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特開2023-116500バッテリ保護回路およびこれを含むバッテリ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023116500
(43)【公開日】2023-08-22
(54)【発明の名称】バッテリ保護回路およびこれを含むバッテリ装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230815BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20230815BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20230815BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02H7/18
H01M10/42 P
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084798
(22)【出願日】2023-05-23
(62)【分割の表示】P 2021139848の分割
【原出願日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0110372
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】鄭 賢▲チョル▼
(72)【発明者】
【氏名】李 相九
(72)【発明者】
【氏名】秦 京必
(57)【要約】
【課題】本発明は、バッテリ保護回路およびこれを含むバッテリ装置を提供する。
【解決手段】外部端子に電圧が入力されると、ウェイクアップ信号を出力する検出回路部と、外部端子に並列に接続される電圧分配部と、検出回路部からウェイクアップ信号を受信すると、電圧分配部から分配電圧を入力し、過電圧判断信号を出力する制御部と、ANDゲート及びインバータを含み、インバータは電圧分配部から分配された電圧の入力を受けてANDゲートにインバータ出力信号を伝達し、ANDゲートは過電圧判断信号及びインバータ出力信号の入力を受けてスイッチング制御信号を出力するロジック部と、スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御するスイッチング部と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端子に電圧が入力されると、ウェイクアップ信号を出力する検出回路部と、
前記外部端子に並列に接続される電圧分配部と、
前記検出回路部からウェイクアップ信号を受信すると、前記電圧分配部から分配電圧を入力し、過電圧判断信号を出力する制御部と、
ANDゲート及びインバータを含み、前記インバータは前記電圧分配部から分配された電圧の入力を受けて前記ANDゲートにインバータ出力信号を伝達し、前記ANDゲートは前記過電圧判断信号及び前記インバータ出力信号の入力を受けてスイッチング制御信号を出力するロジック部と、
前記スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御するスイッチング部と、を含む、バッテリ保護回路。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出回路部から前記ウェイクアップ信号を受信しない場合、前記スイッチング部は開放されるように、前記スイッチング制御信号を出力しない、請求項1に記載のバッテリ保護回路。
【請求項3】
前記検出回路部は、前記外部端子とグラウンドとの間に直列に連結されている第1抵抗、第2抵抗、および第2ダイオード、前記第1抵抗と前記第2抵抗との接続点と前記外部端子の間に連結された第1ダイオード、前記外部端子と前記制御部との間に連結され、前記接続点の電圧で制御されるトランジスタを含む、請求項1に記載のバッテリ保護回路。
【請求項4】
前記トランジスタは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との前記接続点の電圧が前記トランジスタのしきい値電圧より小さい場合、前記制御部にウェイクアップ信号を伝達する、請求項3に記載のバッテリ保護回路。
【請求項5】
前記トランジスタは、前記第1抵抗と前記第2抵抗との前記接続点の電圧が前記トランジスタのしきい値電圧より大きい場合、前記制御部にウェイクアップ信号を伝達しない、請求項3に記載のバッテリ保護回路。
【請求項6】
検出回路部が、外部端子から電圧が入力されるとウェイクアップ信号を出力する段階と、
電圧分配部が、前記外部端子の電圧を入力する段階と、
制御部が、前記検出回路部からウェイクアップ信号を受信すると、前記電圧分配部から分配電圧を入力し、過電圧判断信号を出力する段階と、
ANDゲート及びインバータを含むロジック部が、前記分配電圧及び前記過電圧判断信号に基づいてスイッチング制御信号を出力する段階と、
スイッチング部が、前記スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御する段階と、を含み、
前記スイッチング制御信号を出力する段階は、
前記インバータが、前記分配電圧の入力によって前記ANDゲートにインバータ出力信号を伝達する段階と、
前記ANDゲートが、前記過電圧判断信号及び前記インバータ出力信号の入力によって前記スイッチング制御信号を出力する段階とを含む、バッテリモジュールを保護する方法。
【請求項7】
前記制御部が、前記検出回路部からウェイクアップ信号を受信しない場合、スイッチング部が開放されるようにスイッチング制御信号を出力しない段階をさらに含む、請求項6に記載のバッテリモジュールを保護する方法。
【請求項8】
前記検出回路部は、外部端子とグラウンドとの間に直列に連結されている第1抵抗、第2抵抗、および第2ダイオード、前記第1抵抗と前記第2抵抗との接続点と前記外部端子の間に連結された第1ダイオード、外部端子と制御部との間に連結され、前記接続点の電圧で制御されるトランジスタを含む、請求項7に記載のバッテリモジュールを保護する方法。
【請求項9】
前記検出回路部が、外部端子から電圧が入力されるとウェイクアップ信号を出力する段階は、
前記トランジスタが、前記第1抵抗と第2抵抗との前記接続点の電圧が前記トランジスタのしきい値電圧より小さい場合、ウェイクアップ信号を出力する段階である、請求項8に記載のバッテリモジュールを保護する方法。
【請求項10】
前記制御部が、前記検出回路部からウェイクアップ信号を受信しない場合、前記スイッチング部が開放されるように前記スイッチング制御信号を出力しない段階は、
前記トランジスタが、前記第1抵抗と前記第2抵抗との前記接続点の電圧が前記トランジスタのしきい値電圧より大きい場合、ウェイクアップ信号を出力しない段階である、請求項8に記載のバッテリモジュールを保護する方法。
【請求項11】
バッテリモジュールと、
前記バッテリモジュールに外部装置を連結するための外部端子と、
保護回路と、を含み、保護回路は、
外部端子に電圧が入力されると、ウェイクアップ信号を出力する検出回路部と、
前記外部端子に並列に接続される電圧分配部と、
前記検出回路部からウェイクアップ信号を受信すると、前記電圧分配部から分配電圧を入力し、過電圧判断信号を出力する制御部と、
ANDゲートおよびインバータを含み、前記インバータは前記電圧分配部から分配された電圧の入力を受けて前記ANDゲートにインバータ出力信号を伝達し、前記ANDゲートは前記過電圧判断信号及び前記インバータ出力信号の入力を受けてスイッチング制御信号を出力する、ロジック部と、
前記スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御するスイッチング部と、を含む、バッテリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ保護回路およびこれを含むバッテリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、充放電可能な二次電池は回路と合わされてバッテリパックを構成し、バッテリパックの外部端子を介して充電と放電が行われる。バッテリパックの外部端子を介して外部電源が連結されると、外部端子と充放電回路を介して供給される外部電源によってバッテリセルが充電され、外部端子と負荷とが連結されると、バッテリセルの電源が充放電回路と外部端子を介して負荷に供給される動作が起こる。
【0003】
一方、近来、バッテリパックの状態をスリープモード(sleep mode)とウェイクアップモード(wake up mode)に区分してバッテリパックをより効率的に管理する方案が使用されている。例えば、バッテリパック使用中にはバッテリパックをウェイクアップモードにして正常な状態で作動するようにし、バッテリパックまたはこのようなバッテリパックが装着された装置が所定時間以上使用されない場合にはバッテリパックをスリープモードにして、バッテリパックに対するエネルギー消費を減少するようにする。
【0004】
しかし、他の周辺のノイズなどによってバッテリ管理システムのプロセッサが任意にウェイクアップされると、エネルギー消費がさらに増加してバッテリが放電を起こす恐れがさらに高くなるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2020-518096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、バッテリパックに低電圧またはノイズが連結された場合、バッテリパックがウェイクアップされることを防止するための保護回路を含むバッテリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態によるバッテリ保護回路は、外部端子に電圧が入力されると、ウェイクアップ信号を出力する検出回路部と、検出回路部からウェイクアップ信号を受信するとスイッチング制御信号を出力する制御部と、スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御するスイッチング部と、を含む。
【0008】
制御部は、検出回路部からウェイクアップ信号を受信しない場合、スイッチング部が開放されるようにスイッチング制御信号を出力しない。
【0009】
検出回路部は、外部端子とグラウンドとの間に直列に連結されている第1抵抗、第2抵抗、および第2ダイオード、第1抵抗と前記第2抵抗とのノードと外部端子の間に連結された第1ダイオード、外部端子と制御部の間に連結され、ノードの電圧で制御されるトランジスタを含むことができる。
【0010】
トランジスタは、第1抵抗と第2抵抗とのノードの電圧がトランジスタの降伏電圧より高い場合、制御部にウェイクアップ信号を伝達することができる。
【0011】
トランジスタは、第1抵抗と第2抵抗とのノードの電圧がトランジスタの降伏電圧より低い場合、制御部にウェイクアップ信号を伝達しない。
【0012】
本発明の一実施形態によるバッテリモジュールを保護する方法は、検出回路部が、外部端子から電圧が入力されるとウェイクアップ信号を出力する段階と、制御部が、検出回路部からウェイクアップ信号を受信するとスイッチング制御信号を出力する段階と、スイッチング部が、スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御する段階と、を含む。
【0013】
制御部が、検出回路部からウェイクアップ信号を受信しない場合、スイッチング部が開放されるようにスイッチング制御信号を出力しない段階をさらに含むことができる。
【0014】
検出回路部は、外部端子とグラウンドの間に直列に連結されている第1抵抗、第2抵抗、および第2ダイオード、第1抵抗と第2抵抗とのノードと外部端子の間に連結された第1ダイオード、外部端子と制御部の間に連結され、ノードの電圧で制御されるトランジスタを含むことができる。
【0015】
検出回路部が、外部端子から電圧が入力されるとウェイクアップ信号を出力する段階は、トランジスタが、第1抵抗と第2抵抗とのノードの電圧がトランジスタの降伏電圧より高い場合、ウェイクアップ信号を出力する段階であり得る。
【0016】
制御部が、検出回路部からウェイクアップ信号を受信しない場合、スイッチング部が開放されるようにスイッチング制御信号を出力しない段階は、トランジスタが、第1抵抗と第2抵抗とのノードの電圧がトランジスタの降伏電圧より低い場合、ウェイクアップ信号を出力しない段階であり得る。
【0017】
本発明の一実施形態によるバッテリ装置は、バッテリモジュールと、バッテリモジュールに外部装置を連結するための外部端子と、保護回路と、を含み、保護回路は、外部端子に電圧が入力されると、ウェイクアップ信号を出力する検出回路部と、検出回路部からウェイクアップ信号を受信すると、スイッチング制御信号を出力する制御部と、スイッチング制御信号によってバッテリモジュールおよび外部端子の連結を制御するスイッチング部と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によるバッテリ装置は、バッテリモジュールに対するエネルギー消費を減少させることができる。
【0019】
本発明の実施形態によるバッテリ装置は、ノイズなどによる低電圧が入力されると、バッテリ装置がウェイクアップされないようにして、電流が流れることを防止することによって安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリ充放電システムを示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるバッテリ装置を示した図である。
図3】本発明の一実施形態によるバッテリ装置の過電圧充電保護部および低電圧検出回路部を概略的に示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して本明細書に開示された実施形態について詳しく説明するが、同一または類似した構成要素には同一、類似の参照符号を付し、それに対する重複する説明は省略することにする。以下の説明で用いられる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成の容易さだけを考慮して付与または混用されるものであって、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施形態について説明するにおいて、関連の公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨をあいまいにする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。また、添付された図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むものとして理解しなければならない。
【0022】
本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリ充放電システム1を概略的に示したブロック図である。
【0025】
図1を参照すると、バッテリ充放電システム1は、バッテリ装置10と、外部装置20とを含む。
【0026】
バッテリ装置10は、外部装置20に電気的に連結可能な構造を有する。外部装置20が充電器の場合、バッテリ装置10は、充電器20を介して外部電力が供給されて充電される。外部装置20が負荷の場合、バッテリ装置10は、負荷20に電力を供給する電源として動作して放電される。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリ装置10を示した図である。
【0028】
バッテリ装置10は、バッテリモジュール100と、外部端子200と、保護回路300とを含む。
【0029】
バッテリモジュール100は、複数のバッテリセル(図示せず)を含む。一実施形態において、バッテリセルは、充電可能な二次電池であってもよい。所定数のバッテリセルが直列連結されてバッテリモジュールを構成することができる。
【0030】
外部端子200は、外部装置20がバッテリ装置10に連結されるための端子である。
【0031】
保護回路300は、バッテリモジュール100と外部端子200との連結を制御するための回路である。保護回路300は、外部端子200に過電圧充電器が連結される場合、バッテリモジュール100が充電されることを遮断して過充電電流が流れることを防止する。また、保護回路300は、外部端子200に低電圧負荷が連結される場合、バッテリモジュール100から電流が出力されることを遮断することもできる。
【0032】
保護回路300は、制御部310と、過電圧充電保護部330と、低電圧検出回路部3
50と、スイッチング部370とを含む。
【0033】
制御部310は、バッテリ装置10の状態を点検するための基本的なデータを取得してバッテリの動作を制御することができる。制御部310は、バッテリモジュール100と外部端子200との連結を制御してバッテリモジュール100の充放電を制御することができる。例えば、制御部310は、スイッチング部370を制御する信号を出力することができる。
【0034】
過電圧充電保護部330は、外部端子200に過電圧充電器が連結される場合、バッテリモジュール100の安全性を確保するためにスイッチング部370をオフさせることによって、バッテリモジュール100と外部端子200との連結を解除することができる。
【0035】
過電圧充電保護部330は、電圧分配部331とロジック部333とを含む。
【0036】
電圧分配部331は、一端は外部端子200の正極端子(+)に連結され、他端は外部端子200の負極端子(-)に連結される。電圧分配部331は、外部端子200に入力された電圧を予め定められた比率で分配して、制御部310およびロジック部333に分配された電圧を伝達する。
【0037】
制御部310は、電圧分配部331から伝達された電圧を内部に設定された過電圧レベルの電圧値と比較して、過電圧判断信号S1をロジック部333に出力することができる。分配された電圧が過電圧レベルの電圧値以上であれば、過電圧判断信号S1はディセーブル信号であってもよい。分配された電圧が過電圧レベルの電圧値未満であれば、過電圧判断信号S1はイネーブル信号であってもよい。以下、説明の容易さのために、イネーブル信号はハイレベルの信号(「1」)であり、ディセーブル信号はローレベルの信号(「0」)であると仮定して記述する。
【0038】
また、制御部310には、バッテリモジュール100の種類によって、専用充電器に関する情報が格納されている。例えば、バッテリモジュールの専用充電器が電圧を印加する方式に関する情報が格納されている。制御部310は、一定のタイムシーケンスにより電圧分配部331から電圧が入力されると、入力された電圧のタイムシーケンスがバッテリモジュール100の専用充電器のタイムシーケンスと同一であるかを判断して、外部端子200に連結された外部装置20が専用充電器であることを認識する。この場合、制御部310は、スイッチング部370をオンさせるためのスイッチング制御信号をスイッチング部370に直接伝達することができる。
【0039】
ロジック部333は、過電圧判断信号および電圧分配部331から分配された電圧が入力されて、スイッチング制御信号S3を出力することができる。
【0040】
低電圧検出回路部350は、外部端子200にノイズなどによる低電圧が入力されると、バッテリモジュールに対してエネルギー消費を減少させるために制御部310がウェイクアップされないようにして、バッテリモジュール100と外部端子200との連結を防止することができる。
【0041】
低電圧検出回路部350は、検出回路部351を含む。検出回路部351は、予め設定された低電圧レベルの電圧値を基準として動作するトランジスタQ1を含む。
【0042】
スイッチング部370は、バッテリモジュール100と外部端子200との間に直列連結されて、バッテリモジュール100と外部端子200との電気的連結を制御する。例えば、スイッチング部370は、バッテリモジュール100の正極電圧が出力される正極出力端子と、外部装置20に連結される正極連結端子C(+)との間に連結される。スイッチング部370は、制御部310から伝達される信号およびロジック部333が出力するスイッチング制御信号S3のうちの少なくとも1つによって制御される。
【0043】
図3は、本発明の一実施形態によるバッテリ装置の過電圧充電保護部330および低電圧検出回路部350を概略的に示した回路図である。
【0044】
電圧分配部331は、少なくとも2つのツェナーダイオードZD3、ZD4および抵抗R3を含む。少なくとも2つのツェナーダイオードZD3、ZD4および抵抗R3は、外部端子200とグラウンドとの間に直列に連結される。電圧分配部331は、少なくとも2つのツェナーダイオードZD3、ZD4および抵抗R3それぞれの値を調節して電圧が分配される比率を定めることができる。電圧分配部331は、抵抗R3とツェナーダイオードZD4とのノードN1の電圧、すなわち、一定の比率で分配された電圧をロジック部333に伝達することができる。
【0045】
ロジック部333は、インバータおよびANDゲートを含む。
【0046】
インバータは、電圧分配部331から分配された電圧に応じてインバータ出力信号S2を出力する。インバータに入力された電圧が予め設定された過電圧レベルの電圧値以上の場合、ディセーブル信号を出力することができる。また、インバータに入力された電圧が予め設定された過電圧レベルの電圧値未満の場合、イネーブル信号を出力することができる。以下、説明の容易さのために、インバータ出力信号S2のディセーブル信号はローレベルの信号(「0」)であり、イネーブル信号はハイレベルの信号(「1」)であると仮定して記述する。ここで、制御部310の過電圧判断信号S1のイネーブル信号とインバータ出力信号S2のイネーブル信号は同じレベルの信号、例えば、ハイレベルの信号であってもよく、過電圧判断信号S1のディセーブル信号とインバータ出力信号S2のディセーブル信号も同じレベルの信号、例えば、ローレベルの信号であってもよい。
【0047】
ANDゲートは、論理積を行う論理素子である。ANDゲートは、制御部310から過電圧判断信号S1およびインバータ出力信号S2の間の論理積を行い、スイッチング制御信号S3を出力する。ANDゲートの出力S3は表1の通りである。
【0048】
【表1】
【0049】
スイッチング部370は、ロジック部333から出力されるスイッチング制御信号S3によって開放または短絡する。例えば、スイッチング制御信号S3がハイレベルの信号(「1」)であれば、スイッチング部370は短絡して、バッテリモジュール100と外部端子200とが連結される。これに対し、スイッチング制御信号S3がローレベルの信号(「0」)であれば、スイッチング部370は開放されて、バッテリモジュール100と外部端子200とは連結されない。
【0050】
検出回路部351は、少なくとも2つのツェナーダイオードZD1、ZD2と、抵抗R1、R2と、トランジスタQ1とを含む。ここで、抵抗R1、抵抗R2、およびツェナーダイオードZD2は、外部端子200とグラウンドとの間に直列に連結される。ツェナーダイオードZD1は、抵抗R1と抵抗R2とのノードN2と、外部端子200との間に連結される。また、トランジスタQ1は、外部端子200と制御部310との間に連結され、ノードN2の電圧で制御可能である。
【0051】
以下、図3を参照して過電圧充電保護部330の動作について詳しく説明する。
【0052】
過電圧充電保護部330において、制御部310の入力端子(input 1)およびインバータにはノードN1の電圧Vz(ZD4)が入力される。Vz(ZD4)が予め設定された過電圧レベルの電圧値以上の場合、制御部310は、出力端子(output 1)を介してローレベルの過電圧判断信号S1を出力することができる。Vz(ZD4)が予め設定された過電圧レベルの電圧値以上の場合、インバータもローレベルのインバータ出力信号S2を出力することができる。この場合、ロジック部333は、ローレベルのスイッチング制御信号S3を出力することができる。
【0053】
ノードN1の電圧Vz(ZD4)が予め設定された過電圧レベルの電圧値未満の場合、制御部310は、出力端子(output 1)を介してハイレベルの過電圧判断信号S1を出力することができる。Vz(ZD4)が予め設定された過電圧レベルの電圧値未満の場合、インバータもハイレベルのインバータ出力信号S2を出力することができる。この場合、ロジック部333は、ハイレベルのスイッチング制御信号S3を出力することができる。
【0054】
もし、外部端子200に入力される電圧がA(V)であり、A(V)≧Vz(ZD3)+Vz(ZD4)である場合、Vz(ZD4)は予め設定された過電圧レベルの電圧値以上である。これによって、制御部310の過電圧判断信号S1およびインバータ出力信号S2はいずれもローレベルの信号である。したがって、ロジック部333は、ローレベルのスイッチング制御信号S3を出力するので、スイッチング部370は短絡しない。もし、制御部310がうまく作動しない場合でも、インバータ出力信号S2はローレベルの信号であるので、ロジック部333は過電圧判断信号S1とは関係なくローレベルのスイッチング制御信号S3を出力する。したがって、スイッチング部370は短絡しない。
【0055】
これに対し、外部端子200に入力される電圧がA(V)であり、A(V)<Vz(ZD3)+Vz(ZD4)である場合、Vz(ZD4)は過電圧レベルの電圧値未満である。これによって、制御部310の過電圧判断信号S1およびインバータ出力信号S2はいずれもハイレベルの信号である。したがって、ロジック部333はハイレベルのスイッチング制御信号S3を出力するので、スイッチング部370は短絡し、バッテリモジュール100と外部端子200との間が連結される。
【0056】
外部端子200にバッテリモジュール100の専用充電器が連結される場合、専用充電器は予め設定されたタイムシーケンスで電圧を入力する。制御部310は、入力端子(input 1)に予め設定されたタイムシーケンスで電圧が入力されると、外部端子200に連結された外部装置20が専用充電器20と認識して、スイッチング部370をオンするためのスイッチング制御信号をスイッチング部370に直接伝達することができる。例えば、過電圧レベルの電圧値以上を維持する期間と過電圧レベルの電圧値未満を維持する期間が3回以上交互に入力されると、制御部310はバッテリモジュール100の専用充電器が連結されたものと決定する。したがって、制御部310は、スイッチング部370をオンするためのスイッチング制御信号をスイッチング部370に直接伝達することができる。
【0057】
ここで、インバータ、制御部310が過電圧状態を検出するための閾値として使用される基準電圧は、過電圧レベルの電圧値で同一の基準を有すると記述したが、基準電圧は互いに異なる値を有してもよい。
【0058】
以下、図3を参照して低電圧検出回路部350の動作について詳しく説明する。
【0059】
バッテリ装置10の外部端子200にはノイズ、例えば、人の手によって低電圧が入力される。この時、入力される電圧をB(V)とし、検出回路部351のトランジスタQ1の降伏電圧をVth(Q1)とする。そうすると、ノードN2の電圧、すなわち、トランジスタQ1のゲートに印加される電圧は{B(V)-Vz(ZD2)}×R2÷(R2+R1)である。
【0060】
トランジスタQ1の降伏電圧Vth(Q1)がノードN2の電圧より大きい場合、すなわち、外部端子200に入力された電圧が設定された低電圧レベルの電圧値より高い場合、トランジスタQ1はターンオンされて、外部端子200から制御部310の入力端子(input 2)に電流が流れ、制御部310にウェイクアップ信号を伝達する。これによって、制御部310は、外部端子200に入力された電圧B(V)に応じてスイッチング制御信号を出力することができる。
【0061】
これに対し、トランジスタQ1の降伏電圧Vth(Q1)がゲートに印加された電圧より小さい場合、すなわち、外部端子200に入力された電圧が設定された低電圧レベルの電圧値より低い場合、トランジスタQ1はターンオンされず、制御部310の入力端子(input 2)にウェイクアップ信号が伝達されず、制御部310は作動しない。
【0062】
上述した実施形態による過電圧充電保護部330および低電圧検出回路部350は、1つの印刷回路基板(Printed Circuit Boardd、PCB)上に実装されてバッテリモジュールと結合可能であり、別個の印刷回路基板上に実装されてバッテリモジュールと結合されてもよい。
【0063】
本発明に係るバッテリ装置によれば、過電圧充電器がバッテリ装置に連結されることによって流れる過充電電流からバッテリ装置を保護することができる。
【0064】
本発明に係るバッテリ装置によれば、バッテリ管理システムが作動をしない場合にも、過充電電流からバッテリ装置を保護することができる。
【0065】
本発明に係るバッテリ装置によれば、別途の端子がなくても専用充電器を認識可能で、追加の回路を製造する必要がないので、費用を節減することができる。
【0066】
本発明による方法を構成する段階について、明白に順序を記載したり、あるいは反対となる記載がなかったりするならば、前記段階は、適する順序で行われるのである。必ずしも前記段階の記載順序に沿って、本発明が限定されるものではない。本発明において、全ての例または例示的な用語(例えば、などなど)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。また、通常の技術者は、特許請求の範囲、またはその均等物の範疇内で多様な修正、組み合わせおよび変更が行われることが分かるであろう。
【0067】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0068】
10 バッテリ装置
20 外部装置
100 バッテリモジュール
200 外部端子
310 制御部
331 電圧分配部
333 ロジック部
351 検出回路部
370 スイッチング部
図1
図2
図3