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特開2023-122567ヨード化合物を含む組成物、及びその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122567
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】ヨード化合物を含む組成物、及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/42 20060101AFI20230825BHJP
   C07C 19/16 20060101ALI20230825BHJP
   C07C 19/07 20060101ALI20230825BHJP
   C07C 23/10 20060101ALI20230825BHJP
   C07C 21/22 20060101ALI20230825BHJP
   C07C 69/63 20060101ALI20230825BHJP
   C07C 69/635 20060101ALI20230825BHJP
   C07C 69/653 20060101ALI20230825BHJP
   C09K 15/08 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
C07C17/42
C07C19/16
C07C19/07
C07C23/10
C07C21/22
C07C69/63
C07C69/635
C07C69/653
C09K15/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025256
(22)【出願日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2022025243
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022113095
(32)【優先日】2022-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川邉 康介
(72)【発明者】
【氏名】岡 祐児
【テーマコード(参考)】
4H006
4H025
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB70
4H006AB93
4H006AD40
4H025AA12
4H025AA15
4H025AA21
(57)【要約】
【課題】 従来公知のヨード化合物含有液体組成物よりも光安定性に優れるヨード化合物含有液体組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 ヨード化合物と、一般式(1)
【化1】
(式中、nは、1~4の整数を表し、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を含むことを特徴とする液体組成物を用いる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨード化合物と、一般式(1)
【化1】
(式中、nは、1~4の整数を表し、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を含むことを特徴とする液体組成物。
【請求項2】
前記ヨード化合物と前記ベンゾフェノン化合物の合計物質量(mol)を100物質量%(mol%)として、前記ベンゾフェノン化合物の含有量が、0.01~20物質量%(mol%)である、前記請求項1に記載の液体組成物。
【請求項3】
前記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物が、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2’,5-ジクロロ-2-ジヒドロキシベンゾフェノン、5-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4’-クロロ-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、又は2,4’-ジヒドロキシベンゾフェノンである、前記請求項1に記載の液体組成物。
【請求項4】
前記ヨード化合物が、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11の炭化水素系化合物である、前記請求項1に記載の液体組成物。
【請求項5】
前記ヨード化合物が、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン、1,1,1-トリフルオロ-4-ヨードブタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタン、ヘプタフルオロプロピルヨージド、ノナフルオロブチルヨージド、ウンデカフルオロペンチルヨージド、トリデカフルオロヘキシルヨージド、1-ヨードエタン、1-ヨードプロパン、1-ヨードブタン、1-ヨードペンタン、1-ヨードへキサン、1-ヨードへプタン、1-ヨードオクタン、1-ヨードノナン、1-ヨードデカン、1-ヨードドデカン、2-ヨードプロパン、1-ヨード-2-メチルプロパン、1-ヨード-2-メチルブタン、2-ヨード-2-メチルプロパン、2-ヨードブタン、ヨードシクロヘキサン、アリルヨージド、trans-1-ヨード-1-オクテン、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸メチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸エチル、ピバル酸ヨードメチル、ピバル酸ヨードエチル、cis-3-ヨードアクリル酸エチル、1-ヨード-1-プロピン、又は1-ヨード-1-ペンチンである、前記請求項1に記載の液体組成物。
【請求項6】
前記ヨード化合物が、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、又は1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパンである、前記請求項1に記載の液体組成物。
【請求項7】
ヨード化合物と、一般式(1)
【化2】
(式中、nは、1~4の整数を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を混合することを特徴とする、前記ヨード化合物の光安定化方法。
【請求項8】
前記請求項1に記載の液体組成物を含む噴射剤。
【請求項9】
前記請求項1に記載の液体組成物を有する冷却装置。
【請求項10】
前記請求項1に記載の液体組成物を含む洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学品として有用なヨード化合物を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ハロゲン化炭化水素は、冷媒、エアゾール噴射剤、発泡剤、熱伝導媒体、及び洗浄剤などとして様々な工業用途で用いられている。特にヨウ素原子を含むハロゲン化炭化水素系化合物(以下、「ヨード化合物」と称する)は、高い溶解性、高い蒸気密度、低い環境負荷性を有するため、その他のハロゲン化炭化水素系化合物とは一線を画す性能を有している。一方で、前記ヨード化合物は一般的に光や熱に弱く、又金属腐食性を有するため、前記ヨード化合物の合成、貯蔵、輸送、利活用に関しては様々な制限がある。このような背景から、前記ヨード化合物は、用途に応じて、しばしば安定剤が併用される。安定剤としてはジエン化合物(特許文献1)などが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-113332
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のジエン化合物とヨード化合物を含有する組成物(従来技術)は、光に対する安定性が十分ではない。このため、より光安定性の高いヨード化合物含有組成物が求められていた。
【0005】
本発明は、前記課題を解決し、従来公知のヨード化合物含有組成物よりも光安定性に優れるヨード化合物含有組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のベンゾフェノン化合物、及びヨード化合物を含む液体組成物が、従来技術に比べて高い光安定性を示すことを見いだし、本願発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下に示す液体組成物、及びその用途、並びにヨード化合物の光安定化方法に関する。
[1]
ヨード化合物と、一般式(1)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、nは、1~4の整数を表し、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を含むことを特徴とする、液体組成物。
[2]
前記ヨード化合物と前記ベンゾフェノン化合物の合計物質量(mol)を100物質量%(mol%)として、前記ベンゾフェノン化合物の含有量が、0.01~20物質量%(mol%)である、前記[1]に記載の液体組成物。
[3]
前記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物が、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2’,5-ジクロロ-2-ジヒドロキシベンゾフェノン、5-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4’-クロロ-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、又は2,4’-ジヒドロキシベンゾフェノンである、前記[1]又は[2]に記載の液体組成物。
[4]
前記ヨード化合物が、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11の炭化水素系化合物である、前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の液体組成物。
[5]
前記ヨード化合物が、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン、1,1,1-トリフルオロ-4-ヨードブタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタン、ヘプタフルオロプロピルヨージド、ノナフルオロブチルヨージド、ウンデカフルオロペンチルヨージド、トリデカフルオロヘキシルヨージド、1-ヨードエタン、1-ヨードプロパン、1-ヨードブタン、1-ヨードペンタン、1-ヨードへキサン、1-ヨードへプタン、1-ヨードオクタン、1-ヨードノナン、1-ヨードデカン、1-ヨードドデカン、2-ヨードプロパン、1-ヨード-2-メチルプロパン、1-ヨード-2-メチルブタン、2-ヨード-2-メチルプロパン、2-ヨードブタン、ヨードシクロヘキサン、アリルヨージド、trans-1-ヨード-1-オクテン、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸メチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸エチル、ピバル酸ヨードメチル、ピバル酸ヨードエチル、cis-3-ヨードアクリル酸エチル、1-ヨード-1-プロピン、又は1-ヨード-1-ペンチンである、前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の液体組成物。
[6]
前記ヨード化合物が、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、又は1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパンである、前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の液体組成物。
[7]
ヨード化合物と、一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、nは、1~4の整数を表し、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を混合することを特徴とする、前記ヨード化合物の光安定化方法。
[8]
前記[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の液体組成物を含む噴射剤。
[9]
前記[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の液体組成物を有する冷却装置。
[10]
前記[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の液体組成物を含む洗浄剤。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の液体組成物は、従来技術より優れた光安定性を有する。このため、当該液体組成物については、その生産現場、輸送現場、貯蔵現場、又は使用現場において、従来技術に比べて、長期間の安定保管や長期使用が可能になり、前記液体組成物を使用する設備の安定運転、及び廃棄物削減に資する効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願発明について具体的に説明する。
【0014】
本発明は、ヨード化合物と下記一般式(1)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、nは1~4の整数を表し、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。)
で表されるベンゾフェノン化合物を含むことを特徴とする液体組成物に関するものである。
【0017】
前記の液体組成物とは、常温常圧(25℃、101,325Pa)で液体状の組成物を表す。
【0018】
前記のヨード化合物は、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有する炭化水素系化合物であることが好ましく、特に限定するものではないが、例えば、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい炭化水素系化合物がより好ましく、その例として、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい炭化水素化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよいエステル化合物、又は少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよいエーテル化合物を挙げることができる。
【0019】
前記のヨード化合物は、直鎖状であってもよいし、環状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
【0020】
前記のヨード化合物は、ヨウ素以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。前記のヨウ素以外のハロゲン原子は、特に限定するものではないが、例えば、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子を挙げることができる。
【0021】
また、前記のヨード化合物については、産業上の利用価値が高い点で、全炭素数が2~11であるものが好ましく、全炭素数が2~6であるものがより好ましく、全炭素数が2~3のものがより好ましい。
【0022】
すなわち、前記のヨード化合物の好ましい例として、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11の炭化水素系化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~6の炭化水素系化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~3の炭化水素系化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11の炭化水素化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~6の炭化水素化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~3の炭化水素化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11のエステル化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~6のエステル化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~3のエステル化合物、
少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11のエーテル化合物、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~6のエーテル化合物、又は少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~3のエーテル化合物が挙げられる。
【0023】
なお、当該ヨード化合物については、常温液体であることが好ましい。
【0024】
上記の、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11の炭化水素化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ヨードエタン、1-フルオロ-1-ヨードエタン、1,1-ジフルオロ-1-ヨードエタン、1-フルオロ-2-ヨードエタン、1,2-ジフルオロ-2-ヨードエタン、1,2,2-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1-ジフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,2-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,2,2-テトラフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1,2-テトラフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-2-ヨードエタン、ヨードプロパン、1-フルオロ-3-ヨードプロパン、1-フルオロ-2-ヨードプロパン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン、2-ヨードプロパン、ヘプタフルオロ-1-ヨードプロパン、ヨードブタン、1-ヨード-2-メチルプロパン、1,1,1-トリフルオロ-4-ヨードブタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタン、2-ヨードブタン、2-ヨード-2-メチルプロパン、オクタフルオロ-1,4-ジヨードブタン、ノナフルオロ-1-ジヨードブタン、ヨードペンタン、ヨードヘキサン、ヨードヘプタン、ヨードオクタン、ヨードノナン、ヨードデカン、ヨードドデカン、ヨードシクロプロパン、ヨードシクロブタン、ヨードシクロペンタン、ヨードシクロヘキサン、ヨードシクロヘプタン、ヨードシクロオクタン、ヨードシクロノナン、ヨードシクロデカン、ヨードシクロドデカン、ヨードエテン、ヨードプロペン(例えば、アリルヨージド)、ヨードブテン、ヨードペンテン、ヨードヘキセン、ヨードヘプテン、ヨードオクテン、ヨードノネン、ヨードデケン、ヨードドデケン、ヨードシクロプロペン、ヨードシクロブテン、ヨードシクロペンテン、ヨードシクロヘキセン、ヨードシクロヘプテン、ヨードシクロオクテン、ヨードシクロノネン、ヨードシクロデケン、ヨードシクロドデケン、trans-1-ヨード-1-オクテン、ヨードエチン、ヨードプロピン(例えば、1-ヨード-1-プロピン)、ヨードブチン、ヨードペンチン(例えば、1-ヨード-1-ペンチン)、ヨードヘキシン、ヨードヘプチン、ヨードオクチン、ヨードノニン、ヨードデキン、又はヨードドデキン等が挙げられる。
【0025】
上記の、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11のエステル化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-ヨードプロピオン酸エチル、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸メチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸エチル、ピバル酸ヨードメチル、ピバル酸ヨードエチル、又はcis-3-ヨードアクリル酸エチル等が挙げられる。
【0026】
上記の、少なくとも一つのヨード基(ヨウ素原子)を有しヨウ素以外のハロゲン原子を有していてもよい全炭素数が2~11のエーテル化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ビス(2-ヨードエチル)エーテル、又は1-クロロ-2-(2-ヨードエトキシ)エタン等が挙げられる。
【0027】
本発明のヨード化合物については、より光安定性に優れる点で、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン、1,1,1-トリフルオロ-4-ヨードブタン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタン、ヘプタフルオロプロピルヨージド、ノナフルオロブチルヨージド、ウンデカフルオロペンチルヨージド、トリデカフルオロヘキシルヨージド、1-ヨードエタン、1-ヨードプロパン、1-ヨードブタン、1-ヨードペンタン、1-ヨードへキサン、1-ヨードへプタン、1-ヨードオクタン、1-ヨードノナン、1-ヨードデカン、1-ヨードドデカン、2-ヨードプロパン、1-ヨード-2-メチルプロパン、1-ヨード-2-メチルブタン、2-ヨード-2-メチルプロパン、2-ヨードブタン、ヨードシクロヘキサン、アリルヨージド、trans-1-ヨード-1-オクテン、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸エチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸メチル、2-ヨード-2-フェニル酢酸エチル、ピバル酸ヨードメチル、ピバル酸ヨードエチル、cis-3-ヨードアクリル酸エチル、1-ヨード-1-プロピン、又は1-ヨード-1-ペンチンであることが好ましく、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン、1,1,1-トリフルオロ-4-ヨードブタン、又は1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタンであることがより好ましく、1,1,1-トリフルオロ-2-ヨードエタン、又は1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパンであることがより好ましい。
【0028】
本発明において、前記のヨード化合物は、市販品をそのまま用いることもできるし、一般公知の有機合成化学反応を利用して製造したものを用いることもできる。一例として、例えば、1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパンの製造方法が、中国特許公開第102219636A号公報に開示されている。
【0029】
本発明の液体組成物は、上記の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物(以下、「化合物(1)」とも称する)を含むことを特徴とする。
【0030】
前記の一般式(1)において、nは、1~4の整数を表し、R及びRは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~8の炭化水素オキシ基、又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。
【0031】
前記のnについては、より光安定性に優れる点で、1、2、又は3であることが好ましく、1、又は2であることがより好ましい。
【0032】
なお、nが2であるとは、2つのR基が同じベンゼン環上に存在することを意味している。
【0033】
前記の一般式(1)におけるハロゲン原子については、特に限定するものではないが、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。
【0034】
前記の炭素数1~8の炭化水素オキシ基については、炭素数1~8の直鎖状、分枝鎖状、又は環状の炭化水素オキシ基を表し、限定するものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、フェニルオキシ基、ベンジルオキシ基、又はフェネチルオキシ基等を挙げることができる。
【0035】
前記の炭素数1~8の炭化水素基については、炭素数1~8の直鎖状、分枝鎖状、又は環状の炭化水素基であることが好ましく、限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基等を挙げることができる。
【0036】
前記の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2’,5-ジクロロ-2-ジヒドロキシベンゾフェノン、5-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4’-クロロ-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、又は2,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられ、ヨード化合物の光安定性がより改善される点で、2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、又は4’-クロロ-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾフェノンが好ましく、2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノンがより好ましい。
【0037】
本願発明において、一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物は、市販品をそのまま用いることもできるし、一般公知の有機合成化学反応を利用して製造したものを用いることもできる。一例として、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンの製造方法が、中国特許公開第112409149A号公報に開示されている。
【0038】
本発明の液体組成物において、前記の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物の含有量については、特に限定するものではないが、前記のヨード化合物と前記のベンゾフェノン化合物の合計物質量(mol)を100物質量%(mol%)として、0.01~20物質量%(mol%)であることが好ましく、0.1~10物質量%(mol%)であることがより好ましく、0.1~5物質量%(mol%)であることがより好ましい。
【0039】
本発明の液体組成物については、更に、一般に安定剤と呼ばれる化合物を含んでいてもよい(ただし、当該安定剤については、上記の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物を含まない)。当該安定剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、又はシアノアクリレート化合物等が挙げられる。
【0040】
前記ベンゾトリアゾール化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5-tert-ブチル2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-プロペニル)フェノール、又は2-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等が挙げられ、ヨード化合物の保存安定性が改善される点で、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
【0041】
前記トリアジン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、又はベモトリジノール等が挙げられる。
【0042】
前記シアノアクリレート化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸-2-エチルヘキシル等が挙げられる。
【0043】
本発明の液体組成物が前記の安定剤を含有する場合、その含有量については、特に限定するものではないが、当該安定剤を含有した状態の液体組成物全量を100物質量%(mol%)として、0.01~20物質量%(mol%)であることが好ましく、0.1~10物質量%(mol%)であることがより好ましく、0.1~5物質量%(mol%)であることがより好ましい。
【0044】
本発明の液体組成物の保管温度については、特に限定するものではないが、0~100℃であることが好ましく、20~50℃であることがより好ましい。
【0045】
本発明のヨード化合物は、さらに溶媒を含んでもよい。なお、当該溶媒については、前記のヨード化合物、前記のベンゾフェノン化合物、及び前記の安定剤を含まない。
【0046】
溶媒としては、-4~40℃の範囲で液体の状態が存在し得るものであることが好ましく、特に限定するものではないが、例えば、ブロモ化合物系溶媒、クロロ化合物系溶媒、フルオロ化合物系溶媒、エーテル化合物系溶媒、エポキシ化合物系溶媒、アミン化合物系溶媒等が挙げられる。
【0047】
前記ブロモ化合物系溶媒としては、特に限定するものではないが、ブロモエタン、ブロモプロパン、ブロモブタン、ブロモペンタン、又はブロモヘキサン等が挙げられる。
【0048】
これらのブロモ化合物系溶媒については、産業上の利用価値が高い点で、ブロモエタン、ブロモプロパン、及びブロモブタンからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、ブロモプロパン、又はブロモブタンであることより好ましい。
【0049】
前記クロロ化合物系溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、クロロエタン、クロロプロパン、クロロブタン、クロロペンタン、又はクロロヘキサン等が挙げられる。
【0050】
これらのクロロ化合物系溶媒については、産業上の利用価値が高い点で、クロロプロパン、又はクロロブタンであることが好ましい。
【0051】
前記フルオロ化合物系溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、又はトリス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0052】
これらのフルオロ化合物系溶媒については、産業上の利用価値が高い点で、トリフルオロメチルベンゼン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、及びトリス(トリフルオロメチル)ベンゼンからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、トリフルオロメチルベンゼン、又はビス(トリフルオロメチル)ベンゼンであることがより好ましい。
【0053】
前記エーテル化合物系溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、クロロメチルメチルエーテル、クロロメチルエチルエーテル、ブロモメチルメチルエーテル、ブロモメチルエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、又は1,2-ジメトキシプロパン等が挙げられる。
【0054】
これらのエーテル化合物系溶媒については、産業上の利用価値が高い点で、ブチルメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、又はブチルエチルエーテルであることが好ましい。
【0055】
前記エポキシ化合物系溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、1,2-ブチレンオキシド、1,2-エポキシペンタン、1,2-エポキシへキサン、1,2-エポキシヘプタン、エポキシシクロペンタン、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロヘプタン、3,4-エポキシテトラヒドロフラン、アリルグリシジルエーテル、又は1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0056】
これらエポキシ化合物系溶媒については、安全性が高いという点で、エポキシシクロペンタン、又はエポキシシクロヘキサンが好ましく、エポキシシクロペンタンがより好ましい。
【0057】
前記アミン化合物系溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、又はブチル(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)等が挙げられる。
【0058】
これらアミン化合物系溶媒については、融点が低いという点で、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル、又はセバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)が好ましい。
【0059】
本発明の液体組成物が前記の溶媒を含有する場合、その含有量については、特に限定するものではないが、前記の溶媒を含んだ状態の液体組成物全量を100物質量%(mol%)として、0.01~99物質量%(mol%)であることが好ましく、1~98物質量%(mol%)であることがより好ましく、50~98物質量%(mol%)であることがより好ましい。
【0060】
本発明の液体組成物は、後述の通り、従来公知の安定剤を含む組成物に比べて、高い安定性を示すという特徴を有し、その特徴を生かした用途での利用が期待される。本発明の液体組成物の用途としては、特に限定するものではないが、例えば、噴射剤(例えば、エアゾール噴射剤)、発泡剤、冷媒、消火剤、及び洗浄剤等が挙げられる。したがって、本発明の一態様として、前記の液体組成物を含む噴射剤、前記の液体組成物を含む発泡剤、又は前記の液体組成物を含む洗浄剤等を挙げることができる。
【0061】
本発明の液体組成物については、従来公知のヨード化合物又は当該ヨード化合物を含有する従来公知の組成物に比べて光安定性が高いという効果を奏する。すなわち、当該ヨード化合物は、上記の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物と混合されることによって光安定化されたと推測される。
【0062】
したがって、本発明は、その一態様として、ヨード化合物と一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物を混合することを特徴とする、前記ヨード化合物の光安定化方法を提供する。
【0063】
本発明の噴射剤は、上記の液体組成物を含むものであって、エアゾール噴射剤であることが好ましい。当該噴射剤は、物体(被噴射物)に噴きかけることによって使用することができ、被噴射物に対して、噴射剤に由来する有意な効果を付与することができる。
【0064】
前記の効果としては、特に限定するものではないが、例えば、被噴射物上の表面付着物の除去効果、殺菌効果、又は消毒効果等を挙げることができる。すなわち、上記の噴射剤は、洗浄剤、殺菌剤、消火剤、又は消毒剤として利用できる。
【0065】
前記の表面付着物としては、特に限定するものではないが、例えば、油汚れ、シミ、インク、ワックス、ほこり、又は微生物等が挙げられる。本発明の液体組成物は、加工油等の油脂成分の溶解性が優れることから、油脂成分を含む付着物の除去に用いることが好ましい。
【0066】
また、被噴射物の材質としては、特に限定するものではないが、例えば、金属、プラスチック、エラストマー、セラミックス、木材、ガラス、又はこれらの複合材料等を挙げることができる。
【0067】
前記噴射剤については、消火剤としても利用することができる。燃焼中の物体に前記噴射剤を噴きかけることによって、前記物体の燃焼を停止させることができる。
【0068】
上記の液体組成物については、低い蒸発潜熱を有することから、冷媒として使用することができる。すなわち、本発明の液体組成物は、冷媒として、高温物質を冷却する目的で幅広く用いることができる。すなわち、上記の液体組成物は、例えば、冷却装置、又は温度過昇防止装置に用いることができる。
【0069】
本発明の液体組成物が上記の噴射剤、発泡剤、冷媒、又は洗浄剤等として利用される際は、前記の液体組成物は、その用途に合わせて成分調整がなされることが好ましい。すなわち、前記の液体組成物を含む噴射剤、発泡剤、冷媒、又は洗浄剤については、それぞれの用途に一般的に利用される化合物(添加剤)が含まれていることが好ましい。
【実施例0070】
以下、本願発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本願発明は制限されるものではない。
<光安定性評価>
下記の実施例などで調製した液体組成物 10gを30ml容量のガラス試験管に投入し、さらに、鉄片(1cm×1cm×0.1cm)を投入し、前記液体組成物中に浸漬させた。温度25℃の条件下、1SUN(1000W/m)の光を照射した。前記鉄片が腐食(遊離ヨウ素による鉄腐食)し始めるまでに要した光照射時間を測定した。
【0071】
実施例1-1
1,1,1-トリフルオロ-3-ヨードプロパン(以下、「TFIP」と記載する)と2-ヒドロキシ-4-メチルベンゾフェノン(以下、「HMBP」と記載する)を混合し、TFIP(濃度95mol%)及びHMBP(濃度5mol%)の液体組成物を得た。当該液体組成物を用いて、上記の光安定性評価を行った。240時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0072】
実施例1-2
実施例1-1において、HMBPの代わりに、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。120時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0073】
実施例1-3
実施例1-1において、HMBPの代わりに、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノンを用いた以外においては実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。120時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0074】
実施例1-4
実施例1-1において、HMBPの代わりに、2-ヒドロキシベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。120時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0075】
実施例1-5
実施例1-1において、HMBPの代わりに、2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。36時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0076】
実施例1-6
実施例1-1において、HMBPの代わりに、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0077】
実施例1-7
実施例1-1において、HMBPの代わりに、2’,5-ジクロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0078】
実施例1-8
実施例1-1において、HMBPの代わりに、5-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。60時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0079】
実施例1-9
実施例1-1において、HMBPの代わりに、4’-クロロ-5-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。120時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0080】
比較例1-1
実施例1-1において、TFIP及びHMBPの液体組成物の代わりに、TFIP(濃度100mol%)の液を用いた以外においては実施例1-1と同様の操作及び評価を実施した。5時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0081】
比較例1-2
実施例1-1において、HMBPの代わりに、ジブチルヒドロキシトルエンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。5時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0082】
比較例1-3
実施例1-1において、HMBPの代わりに、2’-ヒドロキシ-4’-メチルアセトフェノンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。5時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0083】
比較例1-4
実施例1-1において、HMBPの代わりに、イソプレンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0084】
比較例1-5
実施例1-1において、HMBPの代わりに、ミルセンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0085】
比較例1-6
実施例1-1において、HMBPの代わりに、ファルネソールを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0086】
【表1】
【0087】
実施例1-10
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1,1,1-トリフルオロヨードエタン(以下、「TFIE」と記載する)を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0088】
実施例1-11
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1,1,1,2,2-ペンタフルオロ-4-ヨードブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。240時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0089】
実施例1-12
実施例1-1において、TFIPの代わりに、ペンタフルオロプロピルヨージドを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0090】
実施例1-13
実施例1-1において、TFIPの代わりに、ノナフルオロブチルヨージド(を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0091】
実施例1-14
実施例1-1において、TFIPの代わりに、ウンデカフルオロペンチルヨージドを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0092】
実施例1-15
実施例1-1において、TFIPの代わりに、トリデカフルオロヘキシルヨージドを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0093】
実施例1-16
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードエタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0094】
実施例1-17
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0095】
実施例1-18
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。140時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0096】
実施例1-19
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードペンタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。140時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0097】
実施例1-20
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードヘキサンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。160時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0098】
実施例1-21
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードオクタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。200時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0099】
実施例1-22
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードノナンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。200時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0100】
実施例1-23
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨードドデカンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。200時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0101】
実施例1-24
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨード-2-メチルプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0102】
実施例1-25
実施例1-1において、TFIPの代わりに、2-ヨードプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0103】
実施例1-26
実施例1-1において、TFIPの代わりに、2-ヨードブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0104】
実施例1-27
実施例1-1において、TFIPの代わりに、ヨードシクロヘキサンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。48時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0105】
実施例1-28
実施例1-1において、TFIPの代わりに、2-ヨード-2-メチルプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。12時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0106】
実施例1-29
実施例1-1において、TFIPの代わりに、アリルヨージドを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0107】
実施例1-30
実施例1-1において、TFIPの代わりに、cis-3-ヨードアクリル酸エチルを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0108】
実施例1-31
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨード-1-プロピンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0109】
実施例1-32
実施例1-1において、TFIPの代わりに、1-ヨード-1-ペンチンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0110】
実施例1-33
実施例1-1において、TFIPの代わりに、2-ヨード-2-メチルプロピオン酸エチルを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。12時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0111】
実施例1-34
実施例1-1において、TFIPの代わりに、2-ヨード-2-フェニル酢酸エチルを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。36時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0112】
実施例1-35
実施例1-1において、TFIPの代わりに、ピバル酸ヨードメチルを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。36時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0113】
比較例1-7~1-32
実施例1-10~1-35において、HMPBを添加しないこと以外においては、実施例1-10~1-35と同様の操作及び評価を実施した。
【0114】
【表2】
【0115】

実施例1-36
実施例1-1において、HMBP(濃度5mol%)の代わりに、HMBP(濃度0.1mol%)を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。24時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0116】
実施例1-37
実施例1-1において、HMBP(濃度5mol%)の代わりに、HMBP(濃度0.5mol%)を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。36時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0117】
実施例1-38
実施例1-1において、HMBP(濃度5mol%)の代わりに、HMBP(濃度1mol%)を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0118】
実施例1-39
実施例1-1において、HMBP(濃度5mol%)の代わりに、HMBP(濃度10mol%)を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。1か月以上経過しても鉄片の腐食は観察されなかった。
【0119】
実施例1-40
実施例1-1において、温度を25℃とした代わりに、温度を50℃とした以外においては同様の操作及び評価を実施した。80時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0120】
【表3】
【0121】
実施例1-41
TFIPとHMBPと1-ブロモプロパンを混合し、TFIP(濃度4.75mol%)、HMBP(濃度0.25mol%)及び1-ブロモプロパン(濃度95mol%)の液体組成物を得た。当該液体組成物を用いて、上記の光安定性評価を行った。430時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0122】
実施例1-42
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、2-ブロモプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。430時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0123】
実施例1-43
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1-ブロモブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。420時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0124】
実施例1-44
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、2-ブロモブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。420時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0125】
実施例1-45
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1-ブロモ-2-メチルプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。430時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0126】
実施例1-46
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、2-ブロモ-2-メチルプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。410時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0127】
実施例1-47
実施例1-41において、TFIPの代わりに、TFIEを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。340時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0128】
実施例1-48
実施例1-42において、TFIPの代わりに、TFIEを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。330時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0129】
実施例1-49
実施例1-43において、TFIPの代わりに、TFIEを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。320時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0130】
実施例1-50
実施例1-44において、TFIPの代わりに、TFIEを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。320時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0131】
実施例1-51
実施例1-45において、TFIPの代わりに、TFIEを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。330時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0132】
実施例1-52
実施例1-46において、TFIPの代わりに、TFIEを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。300時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0133】
実施例1-53
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1-クロロプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。430時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0134】
実施例1-54
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、2-クロロプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。440時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0135】
実施例1-55
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1-クロロブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。450時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0136】
実施例1-56
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、2-クロロブタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。440時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0137】
実施例1-57
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1-クロロ-2-メチルプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。430時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0138】
実施例1-58
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、2-クロロ-2-メチルプロパンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。440時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0139】
実施例1-59
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、フルオロベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。450時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0140】
実施例1-60
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-ジフルオロベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。460時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0141】
実施例1-61
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,3-ジフルオロベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。450時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0142】
実施例1-62
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,4-ジフルオロベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。430時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0143】
実施例1-63
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、トリフルオロメチルベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。480時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0144】
実施例1-64
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。510時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0145】
実施例1-65
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。500時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0146】
実施例1-66
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。510時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0147】
実施例1-67
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。530時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0148】
実施例1-68
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-エポキシペンタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。510時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0149】
実施例1-69
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-エポキシヘキサンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。520時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0150】
実施例1-70
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-エポキシシクロペンタンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。520時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0151】
実施例1-71
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-エポキシシクロヘキサンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。520時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0152】
実施例1-72
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。550時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0153】
実施例1-73
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。550時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0154】
実施例1-74
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。550時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0155】
比較例1-75
実施例1-41において、1-ブロモプロパンの代わりに、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)を用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。610時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0156】
比較例1-33~1-67
実施例1-41~1-75において、HMBPを添加しないこと以外においては同様の操作及び評価を実施した。
【0157】
【表4】
【0158】
<遮光下における安定性評価>
下記の実施例などで調製した液体組成物 10gを30ml容量のガラス試験管に投入し、さらに、鉄片(1cm×1cm×0.1cm)を投入し、前記液体組成物中に浸漬させた。温度40℃の条件下、遮光条件下で保管し、鉄片の腐食挙動を観察した。前記鉄片が腐食し始めるまでに要した保管時間を測定した。
【0159】
実施例2-1
TFIEとHMBPを混合し、TFIE(濃度95mol%)及びHMBP(濃度5mol%)の液体組成物を得た。当該液体組成物を用いて、上記の遮光下安定性評価を行った。1か月以上保管しても、鉄片の腐食は観察されなかった。
【0160】
比較例2-1
実施例2-1において、HMBPを添加しないこと以外においては同様の操作及び評価を実施した。12時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0161】
比較例2-2
実施例2-1において、HMBPの代わりに、イソプレンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。72時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0162】
比較例2-3
実施例2-1において、HMBPの代わりに、ミルセンを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。72時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0163】
比較例2-4
実施例2-1において、HMBPの代わりに、ファルネソールを用いた以外においては同様の操作及び評価を実施した。72時間経過後、鉄片が腐食し始めた。
【0164】
【表5】
【0165】
上記の表5より、本願発明の組成物は、遮光条件下であっても、従来公知の組成物に比べて極めて高い安定性を示すという顕著な効果が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本願発明の液体組成物は、高い環境安定性(耐光性、耐熱)を有するため、エアゾール噴射剤、発泡剤、冷媒、及び洗浄剤などの様々な工業用途において利用価値の高い組成物を提供することができる。