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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010959
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】撮像素子および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/772 20230101AFI20230113BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20230113BHJP
   H04N 25/78 20230101ALI20230113BHJP
【FI】
H04N5/3745 500
H04N5/369
H04N5/378
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022187224
(22)【出願日】2022-11-24
(62)【分割の表示】P 2020082097の分割
【原出願日】2013-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗山 孝司
(57)【要約】
【課題】画素数が多くなるほど電荷が転送されてから画素信号が読み取られるまでの時間が長くなり、電荷が増減して画素信号にノイズが乗りやすい。
【解決手段】撮像素子であって、画素が行列状に複数配された単位ブロックが、行列状に複数配された撮像部と、単位ブロックにつき少なくとも一つ設けられ、対応する単位ブロックに含まれる画素からの画素信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、複数の単位ブロックにまたがって、撮像部に含まれる画素のデジタル信号を順次読み出す読出部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の半導体基板を備える撮像素子であって、
複数の半導体基板は、
行方向と列方向とに並んで配置され、光を電荷に変換する複数の光電変換部を有する第1半導体基板と、
前記行方向と前記列方向とに並んで配置され、前記光電変換部で変換された電荷に基づく画素信号をデジタル信号に変換する複数のアナログ/デジタル変換回路を有する第2半導体基板と
を備え、
前記複数のアナログ/デジタル変換回路は、
前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第1光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第1画素信号をデジタル信号に変換する第1アナログ/デジタル変換回路と、
前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第2光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第2画素信号をデジタル信号に変換する第2アナログ/デジタル変換回路と、
前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第3光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第3画素信号をデジタル信号に変換する第3アナログ/デジタル変換回路と
を有し、
前記2以上の第2光電変換部は、前記行方向において前記2以上の第1光電変換部の隣に配置され、
前記2以上の第3光電変換部は、前記行方向において前記2以上の第2光電変換部の隣に配置される撮像素子。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像素子において、
前記第2アナログ/デジタル変換回路は、前記行方向において前記第1アナログ/デジタル変換回路と前記第3アナログ/デジタル変換回路との間に配置される撮像素子。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像素子において、
前記第2アナログ/デジタル変換回路は、前記第1アナログ/デジタル変換回路の隣に配置され、
前記第3アナログ/デジタル変換回路は、前記第2アナログ/デジタル変換回路の隣に配置される撮像素子。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記複数のアナログ/デジタル変換回路は、
前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第4光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第4画素信号をデジタル信号に変換する第4アナログ/デジタル変換回路と、
前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第5光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第5画素信号をデジタル信号に変換する第5アナログ/デジタル変換回路と
を有し、
前記2以上の第2光電変換部は、前記列方向において前記2以上の第4光電変換部と前記2以上の第5光電変換部との間に配置される撮像素子。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像素子において、
前記2以上の第2光電変換部は、前記列方向において前記2以上の第4光電変換部の隣に配置され、
前記2以上の第5光電変換部は、前記列方向において前記2以上の第2光電変換部の隣に配置される撮像素子。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の撮像素子において、
前記第2アナログ/デジタル変換回路は、前記列方向において前記第4アナログ/デジタル変換回路と前記第5アナログ/デジタル変換回路との間に配置される撮像素子。
【請求項7】
請求項6に記載の撮像素子において、
前記第2アナログ/デジタル変換回路は、前記第4アナログ/デジタル変換回路の隣に配置され、
前記第5アナログ/デジタル変換回路は、前記第2アナログ/デジタル変換回路の隣に配置される撮像素子。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記2以上の第1光電変換部と、前記第1アナログ/デジタル変換回路とを電気的に接続する第1接合部と、
前記2以上の第2光電変換部と、前記第2アナログ/デジタル変換回路とを電気的に接続する第2接合部と、
前記2以上の第3光電変換部と、前記第3アナログ/デジタル変換回路とを電気的に接続する第3接合部と
を備える撮像素子。
【請求項9】
請求項8に記載の撮像素子において、
前記第1接合部は、前記第1画素信号が出力され、
前記第2接合部は、前記第2画素信号が出力され、
前記第2接合部は、前記第3画素信号が出力される撮像素子。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の撮像素子において、
前記第1接合部は、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とにそれぞれ配置された第1導電性部材を有し、
前記第2接合部は、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とにそれぞれ配置された第2導電性部材を有し、
前記第3接合部は、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とにそれぞれ配置された第3導電性部材を有する撮像素子。
【請求項11】
請求項10に記載の撮像素子において、
前記第1接合部は、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とにそれぞれ配置された第1金属部材を有し、
前記第2接合部は、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とにそれぞれ配置された第2金属部材を有し、
前記第3接合部は、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とにそれぞれ配置された第3金属部材を有する撮像素子。
【請求項12】
請求項11に記載の撮像素子において、
前記第1金属部材は、銅により構成され、
前記第2金属部材は、銅により構成され、
前記第3金属部材は、銅により構成される撮像素子。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第2半導体基板は、
前記2以上の第1光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づくアナログ信号に含まれるノイズを除去するための第1ノイズ除去回路と、
前記2以上の第2光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づくアナログ信号に含まれるノイズを除去するための第2ノイズ除去回路と、
前記2以上の第3光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づくアナログ信号に含まれるノイズを除去するための第3ノイズ除去回路と
を有する撮像素子。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記複数の半導体基板は、
前記第1画素信号、前記第2画素信号および前記第3画素信号をそれぞれ読み出すため制御部を有する撮像素子。
【請求項15】
請求項14に記載の撮像素子において、
前記制御部は、前記第1半導体基板に配置される撮像素子。
【請求項16】
請求項14に記載の撮像素子において、
前記制御部は、前記第2半導体基板に配置される撮像素子。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記複数の半導体基板は、
前記複数のアナログ/デジタル変換回路でそれぞれデジタル信号に変換された前記画素信号を記憶するメモリ部を有する撮像素子。
【請求項18】
請求項17に記載の撮像素子において、
前記メモリ部は、第3半導体基板に配置される撮像素子。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載の撮像素子において、
前記メモリ部は、
前記第1アナログ/デジタル変換回路でデジタル信号に変換された前記第1画素信号を記憶する第1メモリと、
前記第2アナログ/デジタル変換回路でデジタル信号に変換された前記第2画素信号を記憶する第2メモリと、
前記第3アナログ/デジタル変換回路でデジタル信号に変換された前記第3画素信号を記憶する第3メモリと
を有する撮像素子。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の撮像素子を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画素が行列状に配列された撮像素子において、トランジスタと蓄積容量からなるメモリ回路を用いて電荷を一斉に転送することにより、電子的にグローバルシャッタを実現するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2011-119950
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電荷が一斉に転送された後に当該電荷に基づく画素信号は、順次、読み取られる。よって、画素数が多くなるほど電荷が転送されてから画素信号が読み取られるまでの時間が長くなり、電荷が増減して画素信号にノイズが乗りやすい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、積層された複数の半導体基板を備える撮像素子であって、複数の半導体基板は、方向と列方向とに並んで配置され、光を電荷に変換する複数の光電変換部を有する第1半導体基板と、記行方向と前記列方向とに並んで配置され、前記光電変換部で変換された電荷に基づく画素信号をデジタル信号に変換する複数のアナログ/デジタル変換回路を有する第2半導体基板とを備え、前記複数のアナログ/デジタル変換回路は、前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第1光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第1画素信号をデジタル信号に変換する第1アナログ/デジタル変換回路と、前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第2光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第2画素信号をデジタル信号に変換する第2アナログ/デジタル変換回路と、前記複数の光電変換部のうち、前記列方向に並んで配置される2以上の第3光電変換部でそれぞれ変換された電荷に基づく第3画素信号をデジタル信号に変換する第3アナログ/デジタル変換回路とを有し、前記2以上の第2光電変換部は、前記行方向において前記2以上の第1光電変換部の隣に配置され、前記2以上の第3光電変換部は、前記行方向において前記2以上の第2光電変換部の隣に配置される撮像素子を提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態に係る裏面照射型の撮像素子の断面図である。
図2】撮像チップの画素配列と単位ブロックを説明する図である。
図3】画素に対応する回路図である。
図4】単位ブロックおよびその周辺回路並びにそれらの接続関係の概略を示す。
図5】周辺回路等の接続関係の概略を示す。
図6】本実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
図7】駆動部の具体的構成を示すブロック図である。
図8】画素の電荷蓄積、転送等の動作のタイミングチャートを示す。
図9】画素の画素信号を読み出す動作のタイミングチャートを示す。
図10】撮像部に含まれる複数の画素の読み出しタイミングを示すタイミングチャートである。
図11】周辺回路等の接続関係の別例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る裏面照射型の撮像素子100の断面図である。撮像素子100は、入射光に対応した画素信号を出力する撮像チップと113と、画素信号を処理する信号処理チップ111と、画素信号を記憶するメモリチップ112とを備える。これら撮像チップ113、信号処理チップ111およびメモリチップ112は積層されており、Cu等の導電性を有するバンプ109により互いに電気的に接続される。
【0009】
なお、図示するように、入射光は主に白抜き矢印で示すZ軸プラス方向へ向かって入射する。本実施形態においては、撮像チップ113において、入射光が入射する側の面を裏面と称する。また、座標軸に示すように、Z軸に直交する紙面右方向をX軸プラス方向、Z軸およびX軸に直交する紙面手前方向をY軸プラス方向とする。以降のいくつかの図においては、図1の座標軸を基準として、それぞれの図の向きがわかるように座標軸を表示する。
【0010】
撮像チップ113の一例は、裏面照射型のMOSイメージセンサである。PD層は、配線層108の裏面側に配されている。PD層106は、二次元的に配された複数のPD(フォトダイオード)104、および、PD104に対応して設けられたトランジスタ105を有する。
【0011】
PD層106における入射光の入射側にはパッシベーション膜103を介してカラーフィルタ102が設けられる。カラーフィルタ102は、互いに異なる波長領域を透過する複数の種類を有しており、PD104のそれぞれに対応して特定の配列を有している。カラーフィルタ102の配列については後述する。カラーフィルタ102、PD104およびトランジスタ105の組が一つの画素を形成する。
【0012】
カラーフィルタ102における入射光の入射側には、それぞれの画素に対応して、マイクロレンズ101が設けられる。マイクロレンズ101は、対応するPD104へ向けて入射光を集光する。
【0013】
配線層108は、PD層106からの画素信号を信号処理チップ111に伝送する配線107を有する。配線107は多層であってもよく、また、受動素子および能動素子が設けられてもよい。
【0014】
配線層108の表面には複数のバンプ109が配される。当該複数のバンプ109が信号処理チップ111の対向する面に設けられた複数のバンプ109と位置合わせされて、撮像チップ113と信号処理チップ111とが加圧等されることにより、位置合わせされたバンプ109同士が接合されて、電気的に接続される。
【0015】
同様に、信号処理チップ111およびメモリチップ112の互いに対向する面には、複数のバンプ109が配される。これらのバンプ109が互いに位置合わせされて、信号処理チップ111とメモリチップ112とが加圧等されることにより、位置合わせされたバンプ109同士が接合されて、電気的に接続される。
【0016】
なお、バンプ109間の接合には、固相拡散によるCuバンプ接合に限らず、はんだ溶融によるマイクロバンプ結合を採用しても良い。また、バンプ109は、例えば後述する一つの出力配線に対して一つ程度設ければ良い。したがって、バンプ109の大きさは、PD104のピッチよりも大きくても良い。また、画素が配列された画素領域以外の周辺領域において、画素領域に対応するバンプ109よりも大きなバンプを併せて設けても良い。
【0017】
信号処理チップ111は、表裏面にそれぞれ設けられた回路を互いに接続するTSV(シリコン貫通電極)110を有する。TSV110は、周辺領域に設けられることが好ましい。また、TSV110は、撮像チップ113の周辺領域、メモリチップ112にも設けられて良い。
【0018】
図2は、撮像チップ113の画素配列と単位ブロック131を説明する図である。特に、撮像チップ113を裏面側から観察した様子を示す。撮像チップ113は、2000万個以上もの画素がマトリックス状に配列された撮像部を有する。図2の例において、隣接する4画素×4画素の16画素が一つの単位ブロック131を形成する。図の格子線は、隣接する画素がグループ化されて単位ブロック131を形成する概念を示す。
【0019】
撮像部の部分拡大図に示すように、単位ブロック131は、緑色画素Gb、Gr、青色画素Bおよび赤色画素Rの4画素から成るいわゆるベイヤー配列を、上下左右に4つ内包する。緑色画素Gb、Grは、カラーフィルタ102として緑色フィルタを有し、入射光のうち緑色波長帯の光を受光する。同様に、青色画素Bは、カラーフィルタ102として青色フィルタを有し、青色波長帯の光を受光し、赤色画素Rは、カラーフィルタ102として赤色フィルタを有し、赤色波長帯の光を受光する。
【0020】
図2においては、説明の簡略化のため、単位ブロック131が4画素×4画素の16画素からなる例を説明した。以降は、単位ブロック131は、画素がL行P列で合計(L×P)個配列されている例を説明する。行数および列数に特に制限はないが、撮像部の画素全体が2000万画素程度ある場合に、例えば64行32列等である。また、当該単位ブロック131がm行n列で合計(m×n)個配列されて撮像部を形成する例を説明する。
【0021】
図3は、画素150に対応する回路図である。図3において、代表的に点線で囲む矩形が、1つの画素150に対応する回路を表す。なお、以下に説明する各トランジスタの少なくとも一部は、図1のトランジスタ105に対応する。
【0022】
PD104は、転送トランジスタ154に接続され、転送トランジスタ154のゲートには、転送パルスが供給される配線Tx_i_jに接続される。なお添え字iは、単位ブロック131を識別する、撮像部全体での通し番号である。添え字jは、単位ブロック131内の行番号を識別する、単位ブロック131内の通し番号である。
【0023】
転送トランジスタ154のドレインは、リセットトランジスタ152のソースに接続される。これにより、転送トランジスタ154のドレインとリセットトランジスタ152のソース間のいわゆるFD(フローティングディフュージョン)156が形成される。リセットトランジスタ152のドレインは電源電圧が供給される配線Vddに接続され、そのゲートはリセットパルスが供給される配線Rst_i_jに接続される。
【0024】
FD156の一端はさらに、パストランジスタ158のソースに接続される。パストランジスタ158のゲートはパスパルスが供給される配線Wrt_i_jに接続され、ドレインは蓄積容量160の一端に接続される。これらパストランジスタ158および蓄積容量160がいわゆるメモリ回路を形成する。
【0025】
蓄積容量160の上記一端はさらに、増幅トランジスタ162のゲートに接続される。増幅トランジスタ162のドレインは電源電圧が供給される配線Vddに接続される。増幅トランジスタ162のソースは、対応する選択トランジスタ164のドレインに接続される。選択トランジスタ164のゲートは、選択パルスが供給される配線Sel_i_jに接続される。
【0026】
選択トランジスタ164のソースは、列伝送路170に接続される。負荷電流源166は、列伝送路170に電流を供給する。すなわち、選択トランジスタ164に対する列伝送路170は、ソースフォロアにより形成される。
【0027】
図4は、単位ブロック131およびその周辺回路133、並びにそれらの接続関係の概略を示す。図4の単位ブロック131において、画素150がL行P列で合計(P×L)個配列されている。
【0028】
配線Rst_i_l(ただし、lは1からLの整数)は、行制御部200に接続されていると共に、単位ブロック131内におけるl行目のP個の画素150に共通に接続されている。同様に、配線Tx_i_l、配線Wrt_i_l、配線Sel_i_lも行制御部200に接続されていると共に、単位ブロック131内におけるl行目のP個の画素150に共通に接続されている。
【0029】
行制御部200は、行選択部、垂直走査回路等と呼ばれることもある。行制御部200は、単位ブロック131ごとに設けられている。行制御部200は信号処理チップ111側に設けられてもよい。
【0030】
列伝送路170は、同一列の画素150ごとに設けられている。これら列伝送路170_p(ただし、pは1からPの整数)は、単位ブロック131内におけるp列目のL個の画素150に共通に接続されている。これにより、列伝送路170は単位ブロック131内の同一列の画素150で共有され、当該列に含まれる画素150からの信号を伝送する。
【0031】
これら列伝送路170_pは撮像チップ113側から、バンプ109を介して、信号処理チップ111側に設けられた周辺回路133へ接続されている。周辺回路133は単位ブロック131ごとに設けられており、積層方向から見て撮像チップ113における単位ブロック131に重なるように配されている。
【0032】
周辺回路133は、列伝送路170_pごとに直列に接続されたCDS回路202およびA/D変換回路204を有する。図4に示す例において、単位ブロック131あたり、CDS回路202とA/D変換回路204との組がP個設けられている。
【0033】
周辺回路133はさらに、上記P個のA/D変換回路204の出力側に配されたシフトレジスタ206を有する。図4の例において、単位ブロック131ごとにシフトレジスタ206が一つ配される。シフトレジスタ206の出力は、列バスライン172を介してシフトレジスタ210に接続される。
【0034】
図5は、周辺回路133等の接続関係の概略を示す。単位ブロック131がm行n列配されていることに対応して、周辺回路133もm行n列配されている。
【0035】
列バスライン172は、同一列の周辺回路133ごとに設けられている。この列バスライン172_u(ただし、uは1からnの整数)は、u列目のm個の周辺回路133に共通に接続されている。これにより、列バスライン172は、同一列の単位ブロック131で共有され、当該列に含まれる単位ブロック131からの信号を伝送する。
【0036】
尚、列バスライン172は同一列の周辺回路133で共有されているので、それぞれの周辺回路133の出力は、図示しない出力選択回路により制御されるよう構成する。例えば図4の172の出力を有効にしたり非有効にしたりする。非有効時時にはハイインピーダンスにする等で制御する。
【0037】
上記n個の列バスライン172の出力側にはシフトレジスタ210が配される。図5の例において、撮像素子100全体としてシフトレジスタ210が一つ配される。シフトレジスタ210はn個の列バスライン172から伝送された信号を保持し、順次、出力する。なお、シフトレジスタ206、210は、水平走査回路、マルチプレクサ等と呼ばれることもある。
【0038】
図6は、本実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。撮像装置500は、撮影光学系としての撮影レンズ520を備え、撮影レンズ520は、光軸OAに沿って入射する被写体光束を撮像素子100へ導く。撮影レンズ520は、撮像装置500に対して着脱できる交換式レンズであっても構わない。撮像装置500は、撮像素子100、システム制御部501、駆動部502、測光部503、ワークメモリ504、記録部505、および表示部506を主に備える。
【0039】
撮影レンズ520は、複数の光学レンズ群から構成され、シーンからの被写体光束をその焦点面近傍に結像させる。なお、図6では瞳近傍に配置された仮想的な1枚のレンズで代表して表している。駆動部502は、システム制御部501からの指示に従って撮像素子100の電荷蓄積制御、画素信号の読み出し制御等を実行する。
【0040】
撮像素子100は、画素信号をシステム制御部501の画像処理部511へ引き渡す。画像処理部511は、ワークメモリ504をワークスペースとして種々の画像処理を施し、画像データを生成する。例えば、JPEGファイル形式の画像データを生成する場合は、ホワイトバランス処理、ガンマ処理等を施した後に圧縮処理を実行する。生成された画像データは、記録部505に記録されるとともに、表示信号に変換されて予め設定された時間の間、表示部506に表示される。
【0041】
測光部503は、画像データを生成する一連の撮影シーケンスに先立ち、シーンの輝度分布を検出する。測光部503は、例えば100万画素程度のAEセンサを含む。システム制御部501の演算部512は、測光部503の出力を受けてシーンの領域ごとの輝度を算出する。演算部512は、算出した輝度分布に従ってシャッタ速度、絞り値、ISO感度を決定する。なお、上記AEセンサに用いられる画素を撮像素子100内に設けてもよく、この場合には当該撮像素子100とは別個の測光部503を設けなくてもよい。
【0042】
図7は、駆動部502の具体的構成を示すブロック図である。駆動部502は、分担化された制御機能としてのセンサ制御部441、ブロック制御部442、同期制御部443、信号制御部444、画素メモリ414、演算回路415と、これらの各制御部を統括制御する駆動制御部420とを含む。駆動部502は、さらに、駆動制御部420と撮像装置500本体のシステム制御部501と間のI/F回路418を含む。
【0043】
駆動制御部420は、タイミングメモリ430を参照して、システム制御部501からの指示を、各制御部が実行可能な制御信号に変換してそれぞれに引き渡す。タイミングメモリ430は、フラッシュRAM等により形成される。
【0044】
センサ制御部441は、撮像チップ113へ送出する、各画素の電荷蓄積、電荷読み出しに関わる制御パルスの送出制御を担う。具体的には、センサ制御部441は、各単位ブロック131の行制御部200へリセットパルス、転送パルスおよびパスパルスを送出することにより、対象画素の電荷蓄積の開始と終了を制御し、読み出し画素に対して選択パルスを送出することにより、画素信号を列伝送路170へ出力させる。
【0045】
ブロック制御部442は、撮像チップ113へ送出する、制御対象となる単位ブロック131を特定する特定パルスの送出を実行する。各画素が配線Tx_i_j等を介して受ける転送パルス等は、センサ制御部441が送出する各パルスとブロック制御部442が送出する特定パルスの論理積となる。このように、各領域を互いに独立したブロックとして制御することができる。なお、複数の単位ブロック131で同期したパルスを用いる場合、および、複数の単位ブロック131にまたがった動作を行う場合には、ブロック制御部442は、これら複数の単位ブロックのそれぞれを特定する特定パルスを同時に送出する。
【0046】
同期制御部443は、同期信号を撮像チップ113へ送出する。各パルスは、同期信号に同期して撮像チップ113においてアクティブとなる。例えば、同期信号を調整することにより、同一の単位ブロック131に属する画素の特定画素のみを制御対象とするランダム制御、間引き制御等を実現する。また、信号制御部444は、CDS回路202、A/D変換回路204、シフトレジスタ206、210に対するタイミング制御を担う。
【0047】
演算回路415は、画素メモリ414に格納された画素値に基づいて、AE評価値等を演算する。演算回路415は、当該演算結果を駆動制御部420に出力する。
【0048】
画素メモリ414は、撮像部の画素150からの画素値を格納できるメモリ空間を有し、各画素から読み出しされてデジタル化されたそれぞれの画素値を格納する。画素メモリ414には、引渡要求に従って画素信号を伝送するデータ転送インタフェースが設けられている。データ転送インタフェースは、画像処理部511と繋がるデータ転送ラインと接続されている。データ転送ラインは例えばバスラインのうちのデータバスによって構成される。この場合、システム制御部501から駆動制御部420への引渡要求は、アドレスバスを利用したアドレス指定によって実行される。
【0049】
データ転送インタフェースによる画素信号の伝送は、アドレス指定方式に限らず、さまざまな方式を採用しうる。例えば、データ転送を行うときに、各回路の同期に用いられるクロック信号の立ち上がり・立ち下がりの両方を利用して処理を行うダブルデータレート方式を採用し得る。また、アドレス指定などの手順を一部省略することによってデータを一気に転送し、高速化を図るバースト転送方式を採用し得る。また、制御部、メモリ部、入出力部を並列に接続している回線を用いたバス方式、直列にデータを1ビットずつ転送するシリアル方式などを組み合わせて採用することもできる。
【0050】
このように構成することにより、画像処理部511は、必要な画素値に限って受け取ることができるので、特に低解像度の画像を形成する場合などにおいて、高速に画像処理を完了させることができる。なお、駆動部502、図4の行制御部200、周辺回路133および図5のシフトレジスタ210が、複数の単位ブロック131にまたがって、撮像部に含まれる画素150の画素信号を順次読み出す読出部として機能する。
【0051】
図8は、画素150の電荷蓄積、転送等の動作のタイミングチャートを示す。以下、図8を用いて図3の画素150における電荷蓄積および転送の動作を説明する。
【0052】
初期状態として、時刻t0において駆動部502は、行制御部200を介して配線Rst_i_j、Tx_i_j、Wrt_i_jの電圧をハイにすることにより、リセットトランジスタ152、転送トランジスタ154およびパストランジスタ158をオンにしておく。これにより、PD104、FD156および蓄積容量160がリセットされる。
【0053】
レリーズボタンの押し下げ等により撮像を開始すべき入力があった時刻t1において、駆動部502は、配線Tx_i_jをローにすることにより、転送トランジスタ154をオフにする。これによりPD104に入射した光が光電変換されて電荷として蓄積され始める。
【0054】
駆動部502は、設定した電荷蓄積の終了時刻t3の直前の時刻t2において、配線Rst_i_j、Wrt_i_jの電圧をローにしてリセットトランジスタ152およびパストランジスタ158をオフした後に、終了時刻t3から時刻t4まで配線Tx_i_jをハイにする転送パルスを送る。これにより、PD104で光電変換された電荷がFD156に蓄積される。
【0055】
駆動部502は、上記時刻t4の後に、時刻t5から時刻t6まで配線Wrt_i_jをハイにする転送パルスを送る。これにより、FD156に蓄積された電荷が蓄積容量160に転送され、その後のPD104への電荷蓄積から隔離されて、当該電荷が保持される。その後の時刻t7で配線Rst_i_jをハイにすることで、電荷蓄積および転送の動作を終了する。
【0056】
以上、図3の一つの画素150の動作を説明した。しかしながら、図4に示すように、単位ブロック131内において、配線Rst_i_j等は、同一行のP個の画素150で共通接続されている。したがって、上記図8の動作は少なくとも単位ブロック131内の同一行の画素150では一斉に実行される。
【0057】
さらに、グローバルシャッタ時においては、m行n列の単位ブロック131におけるL行の画素150に対して、一斉に図8の動作が実行される。すなわち、配線Rst_i_j等における添え字iが1からm×nまで、添え字jが1からLまでで示される配線に対し、同時に、図8に従ってハイとローとが切り替えられる。これにより同時刻に各画素150に入射した像光を光電変換して、電荷を保持することができる。特に断らない限り、以下、グローバルシャッタが実行されたものとして、説明する。
【0058】
図9は、画素150の画素信号を読み出す動作のタイミングチャートを示す。以下、図9を用いて画素150の画素信号が列伝送路170へ読み出される動作を説明する。
【0059】
駆動部502は、上記時刻t7よりも後の時刻t8において配線Sel_i_jをハイにすることにより、選択トランジスタ164をオンにする。これにより蓄積容量160に蓄積された電荷により生じる電圧に対応した画素信号としての電圧が、列伝送路170に出力される。さらに、駆動部502は、配線Sel_i_jをハイにした状態で配線Wrt_i_jをハイにするパスパルスを送る。これにより、蓄積容量160における増幅トランジスタ162とのノードにおけるリセット信号としての電圧が、列伝送路170に出力される。その後の時刻t9で、駆動部502は配線Sel_i_jをローとすることにより、画素150に対する読み出しを終了する。
【0060】
CDS回路202は、上記画素信号およびリセット信号に基づいて、ノイズを除去する。A/D変換回路204は、CDS回路202でノイズが除去された画素信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0061】
図10は、撮像部に含まれる複数の画素150の読み出しタイミングを示すタイミングチャートである。なお、図9で説明した通り、配線Wrt_i_jに対するパスパルスは、配線Sel_i_jをハイにした状態で送られるので、説明を簡略化する目的で図9には配線Sel_i_jのタイミングチャートのみを示した。
【0062】
撮像部全体としての読み出しにおいて、まず、撮像部全体での1行目の画素150が選択される。すなわち、1行目の単位ブロック131における一行目の画素150が選択される。図5の例で1行目の単位ブロック131は、添え字iが1からnに対応する。よって、駆動部502は、配線Sel_i_1(ただし、iは1からn)を同時にハイにする選択パルスを、対応する単位ブロック131の行制御部200に送る。
【0063】
上記の通り、単位ブロック131内で配線Sel_i_1は1行目の画素150で共通に接続されている。さらに、1行目の単位ブロック131に対して選択パルスが送られる。よって、複数の単位ブロック131にまたがって、1行目の画素150の画素信号がそれぞれの列伝送路170に読み出される。
【0064】
列伝送路170はそれぞれ、行制御部200により選択された上記画素150からの画素信号を単位ブロック131内における対応する列のCDS回路202に伝送する。当該画素信号は、CDS回路202でノイズが除去されて、A/D変換回路204でデジタル信号に変換されて、シフトレジスタ206に入力される。シフトレジスタ206は、当該読み出し動作によって、列伝送路170のそれぞれを介して当該単位ブロック131における1行目のP個のデジタル信号を受け取り、一旦、保持する。
【0065】
シフトレジスタ206は、P個のデジタル信号を、列バスライン172を介してシフトレジスタ210に順次、出力する。この場合に、一行目の単位ブロック131同士で同期して伝送されることが好ましい。シフトレジスタ210は当該読み出し動作によって、撮像部全体の一行目の画素150、すなわち、P×n個のデジタル信号を受け取る。
【0066】
シフトレジスタ210は、P×n個のデジタル信号を、順次、画素メモリ414に出力し、画素メモリ414は当該デジタル信号を画素値として記憶する。この場合に、シフトレジスタ210は、撮像部全体における画素150の並び順序でデジタル信号を出力することが好ましい。図4および図5に示す例において、一番目(i=1)の単位ブロック131における1行目の画素150のデジタル信号が左から右へP個出力され、次に、2番目(i=2)の単位ブロック131における1行目の画素150のデジタル信号が左から右へP個出力される、等となる。
【0067】
以上により、撮像部全体の1行目の画素150の読み出しが終了する。次に、撮像部全体での2行目の画素150が選択される。すなわち、1行目の単位ブロック131における2行目の画素150が選択される。駆動部502は、配線Sel_i_2(ただし、iは1からn)を同時にハイにする選択パルスを、対応する単位ブロック131の行制御部200に送る。これにより、1行目の画素150と同様に2行目の画素150の画素信号が読み出されて、画素値として画素メモリ414に出力される。
【0068】
以降、3行目から、単位ブロック131内の最終行であるL行目まで上記動作が繰り返される。これにより、1行目の単位ブロック131に含まれる画素150の読み出しが終了する。
【0069】
次に、撮像部全体での(L+1)行目の画素150が選択される。すなわち、2行目の単位ブロック131における1行目の画素150が選択される。駆動部502は、配線Sel_i_1(ただし、iは(n+1)から2n)を同時にハイにする選択パルスを、対応する単位ブロック131の行制御部200に送る。これにより、1行目の単位ブロック131の場合と同様に、2行目の単位ブロック131の1行目の画素150の画素信号が読み出されて、画素値として画素メモリ414に出力される。同様に、撮像部全体での(L+2)行目から2L行目まで、すなわち、2行目の単位ブロック131の2行目からL行目までが、順次、読み出される。これにより、2行目の単位ブロック131に含まれる画素150の読み出しが終了する。
【0070】
以降、撮像部全体での(2L+1)行目からL×m行目まで、すなわち、3行目の単位ブロック131の1行目からm行目の単位ブロック131のL行目までが、順次、読み出される。これにより、撮像部全体すなわちm行n列の単位ブロック131に含まれる、(L×P)×(n×m)個の画素150の読み出しが終了する。
【0071】
上記実施形態においては、画素メモリ414に画素を順次出力するシフトレジスタ210への入力前に、周辺回路133により画素信号がデジタル信号に変換されている。よって、シフトレジスタ210で保持されている状態においてノイズが重畳されることを抑えることができる。さらに、周辺回路133のシフトレジスタ206への入力前に画素信号がデジタル信号に変換されているので、シフトレジスタ206で保持されている状態においてノイズが重畳されることを抑えることができる。
【0072】
また、撮像部を複数の単位ブロック131に分けて、当該単位ブロック131に対応する周辺回路133を信号処理チップ111側に配したことにより、PD104の面積を減らすことなく、シフトレジスタ206、210への入力前にA/D変換を実行することができる。さらに、単位ブロック131が行列状に配され、単位ブロック131内の画素150も行列状に配されていても、撮像部全体の画素150の行列状の配置に応じた画素信号を出力することができる。これにより、画素メモリ414、画像処理部511等において、撮像部が単位ブロック131に分割されていることによる付加的な回路、処理等を用いなくてもよい。
【0073】
図11は、周辺回路133等の接続関係の別例を示す。図11において図5と同じ構成については同じ番号を付して、説明を省略する。
【0074】
n個の列バスライン172の出力側にはマトリクススイッチ220が接続される。マトリクススイッチ220の出力側は、シフトレジスタ206_1からシフトレジスタ206_kに接続されている。
【0075】
マトリクススイッチ220は、列バスライン172に伝送されたデジタル信号を、対応する列に含まれる単位ブロック131ごとにそれぞれ複数のシフトレジスタ206のいずれかかへ入力する。例えば、列バスライン172_1、172_2からのデジタル信号をシフトレジスタ206_1に入力し、列バスライン172_3、172_4からのデジタル信号をシフトレジスタ206_2に入力する。
【0076】
さらに、マトリクススイッチ220は、列バスライン172とシフトレジスタ206_1等との組み合わせを動的に変更してもよい。例えば、動画撮影、ライブビュー(スルー画表示などとも呼ばれる)、クロップ撮影等において、撮像部のうちの一部の単位ブロック131からの読み出しをする場合に、読み出される単位ブロック131の列バスライン172とシフトレジスタ206_1等との組み合わせを設定してもよい。例えば、n/2個の単位ブロック131を読み出す場合には、これらの単位ブロック131ができるだけ均等にシフトレジスタ206_1からシフトレジスタ206_kに割り振られるようにしてもよい。これにより、m行n列の単位ブロック131から画素信号を出力する場合も、これよりも少ない個数の単位ブロック131から画素信号を出力する場合も、予め設定されている最大伝送周波数で画素信号を伝送することができる。
【0077】
上記実施形態においてグローバルシャッタを用いる例を説明したが、これに代えて、グローバルシャッタを用いなくてもよい。この場合に、単位ブロック131内では電荷の蓄積および転送が一斉に行われ、複数の単位ブロック131間ではそれらが時間的に前後してもよい。これに代えて、単位ブロック131内の画素150間に電荷の蓄積および転送が時間的に前後してもよい。グローバルシャッタを用いるか否かが、ユーザの選択により、または、撮影条件に基づいて自動的に設定されてもよい。
【0078】
図3の画素150においてメモリ回路を用いているが、当該メモリ回路を用いなくてもよい。その場合にグローバルシャッタとして、例えばメカニカルシャッタを用いてもよい。
【0079】
図4の周辺回路133は、列ごとにCDS回路202およびA/D変換回路204を有する。CDS回路202とA/D変換回路204との組はこれよりも多くても少なくてもよい。例えば、一つの画素150に対してCDS回路202とA/D変換回路204との組を設けてもよい。この場合には、CDS回路202とA/D変換回路204との組が信号処理チップ111側に設けられており、画素150毎の出力線がバンプ109を介して接続されており、信号処理チップ111側にA/D変換回路204の出力を列ごとに伝送する列伝送路が設けられてもよい。
【0080】
図4の周辺回路133は、シフトレジスタ206で一行分のP個のデジタル信号を、順次、シフトレジスタ210に入力している。これに代えて、列バスライン172を一列につきP系統設けて、周辺回路133は当該列バスライン172を介してP個のデジタルデータをシフトレジスタ210に一斉に入力してもよい。また、列バスライン172は一列につきビット数分の本数設けられ、デジタル信号をビット数に関して一斉に伝送してもよいし、一列につきビット数分よりも少ない本数設けられビット数に関して順次伝送してもよい。
【0081】
図10において、選択パルスが単位ブロック131の行ごとに順次、送られている。これに代えて、m行n列の単位ブロック131に対して一斉に選択パルスを送ってもよい。すなわち、配線Sel_i_jにおけるiを1からm×nまでに対して一斉に転送パルスを送ってもよい。この場合に、駆動部502は同一列の単位ブロック131の各シフトレジスタ206に対して、列の順序に応じて、一の単位ブロック131に対応するシフトレジスタ206からP個のデジタル信号が送り出された後に、次の単位ブロック131に対応するシフトレジスタ206からP個のデジタル信号が送られるようにタイミングを制御する。
【0082】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0083】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0084】
100 撮像素子、101 マイクロレンズ、102 カラーフィルタ、103 パッシベーション膜、104 PD、105 トランジスタ、106 PD層、107 配線、108 配線層、109 バンプ、110 TSV、111 信号処理チップ、112 メモリチップ、113 撮像チップ、131 単位ブロック、133 周辺回路、150 画素、152 リセットトランジスタ、154 転送トランジスタ、156 FD、158 パストランジスタ、160 蓄積容量、162 増幅トランジスタ、164 選択トランジスタ、166 負荷電流源、170 列伝送路、172 列バスライン、200 行制御部、202 CDS回路、204 A/D変換回路、206 シフトレジスタ、210 シフトレジスタ、220 マトリクススイッチ、414 画素メモリ、415 演算回路、418 I/F回路、420 駆動制御部、430 タイミングメモリ、441 センサ制御部、442 ブロック制御部、443 同期制御部、444 信号制御部、500 撮像装置、520 撮影レンズ、501 システム制御部、502 駆動部、503 測光部、504 ワークメモリ、505 記録部、506 表示部、511 画像処理部、512 演算部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11