(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119443
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9032 20190101AFI20230821BHJP
G16H 50/80 20180101ALI20230821BHJP
【FI】
G06F16/9032
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022355
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】大村 洋平
【テーマコード(参考)】
5B175
5L099
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5L099AA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザに負担をかけることなく濃厚接触者を特定する情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、座席予約システムは、座席の予約処理を受け付ける受付部及びユーザのユーザ識別情報と、予約座席と、予約開始時間と、予約終了時間と、を対応付けて座席予約情報に記録する予約情報記録部を備える。座席表管理システムは、所定座席と、濃厚接触判定座席と、を対応付けて濃厚接触判定範囲情報に記録する濃厚接触座席記録部、を備える。濃厚接触者検索システムは、座席予約情報を取得する第1取得部と、濃厚接触判定範囲情報を取得する第2取得部と、感染が発覚したユーザのユーザ識別情報を含む感染発覚申請データと、第1取得部が取得した座席予約情報と、第2取得部が取得した濃厚接触判定範囲情報と、に基づいて、座席を利用したユーザの中から、濃厚接触者を検索する検索部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座席予約システムと、座席表管理システムと、濃厚接触者検索システムと、を有する情報処理システムであって、
前記座席予約システムは、
ネットワークを経由して、座席の予約処理を受け付ける受付部と、
座席の予約処理を行ったユーザのユーザ識別情報と、予約処理を受け付けた予約座席と、予約開始時間と、予約終了時間と、を対応付けて座席予約情報に記録する予約情報記録部と、を備え、
前記座席表管理システムは、
所定座席と、当該所定座席に対して濃厚接触判定範囲内に位置する濃厚接触判定座席と、を対応付けて濃厚接触判定範囲情報に記録する濃厚接触座席記録部、を備え、
前記濃厚接触者検索システムは、
前記座席予約情報を取得する第1取得部と、
前記濃厚接触判定範囲情報を取得する第2取得部と、
感染が発覚したユーザの前記ユーザ識別情報を含む感染発覚申請データと、前記第1取得部により取得した前記座席予約情報と、前記第2取得部により取得した前記濃厚接触判定範囲情報と、に基づいて、座席を利用したユーザの中から、濃厚接触者を検索する検索部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記濃厚接触者検索システムは、さらに、
前記濃厚接触者の通知先情報を取得する通知先情報取得部と、
前記通知先情報に従って、前記濃厚接触者に対して通知を行う通知部と、
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報処理システムは、
ユーザの通信端末をさらに有し、
前記通信端末は、前記感染発覚申請データを前記濃厚接触者検索システムに対して送信する送信部、を備える請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
ネットワークを経由して、座席の予約処理を受け付ける工程と、
座席の予約処理を行ったユーザのユーザ識別情報と、予約処理を受け付けた予約座席と、予約開始時間と、予約終了時間と、を対応付けて座席予約情報に記録する工程と、
所定座席と、当該所定座席に対して濃厚接触判定範囲内に位置する濃厚接触判定座席と、を対応付けて濃厚接触判定範囲情報に記録する工程と、
前記座席予約情報を取得する工程と、
前記濃厚接触判定範囲情報を取得する工程と、
感染が発覚したユーザの前記ユーザ識別情報を含む感染発覚申請データと、取得した前記座席予約情報と、取得した前記濃厚接触判定範囲情報と、に基づいて、座席を利用したユーザの中から、濃厚接触者を検索する工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータを、
ネットワークを経由して、座席の予約処理を受け付ける受付部と、
座席の予約処理を行ったユーザのユーザ識別情報と、予約処理を受け付けた予約座席と、予約開始時間と、予約終了時間と、を対応付けて座席予約情報に記録する予約情報記録部と、
所定座席と、当該所定座席に対して濃厚接触判定範囲内に位置する濃厚接触判定座席と、を対応付けて濃厚接触判定範囲情報に記録する濃厚接触座席記録部、
前記座席予約情報を取得する第1取得部と、
前記濃厚接触判定範囲情報を取得する第2取得部と、
感染が発覚したユーザの前記ユーザ識別情報を含む感染発覚申請データと、前記第1取得部により取得した前記座席予約情報と、前記第2取得部により取得した前記濃厚接触判定範囲情報と、に基づいて、座席を利用したユーザの中から、濃厚接触者を検索する検索部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが感染症にかかっていることが判明した場合、そのユーザの携帯端末による探索結果の履歴に基づいて、近くにいたことがあるユーザ、すなわち、同じ感染症に感染している可能性のあるユーザ(濃厚接触者)を特定し、感染している可能性のあることを濃厚接触者に通知する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、感染症にかかったユーザとの接近を検知するために、ユーザが所有する端末の電源およびシステムを起動した状態にした上で、常に端末を携帯して移動しなければならないため、ユーザがそれらを怠った場合には正しく濃厚接触者を特定することが難しい。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに負担をかけることなく濃厚接触者を特定することができる情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、座席予約システムと、座席表管理システムと、濃厚接触者検索システムと、を有する情報処理システムであって、前記座席予約システムは、ネットワークを経由して、座席の予約処理を受け付ける受付部と、座席の予約処理を行ったユーザのユーザ識別情報と、予約処理を受け付けた予約座席と、予約開始時間と、予約終了時間と、を対応付けて座席予約情報に記録する予約情報記録部と、を備え、前記座席表管理システムは、所定座席と、当該所定座席に対して濃厚接触判定範囲内に位置する濃厚接触判定座席と、を対応付けて濃厚接触判定範囲情報に記録する濃厚接触座席記録部、を備え、前記濃厚接触者検索システムは、前記座席予約情報を取得する第1取得部と、前記濃厚接触判定範囲情報を取得する第2取得部と、感染が発覚したユーザの前記ユーザ識別情報を含む感染発覚申請データと、前記第1取得部により取得した前記座席予約情報と、前記第2取得部により取得した前記濃厚接触判定範囲情報と、に基づいて、座席を利用したユーザの中から、濃厚接触者を検索する検索部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザに負担をかけることなく濃厚接触者を特定することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態にかかる通信端末、座席予約システム、座席表管理システム、および濃厚接触者検索システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態にかかる座席表管理システムにおける濃厚接触判定座席の指定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施の形態にかかる座席表管理システムにおける濃厚接触判定座席の指定処理の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態にかかる濃厚接触者検索システムによる濃厚接触者の検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける座席の予約処理の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける座席の予約処理の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける座席表の登録処理の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける座席表の登録処理の一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける濃厚接触者の通知処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、通信端末1、座席予約システム2、座席表管理システム3、濃厚接触者検索システム4、座席予約情報記憶部5、および座席表情報記憶部6を有する。通信端末1、座席予約システム2、座席表管理システム3、濃厚接触者検索システム4、座席予約情報記憶部5、および座席表情報記憶部6は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
通信端末1は、スマートフォン等、ユーザが利用する端末である。座席予約システム2は、ユーザの座席の予約処理を受け付け、受け付けた座席の予約に関する座席予約情報を記録するシステムである。ユーザは、通信端末1を用いて座席予約システム2にアクセスし、座席の予約処理を行う。
【0011】
座席表管理システム3は、基準座席(所定座席の一例)と、その基準座席の濃厚接触判定範囲内に位置する濃厚接触判定座席と、を記録するシステムである。ユーザは、情報処理システム(濃厚接触判定システム)を用いる前に、座席表管理システム3を用いて座席(基準座席)毎に、濃厚接触判定範囲に含まれる濃厚接触判定座席を指定し、それを座席表管理システム3に記録しておく。
【0012】
濃厚接触者検索システム4は、感染症に感染したユーザの濃厚接触者を検索するシステムである。ユーザが感染症に感染した際、ユーザが通信端末1から濃厚接触者検索システム4に対して、感染が発覚したことが申請されると、濃厚接触者検索システム4は、濃厚接触判定座席に基づいて、濃厚接触者を検索する。
【0013】
図2は、本実施の形態にかかる通信端末、座席予約システム、座席表管理システム、および濃厚接触者検索システムのハードウェア構成の一例を示す図である。ここでは、座席予約システム2の一例であるサーバのハードウェア構成について説明するが、通信端末1、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4も同様のハードウェア構成を有するものとする。
【0014】
図2に示されているように、座席予約システム2は、コンピュータによって構築されており、
図2に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0015】
これらのうち、CPU501は、座席予約システム2全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0016】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0017】
図3は、本実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかる通信端末1は、CPU501が、RAM503を作業領域として、ROM502に記憶されるプログラムを実行することによって、送信部101を実現する。
【0018】
送信部101は、感染発覚申請データを濃厚接触者検索システム4に送信する。ここで、感染発覚申請データは、感染が発覚したユーザを識別するユーザ識別情報を含むデータである。
【0019】
座席予約システム2は、CPU501が、RAM503を作業領域として、ROM502に記憶されるプログラムを実行することによって、受付部201、および予約情報記録部202を実現する。
【0020】
受付部201は、ネットワークを経由して、通信端末1等から、座席の予約処理を受け付ける。予約情報記録部202は、下記の表1に示すように、ユーザ識別情報と、予約処理を受け付けた座席(予約座席)と、予約日時情報(座席の予約開始時間および予約終了時間を含む)と、を対応付けて座席予約情報に記録する。座席予約情報は、座席予約情報記憶部5に記憶されている。
【表1】
【0021】
ここで、ユーザ識別情報は、座席の予約処理を受け付けたユーザを識別する識別情報(例えば、ユーザID)である。また、ここで、予約座席は、当該予約座席の位置情報(例えば、13F、座席A01)を含む。また、予約日時情報は、利用者の予約日時(例えば、予約開始時間:2021/07/26 9時、予約終了時間:2021/07/26 18時)である。
【0022】
座席表管理システム3は、CPU501が、RAM503を作業領域として、ROM502に記憶されるプログラムを実行することによって、濃厚接触座席記録部301を実現する。
【0023】
濃厚接触座席記録部301は、下記の表2に示すように、基準座席と、濃厚接触判定座席と、を対応付けて座席表情報(濃厚接触判定範囲情報の一例)に記録する。座席表情報は、座席表情報記憶部6に記憶されている。
【表2】
【0024】
濃厚接触者検索システム4は、CPU501が、RAM503を作業領域として、ROM502に記憶されるプログラムを実行することによって、第1取得部401、第2取得部402、検索部403、通知先情報取得部404、および通知部405を実現する。
【0025】
第1取得部401は、座席予約情報を取得する。第2取得部402は、座席表情報を取得する。検索部403は、通信端末1から感染発覚申請データを受信する。また、検索部403は、感染発覚申請データ、第1取得部401により取得した座席予約情報と、第2取得部402により取得した座席表情報と、に基づいて、座席を利用したユーザの中から、濃厚接触者を検索する。
【0026】
これにより、ユーザによる座席の予約時に、いつ、どこの座席で着席していたかを座席予約システム2を通して記録し、座席が配置されている空間的な情報を管理者が登録することで、感染が発覚したユーザに対して時間的および空間的に近いところに存在しているユーザを濃厚接触者として特定することができる。その結果、ユーザに負担をかけることなく濃厚接触者を特定することができる。
【0027】
通知先情報取得部404は、濃厚接触者の通知先情報を取得する。本実施の形態では、濃厚接触者検索システム4は、下記の表3に示すように、ユーザ識別情報の一例であるユーザIDと、通知先情報の一例である通知先メールアドレスと、を対応付けるユーザ情報を記憶している。
【表3】
【0028】
そして、通知先情報取得部404は、ユーザ情報において、濃厚接触者のユーザIDと対応付けられる通知先メールアドレスを取得する。そして、通知部405は、通知先情報に従って、濃厚接触者に対して通知を行う。本実施の形態では、通知部405は、通知先メールアドレスに従って、濃厚接触者の通信端末1に対して、濃厚接触者に判定されたことを通知するメールを送信する。
【0029】
図4は、本実施の形態にかかる座席表管理システムにおける濃厚接触判定座席の指定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5は、本実施の形態にかかる座席表管理システムにおける濃厚接触判定座席の指定処理の一例を説明するための図である。例えば、濃厚接触座席記録部301は、基準座席(例えば、座席A01)が選択されると(ステップS401)、当該基準座席を基準として、予め設定される濃厚接触判定範囲内に位置する他の座席である濃厚接触判定座席(例えば、座席A02、座席B01)を指定する(ステップS402)。そして、濃厚接触座席記録部301は、ステップS401およびステップS402に示す処理を、全ての座席について繰り返す(ステップS403)。
【0030】
図6は、本実施の形態にかかる濃厚接触者検索システムによる濃厚接触者の検索処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、検索部403は、申請者(感染者)の通信端末1から、感染の発覚の申請でありかつユーザIDを含む感染発覚申請データを受信する(ステップS601)。次に、検索部403は、第1取得部401により取得した座席予約情報を用いて、感染発覚申請データが含むユーザIDと対応付けられる予約座席を、申請者が着席した着席場所Pとして取得する(ステップS602)。
【0031】
次に、検索部403は、座席予約情報を用いて、感染発覚申請データが含むユーザIDと対応付けられる予約日時(予約開始時間から予約終了時間まで)の時間を、申請者が着席した着席時間帯Tとして取得する(ステップS603)。次いで、検索部403は、着席場所Pおよび第2取得部402により取得した座席表情報を用いて、着席場所Pを基準として、濃厚接触判定範囲内にある濃厚接触判定座席のリストSを取得する(ステップS604)。さらに、検索部403は、着席場所Pおよび座席表情報を用いて、着席時間帯Tにおいて、リストSに含まれる濃厚接触判定座席を利用したユーザのリストUを取得する(ステップS605)。
【0032】
そして、検索部403は、取得したリストUに含まれるユーザを、濃厚接触者リストに追加する(ステップS606)。その後、通知部405は、濃厚接触者リストに含まれるユーザの通信端末1に対して、濃厚接触者になったことを通知する(ステップS607)。本実施の形態では、通知先情報取得部404は、表3に示すユーザ情報において、濃厚接触者リストに含まれるユーザIDと対応付けられる通知先メールアドレスを取得する。そして、通知部405は、取得した通知先メールアドレスの通信端末1に対して、濃厚接触者になったことを通知する。
【0033】
図7および
図8は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける座席の予約処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、ユーザは、通信端末1を介して、座席予約システム2に対してログインする。座席予約システム2の受付部201は、ログインしたユーザの通信端末1に対して、
図7に示すように、予約する座席を選択可能な座席選択画面G1を表示させる。座席選択画面G1において予約座席が選択されると、受付部201は、
図8に示すように、通信端末1に対して、座席を予約する時間帯を選択可能な時間選択画面G2を表示する。そして、予約情報記録部202は、ユーザ識別情報に対応付けて、選択された予約座席、および選択された時間帯の予約日時情報を座席予約情報に記録する。
【0034】
図9および
図10は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける座席表の登録処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、監理者は、通信端末1を介して、座席表管理システム3にログインする。座席表管理システム3の濃厚接触座席記録部301は、
図9に示すように、監理者の通信端末1に対して、基準座席を選択可能な基準座席指定画面G3を表示させる。基準座席指定画面において基準座席が指定されると、濃厚接触座席記録部301は、
図10に示すように、監理者の通信端末1に対して、濃厚接触判定座席を指定可能な濃厚接触判定座席指定画面G4を表示させる。そして、濃厚接触座席記録部301は、基準座席と、濃厚接触判定座席と、を対応付けて座席表情報(濃厚接触判定範囲情報)に記録する。
【0035】
図11は、本実施の形態にかかる情報処理システムにおける濃厚接触者の通知処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、濃厚接触者検索システム4の通知部405は、濃厚接触者リストにユーザが追加された場合、ユーザ情報において、追加されたユーザのユーザIDと対応付けられる通知先メールアドレスの通信端末1に対して、
図11に示すように、濃厚接触者と判定されたことを通知するメッセージを含むメール通知画面G5を表示させる。
【0036】
このように、本実施の形態にかかる情報処理システムによれば、ユーザによる座席の予約時に、いつ、どこの座席で着席していたかを座席予約システム2を通して記録し、座席が配置されている空間的な情報を管理者が登録することで、感染が発覚したユーザに対して時間的および空間的に近いところに存在しているユーザを濃厚接触者として特定することができる。その結果、ユーザに負担をかけることなく濃厚接触者を特定することができる。
【0037】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0038】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、座席予約システム2は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、座席表管理システム3および濃厚接触者検索システム4のそれぞれは、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0039】
さらに、座席予約システム2、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4は、開示された処理ステップ、例えば、
図3を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、座席予約システム2によって実行されるプロセスは、座席表管理システム3または濃厚接触者検索システム4によって実行され得る。同様に、座席表管理システム3または濃厚接触者検索システム4の機能は、座席予約システム2によって実行することができる。また、座席予約システム2、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0040】
なお、通信端末1は、通信機能を備えた装置であれば良い。通信端末1は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0041】
なお、本実施の形態の通信端末1、座席予約システム2、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4で実行されるプログラムは、ROM502等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の通信端末1、座席予約システム2、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0042】
さらに、本実施の形態の通信端末1、座席予約システム2、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の通信端末1、座席予約システム2、座席表管理システム3、および濃厚接触者検索システム4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0043】
本実施の形態の通信端末1で実行されるプログラムは、上述した各部(送信部101)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501(プロセッサの一例)が上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、送信部101が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0044】
本実施の形態の座席予約システム2で実行されるプログラムは、上述した各部(受付部201、予約情報記録部202)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501が上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、受付部201、予約情報記録部202が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0045】
本実施の形態の座席表管理システム3で実行されるプログラムは、上述した各部(濃厚接触座席記録部301)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501が上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、濃厚接触座席記録部301が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0046】
本実施の形態の濃厚接触者検索システム4で実行されるプログラムは、上述した各部(第1取得部401、第2取得部402、検索部403、通知先情報取得部404、および通知部405)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501が上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、第1取得部401、第2取得部402、検索部403、通知先情報取得部404、および通知部405が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0047】
1 通信端末
2 座席予約システム
3 座席表管理システム
4 濃厚接触者検索システム
5 座席予約情報記憶部
6 座席表情報記憶部
101 送信部
201 受付部
202 予約情報記録部
301 濃厚接触座席記録部
401 第1取得部
402 第2取得部
403 検索部
404 通知先情報取得部
405 通知部
501 CPU
502 ROM
503 RAM
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】