(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109154
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
G03G15/20 535
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022200845
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2022010149
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】小木曽 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】池田 保
【テーマコード(参考)】
2H033
【Fターム(参考)】
2H033AA02
2H033AA06
2H033AA15
2H033AA45
2H033BA09
2H033BA10
2H033BA11
2H033BA25
2H033BA30
2H033BB03
2H033BB05
2H033BB06
2H033BB13
2H033BB14
2H033BB15
2H033BB18
2H033BB29
2H033BB30
2H033BB33
2H033BB34
2H033BB35
2H033CA02
2H033CA16
2H033CA35
2H033CA39
2H033CA45
(57)【要約】
【課題】普通紙両面印刷時のしわ防止およびカール低減と、封筒印刷時のしわ防止とを両立させる定着装置を提供すること。
【解決手段】定着装置は、定着部材(定着ローラ1)と加圧部材(加圧ローラ2)とが押圧当接してニップ部を形成する定着装置であって、支点14を中心に回動し、加圧部材を加圧する加圧板(加圧アーム10)と、加圧板の加圧力を調整する加圧力調整装置(カム9)と、ニップ部へ進入する記録媒体(用紙5)を案内する進入案内部材(入口ガイド7)と、ニップ部から排出された記録媒体を案内する排出案内部材(出口ガイド8)と、加圧板の変位を、進入案内部材と排出案内部材とに伝達する伝達部材(第一の支持アーム12および第二の支持アーム13)と、を有する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着部材と加圧部材とが押圧当接してニップ部を形成する定着装置であって、
支点を中心に回動し、前記加圧部材を加圧する加圧板と、
前記加圧板の加圧力を調整する加圧力調整装置と、
前記ニップ部へ進入する記録媒体を案内する進入案内部材と、
前記ニップ部から排出された前記記録媒体を案内する排出案内部材と、
前記加圧板の変位を、前記進入案内部材と前記排出案内部材とに伝達する伝達部材と、を有する定着装置。
【請求項2】
前記加圧力調整装置は、前記加圧板を、前記支点を中心に複数の回転方向位置に設定可能であり、前記加圧力が最大となる加圧状態を普通紙の通紙とし、前記加圧状態から減圧した減圧状態を、封筒の通紙とし、
前記複数の回転方向位置は、前記加圧板によって加圧された加圧部材が普通紙を最大の加圧力で押す普通紙用位置と、前記加圧板によって加圧された加圧部材が封筒を前記最大の加圧力より小さい加圧力で押す封筒用位置を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記加圧状態と、前記減圧状態とでは、
ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線に対して、
ニップ部中央と前記進入案内部材の先端とを結ぶ直線とのなす角を進入案内角度とし、
前記ニップ部中央と前記排出案内部材の先端とを結ぶ直線とのなす角度を排出案内角度とし、
凸ニップ形状となる回転体側の角度をプラス、凹ニップ形状となる回転体側の角度をマイナスとした場合に、
前記加圧状態では、
進入案内角度:+15°から+25°
排出案内角度:+18から+24°に伝達部材が設定し、
前記減圧状態では、
進入案内角度:-20°から0°
排出案内角度:-10°から+5°に伝達部材が設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
前記加圧力調整装置は、前記加圧板に接触したカム部材により構成し、前記加圧状態と、前記減圧状態とで、回転方向の位置が異なる位置で停止し、モータ駆動もしくは、手動操作レバーにより回転力が加えられる
ことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記伝達部材は、前記加圧板、前記進入案内部材、および前記排出案内部材に結合される支持部材により構成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項6】
前記伝達部材は、前記加圧板に直交して結合されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項7】
前記伝達部材は、
二つの前記加圧板と、回動可能に連結され、前記進入案内部材および前記排出案内部材に結合される支持部材により構成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項8】
前記伝達部材は、
二つの前記加圧板と連結し、前記排出案内部材と結合する第一の支持部材と、
前記第一の支持部材と前記進入案内部材と結合する第二の支持部材と、を有し、
二つの前記加圧板と、前記第一の支持部材とは、
二つの前記加圧板の前記支点を結ぶ直線と、
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線と、
前記第一の支持部材とが、
平行になるように設定された平行リンク機構により構成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項9】
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線方向に沿って、前記進入案内部材の先端位置と、前記排出案内部材の先端位置とが変化する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
【請求項10】
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記進入案内部材と前記排出案内部材とは、前記ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、前記ニップ部に近づかない方向に移動する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
【請求項11】
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、46°から137°の範囲である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項12】
前記伝達部材は、
前記加圧板、前記排出案内部材と結合している第一の支持部と、
前記第一の支持部および前記進入案内部材に結合している第二の支持部と、を有し、
前記第二の支持部は、
前記第一の支持部との結合部から延在する第一部分と、
前記進入案内部材との結合部から延在する第二部分と、
前記第一部分と前記第二部分とが交差する屈曲点と、を有し、
前記加圧板と、前記定着部材の中心と前記加圧部材との中心とを結ぶ直線とがなす角θは、
tan-1[(a-d)/b]≦ θ ≦ tan-1[(a-e)/(f-c)]
の範囲にあり、
前記a、b、c、d、eについて、
aは、前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板の前記支点から前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板が前記第一の支持部と結合する位置までの距離、
bは、前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板が前記第一の支持部と結合する位置から前記第一の支持部が前記排出案内部材と結合する位置までの距離、
cは、前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板が前記第一の支持部と結合する位置から前記第一の支持部が前記第二の支持部と結合する位置までの距離、
dは、前記第一の支持部が前記排出案内部材と結合する位置から前記排出案内部材の先端位置までの距離、
eは、前記第一の支持部が前記第二の支持部と結合する位置から前記屈曲点までの距離、
fは、前記屈曲点から前記進入案内部材までの距離、と定義される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項13】
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線方向に沿って、前記進入案内部材の先端位置と、前記排出案内部材の先端位置とが変化する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
【請求項14】
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記進入案内部材と、前記排出案内部材とは、前記ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、前記ニップ部に近づかない方向に移動する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
【請求項15】
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、90°から180°の範囲である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項16】
請求項1または2に記載の定着装置を具備する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
定着装置では、用紙を加熱、加圧して搬送するため、用紙通過時に、しわが発生することがある。
例えば、特許文献1では、普通紙と封筒で、定着装置の適切な加圧力、ガイド位置に差異がある為、封筒の定着装置への進入に当たって、加圧力を自動減圧し、それに連動して、入口ガイド(2分割構成の一方)を退避させる動作を減圧の駆動を用いて行っている。
しかしながら、ニップ出口では用紙排出方向を制御していないため、封筒しわ除去効果が不十分となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、普通紙両面印刷時のしわ防止およびカール低減と、封筒印刷時のしわ防止とを両立させる定着装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、定着部材と加圧部材とが押圧当接してニップ部を形成する定着装置であって、
支点を中心に回動し、前記加圧部材を加圧する加圧板と、
前記加圧板の加圧力を調整する加圧力調整装置と、
前記ニップ部へ進入する記録媒体を案内する進入案内部材と、
前記ニップ部から排出された前記記録媒体を案内する排出案内部材と、
前記加圧板の変位を、前記進入案内部材と前記排出案内部材とに伝達する伝達部材と、を有するものとする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、普通紙両面印刷時のしわ防止およびカール低減と、封筒印刷時のしわ防止とを両立させる定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の第一の実施形態の定着装置の加圧状態の構成例を説明する図である。
【
図2】同定着装置の減圧状態の構成例を説明する図である。
【
図3】同定着装置のリンクパラメータを説明する図である。
【
図4】同定着装置のカム回転時の入口ガイドと出口ガイドとの先端位置の変化例を説明する図である。
【
図5】同定着装置の入口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
【
図6】同定着装置の出口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
【
図7】同定着装置での、加圧アーム角度と入口ガイド先端位置変化率との関係を説明する図である。
【
図8】同定着装置での、加圧アーム角度と出口ガイド先端位置変化率との関係を説明する図である。
【
図9】同定着装置の入口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度適正条件を説明する図である。
【
図10】同定着装置の出口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度の適正条件を説明する図である。
【
図11】同定着装置の加圧アーム角度最良条件での入口ガイドおよび出口ガイドの先端位置を説明する図である。
【
図12】封筒しわ長さに対する、進入案内角度、排出案内角度の影響を説明する図である。
【
図13】本発明の第二の実施形態の定着装置の加圧状態の構成例を説明する図である。
【
図14】同定着装置の減圧状態の構成例を説明する図である。
【
図15】同定着装置のリンクパラメータを説明する図である。
【
図16】同定着装置のカム回転時の加圧アーム先端位置の変化例を説明する図である。
【
図17】同定着装置の入口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
【
図18】同定着装置の出口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
【
図19】同定着装置での、加圧アーム角度と入口ガイド先端位置変化量との関係を説明する図である。
【
図20】同定着装置での、加圧アーム角度と出口ガイド先端位置変化量との関係を説明する図である。
【
図21】同定着装置の入口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度適正条件を説明する図である。
【
図22】同定着装置の出口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度適正条件を説明する図である。
【
図23】同定着装置の加圧アーム角度最良条件での入口ガイド、出口ガイド先端の位置を説明する図である。
【
図24】モータ駆動の加圧力調整装置の構成例を説明する図である。
【
図25】手動操作レバーでカムを回転させる構成例の加圧状態を説明する図である。
【
図26】手動操作レバーでカムを回転させる構成例の減圧状態を説明する図である。
【
図27】本発明の実施形態に係る画像形成装置を説明する概略構成図である。
【
図28】封筒印刷時の表裏搬送量差を説明する図である。
【
図29】封筒印刷時の印字面、非印字面の搬送量分布を説明する図である。
【
図30】普通紙両面印刷時の片面印刷後のカール発生状態で用紙進入時の用紙姿勢例を説明する図である。
【
図31】普通紙両面印刷時の片面印刷後のカール発生状態で用紙進入排出時の用紙姿勢例を説明する図である。
【
図32】普通紙しわ低減の入口ガイドを有する定着装置の構成例を説明する図である。
【
図33】進入案内角度と排出案内角度とを説明する図である。
【
図34】進入案内角度および排出案内角度と、封筒片面印字しわ長さおよび普通紙両面印字しわ長さとの関係を説明する図である。
【
図35】排出案内角度と封筒しわ長さとの関係を説明する図である。
【
図36】排出案内角度による用紙の非印字面側へのカールを説明する図である。
【
図37】排出案内角度と普通紙片面印刷時の用紙バックカール量との関係を説明する図である。
【
図38】(A)は封筒しわを減らすように入口ガイドと出口ガイドとがセットされたときの、封筒しわに関連するパラメータと、入口ガイド、定着ニップ、出口ガイドにおける封筒印刷面、封筒非印刷面の搬送量を示す図である。(B)は封筒しわを減らすようにセットされた入口ガイドと出口ガイドとで案内された封筒の、入口ガイド、定着ニップ、出口ガイドにおける封筒印刷面、封筒非印刷面の搬送量とその差を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0008】
電子写真方式の画像形成装置では、トナーを用紙に加熱定着させる定着装置は、定着器の上流側の転写部から用紙を搬送して、定着器に進入させる進入案内部材が設けられている。また、定着器の下流側の排紙部へ用紙を搬送して、定着器から排出させる排出案内部材が設けられている。
定着装置は、定着ローラなどの定着部材と、加圧ローラなどの加圧部材を有している。加圧部材は、定着部材を押圧し、定着ニップを形成する。以下、定着ニップを「ニップ部」または簡単に「ニップ」とも称する。
定着器のニップ部で用紙を加熱加圧させることでトナー定着するが、ニップ部で、用紙を搬送する過程でしわが発生することがある。両面印刷時において二面目で端部カールした用紙進入の場合には、ニップ部への進入タイミングが加圧部材又は定着部材の軸方向でばらつき、しわ発生することが知られている。封筒の場合には、紙を折り曲げて作られた二枚重ねの紙であるため、回転体に挟持搬送される際に、二枚の紙の速度差などによりしわが発生する。特に、坪量80g/m2以下の薄い封筒ではしわが発生しやすい。
また、しわ発生を抑止するため、ニップに進入する用紙の角度とニップから排出された用紙の角度が調整される。
【0009】
ここで、
図28から
図38を参照して、しわの発生と、ニップ部の入口および出口の案内部材の角度について説明する。トナー画像を形成する記録媒体の一例の用紙として、普通紙と封筒とを用いて説明する。
(1)曲率ニップで封筒しわ発生する理由
定着装置では、一対の回転体を加圧し、回転体を加熱し、所定の圧力、温度条件で、未定着のトナー画像が形成された用紙を、進入させてトナーを用紙上に定着させる。一対の回転体の加圧されたニップ部は、一方の回転体が凸形状で、他方の回転体が凹形状となる場合がある。ニップ部は、例えば、定着ローラよりも柔らかい加圧ローラが弾性変形して形成される。
その場合に、特に二枚重ねの用紙である封筒においては、印字面と、非印字面で、凸形状の回転体からみた曲率半径が異なる為、凹形状の回転体に接する面で、軸方向中央速度が端部速度より速くなり、しわが発生しやすい問題がある。この内容を以下で、図を用いて説明する。
【0010】
図28は、封筒印刷時の表裏搬送量差を説明する図である。
図28では、ローラ定着構成例を示しており、ヒータ3の内蔵された定着ローラ1と、加圧ローラ2とが加圧されている。用紙5として、厚さtの封筒がニップ部に送られる例を示す。ニップ部は、角度αの部分となる。トナー画像6の載っている面が印字面5a、トナー画像6の載っていない面が非印字面5bである。非印字面5bのニップ部での搬送量(「送り量」とも称する)は、(R+t)αであり、印字面5aのニップ部での搬送量Rαよりtα大きくなる。
【0011】
図29は、封筒印刷時の印字面、非印字面の搬送量分布を説明する図である。
図29は、封筒の軸方向の搬送量分布を示し、(A)は印字面、(B)は非印字面である。
封筒は、軸方向両端部が、折り曲げもしくは糊付けされた構造になっている為、軸方向両端部は、印字面5a、非印字面5bともに同じ搬送量L1で送られる。搬送量L1は印字面5aの軸方向中央搬送量Rαと略同等の搬送量である。
【0012】
しかし、フリーである軸方向中央部は、印字面5aの搬送量(Rα)より、非印字面5bの搬送量((R+t)α)が大きいため、非印字面5bで、中央搬送量大の軸方向搬送量分布((R+t)α>L1)となり、後端しわ5cが発生する。
これを低減するために、封筒印刷時には、ニップ幅を狭める処理、例えば、
図28における上述の角度αを小さくすること、つまり、ニップ幅を狭くすることは、後端しわを減らす。後述する本実施形態の定着装置は、加圧力調整装置を有し、画像形成装置が封筒上にトナー像を形成するとき、加圧力調整装置が、加圧ローラが定着ローラを押す加圧力を減らし、
図28の角度αを減らし封筒上のしわを減らす。
【0013】
(2)普通紙大サイズ紙の両面印刷時のしわ発生を防止する入口ガイドの条件
普通紙は、両面印刷時に、一面目印刷時に端部カールした用紙を進入させると、ニップ部への用紙噛みこみが軸方向で同じタイミングとならず、中央からニップ部に噛みこむため、軸方向中央速度が軸方向端部速度より大きく(軸方向中央速度>軸方向端部速度)なり、しわ発生する問題がある。以下図を用いて説明する。
【0014】
図30は、普通紙両面印刷時の片面印刷後のカール発生状態で用紙進入時の用紙姿勢例(定着装置縦断面)を説明する図である。
図31は、普通紙両面印刷時の片面印刷後のカール発生状態で用紙進入排出時の用紙姿勢例(定着ローラ長手方向)を説明する図である。
図30では、用紙5として、端部カールした普通紙がニップ部へ進入する前の姿勢を示し、用紙端部5dは、用紙中央5eと比較して、ニップ部から離れた位置にある。
図31では、端部カールした用紙5がニップ部への進入前と排出後との状態を示し、用紙進入前は、用紙中央5eが、用紙端部5dより先に、ニップ部に進入し、そのまま、用紙5が搬送されるため、ニップ部にて、加熱加圧されて、しわ5cが発生する。
【0015】
このようなしわ発生を回避する為、入口ガイドにて案内する構成が知られている。
図32は、普通紙しわ低減の入口ガイドを有する定着装置の構成例を説明する図であり、ニップ部の用紙進入部に、入口ガイド7を設ける定着装置の構成を示した。図中で、端部カールした用紙5は、入口ガイド7に当たり、定着ローラ1側に、中央、端部一体となって案内され、端部カールが低減されて、定着ローラ1の回転に導かれて、ニップ部に進入するため、用紙5のニップ部への進入が軸方向において同じタイミングで実現でき、しわ発生を防止できる。
【0016】
(3)封筒しわ、普通紙両面しわの良好な案内部材角度条件
ニップ部に対して、用紙5が進入する角度と関係する進入案内角度と、用紙5が排出される角度と関係する排出案内角度の定義を、
図33を参照して説明する。
ニップ部の入口には、入口ガイド7が、出口には、出口ガイド8が設けられている。
なお、本明細書では、「入口ガイド」を「進入案内部材」と、「出口ガイド」を「排出案内部材」と、「ニップ部中央」を「ニップ中心」とも称する。
【0017】
ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線15に対して、ニップ部中央からの、進入案内角度β、排出案内角度γを
図33のように定義した。
進入案内角度βは、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線15と、ニップ部中央と入口ガイド7の先端(入口ガイドの搬送方向下流側端部)とを結ぶ直線とのなす角とする。また、排出案内角度γは、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線15と、ニップ部中央と出口ガイド8の先端とを結ぶ直線とのなす角度とする。
また、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線15上を角度ゼロ(0°)とし、凸状ニップ形状となる回転体側の角度をプラス、凹ニップ形状となる回転体側の角度をマイナスとする。
図33では、定着ローラ1と加圧ローラ2とのうち、凸状ニップ形状となる回転体を定着ローラ1とし、凹状ニップ形状となる回転体を加圧ローラとする。
ニップ部中央は、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線15におけるニップ部の入口と出口との間の中央の位置とし、ニップ幅の中央となる。
【0018】
進入案内角度β、排出案内角度γに対する、封筒片面印字時しわ長さ、普通紙両面印字時しわ長さの関係を
図34に示した。
図34には、以下の試験条件で試験した結果を示す。
試験条件:
封筒印刷時ニップ幅2.5mm
普通紙印刷時ニップ幅7.7mm
封筒印刷定着温度210℃
普通紙印刷定着温度170℃
封筒印刷速度180mm/s
普通紙印刷速度252mm/s
封筒坪量70g/m
2、80g/m
2、90g/m
2、100g/m
2銘柄のしわ平均長さ
普通紙坪量69g/m
2用紙しわ長さ
【0019】
これから、次のことがわかった。
封筒しわ良好領域は、進入案内角度βが-20°以上0°以下の範囲(β=-20~0deg)である。
普通紙両面印字時しわ良好領域は、進入案内角度βが15°以上25°以下の範囲(β=15~25deg)である。
後述の実施形態に係る定着装置は、伝達部材を有し、この伝達部材が入口ガイドを普通紙両面印字時しわ良好領域または封筒しわ良好領域にセットする。伝達部材は、加圧ローラ2などの加圧部材を加圧する、加圧アーム10などの加圧板と接続されている。伝達部材が入口ガイドを普通紙両面印字時しわ良好領域に設定するとき、加圧板は加圧部材を、普通紙にトナー像を定着するための所定の加圧力で押す。対して、伝達部材が入口ガイドを封筒しわ良好領域に設定するとき、加圧板は加圧部材を、封筒にトナー像を定着するための、普通紙にトナー像を定着するための加圧力より小さい所定の加圧力で押す。
【0020】
図35は、排出案内角度と封筒しわ長さとの関係を説明する図である。
図36は、排出案内角度による用紙の非印字面側へのカールを説明する図であり、(A)排出案内角度γ大の場合、(B)排出案内角度γ小の場合である。
図36(A)に示すように、排出案内角度γを大きく設定すると、出口ガイド8とニップから排出された普通紙とがなす当接角が小さくなり、普通紙が形成する曲率半径が大きくなる。その結果、大きな排出案内角度γは、非印字面側のカールを減らす。対して、
図36(B)に示すように、排出案内角度γを小さく設定すると、出口ガイド8とニップから排出された普通紙とがなす当接角は大きくなり、普通紙が形成する曲率半径は小さくなる。その結果、小さい排出案内角度γは、非印字面側のカールを増やす。
用紙出口の排出案内角度γと、封筒しわの関係は、
図35の関係があり、排出案内角度γが大きい場合、封筒しわが長くなり、印刷品質が悪くなる。
一方、排出案内角度γが小さい場合の問題として、
図36に示す普通紙の非印字面側へのカール(バックカール)が大きくなる問題がある。
【0021】
図37は、排出案内角度と坪量が64、69及び、75g/m
2の普通紙片面印刷時の用紙バックカール量との関係を説明する図である。
図37に示すように、用紙出口の排出案内角度γと、普通紙のバックカール量との関係は、排出案内角度γ小の場合、バックカール量が大きくなり印刷品質が悪くなる。
以上の結果から、排出案内角度γについて、封筒しわ良好領域は、5°以下(γ≦5deg)であり、普通紙バックカール量良好領域は、18°以上(γ≧18deg)である。
【0022】
図38は、封筒しわに良好な、入口ガイド、出口ガイド位置での封筒通紙時の表裏送り量を説明する図であり、(A)は、定着装置における各値を示し、(B)は、用紙送り量を示す。
封筒しわに良好な条件として、進入案内角度βがゼロ以下(β≦0)、排出案内角度γがゼロ未満(γ<0)の条件が含まれているが、その場合の封筒通紙時の封筒の二枚重ね紙の印字面、非印字面の用紙送り量を
図38(B)に示した。(A-B)が、封筒通紙時の表裏送り量差となる。
ニップ部(ニップ内)のみを通過すると、-tαの表裏送り量差があり、しわの原因となっているが、ニップ入口の加圧ローラ巻き付き角ε、ニップ出口の加圧ローラ巻き付き角δがあることで、表裏の送り量差が打ち消されて、t(ε+δ-α)とできることで、封筒しわが低減できる。
【0023】
このように、普通紙通紙時、封筒通紙時のニップ部の入口と出口とを結ぶ直線に対する進入案内部材、排出案内部材の角度を、所定の角度の範囲内にすることにより、普通紙両面しわと、封筒しわとの両方を回避することができる。
【0024】
以上の説明から、封筒と普通紙とでは、進入案内角度、排出案内角度ともに、適正な条件が異なるため、紙種によって切り換えることが望まれる。
【0025】
本発明の実施形態では、普通紙通紙時の普通紙両面しわ・バックカール回避と、封筒通紙時の封筒しわ回避を両立させるため、普通紙通紙時と、封筒通紙時に、定着ローラ・加圧ローラ間の加圧力を切り替えるのに連動して、進入案内角度、排出案内角度を変える構成とした。
【0026】
本発明の実施形態に係る定着装置の一態様は、
定着部材(定着ローラ1)と加圧部材(加圧ローラ2)とが押圧当接してニップ部を形成する定着装置であって、
支点(支点14)を中心に回動し、加圧部材を加圧する加圧板(加圧アーム10)と、
加圧板の加圧力を調整する加圧力調整装置(カム9)と、
ニップ部へ進入する記録媒体(用紙5)を案内する進入案内部材(入口ガイド7)と、
ニップ部から排出された記録媒体を案内する排出案内部材(出口ガイド8)と、
加圧板の変位を、進入案内部材と排出案内部材とに伝達する伝達部材(第一の支持アーム12および第二の支持アーム13)と、を有する
( )内は後述する
図1の構成を一例として対応付けている。
【0027】
加圧板先端の変位を進入案内部材と、排出案内部材とに伝達する伝達部材を設けることにより、加圧板の加圧、減圧に連動して、進入案内部材と排出案内部材とを移動させる。これにより、普通紙両面しわと、封筒しわとを両方回避できる。
【0028】
例えば、特許文献1では、ニップ入口で、ニップ部とは逆の二枚紙の速度差を与えることで、しわを防止している入口ガイドが二ケ構成のため、構造が複雑となり、ニップ出口では用紙排出方向を制御していないため、封筒しわ除去効果が不十分となっている。
本実施形態の定着装置は、(1)簡素な単一の進入案内部材とすることにより、進入案内部材の構成を簡素化し、(2)加圧力変化に合わせて、進入案内部材だけでなく排出案内部材も可動にする。このように、進入案内部材と排出案内部材との位置を、普通紙両面印刷時と、封筒印刷時とにおいて、定着部材と加圧部材との加圧力を変化させる加圧力調整装置の動作に連動して行うことで、簡易な構成で実現することができる。これにより、普通紙、封筒通紙時に、例えば、封筒しわ、普通紙両面しわ、普通紙バックカールの無い良好な印刷品質を得ることができる。
以下、各実施形態について説明する。
【0029】
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態の定着装置の加圧状態の構成例を説明する図である。
図2は、同定着装置の減圧状態の構成例を説明する図である。
加圧状態は、封筒以外通紙時の加圧条件の一例を、減圧状態は、封筒通紙時の減圧条件の一例を示す。
加圧力調整装置は、例えば、画像形成装置が封筒上にトナー像を印刷するとき、加圧力を減らし、画像形成装置が普通紙にトナー像を印刷するとき、加圧力を増やす。
【0030】
本実施形態の定着装置は、定着ローラ1、加圧ローラ2、ヒータ3、入口ガイド7、出口ガイド8、カム9、加圧アーム10、加圧バネ11、第一の支持アーム(第一の支持部)12、および第二の支持アーム(第二の支持部)13を備える。
上述の伝達部材は、加圧アーム10と、入口ガイド7と、出口ガイド8とに結合される支持部材であり、例えば、第一の支持アーム12および第二の支持アーム13により構成される。
第一の支持アーム12は、加圧アーム10、出口ガイド8と結合し、加圧アーム10に直交して結合される。
第二の支持アーム13は、第一の支持アーム12および入口ガイド7に結合している部材である。第二の支持アーム13は、例えば、一端を第一の支持アーム12と結合し、他端を入口ガイド7と結合している。第二の支持アーム13は、第一の支持アーム12との結合部から延在する第一部分と、入口ガイド7との結合部から延在する第二部分と、第一部分と第二部分とが交差する屈曲点と、を有する。
【0031】
また、加圧力調整装置を、加圧アーム10に接触したカム9(カム部材)で構成し、加圧力大小で回転方向に異なる位置で停止するように構成した。
図1に示すニップ部の幅(以降「ニップ幅」と称する)N1は、
図2の減圧時のニップ幅N2より大きい。例えば、ニップ幅N1は、7.7mm、ニップ幅N2は、2.5mmである。
【0032】
記録媒体の一例としての用紙5は、次のように搬送される。
転写ローラ4でトナー画像6が転写された用紙5が、定着装置に進入する。定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2とが接触しているニップ部(
図1の符号N1、
図2の符号N2の部分)に進入し、加熱加圧されて定着される。ニップ部の入口側には入口ガイド7が、出口側には出口ガイド8があり、用紙5の搬送を案内する。
【0033】
図1で、定着ローラ1および加圧ローラ2への加圧力は、加圧アーム10が、加圧バネ11で押圧されることにより印加されているが、カム9の位置によって、加圧(
図1は加圧状態)、減圧(
図2は減圧状態)される。加圧アーム10は、支点14周りに回動可能である。カム9により、加圧アーム10は、支点14に対して、複数の回転方向位置に設定可能で、加圧力最大となる条件で普通紙の通紙を行い、加圧力を減圧した条件で、封筒を通紙する。複数の回転方向位置は、加圧アーム10によって加圧された加圧ローラ2が普通紙を最大の加圧力で押す普通紙用位置(「普通紙位置」とも称する)と、加圧アーム10によって加圧された加圧ローラ2が封筒を最大の加圧力より小さい加圧力で押す封筒用位置(「封筒位置」とも称する)を含む。このように、カム9で加圧力を可変とし普通紙印刷と封筒印刷との最適な条件に切り替える事が出来る。
加圧アーム10は、第一の支持アーム12と結合されている。第一の支持アーム12は、加圧アーム10の先端に設けられているため、大きい変位で動く。
【0034】
第一の支持アーム12に、出口ガイド8、および、第二の支持アーム13を介して入口ガイド7が結合されており、入口ガイド7と出口ガイド8とは、カム9の回転により、第一の支持アーム12の変位分だけ、移動する。
図1、
図2では、これらの結合は、ネジ締結された構成例を示す。
このようにして、カム9の回転により、入口ガイド7と出口ガイド8とは移動する。
【0035】
図1、
図2で示した定着装置は、加圧アーム10が単一であることから、シングルリンクと呼ぶ。
シングルリンク機構で、加圧アーム10の先端の変位を入口ガイド7、出口ガイド8に伝達する伝達部材(第一の支持アーム12、第二の支持アーム13)の結合形態とした。
上記構成は明確な第一の支持アーム12と加圧アーム10の角度関係を示し、変位量を減らすことなく、加圧板先端の変位を入口ガイド7、出口ガイド8に伝達することができる。
【0036】
図3に、第一の実施形態の定着装置のリンクパラメータを説明する図を示す。
図3では、入口ガイド7の先端位置を、第一の支持アーム12に加圧アーム10が直交する位置でのリンク長さc、e、fで示し、出口ガイド8の先端位置を第一の支持アーム12に加圧アーム10が直交する位置でのリンク長さb、dで示した。
長さa、b、c、d、eについて、以下のように定義される。
aは、加圧ローラ2から加圧力を受ける加圧アーム10の支点14から加圧ローラ2から加圧力を受ける加圧アーム10が第一の支持アーム12と結合する位置までの距離。
bは、加圧アーム10が第一の支持アーム12と結合する位置から第一の支持アーム12が出口ガイド8と結合する位置までの距離。
cは、加圧アーム10が第一の支持アーム12と結合する位置から第一の支持アーム12が第二の支持アーム13と結合する位置までの距離。
dは、第一の支持アーム12が出口ガイド8と結合する位置から出口ガイド8の先端位置までの距離。
eは、第一の支持アーム12が第二の支持アーム13と結合する位置から第二の支持アーム13の屈曲点までの距離。
fは、第二の支持アーム13の屈曲点から入口ガイド7までの距離。
【0037】
図3で、加圧アーム10の支点14を原点に、x軸、y軸をとり、x軸は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と平行に設定している。加圧アーム10とx軸(定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線)とのなす角を角度θとする。以降適宜、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム10の角度θを、「加圧アーム角度θ」と称する。
なお、加圧アーム角度θを、
図1では、θ1とし、
図2では、θ1-Δθとして示している。
【0038】
図3に基づくと、入口ガイド先端位置(x、y)は、(数1)、(数2)で示される。
x=(a-e)cosθ+(c-f)sinθ ・・・(数1)
y=(a-e)sinθ+(f-c)cosθ ・・・(数2)
【0039】
出口ガイド先端位置(x、y)は、(数3)、(数4)で示される。
x=(a-d)cosθ-bsinθ ・・・(数3)
y=(a-d)sinθ+bcosθ ・・・(数4)
【0040】
図3の定着装置で、加圧アーム10をカム9によりΔθ回転させて、普通紙の加圧条件から封筒の加圧条件(減圧条件)に変化させた場合の入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置変化を
図4に示す。
図4では、説明の為、入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置をニップ中心から離れた位置に表した。
図4では、減圧条件に変化させた位置を破線で示している。
【0041】
表1に、
図3の定着装置のリンクパラメータの値の例を示す。
【表1】
【0042】
表2に、進入案内角度、排出案内角度の適正範囲を示す。
【表2】
【0043】
表1、表2の条件を基に、加圧アーム10をカム9で回転させて、普通紙の加圧条件から封筒の加圧条件(減圧条件)に変化させた場合の入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置変化を説明する。
図5は、入口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
図6は、出口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
これから、本リンク寸法で、入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置を、カム9による加圧アーム10の減圧で、普通紙の適正位置から封筒の適正位置に移動できることがわかった。
【0044】
加圧アーム角度θをΔθ変えた場合のx方向(用紙搬送方向とは直交する方向)、y方向(用紙搬送方向)の変位量Δx、Δyを算出した結果を(数5)から(数8)に示した。
【0045】
入口ガイドの先端位置
Δx=[(e-a)sinθ+(c-f)cosθ]・Δθ ・・・(数5)
Δy=[(a-e)cosθ-(f-c)sinθ]・Δθ ・・・(数6)
【0046】
出口ガイドの先端位置
Δx=[(d-a)sinθ-bcosθ]・Δθ ・・・(数7)
Δy=[(a-d)cosθ-bsinθ]・Δθ ・・・(数8)
【0047】
表1のリンクパラメータに対して、入口ガイド7と出口ガイド8との先端変位について、加圧アーム角度変化に対する変化量Δx/Δθ、Δy/Δθを、
図7、
図8で示す。
図7は、加圧アーム角度と入口ガイド先端位置変化率との関係を説明する図である。
図8は、加圧アーム角度と出口ガイド先端位置変化率との関係を説明する図である。
【0048】
図7、
図8は、(数5)から(数8)を、
Δx=Jx(θ)・Δθ
Δy=Jy(θ)・Δθ
と記したときの、Jx(θ)、Jy(θ)を示していることになる。
また、Δx/Δθ、Δy/Δθとの数値のオーダ比較を示すために、参考として{(Δx/Δθ)^2+(Δy/Δθ)^2}^0.5の値を示している。
【0049】
加圧アーム10の減圧時には、
図3で、Δθ≦0となるので、
Δx=Jx(θ)・Δθ
Δy=Jy(θ)・Δθ
であるが、減圧時に、入口ガイド先端および出口ガイド先端が、普通紙位置から封筒位置に移動するためには、Δx≧0である必要がある。
Δyに関しては、入口ガイド7と出口ガイド8とは、移動時に、ニップ入口に近接しすぎないことが望ましいことから、入口ガイド7では、Δy≦0、出口ガイド8では、Δy≧0が最良である。
【0050】
加えて、Jx(θ)、Jy(θ)は、下記の値をとる必要がある。
入口ガイド
Jx(θ)=Δx/Δθ(Δx≧0、Δθ≦0) ≦0でなければならない。
Jy(θ)=Δy/Δθ(Δy≦0、Δθ≦0) ≧0であることが最良である。
出口ガイド
Jx(θ)=Δx/Δθ (Δx≧0、Δθ≦0) ≦0でなければならない。
Jy(θ)=Δy/Δθ (Δy≧0、Δθ≦0) ≦0であることが最良である。
【0051】
図示すると、
図9、
図10のようになる。
図9は、同定着装置の入口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度適正条件を説明する図である。
図10は、同定着装置の出口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度の適正条件を説明する図である。
加圧アーム角度θは、入口ガイドの条件(
図9)、出口ガイドの条件(
図10)を同時満足しなければならない。
図9、
図10において、入口ガイド7および出口ガイド8をA線以下とすることは、必ず満足しなければいけない、
図4で加圧力の減圧時に、ガイド先端が左から右へ移動する条件である。また、入口ガイド7をB線より左、出口ガイド8をB線より右とし、ガイドの減圧時の用紙搬送方向への移動時にニップ部に近づかない条件とすることが最良である。
【0052】
入口ガイド7、出口ガイド8で加圧アーム角度θは一条件(一つの値)なので、
図9、
図10からは、加圧アーム角度θ<135°付近が満足しなければならないΔx>0の条件(A線より左)を満足しており、最良条件であるB線の条件(Δyの入口出口ガイド条件)を満足するのは、θ=45°付近のみであることがわかる。
【0053】
これを、リンクパラメータで表示すると、(数9)から(数14)のようになる。
入口ガイド
Jx≦0
(e-a)sinθ≦(f-c)cosθ
tanθ≦(f-c)/(e-a)
θ≦tan-1[(f-c)/(e-a)]・・・(数9)
Jy≧0
(a-e)cosθ≧(f-c)sinθ
tanθ≦(a-e)/(f-c)
θ≦tan-1[(a-e)/(f-c)]・・・(数10)
【0054】
出口ガイド
Jx≦0
(d-a)sinθ≦bcosθ
tanθ≦b/(d-a)
θ≦tan-1[b/(d-a)]・・・(数11)
Jy≦0
(a-d)cosθ≦bsinθ
tanθ≧(a-d)/b
θ≧tan-1[(a-d)/b]・・・(数12)
【0055】
必ず満足しなければならない条件(Δx≧0、A線条件)
(min関数は、2つの量の小さい値を選ぶ関数である)
θ≦min(tan-1[(f-c)/(e-a)],tan-1[b/(d-a)])
・・・(数13)
最良条件(Δyの条件、B線条件)
θ=tan-1[(a-d)/b]~tan-1[(a-e)/(f-c)]
・・・(数14)
【0056】
表1のリンクパラメータに基づき算出すると、下記のようになる。
必ず満足しなければならない条件
θ≦min(136.7,138.6)=136.7°
最良条件
θ=46.7°~48.6°
【0057】
算出された加圧アーム角度θの最良条件θoptを、上述した計算値から47°としたときの定着装置の構成を
図11に示した。
図11は、加圧アーム角度最良条件での入口ガイドおよび出口ガイドの先端位置を説明する図である。
最良条件では、入口ガイド7、出口ガイド8のy方向(用紙搬送方向)の変位Δyがゼロ(Δy=0)となっており、入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置が、用紙搬送方向に変化しない構成とすることができる。
【0058】
上述したように、本実施形態の定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム10の角度θが、加圧状態の位置と、減圧状態の位置との間で変化した場合に、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線方向に沿って、入口ガイド7の先端位置と、出口ガイド8の先端位置とが変化する構成とするとよい。
このようにして、カム9により、加圧アーム10の位置を加圧状態と減圧状態との間で切り替えた場合の、入口ガイド7と出口ガイド8との変位方向が、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に沿った方向であることを示し、普通紙両面しわと、封筒しわとを両方回避できるようにした。
【0059】
また、本実施形態の定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム10の角度θが、加圧状態の位置と、減圧状態の位置との間で変化した場合に、入口ガイド7と出口ガイド8とは、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、ニップ部に近づかない方向に移動する構成とするとよい。
【0060】
上述の構成においては、カム9が、加圧アーム10の位置を加圧状態から減圧状態に変え、入口ガイド7と出口ガイド8とを動かす。
入口ガイド7と出口ガイド8との変位方向においては、入口ガイド7と出口ガイド8とはニップ部に近づかない。
言い換えると、入口ガイド7と出口ガイド8とは、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と直交する方向となる、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、ニップ部に近づかない。
かくして、入口ガイド7と出口ガイド8とは、定着ローラ1と加圧ローラ2とに傷をつけることなく、変位できる。
上述の構成は、普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できる。
【0061】
さらに、本実施形態の定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム角度θが、46°から136°の範囲とするとよい。
このようにして、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム角度θの角度範囲を示し、普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できるようにした。
さらに加えて、(数14)により、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム角度θの角度範囲を示し,普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できるようにした。
【0062】
次に、
図34で示した封筒しわ確認結果について説明する。
封筒しわを、以下の試験条件で評価し、結果を表3に示した。
試験条件:
ニップ幅2.5mm
定着温度210℃
定着ローラ側凸ニップ形状(定着ローラ直径30mm)
定着ローラ回転周速180mm/s
試験封筒:
・坪量70g/m
2 長形4号封筒
・坪量80g/m
2 長形3号封筒
・坪量90g/m
2 COM10封筒
・坪量100g/m
2 長形3号封筒
各5枚通紙平均しわ長さ測定(用紙非印字面後端しわ)を上記四銘柄の封筒で行い、最終的には四銘柄の平均しわ長さで評価した。
【0063】
表3に、進入案内角度β、排出案内角度γを変えた場合の封筒しわ確認結果を示す。表中のβ、γは、
図33と同様である。
【表3】
【0064】
これから、用紙案内進入角度β、排出案内角度γを変えた場合の感度としては、
図12に示すように、用紙案内進入角度β、排出案内角度γともに、小さくする(入口ガイド7または出口ガイド8の案内部材を加圧ローラ側に寄せる)ことで、封筒しわが改善する方向であることはわかった。
図12は、封筒しわ長さに対する、進入案内角度、排出案内角度の影響を説明する図である。
β=20°で封筒しわが悪いのは、用紙が定着ローラに巻き付き気味に進入するため、実効的なニップ幅が定着ローラ1と加圧ローラ2とで加圧されたニップ幅(2.5mm)より広めになっている為(4.5mm)、表裏速度差影響が大きいためである。
【0065】
表4に、表3における、進入案内角度、排出案内角度の各組み合わせにおける封筒しわを示す。表4は、封筒シワ長さがゼロとなる条件、すなわち、用紙案内進入角度β≦0°、排出案内角度γ≦12°を示している。
【表4】
表4の結果を図示したのが、
図34である。
【0066】
以上説明した通り、本発明の第一の実施形態の定着装置を用いることで、普通紙両面印刷時にはしわ発生なく、封筒印刷時にもしわ発生ない定着装置を提供できる。
【0067】
第二の実施形態
次に、本発明の第二の実施形態の定着装置の説明をする。
第一の実施形態で、簡易なシングルリンク機構で、加圧アーム10の減圧時の角度変化に連動して、入口ガイド7と出口ガイド8との先端位置を、普通紙のしわ低減、カール低減に適した位置から、封筒しわ低減に適した位置に変位させる構成を示した。シングルリンク機構では、加圧アーム10の支点回りの回転により、入口ガイド7と出口ガイド8とは、用紙搬送方向に対する角度が変化するため、
図11に示したように、最良条件で、加圧アーム角度θ=47°であり、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心線に対して、傾いた角度に設定する必要があり、加圧アーム10への加圧力が、効率よく、定着ローラ1に伝わらない。本実施形態では、この点を改良した構成例を説明する。
【0068】
本実施形態では、第一の支持アーム12を、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と常に平行になる平行リンク機構を用いる構成例を説明する。
図13は、本発明の第二の実施形態の定着装置の加圧状態の構成例を説明する図である。
図14は、同定着装置の減圧状態の構成例を説明する図である。
図13は、封筒以外通紙時の加圧条件の一例を、
図14は、封筒通紙時の減圧条件の一例を示す。
本実施形態の定着装置は、二つの加圧アーム10a、10bを有する点が、第一の実施形態の定着装置と異なる。
【0069】
本実施形態の定着装置が備える伝達部材は、二つの加圧アーム10a、10bと回動可能に連結され、入口ガイド7および出口ガイド8に結合される支持部材である。伝達部材は、例えば、二つの加圧アーム10a、10bと連結し、出口ガイド8と結合する第一の支持部材としての第一の支持アーム12と、第一の支持アーム12と入口ガイド7と結合する第二の支持部材としての第二の支持アーム13と、により構成される。
【0070】
図13で、定着ローラ1および加圧ローラ2への加圧力は、加圧アーム10が、加圧バネ11で押圧されることにより印加されているが、カム9の位置によって、加圧(
図13は加圧状態)、減圧(
図14は減圧状態)される。加圧アーム10aは、支点14a周りに、加圧アーム10bは支点14b周りに回動可能である。加圧アーム10a、10bは、第一の支持アーム12と結合されている。
加圧アーム10aと平行に加圧アーム10bが設けられ、加圧アーム10aおよび10bの支点を結ぶ直線は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と平行である。
【0071】
第一の支持アーム12は、加圧アーム10aと加圧アーム10bとの先端に回動可能に設けられており、平行リンク機構を構成している。
詳細には、第一の支持アーム12は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と常に平行である。また、第一の支持アーム12は、加圧アーム10aと加圧アーム10bとの支点14a、14bを結ぶ直線とも常に平行である。
第一の支持アーム12に、出口ガイド8および、第二の支持アーム13を介して入口ガイド7が結合されており、入口ガイド7と出口ガイド8とは、カム9の回転により、第一の支持アーム12の変位分だけ、移動する。
図13、
図14では、これらの結合は、ネジ締結された構成を示す。
【0072】
このように、本実施形態の定着装置は、第一の支持アーム12に平行リンク機構を用い、普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できるようにする。これにより、加圧アーム10の揺動時に、入口ガイド7と出口ガイド8との先端位置を、用紙搬送方向に移動することなく、用紙搬送方向とは直交方向に移動させる。
【0073】
図15に、第二の実施形態の定着装置のリンクパラメータを説明する図を示す。
図15では、入口ガイド7の先端位置を、第一の支持アーム12に加圧アーム10aが直交する位置でのリンク長さc、e、fで示し、出口ガイド8の先端位置を第一の支持アーム12に加圧アーム10aが直交する位置でのリンク長さb、dで示した。
【0074】
図15で、加圧アーム10aの支点14aを原点に、x軸、y軸をとり、x軸は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と平行に設定している。加圧アーム10aとx軸とのなす角を角度θとする。
【0075】
この場合、入口ガイド先端位置(x、y)は、(数15)、(数16)で示される。
x=acosθ+c-f ・・・(数15)
y =asinθ-e ・・・(数16)
【0076】
出口ガイド先端位置(x、y)は、(数17)、(数18)で示される。
x=acosθ-b ・・・(数17)
y=asinθ-d ・・・(数18)
【0077】
図15の定着装置で、加圧アーム10をカム9によりΔθ回転させて、普通紙の加圧条件から封筒の加圧条件(減圧条件)に変化させた場合の入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置変化を
図16に示す。
図16は、同定着装置のカム回転時の加圧アーム先端位置の変化を説明する図である。
【0078】
表5に、
図15のリンクパラメータの値の例を示す。
【表5】
【0079】
表6に、進入案内角度、排出案内角度の適正範囲を示す。
【表6】
【0080】
表5、6の条件を基に、加圧アーム10aをカム9で回転させて、普通紙の加圧条件から封筒の加圧条件(減圧条件)に変化させた場合の入口ガイドの先端位置変化を説明する。
図17は、入口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
図18は、出口ガイドの先端位置の変化例を説明する図である。
これから、本リンク寸法で、入口ガイド7、出口ガイド8の先端位置を、加圧アーム10aのカム9による減圧で、普通紙の適正位置から封筒の適正位置に移動できることがわかった。
【0081】
加圧アーム10aの定着ローラ1と加圧ローラ2と中心を結ぶ直線に対する角度θをΔθ変えた場合のx方向(用紙搬送方向とは直交する方向)、y方向(用紙搬送方向)の変位量Δx、Δyを算出した結果を(数19)から(数22)に示した。
【0082】
入口ガイドの先端位置
Δx=-a sinθ・Δθ ・・・(数19)
Δy=a cosθ・Δθ ・・・(数20)
【0083】
出口ガイドの先端位置
Δx=-a sinθ・Δθ ・・・(数21)
Δy=a cosθ・Δθ ・・・(数22)
【0084】
表5のリンクパラメータに対して、入口ガイドと出口ガイド8との先端変位の加圧アーム角度変化に対する変化量Δx/Δθ、Δy/Δθを、
図19、
図20に示す。
図19は、加圧アーム角度と入口ガイド先端位置変化量との関係を説明する図である。
図20は、加圧アーム角度と出口ガイド先端位置変化量との関係を説明する図である。
【0085】
図19、
図20は、(数19)から(数22)を、Δx=Jx(θ)・Δθ、Δy=Jy(θ)・Δθと記したときの、Jx(θ)、Jy(θ)を示していることになる。
加圧アームの減圧時には、
図15で、Δθ≦0となるので、
Δx=Jx(θ)・Δθ
Δy=Jy(θ)・Δθ
であるが、減圧時に、入口ガイド先端および出口ガイド先端が、普通紙位置から封筒位置に移動するためには、Δx≧0である必要がある。
Δyは、移動時に、ニップ入口に近接しすぎないことが望ましいことから、入口ガイドでは、Δy≦0、出口ガイドでは、Δy≧0が最良である。
それから、Jx(θ)、Jy(θ)は下記となる。
【0086】
入口ガイド
Jx(θ)=Δx/Δθ(Δx≧0、Δθ≦0) ≦0でなければならない。
Jy(θ)=Δy/Δθ(Δy≦0、Δθ≦0) ≧0であることが最良である。
【0087】
出口ガイド
Jx(θ)=Δx/Δθ(Δx≧0、Δθ≦0) ≦0でなければならない。
Jy(θ)=Δy/Δθ(Δy≧0、Δθ≦0) ≦0であることが最良である。
【0088】
図示すると、
図21、
図22のようになる。
図21は、入口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度適正条件を説明する図である。
図22は、出口ガイド先端位置変化量に対する加圧アーム角度の適正条件を説明する図である。
図21、
図22において、A線以下が、必ず満足しなければいけない、
図15で加圧力の減圧時に、ガイド先端が左から右へ移動する条件である。また、B線より左(入口ガイド)、右(出口ガイド)が、ガイド先端の減圧時の用紙搬送方向への移動がない最良条件である。
【0089】
入口ガイド7、出口ガイド8で加圧アーム角度は一条件なので、
図21、
図22からは、加圧アーム角度θ≦180°(=π.)を満足しなければならない(Δx≧0の条件)。
最良条件であるB線の条件(Δyの入口出口ガイド条件)を満足するのは、θ=90°(=π/2)のみであることがわかった。これは、(数19)~(数22)からも、θ=90°が最良条件であることがわかった。
【0090】
最良条件の定着装置の構成を、
図23に示した。
図23は、加圧アーム角度最良条件(加圧アーム角度θopt=90°)での入口ガイド、出口ガイド先端の位置を説明する図である。
ここで、加圧力調整装置は、カム9により構成され、電動駆動でもよいし、手動の操作レバーにより利用者が封筒通紙時には減圧操作する構成であってもよい。
【0091】
上述したように、本実施形態の定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム10の角度θが、加圧状態の位置と、減圧状態の位置との間で変化した場合に、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線方向に沿って、入口ガイド7の先端位置と、出口ガイド8の先端位置とが変化する構成とするとよい。
本実施形態においても、カム9により、加圧アーム10の位置を加圧状態と減圧状態との間で切り替えた場合の、入口ガイド7と出口ガイド8との変位方向が、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に沿った方向であることを示し、普通紙両面しわと、封筒しわとを両方回避できるようにした。
【0092】
また、本実施形態の定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム10の角度θが、加圧状態の位置と、減圧状態の位置との間で変化した場合に、入口ガイド7と出口ガイド8とは、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、ニップ部に近づかない方向に移動する構成とするとよい。
このようにして、カム9により、加圧アーム10の位置を加圧状態から減圧状態に変えたときの、入口ガイド7と出口ガイド8との変位方向が、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線と直交する方向となる、ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、ニップ部に近づかない方向であることにより、定着ローラ1と加圧ローラ2とに傷をつけることなく、入口ガイド7と出口ガイド8との変位を実現でき、普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できるようにした。
【0093】
さらに、本実施形態の定着装置は、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム角度θが、90°から180°の範囲とするとよい。
このようにして、定着ローラ1と加圧ローラ2との中心を結ぶ直線に対する、加圧アーム角度θの角度範囲を示し、普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できるようにした。
【0094】
以上説明した本発明の第二の実施形態の平行リンク機構を設けた定着装置を用いると、加圧アームにより、定着ローラに効率よく加圧力を伝達でき、紙種によらずしわ発生のない良好な定着品質を実現できる。
【0095】
その他の実施形態
加圧力調整装置の構成例について説明する。
図24は、モータ駆動の加圧力調整装置の構成例を説明する図である。
加圧力調整装置の駆動については、
図24に示すように、カム9a、9bがカム軸16の軸方向の両端に一対設けられ、モータ19より駆動系(ウオームギア20a、20b、平歯車21a、21b)を介して、回転駆動される。カム9a、9bの回転方向位置は、カム9a、9bと同軸上に設けられた回転方向位置検知部材17の段差部分を、光学センサ18で検知して制動することにより、所望の回転方向位置へ移動できる。
【0096】
また、加圧力調整装置の駆動については、
図25に示すように手動操作レバーで所定角度回転させる構成でもよい。
図25は、手動操作レバーでカムを回転させる構成例の加圧状態を説明する図である。
図26は、手動操作レバーでカムを回転させる構成例の減圧状態を説明する図である。
図25は加圧条件を示しており、
図26は減圧条件を示している。
【0097】
手動操作レバー22は、カム9と同軸上に結合されており、カム9中心回りに手動で回転可能である。
図25で手動操作レバー22を矢印23の方向に、カム9の軸回りに回転させると、加圧アーム10も矢印24の方向に回転し、
図26のようにカム9が減圧位置となり、減圧される。
手動操作レバー22は、加圧位置、減圧位置で停止する箇所には、ストッパー25a、25bを設ける構成であってもよい。
【0098】
上記各実施形態において、カム9の駆動手段は電動、手動いずれであってもよい。
カムを使用する事により簡単な構成で、普通紙両面しわと、封筒しわを両方回避できるようにできる。
【0099】
次に、画像形成装置の基本的な構成について説明する。
図27は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を説明する概略構成図である。
同図において、画像形成装置は、像担持体としての感光体31や、本体筐体50に対して着脱可能に構成された給紙カセット100などを備えている。給紙カセット100は、複数の記録媒体たる用紙Sを用紙束の状態で収容している。
【0100】
給紙カセット100内の用紙Sは、給送ローラ44の回転駆動によってカセット内から送り出されて、後述する分離ニップを経た後に給紙路42内に至る。その後、用紙Sは、第一搬送ローラ対41の搬送ニップに挟み込まれて、給紙路42内を搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される。給紙路42の末端付近には、レジストローラ対49が配設されている。用紙Sは、このレジストローラ対49のレジストニップに先端を突き当てた状態で搬送が一時中止される。その突き当ての際、用紙Sのスキューが補正される。
【0101】
レジストローラ対49は、用紙Sを後述する転写ニップで感光体31の表面のトナー像に重ね合わせ得るタイミングで回転駆動を開始して、用紙Sを転写ニップに向けて送り出す。この際、第一搬送ローラ対41が同時に回転駆動を開始して、一時中止していた用紙Sの搬送を再開する。
【0102】
画像形成装置の本体筐体は、手差しトレイ43、手差し給送ローラ43a、分離パッド43bなどからなる手差し給紙部を保持している。この手差し給紙部の手差しトレイ43に手差しされた用紙は、手差し給送ローラ43aの回転駆動によって手差しトレイ43内から送り出される。そして、用紙は、手差し給送ローラ43aと分離パッド43bとの当接による分離ニップを経た後に、給紙路42におけるレジストローラ対49よりも上流側の領域に進入する。その後、用紙は、給紙カセット100から送り出された用紙Sと同様にして、レジストローラ対49を経た後に、後述する転写ニップに送られる。
【0103】
図中時計回り方向に回転駆動せしめられるドラム状の感光体31の周囲には、クリーニングブレード32、帯電ローラ34、潜像書込装置37、現像装置38、転写ローラ30などが配設されている。帯電ローラ34は、感光体31に接触しながら回転して帯電ニップを形成している。この帯電ローラ34には、電源から出力される帯電バイアスが印加されている。これにより、帯電ニップにおいて、感光体31の表面と帯電ローラ34の表面との間で放電が発生することで、感光体31の表面が一様に帯電せしめられる。
【0104】
潜像書込装置37は、LEDアレイを具備しており、感光体31の一様帯電した表面に対してLED光による光走査を行う。感光体31の一様帯電した地肌部のうち、この光走査によって光照射を受けた領域は、電位を減衰させる。これにより、感光体31の表面に静電潜像が形成される。
【0105】
静電潜像は、感光体31の回転駆動に伴って、現像装置38に対向する現像領域を通過する。この現像領域で、感光体31上に形成された静電潜像に、現像装置38によってトナーが供給され、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0106】
現像装置38の上方には、トナーカートリッジ39が配設されている。このトナーカートリッジ39は、内部にトナーを収容しており、制御部51から出力される補給動作信号に応じてトナーを現像装置38に補給する。
【0107】
現像によって感光体31上に形成されたトナー像は、感光体31の回転に伴って、感光体31と、転写手段たる転写ローラ30とが当接する転写ニップに進入する。転写ローラ30には、感光体31の潜像電位とは逆極性の帯電バイアスが印加されており、これにより、転写ニップ内には転写電界が形成されている。
【0108】
上述したように、レジストローラ対49は、用紙Sを転写ニップ内で感光体31上のトナー像に重ね合わせうるタイミングで転写ニップに向けて送り出す。転写ニップでトナー像に密着せしめられた用紙Sには、転写電界やニップ圧の作用により、感光体31上のトナー像が転写される。
【0109】
転写ニップを通過した後の感光体31の表面には、用紙Sに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは感光体31に当接しているクリーニングブレード32によって感光体31の表面から掻き落とされ、感光体31の表面がクリーニングされる。
クリーニングブレード32によってクリーニングされた感光体31の表面は、除電手段によって除電された後、帯電ローラ34によって再び一様に帯電せしめられる。
【0110】
感光体31と転写ローラ30とが当接する転写ニップを通過した用紙Sは、定着装置60に送られる。定着装置60は、ハロゲンランプ等の発熱源(ヒータ)63を内包する加熱回転体たる定着ローラ61と、これに向けて押圧されるニップ形成回転体たる加圧ローラ62との当接によって定着ニップを形成している。
定着ローラ61は、ステンレスやアルミニウム等からなる中空の芯金の外周面にトナーや紙粉との離型性を向上させるための離型促進層を有している。加圧ローラ62は、ステンレスやアルミニウム等からなる芯金の外面に、フッ素系ゴムやシリコーンゴム等の耐熱弾性材料弾性層を有している。
【0111】
定着ニップに挟み込まれた用紙Sの表面には、加熱や加圧の作用によってトナー像が定着せしめられる。その後、定着装置60を通過した用紙Sは、排紙路45を経た後、排紙ローラ対46の排紙ニップに挟み込まれる。
【0112】
画像形成装置は、用紙Sの片面だけに画像を形成する片面モードと、用紙Sの良縁に画像を形成する両面モードとを切り替えて実行することができる。片面モードの場合や、両面モードであって既に用紙Sの両面に画像を形成している場合には、排紙ローラ対46が正転駆動を続けることで、排紙路45内の用紙Sを機外に排出する。排出された用紙Sは、本体筐体50の上面に設けられたスタック部にスタックされる。
【0113】
一方、両面モードであって、且つ用紙Sの片面だけにしか画像を形成していない場合には、排紙ローラ対46の排紙ニップに用紙Sの端部が進入したタイミングで、排紙ローラ対46が逆転駆動される。このとき、排紙路45の末端付近に配設された切換爪47が作動して、排紙路45を塞ぐとともに、反転再送路48の入口を開く。排紙ローラ対46の逆転駆動によって逆戻りを開始した用紙Sは、反転再送路48内に送り込まれる。そして、用紙は、反転再送路48内で上下を反転せしめられながら搬送された後、レジストローラ対49のレジストニップに再送される。その後、転写ニップでもう一方の面にもトナー像が転写された後、定着装置60と排紙路45と排紙ローラ対46とを経て用紙は、機外に排出される。
【0114】
定着装置60によるトナー像定着時に用紙Sが高温に晒されることで用紙中の水分が蒸発し、紙の目の方向によっては幅方向端部が丸まる所謂端部カールが発生することがある。特に、用紙が大サイズの普通紙のときに、端部カールが発生しやすい。
【0115】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
【0116】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
定着部材と加圧部材とが押圧当接してニップ部を形成する定着装置であって、
支点を中心に回動し、前記加圧部材を加圧する加圧板と、
前記加圧板の加圧力を調整する加圧力調整装置と、
前記ニップ部へ進入する記録媒体を案内する進入案内部材と、
前記ニップ部から排出された前記記録媒体を案内する排出案内部材と、
前記加圧板の変位を、前記進入案内部材と前記排出案内部材とに伝達する伝達部材と、を有する定着装置である。
<2>
前記加圧力調整装置は、前記加圧板を、前記支点を中心に複数の回転方向位置に設定可能であり、前記加圧力が最大となる加圧状態を普通紙の通紙とし、前記加圧状態から減圧した減圧状態を、封筒の通紙とし、
前記複数の回転方向位置は、前記加圧板によって加圧された加圧部材が普通紙を最大の加圧力で押す普通紙用位置と、前記加圧板によって加圧された加圧部材が封筒を前記最大の加圧力より小さい加圧力で押す封筒用位置を含む
ことを特徴とする前記<1>に記載の定着装置である。
<3>
前記加圧状態と、前記減圧状態とでは、
ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線に対して、
ニップ部中央と前記進入案内部材の先端とを結ぶ直線とのなす角を進入案内角度とし、
前記ニップ部中央と前記排出案内部材の先端とを結ぶ直線とのなす角度を排出案内角度とし、
凸ニップ形状となる回転体側の角度をプラス、凹ニップ形状となる回転体側の角度をマイナスとした場合に、
前記加圧状態では、
進入案内角度:+15°から+25°
排出案内角度:+18から+24°に伝達部材が設定し、
前記減圧状態では、
進入案内角度:-20°から0°
排出案内角度:-10°から+5°に伝達部材が設定する
ことを特徴とする前記<2>に記載の定着装置である。
<4>
前記加圧力調整装置は、前記加圧板に接触したカム部材により構成し、前記加圧状態と、前記減圧状態とで、回転方向の位置が異なる位置で停止し、モータ駆動もしくは、手動操作レバーにより回転力が加えられる
ことを特徴とする前記<2>または<3>に記載の定着装置である。
<5>
前記伝達部材は、前記加圧板、前記進入案内部材、および前記排出案内部材に結合される支持部材により構成する
ことを特徴とする前記<1>から<4>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<6>
前記伝達部材は、前記加圧板に直交して結合されている
ことを特徴とする前記<1>から<5>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<7>
前記伝達部材は、
二つの前記加圧板と、回動可能に連結され、前記進入案内部材および前記排出案内部材に結合される支持部材により構成する
ことを特徴とする前記<1>から<4>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<8>
前記伝達部材は、
二つの前記加圧板と連結し、前記排出案内部材と結合する第一の支持部材と、
前記第一の支持部材と前記進入案内部材と結合する第二の支持部材と、を有し、
二つの前記加圧板と、前記第一の支持部材とは、
二つの前記加圧板の前記支点を結ぶ直線と、
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線と、
前記第一の支持部材とが、
平行になるように設定された平行リンク機構により構成する
ことを特徴とする前記<1>から<4>、<7>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<9>
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線方向に沿って、前記進入案内部材の先端位置と、前記排出案内部材の先端位置とが変化する
ことを特徴とする前記<2>から<4>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<10>
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記進入案内部材と前記排出案内部材とは、前記ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、前記ニップ部に近づかない方向に移動する
ことを特徴とする前記<2>から<4>、<9>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<11>
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、46°から137°の範囲である
ことを特徴とする前記<1>から<6>、<9>、<10>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<12>
前記伝達部材は、
前記加圧板、前記排出案内部材と結合している第一の支持部と、
前記第一の支持部および前記進入案内部材に結合している第二の支持部と、を有し、
前記第二の支持部は、
前記第一の支持部との結合部から延在する第一部分と、
前記進入案内部材との結合部から延在する第二部分と、
前記第一部分と前記第二部分とが交差する屈曲点と、を有し、
前記加圧板と、前記定着部材の中心と前記加圧部材との中心とを結ぶ直線とがなす角θは、
tan-1[(a-d)/b]≦ θ ≦ tan-1[(a-e)/(f-c)]
の範囲にあり、
前記a、b、c、d、eについて、
aは、前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板の前記支点から前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板が前記第一の支持部と結合する位置までの距離、
bは、前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板が前記第一の支持部と結合する位置から前記第一の支持部が前記排出案内部材と結合する位置までの距離、
cは、前記加圧部材から加圧力を受ける前記加圧板が前記第一の支持部と結合する位置から前記第一の支持部が前記第二の支持部と結合する位置までの距離、
dは、前記第一の支持部が前記排出案内部材と結合する位置から前記排出案内部材の先端位置までの距離、
eは、前記第一の支持部が前記第二の支持部と結合する位置から前記屈曲点までの距離、
fは、前記屈曲点から前記進入案内部材までの距離、と定義されることを特徴とする前記<1>から<6>、<9>から<11>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<13>
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線方向に沿って、前記進入案内部材の先端位置と、前記排出案内部材の先端位置とが変化する
ことを特徴とする前記<1>から<4>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<14>
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、前記加圧状態の位置と、前記減圧状態の位置との間で変化した場合に、
前記進入案内部材と、前記排出案内部材とは、前記ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線方向において、前記ニップ部に近づかない方向に移動する
ことを特徴とする前記<1>から<4>、<13>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<15>
前記定着部材の中心と前記加圧部材の中心とを結ぶ直線に対する、前記加圧板の角度が、90°から180°の範囲である
ことを特徴とする前記<1>から<4>、<7>、<8>、<13>、<14>のいずれか一つに記載の定着装置である。
<16>
前記<1>から<15>のいずれか一つに記載の定着装置を具備する画像形成装置である。
【符号の説明】
【0117】
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 ヒータ
4、30 転写ローラ
5 用紙
6 トナー画像
7 入口ガイド(進入案内部材)
8 出口ガイド(排出案内部材)
9、9a、9b カム
10、10a、10b 加圧アーム
11 加圧バネ
12 第一の支持アーム
13 第二の支持アーム
14、14a、14b 支点
15 ニップ部の入口と出口とを結ぶ直線
16 カム軸
17回転方向位置検知部材
18 光学センサ
19 モータ
20a、20b ウオームギア
21a、22b 平歯車
22 手動操作レバー
23 手動操作レバー動作方向(減圧時)
24 加圧アーム動作方向(減圧時)
25 ストッパー部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】