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特開2023-110535抗菌抗ウィルストナー、現像剤、印刷物、トナー収容ユニット、画像形成装置および画像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110535
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】抗菌抗ウィルストナー、現像剤、印刷物、トナー収容ユニット、画像形成装置および画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/08 20060101AFI20230802BHJP
   G03G 9/09 20060101ALI20230802BHJP
   G03G 9/097 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
G03G9/08 391
G03G9/09
G03G9/097 368
G03G9/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022012041
(22)【出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一己
(72)【発明者】
【氏名】澤田 豊志
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 克宣
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA03
2H500AA06
2H500AA14
2H500CA29
2H500CB08
2H500CB11
2H500EA22A
(57)【要約】
【課題】抗菌性および抗ウィルス性を有する画像を安定して形成でき、かつ経時変色を目立たなくする抗菌抗ウィルストナーを提供する。
【解決手段】銀系抗菌材料および色素を含む抗菌抗ウィルストナーであって、前記色素は、赤系色素および黄系色素から選択された少なくとも1種であり、前記抗菌抗ウィルストナーは、前記銀系抗菌材料を3質量%以上5質量%未満の割合で含有し、前記抗菌抗ウィルストナーは、彩度2未満および明度96以上の白色紙上にトナー付着量0.45mg/cmでベタ画像を形成したとき、前記ベタ画像形成直後の画像彩度が3.5以上6未満であり、色相角が65°以上88°以下であり、かつ明度が91以上である。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀系抗菌材料および色素を含む抗菌抗ウィルストナーであって、
前記色素は、赤系色素および黄系色素から選択された少なくとも1種であり、
前記抗菌抗ウィルストナーは、前記銀系抗菌材料を3質量%以上5質量%未満の割合で含有し、
前記抗菌抗ウィルストナーは、彩度2未満および明度96以上の白色紙上にトナー付着量0.45mg/cmでベタ画像を形成したとき、前記ベタ画像形成直後の画像彩度が3.5以上6未満であり、色相角が65°以上88°以下であり、かつ明度が91以上である
ことを特徴とする抗菌抗ウィルストナー。
【請求項2】
前記赤色系色素が、レーキ系顔料であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌抗ウィルストナー。
【請求項3】
前記黄系色素が、ジスアゾ系顔料であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌抗ウィルストナー。
【請求項4】
前記銀系抗菌材料が、ゼオライトもしくはケイ素系ガラスからなる担持体に担持されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナー。
【請求項5】
前記銀系抗菌材料が、立方体もしくは直方体であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーを含むことを特徴とする現像剤。
【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーからなる画像を有することを特徴とする印刷物。
【請求項8】
請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
【請求項9】
静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段とを有し、
前記トナーが、請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記現像手段は、請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーと、カラートナーとを用いて現像を行うことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、
該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程とを有し、
前記トナーが、請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーであることを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
前記現像工程は、請求項1~5のいずれかに記載の抗菌抗ウィルストナーと、カラートナーとを用いて現像を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌抗ウィルストナー、現像剤、印刷物、トナー収容ユニット、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式、静電記録、静電印刷による画像形成では、光導電性物質等の感光体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させ可視像を形成した後、紙等の記録媒体に転写後、定着され、出力画像となる。電子写真方式は、印刷機と異なり版などを必要としないため、少量および多品種の複製に好適であり、印刷と比べ要求即応(オンデマンド、On Demand)な方式である。
【0003】
一方、トナーにおいては従来のモノクロトナー、カラートナー以外にも各種の機能を有するトナーが実用化されている。その機能の一つとして抗菌性トナーがあり、例えば特許文献1~4では各種の抗菌性トナーが提案されている。抗菌性トナーを用いて画像を形成することにより、形成された画像が抗菌性を有するという利点が得られる。これにより例えば、不特定多数の者が印刷物に触れる場合など、菌やウィルスが印刷物を介して他者に移るという可能性を低減できることが期待される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記トナーの抗菌抗ウィルス材料としては、金属イオン系の材料がその機能、安全性の面から好ましいが、使用環境によって変色する問題がある。特に抗ウィルス性を得るには抗菌抗ウィルス材料を比較的多く含有する必要があり、前記経時変色が特に白色基材に印刷された画像として顕著となる。
【0005】
本発明は、抗菌性および抗ウィルス性を有する画像を安定して形成でき、かつ経時変色を目立たなくする抗菌抗ウィルストナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)銀系抗菌材料および色素を含む抗菌抗ウィルストナーであって、
前記色素は、赤系色素および黄系色素から選択された少なくとも1種であり、
前記抗菌抗ウィルストナーは、前記銀系抗菌材料を3質量%以上5質量%未満の割合で含有し、
前記抗菌抗ウィルストナーは、彩度2未満および明度96以上の白色紙上にトナー付着量0.45mg/cmでベタ画像を形成したとき、前記ベタ画像形成直後の画像彩度が3.5以上6未満であり、色相角が65°以上88°以下であり、かつ明度が91以上である
ことを特徴とする抗菌抗ウィルストナー。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、抗菌性および抗ウィルス性を有する画像を安定して形成でき、かつ経時変色を目立たなくする抗菌抗ウィルストナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
図2】本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
図3】本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
図4】画像形成装置における現像装置の概略構成の一例を示す断面図である。
図5】画像形成装置の一例の回収搬送路の搬送方向下流部における回収搬送路と攪拌搬送路との断面図である。
図6】画像形成装置の一例の供給搬送路の搬送方向上流部における断面図である。
図7】画像形成装置の一例の供給搬送路の搬送方向下流部における断面図である。
図8】画像形成装置の一例の現像装置内における現像剤の流れの模式図である。
図9】同現像装置の供給搬送路の搬送方向最下流部における断面図である。
図10】プロセスカートリッジの一例を示す模式図である。
図11】抗菌剤AのSEM画像の一例である。
図12】実施例で採用した評価画像を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る抗菌抗ウィルストナー(以下、単にトナーと言うことがある)、現像剤、印刷物、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
(トナー)
本発明のトナーは、銀系抗菌材料および色素を含み、以下の条件を満たすトナーである。
(1)前記色素は赤系色素および/または黄系色素である。
(2)前記トナーは、前記銀系抗菌材料を3質量%以上5質量%未満の割合で含有する。
(3)前記トナーは、彩度2未満および明度96以上の白色紙上にトナー付着量0.45mg/cmでベタ画像を形成したとき、前記ベタ画像形成直後の画像彩度が3.5以上6未満であり、色相角が65°以上88°以下であり、かつ明度が91以上である。
本発明のトナーは、抗菌性および抗ウィルス性を有する画像を安定して形成でき、かつ経時変色を目立たなくすることができる。
本発明のトナーは、抗菌性および/または抗ウィルス性を有する。
【0011】
本発明のトナーの用途としては、特に制限されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、本発明のトナーを用いて単独で層を形成してもよいし、他のトナー等によって形成された画像上に本発明のトナーを用いた層を形成してもよい。基材表面全体に本発明のトナーによって層を形成することが好ましく、この場合、抗菌抗ウィルス性を確保しやすくなる。例えば他のカラートナーによる層上に本発明のトナーによる層を形成することが好ましい。この場合、本発明のトナーによる層の彩度は小さいことが好ましく、カラートナー像への影響を低減することができる。
【0012】
<銀系抗菌材料>
本発明のトナーは、銀系抗菌材料を含む。銀系抗菌材料は例えば以下の(ア)~(オ)の1つ以上の性質を有しており、抗菌抗ウィルス性、安定性、安全性に優れており、比較的安価であることも特徴の一つである。
(ア)耐熱性に優れ500~600℃でも安定であり、トナーの製造及び使用温度程度では実質的に熱分解しない。
(イ)安全性が高く、経口マウス急性毒性LD50が2,000mg/kg以上と非常に低く、変異原性及び皮膚刺激性に関しても陰性あるいはきわめて弱く、低毒性である。
(ウ)抗菌効果が半永久的である。
(エ)抗菌スペクトルが広い。
(オ)微生物が耐性を獲得し難い等の優れた性能を有する。
【0013】
抗菌抗ウィルス性を有する金属としては、銀を含み、他の金属2種類以上を混合して用いてもよい。銀と併用して用いられる金属としては、例えば、銅、亜鉛、白金、ニッケル、光触媒作用を有する酸化チタン等が挙げられる。
【0014】
本発明の銀系抗菌材料における銀は、金属銀、銀イオンのいずれの形態であってもよいが、本発明ではとくに銀イオンを用いた銀イオン系抗菌材料であることが好ましい。以下、銀イオン系抗菌材料を例に取り説明する。
銀イオン系抗菌材料は、アルミナ、ゼオライト、ケイ素系ガラス又はベントナイトからなる担持体に担持されていることが好ましく、ゼオライトもしくはケイ素系ガラスからなる担持体に担持されていることがさらに好ましい。例えば上記の金属の金属イオンを担持体に担持させることが好ましい。このような担持体としては、得られる現像剤の性能の観点から、リン酸塩系、ケイ酸塩系、溶解性ガラス系などが用いられる。
【0015】
リン酸塩系としては、例えば、無機イオン交換体であるリン酸ジルコニウムZrO(HPOを母体にイオン交換能により銀や亜鉛を結合させたリン酸ジルコニウム系が挙げられる。また、この他にも例えば、リン酸カルシウム系Ca(PO、ヒドロキシアパタイトCa10(PO(OH)を母体に銀を吸着結合させたリン酸カルシウム系などが挙げられる。
【0016】
ケイ酸塩系としては、例えば、結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライトNaO・Al・2SiO・4.5HOの担持特性のイオン交換能を利用し、ゼオライト粒子に無数にある細孔の中に銀、銅、亜鉛等をイオン状態のまま安全に担持させ、同時に徐放性を持たせたもので銀イオンなどを徐々に放出し抗菌抗ウィルス性を長期に維持する耐久性を持たせたゼオライト系が挙げられる。この他にも例えば、シリカゲルSiO・nHO(微細構造がポーラスな構造として例えば1gのものが450m以上の表面積を持つ)にチオサルファイト銀錯体などを吸着結合させたり含有させたりしたシリカゲル系などが挙げられる。
【0017】
溶解性ガラス系としては、例えば、ケイ酸塩ガラスNaO・SiO・BでB成分を多くした溶解度の高いガラス担体に銀などを担持させ、ガラスの溶解にともなって銀の徐放をコントロールしたもの等が挙げられる。
【0018】
本発明のトナーにおいて、トナー中の銀の含有量は1質量%程度であれば十分な抗菌性が得られるが、安定した抗ウィルス性を持つためには、トナー中の銀の含有量は3.5質量%以上が好ましい。しかし、銀イオン系抗菌材料の経時変色は該銀イオン系抗菌材料が多く添加されるほど目立つこととなるため、銀イオン系抗菌材料の含有量は5質量%以下が好ましい。
【0019】
銀イオン系抗菌材料からなる粒子の形状としては、制限されるものではないが、概ね立方体又は直方体であることが好ましい。この場合、銀イオン系抗菌材料が画像表面に安定して露出するという利点が得られる。
銀イオン系抗菌材料からなる粒子の形状は、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)により観察する。観察した粒子のうち40個数%以上が立方体又は直方体であることが好ましい。
【0020】
なお、実施例で用いた抗菌剤のSEM画像を後述の図11に示している。図中、(a)と(b)は同じスケールで取得した画像であり、それぞれ別の箇所を観察したものである。(c)と(d)は同じスケールで取得した画像であり、それぞれ別の箇所を観察したものである。図示する例では、銀イオン系抗菌材料からなる粒子の形状が立方体となっている。
【0021】
<色素>
前記赤系色素しては、ナフトール系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロ-ル、アントラキノン系、モノアゾ系、ジスアゾ系、カーミンレーキ、アリザリンレーキ、ローダミンレーキ顔料及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーにはレーキ系顔料、とくにカーミンレーキが好適に用いられる。カーミンレーキは安価で着色力が高く比較的耐光性に劣っており、銀イオン系抗菌材料の経時変色に従って退色が進むためトナーとしての変色が目立ちにくくなる特徴がある。
前記黄系色素としては、モノアゾ系、ジスアゾ系、イソインドリン系、アゾメチン系、アントラキノン系、キサンテン系顔料及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーにはジスアゾ系顔料が好適に用いられる。前記顔料は着色力が高く比較的耐光性に劣っており、銀イオン系抗菌材料の経時変色に従って退色が進むためトナーとしての変色が目立ちにくくなる特徴がある。
本発明のトナーに対し、赤色系色素および黄系色素は、着色力や分散粒径により着色度は異なるが、例えば0.005~0.5質量%で含まれるのが好ましく、0.01~0.3質量%で含まれるのがさらに好ましい。
【0022】
<結着樹脂>
本発明のトナーは、結着樹脂を含むことができる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、従来公知の樹脂がすべて使用可能である。前記結着樹脂としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-塩化ビニル共重合体、スチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら中でも、芳香族化合物を構成単位として含有するスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0023】
前記ポリエステル樹脂は、一般公知のアルコールと酸との重縮合反応によって得られる。
前記アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオールなどのジオール類、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3~22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボン酸が好ましい。
前記カルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3~22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記結着樹脂には、結晶性樹脂を含有させることもできる。
前記結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、耐湿性や後述の非晶性樹脂との非相溶性を持たせるためにウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂が好ましい。
【0026】
前記結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、定着性の観点からは、2,000~100,000が好ましく、5,000~60,000がより好ましく、8,000~30,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、2,000以上であると、耐ホットオフセット性が悪化する不具合を防止することができ、100,000以下であると、低温定着性が悪化する不具合を防止することができる。
【0027】
<離型剤>
前記離型剤としては、天然ワックス、及び合成ワックスのいずれも用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記天然ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどが挙げられる。
【0028】
前記合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;1,2-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n-ステアリル、ポリメタクリル酸n-ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n-ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。
【0029】
これらの中でも、離型剤としては、モノエステルワックスを含むことが好ましい。前記モノエステルワックスは、一般的な結着樹脂との相溶性が低いため、定着時に表面に染み出しやすく、高い離型性を示し、高光沢と高い低温定着性を確保できる。
【0030】
前記モノエステルワックスとしては、合成エステルワックスであることが好ましい。前記合成エステルワックスとしては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステルワックスなどが挙げられる。前記長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式C2n+1COOHで表わされ、n=5~28程度のものが好ましく用いられる。また、前記長鎖直鎖飽和アルコールとしては、C2n+1OHで表わされ、n=5~28程度が好ましい。
【0031】
前記長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラモン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸およびメリシン酸などが挙げられる。一方、前記長鎖直鎖飽和アルコールの具体例としては、例えば、アミルアルコール、ヘキシールアルコール、ヘプチールアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコールおよびヘプタデカンノオールなどが挙げられ、低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
【0032】
前記離型剤の融点は、50℃~120℃が好ましい。離型剤の融点が前記数値範囲であると、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。具体的には、融点が50℃以上であると、トナーの耐熱保存性が悪化する不具合を防止することができ、120℃以下であると、低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生するという不具合を防止することができる。
【0033】
前記離型剤の融点の測定としては、例えば、示差走査熱量計であるTG-DSCシステムTAS-100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求めることができる。
【0034】
前記離型剤の含有量としては、前記結着樹脂に対して、1質量%~20質量%が好ましく、3質量%~10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上であると、オフセット防止効果が不十分となる不具合を防止することができ、20質量%以下であると、転写性、耐久性が低下するという不具合を防止することができる。
【0035】
また、前記モノエステルワックスの含有量としては、トナー100質量部に対して、4質量部~8質量部が好ましく、5質量部~7質量部がより好ましい。前記含有量が、4質量部以上であると、定着時における表面への染み出しが不十分となること、離型性が悪くなること、並びに光沢、低温定着性、及び耐高温オフセット性が低下することの不具合を防止することができる。前記含有量が、8質量部以下であると、トナー表面に析出する離型剤の量が増え、トナーとしての保存性が低下し、感光体等へのフィルミング性が低下するという不具合を防止することができる。
【0036】
本発明のトナーは、ワックス分散剤を含有することが好ましく、前記分散剤がモノマーとして少なくともスチレン、ブチルアクリレート、及びアクリロニトリルを含む共重合体組成物、並びに共重合体組成物のポリエチレン付加物であることが好ましい。
【0037】
前記ワックス分散剤の含有量としては、トナー100質量部に対して、7質量部以下であることが好ましい。前記ワックス分散剤を含有することにより、ワックスの分散効果が得られ、製造方法に左右されることなく安定的に保存性の向上が期待できる。また、ワックスの分散効果によりワックス径が小さくなり、感光体等へのフィルミング現象を抑制できる。前記含有量が7質量部以下であると、ポリエステル樹脂に対する非相溶成分が多くなり、光沢が低下すること、ワックスの分散性が高くなりすぎるために、耐フィルミング性は向上するが、定着時のワックスの表面への染み出しが悪くなり、低温定着性、耐ホットオフセット性が低下することなどの不具合を防止することができる。
【0038】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、通常、トナーに含有されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、外添剤、クリーニング性向上剤などが挙げられる。
【0039】
<<帯電制御剤>>
前記帯電制御剤としては、公知のものを全て使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、第4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記帯電制御剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、ボントロン03、ボントロンP-51、ボントロンS-34、E-82、E-84、E-89(以上、オリエント化学工業社製)、TP-302、TP-415、コピーチャージPSY VP2038、コピーブルーPR、コピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA-901、LR-147(日本カーリット社製)などが挙げられる。
【0041】
前記帯電制御剤の含有量としては、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部~5質量部が好ましく、0.2質量部~2質量部がより好ましい。前記含有量が、5質量部以下であると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く不具合を防止することができる。
【0042】
また、帯電制御剤の中でも三価以上の金属塩を用いることでトナーの熱物性を制御することも可能である。前記金属塩を含むことにより、定着時に結着樹脂の酸性基と架橋反応が進行し、弱い三次元的な架橋を形成することで、低温定着性を維持しつつ、耐高温オフセット性を得ることができる。
【0043】
前記金属塩としては、例えば、サリチル酸誘導体の金属塩、アセチルアセトナート金属塩などが挙げられる。前記金属としては、3価以上の多価イオン金属であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、ニッケルなどが挙げられる。これらの中でも、3価以上のサリチル酸金属化合物が好ましい。
【0044】
前記金属塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トナー100質量部に対して、0.5質量部~2質量部が好ましく、0.5質量部~1質量部がより好ましい。前記含有量が、0.5質量部以上であると、耐ホットオフセット性に劣る不具合を防止することができ、前記含有量が、2質量部以下であると、光沢性が劣る不具合を防止することができる。
【0045】
<<外添剤>>
前記外添剤は、流動性や現像性、帯電性を補助するために含有される。前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。
【0046】
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
前記高分子系微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。
【0048】
前記外添剤は、表面処理剤による表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
【0049】
前記表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
【0050】
前記外添剤の一次粒子径としては、5nm~2μmが好ましく、5nm~500nmがより好ましい。また、前記外添剤のBET法による比表面積としては、20m/g~500m/gが好ましい。
【0051】
前記外添剤の含有量としては、トナーに対して0.01質量%~5質量%が好ましく、0.01質量%~2.0質量%がより好ましい。
【0052】
<<クリーニング性向上剤>>>
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために含有される。前記クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0053】
<トナーセット>
本発明のトナーは、単独で画像を形成してもよいし、他のトナー、例えばカラートナーとセットで用いて画像を形成してもよい。本発明のトナーを用いて画像を形成することで抗菌抗ウィルス機能を印刷物に付与することができる。上述のように、他のトナー、例えばカラートナーにより形成された層上に本発明のトナーの層を形成することが好ましく、これにより抗菌抗ウィルス性を確保しやすくなる。
【0054】
以下、本発明のトナーとセットで用いることができるものの一例として、カラートナーを例に挙げて説明する。カラートナーと区別するために、本発明のトナーを抗菌抗ウィルストナーなどと称することがある。
【0055】
<<カラートナー>>
前記カラートナーは、結着樹脂、着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。前記その他の成分については、前記その他の成分と同様のものを使用することができる。
【0056】
前記カラートナーとしては、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーから選ばれることが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーであることがより好ましい。この他にも、ホワイトトナー等が挙げられる。
【0057】
-結着樹脂-
前記カラートナーに含有される前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲルを含むことが好ましい。前記ゲル分率としては、結着樹脂に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
前記ゲルを含まない場合でも、前記カラートナーに用いられる結着樹脂としては、重量平均分子量100,000以上の高分子量体を含有していることが好ましい。ゲルもしくは、重量平均分子量100,000以上の高分子量体を含有することでホットオフセットが防止できる。
【0058】
なお、カラートナーに含有される結着樹脂は、上記の抗菌抗ウィルストナーと同様のものを用いることができる。
【0059】
-着色剤-
前記着色剤としては、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、ペリレンブラック、ペリノンブラック及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0060】
プロセスカラートナーとして用いる場合、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれについて、以下の着色剤が好ましい。
ブラックでは、カーボンブラックが好ましい。
シアンでは、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
マゼンタでは、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269が好ましい。
イエローでは、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、及びC.I.ピグメントイエロー185が好ましい。
これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カラートナーに含まれる着色剤の含有量は、適宜選択することができる。
【0061】
<トナー粒径>
本発明のトナー(抗菌抗ウィルストナー)の重量平均粒径としては、5μm~9μmが好ましく、6μm~8μmがより好ましい。重量平均粒径が5μm以上であることにより、現像、転写、クリーニングなど作像プロセスが良好となり、9μm以下であることにより、基材(記録媒体などともいう)全面を隠蔽するベタ画像として出力するとき、完全に基材を被覆するのに要する付着量を抑制できる。
【0062】
前記カラートナーの重量平均粒径としては、4μm~7μmが好ましく、5μm~6μmがより好ましい。前記カラートナーの重量平均粒径が前記範囲内であると、600dpi以上の微少ドットを再現し、高画質な画像を得ることができる。これは、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有することができ、ドット再現性に優れるという利点が得られる。
【0063】
また、前記カラートナーの重量平均粒径(D4)が4μm以上であると、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象を防止することができる。前記カラートナーの重量平均粒径(D4)が7μm以下であると、上述のように定着前の画像に重ねられたカラートナーが入り込むことによる画像情報の乱れが生じやすくなること、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなるという不具合を抑えることができる。
【0064】
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)としては、1.00~1.40が好ましく、1.05~1.30がより好ましい。前記比(D4/D1)は、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。
【0065】
このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
【0066】
異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成するフルカラー画像形成方法においては、ブラックトナー1色のみで画像形成するため異なる色のトナー像を重ね合わせる必要のないモノクロ画像形成方法に比べて紙上に付着させるトナー量が多い。すなわち現像、転写、定着されるトナー量が多くなるために、上述の転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下、文字やラインの飛び散り、地肌かぶりなど画質を悪化させる不具合が起こりやすく、重量平均粒径(D4)や重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)の管理が重要となる。
【0067】
トナー粒子の粒度分布の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて行うことができる。前記装置としては、例えば、コールターカウンターTA-IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
【0068】
具体的な測定方法は例えば以下の通りである。
まず、電解水溶液100mL~150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩など)を0.1mL~5mL加える。前記電解水溶液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON-II(コールター社製)が挙げられる。
次に、測定試料を2mg~20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間~3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
【0069】
チャンネルとしては、2.00~2.52μm未満;2.52~3.17μm未満;3.17~4.00μm未満;4.00~5.04μm未満;5.04~6.35μm未満;6.35~8.00μm未満;8.00~10.08μm未満;10.08~12.70μm未満;12.70~16.00μm未満;16.00~20.20μm未満;20.20~25.40μm未満;25.40~32.00μm未満;32.00~40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0070】
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法としては、溶融混練-粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。また、カラートナーと抗菌抗ウィルストナーの製造方法は、同じ製造方法を用いてもよいし、別の製造方法を用いてもよい。例えば、カラートナーは重合法により製造し、抗菌抗ウィルストナーは溶融混練粉砕法により製造するといったようにしてもよい。
【0071】
<<溶融混練-粉砕法>>
前記溶融混練-粉砕法においては、その製造工程では、例えば
(1)少なくとも結着樹脂と銀イオン系抗菌材料もしくは着色剤、離型剤とを溶融混錬する工程
(2)溶融混錬されたトナー組成物を粉砕/分級する工程
(3)無機微粒子を外添する工程
を有する。(2)の粉砕/分級工程で複製する微紛を(1)の原料としてサイド混練することがコストの面で好ましい。
【0072】
混練に使用する混錬機としては、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、又はオープンロール型混練機等を用いることができる。混錬機の種類としては、例えば、KRCニーダー(栗本鉄工所社製)、ブス・コ・ニーダー(Buss社製)、TEM型押し出し機(東芝機械社製)、TEX二軸混練機(日本製鋼所社製)、PCM混練機(池貝鉄工所社製)、三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)、MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製)、バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)などが挙げられる。
【0073】
粉砕機としては、例えば、カウンタジェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製)、クロスジェットミル(栗本鉄工所社製)、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)、SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボエ業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)などが挙げられる。
【0074】
分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製)、ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製)、ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製)、YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
【0075】
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボエ業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩いなどが挙げられる。
【0076】
<<重合法>>
前記重合法としては、従来公知の方法を用いることができる。重合法としては、例えば、以下のような手順が挙げられる。先ず、前記着色剤、結着樹脂、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液(油相)を作製する。トナー材料液には、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を添加し、造粒中に反応させて、ウレア変性ポリエステル樹脂をトナーに含有させることが好ましい。
【0077】
次に、トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
前記水系媒体としては、水系媒体に用いる水系溶媒は、水単独でもよいし、アルコールなどの有機溶媒を含むものであってもよい。
【0078】
トナー材料液100質量部に対する前記水系溶媒の使用量は、通常50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。
【0079】
前記樹脂微粒子としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
分散後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
【0080】
(現像剤)
本発明のトナー(抗菌抗ウィルストナー)は、一成分現像剤として用いてもよいし、二成分現像剤として用いてもよい。カラートナー等も同様である。
【0081】
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナー1質量部~10質量部が好ましい。
【0082】
前記磁性キャリアとしては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、粒子径20μm~200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
【0083】
前記磁性キャリアは、被覆されたものも使用することができる。前記磁性キャリアを被覆するための被覆材料としては、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等のアミノ系樹脂;ポリビニル等のポリビニリデン系樹脂;アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0084】
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μm以下であると、電気抵抗の制御が困難になるという不具合を防止することができる。
【0085】
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段とを有し、前記トナーが本発明のトナーである。必要に応じてその他の手段を有する。
【0086】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程とを有し、前記トナーが本発明のトナーである。必要に応じてその他の工程を有する。
【0087】
前記現像手段及び前記現像工程は、本発明のトナー(抗菌抗ウィルストナー)以外のトナーを用いてもよく、例えば抗菌抗ウィルストナーとカラートナーを用いてもよい。なお、抗菌抗ウィルストナーによって形成される可視像を抗菌抗ウィルストナー像などと称してもよく、カラートナーによって形成される可視像をカラートナー像などと称してもよい。
【0088】
前記画像形成装置及び前記画像形成方法において、前記抗菌抗ウィルストナー像はカラー画像の有無に関わらず、記録媒体全体の最表面に作像されるベタ画像であることが好ましい。抗菌抗ウィルストナー層が形成されていない面は抗菌抗ウィルス性がなく、その形成されていない面に細菌やウィルスが繁殖する可能性がある。
【0089】
銀イオン系抗菌材料の個数平均粒径Xに対して、定着工程後のトナー層の厚みZ[μm]を2.0X≦Z≦2.5X[μm]にすることが好ましい。厚みZが2.0X[μm]以上であると、ベタ画像に微小な未付着部分が生じにくくすることができる。厚みZが2.5X[μm]以下であると、銀イオン系抗菌材料が層表面に露出しやすくなり、抗菌抗ウィルス機能にバラツキが生じることを低減できる。
定着工程後のトナー層の厚みZ[μm]を2.0X≦Z≦2.5X[μm]にするには、例えば、現像条件等を調整し抗菌抗ウィルストナーの付着量を調整することにより可能である。
【0090】
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。前記像担持体の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状などが挙げられる。前記像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)などが挙げられる。
【0091】
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(帯電器)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段(露光器)とを少なくとも備える。
【0092】
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
【0093】
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
【0094】
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
【0095】
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
【0096】
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、静電潜像をトナーを用いて現像して可視像(トナー像)を形成する工程である。
前記現像手段は、静電潜像をトナーを用いて現像して可視像(トナー像)を形成する手段である。
【0097】
上述のように、前記現像手段及び前記現像工程は、例えば抗菌抗ウィルストナーとカラートナーを用いてトナー像を形成してもよい。また、カラートナーは例えば着色剤が異なる複数のカラートナーを用いてもよく、複数のカラートナーのセットをカラートナーセットなどとも称する。前記トナー像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記抗菌抗ウィルストナー及びカラートナーセットを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
【0098】
前記現像手段(以下、「現像付着手段」とも言う)は、例えば、前記抗菌抗ウィルストナー及びカラートナーセットの各トナーをそれぞれ収容し、前記静電潜像に各トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
【0099】
前記現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、各トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するもの等が好適に挙げられる。
【0100】
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像がトナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによるトナー像が形成される。
【0101】
前記トナー像は、例えば、前記抗菌抗ウィルストナーにより形成された抗菌抗ウィルストナー像と前記カラートナーにより形成されたカラートナー像とを含む。
【0102】
前記カラートナーを構成する色としては、例えば、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の4色カラーセット、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の3色カラーセット、ブラック(Bk)単色などが挙げられる。これらの中でも、一般的な電子写真方式の4色画像形成装置に搭載可能なカラートナーセットである点で、4色カラーセットが好ましい。
【0103】
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された転写像を定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
【0104】
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
【0105】
前記定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃~200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
【0106】
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
【0107】
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
【0108】
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
【0109】
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
【0110】
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
【0111】
ここで、図面を用いて本発明の画像形成方法及び画像形成装置について説明する。
図1は、画像形成装置Aの一例の全体を示した図である。画像処理部14(以下、「IPU」という)に送られた画像データは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)、Abv(抗菌抗ウィルス)、の5種の各画像信号を作成する。
【0112】
次に、画像処理部でY、M、C、Bk、Abvの各画像信号は、書き込み部15へ伝達される。上記書き込み部15は、Y、M、C、Bk、Abv用の5つのレーザービームをそれぞれ変調・走査して、帯電部51、52、53、54、55によって感光体ドラム上を帯電した後に順次各感光体ドラム21、22、23、24、25上に、静電潜像を形成する。ここでは、例えば第1の感光体ドラム21がYに、第2の感光体ドラム22がMに、第3の感光体ドラム23がCに、第4の感光体ドラム24がBkに、第5の感光体ドラム25がAbvに対応している。
【0113】
次に、現像付着手段としての現像ユニット31、32、33、34、35によって各色のトナー像が上記感光体ドラム21、22、23、24、25上に形成される。また、給紙部16によって給紙された転写紙は、転写ベルト70上を搬送され、転写チャージャ61、62、63、64、65によって順次に上記感光体ドラム21、22、23、24、25上のトナー像が転写紙上に転写される。
【0114】
この転写工程終了後、上記転写紙は定着ユニット80に搬送されて、この定着ユニット80で、上記転写されたトナー像は転写紙上に定着される。
転写工程終了後、上記感光体ドラム21、22、23、24、25上に残留したトナーは、クリーニング部41、42、43、44、45によって除去される。
【0115】
図2の装置及びこれを用いた画像形成方法においては、図1同様に感光体ドラム21、22、23、24、25上に形成されたトナー像を一旦転写ドラム上に転写し、二次転写手段66によって転写紙上にトナー像は転写され、定着ユニット80で定着される。
【0116】
図3に示すように、抗菌抗ウィルストナーを別の転写ドラムにすることもできる。
【0117】
次に、現像ユニット周辺の構成について説明する。
図4は、5つの現像付着手段としての現像ユニット31、32、33、34、35及び感光体ドラム21、22、23、24、25のうちの1つを示す拡大構成図であり、それぞれ扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、同図では現像ユニット4及び感光体ドラム1と示す。
【0118】
本実施形態の現像ユニット4は、二成分現像剤を収容した現像容器2を備え、感光体ドラム1と対面した現像容器2の開口部に、現像剤担持体としての現像スリーブ11が感光体1と所定の間隔を開けて回転自在に設置されている。
【0119】
現像スリーブ11は、非磁性材料の円筒形からなり、矢印の方向に回転する感光体1に対して、対向部が同方向に移動する向きに回転する。現像スリーブ11の内側には磁界発生手段のマグネットローラが固定配置されている。マグネットローラは、5つの磁極(N1,S1,N2,N3,S2)を有している。現像スリーブ11上方の現像容器2の部分には現像剤規制部材としての規制ブレード10が取付けられ、この規制ブレード10は、マグネットローラの鉛直方向最上点に略位置した磁極(S2)の近傍に向けて、現像スリーブ11と非接触に配置されている。
【0120】
現像容器2内には第1現像剤攪拌搬送手段である供給スクリュー5、第2現像剤攪拌搬送手段である回収スクリュー6、第3現像剤攪拌搬送手段である攪拌スクリュー7をそれぞれ収容する供給搬送路2a、回収搬送路2b、攪拌搬送路2cの3つの現像剤搬送路が設けられている。供給搬送路2aと攪拌搬送路2cとは、斜め上下方向に配置されている。また、回収搬送路2bは、現像スリーブ1)の現像領域下流側で、攪拌搬送路2cと略水平な側方に配置されている。
【0121】
現像容器2内に収容された二成分現像剤は、供給スクリュー5、回収スクリュー6、攪拌スクリュー7の撹拌、搬送により供給搬送路2a、回収搬送路2b、攪拌搬送路2cを循環搬送されながら、供給搬送路2aより現像スリーブ11に供給される。現像スリーブ11に供給された現像剤は、マグネットローラの磁極(N2)により現像スリーブ11上に汲み上げられる。
【0122】
現像スリーブ11の回転にともない、現像スリーブ11上を磁極(S2)から磁極(N1)、磁極(N1)から磁極(S1)と搬送され、現像スリーブ11と感光体)とが対向した現像領域に至る。その搬送の途上で現像剤は、規制ブレード10により磁極(S2)と共同して磁気的に層厚を規制され、現像スリーブ11上に現像剤の薄層が形成される。
【0123】
現像スリーブ11内の現像領域に位置されたマグネットローラの磁極(S1)は現像主極であり、現像領域に搬送された現像剤は、磁極(S1)によって穂立ちして感光体1の表面に接触し、感光体1の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0124】
潜像を現像した現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない現像領域を通過し、搬送極(N3)を経て現像容器2内に戻され、磁極(N2、N3)の反発磁界により現像スリーブ11から離脱し、回収スクリュー6により回収搬送路2b)に回収される。
【0125】
供給搬送路2aと斜め下方の回収搬送路2bとは、第1仕切り部材3Aによって仕切られている。回収搬送路2bと側方に配置される攪拌搬送路2cとは第2仕切り部材3Bによって仕切られているが、回収搬送路2bの回収スクリュー6による搬送方向下流部には、回収された現像剤を攪拌搬送路2cに供給するための現像剤供給用開口部が設けられている。
【0126】
図5は、回収スクリュー6による搬送方向下流部における回収搬送路2bと攪拌搬送路2cとの断面図であり、回収搬送路2bと攪拌搬送路2cとを連通する開口部2dが設けられている。
【0127】
また、供給搬送路2aと斜め下方に配置される攪拌搬送路2cとは第3仕切り部材3Cにより仕切られているが、供給搬送路2aの供給スクリュー5による搬送方向上流部と下流部には、現像剤を供給するための現像剤供給用開口部が設けられている。
【0128】
図6は、供給スクリュー5による搬送方向上流部における現像ユニット4の断面図であり、第3仕切り部材3Cに攪拌搬送路2cと供給搬送路2aとを連通する開口部2eが設けられている。
【0129】
また、図7は、供給スクリュー5による搬送方向下流部における現像ユニット4の断面図であり、第3仕切り部材3Cに攪拌搬送路2cと供給搬送路2aとを連通する開口部2fが設けられている。
【0130】
次に、3つの現像剤搬送路内での現像剤の循環について説明する。
図8は、現像ユニット4内での現像剤の流れの模式図である。図8中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。攪拌搬送路2cから現像剤の供給を受けた供給搬送路2aでは、現像スリーブ11に現像剤を供給しながら、供給スクリュー5の搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像スリーブ11に供給されずに供給搬送路2aの搬送方向下流部まで搬送された余剰現像剤は第3仕切り部材3Cに設けられた第1現像剤供給用開口部としての開口部2fより攪拌搬送路2cに供給される。
【0131】
また、回収スクリュー6により現像スリーブ11から回収搬送路2bに回収され、供給搬送路2aの現像剤と同方向に搬送方向下流部まで搬送された回収現像剤は第2仕切り部材3Bに設けられた第2現像剤供給用開口部としての開口部2dより攪拌搬送路2cに供給される。
【0132】
攪拌搬送路2cでは、攪拌スクリュー7により供給された余剰現像剤と回収現像剤とを攪拌し、回収搬送路2b及び供給搬送路2aの現像剤と逆方向に搬送する。そして、攪拌搬送路2cの搬送方向下流側に搬送された現像剤は、第3仕切り部材3Cに設けられた第3現像剤供給用開口部としての開口部2eより供給搬送路2aの搬送方向上流部に供給される。
【0133】
また、攪拌搬送路2cの下方には、トナー濃度センサが設けられ、センサ出力により不図示のトナー補給制御装置を作動し、トナー収容部からトナー補給を行っている。攪拌搬送路2cでは攪拌スクリュー7によって、必要に応じてトナー補給口3から補給されるトナーを、回収現像剤及び余剰現像剤と攪拌しながら搬送方向下流側へ搬送する。トナーを補給する際には攪拌スクリュー7の上流にて補給すると補給から現像までの攪拌時間を長くとれるので好ましい。
【0134】
このように現像ユニット4では、供給搬送路2aと回収搬送路2bとを備え、現像剤の供給と回収とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が供給搬送路2aに混入することがない。よって、供給搬送路2aの搬送方向下流側ほど現像スリーブ11に供給される現像剤のトナー濃度が低下することを防止することができる。また、回収搬送路2bと攪拌搬送路2cとを備え、現像剤の回収と攪拌とを異なる現像剤搬送路で行うので、現像済みの現像剤が攪拌の途中に落ちることがない。よって、十分に攪拌がなされた現像剤が供給搬送路2aに供給されるため、供給搬送路2aに供給される現像剤が攪拌不足となることを防止することができる。
【0135】
このように、供給搬送路2a内の現像剤のトナー濃度が低下することを防止し、供給搬送路2a内の現像剤が攪拌不足となることを防止することができるので現像時の画像濃度を一定にすることができる。
【0136】
また、図6に示す供給搬送路2aの搬送方向上流部では、斜め下方に配置される攪拌搬送路2cから上方の供給搬送路2aへ現像剤を供給するものである。この現像剤の受け渡しは、攪拌スクリュー7の回転で現像剤を押し込むことにより、現像剤を盛り上がらせて開口部2eより現像剤を溢れさせて供給搬送路2aに現像剤を供給するものである。このような現像剤の移動は、現像剤に対してストレスを与えることになり、現像剤の寿命低下の一因となる。
【0137】
現像ユニット4では、供給搬送路2aを攪拌搬送路2cの斜め上方になるように配置することにより、供給搬送路2aを攪拌搬送路2cの垂直上方に設け、現像剤を持ち上げるものに比べて、上方への現像剤の移動における現像剤のストレスを軽減することができる。
【0138】
また、図7に示す供給スクリュー5による搬送方向下流部では、上方に配置される供給搬送路2aから斜め下方に配置される攪拌搬送路2cへ現像剤を供給するために、供給搬送路2aと攪拌搬送路2cとを連通する開口部2fが設けられている。ここで、攪拌搬送路2cと供給搬送路2aとを仕切る第3仕切り部材3Cは、供給搬送路2aの最下点から上方に延伸しており、開口部2fは最下点よりも上方の位置に設けられている。
【0139】
また、図9は、供給スクリュー5による搬送方向最下流部における現像ユニット4の断面図である。図9に示すように、供給スクリュー5による搬送方向に関して開口部2fよりも下流部には、第3仕切り部材3Cに攪拌搬送路2cと供給搬送路2aとを連通する開口部2gが設けられている。また、開口部2gは開口部2fの最上部よりも上方に設けられている。
【0140】
開口部2f,2gを有する供給搬送路2aでは、供給スクリュー5により供給搬送路2aを軸方向に開口部2fまで搬送されてきた現像剤のうち、嵩が開口部2fの最下部の高さに達するものは、開口部2fを介して下方の攪拌搬送路2cへこぼれ落ちる。一方、開口部2fの最下部の高さに達しない現像剤は、供給スクリュー5によりさらに下流側へ搬送されながら現像スリーブ11に供給される。
【0141】
そこで、供給搬送路2a内の開口部2fよりも下流側では、現像剤の嵩は開口部2fの最下部よりも徐々に低くなっていく。供給搬送路2aの最下流部は行き止まりとなっているため最下流部で現像剤の嵩が高くなることもあるが、ある程度の高さになると供給スクリュー5に逆らって現像剤が押し戻されて開口部2fまで戻り、開口部2fの最下部の高さに達するものは開口部2fを介して下方の攪拌搬送路2cへこぼれ落ちる。
【0142】
これらにより、供給搬送路2aの開口部2fよりも下流側では、現像剤の嵩は増え続けることはなく、開口部2fの最下部近傍である勾配を持った平衡状態となる。開口部2gを、開口部2fの最上部より高い位置、すなわち、この平衡状態よりも高い位置に設けることで、開口部2fが現像剤で塞がれて通気が不十分となる虞は少なく、攪拌搬送路2cと供給搬送路2aとで十分な通気を確保することができる。
【0143】
すなわち、開口部2gは、供給搬送路2aと攪拌搬送路2cとの間の現像剤供給用開口部としての機能ではなく、供給搬送路2aと攪拌搬送路2cとの間で十分な通気を確保するための通気用開口部としての機能を果たすものである。このような通気用の開口部2gを設けることで、下方に配置される攪拌搬送路2cおよび攪拌搬送路2cと連通する回収搬送路2bで内圧が上昇しても、空気を通過させるフィルターを設けた上方の供給搬送路2aと十分な通気を確保することができ、現像ユニット4全体の内圧上昇を抑制することができる。
【0144】
本発明のトナーは、感光体と、静電潜像形成手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて用いることができる。
【0145】
図10に本発明の現像剤(静電潜像現像用現像剤とも称する)を有するプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の一例の概略構成を示す。図10において、プロセスカートリッジは感光体20、静電潜像形成手段32、現像手段40、クリーニング手段61からなる。
【0146】
本発明においては、上述の感光体20、静電潜像形成手段32、現像手段40及びクリーニング手段61等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
【0147】
本発明の現像剤を有するプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の動作を説明すると次の通りである。
感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、静電潜像形成手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受ける。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受ける。こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成される。形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。
【0148】
像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
【0149】
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えばトナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジなどが挙げられる。
前記トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
前記現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
前記プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
【0150】
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、本発明のトナーを用いて画像形成が行われるため、良好な帯電性を有するとともに、抗菌性や抗ウィルス性を有する画像を安定して形成できる。
【0151】
(印刷物)
本発明によれば、本発明のトナーからなる画像を有する印刷物が得られる。本発明の印刷物は、記録媒体(基材)と、記録媒体上に形成された本発明のトナーからなる画像とを有する。本発明のトナー(抗菌抗ウィルストナー)を用いることにより、抗菌性や抗ウィルス性を有する印刷物が得られる。本発明の印刷物としては、記録媒体上に形成されたカラートナーの層と、カラートナーの層上に形成された本発明のトナーの層(抗菌抗ウィルス層)とを有していることが好ましい。
【0152】
本発明の抗菌抗ウィルス層は彩度2未満および明度96以上の白色紙上にトナー付着量0.45mg/cmでベタ画像を形成したとき、前記ベタ画像形成直後の画像彩度が3.5以上6未満であり、色相角が65°以上88°以下であり、かつ明度が91以上である。
前記画像彩度が3.5以上であることにより、地肌の着色は認識できるレベルであるがその後の銀イオン系抗菌材料の変色が発生しても元々着色しているために変化が目立たない。また彩度が8以下であるとカラートナーによってデザインされた画像により白と表現したい部分は白として認識できる傾向がある。
明度が91以上となることも同様にカラートナーによってデザインされた画像により白と表現したい部分は白として認識できる傾向がある。
また予め着色されている抗菌抗ウィルス層の色相角が銀イオン系抗菌材料の変化と同様の色相角とすることにより画像の変色が目立たなくなる。銀系の銀イオン系抗菌材料の変色は色相角が65°以上88°以下となる傾向にあるため、同じ色相角の色に予め着色されることにより、白色からの着色と比較してその変色が目立たなくなる。
【0153】
本発明において、色相角(H)、明度(*L)、彩度(*c)は、X-rite938(X-rite社製)にて、ステータスA、M0、d50の条件で測定できる。
【実施例0154】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」を表す。
【0155】
(トナーの製造)
<トナーA-1~A-16>
トナーの原材料を以下とした。
・ポリエステル樹脂1(RN-306SF、花王株式会社製、重量平均分子量Mw7,700、酸価4mgKOH/g) 65部
・ポリエステル樹脂2(RN-290SF、花王株式会社製、重量平均分子量Mw11,000、酸価4mgKOH/g) 25部
・ワックス分散剤(EXD-001、三洋化成株式会社製) 5部
・モノエステルワックス1(融点mp70.5℃) 5部
・サリチル酸誘導体ジルコニウム塩A 1部
のトナー基準組成、合計101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 3.5部
・Pigment Red(P.R) 57:1(大日精化社製 ECR-103、カーミンレーキ) 0.015部
・Pigment Yellow(P.Y) 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG、ジスアゾ系) 0.085部
を添加したトナー原材料を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、一軸混練機(Buss製、コニーダ混練機)で100~130℃の温度で溶融、混練した。
得られた混練物は室温まで冷却後、ロートプレックスにて200μm~300μmに粗粉砕した。
粗粉砕した粒子を、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、100AFG)を用いて、重量平均粒径が6.5±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(株式会社マツボー製、EJ-LABO)で、重量平均粒径が6.8μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.18以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、[トナー母体粒子A-1]を得た。
【0156】
前記トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.01部
・Pigment Yellow 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG) 0.09部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-2]を得た。
【0157】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 5.0部
・Pigment Red 269(DIC製 TOKUSHIKI RED 1022、ナフトール系) 0.01部
・Pigment Yellow 74(大日精化社製 FAST Yellow 7410、モノアゾ系) 0.03部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-3]を得た。
【0158】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 5.0部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.03部
・Pigment Yellow 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG) 0.17部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-4]を得た。
【0159】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 3.5部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.02部
・Pigment Yellow 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG) 0.18部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-5]を得た。
【0160】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 269(DIC製 TOKUSHIKI RED 1022) 0.02部
・Pigment Yellow 74(大日精化社製 FAST Yellow 7410) 0.06部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-6]を得た。
【0161】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.05部
・Pigment Yellow 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG) 0.28部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-7]を得た。
【0162】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 5.0部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.024部
・Pigment Yellow 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG) 0.25部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-8]を得た。
【0163】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 3.5部
・Pigment Red 269(DIC製 TOKUSHIKI RED 1022) 0.025部
・Pigment Yellow 74(大日精化社製 FAST Yellow 7410) 0.075部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-9]を得た。
【0164】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 3.5部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-10]を得た。
【0165】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 5.0部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-11]を得た。
【0166】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 269(DIC製 TOKUSHIKI RED 1022) 0.04部
・Pigment Yellow 74(大日精化社製 FAST Yellow 7410) 0.06部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-12]を得た。
【0167】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.03部
・Pigment Yellow 180(クラリアントケミカル社製 Toner Yellow HG) 0.15部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-13]を得た。
【0168】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 269(DIC製 TOKUSHIKI RED 1022) 0.01部
・Pigment Yellow 74(大日精化社製 FAST Yellow 7410) 0.04部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-14]を得た。
【0169】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Brown 25(クラリアントケミカル社製 PV FAST BROWN HFR) 0.02部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-15]を得た。
【0170】
同様に、トナー基準組成101部に対し、
・銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) 4.0部
・Pigment Red 57:1(大日精化社製 ECR-103) 0.05部
を添加したトナー原材料を、[トナー母体粒子A-1]同様に加工し[トナー母体粒子A-15]を得た。
【0171】
更に、トナー母体粒子A-1からA-15の銀イオン系抗菌材料A(シナノンゼオミック社製 Zeomic AJ10N) を銀イオン系抗菌材料B(石塚硝子社製 イオンピュアZAF HS)とした他はすべて同様に、トナー母体粒子B-1からB-15を得た。
【0172】
次いで、それぞれ各100部のトナー母体粒子に対し、添加剤としてヒュームドシリカ(ZD-30ST、株式会社トクヤマ製)1.0部、ヒュームドシリカ(UFP-35HH、電気化学株式会社製)0.5部、及び二酸化チタン(MT-150AFM、テイカ株式会社製)0.5部をヘンシェルミキサーで撹拌混合後、400メッシュで篩掛けをし、[トナーA-1]~[トナーA-15]、[トナーB-1]~[トナーB-15]を製造した。トナーの重量平均粒径Yは6.8μmである。
【0173】
<二成分現像剤の作製>
<<キャリアの作製>>
キャリアの原材料を以下とした。
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコ-ン) 100部
・トルエン 100部
・γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
【0174】
上記原材料の混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。前記コート層形成液と、芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子とを用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置により、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。次いで、電気炉中にて180℃、2時間焼成し、[キャリア]を得た。
【0175】
<<二成分現像剤の作製>>
上記製造された[トナーA-1]~[トナーA-15]及び[トナーB-1]~[トナーB-15]と、上記[キャリア]とを用いて二成分現像剤を作製した。二成分現像剤の作製では、トナーとキャリアとをターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、帯電させ、それぞれ二成分現像剤を作製した。トナーとキャリアの混合比率は、評価機の初期現像剤のトナー濃度(5質量%)に合わせて混合した。
【0176】
(実施例1から6及び比較例1から10)
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー、及び特色トナーの5色を有するプロダクションプリンタ(RICOH Pro C7110、株式会社リコー製)を用いた。前記プリンタの5ステーション目の特色トナーユニットにトナーA-1からA-15を順次挿入した。
【0177】
<トナー付着量調整>
用紙は株式会社リコー製PPC用紙TYPE6000(70W)用い、まず、前記カラートナー各色の5cm×5cmのベタパッチを出力した。
出力したベタパッチ部分をはさみで切り出し、切り出し片を作成した。作成した切り出し片を、精密天秤で質量を測定し、ベタパッチ部分(未定着画像)のトナーをエアガンで吹き飛ばし、切り出し片の質量を測定した。エアガンでトナーを吹き飛ばす前後の質量の値から、以下の式を用いてトナー付着量を算出した。
トナー付着量(mg/cm)=((ベタパッチの付いた切り出し片の質量)-(吹き飛ばした後の切り出し片の質量))/25
前記カラートナーそれぞれの付着量を0.45mg/cmとなるように現像条件を調整した。
更に同様にトナーA-1からA-15の0.45mg/cmとなる現像条件を把握した。
【0178】
<評価画像の出力)>
用紙としては、COTED glossy紙(135g/m、mondi社製)を用いた。前述したトナー付着量調整にて付着量を各色0.45mg/cmとして調整した。前記用紙に、図12に示したサンプルカラー画像及びその画像上に図12の点線枠内をベタで埋めるようにトナーA-1からA-15を出力し、評価画像を得た。
なお、前記COTED glossy紙の彩度は1.6、明度は97である。
【0179】
<評価>
(初期着色)
20代から50代の男女より無作為に抽出された20名のモニターにより、図12のサンプル画像点線枠内外の色の違いの認識と画像内のカップ、皿、ビールの泡など白色を表現している部位を白色と認識できるか官能評価を実施した。
・枠内外:点線内が明らかに着色されていると認識できるかできないかを評価した。着色されていると認識されても後述する白色部分の評価において合格であれば使用上の問題はない為参考評価となる。
・白色部分:画像内では白と認識可能かを評価した。白と認識可能を合格、認識不可能を不合格として、合格が18名以上で〇、17名以下で×とした。
また、画像出力直後に、前記測定方法により色相角(H)、明度(*L)、彩度(*c)を測定した。
【0180】
(変色評価)
前記評価画像を5000Lxの光照射で1か月保管した後、初期着色と同様の評価を実施した。
更に初期画像を再度作成し、保管後の画像サンプルとの変色度合いを比較した。
・初期と保管後の比較:変色が気にならないを合格、気になるを不合格として、合格が18名以上で〇、17名以下で×とした。
【0181】
初期画像の画像内のカップ、皿、ビールの泡など白色を表現している部位を白色と認識評価、保管後画像の白色を表現している部位を白色と認識評価、初期画像と保管後画像の比較が全て〇を総合評価として合格とした。
【0182】
実施例1から6及び比較例1から10のトナー詳細及び評価結果を表1に示す。
【0183】
【表1】
【0184】
(実施例7から12及び比較例11から20)
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー、及び特色トナーの5色を有するプロダクションプリンタ(RICOH Pro C7110、株式会社リコー製)を用いた。前記プリンタの5ステーション目の特色トナーユニットにトナーB-1からB-15を順次挿入した。
【0185】
<トナー付着量調整>
用紙は株式会社リコー製PPC用紙TYPE6000(70W)用い、まず、前記カラートナー各色の5cm×5cmのベタパッチを出力した。
出力したベタパッチ部分をはさみで切り出し、切り出し片を作成した。作成した切り出し片を、精密天秤で質量を測定し、ベタパッチ部分(未定着画像)のトナーをエアガンで吹き飛ばし、切り出し片の質量を測定した。エアガンでトナーを吹き飛ばす前後の質量の値から、以下の式を用いてトナー付着量を算出した。
トナー付着量(mg/cm)=((ベタパッチの付いた切り出し片の質量)-(吹き飛ばした後の切り出し片の質量))/25
前記カラートナーそれぞれの付着量を0.45mg/cmとなるように現像条件を調整した。
更に同様にトナーB-1からB-15の0.45mg/cmとなる現像条件を把握した。
【0186】
<評価画像の出力)>
用紙としては、COTED glossy紙(135g/m、mondi社製)を用いた。前述したトナー付着量調整にて付着量を各色0.45mg/cmとして調整した。前記用紙に、図12に示したサンプルカラー画像及びその画像上に図12の点線枠内をベタで埋めるようにトナーB-1からB-15を出力し、評価画像を得た。
なお、前記COTED glossy紙の彩度は1.6、明度は97である。
【0187】
<評価>
(初期着色)
20代から50代の男女より無作為に抽出された20名のモニターにより、図12のサンプル画像点線枠内外の色の違いの認識と画像内のカップ、皿、ビールの泡など白色を表現している部位を白色と認識できるか官能評価を実施した。
・枠内外:点線内が明らかに着色されていると認識できるかできないかを評価した。着色されていると認識されても後述する白色部分の評価において合格であれば使用上の問題はない為参考評価となる。
・白色部分:画像内では白と認識可能かを評価した。白と認識可能を合格、認識不可能を不合格として、合格が18名以上で〇、17名以下で×とした。
また、画像出力直後に、前記測定方法により色相角(H)、明度(*L)、彩度(*c)を測定した。
【0188】
(変色評価)
前記評価画像を40℃70%RHにて2週間保管した後、初期着色と同様の評価を実施した。
更に初期画像を再度作成し、保管後の画像サンプルとの変色度合いを比較した。
・初期と保管後の比較:変色が気にならないを合格、気になるを不合格として、合格が18名以上で〇、17名以下で×とした。
【0189】
初期画像の画像内のカップ、皿、ビールの泡など白色を表現している部位を白色と認識評価、保管後画像の白色を表現している部位を白色と認識評価、初期画像と保管後画像の比較が全て〇を総合評価として合格とした。
【0190】
実施例7から12及び比較例11から20のトナー詳細及び評価結果を表2に示す。
【0191】
【表2】
【0192】
以上の結果により、本実施例によれば、抗菌性や抗ウィルス性を有する画像を安定して形成でき、且つ経時変色を目立たなくするトナーを提供でき、変色が目立たない印刷物を得ることができる。
【符号の説明】
【0193】
14 画像処理部(IPU)
15 書き込み部
16 給紙部
21 ブラック(Bk)トナー、現像剤用感光体ドラム
22 イエロー(Y)トナー、現像剤用感光体ドラム
23 マゼンタ(M)トナー、現像剤用感光体ドラム
24 シアン(C)トナー、現像剤用感光体ドラム
25 抗菌抗ウィルストナー、現像剤用感光体ドラム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0194】
【特許文献1】特開平8-314179号公報
【特許文献2】特開2003-241414号公報
【特許文献3】特開2003-241423号公報
【特許文献4】特開2004-093784号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12