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特開2023-109637端面部測定装置および端面部測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109637
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】端面部測定装置および端面部測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20230801BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20230801BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G01B11/24 Z
G01B11/30 A
G01N21/956 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011283
(22)【出願日】2022-01-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】大葉 茂
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
【Fターム(参考)】
2F065AA53
2F065BB03
2F065CC19
2F065FF09
2F065GG04
2F065GG12
2F065JJ02
2F065JJ25
2F065MM07
2F065MM09
2F065PP03
2F065PP05
2F065PP13
2F065PP22
2G051AA51
2G051AB01
2G051AB02
2G051BB01
2G051CA03
2G051CB01
(57)【要約】
【課題】ウェーハの端面部の表面状態に左右されず、短時間で端面部の全体を形状測定することができる端面部測定装置および端面部測定方法を提供する。
【解決手段】ウェーハを保持する保持部と、ウェーハを回転させる回転手段と、保持部により保持されたウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該レーザー光がウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部を有するセンサーと、を備えており、ウェーハを保持し回転させながら、少なくとも、ウェーハの保持される面の法線方向から、保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、センサーによりレーザー光の投光および拡散反射光の受光をして、ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定可能な端面部測定装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定装置であって、
前記ウェーハを保持する保持部と、
該保持部を回転させることで前記ウェーハを回転させる回転手段と、
前記保持部により保持された前記ウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該投光部から投光された前記レーザー光が前記ウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部とを有するセンサーと、を備えており、
前記ウェーハを前記保持部により保持し、前記回転手段により回転させながら、
少なくとも、前記ウェーハの保持される面の法線方向から、前記保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、前記センサーにより前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をして、
前記ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定可能なものであることを特徴とする端面部測定装置。
【請求項2】
前記センサーを複数備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の端面部測定装置。
【請求項3】
前記センサーが固定配置されたものであるか、または、
前記ウェーハの端面部に沿って前記センサーの位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構をさらに備えており、該センサー角度調整機構により前記センサーの位置および角度を調整可能なものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端面部測定装置。
【請求項4】
前記ウェーハの端面部の測定形状と、該測定形状から算出される前記ウェーハの端面部の理想形状との差分から、異物の付着物、欠け、チップ、または条痕の判定を行う制御部をさらに備えたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端面部測定装置。
【請求項5】
ウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定方法であって、
前記ウェーハを保持する保持部と、
該保持部を回転させることで前記ウェーハを回転させる回転手段と、
前記保持部により保持された前記ウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該投光部から投光された前記レーザー光が前記ウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部とを有するセンサーと、を用いて、
前記ウェーハを前記保持部により保持し、前記回転手段により回転させながら、
少なくとも、前記ウェーハの保持される面の法線方向から、前記保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、前記センサーにより前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をして、
前記ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定することを特徴とする端面部測定方法。
【請求項6】
前記センサーを複数用いることを特徴とする請求項5に記載の端面部測定方法。
【請求項7】
前記センサーとして固定配置されたものを用いるか、または、
前記ウェーハの端面部に沿って前記センサーの位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構をさらに用い、該センサー角度調整機構により前記センサーの位置および角度を調整可能なものを用いて、
前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の端面部測定方法。
【請求項8】
前記ウェーハの端面部の測定形状と、該測定形状から算出される前記ウェーハの端面部の理想形状との差分から、異物の付着物、欠け、チップ、または条痕の判定を行う制御部をさらに用いて、前記判定を行うことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の端面部測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定装置及び端面部測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハの加工プロセスにおいて、割れや欠け、チッピングを防止するためにウェーハの端面(エッジ)部の面取り加工を行っている。さらに、端面部からの発塵防止するためや、端面部のキズや欠陥、付着物を検査しやすくするために研磨加工を行っている。さらに半導体デバイスの微細化が進むにつれて、端面部形状の精度向上や欠陥低減の要求が高まっている。
【0003】
例えば特許文献1には、端面部の形状評価において、光を照射、受光する手段を配置し、反射光に基づいて端面部形状を算出する演算を行う測定方法が記載されている。
特許文献2には、端面部を取り巻くように配置されたLEDから、順次異なる角度で光を照射し反射光の輝度ピークを検出することで端面部形状を算出する方法が記載されている。
特許文献3には、端面部の側面から光を投光し、投影像(影絵)を撮影することにより、端面部形状を評価する方法が記載されている。
特許文献4には、照明光を集光して焦点面がウェーハ端面部を横切るように配置し、コンフォーカル光学系を介して反射光を検出し、反射光強度がピークとなる位置を端面部として検出し評価する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-147288号公報
【特許文献2】特開2007-256257号公報
【特許文献3】特開2009-025079号公報
【特許文献4】特開2020-020717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者が調査を行ったところ、光を照射して正反射を利用して評価する特許文献1や特許文献2などの評価方法は、端面部が光を正反射する程度のエッチング加工や研磨加工が施されていないと正反射光を受光することができなかった。
また、特許文献3の光を投光した投影像を評価する手法では端面部の形状を測定することはできるが、微細な付着物や欠け、チップ、条痕などを全て捉えることはできない。
さらに、特許文献4の手法では、大掛かりで複雑な光学系機構と検出機構が必要となり、さらに端面部を全てスキャンして評価するのに多大な時間が必要とされる。
【0006】
上記問題点について詳述する。
ウェーハ端面部の形状や異物の付着及び欠け、チップ、条痕などの欠陥検出を行うには、ウェーハ端面部がレーザー光を正反射する程度の表面粗さまで、ミラー化エッチングや研磨布とスラリーを用いて研磨加工を行ったのでなければ測定できなかった。このため、ウェーハの製造工程では、スライス工程、面取り工程、アルカリ水溶液を用いたエッチング工程におけるウェーハの端面部の形状や品質はウェーハ全周領域に渡って測定することはできず、一部分の断面の形状や領域に限られていた。そのためウェーハの端面部に欠け、チップ、クラック、条痕などが存在し、これらの存在により装置内でウェーハが破損することにより、装置が停止するトラブルが発生していた。
また例え測定できたとしても、レーザー光の正反射を受光して測定するための光学系は複雑であり、測定装置は大掛かりな機構となっており、さらには測定範囲が狭くウェーハの端面部の全周を測定するには多大な時間が掛かっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ウェーハの端面部の表面状態に左右されず、短時間で端面部の全体を形状測定することができる端面部測定装置および端面部測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、ウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定装置であって、
前記ウェーハを保持する保持部と、
該保持部を回転させることで前記ウェーハを回転させる回転手段と、
前記保持部により保持された前記ウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該投光部から投光された前記レーザー光が前記ウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部とを有するセンサーと、を備えており、
前記ウェーハを前記保持部により保持し、前記回転手段により回転させながら、
少なくとも、前記ウェーハの保持される面の法線方向から、前記保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、前記センサーにより前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をして、
前記ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定可能なものであることを特徴とする端面部測定装置を提供する。
【0009】
このような本発明の端面部測定装置であれば、ウェーハの端面部をレーザー光により光走査してウェーハ端面部の形状を測定する場合、正反射光ではなく、拡散反射光を受光して測定するため、ウェーハの端面部の表面状態に左右されずに測定可能である。加工工程(例えば、スライス工程、面取り工程、ラップ・研削工程、エッチング工程)のいずれの工程のウェーハにおいても端面部の形状を測定することができるものとなる。
また、拡散反射光を用いることにより、一度に広い範囲を測定することが可能であり、端面部全体を短い時間で測定することができる。しかも簡便な光学系で測定可能である。
【0010】
また、測定形状から、各加工工程における平均(理想)端面部の形状からのバラツキを算出することで、異物の付着(凸部)や欠け、チップ、条痕(凹部)(以下、異物の付着等とも言う)を検出することができる。
さらには、加工工程前後の測定形状から、該加工工程における取り代(研削代、ラップ代、エッチング代など)の測定が可能になり、また、同一の加工工程の時系列的な測定形状から、該加工工程で使用する器具や薬液(研削砥石、ラップキャリア、エッチング液など)のライフの見極めをリアルタイムで判断できる。
これらの検出等が可能なのは、元はと言えば、前述したように各種の加工工程のウェーハの端面部の形状測定を簡便かつ短時間で行うことができるからである。
【0011】
この場合、前記センサーを複数備えたものとすることができる。
【0012】
このようなものであれば、ウェーハの端面部の全領域をセンサーの数に応じて複数の測定領域に分けて同時に測定することができるため、より短時間での測定が可能となる。
【0013】
また、前記センサーが固定配置されたものであるか、または、
前記ウェーハの端面部に沿って前記センサーの位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構をさらに備えており、該センサー角度調整機構により前記センサーの位置および角度を調整可能なものとすることができる。
【0014】
センサーが固定配置のものであれば特に簡便である。また、センサーがセンサー角度調整機構により位置および角度を調整可能であれば、特には1個のセンサーで測定を済ますことも簡単に実施することができる。
【0015】
また、前記ウェーハの端面部の測定形状と、該測定形状から算出される前記ウェーハの端面部の理想形状との差分から、異物の付着物、欠け、チップ、または条痕の判定を行う制御部をさらに備えたものとすることができる。
【0016】
このようなものであれば、上記異物の付着物等の判定を簡便に行うことができる。
【0017】
また本発明は、ウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定方法であって、
前記ウェーハを保持する保持部と、
該保持部を回転させることで前記ウェーハを回転させる回転手段と、
前記保持部により保持された前記ウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該投光部から投光された前記レーザー光が前記ウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部とを有するセンサーと、を用いて、
前記ウェーハを前記保持部により保持し、前記回転手段により回転させながら、
少なくとも、前記ウェーハの保持される面の法線方向から、前記保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、前記センサーにより前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をして、
前記ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定することを特徴とする端面部測定方法を提供する。
【0018】
このような本発明の端面部測定方法であれば、拡散反射光を受光して測定することにより、ウェーハの端面部の表面状態に左右されずに、各種の加工工程のウェーハの端面部を測定することができる。
また、簡便な光学系で端面部全体を短い時間で測定することができる。
ひいては、各種の加工工程での測定形状から、異物の付着等の検出、加工工程における取り代の測定、加工工程で使用する器具や薬液のライフの見極めが可能になる。
【0019】
このとき、前記センサーを複数用いることができる。
【0020】
このようにすれば、ウェーハの端面部の全領域をセンサーの数に応じて分担して同時に測定することができるため、より短時間での測定が可能となる。
【0021】
また、前記センサーとして固定配置されたものを用いるか、または、
前記ウェーハの端面部に沿って前記センサーの位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構をさらに用い、該センサー角度調整機構により前記センサーの位置および角度を調整可能なものを用いて、
前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をすることができる。
【0022】
固定配置のセンサーを用いれば特に簡便である。また、センサー角度調整機構により位置および角度を調整可能なセンサーを用いれば、特には1個のセンサーで測定を済ますことも簡単に実施することができる。
【0023】
また、前記ウェーハの端面部の測定形状と、該測定形状から算出される前記ウェーハの端面部の理想形状との差分から、異物の付着物、欠け、チップ、または条痕の判定を行う制御部をさらに用いて、前記判定を行うことができる。
【0024】
このようにすれば、上記異物の付着物等の判定を簡便に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の端面部測定装置や端面部測定方法であれば、簡便かつ短時間で、各加工工程におけるウェーハの端面部の形状を測定可能である。さらには、異物の付着等の検出、各加工工程における取り代の測定、器具や薬液のライフの見極めに役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態における端面部測定装置(センサーが1個でその位置および角度が調整可能)の一例を示す説明図である。
図2】本発明の端面部測定方法による測定(端面部の下半分)の一例を示す説明図である。
図3】三角測距法の概略説明図である。
図4】本発明の第2実施形態における端面部測定装置(センサーが2個で固定配置)の一例を示す説明図である。
図5】本発明の第3実施形態における端面部測定装置(ノッチ部内面測定用を含む)の一例を示す説明図である。
図6】端面部の測定すべき範囲を示す説明図である。
図7】センサーの一例を示す説明図である。
図8】本発明の第4実施形態における端面部測定装置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述のように、ウェーハの端面部の表面状態に左右されず、短時間で端面部の全体を形状測定することができる端面部測定装置及び端面部測定方法が求められていた。
本発明者が鋭意研究を行ったところ、保持されたウェーハを回転させながら、少なくとも、ウェーハ保持面の法線方向から、該保持面とは反対側の面の法線方向までの範囲について(すなわち、測定すべき範囲として、図6に示すような端面部の領域(太線の箇所)を最低限含むことを意味する)、センサー(レーザー光を投光する投光部と、ウェーハの端面部での拡散反射光を受光する受光検出部)を用いて、レーザー光の投光・拡散反射光の受光をして、ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定する装置および方法であれば、短時間で簡便に各種の加工工程におけるウェーハの端面部の形状を測定できることを見出し、本発明を完成させた。
【0028】
(第1実施形態:センサーの位置および角度が調整可能な形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係り、レーザー光をウェーハの端面部に投光し、拡散反射光を受光して検出し、三角測距法により一括して広い範囲を測定する端面部測定装置を示す。
第1実施形態の端面部測定装置1は、図1に示されるように、ウェーハWを載置して保持する保持部2と、保持部2を回転させる回転手段3と、レーザー光Lの光源Sを含む投光部4とレーザー光LのウェーハWの端面部において反射した拡散反射光Rを受光して検出する受光検出部5とを含むセンサー6と、ウェーハWの端面部に沿ってセンサー6の位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構7とを備えている。
【0029】
保持部2はウェーハWを載置し、回転時においても固定して保持できるものであればよく、特に限定されない。また、回転手段3も保持部2を所望の回転速度(回転数)で回転させることができるものであればよい。回転手段3による保持部2の回転によって、該保持部2と共にウェーハWを回転させる仕組みになっている。設定する回転数としては、例えば0.1~4.0rpmとすることができる。この回転数は特に限定されないが、高回転の場合には測定時間は短縮されるが、受光検出部5で使用する例えばCMOSセンサーの画素数やピクセルサイズによって受光検出する感度が低下するのを避けるため、これらの感度が低下しない程度に設定するのが好ましい。
【0030】
センサー6においては、まず光源Sを含む投光部4はレーザー光Lを発光して投光するものであればよく、例えば波長が405nmのブルーレーザー光を投光するものとすることができる。また、受光検出部5は拡散反射光Rを受光して検出することができればよい。
センサー6としては、例えば、図7(上図が側面説明図、下図が平面説明図)に示すように、1600ピクセル、5μm/ピクセルサイズのラインセンサーとすることができる。このようなものであれば最大1600ピクセルを一度に走査可能である。ここでは5μm間隔で多数本のレーザー光を投光するものであるが、その間隔や本数は特に限定されるものではない。
なお、このようなラインセンサーを使用する場合、図7の上図に示すように、ウェーハWの回転方向に対して垂直方向にライン状にレーザー光が投光される。また、投光部4と受光検出部5の位置関係について、図1では簡便のためウェーハの回転方向に対して垂直方向に並ぶように記載したが、ラインセンサーの場合、図7の下図に示すように平面視において(ウェーハWの回転方向に沿って)左右に並ぶように位置する。
【0031】
センサー角度調整機構7は、センサー6を取り付けたアーム8と制御部(コンピュータ)9を有している。アーム8は制御部9によってその動きが制御可能になっており(特にはプログラム等によって自動制御が可能である)、制御部9の制御によりアーム8を自在に操作して、保持部2に保持されたウェーハWの端面部に沿って先端に取り付けたセンサー6の位置および角度を調整可能である。これにより、センサー6の投光部4からレーザー光Lを所望の箇所に投光できるようになっている。より具体的には保持部2に保持されたウェーハWの端面部の測定箇所にレーザー光Lを投光可能である。少なくとも、そのウェーハWの保持面(下面BS)の法線方向から、端面側を経由して、保持面と反対側の面(上面TS)の法線方向までの範囲(測定すべき範囲)に向けて、センサー6を移動させてレーザー光Lを投光できるようになっている。
上記範囲は、言い換えれば、図6に示すようにウェーハWの保持面(下面BS)と端面部との境界B1から、保持面と反対側の面(上面TS)と端面部との境界B2までの範囲である。
ただし、測定すべき範囲は上記範囲のみに限定されず、必要に応じてさらにウェーハWの面内の内側まで拡げることもできる。すなわち、境界B1、B2よりもウェーハWの面内中心に向かって内側に入り込んだ位置をC1、C2と定義した場合に、C1から、端面側(B1・B2)を経由してC2までの範囲を測定すべき範囲とすることもできる。B1-C1間やB2-C2間は例えば1~5mmとすることができる。
なお図1は、1個のセンサー6が端面部に対して斜め45°上方の位置に配置されている場合の例を示している。これは、例えば端面部の上半分の領域にレーザー光Lを投光して測定するときの位置である。一方、端面部の下半分の領域にレーザー光Lを投光して測定するときは、センサー角度調整機構7により、図1の破線で示すような位置および角度に調整可能になっている(端面部に対して斜め45°下方の位置)。
当然この2つの位置に限らず、調整位置は適宜決定することができる。また、上記例では端面部の上半分と下半分とで分けて説明したが、各々の位置からのレーザー光Lが投光される端面部中の範囲(測定範囲)は重複していても良い。重複した場合は合成すれば良い。
【0032】
この制御部9はアーム8のみならず回転手段3とも接続されているものとすることができ、回転手段3による保持部2(およびウェーハW)の回転速度と、センサー6の調整位置および調整角度とをリンクさせて制御することができる。また、センサー6も接続しておき、レーザー光Lの投光を制御したり、受光した拡散反射光Rから三角測距法を用いてウェーハWの端面部の形状を測定するのを制御部9でまとめて行うこともできる。これらのリンク制御により、ウェーハWの端面部において外周方向(円周方向)のどの位置でどのような測定データが得られたかを自動的に把握して形状データ(測定形状)を得ることができる。
さらには、その測定によって得られた形状データを用いて各種のデータを自動的に算出するように制御部9内のプログラムを組むこともできる。このようにしておけば制御部9で簡便に各種のデータを得ることができる。
【0033】
このような本発明のウェーハの端面部測定装置1であれば、形状測定を行うにあたって正反射光ではなく拡散反射光を用いることにより、ウェーハの端面部の表面状態に左右されずにウェーハの端面部の形状測定が可能である。すなわち、スライス工程、面取り工程、ラップ・研削工程、エッチング工程などの工程におけるウェーハであっても形状測定ができるため、実に有意義である。しかも、従来に比べて簡単な光学系で、かつ、短時間で測定可能である。
なお測定対象のウェーハWのサイズは限定されないが、サイズが大きくなるほど、上記のような測定の短時間化という効果を得られる本発明の有効性は高くなる。
【0034】
また、前述した測定形状から算出される各種のデータ例としては、以下のようなものが挙げられる。
まず、各加工工程における平均(理想)端面部の形状からのバラツキを算出することで、異物の付着等を検出することができる。すなわち、端面部の測定形状と、該測定形状から算出される端面部の理想形状との差分(例えば、その大きさ、面積、体積として)から判定することができる。ここでは理想形状として測定形状の平均形状(測定により得られたその端面部の形状曲線の凹凸を平均化した形状曲線)を例に挙げたが、これに限定されず、理想化のための算出アルゴリズムは適宜決定することができる。
また各加工工程のウェーハの端面部の形状を測定することができることから、それらの加工工程前後の端面部の測定形状から研削代、ラップ代、エッチング代を測定することができる。
また時系列的に得た同一の加工工程における端面部の測定形状から、その加工工程で使用する器具等のライフに関するデータを推測することができる。例えば、面取り工程における研削砥石ライフ、ラップ工程におけるラップキャリアライフ、エッチング工程におけるエッチング液ライフの見極めをリアルタイムで判断することができる。
【0035】
次に図1の端面部測定装置1を用いた本発明の端面部測定方法について説明する。
図2はウェーハの端面部の下半分の形状を測定しているとき(すなわち、図1の破線の場合)の一例を示す説明図である。ウェーハWの端面部に対して斜め45°下方の位置からレーザー光Lを投光するようにセンサー角度調整機構7を調整して測定をするときのものである。
保持部2の上に測定対象のウェーハWを載置して固定保持する。また、センサー6が図2に示す位置および角度となるように、センサー角度調整機構7を用いて調整する。
そして、センサー6の投光部4からウェーハWの端面部の下半分に向かってレーザー光Lを投光しつつ、回転手段3によりウェーハWを1回転(360度)させる。このとき、ウェーハWで生じる拡散反射光Rの受光検出部5での受光を併せて行う。
【0036】
このようにして全周を測定後に、センサー角度調整機構7によりセンサー6の位置および角度を調整し、図1の実線で示すセンサーの位置(端面部の斜め45°上方の位置)に移動する。そして端面部の上半分に向かってレーザー光Lを投光しつつ、ウェーハWを1回転(360度)させて全周を測定する。
なお、ウェーハWの端面部の測定位置は、ウェーハWの円周部に設けられたオリエンテーションフラットやノッチを受光検出部5で検知し、回転手段3の回転速度とセンサー角度調整機構7の調整位置および調整角度とリンクさせてウェーハWの円周上のどの座標か決定する。
ここでは下面BS側から上面TS側へ(端面部の下半分から上半分へ)と測定を行う例を示したが、逆に上面TS側から下面BS側へ(端面部の上半分から下半分へ)と測定を行っても良い。
【0037】
ここで図3を参照して三角測距法による測定の一例を説明する。平面視での測定箇所(ウェーハWの端面部)とセンサー6の位置関係を示している。
まず、ウェーハWの端面部のある測定箇所を測定箇所P1(基準測定箇所)とし、該P1に向かってセンサー6の投光部4からレーザー光を投光し、拡散反射光の受光検出部5での結像位置をQ1(基準結像位置)とする。より具体的には、受光検出部5は受光レンズEと受光素子Fを備えたものとすることができ、拡散反射光は受光レンズEで集光されて受光素子F上で結像する。
そして、測定箇所までの距離が変動すると、集光される拡散反射光の角度が変わり、それに伴い、受光素子F上での結像位置が変化する。
例えば図3に示すように、凸部の場合(測定箇所P2)、基準測定箇所(測定箇所P1)に対してセンサー6に近く、結像位置はQ2となる。一方、凹部を測定した場合(測定箇所P3)、基準測定箇所(測定箇所P1)に対してセンサー6から遠く、結像位置はQ3となる。
その結像位置の変化が測定箇所のセンサー6に対する移動量と比例することから、結像位置の変化量を読み取り、測定箇所の移動量として計測できる。
端面部の全周を測定したときの、上記結像位置の変化量の推移(測定箇所の移動量の推移)から、全周の各位置での基準測定箇所に対する凹凸が分かり、ひいてはウェーハWの端面部の表面形状を測定することができる。
なお、上記の基準測定箇所の決定の仕方は特に限定されない。上記のように端面部のある測定箇所とすることもできる。
あるいは、端面部の全周について一旦測定し、全周におけるその測定値(結像位置の変化量(測定箇所の移動量)の推移)の平均値を算出し、その平均値を基準測定箇所とすることもできる(要するに、前述した端面部の理想形状に相当する)。
また、突起箇所や欠陥箇所のサイズが大きい場合(部分的に極端に変化量が大きい場合)には上記平均値への影響が大きくなる。そのため、そのような箇所のデータ(測定値)も平均値(基準測定箇所)の算出に含めると、正常な箇所も誤って凹凸等の異常な箇所として判定されてしまう可能性がある。そこで、平均値を算出するためのデータを昇順に並べ替えて、中心値に近いデータのみを抽出して平均値の算出に使用することも考えられる。例えば四分位範囲などが挙げられる。当然4分割に限定されず、8分割にして4番目と5番目の範囲のデータを用いても良い。このようにすることで、その大きい突起箇所等の平均値への影響を小さくすることができ、平均値(基準測定箇所)をより理想的な形状として決定することができ、精度を向上させることができる。
【0038】
上記のように、第1実施形態では1個のセンサー6がセンサー角度調整機構7により位置等が調整可能な形態について説明した。
ここでセンサー6の数は特に限定されず、1個のみとすることもできるが、複数個あると、ウェーハWの端面部の形状測定を手分けして(すなわち、端面部における全領域を複数の測定領域に分割し、各々で担当して)同時に行うことも可能である。この場合、1個のみで全領域を測定する場合よりも短時間で測定を行うことができるため好ましい。
以下では、複数個のセンサー6が固定配置された第2実施形態について説明する。
【0039】
(第2実施形態:センサーが固定配置された形態)
図4に本発明の第2実施形態の端面部測定装置の一例を示す。
図4のように、例えばウェーハWの端面部の上半分と下半分を分担して測定するセンサー6を2個固定配置している(端面部の斜め45°上方と斜め45°下方の位置)。これらを用いて同時に測定することにより、測定時間を半分に短縮することも可能である。また固定配置であるため簡便である。
当然、2個だけに限らず、端面部の全領域を3つ以上に分割して3個以上の固定配置されたセンサー6を用いて同時測定が可能な形態とすることも可能である。
【0040】
(第3実施形態)
図5に本発明の第3実施形態の端面部測定装置の一例を示す。
第2実施形態の端面部測定装置に対して、図5のようにウェーハWのノッチ部を測定するための2個のセンサーをさらに固定配置している(左側の2個)。一方はノッチ部内面の上半分の測定のためにウェーハWの垂直上方に位置しており、他方はノッチ部内面の下半分の測定のためにウェーハWの垂直下方に位置している。ウェーハWの回転時にノッチ部が通過する位置に向かってレーザー光Lを投光できるようになっている。これによりノッチ部内面の形状についても同時に測定することが可能となる。
【0041】
(第4実施形態)
センサー6の一例として特にはラインセンサーを挙げ、ウェーハWの端面部の上半分(または下半分)という広い範囲を一度に測定する例を説明したが、本発明は当然これに限定されず、投光範囲がより狭い(レーザー光の本数が少ない)センサー、あるいは、レーザーポインタのような1本のレーザー光を投光するセンサーを備えた装置を用い、同様の測定範囲を複数に分けて測定可能なものとすることもできる。
【0042】
そこで、本発明の第4実施形態の端面部測定装置の一例として、1本のレーザー光を投光するセンサーを備えたものを図8に示す。
このセンサー6を複数個固定配置しても良いが、例えばウェーハWの端面部の上半分測定用として1個用意し、センサー角度調整機構で位置を調整しつつ投光および受光させることができる。具体的には、センサー6は端面部の斜め45°上方に配置され(すなわち、斜め45°下方に向けてレーザー光Lが投光される)、センサー角度調整機構7(アーム8)は、その投光方向と直交する方向(図8のX軸方向)に沿ってセンサー6をスライドさせて位置調整できるものとなっている。このようなものであれば、X軸方向にスライドさせる間隔を調整することにより、極めて短い間隔でスライドさせて投光、受光を行うことができ、より詳細な形状測定も可能になる。
【0043】
測定の際には、まず、センサー6(図8の実線で示す位置)の投光部4から、測定すべき範囲の端(例えば図6の位置C2や境界B2)に向かってレーザー光Lを投光しつつ、回転手段3によりウェーハWを1回転(360度)させる。このとき、ウェーハWで生じる拡散反射光Rの受光検出部5での受光を併せて行う。なお、ここでは簡単のため、投光部4からのレーザー光Lのみ示す。
このようにして全周を測定後に、センサー角度調整機構7によりセンサー6をX軸方向に沿って外側(図8の右側)にスライド移動させて位置調整し、図8の点線で示す位置にする。そして、先程の測定箇所よりも外側の箇所に向かってレーザー光Lを投光しつつ、ウェーハWを1回転(360度)させて全周を測定する。これを繰り返して、ウェーハWの端面部の上半分側を測定する。
また、下半分側についても、端面部の斜め45°下方に別個に用意したセンサーを用いて同様にして測定可能である。
【0044】
なお、上記の第1~4実施形態に限定されず、これらを適宜組み合わせた形態とすることも当然可能である。
【0045】
以上のような本発明によって、ウェーハWの端面部の表面状態に関わらず、その形状を短時間で測定することができるが、その得られた測定形状から更なるデータを取得する例について以下に説明する。これらは例えば制御部9で算出可能である。
<加工工程における取り代の測定>
直径300mm、あるいはそれより大きいサイズのインゴットをスライス工程でワイヤソー装置を用いて切断したシリコンウェーハを準備する。
これらのウェーハWの端面部を砥石で面取り加工を行う面取り工程、ラッピング装置によりウェーハWの両面を砥粒にてラッピング加工するラップ工程、アルカリ水溶液に浸漬してウェーハWの表面をエッチングするエッチング工程を行い、また、各加工工程の前後の端面形状を本発明の端面部測定装置(第1実施形態の端面部測定装置1等)を用いて測定する。
そして、例えば、同一のウェーハをスライス工程後に測定した端面部の形状と、面取り工程後の端面部の形状を比較し、これらの形状の差分データを取得することにより、面取り工程での研削砥石による研削代がどの程度の量であるかを算出することができる。
同様にして、ラップ工程でのラップ代、エッチング工程ではアルカリ水溶液によるエッチング代の算出が可能である。
なお、これらの各取り代の算出においては基準が必要となる。例えば、面取り工程の研削代の場合には、スライス工程後のウェーハにおけるワイヤーマークの段差とすることができる。また、ラップ工程やエッチング工程でのラップ代、エッチング代の場合には、その加工処理を行う前の直径を測定しておき、該直径の中心を基準とすることができる。
【0046】
<加工工程で使用する器具や薬液のライフの判断>
直径300mm、あるいはそれより大きいサイズのインゴットをスライス工程でワイヤソー装置を用いて切断したシリコンウェーハを準備する。
面取り工程において面取り加工装置により研削砥石で上記ウェーハWの端面部の面取り加工を行う。同一の面取り加工装置の研削砥石にて連続してウェーハWについて面取り加工を行い、例えば1枚、500枚、1000枚、2000枚加工後の端面部の形状を、本発明の端面部測定装置(第1実施形態の端面部測定装置1等)を用いて測定する。
そして、これらの端面部の測定形状同士を比較する。これらの比較により、加工枚数の増加に伴う時系列的な端面部の形状の変化を比較することが可能であり、それにより逆に面取り加工装置の研削砥石の摩耗劣化具合が分かることから、研削砥石のライフをリアルタイムで確認することが可能となる。
【0047】
さらに、ラッピング加工時に使用するキャリアと収容するウェーハWの端面部とが接触摩耗するラッピング工程ではこれらのキャリアのライフについて、また、エッチング工程ではアルカリ水溶液の薬液ライフについて、リアルタイムで確認することが可能となる。
これによりウェーハWの端面部の形状の異常を発生させること無く、薬液や器具(各部材)のライフを最大限まで延長することが可能となり、品質を保ちつつ製造コストを大幅に削減することが可能となる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様の作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
1…本発明の端面部測定装置、 2…保持部、 3…回転手段、
4…投光部、 5…受光検出部、 6…センサー、 7…センサー角度調整機構、
8…アーム、 9…制御部、
BS…下面(保持面)、 TS…上面(保持面と反対側の面)、
B1…下面と端面部との境界、 B2…上面と端面部との境界、
C1…下面と端面部との境界よりも内側の位置、
C2…上面と端面部との境界よりも内側の位置、
L…レーザー光、 R…拡散反射光、 S…光源、 W…ウェーハ、
E…受光レンズ、 F…受光素子、
P1、P2、P3…測定箇所。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定装置であって、
前記ウェーハを保持する保持部と、
該保持部を回転させることで前記ウェーハを回転させる回転手段と、
前記保持部により保持された前記ウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該投光部から投光された前記レーザー光が前記ウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部とを有するセンサーと、を備えており、
前記ウェーハとしてスライス工程、面取り工程、ラップ・研削工程、またはエッチング工程のウェーハを前記保持部により保持し、前記回転手段により回転させながら、
少なくとも、前記ウェーハの保持される面の法線方向から、前記保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、前記センサーにより前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をして、
前記ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定可能なものであることを特徴とする端面部測定装置。
【請求項2】
前記センサーを複数備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の端面部測定装置。
【請求項3】
前記センサーが固定配置されたものであるか、または、
前記ウェーハの端面部に沿って前記センサーの位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構をさらに備えており、該センサー角度調整機構により前記センサーの位置および角度を調整可能なものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端面部測定装置。
【請求項4】
前記ウェーハの端面部の測定形状と、該測定形状から算出される前記ウェーハの端面部の理想形状との差分から、異物の付着物、欠け、チップ、または条痕の判定を行う制御部をさらに備えたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端面部測定装置。
【請求項5】
ウェーハの端面部の形状を測定する端面部測定方法であって、
前記ウェーハを保持する保持部と、
該保持部を回転させることで前記ウェーハを回転させる回転手段と、
前記保持部により保持された前記ウェーハの端面部に光源からのレーザー光を投光する投光部と、該投光部から投光された前記レーザー光が前記ウェーハの端面部にて反射した拡散反射光を受光する受光検出部とを有するセンサーと、を用いて、
前記ウェーハとしてスライス工程、面取り工程、ラップ・研削工程、またはエッチング工程のウェーハを前記保持部により保持し、前記回転手段により回転させながら、
少なくとも、前記ウェーハの保持される面の法線方向から、前記保持される面とは反対側の面の法線方向までの範囲について、前記センサーにより前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をして、
前記ウェーハの端面部の全領域の形状を三角測距法により測定することを特徴とする端面部測定方法。
【請求項6】
前記センサーを複数用いることを特徴とする請求項5に記載の端面部測定方法。
【請求項7】
前記センサーとして固定配置されたものを用いるか、または、
前記ウェーハの端面部に沿って前記センサーの位置および角度の調整を行うセンサー角度調整機構をさらに用い、該センサー角度調整機構により前記センサーの位置および角度を調整可能なものを用いて、
前記レーザー光の投光および前記拡散反射光の受光をすることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の端面部測定方法。
【請求項8】
前記ウェーハの端面部の測定形状と、該測定形状から算出される前記ウェーハの端面部の理想形状との差分から、異物の付着物、欠け、チップ、または条痕の判定を行う制御部をさらに用いて、前記判定を行うことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の端面部測定方法。