(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010937
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】無線周波数トランジスタ増幅器及び絶縁構造を有する他のマルチセルトランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20230113BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20230113BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230113BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
H01L29/80 E
H01L29/80 H
H01L21/88 S
H01L29/44 S
H01L29/44 Z
H01L29/78 301B
H01L29/78 301W
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187067
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2021502815の分割
【原出願日】2019-07-18
(31)【優先権主張番号】16/039,703
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/208,940
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラング、フランク
(72)【発明者】
【氏名】ムー、キアンリ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ハエドン
(72)【発明者】
【氏名】モケティ、ズラーズミ
(57)【要約】
【課題】マルチセルトランジスタを提供する。
【解決手段】マルチセルトランジスタは、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の第1の方向に延伸し、第2の方向に沿って互いに離間する複数のユニットセルトランジスタと、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間に位置決めされ、半導体構造の上で延伸する絶縁構造とを含む。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造と、
電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、前記半導体構造の第1の方向に延伸し、第2の方向に沿って互いに離間している複数のユニットセルトランジスタと、
前記複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと前記複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間に位置決めされた絶縁構造と
を備えるマルチセルトランジスタであって、
前記絶縁構造は、前記複数のユニットセルトランジスタの前記第1のグループと前記複数のユニットセルトランジスタの前記第2のグループとの間で垂直に延伸する絶縁要素を備え、前記複数のユニットセルトランジスタの前記第1のグループと前記複数のユニットセルトランジスタの前記第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成されている、マルチセルトランジスタ。
【請求項2】
前記絶縁構造は、前記半導体構造の上にある、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項3】
前記複数のユニットセルトランジスタの前記第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の前記第2の方向の第1の距離は、前記複数のユニットセルトランジスタの前記第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタと前記複数のユニットセルトランジスタの前記第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタとの間の前記第2の方向の第2の距離より小さく、前記第2のユニットセルトランジスタは、前記第1のユニットセルトランジスタに隣接する、請求項1又は2に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項4】
前記絶縁構造は、基準信号に電気的に接続されている、請求項1~3の何れか一項に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項5】
前記絶縁構造は、金属パッドを更に備え、前記絶縁要素は、前記金属パッドに電気的に接続されている、請求項1~4の何れか一項に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項6】
前記絶縁要素は、前記金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える、請求項5に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項7】
前記絶縁構造は、前記金属パッドと前記半導体構造との間に配置された複数のビアを含む、請求項5に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項8】
前記絶縁要素を含む壁構造を更に備える、請求項1~7の何れか一項に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項9】
前記絶縁要素は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料を含む、請求項8に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項10】
前記複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタのゲートに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、
前記第1のユニットセルトランジスタのドレインに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、
前記入力ボンドワイヤと前記出力ボンドワイヤとの間の二次絶縁材料と
を更に備える、請求項1~9の何れか一項に記載のマルチセルトランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2018年7月19日に出願された米国特許出願第16/039,703号の一部継続出願であり、優先権を主張する、2018年12月4日に出願された米国特許出願第16/208,940号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書で説明される本発明の概念は、超小型電子デバイス、より具体的には、ユニットセルベースの構造を有するトランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、無線周波数(500MHz)、Sバンド(3GHz)、Xバンド(10GHz)のような高周波で動作する一方で高出力処理能力を要求する電気回路が普及している。高出力、高周波回路の増加によって、高出力負荷を処理することができる一方で、無線及びマイクロ波周波数で確実に動作することができるトランジスタ増幅器の需要がそれに応じて増加している。
【0004】
電界効果トランジスタは、半導体構造で形成されるよく知られたタイプのトランジスタである。ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域が半導体材料に提供され、チャネル領域は、ソース領域とドレイン領域との間にある。多くの場合にゲートフィンガーと呼ばれるゲート電極が、チャネル領域の上に形成される。ゲートフィンガーは、例えば、半導体材料、金属、又は金属合金のような導電性材料で形成されてもよい。ソースコンタクトが、ソース領域に電気的に接続され、ドレインコンタクト(多くの場合に「ドレインフィンガー」と呼ばれる)が、ドレイン領域に電気的に接続される。
【0005】
トランジスタの電力処理能力が、トランジスタのゲート周辺の関数であってもよく、より大きいゲート周辺が、増加した電力処理能力に対応する。トランジスタのゲート周辺とは、ゲートフィンガーがソース領域とドレイン領域との間で延伸する距離を指す。この距離はまた、ゲートフィンガーの「幅」と呼ばれる。この結果、ゲートフィンガーの幅を大きくすることが、トランジスタのゲート周辺、従って電力処理能力を増加させるための1つの技術である。トランジスタの実効ゲート周辺を増加させるための別の技術は、マルチセルトランジスタを形成するためのユニットセル構成において電気的に並列に接続された複数のトランジスタセルを提供することである。例えば、高出力マルチセルトランジスタは、互いに平行に延伸する複数のゲートフィンガーを含んでもよい。各ゲートフィンガーは、個別のユニットセルトランジスタを画定してもよい。
【0006】
図1は、従来のマルチセルトランジスタ1の概略平面図である。
図1に示されるように、従来のトランジスタ1は、半導体構造10上に形成された複数のゲートフィンガー30、複数のソースフィンガー40、及び複数のドレインフィンガー50を含む。ゲートフィンガー30は、第1の方向(例えば、
図1のy方向)に沿って互いに離間し、第2の方向(例えば、
図1のx方向)に延伸する。ゲートフィンガー30は、ゲートマンドレル32を介して互いに電気的に接続される。ソースフィンガー40は、第1の方向に沿って互いに離間し、第2の方向に延伸する。ソースフィンガー40は、ビア又は他の構造(
図1では見えない)を介して互いに電気的に接続されてもよく、トランジスタ1の下側のソースコンタクト(
図1では見えない)に電気的に接続されてもよい。ドレインフィンガー50は、同様に、第1の方向に沿って互いに離間し、第2の方向に延伸し、ドレインマンドレル52を介して互いに電気的に接続される。各ゲートフィンガー30は、隣接するソースフィンガー40とドレインフィンガー50とのペアの間でx方向に延伸する。ゲートフィンガー30、ソースフィンガー40、及びドレインフィンガー50はそれぞれ、金属又は金属合金のような導電性材料を含んでもよい。
【0007】
図1では、代表的なユニットセルトランジスタ1が、ボックス60に示され、ゲートフィンガー30、ゲートフィンガー30の両側のソースフィンガー40及びドレインフィンガー50、並びにゲートフィンガー30、ソースフィンガー40、及びドレインフィンガー50の下にある半導体構造10の部分を含んでもよい。多くの場合に、1つ以上のソースフィンガー40及び/又はドレインフィンガー50(並びに、ソースフィンガー40及びドレインフィンガー50の下にある半導体構造10のソース領域及び/又はドレイン領域)は、2つの隣接するゲートフィンガー30によって共有されてもよい。
図1に示されるように、このような場合には、各ユニットセルトランジスタ60は、共有ソースフィンガー40の半分及び共有ドレインフィンガー50の半分を含むと見なされてもよい。「ゲート長」は、ゲートフィンガー30のy方向の距離を指し、一方、「ゲート幅」は、ゲートフィンガー30がその関連するソースフィンガー40及びドレインフィンガー50とx方向に(平面図で)重なる距離である。多くの用途では、「ゲート幅」は「ゲート長」よりはるかに大きいことに留意すべきである。マルチセルトランジスタ1のゲート周辺は、その各ユニットセルトランジスタ60のゲート幅の合計である。
【0008】
電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタを含むマルチセルトランジスタは、DC増幅器、RF増幅器、スイッチ、等のような様々な異なる用途で使用されてもよい。マルチセルトランジスタは、ユニットセル構造がデバイスの電力処理能力を増加させるため、高い電力処理能力を要求する用途で多くの場合に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第16/032,571号
【特許文献2】米国特許出願第16/208,821号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】S. C. Cripps, "RF Power Amplifiers for Wireless Communications," Artech House, 2006
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書で説明される様々な実施形態は、トランジスタデバイスのユニットセル間の絶縁を高めるトランジスタデバイスを提供する。絶縁は、ギャップ、金属パッド、絶縁構造、又はそれらの任意の組み合わせによって提供されてもよい。
【0012】
本発明の実施形態によれば、マルチセルトランジスタは、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の第1の方向に延伸し、第2の方向に沿って互いに離間する複数のユニットセルトランジスタと、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間に位置決めされた絶縁構造とを備える。
【0013】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、半導体構造の上にある。
【0014】
幾つかの実施形態では、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の第2の方向の第1の距離は、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタとの間の第2の方向の第2の距離より小さく、第2のユニットセルトランジスタは、第1のユニットセルトランジスタに隣接する。
【0015】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、基準信号に電気的に接続される。
【0016】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、金属パッドと、金属パッドに電気的に接続された壁構造とを更に備える。
【0017】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える。
【0018】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数の第2の水平壁セグメントと接続された複数の第1の垂直壁セグメントを備える。
【0019】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、金属パッドと半導体構造との間に配置された複数のビアを含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、複数のユニットセルトランジスタの1つのソース領域に電気的に接続される。
【0021】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成された絶縁材料を含む壁構造を更に備える。
【0022】
幾つかの実施形態では、絶縁材料は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料である。
【0023】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタのゲートに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、第1のユニットセルトランジスタのドレインに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間の二次絶縁材料とを更に備える。
【0024】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、壁構造を更に備え、二次絶縁材料は、壁構造に電気的に接続される。
【0025】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、二次絶縁材料及び壁構造の上のプラスチックオーバーモールドを更に備える。
【0026】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、絶縁構造の金属パッドに電気的に接続されたボンドワイヤを備える壁構造と、ボンドワイヤに電気的に接続された絶縁材料とを更に備える。
【0027】
本発明の実施形態によれば、マルチセルトランジスタは、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の上面で第1の方向に延伸するゲートフィンガーを含み、ゲートフィンガーは、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループで半導体構造の上面に配置される、複数のユニットセルトランジスタと、隣接するグループの各ペア間の半導体構造の上面のそれぞれの絶縁構造とを備える。
【0028】
幾つかの実施形態では、各それぞれの絶縁構造は、金属パッドと、金属パッドから垂直に延伸する壁構造とを備える。
【0029】
幾つかの実施形態では、各絶縁構造は、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタの第2の方向の長さを超える第2の方向のそれぞれの長さを有する。
【0030】
幾つかの実施形態では、各絶縁構造は、各それぞれの金属パッドを半導体構造のソース領域に物理的及び電気的に接続する複数のビアを更に含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える。
【0032】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数のグループの第1のグループと第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成された絶縁材料を含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、絶縁材料は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料である。
【0034】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドに電気的に接続される。
【0035】
幾つかの実施形態では、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の上面で第1の方向に延伸するドレインフィンガーを備え、マルチセルトランジスタは、ゲートフィンガーの少なくとも1つに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、ドレインフィンガーの少なくとも1つに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間で第2の方向に延伸する二次絶縁材料とを更に備える。
【0036】
幾つかの実施形態では、二次絶縁材料は、絶縁構造の少なくとも1つの壁構造に電気的に接続される。
【0037】
幾つかの実施形態では、各それぞれの絶縁構造は壁構造を備え、二次絶縁材料は第2の方向に延伸し、壁構造は第1の方向に延伸する。
【0038】
本発明の実施形態によれば、トランジスタデバイスは、電気的に並列に接続され、第2の方向に沿って離間する複数のユニットセルトランジスタ、及び複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間に位置決めされ、第1の方向に延伸する第1の絶縁構造を含むマルチセルトランジスタと、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタのゲートに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、第1のユニットセルトランジスタのドレインに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間で第2の方向に延伸する第2の絶縁構造とを備える。
【0039】
幾つかの実施形態では、トランジスタデバイスは、第1の絶縁構造の金属パッドを複数のユニットセルトランジスタの少なくとも1つのソース領域に電気的に接続する複数のビアを更に含む。
【0040】
幾つかの実施形態では、第1の絶縁構造は、基準信号に電気的に接続された金属パッドと、金属パッドに電気的に接続された壁構造とを備え、第2の絶縁構造は、壁構造に電気的に接続される。
【0041】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える。
【0042】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数の第2の水平壁セグメントに接続された複数の第1の垂直壁セグメントを備える。
【0043】
幾つかの実施形態では、トランジスタデバイスは、第2の絶縁構造及び壁構造の上にプラスチックオーバーモールドを更に備える。
【0044】
幾つかの実施形態では、第2の絶縁構造は壁構造の上にある。
【0045】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成された絶縁材料を含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、絶縁材料は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料である。
【0047】
幾つかの実施形態では、第1の方向は、第2の方向に直交する。
【0048】
本発明の実施形態によれば、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の第1の方向に延伸する、複数のユニットセルトランジスタとを備えるマルチセルトランジスタが提供される。複数のユニットセルトランジスタは、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループで配置される。複数のグループの第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の第2の方向の第1の距離は、第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタと複数のグループの第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタとの間で第2の方向の第2の距離より小さく、第2のユニットセルトランジスタは、第1のユニットセルトランジスタに隣接する。
【0049】
幾つかの実施形態では、第2の距離は、それぞれの第1の距離の各々より少なくとも3倍大きくてもよい。他の実施形態では、第2の距離は、それぞれの第1の距離の各々より少なくとも5倍大きくてもよい。更なる実施形態では、第2の距離は、それぞれの第1の距離の各々より少なくとも8倍大きくてもよい。複数のグループの少なくとも2つは、それぞれ少なくとも20個のユニットセルトランジスタを含んでもよい。
【0050】
幾つかの実施形態では、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の上で第1の方向に延伸するゲートフィンガー、並びにゲートフィンガーの下で延伸する半導体構造のチャネル領域、半導体構造のソース領域、及びチャネル領域の反対側で平行に延伸する半導体構造のドレイン領域を更に含んでもよい。ドレインフィンガーが、ドレイン領域に亘って半導体構造の上で第1の方向に延伸してもよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタはまた、第1のグループと第2のグループとの間で第1の方向に半導体構造の上で延伸する金属絶縁構造を含んでもよい。金属絶縁構造は金属パッドを含んでもよい。金属絶縁構造はまた、金属パッドと半導体構造との間に配置された複数のビアを含んでもよい。幾つかの実施形態では、金属絶縁構造は、金属パッドの上面に接合された1つ以上のボンドワイヤを更に含んでもよい。金属絶縁構造は、複数のユニットセルトランジスタのソース領域に電気的に接続されてもよい。その上、幾つかの実施形態では、金属パッドは、ゲートフィンガーより半導体構造の上方にあってもよい。
【0052】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、無線周波数電力増幅器であってもよい。
【0053】
幾つかの実施形態では、各ユニットセルトランジスタは、横方向拡散金属酸化物半導体トランジスタを含んでもよい。他の実施形態では、各ユニットセルトランジスタは、高電子移動度トランジスタを含んでもよい。
【0054】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、複数のゲートランナーであって、各ゲートランナーは、少なくとも1つの第1の導電性ビアを介してゲートフィンガーのそれぞれの1つに電気的に接続される、複数のゲートランナーと、複数のゲートランナーのそれぞれに電気的に接続される複数のゲート相互接続部とを更に含んでもよい。複数のゲートランナーの少なくとも1つは、少なくとも1つのゲートランナーの第1の端部及び第2の端部から離れる少なくとも1つのゲートランナーの内部位置に接続する第2の導電性ビアによって複数のゲート相互接続部の1つに接続されてもよい。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのゲートランナーの内部位置は、少なくとも1つのゲートランナーの第1の端部と第2の端部との間の距離の1/3~2/3の間であってもよい。
【0055】
幾つかの実施形態では、ゲートフィンガーの第1の部分が、第1のセグメント及び第2のセグメントを含み、それらの間にギャップがあってもよい。
【0056】
本発明の更なる実施形態によれば、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタとを含むマルチセルトランジスタが提供される。各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の上面で第1の方向に延伸するゲートフィンガーを含み、ゲートフィンガーは、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループで半導体構造の上面に配置される。それぞれの金属絶縁構造が、隣接するグループの各ペア間の半導体構造の上面に提供され、各金属絶縁構造は、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタの第2の方向の長さを超える第2の方向のそれぞれの長さを有する。
【0057】
幾つかの実施形態では、複数のグループの第1のグループの第1のゲートフィンガーは、第1のグループの第2のゲートフィンガーと複数のグループの第2のグループの第1のゲートフィンガーとの間にあって、且つそれらの両方に隣接してもよく、第1のグループの第1のゲートフィンガーと第2のグループの第1のゲートフィンガーとの間の第2の方向の第1の距離は、第1のグループの第1のゲートフィンガーと第1のグループの第2のゲートフィンガーとの間の第2の距離の少なくとも3倍より大きくてもよい。
【0058】
幾つかの実施形態では、各金属絶縁構造は、それぞれの金属パッドを含んでもよい。各金属絶縁構造は、各それぞれの金属パッドを半導体構造のソース領域のそれぞれの1つに物理的及び電気的に接続する複数のビアを更に含んでもよい。各金属絶縁構造は、それぞれの金属絶縁構造の金属パッドの上面に接合されたボンドワイヤを更に(又は選択的に)含んでもよい。
【0059】
幾つかの実施形態では、ゲートフィンガーは、半導体構造の上で第1の距離で配置されてもよく、金属パッドは、半導体構造の上で第1の距離より大きい第2の距離で配置されてもよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、無線周波数電力増幅器を含んでもよく、複数のユニットセルトランジスタは、横方向拡散金属酸化膜半導体トランジスタ又は高電子移動度トランジスタの何れかを含んでもよい。
【0061】
本発明の更なる実施形態によれば、半導体構造と、電気的に並列に接続され、第2の方向に沿って離間する複数のユニットセルトランジスタであって、複数のグループで配置される複数のユニットセルトランジスタを含むマルチセルトランジスタを提供する。各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の第1の方向に延伸するチャネル領域、チャネル領域の第1の側で半導体構造の第1の方向に延伸するソース領域、第1の側とは反対側のチャネル領域の第2の側で半導体構造の第1の方向に延伸するドレイン領域、チャネル領域の上で第1の方向に延伸するゲートフィンガー、及びドレイン領域の上で第1の方向に延伸するドレインフィンガーを備える。金属パッドが、複数のグループの第1のグループと複数のグループの第2のグループとの間で半導体構造の上面に提供され、金属パッドは、第1及び第2の方向に延伸し、複数のユニットセルトランジスタのソース領域に電気的に接続される。金属パッドは、ゲートフィンガーより半導体構造の上方に位置決めされる。
【0062】
幾つかの実施形態では、第1のグループの隣接するユニットセルトランジスタのペアのゲートフィンガーは、第2の方向に第1の距離だけ離間してもよく、第1のグループの別のユニットセルトランジスタのゲートフィンガーは、複数のグループの第2のグループにある隣接するユニットセルトランジスタのゲートフィンガーから、第2の方向に第1の距離より少なくとも3倍大きい第2の距離だけ離間してもよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、金属パッドと金属パッドを複数のユニットセルトランジスタのソース領域に電気的に接続する半導体構造との間に配置された複数のビアを更に含んでもよい。幾つかの実施形態では、金属パッドの上面にそれぞれ接合された第1の端部及び第2の端部を有するボンドワイヤがまた提供されてもよい。
【0064】
本発明の更なる実施形態によれば、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の(同様に半導体構造の上で)第1の方向に延伸する、複数のユニットセルトランジスタとを含むマルチセルトランジスタが提供される。複数のユニットセルトランジスタは、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループで配置され、複数のグループの第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタの同様のフィンガー間の第2の方向の第1の距離は、第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタ及び複数のグループの第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタの同様のフィンガー間の第2の方向の第2の距離より小さく、第2のユニットセルトランジスタは、第1のユニットセルトランジスタに隣接する。
【0065】
幾つかの実施形態では、同様のフィンガーは、ゲートフィンガーであってもよい。他の実施形態では、同様のフィンガーは、ソースフィンガーであってもよい。更なる他の実施形態では、同様のフィンガーは、ドレインフィンガーであってもよい。第2の距離は、第1の距離より、例えば、少なくとも3倍、少なくとも5倍、又は少なくとも8倍大きくてもよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、第1のグループのユニットセルトランジスタの全ては、第1のグループの隣接するユニットセルトランジスタから第1の距離だけ離間してもよい。
【0067】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、第1のグループと第2のグループとの間で第1の方向に半導体構造の上で延伸する金属絶縁構造を更に含んでもよい。金属絶縁構造は、金属パッドを含んでもよく、金属パッドと半導体構造との間に配置された複数のビア、及び/又は金属パッドの上面に接合されたボンドワイヤを更に含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】従来のマルチセルトランジスタの概略平面図である。
【
図2A】本発明の実施形態によるマルチセルトランジスタの平面図である。
【
図4A】
図2A~
図2Fのマルチセルトランジスタの1つの可能な半導体構造を表す、横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)トランジスタのユニットセルの断面図である。
【
図4B】
図2A~
図2Fのマルチセルトランジスタの別の可能な半導体構造を表す、高電子移動度トランジスタ(HEMT)のユニットセルの断面図である。
【
図5A】ゲート相互接続部を含む本発明の更なる実施形態によるマルチセルトランジスタの平面図である。
【
図6A】壁構造を含む絶縁構造の実施形態を示す
図2Aの線E-E’に沿って取られた断面図である。
【
図6B】壁構造を含む絶縁構造の実施形態を示す
図2Aの線E-E’に沿って取られた断面図である。
【
図6C】壁構造を含む絶縁構造の実施形態を示す
図2Aの線E-E’に沿って取られた断面図である。
【
図6D】壁構造を含む絶縁構造の実施形態を示す
図2Aの線E-E’に沿って取られた断面図である。
【
図7A】マルチセルトランジスタの入力接合と出力接合との間の追加の絶縁部を含む、本発明の更なる実施形態によるマルチセルトランジスタの平面図である。
【
図8A】マルチセルトランジスタの入力接合と出力接合との間の追加の絶縁部を含む、本発明の追加の実施形態の
図7Aの線G-G’に沿った断面図である。
【
図8B】マルチセルトランジスタの入力接合と出力接合との間の追加の絶縁部を含む、本発明の追加の実施形態の
図7Aの線H-H’に沿った断面図である。
【
図9】プラスチックオーバーモールドを組み込んだマルチセルトランジスタの
図7Aの線G-G’に沿った断面図である。
【
図10】壁構造が二次絶縁材料から分離するマルチセルトランジスタの
図7Aの線G-G’に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
マルチセルトランジスタの電力処理能力は、トランジスタのゲート周辺の関数であってもよく、より大きいゲート周辺が、一般的により高い電力処理能力に対応する。
図1を再び参照すると、マルチセルトランジスタのゲート周辺は、2つの方法で増加してもよい。第1に、ゲートフィンガー30がより広くされてもよい(すなわち、
図1のx方向に更に延伸する)。第2に、ゲートフィンガー30の数が増加してもよい。残念ながら、ゲート周辺を増加させるための両方の技術には欠点がある場合がある。第1の技術に対して、ゲートフィンガー30がより広くされる(すなわち、
図1のx方向に延伸する)と、トランジスタ1の高周波性能が悪影響を受ける場合がある。加えて、ゲートフィンガー30をより広くすることは、通常、ゲートフィンガー30が増加した電流レベルを処理しなければならないことを意味し、これは、ゲートフィンガーメタライゼーションのエレクトロマイグレーションを引き起こす場合がある。第2の技術に対して、ゲートフィンガーの数を増加させることは、マルチセルトランジスタの性能が低下する場合があることが見出された。例えば、マルチセルトランジスタ電力増幅器では、ゲートフィンガーの数を増加させることは、トランジスタのDCからRFへの電力変換効率を低下するように機能する。
【0070】
ゲートフィンガー30の数が増加した場合に観察されたDCからRFへの電力変換効率の低下は、ユニットセルトランジスタのゲートフィンガー30(又はゲートフィンガー30のグループ)間の相互結合の結果である場合があることが発見された。この相互結合は、容量結合及び誘導結合の両方を含む場合がある。本発明の実施形態によれば、ユニットセルトランジスタがグループに分割され、グループ間の相互結合を低減させるために、追加の物理的間隔及び/又は絶縁構造がグループ間に配置されてもよい、マルチセルトランジスタが提供される。相互結合を低減させることによって、マルチセルトランジスタに含まれるゲートフィンガーの数が増加してもよく、それによってトランジスタのゲート周辺、従ってその電力処理能力を増加させることが見出された。この改善された電力処理能力は、良好な性能特性を維持しながら達成されてもよい。
【0071】
本発明の幾つかの実施形態によるマルチセルトランジスタは、ユニットセルトランジスタの隣接するグループ間のギャップを広げてもよい。これらのギャップの結果として、グループ内の隣接するユニットセルトランジスタ間の距離は、異なるグループの一部である2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の距離より小さくてもよい。2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の距離は、そのゲートフィンガー間の距離であると見なしてもよい。例示的な実施形態では、異なるグループの一部である2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の距離は、グループ内の隣接するユニットセルトランジスタ間の距離の少なくとも3倍、少なくとも5倍、更には少なくとも8倍であってもよい。グループ間のこれらのギャップの提供は、異なるグループのユニットセルトランジスタ間の相互結合を大幅に低減させてもよい。
【0072】
幾つかの実施形態では、絶縁構造が、ユニットセルトランジスタの隣接するグループの間に提供されてもよい。各絶縁構造は、ユニットセルトランジスタのソース領域に電気的に接続された金属パッドを備えてもよい。各金属パッドとソース領域との間の電気的接続が、例えば、各金属パッドとそれぞれのソース領域との間で延伸する1列以上の導電性ビアによって提供されてよい。各金属パッドをソース領域に電気的に接続することに加えて、導電性ビアの列は、それ自体が、ユニットセルトランジスタの2つの隣接するグループ間の相互結合を低減させる絶縁構造として機能してもよい。幾つかの実施形態では、絶縁構造は、ユニットセルトランジスタの隣接するグループ間のギャップの幅を低減及び/又は除外させてもよい。幾つかの実施形態では、ユニットセルトランジスタの隣接するグループ間の相互結合の低減は、ギャップ、絶縁構造、又はそれらの任意の組み合わせによって提供されてもよい。
【0073】
幾つかの実施形態では、金属パッドは、絶縁を高めるために、半導体構造の相対的にはるか上に(例えば、ゲートフィンガー、ソースフィンガー、及び/又はドレインフィンガーより高いレベルに)位置してもよい。幾つかの実施形態では、ボンドワイヤ又は他の金属構造が、各金属パッドに物理的及び/又は電気的に接続されてもよく、ユニットセルトランジスタの隣接するグループ間の相互結合を更に低減させるためにそれから上方に延伸してもよい。このアプローチの正味の効果は、ユニットセルトランジスタの各グループが、実質的にミニマルチセルトランジスタとして動作してもよく、このような各ミニマルチセルトランジスタの電力が、ユニットセルトランジスタのグループがマルチセルトランジスタを提供するためにそれら自体が並列に接続されるように組み合わされてもよいことである。
【0074】
上記で説明された技術は、マルチセルトランジスタの性能を大幅に低下させることなく、マルチセルトランジスタのゲートフィンガーの数、従ってその電力処理能力を増加させる方法を提供する。上記のように、マルチセルトランジスタの電力処置能力を増加させるための代替方法は、個々のゲートフィンガーの幅を増加させることである。2018年7月11日に出願された特許文献1は、内部位置からマルチセルトランジスタのゲートフィンガーに給電するための技術を説明する。このアプローチは、従来のゲートフィンガーの幅を増加させる場合に生じる性能の低下を大いに回避しながら、ゲートフィンガーの幅の増加を容易にしてもよい。特許文献1の内容全体は、本明細書に完全に記載されるように、参照によって本明細書に組み込まれる。特許文献1で議論された技術はまた、ゲートフィンガーの数を増加させ、且つゲートフィンガーのゲート幅を増加させ、従って実質的にゲート周辺を大きくさせたマルチセルトランジスタを提供するために、本発明の実施形態によるマルチセルトランジスタに適用されてもよい。
【0075】
次に、本発明の実施形態が、
図2A~
図10を参照してより詳細に説明される。
【0076】
図2Aは、本発明の実施形態によるマルチセルトランジスタ100の平面図である。
図2B~
図2Fはそれぞれ、
図2Aの線B-B’、線C-C’、線D-D’、線E-E’、及び線F-F’に沿って取られたマルチセルトランジスタ100の断面図である。
【0077】
図2Aを参照すると、マルチセルトランジスタ100は、半導体構造110の上に形成された複数のゲート、ソース、及びドレインコンタクト構造を備える。コンタクト構造は、例えば、金属コンタクトを備えてよく、とりわけ、ゲートマンドレル136及びドレインマンドレル156、並びにゲートランナー132、ソースフィンガー140、及びドレインランナー152を備えてもよい。
【0078】
図2A及び
図2Bは、マルチセルトランジスタ100のゲートコンタクト構造を概略的に示す。
図2A及び
図2Bに示されるように、複数のゲートランナー132は、半導体構造110の上面に沿って第1の方向(
図2A及び
図2Bのx方向)に延伸する。
図2Bに示されるように、ゲートフィンガー130は、各ゲートランナー132の下で延伸する。各ゲートフィンガー130は、半導体構造110の上面に沿って第1の方向(
図2A及び
図2Bのx方向)に延伸する。ゲート絶縁層138が、ゲート絶縁層を含むMOSFET及びLDMOSユニットセルトランジスタのようなユニットセルトランジスタ設計において、各ゲートフィンガー130と半導体構造110との間に提供されてもよい。チャネル120が、各ゲートフィンガー130の下の半導体構造110の上部に提供されてもよい。マルチセルトランジスタがそのオン状態にある場合には、電流が各チャネル120を通って流れてもよい。複数の導電性ビア131が、各ゲートランナー132をゲートフィンガー130のそれぞれの1つに電気的に接続してもよい。各ゲートランナー132は、それぞれの導電性ビア133によってゲートマンドレル136に電気的に接続されてもよい。
【0079】
描写された実施形態では、各ゲートランナー132は、ゲートフィンガー130のそれぞれの1つと垂直に重なる(すなわち、半導体構造の主表面に垂直に引かれた線は、各ゲートランナー132及びその関連するゲートフィンガー130を通過する)。他の実施形態では、各ゲートランナー132は、その関連するゲートフィンガー130から、例えば、y方向にオフセットされてもよい。そのような実施形態では、中間導電層(示されていない)が、各ゲートランナー132とその関連するゲートフィンガー130との間に提供されてもよく、導電性ビアの第1のセットが、各ゲートランナー132を中間導電層に電気的に接続してもよく、導電性ビアの第2のセットが、各中間導電層をその関連するゲートフィンガー130に電気的に接続してもよい。
【0080】
図2A及び
図2Cは、マルチセルトランジスタ100のドレインコンタクト構造を概略的に示す。
図2A及び
図2Cに示されるように、複数のドレインランナー152が、半導体構造110の上面に沿って第1の方向(
図2A及び
図2Bのx方向)に延伸する。
図2Cに示されるように、ドレインフィンガー150は、各ドレインランナー152の下で延伸する。各ドレインフィンガー150は、半導体構造110の上面に沿って第1の方向(
図2A及び
図2Bのx方向)に延伸する。ドレイン領域124が、各それぞれのドレインフィンガー150の下で半導体構造110の上部に提供されてもよい。複数の導電性ビア151が、各ドレインランナー152をドレインフィンガー150のそれぞれの1つに電気的に接続してもよい。各ドレインランナー152は、それぞれの導電性ビア153によってドレインマンドレル156に電気的に接続されてもよい。
【0081】
描写された実施形態では、各ドレインランナー152は、直接、ドレインフィンガー150のそれぞれの1つの上にある。他の実施形態では、各ドレインランナー152は、その関連するドレインフィンガー150からy方向にオフセットされてもよく、中間導電層(示されていない)が、各ドレインランナー152とそれに関連するドレインフィンガー150との間に提供されてもよく、導電性ビアの第1のセットが、各ドレインランナー152を中間導電層に電気的に接続してもよく、導電性ビアの第2のセットが、各中間導電層をその関連するドレインフィンガー150に電気的に接続してもよい。
【0082】
図2A、
図2D、及び
図2Eは、マルチセルトランジスタ100のソースコンタクト構造を概略的に示す。
図2A及び
図2Dを参照すると、複数のソースフィンガー140が、半導体構造110の上面に沿って第1の方向(
図2A及び
図2Bのx方向)に延伸する。ソース領域122が、各それぞれのソースフィンガー140の下で半導体構造110の上部に提供されてもよい。図に示されていない導電性ビアが、各ソースフィンガー140を、半導体構造110の下側に提供されるソースコンタクト(示されていない)に電気的に接続してもよい。
【0083】
図2A~
図2Eを参照すると、マルチセルトランジスタ100は、3つの金属パッド182-1、182-2、182-3(まとめて金属パッド182と呼ばれる)を含んでもよい。各金属パッド182は、それぞれの複数の絶縁構造180の全て又は一部を含んでもよいが、本開示がそれに限定されない。
図2A及び
図2Eに示されるように、各金属パッド182の第1の端部は、それぞれの第1のソースフィンガー140の上に配置されてもよく、金属パッド182の第2の端部は、それぞれの第2のソースフィンガー140の上に配置されてもよい。導電性ビア184の第1及び第2の列は、金属パッド182をそれぞれの第1及び第2のソースフィンガー140に電気的に接続してもよい。導電性ビア184はまた、絶縁構造180の一部を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1及び第2のソースフィンガー140は省略されてもよく、導電性ビア184の第1及び第2の列は、半導体構造110のそれぞれの第1及び第2のソース領域122に物理的及び電気的に接続してもよい。幾つかの実施形態では、導電性ビア184のより高密度の列が提供されてもよい(例えば、各ゲートランナー132をそれぞれのゲートフィンガー130に電気的に接続する導電性ビア131の列、又は各ドレインランナー152をそれぞれのドレインフィンガー150に電気的に接続する導電性ビア151の列と比較して)。「高密度」とは、列がより多くの導電性ビア184を含むことを意味する。代替的又は追加的に、導電性ビア184の複数の列が、各金属パッド182の下に提供されてもよい(例えば、2列、3列、4列、等)。
【0084】
図2A~
図2Eに示されるように、各ゲートフィンガー130は、隣接するソースフィンガー140及びドレインフィンガー150と共に、ユニットセルトランジスタ160を画定してもよい。各ユニットセルトランジスタ160は、半導体構造110の上部領域に形成されたチャネル領域120、ソース領域122、及びドレイン領域124を更に含む。マルチセルトランジスタ100では、ソースフィンガー140及びドレインフィンガー150は、通常、2つの異なるゲートフィンガー130によって共有され、従って、各ユニットセルトランジスタ160は、共有ソースフィンガー140の半分及び共有ドレインフィンガー150の半分を含むように見なされてもよい。
図2Aの破線のボックスは、代表的なユニットセルトランジスタ160を識別する。各ユニットセルトランジスタ160は、半導体構造110で(チャネル領域120、ソース領域122、及びドレイン領域124が半導体構造にあるように)、及び半導体構造110の上で(ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150が半導体構造110の上で延伸するように)延伸する。
【0085】
各ユニットセルトランジスタ160のゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150はそれぞれ、第1の方向(
図2Aのx方向)に延伸する。ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150は、第2の方向(
図2Aのy方向)に沿って互いに離間し、従って、ユニットセルトランジスタ160はまた、第2の方向に沿って互いに離間する。幾つかの実施形態では、第2の方向は、第1の方向に垂直であってもよい。
図2Bに示されるように、各ゲートフィンガー130は、ゲートマンドレル136に隣接する基端130a、及びゲートマンドレルから離れた遠位端130bを有してもよい。ゲートフィンガー130の基端130aは、
図2Aに示されるように、第2の方向に沿って整列されてもよい。ゲートフィンガー130の遠位端130bは、同様に、第2の方向に沿って整列されてもよい。
【0086】
動作中、電流は、半導体構造110のドレイン領域124、チャネル領域120、及びソース領域122を含む伝導経路を通って、各ソースフィンガー140とそれに関連するドレインフィンガー150との間を流れる。電流の量は、ゲートフィンガー130に印加される電圧信号によって変調されてもよい。
【0087】
図2Aに更に示されるように、ユニットセルトランジスタ160は、複数のグループ170-1~170-4(まとめてグループ170と呼ばれる)で配置される。描写された実施形態では、各グループ170は合計4つのユニットセルトランジスタ160を含むが、より多く又はより少ないユニットセルトランジスタ160が各グループ170に含まれてもよいことが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施形態では、グループ170の1つ以上は、少なくとも20個のユニットセルトランジスタ160を含んでもよい。他の実施形態では、グループ170の1つ以上は、少なくとも40個のユニットセルトランジスタ160を含んでもよい。同様に、各グループ170のユニットセルトランジスタ160の数が同じである必要はないことが理解されるであろう。グループ170の隣接するものは、ギャップ172によって分離されてもよい。ギャップ172は、全て同じサイズである必要はない。ギャップ172の結果として、例えば、グループ170の第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ160間の第1の距離d1は、グループ170の異なる隣接するグループの一部である2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の第2の距離d2より小さくてもよい。上記で議論されたように、2つの隣接するユニットセルトランジスタ160間の距離は、2つのユニットセルトランジスタ160のゲートフィンガー130間の距離であると見なされてもよい。ギャップ172は、グループ170の異なるグループの一部である2つの隣接するユニットセルトランジスタ160のソース領域122間で延伸してもよい。本明細書では、第1及び第2のユニットセルトランジスタの間に介在するユニットセルトランジスタがない場合には、第1及び第2のユニットセルトランジスタは互いに「隣接する」と見なされる。
【0088】
幾つかの実施形態では、第2の距離d2は、第1の距離d1より少なくとも3倍大きくてもよい。他の実施形態では、第2の距離d2は、第1の距離d1より少なくとも5倍大きくてもよい。更なる他の実施形態では、第2の距離d2は、第1の距離d1より少なくとも8倍大きくてもよい。
【0089】
図2A及び
図2Eに更に示されるように、金属パッド182は、ギャップ172の何れかの側のユニットセルトランジスタ160のソース領域122の上で延伸する。幾つかの実施形態では、各金属パッド182は、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及び/又はドレインフィンガー150より、第2の方向(
図2A~
図2Eのy方向)において大幅に長くてもよい。幾つか実施形態では、各金属パッド182は、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及び/又はドレインフィンガー150より、第2の方向(
図2A~
図2Eのy方向)に少なくとも3倍長くてもよい。他の実施形態では、各金属パッド182は、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及び/又はドレインフィンガー150より、第2の方向(
図2A~
図2Dのy方向)に少なくとも5倍長くてもよい。更なる他の実施形態では、各金属パッド182は、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及び/又はドレインフィンガー150より、第2の方向(
図2A~
図2Dのy方向)に少なくとも8倍長くてもよい。
【0090】
幾つかの実施形態では、金属パッド182は、ボンドワイヤ186が金属パッド182に接合されてもよいような十分な第2の方向(
図2Aのy方向)の長さを有してもよい。各金属パッドは、ワイヤボンディングに適切な材料(例えば、金)で形成された上面を有してもよい。
図2Eに示されるように、ボンドワイヤ186は、ボンドワイヤ186が金属パッド182から上方に延伸するように、金属パッド182の上面に接合されてもよい。幾つかの実施形態では、ボンドワイヤ186の両端は、ボンドワイヤ186が金属パッド182の上に弧を描いて延伸するように、金属パッド182に接合されてもよい。ボンドワイヤ186はまた、絶縁構造180の一部を含みんでもよく、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の相互結合を更に低減させてもよい。
図2Eの点線を使用して引かれたボンドワイヤ186によって示されるように、幾つかの実施形態では、2つ以上のボンドワイヤ186が、更なる絶縁を提供するために、各金属パッド182に並べて接合されてもよい。並んだボンドワイヤ186は、
図2Eに示されるように、同じ高さ又は異なる高さまで延伸してもよい。
図2Eでは、ボンドワイヤ186は、x方向に沿って延伸するように示される。他の実施形態では、ボンドワイヤ186は、例えば、y方向のような異なる方向に沿って延伸してもよい。同様に、ボンドワイヤ186は、例えば、金属パッド182に接合された他の実施形態では、他の金属シールド構造で置き換られてもよいことが理解されるであろう。例えば、結合及び/又は絶縁壁は、他の実施形態では、ボンドワイヤ186を置き換えることができる。
【0091】
各金属パッド182及び/又はその関連する導電性ビア184及び/又はその関連するボンドワイヤ186は、ユニットセルトランジスタ160のグループ170の2つの隣接するグループ間で絶縁構造180を形成してもよい。各絶縁構造180は、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の相互結合を低減させてもよい。絶縁構造180が金属パッド182を含む例が示されるが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、絶縁構造180は、金属以外の導電性材料を含んでもよく、又は導電性材料を完全に含めなくてもよい。幾つか実施形態では、絶縁構造180は、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料で形成されてもよい。
【0092】
図2Fは、
図2Aの線F-F’に沿って取られた断面図である。
図2Fに示されるように、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150は、半導体構造110のそれぞれのチャネル領域120、ソース領域122、及びドレイン領域124の上に形成されてもよい。ゲート絶縁層138が、各ゲートフィンガー130とそれに関連するチャネル領域120との間に提供されてもよい。トランジスタ100がゲート絶縁層を含まないユニットセルトランジスタ(例えば、HEMTトランジスタ)を使用して形成される場合には、ゲート絶縁層138は省略される。幾つか実施形態では、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150は、半導体構造110の上面の上の同じレベルにあってもよい。他の実施形態では、ゲートフィンガー130の上面は、例えば、ゲートフィンガー130と半導体構造110との間にゲート絶縁層138を含めることに起因して、ソースフィンガー140の上面及び/又はドレインフィンガー150の上面より、半導体構造110の上面の上の高いレベルにあってもよい。ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150が、y方向に同じ距離だけ互いに離間するように
図2Fに示され、一方、そのようである必要はなく、実際、多くのマルチセルトランジスタでは、ゲートフィンガー130がソースフィンガー140よりドレインフィンガー150に近くてもよいことが理解されるであろう。
図2Fの半導体構造110の上にある様々な要素がまた、図面を簡略化するために示されていない1つ以上の層間絶縁層に形成されてもよいことが理解されるであろう。これらの層間絶縁層は、様々な導電性ビア、ランナー、等を支持してもよく、また、様々な要素を電気的に絶縁することを容易にしてもよい。
【0093】
ゲートランナー132及びドレインランナー152は、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150より、半導体構造110の上面の上で高くてもよい。幾つかの実施形態では、ゲートランナー132及びドレインランナー152は、半導体構造の上で同じ高さにあってもよいが、そのようである必要はない。
【0094】
更に
図2Fに示されるように、幾つかの実施形態では、金属パッド182は、ゲートランナー132及び/又はドレインランナー152より、半導体構造110の上で高いレベルに形成されてもよい。特に、金属パッド182が半導体構造110の上に形成される、
図2Fに示される第3の方向(z軸の方向)の第3の距離d3は、ゲートランナー132が半導体構造110の上に形成される第3の方向の第4の距離d4より大きてもよく、及び/又はドレインランナー152が半導体構造110の上に形成される第3の方向の第5の距離d5より大きくてもよい。半導体構造110の上により高く金属パッド182を形成することによって、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の絶縁量を増加させてもよい。金属パッド182は、ゲートランナー132及びドレインランナー152より半導体構造110の上で高いので、各金属パッド182を半導体構造110のソース領域122に接続する導電性ビア184は、ゲートランナー132及びドレインランナー152をそれぞれゲートフィンガー130及びドレインフィンガー150に接続する導電性ビア131、151より高くてもよい。より高い導電性ビア184はまた、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の絶縁量を増加させてもよい(すなわち、相互結合量を減少させてもよい)。
【0095】
ギャップ172及び/又は絶縁構造180は、隣接するグループ170のユニットセルトランジスタ160間の相互結合を低減させてもよい。ユニットセルトランジスタ160間の相互結合が、小さい物理的実装面積内に多数のユニットセルトランジスタ160を含むデバイスで回避可能な場合がある一方で、ユニットセルトランジスタ160の数が十分に多い場合には、マルチセルトランジスタの性能が、幾つかの用途では低下する場合があることが見出された。性能が低下する場合があるこのような用途の1つは、LDMOSRF電力増幅器である。例えば、多くの無線通信用途で要求される高出力電力を達成するために、マルチセルトランジスタに多数のユニットセルトランジスタ(例えば、数百のユニットセルトランジスタ)を含めることが必要な場合がある。しかし、ユニットセルトランジスタの数を増加させることがマルチセルトランジスタの出力電力を増加させる場合がある一方で、マルチセルトランジスタのDCからRFへの電力変換効率(「ドレイン効率」とも呼ばれる)が低下する場合があることが見出された。高レベルの相互結合及び高温が、この性能の低下の原因である場合がある。
【0096】
上記で示されるように、相互結合を低減するための1つの技術は、ユニットセルトランジスタ160をグループ170に分割し、そして、絶縁構造180、及び/又はユニットセルトランジスタ160のグループ170間の距離の増加(ギャップ172)を提供することである。各グループ170内のユニットセルトランジスタ160間の相互結合が、依然として相対的に高い場合がある一方で、隣接するグループ170のユニットセルトランジスタ160間の相互結合のレベルは、はるかに低くてもよい。相互に互いに結合するユニットセルトランジスタ160の数を制限することによって、DCからRFへの電力変換効率の低下を低減させる場合があることが見出された。その上、マルチセルトランジスタの全体的な出力電力は、更なるグループ170を追加することによって増加してもよい。本明細書で議論されるように、ギャップ172はまた、熱放散を助けてもよく、従って、熱関連の性能低下を低減するのを助けることもできる。
【0097】
通常、RFトランジスタ増幅器の設計者の目標の1つは、トランジスタ増幅器のサイズを小さくしておくことである場合がある。ユニットセルトランジスタ160のグループ170間にギャップ172のようなギャップを追加することは、そのような目標と矛盾し、したがって直感的ではない。その上、RFトランジスタ増幅器の設計者が、ユニットセルトランジスタ160間の相互結合に問題があることを確認し、このような相互結合を低減させるために増加した距離及び/又は絶縁構造を使用すべきであると決定した場合には、設計者は、上記の
図2A~
図2Fの実施形態で行われるようなユニットセルトランジスタ160のグループ170間により大きいギャップ172及び/又は絶縁構造180を提供する一方で、多くのユニットセルトランジスタ160間の距離を同じにしないようするために、個々のユニットセルトランジスタ160間の距離を増加させ、及び/又はユニットセルトランジスタ160間に絶縁構造を提供するように導かれる。
【0098】
ユニットセルトランジスタ160をギャップ172によって絶縁されたグループ170の中に配置することの別の利点は、ユニットセルトランジスタ160の密度が低減されることである。RFトランジスタ増幅器のようなマルチセルトランジスタでは、熱の蓄積が問題になる場合があり、デバイスに熱が蓄積しすぎると、デバイスの性能が低下する場合がある。ギャップ172は、熱放散のための更なる領域を提供し、従って、マルチセルトランジスタ100の熱性能を改善してもよい。
【0099】
上記のマルチセルトランジスタ100は、半導体構造110と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタ160とを含み、各ユニットセルトランジスタ160は、半導体構造110で第1の方向に延伸する。ユニットセルトランジスタ160は、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループ170で配置され、グループ170の第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ160の同様のフィンガー130、140、150間の第2の方向の第1の距離は、グループ170の第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタ160及びグループ170の第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタ160の同様のフィンガー130、140、150間の第2の方向の第2の距離より小さく、第2のユニットセルトランジスタ160は、第1のユニットセルトランジスタ160に隣接する。同様のフィンガーは、幾つかの実施形態ではゲートフィンガー130であってもよく、他の実施形態ではソースフィンガー140であってもよく、更なる他の実施形態ではドレインフィンガー150であってもよい。例えば、第1及び第2のユニットセルトランジスタ160は、第1のグループ170にあってもよく、互いに隣接してもよく、第3のユニットセルトランジスタ160は、第2のグループ170にあってもよく、第2のユニットセルトランジスタ160に隣接してもよい。第1及び第2のユニットセルトランジスタ160のソースフィンガー140は、第1の距離だけ離間してもよく、第2及び第3のユニットセルトランジスタ160のソースフィンガー140は、第1の距離より大きい第2の距離だけ離間してもよい。
【0100】
図3A及び
図3Bはそれぞれ、概略平面図及び概略断面図であり、
図2A~
図2Fのマルチセルトランジスタ100の変更版であるマルチセルトランジスタ100’を示す。
図3Bの断面図は、
図3Aの線B-B’に沿って取られる。
図3Aの線C-C、D-D’、E-E’、及びF-F’に沿って取られた断面はそれぞれ、
図2B、
図2C、
図2D、及び
図2Eに示される断面と同一であってもよく(
図2Eの導電性ビア184がトランジスタ100’でより高いことを除いて)、従って、これらの断面は、ここでは繰り返されない。
【0101】
図3A及び
図3Bのマルチセルトランジスタ100’では、ソースコンタクト構造は全て、マルチセルトランジスタ100の場合のように導電性ビアを介してソース領域122に電気的に接続された半導体構造110の下側にソースコンタクトを有する代わりに、半導体構造110の上側に形成される。
図3Aに示されるように、描写される実施形態では、ソースマンドレル146は、ゲートマンドレル136より半導体構造110の上で高いレベルに提供される。ソースフィンガー140は、導電性ビア141及びソースランナー142によってソースマンドレル146に接続されてもよい。
図3Bに示されるように、金属パッド182は、幾つかの実施形態では、ソースランナー142より半導体構造110の上で高いレベルにあってもよい。これは、絶縁構造180によって提供される絶縁量を改善するのを助けてもよい。
【0102】
図2A~
図2F並びに
図3A及び
図3Bに関する上記の議論は、特定のタイプのユニットセルトランジスタ設計とは対照的に、トランジスタ100、100’のコンタクト構造に焦点を合わせる。この結果、上記の議論では、半導体構造110は一般的に扱われる。様々な異なるタイプのユニットセルトランジスタ160が、トランジスタ100及び100’を形成するために使用されてもよいことが理解されるであろう。
図4A及び
図4Bは、トランジスタ100及び100’の異なる実施形態を形成するために使用されてもよい例示的なユニットセルトランジスタ設計を示す。
図4A及び
図4Bが、横方向拡散金属酸化膜半導体(LDMOS)電界効果トランジスタ(FET)及び/又は高電子移動度トランジスタが半導体構造110で形成される例を示す一方で、これらの実装は、例としてのみ提供されることが理解されるであろう。
【0103】
最初に
図4Aを参照すると、トランジスタ100(又はトランジスタ100’)が、LDMOSユニットセルトランジスタ160Aを使用して実装される、例示的な実施形態が示される。
図4Aに示される断面は、
図2Aの線F-F’の中央部分に沿って取られる。図面を簡略化するために、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150の上の構造は、
図4Aでは省略される。
【0104】
図4Aに示されるように、半導体構造110は、基板112と、基板112の上のドリフト層114(例えば、n型導電性を有する)とを含む。基板112は、例えば、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、シリコン、炭化ケイ素、GaAs、LGO、ZnO、LAO、又はInPのような、この実施形態ではp型導電性を有する半導体基板を含んでもよい。或いは、基板112は、例えば、サファイア又はダイアモンド基板のような、この実施形態では、その上面に形成されたp型導電性半導体エピタキシャル層を有する非半導体基板であってもよい。ドープされたウェル領域126(例えば、p型導電性を有する)が、ドリフト層114に形成される。ソース領域122は、ウェル領域126の上部に形成され、ドレイン領域124は、ウェル領域126の上部に形成される。ソース領域122及びドレイン領域124は、例えば、n型導電性を有してもよい。ドレイン領域124は、ドレインフィンガー150の1つの下で延伸してもよい。チャネル領域120はまた、ソース領域122とドレイン領域124との間の半導体構造110の上部に提供される。チャネル領域120は、例えば、酸化ケイ素層又は他の絶縁酸化物層のようなゲート絶縁層138の上部のゲートフィンガー130の1つの下で延伸してもよい。ソース領域122は、横方向拡散低抵抗p+「シンカー」127を介して、基板112の下側(又は「裏側」)に提供されるソース接点(示されていない)に電気的に接続されてもよい。
【0105】
図4AのLDMOSユニットセルトランジスタ160Aは、LDMOSユニットセルトランジスタ160Aをオンオフにするために、及び/又はソースフィンガー140とドレインフィンガー150との間を流れる電流の量を制御するために、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150に適切な電圧を印加することによって動作してもよい。例えば、ソースフィンガー140に対してゲートフィンガー130に正の電圧を印加することが、ソース領域122とドレイン領域124との間で反転層(例えば、チャネル)を形成することによって、ソース領域122とドレイン領域124との間を流れる電流を提供してもよい。LDMOSFETは、印加された正のゲート電圧がウェル領域126を横切るチャネルを増強するまで、ドレイン-ソース電流が流れなくてもよいことを意味する、「エンハンスメントモード」で動作してもよい。
【0106】
次に
図4Bを参照すると、マルチセルトランジスタ100のユニットセルトランジスタがHEMTユニットセルトランジスタ160Bとして実装される、例示的な実施形態が示される。
図4Bに示される断面は、
図2Aの線F-F’の中央部分に沿って取られる。図面を簡略化するために、ゲートフィンガー130、ソースフィンガー140、及びドレインフィンガー150の上の構造は、
図4Bでは省略される。
【0107】
図4Bに示されるように、半導体構造110は、基板112と、基板112の上に形成されるエピタキシャル構造とを含む。基板112は、例えば、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、シリコン、炭化ケイ素、GaAs、LGO、ZnO、LAO、又はInP基板のような半導体基板を含んでもよい。或いは、基板112は、例えば、その上面に形成された半導体エピタキシャル層を有するサファイア又はダイアモンド基板のような非半導体基板であってもよい。エピタキシャル構造は、基板112の上に形成されたチャネル層116、及び基板112の反対側のチャネル層116上に形成されたバリア層118を含んでもよい。チャネル層116及びバリア層118は、第III族窒化物ベースの材料を含んでもよく、バリア層118の材料は、チャネル層116の材料より高いバンドギャップを有する。例えば、チャネル層116は、GaNを含んでもよく、一方、バリア層118は、AlGaNを含んでもよい。チャネル層116及びバリア層118が、単層構造として示される一方で、チャネル層116及び/又はバリア層118の何れか又は両方が、多層構造として実装されてもよいことが理解されるであろう。また、例えば、バッファ層、歪平衡層、遷移層、等のような追加の層がまた、基板112の上に提供されるエピタキシャル構造の一部として含まれてもよいことが理解されるであろう。
【0108】
ソース領域122及びドレイン領域124は、バリア層118に提供される。ソース領域122は、ソースフィンガー140の1つの下で延伸してもよく、ドレイン領域124は、ドレインフィンガー150の1つの下で延伸してもよい。チャネル領域120は、ソース領域122とドレイン領域124との間の半導体構造110の上部に提供されてもよい。チャネル領域120は、ゲートフィンガー130の1つの下で延伸してもよい。
【0109】
バリア層118とチャネル層116との間のバンドギャップの違い、及びバリア層118とチャネル層116との間の界面における圧電効果に起因して、二次元電子ガス(2DEG)が、チャネル層116において、チャネル層116とバリア層118との間の接合部で誘導される。2DEGは、ソース領域122とドレイン領域124との間の伝導を可能にする高伝導層として機能する。
【0110】
図4AのLDMOSデバイス160A及び
図4BのHEMTデバイス160Bは、ユニットセルトランジスタ160の可能な構成の例として含まれる。しかし、本明細書で説明される実施形態の範囲から逸脱することなく、他のユニットセルトランジスタ構成が本発明で利用されることができることが理解されるであろう。例えば、ゲートフィンガー及び/又はドレインフィンガーを使用して他のユニットセルトランジスタと組み合わされてよいユニットセルトランジスタ160の任意の構成が、本明細書で説明される技術から利益を得てもよい。このように、本発明は、HEMT及びLDMOSユニットセルトランジスタに限定されない。
【0111】
上記で議論されたように、トランジスタの実効ゲート周辺を増加させるための1つの技術は、並列に接続されたユニットセルトランジスタの数を増加させることである。別の技術は、各ユニットセルトランジスタのゲートフィンガーの幅を増加させることである。また上記で議論されたように、特許文献1は、ゲートフィンガーの幅のそのような増加から生じる場合がある性能低下を低減又は最小化させる一方で、マルチセルトランジスタのゲートフィンガーの幅を増加させるための技術を説明する。特に、特許文献1は、マルチセルトランジスタのゲートフィンガーをゲートフィンガーに沿った内部位置から給電するための技術を開示する。
【0112】
マルチセルトランジスタのゲートフィンガーの幅が増加した場合に生じる場合がある潜在的な問題の1つは、ゲートフィンガーの第1の端部に印加されるゲート信号の位相が、ゲート信号がゲートフィンガーの全幅を横切って伝搬するときに生じる位相の変化に起因して、ゲートフィンガーの他方の端部のゲート信号の位相と大幅に異なる場合があることである。ゲートフィンガーの幅が増加すると、ゲート信号の位相差がまた増加する。ゲート信号のこの位相差はドレイン信号に反映され、ドレイン信号の位相差は、ドレイン電流の様々な部分が完全に同相で合計されないことをもたらし、全出力電流の大きさを低下させ、その結果、トランジスタの出力電力に低下させる。加えて、位相が異なる電流の組み合わせは、時間領域の出力電流波形の形状に影響を与える場合があり、電力増幅器の別の重要な仕様であるトランジスタ効率に影響を及ぼす場合がある。例えば、非特許文献1を参照。不均一な位相現象はまた、幅が狭いゲートフィンガーが使用される場合に起こる場合があるが、程度は小さい。
【0113】
特許文献1で説明されるように、ゲートフィンガーの中点のような内部位置でゲート信号をゲートフィンガーに給電することによって、広いゲートフィンガーの全長に横切って伝搬するゲート信号に起因して、生じる可能性がある大きい位相差が低減する場合がある。特許文献1は、ゲート信号をゲートランナーにゲートランナーに沿った内部位置で供給するために使用される、半導体構造の上のデバイスの異なるレベルで延伸するゲート相互接続部を追加することを提案する。このアプローチの正味の効果は、ゲート信号がゲートフィンガーにゲートフィンガーに沿った内部位置から給電されてもよいことであり、これによって、ゲート信号がゲートフィンガーに沿って伝搬するときに生じる位相変化の総量が低減する。
【0114】
ゲート信号は、各ゲート相互接続部から対応するゲートランナーに渡される点で分割されてもよく、各ゲートランナーに沿って2つの異なる方向に伝搬してもよい。分割されたゲート信号は、各ゲートランナーから対応するゲートフィンガーに渡される。この技術は、ゲートフィンガーの全幅に沿ってゲート信号に見られる最大位相差を増加させることなく、各ゲートフィンガーの幅を2倍にすることを可能にしてもよい。この結果、ゲート相互接続部を追加し、その内部位置でゲートランナーに給電することによって、マルチセルトランジスタのゲート周辺を、位相によって誘導される性能低下なしに増加させてもよい。その上、ゲート相互接続部は、ゲートランナーの抵抗と比較してゲート相互接続部の抵抗を低減させる、ゲートランナーよりy-z平面の大きい断面積を有するようにすることができる。結果として、各ゲート相互接続部の抵抗が対応するゲートランナーの抵抗より実質的に小さくてもよいので、マルチセルトランジスタのゲート抵抗の望ましくない増加を低減させてもよい。
【0115】
幾つかの実施形態によれば、ゲート幅がより広いマルチセルトランジスタは、各それぞれのゲートランナーの上でゲート相互接続部を追加し、各ゲート相互接続部を対応するゲートランナーの内部位置に電気的に接続するための導電性ビアを使用することによって提供されることができる。幾つかの実施形態では、各ゲート相互接続部の対応するゲートランナーの内部位置への接続は、ゲートフィンガーを複数のセグメントに分割するのに役立ってもよい。同様に、これらのマルチセルトランジスタは、各それぞれのドレインランナーの上でドレイン相互接続部を含んでもよく、各ドレイン相互接続部を各対応するドレインランナーの内部位置に電気的に接続するための導電性ビアを含んでもよい。
【0116】
図5A~
図5Cは、ゲート及びドレインフィンガーの幅を増加させることを可能にするゲート及びドレイン相互接続部を含む、本発明の実施形態によるマルチセルトランジスタ200を示す。特に、
図5Aは、マルチセルトランジスタ200の概略平面図であり、
図5B及び
図5Cはそれぞれ、
図5Aの線B-B’及び線C-C’に沿って取られた断面図である。
【0117】
図5A~
図5Cを
図2A~
図2Fと比較することによって見ることができるように、トランジスタ200は、上記で説明されたトランジスタ100と類似してもよい。よって、以下の議論は、2つのトランジスタ100、200間の違いに焦点を合わせ、同じ参照番号が、トランジスタ100及び200の同様又は類似の要素を示すために使用される。
【0118】
トランジスタ200は、半導体構造110の上に繰り返し配置された複数のユニットセルトランジスタ160を含む。ユニットセルトランジスタ160は、例えば、
図4Aに示される半導体構造を有するLDMOSトランジスタ又は
図4Bに示される半導体構造を有するHEMTトランジスタのような任意の適切なタイプのトランジスタであってもよい。ユニットセルトランジスタ160は、組み合わされた出力信号を提供するために、電気的に並列に接続されてもよい。例えば、ユニットセルトランジスタ160のそれぞれのゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域は、並列に結合された複数のトランジスタを提供するように共通に接続されてもよい。
【0119】
各ユニットセルトランジスタ160は、半導体構造110の上部領域に形成されたチャネル領域120、ソース領域122、及びドレイン領域124を含む。ゲートフィンガー130は、各チャネル領域120の上に形成され、ソースフィンガー140は、各ソース領域122の上に形成され、ドレインフィンガー150は、各ドレイン領域124の上に形成される。ゲートランナー132は、各ゲートフィンガー130の上に形成され、導電性ビア131の列によってそれぞれのゲートフィンガー130に物理的及び電気的に接続される。ドレインランナー152は、各ドレインフィンガー150の上に形成され、導電性ビア151の列によってそれぞれのドレインフィンガー150に物理的及び電気的に接続される。ソースコンタクト(示されていない)は、半導体構造110の裏側に形成され、例えば、導電性ビア(示されていない)によってソース領域122に電気的に接続される。
【0120】
ユニットセルトランジスタ160は、複数のグループ170で配置される。隣接するグループ170は、グループ170内の2つの隣接するユニットセルトランジスタ160間の距離が、第1のグループ170の端部のユニットセルトランジスタ160と隣接するグループ170の最も近いユニットセルトランジスタ160との間の距離より小さいようにギャップ172によって分離される。ギャップ172は、グループ170の異なるグループの一部である2つの隣接するユニットセルトランジスタ160のソース領域122間で延伸してもよい。
【0121】
幾つかの実施形態では、金属パッド182は、各ギャップ172に提供されてもよい。各金属パッド182は、ギャップ172の何れかの側のユニットセルトランジスタ160のソース領域122の上の半導体構造110の上で延伸してもよい。各金属パッド182は、ドレインフィンガー150及びゲートフィンガー130より第2の方向(y方向)において大幅に長くてもよい。導電性ビア184の列は、各金属パッド182の各端部をそれぞれのソース領域122に物理的及び電気的に接続する。幾つかの実施形態では、1つ以上の金属パッド182は、それぞれのソース領域122への電気的接続を介して、基準信号(例えば、グランド)に電気的に接続されてもよい。金属パッド182と導電性ビア184との組み合わせは、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間に絶縁構造180を形成してもよい。絶縁構造180は、隣接するグループ170間の相互結合を低減させてもよい。金属パッド182は、隣接するグループ170間に提供される絶縁量を増加させるために、ゲートランナー132及び/又はドレインランナー152より半導体構造110の上で高いレベルに形成されてもよい。幾つかの実施形態では、金属パッド182は、マルチセルトランジスタ100に対して上記で議論されたように、1つ以上のボンドワイヤ186が金属パッド182に接合されてもよいのに十分な第2の方向(
図5Aのy方向)の長さを有してもよい。ボンドワイヤ186はまた、絶縁構造180の一部を備えてもよく、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の相互結合を更に低減させてもよい。幾つかの実施形態では、ボンドワイヤ186は、例えば、金属パッド182に接合された他の実施形態の他の金属シールド構造で置き換えられてもよいことが理解されるであろう。例えば、他の実施形態では、接合及び/又は絶縁壁は、ボンドワイヤ186を置き換えることができる。
【0122】
マルチセルトランジスタ200は、マルチセルトランジスタ200が、複数のゲート相互接続部134及び複数のドレイン相互接続部154を更に含むという点で、マルチセルトランジスタ100とは異なる。
図5A~
図5Cの実施形態では、他の実装が可能であるが、ゲート相互接続部134は、ゲートマンドレル136の延長部を備え、ドレイン相互接続部154は、ドレインマンドレル156の延長部を備える。
【0123】
図5A及び
図5Bに示されるように、各ゲート相互接続部134は、ゲートランナー132のそれぞれの1つの上で延在し、導電性ビア133によってそれぞれのゲートランナー132に電気的に接続される。幾つかの実施形態では、ゲート相互接続部134は、ゲートランナー132より半導体構造110の上で高いレベルにあってもよい。幾つかの実施形態では、各ゲート相互接続部134は、ゲートランナー132よりy-z平面においてより大きい断面積を有してもよい。幾つかの実施形態では、ゲート相互接続部134は、金属、又は例えば、銅、金、及び/若しくは複合金属を含む他の高導電性材料を含んでもよい。
【0124】
図5Bに示されるように、各導電性ビア133は、ゲート相互接続部134をそれぞれのゲートランナー132の内部位置に接続する。例えば、ゲートランナー132は、第1及び第2の対向する端部132a、132bを有してもよい。導電性ビア133は、第1の端部132aと第2の端部132bとの間である内部位置でゲートランナー132に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ゲートランナー132の第1の端部132aと第2の端部132bの中間点(例えば、それらの間の真ん中)にあってもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ゲートランナー132の中間点からのその長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ゲートランナー132の中間点からのその長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ゲートランナー132の第1の端部132aと第2の端部132bとの間の距離の1/3~2/3の間の距離にあってもよい。
【0125】
図5Bに示されるように、幾つかの実施形態では、ゲートフィンガー130は、連続的なゲートフィンガー130とは対照的に、ゲートフィンガーセグメントのペアに形成されてもよい。
【0126】
図5A及び
図5Cに示されるように、各ドレイン相互接続部154は、ドレインランナー152のそれぞれの1つの上で延伸し、導電性ビア153によってそれぞれのドレインランナー152に電気的に接続される。幾つかの実施形態では、ドレイン相互接続部154は、ドレインランナー152より半導体構造110の上で高いレベルにあってもよい。幾つかの実施形態では、各ドレイン相互接続部154は、ドレインランナー152よりy-z平面において大きい断面積を有してもよい。幾つかの実施形態では、ドレイン相互接続部154は、金属、又は例えば、銅、金、及び/若しくは複合金属を含む他の高導電性材料を含んでもよい。
【0127】
図5Cに示されるように、各導電性ビア153は、ドレイン相互接続部154をそれぞれのドレインランナー152の内部位置に接続する。例えば、ドレインランナー152は、第1及び第2の対向する端部152a、152bを有してもよい。導電性ビア153は、第1の端部152aと第2の端部152bとの間にある内部位置でドレインランナー152に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ドレインランナー152の第1の端部152aと第2の端部152bの中間点(例えば、それらの間の真ん中)にあってもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ドレインランナー152の中間点からその長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ドレインランナー152の中間点からその長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。幾つかの実施形態では、内部位置は、ドレインランナー152の第1の端部152aと第2の端部152bとの間の距離の1/3~2/3の間の距離にあってもよい。
【0128】
マルチセルトランジスタ200では、ゲート信号が、各ゲートランナー132に、対応するゲートフィンガー130の2つのセグメントへの対称的な給電を提供する、その内部(例えば、中央)部分で給電されてもよい。同様の構成がまた、ドレイン側(例えば、ドレインフィンガー150及びドレインランナー152)に実装されてもよい。このアプローチは、出力電力レベルの増加を可能にする一方で、それぞれのゲート及びドレインフィンガーを通過する場合にゲート及びドレイン信号が経験する位相変化を低減してもよい。マルチセルトランジスタ200は、そのユニットセルトランジスタ160を、絶縁構造180を含むギャップ172によって分離された複数のグループ170の中に配置するので、隣接するグループ170間の相互結合を減少させてもよく、マルチセルトランジスタ200に含まれるユニットセルトランジスタの全数を、性能を大幅に低下させることなく、それに応じて増加させてもよい。ユニットセルトランジスタ160の数のこの増加は、マルチセルトランジスタ200の出力電力をさらに増加させてもよい。
【0129】
本発明の実施形態による、マルチセルトランジスタの上記で開示された例に対して多くの変形がなされてもよいことが理解されるであろう。例えば、マルチセルトランジスタは、ユニットセルトランジスタの任意の数のグループを有してもよい。各グループは、任意の数のユニットセルトランジスタを有してもよい。この結果、全てのグループが同じ数のユニットセルトランジスタを有してもよく、全てのグループが異なる数のユニットセルトランジスタを有してもよく、又は幾つかのグループが同じ数のユニットセルトランジスタを有してもよく、他のグループが異なる数のユニットセルトランジスタを有してもよい。例示的な実施形態では、マルチセルトランジスタは5つのグループのユニットセルトランジスタを有してもよく、2つのグループは8個のユニットセルトランジスタを有し、他の2つのグループは12個のユニットセルトランジスタを有し、別のグループは20個のユニットセルトランジスタを有する。
【0130】
同様に、各グループのユニットセルトランジスタ間の間隔は同じであっても異なってもよいことが理解されるであろう。この結果、グループの全てのユニットセルトランジスタは、隣接するユニットセルトランジスタから同じ距離だけ離間してもよく、隣接するユニットセルトランジスタから異なる距離だけ離間してもよく、又はグループのユニットセルトランジスタのサブセットは、様々な異なる距離だけ離間することができる。異なるグループのユニットセルトランジスタは、同じ距離又は異なる距離だけ離間してもよい。グループ間のギャップのサイズは、同じであっても異なってもよいことが更に理解されるであろう。この結果、全てのギャップが同じサイズであってもよく(すなわち、y方向に同じ長さを有する)、全てのギャップが異なるサイズを有してもよく、又は幾つかのギャップが同じサイズを有する一方で、他のギャップが異なるサイズを有してもよい。
【0131】
図6A~
図6Dは、壁構造を備える絶縁構造の実施形態を示す
図2Aの線E-E’に沿って取られた断面図である。
図6A~
図6Dに示されるように、マルチセルトランジスタ100は、
図2A~
図2Fに対して本明細書で説明されたものと同様の要素を含んでもよい。従って、以下の議論は、
図6A~
図6Bの実施形態における追加の要素に焦点を合わせ、同じ参照番号が、同様又は類似の要素を示すために使用される。
図2Eの議論に対して示したように、幾つかの実施形態では、
図2Eのボンドワイヤ186は、追加の絶縁部を提供する壁又は同様の構造と置き換えられてもよい。幾つかの実施形態では、壁又は同様の構造は、金属又は金属含有材料から構成されてもよい。例えば、
図6Aに示されるように、壁構造686は、絶縁構造180の金属パッド182の上に形成されてもよく、絶縁材料690のセグメントを含んでもよい。壁構造686は、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間で第1の方向(
図6Aのx方向)に延伸してもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントの底部は、金属パッド182の上面に接合され、及び/又はそうでなければ電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントは、第1の方向(x方向)の金属パッド182の幅と実質的に同じであり、又はそれより小さい第1の方向の幅を有してもよく、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントは、第1の方向(x方向)の金属パッド182の幅の少なくとも半分である第1の方向の幅を有してもよい。
【0132】
壁構造686は、マルチセルトランジスタ100のユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の相互結合(例えば、容量及び/又は磁気結合)を低減させてもよい。幾つかの実施形態では、壁構造686の絶縁材料690は、マルチセルトランジスタ100のユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間に電磁シールドを提供するように構成されてもよい。
【0133】
幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、導電性絶縁材料690を形成するように導電性材料から構築されてもよい。導電性絶縁材料690は、金属パッド182を介して基準電圧源(例えば、グランド)に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、グランドに結合されるのではなく、電気的にフローティングであるように提供されてもよい。このような実施形態では、絶縁材料690は、金属パッド182に電気的に接続されてなくてもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又は上記の材料の組み合わせを含んでもよい。例えば、絶縁材料690は、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、酸化インジウムスズ(ITO)、上記の金属の合金、又は上記の金属の組み合わせを含んでもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、導電性材料(例えば、金属又は金属含有物質)でめっき及び/又は被覆された非導電性材料を含んでもよい。
【0134】
絶縁材料690は導電性絶縁材料であってもよいが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、マイクロ波及び/又はRF放射を吸収することができる誘電体材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、損失性誘電体で形成されてもよい。損失性誘電体は、ユニットセルトランジスタ160の隣接するグループ170間の結合を提供するもののような電磁波を吸収及び/又は低減するように構成されてもよい。絶縁材料690の材料として有用であってもよい損失性誘電体は、0.1より大きい損失正接を有する損失性誘電体を含んでもよい。tanδとも呼ばれる損失正接は、誘電率の実数部と虚数部との間の比率である。幾つかの実施形態では、絶縁材料690として使用される損失性誘電体の損失正接は、マルチセルトランジスタ100の動作周波数に基づいてもよい。損失性誘電体の例は、炭素を含む誘電体を含んでもよい。
【0135】
幾つかの実施形態では、絶縁材料690は、例えば、フェライト及び/又はニッケルのような磁性材料を含んでもよい。
【0136】
幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントは、マルチセルトランジスタ100の表面から延伸するように提供されてもよい。例えば、本明細書で説明されるように、半導体構造110、ゲート/ドレインフィンガー、ゲート/ドレインランナー、及び絶縁構造180を含むマルチセルトランジスタ100が形成されてもよく、保護及び/又はパッシベーション層で覆われてよい。幾つかの実施形態では、保護及び/又はパッシベーション層は、絶縁構造180の金属パッド182の上面を露出するように構成され、及び/又は窪みが形成されてもよい。壁構造686の絶縁材料690はそれに結合されてもよい。この結果、幾つかの実施形態では、壁構造686は、マルチセルトランジスタがパッケージ化されたトランジスタデバイスを形成するようにパッケージ内に配置された後に、マルチセルトランジスタ100の上に形成及び/又は設置されてもよい。
【0137】
図6Aは、絶縁材料690の単一セグメントを示すが、他の構成が可能である。例えば、
図6Bは、壁構造686が絶縁材料690の複数のセグメントからなる構成を示す。幾つかの実施形態では、絶縁材料690の複数のセグメントは、金属パッド182から離れる方向(例えば、
図6Bのz方向)に金属パッド182の上面から離れて延伸してもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690の複数のセグメントは、金属パッド182の上面に実質的に垂直な方向に延伸してもよい。絶縁材料690のセグメントのそれぞれは、金属パッド182の上面に接合され、及び/又はそうでなければ電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントは、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又は上記の材料の組み合わせを含んでもよい。例えば、絶縁材料690のセグメントは、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、酸化インジウムスズ(ITO)、上記の金属の合金、又は上記の金属の組み合わせを含んでもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントは、損失性誘電体及び/又は磁性材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメントの1つは、絶縁材料690のセグメントの他のものとは異なる材料を含んでもよい。
【0138】
図6Cは、壁構造686が、相互接続された絶縁材料690の複数のセグメントからなる構成を示す断面図である。
図6Cに示されるように、絶縁材料690の垂直に延伸するセグメントのそれぞれは、絶縁材料692の1つ以上の接続セグメントと相互接続されてもよい。
図6Bに示される実施形態と同様に、絶縁材料690の垂直に延伸するセグメントは、金属パッド182の上面に接合及び/又は電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料692の接続セグメントは、絶縁材料690のセグメントの1つを接続するために、実質的に水平(例えば、x方向)に延伸してもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料690のセグメント及び絶縁材料692の接続セグメントは、メッシュを形成してもよいが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、絶縁材料692の接続セグメントは、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又は上記の材料の組み合わせを含んでもよい。例えば、絶縁材料692のセグメントは、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、酸化インジウムスズ(ITO)、上記の金属の合金、又は上記の金属の組み合わせを含んでもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料692の接続セグメントは、損失性誘電体及び/又は磁性材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、絶縁材料692の接続セグメントの1つは、絶縁材料690のセグメントとは異なる材料を含んでもよい。
【0139】
図6Dは、壁構造686がボンドワイヤ186に接続された実施形態を示す断面図である。幾つかの実施形態では、ボンドワイヤ186は、絶縁構造180の金属パッド182に結合されてもよく、壁構造686は、ボンドワイヤ186に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、壁構造686は、ボンドワイヤ186及び絶縁構造180を介してグランド信号に電気的に接続されてもよい。
【0140】
幾つかの実施形態では、ボンドワイヤ186は、
図2Eに対して本明細書で議論されるように、絶縁構造180の金属パッド182に結合されてもよい。続いて、本明細書で説明されるように、半導体構造110、ゲート/ドレインフィンガー、ゲート/ドレインランナー、絶縁構造180、及び/又はボンドワイヤ186を含むマルチセルトランジスタ100は、保護及び/又はパッシベーション層(例えば、
図6Dに示されるパッシベーション層620)で覆われてもよい。保護及び/又はパッシベーション層620は、ボンドワイヤ186を露出するように構成されてもよく、及び/又は窪みが形成されてもよく、壁構造686の絶縁材料690はそれに結合されてもよい。幾つかの実施形態では、ボンドワイヤ186は、パッシベーション及び/又は保護層620が堆積された後に、金属パッド182に電気的に接続されてもよい。例えば、パッシベーション及び/又は保護層620は、金属パッド182の上に堆積されてもよく、続いて、パッシベーション及び/又は保護層620は、金属パッド182を露出するように窪みが形成されてもよい。そして、ボンドワイヤ186は、金属パッド182に結合されてもよく、続いて、壁構造686は、ボンドワイヤ186に接続されてもよい。
【0141】
図6Dは、壁構造686がボンドワイヤ186に接続された絶縁材料690の単一のセグメントを備えることを示すが、
図6B及び
図6Cに示されるもののような壁構造686の他の形成が、本明細書で説明される発明から逸脱することなく使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0142】
図7Aは、マルチセルトランジスタ300の入力接合と出力接合との間の追加の絶縁部を含む、本発明の更なる実施形態によるマルチセルトランジスタ300を含むパッケージ化されたトランジスタデバイス700の平面図である。
図7B及び
図7Cはそれぞれ、
図7Aの線G-G’及び線H-H’に沿って取られた断面図である。
図7A~
図7Cは、
図2A~
図2C及び
図5A~
図5Cに対して議論されたものと同様の構造を含む。
図7A~
図7Cの同様の参照番号は、
図2A~
図2C及び
図5A~
図5Cに対して議論されたものと同一又は類似の構造を指し、その繰り返しの議論は省略される。
【0143】
図7Aを参照すると、パッケージ化されたトランジスタデバイス700は、入力ボンドワイヤ740及び出力ボンドワイヤ750を伴うマルチセルトランジスタ300を含んでもよい。入力ボンドワイヤ740は、マルチセルトランジスタデバイス300の入力端子に接続してもよい。出力ボンドワイヤ750は、マルチセルトランジスタデバイス300の出力端子に接続してもよい。幾つかの実施形態では、入力ボンドワイヤ740は、パッケージ化されたトランジスタデバイス700のマルチセルトランジスタデバイス300にゲート信号を提供するためにゲートマンドレル136に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、出力ボンドワイヤ750は、パッケージ化されたトランジスタデバイス700から出力信号を提供するためにドレインマンドレル156に接続されてもよい。入力ボンドワイヤ740及び/又は出力ボンドワイヤ750の少なくとも1つは、マルチセルトランジスタ300の上面の上で(例えば、
図7Aのz方向に)延伸してもよい。
【0144】
入力ボンドワイヤ740及び出力ボンドワイヤ750の構成は単なる例であり、入力ボンドワイヤ740及び出力ボンドワイヤ750の他の構成及び接続が、本発明から逸脱することなく可能である。
【0145】
部分的に、入力ボンドワイヤ740と出力ボンドワイヤ750との近接性に起因して、相互結合(例えば、磁気及び/又は容量結合)が、入力ボンドワイヤ740と出力ボンドワイヤ750との間に形成される場合がある。このような結合は、マルチセルトランジスタデバイス300の性能を低下させる場合がある。トランジスタデバイスの入力接合と出力接合の間の結合、及びこのような結合に対処するための構成が、2018年12月4日に出願された「入力-出力が絶縁されたパッケージ化されたトランジスタデバイス、及び入力-出力が絶縁されたパッケージ化されたトランジスタデバイスを形成する方法」という名称の同時係属中の一般譲渡された特許文献2で議論され、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。特許文献2で議論されるように、絶縁材料が、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間の結合を最小化するためにそれらの間に設置されてもよい。
【0146】
図7Aを参照すると、本発明の実施形態は、マルチセルトランジスタ300の入力に接続された入力ボンドワイヤ740と、マルチセルトランジスタ300の出力に接続された出力ボンドワイヤ750との間に、二次絶縁材料(及び/又は構造)710を挿入してもよい。二次絶縁材料710は、マルチセルトランジスタ300の上面で延伸してもよく、二次絶縁材料710の少なくとも一部は、物理的に入力ボンドワイヤ740と出力ボンドワイヤ750との間(例えば、マルチセルトランジスタ300の上)にあってもよい。本明細書で使用されるように、第2の要素の一部から第3の要素の一部への直線が第1の要素と交差する場合には、第1の要素は、物理的に第2の要素と第3の要素との間にある。二次絶縁材料710は、入力ボンドワイヤ740と出力ボンドワイヤ750との間の容量及び/又は磁気結合を低減させてもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、入力ボンドワイヤ740と出力ボンドワイヤ750との間に電磁シールドを提供するように構成されてもよい。
【0147】
二次絶縁材料710は、マルチセルトランジスタ300に接続された入力ボンドワイヤ740及び/又は出力ボンドワイヤ750に実質的に直交する第1の方向(例えば、
図7Aのy方向)に延伸してもよい。二次絶縁材料710は、壁構造686が延伸する方向(例えば、
図7Aのx方向)に実質的に直交する第1の方向(例えば、
図7Aのy方向)に延伸してもよい。マルチセルトランジスタ300の制御端子(例えば、ゲート端子)は、マルチセルトランジスタ300の第1の側にあってもよく、出力端子(例えば、ドレイン端子)は、第1の側の反対側のマルチセルトランジスタ300の第2の側にあってもよい。入力ボンドワイヤ740は、第1の側でマルチセルトランジスタ300の入力端子に接続されてもよい。出力ボンドワイヤ750は、第2の側でマルチセルトランジスタ300の出力端子に接続されてもよい。二次絶縁材料710は、第1の側と第2の側との間の平面で延伸してもよい。
【0148】
幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、導電性二次絶縁材料710を形成するように、導電性材料から構築されてもよい。導電性二次絶縁材料710は、基準電圧源(例えば、グランド)に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、壁構造686を介してグランドに結合されてもよい。例えば、
図7B及び
図7Cに示されるように、二次絶縁材料710は、壁構造686の絶縁材料690に電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、壁構造686は、二次絶縁材料710に接触する(又はそうでなければ電気的に接続される)ために、絶縁構造180の金属パッド182から延伸してもよい。このようにして、二次絶縁材料710は、絶縁構造180を介して基準信号(例えば、グランド)に接続されてもよい。壁構造686は、
図7Aでは金属パッド182の中心にあるように示されるが、これは単なる例であることが理解されるであろう。幾つかの実施形態では、壁構造686は、金属パッド182の片側の近くに配置されてもよい。
【0149】
幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又は上記の材料の組み合わせを含んでもよい。例えば、二次絶縁材料710は、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、窒化チタンアルミニウム(TiAIN)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、亜鉛(Zu)、酸化インジウムスズ(ITO)、上記の金属の合金、又は上記の金属の組み合わせを含んでもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、導電性材料(例えば、金属又は金属含有物質)でめっき及び/又は被覆された非導電性材料を含んでもよい。
【0150】
二次絶縁材料710は導電性絶縁材料であってもよいが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、マイクロ波及び/又はRF放射を吸収することができる誘電体材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、損失性誘電体で形成されてもよい。損失性誘電体は、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間の結合を形成するもののような電磁波を吸収及び/低減するように構成されてもよい。二次絶縁材料710の材料として有用であってもよい損失性誘電体は、0.1より大きい損失正接を有する損失性誘電体を含んでもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710として使用される損失性誘電体の損失正接は、マルチセルトランジスタ300の動作周波数に基づいてもよい。損失性誘電体の例は、炭素を含む誘電体を含んでもよい。幾つかの実施形態では、壁構造686の絶縁材料690及び二次絶縁材料710の両方は、同じ損失性誘電体で形成されてもよいが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、絶縁材料690とは異なる損失性誘電体で形成されてもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、第1の材料(例えば、導電性材料、損失性誘電体、及び/又は磁性材料)で形成されてもよく、壁構造686の絶縁材料690は、第1の材料とは異なる第2の材料(例えば、導電性材料、損失性誘電体、及び/又は磁性材料)で形成されてもよい。
【0151】
幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、例えば、フェライト及び/又はニッケルのような磁性材料を含んでもよい。
【0152】
幾つかの実施形態では、
図7A~
図7Cに示されるように、壁構造686及び二次絶縁材料710の両方が金属壁として提供されてもよい。しかし、本発明から逸脱することなく他の構成が可能であることが理解されるであろう。例えば、
図8A及び
図8Bは、壁構造686及び二次絶縁材料710の両方が複数の垂直セグメントとして提供される追加の実施形態の断面図である。
図8A及び
図8Bは、
図7Aの線G-G’及び線H-H’に沿って取られた断面図である。
【0153】
例えば、
図8A及び
図8Bを参照すると、壁構造686は、絶縁構造180の金属パッド182から垂直に延伸する絶縁材料690の複数のセグメントから構築されてもよい。壁構造686は、例えば、
図6Bに対して本明細書で説明される壁構造686と同様に構成されてもよい。
【0154】
二次絶縁材料710は、二次水平セグメント780及び複数の二次垂直セグメント790からなってもよい。水平セグメント780は、壁構造686の絶縁材料690のセグメントの1つに電気的に接続されてもよい。このようにして、二次絶縁材料710は、絶縁構造180の金属パッド182を介して基準信号(例えば、グランド)に接続されてもよい。
【0155】
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bは、壁構造686が二次絶縁材料710と組み合わされ、及び/又はそれに接続されてもよい方法の非限定的な例を示す。しかし、本発明は、
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bの構成に限定されない。
図6A~
図6Dに示されてた構成の組み合わせを含む他の構成が、本発明から逸脱することなく使用されてもよい。例えば、壁構造686は、第1の実施形態(例えば、金属壁、複数のセグメント、又はメッシュ)で構成されてもよく、二次絶縁材料710は、第1の実施形態とは異なる第2の実施形態(例えば、金属壁、複数のセグメント、又はメッシュ)で構成されてもよい。例えば、二次絶縁材料710は、金属壁として実装されてもよく、壁構造686は、複数の垂直セグメントとして実装されてもよい。その上、本発明は、
図6A及び
図6Bに示される構成に限定されない。トランジスタセルの隣接するグループ間、又は入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間の何れかの絶縁材料の他の構成は、本発明の範囲内であることが理解されるであろう。
【0156】
幾つかの実施形態では、壁構造686及び二次絶縁材料710は、パッケージプロセスの一部としてオーバーモールドによって覆われてもよい。
図9は、オーバーモールドを組み込んだマルチセルトランジスタ300の
図7Aの線G-G’に沿って取られた断面図である。
図9は、
図2A~
図2C及び
図5A~
図5Cに対して議論されたものと同様の構造を含む。
図9の同様の参照番号は、
図2A~
図2C及び
図5A~
図5Cに対して本明細書で議論されたものと同一又は類似の構造を指し、その繰り返しの議論は省略される。
図9を参照すると、マルチセルトランジスタ300は、
図7Aのパッケージ化されたトランジスタデバイス700を提供するために、パッケージプロセスの一部としてパッケージの内側に設置されてもよい。パッケージプロセスの一部として、オーバーモールド910が、マルチセルトランジスタ300の上に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタ300は、保護及び/又はパッシベーション層620を含んでもよい。オーバーモールド910は、壁構造686及び二次絶縁材料710を含むトランジスタ構成の要素を収容してもよい。オーバーモールド910は、プラスチック又はプラスチックポリマー化合物で構成されてもよい。
図9は、パッケージ化されたトランジスタデバイス700内で使用されるオーバーモールド910を示すが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、パッケージ化されたトランジスタデバイス700は、空気空洞を利用してもよい。
【0157】
幾つかの実施形態では、壁構造686及び/又は二次絶縁材料710は、マルチセルトランジスタ300をオーバーモールド910に収容する前に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、壁構造686は、オーバーモールド910にマルチセルトランジスタ300を収容する前に形成されてもよく、二次絶縁材料710は、オーバーモールド910が提供された後に形成されてもよい。例えば、オーバーモールド910は、エッチングされ、及び/又はそうでなければ窪みが形成されてもよく、二次絶縁材料710は、壁構造686に接触するように窪みが形成されたオーバーモールド910に形成されてもよい。幾つかの実施形態では、オーバーモールド910の第1の部分が提供されてもよく、壁構造686は、オーバーモールド910の第1の部分に形成されてもよい。続いて、オーバーモールド910の第2の部分が提供されてもよく、二次絶縁材料710は、オーバーモールド910の第2の部分に形成されてもよい。オーバーモールドに絶縁材料を形成するための方法は、参照により本明細書に組み込まれる特許文献2で議論される。
【0158】
本明細書の実施形態は、壁構造686が二次絶縁材料710に接続される構成について議論したが、本発明はそれに限定されない。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、
図10に示されるように、壁構造から分離してもよい。
図10は、
図7Aの線G-G’に沿って取られた断面図である。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、壁構造686に対して分離され、電気的にフローティングであってもよい。幾つかの実施形態では、二次絶縁材料710は、壁構造686から分離されてもよいが、二次絶縁材料710及び壁構造686の両方は、共通の基準信号(例えば、グランド)に接続されてもよい。
【0159】
本発明の実施形態によるマルチセルトランジスタは、様々な異なる用途で使用されてもよい。上記のように、このような用途の1つとしてRF電力増幅器がある。RF電力増幅器として実装される場合には、デバイスは、独立型のデバイスであってもよく、或いは、例えば、入力インピーダンス整合ネットワーク、出力インピーダンス整合ネットワーク、及び/又は単一の集積回路チップとして全て実装される1つ以上の段間インピーダンス整合ネットワークと共に、RFトランジスタ増幅器(単段又は多段増幅器であってもよい)を含むモノリシックマイクロ波集積回路として実装されてもよい。
【0160】
本明細書で説明される発明は技術に依存することなく、これは、それがLDMOS、GaN、及び他の高出力RFトランジスタ技術に適用されることができることを意味する。本発明の実施形態が、LDMOS及びHEMT構造を参照して示される一方で、本発明の概念は、このようなデバイスに限定されない。この結果、本発明の実施形態は、複数のユニットセル及び制御電極を有する他のトランジスタデバイスを含んでもよい。本発明の実施形態は、より広い制御電極が望まれ、デバイスの複数のユニットセルが存在する任意のトランジスタデバイスでの使用に適切であってもよい。この結果、例えば、本発明の実施形態は、SiC、GaN、GaAs、シリコン、等を使用して製造されたMESFET、MMIC、SIT、LDMOS、BJT、pHEMT、等のような様々なタイプのデバイスでの使用に適切であってもよい。
【0161】
本発明の実施形態によれば、マルチセルトランジスタは、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の第1の方向に延伸し、第2の方向に沿って互いに離間する複数のユニットセルトランジスタと、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間に位置決めされた絶縁構造とを備える。
【0162】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、半導体構造の上にある。
【0163】
幾つかの実施形態では、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の第2の方向の第1の距離は、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタとの間の第2の方向の第2の距離より小さく、第2のユニットセルトランジスタは、第1のユニットセルトランジスタに隣接する。
【0164】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、基準信号に電気的に接続される。
【0165】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、金属パッドと、金属パッドに電気的に接続された壁構造とを更に備える。
【0166】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える。
【0167】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数の第2の水平壁セグメントと接続された複数の第1の垂直壁セグメントを備える。
【0168】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、金属パッドと半導体構造との間に配置された複数のビアを含む。
【0169】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、複数のユニットセルトランジスタの1つのソース領域に電気的に接続される。
【0170】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成された絶縁材料を含む壁構造を更に備える。
【0171】
幾つかの実施形態では、絶縁材料は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料である。
【0172】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタのゲートに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、第1のユニットセルトランジスタのドレインに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間の二次絶縁材料とを更に備える。
【0173】
幾つかの実施形態では、絶縁構造は、壁構造を更に備え、二次絶縁材料は、壁構造に電気的に接続される。
【0174】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、二次絶縁材料及び壁構造の上のプラスチックオーバーモールドを更に備える。
【0175】
幾つかの実施形態では、マルチセルトランジスタは、絶縁構造の金属パッドに電気的に接続されたボンドワイヤを備える壁構造と、ボンドワイヤに電気的に接続された絶縁材料とを更に備える。
【0176】
本発明の実施形態によれば、マルチセルトランジスタは、半導体構造と、電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の上面で第1の方向に延伸するゲートフィンガーを含み、ゲートフィンガーは、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループで半導体構造の上面に配置される、複数のユニットセルトランジスタと、隣接するグループの各ペア間の半導体構造の上面のそれぞれの絶縁構造とを備える。
【0177】
幾つかの実施形態では、各それぞれの絶縁構造は、金属パッドと、金属パッドから垂直に延伸する壁構造とを備える。
【0178】
幾つかの実施形態では、各絶縁構造は、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタの第2の方向の長さを超える第2の方向のそれぞれの長さを有する。
【0179】
幾つかの実施形態では、各絶縁構造は、各それぞれの金属パッドを半導体構造のソース領域に物理的及び電気的に接続する複数のビアを更に含む。
【0180】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える。
【0181】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数のグループの第1のグループと第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成された絶縁材料を含む。
【0182】
幾つかの実施形態では、絶縁材料は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料である。
【0183】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドに電気的に接続される。
【0184】
幾つかの実施形態では、各ユニットセルトランジスタは、半導体構造の上面で第1の方向に延伸するドレインフィンガーを備え、マルチセルトランジスタは、ゲートフィンガーの少なくとも1つに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、ドレインフィンガーの少なくとも1つに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間で第2の方向に延伸する二次絶縁材料とを更に備える。
【0185】
幾つかの実施形態では、二次絶縁材料は、絶縁構造の少なくとも1つの壁構造に電気的に接続される。
【0186】
幾つかの実施形態では、各それぞれの絶縁構造は壁構造を備え、二次絶縁材料は第2の方向に延伸し、壁構造は第1の方向に延伸する。
【0187】
本発明の実施形態によれば、トランジスタデバイスは、電気的に並列に接続され、第2の方向に沿って離間する複数のユニットセルトランジスタ、及び複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間に位置決めされ、第1の方向に延伸する第1の絶縁構造を含むマルチセルトランジスタと、複数のユニットセルトランジスタの第1のユニットセルトランジスタのゲートに電気的に接続された入力ボンドワイヤと、第1のユニットセルトランジスタのドレインに電気的に接続された出力ボンドワイヤと、入力ボンドワイヤと出力ボンドワイヤとの間で第2の方向に延伸する第2の絶縁構造とを備える。
【0188】
幾つかの実施形態では、トランジスタデバイスは、第1の絶縁構造の金属パッドを複数のユニットセルトランジスタの少なくとも1つのソース領域に電気的に接続する複数のビアを更に含む。
【0189】
幾つかの実施形態では、第1の絶縁構造は、基準信号に電気的に接続された金属パッドと、金属パッドに電気的に接続された壁構造とを備え、第2の絶縁構造は、壁構造に電気的に接続される。
【0190】
幾つかの実施形態では、壁構造は、金属パッドから垂直に延伸する複数の壁セグメントを備える。
【0191】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数の第2の水平壁セグメントに接続された複数の第1の垂直壁セグメントを備える。
【0192】
幾つかの実施形態では、トランジスタデバイスは、第2の絶縁構造及び壁構造の上にプラスチックオーバーモールドを更に備える。
【0193】
幾つかの実施形態では、第2の絶縁構造は壁構造の上にある。
【0194】
幾つかの実施形態では、壁構造は、複数のユニットセルトランジスタの第1のグループと複数のユニットセルトランジスタの第2のグループとの間の相互結合を低減させるように構成された絶縁材料を含む。
【0195】
幾つかの実施形態では、絶縁材料は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料である。
【0196】
幾つかの実施形態では、第1の方向は、第2の方向に直交する。
【0197】
本発明の概念の実施形態は、本発明の実施形態が示される添付の図面を参照して上記で説明された。しかし、本発明の概念は、多くの様々な形態で具体化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるとして解釈されるべきではない。寧ろ、これらの実施形態は、本開示が詳細且つ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0198】
様々な要素を説明するために、本明細書では、第1、第2、等という用語が使用される場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、第1の要素は、第2の要素と称されることができ、同様に、第2の要素は、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素と称されることができる。本明細書で使用されるように、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された事項の1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0199】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定することが意図されない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるように、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(include)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書で使用される場合には、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外しない。
【0200】
別に画定されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致する意味を有するとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように画定されない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されないことが更に理解されるであろう。
【0201】
層、領域、又は基板のような要素が別の要素の「上に」あり、又は「上に」延伸すると呼ばれる場合には、それが他の要素の上に直接あり、若しくは直接延伸することができ、又は介在する要素がまた存在してもよいことが理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素の「上に直接」あり、又は「上に直接」延伸すると呼ばれる場合には、介在する要素は存在しない。要素が別の要素に「接続」又は「結合」されると呼ばれる場合には、それが他の要素に直接接続若しくは結合されることができ、又は介在する要素が存在してもよいことがまた理解されるであろう。対照的に、要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されると呼ばれる場合には、介在する要素は存在しない。
【0202】
「下」若しくは「上」又は「上側」若しくは「下側」又は「水平」若しくは「横」若しくは「垂直」のような相対的な用語は、図に示されるように、1つの要素、層、又は領域の別の要素、層、又は領域との関係を説明するために本明細書で使用される場合がある。これらの用語は、図に描写される配向に加えて、デバイスの異なる配向を包含することが意図されることが理解されるであろう。
【0203】
本発明の実施形態は、本発明の理想化された実施形態(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。図面中の層及び領域の厚さは、明確にするために誇張される場合がある。加えて、例えば、製造技術及び/又は公差の結果としての図の形状からの変動が予想される。この結果、本発明の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されるように解釈されるべきではなく、例えば、製造から生じる形状の逸脱を含む。
【0204】
図面及び明細書において、本発明の典型的な実施形態が開示され、特定の用語が用いられるが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的ではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に記載される。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造と、
電気的に並列に接続された複数のユニットセルトランジスタであって、各ユニットセルトランジスタは、前記半導体構造の上面上で第1の方向に延伸するゲートフィンガーを含む、複数のユニットセルトランジスタと、
前記ゲートフィンガーのうちの第1のゲートフィンガーに電気的に接続されたゲートランナーであって、前記ゲートランナーの内部位置においてゲート信号に結合されるように構成されたゲートランナーと、
前記ユニットセルトランジスタのうちの隣接するユニットセルトランジスタの間の前記半導体構造の前記上面上の絶縁構造であって、前記半導体構造の前記上面からの前記ゲートライナーの高さを超える、前記半導体構造の前記上面からの高さを有する絶縁構造と
を備えるマルチセルトランジスタであって、
前記ユニットセルトランジスタの前記ゲートフィンガーは、第2の方向に沿って互いに離間し、複数のグループで前記半導体構造の前記上面に配置されている、マルチセルトランジスタ。
【請求項2】
前記ゲートライナーは、前記半導体構造の前記上面に対して前記第1のゲートフィンガーより高いレベルにおいて前記第1の方向に延伸する、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項3】
前記絶縁構造は、基準及び/又はグランド信号に電気的に接続されている、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項4】
前記絶縁構造は、壁構造を備える、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項5】
前記絶縁要素は、導電性絶縁材料、磁気絶縁材料、又は損失性誘電体絶縁材料を含む、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項6】
前記ユニットセルトランジスタは、複数のグループで配置され、前記複数のグループのうちの第1のグループの2つの隣接するユニットセルトランジスタ間の前記第2の方向の第1の距離は、前記複数のグループのうちの前記第1のグループの一端にある第1のユニットセルトランジスタと前記複数のグループのうちの第2のグループにある第2のユニットセルトランジスタとの間の前記第2の方向の第2の距離より小さく、前記第2のユニットセルトランジスタは、前記第1のユニットセルトランジスタに隣接する、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項7】
前記第2の距離は、前記第1の距離より少なくとも5倍大きい、請求項6に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項8】
前記絶縁構造は、金属パッドと、前記金属パッドと前記半導体構造との間に配置された複数のビアとを備える、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項9】
前記絶縁構造は、金属パッドと、前記金属パッドの上面に接合された1つ以上のボンドワイヤとを備える、請求項1又は8に記載のマルチセルトランジスタ。
【請求項10】
前記ゲートランナーの前記内部位置は、前記ゲートランナーの第1の端部と第2の端部との間の距離の1/3~2/3の間であり得る、請求項1に記載のマルチセルトランジスタ。