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特開2023-118970基板処理方法、該方法を用いる基板処理装置及び半導体素子製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023118970
(43)【公開日】2023-08-25
(54)【発明の名称】基板処理方法、該方法を用いる基板処理装置及び半導体素子製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/52 20060101AFI20230818BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20230818BHJP
【FI】
C23C16/52
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112331
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2021126830の分割
【原出願日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0107575
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク キョン
(72)【発明者】
【氏名】グォン ヒョンボム
(72)【発明者】
【氏名】イ デソン
(57)【要約】
【課題】薄膜の面抵抗を改善し、板処理コストを顕著に節減する。
【解決手段】 一実施形態によれば、チャンバ(10)と基板支持部と、ガス噴射部と、処理空間(S)のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含む基板処理装置を用いた基板処理方法は少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップ(S1)を含み、前記変圧ステップ(S1)は、処理空間(S)に工程ガスを注入して、チャンバ(10)の内圧を第1圧力( P)から常圧よりも高い第2圧力(P)まで増加させる加圧ステップ(S10)と、チャンバ(10)の内圧を第2圧力(P)から第3圧力(P)まで減少させる減圧ステップ(S30)と、を含み、減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量(M3)は、加圧ステップ(S10)の工程ガス供給流量(M1)よりも小さく、第3圧力(P)は、常圧であることを特徴とする。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブと、を含む排気部を含む基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、
前記変圧ステップは、
前記処理空間に工程ガスを注入して、前記チャンバの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記チャンバの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み
前記減圧ステップにおける工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの工程ガス供給流量よりも小さく、
前記第3圧力は、常圧であることを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含む基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、
前記変圧ステップは、
前記処理空間に工程ガスを注入して、前記チャンバの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記チャンバの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、
前記減圧ステップにおける工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの工程ガス供給流量よりも小さく、
前記第3圧力は、常圧よりも小さいことを特徴とする基板処理方法。
【請求項3】
前記減圧ステップは、
前記チャンバの内圧を前記第2圧力から常圧まで減少させる第1減圧ステップと、前記チャンバの内圧を常圧から常圧よりも低い前記第3圧力まで減少させる第2減圧ステップと、を含み、
前記第2減圧ステップは、真空ポンプを利用して前記チャンバ10の内圧が調節されることを特徴とする請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記減圧ステップは、
前記第1減圧ステップの内圧が常圧に達し、前記第2減圧ステップに転換される前、
前記チャンバの内圧を、予め設定された時間の間常圧に維持する常圧維持ステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記加圧ステップが前記第2圧力に達し、前記減圧ステップに転換される前、
前記チャンバの内圧を、予め設定された時間の間前記第2圧力に維持する圧力維持ステップを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記減圧ステップは、
前記処理空間への工程ガス供給を遮断し、排気して、前記チャンバの内圧を減少させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記圧力維持ステップにおける工程ガス供給流量は、
前記加圧ステップにおける工程ガス供給流量よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記基板に形成された薄膜は、Ti、TiN、W及びWNのいずれか一つからなることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記工程ガスは、H2、D2及びNH3のいずれか一つ又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記変圧ステップは、400℃以上800℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項11】
請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理方法を行うことを特徴とする基板処理装置であって、
前記変圧ステップを遂行できるように、前記処理空間の圧力を制御するガスユーティリティを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含み、前記チャンバは、内部に保護空間を形成し、下部に第1入口が形成されたアウターチューブと、内部に前記処理空間を形成し、下部に第2入口とが形成され、一部が前記アウターチューブに受容され、前記第2入口が形成された部分は、前記アウターチューブ外側に突出されたインナーチューブと、を含むことを特徴とする基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、
前記変圧ステップは、
前記処理空間に工程ガスを注入して、前記インナーチューブの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記インナーチューブの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、
前記減圧ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの前記インナーチューブへの工程ガス供給流量よりも小さく、
前記第3圧力は、常圧であることを特徴とする基板処理方法。
【請求項13】
基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含み、前記チャンバは、内部に第1内圧を有する保護空間を形成し、下部に第1入口が形成されたアウターチューブと、内部に内圧を有する前記処理空間を形成し、下部に第2入口が形成され、一部が前記アウターチューブに受容され、前記第2入口が形成された部分は、前記アウターチューブ外側に突出されたインナーチューブと、を含むことを特徴とする基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、
前記変圧ステップは、
前記処理空間に工程ガスを注入して、前記インナーチューブの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記インナーチューブの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、
前記減圧ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの前記インナーチューブへの工程ガス供給流量よりも小さく、
前記第3圧力は、常圧よりも小さいことを特徴とする基板処理方法。
【請求項14】
前記減圧ステップは、
前記インナーチューブの内圧を前記第2圧力から常圧まで減少させる第1減圧ステップと、前記インナーチューブ内圧を常圧から常圧よりも低い前記第3圧力まで減少させる第2減圧ステップと、を含み、
前記第2減圧ステップは、真空ポンプを利用して前記インナーチューブの内圧が調節されることを特徴とする請求項13に記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記減圧ステップは、
前記第1減圧ステップの内圧が常圧に達し、前記第2減圧ステップに転換される前、
前記インナーチューブの内圧を、常圧に予め設定された時間の間維持する常圧維持ステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記加圧ステップの内圧が前記第2圧力に達し、前記減圧ステップに転換される前、
前記インナーチューブの内圧を、予め設定された時間の間前記第2圧力に維持する圧力維持ステップを含むことを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記減圧ステップは、
前記処理空間への工程ガス供給を遮断し、排気して、前記インナーチューブの内圧を減少させることを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記圧力維持ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量は、
前記加圧ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記基板に形成された薄膜は、Ti、TiN、W及びWNのいずれか一つからなることを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記工程ガスは、H2、D2及びNH3のいずれか一つ又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記変圧ステップは、400℃以上800℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
【請求項22】
請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法を行うことを特徴とする基板処理装置であって、
前記アウターチューブの下部を支持し、前記保護空間と連結される第1内部空間を形成し、側壁周りにアウターガス供給口及びアウターガス排気口が形成されるアウターマニホールドと、
前記インナーチューブの下部を支持し、前記保護空間と連結される第2内部空間を形成し、側壁周りにインナーガス供給口及びインナーガス排気口が形成されるインナーマニホールドと、
前記変圧ステップを遂行できるように、前記処理空間及び保護空間の圧力をそれぞれ制御するガスユーティリティと、
を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項23】
表面に薄膜を形成する蒸着ステップと、前記蒸着ステップの後、薄膜特性を改善する基板処理ステップと、を含む半導体素子製造方法であって、
前記基板処理ステップは、1回以上行われており、請求項1~4及び請求項12~15のいずれか1項に記載の基板処理方法によって行われることを特徴とする半導体素子製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法に関し、より詳しくは、薄膜特性改善のための変圧工程において、減圧ステップの工程ガス流量を調節する基板処理方法と、その基板処理方法を用いる基板処理装置及び半導体製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、LCD基板、OLED基板などは、一つ以上の蒸着工程及びエッチング工程を含む半導体工程によって製造される。
【0003】
特に、半導体素子は、回路パターンなどの形成のために、基板表面に蒸着工程によって薄膜が形成され得る。これは、CVD、PVD、ALDなどの様々な半導体工程によって行われ得る。
【0004】
一方、蒸着工程を通じて基板に薄膜を形成した後、特許文献1のように、密閉されたチャンバ内部で加圧及び減圧を繰り返し、薄膜内の不純物除去及び薄膜特性を改善する基板処理工程を行われ得る。
【0005】
しかし、このような、基板処理工程において、チャンバの内圧を加圧するステップだけではなく、減圧するステップでもチャンバ内部へ持続的工程ガスの供給及び排気を行うことによって、排気される工程ガスを処理するスクラバの容量が大きくなり、また、工程ガス使用量も増加して、基板処理コストが上昇する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0006422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述したような問題点を解決するために、工程時、チャンバ内の加圧及び減圧を行う工程において、減圧ステップで供給される工程ガスの流量を減少させることによって、薄膜の面抵抗を改善し、スクラバ処理容量の負担及び工程ガス使用量を減少させることにより、基板処理コストを顕著に節減することができる基板処理方法及び半導体製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、前述のような問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の第1の側面は、基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブと、を含む排気部を含む基板処理装置を用いた基板処理方法であって、少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、前記変圧ステップは、前記処理空間に工程ガスを注入して、前記チャンバの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記チャンバの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、前記減圧ステップにおける工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの工程ガス供給流量よりも小さく、前記第3圧力は、常圧であることを特徴とする基板処理方法を開示する。
【0009】
また、本発明の第2の側面は、基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含む基板処理装置を用いた基板処理方法であって、少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、前記変圧ステップは、前記処理空間に工程ガスを注入して、前記チャンバの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記チャンバの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、前記減圧ステップにおける工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの工程ガス供給流量よりも小さく、前記第3圧力は、常圧よりも小さいことを特徴とする基板処理方法を開示する。
【0010】
前記減圧ステップは、前記チャンバの内圧を前記第2圧力から常圧まで減少させる第1減圧ステップと、前記チャンバの内圧を常圧から常圧よりも低い前記第3圧力まで減少させる第2減圧ステップと、を含み、前記第2減圧ステップは、真空ポンプを利用して前記チャンバ10の内圧が調節される。
【0011】
前記減圧ステップは、前記第1減圧ステップの内圧が常圧に達し、前記第2減圧ステップに転換される前、前記チャンバの内圧を、予め設定された時間の間常圧に維持する常圧維持ステップを含む。
【0012】
前記加圧ステップが前記第2圧力に達し、前記減圧ステップに転換される前、前記チャンバの内圧を、予め設定された時間の間前記第2圧力に維持する圧力維持ステップを含む。
【0013】
前記減圧ステップは、前記処理空間への工程ガス供給を遮断し、排気して、前記チャンバの内圧を減少させる。
【0014】
前記圧力維持ステップにおける工程ガス供給流量は、前記加圧ステップにおける工程ガス供給流量よりも小さい。
【0015】
前記基板に形成された薄膜は、Ti、TiN、W及びWNのいずれかからなっていてもよい。
【0016】
前記工程ガスは、H2、D2及びNH3のいずれか一つ又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
前記変圧ステップは、400℃以上800℃以下の温度で行われる。
【0018】
本発明の第3の側面による基板処理装置は、上述した基板処理方法を行うことを特徴とする基板処理装置であって、 前記変圧ステップを遂行できるように、前記処理空間の圧力を制御するガスユーティリティを含む。
【0019】
または、本発明の第4の側面は、基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含み、前記チャンバは、内部に保護空間を形成し、下部に第1入口が形成されたアウターチューブと、内部に前記処理空間を形成し、下部に第2入口とが形成され、一部が前記アウターチューブに受容され、前記第2入口が形成された部分は、前記アウターチューブ外側に突出されたインナーチューブと、を含むことを特徴とする基板処理装置を用いた基板処理方法であって、 少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、前記変圧ステップは、前記処理空間に工程ガスを注入して、前記インナーチューブの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記インナーチューブの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、前記減圧ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの前記インナーチューブへの工程ガス供給流量よりも小さく、前記第3圧力は、常圧であることを特徴とする基板処理方法を開示する。
【0020】
さらに、本発明の第5の側面は、基板処理のための処理空間を形成するチャンバと、前記チャンバに設けられ、基板を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間のガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部と、を含み、前記チャンバは、内部に第1内圧を有する保護空間を形成し、下部に第1入口が形成されたアウターチューブと、内部に内圧を有する前記処理空間を形成し、下部に第2入口が形成され、一部が前記アウターチューブに受容され、前記第2入口が形成された部分は、前記アウターチューブ外側に突出されたインナーチューブと、を含むことを特徴とする基板処理装置を用いた基板処理方法であって、少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップを含み、
前記変圧ステップは、前記処理空間に工程ガスを注入して、前記インナーチューブの内圧を第1圧力から常圧よりも高い第2圧力まで増加させる加圧ステップと、前記インナーチューブの内圧を前記第2圧力から第3圧力まで減少させる減圧ステップと、を含み、前記減圧ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量は、前記加圧ステップの前記インナーチューブへの工程ガス供給流量よりも小さく、前記第3圧力は、常圧よりも小さい基板処理方法を開示する。
【0021】
前記減圧ステップは、前記インナーチューブの内圧を前記第2圧力から常圧まで減少させる第1減圧ステップと、前記インナーチューブ内圧を常圧から常圧よりも低い前記第3圧力まで減少させる第2減圧ステップと、を含み、前記第2減圧ステップは、真空ポンプを利用して前記インナーチューブの内圧が調節される。
【0022】
前記減圧ステップは、前記第1減圧ステップの内圧が常圧に達し、前記第2減圧ステップに転換される前、前記インナーチューブの内圧を、常圧に予め設定された時間の間維持する常圧維持ステップを含む。
【0023】
本発明の上記側面による基板処理方法は、前記加圧ステップの内圧が前記第2圧力に達し、前記減圧ステップに転換される前、前記インナーチューブの第1内圧を予め設定された時間の間前記第2圧力に維持する圧力維持ステップを含む。
【0024】
前記減圧ステップは、前記処理空間への工程ガス供給を遮断し、排気して、前記インナーチューブの内圧を減少させる。
【0025】
前記圧力維持ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量は、
前記加圧ステップにおける前記インナーチューブへの工程ガス供給流量よりも小さい。
前記基板に形成された薄膜は、Ti、TiN、W及びWNのいずれかからなっていてもよい。
【0026】
前記工程ガスは、H2、D2及びNH3のいずれか一つ又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0027】
前記変圧ステップは、400℃以上800℃以下の温度で行われる。
【0028】
本発明の第6の側面による基板処理装置は、上述した基板処理方法を行うことを特徴とする基板処理装置であって、前記アウターチューブの下部を支持し、前記保護空間と連結される第1内部空間を形成し、側壁周りにアウターガス供給口及びアウターガス排気口が形成されるアウターマニホールドと、前記インナーチューブの下部を支持し、前記保護空間と連結される第2内部空間を形成し、側壁周りにインナーガス供給口及びインナーガス排気口が形成されるインナーマニホールドと、前記変圧ステップを遂行できるように、前記処理空間及び保護空間の圧力をそれぞれ制御するガスユーティリティと、を含む。
【0029】
本発明の第7の側面による半導体素子製造方法は、表面に薄膜を形成する蒸着ステップと、前記蒸着ステップの後、薄膜特性を改善する基板処理ステップと、を含み、前記基板処理ステップは、1回以上行われており、上述したいずれかの基板処理方法によって行われる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一側面による基板処理方法は、工程時、チャンバ内部の加圧及び減圧を行う工程において、減圧ステップで処理空間への工程ガス供給流量を減少させ、チャンバ内部の圧力を第2圧力よりも低い第3圧力まで圧力を減少させることによって、スクラバの処理容量と工程ガス使用量コストを顕著に節減することができる利点がある。
【0031】
また、本発明の他の一側面による基板処理方法は、工程時、チャンバ内部の加圧及び減圧を行う工程において、減圧ステップで処理空間への工程ガス供給を遮断し、処理空間の工程ガスを排気し、チャンバの内圧を第2圧力よりも低い第3圧力まで減少させることによって、スクラバの処理容量及び工程ガス使用量のコストをさらに節減することができる利点がある。
【0032】
さらに、本発明の他の一側面による基板処理方法は、減圧ステップで工程ガス供給を遮断させるか、少ない量を供給することで、チャンバ内部に残存するガスが全て排気されるので、基板に残存する不純物の移動に効果的な利点がある。
【0033】
また、本発明の他の一側面による基板処理方法は、減圧ステップで工程ガスの供給を遮断させるか、少ない量を供給することで、従来と比べてチャンバ内不純物を外部へより多く排出することができる利点がある。
【0034】
さらに、本発明の更に他の一側面による基板処理方法は、減圧ステップで工程ガスの供給を遮断させるか、少ない量を供給することで、薄膜内の不純物を外部へより多く排出することによって、薄膜内の面抵抗を減少させ、薄膜特性を改善できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】本発明による基板処理方法の遂行による工程遂行時間対比チャンバ内部の圧力の変化を示すグラフの一例である。
図1B図1Aによる基板処理方法の変形例であり、工程遂行時間対比チャンバ内部の圧力の変化を示すグラフの一例である。
図1C図1Aによる基板処理方法の変形例であり、工程遂行時間対比チャンバ内部の圧力の変化を示すグラフの一例である。
図2A】枚葉式チャンバ構造において、従来の基板処理方法によって、減圧ステップで工程ガスを持続して供給することで、膜内不純物が除去される様相を示す概念図の一例である。
図2B】本発明による基板処理方法によって、減圧ステップで工程ガス供給を遮断することで、膜内不純物が除去される様相を示す概念図の一例である。
図3A】バッチ式二重管チャンバ構造において、従来の基板処理方法によって、減圧ステップで工程ガスを持続して供給することで、膜内不純物が除去される様相を示す概念図の一例である。
図3B】バッチ式二重管チャンバ構造において、本発明による基板処理方法によって、減圧ステップで工程ガス供給を遮断することで、膜内不純物が除去される様相を示す概念図の一例である。
図4】本発明による基板処理方法によって形成された薄膜の面抵抗減少効果を示す表の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明による基板処理方法について添付図面を参照して説明する。 本発明による基板処理方法は、基板処理のための処理空間Sを形成するチャンバ10と、前記チャンバ10に設けられ、基板1を支持する基板支持部と、前記基板支持部の上部に設けられ、工程遂行のためのガスを噴射するガス噴射部と、前記処理空間Sのガスを排気し、圧力を制御するためのバルブを含む排気部を含む基板処理装置を用いた基板処理方法であって、少なくとも1回以上繰り返される変圧ステップ(S1)を含み、前記変圧ステップ(S1)は、前記処理空間Sに工程ガスを注入して、前記チャンバ10の内圧を第1圧力 Pから常圧よりも高い第2圧力Pまで増加させる加圧ステップ(S10)と、前記チャンバ10の内圧を前記第2圧力Pから第3圧力Pまで減少させる減圧ステップ(S30)とを含む。
【0037】
ここで、基板1は、半導体工程を通じて製造されるLCD基板、OLED基板などの素子をなす基板であり、薄膜蒸着工程及び薄膜特性を改善するための基板処理工程がさらに行われる基板であればいずれの基板であってもよい。
【0038】
特に、前記基板1は、蒸着工程によって薄膜が表面に形成された後、薄膜特性の改善を要する基板であればいずれの基板であってもよい。
【0039】
また、前記基板1に形成された薄膜の種類は様々であり、例えば、金属を含む薄膜の場合、Ti、TiN、W、WN及びRuなどを含むことができる。
【0040】
ここで、前記薄膜は、PVD、CVD、PECVD、ALDなどの様々な蒸着工程を通して行われてもよく、好ましくは、ALD工程を利用して行われてもよい。
【0041】
一方、前記処理空間Sに供給される工程ガスの種類は限定されておらず、基板及び基板表面に形成された薄膜の物性に応じる圧力変換によって薄膜特性を改善することができる工程ガスであればいずれの工程ガスであってもよい。
【0042】
例えば、前記基板及びその表面に形成された薄膜に、本発明による基板処理方法によって除去される不純物を含み、本発明による基板処理方法によって不純物を除去することができる工程ガスを供給することが好ましい。
【0043】
例えば、前記処理空間Sに供給される工程ガスは、様々な種類のガスが使用され得る。 例えば、工程ガスの場合、H2、D2及びNH3を含んでもよく、水素を含むガスであればいずれのガスであってもよい。
【0044】
ここで、前記金属を含む薄膜は、Ti、TiN、W、WN、Ruなど様々な金属を含む薄膜であってもよい。
【0045】
また、前記予め設定された温度は、薄膜特性改善条件、薄膜及び工程ガスの種類に応じ多様に変更され得る。
【0046】
例えば、ALD方式で蒸着されるTiN薄膜の場合、工程温度は400℃以上800℃以下に設定されてもよく、好ましくは550℃に設定されてもよい。
【0047】
一方、本発明による基板処理方法は、前述の工程条件によって行われ得る。これを行うための基板処理装置は、密閉された処理空間Sを形成するチャンバ10で構成される。
【0048】
前記チャンバ10は、枚葉式構造又はバッチ式構造など様々な構造を有してもよい。バッチ式構造の場合、単管又は二重管など様々な構造を有してもよい。
【0049】
例えば、前記チャンバ10は、図2A図2Bに示されるように枚葉式構造であってもよいが、変圧工程を行う基板処理方法の一実施形態では図3A図3Bに示されるようにバッチ式二重管構造を有することが好ましい。
【0050】
具体的に、図3A図3Bに示されるように、バッチ式二重管構造を有するチャンバ10は、内部に保護空間を形成し、下部に第1入口が形成されたアウターチューブ11と、内部に処理空間Sを形成し、下部に第2入口が形成され、一部が前記アウターチューブ11に受容され、前記第2入口が形成された部分は、前記アウターチューブ11外側に突出されたインナーチューブ12とを含む。
【0051】
ここで、前記アウターチューブ11は、インナーチューブ12を外部環境に直接露出しないようにすることで、外部環境によるインナーチューブ12の損傷を防止することができ、インナーチューブ12が不特定の理由から損傷されても、インナーチューブ12による損傷範囲がアウターチューブ11の内部に制限されることで、基板処理装置の信頼性を確保することができる利点がある。
【0052】
特に、インナーチューブ12及びアウターチューブ11で構成されるチャンバ10は、後記する工程条件、例えば、常圧よりも大きい圧力及び常圧よりも小さい真空圧などの圧力変化を伴うインナーチューブ12に対応して、アウターチューブ11の内圧を変化させることで、本発明による基板処理方法をより安定的に行うことができる。
【0053】
例えば、変圧ステップ(S1)を行うとき、インナーチューブ12内部の圧力が常圧よりも低い場合、前記アウターチューブ11の内部の圧力は常圧よりも低く、処理空間Sの圧力よりも高く制御するか、常圧に一定に維持することができる。
【0054】
また、インナーチューブ12の内部の圧力が常圧よりも高い場合、前記アウターチューブ11の内部の圧力は、前記インナーチューブ12の内部の圧力よりも高く制御することができる。
【0055】
一方、前記基板処理装置は、前記変圧ステップ(S1)を遂行できるように、前記処理空間Sの圧力を制御するガスユーティリティを含む。
【0056】
即ち、前記ガスユーティリティは、ガス供給部及びガス排気部を制御し、ガス供給量及びガス排気量を調節することによって、前記変圧ステップ(S1)を行う。
【0057】
このとき、前記チャンバ10が、インナーチューブ12及びアウターチューブ11で構成される場合、前記ガスユーティリティは、前記処理空間S及び保護空間の圧力をそれぞれ制御することができる。
【0058】
一方、前記チャンバ10の外部には、ヒータ(未図示)がさらに設けられていてもよい。
【0059】
以下、本発明による変圧工程は、単管構造でチャンバ10の内圧を調節し、二重管構造ではインナーチューブ12の内圧を調節して行われる。以下では、チャンバ10を例えて説明するが、二重管構造でインナーチューブ12内圧を調節する意味を含んでいる。
【0060】
本発明による基板処理方法は、加圧ステップ(S10)及び減圧ステップ(S20)を含む変圧ステップ(S1)を含み、前記変圧ステップ(S1)は、少なくとも1回以上繰り返される。
【0061】
ここで、前記加圧ステップ(S10)は、図1A及び図1Cに示されるように、工程ガスを注入して、チャンバ10の内圧を第1圧力 Pから第2圧力Pまで増加させるステップであり、様々な時間及び圧力で行われ得る。
【0062】
具体的に、前記加圧ステップ(S10)は、工程ガス供給及び排気バルブ調節を通じて処理空間S内部の圧力を第1圧力 Pから第2圧力Pで上昇させ、後記する減圧ステップ(S30)の遂行のために圧力を上昇させるステップである。
【0063】
ここで、前記加圧ステップ(S10)は、処理空間Sへの工程ガス供給及び排気の制御を通じて行われる。
【0064】
即ち、前記加圧ステップ(S10)は、処理空間Sの圧力を上昇、即ち、工程ガスの滞留量を増加させる方向に工程ガスの供給及び排気が制御されることで行われ得る。
【0065】
例えば、前記加圧ステップ(S10)は、排気を遮断した状態で工程ガス供給流量M1を一定に維持するか、 第2圧力Pに達しながら時間に応じて工程ガス供給流量M1を減少させることもできる。
【0066】
また、前記加圧ステップ(S10)における工程ガス供給流量M1の変化は、時間に応じて連続的であるか、段階的変化、即ち不連続的になっていてもよい。
【0067】
前記第1圧力 Pは、本発明による基板処理方法を行うときの初期圧力であり、様々に設定でき、第2圧力Pよりも低い圧に設定される。
【0068】
前記減圧ステップ(S30)は、図1A図1Cに示されるように、チャンバ10の内圧を前記第2圧力Pから第3圧力Pまで減少させるステップであり、様々な時間及び圧力で行われ得る。
【0069】
具体的に、前記減圧ステップ(S30)は、工程ガス供給及び排気バルブ調節を通じて処理空間S内部の圧力を第2圧力Pから第3圧力Pまで圧力を減少させるステップである。
【0070】
ここで、前記減圧ステップ(S30)は、処理空間Sへの工程ガス供給及び排気の制御を通じて行われ得る。
【0071】
即ち、前記減圧ステップ(S30)は、処理空間Sの圧力を減少、つまり、工程ガスの滞留量を減少させる方向に工程ガスの供給及び排気が制御されることで行われる。
【0072】
例えば、前記減圧ステップ(S30)は、工程ガス供給流量M3を一定に維持しながら工程ガス排気量を工程ガス供給流量M3よりも大きくするか、工程ガス供給を遮断した状態で工程ガス排気量を一定に維持することで、処理空間Sの圧力を減少させることができる。
【0073】
また、前記減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量M3の変化は、時間に応じて連続的であるか、段階的変化、すなわち不連続的になっていてもよい。
【0074】
一方、前記減圧ステップ(S30)で、前記第3圧力Pは、常圧と同じ圧力であってもよく、常圧よりも低い圧であってもよい。
【0075】
前記第3圧力Pが常圧と同じ圧力のとき、前記減圧ステップ(S30)は、自然排気(有害工程ガスの場合、スクラバ結合)等によって圧力を降下させることができる。
【0076】
前記第3圧力Pが常圧より低圧である場合、前記減圧ステップ(S30)は、真空ポンプ(有害工程ガスの場合、スクラバ結合)を利用して前記チャンバ10の内圧を調節することができる。
【0077】
即ち、前記減圧ステップ(S30)は、前記チャンバ10の内圧を前記第2圧力Pから常圧まで減少させる第1減圧ステップ(S31)と、前記チャンバ10の内圧を常圧から常圧よりも低い前記第3圧力Pまで減少させる第2減圧ステップ(S33)とを含み、前記第2減圧ステップ(S33)で、真空ポンプ(有害工程ガスの場合、スクラバ結合)を利用して前記チャンバ10の内圧を調節することができる。
【0078】
一方、前記減圧ステップ(S30)は、図1Cに示されるように、第1減圧ステップ(S31)と前記第2減圧ステップ(S33)と間で、前記チャンバ10の内圧を予め設定された時間の間常圧に維持する常圧維持ステップ(S32)を含む。
【0079】
前記常圧維持ステップ(S32)は、常圧よりも高い内圧を有する第1減圧ステップ(S31)が常圧よりも低い内圧を有する第2減圧ステップ(S33)に転換される前、予め設定された時間の間常圧に維持するステップであり、H2等の工程ガスの排気において高濃度の工程ガスが一度に排出されることで発生する爆発又は発火などの危険を最小化することができる。
【0080】
一方、前記変圧ステップ(S1)で、前記加圧ステップ(S10)から前記減圧ステップ(S30)に転換される前、予め設定された時間の間第2圧力Pに維持する圧力維持ステップ(S20)を含む。
【0081】
前記圧力維持ステップ(S20)は、図1B及び図1Cに示されるように、チャンバ10の内圧を予め設定された時間の間第2圧力Pに 維持するステップであり、様々な時間及び圧力で行われ得る。
【0082】
具体的に、前記圧力維持ステップ(S20)は、工程ガス供給及び排気バルブ調節を通じて処理空間S内部の圧力を第2圧力Pに維持するステップである。
【0083】
ここで、前記圧力維持ステップ(S20)は、処理空間Sへの工程ガス供給及び排気の制御を通じて行われ得る。
【0084】
即ち、前記圧力維持ステップ(S20)は、処理空間Sの圧力を維持、つまり、工程ガスの滞留量を一定に維持させる方向に工程ガスの供給及び排気が制御されることで行われ得る。
【0085】
また、前記圧力維持ステップ(S20)は、第2圧力Pに維持するために、工程ガスの供給及び排気が制御され、工程ガス供給流量M2を一定(理想的には供給及び排気の割合で制御)にしながら行われるか、時間に応じて工程ガス供給流量M2を微細に変化させることができる。
【0086】
一例として、前記圧力維持ステップ(S20)における工程ガス供給流量M2は、加圧ステップ(S10)への工程ガス供給流量M1と同様であってもよいが、加圧ステップ(S10)における工程ガス供給流量M1よりも小さくし、スクラバ処理容量と、工程ガス使用に伴うコストの節減に役立つことが好ましい。
【0087】
また、前記圧力維持ステップ(S20)における工程ガス供給流量M2の変化は、時間に応じて連続的であるか、段階的変化、すなわち不連続的になっていてもよい。
【0088】
一方、前記圧力維持ステップ(S20)で、前記第2圧力Pは、薄膜特性改善条件に応じてさまざまに設定され、常圧よりも大きい場合が好ましい。
【0089】
例えば、前記第2圧力Pは、1atm以上30atm以下で設定されてもよく、TiN薄膜の処理時、2atmであってもよい。
【0090】
また、前記圧力維持ステップ(S2)の遂行時間は、薄膜特性改善条件に応じて設定されてもよい。
【0091】
一方、前記減圧ステップ(S30)で、チャンバ10の内部の圧力を第2圧力Pよりも低い第3圧力Pまで圧力を減少させるために、処理空間Sにおける工程ガス供給流量M3を減少させることができ、好ましくは、工程ガス供給を遮断することができる。
【0092】
具体的に、前記減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量M3は、加圧ステップ(S10)及び圧力維持ステップ(S20)における工程ガス供給流量M1、M2のうち、少なくともいずれか一つよりも小さくてもよい。
【0093】
より具体的に、前記減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量M3は、加圧ステップ(S10)における工程ガス供給流量M1の30%以下であってもよい。
【0094】
このとき、より好ましくは、減圧ステップ(S30)で、工程ガス供給を遮断し、前記減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量M1が0Lになるようにして、工程を行うことができる。
【0095】
このように減圧ステップ(S30)で、工程ガス供給流量M3を減少させるにつれて、ガス使用量及び処理ガススクラバの容量を減少させ、基板処理コストを節減することができる利点がある。
【0096】
一方、前記変圧ステップ(S1)を行うことによって、薄膜内の不純物を排出するか、組成や粒径など膜の特性を改善することができる。
【0097】
具体的に、前記加圧ステップ(S10)及び圧力維持ステップ(S20)では加圧と同時に、薄膜内の不純物を除去するための反応性工程ガスを供給することによって、高いアスペクト比(high aspect ratio)を有する薄膜の内部にも深く浸透することができる。
【0098】
これにより、常圧で反応性工程ガスを供給する場合よりも、薄膜内部の不純物と多く結合することができる。
【0099】
前記減圧ステップ(S30)では、加圧ステップ(S10)及び圧力維持ステップ(S20)で薄膜内の不純物と結合した供給工程ガス原子を薄膜外部に排出(Out diffusion)する過程が行われ得る。
【0100】
具体的に、前記減圧ステップ(S30)で、処理空間S内のガスを外部に排出するにつれて、薄膜内の不純物と結合した供給工程ガス原子を外部に排出することができる。
【0101】
ただ、従来では、図2A及び図3Aに示されるように、減圧ステップ(S30)でもガスが供給されたので、減圧ステップ(S30)でガス排出時、処理空間S内に残存するガスが完全に排気されず、薄膜内の不純物△が効果的に排出できない問題があった。
【0102】
これに対し、本発明は、前記減圧ステップ(S30)で工程ガス供給流量M3を従来よりも減少させ、処理空間S内にガスが最大限完全に排気されるようにした。
【0103】
即ち、本発明は、前記減圧ステップ(S30)で、前記処理空間Sへの工程ガス供給を遮断し、排気するか、前記減圧ステップ(S30)における前記ガス供給流量M3を、加圧ステップ(S10)又は前記圧力維持ステップ(S20)で供給されるガス供給流量M1、M2よりも少ない量を供給する。
【0104】
一例として、図2B及び図3Bに示されるように、減圧ステップ(S30)で工程ガス供給を遮断させ、チャンバ10内部に残存するガスが完全に排気できるようにすることによって、薄膜内の不純物△が効果的に排出されるようにした。
【0105】
前記のような減圧ステップ(S30)におけるガス供給流量M3の制御を通じて、薄膜内の不純物△の量が減少することによって、薄膜の面抵抗が減少しており、これにより、薄膜特性が改善されることを確認することができた。
【0106】
一方、これと関連した定量的な効果は、図4に示されるように、実験を通じて確認された。
【0107】
図4に示された前記実験の実施例は、TiN薄膜にH2工程ガスを利用して薄膜内の不純物を排出する工程であり、600℃の温度で1atm以上2atm以下の変圧工程で行われた。
【0108】
このとき、前記加圧ステップ(S10)及び前記圧力維持ステップ(S20)の工程ガス供給流量M1、M2は40Lに固定されており、前記減圧ステップ(S30)で、工程ガス供給流量M3のみが変更された。
【0109】
具体的に、実施例1は、前記減圧ステップ(S30)で工程ガス供給流量M3を20Lに設定しており、この場合、面抵抗は101.7Ω/sqより89.94Ω/sqに減少することによって、前記減圧ステップ(S30)の後、約12%減少した。
【0110】
実施例2は、前記減圧ステップ(S30)で工程ガス供給流量M3を10Lに設定しており、この場合、面抵抗は101.34Ω/sqより88.24Ω/sqに減少することによって、前記減圧ステップ(S30)の後、約13%減少した。
【0111】
実施例3は、前記減圧ステップ(S30)で工程ガス供給を遮断し、工程ガス供給流量M3を0Lに設定しており、この場合、面抵抗は102.05Ω/sqより87.09Ω/sqに減少することによって、前記減圧ステップ(S30)の後、約15%減少した。
【0112】
これにより、前記減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量M3をそれぞれ20L、10L及び0Lへと変更するにつれて、前記減圧ステップ(S30)の後の薄膜の面抵抗が12%、13%及び15%減少する傾向を考慮するとき、前記減圧ステップ(S30)における工程ガス供給流量M3が小さいほど薄膜内の不純物が多く除去され、これを通じて、面抵抗が改善されることを定量的に確認することができた。
【0113】
一方、表面に薄膜を形成する蒸着ステップと、前記蒸着ステップの後に、薄膜特性を改善する基板処理ステップと、を含む半導体製造方法であって、前記基板処理ステップは、1回以上行われており、前記記載したような基板処理方法によって行うことができる。
【0114】
以上は、本発明によって具現され得る好ましい実施例の一部についての説明に過ぎないので、周知のように本発明の範囲は、前記実施例に限定され解釈されるものではない。前述された本発明の技術的思想とその根本を共にする技術的思想は、すべて本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
1 基板
10 チャンバ
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4