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特開2023-118801ノズル、吐出口部材およびノズルアーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118801
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】ノズル、吐出口部材およびノズルアーム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20230818BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
H01L21/306 Z
H01L21/304 643C
H01L21/304 643A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104640
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2019091600の分割
【原出願日】2019-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 嘉文
(72)【発明者】
【氏名】相浦 一博
(57)【要約】
【課題】基板の周縁部を精度よくエッチングすることができる技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様によるノズルは、ノズルアームに取り付けられ、吐出口から水平に保持された基板に処理液を供給するノズルであって記ノズルアームとの接続部と吐出口との間に設けられる屈曲部と、屈曲部から吐出口まで延びる延在部と、を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルアームに取り付けられ、吐出口から水平に保持された基板に処理液を供給するノズルであって、
前記ノズルアームとの接続部と前記吐出口との間に設けられる屈曲部と、
前記屈曲部から前記吐出口まで延びる延在部と、
を有するノズル。
【請求項2】
前記ノズルは、前記延在部に着脱可能な吐出口部材を有する
請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記吐出口部材に形成される流路は、前記ノズルにおける前記吐出口部材以外の部位に形成される流路よりも細い
請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記延在部は、前記屈曲部から斜め下方向に延びる
請求項1に記載のノズル。
【請求項5】
ノズルアームに取り付けられ、水平に保持された基板に処理液を供給するノズルであって、
本体部と、
前記本体部から着脱可能に構成される吐出口部材と、
を有するノズル。
【請求項6】
前記吐出口部材は、
前記本体部に接続される接続部と、
前記処理液が吐出される吐出口と、
前記接続部において前記本体部に形成される第1流路と接続され、前記接続部から前記吐出口まで形成される第2流路と、を有する
請求項5に記載のノズル。
【請求項7】
前記第2流路は、前記第1流路よりも細い
請求項6に記載のノズル。
【請求項8】
前記第2流路は、直線状に形成される
請求項6に記載のノズル。
【請求項9】
水平に保持された基板に処理液を供給するノズルの本体部に取り付けられ、
前記本体部に接続される接続部と、
前記処理液が吐出される吐出口と、
前記接続部において前記本体部に形成される第1流路と接続され、前記接続部から前記吐出口まで形成される第2流路と、
を有する吐出口部材。
【請求項10】
前記接続部と前記吐出口の間に形成され、前記本体部と螺合する螺合部と、
前記接続部と前記螺合部との間に設けられ、前記第1流路から流れる処理液の漏洩を抑制する封止部材と、を有する
請求項9に記載の吐出口部材。
【請求項11】
吐出口から水平に保持された基板に処理液を供給するノズルを取り付けるノズルアームであって、
前記ノズルは、
前記ノズルアームとの接続部と前記吐出口との間に設けられる屈曲部と、
前記屈曲部から前記吐出口まで延びる延在部と、
を有するノズルアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、ノズル、吐出口部材およびノズルアームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハ(以下、ウェハとも呼称する。)などの基板の周縁部を処理液でエッチングする技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-168429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板の周縁部を精度よくエッチングすることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によるノズルは、ノズルアームに取り付けられ、吐出口から水平に保持された基板に処理液を供給するノズルであって、前記ノズルアームとの接続部と前記吐出口との間に設けられる屈曲部と、前記屈曲部から前記吐出口まで延びる延在部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板の周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係るノズルアームの構成を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係るノズルアームの構成を示す斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る位置合わせ機構の動作を説明するための図である。
図6A図6Aは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図6B図6Bは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図6C図6Cは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図6D図6Dは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図6E図6Eは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図6F図6Fは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図7A図7Aは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図7B図7Bは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図7C図7Cは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図7D図7Dは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図7E図7Eは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図7F図7Fは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
図8図8は、実施形態に係るノズルの構成を示す斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るノズルチップの構成を示す模式図である。
図10図10は、実施形態に係るノズルの内部構成を示す断面図である。
図11図11は、実施形態に係る基板処理装置が実行する基板処理の手順を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態の変形例に係る基板処理装置が実行する基板処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置および基板処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す各実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0009】
また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。また、鉛直軸を回転中心とする回転方向をθ方向と呼ぶ場合がある。
【0010】
従来、半導体ウェハ(以下、ウェハとも呼称する。)などの基板の周縁部を処理液でエッチングする技術が知られている。かかる周縁部のエッチング処理では、基板が偏心なく正確に保持部に位置合わせされることが重要である。
【0011】
一方で、従来の基板処理装置では、基板を位置合わせする位置合わせ機構と、基板に処理液を吐出するノズルとがそれぞれ別のアームに備えられていることから、位置合わせ機構に対するノズルの相対位置にばらつきが生じてしまう。
【0012】
これにより、位置合わせ機構で精度よく位置合わせされたとしても、基板の周縁部に精度よく処理液を吐出することができない場合がある。そしてこの場合には、周縁部を精度よくエッチングすることが困難である。
【0013】
そこで、上述の課題を解決し、基板の周縁部を精度よくエッチングすることができる技術が期待されている。
【0014】
<基板処理装置の全体構成>
まず、実施形態に係る基板処理装置1の構成について図1および図2を参照して説明する。図1および図2は、実施形態に係る基板処理装置1の構成を示す模式図である。
【0015】
図1および図2に示すように、実施形態に係る基板処理装置1は、処理容器10と、保持部20と、上面供給部30と、下方カップ50と、下面供給部60と、外方カップ70と、加熱機構80とを備える。
【0016】
処理容器10は、保持部20、上面供給部30、下方カップ50、下面供給部60、外方カップ70および加熱機構80を収容する。
【0017】
保持部20は、ウェハWを回転可能に保持するとともに、保持されたウェハWを昇降可能である。具体的には、図2に示すように、保持部20は、バキュームチャック21と、軸部22と、駆動部23とを備える。バキュームチャック21は、ウェハWを真空引きにより吸着保持する。バキュームチャック21は、ウェハWよりも小径であり、ウェハWの下面中央部を吸着保持する。
【0018】
軸部22は、先端部においてバキュームチャック21を水平に支持する。駆動部23は、軸部22の基端部に接続される。駆動部23は、軸部22を鉛直軸まわりに回転させるとともに、軸部22およびかかる軸部22に支持されるバキュームチャック21を昇降させる。これにより、駆動部23は、バキュームチャック21に保持されたウェハWを回転させることができるとともに、かかるウェハWを昇降させることができる。
【0019】
図1に示すように、上面供給部30は、ウェハWの上面周縁部に対して処理液を供給することにより、ウェハWの上面周縁部をエッチングする。これにより、たとえばウェハWの上面周縁部に形成された膜を除去したり、ウェハWの上面周縁部を洗浄したりすることができる。
【0020】
なお、ウェハWの上面周縁部とは、ウェハWの上面において、端面からたとえば幅1~5mm程度の環状の領域のことである。
【0021】
上面供給部30は、ノズルアーム31と、ノズルアーム41とを有する。ノズルアーム31およびノズルアーム41は、平面視で保持部20を挟んで対向して配置される。
【0022】
ノズルアーム31は、液供給部32と、位置合わせ機構33と、移動機構34とを有する。ノズルアーム31は、水平方向(ここでは、Y軸方向)に延在し、先端部において液供給部32および位置合わせ機構33を支持する。
【0023】
液供給部32は、ノズル35を有し、かかるノズル35に対して薬液やリンス液などの処理液を供給する。薬液としては、たとえば、フッ酸(HF)、希フッ酸(DHF)、フッ硝酸などを用いることができる。なお、フッ硝酸とは、フッ酸(HF)と硝酸(HNO)との混合液である。また、リンス液としては、たとえばDIW(脱イオン水)を用いることができる。
【0024】
位置合わせ機構33は、ウェハWの位置を保持部20における所与の位置に合わせる。なお、本開示において、「所与」とは「予め定められている」の意味である。たとえば、位置合わせ機構33は、ウェハWの中心C2(図5参照)を保持部20における回転軸の中心C1(図5参照)に合わせる。
【0025】
これにより、実施形態では、保持部20上で偏心がないようにウェハWを精度よく配置することができる。かかる位置合わせ機構33の詳細については後述する。
【0026】
移動機構34は、ノズルアーム31の基端部に接続される。移動機構34は、ノズルアーム31をたとえば水平方向(ここでは、X軸方向)に沿って移動させるとともに、ノズルアーム31を昇降させる。ノズル35は、ウェハWよりも上方において吐出口を下向きにした状態で配置され、ウェハWの上面に処理液を吐出する。
【0027】
ノズルアーム41は、液供給部42と、位置合わせ機構43と、移動機構44とを有する。ノズルアーム41は、水平方向(ここでは、Y軸方向)に延在し、先端部において液供給部42および位置合わせ機構43を支持する。液供給部42は、ノズル45を有し、かかるノズル45に対して処理液を供給する。
【0028】
位置合わせ機構43は、ウェハWの位置を保持部20における所与の位置に合わせる。たとえば、位置合わせ機構43は、ウェハWの中心C2を保持部20における回転軸の中心C1に合わせる。これにより、実施形態では、保持部20上で偏心がないようにウェハWを精度よく配置することができる。かかる位置合わせ機構43の詳細については後述する。
【0029】
移動機構44は、ノズルアーム41の基端部に接続される。移動機構44は、ノズルアーム41をたとえば水平方向(ここでは、X軸方向)に沿って移動させるとともに、ノズルアーム41を昇降させる。ノズル45は、ウェハWよりも上方において吐出口を下向きにした状態で配置され、ウェハWの上面に処理液を吐出する。
【0030】
下方カップ50は、ウェハWにおける周縁部の下方を覆うように加熱機構80の外方に配置される円環状の部材である。下方カップ50は、たとえばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(パーフルオロアルコキシアルカン)などのフッ素樹脂などの耐薬品性の高い部材で形成される。
【0031】
下面供給部60は、ウェハWの下面周縁部に対して処理液を供給することによって、ウェハWの下面周縁部をエッチングする。これにより、たとえばウェハWの下面周縁部に形成された膜を除去したり、ウェハWの下面周縁部を洗浄したりすることができる。
【0032】
なお、ウェハWの下面周縁部とは、ウェハWの下面において、端面からたとえば幅1~5mm程度の環状の領域のことである。
【0033】
図2に示すように、下面供給部60は、下面ノズル61と、配管62と、バルブ63と、流量調整器64と、処理液供給源65とを備える。下面ノズル61は、ウェハWの下方に配置され、ウェハWの下面周縁部に向けて処理液を上向きに吐出する。
【0034】
配管62は、下面ノズル61と処理液供給源65とを接続する。バルブ63は、配管62の中途部に設けられ、配管62を開閉する。流量調整器64は、配管62の中途部に設けられ、配管62を流れる処理液の流量を調整する。処理液供給源65は、たとえば処理液を貯留するタンクである。
【0035】
なお、下面供給部60は、下面ノズル61を水平方向に移動させる移動機構を備えていてもよい。この場合、下面供給部60は、ウェハWの下方における処理位置とウェハWの外方における退避位置との間で下面ノズル61を移動させることができる。
【0036】
外方カップ70は、ウェハWの外方を取り囲むように設けられる環状の部材であり、ウェハWから飛散した処理液などを受け止める。外方カップ70は、下方カップ50と同様の耐薬品性の高い材料で形成される。
【0037】
外方カップ70の底部には、排液口71が形成される。外方カップ70によって受け止められた処理液などは、外方カップ70と下方カップ50とによって形成される空間に貯留された後、排液口71から基板処理装置1の外部に排出される。
【0038】
加熱機構80は、ウェハWの下方かつ保持部20の外方に配置される。具体的には、加熱機構80は、保持部20と下方カップ50との間に配置される。
【0039】
加熱機構80は、保持部20に保持されたウェハWの下面に対し、加熱された流体を供給することによりウェハWの下面周縁部を加熱する。具体的には、図1に示すように、加熱機構80は、ウェハWの周方向に並べて配置された複数の吐出口81を備えており、これら複数の吐出口81からウェハWの下面に対して加熱された流体を供給する。
【0040】
また、実施形態に係る基板処理装置1は、制御装置100を備える。制御装置100は、たとえばコンピュータであり、制御部101と、記憶部102とを備える。
【0041】
記憶部102は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムを記憶する。
【0042】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。制御部101は、記憶部102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理装置1の動作を制御する。
【0043】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置100の記憶部102にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0044】
<ノズルアームの構成および動作>
次に、ノズルアーム31およびノズルアーム41の構成および動作について、図3図5を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係るノズルアーム31の構成を示す斜視図である。
【0045】
図3に示すように、位置合わせ機構33は、本体部33aと、2つのローラ33b、33cとを有する。本体部33aは、ノズルアーム31に支持されるとともに、ローラ33b、33cを支持する。
【0046】
ローラ33b、33cは、互いに略水平に配置されるとともに、ウェハWの周方向に沿って配置される。これにより、本体部33aは、ローラ33b、33cの側面をウェハWの端面に当接させることができる。
【0047】
ノズル35は、位置合わせ機構33の側部に位置する液供給部32から、位置合わせ機構33の下方に延びるように配置される。すなわち、ノズル35は、位置合わせ機構33の下方に位置する。かかるノズル35の詳細な構成については後述する。
【0048】
図4は、実施形態に係るノズルアーム41の構成を示す斜視図である。図4に示すように、位置合わせ機構43は、本体部43aと、ローラ43bと、板部43cと、センサ43dとを有する。
【0049】
本体部43aは、ノズルアーム41によってウェハWの径方向に沿って移動可能に支持されるとともに、ローラ43bを支持する。また、本体部43aは、ローラ43bの側面をウェハWの端面に当接させることができる。
【0050】
板部43cは、略板状であり、本体部43aからウェハWの径方向と垂直な方向に延びる。センサ43dは、板部43cに設けられる1つの主面と向かい合うように配置され、板部43cとの距離D(図5参照)を計測することができる。
【0051】
ノズル45は、位置合わせ機構43の側部に位置する液供給部42から、位置合わせ機構43の下方に延びるように配置される。すなわち、ノズル45は、位置合わせ機構43の下方に位置する。なお、ノズル45は、ノズル35と同様の構成である。
【0052】
図5は、実施形態に係る位置合わせ機構33、43の動作を説明するための図である。なお、図5では、理解を容易とするため、ウェハWや保持部20に対して位置合わせ機構33、43のサイズを拡大して記載している。
【0053】
図5に示すように、基板処理装置1において、位置合わせ機構33および位置合わせ機構43は、保持部20を挟んで対向して配置される。また、位置合わせ機構33におけるローラ33bとローラ33cとの中点33dと、位置合わせ機構43におけるローラ43bの先端部43eとは、保持部20における回転軸の中心C1を通る仮想線L上にともに配置される。
【0054】
そして、搬送アーム90(図6A参照)は、処理されるウェハWを保持部20に載置する際に、かかる仮想線L上にウェハWの中心C2を配置する。これにより、位置合わせ機構33と位置合わせ機構43とでウェハWを挟み込んで、仮想線Lに沿ってウェハWを移動させることにより、ウェハWの中心C2を保持部20の中心C1に位置合わせすることができる。
【0055】
一方で、ウェハWは、製造誤差などの理由により、たとえば直径±0.2mm程度の公差があることから、位置合わせ機構33および位置合わせ機構43が当接する側面から中心C2までの距離はウェハWごとに変化する。
【0056】
したがって、ウェハWの直径がすべて同じであるとみなして位置合わせしてしまうと、ウェハWの中心C2が保持部20の中心C1に合わなくなる恐れがある。
【0057】
そこで、実施形態では、ウェハWの位置合わせする際に、かかるウェハWの直径をセンサ43dを用いて計測する。実施形態では、事前に直径が正確に評価されている基準ウェハを位置合わせ機構33および位置合わせ機構43で挟み込む。
【0058】
そして、制御部101は、かかる基準ウェハを挟み込んだ際の板部43cとセンサ43dとの距離Dを基準距離として記憶部102に記憶する。
【0059】
次に、エッチング処理されるウェハWを保持部20に位置合わせする際に、制御部101は、板部43cとセンサ43dとの距離Dを計測し、上述の基準距離との差異を評価する。これにより、制御部101は、かかる基準距離との差異に基づいて、ウェハWの直径を評価することができる。
【0060】
たとえば、基準ウェハの直径が300.0mmであり、板部43cとセンサ43dとの基準距離が1.0mmであるとする。そして、あるウェハWにおいて、板部43cとセンサ43dとの距離Dが1.1mmと計測された場合には、かかるウェハWの直径は300.0mmよりも小さく、299.9mmであると評価することができる。
【0061】
同様に、別のあるウェハWにおいて、板部43cとセンサ43dとの距離Dが0.9mmと計測された場合には、かかるウェハWの直径は300.0mmよりも大きく、300.1mmであると評価することができる。
【0062】
また、制御部101は、評価されたウェハWの直径が公差の範囲から外れた場合に、位置合わせ機構33のローラ33b、33cや位置合わせ機構43のローラ43bがウェハWのノッチやオリエンテーション・フラットに当接したと判定することができる。
【0063】
そしてこの場合、制御部101は、保持部20でウェハWを回転させることによって、周方向の異なる箇所でウェハWの直径をあらためて評価するとよい。
【0064】
また、実施形態では、図5に示すように、位置合わせ機構33のローラ33b、33cが、位置合わせ機構43のローラ43bよりも小さい径であるとよい。このように、ローラ33b、33cを小さい径にすることにより、ローラ33b、33cがウェハWのノッチやオリエンテーション・フラットに当接した際に、当接したノッチなどの内部にローラ33b、33cをより深く入り込ませることができる。
【0065】
したがって、実施形態によれば、当接したノッチなどの内部でローラ33b、33cがより大きく移動することから、ローラ33b、33cがノッチやオリエンテーション・フラットに当接したことをより正確に判定することができる。
【0066】
なお、実施形態では、ウェハWの直径を評価する場合に、保持部20でウェハWを回転させることによって、周方向の異なる複数の箇所を評価してもよい。このように、ウェハWにおける複数の箇所の直径を評価することによって、かかるウェハWが真円であるか否かを評価することができる。
【0067】
そして、もし仮にウェハWが真円ではないと評価された場合には、ウェハWの周縁部を同じ幅の環状領域で処理することができない恐れがあることから、ウェハWが真円でない旨を警報などでユーザに通知するとよい。
【0068】
<基板処理の詳細>
つづいて、実施形態に係る基板処理の詳細について、図6A図6Fを参照しながら説明する。図6A図6Fは、実施形態に係る基板処理の一工程を示す模式図である。
【0069】
最初に、図6Aに示すように、基板処理装置1は、搬送アーム90を用いてウェハWを処理容器10(図1参照)の内部に搬入し、保持部20の上方に移動させる。
【0070】
なおこの際、基板処理装置1は、保持部20およびノズルアーム31、41をウェハWと干渉しない位置に退避させる。具体的には、基板処理装置1は、保持部20を下降位置に移動させ、ノズルアーム31、41を外方に移動させる。
【0071】
次に、図6Bに示すように、基板処理装置1は、保持部20を上昇位置に移動させて、搬送アーム90から保持部20にウェハWを受け渡し、保持部20上にウェハWを載置する。そして、基板処理装置1は、搬送アーム90を処理容器10内から退避させる。
【0072】
なおこの際、保持部20は、バキュームチャック21(図2参照)のガス吐出部(図示せず)からウェハWに向かってガスを吐出することにより、バキュームチャック21上でウェハWをわずかに浮上させるとよい。これにより、ウェハWを位置合わせする際に、ウェハWがバキュームチャック21で擦れて傷つくことを抑制することができる。
【0073】
また、図6Bに示すように、搬送アーム90から保持部20へ受け渡される際のウェハWの位置は、位置合わせ機構33、43と同一平面上であるとよい。
【0074】
次に、図6Cに示すように、基板処理装置1は、ノズルアーム31、41を内方に移動させて、位置合わせ機構33、43でウェハWを挟み込み、保持部20に対するウェハWの位置合わせ処理を実施する。これにより、上述のようにウェハWの中心C2(図5参照)は、保持部20の中心C1(図5参照)に位置合わせされる。
【0075】
そして、かかる位置合わせ処理が完了すると、基板処理装置1は、保持部20でウェハWを保持する。具体的には、基板処理装置1は、保持部20のバキュームチャック21でウェハWを吸着させることにより、保持部20でウェハWを保持する。
【0076】
また、図6Dに示すように、かかる保持処理と並行して、基板処理装置1は、ノズルアーム31、41を外方に移動させる。これにより、ウェハWが下降する際に、かかるウェハWとノズルアーム31、41とが干渉することを防止することができる。
【0077】
次に、図6Eに示すように、基板処理装置1は、保持部20を下降位置に移動させる。これにより、ウェハWは、ノズル35、45よりも下方に配置される。
【0078】
次に、図6Fに示すように、基板処理装置1は、保持部20を回転させるとともに、ノズルアーム31、41を内方に移動させる。すなわち、基板処理装置1は、ウェハWを回転させるとともに、ノズル35、45をウェハWの処理位置(すなわち、ウェハWの周縁部上方)に移動させる。そして、基板処理装置1は、ノズル35、45から処理液を吐出して、ウェハWの周縁部をエッチングする。
【0079】
ここで、実施形態では、ノズル35と位置合わせ機構33とが同じノズルアーム31に設けられ、ノズル45と位置合わせ機構43とが同じノズルアーム41に設けられる。これにより、位置合わせ機構33、43に対するノズル35、45の相対位置にばらつきは生じない。
【0080】
それゆえ、位置合わせ機構33、43でウェハWを精度よく位置合わせすることにより、ウェハWの周縁部に精度よく処理液を吐出することができる。したがって、実施形態によれば、ウェハWの周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【0081】
また、実施形態では、ノズル35と位置合わせ機構33とが同じノズルアーム31に設けられ、ノズル45と位置合わせ機構43とが同じノズルアーム41に設けられることから、基板処理装置1に必要なアームの数を少なくすることができる。したがって、実施形態によれば、基板処理装置1をコンパクトにすることができる。
【0082】
また、実施形態では、1対のノズルアーム31、41が位置合わせ機構33、43をそれぞれ有し、保持部20を挟んで対向して配置される。これにより、図5に示したように、保持部20の中心C1を通る仮想線L上に位置合わせ機構33、43を両方配置することができる。
【0083】
したがって、実施形態によれば、位置合わせ機構33、43を用いてウェハWの直径を正確に評価することができることから、ウェハWをさらに精度よく保持部20に位置合わせすることができる。
【0084】
また、実施形態では、位置合わせ機構33がノズル35よりも上方に配置され、位置合わせ機構43がノズル45よりも上方に配置される。これにより、ノズル35、45からウェハWに処理液を吐出する際に、かかる処理液が位置合わせ機構33、43に飛び散ることによって、位置合わせ機構33、43が汚染されることを抑制することができる。
【0085】
また、実施形態では、図5に示したように、上面視した場合に、ノズル35(図3参照)の吐出口35f(図8参照)からウェハWに吐出される処理液の吐出位置P1が、ウェハWの中心C2と位置合わせ機構33との間に位置するとよい。
【0086】
換言すると、上面視した場合に、ウェハWの中心C2から位置合わせ機構33、43に延びる仮想線L上に、吐出位置P1が配置されるとよい。
【0087】
このように、吐出位置P1を位置合わせ機構33、43と同軸上に配置することによって、ノズル35からウェハWの周縁部にさらに精度よく処理液を吐出することができる。
【0088】
同様に、上面視した場合に、ノズル45(図4参照)の吐出口からウェハWに吐出される処理液の吐出位置P2が、ウェハWの中心C2と位置合わせ機構43との間に位置するとよい。
【0089】
換言すると、上面視した場合に、ウェハWの中心C2から位置合わせ機構33、43に延びる仮想線L上に、吐出位置P2が配置されるとよい。
【0090】
このように、吐出位置P2を位置合わせ機構33、43と同軸上に配置することによって、ノズル45からウェハWの周縁部にさらに精度よく処理液を吐出することができる。
【0091】
<基板処理の変形例>
つづいて、基板処理の変形例について、図7A図7Fを参照しながら説明する。図7A図7Fは、実施形態の変形例に係る基板処理の一工程を示す模式図である。なお、この変形例に係る基板処理装置1は、下方カップ50および外方カップ70が、ノズルアーム31、41とともに昇降可能に構成されている。
【0092】
最初に、図7Aに示すように、基板処理装置1は、ノズルアーム31、41と、下方カップ50と、外方カップ70を下降位置に移動させる。これにより、ノズルアーム31、41をウェハWと干渉しない位置に退避させることができる。
【0093】
次に、基板処理装置1は、搬送アーム90を用いて、ウェハWを処理容器10(図1参照)の内部に搬入し、保持部20に載置する。そして、基板処理装置1は、搬送アーム90を処理容器10内から退避させる。
【0094】
なおこの際、保持部20は、バキュームチャック21(図2参照)におけるガス吐出部(図示せず)からウェハWに向かってガスを吐出することにより、バキュームチャック21上でウェハWをわずかに浮上させるとよい。これにより、ウェハWを位置合わせする際に、ウェハWがバキュームチャック21で擦れて傷つくことを抑制することができる。
【0095】
また、図7Bに示すように、搬送アーム90から保持部20へ受け渡される際のウェハWの位置は、位置合わせ機構33、43と同一平面上であるとよい。
【0096】
次に、図7Cに示すように、基板処理装置1は、ノズルアーム31、41を内方に移動させて、位置合わせ機構33、43でウェハWを挟み込み、保持部20に対するウェハWの位置合わせ処理を実施する。これにより、上述のようにウェハWの中心C2(図5参照)は、保持部20の中心C1(図5参照)に位置合わせされる。
【0097】
そして、かかる位置合わせ処理が完了すると、基板処理装置1は、保持部20でウェハWを保持する。具体的には、基板処理装置1は、保持部20のバキュームチャック21でウェハWを吸着させることにより、保持部20でウェハWを保持する。
【0098】
また、図7Dに示すように、かかる保持処理と並行して、基板処理装置1は、ノズルアーム31、41を外方に移動させる。これにより、ウェハWが下降する際に、かかるウェハWとノズルアーム31、41とが干渉することを防止することができる。
【0099】
次に、図7Eに示すように、基板処理装置1は、ノズルアーム31、41と、下方カップ50と、外方カップ70を上昇位置に移動させる。これにより、ウェハWは、ノズル35、45よりも下方に配置される。
【0100】
次に、図7Fに示すように、基板処理装置1は、保持部20を回転させるとともに、ノズルアーム31、41を内方に移動させる。すなわち、基板処理装置1は、ウェハWを回転させるとともに、ノズル35、45をウェハWの処理位置(すなわち、ウェハWの周縁部上方)に移動させる。そして、基板処理装置1は、ノズル35、45から処理液を吐出して、ウェハWの周縁部をエッチングする。
【0101】
かかる変形例においても、実施形態と同様に、ノズル35と位置合わせ機構33とが同じノズルアーム31に設けられ、ノズル45と位置合わせ機構43とが同じノズルアーム41に設けられる。これにより、位置合わせ機構33、43に対するノズル35、45の相対位置にばらつきは生じない。
【0102】
それゆえ、位置合わせ機構33、43でウェハWを精度よく位置合わせすることにより、ウェハWの周縁部に精度よく処理液を吐出することができる。したがって、変形例によれば、ウェハWの周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【0103】
<ノズルの構成>
つづいて、実施形態に係るノズル35、45の構成について、図8図10を参照しながら説明する。図8は、実施形態に係るノズル35の構成を示す斜視図であり、図9は、実施形態に係るノズルチップ37の構成を示す模式図であり、図10は、実施形態に係るノズル35の内部構成を示す断面図である。
【0104】
なお、ノズル45の構成はノズル35と同様であることから、ノズル45の構成については説明を省略する。
【0105】
図8に示すように、ノズル35は、本体部36とノズルチップ37とで構成され、全体として鈍角に折れ曲がった形状を有する。ノズルチップ37は、吐出口部材の一例であり、本体部36から着脱可能に構成される。
【0106】
また、ノズル35は、本体部36に設けられる接続部35a、垂直部35b、屈曲部35c、延在部35dおよび固定部35eと、ノズルチップ37に設けられる吐出口35fとを有する。
【0107】
接続部35aは、液供給部32と接続可能に構成される。垂直部35bは、接続部35aから下方に垂直に延びる部位である。屈曲部35cは、垂直部35bから斜めに屈曲する部位である。延在部35dは、屈曲部35cから斜め下方向に延びる部位である。
【0108】
固定部35eは、取り付け穴などを有し、かかる取り付け穴を用いて液供給部32に固定される。吐出口35fは、延在部35dの先端部(すなわち、ノズル35の先端部)に設けられ、液供給部32から供給される処理液を吐出する。
【0109】
図9に示すように、ノズルチップ37は、接続部37aと、Oリング37bと、螺合部37cと、把持部37dと、延在部37eとを有する。接続部37aは、本体部36の延在部35dにおいて本体部36内に形成される第1流路35g(図10参照)と接続可能に構成される。
【0110】
Oリング37bは、接続部37aが本体部36内の第1流路35gと接続される際に、かかる第1流路35gから流れる処理液が外部に漏洩することを抑制する。螺合部37cは、たとえば雄ねじであり、本体部36に形成される雌ねじと螺合する。
【0111】
把持部37dは、ノズルチップ37を本体部36に取り付ける際に、スパナなどの締結部材で把持される部位である。延在部37eは、把持部37dから吐出口35fまで延びる部位である。
【0112】
図10に示すように、ノズル35には、本体部36内に形成される第1流路35gと、ノズルチップ37内に形成される第2流路35hとが設けられる。そして、かかる第1流路35gと第2流路35hとがノズル35の内部で繋がっている。
【0113】
ここで、実施形態に係るノズル35には、屈曲部35cと吐出口35fとの間に延在部35dが設けられる。これにより、屈曲部35cと吐出口35fとの距離を長くすることができる。
【0114】
したがって、実施形態によれば、屈曲部35cで処理液の流れが曲がった際に発生する渦などによって、吐出口35fから吐出される処理液の流れが乱れることを抑制することができる。
【0115】
また、実施形態では、ノズル35の延在部35dに着脱可能なノズルチップ37を有する。これにより、ノズル35の吐出口35fが処理液で詰まった際などに、ノズルチップ37を交換することで容易に復旧することができる。
【0116】
また、実施形態では、図10に示すように、ノズルチップ37に形成される第2流路35hが、本体部36に形成される第1流路35gよりも細い。換言すると、第1流路35gは、第2流路よりも太い。これにより、本体部36内の第1流路35gを処理液が流れる際に、処理液に加わる圧損を低減することができる。
【0117】
さらに、ノズルチップ37から処理液を吐出する際には、処理液を可能なかぎり細くすることができることから、より狭い吐出位置P1を狙って処理液を吐出することができる。
【0118】
なお、実施形態に係るノズルチップ37は、本体部36とノズルチップ37とが別体で構成されている。ここで、屈曲部35cを通る流路のように内部で折れ曲がった流路を形成する場合、流路をある程度太くしなければ流路を形成することができない。
【0119】
また、もし仮に本体部36とノズルチップ37とが一体で構成される場合、延在部35dを通る流路および吐出口35fは、屈曲部35cを通る流路と同時に形成する必要がある。したがって、本体部36とノズルチップ37とが一体で構成される場合、延在部35dを通る流路や吐出口35fを細く形成することが困難である。
【0120】
一方で、実施形態に係るノズルチップ37は、本体部36とノズルチップ37とが別体で構成されていることから、本体部36を通る流路とノズルチップ37を通る流路とを同時に形成する必要はない。
【0121】
したがって、本体部36を通る流路を太く形成する場合でも、ノズルチップ37の流路を細く形成することができる。
【0122】
さらに、ノズルチップ37はストレート状に構成されることから、かかるノズルチップ37を通る流路もストレート状でよいため、細い流路を容易に形成することができる。
【0123】
実施形態に係る基板処理装置1は、保持部20と、ノズルアーム31(41)と、位置合わせ機構33(43)とを備える。保持部20は、基板(ウェハW)を保持する。ノズルアーム31(41)は、基板(ウェハW)の周縁部に処理液を供給するノズル35(45)を有する。位置合わせ機構33(43)は、ノズルアーム31(41)に設けられ、保持部20における所与の位置(中心C1)に基板(ウェハW)の位置(中心C2)を合わせる。これにより、ウェハWの周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【0124】
また、実施形態に係る基板処理装置1において、ノズルアーム31、41は、1対備えられる。1対のノズルアーム31、41は、位置合わせ機構33、43をそれぞれ有し、保持部20を挟んで対向して配置される。これにより、ウェハWを精度よく保持部20に位置合わせすることができる。
【0125】
また、実施形態に係る基板処理装置1において、位置合わせ機構33(43)は、ノズル35(45)よりも上方に配置される。これにより、ノズル35、45から吐出される処理液で位置合わせ機構33、43が汚染されることを抑制することができる。
【0126】
また、実施形態に係る基板処理装置1において、上面視した場合に、ノズル35(45)の吐出口35fから基板(ウェハW)に吐出される処理液の吐出位置P1(P2)は、基板(ウェハW)の中心C2と位置合わせ機構33(43)との間に位置する。これにより、ノズル35、45からウェハWの周縁部にさらに精度よく処理液を吐出することができる。
【0127】
また、実施形態に係る基板処理装置1において、ノズル35(45)は、ノズルアーム31(41)との接続部35aと処理液の吐出口35fとの間に設けられる屈曲部35cと、屈曲部35cから吐出口35fまで延びる延在部35dと、を有する。これにより、屈曲部35cで処理液の流れが曲がった際に発生する渦などによって、吐出口35fから吐出される処理液の流れが乱れることを抑制することができる。
【0128】
また、実施形態に係る基板処理装置1において、ノズル35は、延在部35dに着脱可能な吐出口部材(ノズルチップ37)を有する。これにより、ノズル35の吐出口35fが処理液で詰まった際などに、ノズルチップ37を交換することで容易に復旧することができる。
【0129】
また、実施形態に係る基板処理装置1において、吐出口部材(ノズルチップ37)に形成される流路(第2流路35h)は、ノズル35における吐出口部材(ノズルチップ37)以外の部位(本体部36)に形成される流路(第1流路35g)よりも細い。これにより、本体部36内を処理液が流れる際には圧損を低減することができる。さらに、ノズルチップ37から処理液を吐出する際には、処理液を可能なかぎり細くすることができることから、より狭い吐出位置P1を狙って処理液を吐出することができる。
【0130】
また、実施形態に係る基板処理装置1は、保持部20と、ノズルアーム31(41)と、位置合わせ機構33(43)とを制御する制御部101をさらに備える。そして、制御部101は、保持部20が上昇位置にある場合に、ノズルアーム31(41)を水平方向に移動させることで保持部20に載置される基板(ウェハW)の位置合わせを実施する。また、制御部101は、保持部20が下降位置にある場合に、ノズルアーム31(41)を処理位置に移動させることで保持部20に載置される基板(ウェハW)の液処理を実施する。これにより、ウェハWの周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【0131】
また、実施形態に係る基板処理装置1は、保持部20と、ノズルアーム31(41)と、位置合わせ機構33(43)とを制御する制御部101をさらに備える。そして、制御部101は、ノズルアーム31(41)が下降位置にある場合に、ノズルアーム31(41)を水平方向に移動させることで保持部20に載置される基板(ウェハW)の位置合わせを実施する。また、制御部101は、ノズルアーム31(41)が上昇位置にある場合に、ノズルアーム31(41)を処理位置に移動させることで保持部20に載置される基板(ウェハW)の液処理を実施する。これにより、ウェハWの周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【0132】
<基板処理の手順>
つづいて、実施形態および変形例に係る基板処理の手順について、図11および図12を参照しながら説明する。図11は、実施形態に係る基板処理装置1が実行する基板処理の手順を示すフローチャートである。
【0133】
最初に、制御部101は、保持部20を上昇位置に移動させる(ステップS101)。次に、制御部101は、搬送アーム90および保持部20を制御して、保持部20のバキュームチャック21上にウェハWを載置する(ステップS102)。
【0134】
次に、制御部101は、ノズルアーム31、41および保持部20を制御して、位置合わせ機構33、43でウェハWを挟み込み、保持部20に対するウェハWの位置合わせ処理を実施する(ステップS103)。
【0135】
次に、制御部101は、保持部20を制御して、バキュームチャック21でウェハWを保持する(ステップS104)。そして、制御部101は、保持部20を下降位置に移動させる(ステップS105)。
【0136】
最後に、制御部101は、ノズルアーム31、41および保持部20を制御して、ノズル35、45をウェハWの周縁部に近接させることにより、ウェハWの周縁部に対する液処理を実施する(ステップS106)。かかるステップS106が終了すると、一連の処理が完了する。
【0137】
図12は、実施形態の変形例に係る基板処理装置1が実行する基板処理の手順を示すフローチャートである。
【0138】
最初に、制御部101は、ノズルアーム31を下降位置に移動させる(ステップS201)。なお、かかるステップS201の際、制御部101は、ノズルアーム31、41と下方カップ50と、外方カップ70とを一体で下降位置に移動させる。
【0139】
次に、制御部101は、搬送アーム90および保持部20を制御して、保持部20のバキュームチャック21上にウェハWを載置する(ステップS202)。そして、制御部101は、ノズルアーム31、41および保持部20を制御して、位置合わせ機構33、43でウェハWを挟み込み、保持部20に対するウェハWの位置合わせ処理を実施する(ステップS203)。
【0140】
次に、制御部101は、保持部20を制御して、バキュームチャック21でウェハWを保持する(ステップS204)。そして、制御部101は、ノズルアーム31、41を上昇させる(ステップS205)。なお、かかるステップS205の際には、ノズルアーム31、31と下方カップ50と、外方カップ70とを一体で上昇させる。
【0141】
最後に、制御部101は、ノズルアーム31、41および保持部20を制御して、ノズル35、45をウェハWの周縁部に近接させることにより、ウェハWの周縁部に対する液処理を実施する(ステップS206)。かかるステップS206が終了すると、一連の処理が完了する。
【0142】
実施形態に係る基板処理方法は、載置する工程(ステップS102、S202)と、所与の位置に合わせる工程(ステップS103、S203)と、保持する工程(ステップS104、S204)と、処理する工程(ステップS106、S206)と、を含む。載置する工程(ステップS102、S202)は、基板(ウェハW)を保持部20に載置する。所与の位置に合わせる工程(ステップS103、S203)は、ノズルアーム31(41)に設けられる位置合わせ機構33(43)で基板(ウェハW)の位置(中心C2)を保持部20における所与の位置(中心C1)に合わせる。保持する工程(ステップS104、S204)は、基板(ウェハW)を保持部20で保持する。処理する工程(ステップS106、S206)は、基板(ウェハW)の周縁部をノズルアーム31(41)に設けられるノズル35(45)から供給される処理液で処理する。これにより、ウェハWの周縁部を精度よくエッチングすることができる。
【0143】
また、実施形態に係る基板処理方法は、所与の位置に合わせる工程(ステップS103)の前に、保持部20を上昇位置に移動させる工程(ステップS101)を含む。また、所与の位置に合わせる工程(ステップS103)の後に、保持部20を下降位置に移動させる工程(ステップS105)を含む。これにより、位置合わせ機構33、43が汚染されることを抑制することができる。
【0144】
また、実施形態に係る基板処理方法は、所与の位置に合わせる工程(ステップS203)の前に、ノズルアーム31(41)を下降位置に移動させる工程(ステップS201)を含む。また、所与の位置に合わせる工程(ステップS203)の後に、ノズルアーム31(41)を上昇位置に移動させる工程(ステップS205)を含む。これにより、位置合わせ機構33、43が汚染されることを抑制することができる。
【0145】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上記の実施形態では、基板処理装置1にノズルおよび位置合わせ機構を有するノズルアームが1対設けられる例について示したが、ノズルおよび位置合わせ機構を有するノズルアームが必ずしも1対設けられなくともよい。
【0146】
たとえば、基板処理装置1にノズルおよび位置合わせ機構を有するノズルアームと、位置合わせ機構のみを有するアームとが1つずつ設けられてもよい。また、基板処理装置1にノズルおよび位置合わせ機構を有するノズルアームと、ノズルのみを有するノズルアームとが1つずつ設けられてもよい。
【0147】
さらに、基板処理装置1にノズルおよび位置合わせ機構を有するノズルアームと、位置合わせ機構のみを有するアームと、ノズルのみを有するノズルアームとがそれぞれ1つずつ設けられてもよい。
【0148】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0149】
W ウェハ(基板の一例)
1 基板処理装置
20 保持部
30 上面供給部
31 ノズルアーム
33 位置合わせ機構
35 ノズル
35a 接続部
35c 屈曲部
35d 延在部
35f 吐出口
35g 第1流路
35h 第2流路
41 ノズルアーム
43 位置合わせ機構
45 ノズル
101 制御部
C1、C2 中心
P1、P2 吐出位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9
図10
図11
図12