IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特開-画像形成装置 図1
  • 特開-画像形成装置 図2
  • 特開-画像形成装置 図3
  • 特開-画像形成装置 図4
  • 特開-画像形成装置 図5
  • 特開-画像形成装置 図6
  • 特開-画像形成装置 図7
  • 特開-画像形成装置 図8
  • 特開-画像形成装置 図9
  • 特開-画像形成装置 図10
  • 特開-画像形成装置 図11
  • 特開-画像形成装置 図12
  • 特開-画像形成装置 図13
  • 特開-画像形成装置 図14
  • 特開-画像形成装置 図15
  • 特開-画像形成装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119796
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20230822BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230822BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20230822BHJP
   B41J 29/17 20060101ALI20230822BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20230822BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20230822BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G03G15/08 347
B41J29/00 B
B41J29/13
B41J29/17
B41J29/46 Z
G03G15/08 310
G03G15/01 L
G03G21/00 386
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022863
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】林 俊樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H077
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061BB15
2C061CD01
2C061CF01
2C061CF05
2C061CM01
2C061CM11
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HN22
2C061HV01
2C061HV10
2C061HV16
2C061HV33
2C061HV34
2H077AA03
2H077AA12
2H077AA14
2H077AA25
2H077AA34
2H077AB02
2H077AB07
2H077AC02
2H077AD02
2H077AD06
2H077AD13
2H077DB25
2H077GA13
2H270LA53
2H270LA87
2H270LA90
2H270LD03
2H270LD08
2H270MC30
2H270MC78
2H270MD13
2H270NB02
2H270ZC03
2H270ZC04
2H300EA06
2H300EA08
2H300EA10
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EC02
2H300EF03
2H300EG03
2H300EH16
2H300EJ10
2H300EJ24
2H300EJ49
2H300EK03
2H300GG11
2H300GG17
2H300GG19
2H300QQ10
2H300QQ11
2H300QQ16
2H300RR11
2H300RR22
2H300RR26
2H300RR50
2H300TT03
2H300TT04
(57)【要約】
【課題】供給経路内に残留する現像剤を除去する。
【解決手段】表面に画像を担持する像担持体23と、像担持体23上に現像剤を供給する現像装置40と、現像装置40に現像剤を供給するための供給経路71と、内部に現像剤を収容し供給経路71に着脱可能な現像剤収容器10Y,10C,10M,10Bkを備える画像形成装置において、供給経路71から分岐する清掃経路75が設けられ、清掃経路75は、吸引装置200の吸引口201が接続される接続部76を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に画像を担持する像担持体と、
前記像担持体上に現像剤を供給する現像装置と、
前記現像装置に前記現像剤を供給するための供給経路と、
内部に前記現像剤を収容し前記供給経路に着脱可能な現像剤収容器を備える画像形成装置において、
前記供給経路から分岐する清掃経路が設けられ、
前記清掃経路は、吸引装置の吸引口が接続される接続部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接続部は、画像形成装置本体の外部から前記吸引装置を接続可能な位置に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記接続部を覆うカバー部材が前記画像形成装置本体に開閉可能に設けられている請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバー部材が開放されている状態では、画像形成装置の駆動は行わない請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像装置は、前記供給経路に対して着脱可能であり、
前記現像装置及び前記現像剤収容器の少なくとも一方が前記供給経路に対して装着されている状態で、前記カバー部材が開放されている場合は、警告を行う請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記吸引装置は、画像形成装置本体内に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像装置は、前記供給経路に対して着脱可能であり、
前記現像装置及び前記現像剤収容器の少なくとも一方が前記供給経路に対して装着されている状態では、前記吸引装置は駆動しない請求項6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機又はプリンタなどの画像形成装置として、通常の現像剤を収容する現像剤収容器を取り外し、別種の現像剤を収容する現像剤収容器に交換して画像を形成可能な装置が知られている。
【0003】
斯かる画像形成装置においては、現像剤収容器を交換した際、交換前の現像剤が装置内に残っていると、交換後と交換前の異なる種類の現像剤が混ざり合い、異常画像が発生する虞がある。
【0004】
そのため、特許文献1(特許第6201492号公報)においては、現像剤収容器の交換前に、装置内に残留する現像剤を現像装置へ搬送して回収し、その後、現像剤収容器と現像装置を交換する方法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法においては、装置内に残留する現像剤の回収を、現像装置への通常の搬送動作によって行っているが、通常の搬送動作では回収できない残留現像剤が存在する。例えば、現像剤収容器と現像装置とを繋ぐ供給経路内には、現像剤を搬送する搬送スクリューなどが設けられているが、このような搬送スクリューと供給経路内壁面との間、あるいは、搬送スクリューの軸受近傍などに残留する現像剤は、搬送スクリューの回転動作によって搬送できない。このため、特許文献1に記載の方法では、供給経路内に残留する現像剤を除去できない虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、表面に画像を担持する像担持体と、前記像担持体上に現像剤を供給する現像装置と、前記現像装置に前記現像剤を供給するための供給経路と、内部に前記現像剤を収容し前記供給経路に着脱可能な現像剤収容器を備える画像形成装置において、前記供給経路から分岐する清掃経路が設けられ、前記清掃経路は、吸引装置の吸引口が接続される接続部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、供給経路内に残留する現像剤を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】本実施形態に係るプロセスユニットの構成を示す図である
図3】本実施形態に係る供給装置の概略構成図である。
図4】本実施形態に係る清掃経路の概略構成図である。
図5】カバー部材の一例を示す図である。
図6】交換対象となるトナーボトルとプロセスユニットを取り外した状態を示す図である。
図7】吸引装置を用いて清掃作業を行っている状態を示す図である。
図8】特色のトナーボトル及びプロセスユニットを装着した状態を示す図である。
図9】カバー部材の開閉状態を検出する開閉検出部を備える例を示す図である。
図10図9に示される例の制御フローを示す図である。
図11】トナーボトル及びプロセスユニットの装着状態を検出する装着検出部と、ユーザーなどに対して警告などを通知する通知部を備える例を示す図である。
図12図10に示される例の制御フローを示す図である。
図13】通知部によって通知される警告の一例を示す図である。
図14】通知部によって通知される清掃作業案内の一例を示す図である。
図15】吸引装置が画像形成装置内に設けられた例を示す図である。
図16図15に示される例の制御フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
【0011】
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、原稿上の画像を読み取る画像読取部1と、画像読取部1へ原稿を搬送する原稿搬送部2と、用紙などのシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部3と、記録媒体に画像を定着させる定着部4と、記録媒体を画像形成部3へ供給する記録媒体供給部5と、記録媒体を装置外へ排出する記録媒体排出部6と、複数のトナーボトル10Y,10C,10M,10Bkが収容されるボトル収容部7を備えている。
【0012】
画像読取部1には、原稿上の画像を読み取る画像読取装置が設けられている。画像読取装置は、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像や、コンタクトガラス上を通過する原稿の画像を読み取る装置である。具体的に、画像読取装置は、コンタクトガラス上の原稿に光を照射する光源のほか、原稿の反射光から画像を読み取る画像読取手段としてのCCD(電荷結合素子)などを備えている。また、画像読取手段として、密着型イメージセンサ(CIS)などを用いてもよい。
【0013】
原稿搬送部2には、原稿トレイから原稿を1枚ずつ分離して画像読取部1のコンタクトガラスに向けて原稿を搬送する原稿搬送装置が設けられている。原稿搬送装置は、原稿搬送手段として複数の搬送ローラなどを備えている。
【0014】
画像形成部3には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkと、各プロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkが備える後述の感光体に静電潜像を形成する露光装置8と、記録媒体に画像を転写する転写装置9が設けられている。
【0015】
転写装置9は、中間転写ベルト11と、一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13を備えている。中間転写ベルト11は、無端状のベルト部材であり、複数の支持ローラによって張架されている。一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して各プロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkの感光体に接触することにより、中間転写ベルト11と各感光体との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11の外周面に接触し、二次転写ニップを形成している。
【0016】
定着部4には、定着装置14が設けられている。定着装置14は、互いに接触して定着ニップを形成する一対の回転体15,16を備えている。一対の回転体15,16のうち、記録媒体の画像担持面側に配置される回転体15は、内部にヒータなどの加熱源17を有している。
【0017】
記録媒体供給部5には、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット18と、給紙カセット18から用紙Pを送り出す給紙ローラ19が設けられている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
【0018】
記録媒体排出部6には、用紙Pを画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ20と、排紙ローラ20によって排出された用紙Pを載置する排紙トレイ21が設けられている。
【0019】
ボトル収容部7には、現像剤収容器である複数のトナーボトル10Y,10C,10M,10Bkが収容される。各トナーボトル10Y,10C,10M,10Bkには、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどの異なる色の現像剤であるトナーが収容されている。
【0020】
図2は、本実施形態に係るプロセスユニットの構成を示す図である。上記複数のプロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkは、異なる色のトナーを収容している以外、基本的に同じ構成であるので、図2に示される1つのプロセスユニット22を例にその構成について説明する。
【0021】
図2に示されるように、プロセスユニット22は、表面に画像を担持する像担持体としての感光体23と、感光体23の表面を帯電させる帯電装置30と、感光体23の表面にトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置40と、感光体23の表面を清掃するクリーニング装置50と、感光体23の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置60を備えている。
【0022】
帯電装置30は、感光体23に対向するように配置される帯電部材としての帯電ローラ31と、帯電ローラ31に接触するように配置されるクリーニングローラ32を備えている。
【0023】
現像装置40は、表面にトナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41上のトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード42と、現像ローラ41にトナーを搬送するトナー搬送部材としての複数の搬送スクリュー43,44を備えている。
【0024】
クリーニング装置50は、感光体23上の残留トナーを除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード51と、除去されたトナーを廃トナーボトルなどへ搬送する廃トナー搬送部材としての搬送コイル52を備えている。
【0025】
潤滑剤供給装置60は、潤滑剤61と、潤滑剤61を感光体23へ供給する潤滑剤供給部材としての供給ローラ62と、感光体23へ供給された潤滑剤を均一な薄層に均す潤滑剤均し部材としての均しブレード63とを備えている。
【0026】
続いて、図1及び図2を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
【0027】
まず、原稿搬送部2において原稿が搬送され、画像読取部1において原稿の画像が読み取られると、読み取られた画像情報に基づき、各プロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkにおいて作像動作が開示される。
【0028】
具体的に、各プロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkにおいては、図2に示されるように、感光体23が回転を開始し、感光体23の表面が帯電ローラ31によって均一な高電位に帯電される。次いで、読み取られた画像情報に基づいて露光装置8が各感光体23の表面(帯電面)を露光し、各感光体23上の露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像ローラ41からトナーが供給され、各感光体23上にトナー画像が形成される。各感光体23上に形成されたトナー画像は、各感光体23の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、画像形成装置100においては、各プロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、各感光体23から中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後は、各感光体23上に残留するトナーがクリーニングブレード51によって除去され、各感光体23の表面に供給ローラ62によって潤滑剤61が供給され、次の画像形成に備える。
【0029】
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って図1に示される二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、用紙Pに転写される。この用紙Pは、給紙カセット18から供給された用紙Pであり、給紙ローラ19が回転することにより給紙カセット18から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ24によって一旦静止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップへ到達するタイミングに合わせてタイミングローラ24により搬送される。
【0030】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置14へと搬送され、一対の回転体15,16の間(定着ニップ)を通過する。このとき、用紙Pが加熱及び加圧されることにより、用紙P上のトナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ20によって排紙トレイ21へ排出され、一連の画像形成動作が終了する。
【0031】
上記のように、印刷動作が行われ、現像装置40内のトナーが消費されると、現像装置40内のトナー量が減少する。その結果、現像装置40内のトナーの量が閾値を下回った場合は、トナーボトル10Y,10C,10M,10Bkから補給が必要な現像装置40に対してトナーが供給される。
【0032】
図3は、本実施形態に係るトナーボトル10から現像装置40へトナーを供給する供給装置70の概略構成図である。なお、供給装置70は、図1に示される複数のトナーボトル10Y,10C,10M,10Bkごとに個別に設けられているが、いずれの供給装置70も基本的に同じ構成であるので、図3に示される1つの供給装置70を例にその構成について説明する。
【0033】
図3に示されるように、供給装置70は、トナーボトル10と現像装置40とを繋ぐ供給経路71と、供給経路71の途中に設けられるサブホッパ72と、撹拌部材としてのアジテータ73と、搬送部材としての搬送スクリュー74を備えている。なお、供給装置70は、モーノポンプを備えるものであってもよいし、ダイヤフラムポンプ及び搬送チューブを備えるものであってもよい。
【0034】
サブホッパ72は、トナーを一時的に貯留する貯留部であり、供給経路71の一部を構成する。アジテータ73は、サブホッパ72内においてトナーを撹拌する撹拌部材である。搬送スクリュー74は、サブホッパ72と現像装置40との間において、供給経路71内のトナーを搬送する。
【0035】
図3に示されるように、トナーボトル10がボトル収容部7に装着された状態において、トナーボトル10が回転駆動されると、トナーボトル10の内周面に形成された螺旋状の突起によって内部のトナーが供給経路71へ送り出される。そして、トナーは、サブホッパ72内に収容され、回転するアジテータ73によって撹拌された後、搬送スクリュー74によって現像装置40へ搬送される。
【0036】
ここで、本実施形態に係る画像形成装置においては、カラー画像の色分解成分であるイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなどの通常用いられるトナーが収容されるトナーボトルのほか、ゴールド、シルバー、無色(不可視)などの特色トナーが収容されるトナーボトルを選択的に着脱可能に構成されている。特色トナーを用いて画像を形成する場合は、通常のトナーを収容するトナーボトルのいずれか1つあるいは複数を、特色のトナーボトルに交換する必要がある。その際、通常のトナーが上記供給経路71内に残っていると、交換後のトナーボトルから供給される特色のトナーと通常のトナーが混ざり合い、混色による異常画像が発生する虞がある。
【0037】
そのため、本実施形態に係る画像形成装置においては、供給経路71内の残留トナーを除去するための清掃経路が設けられている。以下、本実施形態に係る清掃経路の構成について説明する。
【0038】
図4は、本実施形態に係る清掃経路の概略構成を示す図である。
【0039】
図4に示されるように、各トナーボトル10Y,10C,10M,10Bkと各プロセスユニット22Y,22C,22M,22Bkの現像装置40とを繋ぐ各供給経路71には、清掃経路75が1つずつ分岐するように設けられている。各清掃経路75は、互いに独立して(連通しないように)設けられており、各清掃経路75の供給経路71と接続される端75aとは反対側の端75bは、画像形成装置本体101から外部へ露出可能な位置に配置されている。また、この露出可能な位置に配置される端75bには、後述の吸引装置の吸引口を接続可能な接続部76が設けられている。なお、ここでいう「接続」には、吸引装置の吸引口が接続部76(清掃経路75の開口部)に対して固定又は連結される場合のほか、吸引口が接続部76に対して固定されずに単に挿入される場合なども含まれる。接続部76は、清掃経路75ごとに(本実施形態の場合は4つ)設けられている。また、画像形成装置本体101には、各接続部76を覆うカバー部材80が開閉可能に設けられており、カバー部材80が開放された状態となることにより接続部76が露出する。
【0040】
図5は、カバー部材80の一例を示す図である。
【0041】
図5に示されるように、カバー部材80は、画像形成装置本体101の外装部などに設けられたヒンジ機構82を介して図中の矢印方向へ回転可能に取り付けられている。また、カバー部材80は、画像形成装置本体101に対して着脱されることにより開閉する構成であってもよい。図5に示される例においては、カバー部材80がロック部材81を有しており、カバー部材80が閉じられると、ロック部材81が画像形成装置本体101側に設けられた係合部102に係合することにより、カバー部材80が閉鎖状態に保持される。また、清掃経路75の接続部76が露出する部分の周囲にはシール部材103が設けられており、カバー部材80が閉じられると、カバー部材80の縁がシール部材103に密着することにより、接続部76の周囲が密閉される。これにより、接続部76からのトナーの飛散が防止される。図5においては、1つのカバー部材80によって1つの接続部76を覆う例が挙げられているが、1つのカバー部材80によって複数の接続部76を覆う構成であってもよい。
【0042】
続いて、トナーボトル10の交換作業と供給経路71の清掃作業の手順について説明する。
【0043】
通常のトナーを収容するトナーボトルを特色のトナーを収容するトナーボトルに交換するには、まず、図6に示されるように、交換対象となるトナーボトル10Bkとこれに対応するプロセスユニット22Bkを画像形成装置100から取り外す。この場合、ブラック画像用のトナーボトル10Bkとプロセスユニット22Bkを取り外しているが、交換対象となるトナーボトル及びプロセスユニットは、ブラック画像用以外のトナーボトル及びプロセスユニットであってもよい。
【0044】
次に、特色画像用のトナーボトルとプロセスユニットを装着する前に、供給経路71の清掃作業を行う。具体的には、図7に示されるように、カバー部材80を開き、ブラックトナー用の供給経路71(トナーボトル及びプロセスユニットが取り外された供給経路71)から分岐する清掃経路75の接続部76に対して吸引装置200の吸引口201を接続する。そして、吸引装置200を作動させ、供給経路71内に残留するトナーを吸引する。これにより、供給経路71内に残留するトナー(ブラックトナー)が吸引され、吸引装置200内へ回収される。吸引による清掃作業が終わると、吸引装置200の吸引口201を接続部76から取り外し、カバー部材80を閉じる。
【0045】
そして、図8に示されるように、特色画像用のトナーボトル10S及びプロセスユニット22Sを画像形成装置(供給経路71)に装着する。これにより、特色画像用のトナーボトル10S及び現像装置40が供給経路71を介して接続され、トナーボトル10Sから現像装置40へ特色のトナーを供給可能な状態となる。以上のようにして、清掃作業と交換作業が完了する。なお、ブラック画像用以外のトナーボトル及びプロセスユニットを特色画像用のトナーボトル及びプロセスユニットに交換する場合も、同じ手順にて清掃作業を行う。
【0046】
このように、本実施形態においては、供給経路71の清掃作業を、吸引装置200を用いて行うことにより、供給経路71内の残留トナーを効果的に吸引して除去できる。すなわち、本実施形態においては、搬送スクリューなどの通常の搬送動作によって供給経路内の残留トナーを搬送するのではなく、吸引装置200を用いて供給経路71内の残留トナーを吸引することにより清掃を行うので、搬送スクリューと供給経路の内壁面との間に残留するトナーのほか、アジテータとサブホッパの内壁面との間に残留するトナーなども効果的に除去できる。従って、本実施形態に係る清掃方法によれば、トナーボトルの交換に伴う混色の問題を高度に解消できるようになる。
【0047】
また、上記特許文献1に記載の方法においては、現像装置への残留トナー搬送に伴う現像装置内のトナー濃度上昇を解消するために、通紙しない状態で感光体上に画像を形成するトナー吐き出しモードを実行し、現像装置内のトナー濃度を下げるようにしているが、本実施形態においては、このようなトナー吐き出しモードを行う必要がない。また、特許文献1に記載の方法においては、感光体上に吐き出されたトナーを回収するために、感光体のクリーニング装置又は中間転写ベルトのクリーニング装置によって残留トナーを除去しているが、この場合、クリーニング装置へのトナー進入量が増大することによるクリーニング不良が発生する虞がある。これに対して、本実施形態においては、トナー吐き出しモードのような強制的なトナーの排出を行わないので、クリーニング装置へのトナー進入量が増大することによるクリーニング不良発生の虞がない。従って、本実施形態においては、クリーニング不良による感光体及び中間転写ベルトの汚れ、さらには、中間転写ベルトに接触する二次転写ローラの汚れによる画像不良の発生及び用紙の汚れを回避できる。
【0048】
本実施形態においては、供給経路71の清掃作業を完了すると、カバー部材80を閉じるようにしているが、ユーザー又はサービスマンなどの清掃作業者がカバー部材80の閉鎖を忘れることもあり得る。万が一、カバー部材80が閉じられることなく、画像形成装置の駆動が開始されると、供給経路71内のトナーが清掃経路75を介して外部に飛散する虞がある。そのため、カバー部材80が開放されている状態では、画像形成装置の駆動は行わないようにすることが好ましい。
【0049】
図9に示される例は、画像形成装置本体101にカバー部材80の開閉状態を検出する開閉検出部91を設け、この開閉検出部91の検出結果に基づき画像形成装置の画像形成動作などの駆動を制御するようにした例である。
【0050】
この場合、図10に示されるように、開閉検出部91によってカバー部材80の開放状態が検出されると、その検出信号に基づき駆動制御部90が画像形成装置の駆動(画像形成動作など)を行わないように制御する。これにより、カバー部材80が開放された状態で画像形成装置が駆動することによるトナーの飛散を防止できるようになる。開閉検出部91としては、例えば、ロック部材81と係合部102との係合(ロック)の有無を検出するセンサなどを用いることが可能である。
【0051】
また、本実施形態においては、供給経路71に対してトナーボトル及びプロセスユニット(現像装置)が装着されていない状態で清掃作業を行うようにしているが(図7参照)、万が一、トナーボトル及びプロセスユニットの少なくとも一方が装着された状態で清掃作業が行われると、トナーボトル又はプロセスユニット(現像装置)内のトナーが吸引される虞がある。仮に、トナーボトル内のトナーが吸引されると、トナーボトル内のトナー量が減少し、トナーボトル1本分に相当する所定の画像出力枚数を確保できなくなる。また、プロセスユニット(現像装置)内のトナーが吸引されると、プロセスユニット内のトナーが不足することによる濃度ムラなどの異常画像が発生する虞がある。そのため、トナーボトル又はプロセスユニットが装着されている状態では、清掃作業が行われないようにすることが好ましい。
【0052】
図11に示される例は、トナーボトル又はプロセスユニットが装着されている状態での清掃作業を防止するため、トナーボトル及びプロセスユニット(現像装置)の装着を検出する装着検出部92と、ユーザーなどに対して警告などを通知する通知部93が設けられた例である。また、図11に示される例においては、上記図9に示される例と同じように、カバー部材80の開閉状態を検出する開閉検出部91と、開閉検出部91の検出結果に基づいて画像形成装置の駆動を制御する駆動制御部90も設けられている。装着検出部92としては、例えば、トナーボトル及びプロセスユニットが装着された際にこれらに設けられているICチップの情報を読み取るICチップ読取部を用いることができる。また、プロセスユニットの装着の有無は、その装着の有無に伴う帯電ローラの印加電圧又は電流値の変化を検出することによっても把握できる。通知部93は、例えば、画像形成装置に設けられたメッセージ表示部又は音声出力部などである。
【0053】
この場合、図12に示されるように、開閉検出部91によってカバー部材80の開放状態が検出された状態で、さらに、装着検出部92によってトナーボトル及びプロセスユニットの少なくとも一方の装着が検出されると、通知部93により警告が通知される。このとき通知される警告の一例を、図13に示す。
【0054】
このように、カバー部材80が開放されている状態において、トナーボトル及びプロセスユニットの少なくとも一方が装着されている場合は、警告通知がなされることによって、ユーザーなどの清掃作業者は、清掃作業を開始する前に、清掃作業対象となる供給経路71に対してトナーボトル又はプロセスユニットが装着されていることを認識できる。これにより、トナーボトル又はプロセスユニットが装着されている状態での清掃作業の開始を未然に防止できるようになる。
【0055】
一方、図12に示されるように、開閉検出部91によってカバー部材80の開放状態が検出された状態で、装着検出部92によってトナーボトル及びプロセスユニットの装着が検出さない場合は、清掃作業を行ってもよいので、通知部93によって清掃作業案内の通知を行う。このとき通知される案内の一例を、図14に示す。
【0056】
なお、トナーボトル及びプロセスユニットの装着がなされているか否かにかかわらず、カバー部材80の開放状態が検出される場合は、清掃作業が行われる可能性がある。そのため、図12に示される例においては、開閉検出部91によってカバー部材80の開放状態が検出された場合は、画像形成動作などの駆動が行われないように制御される。
【0057】
以上のように、本発明の実施形態及び各例に係る方法によれば、吸引装置200の吸引口201を接続部76に接続し(図7参照)、画像形成装置の外部から吸引するだけで、供給経路71内の残留トナーを除去できる。このため、清掃作業者は、複雑な清掃作業を行う必要がなく、簡便にかつ効果的に供給経路71内の残留トナーを除去できる。
【0058】
また、作業者の負担をさらに軽減するため、図15に示される例のように、画像形成装置本体101内に設けられている吸引装置200によって清掃作業が行われるようにしてもよい。この場合、各清掃経路75(各接続部76)は、吸引装置200に接続されている。吸引装置200は、各清掃経路75の中から選択して吸引できるように構成されている。また、吸引装置200には、画像形成装置本体101内に設けられる廃トナー回収容器300に接続されており、吸引装置200によって吸引されたトナーは廃トナー回収容器300へ送られて回収される。
【0059】
このように、清掃作業を画像形成装置内の吸引装置200が自動的に行うようにすることによって、清掃作業負担を軽減できるようになる。また、この場合も、トナーボトル又はプロセスユニットが装着されている状態でトナーが吸引されるのを防止するため、図16に示されるように、トナーボトル及びプロセスユニットの少なくとも一方の装着が検出される場合は、吸引装置200の駆動が行われないように制御することが好ましい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について、通常使用されるトナーを収容するトナーボトルと特色のトナーボトルとを交換する場合を例に説明したが、本発明は、特色のトナーボトルへの交換作業に限らず、その他のトナーを収容するトナーボトルへの交換作業においても適用可能である。また、本発明は、上記のような複数のトナーボトルを着脱可能な画像形成装置に限らず、着脱可能なトナーボトルを1つのみ備える画像形成装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
3 画像形成部
10 トナーボトル(現像剤収容部)
23 感光体(像担持体)
40 現像装置
71 供給経路
75 清掃経路
76 接続部
80 カバー部材
100 画像形成装置
101 画像形成装置本体
200 吸引装置
201 吸引口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特許第6201492号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16