(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121571
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】基板処理システム、基板処理方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230824BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 648A
H01L21/304 648H
H01L21/304 651B
H01L21/304 642A
H01L21/304 651Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024981
(22)【出願日】2022-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】土屋 孝文
(72)【発明者】
【氏名】原 大海
(72)【発明者】
【氏名】月野木 渉
(72)【発明者】
【氏名】後藤 修平
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131BB03
5F131BB23
5F131CA32
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB76
5F131DB82
5F131DD33
5F131DD82
5F131GA14
5F131GA33
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA35
5F131HA37
5F157AB02
5F157AB03
5F157AB13
5F157AB33
5F157AB34
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157BB01
5F157BB11
5F157CB14
5F157CB26
5F157DC01
(57)【要約】
【課題】バッチ処理と枚葉処理とを含む複合処理と、枚葉処理とを並行して実施できる技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様による基板処理システムは、複数枚の基板を収容するカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、前記カセットが収容する前記基板を前記枚葉処理部と前記バッチ処理部との間で振り分ける第1インタフェース部と、前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡す第2インタフェース部と、を有し、前記第1インタフェース部は、前記枚葉処理部で処理する前後の前記基板を載置する第1載置部と、前記バッチ処理部で処理する前の前記基板を載置する第2載置部と、前記カセットが収容する前記基板を前記第1載置部及び前記第2載置部に搬送する搬送装置と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を収容するカセットが搬入出される搬入出部と、
複数枚の前記基板を含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、
前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、
前記カセットが収容する前記基板を前記枚葉処理部と前記バッチ処理部との間で振り分ける第1インタフェース部と、
前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡す第2インタフェース部と、
を有し、
前記第1インタフェース部は、
前記枚葉処理部で処理する前後の前記基板を載置する第1載置部と、
前記バッチ処理部で処理する前の前記基板を載置する第2載置部と、
前記カセットが収容する前記基板を前記第1載置部及び前記第2載置部に搬送する搬送装置と、
を含む、
基板処理システム。
【請求項2】
前記第1載置部は、
前記枚葉処理部で処理する前の前記基板を載置する第1領域と、
前記枚葉処理部で処理した後の前記基板を載置する第2領域と、
を含み、
前記第1領域と前記第2領域とは鉛直方向に並んで配置される、
請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記第1領域は、第1枚数の前記基板を載置可能であり、
前記第2領域は、第2枚数の前記基板を載置可能であり、
前記第2枚数は、前記第1枚数よりも多い、
請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記第2領域は、前記第1領域よりも鉛直方向上段に設けられる、
請求項2又は3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記ロットは、複数枚の前記基板を第1ピッチで含み、
前記第1載置部は、前記第1ピッチのN(Nは2以上の自然数)倍である第2ピッチで前記基板を載置する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記カセットは、前記第2ピッチで前記基板を収容する、
請求項5に記載の基板処理システム。
【請求項7】
制御装置を有し、
前記制御装置は、前記搬入出部に搬入される前記カセットに関連付けされた情報に基づいて、前記カセットが収容する複数枚の前記基板を、前記第1載置部及び前記第2載置部のいずれか一方に搬送するように前記搬送装置を制御するよう構成される、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理システム。
【請求項8】
複数枚の基板を収容するカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部とを有する基板処理システムにおける基板処理方法であって、
(a)前記カセットが収容する前記基板を、前記バッチ処理部を経由することなく前記枚葉処理部に搬送し、前記枚葉処理部において前記基板を処理した後に前記基板を前記カセットに戻すことと、
(b)前記カセットが収容する複数枚の前記基板を含む前記ロットを前記バッチ処理部に搬送し、前記バッチ処理部において前記ロットを一括で処理することと、
(c)前記バッチ処理部において処理された前記ロットを、前記バッチ処理部から前記枚葉処理部に搬送し、前記枚葉処理部において前記基板を処理した後に前記基板を前記カセットに戻すことと、
を有する、
基板処理方法。
【請求項9】
前記(a)と、前記(b)及び前記(c)とを並行して行う、
請求項8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の基板処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システム、基板処理方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の基板処理システムは、バッチ処理部と枚葉処理部とを備える。バッチ処理部は、水洗処理された半導体ウエハを水中に保持する。半導体ウエハは、複数枚が1つの保持台に載せられた状態で薬液処理される。移送部は、バッファ槽から半導体ウエハを1枚ずつ取り上げて枚葉処理部へ移送する。枚葉処理部は、移送部で移送された1枚の半導体ウエハを、主面が水平になるように支持し基板を乾燥する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、バッチ処理と枚葉処理とを含む複合処理と、枚葉処理とを並行して実施できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理システムは、複数枚の基板を収容するカセットが搬入出される搬入出部と、複数枚の前記基板を含むロットを一括で処理するバッチ処理部と、前記基板を1枚ずつ処理する枚葉処理部と、前記カセットが収容する前記基板を前記枚葉処理部と前記バッチ処理部との間で振り分ける第1インタフェース部と、前記バッチ処理部と前記枚葉処理部との間で前記基板を受け渡す第2インタフェース部と、を有し、前記第1インタフェース部は、前記枚葉処理部で処理する前後の前記基板を載置する第1載置部と、前記バッチ処理部で処理する前の前記基板を載置する第2載置部と、前記カセットが収容する前記基板を前記第1載置部及び前記第2載置部に搬送する搬送装置と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、バッチ処理と枚葉処理とを含む複合処理と、枚葉処理とを並行して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る基板処理システムを示す平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施形態に係る基板処理方法の複合処理の動作を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る基板処理方法の枚葉処理の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
(基板処理システム)
図1を参照し、実施形態に係る基板処理システムについて説明する。
図1に示されるように、基板処理システム1は、搬入出部2と、第1インタフェース部3と、バッチ処理部4と、第2インタフェース部5と、枚葉処理部6と、制御装置9とを有する。
【0010】
搬入出部2は、搬入部と搬出部とを兼ねる。このため、基板処理システム1を小型化できる。搬入出部2は、ロードポート21と、ストッカ22と、ローダ23と、カセット搬送装置24とを有する。
【0011】
ロードポート21は、搬入出部2のX軸方向負側に配置される。ロードポート21は、Y軸方向に沿って複数(例えば4つ)配置される。ただし、ロードポート21の数は特に限定されない。ロードポート21には、カセットCが載置される。カセットCは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを収容し、ロードポート21に対して搬入出される。カセットCの内部にて、基板Wは水平に保持され、鉛直方向に第1ピッチP1のN倍である第2ピッチP2(P2=N×P1)で保持される。Nは、2以上の自然数であり、本実施形態では2であるが、3以上であってもよい。
【0012】
ストッカ22は、搬入出部2のX軸方向中央に、Y軸方向に沿って複数(例えば4つ)配置される。ストッカ22は、搬入出部2のX軸方向正側に、Y軸方向に沿って第1インタフェース部3に隣接して複数(例えば2つ)配置される。ストッカ22は、鉛直方向に多段に配置されてもよい。ストッカ22は、洗浄処理前の基板Wが収納されたカセットC、基板Wが取り出されて内部が空となったカセットC等を一時的に保管する。なお、ストッカ22の数は特に限定されない。
【0013】
ローダ23は、第1インタフェース部3に隣接しており、搬入出部2のX軸方向正側に配置される。ローダ23には、カセットCが載置される。ローダ23には、カセットCの蓋体の開閉を行うための蓋体開閉機構(図示せず)が設けられる。ローダ23は、複数設けられてもよい。ローダ23は、鉛直方向に多段に配置されてもよい。
【0014】
カセット搬送装置24は、例えば多関節搬送ロボットである。カセット搬送装置24は、ロードポート21と、ストッカ22と、ローダ23との間でカセットCを搬送する。
【0015】
第1インタフェース部3は、搬入出部2のX軸方向正側に配置される。第1インタフェース部3は、搬入出部2と、バッチ処理部4と、枚葉処理部6との間で基板Wを搬送する。第1インタフェース部3は、基板移載装置31と、ロット形成部32と、第1受渡台33とを有する。
【0016】
基板移載装置31は、ローダ23に載置されたカセットCと、ロット形成部32と、第1受渡台33との間で基板Wを搬送する。基板移載装置31は、ローダ23に載置されたカセットCが収容する基板Wを、枚葉処理部6に搬送するための第1受渡台33と、バッチ処理部4に搬送するためのロット形成部32との間で振り分ける。基板移載装置31は、多軸(例えば6軸)アームロボットからなり、その先端に基板保持アーム31aを有する。基板保持アーム31aは、複数枚(例えば25枚)の基板Wを保持しうる複数の保持爪(図示せず)を有する。基板保持アーム31aは、保持爪により基板Wを保持した状態で、3次元空間内で任意の位置及び姿勢をとることができる。
【0017】
ロット形成部32は、第1インタフェース部3のX軸方向正側に配置される。ロット形成部32は、複数枚の基板Wを第1ピッチP1で保持し、ロットLを形成する。
【0018】
第1受渡台33は、枚葉処理部6に隣接しており、第1インタフェース部3のY軸方向正側に配置される。第1受渡台33は、枚葉処理部6で処理する前の基板Wを載置する第1領域と、枚葉処理部6で処理された後の基板Wを載置する第2領域とを含む。第1領域と第2領域とは、鉛直方向に並んで配置される。第2領域は、第1領域よりも鉛直方向上段に設けられることが好ましい。この場合、処理後の基板が、処理前の基板の異物が落下することによって汚染されることを防止できる。第1領域には、複数枚の基板Wが第2ピッチP2で載置される。第1領域は、第1枚数の基板Wを載置可能に構成される。第1枚数は、例えば25枚である。第1枚数は、例えばカセットCの基板Wの収容枚数と同じ枚数である。第2領域には、複数枚の基板Wが第2ピッチP2で載置される。第2領域は、第2枚数の基板Wを載置可能に構成される。第2枚数は、第1枚数よりも多く、例えば50枚又は100枚である。第2枚数は、例えばロットLを構成する基板Wの枚数と同じ枚数である。ロットLは、複数のカセットCの基板Wで構成される。第1受渡台33は、第1領域において、基板移載装置31から基板Wを受け取り、枚葉処理部6に渡すまで、一時的に保管する。第1受渡台33は、第2領域において、第4搬送装置61から基板Wを受け取り、搬入出部2に渡すまで、一時的に保管する。
【0019】
バッチ処理部4は、第1インタフェース部3のX軸方向正側に配置される。すなわち、搬入出部2と、第1インタフェース部3と、バッチ処理部4とは、この順番で、X軸方向負側からX軸方向正側に向けて配置される。バッチ処理部は、複数枚(例えば50枚又は100枚)の基板Wを第1ピッチP1で含むロットLを、一括で処理する。1つのロットLは、例えばM個のカセットCの基板Wで構成される。Mは、2以上の自然数である。Mは、Nと同じ自然数でもよいし、Nとは異なる自然数でもよい。バッチ処理部4は、薬液槽41と、リンス液槽42と、第1搬送装置43と、処理具44と、駆動装置45とを有する。
【0020】
薬液槽41とリンス液槽42とは、X軸方向に沿って配置される。例えば、X軸方向正側からX軸方向負側に向けて、薬液槽41と、リンス液槽42とがこの順で並ぶ。なお、薬液槽41とリンス液槽42とをまとめて処理槽とも称する。薬液槽41とリンス液槽42の数は
図1のものに限定されない。例えば、薬液槽41及びリンス液槽42は、
図1では1組であるが、複数組であってもよい。
【0021】
薬液槽41は、ロットLが浸漬される薬液を貯留する。薬液は、例えばリン酸水溶液(H3PO4)である。リン酸水溶液は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜のうち、シリコン窒化膜を選択的にエッチングし、除去する。薬液は、リン酸水溶液には限定されない。例えば、DHF(希フッ酸)、BHF(フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、希硫酸、SPM(硫酸と過酸化水素と水の混合液)、SC1(アンモニアと過酸化水素と水の混合液)、SC2(塩酸と過酸化水素と水の混合液)、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウムと水の混合液)、メッキ液等であってもよい。薬液は、剥離処理用又はメッキ処理用であってもよい。薬液の数は、特に限定されず、複数であってもよい。
【0022】
リンス液槽42は、ロットLが浸漬される第1リンス液を貯留する。第1リンス液は、基板Wから薬液を除去する純水であって、例えばDIW(脱イオン水)である。
【0023】
第1搬送装置43は、ガイドレール43aと、第1搬送アーム43bとを有する。ガイドレール43aは、処理槽よりもY軸方向負側に配置される。ガイドレール43aは、第1インタフェース部3からバッチ処理部4へ水平方向(X軸方向)に沿って延びる。第1搬送アーム43bは、ガイドレール43aに沿って水平方向(X軸方向)に移動する。第1搬送アーム43bは、鉛直方向に移動してもよく、鉛直軸周りに回転してもよい。第1搬送アーム43bは、第1インタフェース部3とバッチ処理部4との間でロットLを一括で搬送する。
【0024】
処理具44は、第1搬送アーム43bからロットLを受け取り、保持する。処理具44は、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持し、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直に保持する。
【0025】
駆動装置45は、処理具44をX軸方向及びZ軸方向に移動させる。処理具44は、薬液槽41に貯留された薬液にロットLを浸漬し、次いで、リンス液槽42に貯留された第1リンス液にロットLを浸漬し、その後、ロットLを第1搬送装置43に渡す。
【0026】
処理具44と駆動装置45のユニットの数は、本実施形態では1つであるが、複数でもよい。後者の場合、1つのユニットが薬液槽41に貯留された薬液にロットLを浸漬し、別のユニットがリンス液槽42に貯留された第1リンス液にロットLを浸漬する。この場合、駆動装置45は、処理具44をZ軸方向に移動させればよく、処理具44をX軸方向に移動させなくてもよい。
【0027】
第2インタフェース部5は、バッチ処理部4のY軸方向正側に配置される。第2インタフェース部5は、バッチ処理部4と枚葉処理部6との間で基板Wを搬送する。第2インタフェース部5は、浸漬槽51と、第2搬送装置52と、第3搬送装置53と、第2受渡台54とを有する。
【0028】
浸漬槽51は、第1搬送アーム43bの移動範囲外に配置される。例えば、浸漬槽51は、処理槽に対してY軸方向正側にずれた位置に配置される。浸漬槽51は、ロットLが浸漬される第2リンス液を貯留する。第2リンス液は、例えばDIW(脱イオン水)である。基板Wは、第3搬送装置53により第2リンス液から引き上げられるまで、第2リンス液中で保持される。第2リンス液の液面よりも下に基板Wが存在するので、第2リンス液の表面張力が基板Wに作用せず、基板Wの凹凸パターンの倒壊を防止できる。
【0029】
第2搬送装置52は、Y軸駆動装置52aと、Z軸駆動装置52bと、第2搬送アーム52cとを有する。
【0030】
Y軸駆動装置52aは、第2インタフェース部5のX軸方向正側に配置される。Y軸駆動装置52aは、第2インタフェース部5からバッチ処理部4へ水平方向(Y軸方向)に沿って延びる。Y軸駆動装置52aは、Z軸駆動装置52b及び第2搬送アーム52cをY軸方向に移動させる。Y軸駆動装置52aは、ボールねじを含んでよい。
【0031】
Z軸駆動装置52bは、Y軸駆動装置52aに移動可能に取り付けられる。Z軸駆動装置52bは、第2搬送アーム52cをZ軸方向に移動させる。Z軸駆動装置52bは、ボールねじを含んでよい。
【0032】
第2搬送アーム52cは、Z軸駆動装置52bに移動可能に取り付けられる。第2搬送アーム52cは、第1搬送アーム43bからロットLを受け取り、保持する。第2搬送アーム52cは、複数枚の基板WをY軸方向に第1ピッチP1で保持し、複数枚の基板Wのそれぞれを鉛直方向に保持する。第2搬送アーム52cは、Y軸駆動装置52a及びZ軸駆動装置52bにより、Y軸方向及びZ軸方向に移動する。第2搬送アーム52cは、受渡位置と、浸漬位置と、待機位置とを含む複数の位置を移動可能に構成される。
【0033】
受渡位置は、第1搬送アーム43bと第2搬送アーム52cとの間でロットLの受け渡しを行う位置である。受渡位置は、Y軸方向負側かつZ軸方向正側の位置である。
【0034】
浸漬位置は、浸漬槽51にロットLを浸漬させる位置である。浸漬位置は、受渡位置よりもY軸方向正側かつZ軸方向負側の位置である。
【0035】
待機位置は、ロットLの受け渡し及び浸漬槽51へのロットLの浸漬を行わないときに第2搬送アーム52cが待機する位置である。待機位置は、受渡位置の直下(Z軸方向負側)であり、第1搬送アーム43bの移動を妨げない位置である。この場合、第2搬送アーム52cが上方(Z軸方向正側)への移動のみで受渡位置に移動できるので、スループットが向上する。待機位置は、浸漬位置と同じ位置であってもよい。この場合、第1搬送装置43が動作することに伴い生じ得るパーティクルが第2搬送アーム52cに付着することを防止できる。待機位置は、浸漬位置の直上(Z軸方向正側)の位置であってもよい。このように、待機位置を受渡位置とは異なる位置に設定することにより、第1搬送アーム43bと第2搬送アーム52cとの接触を防止できる。
【0036】
係る第2搬送装置52は、第1搬送装置43が動作している間、第2搬送アーム52cを浸漬位置又は待機位置に移動させる。これにより、第1搬送アーム43bと第2搬送アーム52cとの接触を防止できる。
【0037】
第3搬送装置53は、多軸(例えば6軸)アームロボットからなり、その先端に第3搬送アーム53aを有する。第3搬送アーム53aは、1枚の基板Wを保持しうる保持爪(図示せず)を有する。第3搬送アーム53aは、保持爪により基板Wを保持した状態で、3次元空間内で任意の位置及び姿勢をとることができる。第3搬送装置53は、浸漬位置にある第2搬送アーム52cと、第2受渡台54との間で基板Wを搬送する。このとき、浸漬槽51が第1搬送アーム43bの移動範囲外に配置されているので、第1搬送アーム43bと第3搬送アーム53aとが干渉しない。これにより、第1搬送装置43と第3搬送装置53のうちの一方を他方の動作状態によらずに独立して動作させることができる。このため、任意にタイミングで第1搬送装置43及び第3搬送装置53を動作させることができるので、基板Wの搬送に要する時間を短縮できる。その結果、基板処理システム1の生産性が向上する。
【0038】
第2受渡台54は、枚葉処理部6に隣接しており、第2インタフェース部5のX軸方向負側に配置される。第2受渡台54は、第3搬送装置53から基板Wを受け取り、枚葉処理部6に受け渡すまで、一時的に保管する。すなわち、第2受渡台54には、浸漬槽51から取り出された基板Wが載置される。第2受渡台54に載置された基板Wは、例えば表面が第2リンス液で濡れた状態であることが好ましい。この場合、第2リンス液の表面張力が基板Wに作用せず、基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できる。第2受渡台54には、複数枚(例えば2枚)の基板Wが載置される。
【0039】
枚葉処理部6は、第2インタフェース部5のX軸方向負側、かつ搬入出部2、第1インタフェース部3及びバッチ処理部4のY軸方向正側に配置される。枚葉処理部6は、基板Wを1枚ずつ処理する。枚葉処理部6は、第4搬送装置61と、液処理装置62と、乾燥装置63とを有する。
【0040】
第4搬送装置61は、ガイドレール61aと、第4搬送アーム61bとを有する。ガイドレール61aは、枚葉処理部6のY軸方向負側に配置される。ガイドレール61aは、枚葉処理部6において水平方向(X軸方向)に沿って延びる。第4搬送アーム61bは、ガイドレール61aに沿って水平方向(X軸方向)及び鉛直方向に移動し、鉛直軸周りに回転する。第4搬送アーム61bは、第2受渡台54と、液処理装置62と、乾燥装置63と、第1受渡台33との間で基板Wを搬送する。第4搬送アーム61bの数は1つでも複数でもよく、後者の場合、第4搬送装置61は複数枚(例えば5枚)の基板Wを一括で搬送する。
【0041】
液処理装置62は、枚葉処理部6のX軸方向正側かつY軸方向正側に配置される。液処理装置62は、枚葉式であって、基板Wを1枚ずつ処理液で処理する。液処理装置62は、鉛直方向(Z軸方向)に多段(例えば3段)に配置される。これにより、複数枚の基板Wを同時に処理液で処理できる。処理液は、複数であってもよく、例えば、DIW等の純水と、純水よりも表面張力の低い乾燥液とであってよい。乾燥液は、例えばIPA(イソプロピルアルコール)等のアルコールであってよい。
【0042】
乾燥装置63は、液処理装置62に対してX軸方向負側に隣接して配置される。この場合、枚葉処理部6のY軸方向正側の端面が、第2インタフェース部5のY軸方向正側の端面と面一又は略面一となるように配置できる。このため、デッドスペースがほとんど生じないので、基板処理システム1のフットプリントを小さくできる。これに対し、乾燥装置63を液処理装置62に対してY軸方向正側に隣接して配置すると、枚葉処理部6のY軸方向正側の端面が、第2インタフェース部5のY軸方向正側の端面よりも飛び出し、デッドスペースが生じ得る。乾燥装置63は、枚葉式であって、基板Wを1枚ずつ超臨界流体で乾燥する。乾燥装置63は、鉛直方向に多段(例えば3段)に配置される。これにより、複数枚の基板Wを同時に乾燥させることができる。
【0043】
液処理装置62と乾燥装置63の両方が枚葉式ではなくてもよく、液処理装置62が枚葉式であって乾燥装置63がバッチ式であってもよい。乾燥装置63は、複数枚の基板Wを一括で超臨界流体により乾燥してもよい。乾燥装置63において一括で処理される基板Wの枚数は、液処理装置62において一括で処理される基板Wの枚数以上であってもよいが、少なくてもよい。液処理装置62及び乾燥装置63以外の装置が枚葉処理部6に配置されてもよい。
【0044】
制御装置9は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)91と、メモリ等の記録媒体92とを備える。記録媒体92には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御装置9は、記録媒体92に記憶されたプログラムをCPU91に実行させることにより、基板処理システム1の動作を制御する。制御装置9は、入力インタフェース93と、出力インタフェース94とを備える。制御装置9は、入力インタフェース93で外部からの信号を受信し、出力インタフェース94で外部に信号を送信する。
【0045】
上記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶され、その記録媒体から制御装置9の記録媒体92にインストールされる。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカード等が挙げられる。なお、プログラムは、インターネットを介してサーバからダウンロードされ、制御装置9の記録媒体92にインストールされてもよい。
【0046】
制御装置9は、搬入出部2に搬入されたカセットCに関連付けされた情報に基づいて、カセットCが収容する複数枚の基板Wを、第1受渡台33及びロット形成部32のいずれか一方に搬送するように基板移載装置31を制御するように構成される。該情報は、基板種別を含んでよい。例えば、制御装置9は、基板種別が製品基板である場合、カセットCが収容する基板Wをロット形成部32に搬送するように基板移載装置31を制御する。例えば、制御装置9は、基板種別がダミー基板である場合、カセットCが収容する基板Wを第1受渡台33に搬送するように基板移載装置31を制御する。
【0047】
以上に説明した実施形態に係る基板処理システムは、搬入出部2と、第1インタフェース部3と、バッチ処理部4と、第2インタフェース部5と、枚葉処理部6とを有する。第1インタフェース部3は、搬入出部2にあるカセットCが収容する基板Wを、枚葉処理部6とバッチ処理部4との間で振り分けるように構成される。枚葉処理部6に振り分けられた基板Wは、枚葉処理部6において枚葉処理が行われる。バッチ処理部4に振り分けられた基板Wは、バッチ処理部4においてバッチ処理が行われる。第2インタフェース部5は、バッチ処理が施された基板Wを枚葉処理部6に搬送する。枚葉処理部6に搬送された基板Wは、枚葉処理部6において枚葉処理が行われる。このように、搬入出部2にあるカセットCが収容する基板Wに対して、バッチ処理と枚葉処理とを含む複合処理と、バッチ処理部4を経由しない枚葉処理とを並行して実施できる。
【0048】
(基板処理システムの動作)
図2~
図4を参照し、実施形態に係る基板処理システム1の動作、すなわち、基板処理方法について説明する。
図2に示される処理は、制御装置9による制御下で実施される。
【0049】
まず、カセットCが、複数枚の基板Wを収容した状態で、搬入出部2に搬入され、ロードポート21に載置される。カセットCの内部にて、基板Wは水平に保持され、鉛直方向に第2ピッチP2(P2=N×P1)で保持される。Nは、2以上の自然数であり、本実施形態では2であるが、3以上であってもよい。
【0050】
次に、カセット搬送装置24が、カセットCをロードポート21からローダ23に搬送する(
図3の矢印F1、
図4の矢印G1)。ローダ23にカセットCが搬送されると、蓋体開閉機構によってカセットCの蓋体が開かれる。
【0051】
次に、制御装置9は、
図2に示される処理を行うように基板処理システム1の各部を制御する。制御装置9は、ローダ23にカセットCが載置されるごとに
図2に示される処理を行うように基板処理システム1の各部を制御する。
【0052】
まず、制御装置9は、ローダ23にカセットCが搬送されると、該カセットCに関連付けされた情報に基づいて、該カセットCが収容する複数枚の基板Wに対し、複合処理と枚葉処理のいずれを行うかを判断する(
図2のS101)。
【0053】
図2のS101において、複合処理を行うと判断した場合、制御装置9は、カセットCが収容する基板Wをバッチ処理部4に搬送するように基板処理システム1の各部を制御する(
図2のS102)。具体的には、基板移載装置31が、カセットCが収容する基板Wを受け取り、ロット形成部32に搬送する(
図3の矢印F2)。次いで、ロット形成部32が、複数枚の基板Wを第1ピッチP1(P1=P2/N)で保持し、ロットLを形成する。1つのロットLは、例えばM個のカセットCの基板Wで構成される。基板Wのピッチが第2ピッチP2から第1ピッチP1に狭くなるので、一括で処理する基板Wの枚数を増加できる。次いで、第1搬送装置43が、ロット形成部32からロットLを受け取り、処理具44に搬送する(
図3の矢印F3)。
【0054】
次に、処理具44が、薬液槽41の上方から下降し、薬液にロットLを浸漬し、薬液処理を行う(
図2のS103)。その後、処理具44が、薬液からロットLを引き上げるべく上昇し、次いでリンス液槽42の上方に向けて水平方向(X軸方向負側)に移動する(
図3の矢印F4)。
【0055】
次に、処理具44が、リンス液槽42の上方から下降し、第1リンス液にロットLを浸漬し、リンス液処理を行う(
図2のS103)。その後、処理具44が、第1リンス液からロットLを引き上げるべく上昇する。次いで、第1搬送装置43が、処理具44からロットLを受け取り、第2搬送装置52に受け渡す。
【0056】
次に、第2搬送装置52の第2搬送アーム52cが、水平方向(Y軸方向正側)に移動し、浸漬槽51の上方から下降し、第2リンス液にロットLを浸漬させる(
図2のS104、
図3の矢印F5)。ロットLの複数の基板Wは、第3搬送装置53により第2リンス液から引き上げられるまで、第2リンス液中で保持される。第2リンス液の液面よりも下に基板Wが存在するので、第2リンス液の表面張力が基板Wに作用せず、基板Wの凹凸パターンの倒壊を防止できる。
【0057】
次に、第3搬送装置53が、第2リンス液中で第2搬送アーム52cによって保持されるロットLの基板Wを、第2受渡台54に搬送する(
図3の矢印F6)。第3搬送装置53は、基板Wを1枚ずつ第2受渡台54に搬送する。
【0058】
次に、第4搬送装置61が、第2受渡台54から基板Wを受け取り、液処理装置62に搬送する(
図3の矢印F7)。
【0059】
次に、液処理装置62が、基板Wを1枚ずつ液体で処理する(
図2のS105)。液体は、複数であってもよく、例えば、DIW等の純水と、純水よりも表面張力の低い乾燥液とであってよい。乾燥液は、例えばIPA等のアルコールであってよい。液処理装置62は、基板Wの上面に、純水と乾燥液とをこの順で供給し、乾燥液の液膜を形成する。
【0060】
次に、第4搬送装置61が、液処理装置62から基板Wを受け取り、乾燥液の液膜を上に向けて基板Wを水平に保持する。第4搬送装置61は、基板Wを液処理装置62から乾燥装置63に搬送する(
図3の矢印F8)。
【0061】
次に、乾燥装置63が、基板Wを1枚ずつ超臨界流体で乾燥する(
図2のS105)。乾燥液を超臨界流体で置換でき、乾燥液の表面張力による基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できる。超臨界流体は、耐圧容器を要するので、耐圧容器を小型化すべく、バッチ処理ではなく、枚葉処理で行われる。
【0062】
なお、乾燥装置63は、本実施形態では枚葉式であるが、上記の通り、バッチ式でもよい。バッチ式の乾燥装置63は、液膜を形成した複数枚の基板Wを、一括で、超臨界流体で乾燥する。枚葉式の乾燥装置63が基板Wを保持する搬送アームを1つ有するのに対し、バッチ式の乾燥装置63は複数の搬送アームを有する。
【0063】
また、本実施形態の乾燥装置63は基板Wを超臨界流体で乾燥するが、乾燥の方式は特に限定されない。乾燥の方式は、基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できるものであればよく、例えば、スピン乾燥、スキャン乾燥、又は撥水乾燥等でもよい。スピン乾燥は、基板Wを回転し、遠心力によって液膜を基板Wから振り切る。スキャン乾燥は、乾燥液の供給位置を基板Wの中心から基板Wの外周に向けて移動させながら、基板Wを回転し、遠心力によって液膜を基板Wから振り切る。スキャン乾燥は、更に、N2ガス等の乾燥ガスの供給位置を、乾燥液の供給位置に追従するように基板Wの中心から基板Wの外周に向けて移動させてもよい。
【0064】
次に、第4搬送装置61が、乾燥装置63から基板Wを受け取り、第1受渡台33に搬送する(
図3の矢印F9)。
【0065】
次に、基板移載装置31が、第1受渡台33から基板Wを受け取り、ローダ23に載置されたカセットC内に収納する(
図2のS106、
図3の矢印F10)。
【0066】
次に、カセット搬送装置24が、カセットCをローダ23からロードポート21に搬送する(
図3の矢印F11)。ロードポート21に搬送されたカセットCは、複数枚の基板Wを収容した状態で、搬入出部2から搬出される。なお、カセット搬送装置24は、カセットCをローダ23からストッカ22に搬送し、ストッカ22において一時的に保管してもよい。
【0067】
図2のS101において、枚葉処理を行うと判断した場合、制御装置9は、カセットCが収容する基板Wを枚葉処理部6に搬送するように基板処理システム1の各部を制御する(
図2のS107)。具体的には、基板移載装置31が、カセットCが収容する基板Wを受け取り、第1受渡台33に搬送する(
図4の矢印G2)。次いで、第4搬送装置61が、第1受渡台33から基板Wを受け取り、液処理装置62に搬送する(
図4の矢印G3)。
【0068】
次に、
図2のS105と同様に、液処理装置62が、基板Wを1枚ずつ液体で処理し、次いで乾燥装置63が、基板Wを1枚ずつ超臨界流体で乾燥する(
図2のS108、
図4の矢印G4)。
【0069】
次に、第4搬送装置61が、乾燥装置63から基板Wを受け取り、第1受渡台33に搬送する(
図4の矢印G5)。
【0070】
次に、基板移載装置31が、第1受渡台33から基板Wを受け取り、ローダ23に載置されたカセットC内に収納する(
図2のS109、
図4の矢印G6)。
【0071】
次に、カセット搬送装置24が、カセットCをローダ23からロードポート21に搬送する(
図4の矢印G7)。ロードポート21に搬送されたカセットCは、複数枚の基板Wを収容した状態で、搬入出部2から搬出される。なお、カセット搬送装置24は、カセットCをローダ23からストッカ22に搬送し、ストッカ22において一時的に保管してもよい。
【0072】
以上に説明した実施形態に係る基板処理方法では、例えば複合処理の対象である第1カセットがローダ23に搬送されると、第1インタフェース部3は第1カセットが収容する基板Wをバッチ処理部4に振り分ける。
【0073】
バッチ処理部4に振り分けられた基板Wは、バッチ処理部4においてバッチ処理が行われる。第2インタフェース部5は、バッチ処理が行われた基板Wを枚葉処理部6に搬送する。枚葉処理部6に搬送された基板Wは、枚葉処理部6において枚葉処理が行われる。搬送された基板Wは、バッチ処理部4においてバッチ処理が行われる。このように、バッチ処理部4に振り分けられた基板Wは、バッチ処理と枚葉処理とを含む複合処理が行われた後、ローダ23にあるカセットCに戻される。
【0074】
第1カセットから取り出された基板Wに対する複合処理が行われている途中で、枚葉処理の対象である第2カセットがローダ23に搬送されると、第1インタフェース部3は第2カセットが収容する基板Wを枚葉処理部6に振り分ける。枚葉処理部6に振り分けられた基板Wは、枚葉処理部6において枚葉処理が行われる。
【0075】
このように、実施形態に係る基板処理方法によれば、バッチ処理と枚葉処理とを含む複合処理と、バッチ処理部4を経由しない枚葉処理とを並行して実施できる。
【0076】
複合処理の対象である第1カセットは、例えば製品基板を収容するカセットである。枚葉処理の対象である第2カセットは、例えばダミー基板を収容するカセットである。この場合、製品基板に対する複合処理と、ダミー基板を用いた枚葉処理部6におけるダミー処理とを並行して実施できる。ダミー処理としては、例えば多段に配置される乾燥装置63の少なくとも1つの乾燥装置63について部品交換等を行った後に、該乾燥装置63に多数のダミー基板を流して該乾燥装置63の清浄度を高める処理が挙げられる。ダミー基板は、製品基板とは異なり、バッチ処理(例えば薬液処理)が不要である。バッチ処理部4を経由することなくダミー基板を枚葉処理部6に搬送することで、無駄な搬送を省略でき、ダミー処理に要する時間を短縮できる。なお、第1カセットは複合処理を施す第1製品基板を収容し、第2カセットは枚葉処理のみを施す第2製品基板を収容してもよい。
【0077】
なお、枚葉処理の対象である第2カセットは、製品基板を収容するカセットであってもよい。この場合、製品基板に対する複合処理と、製品基板に対する枚葉処理とを並行して実施できる。また、複合処理の対象である第1カセットがダミー基板を収容するカセットであってもよい。このように、第1カセット及び第2カセットが収容する基板の種類は限定されるものではない。また、3つ以上のカセットCに対しても同様に、複合処理と枚葉処理とを並行して実施できる。
【0078】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 基板処理システム
2 搬入出部
3 第1インタフェース部
31 基板移載装置
32 ロット形成部
33 第1受渡台
4 バッチ処理部
5 第2インタフェース部
6 枚葉処理部
C カセット
L ロット
W 基板