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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122164
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】摩耗管理システム及び摩耗管理方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/06 20060101AFI20230825BHJP
   E21D 9/087 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
E21D9/06 302Z
E21D9/087 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022025677
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 類
(72)【発明者】
【氏名】大前 慶恵
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054AC02
2D054BA03
2D054GA17
2D054GA60
2D054GA81
2D054GA92
(57)【要約】
【課題】トンネル掘削機のカッタヘッドに設けられている掘削具に係る摩耗管理の運用性及び信頼性を高めることである。
【解決手段】
トンネル掘削機に設けた掘削具の摩耗状態を管理する摩耗管理システムであって、
前記トンネル掘削機による地山掘削に伴って発生する掘削土砂の周囲空気質を監視する空気質監視装置と、前記掘削具の摩耗量に応じて、前記掘削土砂に向けて有機溶剤を含む検知材料を放出する検知材料放出機構と、を備え、前記空気質監視装置は、前記掘削土砂の周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定する気中濃度測定手段と、該気中濃度測定手段で取得した濃度測定値を連続的に取得する濃度取得手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘削機に設けた掘削具の摩耗状態を管理する摩耗管理システムであって、
前記トンネル掘削機による地山掘削に伴って発生する掘削土砂の周囲空気質を監視する空気質監視装置と、
前記掘削具の摩耗量に応じて、前記掘削土砂に向けて有機溶剤を含む検知材料を放出する検知材料放出機構と、を備え、
前記空気質監視装置は、
前記掘削土砂の周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定する気中濃度測定手段と、
該気中濃度測定手段で取得した濃度測定値を連続的に取得する濃度取得手段と、
を備えることを特徴とする摩耗管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の摩耗管理システムにおいて、
前記濃度取得手段は、
前記揮発性有機化合物の濃度測定値と、あらかじめ設定した前記揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度の判定閾値とに基づいて、前記検知材料が放出されたか否かを判定する放出判定部と、
該放出判定部で前記検知材料が放出されたと判定した場合に、警報を出力する警報出力部と、
を備えることを特徴とする摩耗管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の摩耗管理システムであって、
前記検知材料放出機構が、複数の検知材料放出部を備え、
複数の該検知材料放出部は、前記掘削具の内部であって該掘削具の先端から深さ位置をずらして設けられていることを特徴とする摩耗管理システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の摩耗管理システムにおいて、
前記検知材料に、香料が含まれていることを特徴とする摩耗管理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の摩耗管理システムを用いた掘削具の摩耗管理方法であって、
前記トンネル掘削機による地山掘削に伴って発生する掘削土砂の、周囲空気に含まれる前記揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定する工程と、
測定した濃度測定値を連続的に取得する工程と、
を備えることを特徴とする掘削具の摩耗管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の掘削具の摩耗管理方法において、
前記濃度測定値と、あらかじめ設定した前記判定閾値とに基づいて、前記検知材料が放出されたか否かを判定する工程と、
前記検知材料が放出されたと判定した場合に、警報を出力する工程と
を備えることを特徴とする掘削具の摩耗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘削機のカッタヘッドに設けられている掘削具の摩耗状態を管理する摩耗管理システム及び掘削具の摩耗管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、トンネル工事では、シールド掘進機やTBMなどのトンネル掘削機を用いる場合が多い。トンネル掘削機の先端には、超硬合金を埋め込んだカッタビットが装備されたカッタヘッドが設けられており、このカッタヘッドを回転させながらカッタビットで地山を切削し、掘削していく。ところが、カッタビットは摩耗することから、施工管理とともに摩耗管理が必要となる。
【0003】
このような中、例えば特許文献1では、作業者に摩耗限界を報知することの可能な掘削装置用ディスクカッタが開示されている。具体的には、超硬チップを頂部外周に植設した台金の所定カ所に、臭い粒子が飛散する発臭剤を埋設しておく。これにより、埋設箇所まで台金がすり減ると、発臭剤の臭い粒子が飛散して掘削装置の運転席に達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平6-7112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法によれば、掘削装置の運転手は運転席に居ながら嗅覚で、カッタヘッドに近づくことなく安全に、超硬チップが摩耗限界を超えたことを検知することができる。ところが、作業員の嗅覚には個人差があるため、判断基準が曖昧になりやすい。また、工事期間中、掘削装置の運転手が常時、発臭剤の匂いを注力するけることは困難であり、摩耗管理の運用性にも課題を生じていた。
【0006】
これに対応するべく、運転席に臭気センサーを設置することも考えられるが、掘削土砂の匂いや機械作業油の匂いなどが混在する環境下において、発臭剤のみを検知する技術は確立されておらず、摩耗検知の信頼性に課題がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、トンネル掘削機のカッタヘッドに設けられている掘削具に係る摩耗管理の運用性及び信頼性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本発明の摩耗管理システムは、トンネル掘削機に設けた掘削具の摩耗状態を管理する摩耗管理システムであって、前記トンネル掘削機による地山掘削に伴って発生する掘削土砂の周囲空気質を監視する空気質監視装置と、前記掘削具の摩耗量に応じて、前記掘削土砂に向けて有機溶剤を含む検知材料を放出する検知材料放出機構と、を備え、前記空気質監視装置は、前記掘削土砂の周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定する気中濃度測定手段と、該気中濃度測定手段で取得した濃度測定値を連続的に取得する濃度取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の摩耗管理システムは、前記濃度取得手段は、前記揮発性有機化合物の濃度測定値と、あらかじめ設定した前記揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度の判定閾値とに基づいて、前記検知材料が放出されたか否かを判定する放出判定部と、該放出判定部で前記検知材料が放出されたと判定した場合に、警報を出力する警報出力部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の摩耗管理システムは、前記検知材料放出機構が、複数の検知材料放出部を備え、複数の該検知材料放出部は、前記掘削具の内部であって該掘削具の先端から深さ位置をずらして設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の摩耗管理システムは、前記検知材料に、香料が含まれていることを特徴とする。
【0012】
本発明の掘削具の摩耗管理方法は、本発明の摩耗管理システムを用いた掘削具の摩耗管理方法であって、前記トンネル掘削機による地山掘削に伴って発生する掘削土砂の、周囲空気に含まれる前記揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定する工程と、測定した濃度測定値を連続的に取得する工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の掘削具の摩耗管理方法は、前記濃度測定値と、あらかじめ設定した前記判定閾値とに基づいて、前記検知材料が放出されたか否かを判定する工程と、前記検知材料が放出されたと判定した場合に、警報を出力する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の摩耗管理システム及び掘削具の摩耗管理方法によれば、空気質監視装置を利用して、トンネル掘削機による地山掘削に伴って発生する掘削土砂の周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を常時モニタリングできる。また、濃度測定値の時系列データを取得し、その変動を捉えて検知材料放出機構から有機溶剤を含む検知材料が放出されたことを検知できる。これにより、作業者は、揮発性有機物の臭気に常時注意を払うことなく、濃度測定値の時系列データに変動が生じた場合に、掘削土砂の周辺空気から揮発性有機物の臭気を確認すればよい。また、検知材料に香料を含有させた場合には、香料の香気を確認すればよい。
【0015】
さらに、嗅覚で揮発性有機物の臭気や香料の香気を確認する際には、濃度測定値の時系列データを検知の支援情報として利用できる。これにより、掘削土砂の匂いや機械作業油の匂いなどが混在する環境下にあっても、掘削土砂に向けて検知材料が放出されたか否かを検知することで掘削具の摩耗状態を管理する摩耗管理の、信頼性及び運用性を高めることが可能となる。
【0016】
また、掘削土砂に向けて検知材料が放出されたか否かを判定する放出判定部を備えることで、作業員が嗅覚で確認する場合と比較して、安定した精度で検知材料の放出を判別できる。また、放出判定部で、検出材料が放出したと判定した場合に、警報を報知する警報出力部を備えことで、作業員は、警報の報知を受けたのちに、最終確認作業として、掘削土砂の近傍で揮発性有機物の臭気や香料の香気を確認すればよく、摩耗管理の運用性をより一層高めることができる。加えて、トンネル掘削機のオペレーターや工事事務所の作業員などに対して迅速に掘削具の摩耗状況を伝達でき、摩耗管理の効率化を図ることが可能となる。
【0017】
また、複数の検知材料放出部を、掘削具の先端から深さ位置をずらして設けると、掘削具の摩耗状態を段階的に把握することも可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、掘削土砂の周囲空気質を監視する空気質監視装置を用いることにより、掘削具の摩耗により検知材料放出機構から掘削土砂に向けて有機溶剤を含む検知材料が放出されたことを、臭気ではなく、掘削土砂の周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度から検知するため、掘削具の摩耗状態を管理する摩耗管理に、高い信頼性及び運用性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態における摩耗管理システムを示す図である。
図2】本発明の実施の形態におけるトンネル掘削機のカッタヘッド、及び検知材料放出機構(検知材料供給部をカッタビットに設けた場合)を示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるトンネル坑内及び発進立坑を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における検知材料放出機構(検知材料供給部をカッタスポークに設けた場合)を示す図である。
図5】本発明の実施の形態における摩耗管理システムを構成する濃度取得手段の構成を示す図である。
図6】本発明の実施の形態における掘削具に係る摩耗管理を流れを示す図である。
図7】本発明の実施の形態における掘削土砂の周辺空気から測定した揮発性有機物の濃度測定値を時系列にプロットしたグラフである。
図8】本発明の実施の形態における検知材料放出機構の他の事例(カッタビット内の2カ所に検知材料放出部を設けた場合)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の摩耗管理システムおよび掘削具の摩耗管理方法の詳細を、図1図8を参照しつつ、以下に説明する。
【0021】
摩耗管理システムの詳細を説明するに先立ち、トンネル掘削機、及びトンネル掘削機の地山掘削により発生する掘削土砂を搬出するベルトコンベヤについて、その概略を説明する。トンネル掘削機は、シールド掘進機やTBMなどいずれでもよいが、本実施の形態では、スポーク型のカッタヘッドを備えるシールド掘進機を事例に挙げ、概略を説明する。
【0022】
≪≪シールド掘進機10≫≫
シールド掘進機10は、図1で示すように、カッタ駆動部11と、背面にカッタ駆動部11を備え、前面が切羽Aに対向するカッタヘッド12と、カッタヘッド12の背面側に位置するシールド本体13とを備える。カッタヘッド12には、カッタビット(掘削具)14が装着され、シールド本体13には、掘削土砂Sを貯留するチャンバー15と、チャンバー15内の掘削土砂Sを排出するスクリュコンベヤ16と、を備えている。
【0023】
カッタヘッド12は、切羽A側から見て図2(a)で示すように、円形状に形成されているとともに、中心軸から放射状に延びる複数のカッタスポーク121を有する。カッタスポーク121には、切羽Aと対向する面に、金属製の掘削具であるカッタビット14が複数装着されている。カッタビット14は、図2(b)で示すように、母材141の先端141B側に複数のチップ142が固定され、基端141Aはカッタスポーク121に対して、溶接もしくは着脱可能な態様で装着される。
【0024】
カッタビット14のチップ142は、切羽Aを掘削する機能を有し、その硬度は母材141の硬度より高い。このような構成を有するカッタビット14は、トンネル軸線方向の断面が、図1で示すように、切羽Aに向かうにつれて薄肉となるよう楔形に形成されている。これにより、カッタヘッド12が切羽Aに押し当てられた状態で、カッタ駆動部11を介して中心軸周りに回転することで、地山を掘削していく。
【0025】
チャンバー15は、シールド掘進機10の地山掘削により連続的に発生する掘削土砂Sが取り込まれる空間であり、カッタヘッド12と、シールド本体13の前方側(切羽A側)に位置する筒状外郭であるフード部131と、隔壁132とにより仕切られている。隔壁132にはスクリュコンベヤ16が接続されており、このスクリュコンベヤ16によりチャンバー15に取り込まれた掘削土砂Sは、トンネルT内に排出される。
【0026】
≪≪ベルトコンベヤ20≫≫
ベルトコンベヤ20は、図1及び図3で示すように、スクリュコンベヤ16によりトンネルT内に排出された掘削土砂Sを、発進立坑Hに向けて搬送する設備であり、テール部21がスクリュコンベヤ16の排出口近傍に配置されている。また、ベルトコンベヤ20のヘッド部22は、発進立坑Hの近傍に配置されている。これにより、スクリュコンベヤ16からベルトコンベヤ20に投下された掘削土砂Sは、発進立坑H近傍まで搬送されたのち、ずり鋼車30に積み込まれて、発進立坑Hを経由して、例えば地上に設けた土砂ピットPに貯留される。
【0027】
≪≪摩耗管理システム40≫≫
摩耗管理システム40は、上記のシールド掘進機10でトンネル施工を進行させつつ、カッタビット14の摩耗状態を管理するシステムであり、図1で示すように、検知材料放出機構50と空気質監視装置60とを備える。
【0028】
≪検知材料放出機構50≫
検知材料放出機構50は、図1で示すように、カッタビット14の内部に設けられた検知材料放出部51を有し、カッタビット14が摩耗してこの検知材料放出部51が露出した際、掘削土砂Sに向けて香料入り検知材料O(F)を放出する。このような機能を有していれば、その構成はいずれでもよい。
【0029】
例えば、図2(b)では、カッタビット14に設けた検知材料放出部51と、同じくカッタビット14に設けたピストン型の検知材料供給部52と、検知材料供給部52と検知材料放出部51とを接続する流路53と、を備える検知材料放出機構50を例示している。ピストン型の検知材料供給部52は、シールド掘進機1による掘削外径が小さく、香料入り検知材料O(F)の搭載量が少量でよい場合に適している。
【0030】
また、図4(a)及び(b)では、カッタビット14に設けた検知材料放出部51と、カッタスポーク121に設けたアキュムレータ型の検知材料供給部54と、検知材料供給部54と検知材料放出部51とを接続する供給管55と、を備える検知材料放出機構50を例示している。アキュムレータ型の検知材料供給部54は、シールド掘進機1による掘削外径が大きく、香料入り検知材料O(f)の搭載量が大量に必要となる場合に適している。
【0031】
これらの検知材料放出機構50については概略を後述するが、いずれも香料入り検知材料O(f)が、検知材料供給部52、54に充填されている。また、いずれも検知材料放出部51が、図2(b)で示すように、カッタビット14を構成する母材141の内部であって、先端141Bから検知したい摩耗量に応じた長さ(摩耗検知量L1)だけ後退した深さ位置に、設けられている。なお、図2(b)及び図4(a)及び(b)で例示した検知材料放出機構50の詳細は、特願2021-017404号に譲る。
【0032】
≪香料入り検知材料O(f)及び検知材料O≫
香料入り検知材料O(f)は、有機溶剤を主材とする検知材料Oに、香料を添加したものである。検知材料Oは、有機溶剤を主材とする液体であればいずれを採用してもよく、例えば、香料fを溶解する際に広く一般に用いられるエタノールを採用することができる。なお、有機溶剤は、揮発した際、揮発性有機化合物(VOC)に分類されるものだけでなく、高揮発性有機化合物(VVOC)に分類されるものも含む。
【0033】
本実施の形態では、香料入り検知材料O(f)を検知材料放出機構50に採用しているが、香料を含まない検知材料Oそのものを、採用してもよい。これは、後述する空気質監視装置60により、掘削土砂の周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定するものであって、香料を検知するのではないことによる。そして、香料は、作業員の確認作業用として採用するものであるから、嗅覚で検知しやすい材料であれば、いずれを採用してもよい。また、作業員の確認作業を考慮する場合には、香料入り検知材料O(f)に替えて、例えば着色剤などを含有させた検知材料Oを採用してもよい。
【0034】
≪≪空気質監視装置60≫≫
空気質監視装置60は、地山掘削に伴って発生する掘削土砂Sの周囲空気質を監視する装置であり、図1で示すように、気中濃度測定手段61と濃度取得手段62とを備える。気中濃度測定手段61は、掘削土砂Sの周囲空気に含まれる揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度を測定する。また、濃度取得手段62は、気中濃度測定手段61で取得した濃度測定値を連続的に取得する。また、取得した濃度測定値に基づいて、香料入り検知材料O(f)が放出されたか否かを判定する。さらには、放出されたと判定した場合に、警報を報知する。
【0035】
≪≪気中濃度測定手段61≫≫
気中濃度測定手段61は、図1で示すように、空気汚染測定器611と支持架台612とにより構成されている。空気汚染測定器611は、揮発性有機物の濃度を測定可能な機器であればいずれでもよく、VOC測定器やTVOC測定器を例示することができる。なお、VOC測定器は、トルエン、ベンゼン、フロン類、ジクロロメタンなどの揮発性有機物の気中濃度を測定する測定器であり、TVOC測定器は、総揮発性有機化合物濃度を測定する測定器である。また、有機材料にエタノールを採用している場合には、ガス分析器などを採用することも可能である。
【0036】
このような気中濃度測定手段61は、掘削土砂Sに近接する位置であればいずれに設置してもよい。例えば、図1で示すような、スクリュコンベヤ16の排出口近傍や、図3で示すような、ベルトコンベヤ20におけるずり鋼車30への投下位置近傍などが好ましい。これらの位置は、掘削土砂Sに放出された香料入り検知材料O(f)が拡散しやすく、空気汚染測定器611で揮発性有機化合物を精度よく捉えることができる。
【0037】
特に、スクリュコンベヤ16の排出口近傍に設置すると、シールド掘進機10の地山掘削により発生して間もない掘削土砂Sの周辺空気質を観測できる。したがって、カッタビット14の摩耗が摩耗検知量L1を超えた場合に、初期の段階で掘削土砂Sから放出される揮発性有機化合物を捉えることができる。これにより、カッタビット14の摩耗が進行することに起因してカッタヘッド12やシールド本体13が損傷する、といった現象を回避することも可能となる。
【0038】
支持架台612は、ベルトコンベヤ20を跨ぐように設置され、上記の空気汚染測定器611を支持する架台である。その形状は何ら限定されるものではなく、また、トンネルT内にこれらを支持可能な装備がある場合には、支持架台612を省略してもよい。
【0039】
≪濃度取得手段62≫≫
濃度取得手段62は、図5で示すように、入力部621、演算処理部622、及び出力部623を備える装置であればいずれでもよく、パソコンやノートPC、タブレット端末などを採用することができる。
【0040】
入力部621は、空気汚染測定器611と無線または有線で接続され、空気汚染測定器611で測定した濃度測定値を連続的に受信する。図示を省略するが、キーボードやマウス、スキャナなどの入力装置と接続し、これらに入力された情報を受信する構成としてもよい。
【0041】
出力部623は、データ出力部6231と警報出力部6232とを備える。データ出力部6231は、入力部621を介して取得した濃度測定値や、演算処理部622で処理した処理データなどの情報を、表示装置624に出力する。また、警報出力部6232は、後述する演算処理部622の放出判定部6222にて、香料入り検知材料O(f)が放出されたと判定した場合に、警報情報を表示装置624に出力する。
【0042】
表示装置624は、出力部623と無線または有線で接続されたディスプレイやプリンタ、シールド掘進機1のモニター画面など、いずれでもよい。また、警報出力部6232から出力する警報情報は、表示装置624に出力するだけでなく、スピーカーなど音声で報知可能な出力装置に出力する構成としてもよい。
【0043】
さらに、作業員が携帯する携帯端末や工事事務所に設置されている管理用パソコンなどの端末装置625と濃度取得手段62とを、通信ネットワークを介して相互にデータ送信可能としてもよい。こうすると、この端末装置625から入力部621を介して濃度取得手段62に情報を入力する、もしくは濃度取得手段62から出力部623を介して情報を端末装置625に出力できる。なお。通信ネットワークとしては、インターネット、専用通信回線等いずれにより構築されるものであってもよい。
【0044】
演算処理部622は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部を備え、濃度取得手段62の動作を制御する。このような演算処理部622は、少なくとも濃度取得部6221と、放出判定部6222とを備える。
【0045】
濃度取得部6221は、空気汚染測定器611で測定した濃度測定値を、連続的に取得する。すると、図7及び図8で示すような濃度測定値の時系列データを取得できる。詳細は、後述する掘削具の摩耗管理方法で説明する。
【0046】
放出判定部6222は、濃度取得部6221で取得した濃度測定値と、あらかじめ設定した揮発性有機化合物の気中濃度もしくは総揮発性有機化合物濃度の判定閾値とに基づいて、検知材料放出機構50から香料入り検知材料O(f)が放出されたか否かを判定する。具体的には、濃度測定値とあらかじめ設定した判定閾値とを比較し、濃度測定値が判定閾値を超えた場合に、香料入り検知材料O(f)が放出された、と判定する。判定閾値の決定方法は、掘削具の摩耗管理方法と併せて説明する。
【0047】
≪≪掘削具の摩耗管理方法≫≫
上記の摩耗管理システム100を用いて、カッタビット4の摩耗状態を検知する手順を、図5で示す濃度取得手段62の構成図、及び図6の摩耗管理の流れを参照しつつ、以下に説明する。なお、本実施の形態では、空気汚染測定器611にTVOC測定器を採用し、掘削土砂Sの周囲空気に含まれる総揮発性有機化合物濃度を測定する場合を事例に挙げる。
【0048】
≪≪香料入り検知材料O(f)の搭載:STEP1≫≫
まず、シールド掘進機1による掘削外径を考慮して香料入り検知材料O(f)の搭載量を決定する。また、香料入り検知材料O(f)の搭載量に応じて、シールド掘進機10に設ける検知材料放出機構50の構造を、適宜選択する。
【0049】
前述したように、搭載量が少量の場合には、図2(b)で示すような、ピストン型の検知材料供給部52をカッタビット14に設ける検知材料放出機構50を採用し、必要量の香料入り検知材料O(f)を搭載する。一方、搭載量が多量に必要となる場合には、図4(a)及び(b)で示すような、アキュムレータ型の検知材料供給部54をカッタスポーク121に設ける検知材料放出機構50を採用し、必要量の検知材料を搭載する。
【0050】
≪≪搭載量が少量の場合≫≫
検知材料放出機構50は、図2(b)で示すように、検知材料放出部51と、検知材料供給部52と、これらを接続する流路53とを備える。流路53は、検知材料放出部51と接続する側の流路径を小径とし、検知材料供給部52と接続する側の流路径を大径に形成している。また、流路53は、外気と連通する連通部531が2カ所に設けられているともに、連通部531を塞ぐことの可能なプラグ532、533が母材141に着脱可能に設けられている。
【0051】
検知材料供給部52は、母材141内で流路53と直交するようにして並列配置された2つの中空部521と、中空部521中に配置されたピストン522を備える。中空部521はそれぞれ、ピストン522を境界として香料入り検知材料O(f)の貯蔵部521Aと加圧部521Bに区分され、貯蔵部521Aが流路53と連通している。
【0052】
加圧部521Bは、コイルバネ523が収納される空間であり、コイルバネ523を挿入するための開口が形成されている。この開口はネジ524により開閉自在となっており、開口を介して加圧部521Bにコイルバネ523を挿入したのち、ネジ524を母材141に取り付けて開口を塞ぐ。すると、コイルバネ523は、一端部がネジ524と当接し、他端部がピストン522と当接する態様となる。
【0053】
これにより、コイルバネ523は、自身の復元力を用いてピストン522を付勢することに伴って、貯蔵部521Aに貯蔵された香料入り検知材料O(f)を加圧する。なお、図2(b)では、図面上方のコイルバネ523は伸長した状態を示し、図面下方のコイルバネ523は収縮した状態を示している。
【0054】
上記の構成を有する検知材料供給部52に設けた貯蔵部521Aに香料入り検知材料O(f)を搭載する手順は、次のとおりである。まず、流路53と外気との連通部531を塞ぐプラグ532、533を母材141から取り外す。また、加圧部521Bから、ネジ524及びコイルバネ523を取り外す。次に、中空部521にピストン522を挿入した状態で、貯蔵部521A及び流路53を香料入り検知材料O(f)で満たす。
【0055】
その後、プラグ532、533を母材141に取り付け、流路53及び連通部531を密閉する。こののち、加圧部521Bにコイルバネ523を挿入し、ネジ524を母材141に装着する。これにより、コイルバネ523が、ネジ524とピストン522との間で収縮した状態で保持され、貯蔵部521Aに貯蔵された香料入り検知材料O(f)は、コイルバネ523によって加圧された状態で搭載される。
【0056】
≪≪搭載量が大量の場合≫≫
検知材料放出機構50は、図4(a)で示すように、検知材料放出部51と、検知材料供給部54と、これらを接続する供給管55とを備える。検知材料供給部54は、供給管55との接続部541Aを有する筐体541と、伸縮可能な袋状部材を有する加圧部542とを有する。加圧部542の内部には、圧縮ガスGが充填される。また、加圧部542の外方には、筐体541の内周面に規定される貯蔵部543を有する。
【0057】
したがって、貯蔵部543に必要量の香料入り検知材料O(f)を注入する。すると、注入された香料入り検知材料O(f)は、加圧部542によって加圧された状態で搭載されることとなる。したがって、カッタビット14の摩耗が進行し、検知材料放出部51が露出すると、加圧部542は圧力にしたがって拡大し、香料入り検知材料O(f)は筐体541の外部へ排出される。こののち、香料入り検知材料O(f)は供給管55を介してカッタビット14へ供給されて、検知材料放出部51から放出されることとなる。
【0058】
≪≪地山の掘削開始:STEP2≫≫
香料入り検知材料O(f)の搭載作業と同時に、もしくはこれと前後して図1で示すように、空気汚染測定器611を所定の位置に配置する。こののち、シールド掘進機10の運転を開始し、地山を掘削する。
【0059】
≪≪判定閾値の設定:STEP3≫≫
シールド掘進機10の運転を開始すると、図1で示すように、掘削土砂Sがチャンバー15及びスクリュコンベヤ16を介してトンネルT内に取り込まれる。この掘削土砂Sを、カッタビット14の摩耗が生じていない初期掘削の段階で採取し、採取した掘削土砂Sを用いて、上述した放出判定部6222で香料入り検知材料O(f)が放出されたか否か、を判定する際に用いる判定閾値を設定する。
【0060】
まず、採取した掘削土砂Sに、検知材料放出機構50に搭載した香料入り検知材料O(f)もしくはこれに含まれている検知材料Oを混入し、試料を作成する。次に、試料の周囲空気を空気汚染測定器611で測定し、総揮発性有機化合物濃度を取得することにより、濃度測定値の変化を観測する。この観測結果に基づいて、香料入り検知材料O(f)が放出されたか否かを判定するにあたり、最適な気中濃度を判定閾値に設定する。
【0061】
判定閾値の決定にあたっては、測定条件(掘削土砂Sと空気汚染測定器611との距離、温度環境や空気の流れなど)を考慮して、最適な判定閾値を決定すると良い。また、決定した判定閾値は、入力部621を介して濃度取得手段62に入力し、演算処理部622に格納しておく。
【0062】
≪≪濃度測定値の取得及び時系列データを作成:STEP4≫≫
STEP3の判定閾値の設定作業と並行して、もしくはこれと前後して、空気汚染測定器611で掘削土砂Sの周囲空気に含まれる揮発性有機物の気中濃度を連続的に測定する。また、揮発性有機物の濃度測定値は取得するごとに、これを濃度取得手段62に送信する。
【0063】
入力部621を介して濃度測定値が濃度取得手段62に入力されると、演算処理部622は濃度取得部6221の指令を受けて、濃度測定値を蓄積し時系列データを作成する。時系列データは、演算処理部622の記憶領域に格納してもよいし、濃度測定値が算出されることに、表示装置624に出力してもよい。
【0064】
表示装置624に出力する方法はいずれでもよいが、例えば、図7(a)及び(b)では、縦軸に濃度を取るとともに横軸に時間を取ったグラフに、濃度測定値を逐次プロットする事例を示している。
【0065】
≪≪濃度測定値の時系列データの事例≫≫
図7(a)は、香料入り検知材料O(f)として、香料にバニリンを採用するとともに、有機溶剤にエタノールを採用した場合の、総揮発性有機化合物濃度の時系列データを示すグラフである。つまり、図4(b)で示すように、カッタビット14の摩耗が進行して検知材料放出部51が露出し、香料入り検知材料O(f)が放出された状態である。
【0066】
図7(a)のグラフを見ると、香料入り検知材料O(f)が放出されたことにより、0.1mg/m3にも満たなかった濃度測定値が、10分を過ぎたあたりから急上昇している様子がわかる。また、15分から20分程度で0.2mg/m3まで上昇したのち、濃度測定値の上昇が収まっており、揮発性有機物の拡散が収束している様子も見て取れる。
【0067】
また、図7(b)は、香料入り検知材料O(f)として、香料にメントールを採用するとともに有機溶剤にエタノールを採用した場合の、総揮発性有機化合物濃度の時系列データを示すグラフである。図7(b)を見ると、当初0.1mg/m3に満たなかった濃度測定値が10分を過ぎたあたりから急上昇し、20分後には0.35mg/m3程度まで上昇するなど、揮発性有機化合物が拡散している様子がわかる。
【0068】
このように、空気汚染測定器611を採用すると、掘削土砂Sの匂いや機械作業油の匂いなどが混在する環境下にあっても、掘削土砂Sの周囲空気中に拡散される揮発性有機化合物を精度よく捉えて、香料入り検知材料O(f)が放出されたことを検知で来る。また、香料入り検知材料O(f)にいずれの香料fを採用しても、これらが測定に影響を及ぼすことはない。
【0069】
≪検知材料Oが放出されたか否かの判別:STEP5≫
濃度取得部6221において濃度測定値が取得されると、演算処理部622は放出判定部6222の指令を受けて、濃度測定値に基づいて香料入り検知材料O(f)が放出されたか否かを判定する。
【0070】
具体的には、連続的に取得される濃度測定値とSTEP2で決定した判定閾値とを比較し、濃度測定値の数値が判定閾値より高い場合に、検知材料放出機構50から香料入り検知材料O(f)が放出された、と判定する。
【0071】
≪摩耗量の把握:STEP6≫
放出判定部6222において、香料入り検知材料O(f)が放出された、と判定した場合、演算処理部622は警報出力部6232を介して表示装置624に、警告メッセージを発報する。
【0072】
作業員は、表示装置624で警告メッセージを受信したのち、ベルトコンベヤ上の掘削土砂Sやずり鋼車30に積み込まれた掘削土砂Sの近傍で、揮発性有機化合物の臭気もしくは香料fの香気を確認し、香料入り検知材料O(f)が放出されたことを確認する。カッタビット14の摩耗量が摩耗検知量L1に到達したものと判断できる場合には、シールド掘進機10の掘削作業を一時中断し、カッタビット14を交換するなど適宜対応すればよい。
【0073】
本発明によれば、作業員は、警報の報知を受けたのちに、最終確認作業として掘削土砂Sの近傍で揮発性有機物の臭気や香料の香気を嗅覚で確認すればよい。したがって、掘削土砂Sに常時注意を払う手間を省略でき、摩耗管理の運用性を高めることができる。また、シールド掘進機10のオペレーターや工事事務所の作業員などに対して迅速に、カッタビット14の摩耗状況を伝達でき、摩耗管理の効率化を図ることが可能となる。
【0074】
さらに、香料入り検知材料O(f)が放出されたことを放出判定部6222で判定することで、作業員が嗅覚で確認する場合と比較して、安定した精度で香料入り検知材料O(f)の放出を判別できる。加えて、作業員は、警報の報知を受ける前であっても、濃度測定値の時系列データを支援情報として利用し、例えば、香料入り検知材料O(f)が大量に放出される予兆、つまり、カッタビット14の摩耗量が摩耗検知量L1に到達する予兆を捉えることもできる。
【0075】
本発明の摩耗管理システム及び掘削具の摩耗管理方法は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【0076】
≪≪段階的にカッタビットの摩耗状態を管理する方法≫≫
また、本実施の形態では、カッタビット14の摩耗量が摩耗検知量L1に到達した場合に、香料入り検知材料O(f)を放出して摩耗を検知する場合を事例に挙げた。しかし、これに限定するものではなく、カッタビット14の摩耗状態を段階的に検知し、管理する構成としてもよい。
【0077】
例えば、図8(a)及び(b)で示すように、検知材料放出機構50には、検知材料放出部51と検知材料供給部54とこれらを連結する供給管55の組み合わせが2組設けられている。
【0078】
このうち、一方の検知材料放出部51は、カッタビット14の内部であって先端141Bから摩耗検知量L1だけ後退した深さ位置に、また、他方の検知材料放出部51は、先端141Bから摩耗検知量L2だけ後退した深さ位置に設けられている。また、各々に接続されている検知材料供給部54には、それぞれ異なる香料f1、f2を含有した香料入り検知材料O(f1)、O(f2)が搭載されている。
【0079】
これにより、カッタビット14が摩耗検知量L1、摩耗検知量L2と摩耗するごとに、放出される香料入り検知材料O(f1)、O(f2)を空気質監視装置60で検知し、摩耗が進行する様子を段階的に管理することができる。なお、図8では、カッタビット14の摩耗状態を、摩耗検知量L1、摩耗検知量L2の2段階で管理する場合を事例に挙げたが、その数量は2段階に限定されるものではない。
【0080】
また、上記のカッタビット14の内部であって先端141Bから深さの異なる位置に設ける検知材料放出部51は、必ずしも同一のカッタビット14に設けなくてもよく、カッタヘッド12に設けた異なるカッタビット14に設ける構成としてもよい。
【0081】
さらに、本実施の形態では、複数の検知材料放出部51ごとに香料fの異なる香料入り検知材料O(f1)、O(f2)を採用した。これは、作業者が表示装置624で警告メッセージを受信したのち、掘削土砂Sを嗅覚で確認することを考慮したものである。したがって、必ずしも香料fを変えなくてもよく、さらには、香料を含まない検知材料Oそのものを採用してもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 シールド掘進機(トンネル掘削機)
11 カッタ駆動部
12 カッタヘッド
121 カッタスポーク
13 シールド本体
131 フード部
132 隔壁
14 カッタビット(掘削具)
141 母材
141A 基端
141B 先端
142 チップ
15 チャンバー
16 スクリュコンベヤ
20 ベルトコンベヤ
21 テール部
22 ヘッド部
30 ずり鋼車
40 摩耗管理システム
50 検知材料放出機構
51 検知材料放出部
52 検知材料供給部(ピストン型)
521 中空部
521A 貯蔵部
521B 加圧部
522 ピストン
523 コイルバネ
524 ネジ
53 流路
531 連通部
532 プラグ
533 プラグ
54 検知材料供給部(アキュムレータ型)
541 筐体
541A 接続部
542 加圧部
543 貯蔵部
55 供給管
60 空気質監視装置
61 気中濃度測定手段
611 空気汚染測定器
612 支持架台
62 濃度取得手段
621 入力部
622 演算処理部
6221 濃度取得部
6222 放出判定部
623 出力部
6231 データ出力部
6232 警報出力部
624 表示装置
625 端末装置
H 発進立坑
T トンネル
P 土砂ピット
G 圧縮ガス
A 切羽
O(f) 香料入り検知材料
O(f1) 香料入り検知材料
O(f2) 香料入り検知材料
f 香料
f1 香料
f2 香料
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8