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特開2023-110498情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110498
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20230802BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
G06F21/62 354
G06F11/34 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011992
(22)【出願日】2022-01-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 慶一
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA10
5B042MC09
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】閲覧が許可された入出力データを閲覧可能なログ情報を表示する。
【解決手段】第1の情報処理端末及び第2の情報処理端末とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、一連の処理に関する入出力データを記録したログ情報を記憶部に記憶する管理部と、入出力データに対する閲覧を許可する制御情報を第2の情報処理端末から受信する受信部と、制御情報に基づいて閲覧が許可されていない入出力データを秘匿したログ情報を表示する閲覧画面を表す画面情報を第1の情報処理端末に送信する画面提供部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の情報処理端末及び第2の情報処理端末とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、
一連の処理に関する入出力データを記録したログ情報を記憶部に記憶する管理部と、
前記入出力データに対する閲覧を許可する制御情報を前記第2の情報処理端末から受信する受信部と、
前記制御情報に基づいて閲覧が許可されていない前記入出力データを秘匿した前記ログ情報を表示する閲覧画面を表す画面情報を前記第1の情報処理端末に送信する画面提供部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記画面提供部は、閲覧を申請する前記入出力データを選択するための申請画面を表す画面情報を前記第1の情報処理端末に送信し、閲覧を許可する前記入出力データを選択するための許可画面を表す画面情報を前記第2の情報処理端末に送信する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記管理部は、前記処理の実行結果を記録した第2のログ情報を前記記憶部に記憶し、
前記申請画面は、エラーが発生した前記処理に関する前記入出力データに対する閲覧の申請を提案する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記許可画面は、閲覧が申請された前記入出力データに関連付けられた、他の前記入出力データに対する閲覧の許可を要求する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記許可画面は、前記第2の情報処理端末を用いるユーザの権限に応じて、閲覧の許可を要求する前記入出力データを選択する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記受信部は、予め選択した前記入出力データを表す第2の制御情報を前記第1の情報処理端末から受信し、
前記申請画面は、前記第2の制御情報に表された前記入出力データに対する閲覧の申請を提案する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項2から6のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記許可画面は、前記閲覧が申請された前記入出力データを表す文言を変換して表示する、
情報処理装置。
【請求項8】
第1の情報処理端末、第2の情報処理端末及び情報処理装置がネットワークを介して通信可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
一連の処理に関する入出力データを記録したログ情報を記憶部に記憶する管理部と、
前記入出力データに対する閲覧を許可する制御情報を前記第2の情報処理端末から受信する受信部と、
前記制御情報に基づいて閲覧が許可されていない前記入出力データを秘匿した前記ログ情報を表示する閲覧画面を表す画面情報を前記第1の情報処理端末に送信する画面提供部と、
を備え、
前記第2の情報処理端末は、前記制御情報を前記情報処理装置に送信する送信部を備え、
前記第1の情報処理端末は、前記閲覧画面を表示する画面表示部を備える、
情報処理システム。
【請求項9】
第1の情報処理端末及び第2の情報処理端末とネットワークを介して通信可能なコンピュータが、
一連の処理に関する入出力データを記録したログ情報を記憶部に記憶する管理手順と、
前記入出力データに対する閲覧を許可する制御情報を前記第2の情報処理端末から受信する受信手順と、
前記制御情報に基づいて閲覧が許可されていない前記入出力データを秘匿した前記ログ情報を表示する閲覧画面を表す画面情報を前記第1の情報処理端末に送信する画面提供手順と、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
第1の情報処理端末及び第2の情報処理端末とネットワークを介して通信可能なコンピュータに、
一連の処理に関する入出力データを記録したログ情報を記憶部に記憶する管理手順と、
前記入出力データに対する閲覧を許可する制御情報を前記第2の情報処理端末から受信する受信手順と、
前記制御情報に基づいて閲覧が許可されていない前記入出力データを秘匿した前記ログ情報を表示する閲覧画面を表す画面情報を前記第1の情報処理端末に送信する画面提供手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の処理を接続した一連の処理をフローとして登録し、登録された複数のフローから任意のフローを選択して実行することができる情報処理システムが利用されている。このような情報処理システムでは、登録されているフローを機能の一部として呼び出すアプリケーションを開発することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、1個のメインフローと複数のサブフローを含むアプリケーションが登録されており、メインフローからサブフローを呼び出す際にパラメータを設定することができる情報処理システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、アプリケーションの障害解析が困難な場合がある、という課題がある。例えば、フローに含まれる各処理の入出力データに個人情報が含まれる場合、個人情報保護の観点から、ログ情報を表示する際に入出力データを閲覧できないようにマスクすることが行われている。この場合、開発者は十分な情報を得ることができず、障害解析が困難となる。
【0005】
この発明の一実施形態は、上記のような技術的課題に鑑みて、閲覧が許可された入出力データを閲覧可能なログ情報を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態である情報処理装置は、第1の情報処理端末及び第2の情報処理端末とネットワークを介して通信可能な情報処理装置であって、一連の処理に関する入出力データを記録したログ情報を記憶部に記憶する管理部と、入出力データに対する閲覧を許可する制御情報を第2の情報処理端末から受信する受信部と、制御情報に基づいて閲覧が許可されていない入出力データを秘匿したログ情報を表示する閲覧画面を表す画面情報を第1の情報処理端末に送信する画面提供部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、閲覧が許可された入出力データを閲覧可能なログ情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】一実施形態におけるMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるフローの一例を示す図である。
図6】第1実施形態における閲覧申請処理の一例を示す図である。
図7】第1実施形態におけるジョブ一覧画面の一例を示す図である。
図8】第1実施形態におけるパラメータ情報の一例を示す図である。
図9】第1実施形態における閲覧申請画面の一例を示す図である。
図10】第1実施形態における実行結果情報の一例を示す図である。
図11】第1実施形態における閲覧申請データの一例を示す図である。
図12】第1実施形態における閲覧許可処理の一例を示す図である。
図13】第1実施形態における待機画面の一例を示す図である。
図14】第1実施形態におけるジョブ関係情報の一例を示す図である。
図15】第1実施形態における入力元探索処理の一例を示す図である。
図16】第1実施形態における辞書情報の一例を示す図である。
図17】第1実施形態における許可要求データの一例を示す図である。
図18】第1実施形態における閲覧許可画面の一例を示す図である。
図19】第1実施形態における閲覧許可画面の他の例を示す図である。
図20】第1実施形態における閲覧許可データの一例を示す図である。
図21】第1実施形態におけるジョブ情報閲覧処理の一例を示す図である。
図22】第1実施形態におけるジョブ情報閲覧画面の一例を示す図である。
図23】第2実施形態における閲覧申請画面の一例を示す図である。
図24】第2実施形態における閲覧申請データの一例を示す図である。
図25】第2実施形態における閲覧許可処理の一例を示す図である。
図26】第2実施形態における許可要求データの一例を示す図である。
図27】第2実施形態における閲覧許可画面の一例を示す図である。
図28】第3実施形態における閲覧申請処理の一例を示す図である。
図29】第3実施形態におけるアプリ情報の一例を示す図である。
図30】第3実施形態における閲覧申請データの一例を示す図である。
図31】第4実施形態における閲覧申請処理の一例を示す図である。
図32】第4実施形態における実行結果情報の一例を示す図である。
図33】第5実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
図34】第5実施形態におけるフローの一例を示す図である。
図35】第5実施形態における検査パラメータ登録処理の一例を示す図である。
図36】第5実施形態における検査パラメータ登録画面の一例を示す図である。
図37】第5実施形態における閲覧申請処理の一例を示す図である。
図38】第6実施形態におけるフローの一例を示す図である。
図39】第6実施形態における出力データの一例を示す図である。
図40】第6実施形態における閲覧申請処理の一例を示す図である。
図41】第6実施形態における閲覧申請画面の一例を示す図である。
図42】第6実施形態におけるアプリ情報の一例を示す図である。
図43】第6実施形態における入力元探索処理の一例を示す図である。
図44】第6実施形態における閲覧申請データの一例を示す図である。
図45】第6実施形態における閲覧許可画面の一例を示す図である。
図46】第6実施形態におけるアプリ実行画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[第1実施形態]
この発明の第1実施形態は、サービス提供システムが、1以上のフローを含むアプリケーションを実行するサービスを、ネットワークを介して機器に提供する情報処理システムである。フローは、複数の機能から任意の機能を選択し、それらを接続した一連の処理を定義した情報である。フローに含まれる各処理は、コンポーネントと呼ばれるパーツにより実現される。
【0011】
本実施形態におけるサービス提供システムは、開発者がアプリケーションを開発するためのグラフィカルな開発ツールを提供する。開発ツールは、Webアプリケーションとして実装されており、ブラウザ上で実行することができる。開発者は、ブラウザを搭載した開発者端末から開発ツールを利用してフローを作成することができる。また、開発者は、作成したフローを、ネットワークを介してサービス提供システムに登録することができる。
【0012】
フローに含まれる各コンポーネントは、各種のパラメータ及びファイル等の入出力が可能となっている。各コンポーネントの入力データは、ユーザがフローに入力したデータであってもよいし、前のコンポーネントが出力したデータであってもよい。サービス提供システムは、ユーザの要求に応じてフローを実行した際に、各コンポーネントにおける入出力データを実行結果と共に記録したログ情報(以下、「ジョブ情報」とも呼ぶ)を生成する。
【0013】
フローを実行したときにエラーが発生した場合等に、ユーザがアプリケーションの開発者に障害解析を依頼することがある。依頼を受けた開発者は、フローを実行した際のジョブ情報を参照することで、障害の原因特定及び障害からの復旧等を行う。しかしながら、ジョブ情報には個人情報又は機密情報等が記録されていることがある。そのため、ジョブ情報を表示する際に、入出力データをマスク処理して第三者から閲覧できないように秘匿する場合がある。この場合、開発者は、十分な情報が得られず、障害解析が困難となる。
【0014】
本実施形態における情報処理システムは、入出力データを秘匿したジョブ情報を出力する際に、ユーザが閲覧を許可した入出力データについては秘匿しない制御を行う。本実施形態における情報処理システムによれば、開発者が障害解析に必要な情報を得ることができ、障害解析が容易になる。
【0015】
<情報処理システム100の全体構成>
まず、本実施形態における情報処理システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における情報処理システム100の全体構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示されているように、情報処理システム100は、サービス提供システム10、開発者端末20、1以上の機器30、及び1以上の外部サービスシステム40を含む。サービス提供システム10、開発者端末20、機器30及び外部サービスシステム40は、それぞれ通信ネットワークN1に接続している。通信ネットワークN1は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。
【0017】
通信ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。通信ネットワークN1は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0018】
サービス提供システム10は、1台以上の情報処理装置で実現され、通信ネットワークN1を介して、クラウドサービス等の外部サービスシステム40と連携した一連の処理により実現される各種のサービスを提供する。なお、以降では、サービス提供システム10が提供するサービスを「アプリケーション」とも表す。また、サービスを実現する一連の処理を「フロー」とも表す。
【0019】
なお、本実施形態では、外部サービスの具体例としてクラウドサービスを採用して説明するが、これに限られない。本実施形態は、例えば、ASP(Application Service Provider)によって提供されるサービスやWebサービス等のネットワークを介して提供される各種の外部サービスに関して適用されてもよい。
【0020】
開発者端末20は、アプリケーションを開発する開発者が使用する情報処理装置である。開発者は、開発者端末20を用いて、サービス提供システム10が提供する各種のアプリケーションを開発することができる。
【0021】
機器30は、アプリケーションを利用するユーザが使用する各種の電子機器である。ユーザは、機器30を用いて、サービス提供システム10が提供する各種のアプリケーションを利用することができる。
【0022】
以降では、複数の機器30について、各々を区別するときは、「機器30-1」、「機器30-2」等と枝番を用いて記載する。
【0023】
サービス提供システム10及び開発者端末20の一例は、コンピュータである。機器30の一例は、画像形成装置(プリンタ、FAX装置、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer:デジタル複合機)、スキャナ装置等)である。機器30の他の一例は、コンピュータである。
【0024】
開発者端末20及び機器30は、通信機能を備えた装置であれば、情報処理装置又は画像形成装置に限られない。すなわち、開発者端末20及び機器30は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
【0025】
外部サービスシステム40は、1台以上の情報処理装置で実現され、通信ネットワークN1を介して、各種のクラウドサービスを提供する。外部サービスシステムの一例は、ストレージサービス(又はオンラインストレージ)と呼ばれるクラウドサービスである。ストレージサービスとは、外部サービスシステム40のストレージの記憶領域を貸し出すサービスである。
【0026】
以降では、複数の外部サービスシステム40について、各々を区別するときは、「外部サービスシステム40-1」、「外部サービスシステム40-2」等と枝番を用いて記載する。また、外部サービスシステム40-1及び外部サービスシステム40-2により提供されるストレージサービスの名称を、それぞれ「外部ストレージサービスA」及び「外部ストレージサービスB」等と呼ぶ。
【0027】
図1に示す情報処理システム100の構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、本実施形態における情報処理システム100には、電子データの入力及び出力の少なくとも一方を行う各種機器が含まれ、これらの機器がサービス提供システム10により提供される各種サービスを利用してもよい。
【0028】
<情報処理システム100のハードウェア構成>
次に、本実施形態における情報処理システム100に含まれる各装置のハードウェア構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0029】
≪コンピュータのハードウェア構成≫
図2は、サービス提供システム10、開発者端末20、機器30及び外部サービスシステム40がコンピュータで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0030】
図2に示されているように、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティング機器512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0031】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0032】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0033】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティング機器512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0034】
≪MFPのハードウェア構成≫
図3は、機器30がMFPで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0035】
図3に示されているように、MFPは、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0036】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0037】
これらのうち、CPU901は、MFPの全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0038】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0039】
SB904は、NB903とPCI機器、周辺機器とを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0040】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0041】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0042】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0043】
なお、MFPは、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0044】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0045】
<情報処理システム100の機能構成>
次に、本実施形態における情報処理システム100の機能構成の一例について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態における情報処理システム100に含まれる各装置の機能構成を例示するブロック図である。
【0046】
≪サービス提供システム10の機能構成≫
図4に示されているように、本実施形態におけるサービス提供システム10は、画面情報記憶部101、アプリ情報記憶部102、ファイル記憶部103、ジョブ情報記憶部104、ポータルサービス部110及び入出力サービス部120を備える。ポータルサービス部110は、画面提供部111、ジョブ情報閲覧部112、閲覧許可申請部113及びジョブ情報翻訳部114を備える。入出力サービス部120は、アプリ管理部121、ファイル管理部122、ジョブ管理部123、ジョブ情報制御部124及び通知部125を備える。
【0047】
ポータルサービス部110及び入出力サービス部120は、例えば、図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0048】
画面情報記憶部101、アプリ情報記憶部102、ファイル記憶部103及びジョブ情報記憶部104は、例えば、図2に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0049】
なお、画面情報記憶部101、アプリ情報記憶部102、ファイル記憶部103及びジョブ情報記憶部104は、サービス提供システム10が備えず、外部の記憶装置を用いてもよい。外部の記憶装置の一例は、NAS(Network Attached Storage)又はオンラインストレージサービスである。
【0050】
画面情報記憶部101は、画面提供部111がブラウザ210及びブラウザ310に提供する画面情報を記憶する。画面情報記憶部101が記憶する各画面情報は、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等で記述された画面情報であり、JavaScript(登録商標)等で記述されたアプリケーションを含んでもよい。
【0051】
アプリ情報記憶部102は、サービス提供システム10が提供するアプリケーションに関するアプリ情報を記憶する。アプリ情報には、アプリケーションを識別するアプリIDが関連付けられている。
【0052】
アプリ情報には、画面定義及び処理内容が含まれる。画面定義は、アプリケーションを実行する際に提供される画面を定義するデータである。画面定義には、画面に表示するデータ及びレイアウト等が含まれる。処理内容は、アプリケーションに含まれるフローに関する設定を表すデータである。処理内容には、フローにおけるコンポーネントの実行順、各コンポーネントのパラメータ定義等が含まれる。
【0053】
ファイル記憶部103は、サービス提供システム10がアプリケーションを実行したときに入力又は生成されたファイルを一時的に記憶する。ファイルには、ファイルを識別するファイルIDが関連付けられている。
【0054】
ジョブ情報記憶部104は、サービス提供システム10がアプリケーションを実行したときのジョブ情報を記憶する。ジョブ情報には、ジョブを識別するジョブIDが関連付けられている。
【0055】
ジョブ情報には、パラメータ情報、実行結果情報、及びジョブ関係情報が含まれる。パラメータ情報は、フローに含まれる各コンポーネントの入出力データを記録したデータである。入出力データは、パラメータ又はファイルである。入出力データがファイルである場合、パラメータ情報には、ファイルを示す情報(ファイルID及び/又はファイル名)が記録される。
【0056】
実行結果情報は、各コンポーネントを実行した結果を記録したデータである。特に、コンポーネントでエラーが発生した場合、エラーの内容が詳細に記録される。ジョブ関係情報は、コンポーネント間の順序関係を記録したデータである。
【0057】
画面提供部111は、開発者端末20及び機器30からの要求に応じて、画面情報記憶部101に記憶されている画面情報を開発者端末20及び機器30に送信(提供)する。
【0058】
ジョブ情報閲覧部112は、開発者端末20からの要求に応じて、ジョブ情報制御部124にジョブ情報を要求する。また、ジョブ情報閲覧部112は、ジョブ情報制御部124から受け取ったジョブ情報を、開発者端末20に送信する。
【0059】
閲覧許可申請部113は、閲覧申請データを開発者端末20から受信する。また、閲覧許可申請部113は、閲覧申請データの登録をジョブ管理部123に要求する。閲覧申請データは、閲覧を申請する入出力データを表すデータである。
【0060】
また、閲覧許可申請部113は、機器30からの要求に応じて、ジョブ管理部123が管理する閲覧申請データを機器30に送信する。このとき、閲覧許可申請部113は、閲覧申請データから許可要求データへの変換を、ジョブ情報翻訳部114に要求する。許可要求データは、閲覧が申請された入出力データに対する閲覧の許可を要求するためのデータである。
【0061】
さらに、閲覧許可申請部113は、閲覧許可データを機器30から受信する。また、閲覧許可申請部113は、閲覧許可データの登録をジョブ管理部123に要求する。閲覧許可データは、閲覧を許可する入出力データを表すデータである。
【0062】
ジョブ情報翻訳部114は、閲覧許可申請部113からの要求に応じて、閲覧申請データを許可要求データに変換する。このとき、ジョブ情報翻訳部114は、閲覧が申請された入出力データの関係を遡ることで入力元のデータを特定し、特定された入力データを閲覧申請データに追加する。また、ジョブ情報翻訳部114は、閲覧申請データに含まれる文言を、ユーザが理解しやすい内容に変換する。文言の変換には、予め定めた辞書情報及びアプリ情報を用いる。
【0063】
アプリ管理部121は、アプリ情報記憶部102に対して、アプリ情報の書き込み及び読み出しを実行する。
【0064】
ファイル管理部122は、ファイル記憶部103に対して、ファイルの書き込み及び読み出しを実行する。
【0065】
ジョブ管理部123は、ジョブ情報記憶部104に対して、ジョブ情報の書き込み及び読み出しを実行する。
【0066】
ジョブ情報制御部124は、ジョブ情報閲覧部112又は閲覧許可申請部113からの要求に応じて、ジョブ管理部123にジョブ情報を要求する。また、ジョブ情報制御部124は、ジョブ管理部123から受け取ったジョブ情報に対して、閲覧が許可された入出力データは閲覧可能とし、それ以外の入出力データは閲覧不可とする制御を行う。そして、ジョブ情報制御部124は、閲覧が許可されていない入出力データが閲覧不可とされたジョブ情報を、ジョブ情報閲覧部112又は閲覧許可申請部113に送る。
【0067】
通知部125は、閲覧許可申請部113からの要求に応じて、開発者端末20から閲覧申請データが登録されたことを、機器30に通知する。また、通知部125は、閲覧許可申請部113からの要求に応じて、機器30から閲覧許可データが登録されたことを、開発者端末20に通知する。
【0068】
≪開発者端末20の機能構成≫
図4に示されているように、本実施形態における開発者端末20は、ブラウザ210を備える。ブラウザ210は、例えば、図2に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0069】
ブラウザ210は、開発者の操作に応じて、サービス提供システム10が備える画面提供部111に画面情報を要求する。また、ブラウザ210は、画面提供部111から受信した画面情報に基づいて、開発者が利用する画面をディスプレイ506に表示する。
【0070】
≪機器30の機能構成≫
図4に示されているように、本実施形態における機器30は、ブラウザ310を備える。ブラウザ310は、例えば、図3に示されているHD909からRAM902a上に展開されたプログラムがCPU901に実行させる処理によって実現される。
【0071】
ブラウザ310は、ユーザの操作に応じて、サービス提供システム10が備える画面提供部111に画面情報を要求する。また、ブラウザ310は、画面提供部111から受信した画面情報に基づいて、ユーザが利用する画面を操作パネル940に表示する。
【0072】
<情報処理システム100の処理手順>
次に、本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の詳細について説明する。本実施形態における情報処理方法は、1.閲覧申請処理、2.閲覧許可処理及び3.ジョブ情報閲覧処理を含む。
【0073】
≪前提≫
まず、本実施形態において前提とするフローについて、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態におけるフローの一例を示す概念図である。
【0074】
図5に示されているように、本実施形態におけるフロー1000は、ファイルダウンロードコンポーネント1100、PDF変換コンポーネント1200及び画像抽出コンポーネント1300を順に実行する。
【0075】
ファイルダウンロードコンポーネント1100は、外部ストレージサービスAから指定されたファイルをダウンロードする。PDF変換コンポーネント1200は、入力されたファイルをPDF形式のファイルに変換する。画像抽出コンポーネント1300は、入力されたPDFファイルに埋め込まれている画像を抽出する。
【0076】
ユーザは、フロー1000を含むアプリケーションを実行する際に、ファイルを識別するファイルIDを入力する。ファイルダウンロードコンポーネント1100は、ユーザが入力したファイルIDに基づいて、外部ストレージサービスAからファイルをダウンロードする。
【0077】
ここで、ユーザがフロー1000を含むアプリケーションを実行したところ、エラーが発生したものとする。ユーザは開発者に障害解析を依頼する。開発者が当該アプリケーションを実行した際のジョブ情報を閲覧したところ、ファイルダウンロードコンポーネント1100及びPDF変換コンポーネント1200は成功しているが、画像抽出コンポーネント1300でエラーが発生していることがわかった。
【0078】
ジョブ情報に含まれる実行結果情報には、発生したエラーは「外的容因によるエラー」であることが記録されていた。このエラーは、入力データの不具合により引き起こされることがわかっている。そのため、開発者は、画像抽出コンポーネント1300に入力されたファイルの内容を確認する必要があると考える。
【0079】
しかしながら、フロー1000は個人情報又は機密情報を含むファイルを扱うことがあるため、入出力データを第三者が閲覧できないように設定されている。したがって、開発者は、画像抽出コンポーネント1300に入力されたファイルの閲覧を、ユーザに許可してもらう必要がある。
【0080】
≪1.閲覧申請処理≫
まず、開発者が入出力データの閲覧を申請する閲覧申請処理について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧申請処理の一例を示すシーケンス図である。
【0081】
ステップS101において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、ジョブ一覧画面に対する開発者の操作に応じて、閲覧申請画面の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。
【0082】
ここで、本実施形態におけるジョブ一覧画面について、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態におけるジョブ一覧画面の一例を示す概念図である。
【0083】
図7に示されているように、本実施形態におけるジョブ一覧画面2000は、アプリID表示欄2010及びジョブ一覧表示欄2020を有する。ジョブ一覧表示欄2020は、ジョブID表示欄2021、ステータス表示欄2022及び閲覧申請ボタン2023を有する。
【0084】
アプリID表示欄2010には、表示しているジョブ情報に対応するアプリIDが表示される。ジョブID表示欄2021には、当該ジョブ情報を識別するジョブIDが表示される。ステータス表示欄2022には、当該ジョブ情報の実行結果が表示される。閲覧申請ボタン2023が押下されると、ブラウザ210は、閲覧申請画面の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。
【0085】
図6に戻って説明する。ステップS102において、サービス提供システム10が備える画面提供部111は、開発者端末20から閲覧申請画面の取得要求を受信する。次に、画面提供部111は、閲覧申請画面を表す画面情報を、画面情報記憶部101から取得する。続いて、画面提供部111は、取得した画面情報を、開発者端末20に送信する。開発者端末20では、ブラウザ210が、閲覧申請画面を表す画面情報を受信する。
【0086】
ステップS103において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、ジョブ情報の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。当該取得要求には、ジョブ一覧画面2000で選択されたジョブ情報に関するアプリID及びジョブIDが含まれる。
【0087】
サービス提供システム10では、閲覧許可申請部113が、開発者端末20からジョブ情報の取得要求を受信する。閲覧許可申請部113は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ情報制御部124に要求する。ジョブ情報制御部124は、当該ジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ管理部123に要求する。
【0088】
ステップS104において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、ジョブ情報制御部124からジョブ情報の取得要求を受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ情報記憶部104から取得する。続いて、ジョブ管理部123は、取得したジョブ情報を、ジョブ情報制御部124に送る。
【0089】
ステップS105において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報制御部124は、ジョブ管理部123からジョブ情報を受け取る。次に、ジョブ情報制御部124は、当該ジョブ情報からパラメータ情報を取り出す。
【0090】
続いて、ジョブ情報制御部124は、当該パラメータ情報に含まれる入出力データに対して、マスク処理を行う。続いて、ジョブ情報制御部124は、マスクされたパラメータ情報を含むジョブ情報を、閲覧許可申請部113に送る。閲覧許可申請部113は、ジョブ情報制御部124から受け取ったジョブ情報を、開発者端末20に送信する。
【0091】
ここで、本実施形態におけるパラメータ情報について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施形態におけるパラメータ情報の一例を示す概念図である。
【0092】
図8に示されているように、本実施形態におけるパラメータ情報3000には、jobDetailParametersが記載される。jobDetailParametersは、jobDetailParameterの配列である。jobDetailParameterは、各コンポーネントを実行する際に利用した入出力データを記録したデータ構造である。
【0093】
各jobDetailParameterには、当該ジョブを識別するジョブID(jobId: 233333)、及び当該ジョブにおけるコンポーネントを識別するジョブ詳細ID(id: 3456787, 3456788, 3456789)が記録される。また、各jobDetailParameterには、当該コンポーネントに対する入出力データ(parameters, inputFile, outputFile等)が記録される。
【0094】
パラメータ情報3000において、入出力データの内容(fileId, fileName等)はマスク処理により秘匿されている。ただし、サービス提供システム10が内部的に利用するデータ(id, relationFileId等)は、個人情報又は機密情報を含むことがないため、マスクされない。なお、relationFileIdは、当該コンポーネントがファイルの変換を行う場合に、変換前のファイルを識別するファイルIDを記録するデータである。
【0095】
図6に戻って説明する。ステップS106において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10からジョブ情報を受信する。次に、ブラウザ210は、サービス提供システム10から受信した画面情報及びジョブ情報に基づいて、閲覧申請画面をディスプレイ506等に表示する。
【0096】
ここで、本実施形態における閲覧申請画面について、図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態における閲覧申請画面の一例を示す概念図である。
【0097】
図9に示されているように、本実施形態における閲覧申請画面2100は、コンポーネント表示欄2101、入力データ選択欄2102、出力データ選択欄2103及び送信ボタン2109を有する。
【0098】
コンポーネント表示欄2101には、フローに含まれるコンポーネントを表す文言が表示される。入力データ選択欄2102には、当該コンポーネントの入力データが選択可能な形式で表示される。出力データ選択欄2103には、当該コンポーネントの出力データが選択可能な形式で表示される。
【0099】
図6に戻って説明する。ステップS107において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、閲覧申請項目の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。当該取得要求には、アプリID及びジョブIDが含まれる。
【0100】
ステップS108において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、開発者端末20から閲覧申請項目の取得要求を受信する。次に、閲覧許可申請部113は、実行結果情報の取得要求を、ジョブ管理部123に送る。当該取得要求には、アプリID及びジョブIDが含まれる。
【0101】
ステップS109において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、閲覧許可申請部113から実行結果情報の取得要求を受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該取得要求に含まれるアプリID及びジョブIDに対応する実行結果情報を、ジョブ情報記憶部104から取得する。続いて、ジョブ管理部123は、取得した実行結果情報を、閲覧許可申請部113に送る。
【0102】
ステップS110において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、ジョブ管理部123から実行結果情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該実行結果情報に基づいて、エラーが発生したコンポーネントを特定する。続いて、閲覧許可申請部113は、特定したコンポーネントに関する情報(以下、「エラーコンポーネント情報」とも呼ぶ)を、開発者端末20に送信する。
【0103】
ここで、本実施形態における実行結果情報について、図10を参照しながら説明する。図10は、本実施形態における実行結果情報の一例を示す概念図である。
【0104】
図10に示されているように、本実施形態における実行結果情報3100には、アプリID(id: 100000)、ジョブID(jobId: 233333)、ジョブ詳細ID(jobDetailId: 3456789)、実行結果(status: "error")、コンポーネント名(componentName: "extraImages")及びエラーコード(message_id: "io-pdf.external_error")が記録されている。したがって、図10に示した実行結果情報3100からは、画像抽出コンポーネント1300で外的容因によるエラーが発生していることがわかる。
【0105】
図6に戻って説明する。ステップS111において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10からエラーコンポーネント情報を受信する。次に、ブラウザ210は、エラーコンポーネント情報に基づいて、閲覧を申請すべき入出力データを提案する。具体的には、ブラウザ210は、閲覧申請画面2100において、入力データ選択欄2102及び出力データ選択欄2103に表示された入出力データのうち、エラーが発生したコンポーネントに関する入出力データを自動的に選択する。
【0106】
ステップS112において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、閲覧申請画面2100に対する開発者の操作に応じて、閲覧申請データを生成する。次に、ブラウザ210は、閲覧申請の登録要求を、サービス提供システム10に送信する。当該登録要求には、生成した閲覧申請データが含まれる。
【0107】
具体的には、開発者は、閲覧申請画面2100において、送信ボタン2109を押下する。ブラウザ210は、入力データ選択欄2102及び出力データ選択欄2103において選択されている入出力データに対する閲覧を申請するための閲覧申請データを生成する。そして、ブラウザ210は、閲覧申請の登録要求を、サービス提供システム10に送信する。当該登録要求には、生成した閲覧申請データが含まれる。
【0108】
サービス提供システム10では、閲覧許可申請部113が、閲覧申請の登録要求を受信する。閲覧許可申請部113は、当該登録要求に含まれる閲覧申請データを、ジョブ管理部123に送る。
【0109】
ここで、本実施形態における閲覧申請データについて、図11を参照しながら説明する。図11は、本実施形態における閲覧申請データの一例を示す概念図である。
【0110】
図11に示されているように、本実施形態における閲覧申請データ3200には、jobDetailsが記載される。jobDetailsは、jobDetailの配列である。jobDetailは、閲覧を申請する入出力データに関する情報を表すデータ構造である。
【0111】
各jobDetailには、当該ジョブを識別するジョブID(jobId: 233333)、及び当該ジョブにおけるコンポーネントを識別するジョブ詳細ID(id: 3456789)が記載される。また、各jobDetailには、閲覧を申請する入出力データ(inputFile)が記載される。なお、inputFileに含まれるbrowsableは、当該入出力データの閲覧可否を制御するための設定値である。
【0112】
パラメータ情報3000に記載されるjobDetailParameterと閲覧申請データ3200に記載されるjobDetailとは、ジョブ詳細ID(id)によって関連付けられている。
【0113】
図6に戻って説明する。ステップS113において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、閲覧許可申請部113から閲覧申請データを受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該閲覧申請データをジョブ情報記憶部104に記憶する。続いて、ジョブ管理部123は、閲覧申請の登録結果を閲覧許可申請部113に送る。当該登録結果には、ジョブIDが含まれる。閲覧許可申請部113は、ジョブ管理部123から受け取った閲覧申請の登録結果を開発者端末20に送信する。
【0114】
ステップS114において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10から閲覧申請の登録結果を受信する。次に、ブラウザ210は、ユーザへの通知要求をサービス提供システム10に送信する。当該通知要求には、アプリID及びジョブIDが含まれる。
【0115】
ステップS115において、サービス提供システム10が備える通知部125は、開発者端末20からユーザへの通知要求を受信する。次に、通知部125は、当該通知要求に含まれるアプリID及びジョブIDに基づいて、閲覧許可画面を開くためのURL(Uniform Resource Locator)を生成する。
【0116】
続いて、通知部125は、生成したURLをユーザに通知する。ユーザへの通知方法は、URLが記載された電子メールをユーザのメールアドレスに送信してもよいし、URLが記載されたメッセージをSNS(Social Networking Service)等でユーザのアカウントに送信してもよい。
【0117】
≪2.閲覧許可処理≫
次に、ユーザが入出力データの閲覧を許可する閲覧許可処理について、図12を参照しながら説明する。図12は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧許可処理の一例を示すシーケンス図である。
【0118】
ステップS201において、機器30が備えるブラウザ310は、ユーザの操作に応じて、閲覧許可画面の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。具体的には、ユーザは、通知されたURLを開く操作を行う。
【0119】
ステップS202において、サービス提供システム10が備える画面提供部111は、機器30から閲覧許可画面の取得要求を受信する。次に、画面提供部111は、閲覧許可画面を表す画面情報を、画面情報記憶部101から取得する。続いて、画面提供部111は、取得した画面情報を、開発者端末20に送信する。機器30では、ブラウザ310が、閲覧許可画面を表す画面情報を受信する。
【0120】
ステップS203において、機器30が備えるブラウザ310は、閲覧申請データの取得要求を、サービス提供システム10に送信する。当該取得要求には、通知されたURLで特定されるジョブIDが含まれる。このとき、ブラウザ310は、図13に示した待機画面2200を操作パネル940に表示する。
【0121】
サービス提供システム10では、閲覧許可申請部113が、機器30から閲覧申請データの取得要求を受信する。閲覧許可申請部113は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応する閲覧申請データを、ジョブ管理部123に要求する。
【0122】
ステップS204において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、閲覧許可申請部113から閲覧申請データの取得要求を受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応する閲覧申請データを、ジョブ情報記憶部104から取得する。続いて、ジョブ管理部123は、取得した閲覧申請データを閲覧許可申請部113に送る。
【0123】
ステップS205において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、ジョブ管理部123から閲覧申請データを受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該閲覧申請データの変換要求を、ジョブ情報翻訳部114に送る。当該変換要求には、ジョブ管理部123から受け取った閲覧申請データが含まれる。
【0124】
ステップS206において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報翻訳部114は、閲覧許可申請部113から閲覧申請データの変換要求を受け取る。次に、ジョブ情報翻訳部114は、ジョブ情報の取得要求を、ジョブ情報制御部124に送る。当該取得要求には、ジョブIDが含まれる。ジョブ情報制御部124は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ管理部123に要求する。
【0125】
ステップS207において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、ジョブ情報制御部124からジョブ情報の取得要求を受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ情報記憶部104から取得する。続いて、ジョブ管理部123は、取得したジョブ情報を、ジョブ情報制御部124に送る。当該ジョブ情報には、パラメータ情報及びジョブ関係情報が含まれる。
【0126】
ここで、本実施形態におけるジョブ関係情報について、図14を参照しながら説明する。図14は、本実施形態におけるジョブ関係情報の一例を示す概念図である。
【0127】
図14に示されているように、本実施形態におけるジョブ関係情報3300には、jobDetailRelationが記載される。jobDetailRelationの各要素において、idは各コンポーネントのジョブ詳細IDと対応している。previousIdは、一つ前に実行したコンポーネントのジョブ詳細IDと対応している。nextIdは、一つ後に実行したコンポーネントのジョブ詳細IDと対応している。したがって、閲覧が申請されたジョブ詳細ID(id)で特定される要素から、previousId及びnextIdを辿ることで、フローを遡って各コンポーネントの入出力データの関係を探索することが可能となっている。
【0128】
図12に戻って説明する。ステップS208において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報制御部124は、ジョブ管理部123からジョブ情報を受け取る。次に、ジョブ情報制御部124は、当該ジョブ情報からパラメータ情報を取り出す。続いて、ジョブ情報制御部124は、パラメータ情報に含まれる入出力データに対して、マスク処理を行う。そして、ジョブ情報制御部124は、マスクされたパラメータ情報を含むジョブ情報を、ジョブ情報翻訳部114に送る。
【0129】
ステップS209において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報翻訳部114は、ジョブ情報制御部124からジョブ情報を受け取る。次に、ジョブ情報翻訳部114は、当該ジョブ情報に含まれるパラメータ情報及びジョブ関係情報に基づいて、閲覧が申請された入出力データの関係を遡り、当該入出力データがフローに入力された入力元のデータを特定する。続いて、ジョブ情報翻訳部114は、特定された入力データを、閲覧申請データに追加する。
【0130】
なお、本実施形態において、開発者が閲覧を申請した入出力データは、画像抽出コンポーネント1300の入力ファイルである。しかしながら、ユーザはコンポーネントという概念を知らないため、この申請内容のままでは閲覧を許可しても問題ないか否かを判断することができない。そこで、入力元のファイルを特定することで、ユーザに理解しやすい申請内容に変換する。入力元のファイルはユーザが入力したものであるため、そのファイルのことはユーザも認識しているはずだからである。
【0131】
ここで、入力元のデータを探索する手順(以下、「入力元探索処理」とも呼ぶ)を、図15を参照しながら説明する。図15は、本実施形態における入力元探索処理の一例を示すフローチャートである。
【0132】
ステップS209-1において、ジョブ情報翻訳部114は、ジョブ情報制御部124からパラメータ情報及びジョブ関係情報を取得する。以下、パラメータ情報は、図8に示したパラメータ情報3000とする。ジョブ関係情報は、図14に示したジョブ関係情報3300とする。
【0133】
ステップS209-2において、ジョブ情報制御部124は、閲覧申請データに記載されたinputFileのidを取得する。また、パラメータ情報に記載されたjobDetailParametersから、inputFileのidと一致するidを持つjobDetailParameterを取得する。以下、このidを「現在のjobDetailのid」と呼ぶ。
【0134】
ステップS209-3において、ジョブ情報翻訳部114は、ジョブ関係情報に記載されたjobDetailRelationから現在のjobDetailのidと一致する要素を特定する。また、特定された要素のpreviousIdにより、一つ前のjobDetailのidを取得する。
【0135】
ステップS209-4において、ジョブ情報翻訳部114は、jobDetailParameterのinputFileのrelationFileIdと、一つ前のjobDetailのoutputFileのidが一致するか否かを判定する。一致しない場合(NO)は一つ前のjobDetailを現在のjobDetailとしてS209-3へ移動する。一致する場合(YES)はS209-5へ移動する。
【0136】
ステップS209-5において、ジョブ情報翻訳部114は、jobDetailParameterにinputFileがあるか否かを判定する。ない場合(NO)は当該コンポーネントから入力データが入力されたと判断して処理を終了する。ある場合(YES)はS209-6へ移動する。
【0137】
ステップS209-6において、ジョブ情報翻訳部114は、jobDetailParameterのinputFileの情報を取得する。これが当該コンポーネントにより変換される前のファイルを表す情報である。
【0138】
ステップS209-7において、ジョブ情報翻訳部114は、jobDetailRelationのpreviousIdを参照し、一つ前のjobDetailがあるか否かを判定する。ある場合(YES)は一つ前のjobDetailを現在のjobDetailとしてS209-3へ移動する。ない場合(NO)はループを抜けてS209-8へ移動する。
【0139】
ステップS209-8において、ジョブ情報翻訳部114は、現在のjobDetailを入力元のデータが入力されたコンポーネントと特定し、処理を終了する。
【0140】
図15に示したフローチャートについて、図5に示したフロー1000を例に挙げて説明する。図11に示した閲覧申請データのjobDetailは、画像抽出コンポーネント1300に対応する。一つ前のPDF変換コンポーネント1200のjobDetailParameterを参照して、PDF変換コンポーネント1200の出力ファイル(outputFile)が画像抽出コンポーネント1300の入力ファイル(inputFile)と一致するか否かを判断する。ここでは、一致するため、PDF変換コンポーネント1200の入力ファイルを取得する。
【0141】
次に、同様のことをファイルダウンロードコンポーネント1100についても行う。PDF変換コンポーネント1200のinputFileとファイルダウンロードコンポーネント1100のoutputFileは一致する。しかしながら、ファイルダウンロードコンポーネント1100はinputFileを持たない。したがって、ファイルダウンロードコンポーネント1100において、外部ストレージサービスAからファイルをダウンロードしてフローへ入力したと判断することができる。このようにして、入力元のデータを特定することができる。
【0142】
図12に戻って説明する。ステップS210において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報翻訳部114は、予め定められた辞書情報を用いて、閲覧申請データに含まれる文言を変換する。次に、ジョブ情報翻訳部114は、変換後の閲覧申請データを許可要求データとして、機器30に送信する。
【0143】
ここで、本実施形態における辞書情報について、図16を参照しながら説明する。図16は、本実施形態における辞書情報の一例を示す概念図である。
【0144】
図16に示されているように、本実施形態における辞書情報3400には、閲覧申請データに記載される用語と、当該用語をユーザに向けて表示する際に用いる文言とが、対応付けて記載されている。例えば、"storageA"というコンポーネント名(componentName)は「外部ストレージA」という文言に変換されることを表している。
【0145】
次に、本実施形態における許可要求データについて、図17を参照しながら説明する。図17は、本実施形態における許可要求データの一例を示す概念図である。
【0146】
図17に示されているように、本実施形態における許可要求データ3500は、閲覧申請データ3200と比較すると、inputFileのdisplayに、入力元のデータとして特定したファイルID(display: 500001)が記載されている点が異なる。また、relatedFileに入力元のデータとして特定したinputFileのファイルID(id: 500001)、入力元のデータが入力されたコンポーネント名(componentName: "storageA",)及びオペレーション名(operationName: "fileDownload")が記載されている点が異なる。
【0147】
図12に戻って説明する。ステップS211において、機器30が備えるブラウザ310は、サービス提供システム10から許可要求データを受信する。次に、ブラウザ310は、サービス提供システム10から受信した画面情報及び許可要求データに基づいて、閲覧許可画面を操作パネル940等に表示する。
【0148】
ここで、本実施形態における閲覧許可画面について、図18及び図19を参照しながら説明する。図18は、本実施形態における閲覧許可画面の一例を示す概念図である。
【0149】
図18に示されているように、本実施形態における閲覧許可画面2300は、閲覧許可データ選択欄2301及び送信ボタン2309を有する。
【0150】
閲覧許可データ選択欄2301には、閲覧が申請された入出力データが選択可能な形式で表示される。なお、閲覧許可データ選択欄2301に表示される文言は、辞書情報を用いて変換されたものである。
【0151】
図19は、本実施形態における閲覧許可画面の他の例を示す概念図である。図19に示されているように、本実施形態における閲覧許可画面2300は、閲覧許可データ選択欄2301及び送信ボタン2309に加えて、ファイルプレビュー欄2302を有していてもよい。
【0152】
ファイルプレビュー欄2302には、閲覧が申請された入出力データがファイルである場合に、そのファイルの内容がプレビュー表示される。ユーザはファイル名のみではファイルの内容を理解できない場合があるため、ファイルの内容をプレビュー表示することで、ユーザが適切に閲覧を許可してもよいか否かを判断することが可能となる。
【0153】
図12に戻って説明する。ステップS212において、機器30が備えるブラウザ310は、閲覧許可画面2300に対するユーザの操作に応じて、閲覧許可データを生成する。次に、ブラウザ310は、閲覧許可の登録要求を、サービス提供システム10に送信する。当該登録要求には、生成した閲覧許可データが含まれる。
【0154】
具体的には、ユーザは、閲覧許可画面2300において、送信ボタン2309を押下する。ブラウザ310は、閲覧許可データ選択欄2301において選択されている入出力データに対する閲覧を許可するための閲覧許可データを生成する。そして、ブラウザ310は、閲覧許可の登録要求を、サービス提供システム10に送信する。当該登録要求には、生成した閲覧許可データが含まれる。
【0155】
サービス提供システム10では、閲覧許可申請部113が、閲覧許可の登録要求を受信する。閲覧許可申請部113は、当該登録要求に含まれる閲覧許可データを、ジョブ管理部123に送る。
【0156】
ここで、本実施形態における閲覧許可データについて、図20を参照しながら説明する。図20は、本実施形態における閲覧許可データの一例を示す概念図である。
【0157】
図20に示されているように、本実施形態における閲覧許可データ3600は、許可要求データ3500と比較すると、inputFileに含まれるbrowsableが"true"に設定されている点が異なる。
【0158】
図12に戻って説明する。ステップS213において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、閲覧許可申請部113から閲覧許可データを受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該閲覧許可データをジョブ情報記憶部104に記憶する。続いて、ジョブ管理部123は、閲覧許可の登録結果を閲覧許可申請部113に送る。当該登録結果には、ジョブIDが含まれる。閲覧許可申請部113は、ジョブ管理部123から受け取った閲覧許可の登録結果を機器30に送信する。
【0159】
ステップS214において、機器30が備えるブラウザ310は、サービス提供システム10から閲覧許可の登録結果を受信する。次に、ブラウザ310は、開発者への通知要求をサービス提供システム10に送信する。当該通知要求には、アプリID及びジョブIDが含まれる。
【0160】
ステップS215において、サービス提供システム10が備える通知部125は、機器30から開発者への通知要求を受信する。次に、通知部125は、通知要求に含まれるアプリID及びジョブIDに基づいて、ジョブ情報閲覧画面を開くためのURLを生成する。
【0161】
続いて、通知部125は、生成したURLを開発者に通知する。開発者への通知方法は、URLが記載された電子メールを開発者のメールアドレスに送信してもよいし、URLが記載されたメッセージをSNS(Social Networking Service)等で開発者のアカウントに送信してもよい。
【0162】
≪3.ジョブ情報閲覧処理≫
続いて、開発者がジョブ情報を閲覧するジョブ情報閲覧処理について、図21を参照しながら説明する。図21は、本実施形態における情報処理システム100が実行するジョブ情報閲覧処理の一例を示すシーケンス図である。
【0163】
ステップS301において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、開発者の操作に応じて、ジョブ情報閲覧画面の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。具体的には、開発者は、通知されたURLを開く操作を行う。
【0164】
ステップS302において、サービス提供システム10が備える画面提供部111は、開発者端末20からジョブ情報閲覧画面の取得要求を受信する。次に、画面提供部111は、ジョブ情報閲覧画面を表す画面情報を、画面情報記憶部101から取得する。続いて、画面提供部111は、取得した画面情報を、開発者端末20に送信する。開発者端末20では、ブラウザ210が、ジョブ情報閲覧画面を表す画面情報を受信する。
【0165】
ステップS303において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、ジョブ情報の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。当該取得要求には、通知されたURLで特定されるジョブIDが含まれる。
【0166】
サービス提供システム10では、ジョブ情報閲覧部112が、機器30からジョブ情報の取得要求を受信する。ジョブ情報閲覧部112は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ情報制御部124に要求する。ジョブ情報制御部124は、当該ジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ管理部123に要求する。
【0167】
ステップS304において、サービス提供システム10が備えるジョブ管理部123は、ジョブ情報制御部124からジョブ情報の取得要求を受け取る。次に、ジョブ管理部123は、当該取得要求に含まれるジョブIDに対応するジョブ情報を、ジョブ情報記憶部104から取得する。続いて、ジョブ管理部123は、取得したジョブ情報を、ジョブ情報制御部124に送る。
【0168】
ステップS305において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報制御部124は、ジョブ管理部123からジョブ情報を受け取る。次に、ジョブ情報制御部124は、当該ジョブ情報からパラメータ情報及び閲覧許可データを取り出す。
【0169】
続いて、ジョブ情報制御部124は、当該閲覧許可データに基づいて、当該パラメータ情報に含まれる入出力データに対して、マスク処理を行う。ジョブ情報制御部124は、パラメータ情報をマスクする際に、閲覧許可データにおいて閲覧が許可されている(すなわち、browsable="true"に設定されている)入出力データはマスクせず、その他の入出力データはマスクする制御を行う。
【0170】
そして、ジョブ情報制御部124は、マスクされたパラメータ情報を含むジョブ情報を、ジョブ情報閲覧部112に送る。ジョブ情報閲覧部112は、ジョブ情報制御部124から受け取ったジョブ情報を、開発者端末20に送信する。
【0171】
ステップS306において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10からジョブ情報を受信する。次に、ブラウザ210は、アプリ情報の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。当該取得要求には、通知されたURLで特定されるアプリIDが含まれる。
【0172】
ステップS307において、サービス提供システム10が備えるアプリ管理部121は、開発者端末20からアプリ情報の取得要求を受信する。次に、アプリ管理部121は、当該取得要求に含まれるアプリIDに対応するアプリ情報を、アプリ情報記憶部102から取得する。続いて、アプリ管理部121は、取得したアプリ情報を、開発者端末20に送信する。
【0173】
ステップS308において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10からアプリ情報を受信する。次に、ブラウザ210は、サービス提供システム10から受信した画面情報、アプリ情報及びジョブ情報に基づいて、ジョブ情報閲覧画面をディスプレイ506等に表示する。
【0174】
ここで、本実施形態におけるジョブ情報閲覧画面について、図22を参照しながら説明する。図22は、本実施形態におけるジョブ情報閲覧画面の一例を示す概念図である。
【0175】
図22に示されているように、本実施形態におけるジョブ情報閲覧画面2400は、フロー表示欄2401及び入出力データ表示欄2402を有する。入出力データ表示欄2402は、入力パラメータ表示欄2403、入力ファイル表示欄2404、ダウンロードボタン2405、出力パラメータ表示欄2406、出力ファイル表示欄2407及びダウンロードボタン2408を有する。
【0176】
フロー表示欄2401には、フローに含まれるコンポーネントが実行順に従って表示される。フロー表示欄2401において、いずれかのコンポーネントが選択されると、当該コンポーネントに関する入出力データが、入出力データ表示欄2402に表示される。
【0177】
入力パラメータ表示欄2403には、当該コンポーネントに入力されたパラメータが表示される。入力ファイル表示欄2404には、当該コンポーネントに入力されたファイルに関する情報が表示される。出力パラメータ表示欄2406には、当該コンポーネントから出力されたパラメータが表示される。出力ファイル表示欄2407には、当該コンポーネントから出力されたファイルに関する情報が表示される。
【0178】
ダウンロードボタン2405は、当該コンポーネントに入力されたファイルをダウンロードするためのボタンである。ダウンロードボタン2405は、入力ファイル表示欄2404に入力ファイルに関する情報が表示されている場合に押下可能となる。ダウンロードボタン2408は、当該コンポーネントから出力されたファイルをダウンロードするためのボタンである。ダウンロードボタン2408は、出力ファイル表示欄2407に出力ファイルに関する情報が表示されている場合に押下可能となる。
【0179】
なお、本実施形態において、開発者が閲覧を申請した入出力データは、画像抽出コンポーネント1300の入力ファイルであった。しかしながら、図22に示したジョブ情報閲覧画面2400では、PDF変換コンポーネント1200の入出力ファイルが閲覧可能となっている。これは、入力元探索処理において、画像抽出コンポーネント1300に入力されたファイルは、ファイルダウンロードコンポーネント1100で外部ストレージサービスAからダウンロードされ、PDF変換コンポーネント1200に入力されたファイルであることが特定されているためである。
【0180】
図21に戻って説明する。ステップS309において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、ジョブ情報閲覧画面2400に対する開発者の操作に応じて、ファイルの取得要求を、サービス提供システム10に送信する。当該取得要求には、ファイルIDが含まれる。
【0181】
具体的には、開発者は、ジョブ情報閲覧画面2400において、いずれかのダウンロードボタンを押下する。ブラウザ210は、押下されたダウンロードボタンに対応するファイルに対応するファイルIDを、パラメータ情報から取得する。そして、ブラウザ210は、当該ファイルIDを含む取得要求を、サービス提供システム10に送信する。
【0182】
ステップS310において、サービス提供システム10が備えるファイル管理部122は、開発者端末20からファイルの取得要求を受信する。次に、ファイル管理部122は、当該取得要求に含まれるファイルIDに対応するファイルを、ファイル記憶部103から取得する。続いて、ファイル管理部122は、取得したファイルを、開発者端末20に送信する。
【0183】
開発者端末20では、ブラウザ210が、サービス提供システム10からファイルを受信する。そして、ブラウザ210は、受信したファイルをディスプレイ506等に表示する。
【0184】
<第1実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム100は、ユーザが閲覧を許可した入出力データを表す閲覧許可データに基づいて、ジョブ情報閲覧画面を開発者端末に表示する。このとき、本実施形態における情報処理システム100は、ジョブ情報閲覧画面において、ユーザが閲覧を許可した入出力データは閲覧可能であり、それ以外の入出力データは閲覧不可とする制御を行う。したがって、開発者は、パラメータ情報に記録された入出力データのうち、ユーザが閲覧を許可した入出力データを閲覧することができるため、障害解析等が容易になる。
【0185】
また、本実施形態における情報処理システム100は、入出力データに対する閲覧を申請する閲覧申請画面において、エラーが発生したコンポーネントに関する入出力データに対する閲覧の申請を提案する。したがって、開発者は、障害解析に必要となる入出力データを適切に選択して、閲覧を申請することができる。
【0186】
さらに、本実施形態における情報処理システム100は、閲覧が申請された入出力データの関係を遡って、当該入出力データの入力元のデータを特定し、閲覧の申請を許可する閲覧許可画面において、特定された入力元のデータに対する閲覧の許可を要求する。また、本実施形態における情報処理システム100は、閲覧が申請された入出力データを表す文言を、ユーザが理解しやすい内容に変換して表示する。したがって、ユーザは、閲覧を許可できるか否かを適切に判断することができる。
【0187】
[第2実施形態]
第1実施形態では、閲覧申請画面において、エラーが発生したコンポーネントに関する入出力データに対する閲覧の申請を提案するように構成した。第2実施形態では、閲覧申請画面において、開発者が任意の入出力データを指定して閲覧を申請できるように構成する。
【0188】
以下、本実施形態における情報処理システム100について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0189】
<情報処理システム100の処理手順>
本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の詳細について説明する。本実施形態における情報処理方法は、1.閲覧申請処理及び2.閲覧許可処理が、第1実施形態とは異なる。
【0190】
≪1.閲覧申請処理≫
まず、本実施形態における閲覧申請処理について説明する。本実施形態における閲覧申請処理は、第1実施形態と同様であるが、閲覧申請画面及び閲覧申請データが第1実施形態とは異なる。
【0191】
本実施形態における閲覧申請画面について、図23を参照しながら説明する。図23は、本実施形態における閲覧申請画面の一例を示す概念図である。
【0192】
本実施形態における閲覧申請画面は、開発者が任意の入出力データを指定して閲覧の申請を行うことができるように構成されている。図23に示されているように、本実施形態における閲覧申請画面2100は、入力データ選択欄2102に、入力データ入力欄2104が含まれる。入力データ入力欄2104には、開発者が任意の入力データを表す文字列を入力することができる。ここでは、開発者が、ファイルダウンロードコンポーネント1100の入力データである"fileId"に対する閲覧を申請したことを表している。
【0193】
本実施形態における閲覧申請データについて、図24を参照しながら説明する。図24は、本実施形態における閲覧申請データの一例を示す概念図である。
【0194】
図24に示されているように、本実施形態における閲覧申請データ3200では、開発者が入力データ入力欄2104に入力した入力データに対応するjobDetail(name: "fileId")が追加されている。
【0195】
≪2.閲覧許可処理≫
次に、本実施形態における閲覧許可処理について、図25を参照しながら説明する。図25は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧許可処理の一例を示すシーケンス図である。
【0196】
ステップS221において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報翻訳部114は、アプリ情報の取得要求を、アプリ管理部121に送る。当該取得要求には、アプリIDが含まれる。
【0197】
ステップS222において、サービス提供システム10が備えるアプリ管理部121は、ジョブ情報翻訳部114からアプリ情報の取得要求を受け取る。次に、アプリ管理部121は、当該取得要求に含まれるアプリIDに対応するアプリ情報を、アプリ情報記憶部102から取得する。続いて、アプリ管理部121は、取得したアプリ情報を、ジョブ情報翻訳部114に送る。
【0198】
ステップS210において、サービス提供システム10が備えるジョブ情報翻訳部114は、アプリ管理部121からアプリ情報を受け取る。次に、ジョブ情報翻訳部114は、予め定められた辞書情報を用いて、閲覧申請データに含まれる文言を変換する。続いて、ジョブ情報翻訳部114は、アプリ管理部121から受け取ったアプリ情報を用いて、閲覧申請データに含まれる文言を変換する。そして、ジョブ情報翻訳部114は、変換後の閲覧申請データを許可要求データとして、機器30に送信する。
【0199】
入力パラメータの名前は、アプリケーション毎に表示用の名前を任意に設定することができる。アプリケーションの実行画面には設定された表示用の名前が表示される。そのため、ユーザは表示用の名前であれば、閲覧を申請されている入力パラメータを理解することができる。そのため、開発者が入力した入力パラメータを、アプリ情報に含まれる表示用の名前に変換する。
【0200】
本実施形態における許可要求データについて、図26を参照しながら説明する。図26は、本実施形態における許可要求データの一例を示す概念図である。
【0201】
図26に示されているように、本実施形態における許可要求データ3500は、開発者が入力した入力データに対応するjobDetail(name: "fileId")に、表示用の名前(displayName: "ファイルID")が設定されている。
【0202】
本実施形態における閲覧許可画面について、図27を参照しながら説明する。図27は、本実施形態における閲覧許可画面の一例を示す概念図である。
【0203】
図27に示されているように、本実施形態における閲覧許可画面2300は、閲覧許可データ選択欄2301に、開発者が入力した入力データが追加されている。また、追加された入力データは、許可要求データに設定された表示用の名前に変換されている。
【0204】
<第2実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム100は、閲覧申請画面において、開発者が任意の入力データを入力可能に構成する。したがって、開発者は、エラーは発生していないが障害解析に有用と考える入出力データに対して、閲覧を申請することができる。
【0205】
[第3実施形態]
第1実施形態では、ユーザの権限は1種類のみであり、ユーザはアプリケーションに入力可能なパラメータをすべて入力することができるように構成した。第3実施形態では、ユーザの権限が一般ユーザと管理者ユーザとに分類されており、閲覧を申請された入出力データ毎に許可可能なユーザの権限を制限するように構成する。
【0206】
以下、本実施形態における情報処理システム100について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0207】
<情報処理システム100の処理手順>
本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の詳細について説明する。本実施形態における情報処理方法は、1.閲覧申請処理が、第1実施形態とは異なる。
【0208】
≪1.閲覧申請処理≫
まず、本実施形態における閲覧申請処理について、図28を参照しながら説明する。図28は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧申請処理の一例を示すシーケンス図である。
【0209】
本実施形態では、フローに入力するパラメータを設定できるユーザを、一般ユーザと管理者ユーザとに分類する。フローに入力するパラメータは、一般ユーザが実行時に入力するだけでなく、管理者ユーザが事前にデフォルト値を設定しておくことができる。そのため、あるフローにおいて、一般ユーザが設定したパラメータと管理者ユーザが設定したパラメータとが混在する場合がある。
【0210】
また、本実施形態では、個人用のアプリケーションと、テナント共有のアプリケーションを作成することが可能である。個人用のアプリケーションの場合、一般ユーザと管理者ユーザがパラメータを設定できる。テナント共有のアプリケーションの場合、管理者ユーザのみがパラメータを設定できる。したがって、個人用アプリケーションに対する閲覧を申請する場合、入出力データ毎に閲覧の許可を要求するユーザの権限を判別する必要がある。
【0211】
ステップS121において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、開発者端末20から閲覧申請の登録要求を受信する。次に、閲覧許可申請部113は、アプリ情報の取得要求を、アプリ管理部121に送る。当該取得要求には、アプリIDが含まれる。
【0212】
ステップS122において、サービス提供システム10が備えるアプリ管理部121は、閲覧許可申請部113からアプリ情報の取得要求を受け取る。次に、アプリ管理部121は、当該取得要求に含まれるアプリIDに対応するアプリ情報を、アプリ情報記憶部102から取得する。続いて、アプリ管理部121は、取得したアプリ情報を、閲覧許可申請部113に送る。
【0213】
ここで、本実施形態におけるアプリ情報について、図29を参照しながら説明する。図29は、本実施形態におけるアプリ情報の一例を示す概念図である。
【0214】
図29に示されているように、本実施形態におけるアプリ情報3700には、ログイン種別(loginType)及びフローに含まれる各コンポーネント(filedownload, mail)の入出力データ(fileId, to, cc)に関する設定(name, adminCustomizedOnly等)が記載される。なお、adminCustomizedOnlyは、管理者ユーザのみがパラメータを入力可能とするフラグである。
【0215】
図28に戻って説明する。ステップS123において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、アプリ管理部121からアプリ情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、閲覧申請データにおいて閲覧が申請された入出力データを、許可を要求するユーザの権限毎に分類する。すなわち、閲覧許可申請部113は、管理者ユーザのみが入力可能なパラメータは、管理者ユーザに許可を要求し、その他のパラメータは、一般ユーザに許可を要求するように、閲覧申請データを変換する。
【0216】
ここで、本実施形態における閲覧申請データについて、図30を参照しながら説明する。図30は、本実施形態における閲覧申請データの一例を示す概念図である。
【0217】
図30に示されているように、本実施形態における閲覧申請データ3200では、閲覧を申請する入出力データ(inputFile, inputParameters)が、adminとuserの2つの要素に分類されている。adminは管理者ユーザに閲覧の許可を要求する入出力データである。userは一般ユーザに閲覧の許可を要求する入出力データである。
【0218】
図29に示したアプリ情報3700では、fileIdはadminCustomizedOnlyがtrueであり、to, ccはadminCustomizedOnlyがfalseである。そのため、閲覧申請データ3200では、fileIdはadminに分類され、to, ccはuserに分類されている。
【0219】
<第3実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム100は、ユーザの権限が一般ユーザと管理者ユーザとに分類されており、ユーザの権限によって入力可能な入出力データを制限する。また、本実施形態における情報処理システム100は、閲覧が申請された入出力データ毎に、閲覧を許可できるユーザの権限を特定する。したがって、開発者は、閲覧を申請する入力データ毎に、適切な権限を有するユーザに閲覧の許可を求めることができる。
【0220】
[第4実施形態]
第1実施形態では、閲覧申請画面において、エラーが発生したコンポーネントに関する入出力データに対する閲覧の申請を提案するように構成した。第4実施形態では、実行結果情報からエラーの原因となった入出力データを特定できる場合に、特定された入出力データに対する閲覧の申請を提案するように構成する。
【0221】
以下、本実施形態における情報処理システム100について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0222】
<情報処理システム100の処理手順>
本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の詳細について説明する。本実施形態における情報処理方法は、1.閲覧申請処理が、第1実施形態とは異なる。
【0223】
≪1.閲覧申請処理≫
まず、本実施形態における閲覧申請処理について、図31を参照しながら説明する。図31は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧申請処理の一例を示すシーケンス図である。
【0224】
ステップS130において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、ジョブ管理部123から実行結果情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該実行結果情報に基づいて、エラーの原因となった入出力データを特定する。続いて、閲覧許可申請部113は、特定した入出力データに関する情報(以下、「エラーパラメータ情報」とも呼ぶ)を、開発者端末20に送信する。
【0225】
ここで、本実施形態における実行結果情報について、図32を参照しながら説明する。図32は、本実施形態における実行結果情報の一例を示す概念図である。
【0226】
図32に示されているように、本実施形態における実行結果情報3100では、エラーコード(message_id)が、"io-storageA.invalid_params_fileId"となっている。
【0227】
実行結果情報を生成する際にエラーの原因となった入出力データを特定できている場合、エラーコードの構造は、"io-(コンポーネント名).(エラーの原因)_(パラメータ名)"となる。すなわち、実行結果情報3100は、ファイルダウンロードコンポーネント1100(storageA)に入力されたファイルID(fileId)が不正である(invalid)ことを表している。
【0228】
したがって、閲覧許可申請部113は、実行結果情報に記録されたエラーコードの構造を分析し、パラメータ名が特定できる場合には、エラーコンポーネント情報に代えて、エラーパラメータ情報を開発者端末20に送信する。
【0229】
<第4実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム100は、エラーの原因となった入出力データを特定できる場合、閲覧申請画面において、エラーの原因となった入出力データに対する閲覧の申請を提案する。したがって、開発者は、障害解析に必要となる入出力データをより適切に選択して、閲覧を申請することができる。
【0230】
[第5実施形態]
第1実施形態では、閲覧申請画面において、エラーが発生したコンポーネントに関する入出力データに対する閲覧の申請を提案するように構成した。第5実施形態では、エラーは発生していないが、アプリケーションが想定した動作を行わない場合に、閲覧を申請すべき入出力データを提案するように構成する。
【0231】
以下、本実施形態における情報処理システム100について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0232】
<情報処理システム100の機能構成>
まず、本実施形態における情報処理システム100の機能構成の一例について、図33を参照しながら説明する。図33は、本実施形態における情報処理システム100に含まれる各装置の機能構成を例示するブロック図である。
【0233】
≪サービス提供システム10の機能構成≫
図33に示されているように、本実施形態におけるサービス提供システム10は、第1実施形態におけるサービス提供システム10が備える各部に加えて、コンポーネント情報記憶部105及び検査パラメータ記憶部106をさらに備える。本実施形態におけるポータルサービス部110は、第1実施形態におけるポータルサービス部110が備える各部に加えて、検査パラメータ登録部115をさらに備える。本実施形態における入出力サービス部120は、第1実施形態における入出力サービス部120が備える各部に加えて、コンポーネント管理部126及び検査パラメータ管理部127をさらに備える。
【0234】
コンポーネント情報記憶部105及び検査パラメータ記憶部106は、例えば、図2に示されているHD504を用いて実現される。HD504が記憶するデータの読み込み又は書き込みは、例えば、HDDコントローラ505を介して行われる。
【0235】
なお、コンポーネント情報記憶部105及び検査パラメータ記憶部106は、サービス提供システム10が備えず、外部の記憶装置を用いてもよい。外部の記憶装置の一例は、NAS(Network Attached Storage)又はオンラインストレージサービスである。
【0236】
コンポーネント情報記憶部105は、フローで利用可能なコンポーネントに関するコンポーネント情報を記憶する。コンポーネント情報には、コンポーネントを識別するコンポーネントIDが関連付けられている。
【0237】
検査パラメータ記憶部106は、検査パラメータに関する検査パラメータ情報を記憶する。検査パラメータとは、エラーが発生していないジョブ情報に対して、閲覧の申請を提案する入出力データである。検査パラメータ情報には、検査パラメータを識別するパラメータIDが関連付けられている。
【0238】
検査パラメータ登録部115は、開発者端末20からの要求に応じて、コンポーネント管理部126が管理するコンポーネント情報を開発者端末20に送信する。また、検査パラメータ登録部115は、開発者端末20から検査パラメータ情報を受信する。さらに、検査パラメータ登録部115は、検査パラメータ情報の登録を検査パラメータ管理部127に要求する。
【0239】
コンポーネント管理部126は、コンポーネント情報記憶部105に対して、コンポーネント情報の書き込み及び読み出しを実行する。
【0240】
検査パラメータ管理部127は、検査パラメータ記憶部106に対して、検査パラメータ情報の書き込み及び読み出しを実行する。
【0241】
<情報処理システム100の処理手順>
次に、本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の詳細について説明する。本実施形態における情報処理方法は、0.検査パラメータ登録処理をさらに含み、1.閲覧申請処理が第1実施形態とは異なる。
【0242】
≪前提≫
まず、本実施形態において前提とするフローについて、図34を参照しながら説明する。図34は、本実施形態におけるフローの一例を示す概念図である。
【0243】
図34に示されているように、本実施形態におけるフロー1010は、ファイルダウンロードコンポーネント1100、PDF変換コンポーネント1200及びメール送信コンポーネント1400を順に実行する。
【0244】
ユーザは、フロー1010を含むアプリケーションを実行する際に、送信先のメールアドレスを入力する。メール送信コンポーネント1400は、PDF変換コンポーネント1200から入力されたPDFファイルを添付した電子メールを、ユーザが入力したメールアドレスに送信する。
【0245】
ユーザが送信先のメールアドレスを誤って入力した場合、フロー1010は正常に終了したとしても、送信先のメールアドレスに電子メールが届かないことになる。この場合、ユーザはアプリケーションが想定どおりに動作していないため、開発者に問い合わせを行う。しかしながら、エラーが発生していないため、開発者は、閲覧を申請すべき入出力データを判断することが困難となる。
【0246】
≪0.検査パラメータ登録処理≫
まず、開発者が検査パラメータを登録する検査パラメータ登録処理について、図35を参照しながら説明する。図35は、本実施形態における情報処理システム100が実行する検査パラメータ登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【0247】
ステップS401において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、開発者の操作に応じて、検査パラメータ登録画面の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。
【0248】
ステップS402において、サービス提供システム10が備える画面提供部111は、開発者端末20から検査パラメータ登録画面の取得要求を受信する。次に、画面提供部111は、検査パラメータ登録画面を表す画面情報を、画面情報記憶部101から取得する。続いて、画面提供部111は、取得した画面情報を、開発者端末20に送信する。開発者端末20では、ブラウザ210が、検査パラメータ登録画面を表す画面情報を受信する。
【0249】
ステップS403において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、コンポーネント情報の取得要求を、サービス提供システム10に送信する。
【0250】
サービス提供システム10では、検査パラメータ登録部115が、開発者端末20からコンポーネント情報の取得要求を受信する。検査パラメータ登録部115は、コンポーネント情報を、コンポーネント管理部126に要求する。
【0251】
ステップS404において、サービス提供システム10が備えるコンポーネント管理部126は、コンポーネント情報を、コンポーネント情報記憶部105から取得する。次に、コンポーネント管理部126は、取得したコンポーネント情報を、検査パラメータ登録部115に送る。検査パラメータ登録部115は、コンポーネント管理部126から受け取ったコンポーネント情報を、開発者端末20に送信する。
【0252】
ステップS405において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10からコンポーネント情報を受信する。次に、ブラウザ210は、サービス提供システム10から受信した画面情報及びコンポーネント情報に基づいて、検査パラメータ登録画面をディスプレイ506等に表示する。
【0253】
ここで、本実施形態における検査パラメータ登録画面について、図36を参照しながら説明する。図36は、本実施形態における検査パラメータ登録画面の一例を示す概念図である。
【0254】
図36に示されているように、本実施形態における検査パラメータ登録画面2500は、コンポーネント選択欄2501、パラメータ選択欄2502及び送信ボタン2509を有する。
【0255】
コンポーネント選択欄2501には、コンポーネント情報に含まれるコンポーネントが選択可能に表示される。パラメータ選択欄2502には、コンポーネント選択欄2501において選択されているコンポーネントの入力パラメータが選択可能に表示される。
【0256】
図35に戻って説明する。ステップS406において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、検査パラメータ登録画面2500に対する開発者の操作に応じて、検査パラメータ情報を生成する。
【0257】
具体的には、開発者は、コンポーネント選択欄2501において、検査パラメータの登録対象とするコンポーネントを選択し、パラメータ選択欄2502において、当該コンポーネントの入力パラメータを選択する。そして、開発者は、検査パラメータ登録画面2500において、送信ボタン2509を押下する。ブラウザ210は、パラメータ選択欄2502において選択されている入力パラメータを表す検査パラメータ情報を生成する。
【0258】
ステップS407において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、検査パラメータの登録要求を、サービス提供システム10に送信する。当該登録要求には、検査パラメータ情報が含まれる。
【0259】
サービス提供システム10では、検査パラメータ登録部115が、検査パラメータの登録要求を受信する。検査パラメータ登録部115は、当該登録要求に含まれる検査パラメータ情報を、検査パラメータ管理部127に送る。
【0260】
ステップS408において、サービス提供システム10が備える検査パラメータ管理部127は、検査パラメータ登録部115から検査パラメータ情報を受け取る。次に、検査パラメータ管理部127は、当該検査パラメータ情報を検査パラメータ記憶部106に記憶する。続いて、検査パラメータ管理部127は、検査パラメータの登録結果を検査パラメータ登録部115に送る。検査パラメータ登録部115は、検査パラメータ管理部127から受け取った検査パラメータの登録結果を開発者端末20に送信する。
【0261】
≪1.閲覧申請処理≫
次に、本実施形態における閲覧申請処理について、図37を参照しながら説明する。図37は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧申請処理の一例を示すシーケンス図である。
【0262】
ステップS141において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、ジョブ管理部123から実行結果情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該実行結果情報に基づいて、エラーが発生したか否かを判定する。本実施形態では、エラーが発生していないものとして説明を続ける。
【0263】
ステップS142において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、検査パラメータの取得要求を、検査パラメータ管理部127に送る。
【0264】
ステップS143において、サービス提供システム10が備える検査パラメータ管理部127は、閲覧許可申請部113から検査パラメータの取得要求を受け取る。次に、検査パラメータ管理部127は、検査パラメータ情報を、検査パラメータ記憶部106から取得する。続いて、検査パラメータ管理部127は、取得した検査パラメータ情報を、閲覧許可申請部113に送る。
【0265】
ステップS144において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、検査パラメータ管理部127からパラメータ情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該パラメータ情報に含まれる入出力データのうち、検査パラメータ情報に含まれる検査パラメータと合致するものがあるか否かを判定する。ここでは、検査パラメータと合致する入出力データがあったものとして説明を続ける。
【0266】
ステップS145において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、アプリ情報の取得要求を、アプリ管理部121に送る。当該取得要求には、アプリIDが含まれる。
【0267】
ステップS146において、サービス提供システム10が備えるアプリ管理部121は、閲覧許可申請部113からアプリ情報の取得要求を受け取る。次に、アプリ管理部121は、当該取得要求に含まれるアプリIDに対応するアプリ情報を、アプリ情報記憶部102から取得する。続いて、アプリ管理部121は、取得したアプリ情報を、閲覧許可申請部113に送る。
【0268】
ステップS147において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、アプリ管理部121からアプリ情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該アプリ情報を用いて、検査パラメータと合致する入出力データの入力方法が所定の方法に該当するか否かを判定する。
【0269】
例えば、入力データをユーザがテキスト入力する場合、入力誤りにより不具合が生じる可能性が高い。そのため、検査パラメータと合致する入出力データがテキスト入力するものである場合、当該入出力データに対する閲覧の申請を提案するとよい。所定の入力方法は、テキスト入力に限定されず、入力誤りが発生しやすい入力方法を任意に設定すればよい。
【0270】
閲覧許可申請部113は、判定結果に基づいて、閲覧の申請を提案する入出力データを表す候補パラメータ情報を生成する。次に、閲覧許可申請部113は、生成した候補パラメータ情報を、開発者端末20に送信する。
【0271】
ステップS111において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、サービス提供システム10から候補パラメータ情報を受信する。次に、ブラウザ210は、候補パラメータ情報に基づいて、閲覧を申請すべき入出力データを提案する。具体的には、ブラウザ210は、閲覧申請画面2100において、入力データ選択欄2102又は出力データ選択欄2103に表示された入出力データのうち、候補パラメータ情報に表された入出力データを自動的に選択する。
【0272】
<第5実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム100は、エラーが発生していない場合、閲覧申請画面において、予め登録された検査パラメータに対する閲覧の申請を提案する。したがって、開発者は、エラーが発生していない場合であっても、調査に有用な入出力データを適切に選択して、閲覧を申請することができる。
【0273】
[第6実施形態]
第1実施形態では、閲覧が申請された入出力データがファイルである場合に、入出力データの関係を遡って、入力元のファイルを特定する例を説明した。第6実施形態では、閲覧が申請された入出力データがパラメータである場合に、入出力データの関係を遡って、入力元のパラメータを特定する例を説明する。
【0274】
以下、本実施形態における情報処理システム100について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0275】
<情報処理システム100の処理手順>
まず、本実施形態における情報処理システム100が実行する情報処理方法の詳細について説明する。本実施形態における情報処理方法は、1.閲覧申請処理及び2.閲覧許可処理が、第1実施形態とは異なる。
【0276】
≪前提≫
まず、本実施形態において前提とするフローについて、図38を参照しながら説明する。図38は、本実施形態におけるフローの一例を示す概念図である。
【0277】
図38に示されているように、本実施形態におけるフロー1020は、ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500A、ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500B、文字列結合コンポーネント1600及びメール送信コンポーネント1400を順に実行する。
【0278】
ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Aは、外部ストレージサービスAから、ユーザが指定したフォルダ直下のフォルダ及びファイルの一覧を取得する。ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Bは、外部ストレージサービスBから、ユーザが指定したフォルダ直下のフォルダ及びファイルの一覧を取得する。文字列結合コンポーネント1600は、入力された複数の文字列を結合する。
【0279】
ユーザは、フロー1020を含むアプリケーションを実行する際に、外部ストレージサービスAのフォルダを識別するフォルダID、外部ストレージサービスBのフォルダを識別するフォルダID、及び送信先のメールアドレスを入力する。
【0280】
ユーザがフロー1020を含むアプリケーションを実行すると、サービス提供システム10は、外部ストレージサービスA及び外部ストレージサービスBそれぞれから、ユーザが指定したフォルダ直下のフォルダ及びファイルの一覧を取得し、それらを連結した文字列が記載された電子メールを、送信先のメールアドレスに送信する。
【0281】
図39は、フロー1020から出力される出力データの一例を示す概念図である。図39に示されているように、出力データ3800には、外部ストレージサービスAから取得したファイルフォルダ一覧情報(StorageA)と、外部ストレージサービスBから取得したファイルフォルダ一覧情報(StorageB)とを結合した文字列が記載されている。
【0282】
ここで、ユーザが障害解析を開発者に依頼したとする。開発者が当該アプリケーションを実行した際のジョブ情報を閲覧したところ、ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500A及びファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Bは成功しているが、文字列結合コンポーネント1600でエラーが発生していることがわかった。ジョブ情報に含まれる実行結果情報には、発生したエラーは「内部処理に起因するエラー」であることが記録されていた。
【0283】
≪1.閲覧申請処理≫
次に、開発者が入出力データの閲覧を申請する閲覧申請処理について、図40を参照しながら説明する。図40は、本実施形態における情報処理システム100が実行する閲覧申請処理の一例を示すシーケンス図である。
【0284】
ステップS111において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、エラーコンポーネント情報に基づいて、閲覧を申請すべき入出力データを提案する。
【0285】
図41は、本実施形態における閲覧申請画面の一例を示す概念図である。図41に示されているように、本実施形態における閲覧申請画面2100では、文字列結合コンポーネントの入力データ(args)が自動的に選択される。
【0286】
図40に戻って説明する。ステップS112において、開発者端末20が備えるブラウザ210は、閲覧申請画面2100に対する開発者の操作に応じて、閲覧申請データを生成する。次に、ブラウザ210は、閲覧申請の登録要求を、サービス提供システム10に送信する。当該登録要求には、生成した閲覧申請データが含まれる。
【0287】
ステップS151において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、開発者端末20から閲覧申請の登録要求を受信する。次に、閲覧許可申請部113は、アプリ情報の取得要求を、アプリ管理部121に送る。当該取得要求には、アプリIDが含まれる。
【0288】
ステップS152において、サービス提供システム10が備えるアプリ管理部121は、閲覧許可申請部113からアプリ情報の取得要求を受け取る。次に、アプリ管理部121は、当該取得要求に含まれるアプリIDに対応するアプリ情報を、アプリ情報記憶部102から取得する。続いて、アプリ管理部121は、取得したアプリ情報を、閲覧許可申請部113に送る。
【0289】
ここで、本実施形態におけるアプリ情報について、図42を参照しながら説明する。図42は、本実施形態におけるアプリ情報の一例を示す概念図である。
【0290】
図42に示されているように、本実施形態におけるアプリ情報3700には、ユーザが入力するパラメータを表す"userInputParameters"、及びデフォルトで入力するパラメータを表す"defaultParameters"が含まれる。getItemListStorageAのfolderIdは、外部ストレージサービスAのファイルフォルダ一覧情報を取得するフォルダIDである。getItemListStorageBのfolderIdは、外部ストレージサービスBのファイルフォルダ一覧情報を取得するフォルダIDである。sendMailのtoは、送信先のメールアドレスである。
【0291】
concatStringのargsに含まれる"(コンポーネント名).IOResult"は、コンポーネントの出力結果を表すプレースホルダである。このように設定することで、あるコンポーネントの出力結果を、他のコンポーネントに入力することができる。すなわち、アプリ情報3700は、文字列結合コンポーネント1600に、ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Aの出力結果及びファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Bの出力結果が入力されることを表している。
【0292】
図40に戻って説明する。ステップS153において、サービス提供システム10が備える閲覧許可申請部113は、アプリ管理部121からアプリ情報を受け取る。次に、閲覧許可申請部113は、当該アプリ情報に基づいて、閲覧が申請された入出力データの関係を遡り、当該入出力データがフローに入力された入力元のデータを特定する。続いて、閲覧許可申請部113は、特定された入力データを、閲覧申請データに追加する。
【0293】
ここで、本実施形態における入力元探索処理を、図43を参照しながら説明する。図43は、本実施形態における入力元探索処理の一例を示すフローチャートである。
【0294】
ステップS153-1において、閲覧許可申請部113は、アプリ管理部121からアプリ情報を取得する。以下、アプリ情報は、図42に示したアプリ情報3700とする。
【0295】
ステップS153-2において、閲覧許可申請部113は、閲覧が申請されたコンポーネントを特定する。ここでは、文字列結合コンポーネント1600の入力データ(args)に対して閲覧が申請されているため、concatStringが特定される。
【0296】
ステップS153-3において、閲覧許可申請部113は、特定したコンポーネントの入力パラメータを取得する。ここでは、"getItemListStorageA.IOResult"及び"getItemListStorageB.IOResult"が取得される。
【0297】
ステップS153-4において、閲覧許可申請部113は、取得された入力パラメータにIOResultがあるか否かを判定する。IOResultがある場合(YES)、ステップS153-5に処理を進める。IOResultがない場合(NO)、ステップS153-6に処理を進める。ここでは、"getItemListStorageA.IOResult"及び"getItemListStorageB.IOResult"が取得されたため、ステップS153-5に進む。
【0298】
ステップS153-5において、閲覧許可申請部113は、IOResultを出力するコンポーネントを特定する。ここでは、"getItemListStorageA"及び"getItemListStorageB"が特定される。
【0299】
再び実行されるステップS153-3において、閲覧許可申請部113は、"getItemListStorageA"及び"getItemListStorageB"の入力パラメータを取得する。ここでは、"getItemListStorageA"の"folderId"及び"getItemListStorageB"の"folderId"が取得される。
【0300】
再び実行されるステップS153-4において、閲覧許可申請部113は、取得された入力パラメータにIOResultがないため、ステップS153-6に進む。
【0301】
ステップS153-6において、閲覧許可申請部113は、現在のコンポーネントの入力データを入力元のデータと特定し、処理を終了する。すなわち、ファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Aに入力された"folderId"とファイルフォルダ一覧取得コンポーネント1500Bに入力された"folderId"が、入力元のデータとして特定される。
【0302】
ここで、本実施形態における閲覧申請データについて、図44を参照しながら説明する。図44は、本実施形態における閲覧申請データの一例を示す概念図である。
【0303】
図44に示されているように、本実施形態における閲覧申請データ3200では、"getItemListStorageA"に対応するjobDetail及び"getItemListStorageA"に対応するjobDetailそれぞれに、"folderId"という名前のinputParameterを含むrelatedParametersが追加されている。
【0304】
≪2.閲覧許可処理≫
次に、本実施形態における閲覧許可処理について説明する。本実施形態における閲覧許可処理は、第1実施形態と同様であるが、閲覧許可画面が第1実施形態とは異なる。
【0305】
本実施形態における閲覧許可画面について、図45を参照しながら説明する。図45は、本実施形態における閲覧許可画面の一例を示す概念図である。
【0306】
図45に示されているように、本実施形態における閲覧許可画面2300は、閲覧許可データ選択欄2301に、入力元のデータとして特定された、「storageAFolderIdで指定したフォルダ直下のファイルフォルダ一覧情報」及び「storageBFolderIdで指定したフォルダ直下のファイルフォルダ一覧情報」が表示される。これらの文言は、アプリ情報及び辞書情報に基づいて、"getItemListStorageA"の"folderId"及び"getItemListStorageB"の"folderId"をユーザが理解しやすい内容に変換したものである。
【0307】
なお、図44に示した閲覧申請データ3200に記載されたdisplayNameは、当該アプリケーションを実行する際に、機器30の操作パネル940に表示されるアプリ実行画面に表示される名称である。
【0308】
図46は、本実施形態におけるアプリ実行画面の一例を示す概念図である。図46に示されているように、本実施形態におけるアプリ実行画面2600は、storageAFolderIdで示されるパラメータ入力欄2601、storageBFolderIdで示されるパラメータ入力欄2602、及び実行ボタン2609を有する。
【0309】
ユーザは、アプリケーションを実行する際に、アプリ実行画面2600を利用するため、閲覧許可画面2300において、storageAFolderId及びstorageBFolderIdについて閲覧の許可を要求されれば、その内容を理解することができる。
【0310】
<第6実施形態の効果>
本実施形態における情報処理システム100は、閲覧が申請された入出力データがパラメータである場合に、入出力データの関係を遡ってユーザが入力したパラメータを特定し、特定された入力データに対する閲覧を申請する閲覧申請データを登録する。したがって、ユーザは、閲覧を許可できるか否かを適切に判断することができる。
【0311】
[補足]
上記各実施形態において、サービス提供システム10は情報処理装置の一例である。開発者端末20は第1の情報処理端末の一例である。機器30は第2の情報処理端末の一例である。パラメータ情報はログ情報の一例である。実行結果情報は第2のログ情報の一例である。閲覧許可データは制御情報の一例である。検査パラメータ情報は第2の制御情報の一例である。閲覧許可申請部113は受信部の一例である。ブラウザ210は画面表示部の一例である。ブラウザ310は送信部の一例である。
【0312】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等の機器を含むものとする。
【0313】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、サービス提供システム10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、外部サービスシステム40は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0314】
さらに、サービス提供システム10及び外部サービスシステム40は、開示された処理ステップを様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、外部サービスシステム40によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、外部サービスシステム40によって実行することができる。また、サービス提供システム10と外部サービスシステム40の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていてもよいし、複数の装置に分けられていてもよい。
【0315】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0316】
100 情報処理システム
10 サービス提供システム
101 画面情報記憶部
102 アプリ情報記憶部
103 ファイル記憶部
104 ジョブ情報記憶部
105 コンポーネント情報記憶部
106 検査パラメータ記憶部
110 ポータルサービス部
111 画面提供部
112 ジョブ情報閲覧部
113 閲覧許可申請部
114 ジョブ情報翻訳部
115 検査パラメータ登録部
120 入出力サービス部
121 アプリ管理部
122 ファイル管理部
123 ジョブ管理部
124 ジョブ情報制御部
125 通知部
126 コンポーネント管理部
127 検査パラメータ管理部
20 開発者端末
210 ブラウザ
30 機器
310 ブラウザ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0317】
【特許文献1】特開2020-119047号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
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図35
図36
図37
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図39
図40
図41
図42
図43
図44
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図46