IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-発光素子 図1
  • 特開-発光素子 図2
  • 特開-発光素子 図3
  • 特開-発光素子 図4
  • 特開-発光素子 図5
  • 特開-発光素子 図6
  • 特開-発光素子 図7
  • 特開-発光素子 図8
  • 特開-発光素子 図9
  • 特開-発光素子 図10
  • 特開-発光素子 図11
  • 特開-発光素子 図12
  • 特開-発光素子 図13
  • 特開-発光素子 図14
  • 特開-発光素子 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109274
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20230801BHJP
   H01L 33/42 20100101ALI20230801BHJP
   H01L 33/44 20100101ALI20230801BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/42
H01L33/44
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010696
(22)【出願日】2022-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】藤本 拡二
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA04
5F241CA40
5F241CA88
5F241CA93
(57)【要約】
【課題】光取出効率が高い発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、第1半導体層と、活性層と、第2半導体層と、第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、第2半導体層の上面の一部に配置された第1絶縁膜と、第2半導体層の上面に配置された第2絶縁膜と、第2半導体層と電気的に接続され、第1絶縁膜及び第2絶縁膜を覆う透光性導電層と、透光性導電層の上面の一部に配置され、第2半導体層と電気的に接続された第2電極と、を備える。第1絶縁膜は、第2半導体層と第2電極との間に配置される。第2半導体層の屈折率と第2絶縁膜の屈折率との差の絶対値は、第2半導体層の屈折率と透光性導電層の屈折率との差の絶対値よりも小さい。第2半導体層の屈折率と第1絶縁膜の屈折率との差の絶対値は、第2半導体層の屈折率と透光性導電層の屈折率との差の絶対値よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の第1半導体層と、
前記第1半導体層の上面の一部に配置され、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、
前記第1半導体層の上面において前記第1電極が配置されていない領域に配置された活性層と、
前記活性層の上面に配置された第2導電型の第2半導体層と、
前記第2半導体層の上面の一部に配置された第1絶縁膜と、
前記第2半導体層の上面であって前記第1絶縁膜が配置されていない領域の一部に配置された第2絶縁膜と、
前記第2半導体層の上面に配置され、前記第2半導体層と電気的に接続され、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を覆う透光性導電層と、
前記透光性導電層の上面の一部に配置され、前記第2半導体層と電気的に接続された第2電極と、
を備え、
断面視において、前記第1絶縁膜は、前記第2半導体層と前記第2電極との間に配置され、
前記第2半導体層の屈折率と前記第2絶縁膜の屈折率との差の絶対値は、前記第2半導体層の屈折率と前記透光性導電層の屈折率との差の絶対値よりも小さく、
前記第2半導体層の屈折率と前記第1絶縁膜の屈折率との差の絶対値は、前記第2半導体層の屈折率と前記透光性導電層の屈折率との差の絶対値よりも大きい発光素子。
【請求項2】
断面視において、前記第1絶縁膜は、前記第1半導体層と前記第1電極との間に更に配置された請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1電極は、第1パッド部と、前記第1パッド部から延びた第1延伸部とを有し、
断面視において、前記第1絶縁膜は、前記第1半導体層と前記第1パッド部の間に更に配置された請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記第2電極は、第2パッド部と、前記第2パッド部から延びた第2延伸部とを有し、
断面視において、前記第1絶縁膜は、前記第2半導体層と前記第2パッド部との間及び前記第2半導体層と前記第2延伸部との間に配置され、前記第1半導体層と前記第1延伸部との間には配置されていない請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第1電極は、第1パッド部と、前記第1パッド部から延びた複数の第1延伸部とを有し、
前記第2電極は、第2パッド部と、前記第2パッド部から前記第1パッド部に向かう第1方向に前記第2パッド部から延びた第2延伸部とを有し、
上面視において、前記第2延伸部は、前記第1方向に直交する第2方向において、前記第2半導体層の上面のうち前記第1延伸部の間に位置する第1領域に配置され、
前記第1領域における前記第2絶縁膜の面密度は、前記第1領域を除く前記第2半導体層の上面の領域における前記第2絶縁膜の面密度よりも高い請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1電極は、第1パッド部と、前記第1パッド部から延びた第1延伸部とを有し、
前記第2電極は、第2パッド部と、前記第2パッド部から延びた複数の第2延伸部とを有し、
前記第1延伸部及び前記第2延伸部は、前記第2パッド部から前記第1パッド部に向かう第1方向に沿った部分を有し、
上面視において、前記第1パッド部と前記第1延伸部は、前記第1方向に直交する第2方向において、前記第2半導体層の上面のうち前記第2延伸部の間に位置する第2領域に配置され、
前記第2領域における前記第2絶縁膜の面密度は、前記第2領域を除く前記第2半導体層の上面の領域における前記第2絶縁膜の面密度よりも高い請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第2半導体層の形状は、上面視において矩形であり、
上面視において、前記第2絶縁膜は、前記第2半導体層の上面のうち前記第2半導体層の角部を除く領域に配置された請求項1~6のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項8】
上面視において、前記第2電極は、前記第2半導体層の上面の前記第1絶縁膜が配置された領域内に配置された請求項1~7のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項9】
前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第2絶縁膜の膜厚よりも厚い請求項1~8のいずれか1つに記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子として、p型半導体層、活性層及びn型半導体層を積層させた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が開発されている。このような発光素子においては、p型半導体層及びn型半導体層のそれぞれに接続された電極が発光素子の光取出面に配置される場合がある。このような場合においても、光取出効率の向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-100839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、光取出効率が高い発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に係る発光素子は、第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の上面の一部に配置され、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、前記第1半導体層の上面において前記第1電極が配置されていない領域に配置された活性層と、前記活性層の上面に配置された第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層の上面の一部に配置された第1絶縁膜と、前記第2半導体層の上面であって前記第1絶縁膜が配置されていない領域の一部に配置された第2絶縁膜と、前記第2半導体層の上面に配置され、前記第2半導体層と電気的に接続され、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を覆う透光性導電層と、前記透光性導電層の上面の一部に配置され、前記第2半導体層と電気的に接続された第2電極と、を備える。断面視において、前記第1絶縁膜は、前記第2半導体層と前記第2電極との間に配置される。前記第2半導体層の屈折率と前記第2絶縁膜の屈折率との差の絶対値は、前記第2半導体層の屈折率と前記透光性導電層の屈折率との差の絶対値よりも小さい。前記第2半導体層の屈折率と前記第1絶縁膜の屈折率との差の絶対値は、前記第2半導体層の屈折率と前記透光性導電層の屈折率との差の絶対値よりも大きい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、光取出効率が高い発光素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図2図1に示すII-II線による断面図である。
図3図1に示すIII-III線による断面図である。
図4】第1の実施形態に係る発光素子の動作を示す模式的な断面図である。
図5】比較例に係る発光素子を示す上面図である。
図6図5のVI-VI線による断面図である。
図7】比較例に係る発光素子の動作を示す模式的な断面図である。
図8】第1の実施形態の第1の変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図9】第1の実施形態の第2の変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図10】第1の実施形態の第3の変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図11】第2の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図12】第2の実施形態の変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図13】第3の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図14】第4の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図15】第5の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図2は、図1に示すII-II線による断面図である。
図3は、図1に示すIII-III線による断面図である。
なお、各図は模式的なものであり、適宜簡略化及び強調されている。例えば、一部の構成要素は、実際よりも少なく且つ大きく描かれている。また、図間において、構成要素の数、位置及び寸法比は必ずしも整合していない。後述する他の図においても同様である。また、図を見やすくするために、図1において、第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50にドットを付している。後述する他の上面図についても同様である。
【0009】
先ず、本実施形態に係る発光素子1の構成を概略的に説明する。
発光素子1は、n型の第1半導体層11と、第1半導体層11の上面の一部に配置され、第1半導体層11と電気的に接続された第1電極20と、第1半導体層11の上面において第1電極20が配置されていない領域に配置された活性層12と、活性層12の上面に配置されたp型の第2半導体層13と、第2半導体層13の上面13aの一部に配置された第1絶縁膜40と、第2半導体層13の上面13aであって第1絶縁膜40が配置されていない領域の一部に配置された第2絶縁膜50と、第2半導体層13の上面13aに配置され、第2半導体層13と電気的に接続され、第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50を覆う透光性導電層60と、透光性導電層60の上面の一部に配置され、第2半導体層13と電気的に接続された第2電極30と、を備える。断面視において、第1絶縁膜40は、第2半導体層13と第2電極30との間に配置される。第2半導体層13の屈折率と第2絶縁膜50の屈折率との差の絶対値は、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値よりも小さい。第2半導体層13の屈折率と第1絶縁膜40の屈折率との差の絶対値は、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値よりも大きい。
【0010】
以下、発光素子1の構成を詳細に説明する。
図1図3に示すように、発光素子1は、基板100上に配置されている。基板100の種類は特に限定されない。基板100は、例えば、半導体構造体10を結晶成長させるためのサファイア基板である。発光素子1の形状は概ね直方体である。発光素子1は、半導体構造体10、第1電極20、第2電極30、第1絶縁膜40、第2絶縁膜50、及び、透光性導電層60を有している。
【0011】
以下、本明細書においては、説明の便宜上、XYZ直交座標系を採用する。発光素子1の長手方向を「第1方向X」とし、発光素子1の短手方向を「第2方向Y」とし、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向を「第3方向Z」とする。第3方向Zのうち、基板100から発光素子1に向かう方向(+Z)を「上」ともいい、その逆方向(-Z)を「下」ともいうが、この表現も便宜的なものであり、重力の方向とは無関係である。また、本明細書において「上面視」とは上から見ることをいい、「断面視」とは第3方向Zを含む断面を見ることをいう。
【0012】
半導体構造体10は、基板100側から順に、第1半導体層11、活性層12、及び、第2半導体層13を有する。第1半導体層11の導電型は第1導電型であり、例えば、n型である。第2半導体層13の導電型は第2導電型であり、例えば、p型である。なお、第1半導体層11がp型であり、第2半導体層13がn型であってもよい。
【0013】
活性層12及び第2半導体層13には開口部14が配置されている。開口部14の底部には第1半導体層11が露出している。第1半導体層11の上面のうち開口部14の底部に露出した領域には、第1電極20が配置されている。第1電極20は、第1半導体層11の上面の一部に配置されている。活性層12は、第1半導体層11の上面において第1電極20が配置されていない領域に配置されている。第2半導体層13は、活性層12の上面に配置されている。開口部14を除けば、上面視で、第1半導体層11、活性層12及び第2半導体層13の形状は矩形である。
【0014】
第1電極20は、導電性材料からなる。第1電極20は、第1パッド部21と、第1パッド部21から延伸する第1延伸部22とを有する。第1パッド部21は、例えば、第1方向Xの+X側であって第2方向Yの中央部に配置されている。上面視で、第1パッド部21の形状は例えば円形である。本実施形態において、第1延伸部22は、2本配置されている。2本の第1延伸部22は、第1パッド部21から第2方向Yの両側に延び、弧を描いて延伸方向が連続的に変化し、第1方向Xに沿った直線部を有している。
【0015】
断面視で、第1半導体層11と第1パッド部21との間には、第1絶縁膜40の第1部分41が配置されている。上面視で、第1部分41の形状は例えば円形である。上面視において、第1部分41の直径は、第1電極20の第1パッド部21の直径よりも大きい。第1パッド部21は第1部分41上に配置されている。第1半導体層11と第1延伸部22との間には、第1絶縁膜40は配置されておらず、第1延伸部22は第1半導体層11に接している。第1延伸部22が第1半導体層11に接することにより、第1電極20は第1半導体層11に電気的に接続されている。
【0016】
第2半導体層13の上面13aの一部には、第1絶縁膜40の第2部分42、第3部分43及び第4部分44、並びに第2絶縁膜50が配置されている。第2絶縁膜50の材料は第1絶縁膜40の材料とは異なる。第1絶縁膜40の膜厚は第2絶縁膜50の膜厚よりも厚い。第2絶縁膜50は、第2半導体層13の上面13aであって第1絶縁膜40が配置されていない領域の一部に配置されている。第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50の平面配置については後述する。
【0017】
第2半導体層13の上面13aには、透光性導電層60が配置されている。透光性導電層60は開口部14内には配置されていない。透光性導電層60は、透光性であり且つ導電性である材料を用いることができる。透光性導電層60は、第2半導体層13に配置された第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50を覆い、第2半導体層13の上面13aにおける第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50が配置されていない領域に接している。これにより、透光性導電層60は第2半導体層13に電気的に接続されている。断面視で、第1絶縁膜40の第2部分42、第3部分43及び第4部分44、並びに、第2絶縁膜50は、第2半導体層13と透光性導電層60との間に配置されている。第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50は、第2半導体層13及び透光性導電層60に接している。
【0018】
透光性導電層60の上面の一部には、第2電極30が配置されている。第2電極30は、導電性材料からなる。第2電極30は、第2パッド部31と、第2パッド部31から延伸する第2延伸部32、33とを有する。本実施形態では、第2延伸部32、33は、例えば3本配置されている。第2パッド部31は、例えば、第1方向Xの-X側であって第2方向Yの中央部に配置されている。上面視で、第2パッド部31の形状は例えば円形である。
【0019】
1本の第2延伸部32は、第2パッド部31から第1方向Xの+X側に直線状に延びている。2本の第2延伸部33は、第2パッド部31から第2方向Yの両側に延び、弧を描いて延伸方向が連続的に変化し、第1方向Xに沿った直線部を有している。また、第2延伸部33は、第1方向Xに沿って延び、弧を描いて延伸方向が連続的に変化し、第2方向Yに沿った直線部を有している。第2延伸部33の一部は、第1パッド部21よりも第1方向Xの+X側に位置している。第1延伸部22の直線部は、第2方向Yにおいて、第2延伸部32と第2延伸部33との間に配置されている。
【0020】
上面視において、第2電極30の第2延伸部32は、第2方向Yにおいて、第2半導体層13の上面13aのうち第1電極20の2本の第1延伸部22の間に位置する第1領域R1に配置されている。また、上面視において、第1電極20の第1パッド部21と第1延伸部22は、第2方向Yにおいて、第2半導体層13の上面13aのうち第2電極30の2本の第2延伸部33の間に位置する第2領域R2に配置されている。第1領域R1は第2領域R2の一部である。
【0021】
第2パッド部31、第2延伸部32及び33は、透光性導電層60に接している。これにより、第2電極30は透光性導電層60を介して第2半導体層13に電気的に接続されている。
【0022】
第1絶縁膜40の詳細構造について説明する。
第1絶縁膜40は、第1部分41、第2部分42、第3部分43、及び第4部分44を有する。第2部分42、第3部分43、及び第4部分44は、第2半導体層13の上面13aに配置されている。断面視で、第2部分42は、第2半導体層13と第2パッド部31との間に配置されている。上面視で、第2部分42の形状は例えば円形である。第2部分42の直径は第2パッド部31の直径よりも大きい。第2パッド部31は第2部分42上に配置されている。
【0023】
断面視で、第3部分43は、第2半導体層13と第2延伸部32との間に配置されている。上面視で、第3部分43は、第1方向Xに沿った直線部を有する。第2延伸部32は第3部分43上に配置されている。第2方向Yにおいて、第3部分43の幅は第2延伸部32の幅よりも大きい。また、断面視で、第4部分44は、第2半導体層13と第2延伸部33との間に配置されている。上面視で、第4部分44は、第1方向Xに沿った直線部を有する。第2方向Yにおいて、第4部分44の幅は第2延伸部33の幅よりも大きい。第2延伸部33は第4部分44上に配置されている。
【0024】
このように、第2半導体層13と第2電極30との間には、第1絶縁膜40の第2部分42、第3部分43及び第4部分44が配置されている。そして、上面視において、第2電極30は、第2半導体層13の上面13aにおける第1絶縁膜40が配置された領域内に配置されている。これにより、第2電極30による光吸収を低減し、光取出効率を高くすることができる。
【0025】
第2絶縁膜50の詳細構造について説明する。
第2絶縁膜50は、例えば、複数のドット部分を有する。ドット部分は例えば相互に離隔している。上面視で、各ドット部分の形状は例えば円形状、楕円形状である。但し、これには限定されず、上面視で、各ドット部分の形状は、例えば多角形であってもよく、例えば三角形状又は四角形状であってもよい。また、隣り合うドット部分同士が連結していてもよい。例えば、第2絶縁膜50の複数のドット部分は、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。但し、これには限定されず、上面視で、第2絶縁膜50の複数のドット部分は、例えば同心円状に配置されていてもよい。又は、第2絶縁膜50は格子状に配置してもよい。
【0026】
本実施形態において、第2絶縁膜50は、第2半導体層13の上面13aにおける第1絶縁膜40及び開口部14が配置されていない領域に配置されている。
【0027】
各部材の材料及び寸法の一例を説明する。
半導体構造体10は、例えば窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)等の窒化物半導体を含む。第1電極20及び第2電極30は導電性材料からなり、例えば金属層が複数された多層膜である。第1電極20は、例えば、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)、銅(Cu)、金(Au)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)又はこれらの金属を含む合金を用いることができる。第2方向Yにおいて、第1電極20の第1延伸部22の幅、並びに、第2電極30の第2延伸部32、33の幅は、それぞれ例えば2μm以上5μm以下である。
【0028】
第1絶縁膜40は、例えば、酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)又は酸化ニオブ(Nb)からなり、例えば酸窒化シリコン(SiON)からなる。第1絶縁膜40の厚さは、例えば50nm以上500nm以下である。第1絶縁膜40の厚さは、例えば270nmである。第2方向Yにおいて、第1絶縁膜40の第3部分43の幅及び第4部分44の幅は、例えば5μm以上20μm以下である。第1絶縁膜40の第3部分43の幅及び第1絶縁膜40の第4部分44の幅は、例えばそれぞれ11μmである。
【0029】
第2絶縁膜50は、例えば、酸化タンタル(Ta)、窒化アルミニウム(AlN)又は窒化シリコン(SiN)からなり、例えば酸化タンタル(Ta)からなる。第2絶縁膜50の厚さは、例えば5nm以上100nm以下である。第2絶縁膜50の厚さは、例えば10nmである。第2絶縁膜50が複数のドット部分を有する場合、第2絶縁膜50の各ドット部分の直径は、例えば、2μm以上10μm以下である。第1絶縁膜40の厚さは、第2絶縁膜50の厚さよりも厚いことが好ましい。これにより、第1絶縁膜40と第2半導体層13との界面における反射効率を高くするとともに、第2絶縁膜50により透光性導電層60が断線することを低減することができる。第1絶縁膜40の厚さは、例えば第2絶縁膜50の厚さの10倍以上30倍以下であることが好ましい。第2半導体層13の上面からの透光性導電層60の厚さは、例えば10nm以上100nm以下である。透光性導電層60の厚さは、例えば60nmである。透光性導電層60は、例えば、ITO(Indium-Tin-Oxide:酸化インジウムスズ)からなる。
【0030】
第2半導体層13の屈折率n13と第2絶縁膜50の屈折率n50との差の絶対値(|n13-n50|)は、第2半導体層13の屈折率n13と透光性導電層60の屈折率n60との差の絶対値(|n13-n60|)よりも小さい。また、第2半導体層13の屈折率n13と第1絶縁膜40の屈折率n40との差の絶対値(|n13-n40|)は、第2半導体層13の屈折率n13と透光性導電層60の屈折率n60との差の絶対値(|n13-n60|)よりも大きい。
【0031】
例えば、第2半導体層13の主成分は窒化ガリウム(GaN)であり、屈折率n13は約2.4である。第1絶縁膜40は酸窒化シリコン(SiON)からなり、屈折率n40は約1.6である。第2絶縁膜50は酸化タンタル(Ta)からなり、屈折率n50は約2.2である。透光性導電層60はITOからなり、屈折率n60は約2.0である。
【0032】
したがって、第2半導体層13の屈折率n13(約2.4)と第2絶縁膜50の屈折率n50(約2.2)との差の絶対値(|n13-n50|)は約0.2である。第2半導体層13の屈折率n13(約2.4)と透光性導電層60の屈折率n60(約2.0)との差の絶対値(|n13-n60|)は約0.4である。第2半導体層13の屈折率n13(約2.4)と第1絶縁膜40の屈折率n40(約1.6)との差の絶対値(|n13-n40|)は約0.8である。
【0033】
このため、第2半導体層13の屈折率と第2絶縁膜50の屈折率との差の絶対値(約0.2)は、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値(約0.4)よりも小さい。また、第2半導体層13の屈折率と第1絶縁膜40の屈折率との差の絶対値(約0.8)は、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値(約0.4)よりも大きい。すなわち、下記数式(1)が成立する。
【0034】
|n13-n50|<|n13-n60|<|n13-n40| (1)
【0035】
次に、本実施形態に係る発光素子の動作について説明する。
図4は、本実施形態に係る発光素子の動作を示す模式的な断面図である。
【0036】
図4に示すように、発光素子1においては、光路L1で示すように、半導体構造体10の活性層12において発生した光の一部は、透光性導電層60を透過して外部に出射する。
【0037】
また、光路L2で示すように、半導体構造体10の活性層12において発生した光の他の一部は、第2半導体層13から第2絶縁膜50に屈折して入射し、第2絶縁膜50から透光性導電層60に屈折して入射し、透光性導電層60を透過して外部に出射する。このとき、第2半導体層13の屈折率と第2絶縁膜50の屈折率との差の絶対値は、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値よりも小さいため、第2半導体層13と第2絶縁膜50との界面においては、第2半導体層13と透光性導電層60との界面よりも、光が反射されにくい。仮に第2絶縁膜50が配置されていないと、第2半導体層13から透光性導電層60に入射した光は第2半導体層13と透光性導電層60との界面において反射されやすい。この結果、発光素子1の光取出効率が低くなる。
【0038】
更に、光路L2で示すように、活性層12から出射した光は、第2半導体層13と第2絶縁膜50との界面、及び、第2絶縁膜50と透光性導電層60との界面において屈折する。
【0039】
更にまた、光路L3で示すように、活性層12において発生した光の更に他の一部は、第2半導体層13と第1絶縁膜40との界面で反射され、半導体構造体10内を伝播した後、透光性導電層60を介して外部に出射する。仮に第1絶縁膜40が配置されていないと、活性層12において発生した光の更に他の一部は、第2半導体層13及び透光性導電層60を透過して第2電極30に到達し、第2電極30に到達した光の一部は第2電極30に吸収されてしまう。この結果、発光素子1の光取出効率が低くなる。
【0040】
また、発光素子1においては、電流経路I1で示すように、第2電極30から透光性導電層60内に流入した電流が、第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50によりXY平面に沿って拡がる。これにより、発光素子1における電流分布を改善することができる。
【0041】
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る発光素子1においては、断面視で、第2半導体層13と透光性導電層60との間に第2絶縁膜50が配置されており、第2半導体層13の屈折率と第2絶縁膜50の屈折率との差の絶対値が、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値よりも小さい。そのため、活性層12からの光が第2半導体層13から出射する際に、第2半導体層13と透光性導電層60との界面での反射を低減し、光取出効率を向上させることができる。
【0042】
更に、発光素子1においては、断面視で第2半導体層13と第2電極30との間に第1絶縁膜40が配置されている。第2半導体層13の屈折率と第1絶縁膜40の屈折率との差の絶対値は、第2半導体層13の屈折率と透光性導電層60の屈折率との差の絶対値よりも大きいため、第2半導体層13から出射して第1絶縁膜40に到達した光は、第2半導体層13と第1絶縁膜40との界面で反射されやすい。これにより、活性層12から出射した光が第2電極30に到達することを低減し、光が第2電極30に吸収されることを低減できる。第1絶縁膜40によって反射された光は、例えば、基板100と第1絶縁膜40との間で反射を繰り返して半導体構造体10内を伝播し、いずれ発光素子1から出射される可能性が高い。これによっても、光取出効率が向上する。
【0043】
更にまた、発光素子1においては、第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50により、第2電極30と第2半導体層13との電流経路I1がXY平面に沿って拡がるため、上面視で電流密度分布を均一に近づけ、発光素子1の発光強度分布を均一に近づけることができる。
【0044】
<比較例>
図5は、本比較例に係る発光素子を示す上面図である。
図6は、図5のVI-VI線による断面図である。
図7は、本比較例に係る発光素子の動作を示す模式的な断面図である。
【0045】
図5及び図6に示すように、本比較例に係る発光素子101は、第1の実施形態に係る発光素子1と比較して、第1絶縁膜40及び第2絶縁膜50が配置されていない点が異なっている。
【0046】
図7に示すように、発光素子101においても、光路L1で示すように、半導体構造体10の活性層12において発生した光の一部は、透光性導電層60を透過して外部に出射する。しかしながら、光路L4で示すように、半導体構造体10の活性層12において発生した光の他の一部は、第2半導体層13と透光性導電層60との界面において反射される。また、光路L5で示すように、活性層12において発生した光の更に他の一部は、透光性導電層60を介して第2電極30に入射し、第2電極30に吸収される。このため、本比較例に係る発光素子101の光取出効率は、第1の実施形態に係る発光素子1の光取出効率よりもが低くなる。
【0047】
また、電流経路I2で示すように、第2電極30と第2半導体層13との間の電流は、第2電極30と第2半導体層13とを最短距離で結ぶ領域に集中しやすい。このため、上面視で、電流密度分布が不均一となりやすく、発光素子101の発光強度分布が不均一となる。
【0048】
<第1の実施形態の第1の変形例>
図8は、本変形例に係る発光素子を示す上面図である。
本変形例においては、第1の実施形態と異なる部分を主として説明し、第1の実施形態と同様な構成、動作及び効果は、説明を省略する。後述する他の変形例及び実施形態についても同様である。
【0049】
図8に示すように、本変形例に係る発光素子1aにおいては、上面視で、第2領域R2における第2絶縁膜50の面密度が、第2領域R2を除く第2半導体層13の上面13aの領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高い。一例では、第2領域R2における第2絶縁膜50の面密度は、第2領域R2を除く第2半導体層13の上面13aの領域における第2絶縁膜50の面密度の約2倍である。
【0050】
第2絶縁膜50の面密度とは、単位面積当たりの第2絶縁膜50が占める割合である。例えば、第2絶縁膜50が複数のドット部分を有する場合は、ドット部分の数が一定であれば、各ドット部分の面積が大きいほど第2絶縁膜50の面密度は増加し、各ドット部分の面積が一定であれば、ドット部分の数が多いほど第2絶縁膜50の面密度は増加する。また、第1の実施形態において説明したように、第2領域R2は、第2方向Yにおいて、第2半導体層13の上面13aのうち第2電極30の2本の第2延伸部33の間に位置する領域である。
【0051】
本変形例では、第2領域R2における第2絶縁膜50の面密度を、第2領域R2を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高くしている。これにより、第2領域R2以外の領域に比較して高い電流密度となりやすい第2領域R2における光取出効率を向上させつつ、第2領域R2以外の領域における第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0052】
<第1の実施形態の第2の変形例>
図9は、本変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図9に示すように、本変形例に係る発光素子1bにおいては、上面視で、第1領域R1における第2絶縁膜50の面密度が、第1領域R1を除く第2半導体層13の上面13aの領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高い。一例では、第1領域R1における第2絶縁膜50の面密度は、第2半導体層13の上面13aのうち第1領域R1を除く領域における第2絶縁膜50の面密度の約2倍である。第1の実施形態において説明したように、第1領域R1は、第2方向Yにおいて、第2半導体層13の上面13aのうち第1電極20の一対の第1延伸部22の間に位置する領域である。
【0053】
本変形例では、第1領域R1における第2絶縁膜50の面密度を、第1領域R1を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高くしている。これにより、第1領域R1以外の領域に比較して高い電流密度となりやすい第1領域R1における光取出効率を向上させつつ、第1領域R1以外の領域における第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0054】
<第1の実施形態の第3の変形例>
図10は、本変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図10に示すように、本変形例に係る発光素子1cにおいては、上面視で、第3領域R3における第2絶縁膜50の面密度が、第3領域R3を除く第2半導体層13の上面13aの領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高い。一例では、第3領域R3における第2絶縁膜50の面密度は、第2半導体層13の上面13aのうち第3領域R3を除く領域における第2絶縁膜50の面密度の約2倍である。第3領域R3とは、第1領域R1において、第1方向Xの中央部に位置する領域であり、例えば、第1方向Xを長軸とする楕円形の領域である。第2方向Yにおける第3領域R3の長さは第1領域R1の長さと同じであり、第1方向Xにおける第3領域R3の長さは第1領域R1の長さよりも短い。このため、第3領域R3の外縁のうち、第2方向Yの両端部は第1領域R1の外縁に達し、それ以外の部分は第1領域R1の内部に位置している。図10に示す例では、第2電極30の第2延伸部32の先端は、第3領域R3の内部に位置する。なお、第3領域R3の形状は、長円形又は矩形であってもよい。第3領域R3は第1領域R1の一部である。
【0055】
本変形例では、第1領域R1のうち電流密度がより高くなりやすい第3領域R3における第2絶縁膜50の面密度を、第3領域R3を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高くしている。これにより、第3領域R3における光取出効率を向上させつつ、第3領域R3以外の領域における第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0056】
<第2の実施形態>
図11は、本実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図11に示すように、本実施形態に係る発光素子2は、第1の実施形態に係る発光素子1と比較して、上面視において、第2絶縁膜50が、第2半導体層13の上面13aのうち第2半導体層13の角部R4を除く領域に配置されている点が異なっている。すなわち、発光素子2においては、4つの角部R4には第2絶縁膜50は配置されていない。本実施形態においては、上面視で、各角部R4の形状は直角三角形である。
【0057】
第1電極20及び第2電極30が配置されていない角部R4は、他の領域に比較して低い電流密度となる領域である。本実施形態においては、角部R4以外の領域に第2絶縁膜50を配置し、角部R4に第2絶縁膜50を配置しないことにより、光取出効率を向上させつつ、角部R4における第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0058】
<第2の実施形態の変形例>
図12は、本変形例に係る発光素子を示す上面図である。
図12に示すように、本変形例に係る発光素子2aにおいては、第2半導体層13の4つの角部R5には第2絶縁膜50は配置されていない。第1電極20及び第2電極30が配置されていない角部R5は、上述した角部R4と同様に、他の領域に比較して低い電流密度となる領域である。本変形例においては、上面視で、各角部R5の形状は矩形である。また、第2領域R2における第2絶縁膜50の面密度が、第2半導体層13の上面13aのうち角部R5及び第2領域R2を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高い。これにより、第2の実施形態の発光素子2と同様に、光取出効率を向上させつつ、角部R5における第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0059】
<第3の実施形態>
図13は、本実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図13に示すように、本実施形態に係る発光素子3は、第1の実施形態に係る発光素子1と比較して、上面視において、第2絶縁膜50が、第2領域R2のみに配置されている点が異なっている。これにより、第2領域R2における光取出効率を向上させつつ、第2領域R2以外の領域において第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0060】
なお、本実施形態において、第1領域R1における第2絶縁膜50の面密度を、第2領域R2のうち第1領域R1を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高くしてもよい。また、第3領域R3における第2絶縁膜50の面密度を、第2領域R2のうち第3領域R3を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高くしてもよい。
【0061】
<第4の実施形態>
図14は、本実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図14に示すように、本実施形態に係る発光素子4は、第1の実施形態に係る発光素子1と比較して、上面視において、第2絶縁膜50が、第1領域R1のみに配置されている点が異なっている。これにより、第1領域R1における光取出効率を向上させつつ、第1領域R1以外の領域において第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0062】
なお、本実施形態において、第3領域R3における第2絶縁膜50の面密度を、第1領域R1のうち第3領域R3を除く領域における第2絶縁膜50の面密度よりも高くしてもよい。
【0063】
<第5の実施形態>
図15は、本実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図15に示すように、本実施形態に係る発光素子5は、第1の実施形態に係る発光素子1と比較して、上面視において、第2絶縁膜50が、第3領域R3のみに配置されている点が異なっている。これにより、第3領域R3における光取出効率を向上させつつ、第3領域R3以外の領域において第2半導体層13と透光性導電層60との接触面積を確保し順方向電圧の悪化を低減することができる。
【0064】
前述の各実施形態及びその変形例は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態及び変形例には限定されない。例えば、前述の各実施形態及び各変形例において、いくつかの構成要素を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。また、前述の各実施形態及び各変形例は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0065】
例えば、第2絶縁膜50の面密度は、3段階以上に設定してもよい。例えば、第3領域R3における第2絶縁膜50の面密度を最も高くし、第1領域R1における第2絶縁膜50の面密度を次に高くし、第2領域R2における第2絶縁膜50の面密度を次に高くし、第2半導体層13の上面13aにおける第2領域R2及び角部R4又はR5を除く領域における第2絶縁膜50の面密度を最も低くし、角部R4又はR5には第2絶縁膜50を配置しない形態としてもよい。発光素子における発光強度分布を均一に近づけるためには、上面視で、発光素子の中央部分における第2絶縁膜50の面密度を高くし、発光素子の周辺に向かうほど第2絶縁膜50の面密度を低くすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、例えば、照明装置及び表示装置の光源等に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1、1a、1b、1c、2、2a、3、4、5:発光素子
10:半導体構造体
11:第1半導体層
12:活性層
13:第2半導体層
13a:第2半導体層の上面
14:開口部
20:第1電極
21:第1パッド部
22:第1延伸部
30:第2電極
31:第2パッド部
32、33:第2延伸部
40:第1絶縁膜
41:第1部分
42:第2部分
43:第3部分
44:第4部分
50:第2絶縁膜
60:透光性導電層
100:基板
101:発光素子
I1、I2:電流経路
L1、L2、L3、L4、L5:光路
R1:第1領域
R2:第2領域
R3:第3領域
R4:角部
R5:角部
X:第1方向
Y:第2方向
Z:第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15