(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107392
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20230727BHJP
G03G 15/09 20060101ALI20230727BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
G03G15/08 235
G03G15/08 226
G03G15/09 A
G03G21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008566
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】門田一郎
(72)【発明者】
【氏名】中井洋志
【テーマコード(参考)】
2H031
2H077
2H134
【Fターム(参考)】
2H031AB02
2H031AC10
2H031AC33
2H031AC34
2H031BA06
2H031BA09
2H031DA00
2H077AB02
2H077AB14
2H077AB15
2H077AB18
2H077AD02
2H077AD04
2H077AD13
2H077AD18
2H077DA04
2H077EA03
2H077FA01
2H134GA01
2H134GA06
2H134GB02
2H134HD01
2H134HD17
2H134JA02
2H134LA01
(57)【要約】
【課題】従来よりも低コストに且つトナー消費を抑えつつ、中間転写体端部のフィルミングを抑制する。
【解決手段】像担持体2、像担持体2の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置20、像担持体2に対向して配置された中間転写体3、前記像担持体の回転方向において潤滑剤塗布装置20と転写ニップとの間に配置され、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持する現像剤担持体51を備えた現像装置11、を有する画像形成装置において、現像剤担持体51の長手方向端部の現像剤汲み上げ量が長手方向中央部の現像剤汲み上げ量よりも多いことにより解決される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体、
前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置、
前記像担持体に対向して配置された中間転写体、
前記像担持体の回転方向において前記潤滑剤塗布装置と転写ニップとの間に配置され、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持する現像剤担持体を備えた現像装置、を有する画像形成装置において、
前記現像剤担持体の長手方向端部の現像剤汲み上げ量が長手方向中央部の現像剤汲み上げ量よりも多い、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤担持体上の現像剤を規制する現像剤規制部材を有し、
前記現像剤規制部材と前記現像剤担持体の間の長手方向端部におけるギャップが長手方向中央部におけるギャップよりも広くなるように、前記現像剤規制部材が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体の長手方向端部の表面粗さが長手方向中央部よりも大きい、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体は表面に複数の溝を有し、
前記現像剤担持体の長手方向端部の溝形状が長手方向中央部の溝形状と異なる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像剤担持体は表面に複数の溝を有し、
前記現像剤担持体の長手方向端部の溝密度が長手方向中央部の溝密度よりも大きい、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体は表面に複数の溝を有し、
前記現像剤担持体の長手方向端部の溝深さが長手方向中央部の溝深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤担持体の長手方向端部が非通紙領域に位置する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記中間転写体の長手方向端部において、フィルミングを抑制するためのトナーパターンが形成されない、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して帯電したトナー粒子を付着させ、可視像を形成している。トナーにより形成された可視像は、最終的に紙等の転写媒体に転写後、熱、圧力、溶剤気体等によって転写媒体に定着され、出力画像となる。
【0003】
これら電子写真方式による画像形成装置は、一般的にドラム形状やベルト形状の像担持体、一般には感光体を回転させつつ一様に帯電し、レーザー光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、これを現像装置により可視像化して、転写媒体上に転写している。
【0004】
また、転写媒体へトナー像を転写した後の像担持体上には、転写されなかったトナー成分が残存する。これらの残存物がそのまま帯電工程に搬送されると、像担持体の均等な帯電を阻害することが有るため、一般的には、転写工程後に、像担持体上に残存するトナー成分等をクリーニング工程にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、像担持体の帯電が行われる。
【0005】
このように、像担持体表面は帯電、現像、転写、クリーニング等の各工程で、様々な物理的ストレスや電気的ストレスを受け、使用時間の経過に伴って表面状態が変化する。
これらのストレスのうちクリーニング工程での摩擦によるストレスは、像担持体を摩耗させるだけでなく、クリーニング部材の寿命をも低下させる。
【0006】
画像形成装置やこれに使用される部材の長寿命化は、ランニングコストの低減や廃棄物の低減による地球環境保護の観点から、市場での関心が高い。このようなトレンドから、近年では像担持体だけでなく周辺部材の長寿命化も求められてきており、クリーニング工程でのストレス低減は大きな課題となっている。
【0007】
また、近年では装置の小型化、低コスト化を目的として、接触帯電方式や近接帯電方式がより多く用いられるようになってきた。このうち近接帯電方式では、帯電部材と像担持体表面との微少な接触ムラ、或いは非接触とした場合には帯電部材と像担持体表面とのギャップ変動等により、像担持体表面を均一に帯電させることが困難であるため、近年では直流(DC)成分に交流(AC)成分を重畳した、AC重畳帯電方式が多く用いられている。
【0008】
AC成分を重畳した近接帯電方式は、装置の小型化及び高画質化を実現できると同時に、帯電均一性を保ちながら帯電部材と像担持体とを非接触に維持できることから、帯電部材自身の劣化も抑制することができる。そのため、近接帯電方式は、装置の小型化、高画質化、高耐久化に対しては非常に優位な技術である。
【0009】
しかしながら、像担持体が有機感光体(OPC)である場合には、AC重畳帯電のエネルギーが像担持体表面の樹脂鎖を切断し、機械的強度を低下させることで、像担持体の摩耗が著しく加速してしまうことが明らかとなってきた。
【0010】
また、AC重畳帯電は像担持体表面を活性化させるため、像担持体表面とトナーとの間の付着力が増加することから、高いクリーニング性の確保が困難である。
更に、近年では高画質の観点からトナーの小径化、球形化が進められており、高いクリーニング性が求められている。
【0011】
これらの課題を解消すべく、像担持体とクリーニング部材間の摩擦力を低減し、像担持体とクリーニング部材の両方を保護すること、並びにクリーニング性を向上させることを目的として、これまでにも各種潤滑剤(保護剤)や、潤滑成分の供給・膜形成方法について多くの提案がなされている。
【0012】
例えば、特許文献1では、感光体やクリーニングブレードの寿命を延ばすため、感光体表面にステアリン酸亜鉛を主成分とする固体潤滑剤を供給し、感光体表面に潤滑皮膜を形成することが提案されている。
【0013】
また、特許文献2等では、像担持体表面に脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含む保護剤(潤滑剤)を供給することが提案されている。この文献では、ステアリン酸亜鉛単独使用時と比較してクリーニング性が大幅に向上しており、クリーニング部をすり抜けるトナーの量が格段に減っている。
【0014】
ところで、電子写真方式の画像形成装置に用いられる画像濃度調整や色ずれ補正制御では、ドラム状の感光体上や中間転写ベルト上に作成された検知用のトナーパターンの濃度や位置を光学センサで読み取って補正している。
【0015】
例えば、画像濃度調整(プロセスコントロール)では、反射型の光学センサの発光素子から発した光を中間転写ベルト表面のトナーが付着していない地肌部で反射させ、その反射光を受光素子で受光し、反射光に応じた受光量を得て光学センサの校正が行われる。
【0016】
次に、予め定められた形状の基準トナー像(濃度調整用トナーパターン)を感光体の表面に形成し、その基準トナー像を中間転写ベルト上に転写して、発光素子から発した光を基準トナー像で反射させ、その反射光を受光素子で受光し、反射光に応じた受光量を得る。
【0017】
中間転写ベルト表面の地肌部における受光量を基準値として、この基準値と基準トナー像における受光量とを比較し、基準トナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量を把握する。
【0018】
把握したトナー付着量に基づいてトナー付着量が所望のものとなるように、感光体の帯電電位、現像バイアス、感光体に対する光書き込み強度及び現像剤のトナー濃度の制御目標値などの作像条件を調整する。
【0019】
色ずれ補正では、主走査方向に対して角度を有するトナーパターンを形成し、主走査方向と副走査方向の位置ずれを検知して補正するようになっている。
【0020】
濃度調整や色ずれ補正をする際には、中間転写ベルト表面の地肌部において、所定の受光量が得られるように光学センサの出力を調整している。即ち、発光素子の出力(電流値)を調整して所定の受光量が得られるように光学センサの校正を行っている。
【0021】
脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含む潤滑剤を感光体に塗布した場合は、帯電工程における放電の影響を受けても潤滑性の低下が生じにくく、長期にわたって安定したクリーニング性能を維持することができる。だが、無機潤滑剤が感光体を介して中間転写ベルト表面に転移し、フィルミングを発生させやすいという課題がある。
【0022】
フィルミングが発生すると、ベルトの光沢度が低下し、地肌部においてのセンサ受光量が低下する。そしてこのような場合、発光素子の出力(電流値)を調整して所定の受光量が得られるようにするため、センサの発光素子の出力を上昇させる校正が行われる。
【0023】
即ち、フィルミングによって反射光量が低下するため、所定の受光量が得られるようにするためには、LED等の発光素子に流す電流値(順電流If)を上げなければならない。発光素子に流す電流値がセンサの出力値となる。
【0024】
センサの発光素子の出力値が上限を超えると、発光量を強くしたにもかかわらず、十分な受光光量が得られず、濃度調整や色ずれ補正ができなくなる。
【0025】
特に、中間転写ベルトの端部に位置する通紙外領域(非通紙領域とも言う)においては、通紙された紙によって無機潤滑剤が除去されないため、よりフィルミングが発生、蓄積しやすく、中間転写ベルト端部が曇ってしまう。これにより、トナーパターンを適切に検知できなくなるという問題があった。
【0026】
中間転写ベルト端部のベルトフィルミングを防止するために、通紙外領域の端部にトナーの吐き出しパターンを書き込み、トナーでフィルミング物質を削るという提案もなされている。
しかしながら、トナーパターンを書き込んでベルトフィルミングを抑制することは、トナーを浪費して、トナーイールドを短くすることになる。
【0027】
特許文献3には、端部のフィルミングを抑制するために、感光体の長手方向の両端部に塗布される潤滑剤の量を少なくする技術が開示されている。具体的には、感光体の長手方向の両端部に塗布される潤滑剤の量が中央部よりも少なくなるように、滑剤塗布部材の中央部に強く当たるフリッキング部材を設けている。
【0028】
しかし、この構成ではフリッキング部材という追加部材を設ける必要があり、コストが増加する。近年の低コスト化の要求から、さらなる簡易な方法でベルトフィルミングを抑制する手段が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
そこで本発明は、従来よりも低コストに且つトナー消費を抑えつつ、中間転写体端部のフィルミングを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
この課題は、像担持体、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置、前記像担持体に対向して配置された中間転写体、前記像担持体の回転方向において前記潤滑剤塗布装置と転写ニップとの間に配置され、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持する現像剤担持体を備えた現像装置、を有する画像形成装置において、前記現像剤担持体の長手方向端部の現像剤汲み上げ量が長手方向中央部の現像剤汲み上げ量よりも多い、ことを特徴とする画像形成装置により解決される。
【発明の効果】
【0031】
従来よりも低コストに且つトナー消費を抑えつつ、中間転写体端部のフィルミングを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタの概要構成図である。
【
図2】ベルトクリーニング装置60の近傍の拡大図である。
【
図3】実施形態に係る光学センサユニット30の概要構成図である。
【
図4】本実施形態の画像形成装置における各作像ユニット構成例の概略を説明するための断面図である。
【
図5】各部材の長手方向の長さの関係を示す概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に用いられる凹みを説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタの概要構成図である。このカラープリンタは、装置本体1内にそれぞれ像担持体である感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kを有する4つの作像ユニット(プロセスカートリッジ)が並置されたいわゆるタンデム構成を有している。
【0034】
各作像ユニットの感光体ドラムに対向して、無端ベルトより成る像担持体で且つ中間転写体としての中間転写ベルト3を有する中間転写ユニットUが配置されている。中間転写ベルト3は、複数の支持ローラ4、5、6、7に回転可能に巻き掛けられている。支持ローラ4が駆動ローラとして反時計回り方向に駆動されることによって、中間転写ベルト3は矢印L方向に回転駆動される。
【0035】
中間転写ベルト3は多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDシート、ポリイミド系樹脂で作製し、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被覆する。符号8は中間転写ベルト3の表面に圧接して中間転写ベルト3にテンションを付与するテンションローラを示している。以下、中間転写ベルト3を単にベルトと称することがある。
【0036】
本実施形態では感光体ドラムの数、すなわち作像ユニットの数を4としているが、これに限定されず、5以上であってもよい。中間転写ベルト3を支持する支持ローラの数も、中間転写ベルト3を回転駆動するに最低限必要な2つ以上設けるものであればよい。
【0037】
感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kは、それぞれ中間転写ベルト3の表面に当接しながら、時計回り方向に回転駆動される。例えば、最上流に位置する第1の感光体ドラム2Yは、帯電ローラ9によって所定の極性に帯電され、その帯電面に光書き込みユニット10から出射し、光変調されたレーザビームが照射される。これによって第1の感光体ドラム2Yに静電潜像が形成され、この静電潜像は現像装置11によってイエロートナー像として可視像化される。静電潜像がトナーによって可視像化された像を可視像、トナー像などとも称する。
【0038】
一次転写ローラ12に転写電圧が印加され、これによって感光体ドラム2Y上のトナー像が矢印L方向に回転駆動される中間転写ベルト3の表面に一次転写される。トナー像転写後の感光体ドラム2Y上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置13によって除去される。
【0039】
上記と同様にして、第2~第4の感光体ドラム2C、2M、2K上にシアントナー像、マゼンタトナー像、ブラックトナー像がそれぞれ形成される。各トナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト3上に順次重ねて転写され、中間転写ベルト3上に4色の重ねトナー像が担持される。
【0040】
装置本体1の下部には給紙装置14が配置され、給紙装置14から送り出される記録媒体で且つ被転写体としての用紙Sは、画像形成装置内に設けられたレジストローラ対の回転によって、所定のタイミングで二次転写部へ向けて搬送される。
【0041】
中間転写ベルト3の支持ローラ4で支持される部分と、これに対向して配置された二次転写ローラ15との間が二次転写部となる。二次転写ローラ15に転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト3上の重ねトナー像が用紙Sに二次転写される。
【0042】
二次転写ローラ15は、中間転写ベルト3を介して支持ローラ4に対して押圧され、かつ中間転写ベルト3の表面に当接しながら、反時計回り方向に回転駆動される。
【0043】
トナー像を転写された用紙S(記録媒体)は、定着装置16に送られ、ここで熱と圧力の作用によってトナー像が用紙Sに定着される。定着装置16を出た用紙Sは、装置本体1の上面に形成された排紙トレイ17上に排出されてスタックされる。
【0044】
図1において、符号18は現像装置11にトナーを補給するためのトナーボトルを示している。トナーボトルは各色備えられる(18Y、18C、18M、18K)。
【0045】
二次転写後の中間転写ベルト3上には、転写しきれなかったトナーが残留する。この残留トナーを清掃するため、中間転写ユニットUにはクリーニング手段としてのベルトクリーニング装置60が設けられている。
【0046】
図2に示すように、ベルトクリーニング装置60は、中間転写ベルト3の表面に接するクリーニングブレード62と、クリーニングブレード62で掻き取ったトナーを外部へ搬送する搬送スクリュ64とを有している。クリーニングブレード62が中間転写ベルト3に接する部位の反対側にはバックアップローラ66が配置されている。
【0047】
二次転写部より中間転写ベルト3の回転方向下流側には、トナー像検知手段としての光学センサユニット30が配置されている。光学センサユニット30は、中間転写ベルト3における支持ローラ4への掛け回し箇所に対してそのおもて面側から所定の間隙を介して対向するように配置されている。
【0048】
図3に示すように、光学センサユニット30は、発光素子と受光素子とからなる光学センサ(以下、単に「センサ」ともいう)32を複数配置した構成となっている。すなわち、光学センサ32は各色の作像ユニットに対応して複数設けられている。
【0049】
Y、C、M、Kの各色の検知用トナー像(濃度調整用トナーパターン)の検出を極力短時間で実施可能なように、中間転写ベルト3のベルト幅方向(主走査方向)に沿って各色の光学センサ32Y、32C、32M、32Kが配設されている。
【0050】
発光素子としては、発光ダイオード(LED)を用いることができる。LEDの発光光量の調整は、LEDに流す順電流Ifで調整が可能であるが、発光光量の調整パラメータは順電流Ifに限らず、それ相当の調整パラメータであれば構わない。受光素子としては、フォトダイオード(PD)、フォトトランジスタ(PTr)及びフォトICなどを用いることができる。
【0051】
発光素子から照射された光が中間転写ベルト表面で反射し、受光素子はその反射光を受光して受光信号(受光量)を出力する。受光信号は電気信号に変換され、センサ測定値として画像形成装置内に設けられた制御手段に入力される。
【0052】
本実施形態に係るカラープリンタは、画像濃度調整モードと、色ずれ補正モードとを有している。
画像濃度調整モード(プロセスコントロール)時には、通常の画像形成動作とは別に、検知用トナー像としての濃度調整用トナーパターンYp、Cp、Mp、Kpが形成されて中間転写ベルト3上に転写される。濃度調整用トナーパターンは各センサによって検知され、検知結果に基づいて上述したような濃度調整が行われる。
【0053】
色ずれ補正モード時には、通常の画像形成動作とは別に、検知用トナー像としての色ずれ補正用トナーパターンが主走査方向に傾斜した状態で形成され、中間転写ベルト3上に転写される。色ずれ補正用トナーパターンは各センサによって検知され、検知結果に基づいて主走査方向及び副走査方向の位置ずれが補正される。センサ毎に、中間転写ベルトの移動方向に直列に連なるように形成された全色の色ずれ補正用トナーパターンを検知する方式としてもよい。
【0054】
一般的に、このようなトナーパターンは転写ベルトの両端部及び中央部に作成される場合が多い。本実施形態においては、このようなトナーパターンの少なくとも一つが中間転写ベルト端部の紙外領域(非通紙領域)に作成されることが好ましい。換言すると、本実施形態において、前記感光体の回転軸方向における記録媒体が搬送される最大領域を最大通紙幅とし、該最大通紙幅より外側の領域を非通紙領域としたとき、該非通紙領域において濃度調整用又は色ずれ補正用のトナーパターンを中間転写ベルト3に転写することが好ましい。この場合、記録媒体への画像形成を阻害することなく、画像濃度調整や色ずれ補正を行うことができる。
【0055】
図4は、本実施形態の画像形成装置における各作像ユニット構成例の概略を説明するための断面図である。
【0056】
感光体ドラム2の周りには、帯電ローラ9、現像装置11、クリーニング機構40、潤滑剤塗布装置20などが配置されており、これらが作像ユニット(プロセスカートリッジ)を構成している。
【0057】
感光体ドラム2に対向して配設された潤滑剤塗布装置20は、感光体ドラム2の表面に潤滑剤を塗布する装置であり、潤滑剤部21、発泡体ローラからなる潤滑剤供給部材22、押圧力付与機構23、潤滑層形成機構24等から主に構成される。
【0058】
潤滑剤部21は、押圧力付与機構23からの押圧力により、潤滑剤供給部材22に接する。潤滑剤供給部材22は感光体ドラム2と線速差をもって回転して摺擦し、この際に潤滑剤供給部材22の表面に保持された潤滑剤を感光体表面に供給する。潤滑剤供給部材22の長手方向密度は均一で良いため、潤滑剤供給部材22の製造が簡単になり、低コスト化が可能である。
【0059】
クリーニング機構40は、クリーニング部材41、当該クリーニング部材を感光体ドラム2に対して押圧する押圧手段42等から主に構成される。感光体ドラム2の表面には、転写工程後に部分的に劣化した潤滑剤やトナー成分等が残存するため、クリーニング部材41により表面残存物が清掃される。
図4において、クリーニング部材41は、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
【0060】
クリーニング機構40により表面の残留トナーや劣化した潤滑剤が取り除かれ、感光体表面へは潤滑剤供給部材22から潤滑剤が供給される。潤滑剤が感光体表面に供給され、潤滑層形成機構24により皮膜状の潤滑層が形成される。
【0061】
潤滑層が形成された感光体は、帯電後、レーザーLなどの露光によって静電潜像が形成される。次いで現像装置11により現像されて可視像化され、プロセスカートリッジ外の一次転写ローラ12などにより中間転写ベルト3へ転写される。
【0062】
また
図4に示すように、現像装置11は、感光体ドラム2に近接対向して配設された現像ローラ51と、現像ローラ51上の現像剤を一定の高さに規制する現像剤規制部材であるドクターブレード54とを有している。また、現像装置11は、互いに対向するように配設され、現像剤を攪拌するとともに現像ローラ51に現像剤を供給するための第1搬送スクリュ52及び第2搬送スクリュ53と、第1搬送スクリュ52と第2搬送スクリュ53との間に設けられた仕切り壁55とを有している。また、現像装置11は、各色のトナーを収容したトナーボトル56と、直流成分の現像バイアスを現像ローラ51に印加するバイアス印加手段等とを有している。現像装置11は、感光体ドラム2の回転方向において潤滑剤塗布装置20と転写ニップ(一次転写ニップ)との間に配置されており、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持する現像ローラ51を備えている。
【0063】
現像ローラ51は、その表面に現像剤を担持する現像剤担持体(現像スリーブ)を有している。バイアス印加手段は現像スリーブに、感光体ドラム2の、露光部と非露光部との間の適当な大きさの現像バイアスを印加する。
【0064】
次に、本実施形態における潤滑剤部21について説明する。本実施形態では、感光体表面のクリーニング性を向上させるための潤滑剤の使用を前提としている。本実施形態における潤滑剤部21は、潤滑剤からなる又は潤滑剤を含むものであり、形状はブロック状であり、感光体の回転軸方向に延在している。
【0065】
潤滑剤部21の材料としては、均一に素早く感光体表面に延展し、感光体表面を被覆すると同時に、ブレードを保護するために潤滑性を付与する働きを持つ材料が好ましい。具体的には無機潤滑剤、脂肪酸金属塩、ワックス類、オイル類、フッ素樹脂等が挙げられる。本実施形態において、潤滑剤部21は脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を含み、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を混合して用いる。
【0066】
本実施形態において、潤滑剤部21の形態としては、供給量の調整が容易であること、装置の小型化が図れること等から、ブロック状に成形されたものを用いる。本実施形態における潤滑剤部21を潤滑剤バー、潤滑剤ブロックなどと称してもよい。なお、潤滑剤部21の形態の一例は、例えば
図4に示されている。
【0067】
潤滑剤部21の成形手段としては、材料を溶融して型に流し込んだ後に冷却固化させる溶融成形、粉体材料をそのまま圧縮して成形品を得る圧縮成形等、公知の方法を用いることができるが、本実施形態においては硬度の調整が容易であることからより弱い力で研削でき、感光体上に供給できる点で、好ましくは圧縮成形が用いられる。
【0068】
本実施形態における脂肪酸金属塩(A)の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等があるが、これに限るものではない。また、これらの混合物を使用してもよい。本実施形態においては、中でもステアリン酸亜鉛が特に感光体への成膜性に優れることから、潤滑剤の主成分として使用することが好ましい。なお、本実施形態でいう主成分とは、潤滑剤全体に占める重量比が50%よりも多い成分を意味する。
【0069】
ただし、ステアリン酸亜鉛は均一成膜性に優れる反面、帯電のストレスによって変質しやすい。通常の作像プロセスでは転写後の残トナーを感光体上から除去する手段としてブレードクリーニング方式が採用されているが、ステアリン酸亜鉛を使用すると、帯電ハザードが加わった際にステアリン酸亜鉛が変質して潤滑性が低下し、ブレードからトナーがすり抜けやすくなる傾向にある。クリーニングブレード62をトナーがすり抜けると、そのトナーが直接画像に現れたり、帯電ローラ9の汚染をさらに加速したりしてしまう。このトナーすり抜けは、トナーの粒径が小さいほど、帯電ハザードが強くなるほど顕著に表れる。同時に、トナーなどのすり抜けが多いとクリーニングブレード62を摩耗させてしまい、作像ユニットが短寿命になってしまう。
【0070】
以上のことから、本実施形態では脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を混合して用いる。
【0071】
本実施形態における無機潤滑剤(B)とは、自身が劈開して潤滑する、或いは内部滑りを起こす無機化合物のことを指す。具体的な物質例としては、タルク・マイカ・窒化ホウ素・二硫化モリブデン・二硫化タングステン・カオリン・スメクタイト・ハイドロタルサイト化合物・フッ化カルシウム・グラファイト・板状アルミナ・セリサイト・合成マイカ等があるがこれに限るものではない。中でも窒化ホウ素は、原子がしっかりと組み合った六角網面が広い間隔で重なり、層間に働く力は弱いファンデルワールス力のみであるため、容易に劈開、潤滑することから、本実施形態において最も好ましい。
なお、これらの無機潤滑剤は疎水性付与等の目的で、必要に応じて表面処理がなされていても良い。
【0072】
こうした潤滑剤は感光体表面に塗布されるが、作像プロセスを経て感光体表面から中間転写ベルト3上に少量ずつ転移してしまうことが分かっている。本実施形態のように、脂肪酸金属塩(A)と無機潤滑剤(B)を混合して用いた場合、特に無機潤滑剤(B)がベルト上に転移しやすく、かつ除去もされにくいため、経時でベルトフィルミングを増長させることが分かってきた。
【0073】
また、この現象は中間転写ベルト3の両端部にあたる非通紙領域で特に顕著となる。その理由は、通紙領域では用紙Sが無機潤滑剤を除去する効果をもたらすが、非通紙領域ではその効果が得られないためである。
このようなフィルミングが悪化した場合、中間転写ベルト3の光沢度が低下してトナーパターンを適切に検知できず、濃度調整や色ずれ補正ができなくなってしまう。
【0074】
そこで本実施形態では、現像ローラ51の長手方向端部の現像剤汲み上げ量を長手方向中央部の現像剤汲み上げ量よりも多くすることによって、潤滑剤供給部材22によって感光体ドラム2に塗布された潤滑剤が、現像領域において、現像ローラ51上に汲み上げられた現像剤の磁気穂によって長手方向端部において中央部よりも多く掻き取られるようにしている。これにより、中間転写ベルト3に回り込む長手方向端部の潤滑剤の量を減らすことができ、特に非通紙領域の調整パターン書き込み部への滑剤塗布量を減らすことができ、長手方向端部におけるベルトフィルミングを抑制し、プロセスコントロールパターンの誤検知をなくすことができる。
【0075】
ここで、
図5は各部材の長手方向の長さの関係を示す概略図である。
本実施形態では、中間転写ベルト幅に対して、潤滑剤(潤滑剤部21)はベルト全面を覆う長さを有する。一方、現像開口幅は、それよりも狭く、一般的に用いられる用紙Sの通紙幅よりも広い。また、現像開口幅の長手方向端部、すなわち現像ローラ51の長手方向端部は非通紙領域に位置している。現像開口幅の長手方向中央部、すなわち現像ローラ51の長手方向中央部は通紙領域に位置している。
【0076】
また、プロセスコントロールパターン等の調整パターンは、この非通紙領域(通紙幅の外側)に形成されることが多く、この部分は、A4サイズの用紙等、一般的に通紙される用紙の幅の外側にあるため、フィルミング物質を除去しづらい。
【0077】
そこで上述したように、本実施形態では、現像開口幅の両端部での現像剤汲み上げ量を中央部よりも多くすることで、中間転写ベルト3に回り込む潤滑剤を転写ニップよりも回転方向上流の現像領域で掻き取ることにより、潤滑剤の回り込み量を減らし、ベルトフィルミングを低減する。これにより、調整パターンが書き込まれる非通紙領域でのフィルミングを抑制すると同時に、無機潤滑剤を含む通紙領域では帯電ローラ9の汚れやクリーニング不良に伴う異常画像を防止することが可能となる。中間転写ベルト3のフィルミングを防止することによって、調整パターンの誤検知を防止することもできる。
【0078】
さらに、非通紙領域の端部にトナーの吐き出しパターンを書き込み、トナーでフィルミング物質を削る方法が知れられている。しかし本実施形態では、中間転写ベルト3の長手方向端部において、特に非通紙領域において、フィルミングを抑制するためのトナーパターンが形成されない。このため、トナー消費を抑制することができる。
【0079】
現像開口幅における長手方向両端部の現像剤汲み上げ量を中央部よりも増やすために、現像剤規制部材であるドクターブレード54によるドクターギャップ(現像ローラ51表面とドクターブレード54の隙間)を変化させる。すなわち、ドクターブレード54と現像ローラ51表面の間の長手方向端部におけるドクターギャップが長手方向中央部よりも広くなるように、ドクターブレード54が構成されている。長手方向端部のドクターギャップを長手方向中央部のドクターギャップより広くすることで、現像ローラ51の長手方向端部での現像剤汲み上げ量を多くし、感光体ドラム2上の潤滑剤を掻き取る能力を強化することができる。
【0080】
なお、ドクターギャップが長手方向において階段状に変位すると、その境界で画像の濃度段差が生じることがあるため、ドクターギャップはなだらかな変化を有することが望ましい。
【0081】
また別の実施形態として、現像開口幅における長手方向両端部の汲み上げ量を長手方向中央部よりも増やすために、現像ローラ51の長手方向端部の表面粗さが長手方向中央部よりも大きくなるように、現像ローラ51が構成される。これにより、現像ローラ51の長手方向端部は長手方向中央部よりも二成分現像剤を汲み上げやすくなり、端部の汲み上げ量が多くなる。よって、長手方向端部での感光体ドラム2上の潤滑剤を掻き取る能力を強化し、フィルミングを抑制することができる。
【0082】
さらに別な実施形態では、現像ローラ51は表面に複数の溝を有し、現像ローラ51の長手方向端部の溝形状が長手方向中央部の溝形状と異なるように、現像ローラ51が構成される。具体的には、現像ローラ51の中央部は、サンドブラスト処理をしたスリーブとして構成し、端部はV溝スリーブとして構成される。現像ローラ51の長手方向端部の表面形状(アヤメ形状、V溝、その他各種溝形状)を長手方向中央部と異なる形状とすることで、長手方向端部の現像剤の搬送力を強め、現像剤汲み上げ量を多くし、感光体ドラム2上の潤滑剤を掻き取る能力を強化することができる。
【0083】
ここで、V溝スリーブの方が、サンドブラストスリーブよりも現像剤の搬送能力が高く、汲み上げ量が多くなるため、感光体ドラム2上の潤滑剤を中央部よりも多く掻き取ることができる。
【0084】
なお、溝形状の種類としては前記組み合わせに限定するものではなく、搬送能力に差があるスリーブ形状であればよい。
V溝、DAスリーブ、アヤメ形状、サンドブラストなどを自由に組み合わせることが可能である。
【0085】
ここでDAスリーブとは、例えば
図6に示されるような溝形状のスリーブである。
現像スリーブ132の外表面には、
図6(a)に示すように、平面視が楕円形状の溝139が多数設けられている。この溝139は、軸心周りに回転される先端部において周方向に間隔を開けて切削刃が設けられた回転工具により切削加工されて形成される。そして、回転工具の軸心と交差する状態に配置された現像スリーブがその軸心周りに回転されながら、回転工具と現像スリーブとがこの現像スリーブの長手方向に相対的に移動されることにより形成されたものである。この加工をDA加工と呼び、DA加工により形成された現像スリーブをDAスリーブと呼ぶ。
【0086】
また溝139は、
図6(b)に示すように、その幅方向(現像スリーブ132の周方向)の断面形状がV字形状に形成され、
図6(c)に示すように、その長手方向(現像スリーブ132の長手方向)の断面形状が円弧状の曲面となるように形成されている。
【0087】
また、現像ローラ51は表面に複数の溝を有し、現像ローラ51の長手方向端部の溝の本数(密度)を長手方向中央部よりも多く(大きく)することによっても、長手方向端部の汲み上げ量を長手方向中央部よりも多くすることが可能である。これにより、長手方向端部と長手方向中央部に形成された溝が同じ種類であっても、長手方向端部の現像剤汲み上げ量を多くし、感光体ドラム2上の潤滑剤を掻き取る能力を強化することができる。なお、端部と中央部に形成された溝が異なる種類であって、現像ローラ51の長手方向端部の溝の本数(密度)を長手方向中央部よりも多く(大きく)してもよい。
【0088】
あるいは、現像ローラ51は表面に複数の溝を有し、現像ローラ51の長手方向端部の溝の深さを長手方向中央部の溝の深さよりも大きくすることによっても、長手方向端部の汲み上げ量を長手方向中央部よりも多くすることが可能である。これにより、長手方向端部と長手方向中央部に形成された溝が同じ種類であっても、長手方向端部の現像剤汲み上げ量を多くし、感光体ドラム2上の潤滑剤を掻き取る能力を強化することができる。なお、端部と中央部に形成された溝が異なる種類であって、現像ローラ51の長手方向端部の溝の深さを長手方向中央部の溝の深さよりも深くしてもよい。
【0089】
これらの手段によって、現像スリーブの長手方向端部の汲み上げ量を中央部よりも多くすることができ、潤滑剤供給部材22によって感光体ドラム2に塗布された潤滑剤を現像領域で磁気穂により多く掻き取ることができる。したがって、中間転写ベルト3の端部に回り込む潤滑剤の量を中央部より少なくすることができ、調整パターンを読み取るベルト端部のフィルミングを抑制し、長期にわたってプロセスコントロールパターンの誤検知などの異常を抑制することができる。また、フリッキング部材等の追加部材を設ける必要が無いため、従来よりも低コストに装置を構成できる。さらに、通紙外領域であるベルト端部にトナーの吐き出しパターンを書き込む必要が無いため、従来よりもトナー消費を抑えることができる。
【符号の説明】
【0090】
2Y、2C、2M、2K 感光体ドラム(像担持体)
3 中間転写ベルト(中間転写体)
20 潤滑剤塗布装置
51 現像ローラ(現像剤担持体)
54 ドクターブレード(現像剤規制部材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特公昭51-22380号公報
【特許文献2】特開2009-282160号公報
【特許文献3】特開2015-106004号公報