着座させるよう構成されたウエハマガジンシートおよびウエハマガジン治具を着座させるよう構成されたウエハマガジン治具シートを有する。双方向プッシュバーは、ウエハマガジンシートに着座した関連するウエハマガジンとウエハマガジン治具シートに着座したウエハマガジン治具の間でウエハボートを押動するために配置される。ボートブリッジは、ウエハマガジンシートとウエハマガジン治具シートの間の間隙に配置され、ウエハマガジンシートに着座した関連するウエハマガジンとウエハマガジン治具シートに着座したウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するよう構成される。
【0056】
実施形態[9]のいくつかの実施形態[10]において、前記関連するウエハマガジンが、前記関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを支持するウォールスロットを有し、前記ウエハマガジン治具が、前記ウエハマガジン治具においてウエハボートを支持するウォールスロットを有し、前記ボートブリッジが、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するウォールスロットを有する。
【0057】
実施形態[10]のいくつかの実施形態[11]において、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、相互に位置合わせされる。
【0058】
実施形態[11]のいくつかの実施形態[12]において、前記ウエハロードシステムは、動作可能に接続され、前記ボートブリッジを、前記ロードポートの凹部から、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットに相互に位置合わせされた位置に、引き上げるモータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダさらに含む。
【0059】
実施形態[10]のいくつかの実施形態[13]において、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有する。
【0060】
実施形態[13]のいくつかの実施形態[14]において、前記外向きのフレアエンドが、60度またはそれ以下のフレア角を有する。
【0061】
実施形態[13]のいくつかの実施形態[15]において、前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有さない、または外向きのフレアエンドを有し、そのフレア角が、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの前記外向きのフレアエンドの前記フレア角よりも小さい。
【0062】
実施形態[9]のいくつかの実施形態[16]において、前記ウエハロードシステムは、前記ウエハマガジン治具を前記ロードポートの前記ウエハマガジン治具シートから離座させて、前記ウエハマガジン治具内のウエハボートを前記関連するオーブンチャンバーに搬送するために構成された多軸ロボットをさらに含む。
【0063】
実施形態[9]のいくつかの実施形態[17]において、前記ウエハロードシステムは、前記ウエハマガジン治具を前記ロードポートの前記ウエハマガジン治具シートから前記関連するオーブンチャンバーに搬送するために構成された多軸ロボットをさらに含む。
【0064】
非限定的な例示的実施形態[18]において、ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法を開示する。この方法は、オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置し、ウエハマガジンが、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含むことと、ウエハボートをウエハマガジンからロードポートに配置されたウエハマガジン治具内に押動することと、押動中、ボートブリッジを使用して、ウエハボートがウエハマガジンとウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、ウエハボートを支持することと、ウエハマガジン治具内のウエハボートをオーブンチャンバー内に移動することと、を含む。
【0065】
実施形態[18]のいくつかの実施形態[19]において、前記支持が、前記ボートブリッジのウォールスロットを使用して、前記ボートブリッジを通過する前記ウエハボートを案内することを含む。
【0066】
実施形態[19]のいくつかの実施形態[20]において、前記ウエハ搬送方法は、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの外向きのフレアエンドを使用して、前記ウエハボートの前記ボートブリッジへの進入を案内することをさらに含む。
【0067】
当業者が本開示の態様をよりよく理解することができるように、前述のことはいくつかの実施形態の特徴を概説する。当業者は、本明細書に導入された実施形態の同じ目的を実行し、かつ/または同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解されたい。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、およびそれらが本開示の精神および範囲から逸脱することなく本明細書中の様々な変更、置換、および改変をなし得ることを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示のウエハ搬送方法およびウエハロードシステムは、半導体製造装置、半導体ウエハハンドリング装置、半導体加工炉装置、および任意の関連装置に応用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 オーブン
12 チャンバー、オーブンチャンバー
14 ロードポート
20 ウエハマガジン
21 AMHS
22 ウエハマガジンシート
26 ウエハマガジン治具
30 第1プッシュバー、プッシュバー
31、33 係合面、表面
32 第2プッシュバー、プッシュバー
40 多軸ロボット
42 把持アセンブリ
50 ウエハボート
52、54、62 ウォールスロット
60、60R ボートブリッジ
62E フレア状の端部、外向きのフレアエンド
70~86 操作
G 間隙
ΔH スペーシング
θflare フレア角
θ1、θ2、θ3 角度
【手続補正書】
【提出日】2022-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法であって、
前記オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置し、前記ウエハマガジンが、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含み、前記ウエハマガジンにおいて、前記ウエハボートを前記ウエハマガジンのウォールスロットによって支持することと、
プッシュバーを使用して、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンから前記ロードポートに配置されたウエハマガジン治具に搬送し、前記ウエハマガジン治具において、前記搬送された1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジン治具のウォールスロットによって支持することと、
前記搬送中、前記1つ以上のウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間に挟まれたボートブリッジのウォールスロットによって支持することと、
前記搬送後、ロボットを使用して、前記ウエハマガジン治具内の前記1つ以上のウエハボートを前記オーブンチャンバーに移動することと、
を含むウエハ搬送方法。
【請求項2】
前記オーブンチャンバーの前記ロードポートへの前記ウエハマガジンの前記配置後、前記搬送前に、モータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダを操作して、前記ボートブリッジを前記ロードポートの凹部から少なくとも途中まで引き上げることと、
第2プッシュバーを使用して、前記ウエハマガジン治具から前記ウエハマガジンに前記1つ以上のウエハボートを第2搬送し、前記ウエハマガジンにおいて、前記搬送された1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンのウォールスロットによって支持することと、
前記第2搬送中、前記1つ以上のウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の前記間隙を通過している間、前記1つ以上のウエハボートを前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間に挟まれた前記ボートブリッジのウォールスロットによって支持することと、
前記オーブンチャンバーの前記ロードポートから前記ウエハマガジンを取り外すことと、
をさらに含む請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項3】
前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有し、前記ウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有さない、または外向きのフレアエンドを有し、そのフレア角が、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの前記外向きのフレアエンドの前記フレア角よりも小さい請求項1に記載のウエハ搬送方法。
【請求項4】
関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを関連するオーブンチャンバーにロードするウエハロードシステムであって、
ウエハマガジン治具と、
前記関連するウエハマガジンを着座させるよう構成されたウエハマガジンシートおよび前記ウエハマガジン治具を着座させるよう構成されたウエハマガジン治具シートを有するロードポートと、
前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間でウエハボートを押動するために配置された双方向プッシュバーと、
前記ウエハマガジンシートと前記ウエハマガジン治具シートの間の間隙に配置され、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するために配置されたボートブリッジと、
を含むウエハロードシステム。
【請求項5】
前記関連するウエハマガジンが、前記関連するウエハマガジンに格納されたウエハボートを支持するウォールスロットを有し、
前記ウエハマガジン治具が、前記ウエハマガジン治具においてウエハボートを支持するウォールスロットを有し、
前記ボートブリッジが、前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の間で押動されるウエハボートを支持するウォールスロットを有する請求項4に記載のウエハロードシステム。
【請求項6】
動作可能に接続され、前記ボートブリッジを、前記ロードポートの凹部から、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが前記ウエハマガジンシートに着座した前記関連するウエハマガジンの前記ウォールスロットおよび前記ウエハマガジン治具シートに着座した前記ウエハマガジン治具の前記ウォールスロットに相互に位置合わせされた位置に、引き上げるモータまたは空気圧シリンダまたは油圧シリンダさらに含む請求項5に記載のウエハロードシステム。
【請求項7】
前記ボートブリッジの前記ウォールスロットが、外向きのフレアエンドを有し、前記外向きのフレアエンドが、60度またはそれ以下のフレア角を有する請求項5に記載のウエハロードシステム。
【請求項8】
前記ウエハマガジン治具を前記ロードポートの前記ウエハマガジン治具シートから離座させて、前記ウエハマガジン治具内のウエハボートを前記関連するオーブンチャンバーに搬送するために、あるいは、前記ウエハマガジン治具を前記ロードポートの前記ウエハマガジン治具シートから前記関連するオーブンチャンバーに搬送するために、構成された多軸ロボットをさらに含む請求項4に記載のウエハロードシステム。
【請求項9】
ウエハをオーブンチャンバーに搬送するためのウエハ搬送方法であって、
前記オーブンチャンバーのロードポートにウエハマガジンを配置し、前記ウエハマガジンが、半導体ウエハを有する1つ以上のウエハボートを含むことと、
前記ウエハボートを前記ウエハマガジンから前記ロードポートに配置されたウエハマガジン治具内に押動することと、
前記押動中、ボートブリッジを使用して、前記ウエハボートが前記ウエハマガジンと前記ウエハマガジン治具の間の間隙を通過している間、前記ウエハボートを支持することと、
前記ウエハマガジン治具内の前記ウエハボートを前記オーブンチャンバー内に移動することと、
を含むウエハ搬送方法。
【請求項10】
前記支持が、前記ボートブリッジのウォールスロットを使用して、前記ボートブリッジを通過する前記ウエハボートを案内することを含み、前記ウエハ搬送方法が、前記ボートブリッジの前記ウォールスロットの外向きのフレアエンドを使用して、前記ウエハボートの前記ボートブリッジへの進入を案内することをさらに含む請求項9に記載のウエハ搬送方法。
【外国語明細書】