(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023117975
(43)【公開日】2023-08-24
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230817BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20230817BHJP
H01L 21/205 20060101ALN20230817BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20230817BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/302 101G
H05H1/46 M
H01L21/205
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020815
(22)【出願日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】猪狩 浩
(72)【発明者】
【氏名】長山 将之
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA01
2G084BB07
2G084CC04
2G084CC05
2G084CC08
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD63
2G084DD64
2G084FF14
2G084FF15
2G084FF22
2G084FF38
2G084FF39
5F004AA16
5F004BA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB26
5F004BC02
5F004BC03
5F004BC08
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5F045AA08
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5F045EF05
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5F045EH05
5F045EH14
5F045EH20
5F045EJ03
5F045EJ05
5F045EM05
(57)【要約】
【課題】異常放電を防止するプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理チャンバと、前記プラズマ処理チャンバ内に設けられ、基板を保持する基板支持部と、前記基板支持部に対向するシャワーヘッドと、を備え、前記シャワーヘッドは、ガスを吐出するガス流路が形成されたシャワープレートを有し、前記シャワープレートは、凹部を有する基材と、前記凹部に挿入して接合される埋込部材と、を有し、前記ガス流路は、前記基材に形成され、前記凹部と連通する第1流路と、前記埋込部材に形成される第2流路と、前記基材及び前記埋込部材の少なくとも一方に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを連通する連通路と、を有する、プラズマ処理装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバと、
前記プラズマ処理チャンバ内に設けられ、基板を保持する基板支持部と、
前記基板支持部に対向するシャワーヘッドと、を備え、
前記シャワーヘッドは、
ガスを吐出するガス流路が形成されたシャワープレートを有し、
前記シャワープレートは、
凹部を有する基材と、
前記凹部に挿入して接合される埋込部材と、を有し、
前記ガス流路は、
前記基材に形成され、前記凹部と連通する第1流路と、
前記埋込部材に形成される第2流路と、
前記基材及び前記埋込部材の少なくとも一方に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを連通する連通路と、を有する、
プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記第1流路と前記第2流路とは、非同軸に配置される、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記基材と前記埋込部材とは、溶接または導電性接着剤による接着で接合される、
請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記基材及び前記埋込部材は、SiまたはSiCで形成される、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記基材及び前記埋込部材は、同じ材質で形成される、
請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記埋込部材は、複数積層されて前記基材の前記凹部に接合され、
積層する前記埋込部材の間に前記ガス流路を形成する、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記シャワーヘッドは、
前記シャワープレートを保持する保持プレートと、を更に有し、
前記保持プレートは、電源から電圧が印加される、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガス吐出孔が形成された下部部材と、連通孔が形成された中間部材と、ガス通路孔が形成された上部部材と、を積層させた上部電極を有するプラズマ処理装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、貫通細孔を有する薄いシリコン電極板を複数枚重ね合わせて貫通細孔を有する冷却板にボルトで固定してなることを特徴とするプラズマエッチング用多層シリコン電極板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5336968号公報
【特許文献2】特許第3873277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一の側面では、本開示は、異常放電を防止するプラズマ処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、一の態様によれば、プラズマ処理チャンバと、前記プラズマ処理チャンバ内に設けられ、基板を保持する基板支持部と、前記基板支持部に対向するシャワーヘッドと、を備え、前記シャワーヘッドは、ガスを吐出するガス流路が形成されたシャワープレートを有し、前記シャワープレートは、凹部を有する基材と、前記凹部に挿入して接合される埋込部材と、を有し、前記ガス流路は、前記基材に形成され、前記凹部と連通する第1流路と、前記埋込部材に形成される第2流路と、前記基材及び前記埋込部材の少なくとも一方に形成され、前記第1流路と前記第2流路とを連通する連通路と、を有する、プラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図の一例。
【
図2】第1実施形態に係るシャワープレートの断面図の一例。
【
図3】(a)はシャワープレートの上方斜視図の一例であり、(b)はシャワープレート132の底面図の一例であり、(c)は流路の拡大平面図の一例。
【
図5】シャワープレートに形成される流路の形状を示す斜視図の一例。
【
図6】シャワープレートに形成される流路の他の形状を示す斜視図の一例。
【
図7】シャワープレートに形成される流路の更に他の形状を示す斜視図の一例。
【
図8】シャワープレートに形成される流路の更に他の形状を示す斜視図の一例。
【
図9】第2実施形態に係るシャワープレートの断面図の一例。
【
図10】第2実施形態に係るシャワープレートに形成される流路の形状を示す斜視図の一例。
【
図11】第3実施形態に係るシャワープレートの断面図の一例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
以下に、プラズマ処理システムの構成例について説明する。
図1は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図の一例である。
【0010】
プラズマ処理システムは、容量結合型のプラズマ処理装置1及び制御部2を含む。容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
【0011】
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
【0012】
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF(Radio Frequency)電源31及び/又はDC(Direct Current)電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
【0013】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0014】
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0015】
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a(13a1~13a3)、少なくとも1つのガス拡散室13b(13b1~13b3)、及び複数のガス導入口13c(13c1~13c3:
図2参照)を有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。
【0016】
また、
図1に示すシャワーヘッド13は、ガス導入部51と、ガス導入部52と、ガス導入部53と、を有する。ガス導入部51は、プラズマ処理チャンバ10内の基板Wの中心領域(センター領域)にガスを導入する。ガス導入部52は、ガス導入部51よりも外側領域(中間領域)にガスを導入する。ガス導入部53は、ガス導入部52よりも外側領域(エッジ領域)にガスを導入する。ガス導入部51、ガス導入部52及びガス導入部53は、同心状に配置されている。
【0017】
ガス拡散室13bは、ガス拡散室13b1と、ガス拡散室13b2と、ガス拡散室13b3と、を有する。
【0018】
ガス拡散室13b1には、ガス供給口13a1及び複数のガス導入口13c1が、ガスが通流可能に接続される。ガス導入部51は、ガス供給口13a1、ガス拡散室13b1、複数のガス導入口13c1を有する。また、ガス拡散室13b2には、ガス供給口13a2及び複数のガス導入口13c2が、ガスが通流可能に接続される。ガス導入部52は、ガス供給口13a2、ガス拡散室13b2、複数のガス導入口13c2を有する。また、ガス拡散室13b3には、ガス供給口13a3及び複数のガス導入口13c3が、ガスが通流可能に接続される。ガス導入部53は、ガス供給口13a3、ガス拡散室13b3、複数のガス導入口13c3を有する。
【0019】
また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0020】
また、シャワーヘッド13は、クーリングプレート131と、シャワープレート132と、を有する。クーリングプレート131は、例えば、アルミニウムで形成され、シャワープレート132を保持する。また、クーリングプレート131は、保持したシャワープレート132を冷却する機能を有する。また、クーリングプレート131は、ガス拡散室13bが形成される。シャワープレート132は、例えばSi、SiC等で形成され、ガス導入口13cが形成される。クーリングプレート131は、保持プレートの一例である。
【0021】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
【0022】
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ処理チャンバ10において1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
【0023】
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
【0024】
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0025】
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のバイアスDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
【0026】
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
【0027】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0028】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
【0029】
次に、ガス導入口13cが形成されるシャワープレート132について、
図2から
図5を用いて説明する。
図2は、第1実施形態に係るシャワープレート132の断面図の一例である。
図3(a)はシャワープレート132の上方斜視図の一例であり、
図3(b)はシャワープレート132の底面図の一例であり、
図3(c)はガス流路250の拡大平面図の一例である。
図4は、シャワープレート132の分解断面図の一例である。
【0030】
図2及び
図4に示すように、シャワープレート132は、凹部211a,211b,211cを有する基材210と、凹部211a~211cに挿入して接合される埋込部材220,230とを有する。基材210の上面には、凹部211a~211cが形成される。凹部211aは、基材210の中心軸と同軸で円形状に形成される。凹部211bは、凹部211aよりも径方向外側で、基材210の中心軸と同軸で円環形状に形成される。凹部211cは、凹部211bよりも径方向外側で、基材210の中心軸と同軸で円環形状に形成される。
【0031】
凹部211aには、埋込部材220a及び埋込部材230aが積層して埋め込まれる。埋込部材220a,230aは、円板形状の部材である。埋込部材220a及び埋込部材230aは、凹部211aに挿入され、凹部211aの底面301と埋込部材220aの下面304とが当接し、埋込部材220aの上面303と埋込部材230aの下面307とが当接する。また、埋込部材220a及び埋込部材230aは、外周が溶接部240aによって基材210に溶接される。即ち、埋込部材220aの側面305及び埋込部材230aの側面308は、基材210の凹部211aの側面302と溶接により接合される。
【0032】
また、凹部211bには、埋込部材220b及び埋込部材230bが積層して埋め込まれる。埋込部材220b,230bは、円環形状の部材である。埋込部材220b及び埋込部材230bは、凹部211bに挿入され、内周が溶接部240bによって基材210に溶接され、外周が溶接部240cによって基材210に溶接される。
【0033】
同様に、凹部211cには、埋込部材220c及び埋込部材230cが積層して埋め込まれる。埋込部材220c,230cは、円環形状の部材である。埋込部材220c及び埋込部材230cは、凹部211cに挿入され、内周が溶接部240dによって基材210に溶接され、外周が溶接部240eによって基材210に溶接される。
【0034】
基材210及び埋込部材220,230は、例えば、Si、SiC等で形成される。また、基材210及び埋込部材220,230は、同じ材質で形成されることが好ましい。これにより、シャワープレート132にプラズマの熱が入熱した際、基材210及び埋込部材220,230の熱膨張差を抑制する又は無くすことができる。
【0035】
また、基材210と埋込部材220,230とは、溶接により接合される。これにより、クーリングプレート131に電源30から電圧を印加した際に、基材210と埋込部材220,230との間に電位差が生じることを防止することができる。
【0036】
シャワープレート132には、複数のガス流路250が形成される。1つのガス流路250は、流路251と、分岐流路252と、流路253と、分岐流路254と、流路255と、を有する。
【0037】
基材210には、凹部211aの底面301から基材210の下面に向かって連通する複数の流路255が形成される。
【0038】
埋込部材220aの下面304には、凹溝が形成される。埋込部材220aを基材210の凹部211aに挿入することにより、埋込部材220aの下面304に形成された凹溝と、凹部211aの底面301とによって、分岐流路254が形成される。分岐流路254は、流路255と連通する。また、埋込部材220aには、上面303から下面304に向かって、分岐流路254となる凹溝に連通する流路253が形成される。ここで、ガス流路250において、分岐流路254と連通する流路253は複数(
図2の例では3つ)設けられ、分岐流路254と同数である。また、1つの分岐流路254に対して複数(
図2の例ではそれぞれ3つ)の流路255が連通する。また、流路255は、基材に形成され、基材が有する凹部と連通する第1流路の一例である。また、流路253は、埋込部材に形成される第2流路の一例である。また、分岐流路254は、基材及び埋込部材の少なくとも一方に形成され、第1流路と第2流路とを連通する連通路の一例である。
【0039】
埋込部材230aの下面307には、凹溝が形成される。埋込部材230aを基材210の凹部211aに挿入することにより、埋込部材230aの下面307に形成された凹溝と、埋込部材220aの上面303とによって、分岐流路252が形成される。分岐流路252は、流路253と連通する。また、埋込部材230aには、上面306から下面307に向かって、分岐流路252となる凹溝に連通する流路251が形成される。ここで、ガス流路250において、分岐流路252と連通する流路251の数は1つであって、分岐流路252と同数である。また、1つの分岐流路252に対して複数(
図2の例ではそれぞれ3つ)の流路253が連通する。
【0040】
これにより、1つの流路251から分岐流路252を経由して3つの流路253に分岐し、更に各流路253から分岐流路254を経由してそれぞれ3つの流路255に分岐するガス流路250が形成される。
【0041】
このように、凹部211aに挿入された埋込部材220a,230aによって、ガス流路250が形成される。同様に、凹部211bに挿入された埋込部材220b,230bによって、ガス流路250が形成される。また、凹部211cに挿入された埋込部材220c,230cによって、ガス流路250が形成される。
【0042】
図3(a)から
図3(c)に示すように、シャワープレート132は、埋込部材230a(埋込部材220a)が配置されたセンター領域と、埋込部材230b(埋込部材220b)が配置された中間領域と、埋込部材230c(埋込部材220c)が配置されたエッジ領域と、を有する。センター領域、中間領域、エッジ領域には、それぞれ複数のガス流路250が配置されている。
図3(a)に示すように、シャワープレート132の上面(クーリングプレート131と接する側の面)には、複数の流路251が配置されている。また、
図3(b)及び
図3(c)に示すように、シャワープレート132の下面(プラズマ処理空間10sの側の面)には、複数の流路255が配置されている。
【0043】
また、シャワープレート132のセンター領域に配置された複数のガス流路250よって、ガス導入口13c1が形成される。また、シャワープレート132の中間領域に配置された複数のガス流路250よって、ガス導入口13c2が形成される。また、シャワープレート132のエッジ領域に配置された複数のガス流路250よって、ガス導入口13c3が形成される。
【0044】
これにより、ガス導入部51は、ガス供給口13a1から供給された処理ガスを、ガス拡散室13b1及びガス導入口13c1(ガス流路250)を介して、プラズマ処理チャンバ10内の基板Wの中心領域(センター領域)に処理ガスを導入する。また、ガス導入部52は、ガス供給口13a2から供給された処理ガスを、ガス拡散室13b2及びガス導入口13c2(ガス流路250)を介して、プラズマ処理チャンバ10内のガス導入部51よりも外側領域(中間領域)にガスを導入する。また、ガス導入部53は、ガス供給口13a3から供給された処理ガスを、ガス拡散室13b3及びガス導入口13c3(ガス流路250)を介して、プラズマ処理チャンバ10内のガス導入部52よりも外側領域(エッジ領域)にガスを導入する。
【0045】
ここで、基材210、埋込部材220及び埋込部材230が溶接部240a~240eによって溶接されることにより、ガス導入口13c1に供給された処理ガスが他のガス導入口13c2,13c3に流入することを防止する。同様に、ガス導入口13c2に供給された処理ガスが他のガス導入口13c1,13c3に流入することを防止する。また、ガス導入口13c3に供給された処理ガスが他のガス導入口13c1,13c2に流入することを防止する。
【0046】
次に、1つのガス流路250について、
図5を用いて更に説明する。
図5は、シャワープレート132に形成されるガス流路250の形状を示す斜視図の一例である。
【0047】
図5に示すように、1つの流路251から3つの流路253に分岐する分岐流路252において、流路251から流路253までの距離が等しくなっている。また、1つの流路253から3つの流路255に分岐する分岐流路254において、流路253から流路255までの距離が等しくなっている。これにより、1つの流路251の入口から9つの流路255の出口までの処理ガスの流れ方向の距離がそれぞれ等しくなるように形成されている。
【0048】
ここで、容量結合型のプラズマ処理装置1では、プラズマ処理チャンバ10の上下に配置されるシャワーヘッド13(上部電極)と基板支持部11(下部電極)とのいずれかにRFソース電力が供給され、プラズマ処理空間10sに生じる放電によりプラズマが生成される。シャワープレート132に形成されるガス流路250は、上下方向、即ち電圧印加方向に延びる流路251,253,255と、水平方向、即ち電圧印加方向と直交する方向に延びる分岐流路252,254と、を有している。
【0049】
流路255と流路253とは、同軸には配置されず、流路255と流路253との間に電圧印加方向と直交する方向に延びる流路(分岐流路254)を通るように形成されている。同様に、流路253と流路251とは、同軸には配置されず、流路253と流路251との間に電圧印加方向と直交する方向に延びる流路(分岐流路252)を通るように形成されている。
【0050】
ここで、上部電極に印加する電圧が大きくなると、ガス導入口13c(流路255)付近の電界が強まり、処理ガス分子の解離が進み、電子とイオンの密度が増える。また、電子やイオンの移動速度も速くなる。このため、ガス導入口13c(流路255)からプラズマ処理空間10sに吐出された処理ガスが、印加電圧が低い場合と比較して、高解離し、ガス導入口13c(流路255)付近で異常放電が生じるおそれがある。
【0051】
これに対し、シャワープレート132では、ガス流路250がトーナメント状に形成されている。これにより、プラズマ処理空間10sからガス流路250内に引き込まれたプラズマ中の電子やイオンにおける電圧印加方向の距離を短くすることができる。これにより、電子やイオンの平均自由行程を短くして、異常放電の発生を抑制することができる。
【0052】
また、シャワープレート132の下面側のガス穴(流路255)の数に対し、シャワープレート132の上面側のガス穴(流路251)の数を少なくすることができる。これにより、シャワープレート132とクーリングプレート131との伝熱領域を増やすことができる。
【0053】
また、上流側の流路251よりも下流側の流路255の数を増やすことにより、シャワープレート132の下面側の流路255におけるガス圧を低減することができる。これにより、異常放電の発生をさらに抑制することができる。
【0054】
また、シャワープレート132は、基材210、埋込部材220及び埋込部材230の間に電位差が生じることを防止することができる。即ち、基材210と埋込部材220との電位差によって、異常放電が生じることを防止することができる。また、埋込部材220と埋込部材230との電位差によって、異常放電が生じることを防止することができる。
【0055】
なお、シャワープレート132に形成されるガス流路250の形状は、
図5に示す形状に限られるものではない。
【0056】
図6は、シャワープレート132に形成されるガス流路250の他の形状を示す斜視図の一例である。
図6に示すように、流路251から3つの流路253にそれぞれ向かう分岐する分岐流路252の形状が円板形状に形成されてもよい。また、
図6に示すように、流路253から3つの流路255にそれぞれ向かう分岐する分岐流路254の形状が円板形状に形成されていてもよい。
【0057】
図7は、シャワープレート132に形成されるガス流路250の更に他の形状を示す斜視図の一例である。
図7に示すように、流路251から4つの流路253にそれぞれ向かう分岐する分岐流路252の形状が十字形状に形成されてもよい。また、
図7に示すように、流路253から4つの流路255にそれぞれ向かう分岐する分岐流路254の形状が十字形状であってもよい。
【0058】
図8は、シャワープレート132に形成されるガス流路250の更に他の形状を示す斜視図の一例である。
図8に示すように、流路251から4つの流路253にそれぞれ向かう分岐する分岐流路252の形状が円板形状に形成されてもよい。また、
図8に示すように、流路253から4つの流路255にそれぞれ向かう分岐する分岐流路254の形状が円板形状であってもよい。
【0059】
また、分岐流路252,254における分岐数は、3,4の場合を例に説明したが、これに限られるものではなく、2であってもよく、5以上であってもよい。
【0060】
また、分岐流路252,254では流路を分岐せず、水平方向の流路を形成してもよい。これにより、電圧の印加方向(上下方向)における電子やイオンの平均自由行程を短くして、異常放電の発生を抑制することができる。
【0061】
また、埋込部材230aの下面307に凹溝が形成され、埋込部材230aの下面307に形成された凹溝と、埋込部材220aの上面303とによって、分岐流路252を形成するものとして説明したが、これに限られるものではない。埋込部材220aの上面303に凹溝が形成され、埋込部材230aの下面307と、埋込部材220aの上面303に形成された凹溝とによって、分岐流路252を形成する構成であってもよい。また、埋込部材230aの下面307及び埋込部材220aの上面303に凹溝が形成され、埋込部材230aの下面307に形成された凹溝と、埋込部材220aの上面303に形成された凹溝とによって、分岐流路252を形成する構成であってもよい。
【0062】
同様に、埋込部材220aの下面304に凹溝が形成され、埋込部材220aの下面304に形成された凹溝と、凹部211aの底面301とによって、分岐流路254を形成するものとして説明したが、これに限られるものではない。凹部211aの底面301に凹溝が形成され、埋込部材220aの下面304と、凹部211aの底面301に形成された凹溝とによって、分岐流路254を形成する構成であってもよい。また、埋込部材220aの下面304及び凹部211aの底面301に凹溝が形成され、埋込部材220aの下面304に形成された凹溝と、凹部211aの底面301に形成された凹溝とによって、分岐流路254を形成する構成であってもよい。
【0063】
なお、基材210と埋込部材220,230とは、溶接により接合されるものとして説明したが、これに限られるものではない。基材210と埋込部材220,230とは、導電性接着剤により接着で接合される構成であってもよい。この場合でも、クーリングプレート131に電源30から電圧を印加した際に、基材210と埋込部材220,230との間に電位差が生じることを防止することができる。即ち、基材210と埋込部材220との電位差によって、異常放電が生じることを防止することができる。また、埋込部材220と埋込部材230との電位差によって、異常放電が生じることを防止することができる。
【0064】
また、シャワーヘッド13は、3つのガス供給口13a(13a1~13a3)を有し、3つのガス導入部51~53に区画されているものとして説明したが、これに限られるものではない。シャワーヘッド13の区画は、1つであってもよく、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0065】
図9は、第2実施形態に係るシャワープレート132の断面図の一例である。
図10は、第2実施形態に係るシャワープレート132に形成されるガス流路250の形状を示す斜視図の一例である。
【0066】
図9に示すように、基材210の凹部に挿入される埋込部材230は、1層であってもよい。シャワープレート132には、複数のガス流路250が形成される。
図9及び
図10に示すように、ガス流路250は、流路251と、分岐流路252と、複数の流路255と、を有する。
【0067】
基材210には、埋込部材230aが挿入される凹部の底面から基材210の下面に向かって連通する複数の流路255が形成される。
【0068】
埋込部材230aの下面には、凹溝が形成される。埋込部材230aを基材210の凹部に挿入することにより、埋込部材230aの下面に形成された凹溝と、凹部の底面とによって、分岐流路252が形成される。分岐流路252は、流路255と連通する。また、埋込部材230aには、上面から下面に向かって、分岐流路252となる凹溝に連通する流路251が形成される。ここで、ガス流路250において、分岐流路252と連通する流路251の数は1つであって、分岐流路252と同数である。また、1つの分岐流路252に対して複数の流路255が連通する。
【0069】
これにより、1つの流路251から分岐流路252を経由して複数の流路255に分岐するガス流路250が形成される。
【0070】
このように、基材210の凹部に挿入された埋込部材230aによって、ガス流路250が形成される。同様に、基材210の凹部に挿入された埋込部材230bによって、ガス流路250が形成される。また、基材210の凹部に挿入された埋込部材230cによって、ガス流路250が形成される。
【0071】
なお、基材210の凹部に挿入される埋込部材が1層の場合(
図9参照)及び2層の場合(
図2参照)を例に説明したが、これに限られるものではなく、3層以上であってもよい。
【0072】
図11は、第3実施形態に係るシャワープレート132の断面図の一例である。
【0073】
図11に示すシャワープレート132は、基材210の下面側に凹部が形成され、その凹部に埋込部材220,230が配置され、溶接または接着により接合されてもよい。シャワープレート132には、複数のガス流路250が形成される。ガス流路250は、流路251と、分岐流路252と、流路253と、分岐流路254と、流路255と、を有する。
【0074】
基材210には、凹部の天面から基材210の上面に向かって連通する流路251が形成される。
【0075】
埋込部材220aの上面には、凹溝が形成される。埋込部材220aを基材210の凹部に挿入することにより、埋込部材220aの上面に形成された凹溝と、凹部の天面とによって、分岐流路252が形成される。分岐流路252は、流路251と連通する。また、埋込部材220aには、上面から下面に向かって、分岐流路252となる凹溝に連通する流路253が形成される。
【0076】
埋込部材230aの上面には、凹溝が形成される。埋込部材230aを基材210の凹部に挿入することにより、埋込部材230aの上面に形成された凹溝と、埋込部材220aの下面とによって、分岐流路254が形成される。分岐流路254は、流路253と連通する。また、埋込部材230aには、上面から下面に向かって、分岐流路254となる凹溝に連通する流路255が形成される。
【0077】
これにより、1つの流路251から分岐流路252を経由して3つの流路253に分岐し、更に各流路253から分岐流路254を経由してそれぞれ3つの流路255に分岐するガス流路250が形成される。
【0078】
このように、基材210の凹部に挿入された埋込部材220a,230aによって、ガス流路250が形成される。同様に、基材210の凹部に挿入された埋込部材220b,230bによって、ガス流路250が形成される。また、基材210の凹部に挿入された埋込部材220c,230cによって、ガス流路250が形成される。
【0079】
以上、プラズマ処理システムの実施形態等について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【符号の説明】
【0080】
W 基板
1 プラズマ処理装置
2 制御部
10 プラズマ処理チャンバ
10s プラズマ処理空間
11 基板支持部
13 シャワーヘッド
13a ガス供給口
13b ガス拡散室
13c ガス導入口
20 ガス供給部
30 電源
40 排気システム
51~53 ガス導入部
131 クーリングプレート(保持プレート)
132 シャワープレート
210 基材
211a~211c 凹部
220,230 埋込部材
250 ガス流路
251 流路
252 分岐流路
253 流路(第2流路)
254 分岐流路(連通路)
255 流路(第1流路)