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特開2023-118958空間的に変化する偏光回転子および偏光子を用いた高感度粒子検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118958
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】空間的に変化する偏光回転子および偏光子を用いた高感度粒子検出
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20230818BHJP
【FI】
G01N21/956 A
【審査請求】有
【請求項の数】65
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112082
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2021547480の分割
【原出願日】2020-02-10
(31)【優先権主張番号】62/806,820
(32)【優先日】2019-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/577,326
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ シェーフェン
(72)【発明者】
【氏名】レオン ジェン-クエン
(72)【発明者】
【氏名】カバルドジーブ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フィールデン ジョン
(57)【要約】
【課題】半導体デバイスが小さくなり続けるのに従って、粒子検出システムはそれに対応した感度および解像度の向上を必要とする。
【解決手段】暗視野検査システムは、照射ビームを生成するための照射源と、照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるように構成された照射光学部品と、暗視野モードでの照射ビームに応答して、試料からの散乱光を収集するための収集光学部品と、収集光学部品の瞳面に配置された偏光回転子であって、試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光回転角をもたらす、偏光回転子と、試料の表面から散乱された光を阻止するために、選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子と、偏光子によって通過された試料からの散乱光に基づき試料の暗視野像を生成する検出器を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
既知の入射角での既知の偏光を有する照射ビームに応答して、試料の表面から散乱された光の電界分布を受信することと、
前記電界分布を有する光の偏光を、選択された偏光角に回転させるように、選択された空間的に変化する偏光回転角をもたらすための、撮像システムの瞳面における配置に適した偏光回転子を設計することであり、前記瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性材料を含んで光学活性に基づいて前記瞳面内の光の偏光を回転させ、前記光学活性材料は電界分布に基づいて前記瞳面にわたって空間的に変化する厚さを有して前記試料の表面から散乱した光を選択された偏光角へ回転させ、
前記瞳面内の前記偏光回転子と、前記選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された直線偏光子とを有する撮像システムを用いて、試料の暗視野像を生成することであって、前記暗視野像は、前記偏光子によって通過される光に基づく、生成することと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記既知の偏光はp偏光であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記照射ビームに応答して、前記試料の前記表面上の粒子から散乱された光の電界分布を受信することをさらに含み、前記偏光回転子を設計することは、
少なくとも選択されたパーセンテージの前記電界分布を有する光が、前記直線偏光子によって通過されるように、前記選択された偏光角を選ぶこと
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記直線偏光子によって阻止される前記選択された偏光角に沿って偏光された光に基づいて、前記試料の追加の暗視野像を生成すること
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
システムであって、
照射ビームを生成するように構成された照射源と、
前記照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるように構成された1つ以上の照射光学部品と、
検出器と、
前記照射ビームに応答して、前記試料から収集された光に基づいて、前記検出器上に、前記試料の暗視野像を生成するように構成された1つ以上の収集光学部品と、
区分の方向に沿った前記1つ以上の収集光学部品の瞳面内に分配された複数の区分を含んだ、区分化された線形の偏光子であって、各区分の阻止軸は、前記区分内の前記試料の表面から散乱された光を阻止するように方向付けられる、区分化された線形の偏光子と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、各区分の前記阻止軸は、既知の入射角での既知の偏光を有する照射に応答して、試料の前記表面から散乱された光の既知の電界分布に基づいて、前記区分内の前記試料の表面から散乱された前記光を阻止するように方向付けられることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記既知の偏光はp偏光であることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項5に記載のシステムであって、前記複数の区分は、前記照射方向に垂直な方向に沿って直線的に分配されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
システムであって、
照射ビームを生成するように構成された照射源と、
前記照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるための1つ以上の照射光学部品と、
前記照射ビームに応答して前記試料からの散乱光を暗視野モードで収集するための1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品の瞳面に配置された偏光回転子であって、前記試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光角をもたらし、前記偏光回転子は、前記瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性材料を含んで光学活性に基づいて前記瞳面内の光の偏光を回転させ、前記光学活性材料は電界分布に基づいて前記瞳面にわたって空間的に変化する厚さを有して前記試料の表面から散乱した光を選択された偏光角へ回転させる、偏光回転子と、
前記選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子と、
前記偏光子によって通過された光に基づいて暗視野像を生成する検出器であって、前記偏光子によって通過された光は、前記試料の前記表面上の1つ以上の粒子によって散乱された光の少なくとも一部分を含む、検出器と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記光学活性材料は、前記瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性結晶を有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、前記瞳面にわたって、前記試料からの前記散乱光の光路長を等しくするために、前記偏光回転子の前に、前記瞳面に配置された位相補償器
をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記位相補償器は、前記位相補償器を通る伝搬方向に沿って光学的に均質な材料から形成されることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、前記位相補償器は、前記偏光回転子の反対の旋進性を有する、前記位相補償器を通る伝搬方向に沿って光学活性材料から形成されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、前記偏光子によって通過された光は、前記試料の前記表面上の1つ以上の粒子によって散乱された光の少なくとも一部分を含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、前記試料の表面から散乱された光は既知の電界分布を有し、前記偏光回転子は、既知の電界分布に偏光された光を、前記選択された偏光角に回転させるように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
装置であって、
暗視野撮像システムの瞳面に配置された偏光回転子を備え、前記暗視野撮像システムは、軸外照射に応答して、試料からの散乱光を収集するための1つ以上の収集光学部品を含み、
前記偏光回転子は、前記試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光角をもたらし、前記偏光回転子は、前記瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性材料を含んで光学活性に基づいて前記瞳面内の光の偏光を回転させ、前記光学活性材料は電界分布に基づいて前記瞳面にわたって空間的に変化する厚さを有して前記試料の表面から散乱した光を選択された偏光角へ回転させることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、前記光学活性材料は、前記瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性結晶を有することを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項16に記載の装置であって、前記瞳面にわたって、前記試料からの前記散乱光の光路長を等しくするために、前記偏光回転子の前に、前記瞳面に配置された位相補償器
をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記位相補償器は、前記位相補償器を通る伝搬方向に沿って光学的に均質な材料から形成されることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項18に記載のシステムであって、前記位相補償器は、前記偏光回転子の反対の旋進性を有する、前記位相補償器を通る伝搬方向に沿って光学活性材料から形成されることを特徴とするシステム。
【請求項21】
システムであって、
照射ビームを生成する照射源と、
前記照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるための1つ以上の照射光学部品と、
暗視野モードでの前記照射ビームに応答して、前記試料からの散乱光を収集するための1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品の第1の瞳面に配置された位相マスクであって、収集エリアの2つ以上の瞳領域内に光のための異なる位相シフトをもたらして前記試料の表面上の1つ以上の粒子から散乱された光の点拡がり関数(PSF)を再構築し、前記収集エリアは前記1つ以上の収集部品の開口数に対応する、位相マスクと、
前記1つ以上の収集光学部品の第2の瞳面に配置された偏光回転子であって、前記試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光回転角をもたらし、前記第2の瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性材料を含んで光学活性に基づいて前記第2の瞳面内の光の偏光を回転させ、前記光学活性材料は電界分布に基づいて前記第2の瞳面にわたって空間的に変化する厚さを有して前記試料の表面から散乱した光を選択された偏光角へ回転させる、偏光回転子と、
前記選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子と、
前記偏光子によって通過された光に基づいて、前記試料の暗視野像を生成するための検出器であって、前記偏光子によって通過された光は、前記試料の前記表面上の前記1つ以上の粒子によって散乱された光の少なくとも一部分を含む、検出器と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムであって、前記位相マスクは前記偏光回転子の前に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムであって、前記位相マスクは前記試料の表面上の前記1つ以上の粒子によって散乱された光のPSFを再構築して前記PSFの中心ピークをもたらすことを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項21に記載のシステムであって、前記第1の瞳面と前記第2の瞳面は共役な面であることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項21に記載のシステムであって、前記第1の瞳面と前記第2の瞳面は共通の面であることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項21に記載のシステムであって、前記2つ以上の瞳領域は、前記照射方向に沿って分割された第1の半収集エリアと第2の半収集エリアを含むことを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムであって、前記位相マスクの第1の区分は、前記第1の半収集エリアをカバーする半波長板を含むことを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項27に記載のシステムであって、前記半波長板は、前記試料上の前記照射ビームの入射面に直交する角度に対応する、前記第1の瞳面内の方向に沿ったπ位相シフトをもたらすように方向付けられることを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項27に記載のシステムであって、前記位相マスクの第2の区分は、前記第2の半収集エリアをカバーする伝搬方向に沿った光学的に均質な材料から構成された補償板を備え、
前記補償板を通過した光の光路は選択された許容値以内で前記半波長板を通過した光の光路に対応することを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項27に記載のシステムであって、前記位相マスクの第2の区分は、前記第2の半収集エリアをカバーする開口を含むことを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項30に記載のシステムであって、前記半波長板は、前記第1の半収集エリアと前記第2の半収集エリアを通過する光の間の光路差を少なくとも部分的に補償するために傾けられることを特徴とするシステム。
【請求項32】
装置であって、
撮像システム内の瞳面に配置されたときに、試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光回転角をもたらす偏光回転子であって、前記試料の表面から散乱された光は厚さ方向に沿って偏光回転子を伝搬し、厚さ方向に沿って方向付けられた光軸を有し、光学活性に基づき偏光を回転させる光学活性材料を含み、前記光学活性材料は、前記厚さ方向に直交する横方向にわたって空間的に変化する厚さを有して前記試料の表面から散乱した光を選択された偏光角へ回転させる、偏光回転子を備えることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項32に記載の装置であって、前記光学活性材料の前記空間的に変化する厚さは、1次元空間分布で変化することを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項32に記載の装置であって、前記光学活性材料の前記空間的に変化する厚さは、2次元空間分布で変化することを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項32に記載の装置であって、前記光学活性材料の前記空間的に変化する厚さは、単調に変化することを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項32に記載の装置であって、前記光学活性材料の前記空間的に変化する厚さは、前記偏光回転子の中心に関して対称な分布を有することを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項32に記載の装置であって、前記光学活性材料は、前記瞳面に垂直に方向付けられた光軸を有する光学活性結晶を含むことを特徴とする装置。
【請求項38】
システムであって、
照射ビームを生成する照射源と、
前記照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるための1つ以上の照射光学部品と、
暗視野モードでの前記照射ビームに応答して、前記試料からの散乱光を収集するための1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品の第1の瞳面に配置された位相マスクであって、収集エリアの2つ以上の瞳領域内に光のための異なる位相シフトをもたらして前記試料の表面上の1つ以上の粒子から散乱された光の点拡がり関数(PSF)を再構築し、前記収集エリアは前記1つ以上の収集部品の開口数に対応する、位相マスクと、
前記1つ以上の収集光学部品の第2の瞳面に配置された偏光回転子であって、前記試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光回転角をもたらし、前記第2の瞳面内の頂点において交差するように方向付けられた端部を有する、複数の区分を含んだ環状に区分化された半波長板を備え、前記頂点の位置は、前記第2の瞳面内の前記照射ビームの鏡面反射に関連付けられる、偏光回転子と、
前記選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子と、
前記偏光子によって通過された光に基づいて、前記試料の暗視野像を生成するための検出器であって、前記偏光子によって通過された光は、前記試料の前記表面上の前記1つ以上の粒子によって散乱された光の少なくとも一部分を含む、検出器と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項38に記載のシステムであって、前記位相マスクは、前記偏光回転子の前に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項38に記載のシステムであって、前記位相マスクは、前記試料の表面上の前記1つ以上の粒子によって散乱された光のPSFを再構築して前記PSFの中心ピークをもたらすことを特徴とするシステム。
【請求項41】
請求項38に記載のシステムであって、前記第1の瞳面と前記第2の瞳面は共役な面であることを特徴とするシステム。
【請求項42】
請求項38に記載のシステムであって、前記第1の瞳面と前記第2の瞳面は共通の面であることを特徴とするシステム。
【請求項43】
請求項38に記載のシステムであって、前記2つ以上の瞳領域は、前記照射方向に沿って分割された第1の半収集エリアと第2の半収集エリアを含むことを特徴とするシステム。
【請求項44】
請求項43に記載のシステムであって、前記位相マスクの第1の区分は、前記第1の半収集エリアをカバーする半波長板を含むことを特徴とするシステム。
【請求項45】
請求項44に記載のシステムであって、前記半波長板は、前記試料上の前記照射ビームの入射面に直交する角度に対応する、前記第1の瞳面内の方向に沿ったπ位相シフトをもたらすように方向付けられることを特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項44に記載のシステムであって、前記位相マスクの第2の区分は、前記第2の半収集エリアをカバーする伝搬方向に沿った光学的に均質な材料から構成された補償板を備え、
前記補償板を通過した光の光路は選択された許容値以内で前記半波長板を通過した光の光路に対応することを特徴とするシステム。
【請求項47】
請求項44に記載のシステムであって、前記位相マスクの第2の区分は、前記第2の半収集エリアをカバーする開口を含むことを特徴とするシステム。
【請求項48】
請求項47に記載のシステムであって、前記半波長板は、前記第1の半収集エリアと前記第2の半収集エリアを通過する光の間の光路差を少なくとも部分的に補償するために傾けられることを特徴とするシステム。
【請求項49】
請求項38に記載のシステムであって、前記1つ以上の照射光学部品は、p偏光によって前記照射ビームを前記試料に向けるように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項50】
請求項38に記載のシステムであって、前記偏光子は、
偏光ビームスプリッタを備え、前記偏光ビームスプリッタは、前記偏光子によって通過された前記試料からの前記散乱光を、第1の光路に沿って向け、前記偏光ビームスプリッタは、前記偏光子によって阻止された前記試料からの前記散乱光を、前記第1の光路とは異なる第2の光路に沿って向ける
ことを特徴とするシステム。
【請求項51】
請求項50に記載のシステムであって、前記第2の光路に沿った、前記偏光子によって阻止された前記試料からの前記散乱光に基づいて、前記試料の暗視野像を生成するように構成された追加の検出器であって、前記偏光子によって阻止された前記試料からの前記散乱光は、選択された阻止許容範囲内の前記試料の前記表面によって散乱された光を含む、追加の検出器
をさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項52】
請求項38に記載のシステムであって、前記試料の表面から散乱された光は既知の電界分布を有し、前記偏光回転子は、既知の電界分布に偏光された光を、前記選択された偏光角に回転させるように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項53】
システムであって、
照射ビームを生成する照射源と、
前記照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向ける1つ以上の照射光学部品と、
検出器と、
前記照射ビームに応答して、前記試料から収集された光に基づいて、前記検出器上に、前記試料の暗視野像を生成する1つ以上の収集光学部品と、
前記1つ以上の収集光学部品の第1の瞳面に配置された位相マスクであって、収集エリアの2つ以上の瞳領域内に光のための異なる位相シフトをもたらして前記試料の表面上の1つ以上の粒子から散乱された光の点拡がり関数(PSF)を再構築し、前記収集エリアは前記1つ以上の収集部品の開口数に対応する、位相マスクと、
区分の方向に沿った前記1つ以上の収集光学部品の第2の瞳面内に分配された複数の区分を含んだ、線形に区分化された偏光子であって、各特定区分の阻止軸は、前記特定区分内の前記試料の表面から散乱された光を阻止するように方向付けられる、線形に区分化された偏光子と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項54】
請求項53に記載のシステムであって、各区分の前記阻止軸は、既知の入射角での既知の偏光を有する照射に応答して、試料の前記表面から散乱された光の既知の電界分布に基づいて、前記特定区分内の前記試料の表面から散乱された光を阻止するように方向付けられることを特徴とするシステム。
【請求項55】
請求項54に記載のシステムであって、前記既知の偏光はp偏光であることを特徴とするシステム。
【請求項56】
請求項53に記載のシステムであって、前記複数の区分は、前記照射方向に垂直な方向に沿って直線的に分配されることを特徴とするシステム。
【請求項57】
請求項53に記載のシステムであって、前記位相マスクは、前記試料の表面上の前記1つ以上の粒子によって散乱された光のPSFを再構築して前記PSFの中心ピークをもたらすことを特徴とするシステム。
【請求項58】
請求項53に記載のシステムであって、前記2つ以上の瞳領域は、前記照射方向に沿って分割された第1の半収集エリアと第2の半収集エリアを含むことを特徴とするシステム。
【請求項59】
請求項58に記載のシステムであって、前記位相マスクの第1の区分は、前記第1の半収集エリアをカバーする半波長板を含むことを特徴とするシステム。
【請求項60】
請求項59に記載のシステムであって、前記半波長板は、前記試料上の前記照射ビームの入射面に直交する角度に対応する、前記第1の瞳面内の方向に沿ったπ位相シフトをもたらすように方向付けられることを特徴とするシステム。
【請求項61】
請求項59に記載のシステムであって、前記位相マスクの第2の区分は、前記第2の半収集エリアをカバーする伝搬方向に沿った光学的に均質な材料から構成された補償板を備え、
前記補償板を通過した光の光路は選択された許容値以内で前記半波長板を通過した光の光路に対応することを特徴とするシステム。
【請求項62】
請求項59に記載のシステムであって、前記位相マスクの第2の区分は、前記第2の半収集エリアをカバーする開口を含むことを特徴とするシステム。
【請求項63】
請求項62に記載のシステムであって、前記半波長板は、前記第1の半収集エリアと前記第2の半収集エリアを通過する光の間の光路差を少なくとも部分的に補償するために傾けられることを特徴とするシステム。
【請求項64】
請求項53に記載のシステムであって、前記第1の瞳面と前記第2の瞳面は共役な面であることを特徴とするシステム。
【請求項65】
請求項53に記載のシステムであって、前記第1の瞳面と前記第2の瞳面は共通の面であることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に粒子検査に関し、より詳細には、散乱光または回折光に基づく暗視野撮像を用いた粒子検査に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、その全体を本願に引用して援用する、発明者としてスーフェン・リウ(Xuefeng Liu)およびジェン-クェン・レオン(Jenn-Kuen Leong)の名前で2019年2月17日に出願した、「METHOD AND SYSTEM OF SENSITIVITY ENHANCEMENT FOR PARTICLE DETECTION IN WAFER INSPECTION SYSTEM」という名称の、米国特許仮出願第62/806,820号の米国特許法(35 U.S.C.)第119条(e)のもとでの利益を主張するものである。
【0003】
粒子検出システムは、非限定的に、パターニングされていないウェハなど、ウェハ上の欠陥または微粒子を識別するために、半導体処理ラインにおいて一般に利用される。半導体デバイスが小さくなり続けるのに従って、粒子検出システムはそれに対応した感度および解像度の向上を必要とする。測定感度を制限し得る主なノイズ源は、ウェハ上の表面散乱(例えば、表面ヘイズ)であり、これは光学研磨面に対してさえも存在し得る。粒子からの散乱に関して、表面散乱を抑制するために様々な方法が提案されているが、このような方法は所望の感度レベルを達成することができず、および/または低下した画像品質を犠牲にして感度を達成し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2009/149103号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記で述べられた不備を軽減するシステムおよび方法を開発する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つ以上の例示的実施形態によるシステムが開示される。1つの例示的実施形態において、システムは、照射ビームを生成するための照射源を含む。他の例示的実施形態において、システムは、照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるための1つ以上の照射光学部品を含む。他の例示的実施形態において、システムは、暗視野モードでの照射ビームに応答して、試料からの散乱光を収集するための1つ以上の収集光学部品を含む。他の例示的実施形態において、システムは、1つ以上の収集光学部品の瞳面に配置された偏光回転子を含み、偏光回転子は、試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光回転角をもたらす。他の例示的実施形態において、システムは、試料の表面から散乱された光を阻止するために、選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子を含む。他の例示的実施形態において、システムは、偏光子によって通過された試料からの散乱光に基づいて、試料の暗視野像を生成するように構成された検出器を含み、偏光子によって通過された試料からの散乱光は、試料の表面上の1つ以上の粒子によって散乱された光の少なくとも一部分を含む。
【0007】
本開示の1つ以上の例示的実施形態による装置が開示される。1つの例示的実施形態において、装置は、暗視野撮像システムの瞳面に配置された偏光回転子を含み、暗視野撮像システムは、軸外照射に応答して、試料からの散乱光を収集するための1つ以上の収集光学部品を含む。他の例示的実施形態において、偏光回転子は、試料の表面から散乱された光を、選択された偏光角に回転させるように選択された、空間的に変化する偏光回転角をもたらす。他の例示的実施形態において、偏光回転子は、試料の表面から散乱された光を阻止するために、選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子に結合されるように構成される。
【0008】
本開示の1つ以上の例示的実施形態による方法が開示される。1つの例示的実施形態において、方法は、既知の入射角での既知の偏光を有する照射ビームに応答して、試料の表面から散乱された光の電界分布を受信することを含む。他の例示的実施形態において、方法は、電界分布を有する光の偏光を、選択された偏光角に回転させるように、選択された空間的に変化する偏光回転角をもたらすための、撮像システムの瞳面における配置に適した偏光回転子を設計することを含む。他の例示的実施形態において、方法は、瞳面内の偏光回転子と、選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された直線偏光子とを有する撮像システムを用いて、試料の暗視野像を生成することであって、暗視野像は、偏光子によって通過される光に基づく、生成することを含む。
【0009】
本開示の1つ以上の例示的実施形態によるシステムが開示される。1つの例示的実施形態において、システムは、照射ビームを生成するための照射源を含む。他の例示的実施形態において、システムは、照射ビームを照射方向に沿って軸外角度で試料に向けるための1つ以上の照射光学部品を含む。他の例示的実施形態において、システムは、検出器を含む。他の例示的実施形態において、システムは、照射ビームに応答して、試料から収集された光に基づいて、検出器上に、試料の暗視野像を生成するための1つ以上の収集光学部品を含む。1つの例示的実施形態において、システムは、1つ以上の収集光学部品の瞳面内に分配された複数の区分を含んだ、区分化された偏光子を含み、各区分の阻止軸は、区分内の試料の表面から散乱された光を阻止するように方向付けられる。
【0010】
上記の全体的な説明および以下の詳細な説明は共に、例示および説明目的のみであって、必ずしも特許請求される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、全体的な説明と共に本発明の原理を説明するために役立つ。
【0011】
本開示の数多くの利点は、当業者によって、添付の図を参照することによってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、粒子検出システムの概念図である。
図2A】本開示の1つ以上の実施形態による、斜めに入射するp偏光された光に応答した、表面散乱の瞳面散乱マップを示す図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態による、斜めに入射するp偏光された光に応答した、サブ解像度粒子によって散乱された光の瞳面散乱マップを示す図である。
図3A】本開示の1つ以上の実施形態による、頂点位置の周りに放射状に分配された楔形の区分を有する、区分化された偏光子の概念的上面図である。
図3B】本開示の1つ以上の実施形態による、区分が瞳面内の選択された区分化方向に沿って直線的に分配される、区分化された偏光子の概念的上面図である。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、瞳を2つの区分に分割するための2つの区分を含む位相マスクの概念的上面図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された半波長板として形成される偏光回転子の概念的上面図である。
図6A】本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子と偏光ビームスプリッタとを通って伝搬した後の、収集された試料光の直交偏光された部分のグラフである。
図6B】本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子と偏光ビームスプリッタとを通って伝搬した後の、収集された試料光の直交偏光された部分のグラフである。
図7A】本開示の1つ以上の実施形態による、直線的に区分化された半波長板として形成される偏光回転子の概念的上面図である。
図7B】本開示の1つ以上の実施形態による、区分化方向に沿った瞳面内の位置の関数として、図7Aに示される直線的に区分化された偏光回転子の光軸の方位方向の計算されたグラフである。
図7C】本開示の1つ以上の実施形態による、表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角に回転させるための、直線的に区分化された偏光回転子の光軸に対する方位方向のグラフである。
図8A】本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子と偏光ビームスプリッタとを通って伝搬した後の、収集された試料光の直交偏光された部分のグラフである。
図8B】本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子と偏光ビームスプリッタとを通って伝搬した後の、収集された試料光の直交偏光された部分のグラフである。
図9A】本開示の1つ以上の実施形態による、斜めに入射するp偏光された光の散乱に基づいて生成された、撮像システムの解像度より小さな粒子の画像を示す図である。
図9B】本開示の1つ以上の実施形態による、図5に示されるような角度的に区分化された偏光回転子と、偏光ビームスプリッタとを有する撮像システムを用いた、図8Aの粒子の画像を含む図である。
図9C】本開示の1つ以上の実施形態による、72個の区分と直線偏光子とを有する図7Aに示されるような直線的に区分化された偏光回転子を有する撮像システムを用いた、図9Aの粒子の画像を含む図である。
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子、および直線的に区分化された偏光回転子の性能および収束挙動を示すグラフである。
図11A】本開示の1つ以上の実施形態による、266nmの波長を有する照射ビームを用いた、区分化された偏光子および区分化された偏光回転子に対する、画素サイズの関数としてのSNRのグラフである。
図11B】本開示の1つ以上の実施形態による、213nmの波長を有する照射ビームを用いた、区分化された偏光子および区分化された偏光回転子に対する、画素サイズの関数としてのSNRのグラフである。
図12】本開示の1つ以上の実施形態による、光学活性材料から形成された偏光回転子の概念的上面図である。
図13A】本開示の1つ以上の実施形態による、それぞれ266nmおよび213nmの波長を有する表面ヘイズの偏光を、図12の水平方向に回転させるように設計された、光学活性材料から形成された偏光回転子の図12の垂直方向に沿った厚さプロファイルのグラフである。
図13B】本開示の1つ以上の実施形態による、図13Aに基づく厚さプロファイルを有する偏光回転子の断面図である。
図14A】本開示の1つ以上の実施形態による、それぞれ266nmおよび213nmの波長を有する表面ヘイズの偏光を、図12の水平方向に回転させるように設計された光学活性材料から形成された偏光回転子の、図12の垂直方向に沿った厚さプロファイルのグラフである。
図14B】本開示の1つ以上の実施形態による、図14Aに基づく厚さプロファイルを有する偏光回転子の断面図である。
図15】本開示の1つ以上の実施形態による、粒子検出のための方法において行われるステップを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、添付の図面に示される、開示される主題を詳しく参照する。本開示は具体的に示され、いくつかの実施形態およびそれらの特定の特徴に関して記述されている。本明細書に記載された実施形態は、限定的よりむしろ例示的なものと捉えられる。本明細書で用いられる、「左(left)」、「右(right)」、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「の上(over)」、「の下(under)」、「上側(upper)」「上向き(upward)」、「下側(lower)」、「下(down)」、および「下向き(downward)」などの方向を示す用語は、説明のために相対的な位置を示すことを意図し、絶対的基準系を指定するものではない。当業者には、本開示の思想および範囲から逸脱せずに、形および詳細において、様々な変形および変更がなされ得ることは容易に明らかとなるべきである。
【0014】
本開示の実施形態は、表面散乱(例えば、表面ヘイズ)が、表面上の粒子によって散乱された光(例えば、粒子散乱)から分離される暗視野撮像に基づく、粒子検出のためのシステムおよび方法を対象とする。本開示のさらなる実施形態は、表面散乱および粒子散乱に基づく試料の別々の画像を同時に生成することを対象とする。
【0015】
ウェハ検査は、それらのすべてが本明細書に組み込まれている2018年1月1日に発行された米国特許第9,874,526号、2016年3月22日に発行された米国特許第9,291,575号、2014年11月18日に発行された米国特許第8,891,079号、および2018年2月13日に発行された米国特許第9,891,177号で一般に述べられている。さらに、本開示の目的のために、粒子は、異物粒子、かき傷、小さなくぼみ、穴、突起などを含む、関心のある試料上の任意の表面欠陥を含み得るが、それらに限定されない。
【0016】
本明細書において、粒子から散乱された光、および表面から散乱された光は、散乱角に応じて異なる電界分布(例えば、偏光および電界強度)を呈し得ることが認識される。さらに、電界分布(例えば、散乱マップ)における差は、斜めに入射するp偏光された光に対して特に著しくなり得る。例えば、斜めに入射するp偏光された光からの表面ヘイズは、鏡面反射の角度に対しておおよそラジアル偏光され、一方、粒子からの散乱は、面法線に対しておおよそラジアル偏光され得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、暗視野撮像システムは、表面ヘイズの偏光を選択された偏光角に選択的に回転させるための、瞳面内の偏光回転子と、選択された偏光角に沿って偏光された表面ヘイズを、残りの信号(例えば、粒子散乱)から異なる撮像チャネルに分離するための直線偏光子とを含む。例えば、偏光回転子は、表面ヘイズの既知のまたは期待される偏光分布に基づいて、瞳面にわたる変化する偏光回転角をもたらすことができ、瞳にわたる偏光回転角の空間分布は、瞳にわたって分配された表面ヘイズを、共通の選択された偏光角に回転させるように選択される。この関連において、この選択された偏光角に整列された直線偏光子(例えば、偏光ビームスプリッタ)は、粒子散乱から表面ヘイズを効果的に分離し得る。
【0018】
本開示のさらなる実施形態は、撮像システムの瞳面内での使用に適した偏光回転の空間的に変化する量をもたらすための偏光回転子を対象とする。本明細書において、偏光回転子の複数の構成が企図される。いくつかの実施形態において、偏光回転子は、光軸の異なる方位を有する複数の半波長板を含んだ、区分化された半波長板を含む。例えば、偏光回転子は、非限定的に、照射ビームの鏡面反射に対応する瞳面内の点などの、頂点位置の周りに放射状に分配された複数の半波長板を含み得る。この関連において、各半波長板は、鏡面反射角度の周りの半径方向角度の範囲を占め得る(例えば、表面ヘイズのおおよそのラジアル偏光分布を模倣するように)。他の例として、偏光回転子は、瞳面内の単一の方向に沿って直線的に分配された、一連の半波長板を含み得る。いくつかの実施形態において、偏光回転子は、空間的に変化する厚さを有する光学活性材料を含む。この関連において、瞳面内の所定の点での厚さは、偏光回転の角度を決定し得る。
【0019】
本開示のさらなる実施形態は、偏光ビームスプリッタを用いたフィルタリングのために、表面ヘイズを、選択された偏光角に回転させるのに適した、偏光回転角の空間分布を設計する方法を対象とする。例えば、偏光回転子は、偏光ビームスプリッタを用いてフィルタリングするために、任意のノイズ源に関連付けられる光を、共通の選択された偏光角に選択的に回転させるように設計され得る。したがって、本開示は主として、斜めに入射するp偏光された光に基づく表面ヘイズに注目するが、本明細書における例は、専ら例示的な目的で示され、限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本明細書において、本明細書で述べられるシステムおよび方法は、任意の波長、偏光、または入射角を有する光に適用され得ることが企図される。
【0020】
本開示のさらなる実施形態は、瞳面内の表面ヘイズの偏光角の既知の分布に基づいて、表面ヘイズを選択的にフィルタリングする(例えば、区分化された偏光子内の吸収を通して)ための、撮像システムの瞳面内での使用に適した区分化された偏光子を対象とする。例えば、区分化された偏光子は、瞳面にわたって分配された複数の偏光子を含むことができ、各偏光子は、選択された方向に沿った光を遮るように方向付けられる。本明細書において、区分化された偏光子の複数の構成が企図される。いくつかの実施形態において、区分化された偏光子は、非限定的に、照射ビームの鏡面反射に対応する瞳面内の点などの、頂点位置の周りに放射状に分配された複数の偏光子を含む。いくつかの実施形態において、区分化された偏光子は、瞳面内に直線的に分配された複数の偏光子を含む。
【0021】
次に図1から13Bを参照して、高感度粒子検出のためのシステムおよび方法がより詳しく述べられる。
【0022】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、粒子検出システム100の概念図である。一実施形態において、粒子検出システム100は、照射ビーム104を生成するための照射源102と、照射ビーム104を試料108に向けるための1つ以上の照射光学部品を含んだ照射経路106と、試料108から発する光(例えば、試料光112)を収集するための1つ以上の収集光学部品を含んだ収集経路110とを含む。例えば、収集経路110は、試料光112の少なくとも一部分を収集するための対物レンズ114を含み得る。試料光112は、非限定的に散乱光、反射光、回折光、または発光を含む、照射ビーム104に応答して試料108から発する任意のタイプの光を含み得る。
【0023】
照射ビーム104は、非限定的に、紫外線(UV)放射、可視放射、または赤外線(IR)放射を含む、光の1つ以上の選択された波長を含み得る。例えば、照射源102は、おおよそ350nmより短い波長を有する照射ビーム104をもたらし得るが、必須ではない。他の例として、照射ビーム104は、おおよそ266nmの波長をもたらし得る。他の例として、照射ビーム104は、おおよそ213nmの波長をもたらし得る。本明細書において、撮像解像度および小さな粒子(例えば、照射ビーム104の波長と比べて)による光散乱は共に一般に波長に対応し、その結果、照射ビーム104の波長を減少させることは一般に撮像解像度および小さな粒子からの散乱信号を増加させ得ることが認識される。したがって、照射ビーム104は、非限定的に極紫外(EUV)光、深紫外(DUV)光、または真空紫外(VUV)光を含む、短波長光を含み得る。
【0024】
照射源102は、当技術分野で知られている任意のタイプの光源を含み得る。さらに、照射源102は、任意の選択された空間的または時間的コヒーレンス特性を有する照射ビーム104をもたらし得る。一実施形態において、照射源102は、1つ以上の狭帯域レーザ源、1つ以上の広帯域レーザ源、1つ以上のスーパーコンティニウムレーザ源、1つ以上の白色光レーザ源など、1つ以上のレーザ源を含むが、それらに限定されない。他の実施形態において、照射源102は、非限定的にレーザ維持プラズマ(LSP)光源などの、レーザ駆動光源(LDLS)を含む。例えば、照射源102は、LSPランプ、LSPバルブ、またはレーザ源によってプラズマ状態に励起されたとき広帯域照射を放出し得る1つ以上の要素を含むのに適したLSPチャンバを含み得るが、それらに限定されない。他の実施形態において、照射源102は、アーク灯、放電ランプ、または無電極ランプなどの、ランプ源を含むが、それらに限定されない。
【0025】
他の実施形態において、照射源102は、波長可変な照射ビーム104をもたらす。例えば、照射源102は、波長可変照射源を含み得る(例えば、1つ以上の波長可変レーザなど)。他の例として、照射源102は、固定また波長可変フィルタの任意の組み合わせに結合された広帯域照射源を含み得る。
【0026】
照射源102は、さらに任意の時間的プロファイルを有する照射ビーム104をもたらし得る。例えば、照射ビーム104は、連続時間的プロファイル、変調型時間的プロファイル、パルス型時間的プロファイルなどを有し得る。
【0027】
本明細書において、表面ヘイズの強度は、非限定的に照射ビーム104の入射角または偏光を含む、複数の要因に依存し得ることが認識される。例えば、表面ヘイズの強度は、法線に近い入射角に対しては比較的高くなることができ、より高い入射角に対して減少し得る。一実施形態において、照射経路106は、表面ヘイズの生成を減少させるように斜めの入射角で照射ビーム104を試料108に向けるために、非限定的にレンズ116、ミラーなど、1つ以上の照射光学部品を含み得る。斜めの入射角は、一般に任意の選択された入射角を含み得る。例えば、入射角は、面法線に対して60度より大きくすることができるが、必須ではない。
【0028】
他の実施形態において、照射経路106は、照射ビーム104を修正するおよび/または調整するのに適した1つ以上の照射ビーム調整構成要素118を含む。例えば、1つ以上の照射ビーム調整構成要素118は、1つ以上の偏光子、1つ以上の波長板、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上のディフューザ、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器を含み得るが、それらに限定されない。一実施形態において、1つ以上の照射ビーム調整構成要素118は、試料108上にp偏光された照射ビーム104をもたらすように方向付けられた偏光子または波長板を含む。
【0029】
他の実施形態において、粒子検出システム100は、収集経路110によって収集された試料光112の少なくとも一部分を捕捉するように構成された、少なくとも1つの検出器120を含む。検出器120は、試料108から受信された照射を測定するのに適した当技術分野で知られている任意のタイプの光検出器を含み得る。例えば、検出器120は、非限定的に電荷結合素子(CCD)検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、時間遅延積分(TDI)検出器、光電子増倍管(PMT)アレイ、アバランシェフォトダイオード(APD)アレイなど、試料108の画像を捕捉するのに適した複数画素検出器を含み得る。他の実施形態において、検出器120は、試料光112の波長を識別するのに適した分光学的検出器を含む。
【0030】
粒子検出システム100は、試料108を同時に撮像するように任意の数の検出器120を含み得る。さらに、収集経路110は、偏光に基づいて検出器120上に撮像されるように、試料光112をフィルタリングするように構成された直線偏光子122を含み得る。一実施形態において、図1に示されるように、直線偏光子122は偏光ビームスプリッタとして動作し、その結果直線偏光子122は、試料光112を2つの直交偏光されたビームに分割する。粒子検出システム100は次いで、試料光112の直交偏光された部分のそれぞれを用いて試料108の画像を生成するための、検出器120を含み得る。
【0031】
収集経路110は、非限定的に1つ以上のレンズ、1つ以上のフィルタ、1つ以上の開口、1つ以上の偏光子、または1つ以上の位相板を含む、試料光112を導くおよび/または変更するための任意の数のビーム調整要素124を含み得る。
【0032】
一実施形態において、図1に示されるように、収集経路110は、瞳面126にまたはその近くに配置された1つ以上のビーム調整要素124を含む。例えば、以下でより詳しく論じられるように、収集経路110は、瞳面126にまたはその近くに連続偏光子または位相マスクなどの、ビーム調整要素124を含み得るが、それらに限定されない。この関連において、粒子検出システム100は、非限定的に、散乱角および/または試料の位置の関数として試料光112の輝度、位相、および偏光を含む、検出器120上に画像を生成するために用いられる試料光112の選択されたアスペクトを制御および/または調整し得る。
【0033】
さらに、収集経路110は、任意の数の瞳面126を有し得る。例えば、図1に示されるように、収集経路110は、検出器120上に瞳面126の画像を生成するための1つ以上のレンズ128と、試料108の表面の画像を生成するための1つ以上のレンズ130とを含み得る。しかし、本明細書において、所望の効果をもたらすために、限られた数のビーム調整要素124が、特定の瞳面126上に、または特定の瞳面126の十分近くに配置され得ることが認識される。したがって、本開示の目的のために、瞳面126における1つ以上の要素への言及は、一般に、所望の効果を生み出すために、瞳面126における、または十分にその近くの1つ以上の要素を記述し得る。図に示されないが、いくつかの実施形態において、収集経路110は、任意の数のビーム調整要素124が瞳面126にまたはその近くに配置され得るように、1つ以上の追加の瞳面126を生成するために追加のレンズを含み得る。
【0034】
他の実施形態において、粒子検出システム100は、メモリ媒体136(例えば、メモリ)に保持されたプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ134を含むコントローラ132を含む。さらに、コントローラ132は、粒子検出システム100の任意の構成要素に、通信可能に結合され得る。この関連において、コントローラ132の1つ以上のプロセッサ134は、本開示の全体にわたって述べられる様々なプロセスステップの任意のものを実行し得る。例えば、コントローラ132は、検出器120からのデータ(例えば、試料108の画像に関連付けられた)を受信、分析、および/または処理し得る。他の例として、コントローラ132は、制御信号を用いて粒子検出システム100の任意の構成要素を制御または他のやり方で指示し得る。
【0035】
コントローラ132の1つ以上のプロセッサ134は、当技術分野で知られている任意の処理要素を含み得る。この意味において、1つ以上のプロセッサ134は、アルゴリズムおよび/または命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。一実施形態において、1つ以上のプロセッサ134は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または本開示の全体にわたって述べられるように粒子検出システム100を動作させるように構成されたプログラムを実行するように構成された任意の他のコンピュータシステム(例えば、ネットワーク化されたコンピュータ)からなり得る。さらに「プロセッサ」という用語は、非一時的メモリ媒体136からのプログラム命令を実行する、1つ以上の処理要素を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得ることが認識される。さらに、本開示の全体にわたって述べられるステップは、単一のコントローラ132、または代替として複数のコントローラによって遂行され得る。加えて、コントローラ132は、共通のハウジングにまたは複数のハウジング内に収容された1つ以上のコントローラを含み得る。このようにして、任意のコントローラまたはコントローラの組み合わせは、粒子検出システム100への統合に適したモジュールとして、別々にパッケージングされ得る。
【0036】
メモリ媒体136は、関連付けられた1つ以上のプロセッサ134によって実行可能なプログラム命令を記憶するのに適した、当技術分野で知られている任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体136は非一時的メモリ媒体を含み得る。他の例として、メモリ媒体136は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、固体ドライブなどを含み得るが、それらに限定されない。メモリ媒体136は、1つ以上のプロセッサ134と共に共通のコントローラハウジングに収容され得ることがさらに留意される。一実施形態においてメモリ媒体136は、1つ以上のプロセッサ134およびコントローラ132の物理的位置に対して遠隔に配置され得る。例えば、コントローラ132の1つ以上のプロセッサ134は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を通してアクセス可能な、遠隔メモリ(例えば、サーバ)にアクセスし得る。したがって、上記の説明は、本発明に対する限定と解釈されるべきではなく、例示に過ぎない。
【0037】
本明細書において、粒子検出システム100は、当技術分野で知られている任意のタイプの画像ベースの粒子検出システムとして構成され得ることが企図される。一実施形態において、図1に示されるように、粒子検出システム100は、鏡面反射光を排除するための暗視野撮像システムである。この関連において、粒子検出システム100は、主として散乱光に基づいて試料108を撮像し得る。暗視野撮像はさらに、当技術分野で知られている任意の技法を用いて実施され得る。一実施形態において、対物レンズ114の方位および/または開口数(NA)は、対物レンズ114が鏡面反射光を収集しないように選択され得る。例えば、図1に示されるように、対物レンズ114は試料108に対しておおよそ法線に方向付けられ、照射ビーム104の鏡面反射部分を含まないNAを有する。さらに、対物レンズ114は、おおよそ0.9以上のNAを有し得るが、必須ではない。他の実施形態において、粒子検出システム100は、鏡面反射が検出器120に到達するのを遮るための1つ以上の構成要素を含み得る。
【0038】
次に図2Aから3Bを参照して、表面ヘイズの瞳面偏光回転およびそれに続くフィルタリングがより詳しく述べられる。
【0039】
本明細書において、試料の表面から散乱された光(例えば、表面ヘイズ、表面散乱など)は、粒子検出用途におけるノイズと考えられ得ることが認識される。したがって、関心のある粒子によって散乱された光に関連付けられた、試料光112の部分から、表面ヘイズに関連付けられた試料光112の部分をフィルタリングすることが望ましくなり得る。
【0040】
図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、斜めに入射するp偏光された光に応答した、表面散乱(例えば、表面ヘイズ)の瞳面散乱マップ202である。図2Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、斜めに入射するp偏光された光に応答した、小さな粒子(例えば、粒子検出システム100の撮像解像度または照射ビーム104の波長と比べて小さな)によって散乱された光の瞳面散乱マップ204である。
【0041】
具体的には、散乱マップ202、204は、最も高い輝度として白、および最も低い輝度として黒による、陰影付けによって示される電界強度を含む。さらに、散乱マップ202、204は、重ね合わされた楕円によって示される、瞳面126内の収集角度(例えば、散乱角)の関数として光の偏光方位を含む。散乱マップ202、204は、瞳面126内の収集エリア206によって境界付けられ、これは試料光112が粒子検出システム100によって収集される角度の範囲に関連付けられる。例えば、収集エリア206は、対物レンズ114の開口数(NA)に対応し得る。
【0042】
散乱マップ202、204は、図1に示される粒子検出システム100の構成に基づく。図2Aおよび2Bにおいて、鏡面反射角度208は、照射方向210に沿って収集エリア206の外側(例えば、図2Aの円形の収集エリア206の右側の収集エリア206の外側)に配置され、対物レンズ114は、鏡面反射光を捕捉しないことを示す。しかし、代替の構成は本開示の範囲内である。例えば、鏡面反射角度208が瞳面126内に位置する場合、鏡面反射光は、暗視野像を生成するために検出器120の前で遮られ得る。
【0043】
加えて、散乱マップ202、204は、非限定的にシリコン、エピタキシャル、およびポリシリコンウェハを含む、多種多様な材料からの散乱を表すものとすることができる。しかし、散乱マップ202、204は、専ら例示的な目的で示され、本開示を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0044】
図2Aおよび2Bに示されるように、粒子によって散乱された光の電界分布(例えば、電界強度および偏光方位)は、特に照射ビーム104がp偏光されているとき、表面によって散乱された光の電界分布とは大幅に異なり得る。例えば、表面ヘイズに関連付けられた試料光112は、一般に図2Aに示されるように収集エリア206内の鏡面反射角度208に対して、おおよそラジアル偏光分布を呈する。これと対照的に、粒子散乱に関連付けられた試料光112は、一般に図2Bに示されるように面法線に対してラジアル偏光分布を呈する。さらに、散乱された試料光112の偏光は一般に楕円である。図2Aおよび2Bから分かるように、瞳面126内の殆どの位置において、楕円は非常に細長く、これは一方の直線偏光成分は他方よりずっと強いことを意味する。小さな粒子から散乱された試料光112(例えば、図2B)に対して、偏光は、瞳の中心の近くでより楕円になることができ、これは2つの直線偏光成分は大きさにおいて概略で同等となり得ることを意味する。しかし、瞳のこの領域内の光の輝度は比較的低く、小さな粒子からの合計の散乱信号に対する寄与は少ない。
【0045】
一実施形態において、粒子検出システム100は、表面ヘイズを優先的に阻止するために、瞳面126にまたはその近くに配置された偏光子を含む。一般的な意味では、瞳面126にまたはその近くに配置された偏光子は、任意の既知の、測定された、シミュレートされた、またはその他の期待される光の偏光に対応する、空間的に変化する偏光フィルタリングをもたらすように設計され得る。本開示との関連において、瞳面126にまたはその近くに配置された偏光子は、瞳面126内の既知の電界分布に基づいて、表面ヘイズを優先的にフィルタリングし得る。したがって、いくつかの実施形態において、粒子検出システム100は、図2Aに示されるおおよそラジアル偏光された表面ヘイズを優先的に阻止するように、瞳面126にまたはその近くに配置されたラジアルヘイズ阻止偏光子を含む。
【0046】
次に図3Aおよび3Bを参照して、本開示の1つ以上の実施形態による、粒子散乱からの表面ヘイズを優先的にフィルタリングするのに適した区分化されたヘイズ阻止偏光子302が述べられる。一般的な意味では、ヘイズ阻止偏光子302は、任意の既知の、測定された、シミュレートされた、またはその他の期待される光の偏光に対応する、空間的に変化する偏光フィルタリングをもたらすように設計され得る。本開示との関連において、ヘイズ阻止偏光子302は、瞳面126内の既知の電界分布(例えば、図2Aに示される表面ヘイズの電界分布)に基づいて、表面ヘイズを優先的にフィルタリングし得る。図3Aおよび3Bは、図2Aに基づく瞳面126内の表面ヘイズの偏光を表す偏光楕円304を含む。
【0047】
ヘイズ阻止偏光子302は、瞳面126にわたって分配された任意の数の区分306を含むことができ、各区分306は、選択されたパス偏光方向308に沿って偏光された光を通すように方向付けられた直線偏光子を含み得る。この関連において、ヘイズ阻止偏光子302は、通過される偏光角の空間的に変化する分布をもたらし得る。
【0048】
一実施形態において、ヘイズ阻止偏光子302の各区分306のパス偏光方向308は、表面ヘイズを優先的に阻止するように方向付けられる。例えば、各区分306に対するパス偏光方向308は、瞳面126の対応する部分内の期待される偏光楕円304と直交するように方向付けられ得る。
【0049】
図3Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、頂点位置310の周りに放射状に分配された楔形の区分306を有する、ヘイズ阻止偏光子302(例えば、角度的に区分化された偏光子)の概念的上面図である。一実施形態において、ヘイズ阻止偏光子302の頂点位置310は、試料108からの照射ビーム104の鏡面反射角度に関連付けられた瞳面126内の点と一致するように方向付けられる。この関連において、各区分306は、各区分306内の表面ヘイズが図2Aの散乱マップ202に基づいて実質的に一様になり得るように、鏡面反射角度208に対して、瞳面126内の半径方向角度の範囲を占め得る。さらに、各区分306に対する各パス偏光方向308は、表面ヘイズを優先的に阻止するために、頂点位置310に対してラジアル偏光を有する光を阻止するように方向付けられ得る。
【0050】
鏡面反射角度208は、本明細書で前に述べられたように、収集エリア206の中または外側に配置され得る。さらに、頂点位置310は、必ずしもヘイズ阻止偏光子302の物理的構造内に位置する必要はない。例えば、鏡面反射角度208が収集エリア206の外側に配置される場合、区分306は、それらが、ヘイズ阻止偏光子302のサイズを画定する境界の外側の頂点位置310に収束するかのように方向付けられ得る。
【0051】
図3Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、区分306が瞳面126内の選択された区分化方向312に沿って直線的に分配される、ヘイズ阻止偏光子302(例えば、直線的に区分化された偏光子)の概念的上面図である。例えば、図3Bの区分化方向312は、瞳面126内に表されるように、照射方向210と直交するように選択される。この関連において、各区分306に対するパス偏光方向308は、その区分306を通る表面散乱光の透過を実質的に低減するように選ばれ得る。
【0052】
本明細書において、ヘイズ阻止偏光子302が、表面ヘイズを優先的にフィルタリングし得る正確さは、表面ヘイズの期待される散乱マップに対する区分306の数およびレイアウトに基づいて変化し得ることが認識される。本明細書においてさらに、ヘイズ阻止偏光子302の製造コストも複雑さに対応し得ることが認識される。したがって、区分306の数およびレイアウトは、性能、製造コストなどを含む様々な要件のバランスをとるように選択され得る。
【0053】
さらに、偏光楕円304が特定の区分306内で一様に方向付けられない場合、特定の区分306内のパス偏光方向308は、最適化関数に従って表面ヘイズを阻止するように選択され得る。例えば、各区分306に対するパス偏光方向308は、各区分306内の偏光楕円304の長軸の期待される方向の加重平均と直交するように、期待される偏光分布(例えば、図2Aに示されるものなど)に基づいて選択されることができ、重みは区分306にわたる期待される電界強度または輝度に比例する。他の例として、各区分306に対するパス偏光方向308は、粒子散乱に関連付けられた透過される試料光112と、透過される表面ヘイズの比を最大にするように選択され得る。
【0054】
次に図4を参照すると、いくつかの実施形態において、粒子検出システム100は、サブ解像度粒子によって散乱されたp偏光された光の点広がり関数(PSF)を再構築するために、瞳面126にまたはその近くに配置された1つ以上の構成要素を含む。本明細書において、システムの撮像解像度より小さな粒子の画像は一般に、画像が鏡面反射光から形成されるとき通常はエアリー関数である、システムPSFによって制限されることが認識される。しかし、粒子に関連付けられた実際のPSF(例えば、粒子PSF)およびしたがってシステムによって生成される粒子の実際の画像は、瞳面126内の粒子からの光の特定の電界分布に関連し、特に画像が散乱光から形成されるとき、システムPSFとは異なるサイズまたは形状を有し得る。
【0055】
具体的には、斜めのp偏光された光によって照射されるとき、撮像解像度より小さな粒子の暗視野像(例えば、散乱光または回折光によって形成される粒子の画像)は、システムPSFより大きなエリアに広がる環帯となる場合があり、これは粒子検出感度に悪影響を及ぼす。この環帯形状、およびPSFまたは粒子の撮像されたスポットのサイズの増加は、検出器120上の粒子の撮像されたスポットの中心での収集された光の弱め合う干渉に関連付けられ得る。
【0056】
したがって、いくつかの実施形態において、粒子検出システム100は、検出器120上の粒子の撮像されたスポットの中心での光の強め合う干渉を促進するように、非限定的に1つ以上の位相板または1つ以上の位相補償器など、瞳面126にわたる試料光112の位相を修正するための1つ以上の構成要素を含む。
【0057】
例えば、位相マスクは、撮像された粒子のPSFを再構築するのに適した様々な構成を有し得る。散乱光に基づく撮像された粒子のPSFを再構築するための位相マスクは、一般に、その全体を本願に引用して援用する、2019年9月20日に出願した「RADIAL POLARIZER FOR PARTICLE DETECTION」という名称の米国特許出願第16/577,089号で述べられている。いくつかの実施形態において、位相マスクは、瞳面126の選択された部分を占める1つ以上の半波長板を含み得る。この関連において、位相マスクは、区分の少なくとも1つが半波長板を含む、区分化された光学部品として形成され得る。
【0058】
図4は、本開示の1つ以上の実施形態による、瞳を2つの区分に分割するための2つの区分(例えば、半分ずつ)を含む位相マスク402の概念的上面図である。例えば、図4に示されるように、位相マスク402は、直交偏光(eiπとして表される)に対してY方向に沿って偏光された光に対してπの位相シフトを導入するように、X方向に沿った光軸を有する半波長板から形成された区分404を含み得る。さらに、位相マスク402は、光の偏光を回転させない区分406を含み得る。例えば、区分406は、区分406を通る光が区分404内の光と同じ(または実質的に同じ)光路長に沿って伝搬するように、伝搬の方向に沿って光学的に均質な材料から形成された補償板を含み得る。一実施形態において、補償板は、区分404内の半波長板とおおよそ同じ厚さおよび屈折率を有するが、伝搬方向に沿って複屈折のない材料から形成される。他の実施形態において、補償板は、区分404内の半波長板と同じ材料から形成されるが、補償板を通って伝搬する光が複屈折を受けないように、異なる軸に沿って切断される。例えば、一軸結晶の光軸に沿って伝搬する光は、結晶が光軸に沿って伝搬する光に対して光学的に均質となり得るように、複屈折を受けないことができる。他の例として、区分406は開口を含み得る。
【0059】
さらに、いくつかの実施形態において、位相マスク402は、瞳面126にわたる光路長差を少なくとも部分的に補償するように、瞳面126から傾けられ得る。
【0060】
区分化された位相マスク402は、当技術分野で知られている任意の技法を用いて形成され得る。一実施形態において、様々な区分(例えば、図4の区分404~406)は、様々な区分がその中で単一の平面内に配置された、単一の構成要素として形成される。
【0061】
しかし、図4および関連する説明は、専ら例示的な目的で示され、限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。例えば、2つの区分を有する位相マスク402は、図4に示されるように、収集エリア206の上側部分よりむしろ下側部分に配置された半波長板を含み得る。さらに、位相マスク402は、粒子から散乱された光のPSFを再構築するように、任意の材料の組み合わせから形成された、瞳面126にわたって任意のパターンで分配された任意の数の区分を含み得る。例えば、関心のある対象物に関連付けられた、瞳面126内の光の既知の(例えば、測定された、シミュレートされたなど)電界分布を所与として、本明細書で述べられるような区分化された位相マスク402は、関心のある対象物の画像のPSFを再構築するように、瞳面126内の光の様々な領域の位相を選択的に調整するように形成され得る。具体的には、位相マスク402の様々な区分は、システムPSFに近付く引き締まったPSF(例えば、選択された許容範囲内の)をもたらすように、検出器120における強め合う干渉を促進するように選択され得る。
【0062】
本明細書において、位相マスク402の設計は、関心のある粒子に関連付けられた既知の電界分布(例えば、図2Aに示されるものなど)に基づく「理想的な」位相マスクと、実用的な設計および/または製造上の考慮との間の、トレードオフを表し得ることがさらに認識される。例えば、理想的または他の形での望ましい位相マスク402は、不当にコストがかかり、製造が難しい場合があり得る。しかし、いくつかの位相マスク402の設計は、製造と、性能仕様(例えば、選択された形を有する粒子PSFなど)の両方を満足する場合があり得る。したがって、図4に示される位相マスク402の設計は、性能と製造性との間の特定のトレードオフをもたらす非限定的な例を表し得る。
【0063】
他の実施形態において、以下でより詳しく述べられるように、粒子検出システム100は、検出器120上の粒子の画像の中心での粒子散乱に関連付けられた試料光112の強め合う干渉を促進するために、瞳面126にわたる空間的に変化する厚さを有する光学的に均質な材料から形成された位相補償器を含み得る。
【0064】
本明細書で前に述べられたように、本明細書において、試料108上の粒子によって散乱された試料光112からの表面ヘイズを選択的にフィルタリングするために、光学構成要素の様々な組み合わせが用いられ得ることが企図される。次に図5から14Bを参照すると、いくつかの実施形態において、粒子検出システム100は、瞳面126にわたる表面ヘイズを、選択された共通の偏光角に回転させるための偏光回転子502と、選択された偏光方向に沿った光を阻止するように方向付けられた、後に続く直線偏光子122とを含む。例えば、瞳面126内の偏光回転子502は、瞳面126にわたる偏光回転の空間的に変化する量(例えば、空間的に変化する偏光回転角)をもたらし得る。この偏光回転角の空間分布は、瞳面126にわたる表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角に選択的に回転させるように、表面ヘイズの期待される電界分布(例えば、図2Aの散乱マップ202)に基づいて選択され得る。粒子検出システム100は、選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された直線偏光子(例えば、直線偏光子122)を追加として含み得る。
【0065】
さらに、本明細書において、表面ヘイズの阻止のための選択された偏光角は、任意の適切な角度とすることができることが企図される。例えば、選択された偏光角は、阻止された粒子により散乱された試料光112の輝度を最小にするように、粒子により散乱された試料光112の期待される分布(例えば、図2Bに示されるような)に基づいて選ばれ得る。
【0066】
直線偏光子122は、透過、反射、または吸収を含む任意のプロセスを通じて、選択された偏光方向に沿って偏光された試料光112を阻止し得る。一実施形態において、図1に示されるように、直線偏光子122は、偏光ビームスプリッタを含み、その結果、選択された偏光方向に沿って偏光された試料光112(主として表面ヘイズ)は1つの光路に沿って向けられ(例えば、透過または反射を通じて)、および直交偏光された試料光112(主として粒子により散乱された試料光112)は他の光路に沿って向けられる。したがって、粒子検出システム100は、試料光112の対応する部分に基づいて、試料108の画像を生成するように、いずれかまたは両方の光路内に検出器120を含み得る。
【0067】
本明細書において、表面ヘイズに関連付けられた試料光112の部分を保持することが、多くの用途で望ましくなり得ることが認識される。例えば、表面ヘイズおよび粒子散乱に関連付けられ相対的信号強度を監視することが望ましくなり得る。他の例として、表面ヘイズに関連付けられた画像を生成することが望ましくなり得る。いくつかの場合において、表面ヘイズを有する撮像された試料は、試料表面に関連付けられた追加の関連した計測学的データをもたらし得る。さらに、偏光回転子502および直線偏光子122の組み合わせは、表面ヘイズを、粒子により散乱された試料光112から完全に分離できない場合があり得る。したがって、第1のチャネルは主として粒子から散乱された光を含み、第2のチャネルは主として表面から散乱された光を含む、多チャネル撮像システムは、偏光回転子502の設計を精緻化するのに適したシステム性能の検証を容易にし得る。
【0068】
偏光回転子502は、多様な光学構成要素から形成され得る。いくつかの実施形態において、図5から8Bに示されるように、偏光回転子502は、区分化された半波長板から形成される。この関連において、偏光回転子502は、瞳面126にわたって分配された2つ以上の半波長板を含むことができ、それぞれは偏光回転角の選択された空間分布をもたらすように、選択された方向に方向付けられた光軸を有する。いくつかの実施形態において、図12から14Bに示されるように、偏光回転子502は、偏光回転角の選択された空間分布をもたらすように、空間的に変化する厚さを有する光学活性材料を含む。しかし、本明細書で示される例は、単に例示的なものであり、限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0069】
次に、図5から8Bを参照して、本開示の1つ以上の実施形態による、区分化された半波長板から形成された偏光回転子502が述べられる。
【0070】
一実施形態において、偏光回転子502は、瞳面126の全体にわたって分配された複数の区分504を含み、偏光回転子502の各区分504は、結晶を通る伝搬方向に垂直に方向付けられた光軸506で、光の偏光を回転させる効果を有し得る、直交偏光の間のπ位相シフトをもたらすように選択された厚さに切断される、一軸結晶から形成された半波長板を含む。具体的には、光軸506に対して角度θで偏光された光は、2θだけ回転され得る。他の実施形態において、各区分504内の半波長板の光軸506は、区分504内の表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角に回転させるように方向付けられる。
【0071】
図5から6Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された半波長板として形成された偏光回転子502を示す。
【0072】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された半波長板として形成される偏光回転子502の概念的上面図である。例えば、図5に示される角度的に区分化された半波長板は、偏光子の代わりに半波長板を含んだ図3Aに示されるヘイズ阻止偏光子302と同様となり得る。
【0073】
一実施形態において、偏光回転子502は、頂点位置508の周りに放射状に分配された楔形の区分504を含む。他の実施形態において、頂点位置508は、試料108からの照射ビーム104の鏡面反射角度に対応し、これは収集エリア206の中または外側に配置され得る。この関連において、各区分504は、鏡面反射角度208に対して瞳面126内の半径方向角度の範囲を占めることができ、その結果、各区分504内の表面ヘイズが図2Aの散乱マップ202に基づいて実質的に一様となり得る。
【0074】
図6Aおよび6Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子502(例えば、図4に示される)と、偏光直線偏光子122とを通って伝搬した後の、収集された試料光112の直交偏光された部分のグラフ602、604である。例えば、グラフ602は主として表面ヘイズを含むことができ、グラフ604は主として粒子散乱を含み得る。
【0075】
図7Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、直線的に区分化された半波長板として形成される偏光回転子502の概念的上面図である。例えば、図7Aに示される直線的に区分化された半波長板は、偏光子の代わりに半波長板を含んだ図3Bに示されるヘイズ阻止偏光子302と同様となり得る。
【0076】
一実施形態において、偏光回転子502は、区分化方向702に沿って直線的に分配された区分504を含む。例えば、図7Aの区分化方向702は、瞳面126内に表されるように、照射方向210と直交するように選択される。しかし、偏光回転子502は、瞳面126内の任意の方向に沿った区分化方向702を有するように設計され得ることが理解されるべきである。
【0077】
図7Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、区分化方向702に沿った瞳面126内の位置の関数として、図7Aに示される直線的に区分化された偏光回転子502の光軸506に対する方位方向の計算されたグラフ704である。具体的には、図7Bは、それぞれ266nmおよび213nmの波長に対する照射ビーム104の照射方向210に対する、光軸506の方位を示す。さらに、グラフ704は、撮像された粒子の中心部分に強め合う干渉をもたらすように、粒子により散乱された光のPSFを再構築するための偏光回転子502の前に、瞳面126にまたはその近くに位相マスク(例えば、位相マスク402など)を含む、粒子検出システム100の構成に対して計算される。
【0078】
例えば、直線的に区分化された偏光回転子502は、それぞれがグラフ704のX軸に沿った位置の範囲を占有する、選択された数の区分504を含むように設計され得る。さらに、各区分504内の光軸506の方位角は、当技術分野で知られている任意の選択技法を用いて、グラフ704に基づいて選択され得る。例えば、各区分504内の光軸506の方位角は、瞳面126内のそれぞれの位置における対応する角度の範囲の中間点、平均、または任意の他の選択メトリックとして選択され得る。
【0079】
しかし、図7Aおよび7Bの偏光回転子502の図は、専ら例示的な目的で示され、限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。むしろ、偏光回転子502は、直線偏光子122を用いた阻止のために、表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角に回転させるように、光軸506の任意の選択された方位を有する任意の数およびサイズの区分504を含み得る。図7Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角に回転させるための、直線的に区分化された偏光回転子502の光軸506に対する方位方向のグラフ706である。
【0080】
図8Aおよび8Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子502(例えば、図5に示される)と、偏光直線偏光子122とを通って伝搬した後の、収集された試料光112の直交偏光された部分のグラフ802、804である。この関連において、グラフ802は主として表面ヘイズを含むことができ、グラフ804は主として粒子散乱を含み得る。
【0081】
本明細書でヘイズ阻止偏光子302に関して前に述べられたように、本明細書において、光軸506が、瞳面126にわたる表面ヘイズの偏光を優先的に整列させるように、期待される電界分布(例えば、図2Aの散乱マップ202)に基づいて、選択された偏光角にマッピングし得る正確さは、区分504の数およびレイアウトに基づいて変化し得ることが認識される。本明細書ではさらに、偏光回転子502の製造コストは、複雑さにも対応し得ることが認識される。したがって、区分504の数およびレイアウトは、性能、製造コストなどを含む様々な要件のバランスをとるように選択され得る。
【0082】
さらに、偏光楕円304が特定の区分504内において一様に方向付けられていない場合、各区分504内の光軸506の方位は、最適化関数に従って表面ヘイズの阻止を可能にするように選択され得る。例えば、各区分504に対する光軸506は、輝度の期待される分布および/または区分504内の偏光に基づいて(例えば、選択された許容範囲内の)、区分によって、選択された偏光に回転される、表面ヘイズのパワーを最大にするように選択され得る。他の例として、各区分504に対する光軸506の方位は、偏光回転子502(例えば、直線偏光子122)の下流に配置された偏光子によって通過される粒子散乱のパワーと、偏光子によって阻止される表面ヘイズのパワーとのバランスをとるように選択され得る。
【0083】
次に図9Aから9Cを参照して、撮像解像度より小さな粒子の画像に関連付けられた点広がり関数(PSF)を再構築するための位相マスクの使用が、本開示の1つ以上の実施形態に従ってより詳しく述べられる。具体的には、図9Bおよび9Cは、それぞれの偏光回転子502の前に、瞳面126にまたはその近くに配置された、図4に示されるように構成された位相マスク402を用いて生成された。
【0084】
図9Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、斜めに入射するp偏光された光の散乱に基づいて生成された、撮像システム(例えば、粒子検出システム100)の解像度より小さな粒子の画像902を示す。図9Aに示されるように、p偏光された散乱光に基づく粒子のPSFは、エアリー関数よりむしろ円環形状であり、これは少なくとも部分的に、瞳面126内の光の特定の偏光分布に関連付けられた干渉パターン、および画像902を形成するための散乱光の使用の結果である。具体的には、図9Aの中心点904に関連付けられた弱め合う干渉は、結果として画像902内の中心点904での減少された輝度と、中心点904から外向きの輝度のラジアルシフトとを生じる。結果として、信号強度およびしたがって粒子の画像に関連付けられた信号対雑音比は、悪影響を受ける。
【0085】
図9Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、図5に示されるような角度的に区分化された偏光回転子502と、直線偏光子122とを有する撮像システム(例えば、粒子検出システム100)を用いた、図9Aの粒子の画像906を含む。具体的には、角度的に区分化された偏光回転子502は、5°の角度幅を有する区分504を含む。図9Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、72個の区分504と直線偏光子122とを有する図7Aに示されるような直線的に区分化された偏光回転子502を有する撮像システム(例えば、粒子検出システム100)を用いた、図9Aの粒子の画像908を含む。図9Aから9Cに示されるように、本明細書で述べられるような位相マスクを用いずに生成された粒子の画像は、中心点904に輝度のくぼみがある円環形状を有する。しかし、位相マスクを組み込むことは、粒子の画像が中心のピーク、および中心点904の周りの、より引き締まった輝度の分布を有するように、PSFを引き締める。
【0086】
図10は、本開示の1つ以上の実施形態による、角度的に区分化された偏光回転子502、および直線的に区分化された偏光回転子502の性能および収束挙動を示すグラフ1002である。具体的には、図10は、非限定的に表面ヘイズを含む、バックグラウンドノイズに対する、粒子の画像に関連付けられた試料光112の信号対雑音比(SNR)を示す。
【0087】
具体的には、図10は、図8Bに示される光によって生成される画像に対応し、照射ビーム104はp偏光され、70°の角度でベアシリコンウェハに入射し、対物レンズ114は0.97のNAを有する。図10におけるSNRは、以下の式によって定義される。
【数1】
ただしsignalは、粒子の画像に関連付けられたピーク信号強度(例えば、PSFを再構築するために位相板が用いられる場合は、中心点904の信号強度)、σwaferはウェハバックグラウンドノイズ、σlaserはレーザノイズ、σshotはショットノイズ、およびσdetectorは検出器120の読み出しノイズである。図10に示されるように、区分504の数を増加させることは、一般に粒子検出SNRを増加させ、SNRは、区分504を増加させると共に漸近的な限界に到達する。
【0088】
次に図11Aおよび11Bを参照して、ヘイズ阻止偏光子302および区分化された偏光回転子502の様々な構成の性能が比較される。図11Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、266nmの波長を有する照射ビーム104を用いた、ヘイズ阻止偏光子302、および区分化された偏光回転子502の様々な構成に対する、画素サイズ(例えば、検出器120の)の関数としてのSNRのグラフ1102である。図11Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、213nmの波長の照射ビーム104を用いた、ヘイズ阻止偏光子302、および区分化された偏光回転子502の様々な構成に対する画素サイズ(例えば、検出器120の)の関数としてのSNRのグラフ1104である。
【0089】
具体的には、図11Aおよび11Bは、角度的ヘイズ阻止偏光子302(例えば、図3Aに示されるような)のSNR1106、直線的ヘイズ阻止偏光子302(例えば、図3Bに示されるような)のSNR1108、角度的に区分化された偏光回転子502(例えば、図4に示されるような)に加えて偏光直線偏光子122のSNR1110、および直線的に区分化された偏光回転子502(例えば、図6に示されるような)に加えて偏光直線偏光子122のSNR1112を示す。さらに、図10Aおよび10Bの信号は、本明細書で前に述べられたように、粒子によるp偏光された照射ビーム104のPSFを再構築するために位相板を組み込んだ、粒子検出システム100に基づく。
【0090】
図11Aおよび11Bにおいて、同様な性能が、角度的に区分化された要素または直線的に区分化された要素によって達成され得る。例えば、角度的ヘイズ阻止偏光子302のSNR1106は、角度的に区分化された偏光回転子502に加えて偏光直線偏光子122のSNR1110と同等である。同様に、直線的ヘイズ阻止偏光子302のSNR1108は、直線的に区分化された偏光回転子502に加えて偏光直線偏光子122のSNR1112と同等である。
【0091】
図10から11Bにおいて、直線的に区分化された要素(例えば、直線的ヘイズ阻止偏光子302および偏光回転子502)は、角度的ヘイズ阻止偏光子302要素(例えば、角度的に区分化されたヘイズ阻止偏光子302および偏光回転子502)より性能が優れているが、この特定の結果は限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきであることが留意される。一般的な意味において、特定の偏光回転子502の性能は、非限定的に区分504の数およびレイアウト、対応する光軸506の特定の方位、製造精度、試料108の材料および表面粗さ、照射ビーム104のパワー、および検出器120のノイズを含む、広い範囲の要因に依存し得る。
【0092】
次に図12から14Bを参照して、変化する厚さを有する光学活性材料から形成された偏光回転子502がより詳しく述べられる。
【0093】
図12は、本開示の1つ以上の実施形態による、光学活性材料から形成された偏光回転子502の概念的上面図である。一実施形態において、偏光回転子502は、非限定的に水晶などの、光学活性材料から形成される。光学活性材料がそれを通って伝搬する光の偏光を回転させる量は、材料の厚さに依存する。したがって、伝搬方向(例えば、図12の平面に対して法線方向)に沿った偏光回転子502の厚さは、瞳面126内の位置に基づいて変化し得る。この関連において、偏光回転子502を通って伝搬する光は、瞳面126内の光の位置に応じて(例えば、散乱角に応じて)偏光回転の異なる量を呈し得る。
【0094】
他の実施形態において、瞳面126にわたる偏光回転の空間分布は、表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角1202に優先的に回転させるように選択され得る。したがって、偏光直線偏光子122は、少なくとも選択された許容範囲内で、この選択された偏光角に沿って偏光された表面ヘイズを、残りの光(例えば、粒子散乱)から分離し得る。例えば、図11において、偏光回転子502の前の、試料108からの表面ヘイズの偏光楕円304(開いた楕円)は、鏡面反射角度208に対して放射状に方向付けられ、一方、偏光回転子502を通って伝搬した後の表面ヘイズの偏光楕円1204(閉じた楕円)は、選択された偏光角1202(例えば、X方向)に沿って整列される。
【0095】
次に図13Aから14Bを参照して、本開示の1つ以上の実施形態による、光学活性材料から形成される偏光回転子502の様々な設計が述べられる。
【0096】
本明細書において、光学活性偏光回転子502が、表面ヘイズの偏光を、選択された偏光角1202に優先的に回転し得る正確さは、どれだけ良好に、瞳面126にわたる偏光回転角の空間分布が、瞳面126における表面ヘイズの偏光分布にマッピングするかに依存し得ることが認識される。本明細書で、偏光回転子502は、瞳面126にわたる偏光回転角に任意の空間分布をもたらし得ることが企図される。本明細書においてさらに、偏光回転子502の製造コストはまた、複雑さに対応し得ることが企図される。したがって、偏光回転角の空間分布(例えば、厚さの空間分布)は、性能、製造コストなどを含む様々な要件のバランスをとるように選択され得る。
【0097】
一実施形態において、偏光回転子502は、瞳面126にわたる偏光回転角の2次元空間分布を含む。他の実施形態において、偏光回転子502は、瞳面126にわたる偏光回転角の1次元空間分布を含む。この関連において、偏光回転角は、瞳面126内の単一の選択された方向(例えば、図12から14BのY方向)に沿って変化し得る。
【0098】
図13Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、それぞれ266nmおよび213nmの波長を有する表面ヘイズの偏光を、図12の水平方向(例えば、X方向)に回転させるように設計された、光学活性材料から形成された偏光回転子502の図12の垂直方向(例えば、Y方向)に沿った厚さプロファイルのグラフ1302である。具体的には、図13Aは、Z軸の周りの偏光回転子502の対称的設計(例えば、図13Aの0の位置に対して)を示し、これは、光が偏光回転子502に到着する前に、瞳面の一方の半分におけるY偏光の位相を逆にするために、瞳面126にまたはその近くで、および偏光回転子502の前で、位相マスク(例えば、図4に示される位相マスク402)と共に用いられることが意図される。
【0099】
図13Aでの厚さは、マイクロメートル[(μm)/Δn]の単位で示され、Δnは、偏光回転子502を通る互いに反対の円偏光を有する光が受ける屈折率の差を表す。さらに、ゼロの厚さはmλ/Δnに従った基準厚さを表し、λは照射ビーム104の波長であり、mは任意の正の整数である。
【0100】
図13Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、図13Aに基づく伝搬方向(例えば、Z方向)に沿った厚さプロファイルを有する偏光回転子502の断面図1304である。本明細書において、図13Aの厚さプロファイルは、光学研磨面を用いて製造することが難しくなり得る、中心点1306の周りでの急な厚さ遷移を含むことが認識される。したがって、図13Bの断面図は、製造性を改善するための、図13Aの厚さプロファイルからのずれを表す。
【0101】
他の実施形態において、粒子検出システム100は、異なる光線の光路長に対して、それらがおおよそ等しくなるように補正するための、補償器1308を含む(例えば、非限定的にπ/2の位相差など、選択された許容範囲内で瞳面126にわたって等しい)。例えば、補償器1308は、伝搬方向(例えば、図12のZ方向)に沿って光学的に均質な材料から形成され得る。他の例として、補償器1308は、偏光回転子502を備えた光学活性材料とは反対の旋進性を有する、光学活性材料から形成され得る。1つの場合において、偏光回転子502は右旋性水晶を備えることができ、および補償器1308は左旋性水晶を備えることができ、それぞれは、所望の偏光回転および位相補正が達成されるように選択された厚さプロファイルを有する。具体的には、補償器1308は、検出器120上で撮像されたときに、瞳面126にわたる光の強め合う干渉を促進し得る。この関連において、補償器1308は、Y平面の一方の半分の光路長を、他方の半分のそれよりおおよそπ異なるようにすることによって、本明細書で前に述べられた位相マスク402と同様に機能し得る。一実施形態において、補償器1308は、偏光回転子502を形成する光学活性材料と同様な屈折率を有する材料から形成される。例えば、偏光回転子502は、Z方向におけるそれの光軸に方向付けられた結晶水晶から形成されることができ、補償器1308は石英ガラスから形成され得る。
【0102】
図14Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、それぞれ266nmおよび213nmの波長を有する表面ヘイズの偏光を、図12の水平方向(例えば、X方向)に回転させるように設計された光学活性材料から形成された偏光回転子502の、図12の垂直方向(例えば、Y方向)に沿った厚さプロファイルのグラフ1402である。図13Aのように、図14Aでの厚さは、マイクロメートル[(μm)/Δn]の単位で示され、ゼロの厚さはmλ/Δnに従った基準厚さを表す。さらに、図14Aの厚さプロファイルは、図13Aの厚さプロファイルで見られるような急な厚さ遷移を含まない。
【0103】
図14Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、図14Aに基づく、伝搬方向(例えば、Z方向)に沿った厚さプロファイルを有し、異なる光線の光路長に対して、それらがおおよそ等しく(例えば、瞳面126にわたって等しく)なるように補正するための補償器1308を含む、偏光回転子502の断面図1404である。
【0104】
他の実施形態において、粒子検出システム100は、検出器120上の粒子画像の中心部分において強め合う干渉を促進することによって、散乱光によって生成される粒子の画像のPSFをさらに再構築するように、偏光回転子502および補償器1308(例えば、図13Bおよび14Bに示されるような)の両方の前に、位相マスク(例えば、図4に示される位相マスク402など)を含み得る。本明細書において、光学活性偏光回転子502のいくつかの設計は、補償器1308が必ずしも粒子散乱に対する所望のPSFをもたらさないように検出器120上で撮像されるとき、瞳面126にわたる光の強め合う干渉をもたらすように動作することがさらに企図される。
【0105】
図15は、本開示の1つ以上の実施形態による、粒子検出のための方法1500において行われるステップを示すフロー図である。出願者は、粒子検出システム100との関連において本明細書で前に述べられた実施形態および実現技術は、方法1500を拡張するものと解釈されるべきであることに注目する。しかし、さらに、方法1500は、粒子検出システム100のアーキテクチャに限定されないことが留意される。
【0106】
一実施形態において、方法1500は、既知の入射角での既知の偏光を有する照射ビームに応答して、試料の表面から散乱された光(例えば、表面ヘイズ)の第1の電界分布を受信するステップ1502を含む。他の実施形態において、方法1500は、照射ビームに応答して、試料の表面上の粒子から散乱された光の第2の電界分布を受信するステップ1504を含む。
【0107】
他の実施形態において、方法1500は、第1の電界分布を有する光の偏光を、選択された偏光角に回転させるように、撮像システムの瞳面における配置に適した偏光回転子を設計するステップ1506を含む。例えば、偏光回転子を通過する光の偏光回転角は、第1の電界分布を有する光の偏光を、選択された偏光角に回転させるように選択された空間分布に従って、瞳面にわたって変化されるように選択され得る。
【0108】
例えば、表面ヘイズが、撮像システムの瞳面内で、表面上の粒子によって散乱された光とは異なる電界分布を有し得る場合があり得る。具体的には、本明細書において、表面ヘイズと粒子散乱とは、斜めに入射するp偏光された光によって散乱されたとき、実質的に異なる電界分布を有することが認識される。
【0109】
本明細書において、ステップ1506で設計される偏光回転子は、多様な材料から形成され得ることが企図される。一実施形態において、偏光回転子は、瞳面のそれぞれの部分内の表面ヘイズを、第1の偏光角に回転させるように選択的に方向付けられた光軸を有する、瞳面にわたって分配された複数の半波長板から形成された区分化された半波長板を含む。他の実施形態において、偏光回転子は、空間的に変化する厚さプロファイルを有する水晶などの光学活性材料を含むが、それに限定されない。例えば、光学活性材料内の光の偏光回転は、光学活性材料の厚さに依存する。したがって、空間的に変化する厚さプロファイルを有する偏光回転子は、瞳面にわたって光に対して異なる偏光回転角をもたらす。
【0110】
他の実施形態において、方法1500は、瞳面内の偏光回転子と、選択された偏光角に沿って偏光された光を阻止するように整列された偏光子とを有する撮像システムを用いて、試料の暗視野像を生成するステップ1508を含み、暗視野像は、偏光子によって通過される光に基づく。例えば、偏光子によって通過された光は、選択された許容範囲内の試料の表面上の1つ以上の粒子によって散乱された光に対応し得る。
【0111】
本明細書で述べられる主題は、ときには他の構成要素内に含められた、またはそれに接続された異なる構成要素を示す。このような示されるアーキテクチャは単に例示的であること、および実際、同じ機能を達成する多くの他のアーキテクチャが実施され得ることが理解されるべきである。概念的な意味において、同じ機能を達成するための構成要素の任意の構成は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、本明細書で特定の機能を達成するように組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素に関わらず、所望の機能が達成されるように、互いに「関連付けられる」と見られ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するように互いに「接続された」または「結合された」と見られることができ、そのように関連付けられる能力を有する任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために互いに「結合可能」であると見られ得る。結合可能の特定の例は、物理的に相互に作用可能および/または物理的に相互に作用する構成要素、および/または無線で相互に作用可能および/または無線で相互に作用する構成要素、および/または論理的に相互に作用可能および/または論理的に相互に作用する構成要素を含むが、それらに限定されない。
【0112】
本開示およびその付随する利点の多くが上記の説明によって理解され、開示された主題から逸脱せずに、またはその重要な利点のすべてを犠牲にせずに、構成要素の形、構成、および配置において様々な変更がなされ得ることが明らかになると考えられる。述べられた形は、単に説明のためであり、以下の特許請求の範囲がこのような変更を包含し、含むことが意図される。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15