(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122458
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】樹脂添加剤組成物、樹脂組成物および成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20230825BHJP
C08K 5/3492 20060101ALI20230825BHJP
C08L 23/00 20060101ALI20230825BHJP
C08K 5/101 20060101ALI20230825BHJP
C08K 5/20 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/3492
C08L23/00
C08K5/101
C08K5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026181
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】夛田 淳生
(72)【発明者】
【氏名】上田 直人
(72)【発明者】
【氏名】福井 聡
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA001
4J002BB111
4J002EH057
4J002EP017
4J002EP027
4J002EU186
4J002FD027
4J002FD206
(57)【要約】
【課題】樹脂の特性を向上させることができる樹脂添加剤組成物、樹脂組成物および成形品を提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を含む樹脂添加剤組成物である。(B)滑剤は、(B-1)脂肪酸エステルおよび(B-2)脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
(一般式(1)中、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、
(B)滑剤と、
を含むことを特徴とする樹脂添加剤組成物。
(一般式(1)中、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。)
【請求項2】
前記(B)滑剤が、(B-1)脂肪酸エステルおよび(B-2)脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む請求項1記載の樹脂添加剤組成物。
【請求項3】
透明化剤である請求項1または2記載の樹脂添加剤組成物。
【請求項4】
結晶化抑制剤である請求項1または2記載の樹脂添加剤組成物。
【請求項5】
ポリオレフィン系樹脂と、
(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、
(B)滑剤と、
を含むことを特徴とする樹脂組成物。
(一般式(1)中、Ar
1、Ar
2およびAr
3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。)
【請求項6】
前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)前記一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量が、0.1質量部以上10質量部以下である請求項5記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)前記一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量が、0.001質量部以上0.1質量部未満である請求項5記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項6または7記載の樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂添加剤組成物、樹脂組成物および成形品に関し、詳しくは、樹脂の特性を向上させることができる樹脂添加剤組成物、樹脂組成物および成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン系樹脂などの樹脂の特性を向上させることを目的として、様々な樹脂添加剤が検討されている。ポリオレフィン系樹脂用の樹脂添加剤として、例えば、特許文献1には、特定のトリアジン化合物を含む核剤が提案されている。また、例えば、特許文献2には、特定のトリアジン化合物を含む結晶化抑制剤が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/067144号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2020/241503号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1または特許文献2に記載の樹脂添加剤は、樹脂の特性を向上させる点でさらなる改善の余地があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、樹脂の特性を向上させることができる樹脂添加剤組成物、樹脂組成物および成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するトリアジン化合物および滑剤を含む樹脂添加剤組成物によれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の樹脂添加剤組成物は、(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を含むことを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
ここで、一般式(1)中、Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。
【0010】
本発明の樹脂添加剤組成物においては、前記(B)滑剤が、(B-1)脂肪酸エステルおよび(B-2)脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0011】
本発明の樹脂添加剤組成物は、透明化剤として好適に用いることができ、また、結晶化抑制剤としても好適に用いることができる。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂と、(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を含むことを特徴とするものである。
【0013】
【0014】
ここで、一般式(1)中、Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。
【0015】
本発明の樹脂組成物においては、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)前記一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量が、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
【0016】
本発明の樹脂組成物においては、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)前記一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量が、0.001質量部以上0.1質量部未満であってもよい。
【0017】
本発明の成形品は、上記の樹脂組成物を成形して得られることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、樹脂の特性を向上させることができる樹脂添加剤組成物、樹脂組成物および成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施例1の樹脂組成物の動的粘弾性測定で得られた複素粘度η
*(Pa s)を試料温度(℃)に対してプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<樹脂添加剤組成物>
本実施形態の樹脂添加剤組成物は、(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を含む。
【0021】
【0022】
ここで、一般式(1)中、Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。
【0023】
本実施形態の樹脂添加剤組成物によれば、樹脂の特性を向上させることができる。
【0024】
(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物において、Ar1、Ar2およびAr3が有する置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、アミノカルボニル基(カルバモイル基ともいう)、ニトロ基、シアノ基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、ホルミル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数6~20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素原子数7~20のアリールアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数6~20のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキルチオ基、置換基を有してもよい炭素原子数6~20のアリールチオ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアシルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数7~20のアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数7~20のアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数3~20のジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数13~20のジアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数8~20のアルキルアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよい炭素原子数7~20のアリールカルボニルアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数2~20の複素環基等が挙げられる。また、カルボキシ基、スルホ基は塩を形成していてもよい。Ar1、Ar2およびAr3が有する置換基としては、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数6~20のアリール基、アミノカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアシル基、置換基を有していてもよい炭素原子数2~20のアシルオキシ基、置換基を有していてもよい炭素原子数7~20のアリールアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素原子数6~20のアリール基、アミノカルボニル基がより好ましい。
【0025】
また、Ar1、Ar2およびAr3が有する置換基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、複素環基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、置換アミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシ基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基等が挙げられ、これらの基はさらに置換されていてもよい。また、カルボキシ基およびスルホ基は、塩を形成していてもよい。
【0026】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、tert-アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1-メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、イソヘプチル、tert-ヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、tert-オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等が挙げられる。
【0027】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、sec-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、tert-アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、tert-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、tert-オクチルオキシ、2-エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等が挙げられる。
【0028】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、tert-アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、tert-ヘプチルチオ、n-オクチルチオ、イソオクチルチオ、tert-オクチルチオ、2-エチルヘキシルチオ等が挙げられる。
【0029】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等を挙げることができる。
【0030】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等を挙げることができる。
【0031】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等を挙げることができる。
【0032】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等を挙げることができる。
【0033】
Ar1、Ar2およびAr3が有する複素環基としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2-ピロリジノン-1-イル、2-ピペリドン-1-イル、2,4-ジオキシイミダゾリジン-3-イル、2,4-ジオキシオキサゾリジン-3-イル等を挙げることができる。
【0034】
Ar1、Ar2およびAr3が有するハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
【0035】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアシル基としては、例えば、アセチル、2-クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4-トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、n-オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等を挙げることができる。
【0036】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等を挙げることができる。
【0037】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアルキルアミノカルボニル基としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル基、tert-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、N-メチル-N-エチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル等を挙げることができる。
【0038】
Ar1、Ar2およびAr3が有する置換基を有してもよいアミノ基としては、例えば、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N-メチル-アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2-ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N-ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N-ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、n-オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N-メチル-メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N-ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等を挙げることができる。
【0039】
Ar1、Ar2およびAr3が有するアルコキシカルボニル基としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、sec-ブチルオキシカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、アミルオキシカルボニル、イソアミルオキシカルボニル、tert-アミルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、イソヘプチルオキシカルボニル、tert-ヘプチルオキシカルボニル、n-オクチルオキシカルボニル、イソオクチルオキシカルボニル、tert-オクチルオキシカルボニル、2-エチルヘキシルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0040】
本実施形態の樹脂添加剤組成物に含まれる(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物としては、Ar1、Ar2およびAr3のうち少なくとも1個が置換基としてアミノカルボニル基を有するフェニル基であることが好ましい。
【0041】
一般式(1)で表されるトリアジン化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物No.1~No.60等が挙げられる。これらの中では、化合物No.7、化合物No.32、化合物No.49、化合物No.50、化合物No.58、化合物No.59、化合物No.60が好ましく、化合物No.7、化合物No.32、化合物No.49、化合物No.50、化合物No.58、化合物No.60がより好ましい。
【0042】
【0043】
(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の製造方法としては、例えば、有機溶媒中でシアヌル酸クロリドを原料とし、それぞれ1当量のAr1、Ar2、Ar3に対応するフェノール化合物をそれぞれ1当量の塩基(トリエチルアミン、水酸化ナトリウム等)存在下で順次反応させる方法等が挙げられる。
【0044】
本実施形態において(B)滑剤としては、(B-1)脂肪酸エステル、(B-2)脂肪酸アミド、ステアリン酸などの脂肪酸、ステアリルアルコールなどの高級アルコール、マンニトールなどの糖アルコール、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステルなどが挙げられる。本実施形態の樹脂添加剤組成物においては、樹脂の特性をさらに向上させる観点から、(B)滑剤は、(B-1)脂肪酸エステル、(B-2)脂肪酸アミド、脂肪酸および高級アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、(B-1)脂肪酸エステルおよび(B-2)脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことがより好ましい。
【0045】
(B-1)脂肪酸エステルとしては、例えば脂肪酸メチル、脂肪酸エチル等の脂肪酸アルキルエステル、エチレングリコール脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール脂肪酸モノエステル等のアルキレングリコール脂肪酸モノエステル、エチレングリコール脂肪酸ジエステル、プロピレングリコール脂肪酸ジエステル等のアルキレングリコール脂肪酸ジエステル、グリセロール脂肪酸モノエステル、グリセロール脂肪酸ジエステル、グリセロール脂肪酸トリエステル等のグリセロール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸ジエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸トリエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸テトラエステル等のペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸モノエステル等のソルビトール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0046】
(B-1)脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基は、例えば、炭素原子数7~29のものであればよい。ここで、脂肪酸残基とは、脂肪酸からカルボキシル基を除いて得られる基のことを示す。脂肪酸残基の炭素原子数は、11~23であることが好ましく、13~21であることがより好ましい。脂肪酸残基としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等の脂肪酸からカルボキシル基を除いて得られる基等が挙げられる。これらの中ではラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸からカルボキシル基を除いて得られる基が好ましく、ステアリン酸からカルボキシル基を除いて得られる基が特に好ましい。
【0047】
本実施形態の樹脂添加剤組成物においては、(B-1)脂肪酸エステルがグリセロール脂肪酸モノエステルおよびソルビトール脂肪酸モノエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、グリセロール脂肪酸モノエステルを含むことがより好ましい。グリセロール脂肪酸モノエステルの具体例としては、例えば、グリセロールラウリン酸モノエステル、グリセロールミリスチン酸モノエステル、グリセロールパルミチン酸モノエステル、グリセロールステアリン酸モノエステル、グリセロールオレイン酸モノエステル、グリセロールリノール酸モノエステル、グリセロールリノレン酸モノエステル、グリセロールアラキジン酸モノエステル、グリセロールアラキドン酸モノエステル、グリセロールベヘン酸モノエステル、グリセロールリグノセリン酸モノエステル、グリセロールセロチン酸モノエステル、グリセロールモンタン酸モノエステル、グリセロールメリシン酸モノエステル、グリセロール12-ヒドロキシステアリン酸モノエステル、グリセロールリシノール酸モノエステル等が挙げられる。これらの中ではグリセロールラウリン酸モノエステル、グリセロールミリスチン酸モノエステル、グリセロールパルミチン酸モノエステル、グリセロールステアリン酸モノエステル、グリセロールベヘン酸モノエステルが好ましく、グリセロールステアリン酸モノエステル、グリセロールベヘン酸モノエステルがより好ましく、グリセロールステアリン酸モノエステルがさらに好ましい。
【0048】
ソルビトール脂肪酸モノエステルの具体例としては、例えば、ソルビトールラウリン酸モノエステル、ソルビトールミリスチン酸モノエステル、ソルビトールパルミチン酸モノエステル、ソルビトールステアリン酸モノエステル、ソルビトールオレイン酸モノエステル、ソルビトールリノール酸モノエステル、ソルビトールリノレン酸モノエステル、ソルビトールアラキジン酸モノエステル、ソルビトールアラキドン酸モノエステル、ソルビトールベヘン酸モノエステル、ソルビトールリグノセリン酸モノエステル、ソルビトールセロチン酸モノエステル、ソルビトールモンタン酸モノエステル、ソルビトールメリシン酸モノエステル、ソルビトール12-ヒドロキシステアリン酸モノエステル、ソルビトールリシノール酸モノエステル等が挙げられる。これらの中ではソルビトールラウリン酸モノエステル、ソルビトールミリスチン酸モノエステル、ソルビトールパルミチン酸モノエステル、ソルビトールステアリン酸モノエステル、ソルビトールベヘン酸モノエステルが好ましく、ソルビトールステアリン酸モノエステル、ソルビトールベヘン酸モノエステルがより好ましく、ソルビトールステアリン酸モノエステルがさらに好ましい。
【0049】
(B-2)脂肪酸アミドとしては、脂肪酸モノアミド、メチレンビス脂肪酸アミド、エチレンビス脂肪酸アミド等のアルキレンビス脂肪酸アミド、メチロール脂肪酸アミド、エチロール脂肪酸アミド等のアルキロール脂肪酸アミド、N-アルキル脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0050】
(B-2)脂肪酸アミドを構成する脂肪酸残基は、(B-1)脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基として例示したものと同じものが挙げられる。
【0051】
本実施形態の樹脂添加剤組成物においては、(B-2)脂肪酸アミドが脂肪酸モノアミドおよびアルキレンビス脂肪酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0052】
脂肪酸モノアミドの具体例としては、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、エルカ酸アミド、アラキジン酸アミド、アラキドン酸アミド、ベヘン酸アミド、リグノセリン酸アミド、セロチン酸アミド、モンタン酸アミド、メリシン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、リシノール酸アミド等が挙げられる。これらの中では、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミドが好ましく、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミドがより好ましく、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミドがさらに好ましく、オレイン酸アミドがさらに一層好ましい。
【0053】
また、アルキレンビス脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスリノール酸アミド、メチレンビスリノレン酸アミド、メチレンビスアラキジン酸アミド、メチレンビスアラキドン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、メチレンビスリグノセリン酸アミド、メチレンビスセロチン酸アミド、メチレンビスモンタン酸アミド、メチレンビスメリシン酸アミド、メチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスリシノール酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスリノール酸アミド、エチレンビスリノレン酸アミド、エチレンビスアラキジン酸アミド、エチレンビスアラキドン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスリグノセリン酸アミド、エチレンビスセロチン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミド、エチレンビスメリシン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスリシノール酸アミド等が挙げられる。これらの中では、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドが好ましく、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミドがより好ましく、エチレンビスステアリン酸アミドが特に好ましい。
【0054】
(B)滑剤の含有量は、例えば、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物100質量部に対して10~1000質量部であればよい。(B)滑剤の含有量は、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物100質量部に対して15~800質量部であることが好ましく、25~600質量部であることがより好ましく、30~500質量部であることがさらに好ましく、50~400質量部であることがさらに一層好ましい。
【0055】
本実施形態の樹脂添加剤組成物は、さらにフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、その他の酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、脂肪酸金属塩、難燃剤、難燃助剤、充填剤、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、蛍光増白剤、顔料、染料等の添加剤(以下、「その他の添加剤」と称する)のうち一種または二種以上を含むものであってもよい。
【0056】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-チオビス-(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-メチル-4,6-ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’-イソブチリデンビス(4,6-ジメチルフェノール)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、2,2’-オキサミド-ビス[エチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2-エチルヘキシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-エチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸およびC13-15アルキルのエステル、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(ADEKA POLYMER ADDITIVES EUROPE SAS社製 商品名「AO.OH.98」)、2,2’-メチレンビス[6-(1-メチルシクロヘキシル)-p-クレゾール]、2-tert-ブチル-6-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート、6-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルベンズ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[モノエチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート]カルシウム塩、5,7-ビス(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2(3H)-ベンゾフラノンとo-キシレンとの反応生成物、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、DL-a-トコフェノール(ビタミンE)、2,6-ビス(α-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、ビス[3,3-ビス-(4’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル-3,5-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2-オクチルチオ-4,6-ジ(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-s-トリアジン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、ビス[3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’-ブチリデンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、3,9-ビス[2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルヒドロシンナモイルオキシ)-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、ステアリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、パルミチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ミリスチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ラウリル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド等の3-(3,5-ジアルキル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸誘導体等が挙げられる。
【0057】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチル-5-メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2-tert-ブチル-4-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル〕ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、テトラフェニル-テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-n-ブチリデンビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)-1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、(1-メチル-1-プロペニル-3-イリデン)トリス(1,1-ジメチルエチル)-5-メチル-4,1-フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)-オクタデシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(2-〔(2,4,8,10-テトラキス-tert-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン-6-イル)オキシ〕エチル)アミン、3,9-ビス(4-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル-2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’-イソプロピリデンジフェノールC12-15アルコールホスファイト、ビス(ジイソデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(オクタデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0058】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン-3-(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル-4-[3-n-アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5-tert-ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル-3,3’-チオジプロピオネート、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、ジステアリル-ジサルファイドが挙げられる。
【0059】
その他の酸化防止剤としては、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクチル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン等のニトロン化合物、3-アリールベンゾフラン-2(3H)-オン、3-(アルコキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(アシルオキシフェニル)ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(3,4-ジメチルフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゾフラン-2(3H)-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-{4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル}-ベンゾフラン-2(3H)-オン、6-(2-(4-(5,7-ジ-tert-2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)フェノキシ)エトキシ)-6-オキソヘキシル-6-((6-ヒドロキシヘキサノイル)オキシ)ヘキサノエート、5-ジ-tert-ブチル-3-(4-((15-ヒドロキシ-3,6,9,13-テトラオキサペンタデシル)オキシ)フェニル)ベンゾフラン-2(3H)オン等のベンゾフラン化合物等が挙げられる。
【0060】
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-tert-オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、1,6,11-トリス[2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イルアミノ]ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-{トリス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1-ウンデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カーボネート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルヘキサデカノエート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオクタデカノエート等が挙げられる。
【0061】
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス(4-tert-オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-tert-ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、トリオクチル-2,2’,2”-((1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイル)トリス(3-ヒドロキシベンゼン-4-,1-ジイル)トリプロピオネート)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、1,12-ビス[2-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-3-ヒドロキシフェノキシ]エチル]ドデカンジオエート等のトリアジン類;各種の金属塩、または金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、またはキレート類等が挙げられる。
【0062】
脂肪酸金属塩としては、例えば、直鎖または分岐状の炭素原子数12~30の脂肪酸の金属塩等が挙げられる。脂肪酸金属塩を構成する金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、ジヒドロキシアルミニウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、ヒドロキシアルミニウムイオン等が挙げられ、これらの中ではナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオンが好ましい。脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等が挙げられ、これらの中ではミリスチン酸、ステアリン酸が好ましい。
【0063】
難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル-2,6-ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、(1-メチルエチリデン)-4,1-フェニレンテトラフェニルジホスフェート、1,3-フェニレンテトラキス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフェート、株式会社ADEKA製の商品名「アデカスタブFP-500」、「アデカスタブFP-600」、「アデカスタブFP-800」の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸(1-ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2-アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン、リン含有ビニルベンジル化合物および赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2-ジブロモ-4-(1,2-ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび2,4,6-トリス(トリブロモフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、および、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等が挙げられる。これら難燃剤は、フッ素樹脂等のドリップ防止剤や多価アルコール、ハイドロタルサイト等の難燃助剤と併用することが好ましい。
【0064】
充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等を挙げることができ、粒子径(繊維状においては繊維径や繊維長およびアスペクト比)を適宜選択して用いることができる。これら充填剤の中では、剛性を付与する効果に優れ、かつ入手が容易であることから、タルクが特に好ましく用いられる。また、充填剤は、必要に応じて表面処理したものを用いることができる。
【0065】
ハイドロタルサイト類は、マグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基および任意の結晶水を含む複合塩化合物であればよく、天然物であっても合成物であってもよい。また、ハイドロタルサイト類の結晶構造、粒子形状および粒子サイズは特に限定されるものではない。さらに、ハイドロタルサイト類は、マグネシウムまたはアルミニウムの少なくとも一部がアルカリ金属や亜鉛等の他の金属で置換されたものであってもよく、水酸基や炭酸基の少なくとも一部が他のアニオン基で置換されたものであってもよい。さらにまた、ハイドロタルサイト類は、結晶水が脱水されたものであってもよく、表面がステアリン酸等の脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩またはワックス等で被覆されたものであってもよい。
【0066】
帯電防止剤としては、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤等による低分子型帯電防止剤、高分子化合物による高分子型帯電防止剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールエチレンオキシド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物、ポリオレフィングリコールエチレンオキシド付加物等のポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤;ポリエチレンオキシド、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミンの脂肪酸アミド等の多価アルコール型非イオン界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩等のカルボン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコールリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中ではアニオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩が好ましい。
【0067】
高分子型帯電防止剤としては、アイオノマーやポリエチレングリコールを親水部とするブロックポリマー等が挙げられる。アイオノマーとしては、特開2010-132927号公報に記載のアイオノマーが挙げられる。ポリエチレングリコールを親水部とするポリマーとしては、例えば、特開平7-10989号公報に記載のポリエーテルエステルアミド、米国特許第6552131号公報に記載のポリオレフィンとポリエチレングリコールからなるポリマー、特開2016-023254号公報に記載のポリエステルとポリエチ
レングリコールからなるポリマー等が挙げられる。
【0068】
蛍光増白剤とは、太陽光や人工光の紫外線を吸収し、これを紫~青色の可視光線に変えて輻射する蛍光作用によって、成形体の白色度や青味を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、ベンゾオキサゾール系化合物C.I.Fluorescent Brightener184;クマリン系化合物C.I.Fluorescent Brightener52;ジアミノスチルベンジスルフォン酸系化合物C.I.Fluorescent Brightener24、85、71等が挙げられる。
【0069】
顔料は特に限定されるものではなく、市販の顔料を用いることもできる。顔料の具体例としては、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリーン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、29、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、15、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
【0070】
染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等が挙げられる。
【0071】
本実施形態の樹脂添加剤組成物を製造する方法としては特に限定されるものではなく、例えば(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物、(B)滑剤および必要に応じてその他の添加剤を配合した後、FMミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等の混合装置を用いて混合する方法等が挙げられる。
【0072】
本実施形態の樹脂添加剤組成物は、バインダー、ワックス、溶剤、シリカ等の造粒助剤がさらに配合され、造粒されたワンパック複合添加剤であってもよい。また、本実施形態の樹脂添加剤組成物は、さらに熱可塑性樹脂を含むマスターバッチであってもよい。
【0073】
マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。
【0074】
ここでポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、架橋ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロックコポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、ハイインパクトコポリマーポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン-1、シクロオレフィンポリマー、ポリ-3-メチル-1-ブテン、ポリ-3-メチル-1-ペンテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のα-オレフィン共重合体等が挙げられる。これらポリオレフィン系樹脂は、1種が単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。またポリオレフィン系樹脂はアロイ化されていてもよい。ポリオレフィン系樹脂の分子量、重合度、密度、軟化点、溶媒への不溶分の割合、立体規則性の程度、触媒残渣の有無、原料となるモノマーの種類や配合比率、重合に使用される触媒の種類(例えば、チーグラー触媒、メタロセン触媒等)等は特に限定されるものではなく、適宜選択される。
【0075】
マスターバッチ中における熱可塑性樹脂の含有量は、例えば、90質量%以下であればよく、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。また、マスターバッチ中における熱可塑性樹脂の含有量は、例えば、10質量%以上であればよい。
【0076】
本実施形態の樹脂添加剤組成物は、熱可塑性樹脂用の添加剤組成物であることが好ましい。本実施形態の樹脂添加剤組成物は、ポリオレフィン系樹脂用の添加剤組成物であることがより好ましく、ポリプロピレン系樹脂用の添加剤組成物であることがさらに好ましい。
【0077】
また、本実施形態の樹脂添加剤組成物は、透明化剤であることが好ましい。本実施形態の樹脂添加剤組成物は、熱可塑性樹脂用の透明化剤であることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂用の透明化剤であることがより好ましく、ポリプロピレン系樹脂用の透明化剤であることがさらに好ましい。
【0078】
さらに本実施形態の樹脂添加剤組成物は、結晶化抑制剤であってもよい。本実施形態の樹脂添加剤組成物は、熱可塑性樹脂用の結晶化抑制剤であることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂用の結晶化抑制剤であることがより好ましく、ポリプロピレン系樹脂用の結晶化抑制剤であることがさらに好ましい。
【0079】
次に、本実施形態の樹脂組成物について説明する。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂と、(A)下記一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を含むものである。
【0080】
【0081】
ここで、一般式(1)中、Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、無置換のフェニル基または置換基を有するフェニル基を表す。
【0082】
本実施形態の樹脂組成物は、特性が向上されたものとなる。
【0083】
ポリオレフィン系樹脂としては、上述したマスターバッチに含まれてもよいポリオレフィン系樹脂として例示したものと同じものが挙げられる。耐熱性をより優れたものにする観点から、本実施形態の樹脂組成物において、ポリオレフィン系樹脂はポリプロピレン系樹脂を含むことが特に好ましい。
【0084】
また、ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを含むものであってもよい。この場合、樹脂組成物からなる成形品は、優れた耐衝撃性を備えるものとなる。
【0085】
本実施形態の樹脂組成物は、さらにポリオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマーを含むものであってもよい。この場合、樹脂組成物からなる成形品は、さらに優れた耐衝撃性を備えるものとなる。ここで、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマーとしては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム等が挙げられる。これらの中では、樹脂組成物の加工性をより優れたものとし、かつ、樹脂組成物からなる成形品をより軽量化する観点から、熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0086】
本実施形態の樹脂組成物が、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーまたはポリオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマーを含む場合、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマーの含有量の合計が、樹脂成分全体の50質量%以下であればよく、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。また、本実施形態の樹脂組成物が、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーまたはポリオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマーを含む場合、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー以外のエラストマーの含有量の合計は、例えば、樹脂成分全体の5質量%以上であればよい。
【0087】
本実施形態の樹脂組成物に含まれる(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物としては、上述した樹脂添加剤組成物に含まれるものと同じものが挙げられる。
【0088】
ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量は、例えば0.001質量部以上10質量部以下であればよい。
【0089】
ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量は、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。この場合、樹脂組成物からなる成形品の透明性が優れたものとなる。樹脂組成物からなる成形品の透明性をより優れたものとする観点から、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量は、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以上3質量部以下であることがさらに好ましく、0.3質量部以上1質量部以下であることがさらに一層好ましい。
【0090】
また、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量は、0.001質量部以上0.1質量部未満であってもよい。この場合、樹脂組成物を成形する際に、ポリオレフィン系樹脂の結晶化が十分に抑制されるため、樹脂組成物は、合成繊維、フィルム、樹脂を木質・繊維質材料等からなる基材に積層してなる積層体などの用途に適したものとなる。ポリオレフィン系樹脂の結晶化をさらに抑制する観点から、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の含有量は、0.005質量部以上0.09質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上0.08質量部以下であることがより好ましく、0.02質量部以上0.075質量部以下であることがさらに好ましく、0.025質量部以上0.07質量部以下であることがさらに一層好ましい。
【0091】
本実施形態の樹脂組成物に含まれる(B)滑剤としては、上述した樹脂添加剤組成物に含まれるものと同じものが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(B)滑剤の含有量は、例えば0.001質量部以上10質量部以下であればよく、0.005質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上3質量部以下であることがより好ましく、0.05質量部以上1質量部以下であることがさらに好ましく、0.1質量部以上0.5質量部以下であることがさらに一層好ましい。
【0092】
本実施形態の樹脂組成物において、(B)滑剤の含有量は、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物100質量部に対して、例えば10~1000質量部であればよく、15~800質量部であることが好ましく、25~600質量部であることがより好ましく、30~500質量部であることがさらに好ましく、50~400質量部であることがさらに一層好ましい。
【0093】
本実施形態のポリオレフィン系樹脂組成物には、必要に応じて、上述した樹脂添加剤組成物に含まれる添加剤として例示した、その他の添加剤がさらに含まれていてもよい。
【0094】
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂に対して、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を配合する配合工程を含む。配合工程において、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の配合量は、例えば0.001質量部以上10質量部以下であればよい。
【0095】
樹脂組成物からなる成形品の透明性を優れたものとする観点から、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の配合量は、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以上3質量部以下であることがさらに好ましく、0.3質量部以上1質量部以下であることがさらに一層好ましい。
【0096】
すなわち、ポリオレフィン系樹脂に対して、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を配合する方法であって、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の配合量を、例えば0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5質量部以下、さらに好ましくは0.2質量部以上3質量部以下、さらに一層好ましくは0.3質量部以上1質量部以下とする方法によれば、樹脂組成物からなる成形品の透明性を向上させることができる。
【0097】
また、ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑制する観点から、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の配合量は、0.001質量部以上0.1質量部未満であってもよく、0.005質量部以上0.09質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上0.08質量部以下であることがより好ましく、0.02質量部以上0.075質量部以下であることがさらに好ましく、0.025質量部以上0.07質量部以下であることがさらに一層好ましい。
【0098】
すなわち、ポリオレフィン系樹脂に対して、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を配合する方法であって、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物の配合量を、例えば0.001質量部以上0.1質量部未満、好ましくは0.005質量部以上0.09質量部以下、好ましくは0.01質量部以上0.08質量部以下、さらに好ましくは0.02質量部以上0.075質量部以下、さらに一層好ましくは0.025質量部以上0.07質量部以下とする方法によれば、ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑制することができる。
【0099】
本実施形態の樹脂組成物の製造方法においては、配合工程以外の他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、準備工程や溶融混錬工程等を挙げることができる。
【0100】
(準備工程)
まず、ポリオレフィン系樹脂と、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物と、(B)滑剤と、を準備する。
【0101】
(配合工程)
次に、ポリオレフィン系樹脂に(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物および(B)滑剤を配合する。配合の方法としては特に限定されるものではなく、例えばポリオレフィン系樹脂に(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物、(B)滑剤および必要に応じてその他の添加剤を添加した後、FMミキサー、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等の混合装置を用いて混合する方法等が挙げられる。ここで、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物および(B)滑剤は、上述した樹脂添加剤組成物として配合してもよい。また、配合の方法は、(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物、(B)滑剤および必要に応じてその他の添加剤のうち少なくとも一つの成分を、ポリオレフィン系樹脂モノマーまたはポリオレフィン系樹脂オリゴマーの重合前または重合中に添加して重合反応を行い、得られた重合体に残りの成分を添加する方法であってもよい。
【0102】
以上のようにして、樹脂組成物が製造される。樹脂組成物の製造方法は、配合工程で得られた混合物をさらに単軸押出機、二軸押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練する溶融混練工程を含む方法であってもよい。ここで、溶融混練の温度は、例えば、180~280℃であればよい。さらに樹脂組成物の製造方法は、溶融混練工程で得られた混練物を造粒する造粒工程を含む方法であってもよい。ここで造粒の方法としては特に限定されるものではなく、例えば、ペレタイザー等の造粒装置を用いる方法等が挙げられる。造粒して得られる樹脂組成物の形状は特に限定されず、例えばペレット状であればよい。
【0103】
次に、本実施形態の成形品について説明する。
<成形品>
本実施形態の成形品は、上述した樹脂組成物を成形して得られるものである。
【0104】
本実施形態の成形品は、特性が向上されたものとなる。
【0105】
本実施形態の成形品としては、例えば、射出成形品、繊維、フラットヤーン、二軸延伸フィルム、一軸延伸フィルム、無延伸フィルム、シート、サーモフォーミング成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品、射出延伸ブロー成形品、異形押出成形品、回転成形品などが挙げられる。本実施形態の成形品としては、高い透明性が求められるような成形品が特に好適である。このような成形品の具体例としては、ボトル、ジャー、カップ、バケツ、箱、缶、タンクなどの容器などが挙げられる。また、本実施形態の成形品としては、その製造の際にポリオレフィン系樹脂の結晶化が十分に抑制されたものであることが求められるような成形品が特に好適である。このような成形品の具体例としては、例えば、合成繊維、フィルム、樹脂を木質・繊維質材料等からなる基材に積層してなる積層体などが挙げられる。
【0106】
成形品を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、回転成形法、真空成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、スラッシュ成形法、ディップ成形法、サーモフォーミング成形法、発泡成形法などの方法が挙げられる。
【実施例0107】
以下、本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0108】
本実施例において使用された(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物および(B)滑剤は以下の通りである。
【0109】
(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物
(A-1)化合物No.49
(A-2)化合物No.32
(A-3)化合物No.50
(A-4)化合物No.58
(A-5)化合物No.60
(A-6)化合物No.7
(B)滑剤
(B-1)グリセロールステアリン酸モノエステル
(B-2)オレイン酸アミド
(B-3)エチレンビスステアリン酸アミド
(B-4)ベヘン酸アミド
(B-5)グリセロールベヘン酸モノエステル
(B-6)ソルビトールステアリン酸モノエステル
【0110】
(実施例1~18、比較例1~2)
<樹脂組成物の作製>
ポリオレフィン系樹脂(シリンダー温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート9.0g/10minのホモポリプロピレン)100質量部に対し、フェノール系酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05質量部、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトを0.1質量部、脂肪酸金属塩としてステアリン酸カルシウムを0.05質量部、並びに、表1~4に示す(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物および(B)滑剤を表1~4に示す配合量配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(東洋精機製作所製ラボプラストミル4C150)を用いて230℃の押出温度で溶融混練し、造粒することにより、実施例1~18および比較例1~2の樹脂組成物ペレットを得た。表1~4において各成分の配合量の単位は質量部である。
【0111】
<特性評価>
得られた実施例1~18および比較例1~2の樹脂組成物ペレットを、50tプレス機を用いて230℃、15MPa、3minの条件で溶融圧縮し、一辺の長さ10cm、厚み1.0mmの正方形シートを得た。得られたシートから直径25mmの円盤状の試験片を切り出し、この試片について、結晶化温度を以下の手順で測定した。
【0112】
先ず、直径25mmのパラレルプレートを備えた回転式レオメーター(TAインスツルメント社製 DHR2)に試験片を設置し、試験片を窒素雰囲気下、230℃で1分間加熱した後、プレート間距離を0.9mmに設定し、余剰の樹脂を除去した。続いて、試験片を230℃でさらに15分間加熱した後、レオメーターをひずみ量1%、角速度1rad/s、開始温度230℃、冷却温度5℃/minの条件に設定し、測定開始から10秒ごとに動的粘弾性測定を行った。そして、各々の測定点における複素粘度の値η
*(Pa s)および試料温度(℃)をプロットした。実施例1の樹脂組成物について、η
*(Pa s)および試料温度(℃)をプロットしたグラフを
図1に示す。ここで、
図1において縦軸は常用対数目盛である。
【0113】
η*(Pa s)および試料温度(℃)をプロットしたグラフの試料温度140℃以下、η*が103~106Pa sの領域における測定点を測定開始からの時間順にA1、A2、A3・・・とし、Ai、Ai+1およびAi+2の3点から最小二乗法によって回帰直線を求め、これを直線Liとし、直線L1、直線L2・・・のうち傾きの絶対値が最大となるものを直線L1とした。一方、測定開始から18分後(レオメータ―の設定温度140℃に対応)の測定点と測定開始から20分後(レオメータ―の設定温度130℃に対応)の測定点とを通る直線を直線L2とし、直線L1と直線L2との交点Pに対応する温度を結晶化温度(℃)とした。実施例1~18および比較例1~2の樹脂組成物について、上記の方法により決定した結晶化温度(℃)を決定した。結果を表1~4に併記する。
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
表1~4に示す結果より、実施例1~18の樹脂組成物は、比較例1~2の樹脂組成物と比べて結晶化温度が低く、ポリオレフィン系樹脂の結晶化が十分に抑制されたものであった。
【0119】
(実施例19~30、比較例3)
<樹脂組成物の作製>
ポリオレフィン系樹脂(ランダムコポリマーポリプロピレン(230℃、荷重2.16kgにおけるMFR=12g/10min、プライムポリマー社製 商品名「プライムポリプロ R720」))100質量部に対し、フェノール系酸化防止剤としてテトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05質量部、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトを0.1質量部、脂肪酸金属塩としてステアリン酸カルシウムを0.05質量部、並びに、表5~6に示す(A)一般式(1)で表されるトリアジン化合物および(B)滑剤を表5~6に示す配合量配合し、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製 TEX-28V)を用いて200℃の押出温度で溶融混練し、造粒することにより、実施例19~30および比較例3の樹脂組成物ペレットを得た。表5~6において各成分の配合量の単位は質量部である。
【0120】
<特性評価>
実施例19~30および比較例3の樹脂組成物からなる成形品のHaze値を測定し、成形品の透明性の指標とした。具体的には、実施例19~30および比較例3の樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝機械社製 EC100-2A)を用いて、樹脂温度200℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、60mm×60mm×0.5mmの正方形シート状試験片を作製した。得られた試験片を温度23℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で7日間静置した後、恒温恒湿機から試験片を取り出し、ヘイズメーター(BYK Additives&Instruments製 ヘイズガードi)にて試験片のHaze値(%)を測定した。結果を表5~6に併記する。
【0121】
【0122】
【0123】
表5~6に示す結果より、実施例19~30の樹脂組成物からなる成形品は、比較例3の樹脂組成物からなる成形品と比べてHaze値が小さく、優れた透明性を備えるものであった。
【0124】
以上より、本発明の樹脂添加剤組成物によれば、樹脂の特性を向上させることができることが確認された。