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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109059
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】画像処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230731BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20230731BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230731BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/46 Z
B41J29/38 301
G06F3/16 680
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010438
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】久保田 新
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HK11
2C061HN15
2C061HV09
2C061HV32
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB26
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC22
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】重要なイベントが発生した場合には、そのイベントを即時に確実に音声で伝える。
【解決手段】視覚弱者を補助するために音声を読み上げる音声補助部と、管理対象となるシステムで発生したイベントの読み上げ要求を前記音声補助部に通知するシステム管理部と、を備え、前記システム管理部から前記音声補助部へ通知する前記イベントは、他の読み上げを中止して読み上げするかどうかの読み上げ属性を持ち、前記音声補助部は、前記イベントの読み上げ属性に応じて、前記音声補助部で発話中のメッセージを中止して優先的に読み上げを行う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚弱者を補助するために音声を読み上げる音声補助部と、
管理対象となるシステムで発生したイベントの読み上げ要求を前記音声補助部に通知するシステム管理部と、
を備え、
前記システム管理部から前記音声補助部へ通知する前記イベントは、他の読み上げを中止して読み上げするかどうかの読み上げ属性を持ち、
前記音声補助部は、前記イベントの読み上げ属性に応じて、前記音声補助部で発話中のメッセージを中止して優先的に読み上げを行う、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記イベントは、ユーザ操作とは関連なく発生したイベントである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記イベントは、当該画像処理装置において発生するイベントである、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記システム管理部から前記音声補助部へ通知する前記イベントは、優先度の属性を持ち、
前記音声補助部は、他の読み上げを中止して読み上げする読み上げ属性であった読み上げ要求のイベントであっても、現在読み上げているメッセージの優先度が高い場合、読み上げ要求のイベントについては現在読み上げているメッセージの読み上げ後に読み上げる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記システム管理部から前記音声補助部へ通知する前記イベントは、優先度の属性を持ち、
前記音声補助部は、他の読み上げを中止して読み上げする読み上げ属性であった読み上げ要求のイベントであって、現在読み上げているメッセージの優先度より低い場合、読み上げ要求のイベントについては蓄積し、現在読み上げているメッセージの読み上げ後に優先度が高い順に取り出して読み上げを実施する、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
視覚弱者を補助するために音声を読み上げる音声補助部と、
管理対象となるシステムで発生したイベントの読み上げ要求を前記音声補助部に通知するシステム管理部と、
として機能させ、
前記システム管理部から前記音声補助部へ通知する前記イベントは、他の読み上げを中止して読み上げするかどうかの読み上げ属性を持ち、
前記音声補助部は、前記イベントの読み上げ属性に応じて、前記音声補助部で発話中のメッセージを中止して優先的に読み上げを行う、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の一種であるMFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)の音声読み上げ補助技術では、MFPの動作音により音声が聞き取れないことを解決するために、発話中は動作を抑制して聞きやすくする、というようにしている。
【0003】
また、従来のMFPの音声読み上げ補助技術では、重要な通知については重要であることがわかるように、音量や速度を変えるようにしたものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によれば、MFPにおいて音声読み上げ中に操作者からの指示ではなくMFP動作によるイベント(計時による画面のリセットや省エネ移行、またジャム発生等)が発生した場合に、そのMFP動作によるイベントを優先して効果的に音声で伝えることについては、考慮されていない。そのため、操作者が音声を頼りにMFPを操作している場合に、緊急性の高い物事が発生した場合の音声が、緊急にもかかわらず即時に通知されないという問題があった。
【0005】
従来技術によれば、音声補助は、MFP動作によるイベントについて考慮していない場合、操作者によるMFP操作に伴う音声ガイダンスを順次発話することになるため、例えば、ジャムが起きたことを示すジャム発生画面に切り替わっても、これまで読み上げ完了していないガイダンスを読み終えてからジャムのことを音声で発話することになる。また、音声補助は、例えば、省エネモードに移行する場合、まだ他の音声ガイダンスを読み上げ中なので、省エネモードに移行することを音声で通知する前に省エネモードに移行してしまうことになる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、重要なイベントが発生した場合には、そのイベントを即時に確実に音声で伝えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、視覚弱者を補助するために音声を読み上げる音声補助部と、管理対象となるシステムで発生したイベントの読み上げ要求を前記音声補助部に通知するシステム管理部と、を備え、前記システム管理部から前記音声補助部へ通知する前記イベントは、他の読み上げを中止して読み上げするかどうかの読み上げ属性を持ち、前記音声補助部は、前記イベントの読み上げ属性に応じて、前記音声補助部で発話中のメッセージを中止して優先的に読み上げを行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、重要なイベントが発生した場合には、重要なイベントを即時に確実に音声で伝えることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施の形態にかかるMFPの構成を示すブロック図である。
図2図2は、操作部の音声補助機能に関するモジュール構成を示すブロック図である。
図3図3は、ユーザ操作による音声補助の流れを示すシーケンス図である。
図4図4は、システム管理部のイベントによる音声補助の流れを示すシーケンス図である。
図5図5は、読み上げ要求を受け取った音声補助部における読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、第2の実施の形態にかかる読み上げ要求を受け取った音声補助部における読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、第3の実施の形態にかかる読み上げ要求を受け取った音声補助部における読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、蓄積されているメッセージの読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、画像処理装置およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。下記に示す実施の形態においては、本発明の画像処理装置として、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかるMFP1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、複合機であるMFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)1は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種の機能を実現可能な本体10と、ユーザの操作を受け付ける操作部20と、を備える。なお、ユーザの操作を受け付けるとは、ユーザの操作に応じて入力される情報(画面の座標値を示す信号等を含む)を受け付けることを含む概念である。本体10と操作部20とは、専用の通信路300を介して相互に通信可能に接続されている。通信路300は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることもできるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであってよい。
【0012】
なお、本体10は、操作部20で受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体10は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
【0013】
まず、本体10のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、本体10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、HDD(ハードディスクドライブ)14と、通信I/F(インタフェース)15と、接続I/F16と、エンジン部17とを備える。CPU11と、ROM12と、RAM13と、HDD(ハードディスクドライブ)14と、通信I/F(インタフェース)15と、接続I/F16と、エンジン部17とは、システムバス18を介して相互に接続されている。
【0014】
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12またはHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上述したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
【0015】
通信I/F15は、ネットワーク30と接続するためのインタフェースである。接続I/F16は、通信路300を介して操作部20と通信するためのインタフェースである。
【0016】
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、および、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン部17は、例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部などを備えている。更に、エンジン部17は、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションを備えることもできる。
【0017】
次に、操作部20のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27と、外部接続I/F28とを備える。CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27と、外部接続I/F28とは、システムバス29を介して相互に接続されている。
【0018】
CPU21は、操作部20の動作を統括的に制御する。CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22またはフラッシュメモリ24等に格納されたプログラムを実行することで、操作部20全体の動作を制御し、ユーザから受け付けた入力に応じた情報(画像)の表示などの後述する各種機能を実現する。
【0019】
通信I/F25は、ネットワーク30と接続するためのインタフェースである。接続I/F26は、通信路300を介して本体10と通信するためのインタフェースである。
【0020】
操作パネル27は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作に応じた情報、MFP1の動作状況を示す情報、設定状態などを示す情報など)を表示する。この例では、操作パネル27は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。
【0021】
外部接続I/F28は、上述のICカードリーダー3と接続するためのインタフェースである。
【0022】
本実施形態のMFP1の操作部20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0023】
また、本実施形態のMFP1の操作部20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のMFP1の操作部20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0024】
また、本実施形態のMFP1の操作部20で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0025】
続いて、MFP1の操作部20で実行される音声補助機能について説明する。
【0026】
ここで、図2は操作部20の音声補助機能に関するモジュール構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態のMFP1の操作部20で実行されるプログラムは、各部(UI(User Interface)表示部211、音声補助部212、システム管理部213)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU21がROM22またはフラッシュメモリ24等からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM23上にロードされ、UI表示部211、音声補助部212、システム管理部213がRAM23上に生成されるようになっている。
【0027】
なお、アプリケーションA,Bは、UI(User Interface)を持つアプリケーションであり、UI表示部211に指示を出してUI表示を行う。また、アプリケーションXXは、UIを持たないアプリケーションの例である。
【0028】
音声補助部212は、視覚弱者を補助するために、音声を読み上げる機能を有する。
【0029】
UI表示部211は、アプリケーションからの指示を受けてUIに画像を表示する。また、UI表示部211は、UIに表示した文字列を読み上げるために、音声補助部212に対して文字列情報を通知する。
【0030】
システム管理部213は、管理対象となるシステムである操作部20を管理するモジュールである。システム管理部213は、必要な警告画面を出すなどUI表示が必要な場合に、UI表示部211に対して指示を出す。また、システム管理部213は、操作部20が管理するイベントを音声発話するために、音声補助部212に対してイベント情報を通知する。ここで、イベントとは、UI表示部211に対するユーザ操作とは関連なく発生したイベントであって、計時による画面のリセットや省エネモード移行、またジャム発生等のMFP1の本体10または操作部20において発生するイベントである。
【0031】
ここで、音声補助の流れについて説明する。
【0032】
図3は、ユーザ操作による音声補助の流れを示すシーケンス図である。図3に示す例は、ユーザ操作に従って表示された画面情報の文字列を音声補助で読み上げする場合の例である。図3に示すように、アプリケーションAのUIに対するユーザの操作があると、UI表示部211は、その操作内容をUIのアプリケーションAに通知する(ステップS11)。UIのアプリケーションAは、操作内容を受け取ると、その操作内容をUIに反映する(ステップS2)。
【0033】
また、UI表示部211は、ステップS1と同時に、音声読み上げするための要求を、音声補助部212に通知する(ステップS3)。
【0034】
図4は、システム管理部213のイベントによる音声補助の流れを示すシーケンス図である。図4に示す例は、ユーザ操作とは無関係に発生するMFP1のイベントを音声読み上げする場合の例である。図4に示すように、システム管理部213は、必要な警告画面を出すなどのイベントにかかるUI表示がある場合に、UI表示部211に対してUI表示を依頼する(ステップS4)。
【0035】
また、システム管理部213は、そのイベントが音声補助の必要な内容である場合、音声補助部212に対して、イベントの読み上げを要求する(ステップS5)。下記に示す表1は、システム管理部213が音声補助部212に対して通知するイベントの例である。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示すように、システム管理部213が音声補助部212に通知するイベントは、そのイベントの特徴により、UI表示部211からの通常の読み上げ要求とは異なり、「他の読み上げを中止して読み上げするかどうか」の属性を持つ。
【0038】
続いて、読み上げ要求を受け取った音声補助部212における読み上げ処理について説明する。
【0039】
図5は、読み上げ要求を受け取った音声補助部212における読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、音声補助部212は、読み上げているメッセージがあるか否かを判断する(ステップS11)。
【0040】
音声補助部212は、読み上げているメッセージがない場合(ステップS11のNo)、読み上げを行う(ステップS12)。
【0041】
一方、音声補助部212は、現在、読み上げているメッセージがある場合(ステップS11のYes)、システム管理部213からのイベントの読み上げ要求であるかを判断する(ステップS13)。
【0042】
音声補助部212は、UI表示部211からの通常の読み上げ要求である場合(ステップS13のNo)、順次読み上げるメッセージとして蓄積し(ステップS14)、現在読み上げているメッセージの後で読み上げを行う(ステップS15)。
【0043】
一方、音声補助部212は、システム管理部213からのイベントの読み上げ要求である場合(ステップS13のYes)、現在の読み上げを中止するメッセージであるかを、表1に示した属性に従って判断する(ステップS16)。
【0044】
音声補助部212は、ジャムや重大なエラーのように、現在操作しているユーザに最優先で伝えるものは、「現在の読み上げを中止する」属性となっているため(ステップS16のYes)、読み上げ中のメッセージを停止して(ステップS17)、即座に読み上げを実施する(ステップS12)。
【0045】
一方、音声補助部212は、読み上げを中止するメッセージでない場合には(ステップS16のNo)、次に読み上げるメッセージとして蓄積する(ステップS14)。
【0046】
このように本実施形態によれば、緊急性の高いメッセージは現在発話中の読み上げを中止しして優先的に読み上げを行うため、操作者は即時確実に重要なメッセージの発話を受け取ることができるので、重要なイベントが発生した場合には、そのイベントを即時に確実に音声で伝えることができる。
【0047】
すなわち、本実施形態によれば、緊急度が高いと考えられる割り込みで発生するメッセージのみを対象にすることができる。また、MFP1の本体10または操作部20で発生した問題はユーザ操作が継続できなくなる可能性が高いため、そのメッセージを優先して通知することができる。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0049】
第2の実施の形態は、優先度に応じて先に読み上げられるようにした点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0050】
ここで、図6は第2の実施の形態にかかる読み上げ要求を受け取った音声補助部212における読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
また、下記に示す表2は、システム管理部213が音声補助部212に対して通知するイベントの例である。
【0052】
【表2】
【0053】
表2に示すように、システム管理部213が音声補助部212に通知するイベントは、そのイベントの特徴により、UI表示部211からの通常の読み上げ要求とは異なり、「他の読み上げを中止して読み上げするかどうか」の属性に加えて、優先度の属性を持つ。
【0054】
ここで、図6に示す処理の流れを説明する。なお、図6に示すステップS11~S15については、図5で説明したステップS11~S15の処理と同じなので、説明を省略する。
【0055】
音声補助部212は、ジャムや重大なエラーのように、現在操作しているユーザに最優先で伝えるものは、「現在の読み上げを中止する」属性となっているため(ステップS16のYes)、読み上げているメッセージより優先度が高いかを判断する(ステップS21)。
【0056】
音声補助部212は、現在読み上げているメッセージが今回処理するイベントよりも優先度が高い場合には中止できないため、読み上げているメッセージより優先度が低い場合には(ステップS21のNo)、順次読み上げるメッセージとして蓄積する(ステップS14)。
【0057】
一方、音声補助部212は、読み上げているメッセージより優先度が高い場合には(ステップS21のYes)、読み上げ中のメッセージを停止して(ステップS17)、即座に読み上げを実施する(ステップS12)。
【0058】
このように本実施形態によれば、メッセージの優先順位に応じて、緊急性の高いメッセージは現在発話中の読み上げを中止しして優先的に読み上げを行うため、操作者は即時確実に重要なメッセージの発話を受け取ることができるので、重要なイベントが発生した場合には、そのイベントを即時に確実に音声で伝えることができる。すなわち、メッセージ毎の優先度に応じて、現在の発話状況に応じてより適切な読み上げ中止判断を実施することができる。
【0059】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0060】
第3の実施の形態は、読み上げ要求のイベントが、現在読み上げているメッセージの優先度より低い場合、読み上げ要求のイベントについては蓄積し、現在読み上げているメッセージの読み上げ後に優先度が高い順に取り出して読み上げを実施するようにした点が、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態および第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0061】
ここで、図7は第3の実施の形態にかかる読み上げ要求を受け取った音声補助部212における読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7に示すステップS11~S13、S16、S21については、図5および図6で説明したステップS11~S13、S16、S21の処理と同じなので、説明を省略する。
【0062】
音声補助部212は、現在読み上げているメッセージが今回処理するイベントよりも優先度が高い場合には中止できないため、読み上げているメッセージより優先度が低い場合には(ステップS21のNo)、現在読み上げを行っているメッセージを中止せず、優先度順に、次に読み上げるためのメッセージを蓄積する(ステップS31)。次いで、音声補助部212は、蓄積されているメッセージを、優先度が高い順に取り出して読み上げを実施する(ステップS32)。
【0063】
一方、音声補助部212は、読み上げているメッセージより優先度が高い場合には(ステップS21のYes)、読み上げ中のメッセージを停止して(ステップS17)、読み上げ中のメッセージを、読み上げるメッセージに蓄積する(ステップS33)。次いで、音声補助部212は、新しいメッセージを即座に読み上げを実施する(ステップS12)。
【0064】
ここで、図8はステップS32における優先度が高い順のメッセージの読み上げ処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図8に示すように、音声補助部212は、蓄積されているメッセージがある場合(ステップS41のYes)、優先度が一番高いメッセージを取り出す(ステップS42)。そして、音声補助部212は、取り出したメッセージの読み上げを実施する(ステップS43)。音声補助部212は、ステップS42~S43の処理は、蓄積されているメッセージが無くなるまで(ステップS41のNo)、繰り返す。
【0066】
このように本実施形態によれば、現在読み上げているメッセージが今回処理するイベントよりも優先度が高い場合には一旦蓄積し、蓄積されているメッセージを優先度が高い順に取り出して読み上げを実施することにより、現在の発話状況に応じてより適切な読み上げ中止判断を実施することができる。
【0067】
なお、上記実施の形態では、本発明の画像処理装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 画像処理装置
212 音声補助部
213 システム管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2006-155269号公報
【特許文献2】特開2010-068026号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8