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特開2023-110822重合体、共重合体、インク、インク収容容器、画像形成方法、画像形成装置、及び太陽電池バックシート
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  • 特開-重合体、共重合体、インク、インク収容容器、画像形成方法、画像形成装置、及び太陽電池バックシート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023110822
(43)【公開日】2023-08-09
(54)【発明の名称】重合体、共重合体、インク、インク収容容器、画像形成方法、画像形成装置、及び太陽電池バックシート
(51)【国際特許分類】
   C08F 12/26 20060101AFI20230802BHJP
   C08F 20/00 20060101ALI20230802BHJP
   C09D 11/30 20140101ALI20230802BHJP
   C09D 11/322 20140101ALI20230802BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
C08F12/26
C08F20/00
C09D11/30
C09D11/322
B41M5/00 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117030
(22)【出願日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】P 2022011896
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】原田 成之
(72)【発明者】
【氏名】小橋 紀之
【テーマコード(参考)】
2H186
4J039
4J100
【Fターム(参考)】
2H186FB15
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB25
2H186FB29
2H186FB30
2H186FB48
2H186FB56
4J039AD01
4J039AD03
4J039AD09
4J039BA12
4J039BA35
4J039BE01
4J039CA03
4J039EA34
4J039EA44
4J039FA02
4J039GA24
4J100AB07P
4J100AJ02Q
4J100AL08P
4J100AL08Q
4J100AM21P
4J100BA02P
4J100BA03Q
4J100BA04Q
4J100BA28P
4J100BA37P
4J100BA38P
4J100BA65P
4J100BC43P
4J100BC49P
4J100CA01
4J100CA04
4J100DA01
4J100DA04
4J100FA03
4J100FA04
4J100FA19
4J100FA28
4J100FA30
4J100GC07
4J100GC17
4J100GC26
4J100JA07
4J100JA43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保存安定性に優れた色材分散体、保存安定性及び再分散性に優れたインク、並びに耐候性に優れた太陽電池バックシートを作製可能な重合体又は共重合体の提供。
【解決手段】一般式(1)で表される構造単位を有する重合体である。

(Rは、水素又はメチル基、Lは、-COO-、-CONH-、又は結合手、Xは、炭素数が2~10の炭化水素基、又は酸素を含有した炭素数が2~10の炭化水素基、Lは、-O-又は-NH-、Yは、炭素数が2~12の炭化水素基、Lは、-NH-C-R、-O-Ph-CHCH(R、又は-O-Np-CHCH(R、Phはフェニレン基、Npはナフチレン基、Rはホスホン酸基である。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体。
(一般式(1)中、Rは、水素又はメチル基、Lは、-COO-、-CONH-、又は結合手、Xは、炭素数が2~10の炭化水素基、又は酸素を含有した炭素数が2~10の炭化水素基、Lは、-O-又は-NH-、Yは、炭素数が2~12の炭化水素基、Lは、-NH-C-R、-O-Ph-CHCH(R、又は-O-Np-CHCH(R、Phはフェニレン基、Npはナフチレン基、Rはホスホン酸基である。)
【請求項2】
請求項1に記載の一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体。
(一般式(2)中、Rは、水素、又はメチル基、Xはプロトン、又は陽イオンである。)
【請求項3】
水、色材、及び樹脂を含むインクであって、
前記樹脂が請求項1に記載の重合体、及び請求項2に記載の共重合体の少なくともいずれかを含むことを特徴とするインク。
【請求項4】
請求項1に記載の重合体、又は請求項2に記載の共重合体の重量平均分子量が、5,000~50,000である、請求項3に記載のインク。
【請求項5】
前記色材が、酸化チタンである、請求項3から4のいずれかに記載のインク。
【請求項6】
請求項3から4のいずれかに記載のインクを収容することを特徴とするインク収容容器。
【請求項7】
請求項3から4のいずれかに記載のインクを、記録媒体上に吐出し、画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
請求項6に記載のインク収容容器と、前記インク収容容器に収容されているインクを、記録媒体上に吐出する吐出手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
酸化チタン及び樹脂からなる保護層を有する太陽電池バックシートであって、
前記樹脂が請求項1に記載の重合体、及び請求項2の共重合体の少なくともいずれかを含むことを特徴とする太陽電池バックシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体、共重合体、インク、インク収容容器、画像形成方法、画像形成装置、及び太陽電池バックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
紙媒体への印刷機としてインクジェットプリンタが、広く利用されている。紙媒体以外の媒体(例えば、透明な又は着色されたプラスチックフィルムや、着色された布地等の媒体)に印刷する場合、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクに加えて、隠ぺい性の高い白色インクが必要とされる。
【0003】
隠ぺい性の高い白色インクの顔料として、例えば、屈折率の高いルチル型酸化チタンなどが使用されている。また、前記酸化チタンの分散剤として、少なくとも炭素数6以上の脂肪族環状アルキル基を含有してなるメタクリレートとメタクリル酸とを構成成分としてなるA-Bブロック型のカルボキシル基含有A-Bブロックコポリマーが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、保存安定性に優れた色材分散体、保存安定性及び再分散性に優れたインク、並びに耐候性に優れた太陽電池バックシートを作製可能な重合体又は共重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段としての本発明の重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする。
【0006】
【化1】
(一般式(1)中、Rは、水素又はメチル基、Lは、-COO-、-CONH-、又は結合手、Xは、炭素数が2~10の炭化水素基、又は酸素を含有した炭素数が2~10の炭化水素基、Lは、-O-又は-NH-、Yは、炭素数が2~12の炭化水素基、Lは、-NH-C-R、-O-Ph-CHCH(R、又は-O-Np-CHCH(R、Phはフェニレン基、Npはナフチレン基、Rはホスホン酸基である。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、保存安定性に優れた色材分散体、保存安定性及び再分散性に優れたインク、並びに耐候性に優れた太陽電池バックシートを作製可能な重合体又は共重合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2】インクカートリッジの一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(重合体)
本発明の重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする。
【0010】
【化2】
(一般式(1)中、Rは、水素又はメチル基、Lは、-COO-、-CONH-、又は結合手、Xは、炭素数が2~10の炭化水素基、又は酸素を含有した炭素数が2~10の炭化水素基、Lは、-O-又は-NH-、Yは、炭素数が2~12の炭化水素基、Lは、-NH-C-R、-O-Ph-CHCH(R、又は-O-Np-CHCH(R、Phはフェニレン基、Npはナフチレン基、Rはホスホン酸基である。)
【0011】
従来の隠ぺい性の高い白色インクに用いられているルチル型酸化チタンは、4.17g/mLの比重を有するため、経時と共にインク又は色材分散体中で酸化チタンは沈降し、やがては分離が発生することが知られている。インク又は色材分散体を使用する際に、撹拌や振盪することにより、元の分散状態に戻れば使用上の問題はないが、インク又は色材分散体の下層に堆積した酸化チタンが凝集し、分散状態が元に戻らないという問題が生じていた。また、インク又は色材分散体の分散状態が戻らないことに起因して、インク又は色材分散体の粘度の上昇、白色隠ぺい率の低下、及び吐出不良などが発生するという問題もあった。
【0012】
前記特許文献1に記載されている従来の分散剤は、インクの保存安定性や、色材の再分散性が十分ではなく、更なる改善が求められていた。
【0013】
本発明者らが鋭意検討したところ、上記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を用いることで、保存安定性に優れた色材分散体、並びに保存安定性及び再分散性に優れたインクが得られることを知見した。
さらに、上記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を用いることで、酸化チタン等の色材が凝集することなく均一に分散した膜を得ることができ、得られた膜を保護層として太陽電池バックシートに適用することで、耐候性に優れた太陽電池バックシートをも得ることができることを知見した。
【0014】
したがって、本発明においては、上記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を用いることで、保存安定性に優れた色材分散体、保存安定性及び再分散性に優れたインク、並びに耐候性に優れた太陽電池バックシートを作製可能な重合体又は共重合体を得ることができる。
【0015】
<一般式(1)で表される構造単位を有する重合体>
本発明の重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有し、必要に応じて、その他の重合性モノマーを有していてもよい。
【0016】
【化3】
(一般式(1)中、Rは、水素又はメチル基、Lは、-COO-、-CONH-、又は結合手、Xは、炭素数が2~10の炭化水素基、又は酸素を含有した炭素数が2~10の炭化水素基、Lは、-O-又は-NH-、Yは、炭素数が2~12の炭化水素基、Lは、-NH-C-R、-O-Ph-CHCH(R、又は-O-Np-CHCH(R、Phはフェニレン基、Npはナフチレン基、Rはホスホン酸基である。
なお、本明細書において、「一般式(1)で表される構造単位」は、「第1モノマー」と称することがある。
なお、本明細書において、「一般式(1)で表される構造単位を有する重合体」は、「重合体」と称することがある。なお、本明細書において、本発明の重合体がその他の重合性モノマーを含む場合であっても、便宜上、「重合体」と記載する。
【0017】
前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体において、末端に存在するホスホン酸によって、酸化チタン、アルミナで表面処理された酸化チタン、及び硫酸バリウムなどの粒子表面との吸着力が向上する。また、前記一般式(1)における連結基X、及び連結基Yに結合した「-NH-CO-NH-基」又は「-NH-COO-基」は、前記重合体に水溶性を付与する。そのため、後述する色材が水に分散した色材分散体を調製する際に本発明の重合体を用いることで、分散性が高く、長期間安定した色材分散体を調製することができる。
【0018】
本発明の重合体における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、分散体及びインクの保存安定性の観点から、ポリスチレン換算で、それぞれ2,000~20,000及び5,000~50,000が好ましく、5,000~15,000及び15,000~40,000がより好ましい。
【0019】
本発明の重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、以下(1)~(5)に示すような方法などが挙げられる。
【0020】
(1)2-アミノエチルホスホン酸ジエチルエステル(A1)をジアミン又はアミノアルコール(A2)と反応させて、ホスホン酸ジエステル誘導体(A3)を得る。
【0021】
【化4】
【0022】
(2)重合性基を有するイソシアネート化合物(A4)と反応させてホスホン酸ジエステル誘導体(A5)を得る。
【0023】
【化5】
【0024】
(3)ホスホン酸ジエステル誘導体(A5)を臭化トリメチルシリルと反応させて、トリメチルシリルエステル(A6)化した後、加水分解して、重合性ホスホン酸モノマー(A7)を得る。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
(4)最後に、ラジカル重合開始剤の存在下でモノマー(A7)を重合させることにより得られる。
【0028】
【化8】
【0029】
(共重合体)
<一般式(2)で表される構造単位>
本発明の共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有し、必要に応じて、その他の重合性モノマーを有していてもよい。
【0030】
【化9】
(一般式(2)中、Rは、水素、又はメチル基、Xはプロトン、又は陽イオンである。)
なお、本明細書において、「一般式(2)で表される構造単位」は、「第2モノマー」と称することがある。
なお、本明細書において、「一般式(1)で表される構造単位と、一般式(2)で表される構造単位と、を有する共重合体」は、「共重合体」と称することがある。
【0031】
前記一般式(2)におけるプロトン又は陽イオンは、共重合体分子間の静電気反発力を誘発するため、後述する色材が水に分散した色材分散体を調製する際に本発明の共重合体を用いることで、色材分散体の分散性、再分散性、及び保存安定性を向上させることができる。
【0032】
前記プロトン又は陽イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムイオン、トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムイオン、プロピルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオン、オクチルトリメチルアンモニウムイオン、ノニルトリメチルアンモニウムイオン、デシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、テトラデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオン、ジドデシルジメチルアンモニウムイオン、ジテトラデシルジメチルアンモニウムイオン、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、モノエチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、メチルエタノールアンモニウムイオン、メチルジエタノールアンモニウムイオン、ジメチルエタノールアンモニウムイオン、モノプロパノールアンモニウムイオン、ジプロパノールアンモニウムイオン、トリプロパノールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン、N-メチルモルホリニウムイオン、N-メチル-2-ピロリドニウムイオン、2-ピロリドニウムイオンなどが挙げられる。
【0033】
本発明の共重合体における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、分散体及びインクの保存安定性の観点から、ポリスチレン換算で、それぞれ2,000~20,000及び5,000~50,000が好ましく、5,000~15,000及び15,000~40,000がより好ましい。
【0034】
本発明の共重合体の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
【0035】
本発明の共重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記(重合体)の合成方法で記載した重合性ホスホン酸モノマー(A7)と、(メタ)アクリル酸とを共重合させることにより得ることができる。
【0036】
<その他の重合性モノマー>
本発明の重合体又は共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位、及び前記一般式(2)で表される構造単位の他に、その他の重合性モノマーを有することができる。
前記その他の重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、重合性界面活性剤などが挙げられる。
なお、本明細書において「その他の重合性モノマー」は、「第3モノマー」と称することがある。
【0037】
<<重合性の疎水性モノマー>>
前記重合性の疎水性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、4-クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1-ヘプテン、3,3-ジメチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ヘキセン、4-メチル-1-ヘキセン、5-メチル-1-ヘキセン、1-オクテン、3,3-ジメチル-1-ヘキセン、3,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、1-ノネン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
<<重合性の親水性モノマー>>
前記重合性の親水性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸、4-スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、又はリン酸、ホスホン酸、アレンドロン酸、又はエチドロン酸を含有した不飽和エチレンモノマー等のアニオン性不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド等の非イオン性不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。
【0039】
前記重合性の疎水性モノマー及び前記重合性の親水性モノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体、又は前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体を形成するモノマーの合計量に対して、5~100質量%で使用することができる。
【0040】
<<重合性界面活性剤>>
前記重合性界面活性剤は、ラジカル重合が可能な不飽和二重結合性基を、分子内に少なくとも1つ以上有する界面活性剤であり、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0041】
-アニオン性界面活性剤-
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫酸アンモニウム塩基(-SO-NH )などの硫酸塩基とアリル基(-CH-CH=CH)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(-SO-NH )などの硫酸塩基とメタクリル基(-CO-C(CH)=CH)とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(-SO-NH )などの硫酸塩基と1-プロペニル基(-CH=CHCH)とを有する芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤の具体例としては、エレミノールJS-20、及びRS-300(いずれも、三洋化成社製)、アクアロンKH-10、アクアロンKH-1025、アクアロンKH-05、アクアロンHS-10、アクアロンHS-1025、アクアロンBC-0515、アクアロンBC-10、アクアロンBC-1025、アクアロンBC-20、及びアクアロンBC-2020(いずれも、第一工業製薬社製)などが挙げられる。
【0042】
-非イオン性界面活性剤-
前記非イオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1-プロペニル基(-CH=CHCH)とポリオキシエチレン基(-(CO)n-H)とを有する炭化水素化合物又は芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、アクアロンRN-20、アクアロンRN-2025、アクアロンRN-30、及びアクアロンRN-50(いずれも、第一工業製薬社製)、ラテムルPD-104、ラテムルPD-420、ラテムルPD-430、及びラテムルPD-450(いずれも、花王社製)などが挙げられる。
【0043】
前記重合性界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体、又は前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体を形成するモノマーの合計量に対して、0.1~10質量%で使用することができる。
【0044】
本発明の重合体及び共重合体の形成過程において、ラジカル重合開始剤を使用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’-イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレートなどが挙げられる。これらの中でも、分子量の制御がしやすく分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物がより好ましい。
前記ラジカル重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性のモノマーの合計量に対して、1~10質量%が好ましい。
なお、前記重合性のモノマーとは、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体を形成するモノマー、前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体を形成するモノマー、前記その他の重合性モノマーの全てを示す。
【0045】
本発明の重合体及び共重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加してもよい。
前記連鎖移動剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2-プロパンチオール、2-メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1-ドデカンチオール、チオグリセロールなどが挙げられる。
【0046】
本発明の重合体及び共重合体を形成する際の重合温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃~150℃が好ましく、60℃~100℃がより好ましい。
本発明の重合体及び共重合体を形成する際の重合時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3~48時間が好ましい。
【0047】
(インク)
本発明のインクは、水、色材、及び樹脂を含み、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
【0048】
<水>
本発明のインクに含まれる水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のインクに含まれる水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の観点から、インク全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0049】
<色材>
本発明のインクに含まれる色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料、染料などを使用することができる。また、混晶を使用してもよい。
【0050】
<<顔料>>
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
【0051】
また、前記顔料としては、無機顔料及び有機顔料を使用することができる。
前記無機顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子や無機中空粒子を使用することもできる。
【0052】
前記顔料の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
黒色用顔料として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
カラー用顔料として、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー37、C.I.ピグメントイエロー42(黄色酸化鉄)、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド101(べんがら)、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108(カドミウムレッド)、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ)、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド219、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット16、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー)、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4(フタロシアニンブルー)、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン17、C.I.ピグメントグリーン18、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
【0053】
<<染料>>
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】
前記染料の具体例としては、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドイエロー44、C.I.アシッドイエロー79、C.I.アシッドイエロー142、C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド80、C.I.アシッドレッド82、C.I.アシッドレッド249、C.I.アシッドレッド254、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー45、C.I.アシッドブルー249、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック2、C.I.アシッドブラック24、C.I.アシッドブラック94、C.I.フードブラック1、C.I.フードブラック2、C.I.ダイレクトイエロー1、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトイエロー24、C.I.ダイレクトイエロー33、C.I.ダイレクトイエロー50、C.I.ダイレクトイエロー55、C.I.ダイレクトイエロー58、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.ダイレクトイエロー142、C.I.ダイレクトイエロー144、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.ダイレクトレッド9、C.I.ダイレクトレッド80、C.I.ダイレクトレッド81、C.I.ダイレクトレッド225、C.I.ダイレクトレッド227、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.ダイレクトブルー15、C.I.ダイレクトブルー71、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87、C.I.ダイレクトブルー98、C.I.ダイレクトブルー165、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.ダイレクトブルー202、C.I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレクトブラック38、C.I.ダイレクトブラック51、C.I.ダイレクトブラック71、C.I.ダイレクトブラック154、C.I.ダイレクトブラック168、C.I.ダイレクトブラック171、C.I.ダイレクトブラック195、C.I.リアクティブレッド14、C.I.リアクティブレッド32、C.I.リアクティブレッド55、C.I.リアクティブレッド79、C.I.リアクティブレッド249、C.I.リアクティブブラック3、C.I.リアクティブブラック4、C.I.リアクティブブラック35などが挙げられる。
【0055】
本発明の色材としては、本発明の重合体又は共重合体に対する吸着能が優れている点、並びに耐水性及び耐候性が優れている点から、顔料が好ましい。特に、前記色材として白色顔料を使用する場合、隠ぺい性の観点から、酸化チタン、硫酸バリウムが好ましく、酸化チタンがより好ましい。
【0056】
本発明のインクに含まれる色材の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像濃度が向上するという観点、及び良好な定着性や吐出安定性が得られるという観点から、インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、10質量%以上15質量%以下がより好ましい。
【0057】
<樹脂>
本発明のインクに含まれる樹脂は、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体、又は前記一般式(1)で表される構造単位と、上記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体を含み、必要に応じて、その他の樹脂(A)を含んでいてもよい。
前記その他の樹脂(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
前記その他の樹脂(A)からなる樹脂粒子を、その他の樹脂(A)として用いてもよい。
前記樹脂粒子は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性が得られる点、及び高い画像硬度が得られる点から、10nm以上1000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0059】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒、添加剤などが挙げられる。
【0060】
<<有機溶媒>>
本発明のインクには、有機溶剤が含有されていてもよい。本発明の重合体及び共重合体が、インク中で水溶性を示すことから、親水性の有機溶媒と併用してもよい。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
【0061】
前記有機溶媒は、湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性が得られることから、沸点が250℃以下の有機溶媒を用いることが好ましい。
【0062】
また、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる観点から、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物を有機溶媒として好適に使用することができる。
前記炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
前記グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
【0063】
前記有機溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の観点から、インク全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0064】
<<添加剤>>
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、その他の成分として用いられる界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
【0065】
-その他の成分として用いられる界面活性剤-
前記その他の成分として用いられる界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられる。
なお、本明細書において、「その他の成分として用いられる界面活性剤」と記載する場合は、本発明のインク中にその他の成分として含まれる界面活性剤のことを示し、上述の<その他の重合性モノマー>には該当しない。
【0066】
--シリコーン系界面活性剤--
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pH(pH11~14)でも分解しないものが好ましい。
高pH(pH11~14)でも分解しないシリコーン系界面活性剤の具体例としては、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、親水性が向上し、水に対する溶解性が高くなる観点から、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤がより好ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0067】
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)で表わされるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
【0068】
【化10】
一般式(S-1)
(但し、一般式(S-1)中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
【0069】
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、EMALEX-SS-5602、EMALEX-SS-1906EX(いずれも、日本エマルジョン株式会社製)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(いずれも、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK-33、BYK-387(いずれも、ビッグケミー株式会社製)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(いずれも、東芝シリコン株式会社製)などが挙げられる。
【0070】
前記シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手することができる。
【0071】
--フッ素系界面活性剤--
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
また、前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、起泡性が小さい観点から、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
【0072】
さらに、下記一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表されるフッ素系界面活性剤がより好ましい。
【0073】
【化11】
一般式(F-1)
前記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するために、mは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
【0074】
2n+1-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
一般式(F-2)
前記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1で、mは1~6の整数、又はCHCH(OH)CH-C2m+1で、mは4~6の整数、又はC2p+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
【0075】
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
【0076】
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS-111、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-121、サーフロンS-131、サーフロンS-132、サーフロンS-141、サーフロンS-145(いずれも、AGC株式会社製)、フルラードFC-93、フルラードFC-95、フルラードFC-98、フルラードFC-129、フルラードFC-135、フルラードFC-170C、フルラードFC-430、フルラードFC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製)、メガファックF-470、メガファックF-1405、メガファックF-474(いずれも、DIC株式会社製)、ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、キャプストーンFS-31、キャプストーンFS-3100、キャプストーンFS-34、キャプストーンFS-35(いずれも、Chemours社製)、FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A、ポリフォックスPF-156A、ポリフォックスPF-151N、ポリフォックスPF-154、ポリフォックスPF-159(いずれも、オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、FS-3100、FS-34、FS-300(いずれも、Chemours社製)、FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-151N(いずれも、オムノバ社製)、及びユニダインDSN-403N(いずれも、ダイキン工業株式会社製)が好ましい。
【0077】
--両性界面活性剤--
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0078】
--ノニオン性界面活性剤--
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0079】
--アニオン性界面活性剤--
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0080】
その他の成分として用いられる界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性及び吐出安定性に優れ、画像品質が向上する観点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0081】
-消泡剤-
前記その他の成分として用いられる界面活性剤は、消泡剤として使用することができる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0082】
-防腐防黴剤-
前記防腐防黴剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
【0083】
-pH調整剤-
前記pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
【0084】
<含有物質の検出方法>
インク中に含有されている有機溶剤、樹脂、色材、及びその他の成分等の定性方法、定量方法としては、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)などが挙げられる。ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)による測定装置としては、例えば、GCMS-QP2020NX(株式会社島津製作所製)などが挙げられる。また、インクに含有されている水は、一般的な方法として、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)による揮発成分の定量や、熱重量・示差熱同時測定法(TG-DTA)による質量変動等により測定することができる。
【0085】
<インクの物性>
本発明のインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
本発明のインクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、前記粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。前記粘度の測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
本発明のインクの表面張力としては、後述する記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
本発明のインクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
【0086】
(インク収容容器)
本発明のインクは、容器に収容して使用することができる。なお、本明細書において、本発明のインクを収容した容器を「インク収容容器」と称することがある。
前記インク収容容器としては、特に制限はなく、例えば、公知のインクジェットプリンタ用インクカートリッジなどが挙げられる。
前記インク収容容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れるため、インクカートリッジや画像形成装置等に着脱可能に取り付け、インクの補給に使用することができる。
前記インク収容容器としては、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、容器本体とキャップを有するものなどが挙げられる。
【0087】
前記インク収容容器の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状であることが好ましい。さらに、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるインクが排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが好ましい。
前記インク収容容器の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、寸法精度がよいという観点から、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂成分ABS樹脂、ポリアセタール樹脂などの樹脂が好ましい。
前記インク収容容器の構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0088】
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、本発明のインクを収容するインク収容容器と、前記インク収容容器に収容されているインクを、記録媒体上に吐出する吐出手段とを備え、必要に応じて、その他の手段を有していてもよい。
本発明の画像形成方法は、本発明のインクを記録媒体上に吐出し、画像を形成する工程を有し、必要に応じて、その他の工程を有していてもよい。
【0089】
<吐出手段及び吐出工程>
前記吐出手段は、前記インク収容容器に収容されているインクを、記録媒体上に吐出する工程である。
吐出工程は、前記インク収容容器に収容されているインクを、記録媒体上に吐出する工程である。
前記吐出工程は前記吐出手段により好適に実施することができる。
前記吐出手段としては、特に制限はなく、公知のインク吐出手段を用いることができ、例えば、インクジェット方式などが挙げられる。
【0090】
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前処理手段、後処理手段、加熱手段、乾燥手段、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前処理工程、後処理工程、加熱工程、乾燥工程、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる工程などが挙げられる。
前記その他の工程は前記その他の手段により好適に実施することができる。
【0091】
-前処理手段及び前処理工程-
前記前処理手段は、前記インクを付与する前に記録媒体に前処理液を付与する手段である。
前記前処理工程は、前記インクを付与する前に記録媒体に前処理液を付与する工程である。
前記前処理工程は前記前処理手段により好適に実施することができる。
前記前処理手段を備える前処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ホワイト(W)などのインクの場合と同様に、前記前処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前記前処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前記前処理手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常のインクと同様にインク収容手段に前記前処理液を収容し、インクジェット方式で記録媒体へ付与する手段や、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0092】
前記前処理液は、凝集剤、有機溶剤、及び水を含有し、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤などを含有してもよい。
前記有機溶剤、前記界面活性剤、前記消泡剤、前記pH調整剤、前記防腐防黴剤、及び前記防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用することができる。
前記凝集剤の種類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩などが挙げられる。
【0093】
-後処理手段及び後処理工程-
前記後処理手段は、前記インクを付与した後に記録媒体に後処理液を付与する手段である。
前記前処理工程は、前記インクを付与した後に記録媒体に後処理液を付与する工程である。
前記後処理工程は前記後処理手段により好適に実施することができる。
前記後処理手段を備える後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ホワイト(W)などのインクの場合と同様に、前記後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前記後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前記後処理手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常のインクと同様にインク収容手段に前記後処理液を収容し、インクジェット方式で記録媒体へ付与する手段や、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0094】
前記後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。前記後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等から必要に応じて選択し、混合して得られる。また、前記後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布してもよいし、画像が形成された領域のみに塗布してもよい。
【0095】
-加熱手段及び加熱工程、並びに乾燥手段及び乾燥工程-
前記加熱手段は、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱する手段が含まれる。
前記加熱工程は、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱する工程が含まれる。
前記加熱工程は前記加熱手段により好適に実施することができる。
前記乾燥手段は、例えば、記録媒体の印字面や裏面を乾燥する手段が含まれる。
前記乾燥工程は、例えば、記録媒体の印字面や裏面を乾燥する工程が含まれる。
前記乾燥工程は前記乾燥手段により好適に実施することができる。
前記加熱手段及び前記乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターなどを用いることができる。加熱及び乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
【0096】
前記画像形成装置及び画像形成方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
前記画像形成装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
前記画像形成装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタなども含まれる。
【0097】
<記録媒体>
本明細書中における「記録媒体」とは、本発明のインクを用いて記録される対象物のことを示す。また、前記記録媒体とは、本発明のインクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙、非浸透性基材などを用いてもよい。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれる。より定量的には、ブリストー(Bristow)法において、接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムなどが挙げられる。
【0098】
前記記録媒体としては、一般的に記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革などを適宜使用することができる。また、前記記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
【0099】
<記録物>
前記記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有するものを、記録物とすることができる。
前記記録物は、前記画像形成装置及び画像形成方法により、記録して得ることができる。
【0100】
ここで、本発明の画像形成装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
なお、各色インクはブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に限定されず、ホワイト(W)やメタリックインク等のその他の色でもよい。各色メインタンク410や各インク収容部411も同様である。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
また、各色用のメインタンク410や各インク収容部411に、インクの代わりに前処理液または後処理液を充填し、吐出ヘッド434から記録媒体へ吐出してもよい。
【0101】
<用途>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
また、本発明のインクの用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
前記立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。
前記立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。
前記成形加工品としては、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
【0102】
(太陽電池バックシート)
前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体、又は前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体は、太陽電池バックシートの保護層に含まれる樹脂として用いることもできる。
換言すると、本発明の太陽電池バックシートは、酸化チタンと樹脂とからなる保護層を有し、前記保護層に含まれる樹脂は、前記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体、又は前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体を含み、必要に応じて、その他の樹脂(B)を含んでいてもよい。
本発明の太陽電池バックシートは、例えば、太陽電池モジュールの背面に設けることにより、太陽電池モジュールの受光面側及び背面側からの光照射に対する耐候性を向上させることができる。
【0103】
前記保護層は、基材フィルム上に設けられることが好ましい。
前記基材フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、機械強度、寸法安定性、熱安定性に優れるという観点から、ポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、又はポリエチレンナフタレートを主成分とするポリエステルフィルムがより好ましい。
前記その他の樹脂(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、機械強度及び耐熱性に優れるという観点から、アクリル系樹脂が好ましく、イソシアネートで架橋することが可能なアクリル系樹脂がより好ましい。
【0104】
<太陽電池バックシートの製造方法>
前記太陽電池バックシートの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下方法(工程(1)~(4))などによって製造することができる。
工程(1):有機溶媒に、本発明の重合体又は共重合体を加え、撹拌し溶解することで溶解液を作製した後、前記溶解液を攪拌しながら色材を少しずつ加え、再度攪拌する。
工程(2):分散装置によって分散処理をした後、内容物をメンブレンフィルターにてろ過する。必要に応じて、調整量の有機溶媒を加え、保護層形成液を作製する。
工程(3):前記保護層形成液を、基材表面に、ワイヤーバーを用いて塗布し、任意の膜厚になるまで乾燥させ、保護層を作製する。
工程(4):前記保護層をエージングすることにより、太陽電池バックシートが得られる。
【0105】
前記工程(1)における有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の(インク)の項目に記載した有機溶媒や、ヘキサメチレンジイソシアネートを好適に使用することができる。
前記工程(1)おける色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の(インク)の項目に記載した色材を好適に使用することができる。
前記工程(2)おける分散装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビッグローターBR-2(アズワン社製)などが挙げられる。分散処理の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回転速度を90rpm、処理時間を5日間などと設定することができる。
前記工程(3)おける基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の(画像形成装置及び画像形成方法)の項目に記載した記録媒体を好適に使用することができる。
前記工程(3)における「任意の膜厚」とは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2μmとすることができる。
前記工程(3)における乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥温度を150℃、乾燥時間を5分間などと設定することができる。
前記工程(4)におけるエージング条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、処理温度を50℃、処理時間を3日間などと設定することができる。
【0106】
本明細書において、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
本明細書において、記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
【実施例0107】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」である。
【0108】
後述する合成例、実施例、及び比較例で得られる重合体又は共重合体の分子量は、以下の方法、及び条件で測定した。
(分子量の測定)
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC-8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の重合体又は共重合体を1mL注入し、上記の条件で測定した重合体又は共重合体の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して重合体又は共重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出した。
【0109】
(モノマーの合成)
<モノマーの合成例1>
100mLの四つ口フラスコに、4.81g(80mmol)の1,2-エチレンジアミン(東京化成社製)を入れ、窒素気流下撹拌しながら、3.92g(16mmol)の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステル(東京化成社製)を20mLのエタノール(EtOH)(関東化学社製)に溶解した溶液を30分間かけて滴下した。室温で12時間撹拌した後、溶媒を留去した。残留物に、30mLの酢酸エチル(関東化学社製)を加え、5分間撹拌した後、析出物をろ別した。析出物を溶離液としてジクロロメタン(MDC)/メタノール(MeOH)(10/0~9/1(v/v))(関東化学社製)を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.67gのジエチル(2-N-(2-アミノエチル)アミノエチル)ホスホン酸ジエチルエステル(M1a)を得た。
次いで、50mLの3つ口フラスコに、10mLのテトラヒドロフラン(THF)(関東化学社製)、及び2.25g(10mmol)の(M1a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、2.02g(10mmol)の3-イソプロペニルーα,α―ジメチルベンジルイソシアネート(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))(関東化学社製)を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.78gの2-(2-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)エチルアミノ)エチルホスホン酸ジエチルエステル(M1b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.13g(5mmol)の(M1b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリル(東京化成社製)を10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.45gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサン(関東化学社製)で2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.69gの2-(2-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)エチルアミノ)エチルホスホン酸(M1)を得た。
ここで、得られたモノマー(M1)の構造式を以下に示す。
【0110】
【化12】
【0111】
<モノマーの合成例2>
100mLの四つ口フラスコに、7.05g(80mmol)の1,4-ジアミノブタン(東京化成社製)を入れ、窒素気流下撹拌しながら、3.92g(16mmol)の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステルを20mLのEtOHに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。室温で12時間撹拌した後、溶媒を留去した。残留物に、30mLの酢酸エチルを加え、5分間撹拌した後、析出物をろ別した。析出物を溶離液としてMDC/MeOH(10/0~9/1(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、3.07gのジエチル(2-N-(4-アミノブチル)アミノエチル)ホスホン酸ジエチルエステル(M2a)を得た。
次いで、50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.53g(10mmol)の(M2a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、2.02g(10mmol)の3-イソプロペニルーα,α―ジメチルベンジルイソシアネート(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.86gの2-(4-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)ブチルアミノ)エチルホスホン酸ジエチルエステル(M2b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.27g(5mmol)の(M2b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.55gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.77gの2-(4-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)ブチルアミノ)エチルホスホン酸(M2)を得た。
ここで、得られたモノマー(M2)の構造式を以下に示す。
【0112】
【化13】
【0113】
<モノマーの合成例3>
100mLの四つ口フラスコに20mLのEtOHを入れ、11.54g(80mmol)の1,8-ジアミノオクタ(東京化成社製)を加えて、溶解した。窒素気流下撹拌しながら、3.92g(16mmol)の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステルを20mLのEtOHに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。室温で12時間撹拌した後、溶媒を留去した。残留物に、50mLの酢酸エチルを加え、5分間撹拌した後、析出物をろ別した。析出物を溶離液としてMDC/MeOH(10/0~9/1(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、5.56gのジエチル(2-N-(8-アミノオクチル)アミノエチル)ホスホン酸ジエチルエステル(M3a)を得た。
次いで、50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び3.10g(10mmol)の(M3a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、2.02g(10mmol)の3-イソプロペニルーα,α―ジメチルベンジルイソシアネート(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4.43gの2-(8-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)オクチルアミノ)エチルホスホン酸ジエチルエステル(M3b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.55g(5mmol)の(M3b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.83gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、2.02gの2-(8-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)オクチルアミノ)エチルホスホン酸(M3)を得た。
ここで、得られたモノマー(M3)の構造式を以下に示す。
【0114】
【化14】
【0115】
<モノマーの合成例4>
100mLの四つ口フラスコに20mLのEtOHを入れ、16.03g(80mmol)の1,12-ジアミノドデカン(東京化成社製)を加えて、溶解した。窒素気流下撹拌しながら、3.92g(16mmol)の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステルを20mLのEtOHに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。室温で12時間撹拌した後、溶媒を留去した。残留物に、50mLの酢酸エチルを加え、5分間撹拌した後、析出物をろ別した。析出物を溶離液としてMDC/MeOH(10/0~9/1(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、6.55gのジエチル(2-N-(12-アミノドデシル)アミノエチル)ホスホン酸ジエチルエステル(M4a)を得た。
次いで、50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び3.10g(10mmol)の(M4a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、2.02g(10mmol)の3-イソプロペニルーα,α―ジメチルベンジルイソシアネート(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、4.48gの2-(12-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)ドデシルアミノ)エチルホスホン酸ジエチルエステル(M4b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.83g(5mmol)の(M4b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、3.15gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、2.35gの2-(12-(3-(2-(3-プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)ウレイド)ドデシルアミノ)エチルホスホン酸(M4)を得た。
ここで、得られたモノマー(M4)の構造式を以下に示す。
【0116】
【化15】
【0117】
<モノマーの合成例5>
100mLの四つ口フラスコに20mLのEtOHを入れ、9.30g(80mmol)の1,6-ジアミノヘキサン(東京化成社製)を加えて、溶解した。窒素気流下撹拌しながら、3.92g(16mmol)の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステルを20mLのEtOHに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。室温で12時間撹拌した後、溶媒を留去した。残留物に、50mLの酢酸エチルを加え、5分間撹拌した後、析出物をろ別した。析出物を溶離液としてMDC/MeOH(10/0~9/1(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、6.55gのジエチル(2-N-(6-アミノヘキシル)アミノエチル)ホスホン酸ジエチルエステル(M5a)を得た。
次いで、50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.82g(10mmol)の(M5a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.56g(10mmol)のメタクリル酸2-イソシアナトエチル(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.14gのモノマー前駆体(M5b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.18g(5mmol)のモノマー前駆体(M5b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.45gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.68gのモノマー(M5)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M5b)及びモノマー(M5)の構造式を以下に示す。
【0118】
【化16】
【0119】
<モノマーの合成例6>
100mLの四つ口フラスコに20mLのEtOHを入れ、2.25g(19mmol)の6-アミノ-1-ヘキサノール(東京化成社製)を加えて、溶解した。窒素気流下撹拌しながら、3.92g(16mmol)の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルエステルを20mLのEtOHに溶解した溶液を30分間かけて滴下した。室温で12時間撹拌した後、溶媒を留去した。残留物を溶離液としてMDC/MeOH(10/0~9/1(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製し、3.36gのジエチル(2-(6-ヒドロキシヘキシルアミノ)エチルホスホン酸ジエチルエステル(M6a)を得た。
次いで、50mLの3つ口フラスコに10mLのTHF、及び2.83g(10mmol)の(M6a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.56g(10mmol)のメタクリル酸2-イソシアナトエチルエステル(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.23gのモノマー前駆体(M6b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.18g(5mmol)のモノマー前駆体(M6b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.48gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.69gのモノマー(M6)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M6b)及びモノマー(M6)の構造式を以下に示す。
【0120】
【化17】
【0121】
<モノマーの合成例7>
50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.80g(10mmol)の(M5a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.41g(10mmol)のアクリル酸2-イソシアナトエチルエステル(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.15gのモノマー前駆体(M7b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.11g(5mmol)のモノマー前駆体(M7b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.39gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.66gのモノマー(M7)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M7b)及びモノマー(M7)の構造式を以下に示す。
【0122】
【化18】
【0123】
<モノマーの合成例8>
50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.81g(10mmol)の(M6a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.41g(10mmol)のアクリル酸2-イソシアネートエチルエステル(東京化成社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.23gのモノマー前駆体(M8b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.11g(5mmol)のモノマー前駆体(M8b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.41gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.68gのモノマー(M8)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M8b)及びモノマー(M8)の構造式を以下に示す。
【0124】
【化19】
【0125】
<モノマーの合成例9>
50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.80g(10mmol)の(M5a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.54g(10mmol)のN-(3-イソシアネートプロピル)アクリルアミド(Chemieliva Pharmaceutical社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.15gのモノマー前駆体(M9b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.11g(5mmol)のモノマー前駆体(M9b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.39gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.66gのモノマー(M9)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M9b)及びモノマー(M9)の構造式を以下に示す。
【0126】
【化20】
【0127】
<モノマーの合成例10>
50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.81g(10mmol)の(M6a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.54g(10mmol)のN-(3-イソシアネートプロピル)アクリルアミド(Chemieliva Pharmaceutical社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.23gのモノマー前駆体(M10b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.18g(5mmol)のモノマー前駆体(M10b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.47gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.66gのモノマー(M10)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M10b)及びモノマー(M10)の構造式を以下に示す。
【0128】
【化21】
【0129】
<モノマーの合成例11>
50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.66g(10mmol)の(M5a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.85g(10mmol)のアクリル酸2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルエステル(FCH Group社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.72gのモノマー前駆体(M11b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.33g(5mmol)のモノマー前駆体(M11b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.66gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.87gのモノマー(M11)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M11b)及びモノマー(M11)の構造式を以下に示す。
【0130】
【化22】
【0131】
<モノマーの合成例12>
50mLの3つ口フラスコに、10mLのTHF、及び2.67g(10mmol)の(M6a)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。これに、1.85g(10mmol)のアクリル酸2-(2-イソシアネートエトキシ)エチルエステル(FCH Group社製)を20mLのTHFに溶解した溶液を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で15時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.65gのモノマー前駆体(M12b)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.33g(5mmol)のモノマー前駆体(M12b)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。3.06g(20mmol)の臭化トリメチルシリルを10mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、2.61gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.89gのモノマー(M12)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M12b)及びモノマー(M12)の構造式を以下に示す。
【0132】
【化23】
【0133】
<モノマーの合成例13>
100mLのフラスコに、6.00g(20mmol)のエチレン-1,1-ジイルビスホスホン酸テトラエチルエステル(Apollo Scientific Ltd.社製)、0.72g(2mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸銅(II)(Sigma-Aldrich社製)、及び4.14g(30mmol)の4-ヒドロキシフェニルボロン酸(東京化成社製)を入れ、50mLの脱水トルエン(関東化学社製)を加えた。70℃まで加熱し、18時間撹拌した後、室温まで冷却し、100mLのジクロロメタン(関東化学社製)で希釈した。飽和エチレンジアミン四酢酸(東京化成社製)の飽和水溶液を用いて、希釈液を抽出した後、水で洗浄し、有機相を単離した。有機相から溶媒を留去し、残留物を溶離液としてアセトン/ヘキサン(4/6~5/5(v/v))(関東化学社製)を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5.66gのモノマー前駆体(M13a)を得た。
次に、200mLのフラスコに100mLのメチルエチルケトン(関東化学社製)を入れ、3.94g(10mmol)のモノマー前駆体(M13a)、2.72g(15mmol)の6-ブロモ-1-ヘキサノール(東京化成社製)、及び2.77g(20mmol)の炭酸カリウム(関東化学社製)を加え、12時間還流した。室温まで冷却した後、ろ紙でろ過し、ろ液を濃縮した。残留物を溶離液としてMDC/MeOH(98/2~90/10(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.22gのモノマー前駆体(M13b)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M13a)及びモノマー前駆体(M13b)の構造式を以下に示す。
【0134】
【化24】
次いで、100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.47g(5mmol)のモノマー前駆体(M13b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズ(東京化成社製)を加え、窒素気流下、氷水で冷却した。2.01g(10mmol)の3-イソプロペニルーα,α―ジメチルベンジルイソシアネート(東京化成社製)を10分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.56gのモノマー前駆体(M13c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.39g(2mmol)のモノマー前駆体(M13c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.71gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.12gのモノマー(M13)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M13c)及びモノマー(M13)の構造式を以下に示す。
【0135】
【化25】
【0136】
<モノマーの合成例14>
100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.47g(5mmol)のモノマー前駆体(M13b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。1.55g(10mmol)のメタクリル酸2-イソシアナトエチル(東京化成社製)を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.55gのモノマー前駆体(M14c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.30g(2mmol)のモノマー前駆体(M14c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.60gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.01gのモノマー(M14)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M14c)及びモノマー(M14)の構造式を以下に示す。
【0137】
【化26】
【0138】
<モノマーの合成例15>
100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.47g(5mmol)のモノマー前駆体(M13b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。1.41g(10mmol)のアクリル酸2-イソシアナトエチル(東京化成社製)を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.44gのモノマー前駆体(M15c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.30g(2mmol)のモノマー前駆体(M15c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.59gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.00gのモノマー(M15)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M15c)及びモノマー(M15)の構造式を以下に示す。
【0139】
【化27】
【0140】
<モノマーの合成例16>
100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.47g(5mmol)のモノマー前駆体(M13b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。1.54g(10mmol)のN-(3-イソシアネートプロピル)アクリルアミド(Chemieliva Pharmaceutical社製)を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.41gのモノマー前駆体(M16c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.30g(2mmol)のモノマー前駆体(M16c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.61gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.02gのモノマー(M16)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M16c)及びモノマー(M16)の構造式を以下に示す。
【0141】
【化28】
【0142】
<モノマーの合成例17>
100mLのフラスコに、6.00g(20mmol)のエチレン-1,1-ジイルビスホスホン酸テトラエチルエステル(Apollo Scientific Ltd.社製)、0.72g(2mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸銅(II)(Sigma-Aldrich社製)、及び5.46g(30mmol)の6-ヒドロキシ-2-ナフタレンボロン酸(東京化成社製)を入れ、50mLの脱水トルエン(関東化学社製)を加えた。70℃まで加熱し、18時間撹拌した後、室温まで冷却し、100mLのジクロロメタン(関東化学社製)で希釈した。飽和エチレンジアミン四酢酸(東京化成社製)の飽和水溶液を用いて、希釈液を抽出した後、水で洗浄し、有機相を単離した。有機相から溶媒を留去し、残留物を溶離液としてアセトン/ヘキサン(4/6~5/5(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、6.54gのモノマー前駆体(M17a)を得た。
次に、200mLのフラスコに100mLのメチルエチルケトンを入れ、4.45g(10mmol)のモノマー前駆体(M17a)、2.72g(15mmol)の6-ブロモ-1-ヘキサノール(東京化成社製)、及び2.77g(20mmol)の炭酸カリウムを加え、12時間還流した。室温まで冷却した後、ろ紙でろ過し、ろ液を濃縮した。残留物を溶離液としてMDC/MeOH(98/2~90/10(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.87gのモノマー前駆体(M17b)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M17a)及びモノマー(M17b)の構造式を以下に示す。
【0143】
【化29】
次いで、100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.72g(5mmol)のモノマー前駆体(M17b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。2.01g(10mmol)の3-イソプロペニルーα,α―ジメチルベンジルイソシアネート(東京化成社製)を10分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.89gのモノマー前駆体(M17c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.49g(2mmol)のモノマー前駆体(M17c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.81gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.21gのモノマー(M17)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M17c)及びモノマー(M17)の構造式を以下に示す。
【0144】
【化30】
【0145】
<モノマーの合成例18>
100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.72g(5mmol)のモノマー前駆体(M17b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。1.55g(10mmol)のメタクリル酸2-イソシアナトエチル(東京化成社製)を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.73gのモノマー前駆体(M18c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.40g(2mmol)のモノマー前駆体(M18c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.72gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.10gのモノマー(M18)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M18c)及びモノマー(M18)の構造式を以下に示す。
【0146】
【化31】
【0147】
<モノマーの合成例19>
100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.72g(5mmol)のモノマー前駆体(M17b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。1.41g(10mmol)のアクリル酸2-イソシアナトエチル(東京化成社製)を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.58gのモノマー前駆体(M19c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.37g(2mmol)のモノマー前駆体(M19c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.68gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.09gのモノマー(M19)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M19c)及びモノマー(M19)の構造式を以下に示す。
【0148】
【化32】
【0149】
<モノマーの合成例20>
100mLのフラスコに20mLの超脱水MDCを入れ、2.72g(5mmol)のモノマー前駆体(M17b)、及び0.016g(0.025mmol)のジラウリン酸ジブチルスズを加え、窒素気流下、氷水で冷却した。1.54g(10mmol)のN-(3-イソシアネートプロピル)アクリルアミド(Chemieliva Pharmaceutical社製)を5分間かけて少しずつ加えた後、0℃~室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてMDC/MeOH(8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.67gのモノマー前駆体(M20c)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに1.40g(2mmol)のモノマー前駆体(M20c)を入れ、20mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。2.45g(16mmol)の臭化トリメチルシリルを窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、1.72gの白色固体を得た。40mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.13gのモノマー(M20)を得た。
ここで、得られたモノマー前駆体(M20c)及びモノマー(M20)の構造式を以下に示す。
【0150】
【化33】
【0151】
モノマーの合成例1~20で得られたモノマー(M1)~(M20)の構造をまとめて表1及び表2に示す。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】
表1中の「-PhPrp-」は、以下の構造を示す。
【0155】
【化34】
【0156】
<モノマーの比較合成例1>
100mLの3つ口フラスコに20mLの超脱水MDC、4.86g(48mmol)のトリエチルアミン(関東化学社製)、及び6.16g(40mmol)の2-ヒドロキシエチルホスホン酸ジメチルエステル(東京化成社製)を加え、窒素気流下室温で撹拌した後、フラスコを氷水で冷却した。3.62g(4mmol)のアクリル酸クロライド(東京化成社製)を10分間かけて滴下した後、0℃~室温で15時間撹拌した。得られた反応溶液を20mLのMDCで希釈し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加え、振盪した後、分離した有機相を単離し、水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム(関東化学社製)で乾燥した後、溶媒を留去した。残留物を溶離液としてMDC/MeOH(10/1~8/2(v/v))を用いて、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5.88gのモノマー前駆体(RM1a)を得た。
次いで、100mLのナスフラスコに2.08g(10mmol)のモノマー前駆体(RM1a)を入れ、10mLの超脱水MDCを加えて、溶解した。6.12g(40mmol)の臭化トリメチルシリルを15mLの超脱水MDCに溶解した溶液を窒素気流下で加え、24時間撹拌した。得られた溶液から過剰の臭化トリメチルシリルを減圧下室温で除去して、3.07gの油状物を得た。50mLのMeOHを窒素気流下で加え、24時間撹拌した後、減圧下室温で揮発成分を留去した。得られた残留物を30mLのヘキサンで2回洗浄し、室温で減圧乾燥して、1.62gの比較モノマー(RM1)を得た。
ここで、得られた比較モノマー(RM1)の構造式を以下に示す。
【0157】
【化35】
【0158】
<モノマーの比較合成例2>
100mLの3つ口フラスコに2.79g(20mmol)の3-アミノプロピルホスホン酸(メルク社製)を入れ、40mLの水酸化ナトリウム水溶液(1N)(関東化学社製)を加え、撹拌し、溶解した。フラスコを氷水で冷却しながら、3.11g(20mmol)のメタクリル酸2-イソシアネートエチルエステル(東京化成社製)を15分間かけて窒素気流下で滴下した後、0℃~室温で3時間撹拌した。少量の析出物をろ別除去し、ろ液のpHが7になるまで1Nの塩酸(関東化学社製)を加えた。30分間撹拌した後、析出物をろ別し、乾燥して、2.88gの比較モノマー(RM2)を得た。
ここで、得られた比較モノマー(RM2)の構造式を以下に示す。
【0159】
【化36】
【0160】
(重合体及び共重合体の合成)
<実施例1>
100mLの3つ口フラスコに20mLの1,4-ジオキサンを入れ、3.70g(10mmol)のモノマー(M1)に溶解し、窒素気流下で70℃まで加熱した。0.033g(0.2mmol)の2,2’-アゾイソ(ブチロニトリル)(AIBN)(東京化成工業株式会社製)、及び0.011g(0.1mmol)の3-メルカプトプロピオン酸(3MPA)(東京化成工業株式会社製)を5mLの1,4-ジオキサンに溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.55gの重合体CP1(数平均分子量(Mn):9,400、重量平均分子量(Mw):22,000)を得た。
【0161】
<実施例2>
3.96g(10mmol)のモノマー(M1)、及び0.58g(5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、5.05gの重合体CP2(数平均分子量(Mn):9,600、重量平均分子量(Mw):23,400)を得た。
【0162】
<実施例3>
3.96g(10mmol)のモノマー(M1)、及び0.36g(5mmol)のアクリル酸(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.72gの共重合体CP3(数平均分子量(Mn):9,900、重量平均分子量(Mw):23,900)を得た。
【0163】
<実施例4>
100mLの3つ口フラスコに3.98g(10mmol)のモノマー(M2)を20mLの1,4-ジオキサンに溶解し、窒素気流下で70℃まで加熱した。0.033g(0.2mmol)のAIBN、及び0.011g(0.1mmol)の3MPAを5mLの1,4-ジオキサンに溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.77gの重合体CP4(数平均分子量(Mn):10,100、重量平均分子量(Mw):22,000)を得た。
【0164】
<実施例5>
3.98g(10mmol)のモノマー(M2)、及び0.65g(5mmol)の2-メトキシエチルアクリレート(MTA)(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、5.05gの重合体CP5(数平均分子量(Mn):10,100、重量平均分子量(Mw):24,900)を得た。
【0165】
<実施例6>
3.98g(10mmol)のモノマー(M2)、及び0.36g(5mmol)のアクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.20gの共重合体CP6(数平均分子量(Mn):10,300、重量平均分子量(Mw):24,800)を得た。
【0166】
<実施例7>
4.54g(10mmol)のモノマー(M3)、及び0.72g(5mmol)の2-エトキシエチルアクリレート(EEA)(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、5.05gの重合体CP7(数平均分子量(Mn):10,700、重量平均分子量(Mw):25,800)を得た。
【0167】
<実施例8>
4.54g(10mmol)のモノマー(M3)、及び0.36g(5mmol)のアクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.20gの共重合体CP8(数平均分子量(Mn):10,900、重量平均分子量(Mw):25,900)を得た。
【0168】
<実施例9>
4.54g(10mmol)のモノマー(M4)、及び0.58g(5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、5.05gの重合体CP9(数平均分子量(Mn):10,700、重量平均分子量(Mw):25,800)を得た。
【0169】
<実施例10>
4.54g(10mmol)のモノマー(M4)、及び0.36g(5mmol)のアクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.20gの共重合体CP10(数平均分子量(Mn):10,900、重量平均分子量(Mw):25,900)を得た。
【0170】
<実施例11>
3.79g(10mmol)のモノマー(M5)、及び0.58g(5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.33gの重合体CP11(数平均分子量(Mn):10,100、重量平均分子量(Mw):24,900)を得た。
【0171】
<実施例12>
3.79g(10mmol)のモノマー(M5)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.98gの共重合体CP12(数平均分子量(Mn):10,600、重量平均分子量(Mw):25,000)を得た。
【0172】
<実施例13>
3.80g(10mmol)のモノマー(M6)、及び0.58g(5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.13gの重合体CP13(数平均分子量(Mn):10,000、重量平均分子量(Mw):24,100)を得た。
【0173】
<実施例14>
3.80g(10mmol)のモノマー(M6)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.06gの共重合体CP14(数平均分子量(Mn):10,300、重量平均分子量(Mw):24,300)を得た。
【0174】
<実施例15>
3.65g(10mmol)のモノマー(M7)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.84gの共重合体CP15(数平均分子量(Mn):10,000、重量平均分子量(Mw):23,800)を得た。
【0175】
<実施例16>
3.66g(10mmol)のモノマー(M8)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.76gの共重合体CP16(数平均分子量(Mn):10,500、重量平均分子量(Mw):23,900)を得た。
【0176】
<実施例17>
3.78g(10mmol)のモノマー(M9)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.76gの共重合体CP17(数平均分子量(Mn):11,000、重量平均分子量(Mw):24,300)を得た。
【0177】
<実施例18>
3.79g(10mmol)のモノマー(M10)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.99gの共重合体CP18(数平均分子量(Mn):11,300、重量平均分子量(Mw):25,100)を得た。
【0178】
<実施例19>
4.09g(10mmol)のモノマー(M11)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.50gの共重合体CP19(数平均分子量(Mn):11,600、重量平均分子量(Mw):25,600)を得た。
【0179】
<実施例20>
4.10g(10mmol)のモノマー(M12)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.44gの共重合体CP20(数平均分子量(Mn):11,000、重量平均分子量(Mw):25,100)を得た。
【0180】
<実施例21>
5.84g(10mmol)のモノマー(M13)、及び2.32g(20mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、7.18gの重合体CP21(数平均分子量(Mn):10,200、重量平均分子量(Mw):23,200)を得た。
【0181】
<実施例22>
5.84g(10mmol)のモノマー(M13)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、6.72gの共重合体CP22(数平均分子量(Mn):10,900、重量平均分子量(Mw):25,400)を得た。
【0182】
<実施例23>
5.38g(10mmol)のモノマー(M14)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、6.39gの重合体CP23(数平均分子量(Mn):10,200、重量平均分子量(Mw):23,800)を得た。
【0183】
<実施例24>
5.23g(10mmol)のモノマー(M15)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、6.32gの重合体CP24(数平均分子量(Mn):13,000、重量平均分子量(Mw):30,000)を得た。
【0184】
<実施例25>
5.37(10mmol)のモノマー(M16)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、6.52gの共重合体CP25(数平均分子量(Mn):13,200、重量平均分子量(Mw):29,700)を得た。
【0185】
<実施例26>
6.34g(10mmol)のモノマー(M17)、及び2.32g(20mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、7.70gの重合体CP26(数平均分子量(Mn):11,100、重量平均分子量(Mw):24,400)を得た。
【0186】
<実施例27>
6.34g(10mmol)のモノマー(M17)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、7.42gの共重合体CP27(数平均分子量(Mn):10,500、重量平均分子量(Mw):24,600)を得た。
【0187】
<実施例28>
5.88g(10mmol)のモノマー(M18)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、6.53gの共重合体CP28(数平均分子量(Mn):10,900、重量平均分子量(Mw):23,900)を得た。
【0188】
<実施例29>
5.74g(10mmol)のモノマー(M19)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、6.71ggの共重合体CP29(数平均分子量(Mn):13,900、重量平均分子量(Mw):30,300)を得た。
【0189】
<実施例30>
5.87(10mmol)のモノマー(M20)、及び1.72g(20mmol)のメタクリル酸を40mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、7.06gの共重合体CP30(数平均分子量(Mn):13,500、重量平均分子量(Mw):29,300)を得た。
【0190】
<実施例67>
3.96g(10mmol)のモノマー(M1)、及び0.58g(5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.123g(0.75mmol)のAIBN、及び0.159g(1.50mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.40gの重合体CP31(数平均分子量(Mn):1,900、重量平均分子量(Mw):4,000)を得た。
【0191】
<実施例68>
3.98g(10mmol)のモノマー(M2)、及び0.65g(5mmol)の2-メトキシエチルアクリレート(MTA)(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.123g(0.75mmol)のAIBN、及び0.159g(1.50mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.44gの重合体CP32(数平均分子量(Mn):2,000、重量平均分子量(Mw):4,500)を得た。
【0192】
<実施例69>
3.80g(10mmol)のモノマー(M6)、及び0.58g(5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を15mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.002g(0.018mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.24gの重合体CP33(数平均分子量(Mn):19,000、重量平均分子量(Mw):52,000)を得た。
【0193】
<実施例70>
4.10g(10mmol)のモノマー(M12)、及び0.43g(5mmol)のメタクリル酸を12mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.002g(0.018mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.38gの共重合体CP34(数平均分子量(Mn):20,000、重量平均分子量(Mw):55,000)を得た。
【0194】
<比較例1>
100mLの3つ口フラスコに3.60g(20mmol)の比較モノマー(RM1)を15mLの1,4-ジオキサンに溶解し、窒素気流下で70℃まで加熱した。0.066g(0.4mmol)のAIBN、及び0.021g(0.2mmol)の3MPAを5mLの1,4-ジオキサンに溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.41gの比較重合体RCP1(数平均分子量(Mn):9,100、重量平均分子量(Mw):21,800)を得た。
【0195】
<比較例2>
3.60g(20mmol)の比較モノマー(RM1)、及び1.16g(10mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.50gの比較重合体RCP2(数平均分子量(Mn):9,200、重量平均分子量(Mw):22,200)を得た。
【0196】
<比較例3>
3.60g(20mmol)の比較モノマー(RM1)、及び0.72g(10mmol)のアクリル酸(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.099g(0.6mmol)のAIBN、及び0.032g(0.3mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.07gの比較共重合体RCP3(数平均分子量(Mn):9,500、重量平均分子量(Mw):22,800)を得た。
【0197】
<比較例4>
100mLの3つ口フラスコに3.99g(15mmol)の比較モノマー(RM2)を15mLの1,4-ジオキサンに溶解し、窒素気流下で70℃まで加熱した。0.049g(0.3mmol)のAIBN、及び0.016g(0.15mmol)の3MPAを5mLの1,4-ジオキサンに溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、3.74gの比較重合体RCP4(数平均分子量(Mn):9,800、重量平均分子量(Mw):22,700)を得た。
【0198】
<比較例5>
3.99g(15mmol)の比較モノマー(RM2)、及び0.87g(7.5mmol)の2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに、調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.074g(0.45mmol)のAIBN、及び0.023g(0.23mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.63gの比較重合体RCP5(数平均分子量(Mn):10,400、重量平均分子量(Mw):23,500)を得た。
【0199】
<比較例6>
3.99g(15mmol)の比較モノマー(RM2)、及び0.72g(7.5mmol)のアクリル酸(東京化成工業株式会社製)を25mLの1,4-ジオキサンに溶解してモノマー溶液を調製した。100mLの3口フラスコに調製したモノマー溶液の10質量%を入れ、窒素気流下で70℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.074g(0.45mmol)のAIBN、及び0.024g(0.23mmol)の3MPAを溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、70℃で6時間撹拌した。室温(25℃)まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物をろ別し、減圧乾燥して、4.44gの比較共重合体RCP6(数平均分子量(Mn):10,600、重量平均分子量(Mw):24,000)を得た。
【0200】
上記合成例で合成された重合体又は共重合体の構成、及び数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)とをまとめて表3に示す。
【0201】
【表3】
上記表3中のHEAは2-ヒドロキシエチルアクリレート、MTAは2-メトキシエチルアクリレート、及びEEAは2-エトキシエチルアクリレートを示す。
【0202】
(水性インクInk1の調製)
<実施例31>
<<顔料分散体PD1の調製>>
ガラス容器に35.0部のイオン交換水、及び5.0部のエチレングリコール(東京化成社製)を入れ、撹拌した後、実施例1で調製した15部の重合体CP1を加え、溶解した。次いで、40.0部の酸化チタンJR-600A(テイカ社製)を撹拌しながら、少しずつ加えた後、12時間撹拌した。540.0部の1mm径のジルコニアビーズを加え、ビッグローターBR-2(アズワン社製)により90rpmの回転速度で5日間分散処理した。内容物を孔径5μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、90.0部の顔料分散体PD1(顔料固形分濃度:40%)を得た。
<<インクの作製>>
20.0部の顔料分散体PD1、18.0部のエチレングリコール、4.0部の3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(東京化成社製)、1.0部のゾニールFS-300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分40%)、0.2部のトリエタノールアミン(東京化成社製)、1.0部の1,2-ベンゾチアゾリン-3-オン(東京化成社製)、及び57.0部のイオン交換水を混合し、1時間撹拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明のインクInk1を得た。
【0203】
(水性インクInk2の調製)
<実施例32>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例2で調製した重合体CP2を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD2、及びインクInk2を得た。
【0204】
(水性インクInk3の調製)
<実施例33>
<<顔料分散体PD3の調製>>
ガラス容器に35.0部のイオン交換水、及び5.0部のグリセロール(東京化成社製)を入れ、撹拌した後、実施例3で調製した15部の共重合体CP3、及び2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミン(東京化成社製)を加え、溶解した。次いで、40.0部の酸化チタンJR-600A(テイカ社製)を撹拌しながら、少しずつ加えた後、12時間撹拌した。540.0部の1mm径のジルコニアビーズを加え、ビッグローターBR-2(アズワン社製)により90rpmの回転速度で5日間分散処理した。内容物を孔径5μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、90.0部の顔料分散体PD3(顔料固形分濃度:40%)を得た。
<<インクの作製>>
実施例31で使用した顔料分散体PD1の代わりに顔料分散体PD3を使用した以外は、実施例31と同様にして、インクInk3を得た。
【0205】
(水性インクInk4の調製)
<実施例34>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例4で調製した重合体CP4を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD4、及びインクInk4を得た。
【0206】
(水性インクInk5の調製)
<実施例35>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例5で調製した重合体CP5を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD5、及びインクInk5を得た。
【0207】
(水性インクInk6の調製)
<実施例36>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例6で調製した共重合体CP6を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.3部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD6、及びインクInk6を得た。
【0208】
(水性インクInk7の調製)
<実施例37>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例7で調製した重合体CP7を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD7、及びインクInk7を得た。
【0209】
(水性インクInk8の調製)
<実施例38>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例8で調製した共重合体CP8を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.0部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD8、及びインクInk8を得た。
【0210】
(水性インクInk9の調製)
<実施例39>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例9で調製した重合体CP9を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD9、及びインクInk9を得た。
【0211】
(水性インクInk10の調製)
<実施例40>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例10で調製した共重合体CP10を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.8部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD10、及びインクInk10を得た。
【0212】
(水性インクInk11の調製)
<実施例41>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例11で調製した重合体CP11を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD11、及びインクInk11を得た。
【0213】
(水性インクInk12の調製)
<実施例42>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例12で調製した共重合体CP12を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.3部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD12、及びインクInk12を得た。
【0214】
(水性インクInk13の調製)
<実施例43>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例13で調製した重合体CP13を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD13、及びインクInk13を得た。
【0215】
(水性インクInk14の調製)
<実施例44>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例14で調製した共重合体CP14を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.3部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD14、及びインクInk14を得た。
【0216】
(水性インクInk15の調製)
<実施例45>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例15で調製した共重合体CP15を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.4部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD15、及びインクInk15を得た。
【0217】
(水性インクInk16の調製)
<実施例46>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例16で調製した共重合体CP16を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.4部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD16、及びインクInk16を得た。
【0218】
(水性インクInk17の調製)
<実施例47>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例17で調製した共重合体CP17を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.3部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD17、及びインクInk17を得た。
【0219】
(水性インクInk18の調製)
<実施例48>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例18で調製した共重合体CP18を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.3部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD18、及びインクInk18を得た。
【0220】
(水性インクInk19の調製)
<実施例49>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例19で調製した共重合体CP19を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.2部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD19、及びインクInk19を得た。
【0221】
(水性インクInk20の調製)
<実施例50>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例20で調製した共重合体CP20を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.8部の水酸化ナトリウム(関東化学社製)を使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD20、及びインクInk20を得た。
【0222】
(水性インクInk21の調製)
<実施例51>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例21で調製した重合体CP21を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD21、及びインクInk21を得た。
【0223】
(水性インクInk22の調製)
<実施例52>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例22で調製した共重合体CP22を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.6部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD22、及びインクInk22を得た。
【0224】
(水性インクInk23の調製)
<実施例53>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例23で調製した共重合体CP23を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.7部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD23、及びインクInk23を得た。
【0225】
(水性インクInk24の調製)
<実施例54>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例24で調製した共重合体CP24を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.8部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD24、及びインクInk24を得た。
【0226】
(水性インクInk25の調製)
<実施例55>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例25で調製した共重合体CP25を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.7部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD25、及びインクInk25を得た。
【0227】
(水性インクInk26の調製)
<実施例56>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例26で調製した重合体CP26を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD26、及びインクInk26を得た。
【0228】
(水性インクInk27の調製)
<実施例57>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例27で調製した共重合体CP27を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.5部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD27、及びインクInk27を得た。
【0229】
(水性インクInk28の調製)
<実施例58>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例28で調製した共重合体CP28を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.6部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD28、及びインクInk28を得た。
【0230】
(水性インクInk29の調製)
<実施例59>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例29で調製した共重合体CP29を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.6部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD29、及びインクInk29を得た。
【0231】
(水性インクInk30の調製)
<実施例60>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例30で調製した共重合体CP30を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.6部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD30、及びインクInk30を得た。
【0232】
(水性インクInk31の調製)
<実施例61>
<<インクの作製>>
25.0部の顔料分散体PD1、18.0部のエチレングリコール、4.0部の3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド(東京化成社製)、1.0部のゾニールFS-300(フッ素系界面活性剤、Dupont社製、固形分40%)、0.2部のトリエタノールアミン(東京化成社製)、1.0部の1,2-ベンゾチアゾリン-3-オン(東京化成社製)、及び50.8部のイオン交換水を混合し、1時間撹拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明のインクInk31を得た。
【0233】
(水性インクInk32の調製)
<実施例62>
<<顔料分散体PD31の調製>>
ガラス容器に35.0部のイオン交換水、及び5.0部のエチレングリコール(東京化成社製)を入れ、撹拌した後、実施例1で調製した15部の重合体CP1を加え、溶解した。次いで、8.06部の酸化チタン顔料(JR-600A、テイカ社製)を撹拌しながら、少しずつ加えた後、12時間撹拌した。540.0部の1mm径のジルコニアビーズを加え、ビッグローターBR-2(アズワン社製)により90rpmの回転速度で5日間分散処理した。内容物を孔径5μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、90.0部の顔料分散体PD31(顔料固形分濃度:40%)を得た。
<<インクの作製>>
45.0部の顔料分散体PD31、20.0部のウレタン樹脂エマルション(タケラック WS-6021、三井化学社製)、6.9部のグリセリン(関東化学株式会社製)、4.5部のシリカ微粒子分散体(スノーテックス ST-CM、日産化学社製、シリカ微粒子の含有量がインク全量に対して1.93質量%になるように調製したもの)、2.9部のトリエチレングリコールモノブチルエーテル(東京化成工業株式会社製)、0.9部のBYK-387(ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、ビッグケミー株式会社製)、及び0.4部のトリエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)を加え、さらに全体量が100部となるようにイオン交換水を加えた後、混合し、1時間撹拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明のインクInk32を得た。
【0234】
(水性インクInk33の調製)
<実施例71>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例67で調製した重合体CP31を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD32、及びインクInk33を得た。
【0235】
(水性インクInk34の調製)
<実施例72>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例68で調製した重合体CP32を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD33、及びインクIn34を得た。
【0236】
(水性インクInk35の調製)
<実施例73>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、実施例69で調製した重合体CP33を使用した以外は、実施例31と同様にして、顔料分散体PD34、及びインクInk35を得た。
【0237】
(水性インクInk36の調製)
<実施例74>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、実施例70で調製した共重合体CP34を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、1.8部の水酸化ナトリウム(関東化学社製)を使用した以外は、実施例33と同様にして、顔料分散体PD35、及びインクInk36を得た。
【0238】
(比較水性インクRInk1の調製)
<比較例7>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、比較重合体RCP1を使用した以外は、実施例31と同様にして、比較顔料分散体RPD1、及び比較インクRInk1を得た。
【0239】
(比較水性インクRInk2の調製)
<比較例8>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、比較共重合体RCP2を使用した以外は、実施例31と同様にして、比較顔料分散体RPD2、及び比較インクRInk2を得た。
【0240】
(比較水性インクRInk3の調製)
<比較例9>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、比較共重合体RCP3を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、4.2部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンを使用した以外は、実施例33と同様にして、比較顔料分散体PD3、及び比較インクRInk3を得た。
【0241】
(比較水性インクRInk4の調製)
<比較例10>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、比較重合体RCP4を使用した以外は、実施例31と同様にして、比較顔料分散体RPD4、及び比較インクRInk4を得た。
【0242】
(比較水性インクRInk5の調製)
<比較例11>
実施例31で使用した重合体CP1の代わりに、比較重合体RCP5を使用した以外は、実施例31と同様にして、比較顔料分散体RPD5、及び比較インクRInk5を得た。
【0243】
(比較水性インクRInk6の調製)
<比較例12>
実施例33で使用した共重合体CP3の代わりに、比較共重合体RCP6を使用し、実施例33で使用した2.9部の(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアミンの代わりに、2.7部の水酸化ナトリウムを使用した以外は、実施例33と同様にして、比較顔料分散体PD6、及び比較インクRInk6を得た。
【0244】
(顔料分散体の保存安定性の評価)
各顔料分散体をガラス容器に充填して70℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。なお、粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
粘度の変化率(%)=100×(保存後の顔料分散体の粘度-保存前の顔料分散体の粘度)/保存前の顔料分散体の粘度
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
【0245】
(インクの保存安定性の評価)
各インクをインクカートリッジに充填して70℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。なお、粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
粘度の変化率(%)=100×(保存後のインクの粘度-保存前のインクの粘度)/保存前のインクの粘度
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
【0246】
(インクの再分散性の評価)
静置によるインク成分の沈降は、長い時間の放置が必要となるため、遠心機を用いてインク成分を加速沈降させた。
先ず、試験管PYREX(登録商標)IWAKI TE-32(16.5mm×105mm、AGC社製)に、インクを45mmの深さまで入れ、シリコン栓で蓋をして、評価サンプルとした。次いで、評価サンプルの初期状態を規定するために、評価サンプル作製後、直ちに、ピペットスポイトの2~3mmの先端をインク表面に浸し、約0.02mL(約20mg)のインクを採取した。採取したインクのうち、4~10mgを50mLのサンプル瓶に入れ、イオン交換水で4000倍に希釈した。サンプル瓶をミックスローターVMR-5R(AS ONE製)の架台に乗せ、60rpmの回転数で10分以上回転させた後、直ちにUV-VISの吸収スペクトルを紫外可視近赤外分光光度計V-680(日本分光社製)を用いて測定し、加速沈降前の基準スペクトルとした。なお、測定条件を以下に示す。
-UV-VIS測定条件-
波長領域:350~800nm
セル長:3mm
測定条件:UV/VISバンド幅 2.0nm、NIRバンド幅 4.0nm、レスポンス FAST、走査速度 400nm/min
次に、評価サンプルをインバータ・ヘマトクリット遠心機3220(KUBOTA社製)に入れ、300rpmの回転数で、14時間加速沈降させた。取り出した評価サンプルを静かに横に倒し、ミックスローターVMR-5Rに静かに乗せ、60rpmの回転数で1分、2分、3分、又は4分の間回転させた後、直ちに評価サンプルを元の垂直方向に戻し、上記と同様に、インクの表面から試料を採取し、吸収スペクトルを測定し、1分後、2分後、3分後、又は4分後の再分散スペクトルとした。
インクの再分散性は、基準スペクトルに対する再分散スペクトルの変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
再分散性(%)=100×(再分散スペクトルのピーク波長の吸光度/基準スペクトルのピーク波長の吸光度)
〔評価基準〕
A:1分後の再分散スペクトルで再分散性が90%以上
B:2分後の再分散スペクトルで再分散性が90%以上
C:3分後の再分散スペクトルで再分散性が90%以上
D:4分後の再分散スペクトルで再分散性が90%以上
E:4分後の再分散スペクトルで再分散性が89%以下
【0247】
実施例31~62の顔料分散体PD1~PD31、実施例71~74の顔料分散体PD32~35、及びインクInk1~Ink36、並びに比較例7~12の比較顔料分散体RPD1~RPD6、及び比較インクRInk1~RInk6の保存安定性、及び再分散性の結果をまとめて表4に示す。
【0248】
【表4】
【0249】
(太陽電池バックシートBS1の作製)
<実施例63>
<<保護層形成液PC1の調製>>
ガラス容器に45部のジメチルホルムアミド(関東化学社製)、及び36部の実施例2で得られた重合体CP2を加え、撹拌して溶解した。次いで、10部の酸化チタンJR-405(テイカ社製)を撹拌しながら少しずつ加えた後、12時間撹拌した。540.0部の1mm径のジルコニアビーズを加え、ビッグローターBR-2(アズワン社製)により90rpmの回転速度で5日間分散処理した。内容物を孔径5μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のジメチルホルムアミド(関東化学社製)、及び4.0部のヘキサメチレンジイソシアネート(東京化成社製)を加えて、100.0部の保護層形成液PC1(顔料固形分濃度:10%)を得た。
<<太陽電池バックシートBS1の作製>>
厚さ75μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーMX11、東レ社製)の表面に、ワイヤーバーを用いて保護層形成液PC1を塗布し、150℃で5分間乾燥して、膜厚が2μmとなるように保護層を設けた後、50℃で3日間エージングすることにより、太陽電池バックシートBS1を得た。
【0250】
(太陽電池バックシートBS2の作製)
<実施例64>
実施例63で使用した重合体CP2の代わりに、実施例11で調製した重合体CP11を使用した以外は、実施例63と同様にして、保護層形成液PC2、及び太陽電池バックシートBS2を得た。
【0251】
(太陽電池バックシートBS3の作製)
<実施例65>
実施例63で使用した重合体CP2の代わりに、実施例21で調製した重合体CP21を使用した以外は、実施例63と同様にして、保護層形成液PC3、及び太陽電池バックシートBS3を得た。
【0252】
(太陽電池バックシートBS4の作製)
<実施例66>
実施例63で使用した重合体CP2の代わりに、実施例26で調製した重合体CP26を使用した以外は、実施例63と同様にして、保護層形成液PC4、及び太陽電池バックシートBS4を得た。
【0253】
(太陽電池バックシートRBS1の作製)
<比較例13>
実施例63で使用した重合体CP2の代わりに、比較重合体RCP2を使用した以外は、実施例63と同様にして、保護層形成液RPC1、及び比較太陽電池バックシートRBS1を得た。
【0254】
(太陽電池バックシートRBS2の作製)
<比較例14>
実施例63で使用した重合体CP2の代わりに、比較重合体RCP5を使用した以外は、実施例63と同様にして、保護層形成液RPC2、及び比較太陽電池バックシートRBS2を得た。
【0255】
(耐候性の評価)
<初期破断伸度Esの測定>
作製した各太陽電池バックシートを1cm×10cmの大きさに切り出し、ASTM-D882(ANNUAL BOOK OF ASTM STANDARDS 1999年版)に基づいて、太陽電池バックシートの破断伸度を測定し、その結果を初期破断伸度Esとした。
<経時後破断伸度Eeの測定>
スーパーキセノンウェザーメータSX75(スガ試験機社製)を用いて、ブラックパネル温度65℃、相対湿度50%RH、照度180W/m(波長範囲:300~400nm)の条件下で、10cm×20cmの太陽電池バックシート試験片に、108分間の紫外線照射と、12分間の水噴射しながらの紫外線照射(湿度制御なし)とを繰り返して、合計3000時間の紫外線を照射した。次いで、取り出した試験片を1cm×10cmの大きさに切り出し、破断伸度を上記の方法で測定し、その結果を経時後破断伸度Eeとした。
<耐候性の評価>
耐候性の指標として、破断伸度保持率(%)=(Ee/Es)×100を算出し、下記評価基準に基づき、以下のように判定した。
〔評価基準〕
A:破断伸度保持率が50%以上
B:破断伸度保持率が30%以上50%未満
C:破断伸度保持率が30%未満
【0256】
実施例63~66の太陽電池バックシートBS1~BS4、及び比較例13~14の比較太陽電池バックシートRBS1~RBS2の耐候性の結果をまとめて表5に示す。
【0257】
【表5】
【0258】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体である。
(一般式(1)中、Rは、水素又はメチル基、Lは、-COO-、-CONH-、又は結合手、Xは、炭素数が2~10の炭化水素基、又は酸素を含有した炭素数が2~10の炭化水素基、Lは、-O-又は-NH-、Yは、炭素数が2~12の炭化水素基、Lは、-NH-C-R、-O-Ph-CHCH(R、又は-O-Np-CHCH(R、Phはフェニレン基、Npはナフチレン基、Rはホスホン酸基である。)
<2>前記<1>に記載の一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有する共重合体である。
(一般式(2)中、Rは、水素、又はメチル基、Xはプロトン、又は陽イオンである。)
<3>水、色材、及び樹脂を含むインクであって、
前記樹脂が前記<1>に記載の重合体、及び前記<2>に記載の共重合体の少なくともいずれかを含むことを特徴とするインクである。
<4>前記<1>に記載の重合体、又は前記<2>に記載の共重合体の重量平均分子量が、5,000~50,000である、前記<3>に記載のインクである。
<5>前記色材が、酸化チタンである、前記<3>から前記<4>のいずれかに記載のインクである。
<6>前記<3>から前記<5>のいずれかに記載のインクを収容することを特徴とするインク収容容器である。
<7>前記<3>から前記<5>のいずれかに記載のインクを、記録媒体上に吐出し、画像を形成することを特徴とする画像形成方法である。
<8>前記<6>に記載のインク収容容器と、前記インク収容容器に収容されているインクを、記録媒体上に吐出する吐出手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
<9>酸化チタン及び樹脂からなる保護層を有する太陽電池バックシートであって、
前記樹脂が前記<1>に記載の重合体、及び前記<2>の共重合体の少なくともいずれかを含むことを特徴とする太陽電池バックシートである。
【0259】
前記<1>の重合体、前記<2>の共重合体、前記<3>~<5>のインク、前記<6>のインク収容容器、前記<7>の画像形成方法、前記<8>の画像形成装置、及び前記<9>の太陽電池バックシートによれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0260】
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0261】
【特許文献1】特許第5863600号
図1
図2