(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121746
(43)【公開日】2023-08-31
(54)【発明の名称】巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻取装置
(51)【国際特許分類】
B65H 23/198 20060101AFI20230824BHJP
B65H 59/00 20060101ALI20230824BHJP
B65H 18/10 20060101ALI20230824BHJP
H01M 10/04 20060101ALN20230824BHJP
【FI】
B65H23/198
B65H59/00 W
B65H18/10
H01M10/04 W
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025300
(22)【出願日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0022566
(32)【優先日】2022-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】朴 相起
【テーマコード(参考)】
3F055
3F105
3F111
5H028
【Fターム(参考)】
3F055AA09
3F055DA01
3F055FA01
3F105AA08
3F105BA01
3F105CA06
3F105CB01
3F105DA02
3F105DB02
3F105DC08
3F111AA01
3F111DA04
3F111DA19
3F111DC04
3F111DD03
3F111DE01
5H028AA05
5H028BB07
5H028BB15
5H028BB17
5H028CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻取装置に関するもので、短幅および低テンションを有する基材(電極板および/または分離膜)の巻取工程中に発生するテンション値をリアルタイムで精密に測定およびモニタリングし、基材の測定されたテンション値と基材の巻取速度をダイナミックに同期化した巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻き取り装置を提供する。
【解決手段】巻き取られる基材のテンションプロファイルに対応する巻取速度を決定し、巻取速度に対応するモータ制御信号を出力する制御部、モータ制御信号により基材を巻き取らせる巻芯を回転させる電動モータ、および巻芯に巻き取られる基材を移送する移送ローラに設置されて、基材のテンション値をリアルタイムで精密にセンシングして制御部に提供するテンションセンサを含み、制御部は前記テンション値を利用して前記電動モータの巻取速度をダイナミックに制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取られる基材のテンションプロファイルに対応する巻取速度を決定し、前記巻取速度に対応するモータ制御信号を出力する制御部;
前記モータ制御信号により前記基材を巻き取らせる巻芯を回転させる電動モータ;および
前記巻芯に巻き取られる基材を移送する移送ローラに設置されて、前記基材のテンション値をリアルタイムで精密にセンシングして前記制御部に提供するテンションセンサを含み、
前記制御部は前記テンション値を利用して前記電動モータの巻取速度をダイナミックに制御する、巻取装置。
【請求項2】
前記テンション値は、テンション平均値、テンション周期およびテンション振幅を含む、請求項1に記載の巻取装置。
【請求項3】
前記移送ローラは、
前記巻取装置に固定されて長さ方向に突出した固定ロッド;
前記固定ロッドから長さ方向に突出して延びた延長ロッド;および
前記延長ロッドに回転可能に結合され、前記基材がテンションを受けながら移送されるようにする回転ローラを含む、請求項1に記載の巻取装置。
【請求項4】
前記テンションセンサは前記固定ロッドに設置される、請求項3に記載の巻取装置。
【請求項5】
前記テンションセンサは前記延長ロッドおよび前記回転ローラと隣接した前記固定ロッドの一部の領域に設置される、請求項4に記載の巻取装置。
【請求項6】
前記テンションセンサはロードセルまたはストレインゲージを含む、請求項5に記載の巻取装置。
【請求項7】
前記テンション値の時間を周波数値に変換するデータ変換部をさらに含む、請求項1に記載の巻取装置。
【請求項8】
前記制御部に巻き取られる基材のテンションプロファイルを入力するようにし、前記テンション値および前記周波数値を出力するように構成された入出力部をさらに含む、請求項7に記載の巻取装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記周波数値から予め設定された周波数値から外れた周波数値がある場合、前記入出力部を通じて警告信号を出力する、請求項8に記載の巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(disclosure)は巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池分野において巻取工程(Winding、Un-winding、Re-windingなど)は、電極板のスリッティング(Slitting)後に正極板、負極板および/または分離膜を適切な力でまっすぐに巻く工程を意味する。現在EPC(Edge Position Control)等の技術を活用してまっすぐに巻く機能は具現されているが、適切な力で巻くための短幅テンション制御技術は不十分であるのが実情である。長幅(原材料、基礎素材など)テンション制御技術は一般的に広く知られているが、短幅テンション制御技術は要求されるテンションの水準が非常に低いため既存のセンサの適用が不可能な問題を有している。該当テンションの水準および制御により電極組立体または電極群の変形(deform)、クラック(crack)等の品質要素だけでなく、インデックス(index)の向上にも影響を及ぼす。
【0003】
一例として、従来の巻取工程のテンション制御は、韓国登録特許番号10-1914566および韓国登録特許番号10-1899991に開示された通り、ポテンショメータおよびダンサーなどの一般的な計測器および装置を活用してなされているが、これは主に電極板および/または分離膜の供給部に対するテンションを維持するためのものであり、巻取工程中に発生するリアルタイムテンションをモニタリングおよび制御することはできないという問題があった。
【0004】
このような発明の背景となる技術に開示された前述した情報は本発明の背景に対する理解度を向上させるためのものに過ぎず、したがって従来技術を構成しない情報を含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1914566号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1899991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は短幅および低テンション(low tension)を有する基材(電極板および/または分離膜)の巻取工程中に発生するテンション値をリアルタイムで精密に測定およびモニタリングし、基材の測定されたテンション値と基材の巻取速度をダイナミックに同期化した巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻き取り装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る例示的巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻取装置は、巻き取られる基材のテンションプロファイルに対応する巻取速度を決定し、前記巻取速度に対応するモータ制御信号を出力する制御部;前記モータ制御信号により前記基材を巻き取らせる巻芯を回転させる電動モータ;および前記巻芯に巻き取られる基材を移送する移送ローラに設置されて、前記基材のテンション値をリアルタイムで精密にセンシングして前記制御部に提供するテンションセンサを含み、前記制御部は前記テンション値を利用して前記電動モータの巻取速度をダイナミックに制御することができる。
【0008】
一部の例において、前記テンション値はテンション平均値、テンション周期およびテンション振幅を含むことができる。
【0009】
一部の例において、前記移送ローラは前記巻取装置に固定されて長さ方向に突出した固定ロッド;前記固定ロッドから長さ方向に突出して延びた延長ロッド;および前記延長ロッドに回転可能に結合され前記基材がテンションを受けながら移送されるようにする回転ローラを含むことができる。
【0010】
一部の例において、前記テンションセンサは前記固定ロッドに設置され得る。
【0011】
一部の例において、前記テンションセンサは前記延長ロッドおよび前記回転ローラと隣接した前記固定ロッドの一部の領域に設置され得る。
【0012】
一部の例において、前記テンションセンサはロードセルまたはストレインゲージを含むことができる。
【0013】
一部の例において、前記テンション値の時間を周波数値に変換するデータ変換部をさらに含むことができる。
【0014】
一部の例において、前記制御部に巻き取られる基材のテンションプロファイルを入力するようにし、前記テンション値および前記周波数値を出力するように構成された入出力部をさらに含むことができる。
【0015】
一部の例において、前記制御部は前記周波数値から予め設定された周波数値から外れた周波数値がある場合、前記入出力部を通じて警告信号を出力することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示は短幅および低テンションを有する基材(電極板および/または分離膜)の巻取工程中に発生するテンション値をリアルタイムで精密に測定およびモニタリングし、基材の測定されたテンション値と基材の巻取速度をダイナミックに同期化した巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻取装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示に係る例示的巻取装置によって巻き取られる例示的電極組立体を図示した概略図である。
【
図2】本開示に係る例示的巻取装置の機構的構成を図示した概略図である。
【
図3】本開示に係る例示的巻取装置のうち例示的テンションセンサの機構的構成を図示した概略図である。
【
図4】本開示に係る例示的巻取装置の電気的構成を図示したブロック図である。
【
図5】本開示に係る例示的巻取装置のうち例示的テンションセンサによって測定されたテンションと時間との間の関係を図示したグラフである。
【
図6a】本開示に係る例示的巻取装置のうちデータ変換部による変換結果を図示したグラフである。
【
図6b】本開示に係る例示的巻取装置のうちデータ変換部による変換結果を図示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0019】
本開示は当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施例は多様な異なる形態に変形され得、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。かえって、これらの実施例は本開示をさらに忠実かつ完全とし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0020】
また、以下の図面において各層の厚さや大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上で同一の符号は同一の要素を指し示す。本明細書で使われた通り、用語「および/または」は該当列挙された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。また、本明細書で「連結される」という意味はA部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材との間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0021】
本明細書で使われた用語は特定実施例を説明するために使われ、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使われた通り、単数の形態は文脈上異なる場合を明確に指摘するものではなければ、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使われる場合、「含む(comprise、include)」および/または「含む(comprising、including)」は言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0022】
本明細書で第1、第2等の用語が多様な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために使われるが、これらの部材、部品、領域、層および/または部分はこれら用語によって限定されてはならないことは自明である。これら用語は一つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分と区別するためにのみ使われる。したがって、以下で詳述する第1部材、部品、領域、層または部分は本発明の教えから逸脱することなく第2部材、部品、領域、層または部分を指称することができる。
【0023】
「下部(beneath)」、「下(below)」、「低い(lower)」、「上部(above)」、「上(upper)」のような空間に関連した用語が、図面に図示された一要素または特徴と他の要素または特徴の容易な理解のために利用され得る。このような空間に関連した用語は、本発明の多様な工程状態または使用状態により本発明の容易な理解のためのものであり、本発明を限定するためのものではない。例えば、図面の要素または特徴がひっくり返されると、「下部」または「下」で説明された要素または特徴は「上部」または「の上に」となる。したがって、「下部」は「上部」または「下」を包括する概念である。
【0024】
また、本開示に係る制御部(コントローラ)および/または他の関連機器または部品は、任意の適切なハードウェア、ファームウェア(例えば、特定用途向け半導体)、ソフトウェア、またはソフトウェア、ファームウェアおよびハードウェアの適切な組み合わせを利用して具現され得る。例えば、本開示に係る制御部(コントローラ)および/または他の関連機器または部品の多様な構成要素は一つの集積回路チップ上に、または別個の集積回路チップ上に形成され得る。また、制御部(コントローラ)の多様な構成要素はフレキシブルプリント回路フィルム上に具現され得、テープキャリアパッケージ、印刷回路基板、または制御部(コントローラ)と同一のサブストレート上に形成され得る。また、制御部(コントローラ)の多様な構成要素は、一つ以上のコンピューティング装置で、一つ以上のプロセッサで実行されるプロセスまたはスレッド(thread)であり得、これは以下で言及される多様な機能を遂行するためにコンピュータプログラム命令を実行し他の構成要素と相互に作用することができる。コンピュータプログラム命令は、例えば、ランダムアクセスメモリのような標準メモリデバイスを利用したコンピューティング装置で実行され得るメモリに保存される。コンピュータプログラム命令はさらに、例えばCD-ROM、フラッシュドライブなどのような他の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体(non-transitory computer readable media)に保存され得る。また、本発明に関連した当業者は多様なコンピューティング装置の機能が互いに結合されるか、一つのコンピューティング装置で統合されるか、または特定コンピューティング装置の機能が、本発明の例示的な実施例を逸脱することなく、一つ以上の他のコンピューティング装置に分散され得ることを認識しなければならない。
【0025】
一例として、本開示に係る制御部(コントローラ)は中央処理装置、ハードディスクまたは固体状態ディスクのような大容量保存装置、揮発性メモリ装置、キーボードまたはマウスのような入力装置、モニターまたはプリンタのような出力装置からなる通常の商用コンピュータで運営され得る。
【0026】
本開示で「短幅」は略3mm~略80mm範囲を意味し得る。また、本開示で「低張力」は略10gf~略600gf範囲を意味し得る。一例として、本開示は電極板のスリッティング後に略3mm~略80mm範囲の正極板、負極板および/または分離膜を略10gf~略600gf範囲のテンションでまっすぐに巻く巻取工程に関連する。
【0027】
図1を参照すると、本開示に係る例示的巻取装置によって巻き取られる例示的電極組立体10が図示されている。
【0028】
図1に図示された通り、例示的電極組立体10は正極電極板11、分離膜12および負極電極板13が巻芯101に結合されたまま、巻芯101が所定方向に回転することによって略ゼリーロール形態で巻き取られて完成され得る。巻取工程後に電極組立体10は巻芯101から分離され得る。一部の例において、分離膜12は正極電極板11の上または負極電極板13の下に追加的に配置されて巻き取られ得る。一部の例において、ゼリーロール形態で巻き取られた電極組立体10はパウチ、ケースまたは缶に結合されて密封されることによって、二次電池が完成され得る。
【0029】
図2を参照すると、本開示に係る例示的巻取装置100の機構的構成が図示されている。説明の便宜のために、以下では正極電極板11、分離膜12および負極電極板13を基材14と総称することにする。
【0030】
図2に図示された通り、例示的巻取装置100は巻出し機から提供される基材14のテンションを予め定められた値で維持するダンサー102と、ダンサー102から供給される一定のテンションを有する基材14を巻き取る巻芯101と、ダンサー102と巻芯101との間に介在されて基材14の提供方向を変更する少なくとも一つの移送ローラ103、104、105、106、107を含むことができる。
【0031】
一部の例において、巻出し機は電動モータの回転によって基材14を巻き取ることができ、巻芯101も電動モータ120の回転によって基材14を巻き取ることができる。
【0032】
一部の例において、対向する位置に第1、第2移送ローラ103、104が位置され、第1、第2移送ローラ103、104の間にこれらから離隔して第3移送ローラ105が位置され、第3移送ローラ105がダンサー102に結合され得る。したがって、第1、第2、第3移送ローラ103、104、105を通過する基材14は、ダンサー102の回転中心軸102Aを基準とした回転角度によって一定のテンションを有するようになる。
【0033】
一部の例において、巻芯101に最も近く位置した第4移送ローラ106にテンションセンサ130が直接結合され得る。一部の例において、テンションセンサ130が第4移送ローラ106にかかるテンション値をリアルタイムで精密にセンシングすることによって、巻芯101の巻取速度または回転速度(すなわち、電動モータの回転速度)がダイナミックに調整され得るように構成され得る。一部の例において、第4移送ローラ106と第2移送ローラ104との間に第5移送ローラ107がさらに介在され得る。
【0034】
図3を参照すると、本開示に係る例示的巻取装置100のうち例示的テンションセンサ130の機構的構成が図示されている。
【0035】
図3に図示された通り、移送ローラ106は巻取装置100に固定されて長さ方向に突出した固定ロッド(rod)1061と、固定ロッド1061から長さ方向に突出して延びた延長ロッド1062と、延長ロッド1062に回転可能に結合されて基材14がテンションを受けながら移送されるようにする回転ローラ1063と、延長ロッド1062の端部に結合されて回転ローラ1063が離脱しないようにするエンドブロック1064を含むことができる。
【0036】
一部の例において、回転ローラ1063と延長ロッド1062との間にベアリングが介在され得る。基材14は回転ローラ1063を回転させながら巻芯101に移送され得るが、一部の例において、基材14と回転ローラ1063の接触面積は回転ローラ1063が有する全体の円周の略1%~略50%であり得る。
【0037】
一部の例において、回転ローラ1063に進入する基材14の方向が上であり、回転ローラ1063から排出される(すなわち、巻芯101に向かう)基材14の方向が下である場合、基材14が受けるテンションの方向は下であり得る。これに伴い、延長ロッド1062および固定ロッド1061も下方向にテンションを受けることができる。
【0038】
一部の例において、テンションセンサ130は固定ロッド1061に設置され得る。一部の例において、テンションセンサ130は延長ロッド1062および/または回転ローラ1063と隣接した固定ロッド1061の一部の領域に設置され得る。一部の例において、テンションセンサ130は固定ロッド1061に付着されたピエゾタイプのロードセルまたはストレインゲージを含むことができる。
【0039】
一部の例において、基材14にかかるテンションの方向が下方向であれば、テンションセンサ130は固定ロッド1061の上面に設置されることによって、基材14にかかるテンションがリアルタイムで精密にセンシングされるようにする。
【0040】
一部の例において、基材14にかかるテンションによって延長ロッド1062および固定ロッド1061が装置100から下方向に微細に曲がると(変形されると)、テンションセンサ130がこのような微細な変形(率)をセンシングすることができる。一部の例において、テンションセンサ130は変形率をテンション値に変換して出力することができる。
【0041】
一部の例において、テンションセンサ130は略0.1g~略2g、さらに好ましくは略0.1g~略1gの間の分解能を有することができ、これに伴い、高分解能および高速応答特性を有してリアルタイムで基材14のテンションを精密にセンシングすることができる。
【0042】
図4を参照すると、本開示に係る例示的巻取装置100の電気的構成が図示されている。
図4に図示された通り、本開示に係る例示的巻取装置100は制御部110、電動モータ120およびテンションセンサ130含むことができる。一部の例において、例示的巻取装置100はデータ変換部140および/または入出力部150をさらに含むことができる。
【0043】
制御部110は巻き取り制御プログラムおよびテンションプロファイルの入力を受けて保存することができ、巻き取られる基材14のテンションプロファイルに対応する巻取速度を決定し、巻取速度に対応するモータ制御信号を電動モータ120に出力することができる。
【0044】
一部の例において、制御部110はテンションプロファイルに対応する巻取速度をルックアップテーブルの形態で保存しているかまたは数学式の形態で保存している。一部の例において、制御部110は巻取速度に対応するモータ制御信号をルックアップテーブルの形態で保存しているかまたは数学式の形態で保存している。一部の例において、制御部110は電動モータ120、テンションセンサ130およびデータ変換部140と互いに通信することができ、また、多様な使用者命令を入力を受けて処理することができる。一部の例において、テンションプロファイルは巻き取りサイクル別テンション値、そしてテンション値別巻取速度などを含むことができる。
【0045】
電動モータ120はモータ制御信号によって基材14を巻き取らせる巻芯101を所定速度で回転させることができる。一部の例において、電動モータ120はステップモータまたはサーボモータを含むことができる。一部の例において、電動モータ120は回転速度(または巻取速度)を制御部110に提供(フィードバック)することができる。一部の例において、電動モータ120の回転速度が高いと基材14にかかるテンションが高くなり得、電動モータ120の回転速度が小さいと基材14にかかるテンションが小さくなり得る。その反対も可能である。
【0046】
テンションセンサ130は巻芯101に提供される基材14を移送する移送ローラ106に設置されて、基材14のテンション値(テンションデータ)をリアルタイムで精密にセンシングして制御部110に提供することができる。一部の例において、テンション値はテンション平均値、テンション周期および/またはテンション振幅を含むことができる。
【0047】
このようにして、本開示はテンションセンサ130から得たテンション値を利用して電動モータ120(すなわち、巻芯101)の巻取速度(すなわち、回転速度)を制御することができる。換言すると、制御部110は移送ローラ106にかかるテンション値をリアルタイムで精密にセンシングした後、基材14にかかるテンション値が予め入力されたテンションプロファイルと一致するように巻芯101の巻取速度(または回転速度)をダイナミックに同期化させて制御することができる。
【0048】
データ変換部140はテンション値に含まれた時間成分を周波数成分に変換して周波数値を提供することができる。一部の例において、データ変換部140はFFT(Fast Fourier Transform)フィルタおよび/またはカルマン(Kalman)フィルタを含むことができる。
【0049】
入出力部150は制御部110に巻き取られる基材14のテンションプロファイルを予め入力するようにし、また、テンション値および周波数値を画面に出力するように構成され得る。一部の例において、制御部110は周波数値から予め設定された周波数値から外れた周波数値がある場合、入出力部150および/または別途のアラーム部を通じて警告信号を出力することができる。
【0050】
このようにして、本開示は時間を含むテンション値を周波数値に変換することによって、巻取工程が正常に進行されているかそれとも異常に進行されているかを把握するようにする。
【0051】
図5を参照すると、本開示に係る例示的巻取装置100のうち例示的テンションセンサ130により測定されたテンション値と時間との間の関係グラフが図示されている。
図5でX軸は時間(秒)であり、Y軸はマイクロストレイン(με)である。
【0052】
図5に図示された通り、テンションセンサ130によってセンシングされる基材14のテンション値はテンション平均値(1)、テンション周期(2)および/またはテンション振幅(3)を含むことができる。
【0053】
テンション平均値(1)はテンションセンサ130によりセンシングされるテンション値の平均値を意味するが、本開示ではテンション平均値が略1μεより小さくてもよい。テンション周期(2)はテンションセンサ130によるセンシング周期(すなわち、応答速度および分解能に関連する)を意味するが、本開示ではテンション周期が略0.1s~0.3sであり得る。テンション振幅(3)はテンションセンサ130による帯域幅(帯域幅が高いほど有利である)を意味するが、本開示では帯域幅が略-1με~略3μεであり得る。また、本開示で巻き取り1サイクルは略10秒であり得る。
【0054】
このようにして、本開示では短幅および低張力(low tension)を有する基材14に対して精密にテンション値のセンシングが可能であり、また、テンション平均値、テンション周期およびテンション振幅のような3つのデータをリアルタイムで精密に獲得することによって、巻き取られる基材14のテンションをさらにダイナミックに制御することができる。
【0055】
図6aおよび
図6bを参照すると、本開示に係る例示的巻取装置100のうちデータ変換部140による変換結果グラフが図示されている。
図6aおよび
図6bで、X軸は周波数で、Y軸は大きさ(magnidude)である。
【0056】
一部の例において、巻き取り1サイクルが10秒であり、正常な巻取工程中であれば、
図6aでのように10Hzのピークデータが主に現れる。ところが、
図6bでのように10Hzのピークデータ以外に、例えば60Hzのピークデータが現れるのであれば、巻取工程に問題が発生したと判断し、後続措置(例えば、巻取工程中止および巻き取り設備のパラメータの調整)を取ることができる。
【0057】
以上で説明したものは本開示に係る例示的巻取工程リアルタイム精密テンション測定が可能な巻取装置を実施するための一つの実施例に過ぎず、本発明は前記の実施例に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【符号の説明】
【0058】
10 電極組立体
11 正極電極板
12 分離膜
13 負極電極板
14 基材
100 巻取装置
101 巻芯
102 ダンサー
103 第1移送ローラ
104 第2移送ローラ
105 第3移送ローラ
106 第4移送ローラ
1061 固定ロッド
1062 延長ロッド
1063 回転ローラ
1064 エンドブロック
107 第5移送ローラ
110 制御部
120 電動モータ
130 テンションセンサ
140 データ変換部
150 入出力部