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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116150
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】ハーネスクリップ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20230815BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230815BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20230815BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20230815BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20230815BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
H02G3/30
B60R16/02 623C
B60R13/02 Z
F16B19/00 Q
F16B2/08 U
F16B2/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018780
(22)【出願日】2022-02-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】長谷 薫
(72)【発明者】
【氏名】早川 和範
【テーマコード(参考)】
3D023
3J022
3J036
5G363
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB13
3D023BB25
3D023BC01
3D023BD09
3D023BE03
3D023BE28
3J022DA11
3J022EA16
3J022EB02
3J022EB14
3J022EC02
3J022EC14
3J022FA05
3J022FB03
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB08
3J022FB12
3J022FB13
3J022GA03
3J022GA16
3J022GB23
3J022GB27
3J022HB06
3J036AA03
3J036BA01
3J036DA06
3J036DA12
5G363AA08
5G363BA02
5G363DA13
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】ワイヤーハーネスを保持するとともにスカッフプレートの固定構造として機能するハーネスクリップを提供する。
【解決手段】ハーネスクリップ1は、サイドシルパネル8に固定される受部2と、受部2に対して開閉可能とされる蓋部3とが備えられ、受部2と蓋部3によって囲まれる内部空間Sに挿通されたワイヤーハーネス10を保持するものである。そして、ハーネスクリップ1は、受部2にサイドシルパネル8を覆うように配置されるスカッフプレート9を固定するための固定部6が設けられている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドシルパネルに固定される受部と、前記受部に対して開閉可能とされる蓋部とが備えられ、前記受部と前記蓋部によって囲まれる内部空間に挿通されたワイヤーハーネスを保持するハーネスクリップであって、
前記受部及び前記蓋部の少なくとも一方に前記サイドシルパネルを覆うように配置されるスカッフプレートを固定するための固定部が設けられた
ハーネスクリップ。
【請求項2】
前記受部に前記固定部が設けられており、
前記固定部には、前記スカッフプレートから突出した突出部を固定する固定形状が形成された
請求項1に記載のハーネスクリップ。
【請求項3】
前記固定部に前記突出部が挿入される挿入孔が形成され、
前記挿入孔の内壁面を構成する一方側壁板が設けられており、
前記一方側壁板が前記突出部における固定形状が形成された面と反対側の面に当接又は僅かな隙間をあけて配置された
請求項2に記載のハーネスクリップ。
【請求項4】
前記一方側壁板に対向する他方側壁板が設けられ、
前記一方側壁板が前記他方側壁板よりも高い変形性を有しており、
前記突出部の所定動作に応じて前記一方側壁部が前記他方側壁部から離間する方向に変形可能である
請求項3に記載のハーネスクリップ。
【請求項5】
前記蓋部に前記固定部に当接して一体となる蓋板部が設けられており、
前記蓋板部には、前記突出部が挿通される貫通孔が形成された
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のハーネスクリップ。
【請求項6】
前記固定部には、少なくとも前記スカッフプレートに荷重が掛かっている状態において、前記スカッフプレートに当接して当該スカッフプレートから荷重を受けるスカッフ側当接部が設けられた
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハーネスクリップ。
【請求項7】
前記スカッフプレートに荷重が掛かっていない状態において、
前記スカッフプレートの当接面と前記スカッフ側当接部の当接面が離間している
請求項6に記載のハーネスクリップ。
【請求項8】
前記固定部には、少なくとも前記スカッフプレートに荷重が掛かっている状態において、前記サイドシルパネルに当接して当該サイドシルパネルに荷重を伝えるサイドシル側当接部が設けられた
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のハーネスクリップ。
【請求項9】
前記スカッフプレートに荷重が掛かっていない状態において、
前記サイドシルパネルの当接面と前記サイドシル側当接部の当接面が離間している
請求項8に記載のハーネスクリップ。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のハーネスクリップを備えたスカッフプレートの固定構造であって、
前記スカッフプレートには、当該スカッフプレートを固定する際において、前記突出部よりも先に前記受部又は前記蓋部に形成された案内孔に挿入される案内部が設けられた
スカッフプレートの固定構造。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のハーネスクリップを備えたスカッフプレートの固定構造であって、
前記突出部には、少なくとも前記スカッフプレートに荷重が掛かった状態において、前記サイドシルパネルに当接する延長突出部が設けられた
スカッフプレートの固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤーハーネスを保持するハーネスクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、サイドシルパネルを覆うようにスカッフプレートを配置し、サイドシルパネルとスカッフプレートの隙間にワイヤーハーネスを配索した車体構造が知られている(特許文献1参照)。このような車体構造において、ワイヤーハーネスは、サイドシルパネルに固定されたハーネスクリップによって保持される。また、スカッフプレートは、サイドシルパネルに設けられた固定構造を介して固定される。
【0003】
ところで、近年では、自動車に搭載される電装部品が増加しており、ワイヤーハーネスが肥大化する傾向にある。すると、サイドシルパネルの幅(車体内側から車体外側までの幅)が狭い車体構造においては、肥大化したワイヤーハーネスの存在により、サイドシルパネル上にスカッフプレートの固定構造を設けることができないという問題があった。つまりは、サイドシルパネルにスカッフプレートを固定できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-68811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、ワイヤーハーネスを保持するとともにスカッフプレートの固定構造として機能するハーネスクリップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、サイドシルパネルに固定される受部と、前記受部に対して開閉可能とされる蓋部とが備えられ、前記受部と前記蓋部によって囲まれる内部空間に挿通されたワイヤーハーネスを保持するハーネスクリップであって、前記受部及び前記蓋部の少なくとも一方に前記サイドシルパネルを覆うように配置されるスカッフプレートを固定するための固定部が設けられたことを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、ワイヤーハーネスを保持するとともにスカッフプレートの固定構造として機能する。
詳述すると、本願発明に係るハーネスクリップは、受部及び蓋部の少なくとも一方にサイドシルパネルを覆うように配置されるスカッフプレートを固定するための固定部が設けられている。そのため、受部と蓋部によって囲まれる内部空間に挿通されたワイヤーハーネスを保持しつつ、固定部を介してサイドシルパネルにスカッフプレートを固定することができる。つまり、本願発明に係るハーネスクリップは、ワイヤーハーネスを保持するとともにスカッフプレートの固定構造として機能する。
【0008】
この発明の態様として、前記受部に前記固定部が設けられており、前記固定部には、前記スカッフプレートから突出した突出部を固定する固定形状が形成されてもよい。
なお、本発明における固定形状とは、係止爪や係止爪が引っ掛かる係止孔などが挙げられる。しかしながら、突出部を固定部に固定できる形状であればよく、これに限定するものではない。
【0009】
この発明によれば、スカッフプレートに荷重が掛かっても、かかる荷重が蓋部に伝わらず、直接的に受部に伝わる。そのため、受部と蓋部の当接部分や係止部分に過大な負荷が作用することを防止できる。また、受部と蓋部の当接部分や係止部分に過大な負荷が掛かると、変形によって相対的なズレが生じたりズレが戻るときに異音が発生したりするおそれがあるところ、このようなズレやズレに起因した異音の発生を防止することが可能となる。
【0010】
またこの発明の態様として、前記固定部に前記突出部が挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔の内壁面を構成する一方側壁板が設けられており、前記一方側壁板が前記突出部における固定形状が形成された面と反対側の面に当接又は僅かな隙間をあけて配置されてもよい。
なお、本発明における僅かな隙間とは、一方側壁板が挿入孔に挿入された突出部に対して当接していないものの、突出部の変形などに起因した移動によって直ちに当接する程度の隙間をいう。
【0011】
この発明によれば、一方側壁板によって突出部の移動(意図しないズレ)が規制されるため、固定部と突出部の互いの固定形状が離間してしまうことを防止できる。そのため、意図せずに固定状態が解除され、スカッフプレートがガタついたり脱落したりすることを防止できる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記一方側壁板に対向する他方側壁板が設けられ、前記一方側壁板が前記他方側壁板よりも高い変形性を有しており、前記突出部の所定動作に応じて前記一方側壁部が前記他方側壁部から離間する方向に変位可能であってもよい。
【0013】
この発明によれば、突出部の所定動作(例えば突出部を倒す動作)によって一方側壁部が他方側壁部から離間する方向に変位するため、固定部と突出部の互いの固定形状を離間させることができる。そのため、意図して固定状態を解除でき、スカッフプレートを取り外す作業が容易となる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記蓋部に前記固定部に当接して一体となる蓋板部が設けられており、前記蓋板部には、前記突出部が挿通される貫通孔が形成されてもよい。
【0015】
この発明によれば、突出部が蓋板部を挿通した状態で固定部に固定されるため、例えば車両走行時の振動や荷重が伝わったことによる変形によって蓋部の係止状態が解除され、蓋部が開いてしまうことを防止できる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記固定部には、少なくとも前記スカッフプレートに荷重が掛かっている状態において、前記スカッフプレートに当接して当該スカッフプレートから荷重を受けるスカッフ側当接部が設けられてもよい。
【0017】
この発明によれば、スカッフプレートに掛かった荷重を固定部が確実に受けることができる。そのため、スカッフプレートの変形を抑制することが可能となる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記スカッフプレートに荷重が掛かっていない状態において、前記スカッフプレートの当接面と前記スカッフ側当接部の当接面が離間していてもよい。
【0019】
この発明によれば、スカッフプレートの当接面とスカッフ側当接部の当接面との間に隙間が生じるため、例えば車両走行時の振動がスカッフプレートとハーネスクリップの相互間にて伝わらない。そのため、振動に起因した異音(ガタつき音)の発生を防止することが可能となる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記固定部には、少なくとも前記スカッフプレートに荷重が掛かっている状態において、前記サイドシルパネルに当接して当該サイドシルパネルに荷重を伝えるサイドシル側当接部が設けられてもよい。
【0021】
この発明によれば、スカッフプレートに掛かった荷重を固定部からサイドシルパネルへ確実に伝えることができる。そのため、ハーネスクリップを構成する受部や蓋部の変形を抑制することが可能となる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記スカッフプレートに荷重が掛かっていない状態において、前記サイドシルパネルの当接面と前記サイドシル側当接部の当接面が離間していてもよい。
【0023】
この発明によれば、サイドシルパネルの当接面とサイドシル側当接部の当接面との間に隙間が生じるため、例えば車両走行時の振動がサイドシルパネルとハーネスクリップの相互間にて伝わらない。そのため、振動に起因した異音(ガタつき音)の発生を防止することが可能となる。
【0024】
またこの発明の態様として、前述のハーネスクリップを備えたスカッフプレートの固定構造であって、前記スカッフプレートには、当該スカッフプレートを固定する際において、前記突出部よりも先に前記受部又は前記蓋部に形成された案内孔に挿入される案内部が設けられてもよい。
なお、本発明における案内孔とは、前述した貫通孔や挿入孔であってもよい。
【0025】
この発明によれば、案内部が挿入されたことにより、突出部を適切な位置に案内できるため、スカッフプレートの取り付け作業が容易となる。特に、突出部が短い場合は、突出部が見えにくい状況で貫通孔や挿入孔に挿入する必要が生じるため、より効果を奏する。
【0026】
またこの発明の態様として、前述のハーネスクリップを備えたスカッフプレートの固定構造であって、前記突出部には、少なくとも前記スカッフプレートに荷重が掛かった状態において、前記サイドシルパネルに当接する延長突出部が設けられてもよい。
【0027】
この発明によれば、スカッフプレートからサイドシルパネルに直接的に荷重が伝わるため、受部と蓋部の当接部分や係止部分に過大な負荷が掛かることを確実に防止できる。また、サイドシルパネルの当接面と延長突出部の当接面との間に隙間を設けることにより、例えば車両走行時の振動がサイドシルパネルとスカッフプレートの相互間にて伝わらない。
【発明の効果】
【0028】
本願発明によれば、ワイヤーハーネスを保持するとともにスカッフプレートの固定構造として機能するハーネスクリップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ハーネスクリップの使用状況を示す斜視図。
図2】受部に対して蓋部が開いた状態のハーネスクリップの斜視図。
図3】受部に対して蓋部が閉じた状態のハーネスクリップの斜視図。
図4図3における矢印Vxの方向から視たハーネスクリップの正面図。
図5図3における矢印Vyの方向から視たハーネスクリップの側面図。
図6図3における矢印Vzの方向から視たハーネスクリップの平面図。
図7図6におけるA-A矢視断面図及びB-B矢視断面図。
図8】スカッフプレートの取り付け作業を示す説明図。
図9】スカッフプレートの取り外し作業を示す説明図。
図10】ハーネスクリップにおける荷重伝達経路を示す説明図。
図11】他の実施形態に係るハーネスクリップを備えたスカッフプレートの固定構造。
図12】他の実施形態に係るハーネスクリップを備えたスカッフプレートの固定構造。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この発明の一実施形態を図面に基づいて詳述する。
本願においては、全ての図面でハーネスクリップ1の方向を示している。詳しくは、矢印Fが前方側を示し、矢印Bが後方側を示し、矢印Rが右方側を示し、矢印Lが左方側を示している。そして、矢印Uが上方側を示し、矢印Dが下方側を示している。加えて、本願においては、前後方向をX、左右方向をY、上下方向をZとして説明する。
【0031】
図1はハーネスクリップ1の使用状況を示す斜視図である。図2は受部2に対して蓋部3が開いた状態のハーネスクリップ1の斜視図であり、図3は受部2に対して蓋部3が閉じた状態のハーネスクリップ1の斜視図である。図4図3における矢印Vxの方向から視たハーネスクリップ1の正面図であり、図5図3における矢印Vyの方向から視たハーネスクリップ1の側面図であり、図6図3における矢印Vzの方向から視たハーネスクリップ1の平面図である。そして、図7図6におけるA-A矢視断面図及びB-B矢視断面図である。
【0032】
また、図8はスカッフプレート9の取り付け作業を示す説明図である。図8の(a)はスカッフプレート9の取り付け作業を行う前の状態を示しており、図8の(b)はスカッフプレート9の突出部91が変形した状態を示しており、図8の(c)はスカッフプレート9の取り付け作業が完了した状態を示している。さらに、図9はスカッフプレート9の取り外し作業を示す説明図である。図9の(a)はスカッフプレート9の取り外し作業を行う前の状態を示しており、図9の(b)はスカッフプレート9の突出部91を倒した状態を示しており、図9の(c)はスカッフプレート9の取り外し作業が完了した状態を示している。そして、図10はハーネスクリップ1における荷重伝達経路を示す説明図である。
【0033】
図1に示すように、サイドシルパネル8の上方側Uには、サイドシルパネル8を覆うようにスカッフプレート9が配置されている。サイドシルパネル8とスカッフプレート9の隙間には、ワイヤーハーネス10が配索されている。ワイヤーハーネス10は、サイドシルパネル8に固定されたハーネスクリップ1によって保持されている。なお、図1におけるスカッフプレート9は、透過状態で表されている。
【0034】
図2及び図3に示すように、ハーネスクリップ1は、サイドシルパネル8に固定される受部2と、受部2に対して開閉可能とされる蓋部3とが備えられている。ハーネスクリップ1は、受部2に対して蓋部3を開けることにより、受部2上にワイヤーハーネス10を配置することができる。そして、受部2に対して蓋部3を閉じることにより、ワイヤーハーネス10を保持することができる。
【0035】
図2から図7に示すように、ハーネスクリップ1は、受部2及び蓋部3のほか、受部2に対して蓋部3を開閉自在に連結する連結部4と、受部2に対して蓋部3を閉じた状態で係止する係止部5と、スカッフプレート9を固定するための固定部6とが設けられている。以下に、受部2から係止部5までを説明し、その後に固定部6について詳しく説明する。なお、受部2と蓋部3によって囲まれる円形状の空間を内部空間Sとする。
【0036】
受部2は、円環形状のうちの約1/2周部分に相当する半円弧状に形成されている。受部2は、内部空間Sの下方側Dの円弧壁にあたる下壁部分21と、内部空間Sの左方側Lの円弧壁にあたる左壁部分22と、内部空間Sの右方側Rの円弧壁にあたる右壁部分23とを有している。これらの壁部分21~23は、互いに連続しており、前後方向Xに沿う中心軸Cから半径が一定となる内周面2sを形成している。かかる内周面2sには、例えばワイヤーハーネス10の外装部材に嵌合する凸条や凹溝などが設けられていてもよい。
【0037】
なお、受部2における下壁部分21は、その内周面が円弧状の曲面とされているものの、その下端面21dは前後方向X及び左右方向Yに対して平行な平面とされており、かかる下端面21dの中央部分にアンカー部24が設けられている。
【0038】
アンカー部24は、サイドシルパネル8の貫通孔8h(図8から図10参照)に挿入される軸部241と、サイドシルパネル8の裏面に引っ掛かる爪部242と、サイドシルパネル8の表面に当接する傘部243とを有している。傘部243は、サイドシルパネル8の表面に当接した状態で上方側Uに付勢することにより、サイドシルパネル8に対するハーネスクリップ1のガタつきをなくす役割を果たしている。但し、アンカー部24は、サイドシルパネル8に対するハーネスクリップ1の固定構造であればよく、その構成について限定するものではない。
【0039】
蓋部3は、円環形状のうちの約1/2周部分に相当する半円弧状に形成されている。蓋部3は、内部空間Sの上方側Uの円弧壁にあたる上壁部分31と、内部空間Sの左方側Lの円弧壁にあたる左壁部分32と、内部空間Sの右方側Rの円弧壁にあたる右壁部分33とを有している。これらの壁部分31~33は、互いに連続しており、前後方向Xに沿う中心軸Cから半径が一定となる内周面3sを形成している。かかる内周面3sにも、例えばワイヤーハーネス10の外装部材に嵌合する凸条や凹溝などが設けられていてもよい。
【0040】
なお、蓋部3における右壁部分33には、その端縁部分から径外側方向に向かって延出された蓋板部34が設けられている。蓋板部34は、受部2に対して蓋部3が閉じた状態において、前後方向X及び左右方向Yに対して平行となる。また、蓋板部34は、後述する固定部6の上端面6uに当接して、かかる固定部6と一体化する。
【0041】
蓋板部34は、その中央部分に上下方向Zに貫通する貫通孔35が形成されている。貫通孔35は、前後方向Xに長く左右方向Yに短い矩形断面の孔であり、かかる貫通孔35と後述する固定部6の挿入孔61とが上下方向Zに沿って連通する(図7参照)。そのため、貫通孔35には、スカッフプレート9における所定位置から下方側Dに向かって突出した突出部91が挿通されることとなる(図8から図10参照)。なお、突出部91については、後に詳しく説明する。
【0042】
また、本実施形態に係るハーネスクリップ1においては、左右方向Yの左側部分において、受部2と蓋部3が連結部4によって開閉自在に連結されている。連結部4は、受部2の左壁部分22における前後方向Xに沿う一辺と、蓋部3の左壁部分32における前後方向Xに沿う一辺とを樹脂板41でつないだ構成とされている。
【0043】
樹脂板41は、その板厚が受部2の左壁部分22や蓋部3の左壁部分32に比べて薄く形成されており、前後方向Xに沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に変形(伸ばした状態又は折り曲げた状態への変形)することが可能である。このため、連結部4は、樹脂板41の変形により、受部2に対して蓋部3を開閉可能としている(図2及び図3参照)。
【0044】
さらに、本実施形態に係るハーネスクリップ1においては、左右方向Yの右方側Rの端部において、受部2と蓋部3が係止部5によって係止可能とされている。係止部5は、後述する固定部6に上下方向Zに沿って形成された係止孔51と、蓋部3の蓋板部34に対して垂直に形成された係止板52との組み合わせで構成されている。
【0045】
係止孔51は、前後方向Xに長く左右方向Yに短い矩形断面の孔であり、かかる係止孔51の左方側Lの内壁面に係止爪51fが形成されている(図7参照)。また、係止板52は、前後方向Xに長く左右方向Yに短い矩形断面の板であり、かかる係止板52の左壁面に係止爪52fが形成されている(図7参照)。このため、係止部5は、係止爪51fに係止爪52fが引っ掛かることにより、受部2に対して蓋部3を閉じた状態で係止可能としている(図7から図10参照)。
【0046】
さらに、本実施形態に係るハーネスクリップ1においては、受部2における右壁部分23に固定部6が設けられている。より詳しく説明すると、受部2における右壁部分23は、その内周面が円弧状の曲面とされているものの、その右端面23rは前後方向X及び上下方向Zに対して平行な平面とされており、かかる右端面23rの上半部分(上下方向Zの中途部分よりも上側部分)に固定部6が設けられている。
【0047】
固定部6は、右壁部分23の前側端縁から右方側Rに延設された前板62と、右壁部分23の後側端縁から右方側Rに延設された後板63と、前板62及び後板63の右側端縁同士をつなぐ右側板64とを有している。また、固定部6は、前板62及び後板63の左右方向Yの中途部分同士をつなぐ中間板65を有している。このため、固定部6には、右壁部分23と中間板65によって係止孔51が形成され、右側板64と中間板65によって挿入孔61が形成されている。
【0048】
挿入孔61は、前後方向Xに長く左右方向Yに短い矩形断面の孔であり、かかる挿入孔61の右方側Rの内壁面に係止爪61fが形成されている(図7参照)。また、スカッフプレート9の突出部91は、前後方向Xに長く左右方向Yに短い矩形断面の板であり、かかる突出部91の右壁面に係止爪91fが形成されている(図8から図10参照)。このため、固定部6は、係止爪61fに係止爪91fが引っ掛かることにより、スカッフプレート9を固定することができる(図8から図10参照)。
【0049】
加えて、固定部6を構成する中間板65は、右側板64に比べて板厚が薄く形成されている。また、中間板65は、その下端縁から上方側Uに向かって前板62と後板63のそれぞれに沿うように形成されたスリット65sにより、前板62と後板63のそれぞれに対して上端部分のみでつながっている。そのため、中間板65は、上端部分が変位せず、下端部分が右側板64から離間する方向に変位して傾倒することが容易とされている。
【0050】
このような構成により、スカッフプレート9の取り付け作業においては、中間板65が傾倒する(図8の(b)参照)。すなわち、スカッフプレート9を下方側Dに向かって押し込むと(矢印I参照)、突出部91の係止爪91fが対向する係止爪61fに乗り上げ、突出部91の先端部分が右側板64から離間する方向(左方側Lに向かう方向)に変形するため、突出部91の左側面に当接又は僅かな隙間をあけて配置された中間板65は、突出部91によって押されて傾倒する。つまりは、上端部分が変位せず、下端部分が右側板64から離間する方向(左方側Lに向かう方向)に変位して傾倒する(矢印M参照)。
【0051】
なお、突出部91が挿入孔61の奥方まで挿入されると、突出部91の係止爪91fが係止爪61fを乗り越えて、この係止爪61fに引っ掛かる(図8の(c)参照)。このとき、中間板65は、弾性力によって元の姿勢に戻り、再び突出部91の左壁面に当接又は僅かな隙間をあけて配置されることとなる。こうして、中間板65によって突出部91の左方側Lへの移動が規制されるため、固定部6の係止爪61fと突出部91の係止爪91fが離間してしまうことを防止できる。つまりは、係止爪61fと係止爪91fの係止状態が解除されてしまうことを防止できる。
【0052】
また、このような構成により、スカッフプレート9の取り外し作業においても、中間板65が傾倒する(図9の(b)参照)。すなわち、スカッフプレート9を前後方向Xに沿う仮想上の軸を回転軸として回転させると(矢印T参照)、スカッフプレート9ごと突出部91が回転し、突出部91の先端部分が右側板64から離間する方向(左方側Lに向かう方向)に倒れるため、突出部91の左側面に当接又は僅かな隙間をあけて配置された中間板65は、突出部91によって押されて傾倒する。つまりは、上端部分が変位せず、下端部分が右側板64から離間する方向(左方側Lに向かう方向)に変位して傾倒する(矢印M参照)。
【0053】
なお、スカッフプレート9ごと突出部91を所定の角度まで倒すと、突出部91の係止爪91fが係止爪61fから離間して係止状態が解除されるため、突出部91を引き出すことが可能となる(図9の(c)参照)。このように、本実施形態に係るハーネスクリップ1においては、中間板65が対向する右側板64よりも高い変形性を有している。そのため、突出部91を倒す動作によって中間板65が傾倒するため、固定部6の係止爪61fと突出部91の係止爪91fを離間させることができる。つまりは、係止爪61fと係止爪91fの係止状態を解除することができる。
【0054】
ところで、ハーネスクリップ1においては、蓋板部34とスカッフプレート9の台座部92とが僅かな隙間をあけて配置されている。より詳しく説明すると、蓋板部34の上端面34uと突出部91の台座部分として形成された台座部92の下端面92dとが僅かな隙間をあけて配置されている。そのため、スカッフプレート9に荷重Pが掛かると、固定部6を構成する蓋板部34の上端面34uとスカッフプレート9に設けられた台座部92の下端面92dとが当接する。このため、蓋板部34は、固定部6におけるスカッフ側当接部67であるといえる。
【0055】
また、ハーネスクリップ1においては、固定部6の右側板64が下方側Dに向かって延長されており、かかる延長部分である脚部66とサイドシルパネル8とが僅かな隙間をあけて配置されている。より詳しく説明すると、右側板64の延長部分である脚部66の下端面66dとサイドシルパネル8の上端面8uとが僅かな隙間をあけて配置されている。そのため、スカッフプレート9から固定部6に荷重Pが伝わると、固定部6を構成する脚部66の下端面66dとサイドシルパネル8の上端面8uとが当接する。このため、脚部66は、固定部6におけるサイドシル側当接部68であるといえる。
【0056】
このような構成とすることで、図10に示すように、スカッフプレート9に掛かった荷重Pは、スカッフプレート9から受部2や蓋部3に伝わることなく、スカッフプレート9から固定部6に伝わり、固定部6からサイドシルパネル8に伝わることとなる。
【0057】
以上のように、ハーネスクリップ1は、サイドシルパネル8に固定される受部2と、受部2に対して開閉可能とされる蓋部3とが備えられ、受部2と蓋部3によって囲まれる内部空間Sに挿通されたワイヤーハーネス10を保持するものである。そして、ハーネスクリップ1は、受部2にサイドシルパネル8を覆うように配置されるスカッフプレート9を固定するための固定部6が設けられている。
【0058】
このようなハーネスクリップ1によれば、ワイヤーハーネス10を保持するとともにスカッフプレート9の固定構造として機能する。
詳述すると、本願発明に係るハーネスクリップ1は、受部2にサイドシルパネル8を覆うように配置されるスカッフプレート9を固定するための固定部6が設けられている。そのため、受部2と蓋部3によって囲まれる内部空間Sに挿通されたワイヤーハーネス10を保持しつつ、固定部6を介してサイドシルパネル8にスカッフプレート9を固定することができる。つまり、本願発明に係るハーネスクリップ1は、ワイヤーハーネス10を保持するとともにスカッフプレート9の固定構造として機能する。
【0059】
また、ハーネスクリップ1においては、受部2に固定部6が設けられており、固定部6には、スカッフプレート9から突出した突出部91を固定する固定形状(係止爪61f)が形成されている。
【0060】
このようなハーネスクリップ1によれば、スカッフプレート9に荷重Pが掛かっても、かかる荷重Pが蓋部3に伝わらず、直接的に受部2に伝わる。そのため、受部2と蓋部3の当接部分や係止部分に過大な負荷が作用することを防止できる。また、受部2と蓋部3の当接部分や係止部分に過大な負荷が掛かると、変形によって相対的なズレが生じたりズレが戻るときに異音が発生したりするおそれがあるところ、このようなズレやズレに起因した異音の発生を防止することが可能となる。
【0061】
また、ハーネスクリップ1においては、固定部6に突出部91が挿入される挿入孔61が形成され、挿入孔61の内壁面を構成する中間板65が設けられており、中間板65が突出部91における固定形状(係止爪91f)が形成された面と反対側の面に当接又は僅かな隙間をあけて配置される。
【0062】
このようなハーネスクリップ1によれば、中間板65によって突出部91の移動(意図しないズレ)が規制されるため、固定部6と突出部91の互いの固定形状(係止爪61fと係止爪91f)が離間してしまうことを防止できる。そのため、意図せずに固定状態が解除され、スカッフプレート9がガタついたり脱落したりすることを防止できる。
【0063】
また、ハーネスクリップ1においては、中間板65に対向する右側板64が設けられ、中間板65が右側板64よりも高い変形性を有しており、突出部91の所定動作に応じて中間板65が右側板64から離間する方向に変位(傾倒)可能である。
【0064】
このようなハーネスクリップ1によれば、突出部91を倒す操作によって中間板65が右側板64から離間する方向に変位(傾倒)するため、固定部6と突出部91の互いの固定形状(係止爪61fと係止爪91f)を離間させることができる。そのため、意図して固定状態を解除でき、スカッフプレート9を取り外す作業が容易となる。
【0065】
また、ハーネスクリップ1においては、蓋部3に固定部6に当接して一体となる蓋板部34が設けられており、蓋板部34には、突出部91が挿通される貫通孔35が形成されている。
【0066】
このようなハーネスクリップ1によれば、突出部91が蓋板部34を挿通した状態で固定部6に固定されるため、例えば車両走行時の振動や荷重Pが伝わったことによる変形によって蓋部3の係止状態が解除され、蓋部3が開いてしまうことを防止できる。
【0067】
また、ハーネスクリップ1において、固定部6には、少なくともスカッフプレート9に荷重Pが掛かっている状態において、スカッフプレート9に当接してスカッフプレート9から荷重Pを受けるスカッフ側当接部67が設けられている。
【0068】
このようなハーネスクリップ1によれば、スカッフプレート9に掛かった荷重Pを固定部6が確実に受けることができる。そのため、スカッフプレート9の変形を抑制することが可能となる。
【0069】
また、ハーネスクリップ1においては、スカッフプレート9に荷重Pが掛かっていない状態において、スカッフプレート9の当接面(下端面92d)とスカッフ側当接部67の当接面(上端面34u)が離間している。
【0070】
このようなハーネスクリップ1によれば、スカッフプレート9の当接面(下端面92d)とスカッフ側当接部67の当接面(上端面34u)との間に隙間が生じるため、例えば車両走行時の振動がスカッフプレート9とハーネスクリップ1の相互間にて伝わらない。そのため、振動に起因した異音(ガタつき音)の発生を防止することが可能となる。
【0071】
また、ハーネスクリップ1において、固定部6には、少なくともスカッフプレート9に荷重Pが掛かっている状態において、サイドシルパネル8に当接してサイドシルパネル8に荷重Pを伝えるサイドシル側当接部68が設けられている。
【0072】
このようなハーネスクリップ1によれば、スカッフプレート9に掛かった荷重Pを固定部6からサイドシルパネル8へ確実に伝えることができる。そのため、ハーネスクリップ1を構成する受部2や蓋部3の変形を抑制することが可能となる。
【0073】
また、ハーネスクリップ1においては、スカッフプレート9に荷重Pが掛かっていない状態において、サイドシルパネル8の当接面(上端面8u)とサイドシル側当接部68の当接面(下端面66d)が離間している。
【0074】
このようなハーネスクリップ1によれば、サイドシルパネル8の当接面(上端面8u)とサイドシル側当接部68の当接面(下端面66d)との間に隙間が生じるため、例えば車両走行時の振動がサイドシルパネル8とハーネスクリップ1の相互間にて伝わらない。そのため、振動に起因した異音(ガタつき音)の発生を防止することが可能となる。
【0075】
本願発明の構成と前述の実施形態との対応において、
ハーネスクリップはハーネスクリップ1に対応し、
受部は受部2に対応し、
蓋部は蓋部3に対応し、
連結部は連結部4に対応し、
係止部は係止部5に対応し、
固定部は固定部6に対応し、
サイドシルパネルはサイドシルパネル8に対応し、
スカッフプレートはスカッフプレート9に対応し、
ワイヤーハーネスはワイヤーハーネス10に対応し、
蓋板部は蓋板部34に対応し、
貫通孔は貫通孔35に対応し、
係止孔は挿入孔61に
他方側壁板は右側板64に対応し、
一方側壁板は中間板65に対応し、
スカッフ側当接部はスカッフ側当接部67に対応し、
サイドシル側当接部はサイドシル側当接部68に対応し、
突出部は突出部91に対応し、
台座部は台座部92に対応し、
案内突出部は案内突出部93に対応し、
延長突出部は延長突出部94に対応し、
固定形状は係止爪61fに対応し、
固定形状は係止爪91fに対応し、
荷重は荷重Pに対応し、
内部空間は内部空間Sに対応するも、
この発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0076】
例えば、ハーネスクリップ1は、蓋部3にスカッフプレート9を固定するための固定部6が設けられていてもよい。より詳しく説明すると、蓋部3における右壁部分33にスカッフプレート9を固定するための固定部6が設けられていてもよい。但し、受部2と蓋部3の当接部分や係止部分に過大な負荷が作用することを防ぐべく、前述したスカッフ側当接部67ならびにサイドシル側当接部68が設けられることが望ましい。
【0077】
また、図11に示すように、スカッフプレート9には、スカッフプレート9を固定する際において、突出部91よりも先に受部2又は蓋部3に形成された案内孔に挿入される案内突出部93が設けられてもよい。なお、案内孔は前述した貫通孔35及び挿入孔61であってもよい。
【0078】
このようなハーネスクリップ1を備えたスカッフプレート9の固定構造とすれば、案内突出部93が挿入されたことにより、突出部91を適切な位置に案内できるため、スカッフプレート9の取り付け作業が容易となる。特に、突出部91が短い場合は、突出部91が見えにくい状況で貫通孔35や挿入孔61に挿入する必要が生じるため、より効果を奏する。
【0079】
さらに、図12に示すように、突出部91には、少なくともスカッフプレート9に荷重Pが掛かった状態において、サイドシルパネル8に当接する延長突出部94が設けられてもよい。なお、前述した案内突出部93の先端部分がサイドシルパネル8に当接し、延長突出部94と同様の機能を奏するとしてもよい。
【0080】
このようなハーネスクリップ1を備えたスカッフプレート9の固定構造とすれば、スカッフプレート9からサイドシルパネル8に直接的に荷重Pが伝わるため、受部2と蓋部3の当接部分や係止部分に過大な負荷が掛かることを確実に防止できる。また、サイドシルパネル8の当接面と延長突出部94の当接面との間に隙間を設けることにより、例えば車両走行時の振動がサイドシルパネル8とスカッフプレート9の相互間にて伝わらない。
【符号の説明】
【0081】
1…ハーネスクリップ
2…受部
3…蓋部
4…連結部
5…係止部
6…固定部
8…サイドシルパネル
9…スカッフプレート
10…ワイヤーハーネス
34…蓋板部
35…貫通孔
61…挿入孔
64…左側板
65…中間板
67…スカッフ側当接部
68…サイドシル側当接部
91…突出部
92…台座部
93…案内突出部
94…延長突出部
61f…係止爪
91f…係止爪
P…荷重
S…内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12