(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023111885
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】マルチゾーンラミネートヒータープレート
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230803BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
H01L21/68 N
C23C16/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023011044
(22)【出願日】2023-01-27
(31)【優先権主張番号】63/305,132
(32)【優先日】2022-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ホアキン・アギュラー・サンティラン
(72)【発明者】
【氏名】シュバム・ガーグ
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ガオ
(72)【発明者】
【氏名】トッド・ダン
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー・クタト
【テーマコード(参考)】
4K030
5F131
【Fターム(参考)】
4K030GA02
5F131AA02
5F131CA03
5F131EA24
5F131EB11
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB85
5F131KA23
5F131KA54
(57)【要約】
【課題】従来のESCサセプターは、所望の温度制御ができない場合がある。
【解決手段】ヒーターアセンブリはラミネートヒータープレートおよびシャフトを有する。ラミネートヒータープレートは複数の層から形成され、一つまたは複数の層は、発熱体、RF電極、冷却チャネル、およびRTDセンサーのうちの一つまたは複数を備えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材支持アセンブリであって、
ラミネートヒータープレートであって、
複数の層であって、
RF電極を備える第一の層と、
第一の抵抗温度検出器(RTD)を備える第二の層と、
発熱体を備える第三の層と、を備え、
前記第一、第二、および第三の層が水平に配置され、かつ積層される、複数の層と、
前記複数の層を垂直に貫通して延在する第一のチャネルと、を備えるラミネートヒータープレートと、
前記ラミネートヒータープレートに連結するシャフトであって、
側壁によって画成される中空部と、
前記側壁内に配置され、前記第一のチャネルに流体連通する、第二のチャネルと、を備える、シャフトと、
を備える、基材支持アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の層の各層は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)を含むセラミック材料から形成される、請求項1に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項3】
前記第二の層が、同心円を形成する第一の複数のRTDを備える、請求項1に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項4】
前記第三の層が、第一の発熱体、第二の発熱体、および第三の発熱体を備える複数の発熱体を備える、請求項1に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項5】
前記第一の発熱体が、前記ラミネートヒータープレートの中心点から第一の距離に配置され、前記第二の発熱体が、前記ラミネートヒータープレートの前記中心点から第二の距離に配置され、前記第三の発熱体が、前記ラミネートヒータープレートの前記中心点から第三の距離に配置され、前記第二の距離が前記第一の距離よりも大きく、かつ前記第三の距離が前記第二の距離よりも大きい、請求項4に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項6】
前記第一、第二、および第三の発熱体が互いに電気的に絶縁されている、請求項5に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項7】
前記第二の層が、前記第一の層と前記第三の層との間に配置される、請求項1に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項8】
第二の複数のRTDを備える第四の層をさらに備える、請求項7に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項9】
前記第四の層が、前記第二の層と前記第三の層との間に配置される、請求項8に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項10】
ラミネートヒータープレートであって、
複数の層であって、
外向きの上面を備える第一の層と、
電極を備える第二の層と、
第一の複数の抵抗温度検出器(RTD)を備える第三の層と、
第二の複数のRTDを備える第四の層と、
複数の発熱体を備える第五の層であって、前記複数の発熱体が、第一のゾーン内に配置された発熱体の第一のセット、第二のゾーン内に配置された発熱体の第二のセット、および第三のゾーン内に配置された発熱体の第三のセットを備え、前記第一、第二、および第三のゾーンが、前記ヒータープレートの中心点と同心である、第五の層と、を備え、
前記第一、第二、第三、第四、および第五の層が、水平に配置され、かつ順に積層される、複数の層を備える、ラミネートヒータープレート。
【請求項11】
前記上面から突出する接触領域支持部をさらに備える、請求項10に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項12】
前記上面から少なくとも前記第二の層を垂直に貫通して延在する第一のチャネルをさらに備える、請求項10に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項13】
前記発熱体の第一のセット、前記発熱体の第二のセット、および前記発熱体の第三のセットが、互いに電気的に絶縁されている、請求項10に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項14】
前記第二の層と前記第五の層との間に介在する第六の層をさらに備える、請求項10に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項15】
前記第一のチャネルと流体連通し、前記第六の層を通って水平に延在する第二のチャネルをさらに備える、請求項14に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項16】
前記第二の層が、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含む第一のセラミック材料をさらに含み、
前記第三の層が、前記第一のセラミック材料とは異なる第二のセラミック材料をさらに含み、前記第二のセラミック材料が、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含み、および
前記第五の層が、前記第一および第二のセラミック材料とは異なる第三のセラミック材料をさらに含み、前記第三のセラミック材料が、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含む、請求項10に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項17】
前記複数の層の各層が、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含む同じセラミック材料をさらに含む、請求項10に記載のラミネートヒータープレート。
【請求項18】
基材支持アセンブリであって、
ラミネートヒータープレートであって、
セラミック材料から形成される複数の層であって、前記複数の層が、
外向きの上面を備える第一の層と、
電極を備える第二の層と、
第一の複数の抵抗温度検出器(RTD)を備える第三の層と、
第二の複数のRTDを備える第四の層と、
複数の発熱体を備える第五の層であって、前記複数の発熱体が、発熱体の第一のセット、発熱体の第二のセット、および発熱体の第三のセットを備える、第五の層と、を備える複数の層と、
前記上面から垂直に、かつ前記複数の層の少なくとも一つの層を貫通して延在する第一のチャネルと、
第六の層を通って水平に延在する第二のチャネルと、を備えるラミネートヒータープレートと、
前記ラミネートヒータープレートに連結するシャフトであって、
側壁によって画成される中空部と、
前記側壁内に配置された第三のチャネルと、を備えるシャフトと、
を備える、基材支持アセンブリ。
【請求項19】
前記セラミック材料が、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、および四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの少なくとも一つを含むセラミック材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項18に記載の基材支持アセンブリ。
【請求項20】
前記発熱体の第一のセットが第一のゾーン内に配置され、前記発熱体の第二のセットが第二のゾーン内に配置され、前記発熱体の第三のセットが第三のゾーンに配置され、前記第一、第二、および第三のゾーンが、前記ラミネートヒータープレートの中心点と同心であり、発熱体の各セットが、前記発熱体の他のセットから電気的に絶縁されている、請求項18に記載の基材支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ねラミネートヒータープレートに関する。より具体的には、本開示は、一体化されたRF電極、RTDセンサー、発熱体、およびチャネルを備えるラミネートヒータープレートに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセス中に使用される装置は、基材(例えば、ウェーハ)を支持するためにサセプター(すなわち、ヒータープレート)を提供することができる。場合によっては、ヒータープレートはまた、静電チャック(ESC)機能を提供する。従来のESCサセプターは、所望の温度制御ができない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
ヒーターアセンブリはラミネートヒータープレートおよびシャフトを有する。ラミネートヒータープレートは複数の層から形成され、一つまたは複数の層は、発熱体、RF電極、冷却チャネル、およびRTDセンサーのうちの一つまたは複数を備えることができる。
【0004】
一態様によれば、基材支持アセンブリは、ラミネートヒータープレートであって、RF電極を備える第一の層と、第一の抵抗温度検出器(RTD)を備える第二の層と、発熱体を備える第三の層と、を備える複数の層であって、第一の層、第二の層、および第三の層が水平に配置されかつ積層される、複数の層と、複数の層を垂直に貫通して延在する第一のチャネルと、を備えるラミネートヒータープレートと、ラミネートヒータープレートに連結するシャフトであって、側壁によって画成される中空部と、側壁内に配置され、第一のチャネルに流体連通する第二のチャネルと、を備えるシャフトと、を備える。
【0005】
上記の基材支持アセンブリでは、複数の層の各層は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)を含むセラミック材料から形成される。
【0006】
上記基材支持アセンブリにおいて、第二の層は、同心円を形成する第一の複数のRTDを備える。
【0007】
上記基材支持アセンブリにおいて、第三の層は、第一の発熱体、第二の発熱体、および第三の発熱体を備える複数の発熱体を備える。
【0008】
上記基材支持アセンブリにおいて、第一の発熱体は、ラミネートヒータープレートの中心点から第一の距離に配置され、第二の発熱体は、ラミネートヒータープレートの中心点から第二の距離に配置され、第三の発熱体は、ラミネートヒータープレートの中心点から第三の距離に配置され、第二の距離は第一の距離よりも大きく、かつ第三の距離は第二の距離よりも大きい。
【0009】
上記基材支持アセンブリでは、前記第一、第二、および第三の発熱体は互いに電気的に絶縁されている。
【0010】
上記基材支持アセンブリでは、第二の層は、第一の層と第三の層との間に配置される。
【0011】
上記基材支持アセンブリでは、基材支持アセンブリは、第二の複数のRTDを備える第四の層をさらに備える。
【0012】
上記基材支持アセンブリでは、第四の層は、第二の層と第三の層との間に配置される。
【0013】
別の態様によれば、ラミネートヒータープレートは、外向きの上面を備える第一の層と、電極を備える第二の層と、第一の複数の抵抗温度検出器(RTD)を備える第三の層と、第二の複数のRTDを備える第四の層と、複数の発熱体を備える第五の層であって、複数の発熱体が、第一のゾーン内に配置された発熱体の第一のセット、第二のゾーン内に配置された発熱体の第二のセット、および第三のゾーン内に配置された発熱体の第三のセットを備え、第一、第二、および第三のゾーンが、ヒータープレートの中心点と同心である、第五の層と、を備え、第一、第二、第三、第四、および第五の層が、水平に配置され、かつ順に積層される、複数の層を備える。
【0014】
上記のラミネートヒータープレートでは、ラミネートヒータープレートは、上面から突出する接触領域支持部をさらに備える。
【0015】
上記ラミネートヒータープレートでは、ラミネートヒータープレートは、上面から少なくとも第二の層を垂直に貫通して延在する第一のチャネルをさらに備える。
【0016】
上記ラミネートヒータープレートでは、発熱体の第一のセット、発熱体の第二のセット、および発熱体の第三のセットが、互いに電気的に絶縁されている。
【0017】
上記ラミネートヒータープレートでは、ラミネートヒータープレートは、第二の層と第五の層との間に介在する第六の層をさらに備える。
【0018】
上記ラミネートヒータープレートでは、ラミネートヒータープレートは、第一のチャネルと流体連通し、第六の層を通って水平に延在する第二のチャネルをさらに備える。
【0019】
上記ラミネートヒータープレートでは、第二の層は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含む第一のセラミック材料をさらに含み、第三の層は、第一のセラミック材料とは異なる第二のセラミック材料をさらに含み、第二のセラミック材料は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含み、第五の層は、第一および第二のセラミック材料とは異なる第三のセラミック材料をさらに含み、第三のセラミック材料は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含む。
【0020】
上記ラミネートヒータープレートでは、複数の層の各層は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの一つを含む同じセラミック材料をさらに含む。
【0021】
別の態様によれば、基材支持アセンブリは、ラミネートヒータープレートであって、セラミック材料から形成される複数の層であって、複数の層が、外向きの上面を備える第一の層と、電極を備える第二の層と、第一の複数の抵抗温度検出器(RTD)を備える第三の層と、第二の複数のRTDを備える第四の層と、複数の発熱体を備える第五の層であって、複数の発熱体が、発熱体の第一のセット、発熱体の第二のセット、および発熱体の第三のセットを備える、第五の層と、を備える複数の層と、上面から垂直に、かつ複数の層の少なくとも一つの層を貫通して延在する第一のチャネルと、第六の層を通って水平に延在する第二のチャネルと、を備えるラミネートヒータープレートと、ラミネートヒータープレートに連結するシャフトであって、側壁によって画成される中空部と、側壁内に配置された第三のチャネルと、を備えるシャフトと、を備える。
【0022】
上記基材支持アセンブリでは、セラミック材料が、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、および四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)のうちの少なくとも一つを含むセラミック材料のうちの少なくとも一つを含む。
【0023】
上記基材支持アセンブリでは、発熱体の第一のセットは第一のゾーン内に配置され、発熱体の第二のセットは第二のゾーン内に配置され、発熱体の第三のセットは第三のゾーンに配置され、第一、第二、および第三のゾーンは、ラミネートヒータープレートの中心点と同心であり、発熱体の各セットは発熱体の他のセットから電気的に絶縁されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に開示の本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、いくつかの実施形態の図面を参照して以下に説明され、これらは本発明を例示することを意図しており、限定することを意図していない。
【0025】
【
図1】本技術の様々な実施形態によるシステムを代表的に例示する。
【
図2】本技術の実施形態によるラミネートヒータープレートの断面図を代表的に例示する。
【
図3】本技術の様々な実施形態によるラミネートヒータープレートの上面図を代表的に例示する。
【
図4】本技術の実施形態によるラミネートヒータープレートの一部の断面図を代表的に例示する。
【
図5】本技術の様々な実施形態によるラミネートヒータープレートの断面
図A-Aを代表的に例示する。
【
図6】本技術の様々な実施形態によるラミネートヒータープレートの層の分解立体図を代表的に例示する。
【
図7】本技術の様々な実施形態によるラミネートヒータープレートの断面図を代表的に例示する。
【0026】
図中の要素は簡略化および明確化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されるであろう。例えば、図中のいくつかの要素の相対的なサイズは、本開示の図示された実施形態の理解を深めるのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、同様の参照番号が本開示の類似の構造的特徴または態様を識別する図面を参照する。
【0028】
以下に提供される例示的な実施形態の説明は、単に例示であり、説明のみを目的とし、以下の説明が、開示または特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。さらに、記載された特徴を有する複数の実施形態の記載は、別の特徴を有する他の実施形態も、記載された特徴の異なる組み合わせを組み込んだ他の実施形態も排除することを意図しない。
【0029】
本開示は、概ね、半導体デバイスの製造中に使用されるラミネートヒータープレートに関する。
【0030】
図1を参照すると、例示的なシステム100は、コントローラー105に電気的に接続する反応器103を備えてもよい。様々な実施形態では、反応器103は、反応チャンバー110およびガス分配アセンブリ115を備えることができる。ガス分配アセンブリ115は、複数の穴を備えるプレートを備えることができる。ガス分配アセンブリ115は、反応チャンバー110の上方に配置されることができる。様々な実施形態では、反応チャンバー110は、反応チャンバー110およびガス分配アセンブリ115の側壁によって画成される反応空間120を備えることができる。システム100は、反応チャンバー110の反応空間120内で、かつガス分配アセンブリ115の下に配置される基材支持アセンブリ(すなわち、ヒーターアセンブリ)をさらに備えることができる。基材支持アセンブリは、基材、例えばウェーハ135を支持するように構成されることができる。
【0031】
様々な実施形態では、
図1、2、および6を参照すると、基材支持アセンブリは、ヒータープレート125およびシャフト130を備えることができる。シャフト130は、ヒータープレート125の底面に物理的に連結されていてもよい。シャフト130は、シャフト130の側壁によって画成される中空部を備えてもよい。
図2は、シャフト130から分離されたヒータープレート125を例示しているが、完全に組み立てられると、シャフト130はヒータープレート125の底部面に当接する。ヒータープレート125は、12インチ~18インチの範囲の直径を有することができ、特定のサイズのウェーハ135を収容するように選択されることができる。
【0032】
様々な実施形態では、ヒータープレート125は、水平に配置され、互いに積層され、そして互いに結合して積層構造を形成する複数の層215(すなわち、ラミネートヒータープレート)から形成されることができる。層215は、複数の層を例えば1400℃~1600℃の範囲の高温に数時間(例えば約5時間)さらすことによって結合させてもよい。ヒータープレート125は、任意の数の層を備えてもよい。層215の数は、ヒータープレート125の用途、所望の静電クランプ機能、所望の冷却機能、所望の温度感知機能、ヒータープレートの所望の全体の厚さ等に基づくことができる。各層215は、0.3mm~0.99mmの範囲の厚さを有してもよい。各層215は、セラミック材料、例えばアルミナ、マグネシウム、シリカ、モリブデン、チタン、および/または酸素のうちの一つまたは複数を含むことができる。具体的には、各層215は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、または四酸化二アルミニウムマグネシウム(Al2MgO4)から形成されてもよい。各層215は、従来の方法を使用して形成することができ、これには、湿式粉砕、脱水、流体スラリーを作製するための溶媒の添加、アルミナスラリーの脱気、またはアルミナスラリーを平板に注ぎ、ゆっくりと冷却することが含まれる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ラミネートヒータープレート125を形成するために使用される各層215は、同じ材料から形成されてもよい。例えば、ラミネートヒータープレート125は、窒化アルミニウムで作られた層215のみから形成されてもよい。
【0034】
あるいは、ラミネートヒータープレート125は、異なる材料で作製された層から形成されてもよい。例えば、ある層を窒化アルミニウムで作製し、同じスタックの別の層を酸化アルミニウムで作製し、同じスタックのさらに別の層を四酸化二アルミニウムマグネシウムで作製してもよい。
【0035】
様々な実施形態では、各層215は、RF電極220、抵抗温度検出器(RTD)センサー225、発熱体230、およびチャネル235のうちの一つまたは複数をさらに備えることができる。
【0036】
様々な実施形態では、RF電極220は、基材(例えば、ウェーハ)をヒータープレート125の上面240に固定するための静電チャックを設けるように構成されてもよい。RF電極220は、メッシュパターン、曲がりくねったパターン、またはウェーハの領域全体に均一なクランプ力をもたらす任意の他の好適なパターンを形成してもよい。RF電極220は、金属、例えばモリブデン、タングステン、ニオブ、および/またはそれらの組み合わせを含むことができる。様々な実施形態では、RF電極220は、ラミネートヒータープレート125の一つまたは複数の層内に組み込まれてもよく、あるいは埋め込まれてもよい。例示的な実施形態では、RF電極220は、ヒータープレート125の上面の近傍または上面に配置されてもよい。換言すると、RF電極125は、ラミネートヒータープレート125の上層(例えば、上15層内)のうちの一つまたは複数内に組み込まれてもよい。
【0037】
様々な実施形態では、ヒータープレートは、複数のRTDセンサー225を備え、各センサー225は、温度を感知するか、あるいは他の方法で検出するように構成されることができる。RTDセンサー225は、ヒータープレート125の一つまたは複数の層内に組み込まれてもよく、あるいは埋め込まれてもよい。例えば、ラミネートヒータープレート125の単一層215は、複数のRTDセンサー225を備えてもよい。追加的に、または代替的に、各層は、単一のRTDセンサー225を備えてもよい。各RTDは、プラチナ、ニッケル、銅、またはそれらの組み合わせから形成される金属ワイヤーを備えることができる。様々な実施形態では、一つまたは複数のRTDセンサー225は、ヒータープレート125の上層、中間層、および/または底部層内に組み込まれてもよい。ラミネートヒータープレート125全体内のRTDセンサー225の特定の配置/位置は、他の構成要素、例えばRF電極220、チャネル235、発熱体230、および/またはより正確な温度監視が望まれる場合がある他の任意の領域の配置に従って決定されることができる。例示的な実施形態では、RTDセンサー225は、チャネル235近傍、RF電極220の上方および/もしくは下方、ならびに/または発熱体230の上方および/もしくは下方に配置されてもよい。さらに、一つまたは複数のRTDセンサー225は、シャフト130に隣接して配置されてもよい。
【0038】
様々な実施形態では、一つの層内に配置されるRTDセンサー225は、例えば等距離間隔または他の対称パターンを有する均一なパターンを有してもよい。しかし、他の層では、RTDセンサー225は、不均一なパターン/間隔を有してもよい。各RTDセンサー225は、金属、例えば白金、ニッケル、銅、合金、および/またはその他の任意の好適な金属を含んでもよい。
【0039】
様々な実施形態では、ヒータープレート125は、ヒータープレート125を所望の温度に加熱するために、複数の発熱体230をさらに備えてもよい。発熱体230は、ラミネートヒータープレート125の一つまたは複数の層内に組み込まれてもよく、あるいは埋め込まれてもよい。発熱体230は、ヒータープレート125に均一な熱分布をもたらすように配置されることができ、したがって、任意の好適なパターン、例えば曲がりくねったパターン、対称パターン等で配置されることができる。いくつかの実施形態では、発熱体230は、互いに等距離に離間し、外側に放射状に広がってもよい。例えば、一つめの発熱体は中心点から第一の距離に配置されてもよく、第二の発熱体は中心点から第一の距離よりも遠い第二の距離に配置されてもよく、第三の発熱体は、ヒータープレート125の中心点から第二の距離よりも遠い第三の距離に配置されてもよい。発熱体230は、任意の適切な金属、例えばモリブデン、タングステン、ニオブ、および/またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0040】
様々な実施形態では、ヒータープレートは、ヒータープレート125の温度を制御するために、一つまたは複数のチャネル235をさらに備えてもよい。チャネル235は、水もしくは他の冷却流体、または不活性ガス(例えば、ヘリウム、アルゴン、または窒素)をそこを通って流すように構成されることができる。チャネル235は、ヒータープレート125およびウェーハ135の熱均一性を改善させることができる。さらに、場合によっては、チャネル235を通ってガスを流して、ウェーハ135の裏面上をパージすることができる。
【0041】
一実施形態では、
図2を参照すると、チャネル235は、ヒータープレート125およびシャフト130の側壁内に埋め込まれてもよい。
【0042】
別の実施形態では、
図5および
図6を参照すると、基材支持アセンブリは、垂直に配置され、ヒータープレート125の上面240から複数の層215、例えば第一の層、第二の層、および第三の層215(1)~215(3)を貫通して延在する第一のチャネル505を備えてもよい。基材支持アセンブリは、水平に配置され、第一のチャネル505に流体連通する第二のチャネル510をさらに備えてもよい。さらに、基材支持アセンブリは、第二のチャネル510に流体連通し、シャフト130の側壁を通って延在する第三のチャネル515をさらに備えてもよい。
【0043】
例示的な実施形態によれば、
図6を参照すると、第二の層215(2)はRF電極220を備えてもよく、第三の層215(3)は第一の複数のRTDセンサー225を備えてもよく、第四の層215(4)は水平に配向した第二のチャネル510を備えてもよく、第五の層215(5)は第二の複数のRTDセンサー225を備えてもよく、第六の層215(6)は複数の発熱体230を備えてもよい。後続の層、例えば層215(7)および215(8)は、トレースルーティングまたは他の電気接続に使用されてもよい。
【0044】
様々な実施形態では、一つの層215は、単一の要素を備えることができる。例えば、
図2を参照すると、第一の層215(1)はRTDセンサー225のみを備え、第二の層215(2)はRF電極220のみを備え、別の層は発熱体230のみを備える。
【0045】
様々な実施形態では、
図1および2を参照すると、RF電極220、RTDセンサー225、および発熱体230は、コントローラー105または他の処理装置に接続してもよい。コントローラー/処理装置105は、RF電極225および発熱体230と制御信号の受信および/または送信をしてもよい。
【0046】
さらに、コントローラー/処理装置105は、各RTDセンサー225の抵抗を測定し、測定された抵抗値を温度に変換するように構成されてもよい。コントローラー/処理装置105は、測定された抵抗値および/または温度情報を使用して、発熱体および/またはチャネルを制御してもよい。例えば、チャネル235の近傍で検出された温度が所望の温度を超える場合、コントローラー/処理装置105は、発熱体230の温度を上昇させ、および/またはチャネル235の冷却能力を低下させることができる。あるいは、チャネル235の近傍で検出された温度が所望の温度未満の場合、コントローラー/処理装置105は、発熱体230の温度を低下させ、および/またはチャネル235の冷却能力を向上させることができる。
【0047】
同様に、発熱体230の近傍で検出された温度が所望の温度を超える場合、コントローラー/処理装置105は、発熱体230の温度を低下させ、および/またはチャネル235の冷却能力を向上させることができる。あるいは、発熱体230の近傍で検出された温度が所望の温度未満の場合、コントローラー/処理装置105は、発熱体230の温度を上昇させ、および/またはチャネル235の冷却能力を低下させることができる。
【0048】
さらに、RTDを第一の層215(1)の近傍または第一の層215(1)に配置して、ラミネートヒータープレート125の上面240の温度を測定することができる。上面240の近傍で検出された温度が所望の温度を超える場合、コントローラー/処理装置105は、発熱体230の温度を低下させ、および/またはチャネル235の冷却能力を向上させることができる。あるいは、上面240の近傍で検出された温度が所望の温度未満の場合、コントローラー/処理装置105は、発熱体230の温度を上昇させることができる。
【0049】
様々な実施形態では、コントローラー/処理装置は、各RTDセンサーの抵抗を個別に監視することができる。同様に、コントローラー/処理装置は、各発熱体を個別に制御することができる。さらに、または代替的に、コントローラー/処理装置105は、単一の制御信号で複数の発熱体230を制御することができる。同様に、コントローラー/処理装置105は、RF電極を個別にまたは一括して制御することができる。
【0050】
様々な実施形態では、様々な構成要素、例えばシャフト内に組み込まれたRTDセンサー、発熱体、チャネル、および/またはRF電極は、ヒータープレート内に組み込まれた発熱体、チャネル、RTDセンサー、および/またはRF電極と別個に制御されることができる。
【0051】
様々な実施形態では、RF電極220、発熱体230、およびRTDセンサー225は、スクリーン印刷または他の好適な方法によって、各層215に別々に適用されてもよい。次に、層215は、接合方法、例えば拡散接合、静的加圧、または任意の他の好適な方法を使用して互いに積層され、ラミネートヒータープレート125を形成することができる。
【0052】
RF電極220、発熱体230、およびRTDセンサー225への/からの電気接続は、層215全体を通って、シャフト130の中空領域を通り、そしてコントローラー105まで配線されることができる。
【0053】
様々な実施形態では、
図3および4を参照すると、ラミネートヒータープレート125の上面240は、ウェーハ135が直接載る、上面240から延在する、あるいは突出する(
図3に例示するような)隆起バンプまたはリッジパターンを備える最小接触領域315を備えることができる。最小接触領域315は、任意の所望の形状またはパターンを含むことができる。
【0054】
さらに、ラミネートヒータープレート125は、ヒータープレート125の周囲に隆起したエッジ405をさらに備え、ウェーハ135が収まるポケットを形成することができる。隆起したエッジ405は、ウェーハ135が左右に移動するのを防ぎ、ウェーハ135がヒータープレート125上で所望の中心位置を維持できるようにすることができる。
【0055】
例示的な実施形態では、
図3および
図7を参照すると、最小接触領域は、第一のリング320、第二のリング325、および第三のリング330を備えることができる。第一のリング、第二のリング、および第三のリング320、325、330は、ヒータープレート125の中心点と同心であり、互いに同心であってもよい。第一のリング320は第一の直径を有し、中心点から第一の距離に配置され、第二のリング325は第二の直径を有し、中心点から第二の距離に配置され、第三のリング330は第三の直径を有し、中心点から第三の距離に配置されることができる。第二の距離は、第一の距離より大きく、第三の距離よりも小さくすることができる。例示的な実施形態では、第一のリング320は第一の温度ゾーン300を画成し、第二のリング325は第二の温度ゾーン305を画成し、第三のリングは第三の温度ゾーン310を画成する。具体的には、第一の温度ゾーン300は、第一のリング320内の領域であり、第二の温度ゾーン305は、第一のリング320と第二のリング325との間の領域であり、第三の温度ゾーン310は、第二のリング325と第三のリング330との間の領域である。しかし、別の実施形態では、温度ゾーンは、他の構造、例えば発熱体230によって画成されてもよい。
【0056】
様々な実施形態では、温度ゾーンは、電気接続および発熱体230の配置に従って画成されてもよい。例えば、発熱体の第一のセットを電気的に接続して一緒に作動させることができ、一方、発熱体の第二のセットを電気的に接続して一緒に作動させることができ、一方、発熱体の第三のセットを電気的に接続して一緒に作動させることができる。この場合、発熱体の第一のセット、第二のセット、および第三のセットは、互いに電気的に絶縁されることができる。例えば、各セットは単一のコントローラー105に電気的に接続されてもよいが、コントローラー105は第一の制御信号を生成し、第一の制御信号を発熱体の第一のセットに送ってもよい。さらに、コントローラー105は、第二の制御信号を生成し、第二の制御信号を発熱体の第二のセットに送ってもよい。さらに、コントローラー105は、第三の制御信号を生成し、第二の制御信号を発熱体の第三のセットに送ってもよい。例示的な実施形態では、第一の温度ゾーン300内に配置される発熱体230は全ての第一の制御信号を受信することができ、第二の温度ゾーン305内に配置される発熱体230は第二の制御信号を受信することができ、第三の温度ゾーン310内に配置される発熱体230は第三の制御信号を受信することができる。各制御信号は、特定の所望の温度に対応することができる。
【0057】
様々な実施形態では、コントローラー105は、RTDセンサー225からの信号および/またはデータに基づいて制御信号を生成し、RTDセンサー225からの信号に基づいて発熱体のセットを独立して制御することができる。例えば、発熱体230の特定のセットに隣接するRTDセンサーからの信号を使用して、それらの特定の発熱体230を制御することができる。具体的には、
図7を参照すると、第一の温度ゾーン300に配置され、発熱体の第一のセットに隣接するRTDセンサー225からの信号を使用して、発熱体の第一のセットを制御することができる。同様に、第二の温度ゾーン305に配置され、発熱体の第二のセットに隣接するRTDセンサー225からの信号を使用して、発熱体の第二のセットを制御することができる。同様に、第三の温度ゾーン310に配置され、発熱体の第三のセットに隣接するRTDセンサー225からの信号を使用して、発熱体の第三のセットを制御することができる。
【0058】
前述の説明では、具体的な例示的な実施形態を参照して技術を説明した。図示および説明された特定の実施形態は、技術およびその最良の態様を例示するものであり、決して本技術の範囲を限定することを意図したものではない。実際、簡潔にするために、従来の製造、連結、調製、ならびに方法およびシステムの他の機能的態様については詳細に説明されない場合がある。さらに、様々な図に示される連結する線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または工程を表すことを意図している。実際のシステムには、多くの代替もしくは追加の機能的関係または物理的連結が存在する場合がある。
【0059】
具体的な例示的な実施形態を参照して技術を説明した。しかし、本技術の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができる。説明および図は、限定的ではなく、例示的なものとして見なされるべきであり、このような全ての修正は、本技術の範囲内に含まれることが意図される。したがって、本技術の範囲は、単に上記の具体的な実施例によってではなく、説明された一般的な実施形態およびそれらの法的同等物によって決定されるべきである。例えば、任意の方法またはプロセスの実施形態で記載された工程は、特に明記しない限り、任意の順序で実行されてもよく、具体的な実施例で示された明示的な順序に限定されない。さらに、任意の装置の実施形態で記載された構成要素および/または要素は、本技術と実質的に同じ結果を生成するために、様々な配列で組み立てられ、あるいは動作可能に構成されてもよく、したがって、具体的な実施例で記載された具体的な構成に限定されない。
【0060】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上で説明されている。ただし、利益、利点、問題の解決策、またはあらゆる特定の利益、利点、もしくは解決策を生じさせ、もしくはより顕著にする可能性のあるあらゆる要素は、重要な、所望の、または必須の機能としても構成要素としても解釈されるべきではない。
【0061】
用語「含む」、「含んでいる」、またはその任意の変形は、非排他的に含むことを指すことを意図する。その結果、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、組成物または装置が、記載された要素のみを含むのではなく、明示的に記載されていない、またはこのようなプロセス、方法、物品、組成物、または装置に固有の他の要素を含む場合もある。上記の構造、配置、用途、割合、要素、材料、もしくは、具体的に記載されていないものに加えて、本技術の実施に使用される構成要素の他の組み合わせおよび/または修正は、具体的な環境、製造仕様、設計パラメーター、またはその他の動作要件に合わせて、その一般原則から逸脱することなく変更、あるいは個別に適合させることができる。
【0062】
以上、本技術について、例示的な実施形態を参照しながら説明した。しかし、本技術の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に変更および修正を行うことができる。これらのおよび他の変更または修正は、以下の特許請求の範囲に記載されているように、本技術の範囲内に含まれることを意図する。
【外国語明細書】