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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118495
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】システム、方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230818BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021469
(22)【出願日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】酒井 隆敏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】 業務の外部委託において、発注側と請負側とをマッチングして契約するシステム、方法および情報処理装置を提供すること。
【解決手段】 業務の外部委託に関する契約を行うシステム100であって、契約に係る条件を発注者から受け付ける外部委託業務受付部310と、外部委託される請負者に関する請負者データベース340を参照して、条件を満たす請負者を抽出する請負者抽出部320と、発注者と、請負者抽出部320によって抽出された請負者との間で契約を行う契約処理部340とを含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務の外部委託に関する契約を行うシステムであって、
前記契約に係る条件を発注者から受け付ける手段と、
外部委託される請負者に関するデータベースを参照して、前記条件を満たす請負者を抽出する手段と、
前記発注者と、前記抽出する手段によって抽出された前記請負者との間で前記契約を行う手段と
を含む、システム。
【請求項2】
前記条件は、前記請負者が保有する機材を使用するか否かを含み、
前記請負者が保有する機材を使用する場合には、前記契約において、当該機材をレンタルする契約を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記レンタルする契約を含む場合には、前記契約において、必要に応じて当該機材を前記発注者に譲渡する契約をさらに含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記契約が、請負契約または準委任契約である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記契約が請負契約である場合には、当該契約が履行されなかった場合における補償に関する契約を含む、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記補償に関する契約が、賠償金を支払う契約または他の請負者を照会する契約である、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記契約が請負契約である場合には、前記契約を行う手段は、前記業務に適した請負人に変更することができる、
請求項4~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
業務を外部委託される請負者に関するデータベースを有する情報処理装置を介して、業務の外部委託に関する契約を行う方法であって、
前記契約に係る条件を発注者から受け付けるステップと、
前記データベースを参照して、前記条件を満たす請負者を抽出するステップと、
前記発注者と、前記抽出するステップにおいて抽出された前記請負者との間で前記契約を行うステップと
を含む、方法。
【請求項9】
業務の外部委託に関する契約を行う情報処理装置であって、
前記契約に係る条件を発注者から受け付ける手段と、
外部委託される請負者に関するデータベースを参照して、前記条件を満たす請負者を抽出する手段と、
前記発注者と、前記抽出する手段によって抽出された前記請負者との間で前記契約を行う手段と
を含む、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務の外部委託を行うシステム、方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、業務の外部委託(アウトソーシング)は一般的に行われている。アウトソーシングの形態の例として、請負契約、準委任契約などが挙げられ、各々異なる性質を有する。
【0003】
例えば、アクチュエータとその動作を制御するプログラムについて考えると、当該アクチュエータの製造を伴う場合にはPL法(製造物責任法)の観点から請負契約となるが、アクチュエータを動作させるプログラムの作成のみを外部委託する場合には準委任契約も可能である。とりわけ、PL法の適用がある製造物の納入はメーカ保証を要するものであるから、契約形態が準委任契約に限られるフリーランスや個人事業主の参入ができない。このように、外部委託する業務に応じて種々の契約形態を選択する必要があり、発注側と請負側との契約を容易に行うシステムが求められていた。
【0004】
業務の外部委託の契約に関連する技術として、例えば特許第6841541号公報(特許文献1)では、多重請負構造を可視化する技術が開示されている。特許文献1によれば、多重請負構造における全ての契約内容を一元的に把握する第三者を設けることなく、請負構造を可視化することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1をはじめとする従来技術は、発注側と請負側との契約を容易に行い得るものではなく、両者のマッチングから契約までを行う技術が求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、業務の外部委託において、発注側と請負側とをマッチングして契約するシステム、方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、
業務の外部委託に関する契約を行うシステムであって、
前記契約に係る条件を発注者から受け付ける手段と、
外部委託される請負者に関するデータベースを参照して、前記条件を満たす請負者を抽出する手段と、
前記発注者と、前記抽出する手段によって抽出された前記請負者との間で前記契約を行う手段と
を含む、システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、業務の外部委託において、発注側と請負側とをマッチングして契約するシステム、方法および情報処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態におけるシステム全体のハードウェアの概略構成を示す図。
図2】本実施形態のサーバに含まれるハードウェア構成を示す図。
図3】本実施形態のシステムに含まれるソフトウェアブロック図。
図4】本実施形態における請負者データベースの例を説明する図。
図5】本実施形態における外部委託される業務と契約形態の例を説明する図。
図6】本実施形態において発注者と請負者とのマッチングをして契約を行う処理を示すフローチャート。
図7】本実施形態の表示画面の例を示す図。
図8】本実施形態における発注前処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする。
【0011】
図1は、本実施形態におけるシステム100全体のハードウェアの概略構成を示す図である。図1では、例として、サーバ110と、発注側端末120と、請負側端末130とが、ネットワーク140を介して接続された環境を例示している。なお、各装置の台数は、図1に示したものに限らず、システム100に含まれる台数に制限はない。また、各装置からネットワーク140へ接続する方法は、有線または無線のどちらでもよい。
【0012】
サーバ110は、本実施形態に係る外部委託契約サービスを提供する情報処理装置である。ここで、本実施形態で説明する外部委託契約サービスは、業務の外部委託を希望する発注者と、当該業務を受注する請負者とのマッチングを行い、外部委託契約を行うものであり、例えばサーバ110を管理する運営者によって提供される。後述するように、発注者と請負者の間で業務や条件などで合意が形成された場合には、サーバ110を介して両者間で外部委託の契約が交わされる。
【0013】
発注側端末120は、外部委託の発注者が使用する情報処理装置であり、一例としてパーソナルコンピュータのような装置が挙げられる。発注者は、発注側端末120を使用して、外部委託する業務の内容や条件などを入力する。
【0014】
請負側端末130は、外部委託の請負者が使用する情報処理装置であり、一例としてパーソナルコンピュータのような装置が挙げられる。請負者は、請負側端末130を使用して、発注者が提示した条件などを確認し、当該業務を請け負うか否かを判断する。
【0015】
次に、情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図2は、本実施形態のサーバ110に含まれるハードウェア構成を示す図である。サーバ110は、CPU210と、RAM220と、ROM230と、記憶装置240と、通信I/F250と、ディスプレイ260と、入力装置270とを含んで構成され、各ハードウェアはバスを介して接続されている。
【0016】
CPU210は、サーバ110の動作を制御するプログラムを実行し、所定の処理を行う装置である。RAM220は、CPU210が実行するプログラムの実行空間を提供するための揮発性の記憶装置であり、プログラムやデータの格納用、展開用として使用される。ROM230は、CPU210が実行するプログラムやファームウェアなどを記憶するための不揮発性の記憶装置である。
【0017】
記憶装置240は、サーバ110を機能させるOSや種々のソフトウェア、設定情報、各種データなどを記憶する、読み書き可能な不揮発性の記憶装置である。記憶装置240の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0018】
通信I/F250は、サーバ110とネットワーク140とを接続し、ネットワーク140を介して他の装置との通信を可能にする。ネットワーク140を介した通信は、有線通信または無線通信のいずれであってもよく、TCP/IPなどの所定の通信プロトコルを使用し、各種データを送受信できる。
【0019】
ディスプレイ260は、各種データやサーバ110の状態などを表示する装置であり、例として、LCD(Liquid Crystal Display)などが挙げられる。入力装置270は、サーバ110を操作するための装置であり、例として、キーボード、マウスなどが挙げられる。なお、ディスプレイ260と入力装置270は、それぞれ別個の装置であってもよいし、タッチパネルディスプレイのような両方の機能を備えるものであってもよい。
【0020】
なお、図2は、サーバ110のハードウェア構成を図示したものであるが、発注側端末120や請負側端末130も、図2に示した構成と同様の構成を採用することができる。
【0021】
以上、本実施形態の装置に含まれるハードウェア構成について説明した。次に、本実施形態における各ハードウェアによって実行される機能手段について、図3を以て説明する。図3は、本実施形態のシステム100に含まれるソフトウェアブロック図である。
【0022】
図3に示すように、本実施形態のサーバ110は、外部委託業務受付部310、請負者抽出部320、契約処理部330、請負者データベース340を含む。また、本実施形態の発注側端末120および請負側端末130は、通信部350、表示部360、操作部370を含む。以下に、各機能手段の詳細を説明する。
【0023】
外部委託業務受付部310は、発注者によって発注側端末120にて入力された外部委託業務を受け付ける手段である。本実施形態の外部委託業務受付部310は、例えば業務の条件などを受け付けることができる。
【0024】
請負者抽出部320は、外部委託業務受付部310が受け付けた条件に基づいて請負者データベース340を参照し、条件を満たす請負者を抽出する手段である。
【0025】
契約処理部330は、請負者抽出部320が抽出した請負者に対して外部委託業務の条件などを提示し、発注者と請負者の間での外部委託業務に係る契約を行う手段である。
【0026】
請負者データベース340は、外部委託業務を請け負う請負者に関する情報を格納する手段である。ここで、図4を参照して、本実施形態の請負者データベース340に格納されるデータの例を説明する。
【0027】
図4は、本実施形態における請負者データベース340の例を説明する図である。図4に示すように、本実施形態の請負者データベース340には、例えば、氏名フィールド、契約形態フィールド、対応可能業務フィールド、価格フィールド、納期フィールド、保有機材フィールドの各種項目を含むことができる。なお、図4に示したデータベースは一例であって、請負者データベース340は、図4に示す項目以外のものを含んでもよい。
【0028】
氏名フィールドには、請負者の氏名が格納される。なお、請負者は個人であってもよいし、法人であってもよい。
【0029】
契約形態フィールドには、請負者が可能な契約形態が格納される。契約形態の例としては、例えば、請負契約、準委任契約などが挙げられる。
【0030】
対応可能業務フィールドには、請負者が請け負うことが可能な業務の内容が格納される。業務の例としては、例えばITに関する業務の場合には、システム開発、Web開発、アプリケーション開発などが挙げられる。
【0031】
価格フィールドには、業務を請け負った際の価格が格納される。価格フィールドに格納される価格の例としては、時間当たりの単価や、1件当たりの最低価格などを設定することができる。
【0032】
納期フィールドには、当該請負者が業務を請け負った際の標準的な納期が格納される。
【0033】
保有機材フィールドには、請負者が保有する機材が格納される。ここで、機材とは、主に外部委託された業務の遂行に用いられる機材であり、例えば、プログラムを作成する業務を外部委託する場合には、プログラム検証のための機材とすることができる。なお、機材は、委託された業務に応じて請負者が使用するものであるが、必要に応じて発注者にサブスクリプション方式などによってレンタルする契約とすることができ、さらに、要求があれば発注者に売却(譲渡)する契約とすることができる。
【0034】
説明を図3に戻す。通信部350は、通信I/F250を制御し、本実施形態の各種端末とサーバ110との間でネットワーク140を介した通信を行う手段である。例えば発注側端末120の通信部350は、外部委託する業務の条件などをサーバ110に送信することができ、請負側端末130の通信部350は、業務の条件や契約内容などをサーバ110から受信することができる。
【0035】
表示部360は、ディスプレイ260を制御し、各種情報を表示する手段である。本実施形態の表示部360は、例えば業務の条件の入力画面や、契約内容などを表示することができる。
【0036】
操作部370は、入力装置270を制御し、発注者や請負者からの操作を受け付ける手段である。
【0037】
なお、上述したソフトウェアブロックは、CPU210が本実施形態のプログラムを実行することで、各ハードウェアを機能させることにより、実現される機能手段に相当する。また、各実施形態に示した機能手段は、全部がソフトウェア的に実現されても良いし、その一部または全部を同等の機能を提供するハードウェアとして実装することもできる。
【0038】
次に、本実施形態において行われる契約の各種形態について図5を以て説明する。図5は、本実施形態における外部委託される業務と契約形態の例を説明する図であり、図5(a)はプログラムと製造物を納入する業務が委託される例を、図5(b)はプログラムを納入する業務が委託される例を、それぞれ示している。
【0039】
まず、図5(a)に示すように、発注者がプログラムの作成と製造物の生産を求める業務を外部に委託する場合を考える。すなわち、請負者はプログラムと製造物を生産し発注者に納入することになる。このように、製造物の納入を伴う業務を外部委託する場合には、PL法(製造物責任法)の観点から請負契約を締結することが必要である。
【0040】
一方で、図5(b)に示すように、発注者がプログラムの作成を求める業務を外部に委託する場合を考える。この場合、請負者は作成したプログラムを発注者に納入することになるが、図5(a)のように製造物の納入を伴わないため、準委任契約で足りることとなる。なお、図5(b)の例の場合には、納入されたプログラムが発注者によって製造物に組み込まれることで、製品として完成する。
【0041】
次に、本実施形態において契約を行う流れについて、図6を以て説明する。図6は、本実施形態において発注者と請負者とのマッチングをして契約を行う処理を示すフローチャートである。また、図6の説明にあっては、適宜図7を参照する。図7は、本実施形態の表示画面の例を示す図である。
【0042】
図6に示すフローチャートは、ステップS1000から処理を開始する。なお、図6のフローチャートの各処理は、図3に示した各機能手段が行う。
【0043】
発注者は発注側端末120を使用して、ステップS1001において契約形態を入力し、ステップS1002において使用機材を入力選択し、ステップS1003において業務内容や価格を入力する。なお、ステップS1001~S1003の処理は、必ずしも図6に示した順序で行われなくてもよく、また各処理を並列して行ってもよい。一例として、ステップS1001~S1003の処理は、図7(a)に示す画面から行うことができる。
【0044】
図7(a)の画面は、発注側端末120に表示される画面の例である。図7(a)に示す画面には、例えば、発注する業務の内容を選択するラジオボタンと、業務を委託する契約の形態を選択するラジオボタンと、発注する業務において使用される機材を請負者からレンタルするか、発注者が用意するかを選択するラジオボタンと、レンタルする機材を選択するチェックボックスと、価格の入力欄と、希望納期の入力欄が含まれる。発注者は、図7(a)の画面から、外部委託する業務に関する情報を入力し(ステップS1001~S1003)、条件にマッチする請負者を検索する。
【0045】
説明を図6に戻す。発注者が諸条件を入力した後、ステップS1004では、サーバ110の外部委託業務受付部310が外部委託業務に関する情報を受け付け、請負者抽出部320が請負者データベース340の各フィールドを参照し、条件を満たす請負者がいるかを検索する。例えば、契約形態が準委任契約である場合には、契約形態フィールドが「請負/準委任」または「準委任」である請負者が抽出される。また例えば、使用する機材を請負者からレンタルする場合であって、当該機材を保有している請負者がいれば、その請負者が抽出される。条件を満たす請負者がいない場合には(NO)、ステップS1001に戻り、再度各種条件を入力する。一方で、条件を満たす請負者がいる場合には(YES)、ステップS1005に進む。
【0046】
ステップS1005では、発注側端末120に検索結果が表示され、発注者は希望する請負者に依頼する。ステップS1005では、例えば、図7(b)に示す画面が表示される。図7(b)の画面は、検索結果表示画面の例である。図7(b)に示すように、発注側端末120には条件を満たす請負者に関する情報が表示され、発注者はいずれの請負者に依頼するかを選択することができる。
【0047】
説明を再び図6に戻す。ステップS1005において発注者が請負者を選択し、業務を依頼すると、ステップS1006に進む。ステップS1006では、選択された請負者に対して依頼があった旨および諸条件が通知され、発注者・請負者間で契約の合意が形成される。なお、ステップS1006において、発注者・請負者間で協議され、条件が見直されてもよい。ステップS1006において発注者・請負者間で契約合意しなかった場合には(NO)、ステップS1005に戻り、発注者は再度請負者を選択し、依頼する。一方、ステップS1006において発注者・請負者間で契約合意した場合には(YES)、ステップS1007に進む。
【0048】
その後、ステップS1007では、選択した契約形態が準委任契約であるか請負契約であるかによって処理を分岐する。準委任契約である場合にはステップS1008aに進み、請負契約である場合にはステップS1008bに進む。
【0049】
ステップS1008aおよびS1008bは同様の処理であり、機材のレンタルの有無によって処理を分岐する。ステップS1008aにおいて、機材のレンタルがある場合にはステップS1009aに進み、機材のレンタルがない場合にはステップS1009bに進む。また、ステップS1008bにおいて、機材のレンタルがある場合にはステップS1010aに進み、機材のレンタルがない場合にはステップS1010bに進む。なお、ステップS1007、S1008、S1009の各分岐は、合意した契約内容に含まれる条件に基づいて分岐するものである。
【0050】
ステップS1009aでは、機材をレンタルする契約を含む準委任契約を行う。ステップS1009bでは、準委任契約を行う。ステップS1010aでは、機材をレンタルする契約を含む請負契約を行う。ステップS1010bでは、請負契約を行う。
【0051】
なお、ステップS1010aまたはS1010bにおける請負契約では、後述するように、請負業務に係る責任は運営者が負うこととなるため、請負契約が履行されなかった場合に運営者は補償を行う必要がある。そこで、本実施形態の契約処理部330は、請負契約の際に、当該業務に適した人材を発注者に提示して同意を得たうえで、請負者を変更して契約を行うこととしてもよい。
【0052】
その後、ステップS1011において、処理を終了する。図6に示した処理によれば、発注者と請負者とをマッチングし、契約を容易に行うことができる。特に本実施形態では、業務を委託する契約に、機材をレンタルする契約など他の付随する契約も含むことができ、業務の外部委託の促進を図ることができる。
【0053】
ここまで、本実施形態の具体例を説明したが、本実施形態における契約はさらに別の契約を含むことができる。例えば、請負契約を行った場合であって、何らかの理由によって当該契約が履行されなかった場合(仕様の未達成など)には、本実施形態に係るサービスの提供者(運営者)が責任を負うこととなる。かかる場合の補償を事前に明確にし、運営者と発注者との間で契約を行うこととしてもよい。ここで、本実施形態において補償に関する契約を発注前に行う処理について図8を以て説明する。図8は、本実施形態における発注前処理のフローチャートである。
【0054】
図8に示すフローチャートは、ステップS2000から処理を開始する。なお、図8の処理は、外部委託を発注する前、すなわち、図6に示した処理の前に行われるものである。また、図8のフローチャートの各処理は、図3に示した各機能手段が行う。
【0055】
ステップS2001では、発注者は、発注した業務が完了されなかった場合の補償の種類を選択する。ここで、補償の種類の例としては、賠償金の支払いや、他の請負者を別途紹介することなどが挙げられるが、特に限定するものではない。ステップS2002では、選択された補償内容が、賠償金の支払いであるか、別途紹介するかによって処理が分岐する。賠償金が選択された場合は、ステップS2003aに進み、別人材の紹介が選択された場合は、ステップS2003bに進む。
【0056】
ステップS2003aおよびS2003bでは、不具合箇所の有無によって処理を分岐する。ステップS2003aにおいて不具合箇所がない場合にはステップS2004aに進み、不具合箇所がある場合にはステップS2005aに進む。また、ステップS2003bにおいて不具合箇所がない場合にはステップS2004bに進み、不具合箇所がある場合にはステップS2005bに進む。なお、不具合箇所があるとされる場合の例としては、もともと装置が故障しているなどして、所定のモードに切り替えるとエラーランプが点滅して動かなくなる場合や、所定のモードで通常運転しても100個ある製品のうち1個の製品に不良が出ている場合などが挙げられる。
【0057】
ステップS2005aおよびS2005bでは、受注の可否によって処理を分岐する。ステップS2005aにおいて受注できる場合にはステップS2006aに進み、受注できない場合には処理を終了する。また、ステップS2005bにおいて受注できる場合にはステップS2006bに進み、受注できない場合には処理を終了する。
【0058】
ステップS2003またはS2005のあと、ステップS2004またはS2006では、補償に関する契約内容が発注者に示され、発注者と運営者との間で契約の合意がなされる。契約合意とならなかった場合には(NO)、処理を終了する。
【0059】
契約合意となった場合には(YES)、それぞれ以下のように契約される。すなわち、ステップS2004aにおいて契約合意となった場合には(YES)、ステップS2007において賠償金型契約が締結される。ステップS2006aにおいて契約合意となった場合には(YES)、ステップS2008において条件付き賠償金型契約が締結される。ステップS2004bにおいて契約合意となった場合には(YES)、ステップS2009において人材対応型契約が締結される。ステップS2006bにおいて契約合意となった場合には(YES)、ステップS2010において条件付き人材対応型契約が締結される。なお、ステップS2008およびS2010における条件付き契約とは、事前に不具合箇所があることを両者で合意し、直す場合にはどの様に直すのかという条件や、直さない場合には当該箇所には関与しないという条件、すなわち、不具合箇所に関する何らかの条件を付けて合意して契約するものである。
【0060】
その後、ステップS2011において処理が終了する。図8に示した処理によれば、外部委託契約が履行されなかった場合の補償に関する契約を、発注者と実施形態に係るサービスの運営者との間で事前に行うことができる。これによって図6に示した契約に補償契約を付帯させることができ、契約手続の簡素化を図ることができる。また、外部委託契約の前に補償契約の内容を設定しておくことができるため、補償契約が賠償金の支払いである場合には、運営者は事前に賠償責任保険に加入しておくなどの対応が可能となる。
【0061】
以上、説明した本発明の実施形態によれば、業務の外部委託において、発注側と請負側とをマッチングして契約するシステム、方法および情報処理装置を提供することができる。
【0062】
上述した本発明の実施形態の各機能は、C、C++、C#、Java(登録商標)等で記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、本実施形態のプログラムは、ハードディスク装置、CD-ROM、MO、DVD、フレキシブルディスク、EEPROM(登録商標)、EPROM等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0063】
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0064】
100…システム、110…サーバ、120…発注側端末、130…請負側端末、140…ネットワーク、210…CPU、220…RAM、230…ROM、240…記憶装置、250…通信I/F、260…ディスプレイ、270…入力装置、310…外部委託業務受付部、320…請負者抽出部、330…契約処理部、340…請負者データベース、350…通信部、360…表示部、370…操作部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0065】
【特許文献1】特許第6841541号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8