(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023106833
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】再加熱されずに喫食される冷蔵調理済み麺類の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/109 20160101AFI20230726BHJP
【FI】
A23L7/109 B
A23L7/109 C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022007798
(22)【出願日】2022-01-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 肇
【テーマコード(参考)】
4B046
【Fターム(参考)】
4B046LA05
4B046LB04
4B046LB09
4B046LC01
4B046LC09
4B046LE18
4B046LG02
4B046LG04
4B046LG16
4B046LG21
4B046LG29
4B046LP03
4B046LP10
4B046LP15
4B046LP41
4B046LP51
4B046LP58
4B046LP71
4B046LQ03
(57)【要約】
【課題】冷蔵保存後に再加熱せずに喫食しても良好な食感を有する麺類の提供。
【解決手段】再加熱されずに喫食される冷蔵調理済み麺類の製造方法であって、生麺類を加熱調理する工程と、該加熱調理した麺類を冷蔵する工程を含み、該生麺類が小麦粉とタピオカ由来澱粉とを含有する中華麺であり、該生麺類の原料粉における、該小麦粉と該タピオカ由来澱粉との質量比が85:15~50:50であり、該冷蔵された麺類のpHが7.7~9.1である、方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再加熱されずに喫食される冷蔵調理済み麺類の製造方法であって、
生麺類を加熱調理する工程と、
該加熱調理した麺類を冷蔵する工程を含み、
該生麺類が小麦粉とタピオカ由来澱粉とを含有する中華麺であり、
該生麺類の原料粉における、該小麦粉と該タピオカ由来澱粉との質量比が85:15~50:50であり、
該冷蔵された麺類のpHが7.7~9.1である、
方法。
【請求項2】
前記生麺類が、穀粉及び澱粉の合計量100質量部に対し、かんすい原料0.09~0.4質量部を含む麺生地から製造される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記原料粉が前記小麦粉と前記タピオカ由来澱粉を合計で80質量%以上含有する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記タピオカ由来澱粉が加工タピオカ澱粉である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記加熱調理が茹で調理である、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記冷蔵調理済み麺類が冷やし中華、冷やしラーメン、又は冷やしつけ麺である、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
再加熱されずに喫食されるための冷蔵調理済み麺類であって、
該麺類が小麦粉とタピオカ由来澱粉とを含有する中華麺であり、
該麺類の原料粉における小麦粉とタピオカ由来澱粉との質量比が85:15~50:50であり、
該麺類のpHが7.7~9.1である、
冷蔵調理済み麺類。
【請求項8】
前記麺類の生地が、穀粉及び澱粉の合計量100質量部に対し、かんすい原料0.09~0.40質量部を含む、請求項7記載の冷蔵調理済み麺類。
【請求項9】
前記原料粉が前記小麦粉と前記タピオカ由来澱粉を合計で80質量%以上含有する、請求項7又は8記載の冷蔵調理済み麺類。
【請求項10】
前記タピオカ由来澱粉が加工タピオカ澱粉である、請求項7~9のいずれか1項記載の冷蔵調理済み麺類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再加熱されずに喫食される冷蔵調理済み麺類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、予め調理された状態で冷蔵流通され、再加熱せずにそのまま喫食される冷蔵調理済み麺類が、スーパーやコンビニエンスストアなどで販売されている。このような冷蔵調理済み麺類は、冷やし中華、冷やしラーメン、冷やしつけ麺などの中華麺が主である。一般的な中華麺には、独特の食感と風味を持たせるために、かんすい原料などのアルカリが添加されている。即席麺や乾麺としない通常の生中華麺の場合、かんすい原料の配合量は乾燥物換算で1質量%以上であり、麺のpHは10程度である。
【0003】
特許文献1には、α化した状態で常温で長期保存可能な麺、いわゆるロングライフ(LL)麺の製造に関して、原料粉にその重量の0.2%以下のかんすいを混ぜた麺生地から中華茹で麺を製造することが記載されている。ただしこの茹で麺は、長期保存可能な状態とするために、酸性領域に調整された後、密封包装して加熱殺菌される。
特許文献2には、冷蔵や冷凍せずに長期保存可能なウェットタイプの中華麺の製造に関して、生麺線を、湿熱処理した後、アルカリ剤で処理し、該アルカリ剤処理と同時又はその後に低酸素濃度下でかつ密封包装した状態で加熱処理して、包装体内の酸素量を麺重量100g当り常温で0.1ml以下、かつ麺線のpHを8.1~9.7とする、包装麺類の製造方法が記載されている。特許文献2の方法では、麺を冷蔵や冷凍せずに長期保存可能にするとともに中華麺らしい風味を維持するため、麺を密封包装して加熱処理したり、包装体内を低酸素に保つ必要がある。
特許文献3には、原料粉100重量部に、トランスグルタミナーゼ0.5~2.0重量部及びかんすい0.1~0.4重量部を添加して製麺し、α化処理して得られた中華麺が記載されている。
特許文献4には、小麦粉に対してかん粉0.08~0.8重量%を含有するマイクロ波加熱調理用生中華麺が記載されている。
特許文献5には、茹で湯をそのままスープ用に用いることができる生ラーメンとして、原料小麦粉に対し粉末かんすい0.1~0.4重量部が添加された麺生地を減圧乾熱下で熟成処理して得られた、麺水分20~40%、α化度80~60%、比容積75c以下の生ラーメンが記載されている。
特許文献6には、強力粉700に対して、かんすい2.1、添加剤としてグルコースオキシダーゼ0.1、小麦澱粉21及びタピオカ澱粉7を含有する原料から製造したチルド麺が記載されているが、これは冷蔵後の食感に劣るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-289190号公報
【特許文献2】特開2002-262795号公報
【特許文献3】特開平10-179066号公報
【特許文献4】特開昭61-170355号公報
【特許文献5】特開昭60-105466号公報
【特許文献6】特開2020-005533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生中華麺は、即席麺や乾麺と比べて食感や風味に優れ、特に茹でたては美味である。一方で、生中華麺を茹でた後冷蔵すると、かんすい原料の影響でぼそぼそして弾力のない食感になりやすい。特に、生中華麺を調理して冷蔵保存し、再加熱せずに喫食する場合、冷蔵した麺の低下した食感をそのまま感受することになるため、美味しく感じられなくなる。生麺から調理して冷蔵保存し、再加熱せずに喫食したときにも、良好な食感を有することができる中華麺が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、冷蔵される調理済み中華麺のpHを特定の範囲に調整することで、再加熱せず喫食したときにも良好な食感を有する冷蔵調理済み麺類が得られることを見出した。
【0007】
したがって本発明は、再加熱されずに喫食される冷蔵調理済み麺類の製造方法であって、
生麺類を加熱調理する工程と、
該加熱調理した麺類を冷蔵する工程を含み、
該生麺類が小麦粉とタピオカ由来澱粉とを含有する中華麺であり、
該生麺類の原料粉における、該小麦粉と該タピオカ由来澱粉との質量比が85:15~50:50であり、
該冷蔵された麺類のpHが7.7~9.1である、
方法を提供する。
また本発明は、再加熱されずに喫食されるための冷蔵調理済み麺類であって、
該麺類が小麦粉とタピオカ由来澱粉とを含有する中華麺であり、
該麺類の原料粉における小麦粉とタピオカ由来澱粉との質量比が85:15~50:50であり、
該麺類のpHが7.7~9.1である、
冷蔵調理済み麺類を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、中華麺を調理後に冷蔵保存したときに生じる麺の食感低下、例えば弾力が低下したりぼそついた食感になったりすることを抑制することができる。したがって本発明によれば、再加熱せずに喫食したときにも良好な食感を有する冷蔵調理済み麺類を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の冷蔵調理済み麺類は、基本的には、生麺類を喫食可能に加熱調理し、次いで冷蔵保存することで製造される。その際、冷蔵された麺類が特定のpHになるようにする。該麺類は、アルカリ性に調整された麺類、好ましくは中華麺である。該麺類の種類や形状は特に限定されず、例えば麺線であっても麺皮であってもよい。
【0010】
前記麺類の原料粉は、小麦粉とタピオカ由来澱粉を主原料として含有する。小麦粉としては、麺類の製造に一般に使用されるものであればよく、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などが挙げられる。これらの小麦粉は、いずれか単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。好ましくは、準強力粉、中力粉、及びそれらの組み合わせが使用される。
【0011】
前記原料粉に含まれるタピオカ由来澱粉は、未加工澱粉でも又は加工澱粉でもよいが、好ましくは加工タピオカ澱粉である。好ましくは、該加工タピオカ澱粉は、エーテル化タピオカ澱粉及びアセチル化タピオカ澱粉からなる群より選択される1種以上である。該エーテル化澱粉及びアセチル化澱粉は、架橋処理されていてもよい。該加工タピオカ澱粉の好ましい例としては、ヒドロキシプロピル化タピオカ澱粉、カルボキシメチル化タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピル化リン架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化リン酸架橋タピオカ澱粉、などが挙げられ、これらをいずれか単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。このうち、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉を用いることがより好ましく、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ澱粉がさらに好ましい。
【0012】
好ましくは、前記原料粉は、全量中に、小麦粉及びタピオカ由来澱粉を合計で80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有する。該原料粉における小麦粉及びタピオカ由来澱粉の質量比は、(小麦粉):(タピオカ由来澱粉)=85:15~50:50の範囲である。タピオカ由来澱粉の含有量が少なすぎると、冷蔵した麺類の食感が低下する。
【0013】
前記原料粉は、前述した穀粉及び澱粉に加えて、麺類の製造に従来用いられる他の材料をさらに含有していてもよい。当該他の材料としては、例えば、小麦粉以外の穀粉、タピオカ由来澱粉以外の澱粉、グルテン、大豆蛋白質、乳蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質;動植物油脂、乳化油脂、ショートニング等の油脂類;食塩;かんすい原料;糖類;甘味料;焼成カルシウム;食物繊維;香辛料;調味料;ビタミン、ミネラル、栄養強化剤;色素;香料;デキストリン(難消化性含む);膨張剤;乳化剤;増粘剤;保水剤;保存剤;酵素剤;pH調整剤;酸化還元剤などが挙げられるが、これらに限定されない。該小麦粉以外の穀粉としては、大麦粉、ライ麦粉、そば粉、米粉、コーンフラワーなどが挙げられる。該タピオカ由来澱粉以外の澱粉としては、馬鈴薯、小麦、米、トウモロコシなどに由来する未加工又は加工澱粉が挙げられる。これらの他の材料は、いずれか単独又は2種以上の組み合わせで用いることができる。本発明で用いる原料粉中における該他の材料の合計含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。該原料粉中における他の材料の各々の配合量は、目的とする麺類の種類に応じて適宜決定することができる。
【0014】
好ましくは、前記原料粉は、前記他の材料としてグルテンを含有する。該原料粉中におけるグルテンの含有量は、全量中、好ましくは1~15質量%、より好ましくは3~10質量%である。好ましくは、該原料粉におけるトランスグルタミナーゼの含有量は、穀粉及び澱粉の合計量100質量部あたり0.3質量部以下であり、より好ましくは、該原料粉はトランスグルタミナーゼを実質的に含有しない。また好ましくは、該原料粉におけるグルコースオキシダーゼの含有量は、穀粉及び澱粉の合計量100質量部あたり0.00003質量部以下であり、より好ましくは、該原料粉はグルコースオキシダーゼを実質的に含有しない。ここで「実質的に含有しない」とは、麺類の食感に影響を与える程度の含有量より少ないことをいい、例えば、原料粉に不純物として混入され得る程度の量以下であることをいう。
【0015】
本発明では、前記原料粉から麺生地を調製する。該麺生地は、常法に従って該原料粉と練水とを混捏することにより調製することができる。該練水には、食塩、かんすい原料などが添加されていてもよい。該麺生地の調製に用いられる練水の量は、練水の水分量として、原料粉100質量部あたり、好ましくは25~65質量部、より好ましくは35~50質量部である。
【0016】
調製された麺生地は、好ましくはかんすい原料を含有する。かんすい原料としては、中華麺の製造に通常用いられるものを使用することができ、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのかんすい原料は、いずれか単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましくは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又はこれらの組み合わせを主体とするかんすい原料が用いられる。該かんすい原料は市販品であってもよく、例えば、炭酸カリウム及び/又は炭酸ナトリウムを含有する市販のかんすい原料(例えば、オリエンタル酵母工業株式会社製の商品名「粉末かんすい青」)を好適に使用することができる。
【0017】
前記麺生地の調製の際に、かんすい原料は、原料粉に添加されてもよく、又は練水に添加されてもよい。該麺生地におけるかんすい原料の含有量は、原料粉中の穀粉及び澱粉の合計量100質量部に対して、好ましくは0.09~0.4質量部、より好ましくは0.1~0.4質量部、さらに好ましくは0.1~0.2質量部である。
【0018】
得られた麺生地から生麺類が製造される。麺生地からの生麺類の製造には、通常の手段を用いることができる。例えば、製麺ロールにより麺生地を圧延して麺帯を得、この麺帯を切刃等で切り出して麺線を得る方法、麺生地を押し出し成型して麺線を得る方法、などが挙げられる。上記麺帯を積層して多層麺としてもよい。
【0019】
得られた生麺類を加熱調理し、得られた調理済みを冷蔵することで、本発明の冷蔵調理済み麺類を製造することができる。該生麺類の加熱調理の手段としては、茹で、蒸しなどが挙げられる。該加熱調理により、麺類を喫食可能にα化する。該茹でや蒸しに用いる水としては、水、食塩水などが使用できる。基本的には、該生麺類は、密封包装されることなく加熱調理され、好ましくは包装されることなく加熱調理される。例えば、該生麺類は大量にまとめて茹で調理された後、水洗冷却し、小分けにされ、例えば1食ごとに分けられ、冷蔵保存用に包装される。
【0020】
加熱調理した麺類の冷蔵は、一般的な冷蔵調理済み麺類と同様に行うことができる。例えば、該加熱調理した麺類を1食~数食ごとに包装し、通常の冷蔵温度下(例えば約0℃~約10℃)で保存すればよい。基本的には、本発明の冷蔵調理済み麺類は、製造された後、必要に応じて保管や流通を経て、購買されるまで、冷蔵保存されるための食品として製造される。したがって、本発明の冷蔵調理済み麺類は、製造から喫食されるまでの間に、少なくとも6時間、好ましくは12~120時間冷蔵保存されることが想定される。
【0021】
本発明において、該冷蔵された麺類のpHは、好ましくはpH7.7~9.1、より好ましくはpH7.7~8.5、さらに好ましくはpH7.7~8.1である。該冷蔵された麺類のpHを上記範囲にするためには、例えば、該加熱調理した麺類のpHが当該範囲になるように、製造する生麺のpHや、茹で水のpH条件などを調整したり、加熱調理した麺類のpHを酸又はアルカリを用いてpH調整したりすることができる。例えば、前述のように原料粉中の穀粉及び澱粉の合計量100質量部に対して0.1~0.4質量部のかんすい原料を配合した生麺を製造し、加熱調理し、水洗冷却後、冷蔵すればよい。必要に応じて、該加熱調理した麺類を、冷蔵前に酸又はアルカリを用いてpH調整してもよい。該pH調整に用いる酸又はアルカリには、食品用のpH調整剤として通常使用されているもの(例えば有機酸、炭酸、リン酸の塩など)を用いることができる。
【0022】
本明細書において、加熱調理した麺類のpHとは、加熱調理された麺類1gを水10mLに懸濁させた懸濁液のpH(25℃)をいう。また本明細書において、冷蔵された麺類のpHとは、加熱調理され、少なくとも6時間冷蔵保存した麺1gを水10mLに懸濁させた懸濁液のpH(25℃)をいう。
【0023】
本発明の冷蔵調理済み麺類は、冷蔵保存の後、再加熱されることなく喫食される。好ましくは、冷蔵保存の後、冷たい状態のまま喫食される。本発明の冷蔵調理済み麺類は、前述した調理済み麺類以外に、具材、スープ、調味料などを備えていてもよい。これらの具材、スープ、調味料などは、該麺類とともに包装され、冷蔵保存されていてもよく、又は別添えされていてもよい。このような本発明の冷蔵調理済み麺類の具体例としては、冷やし中華、冷やしラーメン、冷やしつけ麺などが挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例0024】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0025】
1.冷蔵茹で中華麺
(材料)
小麦粉:中力粉(薫風、日清製粉(株))
加工澱粉:エーテル化リン酸架橋タピオカ澱粉(あさがお、松谷化学工業(株))
かんすい原料:粉末かんすい青、オリエンタル酵母工業(株)
グルテン:AグルG、グリコ栄養食品(株)
食塩:並塩
【0026】
(冷蔵茹で中華麺の製造)
表1~2記載の配合で、原料粉と練水を混合し、ミキシングして生地を調製した。該生地を製麺ロールで圧延及び複合して麺帯を作製し、切り刃(#18角)で切り出して麺線を製造した(麺厚1.7mm)。得られた麺線を、歩留まりが175%程度となるように熱湯で茹で、水洗冷却した。得られた茹で麺にほぐれ剤を噴霧した後、個食に包装し、冷蔵庫(4℃)で24時間保存した。
【0027】
冷蔵保存後の麺の一部を取りpHを測定した。また冷蔵保存後の麺の食感を、訓練したパネラー10人により下記評価基準で評価し、平均点を求めた。結果を表1~2に示す。
【0028】
<評価基準>(弾性)
5点:非常に弾性が優れる
4点:弾性が優れる
3点:弾性がやや優れる
2点:やや弾性が劣る
1点:弾性が劣る
(ぼそつき)
5点:ぼそつきをほとんど感じない
4点:ぼそつきをわずかに感じる
3点:ぼそつきを弱く感じる
2点:ぼそつきをやや強く感じる
1点:ぼそつきを強く感じる
【0029】
【0030】