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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113793
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20230808BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F12/00 560B
G06F12/00 564A
G11C7/10 480
G11C7/10 250
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092662
(22)【出願日】2023-06-05
(62)【分割の表示】P 2019063834の分割
【原出願日】2019-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】稲田 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】松井 克晃
(57)【要約】      (修正有)
【課題】同時にアクセスすることが可能な書き込みデータ入力端子と読み出しデータ出力端子を有する半導体記憶装置において、回路規模の増大を抑制させる。
【解決手段】半導体記憶装置(10)は、複数のデータの書き込み、読み出しを行うメモリアレイ(11)と、メモリアレイ(11)に書き込む書き込みデータを一時的に格納する1対の書き込みレジスタ(WR(0)、WR(1))と、メモリアレイ(1)から読み出す読み出しデータを一時的に格納する1対の読み出しレジスタ(RR(0)、RR(1))と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータの書き込み、読み出しを行うメモリアレイと、
前記メモリアレイに書き込む書き込みデータを一時的に格納する1対の書き込みレジスタと、
前記メモリアレイから読み出す読み出しデータを一時的に格納する1対の読み出しレジスタと、
入力された書き込みデータを、前記メモリアレイのロウアドレスごとに、前記1対の書き込みレジスタに交互に格納するように制御する書き込み制御回路と、
入力された読み出しアドレスに対して前記メモリアレイから読み出された読み出しデータを、前記メモリアレイの前記ロウアドレスごとに、前記1対の読み出しレジスタに交互に格納するように制御する読み出し制御回路と
を含み、
前記1対の書き込みレジスタは前記メモリアレイ及び前記書き込み制御回路の間に位置し、
前記1対の読み出しレジスタは前記メモリアレイ及び前記読み出し制御回路の間に位置する
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記メモリアレイは、前記1対の書き込みレジスタの双方及び前記1対の読み出しレジスタの双方がアクセス可能なブロックからなる分割されない単一アレイである
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記読み出し制御回路は、前記メモリアレイから読み出された読み出しデータを格納した前記読み出しレジスタから読み出しアドレスに対応した読み出しデータを選択し出力する
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリアレイに対する書き込み処理のタイミングと読み出し処理のタイミングとが重複しないように制御するタイミング制御回路をさらに含む
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
複数の前記メモリアレイと、
複数の前記1対の書き込みレジスタと、
複数の前記1対の読み出しレジスタと、を含む
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置、特に同時アクセス可能な書き込みデータ入力端子と読み出しデータ出力端子を有する半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
同時アクセス可能な書き込みデータ入力端子と読み出しデータ出力端子を有する半導体記憶装置として、例えば特許文献1に開示された半導体記憶装置が知られている。特許文献1に開示された半導体記憶装置は、入力回路と該入力回路に対応した書き込み制御回路を備えた入力ポート、および出力回路と該出力回路対応した読み出し制御回路を備えた出力ポート、ライトバスとリードバスを備えたデータバス、およびライトコントロールバスとリードコントロールバスを備えた制御バスを含んで構成されている。
【0003】
特許文献1に開示された半導体記憶装置では、データ入力ポートとデータ出力ポートからの同時アクセスを可能とするため、メモリアレイ部をアドレス割り付けにより多分割化し、データの入出力をより細かく制御し、同時アクセスに対する制約を小さくし、かつ同じアドレスヘのアクセスを検出する競合検出回路を設けて同一アドレスに対するアクセスの調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-49595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に係る半導体記憶装置では、データ入力ポートとデータ出力ポートから同時アクセスを可能にするために、メモリアレイ部に対してアドレス割り付けの多分割化行った結果による回路増加、さらに同じアドレスへのアクセスを検出しアクセスタイミングを調整する競合検出回路が必要となるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、同時にアクセスすることが可能な書き込みデータ入力端子と読み出しデータ出力端子を有する半導体記憶装置において、回路規模の増大を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体記憶装置は、複数のデータの書き込み、読み出しを行うメモリアレイと、前記メモリアレイに書き込む書き込みデータを一時的に格納する1対の書き込みレジスタと、前記メモリアレイから読み出す読み出しデータを一時的に格納する1対の読み出しレジスタと、を含むものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、同時にアクセスすることが可能な書き込みデータ入力端子と読み出しデータ出力端子を有する半導体記憶装置において、回路規模の増大を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
図3】第1の実施の形態に係る半導体記憶装置の回路面積略図である。
図4】比較例に係る半導体記憶装置の回路面積略図である。
図5】第2の実施の形態に係る半導体記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6】第2の実施の形態に係る半導体記憶装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。以下の実施の形態では、本発明に係る半導体記憶装置の一例として、メモリ部にDRAM(Dynamic Random Access Memory)セルを使用し、同時アクセス可能な書き込みデータ入力端子と読み出しデータ出力端子を有し、例えば画像や通信データのバッファメモリとして使用される半導体記憶装置を例示して説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本実施の形態に係る半導体記憶装置10は、メモリアレイ(図1では「MA」と表記)11、書き込み回路12、読み出し回路13、および調停回路14を含んで構成されている。また、書き込み回路12はライト(書き込み)制御回路15、および入力回路16を備え、読み出し回路13はリード(読み出し)制御回路17および出力回路18を備えている。なお、調停回路14は、本発明に係る「タイミング制御回路」の一例である。
【0012】
書き込み回路12とメモリアレイ11との間には、ライトデータバスWDB、およびライト制御バスWCBが配置され、ライトデータバスWDBおよびライト制御バスWCBの各々は2分岐され、メモリアレイ11に備えられたライトレジスタWR(0)およびライトレジスタWR(1)(以下総称する場合は、「ライトレジスタWR」)に入力される。
一方、読み出し回路13とメモリアレイ11との間には、リードデータバスRDB、およびリード制御バスRCBが配置され、リードデータバスRDBおよびリード制御バスRCBの各々は2分岐され、メモリアレイ11に備えられたリードレジスタRR(0)およびリードレジスタRR(1)(以下総称する場合は、「リードレジスタRR」)に入力される。
【0013】
図1において、半導体記憶装置10のDIN端子にはメモリアレイ11へのライトデータが入力され、WE端子にはライトクロックが入力され、WAD端子にはメモリアレイ11へのライトアドレスが入力される。一方、RE端子にはリードクロックが入力され、RAD端子にはメモリアレイ11へのリードアドレスが入力され、DOUT端子からはメモリアレイ11からの読み出しデータが出力される。
【0014】
ライトデータは、入力回路16を介してライトレジスタWR(0)またはライトレジスタWR(1)に格納される。ライトレジスタWR(0)またはライトレジスタWR(1)は、ライト制御回路15により生成された信号によりライト制御バスWCBを介して選択され、選択されたライトレジスタWR(0)またはライトレジスタWR(1)に格納されているライトデータはメモリアレイ11に書き込まれる。メモリアレイ11へのライトアドレスは端子WADを介してライト制御バスWCBで選択される。
【0015】
一方、リード制御バスRCBを介して選択されたリードアドレスに基づいてメモリアレイ11から読み出されたリードデータはリードレジスタRR(0)またはリードレジスタRR(1)に格納される。リードレジスタRR(0)またはリードレジスタRR(1)はリード制御バスRCBにより選択され、選択されたリードレジスタRR(0)またはリードレジスタRR(1)に格納されているリードデータはリードデータバスRDBに出力され、出力回路18を介してDOUT端子から出力される。
【0016】
ライトレジスタWR(0)およびWR(1)と、リードレジスタRR(0)およびRR(1)は、メモリアレイ11のロウアドレス当たりのビット数のデータが格納できる容量をもっている。メモリアレイ11への書き込みタイミングおよび読み出しタイミングは、メモリアレイ11へのアクセスが競合しないように調停回路14によって調整が行われる。調停回路14はさらにDRAMのリフレッシュ処理と、書き込みタイミング、読み出しタイミングとの調整も行っている。すなわち調停回路14によって、メモリアレイ11における書き込み処理、読み出し処理、リフレッシュ処理の各アクセスが相互に競合しないように調整されている。調停回路14における調整は、一例として、ある処理が実行された後、一定期間の他の処理のアクセスを禁止することによって行う。
【0017】
図2を参照して、本実施の形態に係る半導体記憶装置10の動作について説明する。
図2は、半導体記憶装置10の各部の波形を示すタイミングチャートである。図2において、(a)はRAD端子におけるリードアドレスの波形を、(b)はWAD端子におけるライトアドレスの波形を、(c)はDIN端子におけるライトデータの波形を、(d)はライトレジスタWR(0)におけるライトデータの波形を、(e)はライトレジスタWR(1)におけるライトデータの波形を、(f)はメモリアレイ11におけるライトデータまたはリードデータの波形を、(g)はリードレジスタRR(0)におけるリードデータの波形を、(h)はリードレジスタRR(1)におけるリードデータの波形を、(i)はDOUT端子におけるリードデータの波形を、各々示している。
【0018】
第1の書き込みはライトアドレス群WA0、ライトデータ群WD0に対するものである。ライトアドレス群WA0はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能で、その場合ライトデータ群WD0としても複数のライトアドレス群WA0に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD0はライトレジスタWR(0)に格納される。すべてのライトデータ群WD0の格納が完了した後、格納されたライトデータ群WD0はメモリアレイ11のアドレス群WA0に対応するロウアドレスに書き込まれる。
【0019】
第1の読み出しはリードアドレス群RA0に対するもので、リードアドレス群RA0はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA0に対応するロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD0はリードレジスタRR(0)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA0のアドレス順にリードレジスタRR(0)からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0020】
第2の書き込みはライトアドレス群WA1、ライトデータ群WD1に対するものである。ライトアドレス群WA1はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能で、その場合ライトデータ群WD1としても複数のライトアドレス群WA1に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD1はライトレジスタWR(1)に格納される。すべてのライトデータ群WD1が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD1はメモリアレイ11のアドレス群WA1に対応するロウアドレスに書き込まれる。
【0021】
第2の読み出しはリードアドレス群RA1に対するもので、リードアドレス群RA1はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA1に対応するロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD1はリードレジスタRR(1)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA1のアドレス順にリードレジスタRR(1)からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0022】
第3の書き込みはライトアドレス群WA2、ライトデータ群WD2に対するものである。ライトアドレス群WA2はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能で、その場合ライトデータ群WD2としても複数のライトアドレス群WA2に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD2はライトレジスタWR(0)に格納される。すべてのライトデータ群WD2が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD2はメモリアレイ11のアドレス群WA2に対応するロウアドレスに書き込まれる。
【0023】
第3の読み出しはリードアドレス群RA2に対するもので、リードアドレス群RA2はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA2に対応するロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD2はリードレジスタRR(0)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA2のアドレス順にリードレジスタRR(0)からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0024】
第4の書き込みはライトアドレス群WA3、ライトデータ群WD3に対するものである。ライトアドレス群WA3はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能で、その場合ライトデータ群WD3としても複数のライトアドレス群WA3に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD3はライトレジスタWR(1)に格納される。すべてのライトデータ群WD3が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD3はメモリアレイ11のアドレス群WA3に対応するロウアドレスに書き込まれる。
【0025】
第4の読み出しはリードアドレス群RA3に対するもので、リードアドレス群RA3はメモリアレイ11の同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA3に対応するロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD3はリードレジスタRR(1)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA3のアドレス順にリードレジスタRR(1)からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0026】
以上の動作によって、半導体記憶装置10における1サイクル分の書き込み処理および読み出し処理が実行される。半導体記憶装置10では、例えば図2(a)、(b)に示すライトアドレス群WA1とリードアドレス群RA0ように、書き込み処理と読み出し処理が重複しても処理が実行される。また、例えば図2(d)、(e)に示すライトデータ群WD0とWD1のように、あるいは図2(g)、(h)に示すリードデータ群RD0とRD1のように、ライトデータ同士あるいはリードデータ同士が重複するような長さであっても処理が実行される。なお、図2では図示を省略しているが、半導体記憶装置10におけるリフレッシュ処理は、例えば図2(f)に示すリードデータRDの後で次のライトデータWDの前のタイミングで実行される。
【0027】
以上詳述したように、本実施の形態に係る半導体記憶装置10では、メモリアレイ11に対してライトレジスタ、およびリードレジスタを各々2個ずつ設けることによって、メモリアレイ11を分割することなくリード処理とライト処理の同時アクセスが可能となっている。
【0028】
次に、半導体記憶装置10の回路面積(レイアウト面積)について説明する。図4は、メモリアレイを2分割した場合の比較例に係る半導体記憶装置の回路面積略図を示している。図4において、MC(0)からMC(2N+2)はメモリセルブロックを、SA(0)からSA(2N+2)はセンスアンプブロックを、RR(0)、RR(1)はリードレジスタを、WR(0)、WR(1)はライトレジスタを各々表わしている。メモリセルブロックMCは複数のメモリセルの集合体であり、センスアンプブロックSAはメモリセルブロックMCからの信号(例えば電圧信号)を増幅する。
【0029】
ここで、一般に2個のメモリセルブロックMCに対して1個のセンスアンプブロックSAが共通に配置されるところ、図4に示すように、メモリセルブロックMC(0)、MC(N+1)、NC(N+2)、MC(2N+2)は、センスアンプブロックSAが方辺しか接していない。そのため、これらのメモリセルブロックMCについては、それぞれ有効なメモリセルブロックMCが他のメモリセルブロックMCの半分になる。その結果、本比較例に係る半導体記憶装置で2N個分のメモリセルブロックMCの容量を得るためには、メモリセルブロックMCが2N+2個、センスアンプブロックSAが2N+2個、リードレジスタRRが2個、ライトレジスタWRが2個必要となる。
【0030】
上記比較例に係る半導体記憶装置に対し、図3は、本実施の形態に係る半導体記憶装置10、すなわち、メモリアレイ11を分割しない場合の回路面積略図を示している。図3において、MC(0)からMC(2N+1)はメモリセルブロックを、SA(0)からSA(2N+1)はセンスアンプブロックを、RR(0)、RR(1)はリードレジスタを、WR(0)、WR(1)はライトレジスタを各々表わしている。
【0031】
図3に示すように、半導体記憶装置10において2N個分のメモリセルブロックMCの容量を得るためには、センスアンプブロックSAが方辺しか接していないメモリセルブロックMC(0)、MC(2N+1)は、それぞれ有効なメモリセルブロックMCが他のメモリセルブロックMCの半分になるため、本実施の形態に係る半導体記憶装置10では、メモリセルブロックMCが2N+1個、センスアンプブロックSAが2N+1個、リードレジスタRRが2個、ライトレジスタWRが2個必要となる。
【0032】
すなわち、メモリアレイを分割した上記比較例に係る半導体記憶装置と比較して、本実施の形態に係る半導体記憶装置10では、メモリセルブロックMCの1個分、センスアンプブロックSAの1個分の回路面積縮小の効果が得られる。本例では比較例に係る半導体記憶装置としてメモリアレイを2分割した場合を例示して説明したが、この分割数が多くなるほど半導体記憶装置10はレイアウト面積的に優位になる。さらに、半導体記憶装置10では、アドレスによるメモリアレイ11の分割を行わないので、リード処理とライト処理の同時アクセスが発生した場合に、アドレスによる競合判定を行う必要がない。その結果、メモリアレイを分割した比較例に係る半導体記憶装置と比較して調停回路を小型化することが可能であるという効果も奏する。
【0033】
[第2の実施の形態]
図5を参照して、本実施の形態に係る半導体記憶装置10Aについて説明する。半導体記憶装置10Aは、上記実施の形態に係る半導体記憶装置10に対して、(N+1)個のメモリアレイ11-0(図5では、「MA(0)」と表記)からメモリアレイ11-N(図5では、「MA(N)」と表記)を並列に接続した形態である。従って、半導体記憶装置10と同様の構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。図5に示す半導体記憶装置10Aの構成では、リードデータバスRDBおよびライトデータバスWDBのバス幅が半導体記憶装置10と比較して各々N倍になっている。なお、リード制御バスRCBおよびライト制御バスWCBのバス幅に変更はない。
【0034】
図6を参照して、本実施の形態に係る半導体記憶装置10Aの動作について説明する。
図6は、半導体記憶装置10Aの各部の波形を示すタイミングチャートである。図6において、(a)はRAD端子におけるリードアドレスの波形を、(b)はWAD端子におけるライトアドレスの波形を、(c)はDIN端子におけるライトデータの波形を、(d)はライトレジスタWR(0)、WR(2)、・・・、WR(2N)におけるライトデータの波形を、(e)はライトレジスタWR(1)、WR(3)、・・・、WR(2N+1)におけるライトデータの波形を、(f)はメモリアレイ11-0から11-N(以下、総称する場合は「メモリアレイ11」)におけるライトデータまたはリードデータの波形を、(g)はリードレジスタRR(0)、RR(2)、・・・、RR(2N)におけるリードデータの波形を、(h)はリードレジスタRR(1)、RR(3)、・・・、RR(2N+1)におけるリードデータの波形を、(i)はDOUT端子におけるリードデータの波形を、各々示している。
【0035】
第1の書き込みはライトアドレス群WA0、ライトデータ群WD0に対するものである。ライトアドレス群WA0はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能である。その場合、ライトデータ群WD0としてもライトアドレス群WA0に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD0はライトレジスタWR(0)、WR(2)、・・・、WR(2N)に格納される。すべてのライトデータ群WD0が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD0はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nのアドレス群WA0に対する各メモリアレイ11のロウアドレスに書き込まれる。
【0036】
第1の読み出しはリードアドレス群RA0に対するもので、リードアドレス群RA0はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA0に対応する各メモリアレイのロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD0はリードレジスタRR(0)、RR(2)、・・・、RR(2N)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA0のアドレス順にリードレジスタRR(0)、RR(2)、・・・、RR(2N)の各々からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0037】
第2の書き込みはライトアドレス群WA1、ライトデータ群WD1に対するものである。ライトアドレス群WA1はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能である。その場合、ライトデータ群WD1としてもライトアドレス群WA1に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD1はライトレジスタWR(1)、WR(3)、・・・、WR(2N+1)に格納される。すべてのライトデータ群WD1が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD1はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nのアドレス群WA1に対する各メモリアレイのロウアドレスに書き込まれる。
【0038】
第2の読み出しはリードアドレス群RA1に対するもので、リードアドレス群RA1はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA1に対応する各メモリアレイのロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD1はリードレジスタRR(1)、RR(3)・・・、RR(2N+1)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA1のアドレス順にリードレジスタRR(1)、RR(3)・・・、RR(2N+1)の各々からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0039】
第3の書き込みはライトアドレス群WA2、ライトデータ群WD2に対するものである。ライトアドレス群WA2はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能である。その場合、ライトデータ群WD2としてもライトアドレス群WA2に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD2はライトレジスタWR(0)、WR(2)、・・・、WR(2N)に格納される。すべてのライトデータ群WD2が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD2はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nのアドレス群WA2に対する各メモリアレイのロウアドレスに書き込まれる。
【0040】
第3の読み出しはリードアドレス群RA2に対するもので、リードアドレス群RA2はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA2に対応する各メモリアレイのロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD2はリードレジスタRR(0)、RR(2)、・・・、RR(2N)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA2のアドレス順にリードレジスタRR(0)、RR(2)、・・・、RR(2N)の各々からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0041】
第4の書き込みはライトアドレス群WA3、ライトデータ群WD3に対するもので、ライトアドレス群WA3はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスで、連続したサイクルあれば複数のアドレスも入力可能である。その場合、ライトデータ群WD3としてもライトアドレス群WA3に対応して複数のライトデータが入力される。ライトデータ群WD3はライトレジスタWR(1)、WR(3)、・・・、WR(2N+1)に格納される。すべてのライトデータ群WD3が格納完了した後、格納されたライトデータ群WD3はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nのアドレス群WA3に対する各メモリアレイのロウアドレスに書き込まれる。
【0042】
第4の読み出しはリードアドレス群RA3に対するもので、リードアドレス群RA3はメモリアレイ11-0からメモリアレイ11-Nの各メモリアレイの同一ロウアドレスに対するアドレスである。リードアドレス群RA3に対応する各メモリアレイのロウアドレスより読み出されたリードデータ群RD3はリードレジスタRR(1)、RR(3)、・・・、RR(2N+1)に格納された後、入力されたリードアドレス群RA3のアドレス順にリードレジスタRR(1)、RR(3)、・・・、RR(2N+1)の各々からリードデータが選択され、DOUT端子に順に出力される。
【0043】
以上の動作によって、半導体記憶装置10Aにおける1サイクル分の書き込み処理および読み出し処理が実行される。以上詳述したように、本実施の形態によれば、複数のメモリアレイを並列に接続することで、制御回路を変更することなく、容易にデータ転送レートを向上させることができる。
【0044】
なお、上記第2の実施の形態ではリードデータバスRDBおよびライトデータバスWDBのバス幅増大による転送レート向上を説明したが、出力回路にリードデータをパラレルシリアル変換しリードデータバスRDBに出力する回路を、入力回路にライトデータをシリアルパラレル変換しライトデータバスWDBに出力する回路を設けることでアドレス数を増加させることも可能である。
【0045】
また、上記各実施の形態では、ライトレジスタWR、リードレジスタRRを各々1対ずる備える形態を例示して説明したが、これに限られず3対以上のライトレジスタWR、リードレジスタRRを備える形態としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10、10A 半導体記憶装置
11、11-0、11-1、・・・、11-N メモリアレイ
12 書き込み回路
13 読み出し回路
14 調停回路
15 ライト制御回路
16 入力回路
17 リード制御回路
18 出力回路
WCB ライト制御バス
WDB ライトデータバス
RCB リード制御バス
RDB リードデータバス
WR、WR(0)、・・・、WR(2N+1) ライトレジスタ
RR、RR(0)、・・・、RR(2N+1) リードレジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6