(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108738
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230731BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20230731BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20230731BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230731BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
H04N1/00 K
H04N1/00 127A
H04N1/00 912
G06F8/65
G06F3/12 330
G06F3/12 303
G06F3/12 360
B41J29/38 501
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009947
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 美映
【テーマコード(参考)】
2C061
5B376
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK10
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN15
2C061HN22
5B376CA05
5B376CA31
5B376CA35
5B376CA36
5B376CA43
5B376CA57
5B376CA58
5B376CA64
5B376FA11
5B376GA01
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB11
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC05
5C062AF06
5C062BA07
(57)【要約】
【課題】ファームウェアの更新が実行可能な状態になった後、ファームウェアの更新を実行すること。
【解決手段】ファームウェアを更新する機能を有する情報処理装置であって、前記ファームウェアの更新を実行する予約を行うための更新予約画面を前記情報処理装置に表示する表示制御部と、利用者による前記予約を行う操作を受け付ける操作受付部と、前記更新を実行する更新実行時刻を決定し、前記更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から前記更新が完了するまでの間、前記情報処理装置で本来利用される機能の実行を禁止する制御部と、前記更新実行時刻に前記更新を実行する処理部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファームウェアを更新する機能を有する情報処理装置であって、
前記ファームウェアの更新を実行する予約を行うための更新予約画面を前記情報処理装置に表示する表示制御部と、
利用者による前記予約を行う操作を受け付ける操作受付部と、
前記更新を実行する更新実行時刻を決定し、前記更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から前記更新が完了するまでの間、前記情報処理装置で本来利用される機能の実行を禁止する制御部と、
前記更新実行時刻に前記更新を実行する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記更新が失敗した後に、前記更新予約画面を前記情報処理装置に表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記更新が実行可能である最も早い時刻である予測時刻を推定し、
前記表示制御部は、前記予測時刻を含む前記更新予約画面を前記情報処理装置に表示し、
前記操作受付部は、前記予測時刻より後の時刻を前記更新実行時刻として前記利用者が指定する操作を受け付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作受付部は、前記予測時刻を前記更新実行時刻として前記利用者が指定する操作を受け付ける、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記操作受付部は、前記更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から前記更新が完了するまでの間、前記情報処理装置で本来利用される機能の実行を要求する操作を受け付けない、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ファームウェアを更新する機能を有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記ファームウェアの更新を実行する予約を行うための更新予約画面を前記情報処理装置に表示するステップと、
利用者による前記予約を行う操作を受け付けるステップと、
前記更新を実行する更新実行時刻を決定し、前記更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から前記更新が完了するまでの間、前記情報処理装置で本来利用される機能の実行を禁止するステップと、
前記更新実行時刻に前記更新を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
ファームウェアを更新する機能を有する情報処理装置に、
前記ファームウェアの更新を実行する予約を行うための更新予約画面を前記情報処理装置に表示するステップ、
利用者による前記予約を行う操作を受け付けるステップ、
前記更新を実行する更新実行時刻を決定し、前記更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から前記更新が完了するまでの間、前記情報処理装置で本来利用される機能の実行を禁止するステップ、
前記更新実行時刻に前記更新を実行するステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置などの電子機器や情報処理装置におけるファームウェアの更新を実行した際に、ファームウェアや装置の状態などにより、ファームウェアの更新が失敗する場合がある。特許文献1には、ファームウェアの更新前に、更新されたファームウェアがサーバに存在するか否かを確認し、存在する場合は更新されたファームウェアをサーバから取得する技術が公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、装置の状態によりファームウェアの更新ができない場合に、ファームウェアの更新が可能な状態になった後に、ファームウェアの更新を実行することができなかった。例えば、稼働直後のため装置の温度が高くなっている場合、装置の温度が正常になった後、ファームウェアの更新を実行する必要がある。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、ファームウェアの更新が実行可能な状態になった後、ファームウェアの更新を実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ファームウェアを更新する機能を有する情報処理装置であって、前記ファームウェアの更新を実行する予約を行うための更新予約画面を前記情報処理装置に表示する表示制御部と、利用者による前記予約を行う操作を受け付ける操作受付部と、前記更新を実行する更新実行時刻を決定し、前記更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から前記更新が完了するまでの間、前記情報処理装置で本来利用される機能の実行を禁止する制御部と、前記更新実行時刻に前記更新を実行する処理部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、ファームウェアの更新が可能な状態になった後、ファームウェアの更新を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係るファームウェア更新の概略図の一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るファームウェア更新予約処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るファームウェア更新実行画面の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るファームウェア更新予約画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る印刷実行禁止処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る印刷実行画面の一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る印刷不可状態通知画面の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る印刷実行画面(2)の一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係るファームウェア更新処理に関するシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係るファームウェア更新の概略図の一例を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置9の管理者(または保守者)が、ファームウェアの更新を実行するが、画像形成装置9のエンジン(印刷を行う機械的な部分)の温度が高いことが原因となり、ファームウェアの更新が失敗する。次に、管理者は、画像形成装置9に対して、ファームウェア更新を予約する操作を行う。画像形成装置9は、一定時間経過後、エンジンの温度が正常となった際に、ファームウェアの更新を実行する。即ち、画像形成装置9がファームウェア更新の実行が不可能な状態である場合、管理者が画像形成装置9を操作してファームウェアの更新を予約することで、実行が可能な状態になった際に、画像形成装置9にファームウェアの更新を実行させることが可能である。ファームウェア更新の予約方法は、可能な限り最短の待ち時間で更新する方法と更新を実行する時刻を指定する方法の2種類がある。
【0010】
また、画像形成装置9は、ファームウェア更新が実行可能な更新実行時刻を推定し、更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から更新が完了するまでの間、印刷機能などの画像形成装置9で本来利用される機能の実行を禁止することが可能である。印刷機能などの実行を禁止する理由は、印刷機能などを実行することでエンジンの温度が上昇して、更新実行時刻にファームウェアの更新が実行不可能な状態になるの防ぐためである。
【0011】
なお、本実施形態では、画像形成装置9におけるファームウェア更新について説明しているが、画像形成装置9に限らず、ファームウェアの更新を行うことが可能な電子機器や情報処理装置であってもよい。また、装置の状態は、エンジンの温度に限らず、例えば装置内の湿度や気圧などであってもよい。
【0012】
<ハードウェア構成例(画像形成装置)>
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0013】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0014】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0015】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0016】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0017】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0018】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0019】
メディアI/F916は、フラッシュメモリ等の記録メディア915に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0020】
<機能について>
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。画像形成装置9は、操作部10、制御部13、および処理部14を有する。また、操作部10は、操作受付部11と表示制御部12を含む。これら各部は、画像形成装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。また、記憶部15は、例えば、画像形成装置9が有するHD909などの記憶装置によって実現可能である。
【0021】
操作受付部11は、画像形成装置9のタッチパネル940aなどを介して、管理者などの利用者によるファームウェア更新予約などに関するボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0022】
表示制御部12は、受信した画面情報を用いて、ファームウェア更新実行画面やファームウェア更新予約画面などを画像形成装置9に表示する。
【0023】
制御部13は、操作部10から受信したファームウェア更新予約に応じて、予約の内容に応じた設定を行なった後、更新で用いるファームウェアのプログラムを保存する要求を記憶部15に送信する。更に、制御部13は、ファームウェアを更新する時刻を管理し、更新する時刻が経過した際に、ファームウェアのプログラムを記憶部15から取得し、ファームウェア更新要求を処理部14に送信する。また、制御部13は、ファームウェア更新を実行する時刻に対して予め定めた所定の時間だけ前の時刻からファームウェア更新が完了するまでの間、画像形成装置9において印刷実行を禁止する状態とする。また、制御部13は、印刷実行に関する状態、又は状態の変更を操作部10に通知する。
【0024】
処理部14は、エンジンの温度に応じてファームウェア更新が実行可能か否かに関する状態を決定し、状態の変更に関する通知を制御部13に送信する。また、処理部14は、制御部13から受信したファームウェア更新の実行要求に対して、ファームウェア更新が実行可能な状態であれば、ファームウェア更新を実行する。ファームウェア更新が実行可能な状態でない場合、処理部14は、ファームウェア更新を実行せず、エンジンの温度が下がって正常な温度となり、ファームウェアの更新が実行可能となる予測時刻を推定して、推定した予測時刻に関する情報を含む更新失敗通知を制御部13に送信する。
【0025】
記憶部15は、制御部13からの要求に応じて、ファームウェア更新で用いるファームウェアのプログラムを画像形成装置9が有するHD909などの記憶装置に保存する。
【0026】
<ファームウェア更新予約処理>
図4は、本発明の実施形態に係るファームウェア更新予約処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、ファームウェア更新が失敗した後、管理者が、画像形成装置9を操作して、ファームウェア更新の予約を行う。以下、
図4の各ステップの処理について説明する。
【0027】
ステップS20:画像形成装置9の操作部10の表示制御部12は、ファームウェア更新実行画面を画像形成装置9に表示する。
図5は、本発明の実施形態に係るファームウェア更新実行画面の一例を示す図である。
図5に示すファームウェア更新実行画面50は、ファームウェアの更新を実行する際に押下する実行ボタン51とファームウェアの更新を中止する際に押下する中止ボタン52を有する。画像形成装置9の操作部10の操作受付部11は、管理者による実行ボタン51の押下を受け付ける。
図4に戻って説明する。
【0028】
ステップS21:画像形成装置9の制御部13は、ファームウェア更新実行要求を操作部10から受信する。
【0029】
ステップS22:画像形成装置9の処理部14は、ファームウェア更新実行要求を制御部13から受信する。
【0030】
ステップS23:画像形成装置9の処理部14は、画像形成装置9のエンジンの温度がファームウェアの更新を実行可能な温度を超えていることを検知し、ファームウェア更新の実行を中止する。また、処理部14は、エンジンの温度が下がって正常な温度となり、ファームウェアの更新が実行可能となる予測時刻を推定して、推定した予測時刻を含むファームウェア更新失敗通知を制御部13に送信する。
【0031】
ステップS24:画像形成装置9の制御部13は、処理部14から受信した予測時刻を含むファームウェア更新予約画面に関する情報を操作部10に送信する。
【0032】
ステップS25:画像形成装置9の操作部10の表示制御部12は、受信した情報に基づいて、ファームウェア更新予約画面を画像形成装置9に表示する。
図6は、本発明の実施形態に係るファームウェア更新予約画面の一例を示す図である。
図6に示すファームウェア更新予約画面60は、ファームウェア更新を実行する方法として、「実行可能な最も早い時刻に実行」を選択するための選択ボタン61と、「更新時刻を指定して実行」を選択するための選択ボタン62を有する。また、実行可能な最も早い時刻として、ステップS23で処理部14が推定した予測時刻が表示される。ここで、選択ボタン62を押下して「更新時刻を指定して実行」を選択した場合は、更に更新時刻入力欄63にファームウェア更新を実行する時刻を入力する。入力する時刻は、予測時刻よりも後の時刻とする。最後に、ファームウェア更新予約画面60に入力した内容を決定する場合は決定ボタン64を押下し、ファームウェア更新の予約を中止する場合は中止ボタン65を押下する。画像形成装置9の操作部10の操作受付部11は、ファームウェア更新予約画面60における管理者による操作を受け付ける。
図4に戻って説明する。
【0033】
ステップS26:画像形成装置9の制御部13は、ファームウェア更新予約要求を操作部10から受信する。受信したファームウェア更新予約要求は、更新方法や更新時刻に関する情報を含む。
【0034】
ステップS27:画像形成装置9の制御部13は、受信したファームウェア更新予約要求に含まれる更新方法や更新時刻に関する情報に基づいて、ファームウェア更新の実行を予約する設定を行う。
【0035】
ステップS28:画像形成装置9の制御部13は、ファームウェア更新で用いるファームウェアのプログラムを記憶装置に保存する要求を送信する。ここで、制御部13は、メディアI/F916又はネットワークI/F950経由でファームウェアのプログラムを取得済みであり、画像形成装置9のローカルメモリ(MEM-C)907などに格納しているものとする。画像形成装置9の記憶部15は、ファームウェアのプログラムを画像形成装置9が有するHD909などの記憶装置に保存する。
【0036】
以上の処理により、画像形成装置9は、管理者によるファームウェア更新の実行を予約する操作を受け付けて、指定された予約方法や予約時刻を設定する。
【0037】
<印刷実行禁止処理>
図7は、本発明の実施形態に係る印刷実行禁止処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、ファームウェア更新の予約方法が、更新実行時刻を指定する方法である場合、更新実行時刻にファームウェアの更新が実行可能な状態とするために、更新実行時刻より所定の時間だけ前の時刻から更新が完了するまでの間、印刷の実行を禁止する。以下、
図7の各ステップの処理について説明する。
【0038】
ステップS30:画像形成装置9の制御部13は、予約されたファームウェア更新を実行する時刻に対して、予め定めた所定の時間だけ前の時刻に達したことを検出する。例えば、予約時刻が13時30分であり、予め定めた所定の時間が10分であれば、時刻が13時20分に達したことを検出する。
【0039】
ステップS31:画像形成装置9の制御部13は、画像形成装置9の状態を印刷の実行を禁止する(印刷実行要求を受け付けない)状態に変更する。
【0040】
ステップS32:画像形成装置9の操作部10の表示制御部12は、印刷実行画面を画像形成装置9に表示する。
図8は、本発明の実施形態に係る印刷実行画面の一例を示す図である。
図8に示す印刷実行画面70は、印刷を実行する際に押下する実行ボタン71と印刷を中止する際に押下する中止ボタン72を有する。画像形成装置9の操作部10の操作受付部11は、管理者による実行ボタン71の押下を受け付ける。
図7に戻って説明する。
【0041】
ステップS33:画像形成装置9の制御部13は、印刷実行要求を受信するが、印刷の実行を受け付けない状態であるため、印刷を実行しない。
【0042】
ステップS34:画像形成装置9の制御部13は、印刷の実行が不可能である状態であることを通知するメッセージを操作部10に送信する。操作部10の表示制御部12は、受信したメッセージに基づいて、印刷の実行が不可能であることを通知する画面を画像形成装置9に表示する。
図9は、本発明の実施形態に係る印刷不可状態通知画面の一例を示す図である。
図9の印刷不可状態通知画面80には、ファームウェアの更新を実行するため、印刷を実行することができないことを通知するメッセージが表示されている。
【0043】
以上の処理により、画像形成装置9は、ファームウェアの更新を実行する時刻の予め定めた所定の時間だけ前の時刻から印刷の実行を禁止することが可能である。
【0044】
あるいは、印刷を禁止する別の方法として、まず、ステップS31で、画像形成装置9の制御部13は、画像形成装置9の状態をファームウェア更新が完了するまで印刷の実行を受け付けない状態に変更した後、操作部10に状態を変更したことを通知する。次に、ステップS32で、画像形成装置9の操作部10の表示制御部12は、
図10に示す印刷実行画面90の様に、ファームウェアの更新のために印刷を実行できないことを通知するメッセージ含む画面を画像形成装置9に表示することで、印刷の実行を禁止する。
【0045】
<ファームウェア更新処理>
図11は、本発明の実施形態に係るファームウェア更新処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスでは、ファームウェア更新の予約時刻に達した際に、画像形成装置9が、ファームウェアの更新を実行する。以下、
図11の各ステップの処理について説明する。
【0046】
ステップS40:画像形成装置9の処理部14は、エンジンの温度がファームウェアの更新実行可能な温度まで下がったならば、ファームウェア更新実行可能な状態になったことを通知するメッセージを制御部13に送信する。あるいは、別の方法として、制御部13が処理部14に対して定期的にファームウェア更新が実行可能であるか否かに関する状態を確認するようにしてもよい。
【0047】
ステップS41:画像形成装置9の制御部13は、ファームウェア更新の予約時刻(更新実行時刻)が経過したことを検出する。
【0048】
ステップS42:画像形成装置9の制御部13は、ファームウェア更新で用いるファームウェアのプログラムを要求するメッセージを記憶部15に送信する。ここで、ファームウェアのプログラムは、
図4で示したファームウェア更新予約処理のステップS28で記憶部15が保存したものである。
【0049】
ステップS43:画像形成装置9の記憶部15は、受信した要求メッセージに応じて、ファームウェアのプログラムを制御部13に送信する。
【0050】
ステップS44:画像形成装置9の制御部13は、ファームウェア更新の実行を要求するメッセージを処理部14に送信する。また、制御部13は、処理部14がファームウェアの更新を実行できるようにするために、画像形成装置9のローカルメモリ(MEM-C)907などにファームウェアのプログラムを格納する。
【0051】
ステップS45:画像形成装置9の処理部14は、ファームウェアの更新を実行する。
【0052】
ステップS46:画像形成装置9の処理部14は、ファームウェアの更新が成功したことを通知するメッセージを制御部13に送信する。
【0053】
以上の処理により、画像形成装置9は、予約した時刻(更新実行時刻)にファームウェアの更新が可能な状態で、ファームウェアの更新を実行することが可能である。
【0054】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0055】
例えば、
図3の機能ブロックの構成図の一例は、画像形成装置9又は情報処理装置による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。画像形成装置9又は情報処理装置における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0056】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0057】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、画像形成装置9又は情報処理装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【符号の説明】
【0058】
9 画像形成装置
10 操作部
11 操作受付部
12 表示制御部
13 制御部
14 処理部
15 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】