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特開2023-11121インクジェット用インク、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置
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  • 特開-インクジェット用インク、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置 図1
  • 特開-インクジェット用インク、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011121
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】インクジェット用インク、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/30 20140101AFI20230117BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20230117BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
C09D11/30
B41M5/00 120
B41M5/00 100
B41J2/01 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114751
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】秋間 美緒
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
【Fターム(参考)】
2C056FC01
2H186AB05
2H186AB12
2H186BA08
2H186DA09
2H186DA10
2H186DA17
2H186FB10
2H186FB11
2H186FB15
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB22
2H186FB25
2H186FB29
2H186FB30
2H186FB48
2H186FB55
2H186FB58
4J039AB04
4J039AD09
4J039AE04
4J039BE22
4J039EA36
4J039EA43
4J039GA24
(57)【要約】
【課題】インクの適正な粘度域を確保しつつ、様々な記録媒体に対して優れた耐擦過性を有する画像を形成できるインクジェット用インクの提供。
【解決手段】水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インク。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【請求項2】
前記反応性の油が、JIS K 0070-1992に準拠して測定されるヨウ素価が130以上であり、かつ酸化重合により固化する乾性油である、請求項1に記載のインクジェット用インク。
【請求項3】
前記乾性油の含有量が0.05質量%以上10質量%以下である、請求項2に記載のインクジェット用インク。
【請求項4】
前記有機溶剤の含有量が5質量%以上40質量%以下である、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
【請求項5】
25℃における粘度が6mPa・s以上13mPa・s以下である、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット用インク。
【請求項6】
水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを吐出する吐出工程を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項7】
前記インクジェット用インクを吐出して画像を形成する画像形成工程をさらに含む、請求項6に記載の印刷物の製造方法。
【請求項8】
前記画像を加熱する加熱工程をさらに含む、請求項7に記載の印刷物の製造方法。
【請求項9】
水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを収容する収容部と、
前記インクジェット用インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする印刷物の製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用インク、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェットプリンターは家庭用途のみならず、例えば、布、プラスチックフィルム、壁紙、ウィンドウフィルムなど産業用途にも利用されている。
【0003】
しばしば水性インクを用いてインク塗膜を形成する際、幅広いメディアに対して、インク塗膜の耐擦過性を向上させる試みがなされている。
例えば、基材上に水性インキ組成物を用いて水なし平版印刷方法で印刷層を形成する印刷工程と、印刷層上に紫外線硬化型ワニス組成物を塗布する被覆工程と、印刷層上に塗布した紫外 線硬化型ワニス組成物を硬化させてオーバーコート層を形成する紫外線照射工程と、を含む平版印刷方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、インクの適正な粘度域を確保しつつ、様々な記録媒体に対して優れた耐擦過性を有する画像を形成できるインクジェット用インクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクジェット用インクは、水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、インクの適正な粘度域を確保しつつ、様々な記録媒体に対して優れた耐擦過性を有する画像を形成できるインクジェット用インクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す斜視説明図である。
図2図2は、本発明の印刷物の製造装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(インクジェット用インク)
本発明のインクジェット用インクは、水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0009】
従来技術では、紫外線硬化型材料のワニスを用いており、水系インクジェット印刷の乾燥方式(熱乾燥)では乾燥することが難しいという問題があった。また、従来技術はオフセット印刷であるため、インクジェット印刷特有のインク吐出性(インク粘度、粒径)を達成できるか担保されていないという問題があった。
本発明のインクジェット用インクでは、上記の問題点を解決することができる。さらに、本発明は、印刷工程と塗膜乾燥後の被覆工程を合わせた工程で塗膜を形成することができる。
【0010】
<反応性の油>
前記反応性の油は、JIS K 0070-1992に準拠して測定されるヨウ素価が130以上であり、かつ酸化重合により固化する乾性油であることが好ましい。前記ヨウ素価は前記反応油における不飽和脂肪酸量を表す指標である。前記反応性の油が、このような乾性油であると、形成する画像の耐擦過性を向上させることができる。前記ヨウ素価としては、130以上が好ましく、130以上240未満がより好ましい。前記ヨウ素価が130以上であるとインク塗膜の硬化を促進させることができ、耐擦過性を向上させることができる。
前記ヨウ素価の測定方法としては、JIS K 0070-1992に準拠して測定することができる。また、他の前記ヨウ素価の測定方法としては、ウィイス-シクロヘキサン法が挙げられる。
前記ウィイス-シクロヘキサン法による前記ヨウ素価の測定方法は、以下のようにして行う。
まず、インクジェット用インクを遠心分離機(Optima MAX-XP、150,000rpm、0.5hr)によって遠心ろ過する。インクを遠心ろ過したもの(試料)100gと反応するハロゲンの量をヨウ素のグラム数に換算し、試料中に含まれる炭素-炭素二重結合の数を測定することでインク中における反応性の油のヨウ素価を測定することができる。
【0011】
前記反応性の油としては、ヨウ素価が130以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ダイズ油(製品名:大豆油、富士フイルム和光純薬株式会社製、ヨウ素価:132)、ブドウ種子油(製品名:ブドウ種子油、富士フイルム和光純薬株式会社製、ヨウ素価:135)、ヒマワリ種子油(製品名:ヒマワリ種子油、富士フイルム和光純薬株式会社製、ヨウ素価:137)、アマニ油(亜麻仁油、ナカライテスク株式会社製、ヨウ素価:190)、ケシ油(製品名:ポピーオイル、ホルベイン画材株式会社製、ヨウ素価:132)、桐油(製品名:桐油、米山薬品工業株式会社製、ヨウ素価:232)、くるみ油(製品名:国産くるみ油、山中油店製、ヨウ素価:147)、荏油(製品名:国産荏油、山中油店製、ヨウ素価:215)など挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
前記反応性の油の含有量としては、インクの全量に対して0.05質量%以上が好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記反応性の油の含有量が、0.05質量%以上であると、画像(塗膜)を硬化させやすくすることができる。
【0013】
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0014】
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。
炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
前記有機溶剤の含有量としては、インクの全量に対して5質量%以上40質量以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下が更に好ましい。前記有機溶剤の含有量が5質量%以上であると、インクの保湿性を向上させることができるため、吐出安定性を向上させることができる。また、前記有機溶剤の含有量が40質量%以下であると、画像(塗膜)を形成する際に、画像(塗膜)の乾燥性を向上させることができるため、画像(塗膜)の耐擦過性を向上させることができる。
【0016】
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル-スチレン系樹脂、アクリル-シリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アクリル樹脂粒子及びポリウレタン樹脂粒子の少なくともいずれかであることが好ましい。
【0017】
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0018】
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0019】
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。
固形分は樹脂粒子や顔料の粒子、増粘剤のポリマー粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0020】
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0021】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、色材、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤など挙げられる。
【0022】
<<色材>>
色材としては、特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
【0023】
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35などが挙げられる。
【0024】
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
【0025】
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散性顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆型顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂株式会社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0026】
-顔料分散体-
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
【0027】
[顔料分散液の調製]
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
【0028】
-自己分散性顔料-
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
【0029】
-樹脂被覆型顔料-
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆型顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
【0030】
<<界面活性剤>>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(S-1)式で表される、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
【0032】
【化1】
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表し、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
【0033】
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社製)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社製)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社製)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社製)などが挙げられる。
【0034】
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、下記一般式(F-1)及び一般式(F-2)のいずれかで表されるフッ素系界面活性剤が特に好ましい。
【0035】
【化2】
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
【0036】
[一般式(F-2)]
2n+-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1でmは1~6の整数、又はCHCH(OH)CH-C2m+1でmは4~6の整数、又はC2P+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
【0037】
この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N、及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
【0038】
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0039】
<<消泡剤>>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
【0040】
<<防腐防黴剤>>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
【0041】
<<防錆剤>>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0042】
<<pH調整剤>>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
【0043】
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、6mPa・s以上13mPa・s以下が好ましい。25℃におけるインク粘度が6mPa・s以上13mPa・s以下であると、印刷濃度や画像品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
【0044】
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
その他、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
【0045】
(印刷物)
本発明の印刷物は、記録媒体と、該記録媒体上に、本発明のインク中の固形分を含むインク層を有する。
インク中の固形分としては、樹脂粒子、顔料粒子、増粘剤のポリマー粒子等が挙げられる。
本発明の印刷物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
印刷装置及び印刷方法により印刷して印刷物とすることができる。
【0046】
(印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置)
本発明の印刷物の製造方法は、水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを吐出する吐出工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
印刷物の製造装置は、水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを収容する収容部と、前記インクジェット用インクを吐出する吐出手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
【0047】
本発明の印刷物の製造方法は、本発明の印刷物の製造装置により好適に実施することができ、前記吐出工程は前記吐出手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は前記その他の手段により好適に実施することができる。
【0048】
<吐出工程及び吐出手段>
前記吐出工程は、水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを吐出する工程である。
前記吐出手段は、水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを吐出する手段である。
【0049】
前記インクジェット用インクは、本発明のインクジェット用インクと同様である。
【0050】
前記印刷物の製造装置において、インクジェット用インクはインクを収容する収容部に収容されている。
前記収容部としては、従来インクジェット用インクを収容するものとして用いられているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクカートリッジなどが挙げられる。
【0051】
前記インクジェット用インクを吐出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記インクジェット用インクにエネルギーを付与してインクを吐出させる方法などが挙げられる。
前記エネルギーとしては、例えば、エネルギーとしては、熱エネルギー又は力学エネルギーが挙げられる。エネルギー発生装置としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
【0052】
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、画像形成工程、加熱工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、画像形成手段、加熱手段などが挙げられる。
【0053】
<<画像形成工程及び画像形成手段>>
前記画像形成工程は、前記インクを吐出して画像を形成する工程である。
前記画像形成手段は、前記インクを吐出して画像を形成する手段である。
なお、本発明において画像とは、文字、記号、図形だけでなく、インクを用いて記録媒体上に表現されたものを意味する。
前記画像形成手段としては、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などが挙げられる。
なお、本発明において、画像形成手段及び画像形成工程を、記録装置及び記録方法と称することがある。
前記記録装置、前記記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。
【0054】
<<加熱工程及び加熱手段>>
前記加熱工程は、前記画像を加熱する工程である。
前記加熱手段は、前記画像を加熱する手段である。
前記加熱工程は、前記画像が印刷された記録媒体とともに前記画像を加熱することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾燥性、及び非浸透性基材への定着性を向上させるために、50℃以上が好ましい。記録時の乾燥温度の上限については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出信頼性、及び基材の熱変形の点から120℃以下が好ましい。更に、インクの基材に対する濡れ性の点から90℃以下がより好ましい。記録前及び記録後の乾燥温度については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出信頼性、基材の熱変形の観点から100℃以下が好ましい。
前記加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記画像形成手段を有する記録装置と一体となっているものを用いることができる。
【0055】
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材Lにより形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
【0056】
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
【0057】
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
【0058】
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
【0059】
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
【0060】
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
【実施例0061】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例では、特に記載が無い場合、インクの調製、評価は、室温25℃、相対湿度60%RHの条件下で行った。
【0062】
(顔料分散液の調製例1)
<ブラック顔料分散液(分散剤分散型)の調製>
以下の処方の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散液を得た。
[処方]
・カーボンブラック(商品名:Monarch800、キャボット社製):15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA-51-B、竹本油脂株式会社製):2質量部
・イオン交換水:83質量部
【0063】
(顔料分散液の調製例2)
<シアン顔料分散液(分散剤分散型)の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラックを、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG-7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、シアン顔料分散液を得た。
【0064】
(顔料分散液の調製例3)
<マゼンタ顔料分散液(分散剤分散型)の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラックを、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液を得た。
【0065】
(顔料分散液の調製例4)
<イエロー顔料分散液(分散剤分散型)の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラックを、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液を得た。
【0066】
(顔料分散液の調製例5)
<ブラック顔料分散液(樹脂被覆型)の調製>
<<ポリマー溶液の調製>>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。 次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。 滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。 65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。 反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液を800g得た。
<<顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>>
得られたポリマー溶液28g、及びカーボンブラック(商品名:Monarch800、キャボット社製)42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練して、ペーストを得た。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン、及び水を留去し、更に粗大粒子を除くために、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のブラック顔料分散液(樹脂分散型)を得た。
【0067】
(顔料分散液の調製例6)
<シアン顔料分散液(樹脂被覆型)の調製>
顔料分散液の調製例5において、カーボンブラックをピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG-7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例5と同様にして、顔料濃度が15質量%、固形分20質量%のシアン顔料分散液(樹脂分散型)を得た。
【0068】
(顔料分散液の調製例7)
<マゼンタ顔料分散液(樹脂被覆型)の調製>
顔料分散液の調製例5において、カーボンブラックをピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例5と同様にして、顔料濃度が15質量%、固形分20質量%のマゼンタ顔料分散液(樹脂分散型)を得た。
【0069】
(顔料分散液の調製例8)
<イエロー顔料分散液(樹脂被覆型)の調製>
顔料分散液の調製例5と同様にして、カーボンブラックを、ピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例5と同様にして、顔料濃度が15質量%、固形分20質量%のイエロー顔料分散液(樹脂分散型)を得た。
【0070】
(実施例1~32及び比較例1~5)
<インクの製造>
表1~表5に記載のインク処方に従って各材料を混合撹拌し、平均孔径1.0μmのポリプロピレンフィルターでろ過して、各インクを製造した。なお、樹脂の含有量は固形分濃度(質量%)である。
次に、得られた各インクについて、以下のようにして、「インクの粘度」を測定した。結果を表1~表5に示した。
【0071】
<インクの25℃での粘度>
各インクの粘度は、回転式粘度計(東機産業株式会社製、RE-80L)を使用して測定した。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定した。
【0072】
[画像形成]
作製したシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを、表1~表5の組み合わせで、それぞれインクジェット記録装置(VC-60000、株式会社リコー製)の改造機のインク収容容器に充填し、下記の条件で画像形成を行った。
-画像形成条件-
・画像形成速度:50m/分
・解像度:1200dpi×1200dpi
・画像:ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローのベタ画像を重ねて形成した。
・基材:PVCフィルム(商品名:GIY11Z5、リンテック株式会社製)、PETフィルム(商品名:ビューフルUV TP-188、株式会社きもと製)、綿ブロード(商品名:綿ブロード ナチュラル、日清紡株式会社製)
-乾燥条件-
・プレヒート温度:55℃
・画像形成時の温度:55℃
・乾燥温度(画像形成後の加熱):80℃
【0073】
次に、以下の方法及び評価基準に従って、諸特性の評価を行った。結果を表1~表5に示した。
【0074】
<耐擦過性試験>
画像形成部を、綿布で200gの荷重をかけて25回擦過し、綿布及び画像の状態を目視で観察し、以下の評価基準にて評価した。
[評価基準]
◎:綿布及び画像共に以上なし
〇:綿布が着色されるものの、目立った画像以上はない
△:綿布が着色され、画像異常がすぐ見てわかる(基材の露出はない)
×:綿布が着色され、基材が露出している
【0075】
<乾燥時間(乾燥性)>
室温(25℃)環境下で、ポリエチレンテレフタレート(PET)(キモトTP188、株式会社きもと製)(70mm×150mm)にバーコータでインク塗膜を形成後、80℃のホットプレートに塗膜を載せ、乾燥までにかかる時間を測定し、下記の基準で評価した。
乾燥したか否かの判断は、2cm×2cmのPET(キモトTP180、株式会社きもと製)をインク塗膜に載せた後、一定荷重をかけて10秒間静置した後、2cm×2cmのPET(キモトTP180、株式会社きもと製)を剥がした際、裏写りがなくなった時点でインク塗膜が乾燥したと定義した。
-評価条件-
基材:PET(キモトTP180、株式会社きもと製)
塗膜形成方法:ワイヤーバー線形、直径(Φ)0.3mm
塗膜乾燥方法:ホットプレート55℃
荷重:ブロッキング治具(荷重:103g/cm
[評価基準]
〇:3分間以内に乾燥
×:3分間より長い時間で乾燥
【0076】
<吐出信頼性>
作製したシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及びブラックインクを、表1~表5の組み合わせで、それぞれインクジェット記録装置(VC-60000、株式会社リコー製)の改造機のインク収容容器に充填し、45分間連続吐出した後、下記評価基準に基づいて、吐出信頼性を評価した。
[評価基準]
◎:吐出乱れや不吐出は全くみられない
○:5ノズル以下の吐出乱れ、不吐出があるがすぐに回復する
△:10ノズル以下の吐出乱れ、不吐出がある
×:吐出乱れ、不吐出がある
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
表1~表5中の各成分の詳細な内容については、以下のとおりである。
[樹脂]
・アクリル樹脂(A):商品名:Mowinyl 6969D、ジャパンコーティングレジン株式会社製、体積平均粒径110nm、固形分濃度42%
・アクリル樹脂(B):商品名:Mowinyl 6899D、ジャパンコーティングレジン株式会社製、体積平均粒径100nm、固形分濃度46%
・ウレタン樹脂(C):商品名:W6110、三井化学株式会社製、体積平均粒径90nm、固形分濃度33%
・ウレタン樹脂(D):商品名:スーパーフレックス210、第一工業株式会社製、体積平均粒径40nm、固形分濃度35%
[可塑性有機溶剤]
・3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、商品名:エクアミドM-100、出光興産株式会社製
・3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、商品名:KJCBPA(登録商標)-100、KJケミカルズ株式会社製
[水溶性有機溶剤]
・PG:プロピレングリコール、商品名:プロピレングリコール、栗本薬品工業株式会社製
・3-メチル-1,3-ブタンジオール、商品名:イソプレングリコール、株式会社クラレ社製
[反応性の油]
・亜麻仁油、商品名:亜麻仁油、ナカライテスク株式会社製
・桐油、商品名:桐油、米山薬品工業株式会社製
・ケシ油、商品名:ポピーオイル、ホルベイン画材株式会社製
・綿実油、商品名:綿実油、和光純薬株式会社製
上記、材料が乾性油であることはウィイス-シクロヘキサン法を用いて測定した。具体的には、インクジェット用インクを遠心分離機(Optima MAX-XP、150,000rpm、0.5hr)によって遠心ろ過する。インクを遠心ろ過したもの(試料)100gと反応するハロゲンの量をヨウ素のグラム数に換算し、試料中に含まれる炭素-炭素二重結合の数を測定することでインク中における反応性の油のヨウ素価を測定した。
[界面活性剤]
・ポリシロキサン界面活性剤:商品名:BYK-348、ビックケミー・ジャパン株式会社製
【0083】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有することを特徴とするインクジェット用インクである。
<2> 前記反応性の油が、JIS K 0070-1992に準拠して測定されるヨウ素価が130以上であり、かつ酸化重合により固化する乾性油である、前記<1>に記載のインクジェット用インクである。
<3> 前記乾性油の含有量が0.05質量%以上10質量%以下である、前記<2>に記載のインクジェット用インクである。
<4> 前記有機溶剤の含有量が5質量%以上40質量%以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
<5> 25℃における粘度が6mPa・s以上13mPa・s以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクジェット用インクである。
<6> 水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを吐出する吐出工程を含むことを特徴とする印刷物の製造方法である。
<7> 前記インクジェット用インクを吐出して画像を形成する画像形成工程をさらに含む、前記<6>に記載の印刷物の製造方法である。
<8> 前記画像を加熱する加熱工程をさらに含む、前記<7>に記載の印刷物の製造方法である。
<9> 水、有機溶剤、樹脂、及び反応性の油を含有するインクジェット用インクを収容する収容部と、
前記インクジェット用インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする印刷物の製造装置である。
【0084】
前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェット用インク、前記<6>から<8>に記載の印刷物の製造方法、及び前記<9>に記載の印刷物の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0085】
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開2017-109420公報
図1
図2