(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118877
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】塗布装置及び塗布方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
H01L21/30 564
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110505
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2019108972の分割
【原出願日】2019-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】米光 祐弥
(72)【発明者】
【氏名】山中 晋一郎
(72)【発明者】
【氏名】水篠 真一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 成昭
(72)【発明者】
【氏名】川上 浩平
(72)【発明者】
【氏名】東 徹
(57)【要約】
【課題】基板に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置において、高スループットが得られ、且つ省スペースとすること
【解決手段】基板上の各第1の吐出位置で当該基板に第1の処理液を吐出する基板保持部毎に設けられる第1のノズルと、各基板上の第2の吐出位置で当該基板に、第1のノズルからの第1の吐出液の吐出に遅れて塗布膜形成用の第2の処理液を吐出する、複数の基板保持部に共用される第2のノズルと、各基板保持部に保持される基板上の第3の吐出位置で基板に第3の処理液を吐出するために、基板保持部毎に設けられる第3のノズルと、第1の待機部と第1の吐出位置との間にて上面視前記第1のノズルを旋回させる旋回機構と、第3の待機部と第3の吐出位置との間にて上面視第3のノズルを直線移動させる直動機構と、を備える装置を構成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を各々保持する複数の基板保持部と、
前記各基板保持部に保持される基板上の吐出位置で当該基板に、処理液を吐出する、前記複数の基板保持部に共用されるノズルと、
前記ノズルの駆動部を各々共用して移動可能に設けられた、当該ノズルを撮像する撮像部と、当該ノズルへ向けて照明を当てる照明部と、を備え、
前記照明部は、
第1の照明と、
前記ノズルに対し前記第1の照明と異なる、上方からの向きにより光照射する第2の照明と、を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記第2の照明は、前記ノズルの搬送機構の一部であるアームの先端側に設けられ、
前記第1の照明は、複数設けられ、
当該複数の第1の照明は、上面視で前記ノズルと前記撮像部とを結ぶ直線で隔てられる2つの領域それぞれから前記ノズルに対して照明を当てるように互いに離れて設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記複数の第1の照明は、前記アームに対して前記アームの伸長方向に向かって見て左右に各々伸びる支持部における先端部に設けられる、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記撮像部は、前記ノズル及び前記ノズルの下方領域が含まれるように、斜め下方に向けられて設けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記撮像部による前記ノズルの撮像結果において、前記ノズルの内壁のうち、前記ノズル内の液と接している部分と接していない部分とで生じる明暗のコントラストに基づいて、前記ノズル内において前記液が存在する範囲を特定する、請求項2または3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
複数の基板保持部のいずれかに基板を保持する工程と、
ノズルを前記基板保持部に保持された前記基板上の吐出位置に配置して、前記基板に前記ノズルから処理液を供給する工程と、
前記ノズルの駆動部を各々共有して移動可能に設けられた撮像部及び第1、第2の照明によって、前記ノズルへ照明を当てながら前記ノズルを撮像する工程と、を含み、
前記撮像する工程は、
前記第1の照明によって前記ノズルに照明を当てることと、
前記第2の照明によって前記ノズルに対し前記第1の照明と異なる、上方からの向きにより光照射すること、を含む、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗布装置及び塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては塗布装置が用いられ、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)に対してレジストなどの塗布膜形成用の処理液が供給されて、塗布膜が形成される。特許文献1には、ウエハを処理する2つの処理ユニットと、多数のノズルからなるノズル群と、ノズル群を待機させる温度調整ユニットと、ノズル移動機構と、を備えた塗布装置である液処理装置について記載されている。上記のノズル搬送機構は、処理ユニットと温度調整ユニットとの間でノズル群から選択された一のノズルを搬送する。上記のノズル移動機構、ノズル群及び温度調整ユニットについては、2つの処理ユニットに共用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置において、高スループットが得られ、且つ省スペースとすることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の塗布装置は、基板を各々保持する複数の基板保持部と、
前記各基板保持部に保持される基板上の第1の吐出位置で当該基板に第1の処理液を吐出するために、前記基板保持部毎に設けられる第1のノズルと、
前記第1のノズルとは独立して移動し、前記各基板保持部に保持される基板上の第2の吐出位置で当該基板に、前記第1の吐出液の吐出に遅れて塗布膜形成用の第2の処理液を吐出する、前記複数の基板保持部に共用される第2のノズルと、
前記第1のノズル及び前記第2のノズルとは独立して移動し、前記各基板保持部に保持される基板上の第3の吐出位置で、前記基板に前記第1の処理液及び前記第2の処理液の供給が行われていないときに前記基板に第3の処理液を吐出するために、前記基板保持部毎に設けられる第3のノズルと、
前記第1のノズル、前記第2のノズル、前記第3のノズルを、各基板保持部による前記基板の保持領域の上面視外側で夫々待機させる第1の待機部、第2の待機部及び第3の待機部と、
前記第1の待機部と前記第1の吐出位置との間にて上面視前記第1のノズルを旋回させる旋回機構と、
前記第3の待機部と前記第3の吐出位置との間にて上面視前記第3のノズルを直線移動させる直動機構と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布装置において、高スループットが得られ、且つ省スペースとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態であるレジスト塗布モジュールを含む基板処理装置の概略図である。
【
図2】前記レジスト塗布モジュールの平面図である。
【
図3】前記レジスト塗布モジュールの斜視図である。
【
図4】前記レジスト塗布モジュールに設けられるカップの縦断側面図である。
【
図5A】前記レジスト塗布モジュールを構成する共有アームの斜視図である。
【
図5B】前記共有アームに設けられる構成部材の位置関係を示す上面図である。
【
図6】前記供給アームに保持されるレジストノズルの側面図である。
【
図7】レジスト塗布モジュールに設けられるノズルの動作を示す説明図である。
【
図8】レジスト塗布モジュールに設けられるノズルの動作を示す説明図である。
【
図9】レジスト塗布モジュールに設けられるノズルの動作を示す説明図である。
【
図10】前記レジスト塗布モジュールに設けられる各ノズルの軌跡を示す上面図である。
【
図11】レジスト塗布モジュールの動作を示すチャート図である。
【
図12】レジスト塗布モジュールの動作を示すチャート図である。
【
図13】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図14】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図15】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図16】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図17】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図18】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図19】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図20】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図21】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図22】レジスト塗布モジュールの動作を示す作用図である。
【
図23】レジスト塗布モジュールにおける他の処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の塗布装置の一実施形態であるレジスト塗布モジュール2を含む、基板処理装置1を
図1に示している。基板処理装置1には、複数枚のウエハWを格納するキャリア11が搬送される。また、基板処理装置1は、温度調整モジュール12と、搬送機構13と、を備えており、搬送機構13は、キャリア11、温度調整モジュール12、レジスト塗布モジュール2、キャリア11の順でウエハWを搬送する。温度調整モジュール12は、レジスト塗布モジュール2にてウエハWに適切な処理が行われるように、ウエハWを所定の温度に調整する。そして、ウエハWの温度調整が完了してウエハWが搬出可能になると、後述の制御部100へ所定の信号(搬出信号とする)を出力する。
【0009】
続いて、
図2の平面図を参照しながら塗布装置であるレジスト塗布モジュール2について説明する。このレジスト塗布モジュール2は、ウエハWへの第1の処理液であるシンナーの吐出と、このシンナーの吐出に遅れての第2の処理液であるレジストの吐出とを行い、ウエハWに塗布膜であるレジスト膜を形成する。上記のシンナーの吐出は、ウエハW表面の異物を除去する洗浄処理を行うためのものであり、ウエハW表面のレジストに対する濡れ性を高めるプリウエットも兼ねている。上記のレジストの吐出については、各々異なる種類のレジストを吐出する複数のノズルのうちの一つが選択されることで行われ、ウエハWのロットに応じたレジスト膜を形成することができる。また、レジスト塗布モジュール2においては、レジスト膜の形成後、ウエハWの周縁部に第3の処理液であるシンナーを吐出し、レジスト膜の不要な部位を環状に除去するEBR(Edge Bead Removal)が行われる。
【0010】
レジスト塗布モジュール2は横長の方形の筐体21を備えており、筐体21内には、ウエハWを各々処理するための処理部22A、22B、22Cが、横方向にこの順に並んで設けられている。処理部22(22A~22C)は、ウエハWを載置し、上記の洗浄処理及びEBRを行うための部材を備えている。また、筐体21内には3つの処理部22に共用されるレジスト供給機構6が設けられている。ウエハWの洗浄、当該洗浄に続くレジスト塗布によるレジスト膜の形成、レジスト膜形成後のEBRを一連の処理とすると、この一連の処理を、各処理部22において行うことができる。
【0011】
図中23は、処理部22A、22B、22Cに各々ウエハWを受け渡すための搬送口であり、筐体21の前方側の側壁において処理部22A、22B、22Cに対応する位置に開口している。各搬送口23は、シャッタ24により互いに独立して開閉される。以下、処理部22の配列方向を左右方向とし、右側、左側は特に記載無い限り、後方側から前方側に向かって見たときの夫々右側、左側であるものとして説明する。処理部22Aは左側に、処理部22Cは右側に夫々配置されている。
【0012】
筐体21内の斜視図である
図3も参照して説明する。処理部22A~22Cは、互いに同様に構成されている。以下、代表して処理部22Aについて、
図4の縦断側面図も参照して説明する。処理部22Aは、上方が開口すると共にその内部の保持領域にウエハWを収容するカップ31Aを備えている。
図4中32は当該カップ31Aに設けられる排液口であり、
図4中33は、ウエハWの処理中に当該カップ31A内を排気するための排気口である。カップ31A内には基板保持部であるスピンチャック34Aが設けられており、ウエハWの裏面の中央部を吸着し、ウエハWを水平に保持する。スピンチャック34Aの下方側は回転駆動部35に接続されている。回転駆動部35により、スピンチャック34Aは保持しているウエハWと共に、垂直軸周りに回転する。カップ31A内には昇降機構36により昇降する3本のピン(
図4では2本のみ表示)37が設けられ、ウエハWの搬送機構13と、スピンチャック34Aとの間でウエハWを受け渡す。
【0013】
処理部22Aは、EBRを行うための周縁処理機構4Aと、洗浄処理を行うための処理機構5Aと、を備えている。以下、周縁処理機構4Aについて説明する。周縁処理機構4Aは、直動機構41と、昇降機構42と、アーム43と、ノズル(以降、周縁ノズルと記載する)44Aと、カップ状の待機部45Aと、を備えている。直動機構41はカップ31Aの後方側の右側方の領域において、左右に伸長して設けられている。この直動機構41に昇降機構42が接続されており、当該昇降機構42は直動機構41により、左右に水平に直線移動ができるように構成されている。昇降機構42にはアーム43の基端部が接続され、アーム43の先端側は前方へ向けて伸長している。当該昇降機構42により、アーム43が垂直に昇降する。そして、アーム43の先端部の下部側には、第3のノズルである周縁ノズル44Aが、例えば水平面に対して斜め方向且つ平面視後方側に向けてシンナーを吐出するように設けられている。このシンナーの吐出は、洗浄及びレジスト膜の形成後、即ち、後述の個別ノズル55及びレジストノズル71から処理液が吐出されていないときに行われる。周縁ノズル44Aは、配管を介して当該周縁ノズル44Aにシンナーを供給する図示しないシンナー供給機構に接続されている。
【0014】
カップ31Aの前後の中央に対して右側方の領域に、第3の待機部である上記の待機部45Aが設けられている。直動機構41及び昇降機構42の協働により、周縁ノズル44Aは待機部45A内の待機位置と、カップ31A内であり、且つウエハWの周縁部上で当該ウエハWから所定の高さのシンナーの吐出位置(第3の吐出位置)との間で移動する。使用されないときには、周縁ノズル44Aは、上記の待機位置で待機する。
【0015】
続いて、処理機構5Aについて説明する。処理機構5Aは、昇降機構51と、回転機構52と、アーム53と、ノズル(以降、個別ノズルと記載する)54Aと、カップ状の待機部55Aと、を備えている。カップ31Aの前後の中央部の左側方に、昇降機構51及び回転機構52が設けられている。回転機構52は昇降機構51に接続され、当該昇降機構51により垂直に昇降する。回転機構52には、アーム53の基端部が接続され、アーム53の先端側は横方向に伸長している。回転機構52により、アーム53の基部側に設けられる垂直な回転軸50(
図2参照)まわりに当該アーム53が回転する。即ち、アーム53の先端側は、回転軸50まわりに旋回し、回転機構52は旋回機構をなす。アーム53の先端部の下部側には、第2のノズルである個別ノズル54Aが、垂直下方にシンナーを吐出するように設けられている。個別ノズル54Aには配管56の下流端が接続され、配管56の上流端は当該個別ノズル54Aにシンナーを供給するシンナー供給機構57に接続されている。
【0016】
アーム53の先端部には、配管56の下流側を囲む箱体58が設けられ、箱体58内で配管56の外側の空間には、温度調整された水が供給される。当該箱体58には、供給管47の一端及び排出管48の一端が各々接続されており(
図4参照)、供給管47の他端及び排出管48の他端は循環流形成機構49に接続されている。循環流形成機構49は、排出管48から供給された水の温度を調整して、供給管47を介して箱体58内の上記の空間に供給する。つまり、循環流形成機構49はチラーを構成しており、上記の温度調整された水の供給により、配管56を通過するシンナーの温度が調整される。即ち、個別ノズル54Aから吐出されるシンナーの温度が調整される。
【0017】
カップ31Aの左側方で、当該カップ31Aの前後の中央部よりも前方寄りの領域に、第1の待機部である待機部55Aが設けられている。昇降機構51と回転機構52との協働により、個別ノズル54Aは待機部55A内の待機位置と、カップ31A内であると共にウエハWの中心部上で、当該ウエハWから所定の高さにおける吐出位置(第2の吐出位置)との間で移動する。そして、使用されないときには、個別ノズル54Aは上記の待機部55内の待機位置で待機する。
【0018】
上記のように処理部22B、22Cは、各々処理部22Aと同様に構成されている。これら処理部22B、22Cの構成部材で、処理部22Aの構成部材と同じものについては、処理部22Aで使用した符号と同じ数字の符号を付して示している。ただし、数字の後に付した英字については、処理部間で異なる英字を用いて示している。処理部22Bの符号の英字としてはB、処理部22Cの符号の英字としてはCを付して夫々示している。また、以降の説明では筐体21内でカップ31A~31Cの後方領域を38とする。
【0019】
続いて、レジスト供給機構6について説明する。レジスト供給機構6は、待機部61、10個のレジストノズル71及びノズル搬送機構63を備えている。第2の待機部である待機部61はカップ31Bの後方側に配置されている。この待機部61は、後方領域38を前後に伸びると共に、平面視後方側が右側に向かう台として構成されている。そして、待機部61の上部には10個の凹部(
図4参照)が、台の長さ方向に沿って、互いに間隔を空けて設けられている。各凹部は、レジストノズル71が収納されて待機する待機位置62として構成されている。当該待機位置62にはシンナーが供給されることで、待機中のレジストノズル71内におけるレジストの乾燥が防止される。
【0020】
上記のようにカップ31A~31Cのうちの中央部のカップ31Bの後方に待機部61を設けるのは、この待機部61からレジストノズル71をウエハW上に搬送するにあたり、処理部22間で待機部61からの距離が大きく異なることを防ぐためである。より具体的に述べると、当該距離の異なりを抑えることで、後述のレジストノズル71に接続される配管74に加わるテンションが、各処理部22における処理毎に異なることを抑制している。それにより、各処理部22における処理間で吐出される液流の状態のばらつきが抑制されるようにしている。
【0021】
各処理部22に共用される第2のノズルである各レジストノズル71については、鉛直下方にレジストを吐出する。後述のようにノズル内の撮像を行うために、レジストノズル71は可視光の透過性を有するように構成されている。そして、レジストノズル71上には後述のノズル搬送機構63により保持されるブロック状の被保持部72が設けられている。さらに、各レジストノズル71には、左側からフレキシブルな配管74の一端が接続されている。各配管74の上流側は下方へ向かった後、右側に向かうように湾曲されており、この右側へと伸びる部位が床面に固定されている。
図3中75は、当該固定を行うための固定部である。各配管74の上流側には、図示しないレジスト供給機構が接続されている。レジスト供給機構は配管74毎に設けられ、各レジスト供給機構は互いに異なる種類のレジストを、配管74を介してレジストノズル71に供給する。
【0022】
続いて、第2のノズルの駆動部であるノズル搬送機構63について説明する。ノズル搬送機構63は、直動機構64、昇降機構65、昇降部66及び水平方向に伸びるアーム(以下、共有アームと記載する)67を備えている。直動機構64は、待機部61の後方側を左右方向に伸びるように設けられる。この直動機構64に昇降機構65が設けられ、昇降機構65は直動機構64により左右に移動自在に構成されている。昇降機構65には前後に伸びる昇降部66の基端側が接続されており、昇降部66の先端側には共有アーム67の基端部が設けられている。共有アーム67の基端部には垂直な回転軸68(
図2参照)が設けられており、図示しない回転機構により当該共有アーム67は当該回転軸68まわりに回転する。即ち、共有アーム67の先端側は、回転軸68まわりに旋回する。
【0023】
共有アーム67の先端下部には、レジストノズル71の被保持部72を着脱するための着脱機構60が設けられており、待機部61においてレジストノズル71の持ち替えを自在に行うことができる。例えば被保持部72の上部には例えば凹部が形成され、上記の着脱機構としては、当該凹部に進入する突起として構成される。そして、例えばこの突起の側面には当該側面を突没自在な小突起が設けられ、その突没により凹部の側面に対して係合した状態と、係合が解除された状態とが切り替えられることで上記の着脱が行われる。
【0024】
直動機構64、昇降機構65及び共有アーム67の協働により、各レジストノズル71が、上記の待機部61における待機位置と、カップ31(31A~31C)内であり且つ各ウエハWの中心部上で、当該ウエハWの表面から所定の高さの吐出位置(第2の吐出位置)との間で移動することができる。ウエハW上にレジストノズル71を搬送する際には、昇降機構65が処理部22A~22Cに各々対応する位置で停止した状態で、先端が基端に対して左側に伸びた状態から平面視反時計回りに共有アーム67が回転することで、レジストノズル71が搬送される。また、待機部61と処理部22との間、及び各処理部22間でレジストノズル71を搬送するにあたり、直動機構64によって昇降機構65が左右に移動する際には、共有アーム67は、その先端が右側に向かい、後方領域38に位置する向きとなる。つまり、共有アーム67は、各処理部22における処理を妨げないように移動する。
【0025】
上記の共有アーム67について、先端側の斜視図である
図5A、概略上面図である
図5Bも参照して説明する。共有アーム67の基部側には、当該共有アーム67の伸長方向に向かって見て左右に各々伸びる支持部81が設けられている。なお、この左右は既述した筐体21の長さ方向の左右とは必ずしも一致しない。各支持部81の先端部にはLED(Light Emitting Diode)である第1の照明82が設けられており、各第1の照明82は、比較的広い範囲で発光する平面を備え、当該平面から共有アーム67に保持されたレジストノズル71に向けて、光を照射することができる。第1の照明82は互いに離れて設けられているため、レジストノズル71には互いに異なる方向から光が照射される。更に詳細に記載すると、上面視においてカメラ84(後述)とレジストノズル71とを結ぶ直線L0で分けられる2つの領域夫々からレジストノズル71に向けて光(
図5B中点線の矢印で表示している)が照射される。カメラ84とレジストノズル71とを結ぶ直線とは、具体的には例えばカメラ84の光軸であり、カメラ84とレジストノズル71との間の直線の他、その延長線も含む直線である。なお、そのように互いに異なる方向から光を照射しているのは後述のカメラ84により取得される画像中におけるレジストノズル71内に存在する液の範囲の特定のために、左及び右のレジストノズル71の内壁をどちらも同等に認識するためである。つまり、レジストノズル71内に液が存在するとき、レジストノズル71の内壁のうち、その液と接している部分と液に接していない部分とで明暗のコントラストが生じて、両者の区別ができる。従ってその液の上面・下面を画像で明確に特定できなくとも、上記のコントラストによって、その液に接している内壁の範囲から液が存在する範囲を特定でき、また液の左右両方の内壁を同等に認識することで、より信頼性の高い液の存在範囲の特定が可能となる。
【0026】
また、共有アーム67の先端側には支持部83が設けられ、この支持部83には、カメラ84及びLEDである第2の照明85が設けられている。カメラ84は視野にレジストノズル71及び当該レジストノズル71の下方領域が含まれるように、その光軸が斜め下方に向けられている。第2の照明85は、共有アームの67の基端側且つ斜め下方に向けて光を照射する。この光は、レジストノズル71の上端部に比較的小さい照射スポットを形成する。
図6の矢印は、そのように第2の照明85からレジストノズル71に供給された光の当該レジストノズル71内での光路を示しており、図中に示すように光は、レジストノズル71における流路70の外周面と、レジストノズル71の外周面との間を反射しながら下方に向かう。このようにレジストノズル71内を光が通過することで、レジストノズル71の内部の明瞭な画像が得られる。また、上述の様に照明やカメラを、各処理部22A~22C毎に設けられている機構とは独立した、各処理部22A~22Cで共有して使用される共有アーム67に設けることで、照明やカメラ等の使用個数の抑制や、その設置に要するスペースの削減(省スペース化)を行うことができる。
【0027】
例えばレジストノズル71からレジストの吐出を行うよりも若干前から、当該レジストの吐出を終了するまで、撮像部であるカメラ84による撮像を行う。この撮像中、例えば第1の照明82及び第2の照明85により同時に光照射してレジストノズル71の画像を取得してもよいし、第1の照明82により光照射するタイミングと第2の照明85により光照射するタイミングをずらし、各タイミングの画像を取得してもよい。カメラ84で撮像された画像データは、後述の制御部100に送信される。制御部100は取得された画像から、レジストノズル71に付着した汚れの有無、レジストノズル71からのレジストのぼた落ち、ノズル内の液面の位置、泡噛みによるレジストの液流の途切れの有無などを検出し、この検出結果に基づいて異常の有無を判定することができる。第1の照明82及び第2の照明85は照明部を構成し、第2の照明85は上方照射部材として構成される。第1の照明85に加えて上方から光照射する第2の照明があることで、吐出される液のミストや飛散による汚れによる画像の見にくさを抑制しつつ、レジストノズル71内の液の上面と下面とを画像で見ることができる。なお、液の下面についてもノズル内に留まる程度の僅かな高さなら、そのように上方からの照明で認識可能である。
【0028】
上記のレジストノズル71のレジストの吐出位置と、上記の個別ノズル54(54A~54C)のシンナーの吐出位置とは、ウエハWの中心部上であり、互いに重なる共通吐出位置とされている。これらのノズルの動作について説明すると、ウエハWの洗浄後に速やかにレジストRをウエハWに供給して処理時間を短くするため、個別ノズル54がウエハWにシンナーB1を吐出中、レジストノズル71は、レジストRの吐出位置から水平方向に若干ずれた、直前待機位置で待機する(
図7)。そして、個別ノズル54がシンナーB1の吐出を終え、当該シンナーB1の吐出位置から水平方向に移動して退避すると(
図8)、ノズル同士の干渉を確実に避けるためにこの移動に若干遅れてレジストノズル71が水平方向に移動し、レジストRの吐出位置で停止する。つまり、昇降機構65による昇降は行われず、共有アーム67の旋回動作のみで、レジストノズル71は直前待機位置から吐出位置へ移動し、レジストRの吐出が開始される(
図9)。
【0029】
ところで、処理部22AでウエハWを処理する際における個別ノズル54Aの移動軌跡、レジストノズル71の移動軌跡、周縁ノズル44Aの移動軌跡を、夫々D1、D2、D3とする。
図10では図示の便宜上、各ノズルの吐出口についての移動軌跡を、直線または曲線で表示している。既述したようにレジストノズル71の吐出位置と、個別ノズル54Aの吐出位置とは重なるので、移動軌跡D1と移動軌跡D2とはウエハWの中心部上で重なる。ただし、このウエハWの中心部上における移動軌跡の重なりを除けば、移動軌跡D1、D2、D3は互いに重ならない。なお、このように移動軌跡D1、D2が設定されるため、既述したレジストノズル71の直前待機位置は、個別ノズル54Aの移動軌跡D1とは重ならない位置である。
【0030】
移動軌跡D1~D3について重なりが多いほど、ノズル同士の干渉を防ぐために各ノズルの動作の順番やタイミングを詳細に設定する必要が有る。即ち、各ノズルの移動制御が煩雑になる。しかし上記のように移動軌跡D1~D3については、ウエハWの中心部におけるD1、D2の重なりを除いて、移動軌跡D1~D3が重ならない。このように移動軌跡D1~D3の重なりが抑制されているため、上記の各ノズルの移動制御が煩雑となることが抑制される。代表して処理部22AのウエハWを処理する際の各ノズルの移動軌跡を示したが、他の処理部22のウエハWを処理する際においても各ノズルは同様の移動軌跡を描く。つまり、処理部22B、22Cにおいても、ウエハWの中心部以外では上面視、各ノズルの移動軌跡が重ならない。なお、各処理部22の周縁ノズル44のシンナーの吐出位置についてはウエハW上であればよい。このウエハW上とはウエハWに対して上方の意味であり、各図に示すように上面視ウエハWに重なることには限られない。
【0031】
ところで、上記のように個別ノズル54(54A~54C)のシンナーの吐出位置は、ウエハWの中心部上である。従って、カップ31(31A~31C)の外側に設けられる当該個別ノズル54(54A~54C)の待機部55(55A~55C)と、当該吐出位置との上面視の距離は比較的長い。そのため、仮にアーム53を介した個別ノズル54の待機部55と吐出位置との間の移動を、回転機構52の代わりに周縁ノズル44(44A~44C)を移動させるような直動機構により行う構成とすると、当該直動機構の長さが大きくなってしまう。つまり、カップ31の側方において当該直動機構を設置するために、横方向に大きなスペースが必要になってしまう。なお、そのように個別ノズル54を直動機構により移動する構成とした場合、直動機構をカップ31の上方に配置することで当該スペースを不要にすることが考えられる。そのような構成とすると、直動機構から生じたパーティクルがウエハWに落下して付着するおそれが有るので、そのような配置は望ましくない。従って、レジスト塗布モジュール2の大型化を防ぐために、個別ノズル54の横方向の移動は、上記のように回転機構52によって行うことが有効である。
【0032】
一方、周縁ノズル44の吐出位置は、ウエハWの周縁部上である。従って、カップ31の外側に設けられる当該周縁ノズル44の待機部45(45A~45C)と、当該吐出位置との上面視の距離が比較的短いため、上記のように直動機構41により移動する構成であっても、当該直動機構41の長さは比較的小さくなる。また、周縁ノズル44を用いたEBRにより、ウエハWの周縁部のレジスト膜は環状に除去されるが、このレジスト膜の除去幅の設定が変更されたとする。上記のように周縁ノズル44は傾いた状態でアーム43に設けられるが、直動機構41により水平に直線移動する場合は、そのように除去幅の設定が変更されてもウエハWの回転方向に対するシンナーの吐出方向は変化しない。
【0033】
しかし、仮にアーム43を介した周縁ノズル44の移動が、直動機構41の代わりに個別ノズル44を移動させるような回転機構により行われるとすると、除去幅の設定の変更により、ウエハWの回転方向に対するシンナーの吐出方向が変化する。つまり、シンナーの着液位置がウエハWの径方向に変化することの他に、このような吐出方向の変化によって、当該着液位置における遠心力が大きく変化し、着液位置からの液撥ねが大きくなるおそれが有る。そのため、上記の除去幅の設定を変える度に周縁ノズル44の傾きの調整が必要になることが考えられる。従って、そのような調整の手間を抑える観点からも、周縁ノズル44については、上記の直動機構41により移動させることが好ましい。
【0034】
ところで個別ノズル54を支持するアーム53は回転機構52により旋回するので、当該アーム53の移動に必要な領域(アーム53の旋回領域)としては比較的大きい。そして仮に、個別ノズル54の待機部55及び当該回転機構52を、周縁ノズル44の待機部45と同じく、カップ31に対して右側方に配置したとする。この場合は、上記のようにアーム53の移動に必要な領域が大きいので、周縁ノズル44及び当該周縁ノズル44を支持するアーム43との干渉を避けるためのスペースを確保することが必要になり、モジュールが大型化してしまうおそれが有る。
【0035】
また、仮に個別ノズル54の待機部55及び回転機構52を共にカップ31に対して後方に配置すると、レジストノズル71及び当該レジストノズル71を支持する共有アーム67との干渉を避けるためのスペースを確保することが必要になる。そのため、やはりモジュールが大型化してしまうおそれが有る。さらに、仮に個別ノズル54の待機部55及び当該回転機構52を共に、カップ31に対して前方に配置したとする。その場合は、搬送口23を介して処理部22に搬入出されるウエハWに干渉しないように、アーム53を高い位置で待機させることが必要になるため、モジュールの高さが増加してしまい、やはりモジュールが大型化してしまうおそれが有る。
【0036】
しかし、レジスト塗布モジュール2においては、カップ31に対して左右の一方に個別ノズル54の待機部55及び回転機構52を配置し、左右の他方に周縁ノズル44の待機部45を配置している。このようなレイアウトとすることで、既述のような各アームや各ノズルなどのモジュールの構成物同士の干渉、及びモジュールの構成物とウエハWとの干渉を防ぐことができる。その結果として、モジュールの大型化を防ぐことができるので好ましい。
【0037】
また、レジスト塗布モジュール2においては、上記のようにカップ31の側方に設けられる個別ノズル54の回転機構52と待機部55とについて、後方側に回転機構52が、前方側に待機部55が夫々位置している。このような配置により、
図7~
図9で示したように、個別ノズル54Aを吐出位置から退避させる側とは反対側からレジストノズル71を吐出位置に移動させることができる。従って、このように個別ノズル54及びレジストノズル71を移動させるにあたり、互いのノズル同士の干渉が起こらず、個別ノズル54によるシンナーの吐出終了後、レジストノズル71を速やかに吐出位置に配置してレジストの吐出を開始することができるので、スループットの向上を図ることができる。
【0038】
続いて、レジスト塗布モジュール2を構成する制御部100(
図2参照)について説明する。制御部100はコンピュータにより構成されている。制御部100は、不図示のプログラム格納部を有している。このプログラム格納部には、前述及び後述のようにレジスト塗布モジュール2が動作し、各処理部22において処理が行われるように命令(ステップ群)が組まれたプログラムが格納されている。当該プログラムによって、制御部100からレジスト塗布モジュール2の各部に制御信号が出力されることで、そのような動作が行われる。上記のプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカードまたはDVDなどの記憶媒体に収納された状態でプログラム格納部に格納される。
【0039】
レジスト塗布モジュール2においては、上記の搬送機構13により例えば処理部22A、22B、22Cの順で繰り返しウエハWが搬入され、各処理部22にてウエハWに洗浄、レジスト膜の成膜、EBRからなる一連の処理が行われる。上記のプログラムは、温度調整モジュール12からウエハWの搬出信号が出力されると、そのウエハWについての処理スケジュール(ウエハWに処理を行うためのモジュールの各部の動作予定)を設定する。そして、当該プログラムは、設定した処理スケジュールに基づいて一連の処理が行われるように上記の制御信号を出力する。
【0040】
図11は、上記のように設定される処理スケジュールのうち、個別ノズル54及びレジストノズル71の動作のタイミングを示すタイムチャートである。以下、このタイムチャート中に示した連続する期間L1~L6における各動作ステップについて説明する。なお、この期間L1~L6においてウエハWは所定の回転数で回転している。期間L1の開始時点は、上記の一連の処理の開始時点である。この期間L1では、個別ノズル54について、待機部55から吐出位置への移動が行われる。期間L2では、吐出位置に移動した個別ノズル54から回転中のウエハWにシンナーB1の吐出が行われる。
【0041】
期間L3では、後方領域38からレジストノズル71が、
図8で説明したウエハWの直前待機位置に移動する。後に具体的に示すように、このウエハWへの直前待機位置への移動は、待機部61からレジストノズル71が移動する場合と、他のウエハWの処理を終えたレジストノズル71が待機部61の外部から移動する場合とが有る。シンナーB1の吐出は継続して行われる。期間L4の開始時点でシンナーB1の吐出が停止し、当該期間L4においては
図8、
図9で説明した、吐出位置からの個別ノズル54の退避、吐出位置へのレジストノズル71の移動が順に行われる。そして、吐出位置から退避した個別ノズル54は、待機部55へ向かう。
【0042】
期間L5では、吐出位置におけるレジストノズル71から、レジストRが吐出される。そして、期間L6の開始時点でこのレジストRの吐出が停止し、レジストノズル71は後方領域38へ退避する。この後方領域38への退避については、後述するように後続のウエハWの搬送状態に応じ、待機部61の待機位置に戻される場合と、待機位置に戻されない場合とが有る。制御部100は、このようなレジストノズル71の搬送経路を決定する決定機構をなす。この例ではレジストの吐出時間よりも洗浄用のシンナーの吐出時間の方が長く、期間L2+L3>期間L5である。そして各ウエハWには同様の処理が行われるため、各基板の処理において期間L1~L6の夫々の長さは同じである。なお、個別ノズル54が待機部44から移動を開始する期間L1の開始からレジストノズル71からのレジストの吐出が終了する期間L5の終了までを連続処理と記載する場合が有る。
【0043】
レジスト塗布モジュール2へのウエハWの搬送間隔が比較的短い場合、先にウエハWが搬送された一の処理部22における一連の処理と並行して、次にウエハWが搬送された他の処理部22にて一連の処理が行われるように、他の処理部22の処理スケジュールが設定される。より具体的には、処理部22間で既述の連続処理が行われる期間が重なるように処理スケジュールが設定される。
【0044】
上記のようにレジスト塗布モジュール2においては、レジストノズル71及び共有アーム67が、各処理部22で共有される構成となっている。そのため、一の処理部22でレジストノズル71及び共有アーム67を使用中は、他の処理部22ではレジストノズル71及び共有アーム67を使用しない処理が行われるように、他の処理部22の処理スケジュールが設定される。つまり、先に設定された一の処理部22の処理スケジュールに基づいて、他の処理部22の処理スケジュールが設定される。
【0045】
他の処理部22の処理スケジュールの設定について
図12も参照して、より具体的に述べる。一の処理部22においてレジストノズル71及び共有アーム67の動作が終了する上記の期間L6の終了時点をt1とし、他の処理部22において、レジストノズル71及び共有アーム67の動作が開始される期間L3の開始時点をt2とする。他の処理部22の処理スケジュールは、上記の時点t1の後が上記の時点t2となり、時点t1と時点t2との間隔A1が、設定時間以上の範囲内で最短の長さとなるように設定される。なお、この設定時間は、例えば0秒より長い時間である。
【0046】
つまり一の処理部22へウエハW(第1の基板)が搬送されてから、他の処理部22へウエハW(第2の基板)が搬送されるまでのウエハWの搬送間隔が短いほど上記の間隔A1は短くなり、一の処理部22と他の処理部22とで並行してウエハWが処理される時間が長くなる。ただし、間隔A1が設定時間より短くなるようには設定されない。そして、搬送間隔が長くなるほど間隔A1は長くなり、この搬送間隔によっては処理部22間で並行した処理が行われず、一の処理部22で一連の処理が終了した後に、他の処理部22で一連の処理が開始されることになる。
【0047】
各処理部22でウエハWは同様に処理が行われるので、このように間隔A1を設定することは、処理部22間におけるウエハWの処理の開始の間隔を設定していることでもある。また、上記のように温度調整モジュール12からウエハWの搬出信号が出力されると、処理スケジュールが設定されるが、一の処理部22で処理を開始してから短い間隔で次の搬出信号が出力されたとする。その場合、上記のように間隔A1が設定されるため、一の処理部22でレジストの吐出処理が終わる期間L5の終了のタイミングから所定の時間A2を遡るように他の処理部22での期間L1の開始タイミングが設定される。つまり、一の処理部22におけるウエハWの処理中に、当該ウエハWへのレジストの吐出処理の終了予定のタイミング(連続処理の終了予定のタイミング)に応じて、他の処理部22におけるウエハWの連続処理の開始のタイミングが決定されていることになる。
【0048】
上記の
図12については、一の処理部22が22A、他の処理部22が22Bであるものとして、そのように処理部22Bにおける処理スケジュールが設定された場合の期間L1~L6を表すタイムチャートを示している。この例では上記の間隔A1が上記の設定時間、つまり最小の時間となるように設定されている。間隔A1の設定時間が0秒より大きい時間としているのは、一の処理部22における実際の処理が処理スケジュールに対して遅れた場合であっても、不都合無く他の処理部22における処理を行うことができるようにするためである。なお、このように処理部22における処理スケジュールが設定されたウエハWについては、この処理スケジュールの開始タイミングに応じて、温度調整モジュール12から搬送されるように搬送機構13が動作する。そして、処理部22への搬送後は速やかに処理スケジュールに基づいて処理が開始される。
【0049】
なお、上記のように処理スケジュールが設定されることにより、各処理部22でシンナーの吐出が終了からレジストの吐出が開始されるまでの期間が予め設定された長さとなっている。仮にこの期間が長すぎるとウエハWからシンナーが揮発してしまい、短すぎるとレジストノズル71の吐出位置への移動が間に合わないおそれが有る。つまり、このような不具合が起きないように各処理部22における処理スケジュールの設定がなされている。即ち、一の処理部22においてシンナー吐出終了後のレジスト吐出開始までの時間が遅れないように、他の処理部22における一連の処理の開始タイミングが決定されている。
【0050】
ところで、
図11、
図12のタイムチャートの期間L6の動作について補足して説明する。処理スケジュールに沿ってウエハWを処理中の所定のタイミング、例えば期間L6の開始時において、次のウエハWの処理スケジュールが設定されていない、即ちレジスト塗布モジュール2への次のウエハWの搬送予定が無いものとする。その場合、共有アーム67に保持され、当該ウエハWにレジストを吐出したレジストノズル71は、待機部61の待機位置62へ搬送される。それにより、レジストノズル71内でのレジストの乾燥を防ぐ。その一方で、期間L6の開始時に次のウエハWの処理スケジュールが設定されている場合、共有アーム67に保持されたレジストノズル71は待機位置62へは搬送されずに、例えば当該待機位置62の上方に位置する。このように処理部22へのウエハWの搬送間隔が短く、レジストの吐出間隔について短くなることでレジストノズル71内の乾燥が起こり難い場合には、待機位置62への移動及び待機位置62からの移動に必要なレジストノズル71の昇降動作が省かれることになる。それにより、スループットの向上を図ることができる。なお、このように期間L6におけるレジストノズル71の移動先が異なることで、既述したように期間L3におけるレジストノズル71の移動元が異なることになる。
【0051】
以下、処理部22A~22CにウエハWが搬送されていない状態から、ウエハWを当該処理部22A~22Cに順次搬送して処理を行うレジスト塗布モジュール2の動作例を説明する。上記のように実際には処理部22A~22Cに繰り返しウエハWが搬送されるが、ここでは説明の複雑化を避けるために、同じロットのウエハWが3枚のみ連続してレジスト塗布モジュール2に搬送されるものとする。これらのウエハWについてレジスト塗布モジュール2への搬入順にW1、W2、W3とする。また、この説明ではウエハW1~W3は比較的短い間隔を空けて各々温度調整モジュール12から搬出可能となり、
図12で説明した間隔A1は最小になるものとする。
【0052】
周縁ノズル44、個別ノズル54、レジストノズル71が夫々の待機部にて待機した状態で(
図13)、温度調整モジュール12からウエハW1の搬出信号が出力され、処理部22Aにおける処理スケジュールが設定される。そして、ウエハW1が処理部22Aに搬送され、スピンチャック34Aに保持されて回転し、処理スケジュールに沿って処理が開始される。つまり、
図11、
図12のチャートで期間L1、L2の動作として説明した、待機部55から吐出位置への個別ノズル54Aの移動、個別ノズル54AからウエハW1の中心部へのシンナーB1の吐出が、順次行われる。遠心力によって、シンナーB1はウエハW1の表面全体に展伸されて、ウエハW1の表面が洗浄される。
【0053】
このように処理部22Aにて処理が行われている間に、温度調整モジュール12からウエハW2の搬出信号が出力され、処理部22Bにおける処理スケジュールが設定される。そして、処理部22Aでは期間L3の動作が行われる。つまり、共有アーム67が一つのレジストノズル71を保持し、ウエハW1の直前待機位置に搬送する。その一方でウエハW2が処理部22Bに搬送され、スピンチャック34Bに保持されて回転する(
図14)。その後、処理部22Aでは期間L4の動作として、吐出位置から待機部55へ向かう個別ノズル54の移動、吐出位置へのレジストノズル71の移動が順に行われる。その一方で、処理部22Bでは処理スケジュールに沿って処理が開始され、期間L1の動作である待機部55Bから吐出位置への個別ノズル54Bの移動が行われる。
【0054】
そして、処理部22Aでは期間L5の動作としてレジストRの吐出が行われ、遠心力によって当該レジストRはウエハW1表面全体に展伸される(
図15)。然る後、このレジストRの吐出が停止し、期間L6の動作としてレジストノズル71が後方領域38に退避し、この間にウエハW1の表面のレジストRは乾燥してレジスト膜R1となる。また、処理部22Bでは期間L2の動作として、吐出位置における個別ノズル54BからウエハW2へのシンナーB1の吐出が行われる(
図16)。このように処理部22A、22Bで処理が行われている間に、温度調整モジュール12からウエハW3の搬出信号が出力され、処理部22Cにおける処理スケジュールが設定される。
【0055】
その後、処理部22Aでは周縁ノズル44Aが処理位置に移動し、ウエハW1の周縁部にシンナーB2を吐出し、ウエハW1の周縁部におけるレジスト膜R1が除去される。その間に処理部22Bでは期間L3の動作として、レジストノズル71の直前待機位置への移動が行われる。なお、処理部22Aの期間L6の開始時に処理部22Bの処理スケジュールが設定されているため、既述したようにレジストノズル71は待機部61には搬送されず、直接、上記の直前待機位置に搬送される。その一方でウエハW3が処理部22Cに搬送され、スピンチャック34Cに保持されて回転する(
図17)。
【0056】
然る後、処理部22Aでは周縁ノズル44AからのシンナーB2の吐出停止、周縁ノズル44Aの待機部45Aへの退避が順次行われ、処理済みのウエハW1が当該処理部22Aから搬出される。その間に処理部22Bでは期間L4の動作として、個別ノズル54Bの吐出位置からの退避、レジストノズル71の吐出位置への移動が順次行われる。その一方で、処理部22Cでは処理スケジュールに沿って処理が開始され、期間L1の動作である待機部55Cから吐出位置への個別ノズル54C移動が行われる。
【0057】
そして、処理部22Bでは期間L5の動作として、レジストRの吐出が行われる(
図18)。然る後、このレジストRの吐出が停止し、期間L6の動作としてレジストノズル71が後方領域38に退避する。この間にウエハW2の表面のレジストRは乾燥してレジスト膜R1となる。また、その一方で処理部22Cでは期間L2の動作として、吐出位置における個別ノズル54CからウエハW3へのシンナーB1の吐出が行われる(
図19)。
【0058】
その後、処理部22Bでは周縁ノズル44Bが処理位置に移動し、ウエハW2の周縁部にシンナーB2を吐出し、ウエハW2の周縁部におけるレジスト膜R1が除去される。その間に処理部22Cでは期間L3の動作として、レジストノズル71の直前待機位置への直接の移動が行われる(
図20)。
【0059】
然る後、処理部22Bでは周縁ノズル44BからのシンナーB2の吐出停止、周縁ノズル44Bの待機部45への退避が順次行われ、処理済みのウエハW2が搬出される。その間に処理部22Cでは期間L4の動作として、個別ノズル54Cの吐出位置からの退避、レジストノズル71の吐出位置への移動が行われ、期間L5の動作としてレジストRの吐出が行われる(
図21)。レジストRの吐出終了後は、期間L6の動作としてレジストノズル71が後方領域38に退避する。次のウエハWの処理スケジュールが設定されていないため、このレジストノズル71は、待機部61に搬送されて待機位置62にて待機する。その一方で、処理部22Cでは、周縁ノズル44Cが処理位置に移動し、ウエハW3の周縁部にシンナーB2を吐出し、ウエハW3の周縁部におけるレジスト膜R1が除去される(
図22)。その後、ウエハW3が処理部22Cから搬出される。
【0060】
上記のようにレジスト塗布モジュール2については、洗浄処理を行う個別ノズル54、EBRを行う周縁ノズル44については処理部22毎に設けられる。そして、洗浄処理に遅れて使用されるレジスト塗布を行うレジストノズル71については処理部22間で共用され、これらの個別ノズル54、レジストノズル71、周縁ノズル44が互いに独立してカップ31外の待機部と、ウエハW上との間を移動可能である。従って、後にウエハWが搬入された他の処理部22において洗浄処理及び/または洗浄処理のための個別ノズル54の移動を行う間、先にウエハWが搬入された一の処理部22でのレジスト塗布及び/または一の処理部22から他の処理部22へのレジストノズル71の移動を行える。また、他の処理部22におけるウエハWの処理にかかわらず、一の処理部22でEBR処理を行うことができる。それ故に、レジスト塗布モジュール2については、高いスループットを得ることができる。
【0061】
特に、上記のように個別ノズル54によるシンナーの吐出時間がレジストノズル71によるレジストの吐出時間よりも長い場合、この吐出時間中に既述のように一の処理部22でのレジストの吐出、レジストノズル71の移動を行うことで、スループットの低下を防ぐことができるために有利である。さらに既述したように、レジスト塗布モジュール2においては、個別ノズル54は回転機構52により移動し、周縁ノズル44については直動機構41により移動することで、モジュールを省スペース化することができる。
【0062】
既述の特許文献1の塗布装置については、上記のように多数のノズルが設けられるが、これらのノズルの全てが処理ユニット(処理部)に共通化されている。従って、一の処理ユニットにおける処理の終了後に他の処理ユニットにおける処理を行うことになるため、スループットの向上を図ることが困難である。また、特許文献1では、各ノズルとも同様に処理ユニットの後方から当該処理ユニットへ、共通のノズル搬送機構により搬送される。つまり引用文献1には、本開示のように互いに異なる役割のノズルを設けるにあたり、ノズルに応じて直動機構による移動と回転機構による移動とを使い分けることで、装置の大型化を防ぐという発想が無い。
【0063】
さらに既述したように、個別ノズル54によるシンナーの吐出中、レジストノズル71はウエハW上の直前待機位置で待機するため、速やかに洗浄処理からレジストの吐出処理への切り替えを行うことができるので、スループットをより確実に高くすることができる。なお、シンナーの吐出時間がレジストの吐出時間に対して長く、且つこれらの吐出時間の差が大きいほど、シンナーの吐出中にレジストノズル71を既述の直前待機位置で待機させやすい。つまり、一の処理部22でレジストノズル71による処理後、他の処理部22でシンナーの吐出が終了するまでに、レジストノズル71を直前待機位置へ配置しておくように処理スケジュールを組むことが容易になる。つまり、レジストノズル71が処理部22に共通化されていても、その動作がウエハWの処理の律速にならず、ウエハWにレジスト塗布を行うまでの待ち時間が抑制されることで、より確実に高いスループットを得ることができる。
【0064】
さらに既述したように、一の処理部22におけるウエハWの処理状況に応じて、他の処理部22のウエハWの処理スケジュールが決められる。この処理スケジュールの決定は、
図12で述べたように各処理部22における処理スケジュール同士の重なる期間が長くなるように行われる。従って、複数のウエハWを続けて処理するにあたり、より確実にスループットを高くすることができる。
【0065】
以下、既述したシンナー及びレジストの処理レシピとは異なる処理レシピを説明する。回転するウエハWの中心部から外れた第1の位置にレジストが吐出されるようにレジストノズル71を配置すると共に、第1の位置よりもウエハWの周縁寄りの第2の位置にシンナーB1が吐出されるように個別ノズル54を配置する。そして、レジストR、シンナーB1の吐出を夫々行う。
図23に示すように、レジストノズル71については、レジストRが吐出される位置がウエハWの中心部上に移動するように横方向に移動させ、ウエハWの着液時の衝撃を緩和させて着液位置からの飛散を抑制する。このようにレジストR及びシンナーB1を供給することで、ウエハW上において、レジストRの液溜まりが中央部に位置し、この液溜まりを囲むようにシンナーB1がウエハWに供給された状態とする。その後、ウエハWの回転数を上昇させる。それにより、シンナーB1を供給済みのウエハWの周縁部においては、レジストRが当該周縁部に対して高い被覆性を有するように展伸され、ウエハWの表面全体がより確実にレジストRに被覆される。
【0066】
この
図23における処理において、シンナーB1を吐出する時間帯、レジストRを吐出する時間帯については、明確に分かれていなくてもよい。つまり、いずれか一方のノズルからの吐出を終えた後、他方のノズルからの吐出を開始することには限られず、レジストRが吐出される時間帯、シンナーB1が吐出される時間帯について重なるように処理を行うことが可能である。
図23では、そのようにレジストR及びシンナーB1について、各々の吐出される時間帯が重なるように示している。そのようにシンナーB1を吐出する時間帯、レジストRを吐出する時間帯が互いに重なるように処理レシピを設定した場合、その処理レシピに応じたタイミングでレジストノズル71を保持する共有アーム67が動作するようにしてもよい。なお、この
図23で述べた処理レシピを行う場合、ウエハWの中心部上においても既述した各ノズルの移動軌跡D1~D3が重ならないため、好ましい。
【0067】
ところで、周縁ノズル44から供給する処理液としてはシンナーに限られない。例えばシンナーの代わりに保護膜形成用の処理液を吐出し、レジスト膜形成後のウエハWの周縁部を保護膜で被覆してもよい。この保護膜は、ウエハWの周縁部における膜剥がれを防止するための保護膜である。そして、このような保護膜を形成する場合、ウエハWの周方向における膜厚の均一性を高くすることが求められる場合が有る。上記のように仮に周縁ノズル44を回転機構により移動させるとすると、保護膜が形成される領域の幅を変更するために着液位置を径方向にずらす場合、当該着液位置はウエハWの周方向にもずれてしまう。それにより、ウエハWの周方向における膜厚の均一性が低下してしまうおそれが有る。それを防ぐ観点からも周縁ノズル44は上記のように直動機構41により移動させることが好ましい。
【0068】
また、洗浄(プリウエット)を行うノズルからのシンナーの吐出時間よりもレジストの吐出時間が長い場合、シンナーを吐出するノズルを各処理部22で共用とし、レジストを吐出するノズルを処理部22毎に設けてもよい。つまり、処理液の吐出時間が長いノズルを処理部22毎に設け、処理液の吐出時間が短いノズルを各処理部22で共用にする。そのような構成により、吐出時間が長いノズルからの処理液の吐出中に、吐出時間が短いノズルからの処理液の吐出及び/または吐出時間が短いノズルの処理部22間での移動を行うことができる。従って、スループットを高くすることができる。
【0069】
なお、上記の共有アーム67に保持されたレジストノズル71を、当該共有アーム67に設けられるカメラ84とは別方向から撮像するためのカメラを、カップ31に対して固定されるように設けてもよい。また、共有アーム67にカメラ84を設けず、レジストノズル71に保持されたレジストノズル71を、各々異なる方向から撮像する複数のカメラがカップ31に固定されるように設けてもよい。そのようにカップ31に対して固定されるカメラから取得される画像についても、カメラ84から取得される画像と同様に各種の異常を検出するために用いる。
【0070】
ところで
図12で説明した一の処理部22における一連の処理の開始タイミングと、他の処理部22における一連の処理の開始タイミングとの時間差に基づいて、一の処理部22で使用を終えたレジストノズル71を待機部61の待機位置62にて待機させるか否かを決定してもよい。つまり、上記の時間差が予め決められた設定時間より短い場合は、レジストノズル71を待機位置62には搬送せずに、例えば当該待機位置62の上方で待機させる。一方で、当該時間差が予め決められた設定時間以上の長さである場合は、レジストノズル71を待機位置62に搬送して待機させる。
【0071】
上記のアーム53に異なる種類のシンナーを吐出する複数の個別ノズル54を設け、いずれか一つの選択された個別ノズル54からシンナーを吐出するようにしてもよい。また、処理部22の数は3つであることに限られず、4つ以上であってもよい。また、処理部22の数が2つであってもよい。ただし、比較的多くの数の処理部22に対してレジスト供給機構6が共有化されることで、レジスト塗布モジュール2を装置に複数設けるにあたり、モジュール数、処理液の供給ラインを削減し、装置の製造コストを低下させることができる。また製造やメンテナンスの工数を削減することができる。既述したようにレジスト塗布モジュール2によれば、そのように処理部22の数が多くても、スループットの低下を抑えることができるように構成されており、有利である。さらに、本開示の塗布装置としては、レジストを塗布してレジスト膜を形成する構成とすることには限られない。例えば反射防止膜形成用の処理液を塗布して反射防止膜を形成する装置や、絶縁膜形成用の処理液を塗布して絶縁膜を形成する装置に、本開示の技術を適用してもよい。つまり、処理部22に共有のノズルからこれらの膜を形成する処理液が供給される構成であってもよい。
【0072】
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
B1、B2 シンナー
R レジスト
W ウエハ
1 レジスト塗布装置
34A~34C スピンチャック
44 周縁ノズル
45 待機部
54 個別ノズル
55 待機部
61 待機部
71 レジストノズル