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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109700
(43)【公開日】2023-08-08
(54)【発明の名称】水素化触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/80 20060101AFI20230801BHJP
   B01J 35/10 20060101ALI20230801BHJP
   C07C 29/154 20060101ALI20230801BHJP
   C07C 31/04 20060101ALI20230801BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20230801BHJP
【FI】
B01J23/80 Z
B01J35/10 301J
C07C29/154
C07C31/04
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203117
(22)【出願日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2022010692
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】細野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】北野 政明
(72)【発明者】
【氏名】杉山 博信
(72)【発明者】
【氏名】横山 壽治
(72)【発明者】
【氏名】金 正煥
(72)【発明者】
【氏名】中村 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 暁
(72)【発明者】
【氏名】村上 貴章
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC31A
4G169BC31B
4G169BC35A
4G169BC35B
4G169BD05A
4G169BD05B
4G169CC27
4G169DA06
4G169EB18X
4G169EC02X
4G169EC02Y
4G169EC03X
4G169EC25
4H006AA02
4H006AB93
4H006AC41
4H006BA05
4H006BA07
4H006BB61
4H006BE20
4H006BE41
4H006FE11
4H039CA60
4H039CB20
(57)【要約】
【課題】比較的低温でも高い活性を示すとともに、高い選択性を有する水素化触媒を提供する。
【解決手段】銅または銅の酸化物と、酸化亜鉛の結晶と、亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体と、を有する、水素化触媒。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅または銅の酸化物と、
酸化亜鉛の結晶と、
亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体と、
を有する、水素化触媒。
【請求項2】
前記銅または銅の酸化物の平均粒子径は、100nm以下である、請求項1に記載の水素化触媒。
【請求項3】
前記酸化亜鉛の結晶と前記非晶質体を合わせた部分の平均粒子径は、100nm以下である、請求項1または2に記載の水素化触媒。
【請求項4】
当該水素化触媒に含まれる全カチオンに対する銅カチオンの割合は、10at%~50at%の範囲である、請求項1または2に記載の水素化触媒。
【請求項5】
比表面積が5m/g~500m/gの範囲である、請求項1または2に記載の水素化触媒。
【請求項6】
当該水素化触媒は、メタノール合成触媒である、請求項1または2に記載の水素化触媒。
【請求項7】
仕事関数が3.4eV~4.6eVの範囲である、請求項1または2に記載の水素化触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、COとHとの反応によりメタノールを合成する際に用いられるメタノール触媒のような、水素化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
メタノールは、COおよびHを原料とし、これらの原料を加圧下で反応させることにより合成される。反応式は、以下で表される:

CO+3H→CHOH+HO (1)式

なお、(1)式に示す反応は、発熱反応である(ΔH 298K=-49.4kJ/mol)。従って、熱力学的には、メタノールの合成は、より低温で実施されることが有利である。ただし、これを実現するためには、低温で高い活性を示す触媒が必要となる。
【0003】
現在では、反応触媒には、主としてCu-ZnO-Al系材料が使用され、反応温度として、200℃~300℃の範囲が利用されている。
【0004】
一方、触媒には、長期にわたって良好な活性を示すこと、すなわち、長期安定性も要求される。
【0005】
この点に関し、例えば、特許文献1には、長時間の耐久性に優れたメタノール合成用触媒として、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、および酸化セリウムを含む触媒が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-263497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
COとHを原料とするメタノール合成プロセスでは、以下の(2)式のような副反応が生じ得る:

CO+H→CO+HO (2)式

このような副反応が生じると、原料から生成できるメタノールの量が減少し、メタノールの収率が低下してしまう。
【0008】
従って、(2)式の反応を抑え、(1)式の反応を促進できるメタノール触媒、すなわち、高い選択性を有するメタノール触媒が求められている。
【0009】
なお、低温での高い活性および高い選択性が要求される触媒は、メタノール触媒に限られず、例えばメタン触媒のような、他の水素化触媒全般においても同様の特性が要求される。
【0010】
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、比較的低温でも高い活性を示すとともに、高い選択性を有する水素化触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、
銅または銅の酸化物と、
酸化亜鉛の結晶と、
亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体と、
を有する、水素化触媒が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、比較的低温でも高い活性を示すとともに、高い選択性を有する水素化触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による水素化触媒のZSO領域の一部における微細構造を模式的に示した拡大図である。
図2】本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法のフローを模式的に示した図である。
図3】本発明の一実施形態による水素化触媒のX線回折結果を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による水素化触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例を示した図である。
図5図4のA部分における電子線回折結果を示した図である。
図6図4のB部分における電子線回折結果を示した図である。
図7】本発明の一実施形態による水素化触媒の仕事関数の測定結果である。
図8】メタノールの合成に使用した装置を模式的に示した図である。
図9】本発明の一実施形態による水素化触媒(2種類)のメタノール合成量を、従来の触媒と比較して示したグラフである。
図10】本発明の一実施形態による水素化触媒(2種類)におけるメタノール合成反応の活性化エネルギーを、従来の触媒と比較して示したグラフである。
図11】本発明の一実施形態による水素化触媒(2種類)のCO生成量を、従来の触媒と比較して示したグラフである。
図12】本発明の一実施形態による水素化触媒(2種類)の反応選択性を、従来の触媒と比較して示したグラフである。
図13】本発明の一実施形態による水素化触媒(2種類)における158℃でのメタノール合成量の経時変化を示したグラフである。
図14】各触媒において得られた158℃でのメタノールの合成速度をまとめて示したグラフである。
図15】参考例による水素化触媒のメタノール合成量を、他の触媒と比較して示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0015】
本発明の一実施形態では、
銅または銅の酸化物と、
酸化亜鉛の結晶と、
亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体と、
を有する、水素化触媒が提供される。
【0016】
本発明の一実施形態による水素化触媒は、銅または銅の酸化物の部分と、酸化亜鉛の結晶の部分と、亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体の部分と、を有する。
【0017】
以下、酸化亜鉛の結晶部分と、亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体の部分とを合わせて、「ZSO領域」とも称する。
【0018】
本発明の一実施形態による水素化触媒は、低い仕事関数を有する。本発明の一実施形態による水素化触媒の仕事関数は、例えば、4.6eV以下である。従って、本発明の一実施形態による触媒は、水素化反応触媒として、電子や水素の授受が関与する各種水素化反応に有意に利用することができる。
【0019】
なお、水素化反応触媒には、メタノール合成触媒およびメタン合成触媒などが含まれる。このうち、メタノール合成触媒は、前述の(1)式の反応の促進に適用される。また、メタン合成触媒は、以下の(3)式の反応の促進に適用される:

CO+4H→CH+2HO (3)式

特に、本発明の一実施形態による水素化触媒は、後述するように、比較的低温でも高い活性を示す。従って、本発明の一実施形態による水素化触媒は、メタノール合成プロセスのような、高い活性が求められる反応プロセスにおける触媒として、有意に適用することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態による水素化触媒をメタノール合成触媒として適用した場合、高い選択性が得られる。すなわち、本発明の一実施形態による水素化触媒では、前述の(2)式の反応を抑制し、前述の(1)式の反応を促進することができる。
【0021】
(本発明の一実施形態による水素化触媒)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による水素化触媒についてより詳しく説明する。
【0022】
なお、本発明の一実施形態による水素化触媒の提供形態は、特に限られないが、説明の明確化のため、以降の説明では、本発明の一実施形態による水素化触媒は、粉末状であると仮定する。
【0023】
本発明の一実施形態による水素化触媒(以下、「第1の触媒」と称する)は、ZSO領域を有する。
【0024】
図1には、第1の触媒のZSO領域の一部における微細構造の拡大図を模式的に示す。
【0025】
図1に示すように、第1の触媒のZSO領域110は、酸化亜鉛(ZnO)の結晶120と、亜鉛(Zn)およびケイ素(Si)の酸化物を含む非晶質体130とを有する。ZnOの結晶120は、ナノ結晶であってもよい。
【0026】
さらに、ZSO領域110は、結晶120と非晶質体130とを区画する部分(以下、「粒界」と称する)140を有する。図1において、太線で示されている部分が粒界140に対応する。粒界140は、非晶質体130の部分と同様、非晶質のZnおよびSiの酸化物を含む。
【0027】
ここで、図1には示されていないが、第1の触媒100は、さらに、銅(Cu)の部分を含む。
【0028】
Cuの部分は、金属状態の他、酸化物の形態であってもよい。通常、第1の触媒を所望の化学反応に利用する際には、第1の触媒に対して、予備還元処理が実施される。第1の触媒100がCuの酸化物を含む場合、この予備還元処理の際に、Cuの酸化物が金属Cuに還元される。
【0029】
換言すれば、第1の触媒に含まれるCuは、触媒反応に供される直前に、金属Cuとして存在していればよい。
【0030】
このような構成を有する第1の触媒は、例えば、メタノール合成触媒として利用できる。
【0031】
第1の触媒をメタノール合成触媒として適用した場合、200℃のような比較的低いプロセス温度においても、有意に高い活性を得ることができる。
【0032】
また、第1の触媒をメタノール合成触媒として適用した場合、前述の(2)式の反応が抑制されるとともに、前述の(1)式の反応が促進され、高い選択性を得ることができる。
【0033】
さらに、第1の触媒では、長期にわたって、高い活性を維持することができる。
【0034】
(本発明の一実施形態による水素化触媒のその他の特徴)
次に、第1の触媒のその他の特徴について説明する。
【0035】
(組成)
前述のように、第1の触媒は、金属CuまたはCuの酸化物を含む。
【0036】
ここでは、一例として、第1の触媒が金属Cuを含む場合を想定して、組成について説明する。ただし、第1の触媒がCuの酸化物を含む場合も、同様に考えることができる。
【0037】
第1の触媒に含まれる全カチオンに対するCuカチオンの割合は、例えば、10at%~50at%の範囲である。Cuカチオンの割合は、25at%~40at%の範囲であることが好ましい。
【0038】
また、第1の触媒において、ZnとSiの合計量(Zn+Si)に対するZnの原子比、すなわちZn/(Zn+Si)は、例えば、30at%~95at%の範囲である。換言すれば、Si/(Zn+Si)は、例えば、5at%~70at%の範囲である。Zn/(Zn+Si)は、35at%~92.5at%の範囲であることがより好ましく、50at%~90at%の範囲であることがさらに好ましい。
【0039】
また、第1の触媒において、該第1の触媒全体に対する非晶質体130の体積比(非晶質体130の体積/第1の触媒全体の体積)は、例えば、5vol%~75vol%の範囲である。
【0040】
(平均粒子径)
本願において、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ランダムに選定された10箇所の粒子の直径を求め、これを平均することにより求められる。
【0041】
第1の触媒において、銅部分の結晶の平均粒子径は、100nm以下であり、90nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましい。例えば、銅部分の結晶の平均粒子径は、60nm以下、40nm以下、または20nm以下であってもよい。
【0042】
同様に、第1の触媒において、ZSO領域の平均粒子径は、100nm以下であり、90nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましい。例えば、ZSO領域の平均粒子径は、60nm以下、40nm以下、または20nm以下であってもよい。
【0043】
特に、ZnOの結晶120は、ナノ結晶であることが好ましい。
【0044】
ZSO領域の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ランダムに選定された10箇所のZSO領域の直径を求め、これを平均することにより求められる。その他の結晶の平均粒子径についても同様である。
【0045】
(比表面積)
第1の触媒は、例えば、5m/g~500m/gの範囲の比表面積を有する。また、第1の触媒において、金属CuまたはCuの酸化物の比表面積は、例えば、0.1m/g~50m/gの範囲であってもよい。
【0046】
なお、本願において、触媒の比表面積は、BET法により測定される。また、金属CuまたはCuの酸化物の比表面積は、NOガス滴定法により測定される。
【0047】
(本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法)
次に、前述のような特徴を有する本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法の一例について説明する。
【0048】
なお、ここでは、一例として、本発明の一実施形態による水素化触媒がメタノール合成触媒である場合を例に、その製造方法について説明する。
【0049】
図2には、本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法のフローを模式的に示す。
【0050】
図2に示すように、本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)は、
(1)原料を調製する工程(工程S110)と、
(2)第1の酸素含有雰囲気において、前記原料を熱プラズマ処理し、前記原料を気化させる工程(工程S120)と、
(3)第2の酸素含有雰囲気において、前記気化された原料を凝固させる工程(工程S130)と、
を有する。
【0051】
以下、各工程について、より詳しく説明する。なお、以降の記載では、本発明の一実施形態による水素化触媒として、前述の第1の触媒を想定する。
【0052】
(工程S110)
まず、第1の触媒用の原料が準備される。
【0053】
原料は、混合粉末またはスラリーの形態で提供されてもよい。
【0054】
原料が混合粉末の形態で提供される場合、混合粉末は、例えば、酸化銅粒子、酸化亜鉛粒子、および二酸化ケイ素粒子を含む。
【0055】
あるいは、原料は、酸化銅粒子と、ケイ酸亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子または二酸化ケイ素粒子との混合物であってもよい。
【0056】
混合粉末中に含まれる酸化亜鉛の量は、例えば、Zn/(Zn+Si)が30at%~95at%の範囲となるように選定されてもよい。特に、Zn/(Zn+Si)は、35at%~92.5at%の範囲であることが好ましく、50at%~90at%の範囲であることがより好ましい。
【0057】
また、混合粉末中に含まれる酸化銅粒子の量は、混合粉末中の全カチオンに対して、10at%~50at%の範囲となるように選定されてもよい。特に、混合粉末に含まれる全カチオンに対するCuカチオンの割合は、25at%~40at%の範囲であることが好ましい。
【0058】
一方、原料がスラリーの形態で提供される場合、スラリーは、前述の混合粉末を溶媒中に分散させることにより調製されてもよい。
【0059】
溶媒は、特に限られないが、例えば、水および/またはアルコール等であってもよい。
【0060】
(工程S120)
次に、工程S110で調製された原料が、第1の酸素含有雰囲気において熱プラズマ中に投与される。
【0061】
第1の酸素含有雰囲気は、アルゴンと酸素の混合雰囲気であってもよい。また、熱プラズマの温度は、例えば、9000K~11000Kの範囲であってもよい。混合雰囲気中の酸素の含有量は、体積比で、0.001%~90%であってもよい。また、酸素の含有量は、体積比で、5%~50%であることがより好ましく、10%~30%であることがさらに好ましい。
【0062】
実際の製造工程では、反応チャンバの外部または内部に設置されたコイルに高周波電圧が印加され、雰囲気制御された反応チャンバ内に熱プラズマが生成されてもよい。コイルの代わりに反応チャンバ内に収容された2つの電極を用いてもよい。次に、反応チャンバ内に原料を供給することにより、該原料が原子状に気化されてもよい。
【0063】
(工程S130)
次に、気化された原料が冷却される。これにより、気化された原料が凝固され、粉末が製造される。
【0064】
このプロセスは、例えば、第2の酸素含有雰囲気において、気化された物質を急冷凝固させることにより実施されてもよい。
【0065】
第2の酸素含有雰囲気は、例えば、窒素と酸素の混合ガス雰囲気であってもよい。混合雰囲気中の酸素の含有量は、体積比で、0.00001%~90%であってもよい。また、酸素の含有量は、体積比で、1%~70%であることがより好ましく、10%~50%であることがさらに好ましい。必要に応じて、酸素を含有せず、窒素のみの雰囲気としてもよい。
【0066】
工程S130後に、粉末状の触媒を得ることができる。
【0067】
工程S130後に、追加で、微細化工程および/または分級工程などの、追加の工程を実施してもよい。
【0068】
特に、工程S130後に得られる粉末状の触媒は、一次粒子と二次粒子を含む場合がある。しかしながら、微細化工程を実施した場合、二次粒子が一次粒子に分離され易くなり、一次粒子を主体とする触媒を得ることができる。
【0069】
具体的な微細化処理には、粉末を、例えば、遊星ミル、ボールミル、およびジェットミル等を用いて、機械的に粉砕する方法が含まれる。このような微細化工程を実施することにより、粉末に含まれる二次粒子径を1μm以下にすることができる。
【0070】
以上、第1の製造方法を例に、本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法について説明した。しかしながら、上記製造方法は、単なる一例であり、本発明の一実施形態による水素化触媒は、別の製造方法で製造されてもよい。
【0071】
例えば、第1の製造方法では、工程S110において、酸化銅を含む混合粉末が調製され、これを原料として、熱プラズマ処理が実施される。しかしながら、これとは異なり、原料として、酸化銅の代わりに金属銅を含む混合粉末が調製されてもよい。
【0072】
また、酸化銅(または金属銅)を含まない混合粉末を用いて熱プラズマ処理が実施されてもよい。その後、熱プラズマ処理により得られた生成物に、酸化銅(または金属銅)の粒子が均一に混合され、水素化触媒が製造されてもよい。
【0073】
また、上記のような熱プラズマを使用する製造方法は、「気相製造法」の一種であるが、触媒は、別の気相製造法を用いて製造されてもよい。あるいは、水素化触媒は、気相製造法以外の製造法、例えば、「液相製造法」により製造されてもよい。
【0074】
「液相製造法」には、例えば、前述の混合粉末を酸等に溶解させて調製した溶液から固体を沈殿させて、水素化触媒を製造する方法などが含まれる。
【0075】
この他にも、各種製造方法が想定される。
【0076】
また、上記記載では、メタノールの合成触媒を例に、本発明の一実施形態による水素化触媒の製造方法について説明した。しかしながら、その他の水素化触媒の製造の際にも、同様の方法が適用され得ることは、当業者には明らかである。
【実施例0077】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の記載において、例1~例6は、実施例であり、例11は、比較例である。
【0078】
(例1)
前述の第1の製造方法により、触媒を製造した。
【0079】
まず、原料を調製した。
【0080】
原料は、酸化銅粉末(平均粒子径5μm)と、酸化亜鉛粉末(平均粒子径1μm)と、二酸化ケイ素粉末(平均粒子径0.8μm)とを混合して調製した。混合粉末における各粉末の添加量は、原子比で、酸化銅:酸化亜鉛:二酸化ケイ素=10:68:22とした。
【0081】
次に、この原料を、反応チャンバ内に発生させた熱プラズマ中に投入した。熱プラズマは、アルゴンと酸素の混合雰囲気(Ar:O=80:20(体積比))とした反応チャンバ内で、電極間に高周波電圧を印加することにより発生させた。熱プラズマの温度は、約10000Kであった。
【0082】
原料は、熱プラズマによりプラズマ化され、気相となった。その後、この気相に、室温の窒素と酸素の混合ガス(N:O=75:25(体積比))を供給し、気相を急冷した。
【0083】
これにより、粉末状の触媒(以下、「触媒1」と称する)が製造された。
【0084】
蛍光X線分析法を用いて触媒1の組成を測定したところ、各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:ケイ素=9.6:68.3:22.1であった。このことから、触媒1は、原料と同様の組成を有することがわかった。
【0085】
(例2)
例1と同様の方法により、触媒(以下、「触媒2」と称する)を製造した。ただし、この例2では、原料に含まれる酸化銅、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素の混合比を変化させた。その結果、触媒2における各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:ケイ素=20.2:60.5:19.3であった。
【0086】
(例3)
例1と同様の方法により、触媒(以下、「触媒3」と称する)を製造した。ただし、この例3では、原料に含まれる酸化銅、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素の混合比を変化させた。その結果、触媒3における各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:ケイ素=25.4:55.8:18.8であった。
【0087】
(例4)
例1と同様の方法により、触媒(以下、「触媒4」と称する)を製造した。ただし、この例4では、原料に含まれる酸化銅、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素の混合比を変化させた。その結果、触媒4における各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:ケイ素=30.0:52.4:17.6であった。
【0088】
(例5)
例1と同様の方法により、触媒(以下、「触媒5」と称する)を製造した。ただし、この例5では、原料に含まれる酸化銅、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素の混合比を変化させた。その結果、触媒5における各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:ケイ素=39.6:43.8:16.6であった。
【0089】
(例6)
例1と同様の方法により、触媒(以下、「触媒6」と称する)を製造した。ただし、この例6では、原料に含まれる酸化銅、酸化亜鉛、および二酸化ケイ素の混合比を変化させた。その結果、触媒6における各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:ケイ素=50.0:38.1:12.0であった。
【0090】
(例11)
例11では、市販のメタノール合成触媒(Alfa Aesar社製)を使用した。この触媒(以下、「触媒11」と称する)は、酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、および酸化マグネシウムを含む。触媒11における各カチオンの比は、原子比で、銅:亜鉛:アルミニウム:マグネシウム=60:23:15:2であった。
【0091】
以下の表1には、各触媒の組成をまとめて示した。
【0092】
【表1】
なお、表1には、各触媒におけるCuOの平均粒子径およびZSO領域の平均粒子径も合わせて示されている。これらの平均粒子径は、前述のように、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定された、10箇所の直径の平均値である。
【0093】
(評価)
得られた各触媒を用いて、以下の評価を実施した。
【0094】
(物性の評価)
各触媒を用いて、BET比表面積を測定した。測定の結果、触媒2の比表面積は、86.6m-1であった。また、触媒11の比表面積は、96.1m-1であった。
【0095】
また、NOガス滴定法により求めた触媒2に含まれる銅の比表面積は、12.2m-1であった。一方、触媒11に含まれる銅の比表面積は、25.0m-1であった。
【0096】
係る結果に基づいた場合、銅の比表面積が大きい触媒11の方が、触媒2よりもメタノール生成反応の活性が高いと予想される。しかしながら、後述するように、メタノール合成速度の高低は、予想される結果とは逆の結果となった。
【0097】
次に、触媒2のX線回折分析を行った。結果を図3に示す。
【0098】
図3に示すように、触媒2のX線パターンには、CuOに対応するピークおよびZnOに対応するピークが観察された。さらに、触媒2のX線パターンには、非晶質由来のハローピークが観察された。
【0099】
この結果から、触媒2には、結晶状態のCuOと、結晶状態のZnOと、非晶質体が含まれることがわかった。
【0100】
次に、触媒2のTEM観察を行った。また、EDXを用いて触媒2の一部において電子線回折を行った。
【0101】
図4には、触媒2のTEM写真の一例を示す。また、図5には、図4のA部分における電子線回折結果を示す。さらに、図6には、図4のB部分における電子線回折結果を示す。
【0102】
図5では、電子線回折像に原子の規則的な配列が認められており、従って、図4のA部分は、結晶性を有することがわかった。一方、図6では、電子線回折像に原子の規則的な配列は認められず、図4のB部分は、非晶質であることがわかった。
【0103】
非晶質部分において、EDX組成分析を行ったところ、非晶質部分には、ZnとSiが存在することがわかった。なお、Zn:Si=66:34(原子比)であった。
【0104】
このように、触媒2中には、結晶部分と非晶質部分とが混在していることが確認された。また、結晶部分は、CuOおよびZnOに対応し、非晶質部分は、SiOとZnOの混合物に対応することがわかった。
【0105】
(仕事関数)
以下の方法により、触媒2の仕事関数を測定した。
【0106】
まず、触媒2を水素気流下(300℃、2時間)で還元した後、グローブボックス内で圧粉成形し、長方形のペレット試料(10mm×7mm)を得た。
【0107】
次に、紫外光電子分光法により、ペレット試料の仕事関数を測定した。紫外光電子分光法に使用される励起光は、HeI(21.2eV)とした。この際、装置間の移動を含むすべての工程は大気非暴露で行われた。
【0108】
図7には、測定結果を示す。なお、図7におけるカウントピークは、紫外光照射によりペレット試料表面から放出される二次電子の運動エネルギーの分布であり、運動エネルギーの最小値が試料の仕事関数に相当する。従って、ピークの低エネルギー側(左側)の挙動を直線で近似した際に、直線とX軸との交点から仕事関数を算定することができる。
【0109】
図7から、触媒2における仕事関数は、4.1eVと見積もられた。
【0110】
同様の方法により、触媒1、触媒3~触媒6の仕事関数も測定した。その結果、触媒1~触媒6の仕事関数は、3.4eV~4.6eVの範囲であることがわかった。
【0111】
(触媒特性の評価)
次に、各触媒を用いて、メタノールの合成試験を実施した。
【0112】
図8には、メタノールの合成に使用した装置を模式的に示す。
【0113】
図8に示すように、この装置500は、ガス供給部510と、反応器540と、ガスクロマトグラフ560とを有する。
【0114】
ガス供給部510は、COガス源515Aと、Hガス源515Bと、Arガス源515Cとを有する。ガス源515A~515Cには、それぞれ、流量調整器520A~520Cが設置されており、これにより、各ガス源515A~515Cから供給されるガスの流量を調整することができる。
【0115】
また、ガス供給部510は、供給管530を有する。供給管530は、出口側が反応器540と接続される。
【0116】
各ガス源515A~515Cから供給されたガスは、供給管530の入口で相互に混合され、混合ガスとして供給管530の出口から反応器540に提供される。
【0117】
反応器540は、約1mlの容積を有し、内部でメタノールを合成することができる。反応器540で合成されたガスは、その他のガスとともに反応器540の出口から排出される。反応器540の内部には、前述の触媒1~6または触媒11のいずれかが設置される。
【0118】
ガスクロマトグラフ560は、反応器540の出口に接続される。
【0119】
このような装置500を用いて反応器540内でメタノールを合成し、生成されたメタノールの量をガスクロマトグラフ560により測定した。
【0120】
反応器540内の触媒の設置量は、20mgである。ただし、各試験に使用される触媒の体積を統一するため、触媒11を用いる場合は、20mgの触媒に、さらに40mgのシリカを添加した。
【0121】
COガスの供給量は、10ml/分とし、Hガスの供給量は、30ml/分とし、Arガスの供給量は、10ml/分とした。従って、反応器540に供給される混合ガスの流量は、50ml/分である。
【0122】
また、反応器540の圧力は、0.1MPaとし、温度は、115℃~263℃の範囲とした。
【0123】
なお、反応器540に混合ガスを供給する前に、触媒を還元させる前処理を実施した。前処理は、反応器540に10ml/分の流速で水素ガスのみを供給して実施した。前処理の温度は、300℃とし、前処理の時間は、2時間とした。
【0124】
その後、反応器540に前述の混合ガスを供給して、メタノールの合成を開始した。
【0125】
各触媒に対して、各温度におけるメタノールの合成量、および一酸化炭素(CO)生成量を評価した。また、得られた結果から、各触媒の活性化エネルギーおよびメタノール選択率を評価した。
【0126】
なお、触媒2および触媒4については、触媒活性の経時変化についても評価した。
【0127】
図9には、触媒2、触媒4および触媒11におけるメタノール合成量の温度依存性を示す。図9において、横軸は、反応器540内の温度、すなわち合成温度である。また縦軸は、合成開始から1.5時間後のメタノールの合成量から換算した、メタノールの合成速度(μmol/g/h)である。
【0128】
図9から、触媒2および触媒4では、触媒11に比べて、200℃以下の温度で高い活性を示すことがわかった。特に、触媒4では、高いメタノールの合成速度が得られた。
【0129】
図10には、触媒2、触媒4および触媒11におけるメタノール合成反応の活性化エネルギーを示す。触媒11では、メタノール合成反応の活性化エネルギーは、65kJ/molであった。一方、触媒2および触媒4では、それぞれ、メタノール合成反応の活性化エネルギーは、51kJ/molおよび41kJ/molであった。
【0130】
この結果から、触媒2および触媒4では、触媒11に比べて、メタノール合成反応の活性化エネルギーが有意に低下していることがわかった。
【0131】
図11には、触媒2、触媒4および触媒11におけるCO生成量の温度依存性を示す。図11において、横軸は合成温度であり、縦軸は、メタノール合成開始から1.5時間後のCOの生成量から換算した、COの生成速度(μmol/g/h)で示した。
【0132】
図11から、触媒2および触媒4では、触媒11に比べて、200℃を超える高温側においてもCOの生成が有意に抑制されていることがわかった。
【0133】
図12には、触媒2、触媒4および触媒11における選択率の温度依存性を示す。選択率は、各温度におけるメタノールの合成量とCO生成量の比により求められる。
【0134】
この図12から、触媒2および触媒4では、200℃において、40%を超える高い選択率を有することがわかった。特に、触媒4は、200℃を超える温度においても高い選択率を示した。
【0135】
図13には、触媒2および触媒4において得られた、158℃におけるメタノール合成量の経時変化を示す。
【0136】
図13から、触媒2および触媒4を使用した場合、約70時間経過後においても、メタノール合成量は初期とほとんど変化しておらず、触媒2および触媒4は、長期にわたって高い活性を維持できることがわかった。
【0137】
図14には、各触媒において得られた158℃におけるメタノールの合成速度(μmol/g/h)をまとめて示す。
【0138】
また、以下の表2には、各触媒において得られた評価結果をまとめて示す。
【0139】
【表2】
図14から、触媒1~触媒6は、触媒11に比べて有意に高いメタノール合成速度を示した。特に、触媒3、触媒4、および触媒5は、触媒11の3倍以上の高いメタノール合成速度を示した。
【0140】
このように、触媒1~触媒6では、比較的低温の158℃においても、有意に高いメタノール合成速度を示すことが確認された。
【0141】
(例21)
以下の方法により、触媒を製造した。
【0142】
まず、原料を調製した。
【0143】
原料は、酸化パラジウム粉末(平均粒子径5μm)と、酸化亜鉛粉末(平均粒子径1μm)と、二酸化ケイ素粉末(平均粒子径0.8μm)とを混合して調製した。混合粉末における各粉末の添加量は、原子比で、酸化パラジウム:酸化亜鉛:二酸化ケイ素=20:60:20とした。
【0144】
次に、この原料を、反応チャンバ内に発生させた熱プラズマ中に投入した。熱プラズマは、アルゴンと酸素の混合雰囲気(Ar:O=80:20(体積比))とした反応チャンバ内で、電極間に高周波電圧を印加することにより発生させた。熱プラズマの温度は、約10000Kであった。
【0145】
原料は、熱プラズマによりプラズマ化され、気相となった。その後、この気相に、室温の窒素と酸素の混合ガス(N:O=75:25(体積比))を供給し、気相を急冷した。
【0146】
これにより、粉末状の触媒(以下、「触媒21」と称する)が製造された。
【0147】
蛍光X線分析法を用いて触媒21の組成を測定したところ、各カチオンの比は、原子比で、パラジウム:亜鉛:ケイ素=17.5:64.7:17.8であった。このことから、触媒21は、原料と同様の組成を有することがわかった。
【0148】
得られた触媒21を用いて、前述のような触媒特性の評価を実施した。
【0149】
その結果、触媒21は、200℃を超える温度域では、比較的高い選択率を有することがわかった。ただし、触媒21は、低温域では、あまり良好な活性を示さないことがわかった。
【0150】
図15には、触媒21におけるメタノール合成量の温度依存性を示す。図15において、横軸は、反応器540内の温度、すなわち合成温度である。また縦軸は、合成開始から1.5時間後のメタノールの合成量から換算した、メタノールの合成速度(μmol/g/h)である。
【0151】
なお、図15には、比較のため、前述の触媒4および触媒11の結果を合わせて示した。
【0152】
図15から、触媒21では、250℃を超える高温域では、触媒4および触媒11に比べて良好な活性を示すものの、250℃未満の温度では、あまり良好な活性を示さないことがわかる。
【0153】
このように貴金属を含む触媒21であっても、低温域ではあまり良好な活性を示さないことがわかる。これに対して、本発明の一実施形態による水素化触媒は、低温域において、貴金属触媒(触媒21)を超える良好な活性を示すことがわかった。
【0154】
(本発明の態様)
本発明は、以下の態様を有し得る。
【0155】
(態様1)
銅または銅の酸化物と、
酸化亜鉛の結晶と、
亜鉛およびケイ素の酸化物を含む非晶質体と、
を有する、水素化触媒。
【0156】
(態様2)
前記銅または銅の酸化物の平均粒子径は、100nm以下である、態様1に記載の水素化触媒。
【0157】
(態様3)
前記酸化亜鉛の結晶と前記非晶質体を合わせた部分の平均粒子径は、100nm以下である、態様1または2に記載の水素化触媒。
【0158】
(態様4)
当該水素化触媒に含まれる全カチオンに対する銅カチオンの割合は、10at%~50at%の範囲である、態様1または2に記載の水素化触媒。
【0159】
(態様5)
比表面積が5m/g~500m/gの範囲である、態様1または2に記載の水素化触媒。
【0160】
(態様6)
当該水素化触媒は、メタノール合成触媒である、態様1または2に記載の水素化触媒。
【0161】
(態様7)
仕事関数が3.4eV~4.6eVの範囲である、態様1または2に記載の水素化触媒。
【符号の説明】
【0162】
110 ZSO領域
120 結晶
130 非晶質体
140 粒界
500 装置
510 ガス供給部
515A COガス源
515B Hガス源
515C Arガス源
520A~520C 流量調整器
530 供給管
540 反応器
560 ガスクロマトグラフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15