IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 旭化成エレクトロニクス株式会社の特許一覧

特開2023-112058感染リスク判定システム、感染リスク判定方法および感染リスク判定プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112058
(43)【公開日】2023-08-10
(54)【発明の名称】感染リスク判定システム、感染リスク判定方法および感染リスク判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20230803BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101080
(22)【出願日】2023-06-20
(62)【分割の表示】P 2022037727の分割
【原出願日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2021053635
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐津 勇作
(72)【発明者】
【氏名】古屋 貴明
(57)【要約】
【解決手段】二酸化炭素を含む気体が収容される内部空間を有する判定対象における二酸化炭素濃度と、判定対象における環境情報とに基づいて、判定対象に存在する一または複数の生体が、判定対象に存在する感染源に感染する感染リスク度合いを判定する判定部を備える判定装置と、判定部による感染リスク度合いの判定結果に基づいて、内部空間における気流、内部空間の温度、内部空間の湿度、内部空間における紫外線の強度、および、内部空間における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御するリスク制御部と、リスク制御部による制御状態を表示する表示部とを備え、環境情報は、生体の音情報、生体の数情報、生体の体温情報、生体の鼻または口の露出情報、複数の生体の間の距離情報、生体の位置情報、生体の滞留時間情報、および、生体の運動情報の少なくとも一つを含む、感染リスク判定システムを提供する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を含む気体が収容される内部空間を有する判定対象における二酸化炭素濃度と、前記判定対象における環境情報とに基づいて、前記判定対象に存在する一または複数の生体が、前記判定対象に存在する感染源に感染する感染リスク度合いを判定する判定部を備える判定装置と、
前記判定部による前記感染リスク度合いの判定結果に基づいて、前記内部空間における気流、前記内部空間の温度、前記内部空間の湿度、前記内部空間における紫外線の強度、および、内部空間における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御するリスク制御部と、
前記リスク制御部による制御状態を表示する表示部と、
を備え、
前記判定対象には、撮像部が配置され、
前記環境情報は、前記生体の数情報を含み、
前記生体の数情報は、前記撮像部により撮像された前記判定対象の画像に基づく情報である、
感染リスク判定システム。
【請求項2】
前記生体は、人間であり、
前記環境情報は、前記人間の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つをさらに含み、
前記判定部は、前記人間の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つに基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項1に記載の感染リスク判定システム。
【請求項3】
前記環境情報は、前記生体の前記感染源への感染状況に関する統計情報をさらに含み、
前記判定部は、前記統計情報に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項1または2に記載の感染リスク判定システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記内部空間における気流情報および前記内部空間における前記生体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、請求項1から3のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項5】
前記環境情報は、前記内部空間において予め定められた量を超える二酸化炭素を排出する二酸化炭素排出部の情報および前記気体に含まれる物質を捕捉する物質捕捉部の情報の少なくとも一方をさらに含み、
前記判定部は、前記二酸化炭素排出部の情報および前記物質捕捉部の情報の少なくとも一方に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項6】
前記内部空間における前記二酸化炭素濃度を取得する二酸化炭素濃度取得部をさらに備え、
前記判定対象には、前記二酸化炭素濃度取得部が配置され、
前記判定部は、前記二酸化炭素濃度取得部により測定された前記二酸化炭素濃度の時間変化率が予め定められた閾値変化率を超えた場合、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項7】
前記判定対象における二酸化炭素濃度の分布を取得する分布取得部をさらに備え、
前記判定対象において、複数の前記二酸化炭素濃度取得部が相互に異なる位置に配置され、
前記分布取得部は、複数の前記二酸化炭素濃度取得部により測定された複数の二酸化炭素濃度に基づいて、前記二酸化炭素濃度の分布を取得し、
前記判定部は、前記二酸化炭素濃度の分布に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項6に記載の感染リスク判定システム。
【請求項8】
前記環境情報は、前記生体の位置情報をさらに含み、
前記判定対象には、前記内部空間の外部の気体を前記内部空間に供給する供給部と、前記内部空間の気体を前記内部空間の外部に排出する排出部とが設けられ、
前記内部空間の気体は、前記内部空間において前記供給部から前記排出部への方向に移動し、
前記判定部は、前記内部空間の気体の前記方向への流路と、前記生体の位置との関係に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項9】
前記環境情報は、前記内部空間の温度および湿度の少なくとも一方をさらに含み、
前記判定部は、前記内部空間の温度および湿度の少なくとも一方に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項10】
前記表示部は、前記判定部による前記感染リスク度合いの判定結果をさらに表示する、請求項1から9のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項11】
前記表示部は、前記生体の数情報がゼロである、前記判定対象の画像を取得してから予め定められた時間、前記感染リスク度合いの判定結果を表示する、請求項1から10のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項12】
前記表示部は、前記環境情報のうち、前記感染リスク度合いの判定結果に最も寄与度の大きい前記環境情報を表示する、請求項1から11のいずれか一項に記載の感染リスク判定システム。
【請求項13】
前記環境情報および前記二酸化炭素濃度が入力された場合、前記環境情報および前記二酸化炭素濃度に対する前記感染リスク度合いの判定結果を出力する判定推論モデルをさらに備え、
前記判定推論モデルに一の前記環境情報および一の前記二酸化炭素濃度の少なくとも一方が入力されている場合において、他の前記環境情報および他の前記二酸化炭素濃度の少なくとも一方が入力された場合、前記表示部は、前記感染リスク度合いの判定結果の変化を表示する、
請求項12に記載の感染リスク判定システム。
【請求項14】
二酸化炭素濃度取得部が、二酸化炭素を含む気体が収容される内部空間を有する判定対象における二酸化炭素濃度を取得する二酸化炭素濃度取得段階と、
環境情報取得部が、前記判定対象における環境情報を取得する環境情報取得段階と、
判定部が、前記二酸化炭素濃度と前記環境情報とに基づいて、前記判定対象に存在する一または複数の生体が前記判定対象に存在する感染源に感染する感染リスク度合いを判定する判定段階と、
リスク制御部が、前記判定部による前記感染リスク度合いの判定結果に基づいて、前記内部空間における気流、前記内部空間の温度、前記内部空間の湿度、前記内部空間における紫外線の強度、および、内部空間における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御するリスク制御段階と、
表示部が、前記リスク制御部による制御状態を表示する表示段階と、
を備え、
前記判定対象には、撮像部が配置され、
前記環境情報は、前記生体の数情報を含み、
前記生体の数情報は、前記撮像部により撮像された前記判定対象の画像に基づく情報である、
感染リスク判定方法。
【請求項15】
前記判定対象において、複数の前記二酸化炭素濃度取得部が相互に異なる位置に配置され、
分布取得部が、複数の前記二酸化炭素濃度取得部により測定された複数の二酸化炭素濃度に基づいて、前記判定対象における二酸化炭素濃度の分布を取得する分布取得段階と、
前記判定部が、前記二酸化炭素濃度の分布に基づいて、前記感染リスク度合いの判定結果を補正する判定補正段階と、
をさらに備える、請求項14に記載の感染リスク判定方法。
【請求項16】
コンピュータに、請求項14または15に記載の感染リスク判定方法を実行させるための感染リスク判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染リスク判定システム、感染リスク判定方法および感染リスク判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「対象施設に設置された二酸化炭素センサと、前記対象施設内の就寝場所に設けられた生体センサとから夫々、前記対象施設内の二酸化炭素濃度と、前記就寝場所における対象者の生体信号とを取得し」と記載されている(段落0006)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2020-071621号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、感染リスク判定システムを提供する。感染リスク判定システムは、二酸化炭素を含む気体が収容される内部空間を有する判定対象における二酸化炭素濃度と、判定対象における環境情報とに基づいて、判定対象に存在する一または複数の生体が、判定対象に存在する感染源に感染する感染リスク度合いを判定する判定部を備える判定装置と、判定部による感染リスク度合いの判定結果に基づいて、内部空間における気流、内部空間の温度、内部空間の湿度、内部空間における紫外線の強度、および、内部空間における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御するリスク制御部と、リスク制御部による制御状態を表示する表示部とを備える。環境情報は、生体の音情報、生体の数情報、生体の体温情報、生体の鼻または口の露出情報、複数の生体の間の距離情報、生体の位置情報、生体の滞留時間情報、および、生体の運動情報の少なくとも一つを含む。
【0004】
感染リスク判定システムは、判定対象の画像を撮像する撮像部をさらに備えてよい。判定対象には、撮像部が配置されてよい。生体の数情報、生体の体温情報、生体の鼻または口の露出情報、複数の生体の間の距離情報、生体の位置情報、生体の滞在時間情報および生体の運動情報は、撮像部により撮像された判定対象の画像に基づく情報であってよい。
【0005】
感染リスク判定システムは、生体の音を取得する音声取得部をさらに備えてよい。判定対象には、音声取得部が配置されてよい。生体の音情報は、音声取得部により取得された生体の音に基づく情報であってよい。判定部は、撮像部により撮像された判定対象の画像と、音声取得部により取得された生体の音とに基づいて、複数の生体のうち音情報の情報源である生体をさらに判定してよい。
【0006】
生体の鼻または口の露出情報は、生体の鼻または口を覆うマスクの種類の情報を含んでよい。判定部は、マスクの種類の情報に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0007】
生体は、人間であってよい。環境情報は、人間の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つをさらに含んでよい。判定部は、人間の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つに基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0008】
環境情報は、生体の感染源への感染状況に関する統計情報をさらに含んでよい。判定部は、統計情報に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0009】
判定部は、内部空間における気流情報および内部空間における生体の位置情報の少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0010】
環境情報は、内部空間において予め定められた量を超える二酸化炭素を排出する二酸化炭素排出部の情報および気体に含まれる物質を捕捉する物質捕捉部の情報の少なくとも一方をさらに含んでよい。判定部は、二酸化炭素排出部の情報および物質捕捉部の情報の少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0011】
感染リスク判定システムは、内部空間における二酸化炭素濃度を取得する二酸化炭素濃度取得部をさらに備えてよい。判定対象には、二酸化炭素濃度取得部が配置されてよい。判定部は、二酸化炭素濃度取得部により測定された二酸化炭素濃度の時間変化に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0012】
感染リスク判定システムは、判定対象における二酸化炭素濃度の分布を取得する分布取得部をさらに備えてよい。判定対象において、複数の二酸化炭素濃度取得部が相互に異なる位置に配置されてよい。分布取得部は、複数の二酸化炭素濃度取得部により測定された複数の二酸化炭素濃度に基づいて、二酸化炭素濃度の分布を取得してよい。判定部は、二酸化炭素濃度の分布に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0013】
環境情報は、内部空間の温度および湿度の少なくとも一方をさらに含んでよい。判定部は、内部空間の温度および湿度の少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正してよい。
【0014】
表示部は、判定部による感染リスク度合いの判定結果をさらに表示してよい。
【0015】
表示部は、生体の数情報がゼロである、判定対象の画像を取得してから予め定められた時間、感染リスク度合いの判定結果を表示してよい。
【0016】
表示部は、環境情報のうち、感染リスク度合いの判定結果に最も寄与度の大きい環境情報を表示してよい。
【0017】
感染リスク判定システムは、環境情報および二酸化炭素濃度が入力された場合、環境情報および二酸化炭素濃度に対する感染リスク度合いの判定結果を出力する判定推論モデルをさらに備えてよい。判定推論モデルに一の環境情報および一の二酸化炭素濃度の少なくとも一方が入力されている場合において、他の環境情報および他の二酸化炭素濃度の少なくとも一方が入力された場合、表示部は、感染リスク度合いの判定結果の変化を表示してよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、感染リスク判定方法を提供する。感染リスク判定方法は、二酸化炭素濃度取得部が、二酸化炭素を含む気体が収容される内部空間を有する判定対象における二酸化炭素濃度を取得する二酸化炭素濃度取得段階と、環境情報取得部が、判定対象における環境情報を取得する環境情報取得段階と、判定部が、二酸化炭素濃度と環境情報とに基づいて、判定対象に存在する一または複数の生体が判定対象に存在する感染源に感染する感染リスク度合いを判定する判定段階と、リスク制御部が、判定部による感染リスク度合いの判定結果に基づいて、内部空間における気流、内部空間の温度、内部空間の湿度、内部空間における紫外線の強度、および、内部空間における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御するリスク制御段階と、表示部が、リスク制御部による制御状態を表示する表示段階とを備える。環境情報は、生体の音情報、生体の数情報、生体の体温情報、生体の鼻または口の露出情報、複数の生体の間の距離情報、生体の位置情報、生体の滞留時間情報、および、生体の運動情報の少なくとも一つを含む。
【0019】
環境情報は、撮像部により撮像された判定対象の画像に基づく情報、および、音声取得部により取得された生体の音に基づく情報の少なくとも一方であってよい。
【0020】
環境情報は、生体の音情報を含んでよい。判定段階は、判定部が、撮像部により撮像された判定対象の画像と、音声取得部により取得された生体の音とに基づいて、複数の生体のうち音情報の情報源である生体をさらに判定する段階であってよい。
【0021】
判定対象において、複数の二酸化炭素濃度取得部が相互に異なる位置に配置されてよい。感染リスク判定方法は、分布取得部が、複数の二酸化炭素濃度取得部により測定された複数の二酸化炭素濃度に基づいて、判定対象における二酸化炭素濃度の分布を取得する分布取得段階と、判定部が、二酸化炭素濃度の分布に基づいて、感染リスク度合いの判定結果を補正する判定補正段階とをさらに備えてよい。
【0022】
本発明の第2の態様においては、感染リスク判定プログラムを提供する。感染リスク判定プログラムは、コンピュータに感染リスク判定方法を実行させる。
【0023】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一つの実施形態に係る判定対象500の一例を示す図である。
図2図1に示される判定対象500を天井部506から床部502への方向に見た場合の一例を示す図である。
図3】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図6】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図7】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図8】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図9図1に示される判定対象500を天井部506から床部502への方向に見た場合の他の一例を示す図である。
図10】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図11】本発明の一つの実施形態に係る判定対象500の他の一例を示す図である。
図12】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図13】本発明の一つの実施形態に係る判定対象500の他の一例を示す図である。
図14】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図15】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図16】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図17】本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。
図18】表示部30における表示態様の一例を示す図である。
図19】判定結果Rdの導出方法の一例を示す図である。
図20】携帯端末110における表示態様の一例を示す図である。
図21】本発明の一つの実施形態に係る判定装置100の一例を示す図である。
図22】本発明の一つの実施形態に係る判定方法の一例を示すフローチャートである。
図23】本発明の一つの実施形態に係る判定方法の他の一例を示すフローチャートである。
図24】本発明の一つの実施形態に係る判定方法の他の一例を示すフローチャートである。
図25】本発明の一つの実施形態に係る判定方法の他の一例を示すフローチャートである。
図26】本発明の一つの実施形態に係る判定装置100が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る判定対象500の一例を示す図である。判定対象500には、感染源(後述)が存在する。判定対象500とは、当該感染源に感染する感染リスク度合いの判定の対象である対象物である。当該対象物とは、例えば屋内における部屋である。本例においては、判定対象500は、床部502、壁部504および天井部506を備える部屋である。
【0027】
判定対象500には、一または複数の生体90が存在する。本例においては、判定対象500には4つの生体90(生体90-1~生体90-4)が存在する。生体90は、肺からの呼気および肺への吸気を繰り返す生命体である。本例においては、生体90は人間である。本例においては、生体90の鼻または口は、マスク91で覆われている。
【0028】
本例において、床部502、壁部504および天井部506で囲われた内部空間(後述)には、判定装置100および表示部30が配置されている。判定装置100は、生体90が、判定対象500に存在する感染源(後述)に感染するリスク度合いを判定する。表示部30は、例えばモニタ、ディスプレイ等である。判定装置100および表示部30は、床部502、壁部504および天井部506で囲われた内部空間の外部に配置されてもよい。
【0029】
判定対象500には、一または複数の二酸化炭素濃度取得部400が配置されてよい。本例においては、二酸化炭素濃度取得部400は机501に設けられている。本例において、机501には、判定装置100および表示部30が載置されている。二酸化炭素濃度取得部400は、例えばCO(二酸化炭素)センサである。二酸化炭素濃度取得部400は、環境情報Ie(後述)から二酸化炭素濃度を取得してもよい。例えば、二酸化炭素濃度取得部400は、撮像部80(後述)により撮像された画像から二酸化炭素濃度を取得してもよい。当該画像から取得された二酸化炭素濃度は、二酸化炭素濃度の推定値であってよい。
【0030】
図2は、図1に示される判定対象500を天井部506から床部502への方向に見た場合の一例を示す図である。ただし、図2において、図1に示される生体90、マスク91、判定装置100および表示部30は、省略されている。本例において、判定対象500は内部空間508を有する。内部空間508は、壁部504等により仕切られた空間であって、内部空間508の外部と隔離された空間である。本例の内部空間508は、床部502、壁部504および天井部506で囲われた閉空間である。
【0031】
本例において、内部空間508にはCO(二酸化炭素)510を含む気体が収容される。当該気体は、空気であってよい。当該空気は、CO(二酸化炭素)510を含んでよい。二酸化炭素濃度取得部400(図1参照)は、内部空間508におけるCO(二酸化炭素)510の濃度を測定する。
【0032】
判定対象500には、感染源512が存在する。本例においては、感染源512は内部空間508に存在する。図2において、感染源512が星印で示されている。感染源512は、例えばウイルス、細菌等である。感染源512は、内部空間508に収容される気体に含まれてよく、壁部504等に付着していてもよい。感染源512は、SARS-CoV-2ウイルスであってよい。SARS-CoV-2ウイルスとは、所謂新型コロナウイルスである。生体90(図1参照)が感染源512に感染している場合、生体90の呼気により排出された感染源512が、判定対象500に存在してもよい。
【0033】
判定対象500には、撮像部80が配置されてよい。撮像部80は、例えばカメラである。撮像部80は、生体90の体温を測定するサーモグラフィカメラであってもよい。本例においては、撮像部80は壁部504に設けられている。撮像部80は、判定対象500の画像を撮像する。撮像部80は、内部空間508の画像を撮像してよい。図1は、撮像部80により撮像された画像であってよい。撮像部80は、静止画像を撮像してよく、動画像を撮像してもよい。
【0034】
判定対象500には、音声取得部82が配置されてよい。音声取得部82は、例えばマイクロフォンである。本例においては、音声取得部82は壁部504に設けられている。音声取得部82は、内部空間508に配置された表示部30(図1参照)に設けられていてもよい。音声取得部82は、生体90の音を取得する。
【0035】
図3は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の一例を示すブロック図である。本例において、感染リスク判定システム200は、判定装置100、表示部30、二酸化炭素濃度取得部400および環境情報取得部180を備える。図3において、判定装置100の範囲が一点鎖線枠にて示されている。
【0036】
判定装置100は、判定部10を備える。判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、判定対象500における環境情報Ie(後述)とに基づいて、生体90(図1参照)が感染源512に感染する感染リスク度合いを判定する。当該感染リスク度合いを、感染リスク度合いIfrとする。感染リスク度合いIfrとは、判定対象500における生体90が、CO(二酸化炭素)510を含む気体の媒介により感染源512に感染するリスクの度合いであってよい。感染リスク度合いIfrとは、判定対象500における複数の生体90が、当該気体の媒介により感染源512に集団(クラスター)感染するリスクの度合い(クラスターレベル)であってもよい。
【0037】
本例において、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度は、二酸化炭素濃度取得部400により測定される。本例において、判定対象500における環境情報Ie(後述)は、環境情報取得部180により取得される。二酸化炭素濃度取得部400により測定されたCO(二酸化炭素)510の濃度の情報、および、環境情報取得部180により取得された環境情報Ie(後述)は、無線により判定部10に送信されてよい。
【0038】
判定部10は、CPU(Central Processing Unit)であってよい。判定装置100は、当該CPU、メモリおよびインターフェース等を備えるコンピュータであってよい。判定装置100は、タブレット等の携帯可能なコンピュータであってもよい。判定部10は、感染リスク度合いIfrの判定結果を出力してよい。当該判定結果を、判定結果Rdとする。
【0039】
判定装置100は、演算部12を備えてよい。演算部12は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、判定対象500における環境情報Ie(後述)とを演算し、演算した結果を判定部10に出力する。なお、演算部12は、判定部10に含まれていてもよい。演算部12が判定部10に含まれる場合、判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、判定対象500における環境情報Ie(後述)とを演算し、演算した結果に基づいて感染リスク度合いIfrを判定してよい。
【0040】
演算部12は、CPU(Central Processing Unit)であってよい。演算部12が判定部10に含まれる場合、判定部10と演算部12とは、1つのCPUであってよい。
【0041】
演算部12は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、判定対象500における環境情報Ieとを、下記式1、式2または式3に示されるとおり演算してよい。演算した結果を判定部10に出力してよい。
【数1】
【数2】
【数3】
【0042】
式1におけるPは、判定対象500において感染源512に感染する感染確率である。式2におけるRは、判定対象500において感染源512への感染者が1人いる場合に、新たに増える感染者数である。感染者数Rは、判定対象500において1人の感染者から新たに再生産される感染者数である。感染者数Rは、判定対象500に存在する生体90の数に対して単調に増加するので、数情報Inに依存し得る。
【0043】
式1におけるP は、i番目の生体90-iが感染源512に感染している確率である。確率P は、生体90の感染源512への感染状況に関する統計情報Ist(後述)、感染情報Ifi(後述)、体温情報It(後述)または音情報Iv(後述)等の環境情報Ie(後述)に依存し得る。
【0044】
式1~式3におけるP ijは、感染源512に感染しているi番目の生体90-iが、j番目の生体90-jに感染させる確率である。式3におけるpは、判定対象500において感染源512への感染者が1人いる場合に、i番目の生体90-iが感染源512に感染している確率である。確率pは、生体90の感染源512への感染状況に関する統計情報Ist(後述)、感染情報Ifi(後述)、体温情報It(後述)または音情報Iv(後述)等の環境情報Ie(後述)に依存し得る。
【0045】
演算部12は、確率P ijを下記式4に示されるとおり演算してよい。
【数4】
式4におけるnijは、i番目の生体90-iにより排出された感染性粒子IPaをj番目の生体90-jが吸入する量である。当該量は、試算量であってよい。
【0046】
演算部12は、式4におけるnijを下記式5に示されるとおり演算してよい。
【数5】
【0047】
式5におけるcijは、j番目の生体90-jの鼻または口の周囲の濃度の推定値であって、i番目の生体90-iにより排出される感染性粒子IPaの濃度の推定値である。式5におけるBは、j番目の生体90-jの呼吸量である。生体90の呼吸量とは、生体90が単位時間当たりに吸入または排出する気体の量であってよい。生体90の呼吸量の増加に伴い、生体90が吸入する感染性粒子IPaの量も増加するので、Bは運動情報Im(後述)または露出情報Ip(後述)に依存し得る。
【0048】
式5におけるmin は、j番目の生体90-jにより吸入される感染性粒子IPaの量を補正する補正係数である。min は、j番目の生体90-jのマスクにより、j番目の生体90-jが感染性粒子IPaを吸入することを阻害されることによる補正係数であってよい。生体90が吸入する感染性粒子IPaの量はマスクの種類に依存し得るので、min は露出情報Ipに依存し得る。式5におけるtは、時刻を表す変数である。tは、j番目の生体90-jが、判定対象500において感染性粒子IPaに晒される時間である。tは、滞留時間情報Is(後述)に依存し得る。
【0049】
演算部12は、式5におけるcijを下記式6に示されるとおり演算してよい。
【数6】
式6におけるC ijは、i番目の生体90-iとj番目の生体90-jとの間の距離、または、生体90-iおよび生体90-jのそれぞれの位置に依存する補正係数である。生体90-iにより排出される感染性粒子IPaの濃度は、生体90-iと生体90-jとの間の距離が大きいほど小さくなりやすい。このため、C ijは、当該距離の増加に伴い減少する関数であってよい。このため、C ijは、位置情報IL(後述)または距離情報Id(後述)に依存し得る。
【0050】
式6におけるE は、単位時間当たりにi番目の生体90-iにより排出される感染性粒子IPaの量である。生体90により単位時間当たりに排出される感染性粒子IPaの量は、生体90の発音量の増加または発音時間の増加に依存し得る。生体90により単位時間当たりに排出される感染性粒子IPaの量は、生体90の運動量に依存し得る。このため、E は、音情報Ivまたは運動情報Imに依存し得る。
【0051】
式6におけるQは、j番目の生体90-jが存在する判定対象500において、当該判定対象500の排出部509(後述)により単位時間当たりに排出される、内部空間508の気体の体積である。このため、Qは気流情報Iafに依存し得る。式6におけるmex は、j番目の生体90-jにより排出される感染性粒子IPaの量を補正する補正係数である。mex は、j番目の生体90-jのマスクにより、j番目の生体90-jが感染性粒子IPaを排出することを阻害されることによる補正係数であってよい。生体90が排出する感染性粒子IPaの量はマスクの種類に依存し得るので、mex は露出情報Ipに依存し得る。
【0052】
演算部12は、式6におけるQを下記式7に示されるとおり演算してよい。
【数7】
【0053】
式7におけるΔCは、j番目の生体90-jの周囲におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、内部空間508の外部の気体に含まれるCO(二酸化炭素)510の濃度との差である。このため、ΔCは、内部空間508におけるCO(二酸化炭素)510の濃度または当該濃度の分布に依存し得る。なお、当該濃度の分布は、後述する分布取得部14により取得されてよい。
【0054】
式7におけるNは、判定対象500における生体90の数である。このため、Nは数情報In(後述)に依存し得る。式7におけるECO2 は、j番目の生体90-jにより単位時間当たりに排出されるCO(二酸化炭素)510の排出量である。生体90が単位時間当たりに排出するCO(二酸化炭素)510の排出量は、生体90の肺活量に依存する。このため、生体90が人間である場合、ECO2 は人間の性別、年齢、身長および体重の少なくとも一つに依存し得る。生体90が単位時間当たりに排出するCO(二酸化炭素)510の排出量は、生体90の運動量に依存し得る。このため、ECO2 は、運動情報Im(後述)に依存し得る。
【0055】
判定装置100は、制御部20を備えてよい。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)であってよい。判定部10、演算部12および制御部20は、1つのCPUであってもよい。制御部20は、表示部30の表示を制御する制御信号を、表示部30に送信してよい。
【0056】
環境情報取得部180は、判定対象500における環境情報を取得する。当該環境情報を、環境情報Ieとする。環境情報Ieとは、生体90に係る情報であって、判定対象500において感染源512に感染する感染リスク度合いの判定に影響を与え得る情報である。環境情報Ieは、生体90の音情報、生体90の数情報、生体90の体温情報、生体90の鼻または口の露出情報、複数の生体90の間の距離情報、生体90の位置情報、生体90の滞留時間情報、および、生体90の運動情報の少なくとも一つを含んでよい。
【0057】
生体90は呼気によりCO(二酸化炭素)を排出するので、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度は、内部空間508(図2参照)が小さいほど、高くなりやい。判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度は、内部空間508が、内部空間508の外部から隔離されている隔離度合いが大きいほど、高くなりやすい。感染リスク度合いIfrは、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度に依存しやすい。このため、内部空間508が小さいほど、上述した隔離度合いが大きいほど、感染リスク度合いIfrは大きくなりやすい。なお、隔離度合いが大きいとは、内部空間508における換気状態が劣悪であることを指す。
【0058】
生体90の音情報を、音情報Ivとする。音情報Ivとは、生体90から発せられる音の情報を指す。生体から発せられる音とは、発音器官(主として口、喉)から発せられる音を指してよい。生体90から発せられる音の情報には、生体90から発せられる声の音、咳の音およびくしゃみの音の少なくとも一つが含まれてよい。音情報Ivとは、生体90から発せられる音の大きさおよび周波数の少なくとも一方を指してよく、生体90の声紋を指してもよい。音情報Ivは、生体90の音の性別情報を含んでもよい。
【0059】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、音情報Ivとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。生体90(図1参照)が感染源512に感染している場合、生体90の呼気により排出される感染源512は、感染性粒子であり得る。当該感染性粒子を、感染性粒子IPaとする。感染性粒子IPaは、生体90の発音により排出されやすい。生体90の音の大きさが増加した場合、感染性粒子IPaの増加率は、生体90の音の大きさの増加率よりも大きくなりやすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と音情報Ivとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0060】
生体90の数情報を、数情報Inとする。数情報Inとは、判定対象500に存在する生体90の数を指す。
【0061】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、数情報Inとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。生体90は呼気によりCO(二酸化炭素)を排出するので、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度は、判定対象500に存在する生体90の数が多いほど、高くなりやい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と数情報Inとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0062】
生体90の体温情報を、体温情報Itとする。体温情報Itとは、判定対象500に存在する生体90の体表面温度の情報であってよく、体内温度の情報であってもよい。体温情報Itが体表面温度の情報である場合、体温情報Itは、当該体表面温度の分布が2次元状に表示された、体表面温度の分布情報であってもよい。
【0063】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、体温情報Itとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。生体90(図1参照)が感染源512に感染している場合、生体90の体温は、高くなりやすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と体温情報Itとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0064】
生体90の鼻または口の露出情報を、露出情報Ipとする。露出情報Ipとは、生体90の鼻および口の少なくとも一方が露出しているか否かの情報であってよい。露出情報Ipとは、生体90の鼻および口が露出していない場合における、生体90の鼻および口からの呼気に基づく気流の情報であってもよい。
【0065】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、露出情報Ipとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。生体90の鼻および口の少なくとも一方が露出している場合、生体90が感染源512に感染している場合、当該生体90は、発声により感染性粒子IPaを排出しやすく、吸気により感染性粒子IPaを吸入やすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と露出情報Ipに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0066】
複数の生体90の間の距離情報を、距離情報Idとする。距離情報Idは、一の生体90(例えば図1における生体90-3)の鼻または口と、他の生体90(例えば図1における生体90-4)の鼻または口との距離を指してよい。判定対象500に3つ以上の生体90が存在する場合は、距離情報Idは、3つ以上の生体90から選択される複数通りの2つの生体90の間における、複数の距離Idを含んでよい。
【0067】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、距離情報Idとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。一の生体90が感染源512に感染している場合、一の生体90と他の生体90との距離が近いほど、他の生体90は、吸気により、一の生体90により排出された感染性粒子IPaを吸入やすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と距離情報Idとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0068】
生体90の位置情報を、位置情報ILとする。位置情報ILとは、生体90の判定対象500における位置情報を指す。生体90の判定対象500における位置情報とは、生体90の内部空間508(図2参照)における位置情報を指す。位置情報ILとは、生体90の鼻または口の位置情報を指してよい。
【0069】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、位置情報ILとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。内部空間508(図2参照)における空気は、壁部504の近傍において滞留しやすい。このため、感染源512に感染している生体90の位置情報が、壁部504の近傍である場合、当該生体90により排出された感染性粒子IPaは、壁部504の当該近傍に滞留しやすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と位置情報ILとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0070】
生体90の滞留時間情報を、滞留時間情報Isとする。滞留時間情報Isとは、生体90の判定対象500における滞留時間情報を指す。滞留時間情報Isとは、生体90が内部空間508の外部から内部空間508に入った時点からの経過時間であってよく、内部空間508に入った時点から内部空間508の外部へ出た時点までの時間であってもよい。
【0071】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、滞留時間情報Isとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。感染源512に感染している生体90が判定対象500に滞留している場合、当該生体90により排出された感染性粒子IPaの量は、当該生体90が判定対象500に滞留している時間に依存しやすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と滞留時間情報Isとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0072】
生体90の運動情報を、運動情報Imとする。運動情報Imとは、生体90の判定対象500における運動情報を指す。運動情報Imは、代謝当量(METs)または生体90の動きの情報であってよい。代謝当量(METs)とは、生体90が運動状態である場合に生体90が消費するO(酸素)の量を、生体90が安静状態である場合に生体90が消費するO(酸素)の量で規格化した量である。生体90の動きの情報とは、生体90の身体の動きの情報であってよい。
【0073】
判定部10は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度と、運動情報Imとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。生体90の運動量が増加すると、生体90の呼気の周期は短くなりやすく、予め定められた時間における生体90の呼気の総量は増加しやすい。運動情報Imは、生体90の呼気の周期の情報であってもよい。生体90の呼気の総量または呼気の周期が増加した場合、感染性粒子IPaの排出量が増加しやすい。生体90の運動量が増加した場合、感染性粒子IPaの増加率は、生体90の運動量の増加率よりも大きくなりやすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と運動情報Imとに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0074】
生体90が感染源512に感染している場合、生体90の音が多いほど、生体90により排出される感染性粒子IPaの量は、多くなりやすい。生体90の運動量が増加し、且つ、生体90から音が発せられている場合、感染性粒子IPaの排出量は、さらに増加しやすい。このため、判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度と、運動情報Imと、音情報Ivに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0075】
判定部10は、音情報Iv、数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imから選択される複数の情報と、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度とに基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してもよい。複数の当該情報とCO(二酸化炭素)510の当該濃度とに基づいて感染リスク度合いIfrが判定されることにより、1つの当該情報とCO(二酸化炭素)510の当該濃度とに基づいて感染リスク度合いIfrが判定される場合よりも、感染リスク度合いIfrが正確に判定されやすくなる。
【0076】
本例において、環境情報取得部180は、撮像部80および音声取得部82を含む。数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imは、撮像部80により撮像された画像に基づく情報であってよい。演算部12は、撮像部80により撮像された画像に基づいて、数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imの少なくとも一つを演算してよい。判定部10は、演算部12による演算結果に基づいて、数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imの少なくとも一つを判定してよい。
【0077】
音情報Ivは、音声取得部82により取得された、生体90の音に基づく情報であってよい。生体90の音に基づく情報とは、生体90から発せられる音の情報を指してよい。上述したとおり、生体90から発せられる音の情報には、生体90から発せられる声の音、咳の音およびくしゃみの音の少なくとも一つが含まれてよい。演算部12は、音声取得部82により取得された、生体90の音に基づいて、音情報Ivを演算してよい。判定部10は、演算部12による演算結果に基づいて、音情報Ivを判定してよい。
【0078】
表示部30は、判定結果Rdを表示してよい。制御部20は、判定結果Rdを表示部30に表示するように表示部30を制御してよい。判定結果Rdは、表示部30に、可読性を有する情報で表示されてよく、視覚認知性を有する情報で表示されてもよい。可読性を有する情報とは、例えば文字、数字である。視覚認知性を有する情報とは、例えばグラフ、図形等である。判定結果Rdが表示部30に表示されることにより、判定結果Rdは、感染リスク判定システム200のユーザに認知される。判定結果Rdは、判定装置100が音声を出力するか、判定装置100が振動するか、または、判定装置が匂いを発するかにより、感染リスク判定システム200のユーザに認知されてもよい。
【0079】
判定部10は、音声取得部82により取得された生体90(図1参照)の音に基づいて、複数の生体90のうち音情報Ivの情報源である生体90を判定してよい。図1に示される例において、生体90-2が発声している場合、音声取得部82は、生体90-2の音が生体90-2の方向からの音であることを取得し得る。このため、判定部10は、音情報Ivの情報源である生体90は、生体90-2であると判定できる。
【0080】
判定部10は、撮像部80により撮像された判定対象500の画像と、音声取得部82により取得された生体90(図1参照)の音とに基づいて、複数の生体90のうち音情報Ivの情報源である生体90を判定してもよい。図1に示される例において、生体90-2が発声している場合、音声取得部82は、生体90-2の音が生体90-2の方向からの音であることを取得し得る。
【0081】
音声取得部82が、生体90-2の音を生体90-2の方向からの音であると取得した場合において、撮像部80が、例えば生体90-2の口の動きを撮像し、生体90-3の口の動きを撮像しない場合、判定部10は、音情報Ivの情報源である生体90は、生体90-2であると判定できる。このため、判定部10は、判定対象500の画像に基づかず、生体90(図1参照)の音に基づいて音情報Ivの情報源である生体90を判定する場合よりも、より正確に音情報Ivの情報源である生体90を判定できる。
【0082】
図4は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例の感染リスク判定システム200は、環境情報取得部180を備えず、入力部18を備える点で、図3に示される感染リスク判定システム200と異なる。入力部18は、判定装置100とは別途の携帯端末110に設けられていてよい。携帯端末110は、内部空間508の外部に配置されていてよい。携帯端末110は、無線により判定装置100と接続されてよい。
【0083】
環境情報Ieは、入力部18により入力されてもよい。感染リスク判定システム200のユーザは、環境情報Ieを入力部18から入力してよい。環境情報Ieは、撮像部80により取得された画像、または、音声取得部82により取得された音声に基づいて判定されるよりも、感染リスク判定システム200のユーザにより判定される方が正確な場合がある。例えば、数情報Inは感染リスク判定システム200のユーザにより容易に視認されるので、当該ユーザは、数情報Inを入力部18から入力してよい。
【0084】
図5は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。感染リスク判定システム200は、複数の撮像部80および複数の音声取得部82を備えてよい。判定対象500には、複数の撮像部80および複数の音声取得部82が配置されてよい。本例の感染リスク判定システム200は、2つの撮像部80(撮像部80-1および撮像部80-2)および2つの音声取得部82(音声取得部82-1および音声取得部82-2)を備える。本例においては、判定対象500には2つの撮像部80および2つの音声取得部82が配置されている。
【0085】
判定部10は、複数の撮像部80により撮像された判定対象500の複数の画像と、複数の音声取得部82により取得された複数の生体90(図1参照)の音とに基づいて、複数の生体90のうち音情報Ivの情報源である生体90を判定してよい。複数の当該画像と複数の生体90の音とに基づいて、音情報Ivの情報源である生体90を判定されることにより、一つの画像と一つの生体90の音とに基づいて判定される場合よりも、音情報Ivの情報源である生体90が正確に判定されやすくなる。このため、感染リスク判定システム200は、複数の撮像部80および複数の音声取得部82を備えることが好ましい。
【0086】
環境情報Ieは、生体90が感染源512に感染しているかの感染情報をさらに含んでよい。当該感染情報を、感染情報Ifiとする。環境情報Ieが、音情報Ivの情報源である生体90が感染源512に感染しているとの感染情報Ifiを含む場合、判定部10は、音情報Ivの情報源である生体90の発音時間および発音量の少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いIfrを判定してよい。
【0087】
生体90の発音時間とは、生体90が音を発している時間である。生体90の発音時間とは、生体90の発声時間であってよく、生体90により咳の音またはくしゃみの音が発せられている時間であってもよい。生体90の発音量とは、生体90が発している音の大きさである。生体90の発音量とは、生体90の発声量であってよく、生体90により発せられている咳の音量またはくしゃみの音量であってもよい。生体90の発音量とは、生体90が発している音波の振幅であってよく、当該振幅の最大値であってもよい。
【0088】
音情報Ivの情報源である生体90が感染源512に感染している場合、当該生体90が感染源512に感染していない場合よりも、当該生体90は、発声により感染性粒子IPaを排出しやすい。当該生体90が感染源512に感染している場合、感染リスク度合いIfrは、当該生体90の発音時間および発音量の少なくとも一方に依存しやすい。このため、環境情報Ieが上述した感染情報Ifiを含む場合、判定部10は、音情報Ivの情報源である生体90の発音時間および発音量の少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いIfrを判定できる。
【0089】
図6は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例においては、環境情報Ieは露出情報Ipを含み、露出情報Ipは生体90の鼻または口を覆うマスク91(図1参照)の種類の情報を含む。マスク91の種類とは、例えばマスク91の材質、大きさ等である。判定部10は、マスク91の種類の情報に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。
【0090】
生体90の鼻または口がマスク91で覆われている場合において、生体90の口から排出される感染性粒子IPaの排出量、および、生体90の口または鼻を通じて吸引される感染性粒子IPaの吸引量は、マスク91の種類に依存しやすい。例えば、感染性粒子IPaは、不織布のマスク91よりもポリウレタン製のマスク91を通過しやすい。例えば、マスク91が生体90の頬の全てを覆っている場合よりも、頬の一部を覆っている場合の方が、感染性粒子IPaは内部空間508(図2参照)に排出されやすい。このため、判定部10が、マスク91の種類の情報に基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0091】
生体90の鼻または口を覆うマスク91(図1参照)の種類の情報は、撮像部80により撮像された、判定対象500の画像に基づく情報であってよい。判定部10は、撮像部80により撮像された当該画像に基づいて、生体90の鼻または口を覆うマスク91の種類の情報を判定してよい。
【0092】
図7は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例において、生体90は人間である。本例においては、環境情報Ieは、当該生体90の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つをさらに含む。判定部10は、生体90(本例においては人間)の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つに基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。
【0093】
生体90が人間である場合、生体90の感染リスク度合いIfrは、当該生体90の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴に依存しやすい。例えば、70歳代の生体90の感染リスク度合いIfrは、30歳代の生体90の感染リスク度合いIfrよりも高くなりやすい。例えば、持病履歴を有する生体90の感染リスク度合いIfrは、持病履歴を有さない生体90の感染リスク度合いIfrよりも高くなりやすい。このため、判定部10が、生体90の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つに基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0094】
図8は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例においては、環境情報Ieは、生体90の感染源512への感染状況に関する統計情報をさらに含む。当該統計情報を、統計情報Istとする。判定部10は、統計情報Istに基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。
【0095】
生体90の感染源512への感染状況に関する統計情報Istとは、例えば、感染源512への直近の感染状況の推移、判定対象500のエリアにおける、感染源512への現在の感染状況、等である。感染源512への直近の感染状況が高位の蔓延状態で推移している場合、当該感染状況が低位の蔓延状態で推移している場合よりも、判定対象500に存在する生体90が感染源512に感染している蓋然性が高い。このため、判定部10が、統計情報Istに基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0096】
図9は、図1に示される判定対象500を天井部506から床部502への方向に見た場合の他の一例を示す図である。本例においては、判定対象500には、供給部507および排出部509が設けられている。
【0097】
供給部507は、内部空間508の外部の気体を内部空間508に供給する。供給部507は、例えば空調設備、空気清浄機、エアコン等である。排出部509は、内部空間508の気体を内部空間508の外部に排出する。排出部509は、例えば換気扇、換気口等である。
【0098】
供給部507により内部空間508の外部の気体が内部空間508に供給され、排出部509により内部空間508の気体が外部に排出される場合、内部空間508の気体は、供給部507から排出部509への方向に移動しやすい。当該気体の当該方向への流路を、流路Chとする。
【0099】
図10は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。図10は、判定対象500が図9に示される例である場合におけるブロック図の一例である。本例においては、環境情報Ieは気流情報をさらに含む。当該気流情報を、気流情報Iafとする。
【0100】
気流情報Iafとは、内部空間の気流に影響を与える機器の情報である。気流情報Iafは、供給部507(図9参照)の情報および排出部509(図9参照)の情報の少なくとも一方であってよい。供給部507の情報とは、供給部507により単位時間当たりに供給される、内部空間508の外部の気体の体積または質量を指してよい。供給部507の情報とは、判定対象500における供給部507の位置情報を指してもよい。排出部509の情報とは、排出部509により単位時間当たりに排出される、内部空間508の気体の体積または質量を指してよい。排出部509の情報とは、判定対象500における排出部509の位置情報を指してもよい。
【0101】
判定部10は、気流情報Iafおよび生体90の位置情報ILの少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。排出部509により内部空間508の気体が排出され、供給部507により内部空間508の外部の気体が供給される場合、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度は低下しやすく、感染性粒子IPaは内部空間508の外部に排出されやすい。このため、内部空間508の気体が排出されず、内部空間508の外部の気体が供給されない場合よりも、感染リスク度合いIfrは低下しやすい。このため、判定部10が、気流情報Iafに基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0102】
内部空間508に感染性粒子IPaが存在する場合、感染性粒子IPaの内部空間508における分布は、内部空間508における生体90の位置に依存しやすい。このため、判定部10が、位置情報ILに基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0103】
排出部509により内部空間508の気体が排出され、供給部507により内部空間508の外部の気体が供給され、且つ、生体90の位置情報ILが流路Ch(図9参照)の近傍である場合、生体90の位置情報ILが流路Chから離隔している場合よりも、当該生体90が感染源512に感染する感染リスク度合いIfrは、低下しやすい。このため、判定部10が、気流情報Iafおよび位置情報ILに基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。なお、生体90の位置情報ILは、撮像部80により撮像された画像に基づく情報であってよい。
【0104】
図11は、本発明の一つの実施形態に係る判定対象500の他の一例を示す図である。本例においては、判定対象500には、内部空間508において予め定められた量を超えるCO(二酸化炭素)510を排出するCO(二酸化炭素)排出部505が配置されている。本例の判定対象500は、係る点において図2に示される判定対象500と異なる。CO(二酸化炭素)排出部505は、例えばストーブである。
【0105】
判定対象500には、複数の二酸化炭素濃度取得部400が配置されていてよい。本例においては、判定対象500には2つの二酸化炭素濃度取得部400が配置されている。本例の判定対象500は、係る点においても図2に示される判定対象500と異なる。
【0106】
本例において、二酸化炭素濃度取得部400-1は机501に設けられ、二酸化炭素濃度取得部400-2は机501の足に設けられている。二酸化炭素濃度取得部400-1の床部502からの高さと、二酸化炭素濃度取得部400-2の床部502からの高さとは、異なっていてよい。
【0107】
判定対象500には、温湿度センサ401および紫外線センサ403がさらに配置されていてよい。本例の判定対象500は、係る点においても図2に示される判定対象500と異なる。温湿度センサ401は、内部空間508の温度および湿度を測定する。紫外線センサ403は、内部空間508における紫外線を測定する。紫外線センサ403は、UVB波およびUVC波の少なくとも一方を測定してよい。本例においては、温湿度センサ401は机501に設けられ、紫外線センサ403は壁部504に設けられている。
【0108】
図12は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。図12は、判定対象500が図11に示される例である場合におけるブロック図の一例である。本例においては、環境情報Ieは二酸化炭素排出部505の情報をさらに含む。当該情報を、排出部情報Idcとする。
【0109】
排出部情報Idcは、CO(二酸化炭素)排出部505が稼働しているかの情報であってよい。排出部情報Idcは、撮像部80により撮像された、判定対象500の画像に基づく情報であってよい。判定部10は、撮像部80により撮像された当該画像に基づいて、排出部情報Idcを判定してよい。判定部10は、無線または有線の通信ネットワークを介して排出部情報Idcを判定してもよい。
【0110】
判定部10は、排出部情報Idcに基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。判定部10は、排出部情報Idcが、CO(二酸化炭素)排出部505が稼働しているとの情報である場合、稼働していないとの情報である場合よりも、感染リスク度合いIfrが高いとの判定結果Rdに補正してよい。
【0111】
CO(二酸化炭素)排出部505が稼働している場合、CO(二酸化炭素)510の濃度は、予め定められた濃度以上になりやすい。当該予め定められた濃度とは、判定対象500における生体90が感染源512に感染するリスクが抑制され得る濃度であってよい。当該予め定められた濃度とは、例えば1000ppmである。
【0112】
判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度の時間変化に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度の時間変化率が、予め定められた閾値変化率を超えた場合、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。当該予め定められた閾値変化率を超えた場合とは、例えば二酸化炭素排出部505が稼働している場合である。CO(二酸化炭素)510の濃度の時間変化率が、予め定められた閾値変化率を超えた場合、感染リスク度合いIfrは、CO(二酸化炭素)510の濃度以上に高くなりやすい。このため、CO(二酸化炭素)510の濃度の時間変化率が、予め定められた閾値変化率を超えた場合、判定部10が、CO(二酸化炭素)510の濃度の時間変化率に基づいて感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0113】
図13は、本発明の一つの実施形態に係る判定対象500の他の一例を示す図である。本例においては、判定対象500には、CO(二酸化炭素)排出部505に代えて物質捕捉部511が配置されている。本例の感染リスク判定システム200は、係る点で図12に示される感染リスク判定システム200と異なる。物質捕捉部511は、気体に含まれる物質を捕捉する。当該気体は、CO(二酸化炭素)510を含み、且つ、内部空間508に収容されている。物質捕捉部511は、感染源512を捕捉してよい。物質捕捉部511により捕捉される物質とは、感染症に感染した生体90の呼気に含まれる感染源512により、判定対象500の空気を介して感染する感染リスク度合いIfrの増減を支配している感染性物質または感染促進物質であってもよい。物質捕捉部511は、内部空間508に収容された気体を吸入することにより、当該気体に含まれる物質(チリ、ホコリ、ウィルス等)を捕捉してよい。本例の判定対象500は、係る点において図2に示される判定対象500と異なる。物質捕捉部511は、例えば空気清浄機、エアコン等である。
【0114】
図14は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例においては、環境情報Ieは物質捕捉部511の情報をさらに含む。本例の感染リスク判定システム200は、係る点で図12に示される感染リスク判定システム200と異なる。物質捕捉部511の情報を、捕捉部情報Idtとする。
【0115】
捕捉部情報Idtは、物質捕捉部511が稼働しているかの情報であってよい。捕捉部情報Idtは、撮像部80により撮像された、判定対象500の画像に基づく情報であってよい。判定部10は、撮像部80により撮像された当該画像に基づいて、捕捉部情報Idtを判定してよい。判定部10は、無線または有線の通信ネットワークを介して捕捉部情報Idtを判定しても良い。捕捉部情報Idtは、感染リスク度合いIfrを変動させる情報を含んでもよい。
【0116】
判定部10は、捕捉部情報Idtに基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。判定部10は、捕捉部情報Idtが、物質捕捉部511が稼働しているとの情報である場合、稼働していないとの情報である場合よりも、感染リスク度合いIfrが低いとの判定結果Rdに補正してよい。
【0117】
図15は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例の感染リスク判定システム200においては、判定装置100が分布取得部14をさらに備える。本例の感染リスク判定システム200において、判定対象500には2つの二酸化炭素濃度取得部400が設けられている。本例の感染リスク判定システム200は、これらの点で図10に示される感染リスク判定システム200と異なる。分布取得部14は、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度の分布を取得する。
【0118】
判定対象500において、複数の二酸化炭素濃度取得部400は、相互に異なる位置に配置されてよい。判定対象500において、複数の二酸化炭素濃度取得部400は、相互に異なる高さに配置されてよい。図12に示されるとおり、本例においては、2つの二酸化炭素濃度取得部400が相互に異なる高さに設けられている。
【0119】
分布取得部14は、複数の二酸化炭素濃度取得部400により測定された複数のCO(二酸化炭素)510の濃度に基づいて、CO(二酸化炭素)510の濃度の分布を取得してよい。判定部10は、分布取得部14により取得されたCO(二酸化炭素)510の濃度の分布に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。
【0120】
CO(二酸化炭素)の濃度は、内部空間508(図11参照)における位置により異なる場合がある。このため、判定部10が、CO(二酸化炭素)510の濃度の分布に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0121】
CO(二酸化炭素)は空気より重いので、内部空間508における下方に滞留しやすい。このため、CO(二酸化炭素)510の濃度は、内部空間508における上方よりも下方において、高くなりやすい。このため、分布取得部14が、相互に異なる位置に配置された複数の二酸化炭素濃度取得部400により測定された複数のCO(二酸化炭素)510の濃度に基づいて、CO(二酸化炭素)510の濃度の分布を取得した場合、CO(二酸化炭素)510の濃度の当該分布は、内部空間508における高さ方向の分布が反映されやすい。このため、判定部10が、CO(二酸化炭素)510の濃度の当該分布に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0122】
感染性粒子IPaはCO(二酸化炭素)510よりも重いので、感染性粒子IPaの拡散による移動度は、CO(二酸化炭素)510の拡散による移動度よりも小さくなりやすい。このため、内部空間508において、感染性粒子IPaはCO(二酸化炭素)510よりも気流に影響されやすい。このため、内部空間508において、CO(二酸化炭素)510の濃度分布と感染性粒子IPaの濃度分布とが異なる場合がある。判定部10は、CO(二酸化炭素)510の濃度の当該分布と、気流情報Iafとに基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してもよい。これにより、CO(二酸化炭素)510の濃度分布と感染性粒子IPaの濃度分布とが異なる場合における感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0123】
図16は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例の感染リスク判定システム200において、判定対象500には温湿度センサ401および紫外線センサ403がさらに設けられている。本例の感染リスク判定システム200は、係る点で図15に示される感染リスク判定システム200と異なる。図12に示されるとおり、本例においては、温湿度センサ401は机501に設けられ、紫外線センサ403は壁部504に設けられている。
【0124】
環境情報Ieは、内部空間508(図12参照)の温度および湿度の少なくとも一方をさらに含んでよい。当該温度を、温度Tとする。当該湿度を、湿度Hとする。温度Tおよび湿度Hは、温湿度センサ401により測定されてよい。
【0125】
感染源512の生存期間は、温度Tおよび湿度Hの少なくとも一方に依存する場合がある。感染源512がSARS-CoV-2ウイルス(所謂新型コロナウイルス)である場合、当該感染源512の生存期間は、予め定められた温度Tの範囲からの乖離が大きいほど長くなりやすく、予め定められた湿度Hの範囲からの乖離が大きいほど長くなりやすい。
【0126】
判定部10は、内部空間508の温度Tおよび湿度Hの少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。これにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0127】
判定部10は、紫外線センサ403により測定された紫外線の強度に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正してよい。感染源512が、紫外線が照射される環境下に存在する場合、感染源512の活性度は、当該紫外線の強度に依存しやすい。感染源512の活性度とは、感染源512が生体90に感染する度合いを指す。感染源512がSARS-CoV-2ウイルス(所謂新型コロナウイルス)である場合、当該感染源512は、紫外線が強いほど不活性化しやすい。このため、判定部10が、紫外線センサ403により測定された紫外線の強度に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正することにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0128】
図17は、本発明の一つの実施形態に係る感染リスク判定システム200の他の一例を示すブロック図である。本例の感染リスク判定システム200において、判定対象500には、空調部420、湿度調整部422、紫外線照射部424および音声取得部82がさらに配置されている。本例の感染リスク判定システム200は、リスク制御部16をさらに備える。本例の感染リスク判定システム200は、これらの点で図16に示される感染リスク判定システム200と異なる。
【0129】
空調部420は、内部空間508における温度Tを調整する。空調部420は、例えばエアコンである。なお、空調部420が送風機能を有する場合、判定対象500には、供給部507が配置されていなくてもよい。湿度調整部422は、内部空間508における湿度Hを調整する。湿度調整部422は、例えば加湿器であり、湿度調整機能を有するエアコンであってもよい。紫外線照射部424は、内部空間508に紫外線を照射する。紫外線照射部424は、LED方式またはランプ方式等の紫外線照射機であってよく、太陽光であってもよい。
【0130】
リスク制御部16は、判定部10による感染リスク度合いIfrの判定結果Rdに基づいて、内部空間508(図11参照)における気流、内部空間508の温度T、内部空間508の湿度H、内部空間508における紫外線の強度および内部空間508における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御する。リスク制御部16は、当該判定結果Rdに基づいて、感染リスク度合いIfrが減少するように、当該気流、温度T、湿度H、当該紫外線の強度および当該気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御してよい。これにより、判定部10が感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを出力するだけでなく、感染リスク度合いIfrが減少し得る。
【0131】
判定部10により、判定対象500における感染リスク度合いIfrが高いと判定された場合、リスク制御部16は、供給部507による、内部空間508の外部の気体の供給量、および、排出部509による内部空間508の気体の排出量の少なくとも一方を増加させてよい。これにより、感染リスク度合いIfrは低減しやすくなる。また判定部10により、判定対象500における感染リスク度合いIfrが高いと判定された場合でも、外部状況によっては供給部507による、内部空間508の外部の気体の供給量、および、排出部509による内部空間508の気体の排出量の少なくとも一方を増加させなくても良い。外部状況とは例えば花粉の飛散量が多い状況である。
【0132】
判定部10により、判定対象500における感染リスク度合いIfrが高いと判定された場合、リスク制御部16は、内部空間508の温度Tが予め定められた温度になるように、空調部420を制御してよい。これにより、感染リスク度合いIfrは低減しやすくなる。感染源512がSARS-CoV-2ウイルス(所謂新型コロナウイルス)である場合、当該予め定められた温度は、例えば20℃以上25℃以下である。
【0133】
判定部10により、判定対象500における感染リスク度合いIfrが高いと判定された場合、リスク制御部16は、内部空間508の湿度Hが予め定められた湿度になるように、湿度調整部422を制御してよい。これにより、感染リスク度合いIfrは低減しやすくなる。感染源512がSARS-CoV-2ウイルス(所謂新型コロナウイルス)である場合、当該予め定められた湿度は、例えば40%以上である。
【0134】
判定部10により、判定対象500における感染リスク度合いIfrが高いと判定された場合、リスク制御部16は、紫外線照射部424をオンにしてよい。これにより、感染リスク度合いIfrは低減しやすくなる。リスク制御部16は、紫外線照射部424により照射される紫外線の強度を制御してもよい。紫外線照射部424が太陽光である場合、リスク制御部16は、内部空間508における天井部506の開閉度合いを制御することにより、内部空間508に照射される太陽光の量を制御してもよい。これにより、感染源512がSARS-CoV-2ウイルス(所謂新型コロナウイルス)である場合、感染源512は不活性化しやすくなる。これにより、感染リスク度合いIfrは低減しやすくなる。またリスク制御部16は人の不在を検知して紫外線照射部424を稼働してよい。
【0135】
リスク制御部16は、制御部20に含まれていてもよい。判定装置100がリスク制御部16を有さず、制御部20が内部空間508(図11参照)における気流、内部空間508の温度T、内部空間508の湿度Hおよび内部空間508における紫外線の強度の少なくとも一つを制御してもよい。
【0136】
図18は、表示部30における表示態様の一例を示す図である。本例の表示部30は、入力部18、出力部19および画像表示部17を有する。感染リスク判定システム200のユーザは、入力部18から環境情報Ieを入力してよい。感染リスク度合いIfrの判定結果Rdは、出力部19に出力されてよく、画像表示部17に表示されてよい。本例においては、当該判定結果Rdは、出力部19に可読性のある情報(例えば文字、数字等)で表示され、画像表示部17に視覚認知性のある情報(例えばグラフ、図形等)で表示される。なお、入力部18および出力部19は、画像表示部17に含まれていてもよい。
【0137】
入力部18には、撮像部80により撮像された画像に基づく環境情報Ieが自動で入力されてもよい。例えば、「平均滞在時間」の項目には、滞留時間情報Isに基づく滞留時間が自動で入力されてよく、「CO濃度」の項目には、二酸化炭素濃度取得部400により測定されたCO(二酸化炭素)510の濃度が自動で表示されてもよい。
【0138】
表示部30は、リスク制御部16による制御状態であって、内部空間508における気流、内部空間508の温度T、内部空間508の湿度H、内部空間508における紫外線の強度および内部空間508における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つの制御状態を表示してよい。これにより、リスク制御部16の稼働状態が可視化される。リスク制御部16の稼働状態が可視化されることにより、判定対象500の実際の運用状況に合わせた収容人数の制御が可能となる。これにより、判定対象500を経済的に運用することが可能となる。これにより、判定対象500の資産価値が向上し得る。表示部30には、紫外線照射部424が稼働されることによる効果が表示されてもよい。紫外線照射部424が稼働されることによる効果とは、紫外線照射部424が稼働される前と後とにおける、感染リスク度合いIfrの変化であってよい。
【0139】
画像表示部17には、撮像部80により撮像された画像が表示されてもよい。画像表示部17には、当該画像と、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdとが合わせて表示されてもよい。画像表示部17には、撮像部80により撮像された、図1に示される画像が表示されてもよい。
【0140】
表示部30は、撮像部80が、生体90の数情報Inがゼロである、判定対象500の画像を取得してから予め定められた時間、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを表示してよい。生体90の数情報Inがゼロである、判定対象500の画像とは、生体90が撮像されていない画像を指す。数情報Inがゼロである画像を取得してから予め定められた時間とは、数情報Inがゼロでない画像から、数情報Inがゼロである画像に変化してからの時間であってよい。画像を取得してからの予め定められた時間とは、残存している感染源512による感染リスク度合いIfrが残っている時間である。
【0141】
本例においては、数情報Inがゼロである画像が取得されてから予め定められた時間、表示部30に感染リスク度合いIfrの判定結果Rdが表示されるので、感染リスク判定システム200は、内部空間508に新たに入ろうとしている生体90に、判定対象500における感染リスク度合いIfrを知らせることができる。表示部30は、数情報Inがゼロである画像が取得されてから予め定められた時間が経過後、判定結果Rdの表示を停止してよい。内部空間508に新たに生体90が入った場合、数情報Inが1以上である画像が取得され得る。数情報Inが1以上である画像が取得された場合、表示部30は、判定結果Rdを再度、表示してよい。
【0142】
表示部30は、環境情報Ieのうち、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdに最も寄与度の大きい環境情報Ieを表示してよい。表示部30は、音情報Iv、数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imのうち、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdに最も寄与度の大きい環境情報Ieを表示してよい。表示部30は、環境情報Ieのうち、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdに寄与している環境情報Ieを表示し、且つ、最も寄与度の大きい環境情報Ieを、他の環境情報とは異なる態様で表示してもよい。異なる態様とは、例えば文字を太字にする、文字の色を変える、文字を点滅させる、等である。
【0143】
図19は、判定結果Rdの導出方法の一例を示す図である。判定推論モデル120は、環境情報IeおよびCO(二酸化炭素)510の濃度が入力された場合、環境情報IeおよびCO(二酸化炭素)510の濃度に対する感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを出力する。環境情報Ieは、音情報Iv、数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imの少なくとも一つを含む。判定装置100は、判定推論モデル120を備えてよい。判定推論モデル120は、環境情報IeとCO(二酸化炭素)510の濃度とを機械学習することにより、生成されてよい。
【0144】
判定推論モデル120には現在、一の環境情報Ieおよび一のCO(二酸化炭素)510の濃度の少なくとも一方が入力されているとする。判定推論モデル120に、一の環境情報Ieおよび一のCO(二酸化炭素)510の濃度の少なくとも一方が入力されている場合において、他の環境情報Ieおよび他のCO(二酸化炭素)510の濃度の少なくとも一方が入力された場合、表示部30は、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdの変化を表示してよい。これにより、感染リスク判定システム200のユーザは、環境情報Ieの少なくとも一つおよびCO(二酸化炭素)510の濃度の少なくとも一方を、現在の環境情報IeおよびCO(二酸化炭素)510の濃度から変化させた場合における判定結果Rdの変化を、認知できる。
【0145】
図20は、携帯端末110(図4参照)における表示態様の一例を示す図である。図20においては、携帯端末110に設けられた入力部18が示されている。感染リスク判定システム200のユーザは、携帯端末110に設けられた入力部18から、環境情報Ieを入力してもよい。携帯端末110には、画像表示部17が設けられていてよい。感染リスク度合いIfrの判定結果Rdは、画像表示部17に表示されてよい。本例においては、画像表示部17には、「現在のクラスターレベルは中程度です」との判定結果Rdが表示されている。画像表示部17には、紫外線照射部424が稼働されることによる効果が表示されてもよい。
【0146】
図21は、本発明の一つの実施形態に係る判定装置100の一例を示す図である。本例においては、判定装置100は、二酸化炭素濃度取得部400、撮像部80、音声取得部82および紫外線センサ403を備える。判定対象500に配置された判定装置100(図1参照)が、二酸化炭素濃度取得部400、撮像部80、音声取得部82および紫外線センサ403を備えていてもよい。判定装置100は、温湿度センサ401(図17参照)をさらに備えていてもよい。判定装置100は、表示部30をさらに備えていてもよい。
【0147】
図22は、本発明の一つの実施形態に係る判定方法の一例を示すフローチャートである。本発明の一つの実施形態に係る判定方法を、図3に示される感染リスク判定システム200を例に説明する。二酸化炭素濃度取得段階S90は、一または複数の二酸化炭素濃度取得部400が、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度を測定する段階である。環境情報取得段階S92は、環境情報取得部180が、判定対象500における環境情報Ieを取得する段階である。判定段階S100は、判定部10が、CO(二酸化炭素)510の濃度と環境情報Ieとに基づいて、判定対象500に存在する一または複数の生体90が、判定対象500に存在する感染源512に感染する感染リスク度合いIfrを判定する段階である。
【0148】
図22に示される判定方法においては、判定段階S100において、生体90が感染源512に感染する感染リスク度合いIfrが判定される。このため、感染リスク判定システム200のユーザは、当該感染リスク度合いIfrを認知できる。
【0149】
環境情報Ieは、音情報Iv、数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imの少なくとも一つであってよい。露出情報Ipは、生体90の鼻または口を覆うマスクの種類の情報を含んでよい。
【0150】
環境情報Ieは、撮像部80(図2参照)により撮像された判定対象500の画像に基づく情報、および、音声取得部82(図2参照)により取得された生体90の音に基づく情報の少なくとも一方であってよい。数情報In、体温情報It、露出情報Ip、距離情報Id、位置情報IL、滞留時間情報Isおよび運動情報Imは、撮像部80により撮像された画像に基づく情報であってよい。音情報Ivは、音声取得部82により取得された生体90の音に基づく情報であってよい。
【0151】
判定段階S100は、判定部10が、撮像部80(図5参照)により撮像された判定対象500の画像と、音声取得部82(図5参照)により取得された生体90の音とに基づいて、複数の生体90のうち音情報Ivの情報源である生体90をさらに判定する段階であってよい。複数の生体90のうち音情報Ivの情報源である生体90は、複数の撮像部80により撮像された複数の画像と、複数の音声取得部により取得された複数の音声とに基づいて判定されることが好ましい。
【0152】
環境情報Ieは、生体90が感染源512に感染しているかの感染情報Ifiを含んでよい。判定段階S100は、環境情報Ieが感染情報Ifiを含む場合、判定部10が、音情報Ivの情報源である生体90の発音時間および発音量の少なくとも一方に基づいて、感染リスク度合いIfrを判定する段階であってよい。
【0153】
生体90は、人間であってよい。環境情報Ieは、当該人間の性別、年齢、身長、持病履歴および感染症への罹患履歴の少なくとも一つをさらに含んでよい。環境情報Ieは、生体90の感染源512への感染状況に関する統計情報Istをさらに含んでよい。
【0154】
環境情報Ieは、内部空間508(図9参照)における気流情報Iafをさらに含んでよい。環境情報Ieは、内部空間508において予め定められた量を超えるCO(二酸化炭素)510を排出するCO(二酸化炭素)排出部505(図11参照)の情報をさらに含んでよい。環境情報Ieは、内部空間508(図9参照)の温度Tおよび湿度Hの少なくとも一方をさらに含んでよい。
【0155】
図23は、本発明の一つの実施形態に係る判定方法の他の一例を示すフローチャートである。本例の判定方法は、分布取得段階S102および判定補正段階S104をさらに備える点で、図22に示される判定方法と異なる。図23に示される判定方法を、図15に示される感染リスク判定システム200を例に説明する。
【0156】
判定対象500において、複数の二酸化炭素濃度取得部400は相互に異なる位置に配置されてよい。複数の二酸化炭素濃度取得部400は、相互に異なる高さに配置されることが好ましい。分布取得段階S102は、分布取得部14が、複数の二酸化炭素濃度取得部400により測定された複数のCO(二酸化炭素)510の濃度に基づいて、判定対象500におけるCO(二酸化炭素)510の濃度の分布を取得する段階である。判定補正段階S104は、判定部10が、CO(二酸化炭素)510の濃度の分布に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正する段階である。
【0157】
CO(二酸化炭素)の濃度は、内部空間508(図11参照)における位置により異なる場合がある。このため、CO(二酸化炭素)510の濃度の分布に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdが補正されることにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0158】
図24は、本発明の一つの実施形態に係る判定方法の他の一例を示すフローチャートである。本例の判定方法は、紫外線取得段階S103および判定補正段階S1041をさらに備える点で、図22に示される判定方法と異なる。図24に示される判定方法を、図16に示される感染リスク判定システム200を例に説明する。
【0159】
紫外線測定段階S103は、紫外線センサ403が、判定対象500における紫外線を測定する段階である。判定補正段階S1041は、判定部10が、紫外線センサ403により測定された紫外線の強度に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdを補正する段階である。
【0160】
感染源512が、紫外線が照射される環境下に存在する場合、感染源512の活性度は、当該紫外線の強度に依存しやすい。感染源512の活性度とは、感染源512が生体90に感染する度合いを指す。このため、紫外線センサ403により測定された紫外線の強度に基づいて、感染リスク度合いIfrの判定結果Rdが補正されることにより、感染リスク度合いIfrは、より正確に判定されやすくなる。
【0161】
図25は、本発明の一つの実施形態に係る判定方法の他の一例を示すフローチャートである。本例の判定方法は、リスク制御段階S106をさらに備える点で、図22に示される判定方法と異なる。図25に示される判定方法を、図17に示される感染リスク判定システム200を例に説明する。
【0162】
リスク制御段階S106は、リスク制御部16が、判定部10による感染リスク度合いIfrの判定結果Rdに基づいて、内部空間508(図9参照)における気流、内部空間508の温度T、内部空間508の湿度H、内部空間508における紫外線の強度および内部空間508における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御する段階である。リスク制御段階S106は、リスク制御部16が、判定部10による感染リスク度合いIfrの判定結果Rdに基づいて、感染リスク度合いIfrが減少するように、内部空間508における気流、温度T、湿度H、紫外線の強度および内部空間508における気体に含まれる物質の量の少なくとも一つを制御する段階であってよい。これにより、生体90が感染源512に感染する感染リスク度合いIfrは、低減しやすくなる。
【0163】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよい。本発明の様々な実施形態において、ブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。
【0164】
特定の段階が、専用回路、プログラマブル回路またはプロセッサによって実行されてよい。特定のセクションが、専用回路、プログラマブル回路またはプロセッサによって実装されてよい。当該プログラマブル回路および当該プロセッサは、コンピュータ可読命令と共に供給されてよい。当該コンピュータ可読命令は、コンピュータ可読媒体上に格納されてよい。
【0165】
専用回路は、デジタルハードウェア回路およびアナログハードウェア回路の少なくとも一方を含んでよい。専用回路は、集積回路(IC)およびディスクリート回路の少なくとも一方を含んでもよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NORまたは他の論理操作のハードウェア回路を含んでよい。プログラマブル回路は、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでもよい。
【0166】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。コンピュータ可読媒体が当該有形なデバイスを含むことにより、当該デバイスに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。
【0167】
コンピュータ可読媒体は、例えば電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等であってよい。コンピュータ可読媒体は、より具体的には、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等であってよい。
【0168】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、ソースコードおよびオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。当該ソースコードおよび当該オブジェクトコードは、オブジェクト指向プログラミング言語および従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてよい。オブジェクト指向プログラミング言語は、例えばSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等であってよい。手続型プログラミング言語は、例えば「C」プログラミング言語であってよい。
【0169】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路は、図22図25に示されるフローチャート、または、図3図8図10図12図14図17および図21に示されるブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサは、例えばコンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等であってよい。
【0170】
図26は、本発明の一つの実施形態に係る判定装置100または感染リスク判定システム200が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る判定装置100に関連付けられる操作または判定装置100または感染リスク判定システム200の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、またはコンピュータ2200に、本発明の判定方法に係る各段階(図22図25参照)を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載されたフローチャート(図22図25)およびブロック図(図3図8図10図12図14図17および図21)におけるブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0171】
本発明の一つの実施形態に係るコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218を含む。CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218は、ホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200は、通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等の入出力ユニットをさらに含む。通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等は、入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータは、ROM2230およびキーボード2242等のレガシの入出力ユニットをさらに含む。ROM2230およびキーボード2242等は、入出力チップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
【0172】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作することにより、各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはRAM2214の中に、CPU2212によって生成されたイメージデータを取得することにより、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0173】
通信インターフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、読み取ったプログラムまたはデータを、RAM2214を介してハードディスクドライブ2224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取るか、または、プログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0174】
ROM2230は、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、または、コンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ2240は、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
【0175】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い、情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0176】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0177】
CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにしてよい。CPU2212は、RAM2214上のデータに対し、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0178】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理されてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示に記載された、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索または置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、結果をRAM2214に対しライトバックしてよい。
【0179】
CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、第2の属性値を読み取ることにより、予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0180】
上述したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。プログラムは、当該記録媒体によりコンピュータ2200に提供されてよい。
【0181】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0182】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0183】
10・・・判定部、12・・・演算部、14・・・分布取得部、16・・・リスク制御部、17・・・画像表示部、18・・・入力部、19・・・出力部、20・・・制御部、30・・・表示部、80・・・撮像部、82・・・音声取得部、90・・・生体、91・・・マスク、100・・・判定装置、110・・・携帯端末、120・・・判定推論モデル、180・・・環境情報取得部、200・・・感染リスク判定システム、400・・・二酸化炭素濃度取得部、401・・・温湿度センサ、403・・・紫外線センサ、420・・・空調部、422・・・湿度調整部、424・・・紫外線照射部、500・・・判定対象、501・・・机、502・・・床部、504・・・壁部、505・・・排出部、506・・・天井部、507・・・供給部、508・・・内部空間、509・・・排出部、510・・・CO(二酸化炭素)、511・・・物質捕捉部、512・・・感染源、2200・・・コンピュータ、2201・・・DVD-ROM、2210・・・ホストコントローラ、2212・・・CPU、2214・・・RAM、2216・・・グラフィックコントローラ、2218・・・ディスプレイデバイス、2220・・・入出力コントローラ、2222・・・通信インターフェース、2224・・・ハードディスクドライブ、2226・・・DVD-ROMドライブ、2230・・・ROM、2240・・・入出力チップ、2242・・・キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26