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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117766
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】振動検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01H 17/00 20060101AFI20230817BHJP
【FI】
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020507
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000109598
【氏名又は名称】テンパール工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】東田 浩典
(72)【発明者】
【氏名】岡本 良
(72)【発明者】
【氏名】中田 健司
(72)【発明者】
【氏名】石井 抱
(72)【発明者】
【氏名】島崎 航平
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AA11
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】電力が入力されると振動を発生する装置の振動を検出することができる振動検出システムを提供することを課題とする。
【解決手段】電力が入力される入力部90と、該入力部90に電気的に接続され、入力部90に入力された電力が入力されることによって振動を発生する振動部91と、を備える装置9における振動に関する情報を出力するように構成され、前記振動部91に入力される電力の時間変化を示す電力関連情報を検出する電力検出手段2と、前記振動部91の振動の時間変化を示す振動関連情報を検出する振動検出手段3と、情報処理を実行する処理部と、を備え、前記処理部は、前記電力関連情報と前記振動関連情報とを時間的に同期させるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が入力される入力部と、該入力部に電気的に接続され、入力部に入力された電力が入力されることによって振動を発生する振動部と、を備える装置における振動に関する情報を出力するように構成され、
前記振動部に入力される電力の時間変化を示す電力関連情報を検出する電力検出手段と、
前記振動部の振動の時間変化を示す振動関連情報を検出する振動検出手段と、
情報処理を実行する処理部と、を備え、
前記処理部は、前記電力関連情報と前記振動関連情報とを時間的に同期させるように構成される、
振動検出システム。
【請求項2】
前記振動検出手段は、前記振動部に非接触の状態で前記振動関連情報を検出するように構成される、
請求項1に記載の振動検出システム。
【請求項3】
時間に関する時間基準情報を出力する時間基準出力手段をさらに備え、
前記処理部は、前記時間基準情報に基づいて前記同期を実行するように構成される、
請求項1又は2に記載の振動検出システム。
【請求項4】
前記時間基準出力手段は、前記装置へ入力される電力に関する時間情報を前記時間基準情報として出力するように構成される、
請求項3に記載の振動検出システム。
【請求項5】
前記時間基準出力手段は、前記電力の入力開始時点及び入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点に関する時点情報を前記時間基準情報として出力する始停情報出力手段であり、
前記処理部は、前記時点情報が示す入力開始時点及び入力停止時点の少なくとも一方の時点に基づいて、前記電力関連情報と前記振動関連情報とを時間的に同期するように構成される、
請求項3又は4に記載の振動検出システム。
【請求項6】
前記処理部は、
前記時点情報が示す前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点に基づいて、前記電力関連情報における前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点の時点電力値と、前記振動関連情報における前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点の時点振動値と、を導出し、
前記時点電力値と前記時点振動値とを時間的に合わせることによって前記同期を実行するように構成される、
請求項5に記載の振動検出システム。
【請求項7】
前記始停情報出力手段は、前記電力の入力開始と入力停止とで状態変化する状態可変部材を含み、
前記振動部と前記状態可変部材とを撮像する撮像手段をさらに備え、
前記始停情報出力手段は、前記撮像手段で撮像した撮像情報に基づいて前記時点情報を出力するように構成され、
前記振動検出手段は、前記撮像情報に基づいて振動関連情報を検出するように構成される、
請求項5又は6に記載の振動検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力が入力された装置の振動部から発生する振動を検出するための振動検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブレーカーは、電源側端子と負荷側端子とを繋ぐ電路を遮断するための引外し機構を備えており、この引外し機構は、電力を受けた電磁コイルによって駆動されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-123553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のブレーカーにおいては、通電中(開状態)において、振動による異音が発生することがあったが、その振動を正確に検出する技術は存在していなかった。
【0005】
なお、このような問題は、ブレーカーにおける場合に限らず、通電中に振動が起こりえる振動部を有する装置全般に当てはまる問題である。
【0006】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、電力が入力されると振動を発生する装置の振動を検出することができる振動検出システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の振動検出システムは、
電力が入力される入力部と、該入力部に電気的に接続され、入力部に入力された電力が入力されることによって振動を発生する振動部と、を備える装置における振動に関する情報を出力するように構成され、
前記振動部に入力される電力の時間変化を示す電力関連情報を検出する電力検出手段と、
前記振動部の振動の時間変化を示す振動関連情報を検出する振動検出手段と、
情報処理を実行する処理部と、を備え、
前記処理部は、前記電力関連情報と前記振動関連情報とを時間的に同期させるように構成される。
【0008】
上記構成の振動検出システムによれば、処理手段によって、電力検出手段で検出された電力関連情報と振動検出手段で検出された振動関連情報とを時間について同期する処理が行われるため、電力検出手段で電力関連情報を検出するタイミングと、振動検出手段で振動関連情報を検出するタイミングがずれていたとしても、電力関連情報と振動関連情報とを時間について同期のとれた状態で得ることができる。
【0009】
また、本発明の振動検出システムにおいて、
前記振動検出手段は、前記振動部に非接触の状態で前記振動関連情報を検出するように構成されていてもよい。
【0010】
上記構成の振動検出システムによれば、振動部に対して非接触の状態で振動関連情報を検出でき、これにより、振動部を含む装置の振動系に影響を与えずに正確な振動検出ができるようになっている。
【0011】
さらに、本発明の振動検出システムは、
時間に関する時間基準情報を出力する時間基準出力手段をさらに備え、
前記処理部は、前記時間基準情報に基づいて前記同期を実行するように構成されていてもよい。
【0012】
上記構成の振動検出システムによれば、処理手段によって電力関連情報と振動関連情報との同期をとる処理が時間を基準として実行されるため、電力関連情報と振動関連情報との同期の精度が向上する。
【0013】
この場合、本発明の振動検出システムは、
前記時間基準出力手段は、前記装置へ入力される電力に関する時間情報を前記時間基準情報として出力するように構成されるようにしてもよい。
【0014】
上記構成の振動検出システムによれば、時間基準出力手段が装置に入力される電力に関する時間情報を時間基準情報として出力するように構成されるため、振動が発生する原因になる電力の時間情報を時間基準情報として用いることによって、同期の精度を向上させることができる。
【0015】
また、本発明の振動検出システムにおいて、
前記時間基準出力手段は、前記電力の入力開始時点及び入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点に関する時点情報を前記時間基準情報として出力する始停情報出力手段であり、
前記処理部は、前記時点情報が示す入力開始時点及び入力停止時点の少なくとも一方の時点に基づいて、前記電力関連情報と前記振動関連情報とを時間的に同期するように構成されるようにしてもよい。
【0016】
上記構成の振動検出システムによれば、前記電力関連情報と前記振動関連情報との時間的に同期する処理を、前記時点情報が示す入力開始時点及び入力停止時点の少なくとも一方の時点に基づいて実行することによって、同期の処理の正確さを向上させることができる。
【0017】
また、本発明の振動検出システムにおいて、
前記処理部は、
前記時点情報が示す前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点に基づいて、前記電力関連情報における前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点の時点電力値と、前記振動関連情報における前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点の時点振動値と、を導出し、
前記時点電力値と前記時点振動値とを時間的に合わせることによって前記同期を実行するように構成される、ようにしてもよい。
【0018】
上記構成の振動検出システムによれば、前記時点情報が示す前記入力開始時点及び前記入力停止時点のうちの少なくとも一方の時点に基づいて導出した前記時点電力値と前記振動時点値とを時間的に合わせることで前記同期処理を実行するので、正確な処理を実行できる。
【0019】
本発明の振動検出システムにおいて、
前記始停情報出力手段は、前記電力の入力開始と入力停止とで状態変化する状態可変部材を含み、
前記振動部と前記状態可変部材とを撮像する撮像手段をさらに備え、
前記始停情報出力手段は、前記撮像手段で撮像した撮像情報に基づいて前記時点情報を情報出力するように構成され、
前記振動検出手段は、前記撮像情報に基づいて振動関連情報を検出するように構成される、ようにしてもよい。
【0020】
上記構成の振動検出システムによれば、前記撮像手段で前記振動部を撮像した撮像情報に基づいて前記振動関連情報を検出するため、振動部を含む装置の振動系に影響を与えないように振動を検出することができる。また、撮像手段で状態可変部材を撮像した撮像情報に基づいて前記時点情報を検出するため、簡単に時点情報を検出することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の振動検出システムは、電力が入力されると振動を発生する装置の振動を検出することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る振動検出システムの構成の概要を示すブロック図である。
図2図2において、 (a)は装置電力値情報と測定時点情報の説明図であり、 (b)は基準電力値情報と測定時点情報の説明図である。
図3図3は、同実施形態に係る振動検出システムで用いる電力関連情報のデータ構造の説明図である。
図4図4において、 (a)は装置振動値情報と観測時点情報の説明図であり、 (b)は基準観測情報と観測時点情報の説明図である。
図5図5は、同実施形態に係る振動検出システムで用いる振動関連情報のデータ構造の説明図である。
図6図6は、同実施形態に係る振動検出システムにおける電力側同期基準情報を導出する処理の説明図である。
図7図7は、同実施形態に係る振動検出システムにおける振動側同期基準情報を導出する処理の説明図である。
図8図8は、同実施形態に係る振動検出システムにおける基準電力測定情報と基準状態観測情報の同期をとる前の状態の説明図である。
図9図9は、同実施形態に係る振動検出システムにおける基準電力測定情報と基準状態観測情報の同期をとった後の状態の説明図である。
図10図10は、同実施形態に係る振動検出システムの装置電力測定情報と装置振動測定情報の同期をとる前の状態の説明図である。
図11図11は、同実施形態に係る振動検出システムで同期をとった装置電力値情報と装置振動値情報をグラフ上にプロットした状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態にかかる振動検出システムについて、添付図面を参照しつつ説明する。
【0024】
本実施形態に係る振動検出システムは、装置に入力される電力と、電力を受けた装置から発生する振動とを検出し、それぞれの検出結果を時間について同期させた状態で出力するように構成されたシステムである。
【0025】
装置9は、図1に示すように、電力を入力する入力部90と、入力部90に入力された電力を受けて振動を発生する振動部91と、を備えている。
【0026】
本実施形態では、装置9がブレーカーであることを一例に挙げて以下の説明を行うこととする。また、装置9がブレーカーである場合、装置9の入力部90とは入力端子部のことであり、振動部91とは引外機構を作動させるためのコイルのことである。そして、入力部90に入力される電力とは交流電力である。
【0027】
本実施形態の振動検出システム1は、振動部91に入力される電力を検出して該電力の時間変化を示す電力関連情報を導出する電力検出手段2と、振動部91の振動を検出して該振動の時間変化を示す振動関連情報を導出する振動検出手段3と、時間に関する時間基準情報を出力する時間基準出力手段4と、電力関連情報と振動関連情報とを時間基準情報に基づいて時間的に同期させる処理を実行する処理手段(処理部)5と、を備えている。
【0028】
電力検出手段2と振動検出手段3とが別々のコンピューターで構成されている場合、電力検出手段2が振動部91に入力される電力を検出する際の時間軸と、振動検出手段3が振動部91の振動を検出する際の時間軸とが異なるものになるため、電力検出手段2が計測した時間と振動検出手段3が計測した時間とをそのままつきあわせると、電力検出手段2による電力の検出結果と振動検出手段3による振動の検出結果がずれてしまうが、本実施形態の振動検出システム1は、処理手段5が時間基準情報を共通の時間軸として電力関連情報と振動関連情報とを同期させるため、同期後の電力関連情報と振動関連情報とには時間のずれが生じないようになっている。
【0029】
なお、本実施形態の振動検出システム1では、電力検出手段2の後述する電力用時間計測手段の時間軸と、振動検出手段3の後述する振動用時間計測手段の時間軸とが異なっている。時間軸とは、例えば、測定を開始するタイミングや、測定の周期、検出結果を出力するタイミングのことである。
【0030】
時間基準情報は、電力関連情報と振動関連情報との時間のずれを正すための基準とする情報である。
【0031】
本実施形態の時間基準出力手段4は、装置9への電力の入力開始時点及び入力停止時点のうちの少なくとも何れか一方(本実施形態では両方)の時点に関する時点情報を時間基準情報として出力する始停情報出力手段として構成されている。
【0032】
また、時間基準出力手段4(始停情報出力手段)は、装置9への電力の入力開始と入力停止とで状態変化する状態可変部材を含んでおり、本実施形態の状態可変部材は、発光ダイオードによって構成されている。そのため、時間基準出力手段4は、装置9への電力の入力が開始すると発光ダイオードの発光部が点灯し、装置9への電力の入力が停止すると発光ダイオードの発光部が消灯するようになっている。
【0033】
さらに、本実施形態の時間基準出力手段4は、電力関連情報に対して入力開始時点及び入力停止時点を設定するための時間基準情報(電力用時間基準情報)を出力する電力用基準出力手段40と、振動関連情報に対して入力開始時点及び入力停止時点を設定するための時間基準情報(振動用時間基準情報)を出力する振動用基準出力手段41とを有する。
【0034】
電力用基準出力手段40は、時間基準出力手段4に入力される電力を電力用時間基準情報として出力するように構成され、振動用基準出力手段41は、時間基準出力手段4に入力される電力に応じた状態変化を電力用時間基準情報として出力するように構成されている。
【0035】
本実施形態の時間基準出力手段4は上述のように発光ダイオードを含んで構成されているため、時間基準出力手段4に入力される電力が変化するタイミングと、該電力に応じて時間基準出力手段4の状態が変化するタイミングとが一致又は略一致するようになっており、これにより、電力用基準出力手段40から出力された電力用時間基準情報の時間軸と、振動用基準出力手段41から出力された振動用時間基準情報の時間軸とが揃うようになっている。
【0036】
また、時間基準出力手段4が発光ダイオードを含むように構成される場合、電力用基準出力手段40は発光ダイオードの端子につながる電路で構成され、振動用基準出力手段41は発光ダイオードの発光部で構成されていればよい。
【0037】
電力検出手段2は、振動部91に入力される電力(装置入力電力)を測定する装置電力測定手段20と、電力用基準出力手段40から電力用時間基準情報として出力された電力(基準入力電力)を測定する基準電力測定手段21と、装置電力測定手段20が装置入力電力を測定している間、時間を計測する処理を実行する電力用時間計測手段22と、装置電力測定手段20による装置入力電力の測定結果と、基準電力測定手段21による基準電力の測定結果とを電力用時間計測手段22で計測した時間に合わせて関連付ける電力時間関連付手段23と、を有する。
【0038】
装置電力測定手段20は、図2(a)に示すように、装置入力電力の測定値を示す装置電力値情報D10を導出するとともに、装置入力電力を測定した時間(時点)を示す測定時点情報D30を電力用時間計測手段22から取得し、装置電力値情報D10と測定時点情報D30とを関連付ける処理を実行する。
【0039】
上記の処理は、所定時間の間(振動検出システム1によって装置9に入力される電力値と装置9の振動を検出する間)、繰り返し実行される。そのため、装置電力測定手段20からは、複数の装置電力値情報D10と複数の測定時点情報D30とが出力される。
【0040】
なお、本実施形態の装置電力測定手段20には、振動部91に入力される電力を検出する装置電力検出手段24が接続されている。
【0041】
なお、装置電力検出手段24は、電流等を検出するセンサ240と、半導体スイッチ241と、を備えるセンサユニットとして構成されており、装置電力測定手段20は、センサ240から出力される信号に基づいて、装置電力値情報D10を導出するように構成されている。
【0042】
なお、半導体スイッチ241は、電源からセンサに入力される電力のオンオフを行うためのものである。
【0043】
装置電力測定手段20は、図2(b)に示すように、基準入力電力の測定値を示す基準電力値情報D20を導出するとともに、基準電力を測定した時点を示す測定時点情報D30を電力用時間計測手段22から取得し、基準電力値情報D20と測定時点情報D30とを関連付ける処理を実行する。
【0044】
上記の処理も、所定時間の間(振動検出システム1によって装置9に入力される電力値と装置9の振動を検出する間)、繰り返し実行される。そのため、基準電力測定手段21からは、複数の基準電力値情報D20と複数の測定時点情報D30とが出力される。
【0045】
装置電力測定手段20が装置電力値情報D10を導出する処理を実行する周期と、基準電力測定手段21が基準電力値情報D20を導出する処理を実行する周期は同じであるため、装置電力値情報D10に関連付けられる測定時点情報D30と基準電力値情報D20に関連付けられる測定時点情報D30とは一致している。
【0046】
電力時間関連付手段23は、測定時点情報D30が同じ装置電力値情報D10と基準電力値情報D20とを関連付けることによって、図3に示すように、電力関連情報Dを出力する。
【0047】
そのため、電力関連情報Dには、複数の装置電力値情報D10が時系列順(測定された時点が早いもの順)に並ぶ装置電力測定情報D1と、複数の基準電力値情報D20が時系列順(測定された時点が早いもの順)に並ぶ基準電力測定情報D2と、装置入力電力と基準入力電力の測定時点を示す複数の測定時点情報D30が時系列順に並ぶ測定時点列情報D3と、が含まれており、複数の装置電力値情報D10と複数の基準電力値情報D20は、測定時点列情報D3によって示される時間軸に合わせて並んでいる。
【0048】
振動検出手段3は、図1に示すように、振動部91の振動を測定する装置振動測定手段30と、振動用基準出力手段41から出力される振動用基準情報を取得する振動用基準取得手段31と、装置振動測定手段30が装置9の振動を測定している間、時間を計測する処理を実行する振動用時間計測手段32と、装置振動測定手段30による装置9の振動の測定結果と、振動用基準取得手段31で取得した時間基準情報とを振動用時間計測手段32で測定した時間に合わせて関連付ける振動時間関連付手段33と、を有する。
【0049】
本実施形態の装置振動測定手段30は、撮像装置6が装置9の振動部91を撮像した装置撮像情報を取得する装置撮像情報取得手段300と、装置撮像情報取得手段300で取得した装置撮像情報に基づいて振動部91の振動の測定値を示す装置振動値情報を出力する振動値出力手段301と、を有する。
【0050】
装置撮像情報取得手段300が取得する装置撮像情報は、例えば、動画である。そのため、装置撮像情報には、所定の時間長のフレーム(装置撮像フレーム情報)が複数含まれている。装置撮像フレーム情報の時間長は、撮像装置6のフレームレートに基づいて定まる。
【0051】
振動値出力手段301は、図4(a)に示すように、装置振動値情報D10を導出するとともに、振動(装置振動値情報D10に定量化する元になった振動)の観測時点を示す観測時点情報D30を導出し、装置振動値情報D10と観測時点情報D30とを関連付ける処理を実行する。
【0052】
上記の処理は、所定時間の間(振動検出システム1によって装置9に入力される電力値と装置9の振動を検出する間)、繰り返し実行される。そのため、装置振動測定手段30からは、複数の装置振動値情報D10と複数の観測時点情報D30とが出力される。
【0053】
振動値出力手段301は、装置撮像情報に写る振動部91の動きに基づいて装置振動値情報D10を導出するように構成されており、例えば、隣接する撮像フレーム情報に写る振動部91の位置の差異に基づいて振動値を導出するように構成されていればよい。
【0054】
また、観測時点情報D30は、例えば、撮像フレーム情報の位置及び時間長と、振動用時間計測手段32で計測していた時間とに基づいて導出すればよい。
【0055】
振動用基準取得手段31は、撮像装置6が振動用基準出力手段41を撮像した基準撮像情報を取得する基準撮像情報取得手段310と、基準撮像情報取得手段310で取得した基準撮像情報に基づいて振動用時間基準情報(振動基準出力手段の状態)の観測結果を示す基準観測情報を出力する基準観測情報出力手段311と、を有する。
【0056】
基準撮像情報取得手段310が取得する振動用時間基準情報も動画である。そのため、振動用時間基準情報には、所定の時間長のフレーム(基準撮像フレーム情報)が複数含まれている。基準撮像フレーム情報の時間長は、撮像装置6のフレームレートに基づいて定まる。
【0057】
なお、本実施形態の振動検出システム1は、1つの撮像装置6を装置撮像情報取得手段300と基準撮像情報取得手段310とで共用するように構成されているため、装置撮像情報取得手段300が取得する装置撮像情報と基準撮像情報取得手段310が取得する基準撮像情報とは同じ動画である。また、撮像装置6は、同じ画角内に振動部91と時間基準出力手段4とが写るように配置されており、振動部91に対しては非接触である。
【0058】
基準観測情報出力手段311は、図4(b)に示すように、一つの基準撮像フレーム情報を一つの基準観測情報D20とするとともに、基準撮像フレーム情報の撮像時点を示す観測時点情報D30を導出し、基準観測情報D20と観測時点情報D30とを関連付ける処理を実行する。
【0059】
上記の処理は、所定時間の間(振動検出システム1によって装置9に入力される電力値と装置9の振動を検出する間)、繰り返し実行される。そのため、基準観測情報出力手段311からは、複数の基準観測情報D20と、複数の観測時点情報D30とが出力される。
【0060】
基準観測情報出力手段311は、装置撮像情報に写る振動用基準出力手段41の状態に基づいて装置基準情報を導出するように構成されており、本実施形態では、装置撮像情報に写る振動用基準出力手段41(発光部)の照度を示す情報が基準観測情報D20として導出される。
【0061】
また、観測時点情報D30は、例えば、基準フレーム情報の位置及び時間長と、振動用時間計測手段32で計測していた時間とに基づいて導出すればよい。
【0062】
振動時間関連付手段33は、観測時点情報D30が同じ装置振動値情報D10と基準観測情報D20とを関連付けることによって、図5に示すように、振動関連情報Dを出力する。
【0063】
そのため、振動関連情報Dには、複数の装置振動値情報D10が時系列順(振動の観測時点が早いもの順)に並ぶ装置振動測定情報D1と、複数の基準観測情報D20が時系列順(振動用基準出力手段41の状態の観測時点が早いもの順)観測された時間順)に並ぶ観測群情報D2と、装置9の振動と振動用基準出力手段41の状態の観測時点を示す複数の観測時点情報D30が時系列順に並ぶ観測時点列情報D3と、が含まれており、複数の装置振動測定情報D1と複数の基準観測情報D20は、観測時点列情報D3によって示される時間軸(観測周期であり、本実施形態では撮像装置6のフレーム長によって定まる周期)に合わせて並んでいる。
【0064】
処理手段5(処理部)は、図1に示すように、電力関連情報Dと振動関連情報Dとを取得する同期用情報取得手段50と、同期用情報取得手段50が取得した電力関連情報Dと振動関連情報Dとに対して同期する基準とする時点を示す時点情報を設定する同期基準設定手段51と、同期基準設定手段51で設定した同期する基準に基づいて、電力関連情報Dと振動関連情報Dとを同期する同期実行手段52と、を有する。
【0065】
電力側同期基準導出処理は、電力関連情報Dに対して振動関連情報Dとの同期をとる基準とする時点を示す電力側同期基準情報を導出する電力側同期基準導出処理と、振動関連情報Dに対して電力関連情報Dとの同期をとる基準とする時点を示す振動側同期基準情報を導出する振動側同期基準導出処理と、を実行するように構成されている。
【0066】
なお、電力関連情報Dにおいても振動関連情報Dにおいても、同期をとる基準とするのは装置9への電力の入力開始時点及び入力停止時点のうちの少なくとも何れか一方である(本実実施形態では入力停止時点)。
【0067】
電力側同期基準導出処理では、基準電力測定情報D2に基づいて電力側同期基準情報を導出する。
【0068】
より具体的に説明すると、電力側同期基準導出処理では、図6に示すように、時間基準出力手段4への電力の入力状態が変化したことを検知するために設定される電力用検知基準情報TVと、複数の基準電力値情報D20のそれぞれとを時系列順に比較する。なお、電力用検知基準情報TVは、検知の基準とする電力値が設定されていればよい。
【0069】
続いて、複数の基準電力値情報D20のそれぞれについて電力用検知基準情報TV以上の値が設定されているか、電力用検知基準情報TVを下回る値が設定されているかを判定し、電力用検知基準情報TV以上の値が設定されている基準電力値情報D20は時間基準出力手段4に電力が入力されている状態で測定されたものであり、電力用検知基準情報TVを下回る値が設定されている基準電力値情報D20は時間基準出力手段4に電力が入力されていない状態で測定されたものであると識別する。
【0070】
さらに、時間基準出力手段4に電力が入力されている状態で測定されたものであると識別された基準電力値情報D20のうち、測定時間が最も早いものと測定時間が最も遅いものとを選択し、測定時間が最も早い基準電力値情報D20に関連付けられている測定時点情報D30には、装置9への電力の入力を開始した入力開始時点であることを示す
時点情報(入力開始時点情報M1)を関連付け、測定時間が最も遅い基準電力値情報D20に関連付けられている測定時点情報D30には、装置9に電力の入力が停止した入力停止時点であることを示す時点情報(入力停止時点情報M2)を関連付ける。
【0071】
振動側同期基準導出処理では、基準観測情報D20に基づいて振動側同期基準情報を導出する。
【0072】
より具体的に説明すると、振動側同期基準導出処理では、時間基準出力手段4への電力の入力状態が変化したことを検知するために設定される振動用検知基準情報(図示しない)と、複数の基準観測情報D20のそれぞれとを時系列順に比較する。なお、本実施形態の基準観測情報D20には、装置撮像情報に写る振動用基準出力手段41の照度を示す情報が設定されるため、振動用検知基準情報には、検知の基準とする照度を示す情報が設定されていればよい。
【0073】
続いて、複数の基準観測情報D20のそれぞれについて、振動用基準出力手段41が初期状態のものであるか、初期状態から状態が変化したものであるかを判定し、振動用基準出力手段41が初期状態から変化した状態のものであると判定された基準観測情報D20は時間基準出力手段4に電力が入力されている状態で測定されたものであり、振動用基準出力手段41が初期状態のものであると判定された基準観測情報D20は、時間基準出力手段4に電力が入力されていない状態で測定されたものであると識別する。
【0074】
さらに、時間基準出力手段4に電力が入力されている状態で測定されたものであると識別された基準観測情報D20のうち、測定時間が最も早いものと測定時間が最も遅いものとを選択し、図7に示すように、測定時間が最も早い基準観測情報D20に関連付けられている観測時点情報D30には、装置9への電力の入力を開始した入力開始時点であることを示す時点情報(入力開始時点情報M1)を関連付け、測定時間が最も遅い基準観測情報D20の直後の基準観測情報D20に関連付けられている観測時点情報D30には、装置9に電力の入力が停止した入力停止時点ME2であることを示す時点情報(入力停止時点情報M2)を関連付ける。
【0075】
以上のようにして、同期基準設定手段51は、同期用情報取得手段50が取得した電力関連情報Dと振動関連情報Dとに対して同期する基準を設定する。
【0076】
同期実行手段52は、入力停止時点情報M2を関連付けた測定時点情報D30と、入力停止時点情報M2を関連付けた観測時点情報D30との時間差を導出し、導出した時間差に基づいて測定時点列情報D3の各測定時点情報D30が示す時点と、観測時点列情報D3の各観測時点情報D30が示す時点との間に生じている時間のずれを正す。
【0077】
同期実行手段52は、測定時点情報D30が示す時点と観測時点情報D30が示す時点のうち、時間が遅れている方に対して、導出した時間差分だけ時間を進めることによって測定時点情報D30が示す時点と観測時点情報D30が示す時点との間に生じている時間のずれを正すようにしてもよいし、測定時点情報D30が示す時点と観測時点情報D30が示す時点のうち、時間が進んでいる方に対して、導出した時間差分だけ時間を遅らせることによって測定時点情報D30が示す時点と観測時点情報D30が示す時点との間に生じている時間のずれを正すようにしてもよい。
【0078】
このようにすると、図8に示すように、同期前の測定時点列情報D3の各測定時点情報D30が示す時点と、観測時点列情報D3の各観測時点情報D30とには時間のずれが生じているが、同期後は、図9に示すように、測定時点列情報D3の各測定時点情報D30が示す時点と、観測時点列情報D3の各観測時点情報D30とが同じ時間軸上で表された状態になり、さらに、図10に示すように、各測定時点情報D30に関連付けられている装置電力値情報D10と、各観測時点情報D30に関連付けられている装置振動値情報D10も同じ時間軸上で表された状態になる。
【0079】
また、同期後の各装置電力値情報D10と各装置振動値情報D10とを同じグラフ上にプロットすれば、図11に示すように、各装置電力値情報D10と各装置振動値情報D10とを波形として同じ時間軸上に表示することができる。なお、図11においては、点線で示している波形が装置電力値情報D10の波形であり、実線で示している波形が装置振動値情報D10の波形である。
【0080】
また、複数の装置電力値情報D10と複数の装置振動値情報D10には、測定時点が重なっているものに加えて測定時点が重なっていないものも含まれているが、時間軸が揃っているため、それぞれの経時変化の対応関係を正しく把握できる。
【0081】
ここで、本実施形態の振動検出システム1は、図1に示すように、電源から装置に入力される電力値を制御するための電源制御手段7と、装置の周囲に設置される加速度検出手段8と、を備えるようにしてもよい。加速度検出手段8は、装置と離間して配置してもよいし、装置に密着して配置してもよい。
【0082】
電源制御手段7は、電源から装置9に入力する電力を調整するように構成されている。電源制御手段7は、例えば、センサ240が装置9の温度を検出できるように構成されている場合は、センサ240で検出した装置9の温度に応じて電源から装置9に入力する電力の強さを調整するように構成されていてもよい。
【0083】
加速度検出手段8は、装置9の周囲に配置され、装置9以外のものから生じる振動を検出するように構成される。装置9以外のものから生じる振動は、ノイズとなる振動であるため、例えば、振動値出力手段301が装置振動値情報D10を導出する際に、該装置振動値情報D10から加速度検出手段8で検出した振動の成分を除去することによって、装置振動値情報D10をより精度の高いものとすることができる。
【0084】
本実施形態に係る振動検出システム1の構成は、以上の通りである。続いて、振動検出システム1による装置9に入力された電力と装置9に生じた振動の検出方法を説明する。
【0085】
振動検出システム1では、電力検出手段2が電力関連情報Dを出力し、振動検出手段3が振動関連情報Dを出力した後に、処理手段5が電力関連情報Dと振動関連情報Dを同期させる。
【0086】
電力検出手段2では、装置電力測定手段20が複数の装置電力値情報D10と測定時点情報D30を導出し、基準電力測定手段21が複数の基準電力値情報D20と測定時点情報D30を導出した後に、電力時間関連付手段23が測定時点情報D30に基づいて、対応する時点の装置電力値情報D10と基準電力値情報D20とを関連付けて電力関連情報Dを出力する。
【0087】
振動検出手段3では、装置振動測定手段30が複数の装置振動値情報D10と観測時点情報D30を導出し、振動用基準取得手段31が複数の基準観測情報D20と観測時点情報D30を導出した後に、振動時間関連付手段33が観測時点情報D30に基づいて、対応する時点の装置振動値情報D10と基準観測情報D20とを関連付けて振動関連情報Dを出力する。
【0088】
処理手段5では、同期用情報取得手段50が電力関連情報Dと振動関連情報Dとを取得し、同期用情報取得手段50が取得した電力関連情報Dと振動関連情報Dに対して同期基準設定手段51が同期する基準を設定し、同期基準設定手段51で設定した同期する基準に基づいて、同期実行手段52が電力関連情報Dと振動関連情報Dとを同期する。
【0089】
このようにして、時間について同期がとられた状態の電力関連情報Dと振動関連情報Dとを得ることができるようになっている。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る振動検出システム1によれば、処理手段5によって、電力検出手段2で検出された電力関連情報Dと振動検出手段3で検出された振動関連情報Dとを時間について同期する処理が行われるため、電力検出手段2で電力関連情報Dを検出するタイミングと、振動検出手段3で振動関連情報Dを検出するタイミングがずれていたとしても、電力関連情報Dと振動関連情報Dとを時間について同期のとれた状態で得ることができ、装置9の振動状態を表す波形と、装置9に入力される電力の状態を表す波形の位相関係を適切に把握することができる。
【0091】
従って、本実施形態の振動検出システム1は、電力が入力されると振動を発生する装置9の振動を検出すること、より具体的には、装置9に入力された電力の検出結果と、装置9に生じた振動の検出結果を時間について同期がとれた状態で得ることができるという優れた効果を奏し得る。
【0092】
また、処理手段5によって電力関連情報Dと振動関連情報Dとの同期をとる処理は、時間(時間基準出力手段4が出力した時間に関する時間基準情報)を基準として実行されるため、電力関連情報Dと振動関連情報Dとの同期をとる精度が向上する。
【0093】
特に、時間基準出力手段4が装置9に入力されている電力に関する時間情報を時間基準情報として出力するように構成されるため、振動が発生する原因になる電力の時間情報を時間基準情報として用いることにより、同期をとる精度が向上しやすくなる。
【0094】
また、本実施形態の振動検出システム1は、電力関連情報Dと振動関連情報Dとを時間について同期する処理を、時点情報が示す入力開始時点及び入力停止時点の少なくとも一方の時点に基づいて実行できるように構成されているため、装置9に入力される電力と装置9に生じる振動が変化し始めるタイミング、若しくは装置9に入力される電力と装置9に生じる振動の変化し終えるタイミングに合わせて装置電力関連情報Dと振動関連情報Dとを時間について同期させることができ、これにより、同期の処理の正確さを向上させることができる。
【0095】
特に、本実施形態の処理手段5では、入力開始時点及び入力停止時点M2のうちの入力停止時点M2に基づいて、装置電力測定情報D1と装置振動測定情報D1とを時間について同期する処理が実行されるため、同期の処理の正確さを向上させることができる。
【0096】
なお、本実施形態の振動検出システム1では、振動検出手段3や撮像装置6が振動部91に対して非接触の状態で振動関連情報Dを検出するように構成されているため、振動部91に対して非接触の状態で振動関連情報Dを検出でき、これにより、振動部91を含む装置9の振動系に影響を与えずに正確な振動検出ができるようになっている。
【0097】
また、本実施形態の振動検出システム1では、撮像手段6を撮像した撮像情報(本実施形態では、振動用基準出力手段41を撮像した基準撮像情報)に基づいて時点情報を検出するように構成されているため、視覚的に確認しやすい情報を用いることによって簡単に時点情報を検出することができる。
【0098】
なお、本発明に係る振動検出システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0099】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、処理手段5は、例えば、電力検出手段2と一緒のコンピューターで構成されていてもよいし、振動検出手段3と一緒のコンピューターで構成されていてもよい。また、電力検出手段2と、振動検出手段3と、処理手段5とを別々のコンピューターで構成することも可能である。
【0100】
上記実施形態では、装置9がブレーカーであることを一例に挙げて説明を行ったが、この構成に限定されない。装置9は、例えば、ブレーカー以外の電気機器であってもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、装置9がブレーカーであることを一例に挙げていたため、装置9が受ける電力の種類を交流電力として説明を行ったが、この構成に限定されない。装置9が受ける電力の種類は、例えば、直流電力であってもよい。
【0102】
さらに、上記実施形態では、振動部91がコイルであることを一例に挙げて説明を行ったが、コイル以外で電力が入力された際に振動する部分があれば、その部分を振動部91としてもよい。
【0103】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、撮像装置6は、振動検出システム1自体が備えるものであってもよいし、振動検出システム1とは別に用意されているもであってもよい。すなわち、撮像装置6は、振動検出システム1が備えるものであってもよいし、振動検出システム1が備えていないものであってもよい。
【0104】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、撮像装置6で振動部91を撮像するにあたり、装置9の外装に開口を形成して振動部91を外部から見えるようにしたり、装置9の外装を透明色にして振動部91を外部から見えるようにしたりしてもよい。また、撮像装置6を装置9に内蔵したり、撮像装置6で装置9全体を撮像するようにしてもよい。
【0105】
上記実施形態において、1つの撮像装置6を装置撮像情報取得手段300と基準撮像情報取得手段310とで共用するように構成されていたが、この構成に限定されない。装置撮像情報取得手段300が取得する装置撮像情報と基準撮像情報取得手段310が取得する基準撮像情報とをそれぞれ異なる撮像装置を使って取得するように構成されていてもよい。すなわち、一方の撮像装置で振動部91を撮像し、別の撮像装置で振動用基準出力手段41を撮像するようにしてもよい。但し、このようにする場合は、各撮像装置で撮像した撮像情報同士の同期をとる必要がある。
【0106】
上記実施形態の振動用基準出力手段41は、振動用時間基準情報を発光部の点灯状態によって出力するように構成されていたが、この構成に限定されない。振動用基準出力手段41は、視覚的に観測できれば発光部の点灯状態とは別の現象で振動用時間基準情報を出力するように構成されていても良いし、例えば、聴覚的に観測できる現象等によって振動用時間基準情報を出力するように構成されていてもよい。このように、振動用時間基準情報は、外部から観測でき且つ時間基準出力手段4に入力された電力に応じて変化する現象で出力されるようになっていればよい。
【0107】
上記実施形態の同期実行手段52は、入力停止時点情報M2を関連付けた測定時点情報D30と、入力停止時点情報M2を関連付けた観測時点情報D30とを同じ時点の情報として同期していたが、この構成に限定されない。同期実行手段52は、例えば、入力開始時点情報M1を関連付けた測定時点情報D30と、入力開始時点情報M1を関連付けた振動測定時点情報D30とを同じ時点の情報として同期してもよい。このようにしても、電力関連情報Dと振動関連情報Dの間に生じる時間のずれが抑えられる。
【0108】
上記実施形態の処理手段5は、時間基準情報に基づいて電力関連情報と振動関連情報とを時間的に同期させていたが、例えば、時間基準情報を用いずに電力関連情報と振動関連情報とを時間的に同期させるように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0109】
1…振動検出システム、2…電力検出手段、3…振動検出手段、4…時間基準出力手段、5…処理手段、6…撮像装置、7…電源制御手段、8…加速度検出手段、9…装置、20…装置電力測定手段、21…基準電力測定手段、22…電力用時間計測手段、23…電力時間関連付手段、24…装置電力検出手段、30…装置振動測定手段、31…振動用基準取得手段、32…振動用時間計測手段、33…振動時間関連付手段、40…電力用基準出力手段、41…振動用基準出力手段、50…同期用情報取得手段、51…同期基準設定手段、52…同期実行手段、90…入力部、91…振動部、240…センサ、241…半導体スイッチ、300…装置撮像情報取得手段、301…振動値出力手段、310…基準撮像情報取得手段、311…基準観測情報出力手段、D…電力関連情報、D1…装置電力測定情報、D10…装置電力値情報、D2…基準電力測定情報、D20…基準電力値情報、D3…測定時点列情報、D30…測定時点情報、D…振動関連情報、D1…装置振動測定情報、D10…装置振動値情報、D2…観測群情報、D20…基準観測情報、D3…観測時点列情報、D30…観測時点情報、M1…入力開始時点情報、M2…入力停止時点情報、M2…入力停止時点、M1…入力開始時点情報、M2…入力停止時点情報、TV…電力用検知基準情報
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