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特開2023-120737パターン生成プログラムおよびパターン生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120737
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】パターン生成プログラムおよびパターン生成方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/398 20200101AFI20230823BHJP
   G06F 30/39 20200101ALI20230823BHJP
   G06F 30/36 20200101ALI20230823BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20230823BHJP
   G06F 117/12 20200101ALN20230823BHJP
【FI】
G06F30/398
G06F30/39
G06F30/36
H01L21/82 C
G06F117:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023752
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 一
【テーマコード(参考)】
5B146
5F064
【Fターム(参考)】
5B146AA22
5B146AA23
5B146DJ04
5B146GC23
5B146GG24
5F064BB24
5F064EE03
5F064HH02
5F064HH06
5F064HH09
5F064HH10
5F064HH15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率よくパターンを生成するパターン生成プログラム及びパターン生成方法を提供する。
【解決手段】方法は、生成条件に基づき、誘電体層の表面の金属層のパターンに対応するパターンデータを生成しS12、パターンデータが所定条件を満足するか否か判定しS14、満足しないと判定したとき、パターンデータを生成するS12に戻り、満足すると判定したとき、パターンデータに基づき電磁界解析することで、パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときのパターン又はパターンを有する素子若しくは回路の特性を算出しS16、特性が目標範囲内であるか否か判定しS18、目標範囲内でないと判定したとき、生成条件を変更しS20、変更するS20の後に、パターンデータを生成するS12に戻る。

【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生成条件に基づき、誘電体層の表面に設けられた金属層のパターンに対応するパターンデータを生成するステップと、
生成された前記パターンデータが所定条件を満足するか否か判定するステップと、
前記所定条件を満足しないと判定したとき前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、
前記所定条件を満足すると判定したとき前記パターンデータに基づき電磁界解析することで、前記パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、前記パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときの前記パターン、または前記パターンを有する素子もしくは回路の特性を算出するステップと、
算出された前記特性が目標範囲内であるか否か判定するステップと、
前記算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、前記生成条件を変更するステップと、
前記生成条件を変更するステップの後に、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、
をコンピュータに実行させるパターン生成プログラム。
【請求項2】
前記生成条件を変更するステップは、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータに基づき算出される前記特性が前記目標範囲に近づくように前記生成条件を変更するステップを含む請求項1に記載のパターン生成プログラム。
【請求項3】
前記所定条件を満足しないと判定したとき、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップの前に、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータが前記所定条件に近づくように前記生成条件を変更するステップをコンピュータに実行させる請求項1または請求項2に記載のパターン生成プログラム。
【請求項4】
前記パターンデータを生成するステップは、
前記表面における複数の位置にそれぞれ関連付けられた複数の重みを生成するステップと、
生成された複数の重みに基づきパターンデータを生成するステップと、
を含み、
前記生成条件は、前記複数の重みを生成する条件である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパターン生成プログラム。
【請求項5】
前記パターンデータを生成するステップは、前記表面内の位置を各々変数とし前記複数の位置にそれぞれ関係し前記複数の重みをそれぞれ有する複数の関数を算出し、前記表面が分割された複数の単位領域の各々に対し、対応する単位領域における前記複数の関数の積算値がそれぞれ所定範囲のとき前記対応する単位領域に前記パターンを生成し、前記積算値が前記所定範囲でないとき前記対応する単位領域に前記パターンを生成しないステップを含む請求項4に記載のパターン生成プログラム。
【請求項6】
前記複数の関数は前記複数の位置を中心とするガウス基底関数である請求項5に記載のパターン生成プログラム。
【請求項7】
前記所定条件は、前記第1箇所と前記第2箇所との間が前記パターンを介し物理的に接続されることである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のパターン生成プログラム。
【請求項8】
前記所定条件を満足しないと判定したとき、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップの前に、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータにおける、前記第1箇所に接続されるパターンと前記第2箇所に接続されるパターンとの最小距離が小さくなるように前記生成条件を変更するステップをコンピュータに実行させる請求項7に記載のパターン生成プログラム。
【請求項9】
前記パターンデータを生成するステップは、異なる前記パターンデータを複数生成するステップを含み、
前記所定条件を満足するか否か判定するステップは、前記複数のパターンデータのうち少なくとも1つのパターンデータが前記所定条件を満足したとき、前記所定条件を満足すると判定し、前記複数のパターンデータの全てが前記所定条件を満足しないとき、前記所定条件を満足しないと判定するステップを含む請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のパターン生成プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
生成条件に基づき、誘電体層の表面に設けられた金属層のパターンに対応するパターンデータを生成するステップと、
生成された前記パターンデータが所定条件を満足するか否か判定するステップと、
前記所定条件を満足しないと判定したとき前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、
前記所定条件を満足すると判定したとき前記パターンデータに基づき電磁界解析することで、前記パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、前記パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときの前記パターン、または前記パターンを有する素子もしくは回路の特性を算出するステップと、
算出された前記特性が目標範囲内であるか否か判定するステップと、
前記算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、前記生成条件を変更するステップと、
前記生成条件を変更するステップの後に、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、
を実行するパターン生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン生成プログラムおよびパターン生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波用の受動素子として、誘電体層上にスタブ等を有する金属パターンを設けた部品が用いられる。金属パターン内のある箇所に高周波信号が入力し別の個所から高周波信号が出力される。金属パターンの平面形状を変えることで、受動素子におけるSパラメータ等の高周波特性が変化する。構造体の形状最適化にトポロジー形状最適化を用いることが知られている(例えば特許文献1)。アナログ回路を自動的にレイアウトすることが知られている(例えば特許文献2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-25533号公報
【特許文献2】特開平10-256380号公報
【特許文献3】特開2008-299686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
誘電体層上に設けられた金属層により形成されるパターンを電子回路の受動素子等の素子として使用する場合に、パターンの平面形状を高周波特性の観点から最適化する方法として、パターンの平面形状を自由に変形させることで最適化するトポロジー形状最適化を行うことが考えられる。生成されたパターンの平面形状を電磁界解析することで受動素子等の素子または回路の高周波特性が算出できる。しかしながら、パターンの平面形状から電磁界解析を用い受動素子等の高周波特性を算出するには多大な時間を要する。
【0005】
本開示は、効率よくパターンを生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、生成条件に基づき、誘電体層の表面に設けられた金属層のパターンに対応するパターンデータを生成するステップと、生成された前記パターンデータが所定条件を満足するか否か判定するステップと、前記所定条件を満足しないと判定したとき前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、前記所定条件を満足すると判定したとき前記パターンデータに基づき電磁界解析することで、前記パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、前記パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときの前記パターン、または前記パターンを有する素子もしくは回路の特性を算出するステップと、算出された前記特性が目標範囲内であるか否か判定するステップと、前記算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、前記生成条件を変更するステップと、前記生成条件を変更するステップの後に、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、をコンピュータに実行させるパターン生成プログラムである。
【0007】
本開示の一実施形態は、コンピュータが、生成条件に基づき、誘電体層の表面に設けられた金属層のパターンに対応するパターンデータを生成するステップと、生成された前記パターンデータが所定条件を満足するか否か判定するステップと、前記所定条件を満足しないと判定したとき前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、前記所定条件を満足すると判定したとき前記パターンデータに基づき電磁界解析することで、前記パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、前記パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときの前記パターン、または前記パターンを有する素子もしくは回路の特性を算出するステップと、算出された前記特性が目標範囲内であるか否か判定するステップと、前記算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、前記生成条件を変更するステップと、前記生成条件を変更するステップの後に、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、を実行するパターン生成方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、効率よくパターンを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例1において設計する受動素子のパターンの平面図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、実施例1において設計する増幅回路のブロック図である。
図4図4は、実施例1においてパターン生成プログラムおよびパターン生成方法を実行するコンピュータを示すブロック図である。
図5図5は、実施例1においてコンピュータの処理を示すフローチャートである。
図6図6は、実施例1における誘電体層の表面を示す図である。
図7図7は、実施例1におけるパターンデータの生成方法を示す図である。
図8図8は、実施例1におけるパターンデータの生成方法を示すフローチャートである。
図9図9は、実施例1におけるステップS12において生成されるパターンデータの例を示す図である。
図10図10は、実施例1におけるステップS12において生成されるパターンデータの例を示す図である。
図11図11は、実施例1におけるステップS14において用いる判定用データの例を示す図である。
図12図12は、実施例1におけるステップS14において用いる判定用データの例を示す図である。
図13図13は、実施例1におけるステップS14において用いる判定用データの例を示す図である。
図14図14は、実施例1におけるステップS22において出力されるパターンデータの例を示す図である。
図15図15は、実施例2においてコンピュータの処理を示すフローチャートである。
図16図16は、実施例2におけるステップS14において用いられる判定用データの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態は、生成条件に基づき、誘電体層の表面に設けられた金属層のパターンに対応するパターンデータを生成するステップと、生成された前記パターンデータが所定条件を満足するか否か判定するステップと、前記所定条件を満足しないと判定したとき前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、前記所定条件を満足すると判定したとき前記パターンデータに基づき電磁界解析することで、前記パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、前記パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときの前記パターン、または前記パターンを有する素子もしくは回路の特性を算出するステップと、算出された前記特性が目標範囲内であるか否か判定するステップと、前記算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、前記生成条件を変更するステップと、前記生成条件を変更するステップの後に、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、をコンピュータに実行させるパターン生成プログラムである。
(2)前記生成条件を変更するステップは、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータに基づき算出される前記特性が前記目標範囲に近づくように前記生成条件を変更するステップを含むことが好ましい。
(3)前記所定条件を満足しないと判定したとき、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップの前に、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータが前記所定条件に近づくように前記生成条件を変更するステップをコンピュータに実行させることが好ましい。
(4)前記パターンデータを生成するステップは、前記表面における複数の位置にそれぞれ関連付けられた複数の重みを生成するステップと、生成された複数の重みに基づきパターンデータを生成するステップと、を含み、前記生成条件は、前記複数の重みを生成する条件であることが好ましい。
(5)前記パターンデータを生成するステップは、前記表面内の位置を各々変数とし前記複数の位置にそれぞれ関係し前記複数の重みをそれぞれ有する複数の関数を算出し、前記表面が分割された複数の単位領域の各々に対し、対応する単位領域における前記複数の関数の積算値がそれぞれ所定範囲のとき前記対応する単位領域に前記パターンを生成し、前記積算値が前記所定範囲でないとき前記対応する単位領域に前記パターンを生成しないステップを含むことが好ましい。
(6)前記複数の関数は前記複数の位置を中心とするガウス基底関数であることが好ましい。
(7)前記所定条件は、前記第1箇所と前記第2箇所との間が前記パターンを介し物理的に接続されることであることが好ましい。
(8)前記所定条件を満足しないと判定したとき、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップの前に、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータにおける、前記第1箇所に接続されるパターンと前記第2箇所に接続されるパターンとの最小距離が小さくなるように前記生成条件を変更するステップをコンピュータに実行させることが好ましい。
(9)前記パターンデータを生成するステップは、異なる前記パターンデータを複数生成するステップを含み、前記所定条件を満足するか否か判定するステップは、前記複数のパターンデータのうち少なくとも1つのパターンデータが前記所定条件を満足したとき、前記所定条件を満足すると判定し、前記複数のパターンデータの全てが前記所定条件を満足しないとき、前記所定条件を満足しないと判定するステップを含むことが好ましい。
(10)本開示の一実施形態は、コンピュータが、生成条件に基づき、誘電体層の表面に設けられた金属層のパターンに対応するパターンデータを生成するステップと、生成された前記パターンデータが所定条件を満足するか否か判定するステップと、前記所定条件を満足しないと判定したとき前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、前記所定条件を満足すると判定したとき前記パターンデータに基づき電磁界解析することで、前記パターンの第1箇所に高周波信号が入力し、前記パターンの第2箇所から高周波信号が出力するときの前記パターン、または前記パターンを有する素子もしくは回路の特性を算出するステップと、算出された前記特性が目標範囲内であるか否か判定するステップと、前記算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、前記生成条件を変更するステップと、前記生成条件を変更するステップの後に、前記パターンデータを生成するステップに戻るステップと、を実行するパターン生成方法である。
【0011】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態にかかるパターン生成プログラムおよびパターン生成方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0012】
[実施例1]
実施例1により最適化されるパターンの例として高周波回路用の受動素子について説明する。図1は、実施例1において設計する受動素子のパターンの平面図であり、図2は、図1のA-A断面図である。誘電体層32の表面10の法線方向をZ方向、表面10に平行であり入力ポートP1と出力ポートP2との配列方向をX方向、表面10に平行でありX方向に直交する方向をY方向とする。
【0013】
図1および図2に示すように、受動素子30では、誘電体層32の表面10に金属層34が設けられている。金属層34からパターン18が形成される。誘電体層32の下面の全面に金属層36が設けられている。パターン18のX方向の-方向側の端部は入力ポートP1に接続され、X方向の+方向側の端部は出力ポートP2に接続されている。入力ポートP1から高周波信号が入力し、出力ポートP2から高周波信号が出力される。高周波信号は例えば周波数が0.3GHz以上のマイクロ波またはミリ波である。パターン18の平面形状に依存して、入力ポートP1と出力ポートP2との間のSパラメータ(S11、S12、S21およびS22)等の高周波特性が変化する。所望の高周波特性を得るためにパターン18の平面形状を設計する。
【0014】
次に、受動素子30が用いられる増幅回路の例を説明する。図3は、実施例1において設計する増幅回路のブロック図である。図3に示すように、増幅回路40は増幅器42、整合回路44および46を備えている。増幅器42は例えばGaN HEMT(Gallium Nitride High Electron Mobility Transistor)等のトランジスタである。入力端子Tinに入力した高周波信号は整合回路44を介し増幅器42に入力する。整合回路44は、入力端子Tinから整合回路44をみたインピーダンスと整合回路44から増幅器42をみたインピーダンスを整合させる。増幅器42が増幅した高周波信号は整合回路46を介し出力端子Toutから出力される。整合回路46は、増幅器42から整合回路46をみたインピーダンスと整合回路46から出力端子Toutをみたインピーダンスを整合させる。整合回路44および46の少なくとも一部を図1および図2の受動素子30で形成する。整合回路44および46の高周波特性を調整することで、増幅回路40の特性を所望の特性に設計することができる。
【0015】
図4は、実施例1においてパターン生成プログラムおよびパターン生成方法を実行するコンピュータを示すブロック図である。図4に示すように、コンピュータ20は、プロセッサ22、メモリ24、入力装置26、出力装置28および内部バス25を備えている。プロセッサ22は、例えばCPU(Cental Prosseing Unit)であり、主にパターン生成プログラムおよびパターン生成方法を実行する。メモリ24は、例えば揮発性メモリまたは不揮発性メモリであり、パターン生成プログラムおよびパターン生成方法を行うためのデータ等を記憶する。入力装置26は、例えば外部からパターン生成を行うための情報を入力する入力インターフェースである。出力装置28は、例えば生成されたパターンの結果を出力する出力インターフェースである。プロセッサ22、メモリ24、入力装置26および出力装置28の間におけるデータまたは情報の送受信は内部バス25を介して行われる。パターン生成プログラムは、例えばCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の一時的でない有形の記録媒体に記憶されてもよい。
【0016】
図5は、実施例1においてコンピュータの処理を示すフローチャートである。図5に示すように、プロセッサ22は入力装置26を介し入力情報を受け付ける(ステップS10)。プロセッサ22は、入力情報および初期の重みに関する情報と、パターンデータを生成するための生成条件と、に基づき、表面10内のパターン18の平面形状に関するパターンデータを生成する(ステップS12)。例えば、プロセッサ22は、後述する複数の重みに基づき、表面10に設けられた金属層34のパターン18に対応するパターンデータを生成する。プロセッサ22は、1つのパターンデータを生成してもよいし、ランダムに複数のパターンデータを生成してもよい。
【0017】
プロセッサ22は、パターンデータが所定条件を満足するか判定する(ステップS14)。例えば、プロセッサ22は、入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18により物理的に接続されている場合、Yesと判定し、入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18により物理的に接続されていない場合、Noと判定する。ステップS12において、複数のパターンデータが生成された場合、プロセッサ22は、複数のパターンデータのうち少なくとも1つのパターンデータが所定条件を満足したとき、所定条件を満足すると判定し、複数のパターンデータの全てが所定条件を満足しないとき、所定条件を満足しないと判定する。
【0018】
ステップS14においてNoの場合、ステップS12に戻る。ステップS12において、プロセッサ22は、ステップS10にて入力情報を受け付けて以降前回のステップS12までに生成したパターンデータとは異なるパターンデータをランダムに生成する。
【0019】
ステップS14においてYesの場合、プロセッサ22は、ステップS14において所定条件を満足すると判定されたパターンデータを用いパターン18、素子または回路の特性を算出する(ステップS16)。例えば、プロセッサ22は、所定条件を満足すると判定されたパターンデータを用い(例えばデータパターン18を用いて)図1および図2の受動素子30における電磁界解析を行い、入力ポートP1と出力ポートP2との間の高周波特性またはパターン18の特性を算出する。プロセッサ22は、算出された受動素子30の高周波特性またはパターンの特性を用い、増幅回路40等の電子回路の特性を算出してもよい。プロセッサ22は、特性を算出したパターンデータと算出した特性を関連付けてメモリ24に記憶させてもよい。ステップS12において、複数のパターンデータを生成し、ステップS14において、複数のパターンデータが所定条件を満足した場合、プロセッサ22は、所定条件を満足した複数のパターンデータについて、特性を算出する。
【0020】
プロセッサ22は、算出された特性が目標範囲か否かを判定する(ステップS18)。目標とする特性が受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性の場合、プロセッサ22は、算出された受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性が目標範囲に含まれているか否かを判定する。目標とする特性が受動素子30を用いた増幅回路40等の特性の場合、プロセッサ22は、増幅回路40等の特性が目標範囲に含まれているか否かを判定する。ステップS16において、異なる複数のパターンデータに対応する複数の特性を算出した場合、プロセッサ22は、算出された複数の特性パターンデータのうち少なくとも1つの特性が目標範囲に含まれているとき、目標範囲に含まれていると判定し、算出された複数の特性の全てが目標範囲に含まれていないとき、目標範囲に含まれていないと判定する。
【0021】
ステップS18においてNoの場合、プロセッサ22は、ステップS16において算出する特性が目標範囲に近づくようにパターンデータを生成する生成条件を変更する(ステップS20)。その後、ステップS12に戻り、プロセッサ22は、変更された生成条件に基づき、パターンデータを生成する。その後、ステップS14、S16およびS18を実行する。
【0022】
ステップS18においてYesの場合、プロセッサ22は、出力装置28に特性が目標範囲となったパターンデータを出力する(ステップS22)。特性が目標範囲となるパターンデータが複数ある場合、目標範囲となった複数のパターンデータをすべて出力してもよいし、目標範囲となった複数のパターンデータのうち最も特性のよいパターンデータを出力してもよい。その後終了する。
【0023】
[ステップS10の例の説明]
ステップS10において、プロセッサ22が受け付ける情報について説明する。図6は、実施例1における誘電体層の表面を示す図である。図6に示すように、誘電体層32の表面10を格子状の複数の単位領域14に分割する。各単位領域14の平面形状は例えば矩形であり、X方向およびY方向に配列されている。
【0024】
誘電体層32の表面10におけるX方向およびY方向の幅Wx1およびWy1は、例えばそれぞれ10mmおよび8mmである。例えば、表面10をX方向に50分割し、Y方向に40分割する。単位領域14の個数は2000個であり、単位領域14におけるX方向およびY方向の幅Wx2およびWy2はいずれも0.2mmである。単位領域14の個数、幅Wx1、Wy1、Wx2およびWy2は、任意に設定できる。精度よく設計するため、単位領域14のX方向の個数およびY方向の個数は各々10個以上であることが好ましい。単位領域14の個数、幅Wx1、Wy1、Wx2およびWy2は、ステップS10において、プロセッサ22が受け付けてもよいし、予め定めメモリ24に記憶しておいてもよい。
【0025】
電磁界解析に用いるパラメータは、例えば、高周波信号の周波数、誘電体層32の厚さ、比誘電率εrおよび損失係数tanδ、金属層34および36の材料および厚さ、入力ポートP1および出力ポートP2の入力インピーダンスおよび出力インピーダンスである。電磁界解析に用いるパラメータは、ステップS10において、プロセッサ22が受け付けてもよいし、予め定めメモリ24に記憶しておいてもよい。例えば、高周波信号の周波数、は3.5GHz、誘電体層32の厚さは0.2mm、比誘電率εrは3.4、損失係数tanδは0.004、金属層34の材料および厚さは銅および30μm、金属層36の材料および厚さは銅および0.2mm、入力ポートP1の入力インピーダンスは50Ω、出力ポートP2の出力インピーダンスは50Ωである。受動素子30の高周波特性および/または増幅回路40の特性の目標範囲は、ステップS10において、プロセッサ22が受け付けてもよいし、予め定めメモリ24に記憶しておいてもよい。受動素子30の高周波特性の目標範囲は、例えばS11およびS22ともに-15dB以下である。
【0026】
図6では、簡略化のため、X方向の単位領域14の個数を10個とし、Y方向の単位領域14の個数を8個として、説明する。X座標をX方向における単位領域14の幅Wx2で規格化し、Y座標をY方向における単位領域14の幅Wy2で規格化する。最小のXおよび最小のYの単位領域14のX方向における-側およびY方向における-側の角の座標を原点(0、0)に設定する。最大のXおよび最大のYの単位領域14のX方向における+側およびY方向における+側の角の座標は(10、8)になる。各単位領域14は(1、1)~(10、8)で表される。単位領域(1、1)の中心xの座標は(0.5,0.5)である。入力ポートP1と出力ポートP2の位置を太線で示している。入力ポートP1に接する単位領域14aは(1、4)および(1、5)である。出力ポートP2に接する単位領域14bは(10、4)および(10、5)である。表面10における入力ポートP1および出力ポートP2の位置に関する位置情報は、ステップS10において、プロセッサ22が受け付けてもよいし、予め定めメモリ24に記憶しておいてもよい。位置情報としては、入力ポートP1に接する単位領域14aの位置座標および出力ポートP2に接する単位領域14bの位置座標でもよい。
【0027】
[ステップS12の例の説明]
ステップS12において、プロセッサ22がパターンデータを生成する方法について説明する。図7は、実施例1におけるパターンデータの生成方法を示す図である。図7に示すように、簡略化のため単位領域14を7×7個を例に説明する。単位領域(1、1)~(7、7)が設けられている。単位領域(1、1)のX方向における-側およびY方向における-側を原点(0、0)とすると、単位領域(1、1)の中心xの座標は(0.5,0.5)である。同様に単位領域(7、7)の中心座標は(6.5,6.5)である。パターン18が形成された単位領域15aをironと称し、パターン18が形成されていない単位領域15bをairと称する。ironおよびairをそれぞれ1および0で表すとすると、パターンデータは、各単位領域(1、1)~(7、7)14がironかairかを示すデータであり、7×7の行列であり、各要素は1または0となる。
【0028】
数式1は、ガウス基底関数を表す数式である。
【数1】
ここで、xは単位領域14の中心座標、μはガウス基底関数の中心座標、|x-μは、xとμの距離の2乗である。rはガウス基底関数の半径である。GはG1~G9のうちn番目のガウス基底関数であることを示し、G(x)は、任意の単位領域14の中心座標xにおけるガウス基底関数Gの値を示す。数式1のように、ガウス基底関数G(x)は中心μのとき最大値となり、中心μからの距離が離れるにしたがいガウス基底関数Gは徐々に0に近くなる。ガウス基底関数Gは有限な範囲においては0にならない。
【0029】
図7では、9個のガウス基底関数G1~G9を配置する。ガウス基底関数G1~G9の中心μ1~μ9の座標は、それぞれ(0,0)、(0,3.5)、(0,7)、(3.5,0)、(3.5,3.5)、(3.5,7)、(7,0)、(7,3.5)および(7,7)である。ガウス基底関数Gの中心μは単位領域14の角、辺、中心または他の位置に位置してもよい。ガウス基底関数Gの個数および位置は任意に設定できる。半径rも任意に設定できるが、μを中心に半径rの円は隣接するガウス基底関数Gの間で一部が重なることが好ましい。
【0030】
上述の例のように、単位領域14を50×40個配置した場合、例えばガウス基底関数を11×9個配置する。ガウス基底関数Gの半径rは例えば0.8mmである。ガウス基底関数Gの中心μの座標および半径rは、ステップS10において、プロセッサ22が受け付けてもよいし、予め定めメモリ24に記憶しておいてもよい。
【0031】
図8は、実施例1におけるパターンデータの生成方法を示すフローチャートである。生成するパターンデータが1個の場合N=1であり、生成するパターンデータが複数の場合N≧2である。Iはパターンデータの生成数をカウントする変数である。まず、プロセッサ22は、I=1に設定する(ステップS30)。プロセッサ22は、ガウス基底関数を正規化する(ステップS32)。各単位領域14におけるパターン生成を単位領域(1、1)を例にガウス基底関数の規格化を説明する。プロセッサ22は、単位領域(1、1)の中心xにおけるガウス基底関数G(x)を規格化する。数式2は、規格化されたガウス基底関数G´(例えばG1´~G9´)を表す式である。
【数2】
右辺の分母は、単位領域(1、1)の中心xにおけるガウス基底関数G(例えばG1~G9)の総和である。
【0032】
プロセッサ22は、ガウス基底関数G(例えばG1~G9)のそれぞれ重みW(例えばW1~W9)を生成条件に基づきランダムに生成する(ステップS34)。重みWの範囲は、例えば-1≦W≦1である。単位領域14のカウンタを最初の単位領域(1、1)にセットする(ステップS35)。
【0033】
プロセッサ22は、ステップS34において生成された重みWと単位領域(1、1)の中心xにおける規格化されたガウス基底関数G´(x)との積W×G´(x)の総和(例えばnが1~9の和)を算出する(ステップS36)。数式3は、重み付きガウス基底関数W×G´(x)の総和y(x)を表す。
【数3】
【0034】
プロセッサ22は、算出されたy(x)が閾値th以上か否かを判定する(ステップS38)。閾値thは例えば0である。y(x)が閾値th以上のとき単位領域(1、1)をironと判定(ステップS40)し、単位領域(0、0)にパターンを生成する。プロセッサ22は、y(x)が閾値thより小さいとき単位領域(1、1)をairと判定し(ステップS42)、単位領域(1、1)にパターンを生成しない。プロセッサ22は、単位領域(1、1)に対応するパターンデータの要素をironのとき1、airのとき0とする。
【0035】
プロセッサ22は最後の単位領域14か否か判定する(ステップS44)。Noの場合、プロセッサ22は単位領域14をインクリメントする(ステップS46)。例えば単位領域を(2、1)とする。ステップS36に戻り、プロセッサ22はステップS36~S42を実行する。これにより、単位領域(2、1)に対応するパターンデータの要素が1または0となる。その後、プロセッサ22は、残りの単位領域(3、1)~(7、7)について、同様にironかairの判定を行い、パターンデータを生成する。
【0036】
ステップS44においてYesの場合(例えば単位領域(7、7)の場合)、プロセッサ22は生成したパターンデータをメモリ24に記憶させる(ステップS48)。
【0037】
プロセッサ22は、I≧Nか否かを判定する(ステップS50)。Noのとき、I=I+1とし(ステップS52)、ステップS34に戻る。ステップS34~S48により、パターンデータを生成する。ステップS50においてYesのとき、終了する。これにより、互いに異なるN個のパターンデータが生成される。
【0038】
ステップS34において、重みWを生成条件に基づきランダムに発生することで、パターン18が形成される。ある重みW(例えばkは1~9)を1にすると、μ付近の単位領域14ではパターン18が生成されやすくなる。Wを-1にすると、μ付近の単位領域14ではパターン18が形成されにくくなる。全てのWを-1~+1の間でランダムに生成すると、パターン18はランダムな形状となる。重みWの取りうる範囲を設けると、パターン18の生成にバイアスが加わる。例えばWを+1、0または-1等の-1~+1内の特定の数値に固定する生成条件、またはWを+0.5~+1の範囲で生成するなど、Wが取りうる範囲を-1~+1内の特定の範囲に限定する生成条件を決めると、μ付近(例えばk=5のとき単位領域(4、4)付近)にパターン18が形成されやすくなる。生成条件としては、重みWを生成する範囲を決める生成条件以外に、発現する確率を変える方法(例えばWとして-1.0~0が発現する確率を0~+1.0が発現する確率の2倍にする)など、公知の方法を用いることができる。このように、複数の重みWの生成条件を決めることで所望のパターンに近いパターン18をランダムに生成できる。
【0039】
[ステップS14の例の説明]
図9および図10は、実施例1におけるステップS12において生成されるパターンデータD1およびD2の例を示す図である。図9および図10では、表面10を10個×8個の単位領域14に分割している。単位領域14の「0」および「1」はパターンデータD1およびD2の各要素を示している。パターン18が形成された単位領域15aに対応するパターンデータD1およびD2の要素は1であり、パターン18が形成されていない単位領域15bに対応するパターンデータD1およびD2の要素は0である。図9のパターンデータD1では、入力ポートP1と出力ポートP2との間はパターン18を介して物理的に接続されていない。図10のパターンデータD2では、入力ポートP1と出力ポートP2との間はパターン18を介して物理的に接続されている。
【0040】
ステップS14における所定条件が「入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続されている」である場合、ステップS14においてプロセッサ22は、パターンデータD1についてNoと判定し、パターンデータD2についてYesと判定する。
【0041】
ステップS14において、入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続されるパターンデータであるか否かの判定方法について説明する。
【0042】
まず、パターンデータD1を例に説明する。図11および図12は、実施例1におけるステップS14において用いる判定用データE1の例を示す図である。判定用データE1はパターンデータD1を別のシートにコピーしたデータである。判定用データE1はパターンデータD1と同じ行の数および列の数を有する行列であり、各要素は、0、1以外に2、3等をとることもできる。
【0043】
図11に示すように、プロセッサ22は、入力ポートP1に接する単位領域14(例えば(1、4)および(1、5))に対応する判定用データE1の要素が1か0かを判定する。単位領域(1、4)および/または(1、5)に対応する判定用データE1の要素が1のとき、プロセッサ22は対応する単位領域(1、4)および/または(1、5)に対応する判定用データE1の要素を2にセットする。プロセッサ22は、判定用データE1の要素が2の単位領域(1、4)および/または(1、5)について、X方向に接する単位領域およびY方向に接する単位領域が1か判定する。例えば単位領域(1、4)の場合、X方向における-側に接する単位領域は存在しないため、プロセッサ22は、単位領域(1、3)、(1、5)および(2、4)に対応する判定用データE1の要素が1か判定する。単位領域(2、4)に対応する判定用データE1の要素は1であるため、プロセッサ22は単位領域(2、4)に対応する判定用データE1の要素に2をセットする。プロセッサ22はこの操作を繰り返す。
【0044】
図12に示すように、入力ポートP1にパターン18を介し物理的に接続される単位領域14は単位領域15cとなり、対応する判定用データE1の要素は2となる。単位領域(4、5)を2とした後、単位領域(4、5)のX方向およびY方向に接する単位領域(5、5)、(4、4)および(4、6)はいずれも0である。よって、これ以上判定用データE1の要素を2とする単位領域14は存在しない。判定用データE1の要素を2とする単位領域14がなくなったときに、出力ポートP2に接する単位領域(10、4)および(10、5)の判定用データの要素は1である。プロセッサ22は出力ポートP2に接する単位領域(10、4)および(10、5)のいずれもが2でないとき、ステップS14においてNoと判定する。
【0045】
次に、パターンデータD2を例に説明する。図13は、実施例1におけるステップS14において用いる判定用データE2の例を示す図である。判定用データE2はパターンデータD2を別のシートにコピーしたデータである。図13に示すように、図11および図12と同様の操作を行う。判定用データE2の要素を2とする単位領域14がなくなったときに、出力ポートP2に接する単位領域(10、4)および(10、5)の判定用データE2の要素は2となる。プロセッサ22は、出力ポートP2に接する単位領域(10、4)および(10、5)の少なくとも1つが2のとき、ステップS14においてYesと判定する。以上のように、プロセッサ22は、パターン18を介し入力ポートP1と出力ポートP2とが物理的に接続されるか否か判定することができる。図11から図13のような処理は、pythonまたはC+等の言語のfloodFill等のコマンドを用いて実行してもよい。
【0046】
ステップS14における所定条件は「入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続される」である場合以外でもよい。例えば、所定条件は、「入力ポートP1と出力ポートP2とを接続するパターン以外にironの単位領域15aが存在しない」こと、または、「入力ポートP1と出力ポートP2とを物理的に接続するパターンから一定距離以上離れたironの単位領域15aが存在しない」こと、などでもよい。所定条件としては、ステップS16において「電磁界解析を行う必要のない(例えば高周波特性を算出できない)パターンデータでない」こととすることができる。
【0047】
[ステップS16の例の説明]
ステップS16では、ステップS14においてYesとされたパターンデータについて、図1および図2のような、受動素子30を仮定する。プロセッサ22は、入力ポートP1から高周波信号が入力し出力ポートP2に高周波信号が出力する場合における受動素子30の3次元電磁界解析を例えば有限要素法を用い行う。有限要素法を用いた3次元電磁界解析では、受動素子30を3次元のメッシュに分割し、入力ポートP1から高周波信号が入力された場合に受動素子30内の各メッシュにおける時間に対する電界および磁界をマックスウェルの方程式を解くことで求め、受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性を算出する。算出する高周波特性は、例えばSパラメータまたはインピーダンスであり、パターン18の特性は、例えばパターン18内の電流および/または電圧、電界および/または磁界の強度などである。目標が受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性である場合には、受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性の算出によりステップS16を終了する。
【0048】
目標が受動素子30を含む電子回路の特性の場合、プロセッサ22は、算出された受動素子30の高周波特性を用い電子回路の特性を算出する。例えば受動素子30を図3の増幅回路40の整合回路46に用い、目標が増幅回路40の特性の場合、算出された受動素子30の高周波特性(例えばSパラメータ)を整合回路46の高周波特性とし、増幅回路40の特性を算出する。これにより、ステップS16を終了する。
【0049】
[ステップS18の例の説明]
目標とする特性が受動素子30におけるSパラメータの場合、Sパラメータの目標範囲は、例えばS11、S12、S21および/またはS22のスミスチャート上の範囲、S11、S12、S21および/またはS22の絶対値の範囲である。目標とする特性が受動素子30におけるインピーダンスの場合、インピーダンスの目標範囲は、例えば入力ポートP1からパターンをみたインピーダンスおよび/または出力ポートP2からパターン18をみたインピーダンスのスミスチャート上の範囲、インピーダンスの絶対値の範囲である。目標とする特性が受動素子30における電流および/または電圧の場合、電流および/または電圧の範囲は例えばパターン18内の特性箇所の電流成分および/または電圧成分の大きさ、パターン18内の最大電流密度などである。目標とする特性が受動素子30における電界および/または磁界の場合、電界および/または磁界の範囲は、例えば受動素子30内外の特定箇所の電界および/または磁界の大きさの範囲である。目標とする特性が増幅回路40の特性の場合、増幅回路40の特性の範囲は、例えば、増幅回路40の効率、歪特性および/またはパワー特性の範囲である。
【0050】
[ステップS20の例の説明]
ステップS20では、ステップS12においてパターンデータを生成するときの生成条件を変更する。例えば、図8のステップS34において複数の重みWを生成するときに用いる生成条件を変更する。重みWの生成条件は、Wごとに生成条件を設定してもよい。プロセッサ22は、メモリ24に格納された過去のパターンデータと、パターンデータに関連付けされた特性とに基づき、特性を目的関数とし、目的関数が目標範囲に近づくように複数の重みWの生成条件を最適化してもよい。最適化の手法としては、ニュートン法等の勾配法を用いてもよいし、機械学習を用いてもよい。
【0051】
[ステップS22の例の説明]
図14は、実施例1におけるステップS22において出力されるパターンデータD3の例を示す図である。図14に示すようなパターンデータD3を用いてステップS16において特性を算出したところ、ステップS18において、算出された特性が目標範囲であると判定される。図14のように、入力ポートP1と出力ポートP2とはパターン18を介し物理的に接続されている。ステップS22において、プロセッサ22は、図14のパターンデータD3を外部の装置(コンピュータ、表示装置またはプリンタ)等に出力する。
【0052】
比較例として、図5のステップS14を設けない場合、ステップS12において生成されたパターンデータについて、ステップS16において特性を算出する。しかし、電磁界解析の計算には時間がかかる。例えば、1つのパターンデータについて電磁界解析を行うには1秒以上かかることもある。一方、ステップS12のようにパターンデータの生成は、例えば1000個以上のパターンデータを生成しても0.1秒以下の時間で十分である。ステップS12において生成されたパターンデータでは、ステップS16において電磁界解析しても意味のないパターンデータも多く含まれる。このようなパターンデータに対して電磁界解析を行うと、コンピュータ20への負荷が大きくなる。
【0053】
実施例1によれば、図5のステップS12において、誘電体層32の表面10に設けられた金属層のパターン18に対応するパターンデータを生成条件に基づき生成する。ステップS14のように、生成されたパターンデータが所定条件を満足するか否か判定する。所定条件を満足しないと判定したときパターンデータを生成するステップS12に戻る。ステップS16のように、所定条件を満足すると判定したときパターンデータに基づき電磁界解析することで、入力ポートP1(パターン18の第1箇所)に高周波信号が入力し、出力ポートP2(パターン18の第2箇所)から高周波信号が出力するときのパターン18、またはパターン18を有する素子もしくは回路の特性を算出する。ステップS18のように、算出されたパターン18、またはパターン18を有する素子もしくは回路の特性が目標範囲内であるか否か判定する。ステップS20のように、算出された特性が目標範囲内でないと判定したとき、パターンデータを生成する生成条件を変更する。その後、ステップS12に戻る。このように、パターンデータが所定条件を満足しない場合、電磁界解析を実行せず、パターンデータが所定条件を満足する場合、電磁界解析を実行する。これにより、例えば、入力ポートP1と出力ポートP2とはパターン18を介し物理的に接続されていない場合など、明らかにステップS18にて目標とする特性範囲に及ばないと思われるパターンデータに対し、電磁界解析を行わないため、コンピュータ20への負荷を抑制でき、パターンの最適化を効率よく行うことができる。特性を算出する素子は、実施例1および2のように受動素子30でもよいし他の素子でもよい。特性を算出する回路は増幅回路40でもよいし他の回路でもよい。
【0054】
ステップS20におけるパターンデータの生成条件の変更は、変更される生成条件に基づき生成されるパターンデータに基づき算出されるパターン18、またはパターン18を有する素子もしくは回路の特性が目標範囲に近づくように実行する。これにより、ステップS14において、より目標範囲を満足しやすいパターンデータを生成できる。
【0055】
ステップS12では、図8のステップS34のように、表面10における複数の位置にそれぞれ関連付けられた複数の重みWを生成する。ステップS36~S48のように、生成された複数の重みWに基づきパターンデータを生成する。このとき、ステップS20において変更されるパターンデータの生成条件は、ステップS34において複数の重みWnを生成する条件である。このように、重みWの生成条件を変更することで、パターンデータの生成条件を変更できる。パターンデータの生成条件は、重みWの生成条件以外の条件でもよい。
【0056】
ステップS34において、重みWの範囲(例えば複数の重みWの各々の範囲)内において複数の重みWをランダムに生成する。ステップS20において、ステップS34において重みWをランダムに生成する範囲を変更しステップS12に戻る。重みWをランダムに生成する範囲の変更は、変更される複数の重みWの範囲内においてランダムに生成される複数の重みWに基づき生成されるパターンデータに基づき算出されるパターン18、素子または回路の特性が目標範囲に近づくように実行する。これにより、ステップS18において、より目標範囲を満足しやすいパターンデータを生成できる。
【0057】
入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続されていないパターンデータは、ステップS16において電磁界解析を行っても所望の特性が得られない。よって、ステップS14における所定条件を、入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続されることとする。これにより、電磁界解析を行う必要のないパターンデータの電磁界解析を行わなくてよくなり、パターンの最適化を効率よく行うことができる。
【0058】
ステップS12において、異なるパターンデータを複数生成する。ステップS14において、複数のパターンデータのうち少なくとも1つのパターンデータが所定条件を満足したとき、所定条件を満足すると判定し、複数のパターンデータの全てが所定条件を満足しないとき、所定条件を満足しないと判定する。これにより、ステップS12に一度に複数のパターンデータを生成するため、より効率的にパターンの最適化を行うことができる。
【0059】
ステップS12において、一度にパターンデータを生成する個数は、ステップS14において所定条件を満足するパターンデータの個数に基づき変更してもよい。例えば、ステップS14において所定条件を満足するパターンデータが多い場合、ステップS12において一度にパターンデータを生成する個数を少なくし、ステップS14において所定条件を満足するパターンデータが少ない場合(例えば0の場合)、ステップS12において一度にパターンデータ生成する個数を多くしてもよい。
【0060】
ステップS12において、図8のステップS36のように、プロセッサ22は、複数の関数Gを算出する。複数の関数Gnは、表面10内の位置(例えば単位領域14の中心xの位置)を各々変数とし、複数の位置(例えば中心μの位置)にそれぞれ関係し、複数の重みWをそれぞれ有する。ステップS38~S40のように、プロセッサ22は、表面10が分割された複数の単位領域14の各々に対し、対応する単位領域14における複数の関数Gの積算値y(x)がそれぞれ所定範囲(例えばth≧0)のとき対応する単位領域14にパターン18を生成し、積算値y(x)が所定範囲でないとき対応する単位領域14にパターン18を生成しない。これにより、重みWに基づきパターンデータを生成できる。所定範囲は、例えばステップS38のようにある閾値th以上でもよいし、ある閾値thより小さくてもよい。
【0061】
複数の関数として複数の位置を中心とするガウス基底関数を例に説明したが、複数の関数はガウス基底関数以外でもよい。複数の関数は中心μにおいて極大または極小となり、μから離れると徐々に0に近づく、有限の範囲では0とならないことが好ましい。
【0062】
[実施例2]
図15は、実施例2においてコンピュータの処理を示すフローチャートである。図15に示すように、ステップS14においてNoの場合、プロセッサ22は、ステップS24においてパターンデータが所定条件に近づくように複数の重みの生成条件を変更する(ステップS24)。その後、ステップS12に戻り、プロセッサ22は、変更された生成条件に基づき、パターンデータを生成する。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0063】
[ステップS24の例の説明]
ステップS24では、図8のステップS34において重みWを生成するときの重みWの生成条件を変更する。重みWの生成条件として、例えば重みWを生成できるWの範囲をW(W1~W9)毎に設定する。プロセッサ22は、メモリ24に格納された過去のパターンデータと、パターンデータに関連付けされたパターンデータとの特徴とに基づき、特徴を目的関数とし、目的関数が所定条件の特徴に近づくように複数の重みWの生成条件を最適化してもよい。最適化の手法としては、ニュートン法等の勾配法を用いてもよいし、機械学習を用いてもよい。
【0064】
ステップS24において、目的関数とするパターンデータの例について説明する。図16は、実施例2におけるステップS14において用いる判定用データE3の例を示す図である。判定用データE3はパターンデータD1を別のシートにコピーしたデータである。図16に示すように、ステップS14において図12のように、これ以上判定用データE3の要素を2とする単位領域14が存在しないとき、プロセッサ22は、出力ポートP2に接する単位領域14(例えば(10、4)および(10、5))に接続する単位領域15dに相当する判定用データE3の要素に3をセットする。判定用データE3の要素が2の単位領域15cを生成するのと同様に、判定用データE3の要素が3の単位領域15dを生成する。これ以上判定用データE2の要素を3とする単位領域14は存在しないとき、プロセッサ22は、単位領域15cと15dとの最も短い距離を算出する。図16では、単位領域(4、5)と(7、5)の距離Dが最も短い。そこで、パターンデータD1の特徴として距離Dとする。
【0065】
ステップS24において、プロセッサ22は、距離Dを目的関数とし、目的関数が小さくなるように複数の重みWの生成条件を最適化する。これにより、ステップS12において、距離Dが小さくなるようにパターンデータが生成される。また、プロセッサ22は、単位領域(4、5)と(7、5)の間の単位領域(5、5)および(6、5)付近を中心とするガウス基底関数の重みが1に近くなるように重みWの生成条件を変更してもよい。
【0066】
実施例2によれば、図15のステップS14においてNoと判定したとき、ステップS24のように、変更した生成条件に基づき生成されるパターンデータが所定条件に近づくようにパターンデータの生成条件を変更しステップS12に戻る。これにより、ステップS12において、所定条件を満足するようにパターンデータが生成される。よって、パターンの最適化を効率よく行うことができる。
【0067】
所定条件が、入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続されることである場合、ステップS24において、変更した生成条件に基づき生成されるパターンデータにおける、入力ポートP1に接続されるパターン(単位領域15cのパターン)と出力ポートP2に接続されるパターン(単位領域15dのパターン)との最小距離Dが小さくなるように生成条件を変更する。これにより、ステップS12において、距離Dが小さくなるようにパターンデータが生成され、入力ポートP1と出力ポートP2との間がパターン18を介し物理的に接続されるパターンデータが生成される確率が高くなる。よって、パターンの最適化を効率よく行うことができる。
【0068】
実施例1および2では、図5および図15において、初期はステップS12において生成されたパターンデータのほとんどはステップS14において所定条件を満足しない。ステップS18からステップS12のループを繰り返すと、ステップS12において生成されたパターンデータのほとんどはステップS14において所定条件を満足するようになる。このように、ステップS12において生成されたパターンデータのほとんどがステップS14において所定条件を満足するようになった場合、ステップS14は行わなくてもよい。
【0069】
本開示は、このような特徴的なプロセッサ22(処理部)を備えるパターン生成装置として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとするパターン生成方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、パターン生成装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、パターン生成装置を含むパターン生成システムとして実現したりすることができる。
【0070】
上記実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。パターン生成装置は、コンピュータを備えて構成され、パターン生成装置の各機能は、コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムがコンピュータのCPUによって実行されることで発揮される。コンピュータプログラムは、CD-ROMなどの一時的でない有形の記録媒体に記憶させることができる。
【0071】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
10 表面
14、14a、14b、15a~15d 単位領域
18 パターン
20 コンピュータ
22 プロセッサ
24 メモリ
25 内部バス
26 入力装置
28 出力装置
30 受動素子
32 誘電体層
34、36 金属層
40 増幅回路
42 増幅器
44、46 整合回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
プロセッサ22は、算出された特性が目標範囲か否かを判定する(ステップS18)。目標とする特性が受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性の場合、プロセッサ22は、算出された受動素子30の高周波特性またはパターン18の特性が目標範囲に含まれているか否かを判定する。目標とする特性が受動素子30を用いた増幅回路40等の特性の場合、プロセッサ22は、増幅回路40等の特性が目標範囲に含まれているか否かを判定する。ステップS16において、異なる複数のパターンデータに対応する複数の特性を算出した場合、プロセッサ22は、算出された複数の特性のうち少なくとも1つの特性が目標範囲に含まれているとき、目標範囲に含まれていると判定し、算出された複数の特性の全てが目標範囲に含まれていないとき、目標範囲に含まれていないと判定する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
[ステップS12の例の説明]
ステップS12において、プロセッサ22がパターンデータを生成する方法について説明する。図7は、実施例1におけるパターンデータの生成方法を示す図である。図7に示すように、簡略化のため単位領域14を7×7個を例に説明する。単位領域(1、1)~(7、7)が設けられている。単位領域(1、1)のX方向における-側およびY方向における-側を原点(0、0)とすると、単位領域(1、1)の中心xの座標は(0.5,0.5)である。同様に単位領域(7、7)の中心座標は(6.5,6.5)である。パターン18が形成された単位領域15aをironと称し、パターン18が形成されていない単位領域15bをairと称する。ironおよびairをそれぞれ1および0で表すとすると、パターンデータは、各単位領域(1、1)~(7、7)ironかairかを示すデータであり、7×7の行列であり、各要素は1または0となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
図7では、9個のガウス基底関数G1~G9を配置する。ガウス基底関数G1~G9の中心μ1~μ9の座標は、それぞれ(0,0)、(3.5,0)、(7,0)、(0,3.5)、(3.5,3.5)、(7,3.5)、(0,7)、(3.5,7)および(7,7)である。ガウス基底関数Gの中心μは単位領域14の角、辺、中心または他の位置に位置してもよい。ガウス基底関数Gの個数および位置は任意に設定できる。半径rも任意に設定できるが、μを中心に半径rの円は隣接するガウス基底関数Gの間で一部が重なることが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
プロセッサ22は、算出されたy(x)が閾値th以上か否かを判定する(ステップS38)。閾値thは例えば0である。y(x)が閾値th以上のとき単位領域(1、1)をironと判定(ステップS40)し、単位領域(1、1)にパターンを生成する。プロセッサ22は、y(x)が閾値thより小さいとき単位領域(1、1)をairと判定し(ステップS42)、単位領域(1、1)にパターンを生成しない。プロセッサ22は、単位領域(1、1)に対応するパターンデータの要素をironのとき1、airのとき0とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
プロセッサ22は最後の単位領域14か否か判定する(ステップS44)。Noの場合、プロセッサ22は単位領域14をインクリメントする(ステップS46)。例えば単位領域を(2、1)とする。ステップS36に戻り、プロセッサ22はステップS36~S44を実行する。これにより、単位領域(2、1)に対応するパターンデータの要素が1または0となる。その後、プロセッサ22は、残りの単位領域(3、1)~(7、7)について、同様にironかairの判定を行い、パターンデータを生成する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
ステップS34において、重みWの範囲(例えば複数の重みWの各々の範囲)内において複数の重みWをランダムに生成する。ステップS20において、ステップS34において重みWをランダムに生成する範囲を変更しステップS12に戻る。重みWをランダムに生成する範囲の変更は、変更される複数の重みWの範囲内においてランダムに生成される複数の重みWに基づき生成されるパターンデータに基づき算出されるパターン18、素子または回路の特性が目標範囲に近づくように実行する。これにより、ステップS14において、より目標範囲を満足しやすいパターンデータを生成できる。