(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108616
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】原料容器重量モニタリングを有する反応器システム
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20230728BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230728BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
C23C16/448
H01L21/205
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023008084
(22)【出願日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】63/302,611
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタ・モツパッリ
(72)【発明者】
【氏名】パワン・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】アンキト・キムティー
(72)【発明者】
【氏名】エリック・シェロ
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ダン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA01
4K030KA22
4K030KA39
4K030KA41
4K030LA12
4K030LA15
5F045AA03
5F045AA05
5F045AA15
5F045BB20
5F045EB03
5F045EE02
5F045GB04
5F045GB15
(57)【要約】
【課題】原料容器からの原料材料またはプロセス材料の可用性のリアルタイムでかつ直接的な測定を提供するために、反応器システムで使用するための原料容器重量モニタリングアセンブリ。
【解決手段】アセンブリは、原料容器の底部壁と容器のための支持要素(例えば、原料容器筐体の基部)との間に位置付けられた、ロードセルなどの1つ以上の力センサまたは荷重センサを含む。センサは、容器を少なくとも部分的に支持するように位置付けられ、また信号調整要素は、センサからの出力電気信号を処理し、次いでコントローラは、信号調整構成要素からの出力信号を、例えば、変換係数を用いて処理して、原料容器およびその中に貯蔵されるプロセス材料(例えば、固体、液体、またはガス状の前駆体)の現在の重量を決定する。コントローラは、この重量を使用して、原料容器内の使用可能なプロセス材料または化学物質の量を計算する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応チャンバと、
原料筐体と、
前記原料筐体内に位置付けられた原料容器であって、ある体積の原料材料を受容するために適合された内部空間を備え、前記内部空間が前記反応チャンバに連結される、原料容器と、
前記原料容器の底部壁と前記原料筐体の支持要素との間に位置付けられたセンサアセンブリを備える、容器重量モニタリングアセンブリであって、前記原料アセンブリが、前記原料容器と前記原料材料との合計重量を感知するように構成された複数の力センサを備える、容器重量モニタリングアセンブリと、を備える、反応器システム。
【請求項2】
前記力センサの各々が、1つ以上の力センサに前記原料容器によってかかる力を示す信号を出力するように構成される、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項3】
前記力センサの各々が、ロードセルを備え、かつ前記ロードセルが、120度ずれた円形状パターンで配設される、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項4】
前記原料容器の前記底部壁と前記支持要素との間に位置付けられた容器基部ヒーターをさらに備え、1つ以上の力センサが、前記容器基部ヒーターの外表面内に埋め込まれた空気式ロードセルを備える、請求項1に記載の反応器システム。
【請求項5】
前記容器重量モニタリングアセンブリが、前記複数の力センサの各々の前記信号を処理し、かつ処理された信号に従って前記原料材料の重量を計算するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項2に記載の反応器システム。
【請求項6】
前記信号を処理することが、前記合計重量に変換係数を適用して、前記原料容器の重量およびリッド取り付けハードウェアによって前記原料容器のリッドにかかる力を除去することを含む、請求項5に記載の反応器システム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記原料材料の計算された重量と最小閾値との比較に基づいて、前記重量を示す標識を生成する、請求項5に記載の反応器システム。
【請求項8】
前記リッド取り付けハードウェアが、入力ラインおよび出力ラインを備え、かつ前記入力ラインおよび出力ラインの各々が、ベローまたはコイルを備える、請求項5に記載の反応器システム。
【請求項9】
前記ベローまたは前記コイルが、前記原料容器の前記リッドと前記原料筐体の上部壁との間に位置付けられる、請求項8に記載の反応器システム。
【請求項10】
前記原料筐体の内側空間が、150℃より高い動作温度を有する、請求項2に記載の反応器システム。
【請求項11】
原料の可用性をモニタリングするために適合された反応器システムであって、
原料筐体と、
前記原料筐体の内側空間内に位置付けられた原料容器であって、原料材料を受容するための内部空間を画定する底部壁、リッド、および側壁を備える、原料容器と、
前記原料容器の前記底部壁に隣接して、かつ前記底部壁と接触して位置付けられた複数の力センサであって、前記複数の力センサの各々が、前記複数の力センサのそれぞれの一つに加えられた力を示す信号を出力するように構成される、複数の力センサと、
前記複数の力センサの各々によって出力される前記信号を調整するように適合された前記複数の力センサの各々に対する信号調整要素と、
前記信号調整要素によって出力される前記信号を処理して、前記原料材料の重量を算出するように構成された、コントローラと、を備える、反応器システム。
【請求項12】
前記複数の力センサの各々が、ロードセルを備え、かつ前記ロードセルが、互いから等距離に配設される、請求項11に記載の反応器システム。
【請求項13】
前記原料容器の前記底部壁と支持要素との間に位置付けられた容器基部ヒーターをさらに備え、前記複数の力センサの各々が、前記容器基部ヒーターの外表面内に埋め込まれた空気式ロードセルを備える、請求項11に記載の反応器システム。
【請求項14】
前記信号の処理が、前記原料容器と前記原料材料との合計重量に変換係数を適用して、前記原料容器の重量およびリッド取り付けハードウェアによって前記原料容器のリッドにかかる力を考慮することを含む、請求項11に記載の反応器システム。
【請求項15】
前記コントローラが、前記原料材料の算出された重量と再充填アラーム閾値との比較に基づいて、前記原料材料の現在の重量を示す標識を生成する、請求項11に記載の反応器システム。
【請求項16】
前記リッド取り付けハードウェアが、入力ラインおよび出力ラインを備え、かつ前記入力ラインおよび出力ラインの各々が、ベローまたはコイルを備える、請求項14に記載の反応器システム。
【請求項17】
反応器システム内の原料材料の可用性をモニタリングする方法であって、
原料容器と前記反応器システム内の前記原料容器を垂直に支持する支持要素との間に位置付けられた力センサの組から複数の信号を受信することと、
少なくとも1つの信号を重量測定に変換することと、
前記重量測定に基づいて、前記原料容器内の原料材料の重量を計算することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記原料材料の前記重量の計算が、前記原料容器と前記原料材料との算出された合計重量に変換係数を適用して前記原料容器の重量およびリッド取り付けハードウェアによって前記原料容器のリッドにかかる力を考慮することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
力センサの前記組が、力センサの前記組に前記原料容器によってかかる力を均等な比率で各々が受容するように配設された少なくとも3つのロードセルを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記原料材料の前記重量を示す標識を生成することと、前記原料材料の計算された重量を最小閾値と比較することと、前記比較に基づいて再充填警報を生成することと、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、典型的に高温および真空を含む幅広い範囲の圧力で、システム原料容器内に貯蔵された、前駆体または他のプロセス材料を使用する半導体製造方法およびシステムに関し、そして、より具体的には、原料容器内の固体、液体、またはガス状の形態にある前駆体、反応物質、およびこれに類するものなどのプロセス材料のレベルまたは量をモニタリングするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
堆積プロセス中に、例えば、ウエハに送達される場合がある堆積またはプロセス材料は、反応器システムまたはツールの内側の温度制御および圧力制御された原料容器の内側に貯蔵され、また原料容器自体は、より高い温度および幅広い範囲の圧力における筐体内(例えば、真空オーブン内)に位置してもよい。一部の事例では、原料容器は、反応チャンバまたは処理チャンバと流体的に接続されるか、または連通する原料筐体またはキャビネット(これは一部の事例では真空オーブンの形態をとってもよい)内に貯蔵される。例えば、反応チャンバ内の基材支持体またはサセプタ上のウエハに前駆体を提供するために、固体原料容器が使用されてもよい。ウエハ処理中に、前駆体は消費される。原料容器の前駆体(または他の処理材料)が枯渇するか、または少なくなった時に、ウエハに達する蒸気の量は影響を受ける場合があり、これは反応器システム内のウエハ間の実行の間で、または特定のウエハ上でさえも不均一な堆積を引き起こす可能性がある。こうした不均一性は、ウエハのスクラップにつながる可能性があり、またウエハのバッチは、原料容器が再充填された後、再実行を必要とする場合があり、これはスループットを下げる場合がある。
【0003】
典型的な反応器システムは、任意の所与の時点において原料容器の内側でどれくらいの量の化学物質が使用可能かを直接的にモニターする方法はなんら提供しない。現在のところ、システムオペレータは、化学物質供給源が枯渇し、そして再充填を必要とすることを決定するために、堆積のない状態、または不均一な堆積が観察されるまで単純に待つ場合がある。一部の事例では、使用されている化学物質の量は、再充填を実施した後の用量パルスに基づいて計算されるが、誤差がこの間接的な原料モニタリング方式における不正確性につながる可能性がある。よって、前駆体消費量がモニターされず、かつある特定のレベルを下回って下がる場合に生じる場合がある投与量ドリフトを防止するために、反応器システムの原料容器内のプロセス材料または原料材料の可用性をモニタリングするための直接的な測定の解決策に対する要求が依然としてある。
【発明の概要】
【0004】
この「発明の概要」は、選択された概念を単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0005】
様々な実施形態によれば、本明細書では、原料容器からの原料材料またはプロセス材料の可用性のリアルタイムでかつ直接的な測定を提供するために、反応器システムで使用するための原料容器重量モニタリングアセンブリが開示される。アセンブリは、原料容器の底部壁(一部の実装では、底部壁とセンサの間に配置された容器支持プレートおよびヒータープレートを有する)と容器のための支持要素(例えば、一部のシステム例では真空オーブンの形態をとってもよい、原料容器筐体の基部)との間に位置付けられた、ロードセルなどの複数のセンサを含む。センサは、容器を少なくとも部分的に支持するように位置付けられ、また信号調整要素は、ロードセルからの電気信号を調整し、そしてコントローラは、信号調整要素からの出力信号を、例えば、変換係数を用いて処理して、原料容器およびその中に貯蔵されるプロセス材料(例えば、固体、液体、またはガス状の前駆体)の現在の重量を決定する。コントローラは、この重量を使用して、原料容器内の使用可能なプロセス材料または化学物質の量を計算し、この量を、原料容器によって供給される反応器チャンバにおけるスクラップまたは堆積の不均一性を有する何らかの問題の前に、原料の再充填の必要性を示すために、反応器システムのオペレータに報告することができる。
【0006】
本明細書の一部の例示的な実施形態では、原料の可用性をモニタリングするために適合された反応器システムが、記述される。システムは、反応チャンバ、原料筐体(真空オーブンなど)、および原料筐体内に位置付けられた原料容器を含む。容器は、ある体積の原料材料を受容するように適合された内部空間を含み、また内部空間は、反応チャンバに流体的に連結される。システムは、原料容器の重量を感知するよう動作可能な原料筐体内に位置付けられたセンサアセンブリを含む、容器重量モニタリングアセンブリをさらに含む。
【0007】
システムの一部の例示的な実装では、センサアセンブリは、原料容器の底部壁と原料筐体の支持要素との間に位置付けられ、原料容器の重量の少なくとも一部分を支持する複数の力センサを含む。1つ以上の力センサは各々、1つ以上の力センサ上の原料容器によってかかる力を示す電気信号を出力する。一部の事例では、力センサは、120度ずれた円形状パターンで配設された3つのロードセルを含み、そのため3つのロードセルの各々にかかる力は実質的に等しい。システムは、原料容器の底部壁と支持要素との間に位置付けられた容器基部ヒーターを含んでもよく、また力センサは、容器基部ヒーターの外表面内に埋め込まれた空気式ロードセルを含んでもよい。
【0008】
容器重量モニタリングアセンブリは、原料材料の重量を計算するために、1つ以上の力センサの各々の信号を処理するための信号調整デバイスをさらに含んでもよい。信号の処理は、ロードセルからの電気信号を増幅することを含むことができる。容器重量モニタリングアセンブリは、コントローラをさらに含んでもよい。コントローラの目的または機能性は、原料容器の重量およびリッド取り付けハードウェアによって原料容器のリッドにかかる支持力を除去するために適合される、容器の全体的な測定重量または総重量に対する変換係数を適用することである。コントローラは、再充填アラーム閾値に対する重量の比較に基づいて、重量または警報を表示する画像またはテキストを含む、少なくとも1つのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)をディスプレイ内に生成するように構成(またはプログラム)することができる。リッド取り付けハードウェアとしては、リッドにかかる支持力を低減するために、各々がベロー、コイルガスライン、またはハードガスラインのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの入力ラインおよび少なくとも1つの出力ラインを挙げることができる。システムでは、原料筐体の内側空間は、150℃より高い動作温度を有するか、または有することができる。
【0009】
本明細書の他の態様によれば、反応器システムには、原料の可用性をモニタリングするために適合されるものが提供される。このシステムには、原料筐体と、原料筐体の内側空間内に位置付けられた原料容器とが含まれる。原料容器には、プロセス材料を受容するための内部空間を画定する底部壁、リッド、および側壁が含まれる。システムは、原料容器を少なくとも部分的に支持するために原料筐体の内側空間内に位置付けられる1つ以上の力センサがさらに含まれ、そして複数の力センサは各々、1つ以上の力センサにかかる力を示す信号を出力する。センサから来る電気信号を調整するために信号調整要素が提供される。コントローラは、1つ以上の力センサによって出力される信号を処理して、プロセス材料の重量を決定するシステム内に提供される。
【0010】
このシステムの一部の実施形態では、力センサは、パターンで配設された3つのロードセルを含み、それによって3つのロードセルの各々にかかる力は実質的に等しい。他の実施形態では、システムは原料容器の底部壁と支持要素との間に位置付けられた容器基部ヒーターを含み、また1つ以上の力センサは、容器基部ヒーターの外表面内に埋め込まれた空気式ロードセルを含む。
【0011】
コントローラによる信号の処理には、原料容器の重量、およびリッド取り付けハードウェアによって原料容器のリッドにかかる支持力を考慮するために、全体の測定された重量または検出された重量に対して変換係数を適用することが含まれる。一部の事例では、コントローラは、再充填アラーム閾値に対する重量の比較に基づいて、重量または警報を表示する画像またはテキストを含む、少なくとも1つのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)をディスプレイ内に生成する。これらのまたは他の例示のシステムでは、リッド取り付けハードウェアとしては、リッドにかかる支持力を低減するために、各々がベローおよびコイルのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの入力ラインおよび少なくとも1つの出力ラインが挙げられる。
【0012】
本明細書のさらなる態様によれば、反応器システム内の原料材料の可用性をモニタリングする方法が記述される。方法は、反応器システム内で原料容器と、原料容器を垂直に支持する支持要素との間に位置付けられた力センサの組から少なくとも1つの信号、そして典型的には複数の信号を受信することを含む。方法はまた、少なくとも1つの信号を重量測定に変換すること、および重量測定に基づいて原料容器内の原料材料の重量を計算することも含む。一部の事例では、前駆体の体積は、体積=重量/密度を用いて、前駆体の密度を使用して決定される。これは、液体の密度は温度によって変化し、また容器の内側の液体の体積は、蒸気圧を見出すためにさらに使用することができるため、液体を扱う時に役立つ。
【0013】
重量の計算は、原料容器の重量、およびリッド取り付けハードウェアによって原料容器のリッドにかかる持ち上げ力を考慮するために変換係数を適用することを含むことができる。一部の実装では、力センサの組は、各々が、力センサの組に原料容器によってかかる力の等しいまたは実質的に等しい(例えば、5%以内)割合を受容するように配設された少なくとも3つのロードセルを含む。方法は、原料材料の重量を示す画像またはテキストを有するGUIを生成することをさらに含んでもよい。加えて、本方法は、原料材料の重量を再充填アラームの設定点と比較することと、比較することに基づいて、再充填警報を生成することとを含むことができる。
【0014】
これらの実施形態のすべては、本開示の範囲内であることが意図されている。これらの実施形態および他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本開示は考察されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書は、本開示の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、かつ明確に特許請求する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の実施例の記述から、より容易に確かめられる場合がある。図面全体を通して同様の要素番号が付けられている要素は、同じであることが意図されている。
【0016】
【
図1】
図1は、容器重量測定に基づいて原料の可用性をモニターするように動作可能な容器重量モニタリングアセンブリを有する、本記述の例示的な反応器システムの機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の反応器システムで使用されうる容器重量モニタリングアセンブリの概略的な設計および動作を図示する。
【
図3】
図3は、本記述の容器重量モニタリングアセンブリのセンサアセンブリの1つの例示的な実装を含む、反応器システムの一部分の側面斜視図である。
【
図4】
図4は、容器底部支持プレートの外表面に対するセンサアセンブリの3つの荷重センサの位置決めを示す、
図3の反応器システムの概略底面図である。
【
図5】
図5は、原料容器内の原料材料またはプロセス材料の重量を決定するために使用されるセンサアセンブリに対する3回の較正実行の図式的な結果を提供する。
【
図6】
図6は、容器基部ヒーター内に少なくとも部分的に埋め込まれたセンサアセンブリの別の例示的な実装を含む、反応器システムの別の部分を図示する。
【
図7】
図7は、直接的な容器重量測定に基づいて、
図1~
図6で記述される反応器システムの動作によって実施されうる、例示的な原料材料またはプロセス材料の可用性モニタリング方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本開示が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、本開示の範囲は、本明細書に記述される特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0018】
本明細書に提示された図示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単なる表現にすぎない。
【0019】
本明細書で使用される場合、「化学気相成長」(CVD)という用語は、基材を1つ以上の揮発性前駆体に曝露し、この前駆体が基材表面上で反応および/または分解して望ましい堆積を生成する、任意のプロセスを指してもよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、「原子層堆積」(ALD)という用語は、堆積サイクル、好ましくは複数の連続的な堆積サイクルがプロセスチャンバ内で行われる蒸着プロセスを指す場合がある。典型的に、各サイクル中に前駆体は、堆積表面(例えば、基材表面または以前に堆積された下地表面(以前のALDサイクルからの材料など))に化学吸着され、追加的な前駆体と容易に反応しない(すなわち自己限定的な反応)単分子層または準単分子層を形成する。その後、必要な場合、化学吸着された前駆体を堆積表面上で所望の材料に変換するのに使用するために、反応物質(例えば、別の前駆体または反応ガス)がその後プロセスチャンバの中に導入されてもよい。典型的に、この反応物質は前駆体とさらに反応する能力を有する。さらに、化学吸着された前駆体の変換後に、過剰な前駆体をプロセスチャンバから除去し、かつ/または過剰な反応物質および/もしくは反応副産物をプロセスチャンバから除去するために、各サイクル中にパージ工程も利用されてもよい。さらに、本明細書で使用される場合、原子層堆積という用語は、化学気相原子層堆積、原子層エピタキシー(ALE)、分子線エピタキシー(MBE)、ガス源MBE、または有機金属MBE、ならびに前駆体組成物、反応性ガス、およびパージ(例えば、不活性キャリア)ガスの交互パルスを用いて実施される場合の化学ビームエピタキシーなどの、関連する用語によって指定されるプロセスを含むことも意味する。
【0021】
下記でより詳細に記述するように、本開示の様々な詳細および実施形態は、反応器システム、例えば、半導体製造システムで実行されるプロセスと併せて利用されて、反応またはプロセスチャンバのために使用可能なプロセス材料の量をモニターしてもよい。「プロセス」は、基材(例えば、ウエハ)上のALD、CVD、および他のプロセスの間に実施されてもよい堆積、エッチング、パージ、およびこれに類するものなどの、こうした反応器システムで通常実行されるほぼすべてのものを含んでもよい。「プロセス材料」(または「原料」または「原料材料」)は、原料容器から反応チャンバに提供されてもよく、これは、固体、液体、またはガス状の形態であってもよく、かつ反応器システムの動作中に実施されるプロセスの間に使用される前駆体、反応物質、およびこれに類するものを含んでもよい。
【0022】
直接的な測定に基づく方法を有する反応器システムは、原料容器内の原料またはプロセス材料の可用性をモニターする能力を提供する場合がある。その結果、本技術の様々な実施形態は、容器重量モニタリングアセンブリを備える反応器システムを開示する。例示的なアセンブリは、下記に詳細に記述するように、原料容器の重量を直接的にモニターし、そしてそれに応答して、原料容器内の使用可能な化学物質または原料/プロセス材料の量についての更新情報をシステムオペレータまたはユーザーに与えるように構成することができる。この情報を用いて、原料容器に対する再充填の順序を計画することができ、それによってウエハの廃棄を防止することができる。様々な実施形態では、原料容器は、動作温度が高く(例えば、150~200℃を超える、または一部の事例では300℃を超える)、かつ動作圧力が低い(例えば、大気圧より低い)、真空オーブンなどの容器筐体内にあってもよい。
【0023】
図1は、容器重量測定に基づいて(例えば、原料容器120内の固体前駆体またはこれに類するものなどのプロセス材料または原料材料129の量の計算を介して)、原料の可用性をモニターするように動作可能な容器重量モニタリングアセンブリ150を有する、本明細書の反応器システム100の機能ブロック図である。システム100は簡略化された形態で示されているが、当業者であれば、ALD、CVD、または他の半導体もしくは製造プロセスを実施するために有用であるものとして、他の原料容器120、ガスまたは材料分配システム、システムコントローラ、およびこれに類するものなどの追加的な構成要素が含まれてもよいことが理解されるであろう。
【0024】
示されるように、システム100は、原料容器120を収容するために使用される容器筐体110を含む。筐体110は、真空オーブンなどのように、150~300℃以上の範囲内の温度などに容器120を加熱し、かつ容器120が、大気圧を下回るなどの、所望の圧力において定置される内部空間112を維持するように構成されてもよい。原料容器120は、ある量のプロセス材料または原料材料129を受容および含有するために適合された内側空間128を含み、そしてこの空間128は、側壁122、底部壁124、および容器リッド126によって画定され、これらはすべて、材料129への効率的な熱伝達を容易にするために、アルミニウム、鋼、またはこれに類するものなどの金属から形成されてもよい。
【0025】
容器筐体110は、内部空間112内で容器120を支持する(垂直方向に)ための支持要素114を含み、また、一部の実施形態では、追加的な支持プレート(
図1には示されていないが
図3には示される)が、支持要素114を上回る高さで(例えば、10~30mmまたはこれに類する長さ離隔して)容器120を保持するために、支持要素114と底部壁124の下部表面または外表面との間に配置されてもよい。システム100は、システム100の処理動作中に、矢印134で示すように、プロセス材料(例えば、前駆体)129の反応チャンバ140への送達を容易にするために、空間128を反応チャンバの内側空間142と流体的に連結するための1つ以上の出口管またはパイプ132を含む、リッド取り付けハードウェア130の組をさらに含む。この点については、反応チャンバ140は、プロセス材料129に曝露されるチャンバ140の内側空間142内の基材(例えば、ウエハ)146を支持するための基材支持体またはサセプタ144を含む。
【0026】
実際には、容器120の重量は、筐体110の支持要素114によって支持され、また矢印F1で示すように、ある程度、リッド取り付けハードウェア130によっても支持される。出口配管132に加えて、リッド取り付けハードウェア130は、入口配管、センサライン、およびこれに類するものを含んでもよい。一部の実施形態では、出口配管132(および/または入口配管)並びに他のリッド取り付けハードウェア130は容器120にあまり垂直支持を提供しないように設計されてもよく、これにより容器120の重量のより大きい部分が支持要素114によって支持され、容器重量の直接的な測定を容易にする。簡潔に述べると、ライン132などのハードウェア130は、リッド126および/または容器120に最小限の持ち上げ力しかかからないように、ベロー、コイル状ガスライン、もしくはハードガスライン、またはこれに類するものであってもよい。
【0027】
容器120内のプロセス材料129の量の直接的な測定およびモニタリングを提供するために、システム100は、容器重量モニタリングアセンブリ150を含む。アセンブリ150は、少なくとも部分的に筐体110の内側空間112内に位置付けられるセンサアセンブリ152を含む。特に、アセンブリは、1つ、2つ、3つ、もしくはそれより多い力または荷重センサ154、156、例えば、ロードセルまたはこれに類するものを含み、これらは、容器120の底部壁124(および、一部の事例では、
図3に示すように底部壁124に取り付けられた支持プレート)と支持要素114の上面との間に位置付けられるか、または配置される。力センサ154、156は、リッド取り付けハードウェア130によって容器リッド126にかかる持ち上げ力または垂直上向き力によって低減された、容器120の全重量(および、必要に応じて、ヒータープレートおよび容器プレート(示されないが、容器筐体110の様々な実施形態では含まれる)の重量)、および原料材料またはプロセス材料129を支持するように位置付けられる(矢印F
2~F
Nによって示されるように)。この目的のために、力センサ154、156は、かかっている機械的力(圧縮力など)を、力の大きさ(または容器120の重量)を反映するためにその値を使用することができる出力信号157に変換するように設計されたデバイスである。
【0028】
示されるように、力センサ154、156によって出力された信号157は、(有線または無線の様態で)まず信号調整要素158に送信されて(多くの事例では、各ロードセルまたはセンサ154、156に対して提供されるものを用いて)、モニタリングアセンブリ150のコントローラ160に提供される調整された信号159を生成する。信号調整要素158は、ロードセルからの電気信号を増幅することによってなど、各ロードセルまたは他のセンサ154、156からの電気信号を調整する。コントローラ160は、ほぼ全てのコンピュータデバイスの形態をとってもよく、またセンサ154、156によって出力される信号157を受信するように機能する入出力(I/O)装置164の動作を管理するプロセッサ162を含むことが示されている。プロセッサ162は、コード、命令、および/またはソフトウェア(メモリ/データストレージ180内にあってもよい)を実行して、重量モニタリングモジュール170の機能を提供する。プロセッサ162はまた、182において示されるように、信号157を保存およびアクセスすることを含むメモリ180も管理する。
【0029】
モジュール170は、メモリ180からの変換係数184を適用して現在の容器および原料材料の重量186を計算することを含む、受信した荷重信号182を処理するように作用する。簡潔に述べると、変換係数184は、感知された力F2~FNを示す信号182を、力または荷重の単位(例えば、グラム)に変換するために、センサ154、156を試験および較正することを通して生成される。アルゴリズムを含んでもよい変換係数184はまた、まず、リッド取り付けハードウェア130(および/または容器120に接触する空間112内の他の構成要素)によってかかる力F1を、感知された力F2~FNに加算することによって、容器120および容器120内に貯蔵された材料129の全体的な重量または全体の重量を決定し、そしてその後容器120の空の時の既知の重量を減算することによって、材料129の量を決定するためにモジュール170によって使用されてもよい。
【0030】
計算された手持ちの原料材料またはプロセス材料の重量186を用いて、モジュール170は、再充填が必要とされるどうかを決定することができる。モジュール170は、再充填アラーム設定点188(例えば、一部の容器設計および一部の特定のプロセス材料129に対して、例えば100グラムなどのシステム100によるさらなる処理のために望ましい容器120内の材料129の最小量または重量)を読み出し、そしてこれを、現在容器120内にある材料129の計算された重量または量186と比較してもよい。原料重量186が設定点188以下である時、モジュール172は、可聴アラーム、視覚的アラーム、クライアントのデバイスへのデジタルメッセージ、および/または他のメッセージングプロセスを介してなどの、アラームまたは他の好適な標識を、システム100のオペレータに対して提供してもよい。
【0031】
この点については、重量モニタリングアセンブリ170は、ディスプレイ190(またはオペレータのクライアントデバイス)に重量モニタリングGUI 192を生成および表示するように適合されたグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)発生装置172を含んでもよい。重量モニタリングGUI 192は、原料材料またはプロセス材料129およびその可用性をモニタリングする上で有用な情報を示す画像および/またはテキストメッセージングを含んでもよく、またこの表示される情報は、アセンブリ150によって直接的に測定される際の材料129の現在の量を、再充填アラーム設定点188とともに含んでもよい(例えば、自動車の速度計またはこれに類するものと類似のディスプレイとともに)。GUI 192内に表示される情報はまた、再充填が示される時に赤色ランプ、再充填が示されていない時に緑色ランプ(そして、一部の事例では近いうちに再充填が望ましくなるであろう時に黄色ランプ)が示されるなど、計算された原料の量186が設定点188以下である(または設定点188にまだ達していない)という標識も含んでもよい。
【0032】
図2は、
図1の反応器システム100においてアセンブリ150として使用されてもよいものなどの、容器重量モニタリングアセンブリ200の設計および動作を概略的に図示する。アセンブリ200は、容器214の底部壁と支持要素212(例えば、原料筐体の底部壁)との間に位置付けられた3つの荷重センサ230を含む。アセンブリ200は、容器214のリッドに連結された弁222を介して、ウエハ/基板処理中に材料を再充填または出力する際に材料を入力するための、ベロー、コイル状ガスライン、またはハードガスラインまたはこれに類するもの220(リッド取り付けハードウェアの一部を成す入力/出力ライン)をさらに含む。ベロー付きライン220は各々、下端部において弁222(および容器214のリッド)のうちの1つに連結され、また上端部において上部支持要素210(例えば、原料筐体の上部壁)に連結されていることが示されている。ライン220は、容器214に持ち上げ力または上向きの支持力W
1をかけ、これは、多くの反応器システムに見られる剛直な従来のライン(典型的には硬質の配管である)と比較した時、ライン220内のベロー(またはコイル/ループ)の使用によって大きさが低減され、そしてこうした低減は、荷重センサ230を介して容器214の重量測定の精度を高めるために望ましい。
【0033】
アセンブリ200は、原料(例えば、HFCl
4またはこれに類するものなどの前駆体)の消費中に、重量が変化するのにつれて、荷重センサ230を使用して原料(例えば、前駆体)容器214の総重量の変化を直接的にモニタリングするために有用である。荷重センサ230は、筐体(例えば、真空オーブンまたはこれに類するもの)内で、容器214(その底部壁)、または容器214を保持する支持プレートもしくはフレームの下に定置されてもよい。電気配線240、例えば、容器筐体110内の高温と適合する電気配線は、筐体110またはその壁における真空電気フィードスルー244(例えば、筐体110内の高温と適合するフィードスルー)を介して、各センサ230を信号調整デバイスまたは要素246と通信可能にリンクするために使用される。信号調整デバイス246は、上記で考察したように各荷重センサ230からの電気信号を、調整された信号がツールI/O 250(コントローラ160のための
図1のI/O 164など)に提供される前に調整する(変換係数を適用することによってなど)。
【0034】
重量は、矢印W1~W4によって示されるように、サポートにわたって相対的に分割され、W1は、ライン220(および/または筐体内の他のハードウェア)によって支えられる荷重を表し、またW2、W3、およびW4は、荷重センサ230によって支えられ、かつ感知される荷重を表す。合計荷重は、容器重量に容器214内の前駆体/原料の重量Wxを加えた量と等しく、また重量(または感知された荷重)W2、W3、およびW4の総和の変化は、原料材料またはプロセス材料の重量の変化に比例し、これにより、変換係数(例えば、前駆体の重量の変化をこの感知された力/荷重の総和の変化とを相関させる数値モデル)を、試験および較正を介して決定し、そしてその後これらの力/荷重に対する測定値に対して適用して、容器214内の原料材料またはプロセス材料重量を計算することができる。
【0035】
図3は、本開示の容器重量モニタリングアセンブリのセンサアセンブリの1つの例示的な実装を含む、反応器システム300の一部分の側面斜視図である。示されるように、原料容器310は、容器310がその上で垂直に支持される支持要素または底部320を含む筐体(例えば、真空オーブン)の内部空間内に提供される。容器310は、側壁312、リッドまたは上部壁314、および底部壁316を含み、これらは一緒に、ある量の原料材料またはプロセス材料(例えば、前駆体またはこれに類するもの)を受容するように構成または適合された内側空間を画定する。システム300はまた、リッド314に取り付けられたハードウェア318も含み、またこのハードウェア318は、容器310に何らかの上向きの力を加え、これにより容器310の全重量は支持要素320によって支えられない(また
図2を参照しながら上記で考察したように、原料重量の計算において考慮される必要がある)。
【0036】
図3の図示された実施形態における容器310は、筐体内の支持プレートまたはフレーム324の上に据え付けられ、またセンサアセンブリは、ロードセルの形態の3つの力センサを含む。これらのロードセル330のうちの1つは、
図3で見えており、また容器310の底部壁316と筐体支持要素320の上面との間に位置付けられるか、または配置されることが示されている。より具体的には、ロードセル330は、容器310の底部壁316に当接する、支持プレートまたはフレーム324の底面に貼り付けられるか、または据え付けられる。この配設では、リッド取り付けハードウェア318によって負担されるものを除いて、容器310の重量のすべてが、ロードセル330を含む荷重センサによって支持される。一部の事例では、空気圧ラインは、容器がロードセル330の上方に浮いているか、またはほぼ浮いていることを確実にしようとする、コイル式、またはベロー式である。追加的な設計態様は、ヒーターケーブル(ハードウェア318の一部であってもよいが、
図3では詳細に示されていない)は可撓性であり、また弁プレート(一部の事例では、ハードウェア318の一部であってもよいが、
図3では詳細に示されていない)は容器310によって支持されないようにすることを含んでもよい。
【0037】
図4は、容器底部支持プレートまたはフレーム324の外表面425に対する、センサアセンブリの3つの荷重センサ330、432、434の位置決めを示す、
図3の反応器システム300の概略底面図である。1つ、2つ、または4つ以上のロードセルを使用して、センサアセンブリを実装してもよい。3つを用いることは、一部の実装では、この数は、容易に荷重を均等にまたは実質的に均等に平均化するように円形状パターンで配置することができる(例えば、各荷重センサ330、432、434に容器および原料の重量の等しい部分が載荷される)ため、有用である。示されるように、荷重センサ330、432、434は、センサ330、432、434が、プレート324の周囲または外縁の近くにあるように、プレート中心427から3つすべてに対して等しく、またプレート半径R
底部のサイズに比較的近い、d
センサで等距離に配設される。センサ330、432、434は、120度の整合する角度θによって半径方向に分離されるように、プレート324の外縁の周りに円形状パターンで位置付けられる。
【0038】
様々なセンサが、センサ330、432、434に対して使用されてもよい。一部の事例では、垂直間隔は、センサの選択を制限する場合があり、1つの例示的な実装では、各センサの全体的な垂直高さ(センサの厚さに、センサを支持要素または筐体の底部に据え付けるために使用されるセンサ据え付け締結具の高さを加えたものである場合がある)が約15mmであることを必要とする。センサはまた、200℃、250℃、または300℃より高い温度などのより高温の用途でも使用することができ、またセンサの動作範囲は、予想される使用温度を満たすか、またはそれを超えるべきである。様々な実施形態では、システムは、200℃の動作範囲を有する30Nの荷重センサ、200℃の動作範囲を有する100Nの荷重センサ、またはこれに類するものなどの任意の好適な荷重センサまたはセルを組み込んでもよい。こうしたセンサからの通信ラインの修正は、真空オーブンの内側の環境などの特定の用途に適合するために望ましい場合がある。
【0039】
図5は、原料容器内の原料材料またはプロセス材料の重量を決定するために使用される、3つの荷重センサ(
図3および
図4に示すような)を有するセンサアセンブリに対する3回の較正実行のグラフィカルな結果500を提供する。グラフ510は、ヒーターライン以外に容器に接続されたラインのない較正実行の結果を示し、グラフ520は、容器のリッドに接続されたすべてのハードライン(例えば、リッド取り付けハードウェア)を有する較正実行の結果を示し、またグラフ530は、容器のリッドに接続された修正されたガスライン(コイルと組み合わせられたベロー)を有する較正実行の結果を示す。試験には、前駆体/プロセス材料の測定を提供するために、容器重量をゼロにして、既知の量の重量の載荷および除荷を伴った。荷重センサの再現性と精度は、許容範囲内であり、ヒーターラインは結果に影響を与えないことが示された。可撓性の入力および出力ラインを使用することは、プロセス材料のそれに近い読み取りを提供するために望ましい。
【0040】
図6は、容器基部ヒーター内に少なくとも部分的に埋め込まれたセンサアセンブリの別の例示的な実装を含む、反応器システムの別の部分を図示する。具体的には、ヒーター表面611の内側にロードセル620を含むように修正された、容器基部ヒーター610が図示されている。力センサ620は、300℃以上などの高温に耐える能力を有するように選ばれてもよい。
【0041】
空気式またはパン型のロードセルの形態をとってもよい単一の荷重センサ620が示されている。具体的には、センサ620は、圧力調整器を通してロードセルの内側のチャンバに供給される加圧空気またはガスの供給源を含んでもよい。可撓性のダイアフラムは、圧縮力(例えば、原料材料またはプロセス材料を収容する容器の重量)がロードセルの上面にかかる時に圧縮される。圧力ゲージは、かかっている重量/圧縮力からもたらされる空気圧力を測定し、そして測定される物体の重量のバランスを取るために必要な圧力の量を、重量を測定するために使用することができる。感知された圧力は、重量への変換のため、および基部ヒーター610によって支持される容器内の材料の現在の重量の計算での使用のために、(
図1を参照しながら考察されたような)コントローラに通信される電気信号に変換される。
【0042】
図7は、直接的な容器重量測定に基づいて、
図1~
図6で記述される反応器システムの動作によって実施されてもよい、例示的な原料材料またはプロセス材料の可用性モニタリング方法700の流れ図である。方法700は、705において、容器重量モニタリングアセンブリ(
図1のアセンブリ150など)を、原料容器筐体内にセンサアセンブリを提供することを含む反応器システム内に取り付けることなどで開始する。次いで、方法700は、710において、原料容器の重量の変化を感知するように動作する、センサアセンブリの1つ以上のセンサから出力信号を受信することで継続する。工程720において、センサからの電気信号は、コントローラによって、または変換モジュール/デバイスによってなど、ある体積の原料材料またはプロセス材料を収容する原料容器に対して測定された重量(または力)に変換される。方法700は、730において、工程720の容器重量に基づいて、原料容器内の原料材料またはプロセス材料の現在の重量(または量)を計算するために、重量モニタリングモジュールを使用して、コントローラで継続する。
【0043】
工程740において、工程730で計算された重量が、再充填アラーム閾値以下であるかどうか(例えば、材料の重量が、100グラム、またはこれに類するもの以下であるかどうか)の決定がなされる(例えば、モニタリングアセンブリコントローラによって)。そうでない場合、方法700は、工程750において、現在の材料重量を反映するために、システムオペレータに対してディスプレイデバイス(例えば、コンピュータモニター、クライアントデバイスのディスプレイ、またはこれに類するもの)の上に表示されるユーザーインターフェースを更新することによって継続してもよい。次いで、方法700は、710において、センサアセンブリから追加的な信号を受信することで、継続してもよい。740において、材料重量が閾値以下であると決定された場合、方法700は、760においてオペレータのディスプレイのユーザーインターフェースに赤色インジケータ光を提供することを伴ってもよく、可聴アラームを提供することを伴ってもよく、かつ/またはオペレータに対して警報メッセージを生成および送信することを伴ってもよい、再充填警報またはアラームを生成するコントローラで継続してもよい(例えば、オペレータのクライアントデバイスに電子メール、テキストメッセージ、またはこれに類するものを送信する)。次いで、方法700は、容器が再充填された後までなど、790において終了してもよい。
【0044】
本記述の様々な実施形態では、力センサは、0~100Nの範囲を有してもよい、コンパクトなステンレス鋼の、シングルポイントの、ひずみゲージベースのロードセルを使用して実装されてもよい。ロードセルは、前駆体および容器の重量の直接的な測定をリアルタイムで可能にするために、前駆体容器の下に据え付けられてもよい。一部の事例では、3つの荷重センサが容器保持プレートのすぐ下に、かつ120度の角度で均等に位置して据え付けられる。次いで、動作時には、測定された総重量は、3つの荷重センサの読み取り値すべての総和であることになる。ロードセル重量測定応答は、各容器変更後に線形である。
【0045】
実際には、ハードガスラインは、一定の係数によるロードセルの実際の重量測定に影響を与える。一定の係数は、ラインの剛性に依存する。容器およびガスラインが物理的に接触または修正されない限り、一定の係数は典型的に変化しない。一般的に、ロードセルの読み取り値は、定常状態にある真空による影響は受けない。力センサとして作用するように選ばれたロードセルは、多くの場合、ワイヤ材料が設計上の制限である、最高225℃の温度を有するものなどの高温環境と適合性がある。
【0046】
重量モニタリングアセンブリの動作は、ロードセルから電気信号を受信することと、各ロードセルから来る電気信号を調整するために、各ロードセルに対して信号調整デバイスを使用することと、を含む。次いで、アルゴリズムを実施するプロセッサは、各ロードセルに対して生成された較正係数を使用して、調整された信号を重量値に変換する。次いで、ロードセルによって測定された重量値を、容器に対する予め定義された閾値と比較する。次に、重量が閾値を下回る場合、アラームが生成され、そうでなければ、測定された重量に基づいて表示およびユーザーインターフェースが更新される。
【0047】
恩恵、他の利点、および問題に対する解決策が、具体的な実施形態に関して、本明細書に記述される。しかしながら、恩恵、利点、問題に対する解決策、および何らかの恩恵、利点、または解決策を生じさせる場合がある、またはより顕著にさせる場合がある何らかの要素は、本開示の重要な、必要とされる、または必須の特徴もしくは要素として解釈されない。
【0048】
本明細書全体を通して、特徴、利点、または類似の文言に言及することは、本開示で実現されうるすべての特徴および利点が、本発明のいずれかの単一の実施形態であるべき、またはそうであることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点を言及する文言は、一実施形態に関連して記述される特定の特徴、利点、または特性が、本明細書に開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することが理解される。それ故に、この明細書全体を通して、特徴および利点、ならびに類似の文言の考察は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指す場合がある。
【0049】
さらに、記述された本開示の特徴、利点、および特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わされてもよい。関連技術分野の当業者は、本出願の主題が、特定の実施形態の特定の特徴または利点のうちの1つ以上を有することなく実施されてもよいことを認識するであろう。他の事例では、本開示のすべての実施形態において存在しない場合がある、ある特定の実施形態で、追加の特徴および利点が認識される場合がある。さらに、一部の事例では、本開示の主題の態様を曖昧にすることを回避するために、周知の構造、材料、または動作は、詳細には示されていない、または記述されていない。いかなる特許請求の範囲の要素も、当該要素が「のための手段(means for)」という句を使用して明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)を発動することを意図していない。
【0050】
本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲以外の何によっても限定されるべきでなく、当該添付の特許請求の範囲における単数形の要素への言及は、明示的にそのように述べられていない限り「1つの、そして1つのみの」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つ以上」を意味することを意図している。具体的に別段の記載がない限り「1つの(a)」、「1つの(an)」、および/または「その(the)」への言及は1つまたは2つ以上を含んでもよく、また単数形のアイテムへの言及は複数形のアイテムも含んでもよいことが、理解されるべきである。さらに、「複数の」という用語は、少なくとも2つとして定義することができる。本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」という句は、アイテムのリストとともに使用される時、リストされたアイテムのうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用されてもよく、またリスト中のアイテムのうちの1つのみが必要とされる場合があることを意味する。アイテムは、特定の物体、物、またはカテゴリーであってもよい。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」と同様の句が特許請求の範囲において使用される場合、その句は、一実施形態ではAのみが存在してもよいこと、一実施形態ではBのみが存在してもよいこと、一実施形態ではCのみが存在してもよいこと、または要素A、B、およびCの任意の組み合わせ;例えば、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはA、B、およびC、が単一の実施形態において存在してもよいことを意味すると解釈されることが意図される。一部の事例では、「アイテムA、アイテムB、およびアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、2個のアイテムA、1個のアイテムB、および10個のアイテムC;4個のアイテムBおよび7個のアイテムC;または何らかの他の好適な組み合わせを意味してもよいが、それらに限定されない。
【0051】
本明細書に開示されるすべての範囲および比の制限は、組み合わされてもよい。別段の指示がない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では単に標識として使用され、そしてこれらの用語が言及するアイテムに順序的、位置的、または階層的要件を課すことを意図しない。さらに、例えば、「第2の」アイテムの言及は、例えば、「第1の」アイテムもしくはより小さい番号が付けられたアイテム、および/または例えば、「第3の」アイテムまたはより大きい番号が付けられたアイテムの存在を必要としない、または除外しない。
【0052】
取り付けられる、固定される、接続される、またはこれに類するものへの任意の言及は、永久的な、除去可能な、一時的な、部分的な、完全な、および/または任意の他の可能な取り付けの選択肢を含む場合がある。加えて、接触を有しない(または類似の句)への任意の言及はまた、低減した接触または最小限の接触も含む場合がある。上記の記述では、「上」、「下」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」およびこれに類するものなどのある特定の用語が使用されてもよい。これらの用語は、適用可能な場合、相対的な関係を扱う時に、何らかの記述の明瞭性を提供するために使用される。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または向きを暗示することを意図していない。例えば、ある物体に対して、単純に物体をひっくり返すことによって、「上部」表面は「下部」表面となる可能性がある。それにもかかわらず、それは依然として同じ物体である。
【0053】
加えて、1つの要素が別の要素に「連結される」本明細書における事例は、直接的な連結および間接的な連結を含むことができる。直接的な連結は、1つの要素が別の要素に連結され、かつこれと何らかの接触の状態にあると定義することができる。間接的な連結は、2つの要素間の連結が、相互に直接的な接触の状態にはなく、しかし連結された要素間に1つ以上の追加的な要素を有すると定義することができる。さらに、本明細書で使用される場合、1つの要素を別の要素に固定することは、直接的な固定および間接的な固定を含むことができる。加えて、本明細書で使用される場合、「隣接」は必ずしも接触を示すものではない。例えば、1つの要素は、別の要素に、その要素と接触することなく隣接することができる。
【0054】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示はそのように限定されないことを理解するべきである。例えば、反応器システムは様々な特定の構成に関連して記述されているが、本開示は必ずしもこれらの実施例に限定されない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載のシステムおよび方法の様々な修正、変形、および強化がなされてもよい。
【0055】
本開示の主題は、本明細書に開示される様々な、システム、構成要素、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性のすべての新規かつ自明でない組み合わせおよび部分的組み合わせだけでなく、そのありとあらゆる均等物を含む。
【符号の説明】
【0056】
100 反応器システム
110 容器筐体
112 内部空間
114 支持要素
120 原料容器
122 側壁
124 底部壁
126 リッド
128 内側空間
129 プロセス材料
130 リッド取り付けハードウェア
132 出口配管
132 ライン
134 矢印
140 反応チャンバ
142 内側空間
144 基材支持体
146 基材
150 容器重量モニタリングアセンブリ
152 センサアセンブリ
154、156 センサ
157 信号
158 信号調整要素
159 調整された信号
160 コントローラ
162 プロセッサ
162 コントローラ
164 入出力(I/O)装置
170 重量モニタリングモジュール
172 発生装置
172 グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)発生装置
180 メモリ
182 受信した荷重信号
184 変換係数
186 原料重量
188 再充填アラーム設定点
190 ディスプレイ
200 容器重量モニタリングアセンブリ
210 上部支持要素
212 支持要素
214 容器
220 ライン
230 荷重センサ
240 電気配線
244 真空電気フィードスルー
246 信号調整デバイス
300 反応器システム
310 原料容器
312 側壁
314 リッド
316 底部壁
318 リッド取り付けハードウェア
320 筐体支持要素
324 支持プレートまたはフレーム
330 荷重センサ
425 外表面
427 プレート中心
432、434 荷重センサ
610 容器基部ヒーター
611 ヒーター表面
620 荷重センサ
【外国語明細書】